(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】超軽量且つ調節可能な鼻、耳及び外傷吸引器及びイリゲータ装置並びに関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
A61M1/00 140
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535949
(86)(22)【出願日】2020-12-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 US2020064728
(87)【国際公開番号】W WO2022125121
(87)【国際公開日】2022-06-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523216137
【氏名又は名称】エルマスリー、メダット
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルマスリー、メダット
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA17
4C077AA26
4C077CC02
4C077DD10
4C077DD11
4C077EE04
4C077JJ24
4C077KK25
(57)【要約】
吸引及び灌注超軽量装置が開示される。装置は、単独で又は順次に吸引及び灌注するように構成されている。装置は、再充電可能な電池によって電力が供給される、デジタル式に調節可能な乾式/湿式真空及びスプレー/イリゲータ・アセンブリを備える。装置は、少なくとも1つの容易に使い捨て可能且つ洗浄可能な吸引物/灌注物リザーバを有する。本発明は、特に、鼻、耳、開放性外傷及びその他の体液の吸引及び灌注の外来患者及び在宅環境に関連する医療の分野に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、コントローラ・ボックスと、前記コントローラ・ボックスにぴったりと嵌合するように設計された1つ又は複数のコンテナ/リザーバと、を備え、
前記コントローラ・ボックスが、前記コントローラ・ボックスに正圧又は負圧を生じさせ、これにより、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが前記コントローラ・ボックスに存在するときに前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに存在する1つ又は複数のピストンを移動させるように構成及び設計された1つ又は複数のポンプを備え、前記1つ又は複数のピストンの移動が、前記1つ又は複数のピストンの前記移動による流体及び/又はガスの吸引及び/又は灌注を可能にし、前記装置が、選択的に、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けることができる1つ又は複数の導管を有し、これにより、前記1つ又は複数の導管を通じた流体及び/又はガスの前記吸引及び/又は灌注を容易にする、装置。
【請求項2】
1つ又は複数の吸引/排出スイッチ、1つ又は複数のノズル/導管、1つ又は複数のルアー・ロック、1つ又は複数のモータ速度制御モジュール、1つ又は複数の電池、1つ又は複数のスロット、オン/オフ・パワー・スイッチ、1つ又は複数のポンプ・オン・スイッチ、1つ又は複数のガスケット、1つ又は複数のソーラー・パネル及びパワー・コネクタ・プラグのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が、前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチ、前記1つ又は複数のノズル/導管、前記1つ又は複数のルアー・ロック、前記1つ又は複数のモータ速度制御モジュール、前記1つ又は複数の電池、前記1つ又は複数のスロット、前記オン/オフ・パワー・スイッチ、及び前記パワー・コネクタ・プラグを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ又は複数の電池が、鉛蓄電池又はリチウム・イオン電池である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの形状が円筒状であり、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの側部にグラデーションを備え、前記装置のユーザが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに存在する流体の体積を見ることを可能にしている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、耳、鼻腔及び外傷を洗浄するために使用されるアタッチメントを取り付けることを可能にするように構成された1つ又は複数のノズル/導管を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が、キットの一部である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、20~40ミリリットルのサイズである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
1つ又は複数のルアー・ロックを備え、前記1つ又は複数のルアー・ロックが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが前記コントローラ・ボックスに挿入されると前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバを前記コントローラ・ボックスに係合させ且つ固定するように設計されている、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
1つ又は複数のモータ速度制御モジュールを備え、前記1つ又は複数のモータ速度制御モジュールが、前記ポンプのパワーを制御し、前記耳、鼻腔及び外傷を吸引及び/又は灌注するための前記ポンプの能力を増大又は減少させる、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記電池が、ソーラー・パワーによって、又はAC電気によって再充電される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記アタッチメントが、耳、鼻腔及び/又は外傷に嵌合するように設計されており、柔軟なプラスチックを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項13】
被験者における耳、鼻腔及び外傷を灌注及び吸引するための装置であって、前記装置が、コントローラ・ボックス及び1つ又は複数のコンテナ/リザーバを備え、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、前記コントローラ・ボックスにぴったりと嵌合するように設計された形状であり、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、少なくとも1つ又は複数の開放した端部と、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが前記コントローラ・ボックスに係合及び固定されることを可能にする、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに関連した1つ又は複数のルアー・ロックと、を有し、前記コントローラ・ボックスが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバ内の1つ又は複数のピストンを移動させるように設計された1つ又は複数のポンプを備え、前記少なくとも1つ又は複数の開放した端部が、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域への、又は前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域への空気及び/又は流体の通過を可能にするように設計されており、空気及び/又は流体の前記通過が、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けることができる1つ又は複数の導管を選択的に通過させられる、装置。
【請求項14】
前記装置が、1つ又は複数の吸引/排出スイッチ、1つ又は複数のノズル/導管、1つ又は複数のモータ速度制御モジュール、1つ又は複数の電池、1つ又は複数のスロット、オン/オフ・パワー・スイッチ、1つ又は複数のガスケット、1つ又は複数のソーラー・パネル及びパワー・コネクタ・プラグのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチが吸引位置へ切り替えられたときに前記1つ又は複数のピストンが吸引を行う方向へ移動し、前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチが排出位置へ切り替えられたときに前記1つ又は複数のピストンが灌注を行う方向へ移動するように、前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチが前記1つ又は複数のポンプに動作可能に接続されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ又は複数のモータ速度制御モジュールが、前記1つ又は複数のポンプのパワーを制御し、前記耳、鼻腔及び外傷を吸引及び/又は灌注するための前記1つ又は複数のポンプの能力を増大又は減少させる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、20~40ミリリットルのサイズである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
耳、鼻腔及び/又は外傷を灌注又は吸引する方法であって、前記方法が、コントローラ・ボックス及び1つ又は複数のコンテナ/リザーバを備える装置を入手することを含み、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、前記コントローラ・ボックスにぴったりと嵌合するように設計された形状であり、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、少なくとも1つ又は複数の開放した端部と、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが前記コントローラ・ボックスに係合及び固定されることを可能にする、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバと関連した1つ又は複数のルアー・ロックと、を有し、前記コントローラ・ボックスが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバ内の1つ又は複数のピストンを移動させるように設計された1つ又は複数のポンプを備え、前記少なくとも1つ又は複数の開放した端部が、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域への、又は前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域への空気及び/又は流体の通過を可能にするように設計されており、ユーザが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けられた1つ又は複数の導管を選択的に通じて前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域から前記耳、鼻腔又は外傷の内側の領域へ空気及び/又は流体を移動させ、その後、前記耳、鼻腔及び/又は外傷の内側から前記空気及び/又は流体を除去し、これにより、前記耳、鼻腔及び/又は外傷を灌注及び/又は吸引する、方法。
【請求項19】
前記装置を使用して、前記耳、鼻腔及び/又は外傷に抗生物質、ベビー・オイル、鉱油、グリセリン又は過酸化水素を適用することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が少なくとも2回行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記コントローラ・ボックスが、少なくとも2つのコンテナ/リザーバを収容し、前記耳、鼻腔及び/又は外傷の同時灌注及び吸引が行われる、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本装置は、携帯用且つ調節可能な、鼻、耳及び外傷のために使用することができる吸引器及びイリゲータ装置に関する。1つの実施例において、装置は、単独で吸引及び灌注するように又はそれらを順次に実行するように構成されている。1つの実施例において、装置は、再充電可能な電池によって電力供給される、デジタル式に調節可能な乾式/湿式真空及びスプレー/イリゲータ・アセンブリを含む。装置は、少なくとも1つの容易に使い捨て且つ洗浄可能な吸引物/灌注物リザーバを有する。本発明は、鼻、耳、開放性外傷及びその他の体液の吸引及び灌注の外来患者及び在宅環境に特に関連した医療の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
人体は、人間が異物及び有機体を回避することを可能にする多くの自然防御能を有する。これらの自然防御能は、これらの異物及び有機体等を除去することを助ける皮膚、免疫系(これはかなり複雑である)、人体の分泌(粘液及び耳垢など)を含む。人体が異物及び/又は有機体の導入によって圧倒され、このことが、感染、孔閉塞、壊疽、その他の身体障害及び/又は更には潜在的に死、並びにその他の潜在的な問題などの深刻な結果につながり得る例が存在する。これらの結果を軽減するための1つの方法は、これらの異物/有機体の導入後に可能な限り早く行動を起こすことである。行動の1つのこのような手段は、耳、鼻、及び身体に生じる開放性外傷を含むがこれらに限定されない、異物/有機体が導入され得る場所の灌注及び/又は吸引を含む。
【0003】
様々な病院、診療所及び医療従事者は、人体の上記で言及した部分の灌注及び/又は吸引を取り扱うための様々な能力を有する。この違いのうちの幾つかは、病院、診療所及び/又は医療従事者(又はこれらの手順を実行し得るその他の人)によって所有される機器によるものである場合がある。貧困な場所又は遠隔地にある場所は、灌注及び/又は吸引を実行するための十分な機器を有さない場合がある。加えて、個々の患者の治療の速度が究極的には救命具であり得るため、EMTなどの医療従事者(又はこれらの手順を実行し得るその他の人々)又は遠隔地にいるこれらの医療従事者(戦地における衛生兵を含む)は、灌注及び/又は吸引を実行することを可能にする装置の恩恵を受ける場合がある。非常に携帯しやすく、比較的安価であり、使用することが比較的容易な装置は、これらの人々にとって有用であり得る。
【0004】
同じ機器において吸引器装置とスプレー装置とを組み合わせる幾つかの製品が開発されてきた。これらの電動式携帯用鼻及び耳吸引器及び/又はイリゲータのほとんどは、機器に吸引器装置を取り付けるためにまずスプレー装置をユーザが取り外すことを必要とし、調節可能な、十分に強い真空/灌注を提供しない。従来技術の装置のほとんどは、逆さの位置において動作せず、このような装置によって吸引することができる流体の量は非常に制限されており、これらの装置のほとんどにおいて数ミリリットルを超えることはない。これは、大抵、吸引物/灌注物リザーバの制限された容量に起因するものである。これらの装置のほとんどは、嵩張る、洗浄が困難である、取外し後に再び組み立てるのが困難であるなどの複数の欠点、及び/又はその他の欠点のうちの1つ又は複数を有する。
【0005】
公共及び医療コミュニティの両方によって使用することができる、鼻及び耳の吸引及び/又は洗浄のためのいかなる携帯用の、使用が容易な、費用対効果の高い装置も存在しなかった。
【0006】
1.鼻吸引器及び灌注
感染又は環境的アレルギーによって生じるかどうかにかかわらず鼻詰まり及び鼻汁は、特に、全ての年齢群における病気及び炎症の最も一般的な症状である。鼻汁及び後鼻漏は、特に、患者が副鼻腔炎であると診断される主な理由であり、進行して、耳感染、肺感染症、並びに喘息及び睡眠障害症状の悪化に発展する。加えて、鼻汁及び洞排泄物は、通常、痛み、鼻腔閉塞、頭痛及びかなりの不快感を生じさせる。鼻吸引及び灌注は、鼻炎や副鼻腔炎の症状及び兆候を緩和し、副鼻腔炎の進行及び合併症を最小限にすることが示された。患者の病欠の経済的影響を最小限にし、場合によっては、使い捨て化粧紙の使用を減じることによってより安全/グリーンな環境に寄与する装置が提供されることが望ましい。
【0007】
2.耳垢除去及び耳洗浄
耳垢栓塞及び耳くずは、特に、伝音難聴の主な理由である。また、耳垢栓塞は、耳感染及び耳管機能障害にかかりやすくすることが示されている。加えて、耳垢除去/洗浄は、補聴器が適切に機能するために必須である。耳における耳垢及びくずに関する問題に対処する場合、その他の人は、外耳道を洗浄しようとして堅い物体を使用していた。しかしながら、堅い物体の使用は、予測不能な結果を伴う怪我を生じさせる場合がある。その他の人は、耳を洗浄するためにより柔軟な物体を使用することを試みたが、これは、大抵、垢の除去よりもむしろ更なる耳垢及びくずの栓塞を生じさせる。したがって、これらの例において使用される、非常に持ち運びに便利な、使用するのが容易な、安価な装置を有することが非常に有用である。
【0008】
更に、外耳炎や中耳炎などの急性耳感染及びスイマーズ・イヤーとして知られる状態に発展する機会を最小限にするために、ダイビング、水泳及びシャワーの後に外耳道に含まれた流体を容易に灌注及び吸引する装置を有することが望ましい。
【0009】
3.開放性外傷の吸引及び灌注
生じる開放性外傷は、しばしば、汚れ、くず、破片、有機物、細菌、ウィルス、又は当該外傷を受ける患者のための長期的な悪影響を潜在的に生じ得る、外傷に出現するその他の物質を有する。これらの外傷は、感染した外傷、切開された膿瘍、潰瘍、火傷、手術創傷、又はその他の外傷であり得る。したがって、1つの実施例において、その外傷が生じた後、長くない時間にこれらの開放性外傷から物質を洗浄及び除去することができる装置を有することが望ましい。
【0010】
これらの欠点及び検討事項を念頭に、本発明は開発された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、人体の様々な部分/開口部を灌注及び吸引の両方をすることができる、超軽量の、操作が容易な、経済的な装置に関する。本発明の装置は、(コントローラ・ボックス100が2つのコンテナ/リザーバ10を収容する際に)装置を分解することなく、単独で、順次に、又は同時に灌注及び/又は吸引を実行することができる。装置は、洗浄が容易で、比較的大きなリザーバ/コンテナに置き換えることが容易で、制御するのが容易で、逆さ及び直立位置において動作し、比較的安価である。1つの実施例において、装置は、耳、鼻又は開放性外傷において使用されるように設計されており、装置をその目的に適したものにする、装置と共に使用されるアタッチメントが存在し得る。装置は、装置がこれらの複数の目的のうちのいずれかのために使用されることを可能にするキットとして提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】コントローラ・ボックス及びリザーバ/コンテナの斜視図である。
【
図2】コントローラ・ボックスに挿入されたリザーバ/コンテナの第1の側の斜視図である。
【
図3】コントローラ・ボックスに挿入されたリザーバ/コンテナの第2の側の前側斜視図である。
【
図4】コントローラ・ボックスに挿入されたリザーバ/コンテナの第2の側の後側斜視図である。
【
図5】フラップが開放したコントローラ・ボックスの前側及び第1の側の斜視図である。
【
図6】リザーバ/コンテナがコントローラ・ボックスに挿入された、コントローラ・ボックスの断面図である。
【
図7】リザーバ/コンテナが挿入され、ルアー・ロック部分が拡張された、コントローラ・ボックスの断面図である。
【
図8】リザーバ/コンテナへのコントローラ・ボックスの接続を可能にするルアー・ロックの1つの実施例の断面図である。
【
図9】コントローラ・ボックスの様々な電力構成要素がどのように関連しているかについての概略図である。
【
図11】耳導管の断面図及び耳に挿入された導管の図である。
【
図12】別の実施例を示しており、容器と共に耳導管の断面図と、耳に挿入された耳導管とを示す図である。
【
図14】二重鼻導管の2つの実施例の断面図である。
【
図15】コントローラ・ボックスに存在する2つのコンテナ/リザーバを有する装置の斜視図である。
【
図16】コントローラ・ボックスに存在する2つのコンテナ/リザーバを有する装置の別の斜視図である。
【
図17】コントローラ・ボックスに存在する2つのコンテナ/リザーバを有する装置の断面図である。
【
図18】耳のために設計された導管37、鼻のために設計された導管38、及び外傷のために設計された導管39及び40の斜視図及び断面図である。
【
図19】耳用の導管37がコネクタ36を介してどのようにコンテナ/リザーバのノズル/導管8に取り付けられ得るかの斜視図である。
【
図20】装置の以下の構成要素:1)1つ又は2つのノズル8、2)導管(19,20,21,25,26,37,38,39及び40のうちのいずれか)、及び/又は、3)コネクタ(36又は36f)のうちの2つ以上を取り付けるために本発明において使用することができる複数の異なる実施例組合せの様々な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、外耳道、鼻腔、及び開放性外傷及びその他の身体部分を灌注及び吸引の両方をすることができる、超軽量の、操作が容易な、経済的な装置に関する。本発明は、ユーザにとってより好適である。なぜならば、本発明は、超軽量で、操作が容易で、経済的であり、吸引及び排出の二重機能を実行するために吸引器の取外し又は分解を必要としないからである。吸引された材料の洗浄及び除去は、流体含有区画の取外しを必要とせず、吸引された流体の排出によって瞬間的に実行することができる。1つの実施例において、装置は、様々な部分の取外しなしに自己洗浄する。1つの実施例において、装置は、洗浄流体及び/又は殺菌流体の複数回の吸引及び排出を適用することによって動作する。シリンジ状のリザーバ/コンテナは使い捨てであり、1つ又は複数の無菌又は非無菌コンテナ/リザーバと置き換えられ得る。これら1つ又は複数の無菌又は非無菌コンテナ/リザーバの置き換えは、オペレータの選択によって行われてよく、使用されるそれぞれの1つ又は複数の無菌又は非無菌コンテナ/リザーバは、装置が使用される用途に基づく。更に、1つの実施例において、吸引及び排出機能は、オペレータによってデジタル式に制御されてよい。これは、装置をより安全にする。なぜならば、装置が使用される目的、オペレータの望み、及び被験者の快適性に合わせて調節可能であるからである。1つの実施例において、装置は、真空を発生させるためにいかなるファンも使用せず、代わりに、より少ない可動部分を用いて加速された吸引/排出を生じさせるためにシリンジ・タイプのリザーバ/コンテナに動力を与えるエア・ポンプを使用する。本発明の1つの追加的且つ顕著な特徴は、装置が、逆さの位置を含むあらゆる位置において動作するということである。これは、そのうちのほとんどが直立位置においてのみ動作又は機能する従来技術の装置よりも優れている。更に、従来技術の装置とは異なり、この装置は、操作及びメンテナンスがより容易である。なぜならば、この装置は、あまり嵩張らず、より少ない可動部分を備えることにより、より複雑でない。例えば、この装置は、一方向弁も、別個の吸引及び排出チャネル又は通路も必要としない。更に、本発明の装置は、リザーバ/コンテナの容量が、その他の携帯用吸引器及びイリゲータ装置よりもかなり大きいという点で有利である。この装置のかなり大きな容量は、吸引された内容物を空にする/排出することが必要となる前に、複数回の吸い込み/吸引を可能にする。
【0014】
本発明は、1つの実施例において、開放性又は切開された外傷の治療のために負圧治療装置を利用する、開放性又は切開された外傷のための治療装置及び方法に関する。本発明は、とりわけ、感染した外傷、切開された膿瘍、潰瘍、火傷、手術創傷などを含むがこれらに限定されない様々な慢性及び急性開放性外傷を吸引及び灌注することができる、外傷治療のための装置及び方法に関する。
【0015】
1つの実施例において、装置は、切開された膿瘍の内容物の吸引のために使用されてよい。抗生物質の使用と組み合わされた、膿疱性内容物を放出するために膿瘍を切開することは、膿瘍を治療する代表例である。病院環境や手術室において、切開された膿瘍、又は感染した外傷、出血部位の吸引は、理想的には、中央真空発生部に取り付けられたカテーテルを使用して達成される。対照的に、外来患者の場合、膿瘍の切開及び排出の手順は、膿瘍のある領域を絞るために圧力を加えることによって、切開された後、膿瘍の膿疱内容物を排出することを伴う。これは、膿瘍の内容物の可能な限り最大の排出及びドレナージを達成するために行われる。このような絞りプロセスは、患者にかなりの痛み及び不快感を与え、損傷の隣接する領域へ直接に(局所的播種)且つ血流を通じて遠位に(全身播種)感染を拡大させるリスク及び可能性を高める。無菌のノズル又は導管を使用する本装置は、患者に最小限の痛みを与えるか又は痛みを与えずに、切開された膿瘍の内容物を排出するための、より有効で、迅速で、使用が容易で、携帯用の、費用対効果の高い装置を医師が有することを可能にする。吸引は、局所的又は遠位にかかわらず、感染の拡大のリスクなしに達成される。より重要には、装置のシリンジ・コンテナは、殺菌剤を繰り返し吸引及び排出することによって殺菌され得るように設計されている。代替的に、オペレータは、その意志及びオペレータの判断に従って、シリンジ・コンテナを廃棄し、別の無菌シリンジ・コンテナと置き換えてもよい。
【0016】
代替的な実施例において、本発明の装置は、開放性外傷を灌注するために同様の形式で使用することができる。開放性外傷を灌注するための現在の方式は、開放性外傷からの分泌物及び/又は血液を除去するために無菌スポンジ及び/又はガーゼを使用することであり、これは、通常、患者にとって苦痛であり、出血を生じさせる又は増大させる可能性がある。膿瘍内容物、血塊、くず又は汚染物を洗い流すために開放性外傷に滅菌水又は殺菌剤を注ぐことによってこのような外傷を灌注することは、より効果的ではなく、非常に労力の大きいものである傾向がある。
【0017】
本発明の装置は、手動圧力、スポンジ、ガーゼ及び灌注を使用するときに上述の合併症及び副作用のいずれも生じることなく、開放性外傷を吸引及び灌注し、特に、感染した外傷から膿疱分泌物を除去する優れた方法を提供する。更に、本発明の装置の標的を定めた灌注能力及び本発明の吸引態様は、開放性外傷に滅菌水又は殺菌剤を単に注ぐことよりも優れた結果を提供する。
【0018】
1つの実施例において、本発明は、外耳道及び鼻腔を灌注及び吸引の両方をすることができる、超軽量の、操作が容易な、経済的な装置に関する。1つの実施例において、吸引装置は、吸引及び排出の二重機能を実行するために取外し及び/又は分解を必要としない。
【0019】
1つの実施例において、吸引された材料の洗浄及び除去は、流体含有区画の取外し及び/又は分解を必要とせず、吸引された流体の排出によって瞬間的に実行することができる。更なる実施例において、装置は、自己洗浄式であり、この自己洗浄は、洗浄及び/又は殺菌剤流体の複数回の吸引及び排出を適用することによって、装置の取外しなしに実行することができる。シリンジ状のリザーバ/コンテナは、使い捨てであり、装置が使用される用途に従って、オペレータの選択に応じて無菌又は非無菌コンテナ/リザーバと置き換え可能である又は置き換えられてよい。更に、1つの実施例において、吸引及び排出機能は、オペレータによってデジタル式に制御される。これは、装置をより安全にする。なぜならば、装置が使用される目的、オペレータの望み、及び被験者の快適性に合わせて、装置が調節可能であるからである。1つの実施例において、装置は、真空を発生させるためにいかなるファンも使用しない。むしろ、1つの実施例において、装置は、より少ない可動部分を用いて、加速された吸引/排出を生じさせるために、シリンジ・タイプのリザーバ/コンテナに動力を与えるエア・ポンプを使用する。従来の装置とは異なり、本発明の装置は、操作及びメンテナンスが容易である。なぜならば、装置は、より扱いにくくなく且つより嵩張らず、非常に少ない可動部分により、より複雑でなく、一方向弁を必要とせず、別個の吸引及び排出チャネル又は経路を必要としないからである。1つの実施例において、コンテナの容量は、その他の携帯用吸引器及びイリゲータ装置のサイズをはるかに超える超軽量装置にしてはかなり大きいサイズである。装置の比較的大きな容量は、内容物を空にする/排出することが必要となる前に、複数回の吸い込み/吸引を可能にし、これにより、灌注及び吸引がより迅速に且つより少ない合併症で行われることを可能にする。
【0020】
本発明は、図面を参照して説明される。
【0021】
図1は、本発明の1つの実施例の斜視図を示す。この図において、装置が2つの主要部分、すなわち、2)コンテナ/リザーバ10を保持するように設計された、1)コントローラ・ボックス1を含むことに気づくであろう。コントローラ・ボックス1は、1つの実施例において、約50~55mm(2インチ)×50~55mm(2インチ)×150~160mm(6インチ)のほぼ矩形直方体であるように設計されている。コンテナ/リザーバ10は、1つの実施例において、コントローラ・ボックス1内に容易に嵌ることができるようにコントローラ・ボックス1よりも小さい。コントローラ・ボックス1は、コンテナ/リザーバ10を収容するように設計された矩形直方体(
図2及び
図5に最も良く示されている)の一方の端部に球状開口29を有し、コンテナ/リザーバ10が、矩形直方体のコントローラ・ボックス1の球状開口29に挿入されると、コンテナ/リザーバ10は、ルアー・ロック(
図5に最も良く示されている)を使用してコントローラ・ボックス1に動作可能に取り付けられ得る。コンテナ/リザーバ10は、1つの実施例において、概して円筒形であり、一方の端部にノズル/導管8を備え、他方の端部に、エンド・キャップ/シリンジ・カバー15b(
図6に示されている)上に位置決めされ且つこれらに動作可能に接続されるルアー・ロック11を備える。矩形直方体などの、コンテナ/リザーバのその他の形状が考えられることを理解すべきである。ルアー・ロック11が最初に球状開口29に挿入される方向でコンテナ/リザーバ10を挿入することによって、ルアー・ロック11は、1つの実施例において、固定されたルアー・ロック突出部11b(
図6、
図7及び
図8に示されている)に取り付けられるように設計されたルアー・ロック凹部11aを備え、ルアー・ロック突出部11bは、ルアー・ロック凹部11aが、固定されたルアー・ロック突出部11bに係合したとき、ノズル/導管8を備えるコンテナ/リザーバ10の一部が依然としてコントローラ・ボックス1の外側にある(
図2、
図3及び
図4に示したように)ような位置においてコントローラ・ボックス1の内側に位置決めされたマシン・シリンジ・インターフェース・マウント17に動作可能に取り付けられている。エンド・キャップ/シリンジ・カバー15b(
図5及び
図6参照)は、コントローラ・ボックス1内に存在する負圧又は正圧が、コンテナ/リザーバ10内に存在するピストン30(
図6参照)を、ルアー・ロック11に向かう方向又はノズル/導管8に向かう方向にそれぞれ移動させるような複数の設計のうちのいずれかであることができる。
【0022】
ピストン30は、ピストン30の周囲に沿って空気が逃げないようにコンテナ/リザーバ10内にぴったりと嵌るように設計されている。エンド・キャップ/シリンジ・カバー15bは、複数の設計のうちのいずれかを有することができ、エンド・キャップ/シリンジ15bは、1)コントローラ・ボックス1内に負圧又は正圧を生じ、及び2)この負圧又は正圧がエンド・キャップ/シリンジ・カバー15bを通過し、ピストン30をルアー・ロック11に向かう方向又はノズル/導管8に向かう方向にそれぞれ移動させることができる構造を有さなければならないと理解される。したがって、1つの実施例において、空気は、ルアー・ロック11を通ってコンテナ/リザーバ内に通過することができ、これにより、コントローラ・ボックス内に存在する圧力は、ピストン30の上側のコンテナ/リザーバ内の領域における圧力と同じである。負圧がポンプによって生じると、ピストンはルアー・ロック11に向かう方向へ移動し、空気及び/又は流体をコンテナ/リザーバ内へ引き込むことができ、ポンプが正圧を生じさせると、ピストンは導管に向かって移動し、空気及び/又は流体がコンテナ/リザーバから排出される。代替的に、エンド・キャップ/シリンジ・カバー15bは、この負圧又は正圧がピストン30を移動させることができる小孔又は孔を有してもよい。代替的に、エンド・キャップ/シリンジ・カバー15bは、自転車リムの軸となる部分にルアー・ロック11が取り付けられた、自転車の車輪のリムにおけるスポークと類似の設計を有してもよく、スポークは、ルアー・ロックを所定の位置に保持するが、同時に、負圧又は正圧がコンテナ/リザーバ10内の空間を占めることを可能にし、負圧又は正圧が、ピストン30をルアー・ロック11に向かって(流体が吸引される/吸い込まれる)又はノズル/導管8に向かって(流体を排出する)移動させることができる。別の実施例において、ルアー・ロック11は、コンテナ/リザーバ10の内側からコントローラ・ボックス1への空気の通過及びその逆(すなわち、他方の方向における空気の通過)を可能にする、ルアー・ロック11に関連した通路を有してよく、これにより、コンテナ/リザーバ10内のピストン30が移動することを許容する及び/又は引き起こす。
【0023】
装置が適切に作動するために、内部にポンプを収容したコントローラ・ボックス1は、コントローラ・ボックス1内に負圧又は正圧を有効に生じさせることができるように本質的に気密でなければならないことに留意すべきである。したがって、装置は、部品がぴったりと嵌ることを確実にするように十分にうまく形成されるべきであり、空気をコントローラ・ボックス内へ逃がさない(コントローラ・ボックス内の負圧)又はコントローラ・ボックス1から逃がさない(コントローラ・ボックス内の正圧)。1つの実施例において、コントローラ・ボックス1が圧力を維持することができるように十分な気密性の嵌め合いを提供するために、適切なゴム又はプラスチックのガスケットが様々な場所に存在してよい。代替的な実施例において、生じた負圧又は正圧は、コントローラ・ボックス1内に存在する気密性の区画又は容器に閉じ込められてよく、気密性の区画又は容器は、コンテナ/リザーバ10に動作可能に接続され、この区画又は容器内に正圧又は負圧を生じさせることによってピストン30を移動させることができる。
【0024】
1つの実施例において、コントローラ・ボックス1は、吸引/排出スイッチ9に動作可能に接続されたデジタル式に調節可能なエア・ポンプ13に関連しており、これにより、コントローラ・ボックス1内に正圧(排出)又は代替的に負圧(吸引)を生じさせるようにスイッチを移動させることができる。1つの実施例において、コンテナ/リザーバは、約30ミリリットル(30ml)のサイズであってよいが、その他も考えられ、したがって、発明の範囲内である。30mlのコンテナ10が十分に機能し、50mm×50mm×150mm(2インチ×2インチ×6インチ)のオーダの寸法を有するコントローラ・ボックス1内に快適に嵌ることが分かった。したがって、その他のサイズのコンテナ10が使用される場合、コントローラ・ボックスのサイズは、それらのコンテナ/リザーバをよりうまく収容するために対応して調節され得る。
【0025】
ノズル/導管8は、特に、使用される目的に合わせて設計された、取外し可能な無菌又は非無菌構成要素と嵌め合わせることができる。1つの実施例において、患者の鼻孔に嵌るように設計された鼻導管19a及び19b(
図10参照)を使用することができる。鼻導管は、コンテナ/リザーバ10の一方の端部に存在するノズル/導管8に取り付けられるように設計されている。同様に、二重鼻導管26a及び26b(
図14)は、Y字形を有することによって鼻を洗浄することができるように設計されており、各通路28を各鼻孔に嵌めることができ、他方の端部27は、コンテナ/リザーバ10の一方の端部に存在するノズル/導管8に取り付けられる。装置が、耳灌注及び洗浄のために使用される場合、耳を灌注するために耳導管21(
図12)を使用してよい。耳導管21は、21a、21b、21c及び21dによって示されたチャネルを有し、チャネルを通る流体の通過を可能にする。
図1及び
図12に示したように、コンテナ/リザーバ10(
図1における)のノズル/導管8は、チャネル・ポイント21a(
図12における)においてチャネルに取り付けられ、流体は、コンテナ/リザーバ10の内側からノズル/導管8を通過してチャネル21aに進入し、21bにおいて耳22の外耳道23内へ出てくる。流体は、1つの実施例において、外耳道23を洗浄し、流体は、外耳道23において体積が増大し続けるので、出口チャネル21cを通じて外耳道23から出て、21dにおいて出てくることができ、容器24に収集することができる。このプロセスは、外耳道を洗浄する効果を有する。1つの実施例において、流体は、あらゆる硬い耳垢を軟化させるために最初に外耳道23に導入される生理食塩水、水、ベビー・オイル、鉱油、グリセリン又は過酸化水素を含むあらゆる流体であってよいことを理解すべきである。1つの実施例において、この流体は、耳垢をより十分に軟化させるために、外耳道23への導入前に僅かに温められてもよい。
【0026】
図6に示したように、ポンプ13の使用によってコントローラ・ボックス1内に負圧又は正圧を生じさせることができ、負圧又は正圧は、ピストン30をルアー・ロック11に向かう方向又はノズル/導管8に向かう方向にそれぞれ移動させる。ピストンがルアー・ロック11に向かう方向に移動するとき、つまり、コントローラ・ボックス1内に(大気圧に対して)負圧が存在するとき、ピストンが、吸引を用いてルアー・ロック11に向かう方向へ移動するので、液体(流体)又は空気を引き込むことができる。これにより、外傷を洗浄する(例えば、外傷から液体を除去する)ことができる。ポンプがコントローラ・ボックス内に(大気圧に対して)正圧を生じさせると、ピストン30は反対方向へ移動し、空気(又は流体)がコンテナ/リザーバ10から押し出され、外傷、鼻腔又は外耳道を灌注することができる。
【0027】
1つの実例として、装置は、抗生物質又はその他の有効な化合物を有してよい、滅菌水(又は生理食塩水)を含むキットの一部であってよい。装置のオペレータは、吸引するために吸引/排出スイッチ9(
図3)を回し、コンテナ/リザーバ10のノズル/導管8を滅菌水内に配置し、ポンプ・オン・スイッチ2(
図1及び
図2)を押し、これにより、コントローラ・ボックス内に真空を発生させ、真空はピストン30をルアー・ロック11に向かう方向に移動させ、これにより、滅菌水をコンテナ/リザーバ10の内側に引き込むことができる。次いで、吸引/排出スイッチ9を排出に回し、ポンプ・オン・スイッチ2を押すと、ピストンが反対方向(すなわち、ノズル/導管8に向かって)移動し、これにより、滅菌水を例えば外傷に向かって排出する。次いで、再び、吸引/排出スイッチ9を吸引に回し、コンテナ/リザーバ10のノズル/導管8を外傷に存在する水の中に配置し、ポンプ・オン・スイッチ2を押し、これにより、再び、コントローラ・ボックス1内に真空を発生させ、真空はピストン30をルアー・ロック11に向かう方向に移動させ、これにより、外傷から水をコンテナ/リザーバ10の内側に引き込むことができる。次いで、再び、吸引/排出スイッチ9を排出に回し、ポンプ・オン・スイッチ2を押すことにより、ピストンが反対方向(すなわち、ノズル/導管8に向かって)移動し、これにより、外傷を洗浄した水を廃棄容器内へ排出する。このプロセスは、数回繰り返すことができ、外傷を有効に洗浄することができる。
【0028】
装置は、キットの一部であってよく、キットは、少なくともコントローラ・ボックス及びコンテナ/リザーバを含む。キットは、装置用の運搬ケース、耳、鼻腔及び外傷を洗浄するために使用することができる様々なアタッチメント(後述する)、電池、容易に交換することができる電子機器、並びに滅菌水、又は抗生物質を含む生理食塩水、過酸化水素、様々な鉱油、及びその他の物を含んだバイアルも含む場合がある。キットは、追加のコンテナ/リザーバ、及び使用済みコンテナ/リザーバのための収納場所も含んでよく、使用済みコンテナ/リザーバは、廃棄するか、又は代替的に、後で全て一緒に洗浄することができるように保管することができる。キットは、本明細書において言及される物のうちのいずれかを含んでよい。
【0029】
1つの実施例において、シリコン・ノズル又はカテーテル19、20、21、25(
図10、
図11、
図12及び
図13)として示されたアタッチメントなど、ノズル/導管8に取り付けることができる複数のアタッチメントが存在する。1つの実施例において、オペレータが、洗浄及び/又は滅菌するよりも交換することを選択した場合、シリンジ状リザーバ/コンテナ10は、廃棄され、無菌又は非無菌のリザーバ/コンテナと交換することができる。1つの実施例において、リザーバ/コンテナ10は、リザーバ/コンテナ10内に引き込まれた又はリザーバ/コンテナ10から押し出された液体の体積をユーザが分かるように、リザーバ/コンテナ10に関連した及びリザーバ/コンテナ10上に存在するグラデーションを有してよい。コントローラ・ボックス1は、コントローラ・ボックス1に関連した1つ又は複数のスリット6(
図1及び
図2)を有してよく、これにより、ユーザは、リザーバ/コンテナ10がコントローラ・ボックス内に存在するときにリザーバ/コンテナ10上のグラデーションを見ることができ、これにより、コントローラ・ボックス1からリザーバ/コンテナ10を取り外すことなくリザーバ/コンテナ10に存在する流体の量を確認するためにこれらのグラデーションを見ることができる。1つの実施例において、使い捨てシリンジ・リザーバ/コンテナ10は、装置の他の部分の汚染を防止するために装置における封止された区画15に収容される(封止された区画15は、円筒状壁部15aと、エンド・キャップ/シリンジ・カバー15bとによって画定されている)。1つの実施例における封止された区画15は、円筒状壁部15aと、円筒状壁部15aに関連したエンド・キャップ/シリンジ・カバー15bとを有してよい(
図5及び
図6参照)。円筒状壁部15a及びエンド・キャップ/シリンジ・カバー15bは、リザーバ/コンテナ10をコントローラ・ボックス1の他の部分から分離させておくという目的を果たし、また、リザーバ/コンテナ10を収容するコントローラ・ボックス1における区画における良好な嵌め込みをリザーバ/コンテナ10に提供する。
【0030】
1つの実施例において、装置は、パワー・レベル・インジケータ・ボード4(
図2)を有し、オン/オフ・パワー・スイッチ31(
図4参照)に接続されたディスプレイ5(
図2)を備えるモータ速度制御モジュールによって制御される、パワフルな再充電可能な電池14(
図6)によって操作されてよい。パワー・レベル・インジケータ・ボード4は、1つの実施例において、電池の電力が消費されるにつれて色を変化させる、パワー・レベル・インジケータ・ボード4に関連した単一のライトを有してよい。例えば、ライトは、完全に充電されているときは緑であってよく、電池が消費されるにつれて、黄色、オレンジ、赤へと色が変化してよい。代替的に、示されていないが、パワー・レベル・インジケータ・ボード4に関連した複数のライトが存在してもよく、完全に充電されているときは全てのライトが点灯し、電池が消費されるにつれて、点灯されるライトの数が減少する。1つのライトのみが点灯されているとき、オペレータは、コントローラ・ボックスに関連した電池を再充電することを慎重に選択してよい。
【0031】
1つの実施例において、ポンプを作動させるポンプ・オン・スイッチ2も存在する(
図1及び
図2)。オン・ポジションにあるときのオン/オフ・パワー・スイッチ31は、ポンプへの電力をオンにするが、ポンプはスタンバイ・モードのままである。ポンプ・オン・スイッチ2を押すと(
図2)、ポンプが作動し、コントローラ・ボックスから空気を排出し、これにより、大気圧に対して負圧を生じさせるか、又は代替的に大気圧に対してコントローラ・ボックスに正圧を生じさせ、これにより、空気をコンテナ/リザーバから押し出す。ポンプへ送られる電力の量は、調節可能なノブ3(
図2)によって制御され、ノブ3は、モータ速度制御モジュール5(
図2)を制御し、これにより、コントローラ・ボックス1において正圧及び負圧のより急速又はより低速な生成を可能にする。
【0032】
1つの実施例において、再充電可能な電池14(
図6及び
図9)は、充電コネクタ・プラグ12(
図4参照)に接続されたAC電源によって再充電されてよい(例えば、電池を壁コンセントに差し込む)。代替的に、コントローラ・ボックス1は、コントローラ・ボックス1に関連したソーラー・パネルを有してよく、これにより、再充電可能な電池は光によって再充電することができる(図示せず)。この最後の実施例は、電気が、例えば、戦場にいるか又は「ブッシュ」に出ている衛生兵によって容易に利用可能ではない状況において、又は潜在的に、電気が容易に利用可能ではないであろう発展途上国の地方エリアにおいて、装置が有用であることを可能にする。装置を壁コンセントに直接差し込むことによって(AC電源を使用して)、又は使い捨て電池を使用する(例えば、使い捨てDC電源を使用する)ことによっても装置が機能し得ることも考えられる。
【0033】
本発明の装置は、外来患者及び在宅環境の両方における複数の組み合わされた用途を有する小型で超軽量のデジタル式に調節可能な湿式/乾式真空及びイリゲータとして使用される機能を有する。1つの実施例において、装置は、在庫がある構成要素を使用することを含んでよい。1つの実施例において、より小さな構成要素は、装置を、本明細書に記載されたサイズよりも小さくするために、特別にオーダする又はオーダされるように形成することができる。また、装置のサイズは、代替的に、本明細書に記載されたよりも大きく形成されてもよいと考えられる。装置は、外傷吸引、外傷洗浄、鼻吸引、鼻洗浄、耳垢除去及び耳垢洗浄を含むがこれらに限定されない普遍的な用途を有する。この装置の広い使用は、患者の病欠の経済的影響を最小限にし、場合によっては、使い捨て化粧紙、ガーゼ、圧定布及びその他の使い捨ての医療用クロス状材料の使用を減じることによって、より安全/グリーンな環境に寄与する。
【0034】
無菌導管/カテーテル及び/又は無菌針及び/又は無菌使い捨てリザーバ/コンテナが使用される場合、追加の用途は、感染した及び感染していない体液、体腔、閉鎖性及び開放性の外傷の吸引を含む。このような環境におけるこの装置の使用の理想的な実例は、切開された膿瘍の膿疱内容物の吸引、感染した外傷の吸引及び排出、少量の出血の吸引、外傷の灌注、滑液/関節内流体の吸引及びその他の類似の医療手順である。
【0035】
1つの実施例において、
図9に示したように、コントローラ・ボックス1は、再充電可能なリチウム・イオン又は鉛蓄電池14を収容し、これらの電池は、充電コネクタ・プラグ12、電池充電パワー・レベル・インジケータ・ボード4、及びディスプレイ5を備えた電力調節可能制御モジュール(プリント回路基板アセンブリ(PCBA))に接続されている。1つの実施例において、装置は、在庫のある構成要素を使用して製造することができる。小型エア・ポンプ13は、リザーバ/コンテナ10に動作可能に接続され、ポンプの吸引及び/又は排出パワーを修正する、電力調節可能制御モジュール5によって制御される。ポンプ13は、ポンプ13に関連した吸引/真空ポート13a及び排出/エア・ブロー・ポート13bを有する。小型エア・ポンプ・ポート13a及び13bは、手動の吸引/排出スイッチ9に取り付けられている。吸引/排出スイッチ9は、吸引と排出との間を前後にトグルするようにユーザがレバーを移動させることを必要とする手動/機械式スイッチとして示されているが、変形例において、スイッチは、ボタンを押し、吸引と排出との間でトグルすることができるボタン、又は当業者に知られるこれらの作用の間でトグルするその他の手段などの複数の設計のうちのいずれかであってよい。示された実施例において、吸引/排出スイッチ9は、吸引/真空ポート13aを作動させる吸引ポート9aと、排出/エア・ブロー・ポート13bを作動させる排出/エア・ブロー・ポート9bとを有する。吸引/排出手動スイッチ9は、1つの実施例において、使い捨て/交換可能シリンジ・リザーバ/コンテナ10に動作可能に取り付けられている。
図2及び
図3に示したように、使い捨て/交換可能シリンジ・リザーバ/コンテナ10の一方の端部7は、露出しており、コントローラ・ボックス1から突出しており、シリンジ状リザーバ/コンテナ10をねじり且つ交換することを助けるために、外周において突出したノブ18(
図1)を有する。端部7(
図1及び
図2)は、端部7に関連して、導管を嵌めることができるノズル8も有する(鼻、耳及び外傷導管19,20,21,25,26,37,38,39及び40に留意されたい)。1つの実施例において、シリンジ状リザーバ/コンテナ10は、コントローラ・ボックス1に挿入されてよく、リザーバ/コンテナ10がコントローラ・ボックス1に完全に挿入されたとき、選択的に、コントローラ・ボックスに関連して、ヒンジ33によってコントローラ・ボックス1に取り付けられたフラップ32が存在してよい(
図1及び
図2参照)。ヒンジ33は、コントローラ・ボックス1の可撓性部分又はコントローラ・ボックス1に取り付けられた1つ又は複数のジョイントであってよい。フラップ32は、ドーム状、円形、矩形、又はリザーバ/コンテナ10の外周と同じ形状のあらゆるその他の形状であってよく、フラップ32は、リザーバ/コンテナ10がコントローラ・ボックス1に完全に挿入されたときにノズル8が貫通して突出することを可能にするための中央又は周囲孔34(
図2及び
図3)を有する。1つの実施例において、フラップ32は、シリンジ状リザーバ/コンテナ10を安定させ且つ支持するためにコントローラ・ボックス1に引っ掛かり、特にシリンジ状リザーバ/コンテナ10に流体が充填され、コントローラ・ボックス1が逆さにされたとき、ルアー・ロック11に対する応力を最小限にする(
図6、
図7及び
図8参照)。使い捨てリザーバ/コンテナ10の他方の端部は、ルアー・ロック11を有し、それによって、使い捨てリザーバ/コンテナ10は、マシン・シリンジ・インターフェース・マウント17内にロックされる。このルアー・ロック11は、1つの実施例において、雄型ルアー・ロック11bに嵌合する雌型ルアー・ロック11aから成る。雌型及び雄型ルアー・ロック11a及び11bはそれぞれの方向に存在し得ることを理解すべきである。すなわち、雄型ルアー・ロック11bは、他方(インターフェース・マウント17又はリザーバ/コンテナ10)が、対応する取付け可能な雌型部分を有する限り、リザーバ/コンテナ10又はインターフェース・マウント17のいずれかに関連付けられてよい。雄型ルアー・ロック11bは、先端部において部分的に先細りになっており、この先端部において、雄型ルアー・ロック11bは雌型ルアー・ロック11aに嵌合し、キャップで閉鎖された、予め充填された又は無菌のシリンジ状リザーバ/コンテナ10を穿孔し、その動作接続を可能にする。雌型ルアー・ロック11aと雄型ルアー・ロック11bとの間のシールを締め付けるねじ山ロック16が存在してもよく、これは、あらゆる流体漏れを防止する。使い捨て/交換可能シリンジ・リザーバ/コンテナ10は区画15に嵌合し、この区画は、薄い円筒状の隔壁プレート円筒壁15a(
図5)及びエンド・キャップ/シリンジ・カバー15b(
図6及び
図7参照)によって、装置のその他の構成要素から封止されている。1つの実施例におけるコントローラ・ボックス1は、コントローラ・ボックス1に関連した透明スロット6を有し、これにより、ユーザは、使い捨て/交換可能シリンジ・リザーバ/コンテナ10内の流体/体積レベルを観察することができる。図示したように1つの実施例において、マシン・シリンジ・インターフェース・マウント17は、ルアー・ロック突出部11b構成要素、及びねじ山付きロック16(
図8)を収容している。
【0036】
1つの実施例において、鼻導管19(
図10)が使用されてよく、鼻導管19は、柔軟なシリコンから形成されており、適切な鼻孔サイズに適合し且つ最適な快適性を提供するためにサイズ及び形状が変化する(鼻導管19a、19b及び19cに留意されたい)。鼻導管19a及び19bは、1つの実施例において、鼻の吸引のために使用することができ、これらの導管は、装置のノズル8が接続する1つのチャネルを有する。鼻洗浄/灌注のための導管19cも存在してよく、この導管19cは、装置のノズル8が接続する、灌注のための1つのチャネル19c1~19c2と、収集容器24内へ排出することができる灌注流出物のための第2のチャネル19c3~19c4とを有する(
図12を参照すると、耳導管のためにも収集容器を使用することができる)。
【0037】
1つの実施例において、二重鼻導管26(
図14)が、リザーバ/コンテナ10に取り付けられてもよく、主に吸引のために使用されてよく、理想的な使用及び快適性のための調節を可能にする柔軟な波形のプラスチック26aから形成されたY字形プラスチック管端部28を備えてよい。二重鼻導管の管26bは、1つの実施例における端部27が、より剛性の、波形ではないプラスチックから形成されており且つノズル/導管8に接続するという点を除き、導管26aと類似している。2つの柔軟なシリコン先端部19a、19b、又は類似の先端部を、Y字形プラスチック管28の端部に嵌めることができる。
【0038】
耳導管20(
図11)及び21(
図12)もサイズが変化し、耳22の外耳道23に嵌合するように設計されている。1つの実施例における導管20は、外耳道23の吸引のために使用することができる導管であり、装置のノズルが接続する1つのチャネルを有する。耳洗浄/灌注のための導管21は、装置のノズルが接続する、灌注のための1つのチャネル21a及び21bと、灌注流出物を収集容器24内へ注ぐための第2の湾曲したチャネル21c及び21dとを有する。
【0039】
1つの実施例において、開放性外傷治療のための導管25a及び25bは、1つのチャネルを有し、サイズが変化し、形状25bは丸み付けられ得、又は代替的に、形状が楕円形25aであってよい(
図13参照)。導管25aは、ノズル8に嵌合するための丸み付けられた端部25cと、外傷灌注/吸引のための平坦な/楕円形の端部25dとを有する。導管の形状は、必要に応じてユーザによって適切に選択される。
【0040】
図18は、耳37、鼻38、並びに外傷39及び40のために使用することができる追加的な導管37,38,39及び40を示す。1つの実施例において、これらの導管は、シリコン、又は可撓性PVCなどの幾つかのその他の柔軟なプラスチック、透明シリコン、又はユーザに理想的な快適性を提供する、シリコーンとポリスルホンとの混合物から形成されていると考えられる。図示したように、耳導管37は、流体及び/又は空気が耳に進入し且つ耳から出ていく通路を可能にする2つの通路37a~37b及び37c~37dを有してよい。同様に、鼻導管38は、流体及び/又は空気が鼻孔に進入し且つ鼻孔から出ていく通路を可能にする2つの通路38a~38b及び38c~38dを有してよい。患者が両方の鼻孔を同時に洗浄/吸引し得るように、2つの別個の鼻導管38が使用されてもよいことを理解すべきである。示された外傷導管39及び40は、外傷導管39における外傷導管39a~39b及び39c~39d並びに外傷導管40における40a~40b及び40c~40dのそれぞれにおける2つの別個の通路が外傷の順次又は同時の洗浄及び吸引を可能にするという同じ原理に依拠する。外傷導管39は、2つのノズル8への取付けを可能にするための丸み付けられた端部39a及び39dと、外傷吸引/灌注のための平坦な/楕円形の端部39b及び39cとを有する。外傷導管40は、2つのノズル8への取付けを可能にするための丸み付けられた端部40a及び40dと、外傷吸引/灌注のための平坦な/楕円形の端部40b及び40cとを有する。1つの実施例において、図示したように、通路39c~39dの長さは、外傷導管39における通路39a~39dよりも短く、通路40c~40dの長さは、導管40における通路40a~40bよりも短く、これにより、導管39におけるより長い長さの通路39a~39b及び導管40における40a~40bによって排出される流体及び/又は空気の即座の吸引を最小限にする。同時プロセスは、少なくとも2つのコンテナ/リザーバ10を含むコントローラ・ボックス100によって容易に達成することができ、各コンテナ/リザーバは、それぞれ吸い込み及び吸引の同時機能を実行する。
図15~
図17を参照されたい。
【0041】
図19は、耳導管37がコネクタ36を介してどのようにノズル/導管8に取り付けられるかの斜視図を示す。この実施例においてコントローラ・ボックス100は2つのコンテナ/リザーバ10を含み、つまり、コネクタ36に取り付けるために2つのノズル/導管が利用可能であることに留意すべきである。コネクタ36は、それぞれの方向への流体及び/又は空気の通過を可能にする2つの通路36a~36b及び36c~36dを有することに留意すべきである。これは、流体及び/又は空気の同時又は順次のいずれかの排出及び吸引を可能にする。
図19に示したように、コネクタ36は、コネクタ36に関連した波形プラスチック36eを有してよく、これは、コネクタ36に可撓性を提供し、コネクタ36の伸縮及び波形プラスチック36eを曲げる可能性を許容する。コネクタは、耳導管37のサイズのオーダである長さとして示されているが、大幅により長いコネクタ36が考えられ、これは、患者と、コントローラ・ボックスを操作する人との間の大幅により大きな距離を可能にし、これにより、各個人に安全性(それらの間の距離による)を提供することを理解すべきである。別の実施例において、コネクタ36f(
図19)は、1つの通路36a~36bを有し、これは、それぞれの方向への流体及び/又は空気の通過を可能にし、一方の端部に取り付けられた導管19,20,21及び25及び他方の端部に取り付けられたコントローラ・ボックス1のノズル8と共に使用される。また、コネクタ36のためにより硬いプラスチックが使用されてよく、これは、より柔軟なプラスチックが使用されたときに実現され得ない剛性及び安定性を提供すると考えられる。
【0042】
図20は、装置の以下の構成要素、すなわち、1)1つ又は複数のノズル8、2)導管(19,20,21,25,26,37,38,39及び40のうちのいずれか、及び/又は、3)コネクタ(36又は36f)のうちの2つ以上の間を接続するロックの変化形として使用することができる実施例の複数の断面図を示す。ルアー・ロック41は、円錐形ルアー・ロックとして示されており、雄型コネクタ・フィッティング41a及びこの実施例において、側部への6%テーパを有する。対応する雌型コネクタ・フィッティング41bは、雄型コネクタ・フィッティング41aをそこに嵌め込み、取り付け及び固定するように理想的に適合されており、2つのフィッティングの間に緊密な接続を提供する。
【0043】
図20において、スカート及びラグ・ルアー・ロック42は、雌型接続フィッティングの断面
図42b2及び正面
図42b1を示す。断面図は、雄型接続フィッティング42aがどのように雌型接続フィッティング42b内へ挿入され得るかを示す。雌型接続フィッティング42b1は、それに関連したねじ山を有し、これは、雄型接続フィッティング42aに存在する対応するねじ山に螺合させられ、これにより、雌型接続フィッティング42b1と雄型接続フィッティング42aとのねじの緊密な嵌め合いを提供する。
【0044】
図20は、格納式/摺動式ルアー・ロック・スカート43の部分的な断面図と共に側面図も示している。この実施例は、ねじ山付きカラー43b2及びねじ山付きスリーブ43b3を備えたねじ山付き雌型ルアー・コネクタ43b1を備える。ねじ山付きスリーブの一部は、ねじ山付きカラー43a2を備える雄型コネクタ43a上にスライドし、このねじ山付きカラー43a2に、雌型コネクタ43b3のスリーブがスライドし、ルアー・ロックを所定の位置にロックし、これにより、確実且つ緊密な嵌め合いを提供する。
【0045】
1つの実施例において、本発明は、本発明の装置において使用され得る滅菌水などのその他の流体に組み込むことができる潜在的な抗菌剤を有してよい。典型的に使用される公知の化学的抗生物質及び精油などの抗菌特性を有することが知られるその他の天然産物が含まれる。ティー・ツリー、セント・ジョンズ・ワート、ラベンダー及びオレガノなどの、多剤耐性微生物に対して最も一般的に使用される精油のうちの幾つかは、本発明の滅菌水又はその他の流体に加えられ得る潜在的な物質として考えられる。銀、金及び亜鉛ナノ粒子などのその他の化合物は、単独で又は多様な抗菌性化合物と官能化されて、人間に導入された異物/有機体を有する人間の治療を助けるために滅菌水又はその他の流体に加えられてよい。
【0046】
本装置は、一度にコントローラ・ボックスに1つのコンテナ/リザーバのみが存在する場合について説明されているが、コントローラ・ボックス100は、一度に両方をコントローラ・ボックスに挿入することができる少なくとも2つのコンテナ/リザーバを収容し得ることが考えられ、したがって、発明の範囲内である。この実施例において、2つのコンテナ/リザーバを互いに分離させておく、コントローラ・ボックス100に存在する隔壁があることが考えられる。各コンテナ/リザーバは、それらの個別のポンプに動作可能に接続される(つまり、コントローラ・ボックス100は少なくとも2つのポンプを含む)。これにより、ユーザは、コンテナ/リザーバのうちの一方を、流体/空気を排出するために使用する一方、他方のコンテナ/リザーバは、空気/流体の吸引に使用される又は専用とされ得る。これにより、ユーザは、例えば、30mlの流体をコンテナ/リザーバのうちの一方に引き込み、この流体を複数の5~10mlアリコートで連続的又は断続的に排出することができる一方、同時に流体のこれらのアリコート(例えば、外傷を洗浄するために使用されている場合がある)を引き込むために他方のコンテナ/リザーバを同時に(1つのコントローラ・ボックス100において2つのコンテナ/リザーバ10が使用される場合)又は順次に使用する。どちらのポンプを作動させるかを選択し、その結果、流体を交互に排出又は吸引するためにどちらのコンテナ/リザーバを使用するかを選択することを可能にする追加のセレクタ・スイッチがコントローラ・ボックス100に存在してもよい。
【0047】
上記の説明により、本装置が、従来技術の装置には存在しない複数の利点を有することが明らかになるであろう。これらの利点は、使い捨てコンテナ/リザーバを使用する能力を含み、これにより、必要とされる洗浄の量を減じる。本発明の別の利点は、シリンジ状コンテナ/リザーバが、潜在的にコンテナ/リザーバを汚染し得るロッド(ピストンを移動させる典型的なシリンジのように)をその中に有さないということである。本発明の追加的且つ顕著な特徴は、逆さの位置を含むあらゆる位置において動作するということである。逆さの位置において装置を使用する能力をユーザに自信を持って提供する1つの特徴は、フラップ32であり、このフラップ32は、コンテナ/リザーバ10をコントローラ・ボックス1及び100に確実に位置決めするルアー・ロック11に対して追加的な安全性を提供する。これは、実際に直立位置においてのみ機能することができる従来技術の装置よりも優れている。
【0048】
従来技術の装置は、故障の潜在的な場所である一方向弁、二方向弁及び三方向弁にも大きく依拠する。本発明はこの弁を有さないので、本発明の装置は、より単純であるが、同時により洗練されており、恐らくより重要には、欠陥のある弁による故障が起こりにくい。1つの実施例における本発明の装置は、容易に携帯可能であるように十分に小さいが(人物のポケットに入る)、同時に、本発明に記載された目的のために有用な逆さの位置及び直立位置において十分な体積(最大50ml)を取り扱うことができるという利点も有する。
【0049】
1つの実施例において、
図15~
図17に示したように、本発明の装置は、2つ以上のコンテナ/リザーバ10を備えるコントローラ・ボックス100を含んでよい。目的の1つの変形例において、これにより、少なくとも2つのコンテナ/リザーバを有するコントローラ・ボックス100を使用しているユーザは、同時又はほぼ同時の灌注及び吸引を達成するために、専ら灌注のために第1のコンテナ/リザーバを使用し、専ら吸引のために第2のコンテナ/リザーバを使用することができる。また、これにより、ユーザは、第1のコンテナ/リザーバに含まれた流体の一部のみを、治療される開口部内へ噴出(灌注又は排出)させることができ、第2のコンテナ/リザーバは、開口部に噴出された液体を吸い込む(吸引する)ために使用することができる。続いて、第1のコンテナ/リザーバからの更なる流体(第2のバッチ)を、開口部を灌注するために使用することができ、次いで、第2のコンテナ/リザーバは、開口部から流体のこの第2のバッチを吸引することができる。このプロセスは、第1のコンテナ/リザーバがもはや流体を有さなくなるまで、又は第2のコンテナ/リザーバが満たされるまで継続することができる。
【0050】
1つの実施例において、2つのコンテナ/リザーバを収容することができるコントローラ・ボックスは、少なくとも2つの別個のポンプを有してよく、第1のポンプは、第1のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けられており、第2のポンプは、第2のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けられている。装置は、また、1つ又は2つの別個の吸引/排出スイッチ9と、1つ又は2つの電池14と、1つ又は2つの電力レベル・インジケータ4と、1つ又は2つのディスプレイ5を備える1つ又は2つのモータ速度制御モジュールと、を有してよい。コントローラ・ボックス100は、コントローラ・ボックス100に適切なスイッチ35を有し、これにより、ユーザは、ユーザがやりたいことに応じて、第1のポンプ、第2のポンプ、又はその両方を同時に(時には一致して)制御することができる。例えば、1つの実施例において、複数の異なる設定を有するスイッチ35が存在してよい。第1の設定は、第1のポンプ及び対応する第1のコンテナ/リザーバを制御してよく、第2の設定は、第2のポンプ及び対応する第2のコンテナ/リザーバを制御してよく、第3の設定は、第1のポンプが一致して機能することを可能にしてよく、第4の設定は、ポンプが逆の効果で同時に機能することを可能にしてよく、つまり、第1及び第2のコンテナ/リザーバは、同時の灌注及び吸引を可能にするために、一致して一緒に又は交互に機能してよい。
【0051】
1つの実施例において、2つのコンテナ/リザーバを収容するように設計されたコントローラ・ボックスのサイズは、95mm×45mm×172mmのオーダのサイズを有してよい。このコントローラ・ボックスのためにその他のサイズが考えられることを理解すべきである。その中にこのコントローラ・ボックスを有し得るキットは、単一のコンテナ/リザーバを収容するように設計されたコントローラ・ボックスを含んでもよい。キットは、1つ又は2つのコンテナ/リザーバを収容するように設計されたコントローラ・ボックスを運搬することができるように調節することができる、適応可能なキャリング・ケースを有してもよい。
【0052】
単一のコンテナ/リザーバ10を収容するように設計されたコントローラ・ボックス1に存在するその他の特徴は、複数のコンテナ/リザーバのために適切な修正が行われた、複数のコンテナ/リザーバを収容するように設計されたコントローラ・ボックスにも存在する。例えば、複数のコンテナ/リザーバを収容するように設計されたコントローラ・ボックスは、2つ以上の透明スリット6を有し、これにより、ユーザは各コンテナ/リザーバを見ることができる。しかしながら、電子機器も、複数のコンテナ/リザーバのために適切に適応させられる。
【0053】
1つの実施例において、本発明は、装置であって、コントローラ・ボックスと、コントローラ・ボックスにぴったりと嵌合するように設計されたコンテナ/リザーバとを備え、コントローラ・ボックスが、コントローラ・ボックスに正圧又は負圧を生じ、これにより、コンテナ/リザーバがコントローラ・ボックスに存在するときにコンテナ/リザーバに存在するピストンを移動させるように構成及び設計されたポンプを備え、当該ピストンの移動が、ピストンの移動による流体及び/又はガスの吸引及び/又は灌注を可能にする、装置に関する。
【0054】
1つの実施例において、装置は、更に、吸引/排出スイッチ、ノズル/導管、ルアー・ロック、モータ速度制御モジュール、電池、スロット、オン/オフ・パワー・スイッチ、ポンプ・オン・スイッチ、ガスケット、ソーラー・パネル及びパワー・コネクタ・プラグのうちの1つ又は複数を備える。1つの変形例において、装置は、吸引/排出スイッチ、ノズル/導管、ルアー・ロック、モータ速度制御モジュール、電池、スロット、オン/オフ・パワー・スイッチ、及びパワー・コネクタ・プラグの全てを備える。1つの変形例において、電池は、鉛蓄電池又はリチウム・イオン電池を含む。1つの実施例において、電池は、ソーラー・パワー又はAC電気によって充電される。
【0055】
1つの実施例において、コンテナ/リザーバの形状は円筒状であり、コンテナ/リザーバは、コンテナ/リザーバに存在する流体の体積を装置のユーザが見ることを可能にする、コンテナ/リザーバ上のグラデーションを備える。変形例において、コンテナ/リザーバは、耳、鼻腔及び外傷を洗浄するために使用することができるアタッチメントを取り付けることを可能にするように構成されたノズル/導管を備える。
【0056】
1つの実施例において、装置は、キットの一部である。
【0057】
1つの変形例において、コンテナ/リザーバは、20~40ミリリットル、又は20~50ml、又は代替的に約30mlのサイズである。
【0058】
1つの変形例において、ルアー・ロック11は、コンテナ/リザーバ10がコントローラ・ボックスに挿入されるとコンテナ/リザーバ10をコントローラ・ボックス1に係合させ且つ固定するように設計されている。1つの変形例において、装置は、耳、鼻腔及び外傷を吸引及び/又は灌注するためのポンプの能力を増大又は減少させる、ポンプのパワーを制御するモータ速度制御モジュールを備える。
【0059】
1つの実施例において、アタッチメントは、耳、鼻腔及び/又は外傷に嵌合するように設計されており、柔軟なプラスチックを含む。
【0060】
1つの実施例において、本発明は、被験者における耳、鼻腔及び外傷を灌注及び吸引するための装置であって、当該装置が、コントローラ・ボックス及びコンテナ/リザーバを備え、当該コンテナ/リザーバが、当該コントローラ・ボックスにぴったりと嵌合するように設計された形状であり、当該コンテナ/リザーバが、少なくとも1つの開放した端部と、コンテナ/リザーバがコントローラ・ボックスに係合及び固定されることを可能にする、コンテナ/リザーバと関連したルアー・ロックとを有し、コントローラ・ボックスが、コンテナ/リザーバ内のピストンを移動させるように設計されたポンプを備え、少なくとも1つの開放した端部が、コンテナ/リザーバの外側の領域からコンテナ/リザーバの内側の領域への又はコンテナ/リザーバの内側の領域からコンテナ/リザーバの外側の領域への空気及び/又は流体の通過を可能にするように設計されている、装置に関する。
【0061】
1つの変形例において、装置は、更に、吸引/排出スイッチ、ノズル/導管、モータ速度制御モジュール、電池、スロット、オン/オフ・パワー・スイッチ、ガスケット、ソーラー・パネル及びパワー・コネクタ・プラグのうちの1つ又は複数を備える。1つの変形例において、吸引/排出スイッチが吸引位置へ切り替えられたときに、ピストンが、吸引を可能にするように移動し、吸引/排出スイッチが排出位置へ切り替えられたときに、ピストンが、灌注を可能にするように移動するように、吸引/排出スイッチがポンプに動作可能に接続されている。
【0062】
1つの実施例において、モータ速度制御モジュールは、ポンプのパワーを制御し、耳、鼻腔及び外傷を吸引及び/又は灌注するためのポンプの能力を増大又は減少させる。
【0063】
1つの実施例において、本発明は、耳、鼻腔及び/又は外傷を灌注又は吸引する方法であって、当該方法が、コントローラ・ボックス及びコンテナ/リザーバを備える装置を入手することを含み、当該コンテナ/リザーバが、コントローラ・ボックスにぴったりと嵌合するように設計された形状であり、コンテナ/リザーバが、少なくとも1つの開放した端部と、コンテナ/リザーバがコントローラ・ボックスに係合及び固定されることを可能にする、コンテナ/リザーバと関連したルアー・ロックとを有し、コントローラ・ボックスが、コンテナ/リザーバ内のピストンを移動させるように設計されたポンプを備え、少なくとも1つの開放した端部が、コンテナ/リザーバの外側の領域からコンテナ/リザーバの内側の領域への又はコンテナ/リザーバの内側の領域からコンテナ/リザーバの外側の領域への空気及び/又は流体の通過を可能にするように設計されており、ユーザが、コンテナ/リザーバの内側の領域から耳、鼻腔又は外傷の内側の領域へ空気及び/又は流体を移動させ、その後、耳、鼻腔及び/又は外傷の内側から空気及び/又は流体を除去し、これにより、耳、鼻腔及び/又は外傷を灌注及び/又は吸引する、方法に関する。1つの変形例において、方法は、更に、装置を使用して耳、鼻腔及び/又は外傷に抗生物質、ベビー・オイル、鉱油、グリセリン又は過酸化水素を適用することを含む。
【0064】
1つの変形例において、方法は、複数回にわたって、通常、少なくとも2回行われる。1つの変形例において、方法は、3回、4回、又は5回、又はそれ以上の回数行われてよい。1つの変形例において、装置内の流体は、方法が複数回行われるまで廃棄されなくてよい。
【0065】
1つの実施例において、本発明の装置は、コントローラ・ボックスに関連付けられ且つコントローラ・ボックスに収容された複数(通常は2つ)のコンテナ/リザーバを有するコントローラ・ボックスを有してよく、これは、本発明の装置によって達成することができる機能における大きな柔軟性をユーザに与える。この柔軟性は、ポンプが順次又は同時に作動することを可能にし、ポンプが同時に作動するとき、ポンプは、一致して(両方が灌注又は吸引する)又は別々の効果で(一方のポンプが灌注するのに対し、他方が吸引する)作動し得る。
【0066】
実例
本発明の作動の典型例が作製され、本明細書に示されたように作動する。しかしながら、純粋な例示目的のために、以下の実例は、本発明の装置がどのように採用され得るかの仮説の実例である。
【0067】
7.62cm(3インチ)の裂傷を有する22歳の男性患者が、本発明の装置によって治療される。使用される装置は、単一のコンテナ/リザーバ10を備えるコントローラ・ボックス1である。30mlの無菌生理食塩水溶液が、まず、スイッチを吸引モードへ移動させて、ポンプ・オン・スイッチを押すことによってポンプを吸引モードに配置することによって装置内へ吸引され、これにより、無菌生理食塩水溶液をコンテナ/リザーバに進入させる。次いで、スイッチを排出モードに配置することによって、ポンプが灌注モードに配置される。患者の裂傷外傷は、ポンプ・オン・スイッチを押すことによって無菌生理食塩水によって灌注される。このプロセスは、複数回繰り返される。この実例において、ポンプは、ポンプ・オン・スイッチを押し続けたときにのみ動作する。すなわち、ユーザがポンプ・オン・スイッチを解放すると、ポンプはオフになる。
【0068】
本発明のコントローラ・ボックス1及びコンテナ/リザーバ10は、患者の鼻又は耳などのその他の開口部を灌注/吸引する場合に同様の形式で機能する。
【0069】
本明細書において説明された本発明の特徴のうちのいずれかを、それらが一緒に説明されていないとしても(それらが両立可能である限り)、本明細書に説明されたあらゆるその他の特徴と組み合わせることができると考えられる。範囲が説明されているとき、その範囲に存在する全ての実数は、その範囲内の部分範囲のための端点として考えられる。あらゆるイベントにおいて、発明は、以下の請求項によって最も良く定義される。
【0070】
以下の特許は、全ての目的のために参照によりそれらの全体が組み込まれる。
1.Wangに対する米国特許第6,991,638号
2.Chen他に対する欧州特許第2005981号
3.Baun他に対する米国特許第8,663,198号
4.Schultzに対する米国特許第8,747,372号
5.Grossanに対する米国特許第4,206,756号
6.Hoke他に対する米国特許第8,048,023号
7.Hoke他に対する米国特許第7,981,077号
8.Taylor他に対する米国特許第8,801,667号
9.Davis他に対する米国特許出願公開第20130046287号
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者における耳、鼻腔及び外傷を灌注及び吸引するための装置であって、コントローラ・ボックスと、前記コントローラ・ボックス
内に
ほぼ全体が配置された1つ又は複数のコンテナ/リザーバと、を備え、
前記コントローラ・ボックスが、前記コントローラ・ボックス
内に正圧
を生じさせるように構成及び設計され、並びに更には前記コントローラ・ボックスに負圧を生じさせ
るように構成され、これにより
、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに存在する1つ又は複数のピストンを移動させ
る1つ又は複数のポンプを備え、前記1つ又は複数のピストンの移動が、前記1つ又は複数のピストンの前記移動による流体及び/又はガスの吸引及
び灌注を
もたらし、前記1つ又は複数のピストンが静止している間、灌注及び/又は吸引は妨げられ、
前記装置が、選択的に、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けることができる1つ又は複数の導管を有し、これにより、前記1つ又は複数の導管を通じた流体及び/又はガスの前記吸引及
び灌注を容易にする、装置。
【請求項2】
1つ又は複数の吸引/排出スイッチ、1つ又は複数のノズル/導管、1つ又は複数のルアー・ロック、1つ又は複数のモータ速度制御モジュール、1つ又は複数の電池、1つ又は複数のスロット、オン/オフ・パワー・スイッチ、1つ又は複数のポンプ・オン・スイッチ、1つ又は複数のガスケット、1つ又は複数のソーラー・パネル
又はパワー・コネクタ・プラグのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が、前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチ、前記1つ又は複数のノズル/導管、前記1つ又は複数のルアー・ロック、前記1つ又は複数のモータ速度制御モジュール、前記1つ又は複数の電池、前記1つ又は複数のスロット、前記オン/オフ・パワー・スイッチ、及び前記パワー・コネクタ・プラグを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ又は複数の電池が、鉛蓄電池又はリチウム・イオン電池である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの形状が円筒状であり、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの側部にグラデーションを備え、前記装置のユーザが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに存在する流体の体積を見ることを可能にしている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、耳、鼻腔及び外傷を洗浄するために使用されるアタッチメントを取り付けることを可能にするように構成された1つ又は複数のノズル/導管を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が、キットの一部である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、20~40ミリリットルのサイズである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
1つ又は複数のルアー・ロックを備え、前記1つ又は複数のルアー・ロックが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが前記コントローラ・ボックスに挿入されると前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバを前記コントローラ・ボックスに係合させ且つ固定するように設計されている、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
1つ又は複数のモータ速度制御モジュールを備え、前記1つ又は複数のモータ速度制御モジュールが、前記ポンプのパワーを制御し、前記耳、鼻腔
又は外傷を吸引及び/又は灌注するための前記ポンプの能力を増大又は減少させる、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記電池が、ソーラー・パワーによって、又はAC電気によって再充電される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記アタッチメントが、耳、鼻腔及び/又は外傷に嵌合するように設計されており、柔軟なプラスチックを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項13】
被験者における耳、鼻腔及び外傷を灌注及び吸引するための装置であって、前記装置が、コントローラ・ボックス及び1つ又は複数のコンテナ/リザーバを備え、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバ
は、前記コントローラ・ボックス
内に
ほぼ全体が配置さ
れ、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、少なくとも1つ又は複数の開放した端部と、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが前記コントローラ・ボックスに係合及び固定されることを可能にする、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに関連した1つ又は複数のルアー・ロックと、を有し、前記コントローラ・ボックスが、
前記コントローラ・ボックス内に正圧を生じさせるように構成され、及び更には前記コントローラ・ボックスに負圧を生じさせるように構成され、これにより、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバ内の1つ又は複数のピストンを移動させる
前記コントローラ・ボックス内に配置された、1つ又は複数のポンプを備え、前記少なくとも1つ又は複数の開放した端部が、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域への、又は前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域への空気及び/又は流体の通過を可能にするように設計されており、
前記1つ又は複数のピストンが静止している間、灌注及び/又は吸引は妨げられ、空気及び/又は流体の前記通過が、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けることができる1つ又は複数の導管を選択的に通過させられる、装置。
【請求項14】
前記装置が、1つ又は複数の吸引/排出スイッチ、1つ又は複数のノズル/導管、1つ又は複数のモータ速度制御モジュール、1つ又は複数の電池、1つ又は複数のスロット、オン/オフ・パワー・スイッチ、1つ又は複数のガスケット、1つ又は複数のソーラー・パネル
又はパワー・コネクタ・プラグのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチが吸引位置へ切り替えられたときに前記1つ又は複数のピストンが吸引を行う方向へ移動し、前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチが排出位置へ切り替えられたときに前記1つ又は複数のピストンが灌注を行う方向へ移動するように、前記1つ又は複数の吸引/排出スイッチが前記1つ又は複数のポンプに動作可能に接続されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ又は複数のモータ速度制御モジュールが、前記1つ又は複数のポンプのパワーを制御し、前記耳、鼻腔及び外傷を吸引及び/又は灌注するための前記1つ又は複数のポンプの能力を増大又は減少させる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、20~40ミリリットルのサイズである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
耳、鼻腔及び/又は外傷を灌注又は吸引する方法であって、前記方法が、コントローラ・ボックス及び1つ又は複数のコンテナ/リザーバを備える装置を入手することを含み、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバ
は、前記コントローラ・ボックス
内に
ほぼ全体が配置さ
れ、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが、少なくとも1つ又は複数の開放した端部と、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバが前記コントローラ・ボックスに係合及び固定されることを可能にする、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバと関連した1つ又は複数のルアー・ロックと、を有し、前記コントローラ・ボックスが、
前記コントローラ・ボックス内に正圧を生じさせるように構成され、及び更には前記コントローラ・ボックスに負圧を生じさせるように構成され、これにより、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバ内の1つ又は複数のピストンを移動させる
前記コントローラ・ボックス内に配置された、1つ又は複数のポンプを備え、前記少なくとも1つ又は複数の開放した端部が、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域への、又は前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域から前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの外側の領域への空気及び/又は流体の通過を可能にするように設計されており、
前記1つ又は複数のピストンが静止している間、灌注及び/又は吸引は妨げられ、ユーザが、前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバに動作可能に取り付けられた1つ又は複数の導管を選択的に通じて前記1つ又は複数のコンテナ/リザーバの内側の領域から前記耳、鼻腔又は外傷の内側の領域へ空気及び/又は流体を移動させ、その後、前記耳、鼻腔及び/又は外傷の内側から前記空気及び/又は流体を除去し、これにより、前記耳、鼻腔及び/又は外傷を灌注及び/又は吸引する、方法。
【請求項19】
前記装置を使用して、前記耳、鼻腔及び/又は外傷に抗生物質、ベビー・オイル、鉱油、グリセリン又は過酸化水素を適用することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が少なくとも2回行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記コントローラ・ボックスが、少なくとも2つのコンテナ/リザーバを収容し、前記耳、鼻腔及び/又は外傷の同時灌注及び吸引が行われる、請求項18に記載の方法。
【国際調査報告】