(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】遠隔サーバへの光ファイバ接続を有する自動試験装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
G01R31/28 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535642
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 US2021062041
(87)【国際公開番号】W WO2022132484
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502391840
【氏名又は名称】テラダイン、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】シンズハイマー、 ロジャー エー.
(72)【発明者】
【氏名】エンジェル、 ダニエル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルズ、 レアル ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AE11
2G132AE25
2G132AF10
(57)【要約】
試験システム例が、試験ヘッドと、試験ヘッドに接続するように構成されたデバイスインタフェースボード(DIB)とを含む。DIBは、被試験デバイス(DUT)を保持するためにある。DIBは、DUTと試験ヘッドとの間で電気信号を送信する導電体を含む。サーバは、試験機器として機能するようにプログラムされている。サーバは、試験ヘッドの外部にあり、かつ試験ヘッドから遠隔にあり、信号を、光ファイバケーブルを介して試験ヘッドと通信するように構成されている。信号にはシリアル信号が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験システムであって、
試験ヘッドと、
前記試験ヘッドに接続するように構成されたデバイスインタフェースボード(DIB)と、
試験機器として機能するようにプログラムされたサーバと
を備え、
前記DIBは、被試験デバイス(DUT)を保持し、かつ、前記DIBは、前記DUTと前記試験ヘッドとの間で電気信号を伝送する導電体を含み、
前記サーバは、前記試験ヘッドの外部にあり、かつ前記試験ヘッドから遠隔にあり、シリアル信号を含む信号を、光ファイバケーブルを介して前記試験ヘッドと通信するように構成される、試験システム。
【請求項2】
前記試験ヘッドは信号インタフェースボードを備え、前記信号インタフェースボードは、前記光ファイバケーブルに接続するためのケーブルインタフェースと、前記導電体に接続するための電気的インタフェースとを備え、
前記光ファイバケーブルは、光信号と前記電気信号との間の変換を行うように構成され、
前記信号インタフェースボードは、前記DIBへの出力のために電気信号を調整するように構成される、請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記試験ヘッドは信号インタフェースボードを備え、前記信号インタフェースボードは、光信号と電気信号との間の変換を行うように構成される、請求項1に記載の試験システム。
【請求項4】
前記信号インタフェースボードは、前記DIBへの出力のために前記電気信号の信号電力を増加させるように構成される、請求項2に記載の試験システム。
【請求項5】
前記シリアル信号は、リアルタイムシリアルスキャン試験ベクトルを含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項6】
前記リアルタイムシリアルスキャン試験ベクトルは、前記DIBに接続されたDUTの複数のピンに提供される、請求項5に記載の試験システム。
【請求項7】
前記試験ヘッドの外部にある絶縁電源を更に備え、
前記絶縁電源は、前記光ファイバケーブルを介して前記試験ヘッドに送信された信号を復号する際に使用するために、前記サーバの場所から前記試験ヘッドに電力を供給する、請求項1に記載の試験システム。
【請求項8】
前記試験ヘッド内の電気信号は機器グラウンドを基準にして計られ、
前記試験ヘッドの前記機器グラウンドは、前記絶縁電源のグラウンド基準として機能する、請求項7に記載の試験システム。
【請求項9】
前記光ファイバケーブルは、2メートル(2m)又は2mを超える長さである、請求項1に記載の試験システム。
【請求項10】
前記シリアル信号は、5ギガビット/秒(5Gbps)又は5Gbps超で送信される、請求項1に記載の試験システム。
【請求項11】
前記シリアル信号はパルス化デジタル信号を含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項12】
前記試験ヘッドは試験電子機器を全く含まない、請求項1に記載の試験システム。
【請求項13】
前記試験ヘッドは試験電子機器を含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項14】
前記サーバは、試験機器として機能するようにプログラムされた汎用コンピューティングデバイスを含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項15】
前記シリアル信号は、USBプロトコルデジタル信号を含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項16】
試験システムであって、
光信号の表現である電気信号を調整する第1の回路を備える試験ヘッドと、
前記光信号を通過させる前記光ファイバケーブルと、
試験機器として機能するようにプログラムされたサーバと
を備え、
前記光信号は光ファイバケーブルに由来し、
前記電気信号は被試験デバイスのためのものであり、
前記サーバは、前記試験ヘッドの外部にあり、かつ、前記試験ヘッドから遠隔にあり、前記光ファイバケーブルを介して通信するように構成され、
前記電気信号及び前記光信号はシリアル信号を含む、試験システム。
【請求項17】
前記電気信号は、前記DUTに送信されるべき試験ベクトルを含む、請求項16に記載の試験システム。
【請求項18】
前記サーバは、1つ以上のサーバを含み、かつ前記DUTに送信された前記試験ベクトルに応答して前記DUTから取得された試験結果を受信するように構成される、請求項17に記載の試験システム。
【請求項19】
前記光ファイバケーブルは、2メートル(2m)又は2mを超える長さである、請求項16に記載の試験システム。
【請求項20】
前記シリアル信号は、5ギガビット/秒(5Gbps)又は5Gbps超で送信される、請求項16に記載の試験システム。
【請求項21】
前記シリアル信号はパルス化デジタル信号を含む、請求項16に記載の試験システム。
【請求項22】
前記試験ヘッドは試験電子機器を全く含まない、請求項16に記載の試験システム。
【請求項23】
前記試験ヘッドは試験電子機器を含む、請求項16に記載の試験システム。
【請求項24】
前記サーバは、試験機器として機能するようにプログラムされた汎用コンピューティングデバイスを含む、請求項16に記載の試験システム。
【請求項25】
前記シリアル信号はUSBプロトコルデジタル信号を含む、請求項16に記載の試験システム。
【請求項26】
前記試験ヘッドの外部にある絶縁電源を更に備え、
前記絶縁電源は、信号を復号する際に使用するために前記サーバの場所から前記試験ヘッドに電力供給する、請求項16に記載の試験システム。
【請求項27】
前記試験ヘッド内の電気信号は計機器グラウンドを基準にして計られ、
前記試験ヘッドの前記機器グラウンドは、前記絶縁電源のグラウンド基準として機能する、請求項26に記載の試験システム。
【請求項28】
前記試験ヘッド内の電気信号は第1のグラウンドを基準にして計られ、
前記絶縁電源は、前記第1のグラウンドとは異なる第2のグラウンドから前記第1のグラウンドを絶縁する絶縁変圧器を備える、請求項26に記載の試験システム。
【請求項29】
前記シリアル信号はPCIeプロトコルのデジタル信号を含む、請求項16に記載の試験システム。
【請求項30】
前記シリアル信号は業界標準シグナリングプロトコルに準拠する、請求項16に記載の試験システム。
【請求項31】
試験システムであって、
被試験デバイス(DUT)に電気的及び機械的に接続する手段と、
光信号からの変換によって取得された電気信号を調整する手段と、
光ファイバケーブルを介した伝送のために光信号に変換される試験ベクトルを生成する手段と
を備え、
前記生成する手段は、前記DUTへの接続点から遠隔にある1つ以上の汎用サーバを備える、試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、遠隔サーバへの光ファイバ接続を有する自動試験装置(ATE)の例について記載する。
【背景技術】
【0002】
自動試験装置(ATE)は、被試験デバイス(DUT)として知られるデバイスに試験を行うように構成されたシステムを含む。ATEの例は、試験信号をDUTにルーティングする試験ヘッドと、DUTへの電気的及び機械的接続を実現するデバイスインタフェースボード(DIB)とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
試験システム例が、試験ヘッドと、試験ヘッドに接続するように構成されたデバイスインタフェースボード(DIB)とを含む。DIBは、被試験デバイス(DUT)を保持するためにある。DIBは、DUTと試験ヘッドとの間で電気信号を伝送する導電体を含む。サーバは、試験機器として機能するようにプログラムされている。サーバは、試験ヘッドの外部にあり、かつ試験ヘッドから遠隔にあり、信号を、光ファイバケーブルを介して試験ヘッドと通信するように構成されている。信号にはシリアル信号が含まれる。試験システムは、以下の特徴のうち1つ以上を、単独又は組み合わせのどちらかで含んでもよい。
【0004】
試験ヘッドは、信号インタフェースボードを含んでもよい。信号インタフェースボードは、光ファイバケーブルに接続するためのケーブルインタフェース、及び、導電体に接続するための電気的インタフェースを含んでもよい。光ファイバケーブルは、光信号と電気信号との間の変換を行うように構成されていてもよい。信号インタフェースボードは、DIBへの出力のために電気信号を調整するように構成されていてもよい。いくつかの例では、光ファイバケーブルではなく信号インタフェースボードが、光信号と電気信号との間の変換を行うように構成されていてもよい。信号インタフェースボードはまた、DIBへの出力のために電気信号の信号電力を増加させるように構成されていてもよい。シリアル信号は、リアルタイムシリアルスキャン試験ベクトルを含んでもよい。リアルタイムシリアルスキャン試験ベクトルは、DIBに接続されたDUTの複数のピンに提供されてもよい。
【0005】
試験システムは、試験ヘッドの外部にある絶縁電源を含んでもよい。絶縁電源は、光ファイバケーブルを介して試験ヘッドに送信された光信号を復号する際に使用するために、サーバの場所から試験ヘッドに電力を供給するように構成されていてもよい。試験ヘッド内の電気信号は、機器グラウンドを基準にして計られてもよい。試験ヘッドの機器グラウンドはまた、絶縁電源のグラウンド基準としても機能してよい。
【0006】
光ファイバケーブルは、2メートル(2m)以上の長さであってもよい。シリアル信号は、5ギガビット/秒(5Gbps)以上で伝送されてもよい。シリアル信号は、パルス化されたデジタル信号であるか、それを含んでもよい。試験ヘッドは、試験電子機器を全く含まなくてもよいし、試験電子機器を含んでもよい。サーバは、試験機器として機能するようにプログラムされた汎用コンピューティングデバイスを含んでもよい。シリアル信号は、例えば、USBプロトコル又はPCIeプロトコルのデジタル信号を含んでもよい。
【0007】
試験システム例が、ある光信号の表現である電気信号を調整する第1の回路を有する、試験ヘッドを含む。光信号は光ファイバケーブルからのものであり、電気信号は被試験デバイスのためのものである。あるサーバが、試験機器として機能するようにプログラムされている。サーバは、試験ヘッドの外部にあり、かつ、試験ヘッドから遠隔にある。サーバは、光ファイバケーブルを介して通信するように構成されている。電気信号及び光信号は、シリアル信号を含む。試験システムは、以下の特徴のうち1つ以上を、単独又は組み合わせのどちらかで含んでもよい。
【0008】
電気信号は、DUTに送信されるべき試験ベクトルを含んでもよい。サーバは、DUTに送信された試験ベクトルに応答してDUTから取得された、試験結果を受信するように構成されていてもよい。光ファイバケーブルは、2メートル(2m)以上の長さであってもよい。シリアル信号は、5ギガビット/秒(5Gbps)以上で送信されてもよい。シリアル信号は、パルス化されたデジタル信号であるか、それを含んでもよい。試験ヘッドは、試験電子機器を全く含まなくてもよいし、試験電子機器を含んでもよい。サーバは、1つ以上の試験機器として機能するようにプログラムされた1つ以上の汎用コンピューティングデバイスを含んでもよい。シリアル信号は、USBプロトコルデジタル信号、PCIeプロトコルデジタル信号、又は適切な業界標準シグナリングプロトコルに準拠するどのようなデジタル信号を含んでもよい。
【0009】
試験システムは、試験ヘッドの外部の絶縁電源を含んでもよい。絶縁電源は、光信号を復号する際に使用するために、サーバの場所から試験ヘッドに電力を供給するように構成されている。試験ヘッド内の電気信号は、機器グラウンドを基準にして計られてもよい。試験ヘッドの機器グラウンドは、絶縁電源のグラウンド基準として機能してもよい。試験ヘッド内の電気信号は、第1のグラウンドを基準にして計られてもよい。絶縁電源は、第1のグラウンドとは異なる第2のグラウンドから第1のグラウンドを絶縁する、絶縁変圧器を含んでもよい。
【0010】
別の試験システム例は、被試験デバイス(DUT)に電気的及び機械的に接続する手段と、光信号からの変換によって取得された電気信号を調整する手段と、光ファイバケーブルを介した伝送のために光信号に変換される試験ベクトルを生成する手段とを含む。生成する手段は、DUTへの接続点から遠隔にある1つ以上の汎用サーバを含む。
【0011】
この「課題を解決するための手段」節に記載されたものを含め、本明細書に記載の特徴のいずれか2つ以上を組み合わせて、本明細書に具体的に記載されていない実装形態が形成されてもよい。
【0012】
本明細書に記載されるシステム及び技法の少なくとも一部は、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体上に記憶された命令を1つ以上の処理デバイス上で実行することによって構成されるか、制御されてもよい。非一時的機械可読記憶媒体の例として、読み出し専用メモリ、光ディスクドライブ、メモリディスクドライブ、及びランダムアクセスメモリが挙げられる。本明細書に記載されるシステム及び技法の少なくとも一部は、1つ以上の処理デバイスと、様々な制御動作を行うためにその1つ以上の処理デバイスによって実行可能な命令を記憶するメモリとからなるコンピューティングシステムを使用して構成されるか、制御されてもよい。本明細書に記載されるシステム及び技法、並びにそれらの構成要素及び変形形態は、例えば、設計、構築、配置(arrangement)、配置(placement)、プログラミング、操作、アクティブ化、非アクティブ化、及び/又は制御を通して構成されてもよい。
【0013】
1つ以上の実装形態の詳細を、添付の図面及び以下の説明で明らかにする。それらの説明、図面、及び特許請求の範囲から、その他の特徴及び利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】遠隔サーバへの光ファイバ接続を有する自動試験装置(ATE)例の構成要素を示すブロック図である。
【
図2】遠隔サーバへの光ファイバ接続を有する自動試験装置(ATE)例の構成要素を示すブロック図である。
【
図3】遠隔サーバへの光ファイバ接続を有する自動試験装置(ATE)例の構成要素を示すブロック図である。
【
図4】
図1~
図3のATEで生じ得る信号フロー例を示すブロック図である。
【
図5】遠隔サーバへの光ファイバ接続を有するATE例を示す図である。
【0015】
異なる図面における同様の参照番号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に記載されるのは、光ファイバケーブルに接続するためのケーブルインタフェースと、導電体に接続するための電気的インタフェースとを有する試験ヘッドを含む、試験システム又はATEの実装形態例である。デバイスインタフェースボード(DIB)が、電気的インタフェースを介して試験ヘッドに接続するように構成される。DIBは、被試験デバイス(DUT)を保持するためにあり、また、DUTと試験ヘッドの電気的インタフェースとの間で電気信号を送信する導電体を含む。サーバは、試験機器として機能するようにプログラムされている。サーバは、汎用サーバ、又は本明細書で説明されるコンピューティングシステムなどの他のタイプの汎用コンピューティングデバイスであってもよい。サーバは、試験ヘッドの外部にあり、かつ試験ヘッドから遠隔にあり、光ファイバケーブルを介して通信するように構成されており、光信号が光ファイバケーブルを介して、試験ヘッドに向けて、及び、試験ヘッドから離れる方向に送信される。したがって、従来の機器データ処理機能を、試験ヘッドの外部に置くことができる。いくつかの実装形態では、遠隔サーバは試験機器に置き換わり、そうでない場合は試験機器は試験ヘッド内に存在することになる。光ファイバケーブル上のデータ転送レートは遠隔サーバと試験ヘッドとの間の距離を補うだけの十分な速さであるから、光ファイバケーブルによって、そのような遠隔構成が可能になり得る。いくつかの事例では、1つ以上の汎用サーバを使用することによって、ATEのコスト及び複雑さが低減し、ATEの設定可能性を向上させることができる。
【0017】
図1~
図3は、前の段落に記載したATEの特徴を含むATE例10を示す。ATE10は、試験ヘッド100を含む。試験ヘッド100は、試験機器と、DUT5を保持するデバイスインタフェースボード(DIB)50との間の機械的及び電気的インタフェースを含む。試験ヘッド100は、DUT及びATEの他の構成要素に電力を供給するための1つ以上の電源(図示せず)を含む。いくつかの実装形態では、試験ヘッド100は、DIBに接続されたDUTを試験する際に使用するための、ピン電子機器などの試験機器及び/又は試験電子機器を含む。いくつかの実装形態では、試験ヘッド100は、そのような試験機器及び/又は試験電子機器を全く含まない。例えば、試験機器及び/又は試験電子機器の全て又はいくつかは、試験ヘッドから離れた遠隔の場所に置かれてもよい。そのような遠隔試験機器及び/又は試験電子機器は、例えば、1、10、又は100メートルの桁数の遠隔接続が可能になるデータ転送速度を有する、光ファイバケーブル114などの光学媒体を介して試験ヘッドに接続されてもよい。
【0018】
DIB150は、DUTと試験ヘッドとの間の電気的及び機械的接続を含む。例えば、DIB150は、試験ヘッド100に接続された、かつ、ATEによって試験されている又は試験されるべき1つ以上のDUTへの機械的及び電気的インタフェースを含むプリント回路基板(PCB)を含んでもよい。電力は、電圧を含めて、DIB内の1つ以上のコンジットを介して、DIBに接続されたDUTに供給されてもよい。DIBには複数の部位が含まれ、それらの部位には、ピン、ボールグリッドアレイ(BGA)パッド、又は、その他の、DUTが接続し得る電気的及び機械的接続のポイントが含まれてもよい。デジタル信号及び他の信号などの試験信号及び応答信号は、DUTと試験機器との間の諸部位を渡る試験チャネルを介して通過する。DIB15はまた、とりわけ、試験電子機器、諸部位に接続されたDUT、及び他の回路の間で信号を回送するために、コネクタ、導電性トレース及び回路を含んでもよい。DIB150はまた、DUTと試験ヘッドの電気的インタフェース115との間で電気信号をDIBに送信する導電体を含む。
【0019】
DIB150は、信号インタフェース(DXO)ボード110に電気的及び機械的に接続されており、このDXOボードは試験ヘッドの構成要素であって、試験ヘッドに接続されている(ただし試験ヘッドの全体ではない)。この点に関して、信号インタフェースボード110は、また、よって試験ヘッド100は、DIB150が接続するように構成された電気的及び機械的インタフェースを含む。信号インタフェースボード110は、試験ヘッド10内部又は試験ヘッド10上にあるPCBを含んでもよい。信号インタフェースボード110は、光ファイバケーブル114に接続するためのケーブルインタフェース116と、DIBへの、及びDIBからの導電体112に接続するための電気的インタフェース115とを含む。光ファイバケーブル114は、ケーブルのサーバ側及びケーブルの試験ヘッド側に変換電子機器を含み、この変換電子機器は、例えば遠隔試験機器サーバ内のユニバーサルシリアルバス(USB)カードの提供する電気によって両端で電力供給されてもよい。したがって、いくつかの実装形態では、ケーブルインタフェース116は、光ファイバケーブル上の変換電子機器に接続するので、電気的インタフェースである。光ファイバケーブルの両端の変換電子機器は、電気信号を、その電気信号を光ファイバケーブルを介して送信するための表現である光信号に変換し、また、光ファイバケーブルからの光信号を、試験ヘッド側で電気導体112を介してDIBに、又はサーバ側で遠隔サーバに伝送するための、その光信号の電気表現である電気信号に変換するように構成されている。例えば、光ファイバケーブルに取り付けられた電子機器において、電気シリアルデータストリームは、その電気シリアルデータストリームを光ファイバケーブルを介して送信するための光学的表現に変換されてもよく、電気シリアルデータのその光学的表現は、DIBへの送信のための電気シリアルデータに逆変換されてもよい。
【0020】
いくつかの実装形態では、信号インタフェースボード110上の電気的インタフェース115は、DIB150に出力される電気信号を電気ドメインで調整し、DIB150に出力される電気信号の信号電力を増加させるように構成されていてもよい。例えば、信号インタフェースボード110は、電気信号が確実に、DIBで使用されているデータストリームプロトコルに一致するタイミングを有するように、また可能な限り強力になるように、信号を調整する回路を含んでもよい。信号インタフェースボード110は、信号を増幅するための、又は信号の電力を増加させるための回路もまた含んでもよい。信号インタフェースボード110は、DIB150から戻された電気信号を増幅及び調整するための回路もまた含んでもよい。
【0021】
信号インタフェースボード110と1つ以上の遠隔サーバ200との間に、1つ以上の光ファイバケーブル114(又は他の適切な光媒体)が延びている。この点に関して、ATE10の複数の実装形態例では、試験ヘッド100と1つ以上の遠隔サーバ200との間の高速データ接続が可能になり、それによって遠隔での信号生成能力及び処理能力が可能になる。光ファイバケーブル114を使用して、遠隔サーバで生成されたシリアルスキャン試験ベクトルなどの試験信号をATE試験ヘッドに送信し得る。この点に関して、あるシリアルスキャン例の間、試験機器として働くサーバからDUTに、光ファイバ高速シリアルリンクを介して試験ベクトル負荷が送信される。DUTは、試験ベクトル負荷に基づいて、1つ以上の動作を行う。試験ベクトル負荷に対するDUTの応答が記録され、試験機器として動作するサーバに、光ファイバ高速シリアルリンクを介して戻り伝送される。次に、このサーバはこの応答を評価して、試験技術者によって決定された所定の機能要件にDUTが適合しているか判断する。DUTが完全に適合している場合は、DUTは「良好」とラベル付けされる。DUTが適合していない場合は、DUTは「不良」として区分けされ、また、DUTのどの部分が不合格であったかについて特徴付けられるか、性能が劣るとして特徴付けられ、それに従って区分けされる。
【0022】
図1~
図3の例では、試験ベクトルなどの試験信号を光信号として信号インタフェースボード110に送信するために、光ファイバケーブル114が使用される。光ファイバケーブル114は、試験ヘッド側で光信号を電気信号に変換するように構成され、電気信号は、次いで、信号インタフェースボードによって調整され、DIBを介してDUTに送信される。戻り方向では、電気試験結果の信号が、DUTからDIBを介し、信号インタフェースボード110を通じて送信される。これらの信号は、信号インタフェースボードによって調整されてもよい。調整に続いて、光ファイバケーブル114に取り付けられた電子機器が、これらの電気信号を光信号に変換し、得られた電気信号を、光ファイバケーブル114を介して遠隔サーバ200に分析のために送信する。いくつかの実装形態では、光信号からその電気信号表現への変換、及び電気信号からその光信号表現への変換は、光ファイバケーブル内の、又は光ファイバケーブルに取り付けられた電子機器によってではなく、信号インタフェースボードによって実行されてもよい。
【0023】
上述したように、信号インタフェースボードは、光ファイバケーブルから受信した電気信号をDIB150に出力するために調整し、またDIB150に出力される電気信号の信号電力を増加させる回路を含む。信号インタフェースボード110は、DIB150から戻された電気信号を光ファイバケーブルへの出力のために増幅及び調整する回路もまた、含んでもよい。例えば、信号インタフェースボード110は、信号ストリームが確実に、DIB及び/又は試験機器として動作するサーバの使用するデータストリームプロトコルにタイミングの点で一致し、そのプロトコルの他の要件に適合し、増加又は最大化された信号電力を有するように、電気信号を調整するように構成されていてもよい。
【0024】
いくつかの実装形態では、限定はしないが5ギガビット/秒(5Gbps)以上のデータ転送レートなどの、高速データ転送レートが光ファイバによって可能になり、遠隔サーバと試験ヘッドとの間で信頼できる送信がサポートされる。したがって、光ファイバによって、いくつかの例では、性能に悪影響を与えることなく、試験ヘッドからかなりの距離(例えば、2m、5m、12m、15m、100mなど)に遠隔サーバを置くことが可能になる。この手法により、試験制御、処理、及び分析の全て又は一部が遠隔サーバ200によって実行される、例えば汎用などの、柔軟性のある試験ヘッドが可能になり得る。
【0025】
光ファイバケーブルを介して送信されるデータは、シリアルデータであってもよい。したがって、光ファイバケーブルは、試験ヘッドと遠隔サーバとの間の高速シリアル接続として機能する。データ送信のために、どのような適切な業界標準シグナリングデータストリームプロトコルを使用してもよく、その例は、ユニバーサルシリアルバス(USB)プロトコル及び周辺構成要素インターネットエクスプレス(PCIe)プロトコルである。
【0026】
上述したように、試験システム10は、1つ以上の遠隔サーバ200を含む。
図5の例には、6つの遠隔サーバがある。ただし、どのような数が使用されてもよい。遠隔サーバ200は、試験機器として動作するようにプログラム可能な、かつそのようにプログラムされた汎用コンピューティングデバイスを含む。サーバは、ハードウェアデバイスを含んでおり、1つ以上の処理デバイス及びコンピュータメモリを含んでもよい。例えば、各サーバは、制御システムによって提供されるデータに基づいてDUTを試験するために、試験ベクトルなどのデジタル試験信号を出力するように、又は、いくつかの実装形態ではアナログ試験信号若しくは無線周波数(RF)試験信号のデジタル化されたバージョンを出力するように、構成、例えばプログラムされていてもよい。各サーバは、最初の試験信号に応答してDUTからデジタル応答信号又は、アナログ応答信号若しくはRF応答信号のデジタル化されたバージョンを受信するように、例えばプログラムされるなど、構成されていてもよい。サーバ200のそれぞれ異なるサーバは、異なるタイプの試験を行うように、異なるタイプの試験機能を実装するように、かつ/又は、異なるDUT若しくは異なるタイプのDUTを試験するように構成されてもよい。サーバ200のうち2つ以上が、同じタイプの試験を行うように、同じタイプの試験機能を実装するように、かつ/又は、同じDUT若しくは同じタイプのDUTを試験するように構成されていてもよい。
【0027】
試験信号及び応答信号は、光ファイバケーブル114及び電気媒体を使用して、サーバ200と試験ヘッド100との間に構成された1つ以上のシリアル試験チャネル上を移動してもよい。いくつかの例では、ある試験チャネルが、試験機器からDUTに信号が送信され、DUTから信号が受信される1つ以上の物理的送信媒体を含んでもよい。
【0028】
いくつかの実装形態では遠隔サーバ200は試験機器として機能するように構成されているので、試験ヘッド100は試験電子機器を全く含まなくてもよいが、他の実装形態では、試験ヘッド100は試験電子機器を含んで、オンボード試験能力と遠隔試験能力との両方を提供するようになっていてもよい。実装形態例において、遠隔サーバ200は、本明細書に記載される様式でのサーバへの送信のために、サーバ側で電気信号を調整及び強化するインタフェース回路210を含んでもよい。サーバ側では、光ファイバケーブル内の電子機器は、シリアル試験ベクトル20を含むがこれに限定されない試験データを、試験ヘッド100に送るための光信号に変換するように構成されている。光ファイバケーブル内の電子機器はまた、試験ヘッド100からの光信号(例えば、シリアル試験結果30を表す)を受信し、電気信号に逆変換するように構成される。それらの信号は、本明細書に記載するとおりに調整及び強化され、サーバ200内のプロセッサ220による分析のために送信されてもよい。
【0029】
いくつかの実装形態では、このインタフェース回路の複数の異なるインスタンスが、サーバ200の個々のサーバ内に存在するか、又は個々のサーバに結合されていてもよい。いくつかの実装形態では、インタフェース回路はUSB光ファイバインタフェースを含んでもよい。いくつかの実装形態では、インタフェース回路は、遠隔サーバに関連付けられた汎用プロセッサを光ファイバケーブルに接続するために使用される、シリアル出力ポートを含む。
【0030】
いくつかのDUTは、試験に特化した専用のピンを含む。上述したように、いくつかのDUTには試験能力が組み込まれている。したがって、こうしたDUTは試験ベクトルを受信するだけでよく、その後、内部のプログラミング又は回路によって試験を実行し、試験結果を提供するために、この試験ベクトルが使用されてもよい。これらの試験結果は、分析のために、この例ではサーバ200である試験機器に返信されてもよい。いくつかの実装形態では、サーバ200は、そのような試験ベクトルを生成し、それらの試験ベクトルを光ファイバケーブルを介して送信するように構成されている。次に、記載したとおりに応答信号が受信される。この点に関して、試験ベクトル信号ストリームは、サーバ内で生成されてからサーバ内のUSBカードに送達されてもよい。次いで、信号はUSBケーブルに送達され、光ファイバケーブル内の電子機器によって光信号に変換される。次に、信号は信号インタフェースボードまで光ケーブルの長さを移動し、そこで、ケーブルアセンブリ内で電気信号に逆変換される。逆に、DUTからの信号は、信号インタフェースボードに送達され、増幅され、リタイマ-チップによってリタイムされ、次いで、リタイマーチップは信号をUSBケーブルの電気的インタフェースに送達する。そのインタフェース(光ファイバケーブルの遠端にあるサーバから電力供給される)は信号を光信号に変換し、その光信号は光ファイバケーブルを介してサーバ内のUSBカードに送達される。
【0031】
したがって、実装形態例において、光ファイバケーブルを介して送られる、例えばリアルタイムシリアルデータストリームであるか、それを含む、シリアル信号は試験ベクトル20を含んでもよく、この試験ベクトルはプロセッサ220によって生成されてもよい。例えば、ATE100は、本明細書に記載するとおり、試験ヘッド、信号インタフェースボード、及びDIBを介して、DUTの1つ以上のコネクタピンにリアルタイムシリアルスキャン試験ベクトル20を提供してもよい。シリアル試験結果30は、次いで、再びDIB及び試験ヘッド内の信号インタフェースボードを介して、DUTから遠隔サーバに戻り伝送されてもよく、ここで、光媒体を渡る送信のための光変換の前に、これらの信号は調整される。いくつかの実装形態では、シリアル信号は、USB又はPCIeプロトコルに準拠するパルス化デジタル信号であってもよい。いくつかの例では、パルス化デジタル信号は、「0」などのベースライン値からより高い値又はより低い値への振幅の急速な過渡変化と、それに続くベースライン値への急速な復帰を表す。
【0032】
図4はATE10の信号フロー例を示し、ここでは、シリアル試験ベクトル20がプロセッサ220によって電気信号として生成され、遠隔サーバ200から試験ヘッド100へ、詳細には試験ヘッド内の信号インタフェースボードへ、光信号として送信される。シリアル試験ベクトルは光信号から電気信号に逆変換され、次いで、DIB150を介してDUT5へ送信するために調整される。戻り経路では、シリアル試験結果30が電気信号として、DUT5からDIB150を介して信号インタフェースボードで受信される。光ファイバケーブルはシリアル結果30を、遠隔サーバ200への送信のために光信号に変換する。サーバ側では、それらは処理プロセッサ220のために電気信号に逆変換される。いくつかの例では、インタフェース回路210は、サーバへの送信に先立って、本明細書に記載の様式で電気信号を調整してもよい。
【0033】
図5は、ATE10の別の実装例を示す。
図5に示す実装形態では、6つの遠隔サーバ200が示されている。この例では、各サーバ200は、光ファイバケーブル114に接続するための2つのUSB光ファイバインタフェース(インタフェース回路210の例)を含む。光ファイバケーブル114は、本明細書に記載するとおり、試験ヘッド100内の信号インタフェースボード110を介してDIBに連結する。この構成は、12本のUSBアクティブ光ケーブル(AOC)として示されており、そのうち6本が、信号インタフェースボード110のそれぞれの側と連結する。絶縁スリーブ118を使用して、光ファイバケーブル114を保護してもよい。信号インタフェースボード110は、光ファイバケーブル114内の変換電子回路から受け取った電気信号を、本明細書に記載の方法で調整する。調整された電気信号は次いで、先述したように、DIB150を介してDUTに送信される。いくつかの実装形態では、信号インタフェースボード機能はDIBの一部である。いくつかの実装形態では、信号インタフェースボードはDIBに接続された構成要素であってもよく、試験ヘッド内に置かれなくてもよい。
【0034】
要約すると、本明細書に記載のATEの例は、DUTに電気的及び機械的に接続するための構成要素と、電気信号を光ファイバケーブルを介して送信するために光信号に変換する構成要素と、光信号をDUTに送信するために電気信号に変換する構成要素と、光ファイバケーブルを介した送信のために光信号に変換される試験ベクトルを生成する構成要素と、を含む。
【0035】
図5の例では、ATE10は絶縁電源300を含む。絶縁電源300は試験ヘッド100から遠隔にあり、またサーバ200の近くに置かれてもよく、このことは、サーバと同じ部屋内又はキャビネット内にあることを含んでもよいし、含まなくてもよい。例えば、絶縁電源は、試験ヘッド100から2m、5m、12m、15m、100mなどに置かれてもよい。絶縁電源例は、例えば電源を含み、その電源は、それが電力を供給している、回路のそれ以外の部分、この例では試験ヘッド及びそれに接続された構成要素から電気的に絶縁されている。いくつかの実装形態では、電源部分は絶縁変圧器を使用して絶縁されていてもよい。したがって、2つの区画の間に直接的な電気的接続がなくても、絶縁電源の入力から出力へ電力を伝達することができる。
【0036】
この点に関して、試験ヘッド100の構成要素は、絶縁電源300から電力を供給されてもよい。それらの戻り経路は全て、試験ヘッド構造内の「機器スターグラウンド」として知られる単一点を通る。「グラウンド」又は「電気グラウンド」には、他の電圧の基準として使用される電圧が含まれる。別の機器がこの環境に導入されたときは、その機器が受け取る電力もまた、機器スターグラウンドを基準とする。そうでなければ、グラウンドループ、すなわちグラウンド経路を通って1つの経路から別の経路に流れる電流が存在するというリスクが生じる。これにより、ひいては試験ヘッドの内部及び外部の両方の電子機器にノイズが生成される可能性がある。例えば、DIBは、ATEによって試験されている顧客のDUTの全てに接続する共有グラウンド/戻り経路を含む。グラウンド/戻り経路がどの電圧レベルにあるかに関して物理的不一致があると、グラウンドループが形成されて、高レベルのグラウンドから低レベルのグラウンドに電流が流れる。この潜在的な問題を解決するために、絶縁変圧器を使用してもよい。絶縁変圧器では、負荷側の電源及びグランドが、電源側の電源及びグランドから完全に絶縁されている。試験ヘッドの機器スターグラウンドにグラウンドケーブルが接続され、また絶縁変圧器の負荷側に接続されており、試験ヘッド内に存在する全く同じグラウンド基準を提供する。絶縁変圧器はまた、安全のためにアラーム回路を含んでもよい。アラーム回路は、負荷側が適切にグラウンドされていない場合にアラームを鳴らすように構成される。更に危険を示すために、ライトに接続可能な回路が絶縁変圧器上にあってもよい。これらの同じ接点を使用して、10秒などのある所定の期間後に絶縁変圧器をシャットダウンするように、時限式回路ブレーカを構成してもよい。
【0037】
図5及び
図6を参照すると、絶縁電源300を使用して、光ファイバケーブル114に隣接し、かつそれに沿って延びる銅線を介して試験ヘッド100に電力を供給してもよい。その電力を、信号インタフェースボード上で光信号を復号及び符号化できるようにするために使用してもよい。
図6に示すように、絶縁電源300の実装形態例が、絶縁変圧器310を含む。絶縁変圧器310は、電源グラウンドすなわち「PWR GND」321に接続されたソース側312を含む。絶縁変圧器310はまた、機器スターグラウンドすなわち「STAR GND」322に接続された負荷側314を含む。電力グラウンドと機器スターグラウンドとは、異なる電圧にあり得る。ところが、それらが電気的に絶縁されていることにより、グラウンドループの変化が防止又は低減される。したがって、DIBを通る電気信号を含め、試験ヘッド側の電気信号は、機器スターグラウンドを基準とし得る。サーバはまた、機器スターグラウンドを基準とし、いくつかの実装形態では電力グラウンドから絶縁されている。
【0038】
いくつかの実装形態は光ファイバケーブルを含んでもよく、それにより、各端部に別々に電力供給できるようになる。ファイバはそれ自体で、ケーブルの端部間に電気的絶縁を提供する。絶縁変圧器が使用される理由は、光-電気(及びその逆)変換を駆動するためにファイバの両端でサーバからの供給電力を使用するからである。変換プロセスの試験ヘッドエンドが、試験ヘッド/機器グラウンド基準電力を使用して電力供給される事例では、絶縁変圧器は必要ないこともある。
【0039】
本明細書に記載の試験システム及びそれらの様々な修正形態の全て又は一部は、遠隔サーバ200などの1つ以上のコンピュータによって、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体などの1つ以上の情報担体に有形に具現化された1つ以上のコンピュータプログラムを使用して、少なくとも部分的に構成又は制御されてもよい。コンピュータプログラムは、コンパイラ型又はインタープリタ型言語などのどのような形態のプログラミング言語で記述することもでき、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、パート、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適なその他のユニットとしてなど、どのような形で配備することもできる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行するように、又は、1つの場所にある複数のコンピュータ上、若しくは、複数の場所に分散し、ネットワークで相互接続する複数のコンピュータ上で実行されるように配備することができる。
【0040】
本明細書に記載の試験システムを構成又は制御することに関連する動作は、本明細書に記載の動作の全て又は一部を制御するか遂行するために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する、1つ以上のプログラム可能プロセッサによって行うことができる。試験システム及びプロセスの全て又は一部は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/若しくはASIC(特定用途向け集積回路)、又は機器ハードウェアに局所化された埋め込みマイクロプロセッサなどの専用論理回路によって構成又は制御することができる。
【0041】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサの例としては、汎用及び専用の両方のマイクロプロセッサ、並びに、どのような種類のデジタルコンピュータのどのような1つ以上のプロセッサでも含まれる。一般に、プロセッサは、読み出し専用記憶領域若しくはランダムアクセス記憶領域、又はその双方から、命令及びデータを受信する。コンピュータの要素としては、命令を実行するための1つ以上のプロセッサ、並びに、命令及びデータを記憶するための1つ以上の記憶領域デバイスが挙げられる。一般的には、コンピュータはまた、データを記憶するための磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクなどの大容量記憶デバイスなどの、1つ以上の機械読み取り可能記憶媒体からデータを受け取るか、それらにデータを転送するか、その双方のために、それらを含むか、それらに動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに適した非一時的機械可読記憶媒体には全ての形態の不揮発性記憶領域が挙げられ、これには、例として、EPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)、及びフラッシュ記憶領域デバイスなどの半導体記憶領域デバイスと、内部ハードディスク又はリムーバブルディスクなどの磁気ディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROM(コンパクトディスク読み出し専用メモリ)及びDVD-ROM(デジタル汎用ディスク読み出し専用メモリ)が含まれる。
【0042】
本明細書に記載の実装形態で使用され得る光ファイバケーブルの一例は、Cosemi Technologies,Inc.によって製造される「USB3.2 GEN 2x1 A-A 10G HYBRID ACTIVE OPTICAL CABLES」である。
【0043】
本明細書に記載の様々な実装形態の要素を組み合わせて、上記で具体的に明記されていない他の実装形態を形成してもよい。要素は、それらの動作又はシステム全体の動作に悪影響を及ぼすことなく、前述のシステムから除外されてもよい。更に、本明細書に記載の機能を行うために、様々な別個の要素を組み合わせて1つ以上の個別の要素にしてもよい。
【0044】
本明細書に具体的に記載されていない他の実装形態もまた、以下の特許請求の範囲内である。
【国際調査報告】