(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】炭素エアロゲル系リチウム金属アノード材料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/134 20100101AFI20231213BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20231213BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20231213BHJP
H01M 4/1395 20100101ALI20231213BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20231213BHJP
C01B 32/05 20170101ALI20231213BHJP
【FI】
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M4/62 Z
H01M4/1395
H01M4/587
C01B32/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535512
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021062686
(87)【国際公開番号】W WO2022125825
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506229844
【氏名又は名称】アスペン エアロゲルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス エー.ザフィロポーロス
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ エル.グールド
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ エルチャック
【テーマコード(参考)】
4G146
5H050
【Fターム(参考)】
4G146AC01A
4G146AC04A
4G146AC06A
4G146AC19A
4G146AC20A
4G146BA01
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4G146CB21
4G146CB34
5H050AA08
5H050BA16
5H050CA01
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5H050HA05
5H050HA06
5H050HA07
5H050HA09
5H050HA17
5H050HA19
(57)【要約】
本開示は、細孔構造を有するナノ多孔質炭素材料と、ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属と、を有するシステムを考察する。本開示の考察は、少なくとも1つのアノード、少なくとも1つのカソード、及びリチウムイオンを含む電解質を含む電気エネルギー貯蔵デバイスを含み、電気エネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも50%の第1サイクル効率及び少なくとも150mAh/gの可逆容量を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
細孔構造を有するナノ多孔質炭素材料と、
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属と、
を含む、システム。
【請求項2】
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設された前記リチウム金属が、前記リチウム金属に電気的に接続されたナノ多孔質炭素材料の層を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属上にコーティングされており、かつ前記金属とセパレータとの間に配置された、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属に結合されたモノリスである、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
システムであって、
ナノ多孔質炭素材料であって、
フィブリル形態及び細孔の配列を含む細孔構造であって、前記細孔の配列がリチウム金属を取り囲んでいる、前記細孔構造を含む、前記ナノ多孔質炭素材料を含む、システム。
【請求項7】
前記リチウム金属が、前記ナノ多孔質炭素材料上にめっきされている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記リチウム金属が、前記ナノ多孔質炭素材料の前記細孔構造に溶融注入された、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記ナノ多孔質炭素材料が、モノリスである、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記ナノ多孔質炭素材料が、1つ以上のドーパントを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のドーパントが、金、銀、亜鉛、マグネシウム、プラチナ、及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のドーパントが、電気化学的に活性な種を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ナノ多孔質炭素材料が、炭素エアロゲルを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記炭素エアロゲルが、ポリイミド誘導炭素エアロゲルを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記細孔が、前記リチウム金属の周りに、相互接続された構造を形成し、
前記リチウム金属と、前記リチウム金属を取り囲んでいる各細孔の細孔壁とが、複数の接続点によって相互接続されている、請求項6~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも0.3cc/gの細孔体積を有する、請求項1~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記ナノ多孔質炭素材料が、約10%~約90%の多孔率を有する、請求項1~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記ナノ多孔質炭素材料が、約500mAh/g~約3000mAh/gの容量を有する、請求項1~18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも約1S/cmの導電性を有する、請求項1~19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記細孔構造が、約50nm以下の細孔径分布半値全幅を含む、請求項1~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記細孔構造が、分布の最大ピークにおける約100nm以下の細孔径を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記ナノ多孔質炭素材料の前記フィブリル形態の平均ストラット幅が、約2nm~約10nmの範囲である、請求項6~22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記システムが、エネルギー貯蔵システムである、請求項1~23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記エネルギー貯蔵システムが、電池である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
エネルギー貯蔵システム内の界面において電流を制御する方法であって、
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することを含む、前記方法。
【請求項27】
前記ナノ多孔質炭素材料が、炭素エアロゲルである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、前記ナノ多孔質炭素材料内の空隙の少なくとも一部分を前記リチウム金属で充填することを含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することを含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項30】
ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することが、前記ナノ多孔質炭素材料を前記リチウム金属上にコーティングすることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属に結合されたモノリスである、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、流体を前記ナノ多孔質炭素材料の前記空隙に浸透させることを含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項34】
電気エネルギー貯蔵デバイスであって、
a)請求項1または請求項6に記載のシステムを含む少なくとも1つのアノードと、
b)少なくとも1つのカソードと、
c)リチウムイオンを含む電解質と、
を含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、少なくとも50%の第1サイクル効率及び少なくとも150mAh/gの可逆容量を有する、前記電気エネルギー貯蔵デバイス。
【請求項35】
前記少なくとも1つのカソードが、変換カソードまたはインターカレーションカソードである、請求項34に記載の電気エネルギー貯蔵デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月11日に出願された米国仮特許出願第63/124,305号及び2021年12月9日に出願された米国特許出願第17/546,659号の利益及び優先権を主張し、これら両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ナノ多孔質炭素系材料に関する。より具体的には、この技術は、例えば、リチウムイオン電池内の電極材料として、電気化学反応を含む環境における使用に好適な炭素エアロゲルに関する。
【背景技術】
【0003】
エアロゲルは、マイクロサイズ及びメソサイズの細孔の高多孔質網目を含む固体材料である。使用される前駆体材料及び実施される処理に応じて、エアロゲルの密度が約0.05g/ccであるとき、エアロゲルの細孔は、体積の90%以上を占めることができる。エアロゲルは、最小限の、または収縮のないゲルが、その表面における毛細管力によってもたらされ得る様式で、ゲル(その溶媒を含む固体の網目)から溶媒を除去することによって調製され得る。溶媒除去の方法としては、限定されるものではないが、超臨界乾燥(または超臨界流体の低表面張力がゲル内の過渡溶媒と交換するような、超臨界流体を使用する乾燥)、超臨界流体と溶媒の交換、後に超臨界状態に変換される流体と溶媒の交換、亜臨界乾燥または近臨界乾燥、及び凍結乾燥プロセスにおける凍結溶媒の昇華が挙げられる。
【0004】
周囲条件内で乾燥するとき、ゲルの収縮が溶媒蒸発を伴って起こり得、キセロゲルが形成され得る。したがって、ゾルゲルプロセスまたは他の重合プロセスによるエアロゲル調製は、以下の一連のステップ:溶媒中の溶質の溶解、ゾル/溶液/混合物の形成、ゲルの形成(追加の架橋を伴い得る)、及び超臨界乾燥技術または制御された細孔崩壊でゲルから溶媒を除去する任意の他の方法のいずれかによる溶媒除去で進めることができる。
【0005】
エアロゲルは、無機材料及び/または有機材料で形成することができる。フェノール、レゾルシノール-ホルムアルデヒド(RF)、フロログルシノールフルフラルアルデヒド(PF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリウレタン(PU)、ポリブタジエン、ポリジシクロペンタジエン、及びその前駆体またはポリマー誘導体などの有機材料から形成されるとき、例えば、エアロゲルは、(例えば、熱分解によって)炭化されて、炭素エアロゲルを形成し得る。
【発明の概要】
【0006】
炭素エアロゲルは、使用される前駆体材料及び方法論に応じて、互いに異なるか、または重複する特性(例えば、細孔体積、細孔径分布、形態など)を有することができる。炭素エアロゲルの全ての場合において、材料及び用途に基づく特定の欠陥、例えば、低い細孔体積、広範囲の細孔径分布、低い機械的強度などがある。本開示は、高エネルギー電池のためのリチウム金属アノードなどの、エネルギー貯蔵デバイスにおける用途のための性能の向上を伴う電極材料として炭素エアロゲルを使用する。
【0007】
リチウム金属アノードは、リチウム電池のエネルギー密度を増加させるために使用することができる。アノード材料として、リチウム金属は、リチウムの高い理論比容量(3,860mAh/g)、低原子量、及び最低の電気化学的電位に基づいて、魅力的な選択肢である。リチウム金属アノードは、固体を含むリチウムイオンを超えた次世代リチウム電池の候補である。現在の最先端の商用Liイオン電池技術は、約250Wh/kgの比エネルギーを提供することができる。アノード開発などのLiイオン電池の開発により、Liイオン電池の比エネルギーが増加し得る。理論に束縛されることを望むものではないが、Liイオン電池の既存のアノードをリチウム金属に確実に置き換えることによって、比エネルギーは、ほぼ倍増させることができる。さらにいくと、Li硫黄及びLi空気を含む高度なカソードと組み合わせるとき、1000Wh/kgの高い比エネルギーが可能になる。しかしながら、実行可能な技術になるためには、特にサイクル寿命及び安全性に関して、リチウム金属アノードでいくつかの課題に取り組む必要がある。
【0008】
これらの課題には、デンドライト状リチウム堆積及び死リチウムが挙げられ、これは最終的に低いサイクル性及び低いクーロン効率につながる。追加の課題には、サイクル中の大きい寸法変化、ならびに高い製造コスト、薄いリチウム箔の低収率が挙げられる。これらの課題は、サイクル寿命の低下及びセルのショートのリスクの増加に寄与する。
【0009】
リチウムデンドライト成長は、リチウム金属とセパレータとの間の界面空間で生じる。持続的なリチウムデンドライト成長は、最終的にセパレータを貫通する。カソードと接触すると、内部短絡が発生する可能性があり、熱暴走事象及び爆発の危険性に潜在的につながる可能性がある。リチウム金属はまた、有機電解質及びリチウム塩に反応して、不安定な固体電解質間相(SEI)層を形成する。充電及び放電中に繰り返される体積膨張ならびに収縮と併せた安定性の欠如は、追加の電解質及びリチウム塩の継続的かつ急速な消費、最終的にはクーロン効率及び短いサイクル寿命につながる。
【0010】
充電中のデンドライトの形成(または多くの場合「めっき」と称される)に関する主要な理論は、SEIに沿って存在する不均一なLiイオン伝導性が、めっき中の新しいリチウムのランダムな核生成につながるということである。この界面において核生成事象または複数の事象が発生すると、リチウム核生成は、自己増強し、局所的に集中したより高い電場を創出する。リチウム核生成は、より多くのリチウムイオンを引き付け、最終的にセパレータを貫通することができるデンドライトを形成する。クーロン効率の低下の主な要因のうちの1つは、放電中に小さいリチウム堆積物がアノードから分離し、SEI層内で単離されることである。単離されたリチウムは、本質的に「死んで」おり、電池を通して循環することはできない。
【0011】
めっき中の新しいリチウムのランダムな核形成に対処するために、本開示は、例えば、リチウムに対するホストとして、(ポリイミド誘導の炭素エアロゲルなどの)炭素エアロゲルを使用する。炭素エアロゲルは、相互接続された炭素ナノロッドの3Dアーキテクチャを提供し、3Dアーキテクチャの骨格内で相互接続された細孔の網目を提供し、そのサイズ分布は狭く、調整可能である。この3Dアーキテクチャは、炭素エアロゲル表面上のリチウムの均一なめっきの形成を促進することに役立つ。多孔率は、デンドライトを形成することができず、リチウム堆積物が放電中にアノードから分離し、SEIによって単離され得ないようなサイズの細孔を提供するように調整可能である。炭素エアロゲルはまた、充電/放電サイクル中にLi+イオンフラックス及び電界を調節することによってリチウムデンドライトの成長を抑制する、制御されたリチウム拡散界面として作用することができる。
【0012】
本開示は、本明細書において特定された問題及び欠陥のうちの1つ以上に対処し得る。しかしながら、本開示は、いくつかの技術分野における他の問題及び欠陥に対処することに有用であり得ることが企図される。したがって、特許請求される主題は、必ずしも本明細書で考察される特定の問題または欠陥のいずれかに対処することに限定されると解釈されるべきではない。
【0013】
一態様では、システムは、細孔構造を有するナノ多孔質炭素材料と、ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属と、を含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属は、リチウム金属に電気的に接続され、リチウム金属とセパレータとの間に配置されたナノ多孔質炭素材料の層を含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料の層は、リチウム金属上にコーティングされ、リチウム金属とセパレータとの間に配置される。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、微粒子形態である。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料の層は、リチウム金属に結合され、リチウム金属とセパレータとの間に配置されたモノリスである。別の態様では、システムは、フィブリル形態及び細孔の配列を含む細孔構造を含むナノ多孔質炭素材料を含み、細孔の配列は、リチウム金属を取り囲んでいる。いくつかの実施形態では、リチウム金属は、ナノ多孔質炭素材料上にめっきされる。いくつかの実施形態では、リチウム金属は、ナノ多孔質炭素材料の細孔構造に溶融注入される。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、微粒子形態である。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、モノリスである。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、電気化学的に活性な種などのドーパントを含むことができる。いくつかの実施形態では、ドーパントが添加されて、消火または体積膨張などの追加の材料特性をエアロゲルに提供する。いくつかの実施形態では、ドーパントは、リチウム中の溶解材料(例えば、金、銀、亜鉛、マグネシウム、白金、及びアルミニウム)、リチウム中の非溶解材料(例えば、シリコン及びスズ)、ならびにリチウムとの非合金材料(例えば、銅及びニッケル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素は、グラフェン、酸化グラフェン、黒鉛、単層炭素ナノチューブ、多層炭素ナノチューブを含む、導電性をさらに増強するための追加のドーパントを含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、本明細書において説明されるドーパントのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、炭素エアロゲルを含む。いくつかの実施形態では、炭素エアロゲルは、ポリイミド誘導炭素エアロゲルを含む。いくつかの実施形態では、細孔は、リチウム金属の周りに相互接続された構造を形成し、リチウム金属と、リチウム金属を取り囲んでいる各細孔の細孔壁とが、複数の接続点によって接続される。
【0014】
いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、少なくとも0.3cc/gの細孔体積を有する。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、約10%~約90%の多孔率を有する。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、約500mAh/g~約3000mAh/g、約500mAh/g~約2500mAh/g、約500mAh/g~約2000mAh/gの容量を有する。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、少なくとも約1S/cmの導電性を有する。いくつかの実施形態では、細孔構造は、約50nm以下の細孔径分布半値全幅を含む。いくつかの実施形態では、細孔構造は、分布の最大ピークに約100nm以下の細孔径を含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料のフィブリル形態の平均ストラット幅は、約2nm~約30nm、約2nm~約20nm、約2nm~約10nmの範囲である。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、モノリスであり得る。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、粉末であり得る。いくつかの実施形態では、システムは、エネルギー貯蔵システムである。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵システムは、電池である。
【0015】
別の態様では、エネルギー貯蔵システム内の界面において電流を制御する方法は、ナノ多孔質炭素材料に隣接するリチウム金属を配設することを含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、炭素エアロゲルである。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料に隣接するリチウム金属を配設することは、ナノ多孔質炭素材料内の空隙の少なくとも一部分をリチウム金属で充填することを含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料に隣接するリチウム金属を配設することは、ナノ多孔質炭素材料の層をリチウム金属に電気的に接続することを含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料の層をリチウム金属に電気的に接続することは、ナノ多孔質炭素材料をリチウム金属上にコーティングすることを含む。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料は、微粒子形態である。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料の層は、リチウム金属に結合されたモノリスである。いくつかの実施形態では、ナノ多孔質炭素材料に隣接するリチウム金属を配設することは、流体をナノ多孔質炭素材料の空隙に浸透させることを含む。
【0016】
別の態様では、電気エネルギー貯蔵デバイスは、a)請求項1または請求項6に記載のシステムを含む少なくとも1つのアノード、b)少なくとも1つのカソード、及びc)リチウムイオンを含む電解質を含み、電気エネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも50%の第1サイクル効率及び少なくとも150mAh/gの可逆容量を有する。いくつかの実施形態では、アノードは、固体システムにおいて使用される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのカソードは、リチウム硫黄電池のための硫黄及びリチウム空気電池のための酸素/空気などの変換カソード、及び/またはリン酸塩及び遷移金属酸化物などのインターカレーションカソードである。
【0017】
本技術は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、エネルギー貯蔵用途内で使用するための炭素エアロゲルの形成を例解するフロー図である。
【
図2】
図2は、リチウム金属の表面におけるデンドライト状成長の一例を表示する。
【
図3】
図3は、本開示の一態様による、Li足場複合体の設計の概略図を表示する。
【
図4】
図4のA、B及びCは、Siコーティングなしの様々な多孔質材料(例えば、炭素骨格、金属発泡体)のリチウム湿潤特性を表示する。
【
図5】
図5のA、B及びCは、Siコーティングを伴う様々な多孔質材料(例えば、Siコーティングされた炭素骨格、Siコーティングされた金属発泡体)のリチウム湿潤特性を表示する。
【
図6】
図6のA、B、C及びDは、疎リチオ性材料に関するリチウム溶融注入プロセスのタイムラプス画像を表示する。画像は、溶融Liとの接触0秒後(
図6A)、3秒後(
図6B)、6秒後(
図6C)及び9秒後(
図6D)に撮影された。
【
図7】
図7のA、B、C及びDは、親リチオ性材料のリチウム溶融注入プロセスのタイムラプス画像を表示する。画像は、溶融Liとの接触0秒後(
図7A)、3秒後(
図7B)、6秒後(
図7C)及び9秒後(
図7D)に撮影された。
【発明を実施するための形態】
【0019】
高エネルギー密度のエネルギー貯蔵システムに対する需要の高まりにより、次世代のリチウム電池におけるアノードとしてLi金属を使用する試みが復活している。電池産業用の関連する厚さで生成されたLi箔は、低い収率及び機械的不良に起因して現在桁違いに高価である。Li箔が事前に接続された炭素ホスト網目に溶融注入され得るため、Liを一括して調達及び使用することは、Li箔と比較してコストにおいて実質的に低くなり得る。
【0020】
加えて、むき出しのLiは、充電及び放電中に著しい厚さ変化を経験し、これはセルの設計及び動作に問題を起こす。リチウムデンドライトは、不均一な電気化学的堆積に起因して、箔表面において成長することができる。追加のサイクルは、デンドライトの最終的な単離及び断片化につながり、これは根本的に利用可能なLiを消費し、クーロン効率を低減させる。対照的に、炭素エアロゲルは、有益な機械的特性及び細孔形態に起因して、サイクル中に優れた界面安定性を提供し、これにより、動作中に構造が一定の厚さを維持することを可能にし得る。
【0021】
リチウム金属電池内の電極の構成要素としての炭素エアロゲルの使用は、負極にわたって、電圧ヒステリシス-電流密度、界面特性、及び電荷伝達抵抗によって判定されるリチウム剥離ならびにめっきの電圧差を均質化することに役立ち得る。例えば、炭素エアロゲルのナノフィブリル構造及びその狭いナノスケールの細孔径分布は、電極全体の電圧ヒステリシスを均質化することができる。炭素エアロゲルの形態及び幾何学形状、例えば、ナノ多孔率及び狭い細孔径分布は、デンドライトの形成及び伝播を低減することができるリチウム堆積のための均一な表面を提供する。
【0022】
いくつかの実施例では、リチウム金属は、デンドライトまたは苔状構造を形成することなく、充電中に炭素エアロゲルホスト内に均質に堆積することができる。炭素エアロゲルホストの高い導電性は、リチウム化及び脱リチウム化のための過剰電位を低下させ、高電流密度でもリチウムの滑らかな堆積につながり、最終的に容量を維持し、高いクーロン効率を維持することができる。
【0023】
本開示の詳細な説明では、その一部を形成し、本発明が実施され得る具体的な実施形態の例解として示される添付の図面を参照する。他の実施形態が利用され得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造変更が行われ得ることを理解されたい。
【0024】
本明細書及び添付の特許請求の範囲内で使用される際、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、内容が明示的に別様に規定しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「または」という用語は、概して、文脈が明示的に別様に規定しない限り、「及び/または」を含む意味で用いられる。
【0025】
本明細書において使用される際、「約」は、およそまたはほぼを意味し、記載される数値または範囲の文脈では、数値の±15%を意味する。一実施形態では、「約」という用語は、数値の有効数字により、従来の丸めを含むことができる。加えて、「約‘x’‘y’」という語句は、「約‘x’約‘y’」を含む。
【0026】
本開示の文脈内では、「エアロゲル」または「エアロゲル材料」という用語は、相互接続された構造の骨格を含み、骨格内に統合された相互接続された細孔の対応する網目を有し、分散した間質媒体として空気などのガスを含むゲルを表し、エアロゲルに帰属する以下の物理的及び構造的特性(窒素ポロシメトリ試験による):(a)約2nm~約100nmの範囲の平均細孔径、(b)少なくとも80%以上の多孔率、及び(c)約20m2/g以上の表面積を特徴とする。補強材料または電気化学的に活性な種などの添加剤の含有が、得られるエアロゲル複合体の多孔率を減少させ得ることを理解されたい。高密度化はまた、得られるエアロゲル複合体の多孔率を減少させ得る。
【0027】
それゆえ、本開示のエアロゲル材料は、本明細書に記載の定義要素を満たす、任意のエアロゲルまたは他のオープンセル化合物を含み、別様に、キセロゲル、クリオゲル、アンビゲル、微孔性材料などとして分類することができる化合物を含む。
【0028】
本開示の文脈内では、「骨格」または「骨格構造」という用語は、ゲルまたはエアロゲルの固体構造を形成する、相互接続されたオリゴマー、ポリマー、またはコロイド粒子の網目を表す。骨格構造を構成するポリマーまたは粒子は、約100オングストロームの直径を有することができる。しかしながら、本開示の骨格構造はまた、ゲルまたはエアロゲル内で固体構造を形成する、相互接続されたオリゴマー、ポリマー、またはコロイド粒子の全ての直径サイズの網目を含むことができる。
【0029】
本開示の文脈内では、「ドーパント」という用語は、ナノ多孔質炭素材料において具体的な特性及び技術的効果(電気化学的特性など)を有する材料を表す。ドーパントは、ナノ多孔質炭素材料全体に分散され得る。いくつかの場合では、ナノ多孔質炭素材料は、充電中にLiのめっきを核形成するための要素(例えば、ドーピング要素=Au、Siなど、または最終複合体の導電性をさらに増加させるための炭素ナノチューブ(CNT)、MWCNT、グラフェンもしくは任意の追加の添加剤などの要素)でドープすることができる。ドーピング要素は、ナノ多孔質炭素材料の合成中、ナノ多孔質炭素材料の合成後、またはナノ多孔質炭素材料の合成前に、ナノ多孔質炭素材料に添加することができる(例えば、ドーピング要素は、ナノ多孔質炭素材料の前駆体材料に添加することができる)。
【0030】
本開示の文脈内では、「エアロゲル組成物」という用語は、複合材料の構成要素としてエアロゲル材料を含む任意の複合材料を表す。エアロゲル組成物の例としては、限定されるものではないが、繊維強化エアロゲル複合体、エアロゲル系電極組成物;乳白剤及び電気化学的に活性な種などの添加剤要素を含むエアロゲル複合体;エアロゲル発泡体複合体;エアロゲルポリマー複合体;エアロゲル微粒子、粒子、顆粒、ビーズ、または粉末を、結合剤、樹脂、セメント、発泡体、ポリマーなどの固体もしくは半固体材料、または類似の固体材料に組み込む複合材料が挙げられる。
【0031】
エアロゲル組成物は、炭素エアロゲル、及び炭素エアロゲル内に含まれる、炭素エアロゲルによって含まれる1つ以上の他の成分である複合材料を含む。他の成分としては、本明細書に説明されるようなドーパント、ナノファイバ、充填剤、無機固体、ポリマー、コーティング、金属などが挙げられ得る。
【0032】
本開示の文脈内では、「強化エアロゲル組成物」という用語は、エアロゲル材料内の強化相を含むエアロゲル組成物を表し、これはエアロゲル骨格の一部ではないか、またはエアロゲル骨格に共有結合するように改質することができる。補強相は、エアロゲル材料に増加した柔軟性、弾性、適合性、または構造的安定性を提供する任意の材料であり得る。既知の補強材料の例としては、限定するものではないが、オープンセル発泡体補強材料、クローズドセル発泡体補強材料、オープンセル膜、ハニカム補強材料、ポリマー補強材料、ならびに離散繊維、織布材料、不織布材料、バッティング、ウェブ、マット、及びフェルトなどの繊維補強材料が挙げられる。追加的に、補強剤は、他の補強材料のうちの1つ以上と組み合わわれ得、組成物の全体にわたって、または限定された好ましい部分で連続的に配向することができる。いくつかの実施形態では、エアロゲル材料及び/またはエアロゲル骨格がそれ自体において構造的に安定している(すなわち、自己持続可能である)場合、補強相は、まったく使用しなくてもよい。この仕様が継続すると、特定の炭素エアロゲルのこの自己持続可能な性質がより明確になるであろう。
【0033】
本開示の文脈内では、「湿式ゲル」という用語は、相互接続された細孔の網目内の移動間隙相が、従来の溶媒などの液相、液体二酸化炭素などの液化ガス、またはこれらの組み合わせから主に構成されるゲルを表す。エアロゲルは、ゲル内の移動間隙液相を空気または他のガスに置き換えるために、湿式ゲルの初期生成、続いて処理及び抽出を必要とする。湿式ゲルの例としては、限定されるものではないが、アルコゲル、ヒドロゲル、ケトゲル、炭素ゲル、及び当業者に既知の任意の他の湿式ゲルが挙げられる。
【0034】
本開示の文脈内では、「添加剤」または「添加剤要素」という用語は、組成物の生成の前、生成中、または生成後に組成物に添加することができる材料を表す。添加剤は、例えば、エアロゲル組成物中の望ましい特性を変更するか、もしくは改善するために、またはエアロゲル組成物中の望ましくない特性に対抗するか、または緩和するために添加することができる。添加剤は、ゲル化の前またはゲル化中にエアロゲル組成物に添加することができる。添加剤は、原子層堆積または化学蒸着(CVD)を介してエアロゲル組成物に添加することもできる。添加剤の特定の例は、シリコン粒子などの電気化学的に活性な種である。
【0035】
本開示の文脈内では、「自己支持性」という用語は、主にエアロゲルの物理的特性に基づいて、エアロゲル材料または組成物が可撓性及び/または弾性である能力を表す。本開示の自己支持性エアロゲル材料または組成物は、材料に柔軟性及び/または弾性を提供するために基礎となる基材または補強材料に依存するコーティングなどの他のエアロゲル材料と区別することができる。
【0036】
本開示の文脈内では、「密度」という用語は、エアロゲル材料または組成物の単位体積当たりの質量の測定値を表す。「密度」という用語は、概して、エアロゲル材料の真の密度、ならびにエアロゲル組成物のかさ密度を表す。密度の測定単位は、kg/m3及びg/ccを含む。エアロゲル材料または組成物の密度は、限定されるものではないが以下を含む方法によって判定され得る:Standard Test Method for Dimensions and Density of Preformed Block and Board-Type Thermal Insulation(ASTM C303,ASTM International,West Conshohocken,Pa.)、Standard Test Methods for Thickness and Density of Blanket or Batt Thermal Insulations(ASTM C167,ASTM International,West Conshohocken,Pa.)、Determination of the apparent density of preformed pipe insulation (ISO 18098,International Organization for Standardization,Switzerland)、Standard Test Methods for Determining Loose and Tapped Bulk Densities of Powders using a Graduated Cylinder(ASTM D7481,ASTM International,West Conshohocken,Pa.)、Standard Test Method for Mechanically Tapped Density of Activated Carbon(Powdered and Fine Mesh)(ASTM B527,ASTM International,West Conshohocken,Pa.)、またはStandard Test Method for Tap Density of Metal Powders and Compounds(ASTM D8176,ASTM International,West Conshohocken,Pa.)。本開示のエアロゲル材料または組成物は、約1.50g/cc以下、1.40g/cc以下、1.30g/cc以下、1.20g/cc以下、1.10g/cc以下、1.00g/cc以下、0.90g/cc以下、0.80g/cc以下、0.70g/cc以下、0.60g/cc以下、0.50g/cc以下、0.40g/cc以下、0.30g/cc以下、0.20g/cc以下、0.10g/cc以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の密度を有する。
【0037】
特定の実施形態によるエアロゲルの生成は、以下のステップ:i)ゲル前駆体を含む溶液の形成、ii)溶液からのゲルの形成、及びiii)乾燥エアロゲル材料を得るための溶媒のゲル材料からの抽出、を含む。このプロセスは、ポリイミドエアロゲルなどの有機エアロゲルを形成する文脈において、本明細書で具体的に考察される。本明細書に提供される具体的な実施例及び例解は、本開示を任意の具体的なタイプのエアロゲル及び/または調製方法に限定することを意図するものではない。本開示は、任意の関連する調製方法によって形成される任意のエアロゲルを含むことができる。
【0038】
ポリイミドエアロゲルを生成するための例示的な溶液は、一般的な極性非プロトン性溶媒(複数可)中で少なくとも1つのジアミンと少なくとも1つのジアンヒドリドとを組み合わせることによって形成される。ポリイミドゲル/エアロゲル形成に関する追加の詳細は、Rhine et alの米国特許第7,074,880号及び同第7,071,287号、Suzuki et alの米国特許第6,399,669号、Leventis et alの米国特許第9,745,198号、Leventis et al.,Polyimide Aerogels by Ring-Opening Metathesis Polymerization(ROMP),Chem.Mater.2011,23,8,2250-2261、Leventis et al.,Isocyanate-Derived Organic Aerogels:Polyureas,Polyimides,Polyamides,MRS Proceedings,1306(2011),Mrsf10-1306-bb03-01.doi:10.1557/opl.2011.90、Chidambareswarapattar et al.,One-step room-temperature synthesis of fibrous polyimide aerogels from anhydrides and isocyanates and conversion to isomorphic carbons,J.Mater.Chem.,2010,20,9666-9678、Guo et al.,Polyimide Aerogels Cross-Linked through Amine Functionalized Polyoligomeric Silsesquioxane,ACS Appl.Mater.Interfaces 2011,3,546-552、Nguyen et al.,Development of High Temperature,Flexible Polyimide Aerogels,American Chemical Society,proceedings published 2011、Meador et al.,Mechanically Strong,Flexible Polyimide Aerogels Cross-Linked with Aromatic Triamine,ACS Appl.Mater.Interfaces,2012,4(2),pp536-544、Meador et al.,Polyimide Aerogels with Amide Cross-Links:A Low Cost Alternative for Mechanically Strong Polymer Aerogels,ACS Appl.Mater.Interfaces 2015,7,1240-1249、Pei et al.,Preparation and Characterization of Highly Cross-Linked Polyimide Aerogels Based on Polyimide Containing Trimethoxysilane Side Groups,Langmuir 2014,30,13375-13383において見出すことができ、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。トリアミン、テトラミン、ペンタミン、ヘキサミンなどもまた、ゲル材料の特性を最適化するために、ジアミンの代わりに、またはジアミンもしくはこれらの組み合わせに加えて、使用することもできる。トリアンヒドリド、テトランヒドリド、ペンタンヒドリド、ヘキサンヒドリドはまた、ゲル材料の特性を増強するために、ジアンヒドリドの代わりに、またはジアンヒドリドもしくはこれらの組み合わせに加えて使用することができる。脱水剤及び触媒は、溶液に組み込まれて、イミド化を開始及び駆動することができる。
【0039】
溶液は、追加の共ゲル化前駆体、ならびに充填剤材料及び他の添加剤を含むことができる。充填剤材料及び他の添加剤は、ゲルの形成前または形成中の任意の時点で溶液中に分注され得る。充填剤材料及び他の添加剤はまた、様々な技術を通してゲル化後にゲル材料に組み込まれ得る。ゲル化前駆体、溶媒、触媒、水、充填剤材料、及び他の添加剤を含む溶液は、好適な条件下で有効なゲル形成が可能である均質な溶液である。
【0040】
一度溶液が形成されると、溶液中のゲル形成成分を、ゲル材料に遷移させることができる。ゲル形成成分をゲル材料に遷移させるプロセスは、ゲルがゲル材料のゲル点まで固化する初期ゲル形成ステップを含む。ゲル材料のゲル点は、ゲル化溶液が、流れに対する抵抗を呈し、及び/またはその体積全体にわたって実質的に連続したポリマー骨格を形成する点とみなされ得る。様々なゲル形成技術を、使用することができる。実施例としては、限定されるものではないが、十分な期間にわたって混合物を静止状態に維持すること、触媒の濃度を調節すること、溶液の温度を調節すること、エネルギーの形態を混合物(紫外、可視、赤外、マイクロ波、超音波、粒子放射、電磁)に方向付けること、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
ゲル形成成分をゲル材料に遷移させるプロセスはまた、液相抽出前のエージングステップ(硬化とも称される)を含むことができる。ゲル点に到達した後にゲル材料をエージングさせることは、網目内の架橋の数を増加させることによって、ゲル骨格をさらに強化することができる。ゲルエージングの持続時間は、得られるエアロゲル材料内の様々な特性を制御するために調節することができる。このエージング手順は、液相抽出中の潜在的な体積損失及び収縮を防止することに有用であり得る。エージングは、ゲルを(抽出前に)長期間静止状態に維持すること、ゲルを高温に維持すること、架橋促進化合物を添加すること、またはこれらの任意の組み合わせを伴うことができる。エージングのための好ましい温度は、多くの場合、約10℃~約200℃である。ゲル材料のエージングは、典型的には、湿潤ゲル材料の液相抽出まで継続する。
【0042】
ゲル形成材料をゲル材料に遷移させるための期間は、初期ゲル形成の期間(ゲル化の開始からゲル点まで)、ならびに液相抽出前のゲル材料の任意の後続の硬化及びエージングの期間(ゲル点から液相抽出の開始まで)の両方を含む。ゲル形成材料をゲル材料に遷移させるための合計期間は、瞬時であるか、または瞬時から約1分、約1分から約数日、約30時間以下、約24時間以下、約15時間以下、約10時間以下、約6時間以下、約4時間以下、約2時間以下、約1時間以下、約30分以下、または約15分以下に及ぶことができる。
【0043】
得られたゲル材料は、好適な二次溶媒中で洗浄されて、湿潤ゲル中に存在する一次反応溶媒を置き換えることができる。かかる二次溶媒は、1つ以上の脂肪族炭素原子を有する直鎖一価アルコール、2つ以上の炭素原子を有する二価アルコール、分枝アルコール、環状アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール、多価アルコール、エーテル、ケトン、環状エーテル、またはそれらの誘導体であり得る。
【0044】
一度ゲル材料が形成され、処理されると、ゲルの液相は、次いで、処理及び抽出技術を含む抽出方法を使用して、湿式ゲルから少なくとも部分的に抽出されて、エアロゲル材料を形成することができる。液相抽出は、他の因子の中でも、多孔率及び密度などのエアロゲルの特性、ならびに熱伝導率及び誘電率などの関連特性を設計する上での因子である。エアロゲルは、湿潤ゲルの多孔質網目及び骨格への低収縮を引き起こす様式で、液相がゲルから抽出されたときに得ることができる。
【0045】
エアロゲルを形成する1つの方法は、液体移動相の臨界点近くまたはそれを上回る温度及び圧力で、液体移動相をゲル材料から除去することを含む。一度臨界点に達する(近臨界)または超過する(超臨界)(すなわち、システムの圧力及び温度が、それぞれ臨界圧力及び臨界温度よりも高い)と、液体または蒸気相とは別個の新しい超臨界相が流体中に現れる。次いで、溶媒は、液体-蒸気界面、毛細管圧力、または液体-蒸気境界に関連する任意の関連質量移動制限を導入することなく除去することができる。追加的に、超臨界相は、概して、有機溶媒とより混和性であり、それゆえ、より良好な抽出のための容量を有する。共溶媒及び溶媒交換はまた、所望の超臨界流体乾燥プロセスを実現するために使用される。
【0046】
蒸発または抽出が超臨界点を下回って発生する場合、液体蒸発によって生成される毛細管力は、ゲル材料内で収縮及び細孔崩壊を引き起こす可能性がある。溶媒抽出プロセス中に移動相を臨界圧力及び温度の近くまたはそれを上回って維持することは、かかる毛細管力の負の影響を低減する。いくつかの実施例では、溶媒システムの臨界点のすぐ下の近臨界点条件を使用することは、十分に低い収縮を有するエアロゲル材料または組成物の生成を可能にし得、それゆえ商業的に有望な最終生成物を生成する。
【0047】
いくつかの追加のエアロゲル抽出技術には、乾燥エアロゲルにおける超臨界流体の使用における様々な異なるアプローチ、ならびに周囲乾燥技術を含む。例えば、Kistler(J.Phys.Chem.(1932)36:52-64)は、ゲル溶媒がその臨界圧力及び温度を上回って維持され、それによって蒸発毛細管力を低減させ、ゲル網目の構造的完全性を維持する、単純な超臨界抽出プロセスを説明する。米国特許第4,610,863号は、ゲル溶媒が、液体二酸化炭素と交換され、その後、二酸化炭素が超臨界状態にある条件で抽出される抽出プロセスを説明する。米国特許第6,670,402号は、(液体ではなく)超臨界二酸化炭素を、実質的に超臨界条件以上に予備加熱及び予備加圧された抽出器に注入することによって、急速な溶媒交換を介してゲルから液相を抽出し、それによってエアロゲルを生成することを教示する。米国特許第5,962,539号は、有機溶媒を、ポリマー分解の温度を下回る臨界温度を有する流体と交換し、流体/ゾルゲルを超臨界抽出することによって、有機溶媒中のゾルゲルの形態であるポリマー材料からエアロゲルを得るためのプロセスを説明する。米国特許第6,315,971号は、ゲル固体及び乾燥剤を含む湿式ゲルを乾燥させて、乾燥中のゲルの収縮を低減させるために十分な乾燥条件下で、乾燥剤を除去することを含む、ゲル組成物を生成するためのプロセスを開示する。米国特許第5,420,168号は、レゾルシノール/ホルムアルデヒドエアロゲルを、単純な空気乾燥手順を使用して製造することができるプロセスを説明する。米国特許第5,565,142号は、ゲル表面が、周囲乾燥または亜臨界抽出中にゲル骨格及び細孔が崩壊に耐えることができるように、より強く、より疎水性であるように改質される乾燥技術を説明する。エアロゲル材料から液相を抽出する他の実施例は、米国特許第5,275,796号及び同第5,395,805号において見出され得る。
【0048】
いくつかの例では、湿潤ゲルから液相を抽出することは、二酸化炭素の超臨界条件を使用し、まず、ゲルの細孔網目中に存在する一次溶媒を液体二酸化炭素と実質的に交換することと、次いで、湿潤ゲルを二酸化炭素の臨界温度(約31.06℃)を超えて(オートクレーブ内でなど)加熱することと、システムの圧力を二酸化炭素の臨界圧力(約1070psig)よりも大きい圧力に増加させることと、を含む。ゲル材料の周りの圧力は、ゲルからの超臨界二酸化炭素流体の除去を容易にするために、わずかに変動させることができる。二酸化炭素は、抽出システムを通して再循環させて、一次溶媒を湿式ゲルから連続的に除去することを容易にすることができる。最後に、温度及び圧力を、ゆっくりと周囲条件に戻して、乾燥エアロゲル材料を生成する。二酸化炭素はまた、抽出チャンバに注入される前に、超臨界状態に前処理され得る。抽出はまた、任意の好適な機構、例えば、上で考察された圧力、タイミング、及び溶媒を変更することを使用して実施され得る。
【0049】
本開示の特定の実施例では、乾燥ポリイミドエアロゲル組成物は、3時間以上、10秒~3時間、10秒~2時間、10秒~1時間、10秒~45分、10秒~30分、10秒~15分、10秒~5分、10秒~1分、1分~3時間、1分~1時間、1分~45分、1分~30分、1分~15分、1分~5分、10分~3時間、10分~1時間、10分~45分、10分~30分、10分~15分、30分~3時間、30分~1時間、30分~45分、45分~3時間、45分~90分、45分~60分、1時間~3時間、1時間~2時間、1時間~90分、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内である持続時間にわたって1つ以上の熱処理を受けることができる。
【0050】
ある特定の実施例では、本開示は、炭素エアロゲルなどのナノ多孔質炭素系足場または構造を、エネルギー貯蔵デバイス内の電極材料として、例えば、LIB内の一次アノード材料として、形成及び使用することを伴う。ナノ多孔質足場の細孔は、例えば、シリコンまたは他の半金属または金属の粒子、及びLIBにおけるリチウム化時のかかる粒子の膨張を収容するように設計、構成、及び構造化される。代替的に、ナノ多孔質足場の細孔は、硫化物、水素化物、任意の好適なポリマー、または他の添加剤で充填され得、この場合、添加剤を導電性材料(すなわち、足場/エアロゲル)と接触させて、より効果的な電極を提供することに利益がある。電池用途において炭素エアロゲルを利用する例示的なプロセスは、
図1に見られ得る。例示的な炭素エアロゲル(140)は、
図1(100、110、120及び130)に示されるプロセスに続いて調製することができる。炭素エアロゲルが形成された後、リチウムは、本開示の複数の実施形態による好適な技術を使用して、炭素エアロゲルに組み込まれて(150)、Li-炭素エアロゲル(Li-CA)アノード(160)を得る。いくつかの実施形態によれば、セル製作(170)及び電池パックアセンブリ(180)は、Li炭素エアロゲル(Li-CA)アノードの組み込みを必要とする。
【0051】
本開示の例のように、炭素エアロゲル材料が一次アノード材料として使用されるとき、LIB内の例示的な用途をさらに拡大するために、エアロゲルナノ多孔質構造は、狭い細孔径分布を有し、高い重量パーセンテージのシリコン粒子及びその膨張を収容するための高い導電性、高い機械的強度、ならびに(最終密度における)形態及び十分な細孔体積を提供する。構造的に、本開示の実施例は、他の特性の中でも、前述の狭い細孔径分布及び高細孔体積を生成するストラットサイズを有するフィブリル形態、ならびに増強された接続性を有することができる。いくつかの実施例では、ナノ多孔質炭素材料のフィブリル形態の平均ストラット幅は、1nm、2nm、5nm、10nm、15nm、任意の中間値(例えば、7nm)、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲(例えば、約2nm~約10nmの範囲)であり得る。
【0052】
いくつかの実施例では、炭素エアロゲルの表面は、炭素エアロゲルの細孔内に含まれる電気化学的に活性な種との性能を増強させるために、化学的、物理的、または機械的方法を介して改質され得る。
【0053】
炭素エアロゲル自体は、その導電性及び機械的強度に起因して集電体として機能することができ、それゆえ(カソードまたはアノードがそれぞれ炭素エアロゲルから形成されるときに)カソード側またはアノード側の別個の集電体の必要性を排除する。大部分のLIBでは、アルミ箔または銅箔は、それぞれ、その集電体として、カソードまたはアノードに結合する必要がある。しかしながら、炭素エアロゲルの適用に応じて、これらの構成要素の一方または両方を除去することは、より多くの電極材料のための追加の空間を誘導し、セル/個々の電極のさらに大きい容量、及びパッケージ化された電池システムの全体的により大きいエネルギー密度をもたらす。しかしながら、いくつかの例では、既存の集電体は、様々な他の例のカソード及びアノード材料と統合されて、アルミ箔及び銅箔の電流収集能力または容量を増強し得る。
【0054】
いくつかの実施例では、ナノ多孔質炭素系足場または構造、及び具体的には、炭素エアロゲルは、エネルギー貯蔵デバイスのアノード側における導電性網目または集電体として使用することができる。完全に相互接続された炭素エアロゲル網目は、電気化学的に活性な種で充填され、電気化学的に活性な種は、炭素網目に直接接触するか、または物理的に接続される。電気化学的に活性な種の投入は、高く安定した容量及び改善されたエネルギー貯蔵デバイスの安全性のために、細孔体積及び多孔率に関して調整される。アノード側において利用されるとき、電気化学的に活性な種は、例えば、シリコン、黒鉛、リチウム、または他の半金属もしくは金属を含み得る。アノードは、ナノ多孔質炭素系足場または構造、及び具体的には、炭素エアロゲルを含むことができる。
【0055】
本開示の文脈内では、「コレクタレス」という用語は、電極に直接接続された別個の集電体の不在を表す。前述のように、従来のLIBでは、銅箔は、その集電体としてアノードに結合される。本開示の実施例によれば、ナノ多孔質炭素系足場または構造(例えば、炭素エアロゲル)から形成される電極は、足場または構造自体がその高い導電性に起因して集電体として機能するため、独立した構造であるか、または別様にコレクタレスである能力を有することができる。電気化学セル内では、コレクタレス電極は、連続多孔質炭素を作製する溶液ステップ中に固体、メッシュ、織りタブを埋め込むことによって、または多孔質炭素表面の一部分上にリード線をはんだ付け、溶接、または金属堆積させることによって、回路を形成するために接続され得る。炭素をシステムの残りの部分に接触させる他の機構も、同様に本明細書で企図される。いくつかの例では、ナノ多孔質炭素系足場または構造、及び具体的には炭素エアロゲルは、専用の集電基板(例えば、銅箔、アルミ箔など)上に配設され得るか、または別様に専用の集電基板と連通し得る。このシナリオでは、炭素エアロゲルは、導電性接着剤を使用して固体集電体に取設され、様々な量の圧力で適用され得る。
【0056】
さらに、本明細書では、ナノ多孔質炭素系足場または構造、具体的には、炭素エアロゲルは、モノリシック構造の形態をとることができることが企図される。本質的にモノリシックなとき、炭素エアロゲルは、任意の結合剤の必要性を排除する、換言すると、アノードは、結合剤レスであり得る。本明細書で使用される際、「モノリシック」という用語は、エアロゲル材料または組成物中に含まれるエアロゲルの大部分(重量)が、単一の、連続的な、相互接続されたエアロゲルナノ構造の形態であるエアロゲル材料を表す。モノリシックなエアロゲル材料は、最初に単一の相互接続されたゲルまたはエアロゲルナノ構造を有するように形成されるが、その後、ひび割れ、破砕、または非単一エアロゲルナノ構造に分割され得るエアロゲル材料を含む。モノリシックエアロゲルは、自立構造または強化(繊維または発泡体)材料の形態をとり得る。対照的に、一実施例としてシリコンリチウム化を使用すると、モノリシックエアロゲルに組み込まれたシリコンは、従来のプロセスを使用してスラリーに組み込まれた同じ量のシリコンと比較して、理論容量に対してより効果的に利用することができる。
【0057】
モノリシックエアロゲル材料は、微粒子状エアロゲル材料とは区別される。「微粒子状エアロゲル材料」という用語は、エアロゲル材料中に含まれるエアロゲルの大部分(重量)が、微粒子、粒子、顆粒、ビーズ、または粉末の形態であり、これらは、ともに(すなわち、ポリマー結合剤などの結合剤を介して)組み合わされ得るか、またはともに圧縮され得るが、個々の粒子間に相互接続されたエアロゲルナノ構造を欠くエアロゲル材料を表す。集合的に、この形態のエアロゲル材料は、(モノリシック形態とは対照的に)粉末状または微粒子形態を有するものと称される。単一構造を有する粉末の個々の粒子にもかかわらず、個々の粒子は、本明細書においてモノリスとみなされないことに留意されたい。エアロゲル粉末の電気化学セルへの統合は、典型的には、粉末からのペーストまたはスラリーの調製、基板上への鋳造及び乾燥であり、任意選択的に、カレンダ処理を含み得る。
【0058】
微粒子状エアロゲル材料、例えば、エアロゲルビーズは、特定の利点を提供する。例えば、微粒子状材料は、LIBアノード及びアノード製造プロセスにおける黒鉛などの他の材料の直接的な代替物として使用することができる。微粒子状材料はまた、微粒子状材料内の拡散経路が短くなることに起因して、改善されたリチウムイオン拡散速度を提供することができる。微粒子状材料はまた、例えば、粒径及びパッキング配置を調整することによって、パッキング密度が強化された電極を可能にすることができる。微粒子状材料はまた、粒子間及び粒子内の多孔率に起因して、シリコンへの改善されたアクセスを提供することができる。
【0059】
本開示の文脈内では、「結合剤レス」または「結合剤なし」(もしくはその誘導体)という用語は、その材料をともに保持するための結合剤または接着剤を実質的に含まない材料を表す。例えば、モノリシックナノ多孔質炭素材料は、その骨格が単一の連続した相互接続構造として形成されるため、結合剤を含まない。結合剤レスであることの利点は、導電性及び細孔体積などにおける結合剤の任意の影響を回避することを含む。他方で、エアロゲル粒子は、より大きい機能性材料を形成するために結合剤をともに保持する必要があり、かかるより大きい材料は、本明細書においてモノリスであるとは企図されない。加えて、この「結合剤を含まない」という専門用語は、結合剤の全ての使用を排除するものではない。例えば、本開示によるモノリシックエアロゲルは、結合剤または接着剤をエアロゲル材料の主表面上に配設することによって、別のモノリシックエアロゲルまたは非エアロゲル材料に固定され得る。このようにして、結合剤は、積層複合体を創出し、集電体に電気接触を提供するために使用されるが、結合剤は、モノリシックエアロゲル骨格自体の安定性を維持する機能を有しない。
【0060】
さらに、本開示のモノリシックポリマーエアロゲル材料または組成物は、エアロゲルを高密度化しながら、エアロゲル骨格の著しい破断または破砕なしに最大95%のひずみを圧縮することができる。いくつかの実施例では、圧縮されたポリマーエアロゲル材料または組成物は、その後、様々な方法を使用して炭化され、ナノ多孔質炭素材料を形成する。圧縮量が得られる炭素材料の厚さに影響を及ぼし、厚さが容量において影響を有することを理解されたい。以下に説明される実施例は、本開示によって形成され、企図される変化する厚さを例解し、厚さは、圧縮に基づいて、調節可能である。このように、複合体(典型的には、圧縮された)の厚さは、最終的な複合体に必要な利点に基づいて、約1~1000マイクロメートル、またはその中の任意のより狭い範囲であり得る。本開示はまた、結合剤が必要とされ、具体的な粒径が必要とされる炭素エアロゲルの粉末または粒子形態を企図する。粒径の範囲は、約1~50マイクロメートルであり得る。コーティングの圧縮は、その後炭化されるポリマーエアロゲルビーズを含むか、またはそれからなり得る。
【0061】
炭素エアロゲルなどのナノ多孔質炭素は、本開示により、任意の好適な有機前駆体材料から形成することができる。かかる材料の例としては、限定されるものではないが、RF、PF、PI、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、アクリレートオリゴマー、ポリオキシアルキレン、ポリウレタン、ポリフェノール、ポリブタジアン、トリアルコキシシリル末端ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリフルフラル、メラミン-ホルムアルデヒド、クレゾールホルムデヒド、フェノール-フルフラル、ポリエーテル、ポリオール、ポリイソシアネート、ポリヒドロキシベンゼ、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、様々なエポキシ、アガー、アガロース、チトサン、ならびにこれらの組み合わせ及び誘導体が挙げられる。これらの材料の任意の前駆体を使用して、得られた材料を創出及び使用することができる。いくつかの実施例では、炭素エアロゲルは、熱分解/炭化ポリイミド系エアロゲル、すなわち、ポリイミドの重合から形成される。さらにより具体的には、ポリイミド系エアロゲルは、例えば、ポリ(アミック)酸のイミド化及び超臨界流体を使用して得られるゲルを乾燥させることによって、Rhine et al.の米国特許第7,071,287号及び同第7,074,880号に説明される1つ以上の方法論を使用して生成することができる。ポリイミドエアロゲル(及びそこから誘導される炭素エアロゲル)を生成する他の適切な方法は、例えば、Suzuki et al.の米国特許第6,399,669号、Leventis et al.の米国特許第9,745,198号、Leventis et al.,Polyimide Aerogels by Ring-Opening Metathesis Polymerization(ROMP),Chem.Mater.2011,23,8,2250-2261、Leventis et al.,Isocyanate-Derived Organic Aerogels:Polyureas,Polyimides,Polyamides,MRS Proceedings,1306(2011),Mrsf10-1306-bb03-01.doi:10.1557/opl.2011.90、Chidambareswarapattar et al.,One-step room-temperature synthesis of fibrous polyimide aerogels from anhydrides and isocyanates and conversion to isomorphic carbons,J.Mater.Chem.,2010,20,9666-9678、Guo et al.,Polyimide Aerogels Cross-Linked through Amine Functionalized Polyoligomeric Silsesquioxane,ACS Appl.Mater.Interfaces 2011,3,546-552、Nguyen et al.,Development of High Temperature,Flexible Polyimide Aerogels,American Chemical Society,proceedings published 2011、Meador et al.,Mechanically Strong,Flexible Polyimide Aerogels Cross-Linked with Aromatic Triamine,ACS Appl.Mater.Interfaces,2012,4(2),pp 536-544、Meador et al.,Polyimide Aerogels with Amide Cross-Links:A Low Cost Alternative for Mechanically Strong Polymer Aerogels,ACS Appl.Mater.Interfaces 2015,7,1240-1249、Pei et al.,Preparation and Characterization of Highly Cross-Linked Polyimide Aerogels Based on Polyimide Containing Trimethoxysilane Side Groups,Langmuir 2014,30,13375-13383に説明されるように、同様に本明細書で企図される。次いで、得られたポリイミドエアロゲルを、熱分解して、ポリイミド誘導の炭素エアロゲルを形成する。
【0062】
本開示の炭素エアロゲル、例えば、ポリイミド誘導の炭素エアロゲルは、少なくとも約4重量%の残留窒素含有量を有することができる。例えば、炭素エアロゲルは、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約6重量%、少なくとも約7重量%、少なくとも約8重量%、少なくとも約9重量%、少なくとも約10重量%、またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲内にある残留窒素含有量を有することができる。
【0063】
本開示の実施例では、乾燥したポリマーエアロゲル組成物は、有機(例えば、ポリイミド)エアロゲルの炭化のために、200℃以上、400℃以上、600℃以上、800℃以上、1000℃以上、1200℃以上、1400℃以上、1600℃以上、1800℃以上、2000℃以上、2200℃以上、2400℃以上、2600℃以上、2800℃以上、またはこれらの値のうちの任意の2つの範囲内の処理温度に供することができる。例示的な実施形態では、乾燥ポリマーエアロゲル組成物は、約1000℃~約1100℃の範囲の処理温度、例えば、約1050℃に供され得る。理論に拘束されることなく、エアロゲル組成物の導電性は、炭化温度とともに増加することが本明細書において企図される。
【0064】
本開示の文脈内では、「導電性」という用語は、材料が電流を伝導させる、または内部を通る、または内部の電子の流れを可能にする能力の測定値を表す。導電性は、材料の単位サイズ当たりの材料の電気伝導率/感受率/許容値として具体的に測定される。典型的には、S/m(シーメンス/メートル)またはS/cm(シーメンス/センチメートル)として記録される。材料の導電性または抵抗率は、例えば、限定されるものではないが、In-line Four Point Resistivity(the Dual Configuration test method of ASTM F84-99を使用する)を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、導電性の測定値は、別様に記載がない限り、電圧(V)を電流(I)で除算して測定することによって得られたASTM F84-抵抗(R)測定に従って取得される。本開示のエアロゲル材料または組成物は、約1S/cm以上、約5S/cm以上、約10S/cm以上、20S/cm以上、30S/cm以上、40S/cm以上、50S/cm以上、60S/cm以上、70S/cm以上、80S/cm以上、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲内の導電性を有することができる。
【0065】
本開示の文脈内では、「電気化学的に活性な種」という用語は、例えば、ドーパントとして少量使用することができ、エネルギー貯蔵デバイス内でイオンを受け入れ、及び放出することができる添加剤を表す。一実施例として、LIBを使用して、アノード内の電気化学的に活性な種は、充電中にリチウムイオンを受け入れ、放電中にリチウムイオンを放出する。電気化学的に活性な種は、ナノ多孔質炭素との直接的/物理的接続を有することによって、アノード内で安定化することができる。ナノ多孔質炭素網目は、電気化学的に活性な種の周りに相互接続された構造を形成することができる。電気化学的に活性な種は、複数の点でナノ多孔質炭素に接続される。電気化学的に活性な種の一実施例は、リチウム化で膨張し、ひび割れまたは破断する可能性があるシリコンである。しかしながら、シリコンは、ナノ多孔質炭素(エアロゲル)との複数の接続点を有するため、シリコンは、破断またはひび割れたときでさえも、ナノ多孔質構造内、例えば、細孔内、または構造によって別様に包まれた状態で保持され、活性を維持することができる。電気化学的に活性な種は、電気的に活性な添加剤と称することができ、浸透及びめっきを促進するために使用することができる。例えば、Li金属アノードの材料として、シリコンドーピングは、Li浸透を促進し、リチウムめっきを開始するために使用することができる。シリコンに加えて、他の電気的に活性な添加剤としては、金、銀、亜鉛、マグネシウム、白金、アルミニウム、スズ、銅、ニッケル、及び本明細書に説明された他のドーパントが挙げられる。いくつかの実施例では、電気化学的に活性な材料は、炭素ナノ構造の多孔率内にリチウムめっきをシードするためのドーパントとして少量使用され得る。
【0066】
本開示の文脈内では、「圧縮強度」、「曲げ強度」、及び「引張強度」という用語は、それぞれ、圧縮力、屈曲力または曲げ力、ならびに張力または引っ張り力の下での破壊または破砕に対する材料の抵抗を表す。これらの強度は、負荷/力に抵抗する単位面積当たりの負荷/力の量として具体的に測定される。これは、平方インチ(psi)、メガパスカル(MPa)、またはギガパスカル(GPa)当たりのポンドとして記録することができる。他の因子の中でも、材料の圧縮強度、曲げ強度、及び引張強度は、材料の構造的完全性に集合的に寄与し、これは、例えば、LIBにおけるリチウム化中のシリコン粒子の体積膨張に耐えることに有益である。機械的強度の指標である、ヤング率を具体的に参照すると、ヤング率は、例えば、限定されるものではないが、Standard Test Practice for Instrumented Indentation Testing(ASTM E2546,ASTM International,West Conshocken,PA)、またはStandardized Nanoindentation(ISO 14577,International Organization for Standardization,Switzerland)を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、ヤング率の測定値は、別様に記載がない限り、ASTM E2546及びISO 14577に従って取得される。ある特定の実施形態では、本開示のエアロゲル材料または組成物は、約0.2GPa以上、0.4GPa以上、0.6GPa以上、1GPa以上、2GPa以上、4GPa以上、6GPa以上、8GPa以上、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲内のヤング率を有する。
【0067】
本開示の文脈内では、「細孔径分布」という用語は、多孔質材料の試料体積内の各細孔径の統計的分布または相対量を表す。より狭い細孔径分布は、狭い範囲の細孔径における相対的に大きい割合の細孔を表し、それゆえ、電気化学的に活性な種を取り囲むことができる細孔の量を増強し、細孔体積の使用を最大化する。逆に、より広い細孔径分布は、狭い範囲の細孔径における相対的に小さい割合の細孔を表す。このように、細孔径分布は、細孔体積の関数として測定され、細孔径分布チャート内の主要なピークの半値全幅の単位サイズとして記録することができる。多孔質材料の細孔径分布は、例えば、限定されるものではないが、細孔径分布を計算することができる、窒素吸着及び脱着による表面積ならびに多孔率分析器を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、細孔径分布の測定値は、別様に記載がない限り、この方法に従って取得される。いくつかの例では、本開示のエアロゲル材料または組成物は、約50nm以下、45nm以下、40nm以下、35nm以下、30nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の相対的に狭い細孔径分布(半値全幅)を有する。
【0068】
本開示の文脈内では、「細孔体積」という用語は、多孔質材料の試料内の細孔の総体積を表す。細孔体積は、多孔質材料内の空隙の体積として具体的に測定され、この空隙は測定可能であり得、かつ/または別の材料、例えば、シリコン粒子などの電気化学的に活性な種によってアクセス可能であり得る。これは、グラム当たりの立方センチメートル(cm3/gまたはcc/g)として記録することができる。多孔質材料の細孔体積は、例えば、限定されるものではないが、細孔体積を計算することができる、窒素吸着及び脱着による表面積ならびに多孔率分析器を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、細孔体積の測定値は、別様に記載がない限り、この方法に従って取得される。ある特定の実施例では、本開示のエアロゲル材料または組成物(電気化学的に活性な種、例えば、シリコン粒子の組み込みなし)は、約0.5cc/g以上、1cc/g以上、1.5cc/g以上、2cc/g以上、2.5cc/g以上、3cc/g以上、3.5cc/g以上、4cc/g以上、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲内の相対的に大きい細孔体積を有する。他の実施形態では、本開示のエアロゲル材料または組成物(電気化学的に活性な種、例えば、シリコン粒子の組み込みを伴う)は、約0.10cc/g以上、0.3cc/g以上、0.6cc/g以上、0.9cc/g以上、1.2cc/g以上、1.5cc/g以上、1.8cc/g以上、2.1cc/g以上、2.4cc/g以上、2.7cc/g以上、3.0cc/g以上、3.3cc/g以上、3.6cc/g以上、またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲内の細孔体積を有する。
【0069】
本開示の文脈内では、「多孔率」という用語は、細孔の壁に結合された別の材料(例えば、シリコン粒子などの電気化学的に活性な種)を含有しない細孔の体積比を表す。明確化及び例示目的のために、LIBにおける一次アノード材料としてのシリコンドープ炭素エアロゲルの具体的な実装において、多孔率は、シリコン粒子の包含後の空隙を表すことに留意されたい。多孔率は、例えば、限定されるものではないが、エアロゲル材料の細孔体積とそのかさ密度との比を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、多孔率の測定値は、別様に記載がない限り、この方法に従って取得される。ある特定の実施形態では、本開示のエアロゲル材料または組成物は、約90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲内の多孔率を有する。
【0070】
細孔体積及び多孔率は、細孔構造の同一の特性、すなわち、細孔構造内の「隙間」に対する異なる測定値であることに留意されたい。例えば、シリコンがナノ多孔質炭素材料の細孔内に囲まれた電気化学的に活性な種として使用されるとき、細孔体積及び多孔率は、「空」である空間、すなわち、炭素または電気化学的に活性な種によって利用されない空間を表す。見られるように、例えば、圧縮による、予備炭化ナノ多孔質材料の高密度化は、他の特性の中でも、細孔体積及び多孔率に影響を及ぼし得る。
【0071】
本開示の文脈内では、「分布の最大ピークにおける細孔径」という用語は、細孔径分布を示すグラフ上の識別可能なピークにおける値を表す。分布の最大ピークにおける細孔径は、細孔の最大パーセンテージが形成される細孔径として具体的に測定される。細孔径の任意の単位長、例えば、μmまたはnmとして記録することができる。分布の最大ピークにおける細孔径は、例えば、限定されるものではないが、細孔径分布を計算し、最大ピークにおける細孔径を判定することができる窒素吸着及び脱着による表面積及び多孔率分析器を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、分布の最大ピークにおける細孔径の測定値は、別様に記載がない限り、この方法に従って取得される。本開示のエアロゲル材料または組成物は、約150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、110nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、5nm以下、2nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の、分布の最大ピークにおける細孔径を有することができる。
【0072】
本開示の文脈内では、「ストラット幅」という用語は、フィブリル形態を有するエアロゲルを形成するナノストラット、ナノロッド、ナノファイバー、またはナノフィラメントの平均直径を表す。それは、任意の単位長、例えば、μmまたはnmとして記録することができる。ストラット幅は、例えば、限定されるものではないが、走査電子顕微鏡画像分析を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、ストラット幅の測定値は、別様に記載がない限り、この方法に従って取得される。本開示のエアロゲル材料または組成物は、約10nm以下、9nm以下、8nm以下、7nm以下、6nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下、またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲内のストラット幅を有することができる。約2~5nmの範囲におけるものなど、より小さいストラット幅は、より多くの量のストラットが網目内に存在することを可能にし、それゆえ、電気化学的に活性な種に接触し、同様にして、より多くの電気化学的に活性な種が複合体内に存在することを可能にする。これにより、導電性及び機械的強度が増加する。
【0073】
本開示の文脈内では、「フィブリル形態」という用語は、ストラット、ロッド、繊維、またはフィラメントを含む、ナノ多孔質炭素(例えば、エアロゲル)の構造形態を表す。例えば、ジメチルアセトアミド(DMAC)などの溶媒の選択は、かかる形態の生成に影響を及ぼし得る。さらに、炭素エアロゲルがポリイミドから誘導されるとき、ポリイミドから結晶性ポリイミドが得られ、直鎖ポリマーが形成される。本開示のいくつかの実施例では、驚いたことに、ポリイミド前駆体の既知の挙動に基づいて、長い線形構造が予想される、相互接続されたポリマー構造としてのフィブリル形態を含むことが観察された。対照的に、ナノ多孔質炭素の生成物形態は、代替的に、炭素エアロゲルのフィブリル形態が持続する、事実上微粒子または粉末であり得る。いくつかの例では、フィブリル形態は、特に、ナノ多孔質炭素が具体的な用途、例えば、LIB中のアノード材料として実装されるとき、機械的安定性/強度及び導電性などの微粒子形態における特定の利点を提供することができる。フィブリル形態は、モノリシック形態及び粉末形態の両方のナノ多孔質炭素中に見出すことができ、換言すると、モノリシック炭素が、フィブリル形態を有し得、エアロゲル粉末/粒子が、フィブリル形態を有し得ることに留意されたい。さらに、ナノ多孔質炭素材料がシリコンなどの添加剤または他を含むとき、炭素材料に固有のフィブリルナノ構造が、保存され、添加剤粒子間のブリッジとして働く。
【0074】
本開示の文脈内では、「サイクル寿命」という用語は、アノードまたは電池(例えば、LIB)がその容量が元の定格容量の約80%以下になる前に支持することができる完全な充電/放電サイクルの数を表す。サイクル寿命は、様々な因子、例えば、基礎となる基材(例えば、炭素エアロゲル)の機械的強度、及びエアロゲルの相互接続性の維持によって影響され得る。実際には時間の経過とともに相対的に変化しないままであるこれらの因子は、本開示の特定の実施例の驚くべき態様であることに留意されたい。サイクル寿命は、例えば、限定されるものではないが、サイクル試験を含む、当該技術分野で既知の方法によって判定され得、電池セルは、所定の電流速度及び動作電圧で繰り返される充電/放電サイクルに供される。本開示の文脈内では、サイクル寿命の測定値は、別様に記載がない限り、この方法に従って取得される。電池、またはその電極などのエネルギー貯蔵デバイスは、約25サイクル以上、50サイクル以上、75サイクル以上、100サイクル以上、200サイクル以上、300サイクル以上、500サイクル以上、1000サイクル以上、またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲内のサイクル寿命を有することができる。
【0075】
本開示の文脈内では、「容量」という用語は、電池が貯蔵することができる特定のエネルギーまたは充電の量を表す。いくつかの実施例では、容量は、可逆的な容量を表す。容量は、具体的には、電池が経時的に、単位質量当たりに搬送することができる放電電流として測定される。これは、総電極質量当たりアンペア時またはミリアンペア時、Ah/gまたはmAh/gとして記録することができる。電池(及び特にアノード)の容量は、例えば、限定されるものではないが、セルの電圧が放電電圧値の終わりに達するまで、完全に充電されたセルに固定定電流負荷を印加すること、または固定定電流負荷を具体的な時間量で印加すること;放電電圧の終わりに到達する時間、または定電流によって乗じた固定電流が印加された具体的な時間量が、放電容量である;放電容量を電極材料または体積の重量で除算することによって、比容量及び体積容量を判定することができる、を含む当該技術分野において既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内では、容量の測定値は、別様に記載がない限り、この方法に従って取得される。本開示のエアロゲル材料または組成物は、約100mAh/g以上、150mAh/g以上、200mAh/g以上、300mAh/g以上、400mAh/g以上、500mAh/g以上、600mAh/g以上、700mAh/g以上、800mAh/g以上、900mAh/g以上、1000mAh/g以上、1100mAh/g以上、1200mAh/g以上、1300mAh/g以上、1400mAh/g以上、1500mAh/g以上、1600mAh/g以上、1700mAh/g以上、1800mAh/g以上、1900mAh/g以上、2000mAh/g以上、2500mAh/g以上、3000mAh/g以上、もしくはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲値の、または任意の中間値(例えば、520mAh/g)のアノード容量を有することができる。
【0076】
細孔径が、必要に応じて調整可能であることが本明細書において企図される。本明細書で教示される細孔径を調節する5つの主要な方法が存在する。第一に、固体含有量、具体的には、ポリイミド前駆体モノマー(例えば、芳香族または脂肪族ジアミン及び芳香族または脂肪族ジアンヒドリド)の量は、細孔径を調節することができる。より小さい細孔径は、相互接続がより密接に行われるように、利用可能なスペースが少なくなることに起因して、流体の単位体積当たりの固体量が大きくなる。ストラットの幅は、使用される固体の量に関係なく、適度に変化しないことに留意されたい。固体の量は、網目の密度により大きく関係する。
【0077】
細孔径の調節は、ポリイミド状態または炭素状態のいずれかの複合体上での放射線(例えば、電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、ガンマ線)の使用によって達成することができる。放射線は、表面積における増加、細孔径における増加、及び細孔径分布の拡大をもたらす酸化効果を有する。第三に、細孔径は、ポリイミド複合体のマクロ圧縮の影響を受ける。いくつかの実施例では、細孔径は、圧縮の状態で低減する。
【0078】
細孔径の調節は、ポリイミド状態または炭素状態のいずれかにおいて、複合体のイオン衝突によって達成され得る。イオン衝突の効果は、指定された方法に依存する。例えば、添加イオン衝突(例えば、CVD)が存在し、何かが添加され、その結果、細孔径の低減がもたらされる。破壊的なイオン衝突もまた存在し、細孔径が増加する。最終的に、例えば、二酸化炭素または一酸化炭素、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムとの混合などの化学的に活性な環境、水素低減環境の存在など、異なるガス環境下での熱処理により、細孔径を調節(増加または減少)することができる。二酸化炭素環境は、例えば、活性化した炭素を作製することが既知であり、活性化の場合、質量が除去され、細孔径が増加し、表面積が増加する。
【0079】
リチウムは、炭素エアロゲルとともに、細胞組み立ての前に、現場以外のリチウムめっきまたは溶融注入によって事前に堆積されることを含む、様々な様式で使用することができる。炭素エアロゲル中の事前堆積リチウムに関して、実施例は、Li浸透を促進するために事前処理された炭素エアロゲル、及びSi(Li浸透を促進するための既知の添加剤)で事前ドープ/事前コーティングされた炭素エアロゲルを含む。形成中に現場でリチウム化(またはめっき)された炭素エアロゲルの場合、例としては、電解質及びカソード内で利用可能となる十分なLiを提供することが挙げられ、最初の充填時に、炭素エアロゲルは、Liの50%以下がSEI形成に対して失われるようにめっきされる。
【0080】
炭素エアロゲル中のリチウムは、独立した炭素エアロゲルモノリス、銅電流コレクタ上の炭素エアロゲル、リチウム金属上の炭素エアロゲル、及び炭素エアロゲルビーズを含むいくつかの形態を有することができる。炭素エアロゲルは、高い導電性を有し、集電体として働くことができる。ビーズは、標準的な電池製造スラリー/鋳造方法において使用され得る。特定の寸法及び粒径分布のビーズが製造され、次いで、個々のビーズ上にまとめてLi金属を浸透させ、鋳造されたビーズを電極としてポストすることができる。
【0081】
炭素エアロゲルの場合、リチウムの浸透は、溶融注入及び電着を介して達成され得る。狭く、かつ制御可能な粒径分布は、充電中に均一なリチウム堆積を提供することに役立ち、これはデンドライトの形成を低減させるかまたは防止することに役立ち得る。炭素エアロゲルがリチウム金属とセパレータとの間に存在する一実施形態では、電池の動作中に、炭素エアロゲルは、充電時に低減し、Li金属下層及び電解質からのLiイオンは、炭素エアロゲルの表面上に堆積する。その後、放電時に、炭素エアロゲル内に貯蔵されたLiイオンが放出され、デンドライトが伝播しないようにしながら、Li金属下層が、必要に応じてLiイオンを再供給し続けることができる。炭素エアロゲルモデレータ/バリア層は、高容量、長いサイクル寿命、良好なレート能力及び改善された安全性を実現するために、所望の表面積、細孔径、及び細孔径分布で調製される。
【0082】
図2は、リチウム金属の表面におけるデンドライト状成長の一例を表示する。
図2に示されるように、充電及び放電時のLiデンドライトの成長は、Liアノードの使用を妨げ、電池の寿命及び安全性を損なう。炭素エアロゲルの幾何学形状-ナノ多孔率及び狭い細孔径分布-は、デンドライトの形成及び伝播を妨げるLi堆積のための均一な表面を提供する。したがって、炭素エアロゲルは、Li金属の表面におけるデンドライト状成長を防止するためのバリア層として作用することができる。炭素エアロゲルは、Liデンドライトの成長を抑制する、制御されたLi拡散界面を提供することができる。伝統的に、Liデンドライトの成長は、2~4mAcm
-2の電流密度で充電/放電サイクル中にLi
+イオンフラックスを調節することによって抑制することができる。バリア層として作用する炭素エアロゲルは、より高い電流密度における充電/放電サイクルを可能にし得る。
【0083】
システムは、細孔構造を有するナノ多孔質炭素材料と、ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属と、を含むことができる。ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属は、リチウム金属に電気的に接続されたナノ多孔質炭素材料の層であり得る。ナノ多孔質炭素材料の層は、リチウム金属上にコーティングされ得るか、またはリチウム金属に結合されたモノリスであり得る。ナノ多孔質炭素材料は、微粒子形態でリチウム金属上にコーティングすることができる。システムが電気エネルギー貯蔵デバイス(例えば、電池)である場合などのいくつかの例では、ナノ多孔質炭素材料は、リチウム金属とセパレータとの間に存在する。
【0084】
図3~7Dは、溶融注入によるLiカプセル化の概略画像及び光学画像を表示する。
図3は、本開示の一態様による、Li足場複合体の設計の概略図を表示する。
図5A、5B、5C、及び
図4A、4B、4Cは、それぞれ、Siコーティング有り、及びなしの様々な多孔質材料のリチウム湿潤特性を表示する。
図6A~6D及び
図7A~7Dは、それぞれ、疎リチオ性材料及び親リチオ性材料のリチウム溶融注入プロセスのタイムラプス画像を表示する。複合リチウム金属アノードは、リチウムを、親リチオ性コーティングを有する3D導電性足場に溶融注入することによって生成することができる。ここで、安定したリチウム骨格複合電極が、「親リチオ性」コーティングシリコンを有する3D多孔質炭素マトリックスへのリチウム溶融注入によって発達する。Liは、繊維層領域に容易かつ迅速に流入し、空きスペースを占有する。リチウムは、マトリックス表面上及び3D構造内で均一に捕捉される。得られた複合電極は、定電流サイクル時に高い導電性表面積及び優れた構造安定性を有する。この複合電極の安定したサイクルは、80サイクルにわたって3mA/cm
2の高電流密度で、電位(<90mV)を超える小さいLiめっき/剥離とともに実現することができる。
【0085】
いくつかの例では、ナノ多孔質炭素材料のエネルギー貯蔵システム(例えば、電池)細孔構造などのシステムは、細孔の配列がリチウム金属を取り囲むように、フィブリル形態及び細孔の配列を含むことができる。いくつかの実施例では、リチウム金属は、ナノ多孔質炭素材料上に(現場外または現場で)めっきされるか、またはナノ多孔質炭素材料の細孔構造に溶融注入される。ナノ多孔質炭素材料は、微粒子形態であり、ならびにモノリスでもあり得る。いくつかの実施例では、ナノ多孔質炭素材料は、ポリイミド誘導炭素エアロゲルなどの炭素エアロゲルである。ナノ多孔質炭素材料の細孔は、リチウム金属の周りに相互接続された構造を形成することができ、リチウム金属が囲まれている各細孔のリチウム金属及び細孔壁は、複数の接続点によって相互接続することができる。
【0086】
図3は、Liがその溶融温度を上回って加熱すること、及び足場がLiを吸収すること(310)を表示する。化学蒸着(CVD)(300)は、Siの薄い層を足場表面上にコーティングするために使用することができ、または、ZnOなどの他の金属及び金属酸化物が、異なる方法を介して足場表面上にコーティングされて、溶融注入プロセスを支援することができる。
図4A~4Cに示されるように、溶融Li液滴は、任意の改質(例えば、炭素骨格、金属発泡体)なしで表面との接触を混乱させかつ回避させる傾向があり、このことは好ましくない湿潤性及び「疎リチオ性」効果を示唆する。
図5A~5Cに示される表面改質物体(例えば、Siコーティングされた炭素骨格、Siコーティングされた金属発泡体)の場合、Siコーティングは、溶融Liと反応する。Liは、繊維層領域に容易かつ迅速に流入し、空きスペースを占有し、Si層は、好ましい湿潤性を有する親リチオ性コーティングとして機能する。
図6A~6D及び
図7A~7Dは、Li溶融注入プロセスのタイムラプス画像のシーケンスを表示する。非改質炭素骨格に関して、溶融Liは、その表面を湿潤させることはできなかった(
図6A~6D)。対照的に、Siコーティングされた炭素骨格は、溶融Liが空の空間に迅速に流入するにつれて、良好な湿潤性を示す(
図7A~7D)。
【0087】
本開示は、炭素エアロゲルなどのナノ多孔質炭素材料に隣接するリチウム金属を配設することによって、エネルギー貯蔵システム内の界面における電流を制御する方法を含む。炭素エアロゲルは、高い表面積、狭い細孔径分布、ナノメートルの多孔率、及び高い導電性を有するように調製することができる。ナノ多孔質炭素材料に隣接するリチウム金属を配設することは、ナノ多孔質炭素材料中の空隙の少なくとも一部分をリチウム金属で充填すること、ナノ多孔質炭素材料の層をリチウム金属に電気的に接続すること、及び/または流体をナノ多孔質炭素材料の空隙に浸透させることを含むことができる。リチウム金属は、デンドライトまたは苔状構造を形成することなく、炭素エアロゲルホスト内に均質に堆積することができる。いくつかの実施例では、ナノ多孔質炭素材料の層をリチウム金属に電気的に接続することは、ナノ多孔質炭素材料をリチウム金属上にコーティングすることを含む。ナノ多孔質炭素材料の高い導電性はまた、容量またはクーロン効率を劣化させることなく、高電流密度におけるLiデンドライトの成長を防止することができる。
【0088】
本開示は、本明細書に説明される少なくとも1つのアノード、少なくとも1つのカソード、及びリチウムイオンを有する電解質を有する電気エネルギー貯蔵デバイスを含む。電気エネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%の第1サイクル効率(すなわち、初回の充電及び放電からのセルのクーロン効率)、任意の中間値(例えば、65%)、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲(例えば、約30%~約50%の範囲)を有することができる。本明細書において先で説明されるように、可逆容量は、少なくとも150mAh/gであり得る。少なくとも1つのカソードは、リチウム硫黄電池のための硫黄及びリチウム空気電池のための酸素/空気などの変換カソード、ならびにリン酸塩及び遷移金属酸化物などのインターカレーションカソードからなる群から選択され得る。
【実施例】
【0089】
実施例1.Li金属電池のためのLiイオンモデレータ及びバリア層としての炭素エアロゲル
実施例1では、名目上50ミクロンの厚さのLi金属箔は、10~200ミクロンの厚さの範囲の炭素エアロゲルの層でコーティングされる。炭素エアロゲルは、濃縮電解質で事前にリチウム化され、次いで、Li金属箔とセパレータとの間に配置される。操作中、炭素エアロゲルは、充填時に低減され、Li金属下層及び電解質からのLiイオンは、炭素エアロゲルの表面上に堆積する。その後、放電時、炭素エアロゲル内に貯蔵されたLiイオンが放出され、Li金属下層は、必要に応じてLiイオンを再供給し続けることができる。炭素エアロゲルの幾何学形状-ナノ多孔率及び狭い細孔径分布-は、デンドライトの形成及び伝播を妨げるLi堆積のための均一な表面を提供する。炭素エアロゲルは、独立したフィルムとして、または繊維強化複合体としてのいずれかで調製される。炭素エアロゲルモデレータ/バリア層は、高容量、長いサイクル寿命、良好なレート能力及び改善された安全性を実現するために、所望の表面積、細孔径、及び細孔径分布で調製される。上記の溶液を、LMO、LCO、NMCなどの従来のLi金属酸化物系カソードとともに使用する場合、400Wh/kgを超える比エネルギー密度及び800Wh/Lを超える体積エネルギー密度が達成可能である。Li-硫黄及びLi-空気を含む、次世代の変換カソードシステムと組み合わせるとき、600Wh/kg(1000Wh/L)を超えるエネルギー密度が可能である。
【0090】
炭素エアロゲルは、炭化温度、表面化学、ドーピング前、及び/または炭化後ドーピングによってさらに増強することができる。
【0091】
実施例2.Li金属電池用3Dモノリシック炭素エアロゲルアノード網目
実施例2では、表面積、細孔径、細孔径分布及び細孔体積が、Liめっき及び剥離のためのアノード基板またはホストとして作用するように、炭素エアロゲルモノリスが調製される。むき出しの銅箔Liアノードに関して、充電中にLiが再生されるとき、Liデンドライトは、不均一な電気化学的堆積に起因して、箔表面において成長する。追加のサイクルは、デンドライトの最終的な単離及び断片化につながり、これは根本的に利用可能なLiを消費し、クーロン効率を低減させる。実施例2における炭素エアロゲルは、高い表面積、狭い細孔径分布、ナノメートル多孔率、及び高い導電性を有するように調製される。Li金属は、デンドライトまたは苔状構造を形成することなく、炭素エアロゲルホスト内に均質に堆積することができる。炭素エアロゲルホストの高い導電性はまた、容量またはクーロン効率を劣化させることなく、高電流密度におけるLiデンドライトの成長を防止するであろう。
【0092】
いくつかの場合では、炭素エアロゲルは、充電中にLiのめっきを核形成するための要素[ドーピング要素=Au、Siなど、または最終複合体の導電性をさらに増加させるための炭素ナノチューブ(CNT)、MWCNT、グラフェンもしくは任意の追加の添加剤などの要素]でプレドープすることができる。炭素エアロゲルのプレドーピングは、炭素エアロゲル前駆体ポリマーエアロゲルの合成中、前駆体ポリマーエアロゲルのドーピング中、または合成後に炭素エアロゲルに直接ドーピングする間に発生し得る。Liは、(i)溶融注入、(ii)現場外の電気化学的Liめっき、または(iii)現場内のめっき(別名、アノードレスアノード)を介して炭素エアロゲルに投入することができる。次いで、炭素エアロゲル材料は、銅集電体に物理的に取設される。いくつかの場合では、炭素エアロゲルは、集電体の使用を必要としない十分な導電性を有し、炭素エアロゲル網目が連続的かつ独立しているため、結合剤も追加の導電性炭素も必要としない。コレクタレスのアプローチは、エネルギー密度を最大化し、コストを最小限に抑え、電池製造を簡素化するために、追加の重量及びコスト削減を提供することができる。
【0093】
いくつかの場合では、炭素エアロゲルモノリスの最上部表面は、さらにコーティングされて、電解質が浸透することができず、SEI形成が、炭素エアロゲル内ではなく、表面でのみ発生することができる、ピンホールを含まない安定なシーラント層を生じさせる。シーラント層は、薄く、Li透過性であり、酸化物、フッ化物、リン酸塩、炭素、セラミックスなどで構成され得る。
【0094】
いくつかの場合では、炭素エアロゲルは、制御可能な粒径及び粒径分布を有するビーズまたは粉末の形態であり得る。ビーズ自体は、表面積、細孔径/分布、及び細孔体積を含む、炭素エアロゲルに固有の制御可能な特徴を有する。炭素エアロゲルビーズは、銅コーティングされた電極を製造するために、従来のスラリー慣行において使用され得る。いくつかの場合では、粒子は、個々にシーラント層でコーティングされて、容量及びクーロン効率劣化に対してさらに改善することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
複数の相互接続された細孔を含む細孔構造を
画定する相互接続された炭素ナノロッドを含むナノ多孔質炭素
エアロゲル材料であって、
前記複数の相互接続された細孔の前記細孔のうちの少なくともいくつかが、2nm~100nmの細孔径を有し、
前記複数の相互接続された細孔が、約50nm以下の細孔径分布半値全幅を有し、
前記複数の相互接続された細孔が、リチウムデンドライトの形成を防止する寸法を有する、前記ナノ多孔質炭素エアロゲル材料と、
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属と、
を含む、システム。
【請求項2】
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設された前記リチウム金属が、前記リチウム金属に電気的に接続されたナノ多孔質炭素材料の層を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属上にコーティングされており、前記金属とセパレータとの間に配置された、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属に結合されたモノリスである、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
システムであって、
ナノ多孔質炭素
エアロゲル材料であって、
複数の相互接続された炭素ナノロッドと、
前記複数の相互接続された炭素ナノロッドによって画定された相互接続された細孔の配列であって、
前記相互接続された細孔の配列の前記細孔のうちの少なくともいくつかが、2nm~100nmの細孔径を有し、
前記相互接続された細孔の配列が、約50nm以下の細孔径分布半値全幅を有し、
前記相互接続された細孔の配列が、リチウムデンドライトの形成を防止する寸法を有し、
前記相互接続された細孔の配列のうちの少なくともいくつかの細孔がリチウム金属を取り囲んでいる、前記相互接続された細孔の配列と、を含む、前記ナノ多孔質炭素エアロゲル材料を含む、前記システム。
【請求項7】
前記リチウム金属が、前記ナノ多孔質炭素材料上にめっきされている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記リチウム金属が、前記ナノ多孔質炭素材料の前記細孔構造に溶融注入された、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記ナノ多孔質炭素材料が、モノリスである、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記ナノ多孔質炭素材料が、1つ以上のドーパントを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のドーパントが、金、銀、
及びプラチナ
からなる群から選択される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のドーパントが、電気化学的に活性な種を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記
ナノ多孔質炭素エアロゲル材料が、ポリイミド誘導炭素エアロゲルを含む、請求項
6に記載のシステム。
【請求項15】
前記
相互接続された細孔
の配列が、前記リチウム金属の周りに、相互接続された
細孔構造を形成し、
前記リチウム金属と、前記リチウム金属を取り囲んでいる各細孔の細孔壁とが、複数の接続点によって相互接続されている、請求項6~
14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも0.3cc/gの細孔体積を有する、請求項1~
15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記ナノ多孔質炭素材料が、約10%~約90%の多孔率を有する、請求項1~
16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記ナノ多孔質炭素材料が、約500mAh/g~約3000mAh/gの容量を有する、請求項1~
17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも約1S/cmの導電性を有する、請求項1~
18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記細孔構造が、分布の最大ピークにおける約100nm以下の細孔径を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記ナノ多孔質炭素材料の前記炭素ナノロッドのうちの少なくともいくつかの平均ストラット幅が、約2nm~約10nmの範囲である、請求項6~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムが、エネルギー貯蔵システムである、請求項1~21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記エネルギー貯蔵システムが、電池である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
エネルギー貯蔵システム内の界面において電流を制御する方法であって、
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設すること、
ここで、前記ナノ多孔質炭素材料は、複数の相互接続された細孔を含む;及び
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接する前記リチウム金属に印加される電界の存在下でのリチウムデンドライトの形成を防止するように前記複数の相互接続された細孔を構成すること、
を含む、方法。
【請求項25】
前記ナノ多孔質炭素材料が、炭素エアロゲルである、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、前記ナノ多孔質炭素材料内の空隙の少なくとも一部分を前記リチウム金属で充填することを含む、請求項
24または
25に記載の方法。
【請求項27】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することを含む、請求項
24または
25に記載の方法。
【請求項28】
ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することが、前記ナノ多孔質炭素材料を前記リチウム金属上にコーティングすることを含む、請求項
27に記載の方法。
【請求項29】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属に結合されたモノリスである、請求項
27に記載の方法。
【請求項31】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、流体を前記ナノ多孔質炭素材料の前記空隙に浸透させることを含む、請求項
24または
25に記載の方法。
【請求項32】
電気エネルギー貯蔵デバイスであって、
a)請求項1または請求項6に記載のシステムを含む少なくとも1つのアノードと、
b)少なくとも1つのカソードと、
c)リチウムイオンを含む電解質と、
を含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、少なくとも50%の第1サイクル効率及び少なくとも150mAh/gの可逆容量を有する、電気エネルギー貯蔵デバイス。
【請求項33】
前記少なくとも1つのカソードが、変換カソードまたはインターカレーションカソードである、請求項
32に記載の電気エネルギー貯蔵デバイス。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
いくつかの場合では、炭素エアロゲルは、制御可能な粒径及び粒径分布を有するビーズまたは粉末の形態であり得る。ビーズ自体は、表面積、細孔径/分布、及び細孔体積を含む、炭素エアロゲルに固有の制御可能な特徴を有する。炭素エアロゲルビーズは、銅コーティングされた電極を製造するために、従来のスラリー慣行において使用され得る。いくつかの場合では、粒子は、個々にシーラント層でコーティングされて、容量及びクーロン効率劣化に対してさらに改善することができる。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
システムであって、
細孔構造を有するナノ多孔質炭素材料と、
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設されたリチウム金属と、を含む、前記システム。
[態様2]
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接して配設された前記リチウム金属が、前記リチウム金属に電気的に接続されたナノ多孔質炭素材料の層を含む、態様1に記載のシステム。
[態様3]
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属上にコーティングされており、かつ前記金属とセパレータとの間に配置された、態様2に記載のシステム。
[態様4]
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、態様3に記載のシステム。
[態様5]
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属に結合されたモノリスである、態様2に記載のシステム。
[態様6]
システムであって、
ナノ多孔質炭素材料であって、
フィブリル形態及び細孔の配列を含む細孔構造であって、前記細孔の配列がリチウム金属を取り囲んでいる、前記細孔構造を含む、前記ナノ多孔質炭素材料を含む、前記システム。
[態様7]
前記リチウム金属が、前記ナノ多孔質炭素材料上にめっきされている、態様6に記載のシステム。
[態様8]
前記リチウム金属が、前記ナノ多孔質炭素材料の前記細孔構造に溶融注入された、態様6に記載のシステム。
[態様9]
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、態様6に記載のシステム。
[態様10]
前記ナノ多孔質炭素材料が、モノリスである、態様6に記載のシステム。
[態様11]
前記ナノ多孔質炭素材料が、1つ以上のドーパントを含む、態様6に記載のシステム。
[態様12]
前記1つ以上のドーパントが、金、銀、亜鉛、マグネシウム、プラチナ、及びアルミニウムからなる群から選択される、態様11に記載のシステム。
[態様13]
前記1つ以上のドーパントが、電気化学的に活性な種を含む、態様12に記載のシステム。
[態様14]
前記ナノ多孔質炭素材料が、炭素エアロゲルを含む、態様1~13のいずれか1項に記載のシステム。
[態様15]
前記炭素エアロゲルが、ポリイミド誘導炭素エアロゲルを含む、態様12に記載のシステム。
[態様16]
前記細孔が、前記リチウム金属の周りに、相互接続された構造を形成し、
前記リチウム金属と、前記リチウム金属を取り囲んでいる各細孔の細孔壁とが、複数の接続点によって相互接続されている、態様6~15のいずれか1項に記載のシステム。
[態様17]
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも0.3cc/gの細孔体積を有する、態様1~16のいずれか1項に記載のシステム。
[態様18]
前記ナノ多孔質炭素材料が、約10%~約90%の多孔率を有する、態様1~17のいずれか1項に記載のシステム。
[態様19]
前記ナノ多孔質炭素材料が、約500mAh/g~約3000mAh/gの容量を有する、態様1~18のいずれか1項に記載のシステム。
[態様20]
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも約1S/cmの導電性を有する、態様1~19のいずれか1項に記載のシステム。
[態様21]
前記細孔構造が、約50nm以下の細孔径分布半値全幅を含む、態様1~20のいずれか1項に記載のシステム。
[態様22]
前記細孔構造が、分布の最大ピークにおける約100nm以下の細孔径を含む、態様1~21のいずれか1項に記載のシステム。
[態様23]
前記ナノ多孔質炭素材料の前記フィブリル形態の平均ストラット幅が、約2nm~約10nmの範囲である、態様6~22のいずれか1項に記載のシステム。
[態様24]
前記システムが、エネルギー貯蔵システムである、態様1~23のいずれか1項に記載のシステム。
[態様25]
前記エネルギー貯蔵システムが、電池である、態様24に記載のシステム。
[態様26]
エネルギー貯蔵システム内の界面において電流を制御する方法であって、
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することを含む、前記方法。
[態様27]
前記ナノ多孔質炭素材料が、炭素エアロゲルである、態様26に記載の方法。
[態様28]
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、前記ナノ多孔質炭素材料内の空隙の少なくとも一部分を前記リチウム金属で充填することを含む、態様26または27に記載の方法。
[態様29]
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することを含む、態様26または27に記載の方法。
[態様30]
ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することが、前記ナノ多孔質炭素材料を前記リチウム金属上にコーティングすることを含む、態様29に記載の方法。
[態様31]
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、態様30に記載の方法。
[態様32]
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属に結合されたモノリスである、態様29に記載の方法。
[態様33]
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、流体を前記ナノ多孔質炭素材料の前記空隙に浸透させることを含む、態様26または27に記載の方法。
[態様34]
電気エネルギー貯蔵デバイスであって、
a)態様1または態様6に記載のシステムを含む少なくとも1つのアノードと、
b)少なくとも1つのカソードと、
c)リチウムイオンを含む電解質と、を含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、少なくとも50%の第1サイクル効率及び少なくとも150mAh/gの可逆容量を有する、前記電気エネルギー貯蔵デバイス。
[態様35]
前記少なくとも1つのカソードが、変換カソードまたはインターカレーションカソードである、態様34に記載の電気エネルギー貯蔵デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
前記システムは、
ナノ多孔質炭素エアロゲル材料を含み、前記ナノ多孔質炭素
エアロゲル材料
は、
複数の相互接続された炭素ナノロッドと、
前記複数の相互接続された炭素ナノロッドによって画定された相互接続された細孔の配列と、
を含むポリイミド誘導炭素エアロゲルを含み、
前記ナノ多孔質炭素エアロゲルの前記炭素ナノロッドのうちの少なくともいくつかの平均ストラット幅が約
2nm~約10nmであり、
前記相互接続された細孔の配列の細孔の少なくともいくつかが2nm~100nmの細孔径を有し、
前記相互接続された細孔の配列が、約50nm以下の細孔径分布半値全幅を有し、
前記相互接続された細孔の配列が、リチウムデンドライトの形成を防止する寸法を有し、
前記相互接続された細孔の配列のうちの少なくともいくつかの細孔がリチウム金属を取り囲んでいる、システム。
【請求項2】
前記リチウム金属が、前記ナノ多孔質炭素材料上にめっきされ
たか、又は前記ナノ多孔質炭素材料の前記細孔構造に溶融注入された、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である
か、又はモノリスである、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ナノ多孔質炭素材料が、
電気化学的に活性な種を含む1つ以上のドーパントを含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のドーパントが、金、銀、
及びプラチナからなる群から選択される、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記
相互接続された細孔
の配列が、前記リチウム金属の周りに、相互接続された
細孔構造を形成し、
前記リチウム金属と、前記リチウム金属を取り囲んでいる各細孔の細孔壁とが、複数の接続点によって相互接続されている、請求項
1~
5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも0.3cc/gの細孔体積を有する、請求項1~
6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ナノ多孔質炭素材料が、約10%~約90%の多孔率を有する、請求項1~
7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ナノ多孔質炭素材料が、約500mAh/g~約3000mAh/gの容量を有する、請求項1~
8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ナノ多孔質炭素材料が、少なくとも約1S/cmの導電性を有する、請求項1~
9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記細孔構造が、分布の最大ピークにおける約100nm以下の細孔径を含む、請求項1~
10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムが、エネルギー貯蔵システムである、請求項1~
11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記エネルギー貯蔵システムが、電池である、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
エネルギー貯蔵システム内の界面において電流を制御する方法であって、
ナノ多孔質炭素材料に隣接
してリチウム金属を配設すること
、ここで、前記ナノ多孔質炭素材料がポリイミド誘導炭素エアロゲルを含み、前記ナノ多孔質炭素材料が複数の相互接続された細孔を含む、
前記ナノ多孔質炭素材料に隣接する前記リチウム金属に印加される電界の存在下でのリチウムデンドライトの形成を防止するように前記複数の相互接続された細孔を構成することと、を含む、前記方法。
【請求項15】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、前記ナノ多孔質炭素材料内の空隙の少なくとも一部分を前記リチウム金属で充填することを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
ナノ多孔質炭素材料に隣接してリチウム金属を配設することが、ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
ナノ多孔質炭素材料の層を前記リチウム金属に電気的に接続することが、前記ナノ多孔質炭素材料を前記リチウム金属上にコーティングすることを含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記ナノ多孔質炭素材料が、微粒子形態である、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記ナノ多孔質炭素材料の層が、前記リチウム金属に結合されたモノリスである、請求項
16に記載の方法。
【請求項20】
ナノ多孔質炭素材料に隣接するリチウム金属を配設することが、流体を前記ナノ多孔質炭素材料の前記空隙に浸透させることを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項21】
電気エネルギー貯蔵デバイスであって、
a)請求項1に記載のシステムを含む少なくとも1つのアノードと、
b)少なくとも1つのカソードと、
c)リチウムイオンを含む電解質と、
を含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、少なくとも50%の第1サイクル効率及び少なくとも150mAh/gの可逆容量を有する、前記電気エネルギー貯蔵デバイス。
【請求項22】
前記少なくとも1つのカソードが、変換カソードまたはインターカレーションカソードである、請求項
21に記載の電気エネルギー貯蔵デバイス。
【国際調査報告】