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特表2023-553160液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
B63B25/16 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535622
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 KR2021018985
(87)【国際公開番号】W WO2022131755
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0174789
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0046140
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0046751
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0071792
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0165922
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520387760
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホ ウォン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク ソン ボ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ヘ ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム キ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク チョン チン
(72)【発明者】
【氏名】パク ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】パク チョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ビョン チン
(72)【発明者】
【氏名】キム トン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ホン ソン キュ
(72)【発明者】
【氏名】コ クアン ソ
(72)【発明者】
【氏名】ホ チ ヨン
(57)【要約】
本発明は、液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶に関し、本発明の液化ガス貯蔵タンクは、 互いに異なる角度の第1面と第2面とが接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、上記コーナーブロックは、上記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、上記下部ブロックの2次防壁とボンディング結合される上部ブロックと、隣り合って配置される上記下部ブロックの上面において上記2次防壁とボンディング結合されて上記下部ブロック間を連結する上部連結ブロックと、からなり、上記上部ブロックは、上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ設けられて上記2次防壁とボンディング結合され、内側1次プライウッド、コーナー1次断熱材、外側1次プライウッドが積層された構造を有する内側第1固定部及び内側第2固定部と、上記内側第1固定部と上記内側第2固定部の間のコーナー空間部分に設けられる内側折曲部と、を含み、上記内側折曲部は、上記2次防壁に対して垂直な両側面の高さが上記内側第1、2固定部のそれぞれの全高より縮小された高さであってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる角度の第1面と第2面とが接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、
前記コーナーブロックは、
前記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、前記下部ブロックの2次防壁とボンディング結合される上部ブロックと、隣り合って配置される前記下部ブロックの上面において前記2次防壁とボンディング結合されて前記下部ブロック間を連結する上部連結ブロックと、からなり、
前記上部ブロックは、
前記第1面と前記第2面の内側にそれぞれ設けられて前記2次防壁とボンディング結合され、内側1次プライウッド、コーナー1次断熱材、外側1次プライウッドが積層された構造を有する内側第1固定部及び内側第2固定部と、
前記内側第1固定部と前記内側第2固定部の間のコーナー空間部分に設けられる内側折曲部と、を含み、
前記内側折曲部は、
前記2次防壁に対して垂直な両側面の高さが前記内側第1、2固定部のそれぞれの全高より縮小された高さであることを特徴とする液化ガス貯蔵タンク。
【請求項2】
前記内側折曲部は、
両側面に第1突出部が設けられ、
前記第1突出部は、
前記内側第1、2固定部によってできるコーナー空間部分に挿入される前記内側折曲部から空間の外部に一定長さ延長され、
断面形状が前記内側折曲部と類似するが、前記2次防壁と接する曲面部分が前記内側折曲部の曲面部分から同一線上に延長され、
前記2次防壁に対して垂直な両側面が前記内側折曲部の両側面と第1段差を有するように延長されることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項3】
前記上部連結ブロックは、
前記第1面と前記第2面の内側にそれぞれ設けられて前記2次防壁とボンディング結合され、コーナー第1連結プライウッド、コーナー連結断熱材、コーナー第2連結プライウッドが積層された構造を有するコーナー第1連結固定部及びコーナー第2連結固定部と、
前記コーナー第1連結固定部と前記コーナー第2連結固定部の間のコーナー空間部分に設けられるコーナー連結折曲部と、を含み、
前記コーナー連結折曲部は、
前記2次防壁に対して垂直な両側面の高さが前記コーナー第1、2連結固定部のそれぞれの全高より縮小された高さであり、
両側面に第2突出部が設けられ、
前記第2突出部は、
前記コーナー第1、2連結固定部によってできるコーナー空間部分に挿入される前記コーナー連結折曲部から空間の外部に一定長さ延長され、
断面形状が前記コーナー連結折曲部と類似するが、前記2次防壁と接する曲面部分が前記コーナー連結折曲部の曲面部分から同一線上に延長され、
前記2次防壁に対して垂直な両側面が前記コーナー連結折曲部の両側面と第2段差を有するように延長されることを特徴とする請求項2に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項4】
前記第1、2突出部は、
前記上部連結ブロックを隣り合う前記上部ブロックの間に設けたとき、互いに接触して前記内側第1、2固定部と前記コーナー第1、2連結固定部との間に段差空間ができ、
前記段差空間にはスタッフィングピースが挿設され、
前記スタッフィングピースは、
前記段差空間を完全に密閉するように(+)公差を有し、前記段差空間の形状に対応する形状で形成されることを特徴とする請求項3に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項5】
前記内側第1、2固定部は、
コーナー部分を均等に分割する方向を基準として対称に設けられるが、前記内側折曲部の両側面に密着する第1側面が前記2次防壁に対して垂直であり、前記第1側面から前記貯蔵空間側に延長する第2側面が分割方向と同じ方向に延長し、
前記上部ブロックは、
前記内側折曲部の両側面と密着する前記第1側面との間と、互いに対向する前記第2側面との間にできる空間に挿設されるコーナー内側パッキング材をさらに含み、
前記コーナー内側パッキング材は、
前記第2側面の間の空間に挿入された状態で空間を密閉するように(+)公差を有するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項6】
互いに異なる角度の第1面と第2面とが接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、
前記コーナーブロックは、
前記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、
前記下部ブロックの2次防壁とボンディング結合され、シングルボードからなる統合上部ブロックと、
隣り合って配置される前記統合上部ブロックの間に露出する前記2次防壁とボンディング結合される上部連結ブロックと、
前記統合上部ブロックの上面に設けられ、1次防壁を固定する防壁固定部材と、を含み、
前記統合上部ブロックは、
第1面と前記第2面の内側にそれぞれ設けられて前記第2次防壁とボンディング結合される1つの外側1次プライウッドと、
前記外側1次プライウッド上に積層される1つのコーナー1次断熱材と、
前記コーナー1次断熱材上に積層される1つの内側1次プライウッドと、からなり、
前記防壁固定部材は、
複数の単位防壁固定部材が1つの前記内側1次プライウッド上において互いに隣接して並んで設置されてなることを特徴とする液化ガス貯蔵タンク。
【請求項7】
前記統合上部ブロックは、
上部に一定深さで形成される複数の上部スリットを含み、
前記複数の上部スリットは、
前記コーナー1次断熱材の収縮または膨張応力に備えるように、前記内側1次プライウッドを貫通して少なくとも前記コーナー1次断熱材の一部まで形成され、
前記複数の単位防壁固定部材が前記コーナー1次断熱材の収縮または膨張に連動するように、前記複数の単位防壁固定部材の間に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項6に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項8】
前記統合上部ブロックは、
上部に一定深さで形成される複数の上部スリットと、
下部に一定深さで形成される複数の下部スリットと、を含み、
前記複数の上部スリットと前記複数の下部スリットは、
互いにずれた位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項9】
前記外側1次プライウッドは、
前記2次防壁とボンディング結合される下面に複数の第1溝が形成され、
前記複数の第1溝は、
前記外側1次プライウッドを前記2次防壁上に接着剤でボンディング結合する際、非接着領域に前記接着剤がスクイーズアウトされることが確認できるように、貯蔵タンクのコーナー辺と垂直方向に形成され、
前記非接着領域は、
前記外側1次プライウッドの両側の縁部分を含んで中間部分に複数個設定され、
前記複数の非接着領域のそれぞれは、
貯蔵タンクのコーナー辺と垂直方向に一定間隔と幅で設定されるが、前記複数の単位防壁固定部材の間に対応する位置に設定されることを特徴とする請求項7に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項10】
前記複数の第1溝は、
前記複数の非接着領域の両側の境界部分に沿って形成され、
前記複数の上部スリットとずれて配置されることを特徴とする請求項9に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項11】
互いに異なる角度の第1面と第2面とが接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、
前記コーナーブロックは、
前記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、前記下部ブロックの2次防壁とボンディング結合される上部ブロックと、隣り合って配置される前記下部ブロックの上面において前記2次防壁とボンディング結合されて前記下部ブロック間を連結する上部連結ブロックと、からなり、
前記上部連結ブロックは、
前記第1面と前記第2面の内側にそれぞれ設けられて前記2次防壁とボンディング結合され、コーナー第1連結プライウッド、コーナー連結断熱材、コーナー第2連結プライウッドが積層された構造を有するコーナー第1連結固定部及びコーナー第2連結固定部と、
前記コーナー第1連結固定部と前記コーナー第2連結固定部の間のコーナー空間部分に設けられるコーナー連結折曲部と、を含み、
前記コーナー連結折曲部は、
前記2次防壁に対して垂直な両側面の高さが前記コーナー第1、2連結固定部のそれぞれの全高より縮小された高さであることを特徴とする液化ガス貯蔵タンク。
【請求項12】
前記コーナー連結折曲部は、
両側面に第2突出部が設けられ、
前記第2突出部は、
前記コーナー第1、2連結固定部によってできるコーナー空間部分に挿入される前記コーナー連結折曲部から空間の外部に一定長さ延長され、
断面形状が前記コーナー連結折曲部と類似するが、前記2次防壁と接する曲面部分が前記コーナー連結折曲部の曲面部分から同一線上に延長され、
前記2次防壁に対して垂直な両側面が前記コーナー連結折曲部の両側面と第2段差を有するように延長されることを特徴とする請求項11に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項13】
前記コーナー第1、2連結固定部は、
コーナー部分を均等に分割する方向を基準として対称に設けられるが、前記コーナー連結折曲部の両側面に密着する第1側面が前記2次防壁に対して垂直であり、前記第1側面から前記貯蔵空間側に延長する第2側面が分割方向と同じ方向に延長し、
前記上部連結ブロックは、
前記コーナー連結折曲部の両側面と密着する前記第1側面との間と、互いに対向する前記第2側面との間にできる空間に挿設されるコーナー内側パッキング材をさらに含み、
前記コーナー内側パッキング材は、
前記第2側面の間の空間に挿入された状態で空間を密閉するように(+)公差を有するように形成されることを特徴とする請求項11に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項14】
前記コーナー第2連結プライウッドは、
前記2次防壁とボンディング結合される下面に第2溝が形成され、
前記第2溝は、
前記コーナー第2プライウッドを前記2次防壁上に接着剤でボンディング結合する際、非接着領域に前記接着剤がスクイーズアウトされることが確認できるように、貯蔵タンクのコーナー辺と水平方向に形成されることを特徴とする請求項11に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項15】
前記第2溝は、
非接着領域である前記コーナー連結折曲部に前記接着剤がスクイーズアウトされることが確認できるように、前記コーナー第2連結プライウッドの後方の縁に隣接する部分に形成されることを特徴とする請求項14に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、技術開発により、ガソリンやディーゼルに代わって液化天然ガス(Liquefied Natural Gas;LNG)、液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas;LPG)などの液化ガスが広く使用されている。
【0003】
また、このようなLNGなどの液化ガスを海上で輸送または保管するLNG運搬船、LNG RV(Regasification Vessel)、LNG FPSO(Floating、Production、Storage and Offloading)、LNG FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)などの船舶内にはLNGを極低温の液体状態で貯蔵するための貯蔵タンク(いわゆる「貨物倉」と呼ばれる)が設けられている。
【0004】
また、液化ガス貯蔵タンクは、外部からの熱侵入により蒸発ガス(Boil Off Gas;BOG)が発生することがあり、断熱設計を通じて蒸発ガスの気化比率である自然気化率(Boil Off Rate;BOR)を下げるのが液化ガス貯蔵タンク設計の核心技術である。また、液化ガス貯蔵タンクはスロッシング(Sloshing)などの様々な荷重にさらされるため、断熱パネルの機械的強度を確保することも必須であり得る。
【0005】
この点を考慮すると、液化ガス貯蔵タンクの直角または鈍角をなすコーナー部分でも断熱パネルの機械的強度を確保するだけでなく、断熱性能を向上させ、スロッシングなどの様々な荷重、船体の変形、温度変化によって発生する応力を減少させるための研究が活発に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は、コーナーブロックの構造を改善することにより、コーナー2次防壁の低温負担、スロッシング負担及び応力負担を減らせる液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面による液化ガス貯蔵タンクは、互いに異なる角度の第1面と第2面とが接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、上記コーナーブロックは、上記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、上記下部ブロックの2次防壁とボンディング結合される上部ブロックと、隣り合って配置される上記下部ブロックの上面において上記2次防壁とボンディング結合されて上記下部ブロック間を連結する上部連結ブロックと、からなり、上記上部ブロックは、上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ設けられて上記2次防壁とボンディング結合され、内側1次プライウッド、コーナー1次断熱材、外側1次プライウッドが積層された構造を有する内側第1固定部及び内側第2固定部と、上記内側第1固定部と上記内側第2固定部の間のコーナー空間部分に設けられる内側折曲部と、を含み、上記内側折曲部は、上記2次防壁に対して垂直な両側面の高さが上記内側第1、2固定部のそれぞれの全高より縮小された高さであってもよい。
【0008】
具体的に、上記内側折曲部は、両側面に第1突出部が設けられ、上記第1突出部は、上記内側第1、2固定部によってできるコーナー空間部分に挿入される上記内側折曲部から空間の外部に一定長さ延長され、断面形状が上記内側折曲部と類似するが、上記2次防壁と接する曲面部分が上記内側折曲部の曲面部分から同一線上に延長され、上記2次防壁に対して垂直な両側面が上記内側折曲部の両側面と第1段差を有してもよい。
【0009】
具体的に、上記上部連結ブロックは、上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ設けられて上記2次防壁とボンディング結合され、コーナー第1連結プライウッド、コーナー連結断熱材、コーナー第2連結プライウッドが積層された構造を有するコーナー第1連結固定部及びコーナー第2連結固定部と、上記コーナー第1連結固定部と上記コーナー第2連結固定部の間のコーナー空間部分に設けられるコーナー連結折曲部と、を含み、上記コーナー連結折曲部は、上記2次防壁に対して垂直な両側面の高さが上記コーナー第1、2連結固定部のそれぞれの全高より縮小された高さであり、両側面に第2突出部が設けられ、上記第2突出部は、上記コーナー第1、2連結固定部によってできるコーナー空間部分に挿入される上記コーナー連結折曲部から空間の外部に一定長さ延長され、断面形状が上記コーナー連結折曲部と類似するが、上記2次防壁と接する曲面部分が上記コーナー連結折曲部の曲面部分から同一線上に延長され、上記2次防壁に対して垂直な両側面が上記コーナー連結折曲部の両側面と第2段差を有するように延長されてもよい。
【0010】
具体的に、第1、2突出部は、上記上部連結ブロックを隣り合う上記上部ブロックの間に設けたとき、互いに接触して上記内側第1、2固定部と上記コーナー第1、2連結固定部との間に段差空間ができ、上記段差空間にはスタッフィングピースが挿設され、上記スタッフィングピースは、上記段差空間を完全に密閉するように(+)公差を有し、上記段差空間の形状に対応する形状で形成されてもよい。
【0011】
具体的に、上記内側第1、2固定部は、コーナー部分を均等に分割する方向を基準として対称に設けられるが、上記内側折曲部の両側面に密着する第1側面が上記2次防壁に対して垂直であり、上記第1側面から上記貯蔵空間側に延長する第2側面が分割方向と同じ方向に延長し、上記上部ブロックは、上記内側折曲部の両側面と密着する上記第1側面との間と、互いに対向する上記第2側面との間にできる空間に挿設されるコーナー内側パッキング材をさらに含み、上記コーナー内側パッキング材は、上記第2側面の間の空間に挿入された状態で空間を密閉するように(+)公差を有するように形成されてもよい。
【0012】
本発明の他の側面による液化ガス貯蔵タンクは、互いに異なる角度の第1面と第2面とが接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、上記コーナーブロックは、上記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、上記下部ブロックの2次防壁とボンディング結合され、シングルボードからなる統合上部ブロックと、隣り合って配置される上記統合上部ブロックの間に露出する上記2次防壁とボンディング結合される上部連結ブロックと、上記統合上部ブロックの上面に設けられ、1次防壁を固定する防壁固定部材と、を含み、上記統合上部ブロックは、第1面と上記第2面の内側にそれぞれ設けられて上記第2次防壁とボンディング結合される1つの外側1次プライウッドと、上記外側1次プライウッド上に積層される1つのコーナー1次断熱材と、上記コーナー1次断熱材上に積層される1つの内側1次プライウッドと、からなり、上記防壁固定部材は、複数の単位防壁固定部材が1つの上記内側1次プライウッド上において互いに隣接して並んで設置されてなってもよい。
【0013】
具体的に、上記統合上部ブロックは、上部に一定深さで形成される複数の上部スリットを含み、上記複数の上部スリットは、上記コーナー1次断熱材の収縮または膨張応力に備えるように、上記内側1次プライウッドを貫通して少なくとも上記コーナー1次断熱材の一部まで形成され、上記複数の単位防壁固定部材が上記コーナー1次断熱材の収縮または膨張に連動するように、上記複数の単位防壁固定部材の間に対応する位置に形成されてもよい。
【0014】
具体的に、上記統合上部ブロックは、上部に一定深さで形成される複数の上部スリットと、
下部に一定深さで形成される複数の下部スリットと、を含み、上記複数の上部スリットと上記複数の下部スリットは、互いにずれた位置に形成されてもよい。
【0015】
具体的に、上記外側1次プライウッドは、上記2次防壁とボンディング結合される下面に複数の第1溝が形成され、上記複数の第1溝は、上記外側1次プライウッドを上記2次防壁上に接着剤でボンディング結合する際、非接着領域に上記接着剤がスクイーズアウトされることが確認できるように、貯蔵タンクのコーナー辺と垂直方向に形成され、上記非接着領域は、上記外側1次プライウッドの両側の縁部分を含んで中間部分に複数個設定され、上記複数の非接着領域のそれぞれは、貯蔵タンクのコーナー辺と垂直方向に一定間隔と幅で設定されるが、上記複数の単位防壁固定部材の間に対応する位置に設定されてもよい。
【0016】
具体的に、上記複数の第1溝は、上記複数の非接着領域の両側の境界部分に沿って形成され、上記複数の上部スリットとずれて配置されてもよい。
【0017】
本発明のさらに他の側面による液化ガス貯蔵タンクは、互いに異なる角度の第1面と第2面とが接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、上記コーナーブロックは、上記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、上記下部ブロックの2次防壁とボンディング結合される上部ブロックと、隣り合って配置される上記下部ブロックの上面において上記2次防壁とボンディング結合されて上記下部ブロック間を連結する上部連結ブロックと、からなり、上記上部連結ブロックは、上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ設けられて上記2次防壁とボンディング結合され、コーナー第1連結プライウッド、コーナー連結断熱材、コーナー第2連結プライウッドが積層された構造を有するコーナー第1連結固定部及びコーナー第2連結固定部と、上記コーナー第1連結固定部と上記コーナー第2連結固定部の間のコーナー空間部分に設けられるコーナー連結折曲部と、を含み、上記コーナー連結折曲部は、上記2次防壁に対して垂直な両側面の高さが上記コーナー第1、2連結固定部のそれぞれの全高より縮小された高さであってもよい。
【0018】
具体的に、上記コーナー連結折曲部は、両側面に第2突出部が設けられ、上記第2突出部は、上記コーナー第1、2連結固定部によってできるコーナー空間部分に挿入される上記コーナー連結折曲部から空間の外部に一定長さ延長され、断面形状が上記コーナー連結折曲部と類似するが、上記2次防壁と接する曲面部分が上記コーナー連結折曲部の曲面部分から同一線上に延長され、上記2次防壁に対して垂直な両側面が上記コーナー連結折曲部の両側面と第2段差を有してもよい。
【0019】
具体的に、上記コーナー第1、2連結固定部は、コーナー部分を均等に分割する方向を基準として対称に設けられるが、上記コーナー連結折曲部の両側面に密着する第1側面が上記2次防壁に対して垂直であり、上記第1側面から上記貯蔵空間側に延長する第2側面が分割方向と同じ方向に延長し、上記上部連結ブロックは、上記コーナー連結折曲部の両側面と密着する上記第1側面との間と、互いに対向する上記第2側面との間にできる空間に挿設されるコーナー内側パッキング材をさらに含み、上記コーナー内側パッキング材は、上記第2側面の間の空間に挿入された状態で空間を密閉するように(+)公差を有するように形成されてもよい。
【0020】
具体的に、上記コーナー第2連結プライウッドは、上記2次防壁とボンディング結合される下面に第2溝が形成され、上記第2溝は、上記コーナー第2プライウッドを上記2次防壁上に接着剤でボンディング結合する際、非接着領域に上記接着剤がスクイーズアウトされることが確認できるように、貯蔵タンクのコーナー辺と水平方向に形成されてもよい。
【0021】
具体的に、上記第2溝は、非接着領域である上記コーナー連結折曲部に上記接着剤がスクイーズアウトされることが確認できるように、上記コーナー第2連結プライウッドの後方の縁に隣接する部分に形成されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナーブロックの構造を改善して、コーナー2次防壁の低温負担、スロッシング負担及び応力負担を減らせる。
【0023】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナーブロックにおいてコーナー1次防壁が固定される防壁固定部材を固定させるための内側第1、2固定部をプライウッドのみで構成せずにポリウレタンフォームの断熱材と組み合わせた構成で形成することにより、従来のプライウッドのみで構成されたものに比べて断熱性能を向上させることができ、重さを減らすことができ、コストを節減することができる。
【0024】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、平面ブロックのフラット1次断熱壁に連結されるコーナーブロックのコーナー1次断熱壁と平面ブロックのフラット2次断熱壁に連結されるコーナーブロックのコーナー2次断熱壁の厚さを同一または類似するように構成することにより、従来対比でコーナー1次断熱壁の厚さが相対的に厚くなり(ただし、コーナー2次断熱壁の厚さは機械的強度を一定水準に保持できる厚さである)、コーナー2次防壁の低温負担及びスロッシング負担を低減させることができ、コーナー2次防壁の損傷を防止することができるだけでなく、コーナー2次防壁の低温負担が軽減されて船体の脆性破壊を防止することができる。
【0025】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー1次断熱壁の厚さが従来対比で相対的に厚く構成されることにより、コーナー2次防壁がコーナー2次断熱壁に接着されない部分の長さを増加させることができ、コーナー2次防壁の柔軟性(flexibility)が増加してコーナー連結防壁を含むコーナー2次防壁の損傷確率をさらに下げることができるだけでなく、コーナー2次防壁は船体変形吸収が容易になり、低温応力もさらに減少することができる。
【0026】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられる内側第1固定部と内側第2固定部の間を一定間隔離隔させ、内側第1、2固定部の間に内側中間固定部を設けることにより、内側中間固定部によってコーナー1次防壁の折り曲げられる角度を緩和させることができるため、コーナー1次防壁におけるスロッシング負担を減らせるだけでなく、コーナー部分の機械的強度を向上させることができる。
【0027】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファーに低密度ポリウレタンフォームを充填することで、低密度ポリウレタンフォームによってコーナー部分における断熱性能をさらに向上させることができる。
【0028】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部が対向する角に段差を形成し、段差部分にグラスウールを充填することにより、グラスウールの上部に形成されるコーナー連結防壁を含むコーナー2次防壁の柔軟性が向上し、コーナー2次防壁の損傷をさらに防止することができる。
【0029】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部の間を一定間隔離隔させ、外側第1、2固定部の間に外側中間固定部を設けることにより、外側第1固定部と外側中間固定部との間及び外側第2固定部と外側中間固定部との間にそれぞれ形成されるギャップによって従来の1つのギャップ対比で外側固定部の温度による収縮または膨張応力(stress)が緩和し、外側固定部に固定されるコーナー2次防壁の損傷を防止することができる。
【0030】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファー部分を含む外側第1、2固定部の表面に沿ってコーナー2次防壁を設けることにより、コーナー2次防壁が外側に突出し折り曲げられてコーナー2次断熱壁に接着されない部分の長さが増加し、コーナー2次防壁の柔軟性(flexibility)が増加してコーナー連結防壁を含むコーナー2次防壁の損傷確率をさらに下げることができるだけでなく、コーナー2次防壁は船体変形吸収が容易になり、低温応力もさらに減少することができる。
【0031】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー1次断熱材と段差をなす内側1次プライウッドを含むコーナー1次断熱壁がコーナー2次断熱壁上に複数配置されるが、隣り合うコーナー1次断熱材が隣接して配置されるように構成することにより、隣接配置される内側1次プライウッドの間の段差部分を通じて防壁固定部材の設置ハンドリングを容易にするだけでなく、段差部分のみにパッキング材を装着すればよいため、パッキング材の消耗を減らすことができる。
【0032】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー1次断熱壁の内側折曲部を内側第1固定部にボンディング結合される内側第1ハーフ折曲部と内側第2固定部にボンディング結合される内側第2ハーフ折曲部で構成し、内側第1、2ハーフ折曲部の間の空間を(+)公差を有するコーナー内側パッキング材で仕上げることにより、内側折曲部における熱対流経路を遮断し、熱対流現象を防ぐことができる。
【0033】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー1次断熱壁の内側折曲部(またはコーナー連結折曲部)の大きさをコーナー1次断熱壁(またはコーナー連結断熱壁)の内側第1、2固定部(またはコーナー第1、2連結固定部)の大きさに対して半分程度に縮小することにより、内側第1、2固定部と同じ高さで形成される従来の内側折曲部に比べて温度変化による縮小面積が減少するに伴って内側折曲部(またはコーナー連結折曲部)で熱対流が発生する空間(コーナー部分で内側折曲部と2次防壁との間の非接着領域)が減少し、熱対流現象を低減させることができる。
【0034】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー1次断熱壁の内側折曲部(またはコーナー連結折曲部)の大きさをコーナー1次断熱壁(またはコーナー連結断熱壁)の内側第1、2固定部(またはコーナー第1、2連結固定部)の大きさに対して半分程度に縮小することにより、内側第1、2固定部(またはコーナー第1、2連結固定部)の残りの半分部分の間に発生する空間部分をコーナー内側パッキング材で仕上げるが、コーナー内側パッキング材が内側折曲部(またはコーナー連結折曲部)の内部に一定深さまで挿入されるようにして内側折曲部(またはコーナー連結折曲部)における熱対流現象を更に低減させることができる。
【0035】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、複数の単位上部ブロックが互いに隣接して並んで配置されて形成される従来の上部ブロックと比べて、複数の単位上部ブロックが1つに統合される統合上部ブロックで構成することにより、従来の単位上部ブロックの間で発生する熱対流経路が省略されて熱対流現象を低減させることができる。
【0036】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、大きさの縮小された内側折曲部及び大きさの縮小されたコーナー連結折曲部の両側面が突出した構造を有し、隣り合う統合上部ブロックの間に上部連結ブロックを設けたときに内側折曲部とコーナー連結折曲部の突出した構造により発生する空間をスタッフィングピースで仕上げることで、統合上部ブロックと上部連結ブロックとの間に発生する熱対流経路が突出した構造及びスタッフィングピースによって屈曲した経路となるため、熱対流現象を低減させることができる。
【0037】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、統合上部ブロックにおいて、従来の上部ブロックを構成する複数の単位上部ブロックのそれぞれに該当する部分の上面に複数の単位防壁固定部材を設け、複数の単位防壁固定部材の間に露出する統合上部ブロックの上部に一定深さの上部スリットを形成し、上部スリットとずらして統合上部ブロックの下部に一定深さの下部スリットを形成することにより、上下部スリットによって統合上部ブロックの収縮及び膨張応力を緩和させることができる。また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー2次防壁と連結される統合上部ブロックの外側1次プライウッドに貯蔵タンクのコーナー辺と垂直方向に複数の第1溝を形成するが、外側1次プライウッドの両側の縁に隣接する部分と、中間部分に複数個設定される非接着領域の両側の境界部分に形成することで、従来の上部ブロックに比べて結合面積の広い統合上部ブロックのボンディング結合不良を防ぐことができる。
【0038】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、統合上部ブロックの外側1次プライウッドに複数の第1溝を形成することにより、外側1次プライウッドを2次防壁上に接着剤でボンディング結合するとき、非接着領域に接着剤がスクイーズアウトされることを確認し、接着剤の過度な非接着領域への浸透を防ぐことができる。
【0039】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー連結防壁と連結される上部連結ブロックのコーナー第2連結プライウッドに貯蔵タンクのコーナー辺と水平方向に第2溝を形成するが、コーナー第2連結プライウッドの後方の端に隣接する部分に形成することで、接着領域の接着剤が非接着領域にスクイーズアウトされることを目視で直接確認できるだけでなく、接着剤がスクイーズアウトされ第2溝を越えて非接着区間までボンディングされることによってコーナー部の非接着区間が減少し、2次防壁に加わる荷重がさらに大きくなることを防止して上部連結ブロックのボンディング結合不良を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するための平面部分の一部断面図である。
図2】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
図3】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
図4】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する他の構造解析の結果を示す図である。
図5】本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
図6】本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
図7】本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
図8】本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
図9】本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
図10】本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
図11】本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
図12】本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
図13】本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
図14】本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
図15】本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
図16】本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
図17】本発明の第8実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図である。
図18】本発明の第9実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図である。
図19図18の上部ブロックを構成する単位上部ブロックを説明するための側面図である。
図20図19の単位上部ブロックの分解図である。
図21図20の単位上部ブロックを組み立てる過程を説明するための図である。
図22図18の上部連結ブロックを説明するための側面図である。
図23】本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図である。
図24】本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部分解斜視図である。
図25図23の統合上部ブロックを説明するための正面図である。
図26図25の統合上部ブロックの他の実施例を説明するための正面図である。
図27図25の統合上部ブロックの側面図である。
図28図25のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図29図23の上部連結ブロックを説明するための斜視図である。
図30図23の上部連結ブロックを説明するための正面図である。
図31図30のB-B’線に沿って切断した断面図である。
図32図25の統合上部ブロックのさらに他の実施例を説明するための断面図である。
図33図32の統合上部ブロックの分解図である。
図34】本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクと比較例による液化ガス貯蔵タンクにおけるコーナー1次断熱壁及びコーナー連結断熱壁の構造によって変わる対流経路及び2次防壁の温度を比較説明するための図である。
図35】本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクと比較例による液化ガス貯蔵タンクにおけるコーナー1次断熱壁及びコーナー連結断熱壁の構造によって変わる対流経路及び2次防壁の温度を比較説明するための図である。
図36】本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクと比較例による液化ガス貯蔵タンクにおけるコーナー1次断熱壁及びコーナー連結断熱壁の構造によって変わる対流経路及び2次防壁の温度を比較説明するための図である。
図37】本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクと比較例による液化ガス貯蔵タンクにおけるコーナー1次断熱壁及びコーナー連結断熱壁の構造によって変わる対流経路及び2次防壁の温度を比較説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。また、本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ異なる図面上に表示されても、できる限り同じ番号を付したことに留意されたい。なお、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0042】
また、添付の図面は本明細書に開示された実施例を理解しやすくするためのものであり、添付の図面によって本明細書に開示された技術的思想は限定されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、等価物ないし代替物を含むと理解すべきである。
【0043】
また、第1、第2などの序数を含む用語は様々な構成要素を説明するために用いられるが、上記構成要素は上記用語によって限定されない。上記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。なお、明細書の全体にわたって使用される用語のうち、「外側」は液化ガス貯蔵タンクを基準としてタンクの外部側を意味し、「内側」は液化ガス貯蔵タンクを基準としてタンクの内部側を意味する。
【0044】
以下、本明細書において、液化ガスはLNGまたはLPG、エチレン、アンモニアなどのように一般的に液体状態で保管される全てのガス燃料を包括する意味で使用してもよく、加熱や加圧によって液体状態でない場合なども便宜上液化ガスと表現することができる。これは蒸発ガスにも同様に適用されることができる。また、LNGは便宜上液体状態であるNG(Natural Gas)だけでなく、超臨界状態などであるLNGを全て包括する意味で使用することができ、蒸発ガスは気体状態の蒸発ガスだけでなく、液化された蒸発ガスを含む意味で使用することができる。
【0045】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0046】
図1は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するための平面部分の一部断面図であり、図2は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、図3は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図であり、図4は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する他の構造解析の結果を示す図である。
【0047】
以下で説明する液化ガス貯蔵タンク1が備えられる船舶は、図示していないが、貨物を出発地から目的地まで輸送する商船の他にも海上の一定地点に浮遊して特定の作業を行う海洋構造物を包括する概念である。また、本発明における液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスを貯蔵する如何なる形態のタンクも含まれる。
【0048】
液化ガス貯蔵タンク1は、船舶に備えられて極低温(約-160℃~-170℃)物質であるLNGなどの液化ガスを貯蔵することができ、平面構造及びコーナー構造を含むことができる。例えば、液化ガス貯蔵タンク1の前後方向の横壁、横壁の間の底面、縦壁及び天井は平面構造に該当することができる。また、例えば、液化ガス貯蔵タンク1の横壁、底面、縦壁、天井が接する構造はコーナー構造に該当することができる。ここで、コーナー構造は鈍角コーナー構造または直角コーナー構造を含んでもよい。1次断熱壁3または2次断熱壁5の厚さが変化すると、鈍角コーナー構造または直角コーナー構造の変化が伴われることがある。
【0049】
液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、図2に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0050】
図1及び図2に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0051】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。
【0052】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0053】
このような液化ガス貯蔵タンク1は、断熱性能及び貯蔵容量を最適化するために、1次断熱壁3と2次断熱壁5の厚さの最適化が必要となり得る。例えば、1次断熱壁3と2次断熱壁5の主要材質としてポリウレタンフォームを使用する場合、1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを合わせた全体の厚さが250mm~500mmの範囲となるようにすることができ、本実施例の場合、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0054】
即ち、従来の液化ガス貯蔵タンクの場合、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁の厚さが2次断熱壁の厚さより約1/3程度に薄い厚さを有するが、これと比較して、本実施例は平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにするが、その理由は後述により明らかになる。
【0055】
図1を参照して、本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンク1の平面部分を先ず説明する。液化ガス貯蔵タンク1の平面部分は複数の平面ブロックの組み合わせからなり、以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成は第1実施例だけでなく、後述する第2実施例~第8実施例においても同様に適用される。
【0056】
図1に示すように、液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0057】
フラット1次防壁2aは、互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなってもよい。例えば、金属材質はステンレス鋼材であってもよいが、これに限定されない。フラット1次防壁2aは、フラット2次防壁41aとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0058】
フラット1次防壁2aは、金属ストリップ(不図示)によりフラット1次断熱壁3aの上部に固定結合されて液化ガス貯蔵タンク1に貯蔵される極低温物質である液化ガスと直接接触するように設けられてもよい。
【0059】
このようなフラット1次防壁2aは、平面ブロックと図2に示すコーナーブロックを隣接配置して連結するとき、フラット1次断熱壁3aと図2に示すコーナー1次防壁2bをシーリングする。
【0060】
フラット1次断熱壁3aは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、フラット1次防壁2aとフラット2次防壁41aとの間に設けられてもよい。
【0061】
フラット1次断熱壁3aは、フラット1次防壁2aの外側にフラット1次プライウッド31aとフラット1次断熱材32aが順に積層された構造であってもよく、フラット1次プライウッド31aの厚さとフラット1次断熱材32aの厚さを合わせた厚さ、例えば、160mm~250mmの厚さで形成されてもよいが、これに限定されない。
【0062】
フラット1次プライウッド31aはフラット1次防壁2aとフラット1次断熱材32aとの間に設けられてもよい。
【0063】
フラット1次断熱材32aは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質で形成されてもよい。
【0064】
フラット1次断熱材32aはフラット1次プライウッド31aとフラット2次防壁4aの間にポリウレタンフォームで形成されてもよく、フラット1次断熱壁3aの厚さの大半を占める。
【0065】
フラット1次断熱壁3aは、フラット2次防壁41a及びフラット2次断熱壁5aとともに平面ブロックの一部構成であり、平面ブロックをなすフラット1次断熱壁3aは平面ブロックの他の構成であるフラット2次断熱壁5aの幅より小さい幅を有することができる。これにより、フラット1次断熱壁3aの両側にフラット2次防壁41aの一部が露出することができる。複数の平面ブロックが隣接配置されるとき、隣り合って隣接配置されるフラット1次断熱壁3aの間の空間部分、即ち、フラット2次防壁41aが露出する空間部分にはフラット連結断熱壁33aが設けられてもよい。
【0066】
フラット連結断熱壁33aは、平面ブロックが互いに隣接配置されるとき、隣り合うフラット1次断熱壁3aの間に配置されるものであり、フラット1次断熱壁3aと同一または類似するフラット連結プライウッド331aとフラット連結断熱材332aが積層された形態に設けられてもよく、フラット1次断熱壁3aと同一または類似する厚さを有する。
【0067】
このようなフラット連結断熱壁33aは、複数の平面ブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次断熱壁5aの間に生じる空間部分をフラット連結防壁42aとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割のために設けられる。
【0068】
フラット2次防壁41aはフラット1次断熱壁3aとフラット2次断熱壁5aとの間に設けられてもよく、フラット1次防壁2aとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0069】
フラット2次防壁41aはフラット1次断熱壁3a及びフラット2次断熱壁5aとともに平面ブロックの一部構成であって、平面ブロックが隣接配置されるとき、隣り合うフラット2次防壁41aはフラット連結防壁42aによって連結されてもよい。
【0070】
フラット連結防壁42aは、平面ブロックが隣接配置されるとき、外部に露出する隣り合うフラット2次防壁41を連結することができ、上部にフラット連結断熱壁33aが設けられてもよい。
【0071】
フラット2次断熱壁5aは、フラット1次断熱壁3a及びフラット連結断熱壁33aとともに外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計されることができる。また、フラット2次断熱壁5aはフラット2次防壁4aと船体7との間に設けられてもよく、フラット2次断熱材51a、フラット2次プライウッド52aを含んで構成されてもよい。
【0072】
フラット2次断熱壁5aはフラット2次防壁41aの外側にフラット2次断熱材51aとフラット2次プライウッド52aが順に積層された構造であってもよく、フラット2次断熱材51aの厚さとフラット2次プライウッド52aの厚さを合わせた全体の厚さ、例えば、フラット1次断熱壁3aの厚さと同一または類似する150mm~240mmで形成されてもよいが、これに限定されない。
【0073】
フラット2次断熱材51aは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質で形成されてもよい。
【0074】
フラット2次断熱材51aはフラット2次防壁41aとフラット2次プライウッド52aとの間にポリウレタンフォームで形成されてもよく、フラット2次断熱壁5aの厚さの大半を占める。
【0075】
フラット2次プライウッド52aはフラット2次断熱材51aと船体7との間に設けられてもよい。
【0076】
上記のように、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、フラット1次断熱壁3aに包括されるフラット連結断熱壁33aがフラット2次断熱壁5aの厚さと同一または類似する厚さとなるように構成することができる。このような構成と関連して、フラット連結断熱壁33aのフラット連結断熱材332aがフラット2次断熱材51aの90%~110%の厚さを有するようにして、フラット連結断熱壁33aのフラット連結断熱材332aがフラット2次断熱材51aと同一または類似する厚さとなるように構成することができる。
【0077】
即ち、従来の液化ガス貯蔵タンクの場合、平面ブロックにおいて1次断熱壁の厚さが2次断熱壁の厚さより約1/3程度に薄い厚さを有するが、これと比較して、本実施例は平面ブロックにおいてフラット1次断熱壁3aの厚さとフラット2次断熱壁5aの厚さを同一または類似するように構成しており、これはフラット2次断熱壁41aの低温応力による損傷を防止するためである。
【0078】
通常、フラット2次防壁41a及びフラット2次断熱壁5aは露出する温度によって自己収縮量に差が生じるが、フラット2次防壁41a及びフラット2次断熱壁5aの場合、フラット連結断熱壁33aの厚さが薄くなるほど、極低温の液化ガスの冷熱による影響を多く受けることができる。また、この場合、自己温度が低くなって収縮量そのものが増加し、低温における応力が増加してフラット2次防壁41aが損傷する危険性が高くなるという問題がある。このような問題は、特にフラット連結断熱壁33aの下部でフラット2次防壁41aをボンディングなどにより相互連結するフラット連結防壁42aにおいて多く発生することができる。フラット連結断熱壁33aの下部におけるフラット連結防壁42aは、両端が隣接配置される複数の平面ブロックのフラット2次防壁41aに連結されているが、これは平面ブロックのフラット2次断熱壁5aが収縮することに応じてフラット連結防壁42aの両端が互いに遠くなるか、近くなるように変形され得るためである。
【0079】
本実施例は、フラット連結断熱壁33aを包括するフラット1次断熱壁3a及びフラット2次断熱壁5aの厚さを同一または類似するように形成することにより、フラット連結断熱壁33aを包括するフラット1次断熱壁3aの厚さが従来と比較して相対的に厚くなるにつれてフラット2次防壁41aはもちろん、特にフラット連結防壁42aの極低温の負担が減少し、またフラット2次断熱壁5aの厚さが従来と比較して相対的に薄くなるにつれて収縮量そのものが減少して低温でのストレスが減少する。その結果、複数の平面ブロックが隣接配置される部分において2次防壁4の損傷の危険性が従来と比べて相対的に低くなる。
【0080】
図2を参照して、本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分を説明する。液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は135度の角度をなす鈍角コーナー構造である場合を例に挙げて説明するが、数値に限定されない。
【0081】
図2に示すように、液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。ここで、コーナー1次断熱壁3bは内側折曲部3b3をさらに含んでもよい。
【0082】
コーナー1次防壁2bは互いに異なる角度の第1面または第2面が接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなってもよい。コーナー1次防壁2bはコーナー2次防壁41bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0083】
コーナー1次防壁2bは、図2には示していないが、コーナー1次断熱壁3bの上端部に接着またはボルティングなどの様々な方式で設けられる防壁固定部材によってコーナー1次断熱壁3b上に固定結合されて、液化ガス貯蔵タンク1に貯蔵される極低温物質である液化ガスと直接接触するように設けられてもよい。従って、以下で述べるコーナー1次防壁2bは防壁固定部材などを含む意味で使用することができる。
【0084】
このようなコーナー1次防壁2bは、コーナーブロックと図1に示す平面ブロックを隣接配置して連結するとき、コーナー1次断熱壁3bと図1に示すフラット1次防壁2aをシーリングすることができ、内側第1固定部3b1の内側1次プライウッド31b及び内側第2固定部3b2の内側1次プライウッド31bに固定され、内側折曲部3b3の断熱材3b31の内面において一定角度、例えば、135度の角度に折り曲げられるように設けられてもよい。
【0085】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。
【0086】
コーナー1次断熱壁3bは第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32b、外側1次プライウッド33bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。
【0087】
ここで、内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0088】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に断熱材3b31を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。
【0089】
このようなコーナー1次断熱壁3bは、内側1次プライウッド31bの厚さ、コーナー1次断熱材32bの厚さ、外側1次プライウッド33bの厚さを合わせた厚さが上述したフラット1次断熱壁3aの厚さ(例えば、160mm~250mmの厚さ)と同一であってもよい。
【0090】
内側1次プライウッド31bは、コーナー1次防壁2bとコーナー1次断熱材32bとの間に設けられてもよい。
【0091】
本実施例では、上述したように、平面ブロック及びコーナーブロックにおける1次断熱壁3が従来の1次断熱壁の厚さより相対的に厚く形成されるため、コーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bを構成する内側1次プライウッド31bの厚さを減らし、残りの厚さをポリウレタンフォームで形成されるコーナー1次断熱材32bに代替してもよい。
【0092】
本実施例の内側1次プライウッド31bの厚さは20mm~80mmであってもよい。
【0093】
このように、本実施例は、コーナーブロックにおいてコーナー1次防壁2bが固定される防壁固定部材を固定するための内側第1、2固定部3b1、3b2を従来のように約92mmの厚さを有するプライウッドでのみ構成せずにポリウレタンフォームのコーナー1次断熱材32bと組み合わせた構成で形成することにより、従来のプライウッドのみで構成されたものに比べて断熱性能を向上させることができ、重さを減少させることができ、コストを節減することができる。
【0094】
コーナー1次断熱材32bは、内側1次プライウッド31bと外側1次プライウッド33bの間に配置されてもよく、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質である高密度ポリウレタンフォームで形成されてもよい。
【0095】
外側1次プライウッド33bはコーナー1次断熱材32bとコーナー2次防壁41bの間に配置されてもよく、コーナー2次防壁41bに固定されることができる。
【0096】
外側1次プライウッド33bは6.5mm~15mmの厚さで形成されてもよい。
【0097】
上記のように、本実施例のコーナー1次断熱壁3bは、内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32b、外側1次プライウッド33bが順に積層された構造からなることによって、コーナー1次断熱材32bの熱収縮を強度の高い内側1次プライウッド31b及び外側1次プライウッド33bが防ぎ、外側第1、2固定部5b1、5b2との間の2次防壁4、41b、42bにコーナー1次断熱材32bの熱収縮が直接加えられないようにし、中間層としてコーナー1次断熱材32bを設けることにより、湿度(humidity)に敏感な内側1次プライウッド31b及び外側1次プライウッド33bの公差管理が容易にできる。
【0098】
コーナー1次断熱壁3bとして構成される内側第1、2固定部3b1、3b2のそれぞれは、コーナー2次防壁41b及びコーナー2次断熱壁5bからなる外側第1、2固定部5b1、5b2のそれぞれに固定されるが、このような内側第1、2固定部3b1、3b2のそれぞれの幅は外側第1、2固定部5b1、5b2のそれぞれの幅より小さい幅を有することができる。これにより、互いに異なる角度の第1面と第2面が対向するコーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックが隣接配置されるとき、隣り合って隣接配置される内側第1、2固定部3b1、3b2の間の空間部分、即ち、コーナー2次防壁41bが露出する空間部分には内側折曲部3b3が形成されることができる。
【0099】
内側折曲部3b3は断熱材3b31を充填して構成されてもよい。
【0100】
内側折曲部3b3の断熱材3b31は低密度ポリウレタンフォームであってもよく、一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられた外面にはコーナー2次防壁41bとコーナー連結防壁42bが積層された2次防壁4が設けられてもよい。
【0101】
このような内側折曲部3b3の断熱材3b31は、複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置される外側第1、2固定部5b1、5b2の間に生じる空間部分をコーナー連結防壁42bとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割を行うことができる。
【0102】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bの外側に設けられてもよい。コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0103】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3b及びコーナー2次断熱壁5bとともにコーナーブロックの一部構成であり、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよい。
【0104】
コーナー連結防壁42bは、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外部に露出する隣り合うコーナー2次防壁41を連結することができ、上部に内側折曲部3b3の断熱材3b31が設けられて、内側折曲部3b3の断熱材3b31と隣接配置される外側第1、2固定部5b1、5b2の間に生じる空間部分を密封して外部からの熱侵入を遮断する役割をすることができる。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0105】
外側第1、2固定部5b1、5b2が接する地点において、コーナー2次防壁41bとコーナー連結防壁42bとが積層された2次防壁4は折り曲げられるように設けられてもよい。
【0106】
コーナー2次断熱壁5bはコーナー2次防壁41bの外側に配置されることができる。コーナー2次断熱壁5bは、コーナー1次断熱壁3b及び内側折曲部3b3の断熱材3b31とともに外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計されることができる。また、コーナー2次断熱壁5bはコーナー2次防壁4bと船体7との間に設けられてもよく、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。
【0107】
コーナー2次断熱壁5bは第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0108】
ここで、外側第1固定部5b1は第1面の内側に固定され、外側第2固定部5b2は第2面の内側に固定されてもよい。
【0109】
第1面に固定される外側第1固定部5b1と第2面に固定される外側第2固定部5b2が対向する側面は、コーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分が均等に分割されるもので説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないことがあるため、コーナー部分を不均等に分割する方向EDに傾斜して設けてもよいことは言うまでもない。
【0110】
このようなコーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51bの厚さ、コーナー2次断熱材52bの厚さ、外側2次プライウッド53bの厚さを合わせた全体の厚さが上述したフラット2次断熱壁5aの厚さ(例えば、150mm~240mmの厚さ)と同一であってもよい。
【0111】
内側2次プライウッド51bはコーナー2次防壁2bとコーナー2次断熱材51bの間に配置されてもよく、コーナー2次防壁2bが固定されることができる。内側2次プライウッド51bは6.5mm~15mmの厚さに形成されてもよい。
【0112】
コーナー2次断熱材52bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質で形成されてもよい。
【0113】
コーナー2次断熱材52bは内側2次プライウッド51bと外側2次プライウッド53bの間にポリウレタンフォームで形成されてもよく、コーナー2次断熱壁5bの厚さの大半を占める。
【0114】
外側2次プライウッド53bはコーナー2次断熱材52bと船体7の間に設けられてもよい。外側2次プライウッド53bは6.5mm~25mmの厚さで形成されてもよい。
【0115】
上記した本実施例による液化ガス貯蔵タンク1は、1次断熱壁3の厚さが従来対比で相対的に厚くなることにより、平面ブロックだけでなくコーナーブロックにおいて、2次防壁4が船体7側に移動するようになって曲率半径が大きくなり、この場合、コーナー部分で2次防壁4の曲率半径が大きくなることによって、2次防壁4が2次断熱壁5に接着されない部分の長さも増加する。これは鈍角コーナー構造における2次防壁4の柔軟性(flexibility)の増加を意味し、そのため、鈍角コーナー構造において2次防壁4は周辺部の変形吸収、例えば、船体変形吸収が容易となり、低温応力も減少する。本実施例の場合、接着されない部分の長さは、例えば、0mm~100mm、好ましくは50mm~100mmであってもよい。
【0116】
上記のように、本発明の鈍角コーナー構造における2次防壁4は、相対的に薄い厚さに形成される1次断熱壁3の鈍角コーナー構造に比べて従来の2次防壁4に加わる低温での応力が減少することができる。また、接着されない部分が増加し、船体の変形吸収も容易である。
【0117】
これは、図3及び図4において、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分に対する構造解析の結果により立証できた。
【0118】
構造解析の遂行条件は、船体位置で20度℃、1次防壁で-163℃で熱伝達解析を行っており、この結果から出た温度分布を用いて構造解析を行った。
【0119】
また、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1の構造解析で得られた結果を比較するための従来の液化ガス貯蔵タンクは、平面ブロック及びコーナーブロックにおける1次断熱壁の厚さが2次断熱壁の厚さより約1/3程度に薄い厚さを有し、内側第1、2固定部3b1、3b2に該当する固定部材がプライウッドのみで構成され、接着されない部分の長さが50mmの場合であり、このような従来の液化ガス貯蔵タンクでは、2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPaであり、温度が約-135.857℃であった。
【0120】
構造解析の結果から得られるYY方向の応力値はコーナーにおける応力値であって、低いほどストレスが少なく、温度はコーナーにおける温度であり、温度が高いほどストレスが少ない(常温25℃で設置した後に変化した値を示す)。
【0121】
上記の条件は、本実施例だけでなく、後述する第2~第7実施例による液化ガス貯蔵タンク1の構造解析にも同様に適用される。
【0122】
図3は、本実施例において接着されない部分の長さが50mmのとき、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は37.155MPaで、温度は-57.940℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスが遥かに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0123】
図4は、本実施例において接着されない部分の長さが97mmのとき、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.084MPaで、温度が-59.025℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0124】
これにより、本実施例では、コーナーブロックにおいてコーナー1次防壁2bが固定される防壁固定部材を固定するための内側第1、2固定部3b1、3b2をプライウッドのみで構成せず、ポリウレタンフォームの断熱材3b31と組み合わせた構成で形成することにより、従来のプライウッドのみで構成されたものと比べて断熱性能を向上させることができ、重さを減らすことができ、コストを節減することができる。
【0125】
また、本実施例は、平面ブロックのフラット1次断熱壁3aに連結されるコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bと平面ブロックのフラット2次断熱壁5aに連結されるコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bの厚さを同一または類似するように構成することにより、従来対比でコーナー1次断熱壁3bの厚さが相対的に厚くなり(ただし、コーナー2次断熱壁5bの厚さは機械的強度を一定レベルに保持できる厚さである)、外側第1、2固定部5b1、5b2の間の2次防壁4、41b、42bの低温負担及びスロッシング負担を減らすことができ、2次防壁4、41b、42bの損傷を防止することができるだけでなく、2次防壁4、41b、42bの低温負担が軽減されて船体7の脆性破壊を防止することができる。
【0126】
また、本実施例では、コーナー1次断熱壁3bの厚さが従来対比で相対的に厚く構成されることにより、2次防壁4、41b、42bがコーナー2次断熱壁5bに接着されない部分の長さを増加させることができ、2次防壁4、41b、42bの柔軟性(flexibility)の増加により、2次防壁4、41b、42bの損傷確率がさらに下げられるだけでなく、2次防壁4、41b、42bは船体変形吸収が容易となり、低温応力もさらに減少することができる。
【0127】
図5は本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、図6は本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0128】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、図5に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0129】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0130】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、図1及び図5を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0131】
図1及び図5に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0132】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0133】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0134】
図5に示すように、本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0135】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0136】
コーナー1次防壁2bは互いに異なる角度の第1面または第2面が接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなってもよい。コーナー1次防壁2bはコーナー2次防壁41bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0137】
本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。ただし、本実施例のコーナー1次防壁2bはコーナー1次断熱壁3bの構成が第1実施例と異なるため、折り曲げられる角度が異なり得るが、以下でコーナー1次断熱壁3bを説明する際に言及する。
【0138】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較して、外側1次プライウッド33bが省略され、断熱材3b31を充填して構成される内側折曲部3b3が配置される部分の構成が異なることを除き、同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0139】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0140】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0141】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2との間に設けられる内側中間固定部3b12を含んでもよい。
【0142】
内側中間固定部3b12は隣り合うコーナー2次防壁41bを連結するコーナー連結防壁42bに固定されるコーナー中間断熱材32b12と、コーナー中間断熱材32b12の内側に配置され、コーナー1次防壁2bが固定される内側中間プライウッド31b12と、を含んでもよい。
【0143】
内側中間プライウッド31b12は、内側1次プライウッド31bと同一または類似する構造で形成されてもよく、内側1次プライウッド31bとともにコーナー1次防壁2bが固定されてもよい。
【0144】
このような内側中間プライウッド31b12は、コーナー部分を均等に分割する場合、均等に分割する方向EDと垂直な方向に平行することができる。ただし、内側中間プライウッド31b12は、コーナー部分を不均等に分割する場合、コーナー部分を分割する方向EDと垂直な方向に平行でなくてもよいことは言うまでもない。
【0145】
コーナー中間断熱材32b12はコーナー1次断熱材32bと同一または類似する材質で形成されてもよい。コーナー中間断熱材32b12は高密度ポリウレタンフォームで形成されてもよい。
【0146】
このようなコーナー中間断熱材32b12は、複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置される外側第1、2固定部5b1、5b2の間に生じる空間部分をコーナー連結防壁42bとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割をすることができる。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0147】
内側中間プライウッド31b12が内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に設けられることにより、コーナー1次防壁2bは、内側第1固定部3b1の内側1次プライウッド31b、内側中間固定部3b12の内側中間プライウッド31b12及び内側第2固定部3b2の内側1次プライウッド31bに固定され、内側第1固定部3b1と内側中間固定部3b12との間及び内側中間固定部3b12と内側第2固定部3b2との間で150度~160度の角度範囲で折り曲げられるように設けられてもよい。
【0148】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間を一定間隔離隔させ、内側第1、2固定部3b1、3b2の間に内側中間固定部3b12を設けることで、内側中間固定部3b12によりコーナー1次防壁2bが折り曲げられる角度を緩和させることができ、コーナー1次防壁2bにおけるスロッシング負担を減らすことができる上、コーナー部分の機械的強度を向上させることができる。
【0149】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、上述した第1実施例と同一または類似するため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0150】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0151】
このような本実施例のコーナー2次断熱壁5bは、上述した第1実施例と同一または類似するため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0152】
図6は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は10.982MPaで、温度は-67.914℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスが遥かに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0153】
図7は本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、図8は本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0154】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、図7に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0155】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0156】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、図1及び図7を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0157】
図1及び図7に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0158】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0159】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0160】
図7に示すように、本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0161】
本実施例は、図とは異なり、コーナー1次断熱壁3bの位置がコーナー2次断熱壁5b上に施工されたコーナー2次防壁41bをコーナー中心部分で露出させるように位置してもよいことは言うまでもない。従って、露出したコーナー2次防壁41bをコーナー連結防壁42bに相互連結して仕上げるか、またはコーナー1次断熱壁3bが隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するようにコーナー連結防壁42bを施工した後、コーナー2次防壁41b/コーナー連結防壁42b上に積層することも可能である。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0162】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0163】
コーナー1次防壁2bは互いに異なる角度の第1面または第2面が接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなってもよい。コーナー1次防壁2bはコーナー2次防壁41bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0164】
本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0165】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較すると、外側1次プライウッド33bが省略されることを除き、同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0166】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0167】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0168】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に断熱材3b32を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b32は、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0169】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、コーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0170】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0171】
上記の外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する側面がコーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分を均等に分割することで説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないこともあり得るため、コーナー部分を不均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよいことは言うまでもない。
【0172】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は互いに対向する角にチャンファー部が形成されてもよい。
【0173】
また、コーナー2次断熱壁5bは、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分の間に充填される断熱材5b31を含む外側折曲部5b3を含んでもよい。外側折曲部5b3の断熱材5b31は低密度ポリウレタンフォームであってもよい。
【0174】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分に外側折曲部5b3の断熱材5b31が設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の内側2次プライウッド51b、外側折曲部5b3の断熱材5b31、外側第2固定部5b2の内側2次プライウッド51bに固定され、外側折曲部5b3の断熱材5b31の内側において一定角度、例えば、135度の角度に折り曲げられるように設けられてもよい。
【0175】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファーに低密度ポリウレタンフォームからなる外側折曲部5b3の断熱材5b31が設けられることにより、低密度ポリウレタンフォームによってコーナー部分における断熱性能をさらに向上させることができる。
【0176】
図8は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.003MPaで、温度は-64.358℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0177】
図9は本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、図10は本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0178】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、図9に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0179】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0180】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、図1及び図9を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0181】
図1及び図9に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0182】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0183】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0184】
図9に示すように、本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0185】
本実施例は、図とは異なり、コーナー1次断熱壁3bの位置がコーナー2次断熱壁5b上に施工されたコーナー2次防壁41bをコーナー中心部分で露出させるように位置してもよいことは言うまでもない。従って、露出したコーナー2次防壁41bをコーナー連結防壁42bに相互連結して仕上げるか、またはコーナー1次断熱壁3bが隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するようにコーナー連結防壁42bを施工した後、コーナー2次防壁41b/コーナー連結防壁42b上に積層することも可能である。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0186】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0187】
コーナー1次防壁2bは互いに異なる角度の第1面または第2面が接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなってもよい。コーナー1次防壁2bはコーナー2次防壁41bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0188】
本実施例のコーナー1次防壁2bは基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0189】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較すると、外側1次プライウッド33bが省略され、内側折曲部3b3の構成が異なることを除いては同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0190】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0191】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0192】
また、コーナー1次断熱壁3bは内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に充填され、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41b上に設けられる外側断熱材3b33と、外側断熱材3b33とコーナー1次防壁2bとの間に設けられる内側断熱材3b34と、を含む内側折曲部3b3を含んでもよい。
【0193】
内側折曲部3b3の外側断熱材3b33はグラスウールであってもよく、一定角度、例えば135度の角度で折り曲げられた外面にはコーナー2次防壁41bとコーナー連結防壁42bとが積層された2次防壁4が設けられてもよい。
【0194】
内側折曲部3b3の内側断熱材3b34は低密度ポリウレタンフォームであってもよく、一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられた内面にはコーナー1次防壁2bが設けられてもよい。
【0195】
内側折曲部3b3の外側断熱材3b33と内側断熱材3b34のそれぞれの厚さは自由にできる。
【0196】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、上記のコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0197】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0198】
上記の外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する側面がコーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分を均等に分割することで説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないこともあり得るため、コーナー部分を不均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよいことは言うまでもない。
【0199】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は互いに対向する角に段差が形成されてもよい。
【0200】
また、コーナー2次断熱壁5bは外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の段差部分の間に充填される断熱材5b312を含む外側折曲部5b3を含んでもよい。外側折曲部5b3の断熱材5b32は内側折曲部3b3の外側断熱材3b33と同じ材質であるグラスウールであってもよい。
【0201】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の段差部分に外側折曲部5b3の断熱材5b32が設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の内側2次プライウッド51b、外側折曲部5b3の断熱材5b32、外側第2固定部5b2の内側2次プライウッド51bに固定され、外側折曲部5b3の断熱材5b32の内側から一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられるように設けられてもよい。
【0202】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が対向する角に段差を形成し、段差部分にグラスウールからなる外側折曲部5b3の断熱材5b32が設けられ、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bを挟んでグラスウールからなる内側折曲部5b3の外側断熱材3b33が設けられることにより、グラスウールの間に形成されるコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの柔軟性が向上し、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷をさらに防止することができる。
【0203】
図10は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.003MPaで、温度は-64.358℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0204】
図11は本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、図12は本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0205】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、図11に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0206】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0207】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、図1及び図11を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0208】
図1及び図11に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0209】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0210】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0211】
図11に示すように、本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0212】
本実施例は、図とは異なり、コーナー1次断熱壁3bの位置がコーナー2次断熱壁5b上に施工されたコーナー2次防壁41bをコーナー中心部分で露出させるように位置してもよいことは言うまでもない。従って、露出したコーナー2次防壁41bをコーナー連結防壁42bに相互連結して仕上げるか、またはコーナー1次断熱壁3bが隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するようにコーナー連結防壁42bを施工した後、コーナー2次防壁41b/コーナー連結防壁42b上に積層することも可能である。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0213】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0214】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bはコーナー2次防壁41bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0215】
本実施例のコーナー1次防壁2bは基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0216】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較して外側1次プライウッド33bが省略されることを除いて同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0217】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0218】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0219】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2との間に断熱材3b35を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b35は上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0220】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、コーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0221】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0222】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0223】
また、コーナー2次断熱壁5bは外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2との間に設けられ、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの折曲部分が装着される外側中間固定部5b12を含んでもよい。
【0224】
外側中間固定部5b12は、第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側中間プライウッド51b12と、外側中間プライウッド51b12の内側に設けられる外側中間断熱材52b12と、外側中間断熱材52b12の内側に設けられ、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの折曲部分が装着される内側中間断熱材53b12と、を含んでもよい。
【0225】
外側中間プライウッド51b12は内側2次プライウッド51bと同一線上に位置し、同じ構成であってもよい。
【0226】
外側中間断熱材52b12はポリウレタンフォームであってもよい。
【0227】
内側中間断熱材53b12はグラスウールであってもよい。
【0228】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の間に外側中間プライウッド51b12、外側中間断熱材52b12、内側中間断熱材53b12が積層された外側中間固定部5b12がが設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の内側2次プライウッド51b、外側中間固定部5b12の内側中間断熱材53b12、外側第2固定部5b2の内側2次プライウッド51bに固定され、外側中間固定部5b12の内側中間断熱材53b12の内側において一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられるように設けられてもよい。
【0229】
これにより、本実施例では、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の間に外側中間固定部5b12を設け、グラスウールからなる外側中間固定部5b12の内側中間断熱材53b12の上部に形成されるコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの柔軟性が向上し、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷をさらに防止することができる。
【0230】
また、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の間を一定間隔離隔させ、外側第1、2固定部5b1、5b2の間に外側中間固定部5b12を設けることにより、外側第1固定部5b1と外側中間固定部5b12の間及び外側第2固定部5b2と外側中間固定部5b12の間のそれぞれに形成されるギャップによって、従来の1つのギャップを有する外側固定部に比べて本実施例の2つのギャップを有する外側固定部5b1、5b2、5b12での温度による収縮または膨張応力(stress)が緩和し、外側固定部5b1、5b2、5b12に固定されるコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷を防止することができる。
【0231】
図12は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は13.101MPaで、温度は-74.480℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスが遥かに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0232】
図13は本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、図14は本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0233】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、図13に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0234】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0235】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、図1及び図13を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0236】
図1及び図13に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0237】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0238】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0239】
図13に示すように、本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0240】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0241】
コーナー1次防壁2bは互いに異なる角度の第1面または第2面が接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなってもよい。コーナー1次防壁2bはコーナー2次防壁41bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0242】
本実施例のコーナー1次防壁2bは基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0243】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較して外側1次プライウッド33bが省略され、内側折曲部3b3の断熱材3b31の外面形状が異なることを除いて同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0244】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0245】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0246】
また、コーナー1次断熱壁3bは内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2との間に断熱材3b36を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b36は、上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b36は、外側第1、2固定部5b1、5b2の構成が異なることに応じて外面の形状が変化することができる。
【0247】
即ち、本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b36は、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が互いに対向する角にチャンファーが形成されるため、外面が内側第1固定部3b1または内側第2固定部3b2に比べて外側方向に突出する形状を有する。
【0248】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0249】
本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、コーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0250】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0251】
上記の外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する側面がコーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分を均等に分割することで説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないこともあり得るため、コーナー部分を不均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよいことは言うまでもない。
【0252】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は互いに対向する角にチャンファー部が形成されてもよい。
【0253】
本実施例において、内側2次プライウッド51bは、外側2次プライウッド53bと平行し、コーナー2次断熱材52b上に固定される周辺プライウッド51b1と、周辺プライウッド51b1に連結され、チャンファー部分のコーナー2次断熱材52b上に固定される傾斜プライウッド51b2と、で構成されてもよい。これにより、上述した第1実施例とは異なり、周辺プライウッド51b1上にはコーナー1次断熱材32bが設けられ、傾斜プライウッド51b2上には内側折曲部3b3の断熱材3b36が設けられてもよい。
【0254】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分に傾斜プライウッド51b2及び内側折曲部3b3の断熱材3b36が設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の周辺プライウッド51b1、外側第1固定部5b1の傾斜プライウッド5b2、外側第2固定部5b2の傾斜プライウッド5b2、外側第2固定部5b2の周辺プライウッド51b1に固定されることができる。
【0255】
また、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分に装着されるために外側に突出するように折り曲げられてもよい。
【0256】
即ち、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の周辺プライウッド51b1と外側第1固定部5b1の傾斜プライウッド51b2の間で外側に折り曲げられ、外側第1固定部5b1の傾斜プライウッド51b2と外側第2固定部5b2の傾斜プライウッド51b2の間で内側に折り曲げられ、外側第2固定部5b2の傾斜プライウッド51b2と外側第2固定部5b2の周辺プライウッド51b1の間で外側に折り曲げられるように設けられてもよい。
【0257】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファー部分を含む外側第1、2固定部5b1、5b2の表面に沿ってコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bを設けることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bが外側に突出して折り曲げられてコーナー2次断熱壁5bに接着されない部分の長さが増加し、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの柔軟性(flexibility)が増加してコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷確率をさらに下げることができるだけでなく、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは船体変形吸収が容易となり、低温応力もさらに減少することができる。
【0258】
図14は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は7.197MPaで、温度は-53.710℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0259】
図15は本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、図16は本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0260】
図15に示すように、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1は、上述した第1実施例の液化ガス貯蔵タンク1と比較して、内側折曲部3b3の構成を除いた構成は同一または類似することができるため、同じ構成に対しては重複する説明を避けるために具体的な説明は省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0261】
本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較すると、断熱材3b31を充填して構成される内側折曲部3b3が配置される部分の構成が異なることを除いては同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0262】
本実施例のコーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間の内側折曲部3b3に充填される真空断熱パネル3b37を含んでもよい。
【0263】
本実施例の場合、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2が非構造部材であるため、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に構造部材である真空断熱パネル3b37の施工が容易である。真空断熱パネル3b37はポリウレタンフォームなどの様々な断熱材のうち断熱性能に優れ、コーナー部分での断熱性能を向上させることができる。
【0264】
図16は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.084MPaで、温度は-59.025℃であった。このような数値は、従来の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは従来対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0265】
図17は本発明の第8実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図である。
【0266】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、図17に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0267】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0268】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、図1及び図17を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0269】
図1及び図17に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0270】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0271】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0272】
図17に示すように、本発明の第8実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。
【0273】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0274】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bはコーナー2次防壁41bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0275】
コーナー1次防壁2bは防壁固定部材21bに固定されてもよい。
【0276】
防壁固定部材21bは金属材質であり、コーナー1次断熱壁3bの上部に設けられてもよい。コーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次断熱壁5b上においてコーナー部分の辺に沿って複数配置されることができ、これにより、防壁固定部材21bは複数のコーナー1次断熱壁3bのそれぞれに独立して設けられることができる。
【0277】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。
【0278】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー2次防壁2bに固定されるコーナー1次断熱材32bと、コーナー1次断熱材32bの内側に配置されてコーナー1次断熱材32bと段差をなし、コーナー1次防壁2bが固定される内側1次プライウッド31bと、を含んでもよい。
【0279】
内側1次プライウッド31bとコーナー1次断熱材32bが順に積層されたコーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次断熱壁5b上においてコーナー部分の辺に沿って複数配置されてもよい。
【0280】
本実施例では、コーナー1次断熱壁3bが内側1次プライウッド31bとコーナー1次断熱材32bとで構成されると説明したが、上述した第1実施例~第7実施例のうち少なくとも何れか1つの実施例によるコーナー1次断熱壁3bと同一または類似してもよいことは言うまでもない。
【0281】
上記した複数のコーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次断熱壁5b上に互いに隣接して配置されるが、複数のコーナー1次断熱壁3bの間にグラスウールなどの別途の断熱材の充填が省略されるように複数のコーナー1次断熱壁3bの間の間隔を最小化して配置してもよい。
【0282】
このように複数のコーナー1次断熱壁3bを配置すると、コーナー1次断熱材32bと段差をなす内側1次プライウッド31bの間に段差空間ができる。本実施例のコーナーブロックは、互いに隣接配置されるコーナー1次断熱壁3bの段差空間に充填され、コーナー1次防壁2bが装着される内側第1パッキング材3b4を含む。
【0283】
内側第1パッキング材3b4はポリウレタンフォームまたはグラスウールであってもよい。
【0284】
複数のコーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次防壁41b及びコーナー2次断熱壁5bとともにコーナーブロックの一部構成であり、コーナーブロックをなす複数のコーナー1次断熱壁3bの全体幅はコーナーブロックの他の構成であるコーナー2次断熱壁5bの幅より小さくてもよい。これにより、複数のコーナー1次断熱壁3bの最外側にコーナー2次防壁41bの一部が露出することができる。コーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックが隣接配置されるとき、隣り合って隣接配置される最外郭のコーナー1次断熱壁3bの間の空間部分、即ち、コーナー2次防壁41bが露出する空間部分にはコーナー連結断熱壁34bが設けられてもよい。
【0285】
コーナー連結断熱壁34bは、コーナーブロックが互いに隣接配置されるときに隣り合う最外郭のコーナー1次断熱壁3bの間に配置されるものであり、コーナー1次断熱壁3bと同一または類似するコーナー連結断熱材341bとコーナー連結プライウッド342bとが積層された形態で設けられてもよく、コーナー1次断熱壁3bと同一または類似する厚さを有する。
【0286】
このようなコーナー連結断熱壁34bは、コーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置されるコーナー2次断熱壁5bの間に生じる空間部分をコーナー連結防壁42bとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割のために設けられる。
【0287】
このようにコーナー部分に沿って複数のコーナーブロックを隣接配置すると、コーナー連結断熱材42bとコーナー1次断熱材32bとの間及びコーナー連結プライウッド342bと内側1次プライウッド31bとの間に空間が生じ、この空間にコーナー1次防壁2bが装着される内側第2パッキング材3b5を充填してコーナー1次断熱壁3bの施工を仕上げることができる。
【0288】
内側第2パッキング材3b5はポリウレタンフォームまたはグラスウールであってもよい。
【0289】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスの外部への漏れを防止することができる。
【0290】
コーナー2次防壁41bは、コーナー1次断熱壁3b及びコーナー2次断熱壁5bとともにコーナーブロックの一部構成であり、コーナーブロックが隣接配置されるとき、隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bを介してシーリング連結されることができる。
【0291】
コーナー連結防壁42bは、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外部に露出する隣り合うコーナー2次防壁41を連結することができ、上部にコーナー連結断熱壁34bが設けられてもよい。
【0292】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されることができる。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなることができる。
【0293】
コーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置されるコーナー2次断熱壁5bの間に生じる空間は、外側パッキング材5b4で充填することができる。
【0294】
外側パッキング材5b4、ポリウレタンフォームまたはグラスウールであってもよい。
【0295】
このような本実施例のコーナー2次断熱壁5bは、上述した第1実施例~第7実施例の少なくとも何れか1つの実施例によるコーナー2次断熱壁5bと同一または類似することができるため、ここでは重複する説明を避けるために、具体的な説明を省略する。
【0296】
これにより、本実施例では、コーナー1次断熱材32bと段差をなす内側1次プライウッド31bを含むコーナー1次断熱壁3bがコーナー2次断熱壁5b上に複数配置されるが、隣り合うコーナー1次断熱材32bが隣接して配置されるように構成することにより、隣接配置される内側1次プライウッド31bの間の段差部分を通じて防壁固定部材21bの設置ハンドリングが容易になるだけでなく、段差部分にのみパッキング材3b4を装着させればよいため、パッキング材の消耗を減らすことができる。
【0297】
図18は本発明の第9実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図であり、図19図18の上部ブロックを構成する単位上部ブロックを説明するための側面図であり、図20図19の単位上部ブロックの分解図であり、図21図20の単位上部ブロックを組み立てる過程を説明するための図であり、図22図18の上部連結ブロックを説明するための側面図である。
【0298】
図18に示すように、本発明の第9実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックCBの組み合わせからなってもよい。コーナーブロックCBの基本構造(primary structure)は船体7に固定され、シングルボード(single board)からなる下部ブロックLBと、下部ブロックLB上にボンディングされる複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置されて形成される上部ブロックUBと、隣り合って配置される下部ブロックLBを連結し、隣り合って配置される上部ブロックUBの間に露出する2次防壁4とボンディング結合される上部連結ブロックUBBと、からなってもよい。本実施例の上部ブロックUBは、4つの第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置されて形成されると説明するが、これに限定されず、少なくとも2つ以上の単位上部ブロックからなってもよいことは言うまでもない。
【0299】
このような本実施例のコーナーブロックCBは、上述した第1実施例~第8実施例のように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置されてもよく、図示していないが、コーナーブロックCBが配置された状態で、上述のように金属材質のコーナー1次防壁2bを上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBB上に形成することで、極低温物質である液化ガスを密閉収容する収容空間を有する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分を完成する。
【0300】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1は上記のコーナー部分に形成されるコーナーブロックCBと平坦部に形成される平面ブロックとを連結することにより完成されるが、ここで、平面ブロックは上述した第1実施例の図1に示す構造を有する平面ブロックであってもよいが、これに限定されない。
【0301】
また、本実施例のコーナーブロックCBは、以下に下部ブロックLB、上部ブロックUB、上部連結ブロックUBBに区分して具体的に説明するが、これに限定されず、上述した第1実施例~第8実施例の何れか1つの構造と同一または類似してもよい。
【0302】
下部ブロックLBは、図18に示すように、上面に上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBが設けられてもよく、上部ブロックUBの下面にボンディング結合されるコーナー2次防壁41bと、下部ブロックLBが隣接配置されるときに上部ブロックUBが設けられず外部に露出する隣り合うコーナー2次防壁41bを連結し、上部連結ブロックUBBの下面にボンディング結合されるコーナー連結防壁42bと、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されるコーナー2次断熱壁5bと、からなってもよい。
【0303】
このような本実施例の下部ブロックLBは、上述した第1実施例~第8実施例の少なくとも何れか1つの実施例による構成と同一または類似してもよいため、ここでは重複する説明を回けるために具体的な説明を省略する。
【0304】
上部ブロックUBは、複数の単位上部ブロック、例えば、第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置され、下面が下部ブロックLB上にボンディング結合され、上面が防壁固定部材21bに固定されてもよい。
【0305】
第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4のそれぞれは、図18図19図20図21に示すように、防壁固定部材21bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bからなる基本構造を有する。
【0306】
上記において、コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、防壁固定部材21bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32b、外側1次プライウッド33bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2はコーナー部分を均等に分割する方向EDを基準として対称に設けられてもよい。
【0307】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間のコーナー空間部分に設けられ、断熱材からなる内側折曲部3b3を含んでもよい。
【0308】
本実施例の内側折曲部3b3は、図19図20図21に示すように、従来の一体化された内側折曲部とは異なり、内側第1ハーフ折曲部3b3’と内側第2ハーフ折曲部3b3’’に分割されて構成されてもよい。
【0309】
即ち、内側第1ハーフ折曲部3b3’及び内側第2ハーフ折曲部3b3’’は、コーナー部分を均等に分割する方向EDに沿って従来の一体化された内側折曲部を対称に切断した三角形状であってもよい。
【0310】
上記の三角形状の内側第1ハーフ折曲部3b3’は、2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直な側面が第1ボンディング部3b6により内側第1固定部3b1の側面とボンディング結合されてもよい。
【0311】
また、三角形状の内側第2ハーフ折曲部3b3’’は、2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直な側面が第2ボンディング部3b7により内側第2固定部3b2の側面とボンディング結合されてもよい。
【0312】
上記の本実施例の上部ブロックUBの組み立て過程は以下の通りである。
【0313】
まず、4つのピースに分離された内側第1固定部3b1、内側第2固定部3b2、内側第1ハーフ折曲部3b3’、内側第2ハーフ折曲部3b3’’のそれぞれを用意する。
【0314】
内側第1固定部3b1と内側第1ハーフ折曲部3b3’を第1ボンディング部3b6を用いてボンディング結合する。
【0315】
内側第2固定部3b2と内側第2ハーフ折曲部3b3’’を第2ボンディング部3b7を用いてボンディング結合する。
【0316】
内側第1ハーフ折曲部3b3’とボンディング結合された内側第1固定部3b1を接着剤10を用いて2次防壁4にボンディング結合する。
【0317】
内側第2ハーフ折曲部3b3’’とボンディング結合された内側第2固定部3b2を接着剤10を用いて2次防壁4にボンディング結合する。
【0318】
2次防壁4にボンディング結合されることにより内側第1ハーフ折曲部3b3’と内側第2ハーフ折曲部3b3’’との間にできる空間にコーナー第1内側パッキング材3b8を挿設して組み立てを完了する。
【0319】
上記のように、本実施例のコーナー1次断熱壁3bは、内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’が第1、2ボンディング部3b6、3b7によって内側第1、2固定部3b1、3b2にボンディング結合された状態で、コーナー部分に組み立てられて設置されてもよい。このとき、内側第1、2固定部3b1、3b2の外側1次プライウッド53bは接着剤10によって2次防壁4のコーナー連結防壁42bに固定されてもよく、コーナー連結防壁42bに対して水平な内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の底面はコーナー連結防壁42bと非接着状態となる。
【0320】
上記のように組み立てられて設置された状態で、互いに対向する内側第1ハーフ折曲部3b3’の傾斜面と内側第2ハーフ折曲部3b3’’の傾斜面との間には空間ができるようになり、このような空間によって発生する熱対流現象を防止できるように、本実施例のコーナー1次断熱壁3bは内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の間の空間を密閉するコーナー第1内側パッキング材3b8をさらに含んでもよい。
【0321】
コーナー第1内側パッキング材3b8はガラスウールを主原料とする真空断熱材で形成されてもよい。
【0322】
また、コーナー第1内側パッキング材3b8は内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の間の空間に挿入された状態で空間を完全に密閉できるように(+)公差を有するように形成されてもよい。
【0323】
本実施例において、内側第1、2固定部3b1、3b2の外側1次プライウッド53bは、2次防壁4のコーナー連結防壁42bと接着状態となり、内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の底面はコーナー連結防壁42bと非接着状態となる必要があるが、接着領域で接着剤10による十分な接着力を確保しつつ、接着剤10の非接着領域への拡散を防止できるように、接着剤10のスクイーズアウトを確認することができるスクイーズアウト確認手段を設ける必要がある。
【0324】
本実施例では、スクイーズアウト確認手段として内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の側面と底面が接する直角角部分にチャンファーCFを形成することができる。
【0325】
このようなチャンファーCFは、図19に示すように、コーナー部分にコーナー1次断熱壁3bを設けた状態で、内側第1、2固定部3b1、3b2の外側1次プライウッド53bの側面において空間を形成して接着剤10がスクイーズアウトされることを目視で確認できるようにする。
【0326】
防壁固定部材21bは金属材質であり、コーナー1次断熱壁3bの上部に設けられてもよい。
【0327】
防壁固定部材21bは、図18図19に示すように、第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4からなる上部ブロックUBがコーナー部分の辺に沿って下部ブロックLB上にボンディング結合された後、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を構成する内側1次プライウッド31bに固定設置され、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を固定させることができる。
【0328】
防壁固定部材21bは、第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4のそれぞれの上部に独立して設けられてもよい。
【0329】
これにより、本実施例では、コーナー1次断熱壁3bの内側折曲部3b3を内側第1固定部3b1にボンディング結合される内側第1ハーフ折曲部3b3’と内側第2固定部3b2にボンディング結合される内側第2ハーフ折曲部3b3’とで構成することにより、内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’が膨張または収縮しても内側第1固定部3b1と内側第1ハーフ折曲部3b3’との間及び内側第2固定部3b2と内側第2ハーフ折曲部3b3’’との間における熱対流経路を遮断することができ、内側折曲部3b3における熱対流現象を防ぐことができる。
【0330】
また、本実施例は、内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の間の空間を(+)公差を有するコーナー第1内側パッキング材3b8で仕上げることにより、内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’が膨張または収縮しても内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の間における熱対流経路を遮断することができ、内側折曲部3b3における熱対流現象を防ぐことができる。
【0331】
また、本実施例は、内側第1、2ハーフ折曲部3b3’、3b3’’の側面と底面が接する直角角部分にチャンファーCFを形成することにより、内側第1、2固定部3b1、3b2の外側1次プライウッド53bを2次防壁4のコーナー連結防壁42bに接着剤10で接着する際、接着領域の接着剤10が非接着領域にスクイーズアウトされるのを目視で直接確認でき、ボンディング結合不良を防止することができる。
【0332】
本実施例の上部連結ブロックUBBは隣り合って配置される下部ブロックLBの上面にボンディング結合されて下部ブロックLBの間を連結することができる。上部連結ブロックUBBは、第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置されて形成される上部ブロックUBと、それに隣り合って配置される上部ブロックUBの間の露出する空間に設けられてもよい。
【0333】
上部連結ブロックUBBは、図18図22に示すように、防壁固定部材21bの外側に配置されるコーナー連結断熱壁34bからなってもよい。
【0334】
上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱壁34bは、コーナー1次断熱壁3bとともに外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、防壁固定部材21bとコーナー連結防壁42bとの間に設けられてもよい。
【0335】
上記において、コーナー連結断熱壁34bは第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、防壁固定部材21bの外側にコーナー第1連結プライウッド342b、コーナー連結断熱材341b、コーナー第2連結プライウッド343bが順に積層された構造からなるコーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2とを含んでもよい。コーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2は、コーナー部分を均等に分割する方向EDを基準として対称に設けられてもよい。
【0336】
また、コーナー連結断熱壁34bはコーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2との間のコーナー空間部分に設けられ、断熱材からなるコーナー連結折曲部34b3を含んでもよい。
【0337】
本実施例のコーナー連結折曲部34b3は、図22に示すように、従来の一体化された内側折曲部とは異なり、コーナー第1ハーフ折曲部34b3’とコーナー第2ハーフ折曲部34b3’’に分割されて形成されてもよい。
【0338】
コーナー第1ハーフ折曲部34b3’は、2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直な側面が第1ボンディング部34b6によりコーナー第1連結固定部34b1の側面とボンディング結合されてもよい。
【0339】
また、コーナー第2ハーフ折曲部34b3’’は、2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直な側面が第2ボンディング部34b7によりコーナー第2連結固定部34b2の側面とボンディング結合されてもよい。
【0340】
本実施例のコーナー連結断熱壁34bは、コーナー第1、2ハーフ折曲部34b3’、34b3’’の間の空間を密閉するコーナー第2内側パッキング材34b8をさらに含んでもよい。
【0341】
上記の上部連結ブロックUBBのコーナー第1ハーフ折曲部34b3’、コーナー第2ハーフ折曲部34b3’’、コーナー第2内側パッキング材34b8のそれぞれは、上述した上部ブロックUBの内側第1ハーフ折曲部3b3’、内側第2ハーフ折曲部3b3’’、コーナー第1内側パッキング材3b8のそれぞれと図面符号及び名称が異なるだけで、構成は同一または類似してもよいため、ここでは、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0342】
図23は本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図であり、図24は本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部分解斜視図であり、図25図23の統合上部ブロックを説明するための正面図であり、図26図25の統合上部ブロックの他の実施例を説明するための正面図であり、図27図25の統合上部ブロックの側面図であり、図28図25のA-A’線に沿って切断した断面図であり、図29図23の上部連結ブロックを説明するための斜視図であり、図30図23の上部連結ブロックを説明するための正面図であり、図31図30のB-B’線に沿って切断した断面図であり、図32図25の統合上部ブロックのさらに他の実施例を説明するための断面図であり、図33図32の統合上部ブロックの分解図であり、図34図37は本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクと比較例による液化ガス貯蔵タンクにおけるコーナー1次断熱壁及びコーナー連結断熱壁の構造によって変わる対流経路及び2次防壁の温度を比較説明するための図である。
【0343】
図23及び図24に示すように、本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックCBの組み合わせからなってもよい。コーナーブロックCBの基本構造(primary structure)は船体7に固定され、シングルボード(single board)からなる下部ブロックLBと、下部ブロックLB上にボンディングされ、下部ブロックLBの前後左右の幅より狭い幅のシングルボードからなる統合上部ブロックUUBと、隣り合って配置される下部ブロックLBを連結し、隣り合って配置される統合上部ブロックUUBの間に露出する2次防壁4とボンディング結合される上部連結ブロックUBBと、からなってもよい。
【0344】
このような本実施例のコーナーブロックCBは、以下において、下部ブロックLB、統合上部ブロックUUB、上部連結ブロックUBBに分けて具体的に説明する。ただし、本実施は、上述した第9実施例または上述した第1実施例~第8実施例と比較して同一または類似する構成があってもよく、このような場合は重複する説明を避けるために詳細な説明を省略する。
【0345】
下部ブロックLBは、図23に示すように、上面に統合上部ブロックUUB及び上部連結ブロックUBBが設けられてもよく、統合上部ブロックUUBの下面にボンディング結合されるコーナー2次防壁41bと、下部ブロックLBが隣接配置されるときに統合上部ブロックUUBが設けられず外部に露出する隣り合うコーナー2次防壁41bを連結し、上部連結ブロックUBBの下面にボンディング結合されるコーナー連結防壁42bと、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されるコーナー2次断熱壁5bと、からなってもよい。
【0346】
このような本実施例の下部ブロックLBは、上述した第1実施例~第9実施例のうち少なくとも何れか1つの実施例による構成と同一または類似することができるため、ここでは、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0347】
統合上部ブロックUUBは下部ブロックLB上にボンディング結合され、下部ブロックLBの前後左右の幅より狭い幅のシングルボードからなってもよい。
【0348】
具体的には、統合上部ブロックUUBは、複数の単位上部ブロックが互いに隣接して並んで配置されて形成される従来の上部ブロックと比べると、複数の単位上部ブロックが1つに統合されてシングルボードからなることができる。ここで、従来の上部ブロックは、上述した第9実施例の上部ブロックUBのように4つの第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置されて形成されるが、本実施例の統合上部ブロックUUBは、第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置された従来の上部ブロックUBの前後左右の幅と同じ幅のシングルボードからなってもよい。
【0349】
本実施例では、統合上部ブロックUUBが4つの第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が統合された大きさに形成されると説明するが、これに限定されず、少なくとも2つ以上の単位上部ブロックが統合された大きさに形成されてもよいことは言うまでもない。
【0350】
上記の統合上部ブロックUUBは、図23図24図25図26図27に示すように、複数の単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4からなる防壁固定部材21bの外側に1つの内側1次プライウッド31b、1つのコーナー1次断熱材32b、1つの外側1次プライウッド33bが順に積層されたシングルボードの構造で構成される内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含むコーナー1次断熱壁3bからなってもよい。内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2はコーナー部分を均等に分割する方向EDを基準として対称に設けられてもよい。
【0351】
上記のシングルボードの構造で構成される内側第1、2固定部3b1、3b2は後述するが、複数の単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4によって固定されてもよい。
【0352】
これにより、本実施例は、複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置されて形成される従来の上部ブロックUBと比べて、複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が1つに統合された統合上部ブロックUUBを構成することにより、従来の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4の間で発生する熱対流経路が省略されて熱対流現象を低減することができる。
【0353】
上記のコーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2とのコーナー空間部分に設けられ、断熱材からなる内側折曲部3b3を含んでもよい。
【0354】
本実施例の内側折曲部3b3は、図25図27図28に示すように、コーナー1次断熱壁3bの内側第1、2固定部3b1、3b2の大きさに対して半分程度の大きさに縮小した大きさであってもよく、コーナー部分を均等に分割する方向EDを基準として対称形状であることができる。
【0355】
以下では、大きさの縮小された内側折曲部3b3が複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が1つに統合された統合上部ブロックUUBに適用されることを説明するが、これに限定されず、複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が互いに隣接して並んで配置されて形成される従来の上部ブロックUBにも適用できることは言うまでもない。
【0356】
具体的には、大きさの縮小された内側折曲部3b3は、第1面及び第2面の内側において2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直な両側面の高さが内側第1、2固定部3b1、3b2のそれぞれの全高に対して半分程度、例えば、内側第1、2固定部3b1、3b2の全高に対して40%~60%の範囲内の大きさに縮小された高さであってもよい。
【0357】
上記のように、内側折曲部3b3の大きさを縮小することに応じて内側第1、2固定部3b1、3b2の側面の形状が変わってもよい。
【0358】
具体的には、本実施例の内側第1、2固定部3b1、3b2はコーナー部分を均等に分割する方向EDを基準として対称に設けられるが、大きさの縮小された内側折曲部3b3の両側面に密着する第1側面が2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直となし、垂直の第1側面から内側に(貯蔵空間側に)延長する第2側面が分割方向EDと同じ方向に延長してもよい。
【0359】
上記のように、本実施例のコーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1の第2側面と内側第2固定部3b2の第2側面が互いに対向するようにした状態で、内側第1、2固定部3b1、3b2の外側1次プライウッド53bが接着剤10によって2次防壁4のコーナー連結防壁42bに固定されるようにし、内側第1、2固定部3b1、3b2によって生じるコーナー空間に大きさの縮小された内側折曲部3b3を挿設して組み立てられてもよい。
【0360】
上記のように組み立てられた状態で、大きさの縮小された内側折曲部3b3の両側面と密着する内側第1、2固定部3b1、3b2の第1側面の間と、互いに対向する内側第1、2固定部3b1、3b2の第2側面の間には空間できるが、このような空間によって発生する熱対流現象を防止することができるように、本実施例のコーナー1次断熱壁3bは内側第1、2固定部3b1、3b2の第2側面の間の空間を密閉するコーナー内側パッキング材3b8をさらに含んでもよい。
【0361】
コーナー内側パッキング材3b8はガラスウールを主原料とする真空断熱材で形成されてもよい。
【0362】
また、コーナー内側パッキング材3b8は、内側第1、2固定部3b1、3b2の第2側面の間の空間に挿入された状態で空間を完全に密閉するように(+)公差を有するように形成されてもよい。
【0363】
上記のコーナー内側パッキング材3b8は、図32図33に示すように、大きさの縮小された内側折曲部3b3の内部に一定深さまで挿入されるように構成されてもよい。
【0364】
コーナー内側パッキング材3b8が内側折曲部3b3の内部に一定深さまで挿入されるように、本実施例の内側折曲部3b3には両側面が接する地点において分割方向EDと同じ方向に一定深さの挿入溝SHが形成されてもよい。
【0365】
挿入溝SHは貯蔵タンクのコーナー辺に対応する方向に形成され、深さが内側折曲部3b3の厚さに対して半分以下であってもよいが、これに限定されない。
【0366】
これにより、本実施例は、内側折曲部3b3の大きさを縮小することにより熱対流が発生する空間(コーナー部分における内側折曲部と2次防壁との非接着領域)を減らせるだけでなく、熱対流経路と言える内側第1、2固定部3b1、3b2の第1側面と第2側面が折り曲げられた状態であり、また、内側第1、2固定部3b1、3b2の第2側面の間にコーナー内側パッキング材3b8を形成することにより、内側第1、2固定部3b1、3b2と同じ高さで形成される従来の内側折曲部と比べて温度変化による縮小面積が減少し、熱対流現象を低減することができる。
【0367】
また、本実施例では、コーナー内側パッキング材3b8が内側折曲部3b3の内部に一定深さまで挿入されるようにすることで、内側折曲部3b3における熱対流現象をさらに低減することができる。
【0368】
本実施例による大きさの縮小された内側折曲部3b3は、図24図27に示すように、両側面に第1突出部PT1が設けられてもよい。
【0369】
第1突出部PT1は、内側第1、2固定部3b1、3b2によって発生するコーナー空間部分に挿入される内側折曲部3b3から空間の外部に一定長さ延長されてもよい。
【0370】
第1突出部PT1は断面形状が内側折曲部3b3と類似するが、2次防壁4のコーナー連結防壁42bと接する曲面部分が内側折曲部3b3の曲面部分から同一線上に延長され、2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直な両側面が内側折曲部3b3の両側面と第1段差ST1を有するように延長されてもよい。
【0371】
即ち、本実施例の第1突出部PT1は、内側折曲部3b3の大きさより小さくして内側折曲部3b3に対して第1段差ST1を有するように形成されることにより、第1段差ST1によって熱対流経路が屈曲した経路をなって熱対流現象を防止することができるが、これについては後述する。
【0372】
本実施例の統合上部ブロックUUBは、図23図24図25に示すように、シングルボードの構造を有するコーナー1次断熱壁3bの収縮及び膨張応力に備えられるように上部に一定深さで形成される複数の上部スリットSL1を含んでもよい。
【0373】
上部スリットSL1は、コーナー1次断熱壁3bに加わる温度による収縮または膨張応力を最大限緩和できるように、統合上部ブロックUUBをなすコーナー1次断熱壁3bの厚さに対して半分以下の深さ、例えば、30%~50%の範囲内の深さであってもよい。
【0374】
上部スリットSL1はコーナー1次断熱壁3bの上部層である内側1次プライウッド31bを貫通して少なくとも中間層であるコーナー1次断熱材32bの一部まで形成させて、コーナー1次断熱材32bの収縮または膨張応力に備えるようにすることが好ましい。
【0375】
上記の上部スリットSL1は、コーナー1次断熱壁3bの厚さに対して半分以下の厚さに対応する深さで形成することにより、コーナー1次断熱壁3bに加わる温度による収縮または膨張応力を最大限緩和できるだけでなく、熱対流空間を縮小することができ、図1に示す平面ブロックのフラット1次断熱壁3aと本実施例のコーナーブロックCBのコーナー1次断熱壁3bとの間に施工される断熱材(不図示)によってコーナーブロックCBから平面ブロックに冷気が伝わることを防止することができる。
【0376】
本実施例の上部スリットSL1は、従来の上部ブロックUBを構成する複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4のそれぞれの該当する部分の統合上部ブロックUUBの上面に設けられる複数の単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4の間に対応する位置に形成されてもよく、この位置に限定されず、一定距離離隔される任意の位置に形成されてもよい。
【0377】
また、本実施例の統合上部ブロックUUBは、図26に示すように、シングルボードの構造を有するコーナー1次断熱壁3bの収縮及び膨張応力に備えられるように、下部に一定深さで形成される複数の下部スリットSL2を含んでもよい。
【0378】
下部スリットSL2は、コーナー1次断熱壁3bに加わる温度による収縮または膨張応力を最大限緩和できるように、統合上部ブロックUUBをなすコーナー1次断熱壁3bの厚さに対して半分以下の深さ、例えば、30%~50%の範囲内の深さであってもよい。
【0379】
下部スリットSL2はコーナー1次断熱壁3bの下部層である外側1次プライウッド53bを貫通して少なくとも中間層であるコーナー1次断熱材32bの一部まで形成させて、コーナー1次断熱材32bの収縮または膨張応力に備えるようにすることが好ましい。
【0380】
本実施例の下部スリットSL2は上部スリットSL1とずれた位置に形成されてもよく、この位置に限定されず、一定距離離隔される任意の位置に形成されてもよい。
【0381】
これにより、本実施例は、統合上部ブロックUUBの上部に一定深さの上部スリットSL1を形成し、上部スリットSL1とずらして統合上部ブロックUUBの下部に一定深さの下部スリットSL2を形成することにより、上下部スリットSL1、SL2によって統合上部ブロックUUBの収縮及び膨張応力を緩和させることができる。
【0382】
また、本実施例の統合上部ブロックUUBは、コーナー2次防壁4の上部に接着剤10でボンディング結合されるが、従来の上部ブロックに比べて接着される面積が広くて接着領域で接着剤10による十分な接着力を確保しつつ、接着剤10の非接着領域への拡散を防げるように、接着剤10のスクイーズアウトが確認できるスクイーズアウト確認手段を設けなればならない。
【0383】
本実施例では、図24図25図26に示すように、外側1次プライウッド53bを2次防壁4上に接着剤10でボンディング結合する際、非接着領域に接着剤10がスクイーズアウトされることを確認し、接着剤10が過度に非接着領域に浸透するのを防止する手段として、統合上部ブロックUUBの外側1次プライウッド53bに複数の第1溝GV1を形成することができる。
【0384】
上記において、非接着領域は、外側1次プライウッド53bの両側の縁部分を含んで中間部分に複数個設定されてもよい。
【0385】
複数の非接着領域のそれぞれは貯蔵タンクのコーナー辺と垂直方向に一定間隔と幅で設定されてもよい。例えば、複数の非接着領域は、従来の上部ブロックUBを構成する複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4のそれぞれの該当する部分の統合上部ブロックUUBの上面に設けられる複数の単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4の間に対応する位置に設定されてもよく、この位置に限定されず、一定距離離隔される任意の位置に設定されてもよいことは言うまでもない。
【0386】
本実施例において、接着剤10によって2次防壁4とボンディング結合される外側1次プライウッド53bに複数の非接着領域を設定するのは、外側1次プライウッド53bが従来に比べて広い面積を有するため、全ての部分を接着剤10でボンディング結合するより部分的にボンディング結合することが接着剤10のボンディング結合の不良率を下げることができるからである。
【0387】
複数の第1溝GV1は外側1次プライウッド53bに貯蔵タンクのコーナー辺と垂直方向に形成されてもよい。
【0388】
具体的には、複数の第1溝GV1は複数設定された非接着領域のそれぞれの両側の境界部分に沿って形成されてもよい。
【0389】
上記の複数の非接着領域が複数の単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4の間に対応する位置に設定される場合、複数の第1溝GV1は複数の上部スリットSL1とずれて配置されるため、同一線上に配置されたのと比べて機械的強度の側面で有利であることができる。
【0390】
上記のように構成される統合上部ブロックUUB上には、図23図24図25図26に示すように、複数の単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4からなる防壁固定部材21bが設けられてもよい。以下では、防壁固定部材21bが4つの第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4からなると説明するが、これに限定されるものではない。
【0391】
第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4のそれぞれは金属材質で、統合上部ブロックUUBを構成するコーナー1次断熱壁3bの上部に互いに隣接して並んで設置されてもよく、第1面と第2面の内側に予定の角度で折り曲げられ、例えば、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面がなす角度と同じ角度で折り曲げられてもよい。
【0392】
本実施例では、1つの統合上部ブロックUUB上に第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4が設けられてもよい。
【0393】
即ち、本実施例の統合上部ブロックUUBは、1つの内側1次プライウッド31b、1つのコーナー1次断熱材32b、1つの外側1次プライウッド33bが順に積層されたシングルボードの構造で構成されるため、1つの内側1次プライウッド31b上に第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4が並んで配置されて設置されるが、複数の単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4からなる従来の上部ブロックUBは各単位上部ブロックごとに各単位防壁固定部材が独立して設置されることから構成的に相違する。
【0394】
上記の第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4のそれぞれはコーナー1次断熱壁3bの収縮及び膨張応力を考慮した間隔で配置されてもよく、配置される数はシングルボードからなる統合上部ブロックUUBの大きさに応じて変わってもよい。
【0395】
また、第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4は、上述した複数の上部スリットSL1が第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4の間に対応する位置に形成される場合、コーナー1次断熱材32bの収縮または膨張に連動することができる。
【0396】
通常、防壁固定部材はコーナー1次断熱壁の上部を固定して上部ブロックUBを強固に固定(tightness)できるように背面の縁に沿ってスチフナーのような補強部材が備えられるが、本実施例による第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4の場合、上部が平面である1つの内側1次プライウッド31b上に配置されるため、背面が平面となる。
【0397】
これにより、第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4のそれぞれは、図28に示すように、背面に備えられる複数の結合部材211bを用いてコーナー1次断熱壁3bの上部に設けられてもよい。結合部材211bはスタッドボルト(stud bolt)とナットからなってもよい。
【0398】
以下において、第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4のそれぞれを用いて統合上部ブロックUUBに構成される内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を固定する組み立て過程について説明する。第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4のそれぞれは同様に構成されるため、以下では第1単位防壁固定部材21b1を例に挙げて説明する。
【0399】
1次組み立て過程は、複数の第1ホール81を有する内側第1、2固定部3b1、3b2の外側1次プライウッド33bを複数の第2ホール82を有する内側第1、2固定部3b1、3b2のコーナー1次断熱材32bの外側面にボンディング結合し、複数の第3ホール83を有する内側第1、2固定部3b1、3b2の内側1次プライウッド31bを複数の第2ホール82を有するコーナー1次断熱材32bの内側面にボンディング結合して内側第1、2固定部3b1、3b2の組み立てを完了し、内側第1、2固定部3b1、3b2の間の空間部分にコーナー内側パッキング材3b8を挿入する。ここで、コーナー内側パッキング材3b8の場合、後述する2次組み立て過程において内側第1、2固定部3b1、3b2の間を圧着させて設けられた状態で結合部材211bを用いて固定することにより、(+)公差を保持することができる。
【0400】
ここで、第1、2、3ホール81、82、83は第1単位防壁固定部材21b1に備えられる複数の結合部材211bのそれぞれに対応する位置の延長線上に形成されてもよい。第1、2ホール81、82は同じ大きさを有し、外側1次プライウッド33bとコーナー1次断熱材32bとがボンディング結合されることによって連通するホール状となり、当該連通ホールにフォームプラグ9を挿入することで密封することができ、第3ホール83は結合部材211bが挿入される大きさに形成されることができる。
【0401】
2次組み立て過程は外側1次プライウッド33b、コーナー1次断熱材32b、内側1次プライウッド31bがボンディング結合された状態で、内側1次プライウッド31bに形成された複数の第3ホール83に複数の結合部材211bが挿入されるように内側1次プライウッド31bの上面に第1単位防壁固定部材21b1を密着させる。
【0402】
3次組み立て過程は、複数の第1、2ホール81、82によって形成される連通ホールを介して結合部材211bをボルト締結することにより、第1単位防壁固定部材21b1を内側1次プライウッド31bの上面に固定させる。
【0403】
4次組み立て過程は、第1単位防壁固定部材21b1が内側1次プライウッド31bに固定された状態で、複数の第1、2ホール81、82によって形成される連通ホールにフォームプラグ9を挿入する。ここで、フォームプラグ9は連通ホールに対応する大きさであり、コーナー1次断熱材32bと同一または類似する材質であってもよい。
【0404】
その後、外側1次プライウッド33b、コーナー1次断熱材32b、内側1次プライウッド31bがボンディング結合された構造物によって形成される内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間のコーナー空間部分に大きさの縮小された内側折曲部3b3を挿入することで統合上部ブロックUUBの組み立て過程が完了する。
【0405】
上記のように、本実施例の統合上部ブロックUUBは、複数の第1ホール81を有する外側1次プライウッド33b、複数の第2ホール82を有するコーナー1次断熱材32b、及び複数の第3ホール83を有する内側1次プライウッド31bをまずボンディング結合してから、第1、2、3、4単位防壁固定部材21b1、21b2、21b3、21b4をボルト締結する構造を有する。
【0406】
本実施例では、大きさの縮小された内側折曲部3b3を組み立て過程の最後に設けると説明したが、1次組み立て過程と2次組み立て過程との間に設けてもよいことは言うまでもない。
【0407】
図28に示すように、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の間に空間にはコーナー外側パッキング材5b5が挿設されてもよく、一定長さのプライウッドフィラーPFで仕上げられてもよい。
【0408】
本実施例の上部連結ブロックUBBは、図23に示すように、隣り合って配置される下部ブロックLBの上面にボンディング結合されて下部ブロックLB間を連結することができる。
【0409】
上部連結ブロックUBBは、従来の第1~第4単位上部ブロックUB1、UB2、UB3、UB4が統合されたシングルボードの構造を有する統合上部ブロックUUBと、それと同じ構造を有し、隣り合って配置される統合上部ブロックUUBとの間に露出する空間に設けられてもよい。
【0410】
上部連結ブロックUBBは防壁固定部材21bの外側に配置されるコーナー連結断熱壁34bからなってもよい。
【0411】
上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱壁34bは、統合上部ブロックUUBのコーナー1次断熱壁3bと共に外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、防壁固定部材21bとコーナー連結防壁42bとの間に設けられてもよい。
【0412】
このようなコーナー連結断熱壁34bは、図29図30に示すように、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、防壁固定部材21bの外側にコーナー第1連結プライウッド342b、コーナー連結断熱材341b、コーナー第2連結プライウッド343bが順に積層された構造からなるコーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2とを含んでもよい。
【0413】
本実施例において、上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱壁34bは、上述した統合上部ブロックUUBのコーナー1次断熱壁3bと比べて、符号と大きさが異なるだけで、構成的に同一または類似することができる。
【0414】
上記のコーナー連結断熱壁34bはコーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2との間のコーナー空間部分に設けられ、断熱材からなるコーナー連結折曲部34b3を含んでもよい。
【0415】
本実施例のコーナー連結折曲部34b3は、図29図30に示すように、コーナー1次断熱壁3bの内側折曲部3b3と同一または類似する形状であってもよく、これにより、コーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2の側面形状も内側第1、2固定部3b1、3b2の側面形状と同一または類似することができる。上記の側面形状を有するコーナー第1、2連結固定部34b1、34b2によってできるコーナー空間には大きさの縮小されたコーナー連結折曲部34b3が挿設されてもよい。
【0416】
即ち、コーナー連結折曲部34b3は、2次防壁4に対して垂直な両側面の高さが上記コーナー第1、2連結固定部34b1、34b2のそれぞれの全高より縮小された高さ、例えば、コーナー連結折曲部34b3の両側面の高さはコーナー第1、2連結固定部34b1、34b2のそれぞれの全高に対して40%~60%の範囲内の高さであることができる。
【0417】
また、コーナー第1、2連結固定部34b1、34b2の間の空間にはコーナー内側パッキング材34b4が挿設されるが、コーナー内側パッキング材34b4は内側第1、2固定部3b1、3b2の間の空間に挿設されるコーナー内側パッキング材3b8と同一または類似することができる。
【0418】
即ち、上部連結ブロックUBBは統合上部ブロックUUBと比べて、貯蔵タンクのコーナー辺と水平方向への大きさが異なるだけで、コーナー連結断熱壁34b、コーナー連結折曲部34b3、コーナー内側パッキング材34b4のそれぞれは統合上部ブロックUUBのコーナー1次断熱壁3b、内側折曲部3b3、コーナー内側パッキング材3b8と同一または類似することができるため、ここでは、重複する説明を避けるために具体的な説明は省略する。
【0419】
これにより、本実施例は、コーナー連結折曲部34b3の大きさを縮小することにより、熱対流が発生する空間(コーナー部分におけるコーナー連結折曲部と2次防壁の間の非接着領域)を減らせるだけでなく、熱対流経路と言えるコーナー第1、2連結固定部34b1、34b2の間の空間にコーナー内側パッキング材34b4を形成することで、コーナー第1、2連結固定部34b1、34b2と同じ高さで形成される従来のコーナー連結折曲部に比べて温度変化に応じて影響を受ける面積が減少し、熱対流現象を低減することができる。
【0420】
また、本実施例は、コーナー内側パッキング材34b4がコーナー連結折曲部34b3の内部に一定深さまで挿入されるようにすることで、コーナー連結折曲部34b3において熱対流現象をさらに低減することができる。
【0421】
本実施例による大きさの縮小されたコーナー連結折曲部34b3は、図29図30に示すように、両側面に第2突出部PT2が設けられてもよい。
【0422】
第2突出部PT2は、コーナー第1、2連結固定部34b1、34b2によってできるコーナー空間部分に挿入されるコーナー連結折曲部34b3から空間の外部に一定長さ延長されてもよい。
【0423】
第2突出部PT2は、断面形状がコーナー連結折曲部34b3と類似するが、2次防壁4のコーナー連結防壁42bと接する曲面部分がコーナー連結折曲部34b3の曲面部分から同一線上に延長し、2次防壁4のコーナー連結防壁42bに対して垂直な両側面がコーナー連結折曲部34b3の両側面と第2段差ST2を有するように延長されてもよい。
【0424】
即ち、本実施例の第2突出部PT2は、コーナー連結折曲部34b3の大きさより小さくしてコーナー連結折曲部34b3に対して第1段差ST1を有するように形成されることにより、第2段差ST2によって熱対流経路が屈曲した経路となり、熱対流現象を防止することができるが、これについては後述する。
【0425】
上記のコーナー連結折曲部34b3に設けられる第2突出部PT2は、上述した内側折曲部3b3に設けられる第1突出部PT1と同一または類似してもよく、図23及び図24に示すように、上部連結ブロックUBBを隣り合う統合上部ブロックUUBの間に設けたとき、第1突出部PT1と接触し、第1、2突出部PT1、PT2によって内側第1、2固定部3b1、3b2とコーナー第1、2連結固定部34b1、34b2との間に段差空間が生じ得る。
【0426】
本実施例では、第1、2突出部PT1、PT2によってできる段差空間を通じて熱対流現象が発生することを防止するために、スタッフィングピースSPで仕上げる。
【0427】
スタッフィングピースSPは、図23及び図24に示すように、コーナー連結折曲部34b3に設けられる第2突出部PT2と内側折曲部3b3に設けられる第1突出部PT1によってできる段差空間に挿入されてもよい。
【0428】
スタッフィングピースSPは段差空間の形状に対応する形状であってもよく、内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3と同一または類似する材質、例えば、低密度ポリウレタンフォームで形成されてもよく、またはガラスウールを主原料とする真空断熱材で形成されてもよい。
【0429】
また、スタッフィングピースSPは第1、2突出部PT1、PT2によってできる段差空間が、例えば、20mmの場合、段差空間を完全に密閉するように30mmの厚さで形成されてもよい。
【0430】
スタッフィングピースSPが挿入された状態で、スタッフィングピースSPの両側面に発生する熱対流経路と、第1、2突出部PT1、PT2が接触した部分に発生する熱対流経路は屈曲した経路となる。
【0431】
これにより、本実施例は、大きさの縮小された内側折曲部3b3に第1突出部PT1を、大きさの縮小されたコーナー連結折曲部34b3に第2突出部PT2を設け、第1、2突出部PT1、PT2によってできる段差空間をスタッフィングピースSPで仕上げることにより、統合上部ブロックUUBと上部連結ブロックUBBとの間に発生する熱対流経路が突出した構造及びスタッフィングピースSPによって屈曲した経路となるため、熱対流現象を低減することができる。
【0432】
一方、1次防壁2の温度が-196度であり、船体7の温度が10度の状態で、本実施例のように大きさの縮小された内側折曲部3b3及びコーナー連結折曲部34b3を適用した場合と従来の大きさの内側折曲部3b3及びコーナー連結折曲部34b3を適用した場合に対するCFD解析の結果、本実施例の場合、熱流束が8.73W/m、2次防壁4の平均温度が-90.15度、船体7の平均温度が8.79度であり、従来の場合は、熱流束が12.95W/m、2次防壁4の平均温度が-145.19度、船体7の平均温度が8.20度であった。このような結果から、本実施例が従来より優れていることが分かる。
【0433】
また、本実施例の上部連結ブロックUBBは、コーナー2次防壁4の上部に接着剤10でボンディング結合する際、接着剤10のスクイーズアウトを確認することができるスクイーズアウト確認手段が備える必要がある。
【0434】
本実施例では、図24図29図31に示すように、コーナー第2連結プライウッド343bを2次防壁4上に接着剤10でボンディング結合する際、非接着領域に接着剤10がスクイーズアウトされることを確認する手段として、上部連結ブロックUBBのコーナー第2連結プライウッド343bに第2溝GV2を形成することができる。
【0435】
第2溝GV2は接着領域であるコーナー第2連結プライウッド343bに貯蔵タンクのコーナー辺と水平方向に形成されるが、非接着領域であるコーナー連結折曲部34b3に接着剤10がスクイーズアウトされることを確認することができるようにコーナー第2連結プライウッド343bの後方の縁に隣接する部分に形成されてもよい。
【0436】
これにより、本実施例は、コーナー連結防壁42bと連結される上部連結ブロックUBBのコーナー第2連結プライウッド343bに貯蔵タンクのコーナー辺と水平方向に第2溝GV2を形成するが、接着領域であるコーナー第2連結プライウッド343bの後方の縁に隣接する部分に形成することにより、接着剤10が非接着領域であるコーナー連結折曲部34b3にスクイーズアウトされることを目視で直接確認できるだけでなく、接着剤10がスクイーズアウトされて第2溝GV2を超えて非接着区間までボンディングされてコーナー部の非接着区間が減少し、2次防壁4に加わる荷重がさらに大きくなることを防止して、上部連結ブロックUBBのボンディング結合不良を防止することができる。
【0437】
以下では、図34図37を参照して、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1と比較例による液化ガス貯蔵タンク1’におけるコーナーブロックCBの構造によって異なる対流経路及びそれによる温度差を比較説明する。ここで、図34の(a)は本実施例による液化ガス貯蔵タンク1においてコーナーブロックCBが適用されたことを示しており、図34の(b)は比較例による液化ガス貯蔵タンク1’のコーナーブロックCBが適用されたことを示した。
【0438】
比較例による液化ガス貯蔵タンク1’は、例えば、図18に示した上述の第9実施例と液化ガス貯蔵タンクであってもよい。
【0439】
本実施例による液化ガス貯蔵タンク1と比較例による液化ガス貯蔵タンク1’において、フラット1次断熱壁3aは同一または異なる構造が適用されてもよいが、以下では、フラット1次断熱壁3aの構造にかかわらず、コーナーブロックCBの構造的違いによる対流経路及びそれによる温度差を比較説明する。
【0440】
図35の(a)及び図36は、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1における第1、2対流経路CP1、CP2及び第1、2対流遮断経路CBP1、CBP2を示す。
【0441】
第1対流経路CP1は、内側第1、2固定部3b1、3b2のそれぞれの全高に対して半分の高さで形成される内側折曲部3b3と2次防壁4との間及びコーナー第1、2連結固定部34b1、34b2のそれぞれの全高に対して半分の高さで形成されるコーナー連結折曲部34b3と2次防壁4との間の非接着領域に対応する経路である。
【0442】
第2対流経路CP2は、コーナー1次断熱壁3bの厚さに対して半分以下の厚さに対応する深さで形成された上部スリットSL1に対応する経路である。
【0443】
第1対流遮断経路CBP1は、内側折曲部3b3に設けられた第1突出部PT1とコーナー連結折曲部34b3に設けられた第2突出部PT2とによって形成される段差空間に挿入されるスタッフィングピースSPに対応する遮断経路である。
【0444】
第2対流遮断経路CBP2は、内側第1、2固定部3b1、3b2及びコーナー第1、2連結固定部34b1、34b2の間の空間に挿入されるコーナー内側パッキング材3b8、34b4に対応する遮断経路である。
【0445】
図35の(b)は、比較例による液化ガス貯蔵タンク1’における第3、4対流経路CP3、CP4を示す。
【0446】
第3対流経路CP3は、内側第1、2固定部3b1、3b2のそれぞれの全高と同じ高さで形成される内側折曲部3b3と2次防壁4との間及びコーナー第1、2連結固定部34b1、34b2のそれぞれの全高と同じ高さで形成されるコーナー連結折曲部34b3と2次防壁4との間の非接着領域に対応する経路である。
【0447】
図34図35図36に示すように、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の第1、2対流経路CP1、CP2が比較例の液化ガス貯蔵タンク1’の第3、4対流経路CP3、CP4に比べて対流領域が減少することが分かる。
【0448】
また、図35の(b)に示すように、比較例による液化ガス貯蔵タンク1’の場合、上部の1次防壁2と下部の2次防壁4との間で対流が発生するが、図35の(a)に示すように、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1は、コーナー内側パッキング材3b8によって対流が遮断されるため、比較例による液化ガス貯蔵タンク1’に比べて本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の2次防壁4で温度降下が少ない。
【0449】
このような対流経路の違いにより、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1と比較例の液化ガス貯蔵タンク1’のそれぞれの2次防壁4でも温度差が発生するが、それは図36及び図37の(a)、(b)、(c)を参照して説明する。
【0450】
温度計測の条件は1次防壁2の温度が-196度、船体7の温度が10度の状態で、第1、2、3温度センサTL1、TL2、TL3の位置を異ならせながら計測しており、図示していないが、比較例の液化ガス貯蔵タンク1’においても同じ位置に温度センサを取り付けて計測した。
【0451】
図36及び図36の(a)に示すように、第1温度センサTL1が取り付けられた位置において、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1は-43.4度と計測され、比較例の液化ガス貯蔵タンク1’は-130.1度と計測された。
【0452】
図36及び図36の(b)に示すように、第2温度センサTL2が取り付けられた位置において、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1は-66.5度と計測され、比較例の液化ガス貯蔵タンク1’は-154.6度と計測された。
【0453】
図36及び図36の(c)に示すように、第1温度センサTL1が取り付けられた位置において、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1は-80.3度と計測され、比較例の液化ガス貯蔵タンク1’は-164.7度と計測された。
【0454】
このような結果は、上記のように比較例の液化ガス貯蔵タンク1’に比べて本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の対流経路が狭くて減少したことによるものであることが分かる。
【0455】
本発明は上述した実施例に限定されず、上記実施例の組み合わせまたは上記実施例の少なくとも何れか1つと公知技術の組み合わせをさらに他の実施例として含むことができる。
【0456】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的な思想内で当該分野の通常の知識を有する者によりその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0457】
本発明の単純な変形ないし変更はすべて本発明の範囲に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになる。
【符号の説明】
【0458】
1 液化ガス貯蔵タンク
2 1次防壁
2a フラット1次防壁
2b コーナー1次防壁
21b 防壁固定部材
21b1 第1単位防壁固定部材
21b2 第2単位防壁固定部材
21b3 第3単位防壁固定部材
21b4 第4単位防壁固定部材
211b 結合部材
3 1次断熱壁
3a フラット1次断熱壁
31a フラット1次プライウッド
32a フラット1次断熱材
33a フラット連結断熱壁
331a フラット連結プライウッド
332a フラット連結断熱材
3b コーナー1次断熱壁
3b1 内側第1固定部
3b2 内側第2固定部
31b 内側1次プライウッド
32b コーナー1次断熱材
33b 外側1次プライウッド
3b12 内側中間固定部
31b12 内側中間プライウッド
32b12 コーナー中間断熱材
34b コーナー連結断熱壁
34b1 コーナー第1連結固定部
34b2 コーナー第2連結固定部
341b コーナー連結断熱材
342b コーナー第1連結プライウッド
343b コーナー第2連結プライウッド
34b3 コーナー連結折曲部
34b3’ コーナー第1ハーフ折曲部
34b3’’ コーナー第2ハーフ折曲部
34b4 コーナー内側パッキング材
3b3 内側折曲部
3b3’ 内側第1ハーフ折曲部
3b3’’ 内側第2ハーフ折曲部
3b31 断熱材
3b32 断熱材
3b33 外側断熱材
3b34 内側断熱材
3b35 断熱材
3b36 断熱材
3b37 真空断熱パネル
3b4 内側第1パッキング材
3b5 内側第2パッキング材
3b6、34b6 第1ボンディング部
3b7、34b7 第2ボンディング部
3b8、34b8 第1、2コーナー内側パッキング材
4 2次防壁
41a フラット2次防壁
42a フラット連結防壁
41b コーナー2次防壁
42b コーナー連結防壁
5 2次断熱壁
5a フラット2次断熱壁
51a フラット2次断熱材
52a フラット2次プライウッド
5b コーナー2次断熱壁
5b1 外側第1固定部
5b2 外側第2固定部
51b 内側2次プライウッド
51b1 周辺プライウッド
51b2 傾斜プライウッド
52b コーナー2次断熱材
53b 外側2次プライウッド
5b12 外側中間固定部
51b12 外側中間プライウッド
52b12 外側中間断熱材
53b12 内側中間断熱材
5b3 外側折曲部
5b31 断熱材
5b32 断熱材
5b4 外側パッキング材
5b5 コーナー外側パッキング材
6 マスティック
7 船体
81 第1ホール
82 第2ホール
83 第3ホール
9 フォームプラグ
10 接着剤
CB コーナーブロック
CBP1 第1対流遮断経路
CBP2 第2対流遮断経路
CP1 第1対流経路
CP2 第2対流経路
CP3 第3対流経路
CP4 第4対流経路
CF1 第1チャンファー
CF2 第2チャンファー
ED 分割方向
GV1 第1溝
GV2 第2溝
LB 下部ブロック
PF プライウッドフィラー
PT1 第1突出部
PT2 第2突出部
SH 挿入溝
SL1 上部スリット
SL2 下部スリット
SP スタッフィングピース
UB 上部ブロック
UB1 第1単位上部ブロック
UB2 第2単位上部ブロック
UB3 第3単位上部ブロック
UB4 第4単位上部ブロック
UBB 上部連結ブロック
UUB 統合上部ブロック
ST1 第1段差
ST2 第2段差
SS 段差空間
TL1 第1温度センサ
TL2 第2温度センサ
TL3 第3温度センサ
図1
図2
図3
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【国際調査報告】