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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】電力を発生させるための装置
(51)【国際特許分類】
   F03G 3/06 20060101AFI20231213BHJP
   F03G 7/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
F03G3/06
F03G7/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023557482
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2020084766
(87)【国際公開番号】W WO2022117216
(87)【国際公開日】2022-06-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523211475
【氏名又は名称】ヴイジーエス・エナジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・スハーネク
(57)【要約】
電力を発生させるための装置が、電力を発生させるための発電機と、発電機に回転可能に結合される第1の端、および、上死点(TDC)位置から下死点(BDC)位置を通り、上死点(TDC)位置へと戻るように、実質的に鉛直の平面において、発電機の周りで360°回転可能な第2の端を有するハンドルと、ハンドルの第1の端に近接する第1の位置と、ハンドルの第1の端の遠位にある第2の位置との間で、ハンドルに沿って移動可能である重りと、重りを第1の位置と第2の位置との間で移動させるように配置されるピストンとを備え、重りが、ハンドルに作用する重力のため、TDCからBDCへとハンドルが回転するときに機械的利益を提供し、それによって、ハンドルの回転が発電機を駆動することで電力を発生させるように、ピストンは、ハンドルがTDCにあるときに重りが第2の位置にあるように、重りをハンドルに沿って第1の位置から第2の位置へと移動させ、ハンドルがBDCにあるときに重りが第1の位置にあるように、重りをハンドルに沿って第2の位置から第1の位置へと移動させるように動作可能である。対応する方法も提供されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を発生させるための装置であって、
電力を発生させるための発電機と、
前記発電機に回転可能に結合される第1の端、および、上死点(TDC)位置から下死点(BDC)位置を通り、上死点(TDC)位置へと戻るように、実質的に鉛直の平面において、前記第1の端の周りで360°回転可能な第2の端を有するハンドルと、
前記ハンドルの前記第1の端に近接する第1の位置と、前記ハンドルの前記第2の端に近接する第2の位置との間で、前記ハンドルに沿って移動可能である重りと、
前記重りを前記ハンドルの回転の間に前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるように配置されるピストンと
を備え、
前記重りが、前記ハンドルに作用する重力のため、TDCからBDCへの前記ハンドルの回転の間に機械的利益を提供することができ、それによって、前記ハンドルの回転が前記発電機を駆動することで電力を発生させるように、前記ピストンは、前記ハンドルが回転させられるとき、前記重りを前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記ハンドルに沿って移動させるように配置される、装置。
【請求項2】
前記ピストンは、前記ハンドルがTDCにあるときに前記重りが前記第2の位置にあるように、前記重りを前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させ、前記ハンドルがBDCにあるときに前記重りが前記第1の位置にあるように、前記重りを前記第2の位置から前記第1の位置へと移動させるように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピストンは、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前に前記重りの前記第1の位置と前記第2の位置との間での移動が開始するように配置される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記重りの移動は、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前の少なくとも1°において開始し、好ましくは、前記ハンドルが、TDCおよび/またはBDCに到達する前の1°から45°の間の位置にあるときで、より好ましくは1°から30°の間の位置にあるときで、さらにより好ましくは1°から15°の間の位置にあるときに開始する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記重りの前記第1の位置と前記第2の位置との間での移動は、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前のおおよそ10°において開始する、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記ハンドルは細長い剛性部材を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記発電機にそれぞれが回転可能に結合される複数のハンドルを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ピストンは、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達するときに前記重りの前記第1の位置と前記第2の位置との間での前記移動が完了するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハンドルに結合されるスイングアームであって、前記重りが前記ハンドルにおける前記第1の位置にあるときに前記ハンドルをBDCからTDCに向けて回転させるように動作可能なスイングアームをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記スイングアームは、前記装置に枢動可能に搭載され、前記ハンドルに結合される第1の端と、前記スイングアームをその搭載部の周りで枢動させることで前記ハンドルを回転させるように構成される滑車システムに結合される第2の端とを有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記スイングアームは、前記ハンドルにおける細長いスロットと係合する細長い支柱を介して前記ハンドルに結合され、前記スロットは、前記ハンドルの前記第1の端と前記第2の端との間に位置付けられ、前記ハンドルの前記第2の端に向けて位置付けられる前記細長いスロットの端と係合させられるとき、前記細長い支柱は前記ハンドルをBDCからTDCへと回転させるように作用する、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記スイングアームは、前記ハンドルがBDCにあるときの第1の位置と、前記ハンドルがTDCにあるときの第2の位置との間で傾くように構成される、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ハンドルに沿って移動可能である前記重りは第1の重りであり、前記装置は、前記スイングアームの前記第1の位置と前記第2の位置との間での前記傾きを支援するために移動可能である第2の重りをさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の重りは傾斜可能なプラットフォームに設けられ、前記プラットフォームは、前記スイングアームの前記第1の端に向けて位置付けられる第1の端と、前記スイングアームの前記第2の端に向けて位置付けられる第2の端とを有し、前記プラットフォームは、前記プラットフォームの前記第1の端と前記第2の端との間に位置決めされる枢動点において前記装置に枢動可能に搭載され、前記第2の重りは、前記プラットフォームの前記第1の端と前記第2の端との間で前記プラットフォームに沿って移動可能であり、前記枢動点を越える前記第2の重りの移動は、前記プラットフォームを前記移動の方向において下向きに傾けさせ、前記プラットフォームは、前記プラットフォームの傾斜動作が前記スイングアームの傾斜動作を支援するように、前記スイングアームに結合される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記重りを前記ハンドルに沿って移動させるように配置される前記ピストンは第1のピストンであり、前記装置は、前記第2の重りを移動させるように配置される第2のピストンをさらに備える、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記ピストンまたは各々のピストンは液圧で駆動される、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記ハンドルは変速機を介して前記発電機に結合される、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記発電機はリングジェネレータを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
発電機に回転可能に結合される第1の端、および、上死点(TDC)位置から下死点(BDC)位置を通り、前記上死点(TDC)位置へと戻るように、実質的に鉛直の平面において、前記第1の端の周りで360°回転可能であるように前記発電機の周りで回転可能である第2の端を有するハンドルと、前記ハンドルに備えられる移動可能な重りとピストンと、を備える装置において、電力を発生させるための方法であって、
前記TDC位置から前記BDC位置への前記ハンドルの回転の間、前記ハンドルがおおよそBDCにあるときに前記重りが前記第1の位置にあるように、前記重りを前記ハンドルに沿って第2の位置から第1の位置へと移動させるために、前記ピストンを作動させるステップと、
前記BDC位置から前記TDC位置への前記ハンドルの回転の間、前記ハンドルがおおよそTDCにあるときに前記重りが前記第2の位置にあるように、前記重りを前記ハンドルに沿って前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させるために、前記ピストンを作動させるステップと
を含み、
前記第2の位置において、前記ハンドルに作用する重力のため、前記ハンドルがTDCからBDCへと回転するときに前記重りが機械的利益を提供するとき、それによって前記ハンドルの回転が前記発電機を駆動することで電力を発生させるように、前記第1の位置において、前記重りは前記ハンドルの前記第1の端に近接し、前記第2の位置において、前記重りは前記ハンドルの前記第2の端に近接する、方法。
【請求項20】
請求項1から18のいずれか一項に記載の装置を備える、および/または、請求項19に記載の方法を実施する発電所。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を発生させるための装置に関する。装置は、例えば、電力系統に供給するための電力へと機械的エネルギーを変換するときに機械的利益を提供するために、重力を利用する液圧システムを採用する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの発電所は、回転運動を電力へと変換することができる1つまたは複数の発電機を含む。発電機は、導体が外部磁場を通じて移動する場合に電流が導体を通じて生成され、それによって運動エネルギーを電気エネルギーへと変換するという物理的原理を利用する。
【0003】
発電の目的のために用いられ得る多くのエネルギー源がある。ほとんどの発電所は、後段で発電機に連結されるタービンを駆動するために熱を使用する。熱は、石炭、油、および天然ガスなどの化石燃料の燃焼を通じてしばしば供給されるが、原子力または太陽光発電を含め、よりクリーンな供給源が利用可能である。
【0004】
これに伴う問題は、熱を電気へと変換する電力発生方法が、熱力学によって制約され、そのため限られた効率を有するということである。さらに、局所的な環境と地球規模の気候との両方への化石燃料の影響は、よりクリーンな電力発生方法を特定することを益々重要にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、本発明の目的は、上記の懸念に対処する、電力を発生させるための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載されているのは、電力を発生させるための装置であって、電力を発生させるための発電機と、発電機に回転可能に結合される第1の端、および、上死点(TDC)位置から下死点(BDC)位置を通り、上死点(TDC)位置へと戻るように、実質的に鉛直の平面において、第1の端の周りで360°回転可能な第2の端を有するハンドルと、ハンドルの第1の端に近接する第1の位置と、ハンドルの第2の端に近接する第2の位置との間で、ハンドルに沿って移動可能である重りと、重りをハンドルの回転の間に第1の位置と第2の位置との間で移動させるように配置されるピストンとを備え、重りが、ハンドルに作用する重力のため、TDCからBDCへのハンドルの回転の間に機械的利益を提供することができ、それによって、ハンドルの回転が発電機を駆動することで電力を発生させるように、ピストンは、ハンドルが回転させられるとき、重りを第1の位置と第2の位置との間でハンドルに沿って移動させるように配置される、装置である。
【0007】
この方法では、ハンドルに沿っての重りの位置が、機械的利益のために利用され得る。ハンドルが重力場において下向きに移動しているとき、重りは、回転力を増加させるために、ハンドルの第2の端へと径方向に延ばされ、つまり、回転の中心から遠くへ延ばされる。それによって、重力を通じた降下がハンドルの降下を提供する。
【0008】
ハンドルが重力場において上向きに移動しているとき、第1の重りは、回転力を低下させるために、回転の中心のより近くに径方向で縮められる。ハンドル自体の質量が大きくなり得るため、ハンドルにおける重りを回転の中心に向けて縮めることで、慣性モーメントが低減され、それによって持ち上げるのを助けることができる。
【0009】
本明細書で使用されているように、「ハンドル」という用語は、その回転が発電機を駆動することで電力の発生を容易にする(つまり、「電力を発生させる」)ように発電機に(回転可能に)結合され得る「アーム」、または、同様の理想的には剛性の部材も含み得る。ハンドルは実質的に鉛直の平面において回転するように配置され、好ましくは、回転の平面は、装置が置かれる表面および/または地球の表面に対して実質的に直角/垂直である。
【0010】
本明細書で使用されているように、「上死点」または「TDC」という用語は、好ましくは、ハンドルの第2の端がハンドルの第1の端(つまり、発電機に回転可能に結合される)の上方にあり、好ましくは真上にある、実質的に鉛直であるときの(つまり、地球の表面に対して直角/垂直であるときの)ハンドルのその回転についての位置に言及している。360°(つまり、360度)の円形経路の観点において、TDCの実質的に鉛直の位置は、好ましくはその経路についての0°(つまり、円形経路の最も上の点)に対応する。
【0011】
本明細書で使用されているように、「下死点」または「BDC」という用語は、好ましくは、ハンドルの第2の端がハンドルの第1の端の下方にあり、好ましくは真下にある、実質的に鉛直であるときのハンドルのその回転についての位置に言及している。円形経路の観点において、BDCは、好ましくは180°(つまり、円形経路の最も下の点)に対応する。
【0012】
本明細書で使用されているように、「回転可能に結合される」という用語は、ハンドルの第2の端の回転などによるハンドルの第1の端の回転が発電機を駆動する(例えば、ハンドルが結合される発電機の構成要素を回転させる)ことを好ましくは含む。本明細書で使用されているように、「結合」という用語は、直接的な結合が必ずしも要求されないように、(例えば、中間の構成要素を介して)「連結」されることも含み得る。
【0013】
本明細書で使用されているように、「機械的利益」という用語は、伝達力における機構の使用によって得られる利益を好ましくは含む。ここで、機構は、ピストンおよび移動可能な重りであると見なすことができ、得られる機械的利益は、部品のその回転の間にハンドルに作用する増加したモーメントまたはトルク(例えば、ハンドルの回転を引き起こそうとする力)である。重りをハンドルに沿って移動させることで、ハンドルへのトルクは、ハンドルがTDCからBDCへと回転するときに増加させることができ、それによって、下向きへのハンドルの回転を支援するために重力を利用し(例えば、より大きなモーメント)、また、ハンドルがBDCからTDCへと移動するときには低下させることができ、それによって、重力に抗して上向きに持ち上げられる間、ハンドルへの荷重(例えば、モーメント)を低下させる。ここで、従来通りに、トルクは、力×旋回軸(つまり、ハンドルの第1の端が発電機に結合される場所)からの垂直距離として定められる。重りは、ハンドルの回転の複数の周期にわたって、第1の位置と第2の位置との間でハンドルに沿って繰り返し移動させられ得る。
【0014】
電力発生において、本明細書に言及されているように、「発電機」は、原動力(つまり、機械的エネルギー)を電気へと変換し、延いては、外部回路(例えば、電力系統/電気供給網)における使用のための電力へと変換する装置である。
【0015】
好ましくは、ピストンは、ハンドルがTDCにあるときに重りが第2の位置にあるように、重りを第1の位置から第2の位置へと移動させ、ハンドルがBDCにあるときに重りが第1の位置にあるように、重りを第2の位置から第1の位置へと移動させるように配置される。
【0016】
好ましくは、ピストンは、ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前に重りの第1の位置と第2の位置との間での移動が開始するように構成される。ハンドルに沿っての重りの移動は、回転の最も上の点および最も下の点の若干前に起こる。これは、重りが周期の最上部および最下部に到達する前にそれぞれの位置へと移動させられることを確実にする。代替で、他の配置において、ハンドルが周期の最上部および最下部(つまり、TDCおよびBDC)に直にあるとき、この移動がそれぞれ起こってもよい。
【0017】
好ましくは、第1の位置と第2の位置との間での重りの移動は、ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前の少なくとも1°において開始し、好ましくは、ハンドルが、TDCおよび/またはBDCに到達する前の1°から45°の間の位置にあるときで、より好ましくは1°から30°の間の位置にあるときで、さらにより好ましくは1°から15°の間の位置にあるときに開始する。例えば、重りの移動は、ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前のおおよそ10°において開始し得る。
【0018】
好ましくは、ピストンは、ハンドルがTDCおよび/またはBDCにあるときに重りの第1の位置と第2の位置との間での移動が完了するように構成される。代替で、移動はTDCおよび/またはBDCに到着する前に完了していてもよい。この方法では、ハンドルは、降下段階と持ち上げ段階との間で移動するとき、TDCおよび/またはBDCにあるときに所望の位置にある。
【0019】
好ましくは、ハンドルは細長い剛性部材を備え得る。好ましくは、装置は、発電機に回転可能に結合される複数のハンドルがあるように、1つまたは複数のさらなるハンドルを備えてもよい。例えば、発電機(または変速機など)の両側に1つずつ位置決めされた2つのハンドルがあってもよく、2つのハンドルは、実質的に同時にTDCとBDCとの両方にあるように、実質的に対称な構成などで、好ましくは一緒に回転させられるように配置される。
【0020】
好ましくは、装置は、ハンドルに結合されるスイングアームであって、重りがハンドルにおける第1の位置にあるときにハンドルをBDCからTDCに向けて回転させるように動作可能なスイングアームをさらに備え得る。有利には、スイングアームは、ハンドルをTDCからBDCへと駆動する重力で、ハンドルをBDCからTDCに向けて持ち上げるときに支援する。先に記載されているような重りの移動は、スイングアームによる持ち上げのときに支援する機械的利益を提供する。
【0021】
装置は、基礎フレームから鉛直に延び、基礎フレームにしっかりと連結される支持柱をさらに備えてもよく、スイングアームは、基礎から最も遠くの支持柱の端に取り付けられる。代替で、支持柱は、装置がある床から直接的に延びることができる。支持柱は、スイングアームに構造的な支持を提供することができる。
【0022】
好ましくは、スイングアームは、装置に枢動可能に搭載されてもよく、ハンドルに結合される第1の端と、スイングアームをその搭載部の周りで枢動させることでハンドルを回転させるように構成される滑車システムに結合される第2の端とを有する。
【0023】
装置は、第1の端において基礎または支持柱に連結され、スイングアームの運動を支援するために第2の端においてスイングアームに連結されるスイングアームピストンをさらに備え得る。スイングアームピストンは、支持柱とスイングアームの第1の端との間に連結される第1のスイングアームピストンと、基礎とスイングアームの第2の端との間に連結される第2のスイングアームとであり得る。スイングアームピストンは、スイングアームを移動させることを支援し、それによってハンドルの運動を支援する。いくつかの配置において、第1のスイングアームピストンは単一のピストンであり得、第2のスイングアームピストンは単一のピストンであり得る。他の配置において、それらは複数のスイングアームピストンであり得る。
【0024】
好ましくは、スイングアームは、ハンドルにおける細長いスロットと係合する細長い支柱を介してハンドルに結合されてもよく、スロットは、ハンドルの第1の端と第2の端との間に位置付けられ、ハンドルの第2の端に向けて位置付けられる細長いスロットの端と係合させられるとき、細長い支柱はハンドルをBDCからTDCへと回転させるように作用する。スロットは、ハンドルの運動をスイングアームの運動へと滑らかに繋げさせる。
【0025】
スロットの長さは、スイングアームの運動に影響を与えるように構成されてもよい。例えば、スイングアームの運動の振幅は、スロットの長さに比例することができる。この方法では、より大きい長さを有するスロットは、より小さい長さを有するスロットと比較して、スイングアームの運動の振幅が増加させられるという結果になり得、逆もまた同様である。
【0026】
ロッドを通じて、ハンドルへと伝達される力、およびハンドルから伝達される力は、スロットにおける支柱の場所に依存して異なり得る。いくつかの配置において、単一の細長い支柱、および対応するスロットがあり得る。他の配置では、複数の細長い支柱およびスロットがあり得る。
【0027】
スイングアームは、ハンドルがBDCにあるときの第1の位置と、ハンドルがTDCにあるときの第2の位置との間で傾くように構成され得る。スイングアームは、第1の位置にあるとき、第2の端が上昇させられ、第1の端が下降させられ、第2の位置にあるとき、第1の端が上昇させられ、第2の端が下降させられるように、傾くことができる。
【0028】
好ましくは、ハンドルに沿って移動可能である重りは第1の重りであり、装置は、スイングアームの第1の位置と第2の位置との間での傾けを支援するために移動可能である第2の重りをさらに備え得る。
【0029】
第2の重りは傾斜可能なプラットフォームに設けられてもよく、前記プラットフォームは、スイングアームの第1の端に向けて位置付けられる第1の端と、スイングアームの第2の端に向けて位置付けられる第2の端とを有し、プラットフォームは、プラットフォームの第1の端と第2の端との間に位置決めされる枢動点において装置に枢動可能に搭載され、前記第2の重りは、プラットフォームの第1の端と第2の端との間でプラットフォームに沿って移動可能であり、枢動点を越える第2の重りの移動は、プラットフォームを前記移動の方向において下向きに傾けさせ、前記プラットフォームは、プラットフォームの傾斜動作がスイングアームの傾斜動作を支援するように、スイングアームに結合される。
【0030】
好ましくは、第2の重りは、ハンドルがその回転の上端(つまり、TDC)に到達する直前に、プラットフォームの上昇させられた第1の端へと移動させられ、ハンドルがその回転の下端(つまり、BDC)に到達する直前に、プラットフォームの上昇させられた第2の端へと移動させられるように配置され得る。
【0031】
第2の重りの移動と第1の重りの移動とは、実質的に同時に起こり得る。好ましくは、ハンドルがTDCおよびBDCに到達する直前である。第1の重りおよび/または第2の重りの移動は、先に概説されたように、ハンドルがその周期におけるTDCおよびBDCに到達する前に起こり得る。
【0032】
いくつかの配置において、スイングアームがその第1の端を上昇させるとき、釣合い重りアームもその第1の端を上昇させ得る。同様に、スイングアームがその第2の端を上昇させるとき、釣合い重りアームもその第2の端を上昇させ得る。この方法では、プラットフォームとスイングアームとは調和して移動することができる。
【0033】
第2の重りは、プラットフォームに位置付けられる運搬器に収容されてもよく、運搬器はプラットフォームに沿って移動するように構成される。第2の重りはプラットフォームから取り外し可能であり得る。これにより、変化する大きさの重りを、必要とされる電力出力に依存して使用させることができる。他の配置において、第2の重りは、運搬器ではなくプラットフォームに直接的に位置付けられ得る。
【0034】
いくつかの配置において、傾斜可能なプラットフォームは、スイングアームと基礎との間で支持柱に取り付けられ得る。好ましくは、プラットフォームは、スイングアームと基礎との間の中間点において支持柱に取り付けられ得る。スイングアームより低い位置にプラットフォームを有することで、これは、重りをプラットフォームに載せたり降ろしたりするとき、特に有利である。これは、重りがスイングアームの高さに位置付けられる場合と比較して、重りがプラットフォームに載せたり降ろしたりするときにこのような高い高さへと上昇させられる必要がないためである。
【0035】
好ましくは、プラットフォームは、1つまたは複数のケーブルによってスイングアームから吊り下げられ得る。例えば、プラットフォームは、プラットフォームの第1の端とスイングアームの第1の端との間に取り付けられる第1のケーブルと、プラットフォームの第2の端とスイングアームの第2の端との間に取り付けられる第2のケーブルとによって、スイングアームから吊り下げられ得る。
【0036】
有利には、これは、スイングアームと釣合い重りプラットフォームとが調和して移動することができるのを確実にし、それらの移動が互いとの同期から外れないことを確保するのを助ける。いくつかの配置において、第1のケーブルは単一のケーブルであり得る。第2のケーブルも単一のケーブルであり得る。他の配置において、第1のケーブルは複数のケーブルであり得る、および/または、第2のケーブルは複数のケーブルであり得る。ケーブルは、金属ケーブルから作られ得る。代替で、ケーブルはロープから作られてもよい。好ましくは、ケーブルは、いくらかの伸びを許容するために、または、緩くなるために、柔軟性であり得る。他の配置では、ケーブルは剛性とされ得る。
【0037】
いくつかの配置において、ハンドルは単一のハンドルとでき、第1の重りは単一のハンドル重りであり得る。他の配置では、複数のハンドルまたはハンドル重りがあり得る。例えば、発電機を駆動するために配置される2つのハンドルがあり得る。例えば、駆動シャフトの反対の端にある。
【0038】
いくつかの配置において、重りをハンドルに沿って移動させるように配置されるピストンは第1のピストンであり、装置は、第2の重りを移動させるように配置される第2のピストンをさらに備える。
【0039】
ピストンは液圧で駆動され得る。液圧ピストンを有することは、装置の一部を移動させるための制御が容易なシステムを提供する。代替で、ピストンは電気的に駆動され得る。したがって、例えば、重りがピストンで移動させられること、または、ピストンが重りを移動させるように構成されることが本明細書で検討されている場合、当業者は、装置の一部であり得るかまたは装置に単に連結され得る適切な液圧または電気の回路によって、ピストンが重りを移動させるために作動させられることを理解するものである。前記作動は、好ましくは、自動制御システムによって実施される。
【0040】
いくつかの配置において、ハンドルは変速機を介して発電機に回転可能に結合(または連結)される。発電機は駆動シャフトを備えることができ、ハンドルの回転は、駆動シャフトを駆動し、それによって電気を発生させるように構成される。いくつかの配置において、駆動シャフトは変速機を介して発電機の出力部分に連結され、発電機は駆動シャフトの回転運動を電気へと変換する。
【0041】
変速機は変速シャフトを介して発電機の出力部分に連結されてもよく、ブレーキシステムは変速シャフトに連結される。変速シャフトは、変速機から、駆動シャフトに対して垂直に延び得る。変速機は、駆動シャフトの回転を変速シャフトの回転へと変換するために、1つまたは複数の歯車を有し得る。ブレーキシステムはブレーキディスクおよび液圧ブレーキピストンを備え得る。有利には、ブレーキシステムは、装置を移動した後に停止させることができ、装置を停止した後に静止位置で維持させることができる。
【0042】
いくつかの配置において、発電機はリングジェネレータをさらに備え得る。駆動シャフトはリングジェネレータに連結されてもよく、リングジェネレータは駆動シャフトの回転運動を電気へと変換する。リングジェネレータは、変速機を使用することと比較して、エネルギー消費を低下させることができる。そのため、リングジェネレータはより大きな電力出力のために使用され得る。例えば、変速機は300kWまでの出力を提供するために使用され得るが、リングジェネレータは7MWまでの出力を提供するために使用できる。リングジェネレータは5rpmで動作することができる。他の配置において、リングジェネレータは異なる速さで動作することができる。
【0043】
いくつかの配置において、第2の重りは単一の釣合い重りであり得る。他の配置では、複数の釣合い重りがあり得る。釣合い重りの大きさは、所望の出力の大きさに基づいて選択され得る。いくつかの配置において、釣合い重りは150トンまでの重さであり得る。例えば、リングジェネレータ配置のための釣合い重りは100トンであり得る。一方、変速機配置のための釣合い重りは15トンであり得る。
【0044】
同じく本明細書において記載されているのは、発電機に結合される第1の端、および、上死点(TDC)位置から下死点(BDC)位置を通り、上死点(TDC)位置へと戻るように、実質的に鉛直の平面において、第1の端の周りで360°回転可能であるように発電機の周りで回転可能である第2の端を有し、移動可能な重りとピストンとを備えるハンドルを備える装置において、電力を発生させるための方法であって、TDC位置からBDC位置へのハンドルの回転の間、ハンドルがおおよそBDCにあるときに重りが第1の位置にあるように、重りをハンドルに沿って第2の位置から第1の位置へと移動させるために、ピストンを作動させるステップと、BDC位置からTDC位置へのハンドルの回転の間、ハンドルがおおよそTDCにあるときに重りが第2の位置にあるように、重りをハンドルに沿って第1の位置から第2の位置へと移動させるために、ピストンを作動させるステップとを含み、第2の位置において、ハンドルに作用する重力のため、ハンドルがTDCからBDCへと回転するときに重りが機械的利益を提供するとき、それによってハンドルの回転が発電機を駆動することで電力を発生させるように、第1の位置において、重りはハンドルの第1の端に近接し、第2の位置において、重りはハンドルの第2の端に近接する、方法である。
【0045】
同じく本明細書において記載されているのは、電力を発生させるための装置であって、基礎フレームから鉛直に延び、基礎フレームにしっかりと連結される支持柱と、第1の端および第2の端を備える傾斜可能なプラットフォームであって、傾斜可能なプラットフォームの第1の端と第2の端との間に位置付けられる枢動取り付け部を介して支持柱に取り付けられる傾斜可能なプラットフォームと、傾斜可能なプラットフォームに搭載され、傾斜可能なプラットフォームの第1の端と第2の端との間で移動可能な釣合い重りと、基礎フレームに位置付けられる回転デバイスであって、駆動シャフト、および、駆動シャフトを駆動することで電気を発生させるために、駆動シャフトに連結されるハンドルの端における回転の軸の周りで回転するように構成される回転ハンドルであって、回転の軸に対して径方向でハンドルに沿って移動可能であるハンドル重りを備える回転ハンドルを備える回転デバイスと、傾斜可能なプラットフォームがスイングアームと基礎との間で支持柱に取り付けられるように基礎から最も遠くの支持柱の端に取り付けられるスイングアームであって、スイングアームの第1の端と第2の端との間に位置付けられる枢動取り付け部を介して支持柱に取り付けられ、ハンドルの完全な回転の間、スイングアームおよび傾斜可能なプラットフォームがそれぞれの枢動取り付け部の周りで旋回し、それによってそれぞれの第1の端および第2の端を交互に上昇させるように構成されるように傾斜可能なプラットフォームと回転ハンドルとを連結するスイングアームとを備える装置である。
【0046】
好ましくは、装置は、ハンドルがその回転の最上部(例えば、TDC)に到達する直前に、ハンドル重りが回転の軸から離れるように移動させられ、釣合い重りが傾斜可能なプラットフォームの上昇させられた第1の端へと移動させられることで、重りによって発揮される回転力を増加させるように構成されてもよく、装置は、ハンドルがその回転の最下部(例えば、BDC)に到達する直前に、ハンドル重りが回転の軸に向けて移動するように構成され、釣合い重りが傾斜可能なプラットフォームの上昇させられた第2の端へと移動することで、重りによって発揮される回転力を低下させるように構成される。
【0047】
好ましくは、デバイスは、第1の端において基礎または支持柱に連結され、スイングアームの運動を支援するために第2の端においてスイングアームに連結されるピストンを備え得る。ピストンは、支持柱とスイングアームの第1の端との間に連結される第1のピストンと、基礎とスイングアームの第2の端との間に連結される第2のピストンとであり得る。第2のピストンは、滑車システムを通じてスイングアームの第2の端に連結され得る。
【0048】
好ましくは、回転デバイスは変速機をさらに備えてもよく、駆動シャフトは変速機を介して発電機に連結され、発電機は駆動シャフトの回転運動を電気へと変換する。変速機は変速シャフトを介して発電機に連結されてもよく、ブレーキシステムは変速シャフトに連結される。
【0049】
好ましくは、回転デバイスはリングジェネレータをさらに備えてもよく、駆動シャフトはリングジェネレータに連結され、リングジェネレータは駆動シャフトの回転運動を電気へと変換する。好ましくは、ハンドルは、ハンドル重りを回転の軸に対して径方向に移動させるように構成されるピストンをさらに備え得る。好ましくは、傾斜可能なプラットフォームは、釣合い重りをプラットフォームに沿って移動させるように構成されるピストンを備え得る。
【0050】
好ましくは、釣合い重りは、傾斜可能なプラットフォームに位置付けられる運搬器に収容されてもよく、運搬器は傾斜可能なプラットフォームに沿って移動するように構成される。好ましくは、傾斜可能なプラットフォームは、1つまたは複数のケーブルによってスイングアームから吊り下げられ得る。好ましくは、傾斜可能なプラットフォームは、傾斜可能なプラットフォームの第1の端とスイングアームの第1の端との間に取り付けられる第1のケーブルと、傾斜可能なプラットフォームの第2の端とスイングアームの第2の端との間に取り付けられる第2のケーブルとによって、スイングアームから吊り下げられ得る。好ましくは、傾斜可能なプラットフォームは、スイングアームと基礎との間の中間点において支持柱に取り付けられ得る。
【0051】
発電所または同様のものが、先に定められているような装置および/もしくは本明細書に記載されているような装置を備え得る、ならびに/または、先に定められているような方法および/もしくは本明細書に記載されているような方法を実施し得る。
【0052】
ここで、本発明の1つまたは複数の例示の実施形態が、添付の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】装置のハンドルが上死点(TDC)にあるときの、運動の単一の周期における第1の位置における、本発明の第1の実施形態による、発電機に結合される回転可能なハンドルを有する電力を発生させるための装置の側面図である。
図2】装置のハンドルがTDCを過ぎた10°にあるときの、第2の位置における、本発明の第1の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図3】装置のハンドルがTDCを過ぎた90°にあるときの、第3の位置における、本発明の第1の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図4】装置のハンドルがTDCを過ぎた170°にあるときの、第4の位置における、本発明の第1の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図5】装置のハンドルが下死点(BDC)にあるときの、第5の位置における、本発明の第1の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図6】装置のハンドルがBDCを過ぎた10°にあるときの、第6の位置における、本発明の第1の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図7】装置のハンドルがBDCを過ぎた90°にあるときの、第7の位置における、本発明の第1の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図8】装置のハンドルがBDCを過ぎた170°にあるときの、第8の位置における、本発明の第1の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図9】装置のハンドルが上死点TDCにあるときの、運動の単一の周期における第1の位置における、本発明の第2の実施形態による、発電機に結合される回転可能なハンドルを有する電力を発生させるための装置の側面図である。
図10】装置のハンドルがTDCを過ぎた10°にあるときの、第2の位置における、本発明の第2の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図11】装置のハンドルがTDCを過ぎた90°にあるときの、第3の位置における、本発明の第2の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図12】装置のハンドルがTDCを過ぎた170°にあるときの、第4の位置における、本発明の第2の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図13】装置のハンドルがBDCにあるときの、第5の位置における、本発明の第2の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図14】装置のハンドルがBDCを過ぎた10°にあるときの、第6の位置における、本発明の第2の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図15】装置のハンドルがBDCを過ぎた90°にあるときの、第7の位置における、本発明の第2の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
図16】装置のハンドルがBDCを過ぎた170°にあるときの、第8の位置における、本発明の第2の実施形態による電力を発生させるための装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の記載および添付の図面において、対応する特徴は、好ましくは、対応する符号を使用して特定されてもよい。
【0055】
図1は、電力を発生させるための装置1を示している。装置は、地面に置かれる、または地面に固定される基礎板2を備える。基礎板2にしっかりと固定されるのは、基礎板2から鉛直に延びる支持柱4である。支持柱4の一方の側には、基礎板2から鉛直に上昇させられた補助プラットフォーム20がある。支持柱4は、支持柱4の最上部を補助プラットフォーム20に連結する第1のアーム6aと、支持柱4の最上部を基礎板2に連結する第2のアーム6bとを伴う追加の筋交い構造6によって支持されている。
【0056】
スイングアーム8が、取り付け部81によって、支持柱4の最上部に枢動可能に取り付けられている。スイングアーム8は、補助プラットフォーム20により近い枢動部81の側において第1の端80を有し、補助プラットフォーム20からより遠い枢動部81の側において第2の端85を有する。スイングアーム8と支持柱4との取り付け部81は、スイングアーム8の第1の端80と第2の端85との間で、スイングアーム8の中心の近くに位置付けられている。
【0057】
装置1は、傾斜可能なプラットフォームと別に称される釣合い重りプラットフォーム10も有し、釣合い重りプラットフォーム10は、取り付け部101によって支持柱4に枢動可能に取り付けられている。釣合い重りプラットフォーム10と支持柱4との取り付け部101は、基礎板2とスイングアーム8との間に位置付けられる。釣合い重りプラットフォーム10はまた、補助プラットフォーム20により近い枢動部101の側において第1の端100を有し、補助プラットフォーム20からより遠い枢動部101の側において第2の端105を有する。
【0058】
ケーブル12が、スイングアームの第1の端80を釣合い重りプラットフォームの第1の端100に連結している。さらなるケーブル13が、スイングアームの第2の端85を釣合い重りプラットフォームの第2の端105に連結している。ケーブル12、13の結果として、スイングアーム8の回転は、一方または両方のケーブルを通じて、釣合い重りアーム10の回転へと伝達されることになり、逆もまた同様である。それによって、スイングアーム8と釣合い重りアーム10とは調和して移動することになる。
【0059】
筋交い構造6の第1のアーム6aに枢動可能に取り付けられる第1の端と、スイングアームの第1の端80に向けて枢動可能に取り付けられる第2の端とを伴う第1の持ち上げピストン14がある。
【0060】
基礎板2に枢動可能に取り付けられる第1の端と、滑車16に取り付けられる第2の端とを伴う第2の持ち上げピストン15がある。滑車16は、ケーブル17によって、スイングアームの第2の端85における第2の滑車18にさらに連結されている。滑車システムの使用は、第2の持ち上げピストン15によって必要とされる力を低減する。
【0061】
釣合い重りプラットフォーム10には、移動可能運搬器102が搭載されている。移動可能運搬器102には、釣合い重り104が固定されている。釣合い重りピストン106が釣合い重りプラットフォーム10に位置付けられており、釣合い重りピストン106の一端は釣合い重りプラットフォームの第1の端100に取り付けられており、他端は移動可能運搬器102に取り付けられている。
【0062】
変速機22が補助プラットフォーム20にしっかりと位置付けられており、それによって、変速機22に、基礎板2および地面からの鉛直方向の空間距離を提供している。変速機22は、スイングアームの第1の端と第2の端との間に形成される軸に対して垂直な回転軸を有する。駆動シャフト24がこの軸に沿って延びている。駆動シャフト24に取り付けられるのは、変速機22の両側に1つずつの2つのハンドル26である。ハンドル26は回転軸から径方向外向きに延びている。ハンドル26の各々に搭載されるのはハンドル重り28である。各々のハンドルは、一端が回転軸の近くでハンドル26に取り付けられ、他端がハンドル重り28に取り付けられる関連付けられたハンドルピストン30を有する。
【0063】
各々のハンドル26は、スイングアームの第1の端80に枢動可能に取り付けられる第1の端を有するロッド32によって取り付けられている。ロッド32の第2の端は、駆動シャフト24に向けて径方向に、および駆動シャフト24から離れるように径方向に滑ることができるように、ハンドル26の径方向に沿って延びるスロット31へと固定されている。スロットは、ハンドル26の運動をスイングアーム8の運動へと滑らかに繋げさせる。ハンドル26、ハンドル重り28、ハンドルピストン30、スロット31、およびロッド32のそれぞれのうちの1つだけが、図1図8に示されている図から視認可能であることに、留意されたい。
【0064】
回転軸に対して垂直に変速機22から延びるのは変速シャフト34である。変速機22の中に位置付けられるのは、駆動シャフト24の回転を変速シャフト34の回転へと変換するための歯車である。変速シャフト34には、ブレーキディスク36と液圧ブレーキピストン38とがある。
【0065】
変速シャフト34は、変速シャフト34の回転運動を電力へと変換する発電機40に取り付けられている。電力線または他の手段を通じた発生させられた電気の伝送の前に、発電機40から電圧を昇圧することができる変圧器48もある。装置において使用されるすべてのピストンには、液圧動力ユニット42から液圧油が供給される。装置は制御箱44を使用して作動させられ、その内部回路は、装置を通じてピストンの作動および運動を同期させるようにプログラムされている。制御箱44は、遠隔で制御され得るように、アンテナ46に連結されている。
【0066】
先に記載されている装置1は、ハンドル重り28の位置が機械的利益のために利用できるように設計されている。釣合い重りの位置は、機械的利益を提供するのを支援するためにも使用できる。動作の原理は、ハンドル26が重力場において下向きに移動するとき、駆動シャフト24の軸に沿って回転力を増加させるために、ハンドル重り28が駆動シャフト24からさらに遠くへと径方向で延ばされることである。ハンドル26が重力場において上向きに移動するとき、駆動シャフト24の軸に沿って回転力を低下させるために、ハンドル重り28は駆動シャフト24のより近くへ径方向で縮められる。ハンドル26が上向きに移動するときについてのハンドル重り28を引き込むことのさらなる便益は、ハンドル26の慣性モーメントが低下し、これが上向きの運動を加速させることである。同様に、ハンドル26が重力場において上向きに移動し、これによって枢動部101についての回転力を増加させるとき、釣合い重り104は、上昇した釣合い重りプラットフォームの第2の端105へと移動させられる。
【0067】
ハンドル26が重力場において下向きに移動するとき、釣合い重り104は、上昇した釣合い重りプラットフォームの第1の端100のより近くに移動させられ、これによって枢動部101についての回転力を低下させる。これらの移動のタイミングは、後で詳細に記載されている。
【0068】
図1図8を参照すると、装置1の動作の完全な周期(つまり、ハンドル26の360°の回転)がここで説明される。
【0069】
動作の前、ピストンにおいて使用される液圧油が、液圧動力ユニット42において加熱される。制御ユニット44からの信号がブレーキピストン38を作動解除させ、これによってブレーキディスク36を解放する。動作を開始するための信号は、アンテナ46によって遠隔で受信され得る。また、信号は、制御ユニット44における物理的スイッチを局所的に使用することで提供され得る。
【0070】
利便性のために、ハンドル26の位置は、鉛直軸から時計回りにおいて度(°)で測定される角度を参照して説明される。動作の周期は以下に記載されている。周期は、ハンドル26が0°の位置にある状態で開始すると説明されるが、ハンドル26の他の位置から同等に開始できることに、留意されたい。
【0071】
図1では、ハンドル26は、他に上死点(TDC)と称される0°の位置にある。ハンドルピストン30は、ハンドル重り28が駆動シャフト24から径方向で完全に延ばされるように、完全に拡張している。釣合い重りピストン106は、移動可能運搬器102における釣合い重り104が釣合い重りアームの第1の端100に完全に向かうように、完全に縮んでいる。ロッド32がハンドル26をスイングアーム8に連結する結果として、スイングアーム8は、その第1の端80がその最も高い位置へと上昇させられ、その第2の端85がその最も低い位置へと下降させられるように、その枢動部81の周りで傾けられている。ケーブル12、13がスイングアーム8を釣合い重りアーム10に連結する結果として、釣合い重りアーム10は、その第1の端100がその最も高い位置へと上昇させられ、その第2の端105がその最も低い位置へと下降させられるように、その枢動部101の周りで同様に傾けられている。第1の持ち上げピストン14は完全に延ばされており、第2の持ち上げピストン15は完全に縮められている。0°位置への運動からの回転ハンドル26における慣性は、時計回り方向に移動するハンドル26を保つことになる。
【0072】
図2では、ハンドル26は10°の位置にある。ハンドルピストン30は、ハンドル重り28が駆動シャフト24から径方向でなおも完全に延ばされるように、なおも完全に拡張している。釣合い重りピストン106は、移動可能運搬器102における釣合い重り104が釣合い重りアームの第1の端100になおも完全に向かうように、なおも完全に縮んでいる。ハンドル26が時計回りに回転するにつれて、重力により降下し、ロッド32はスイングアームの第1の端80を下へ引っ張り、スイングアーム8をその枢動部81の周りで反時計回り方向に回転させる。同様に、ケーブル12、13によってスイングアーム8から吊り下げられた釣合い重りプラットフォーム10も、その枢動部101の周りにおいて反時計回りの運動で回転することになる。これが起こることき、第1の持ち上げピストン14は受動的に縮むことになり、第2の持ち上げピストン15は受動的に拡張することになる。釣合い重り104が釣合い重りプラットフォームの第1の端100にあり、ハンドル重り28が駆動シャフト24から径方向に延ばされているため、釣合い重りプラットフォーム10によってスイングアーム8に発揮される時計回りの回転力は、ハンドル26によってスイングアーム8に発揮される反時計回りの回転力より小さくなる。これは、スイングアーム8の全体の反時計回りの回転と、ハンドル26および駆動シャフト24の全体の時計回りの運動とをもたらす。
【0073】
図3では、ハンドル26は90°の位置にある。ハンドルピストン30は、ハンドル重り28が駆動シャフト24から径方向でなおも完全に延ばされるように、なおも完全に拡張している。釣合い重りピストン106は、移動可能運搬器102における釣合い重り104が釣合い重りアームの第1の端100になおも完全に向かうように、なおも完全に縮んでいる。ハンドル26が時計回りに回転し続けるにつれて、ロッド32はスイングアームの第1の端80を下へ引っ張り続け、スイングアーム8をその枢動部81の周りで反時計回り方向に回転させる。同様に、ケーブル12、13によってスイングアーム8から吊り下げられた釣合い重りプラットフォーム10は、その枢動部101の周りにおいて反時計回り方向に回転し続けることになる。これが起こることき、第1の持ち上げピストン14は受動的に縮み続けることになり、第2の持ち上げピストン15は受動的に拡張し続けることになる。釣合い重り104が釣合い重りプラットフォームの第1の端100にあり、ハンドル重り28が駆動シャフト24から径方向に延ばされているため、釣合い重りプラットフォーム10によってスイングアーム8に発揮される時計回りの回転力は、ハンドル26によってスイングアーム8に発揮される反時計回りの回転力より小さくなる。これは、スイングアーム8の全体の反時計回りの回転と、ハンドル26および駆動シャフト24の全体の時計回りの運動とをもたらす。
【0074】
図4では、ハンドル26は170°の位置にある。装置が図4に示されている位置に到達した後、ハンドルピストン30は縮み始めることになり、ハンドル重り28を駆動シャフト24に向けて径方向に引っ張り始めることになる。同様に、釣合い重りピストン106は、拡張し始めることになり、移動可能な運搬器の上にある釣合い重り104を釣合い重りアームの第2の端105に向けて押すことになる。ハンドル26が時計回りに回転し続けるにつれて、ロッド32はスイングアームの第1の端80を下へ引っ張り続け、スイングアーム8をその枢動部81の周りで反時計回りの運動で回転させる。同様に、ケーブル12、13によってスイングアーム8から吊り下げられた釣合い重りプラットフォーム10は、その枢動部101の周りにおいて反時計回りの運動で回転し続けることになる。これが起こることき、第1の持ち上げピストン14は受動的に縮み続けることになり、第2の持ち上げピストン15は受動的に拡張し続けることになる。
【0075】
図5では、ハンドル26は、他に下死点(BDC)と称される180°の位置にある。図5に示されている瞬間において、ハンドル重り28および移動可能運搬器102における釣合い重り104の運動は、ここで完了している。ハンドルピストン30は、ハンドル重り28がここで駆動シャフト24に向けて径方向で完全に引き込まれるように、ここで完全に縮められている。釣合い重りピストン106は、移動可能運搬器102における釣合い重り104がここで釣合い重りアームの第2の端105に完全に向かうように、ここで完全に拡張されている。ロッド32がハンドル26をスイングアーム8に連結する結果として、スイングアーム8は、その第1の端80がその最も低い位置へと下降させられ、その第2の端85がその最も高い位置へと上昇させられるように、その枢動部81の周りで傾けられている。ケーブル12、13がスイングアーム8を釣合い重りプラットフォーム10に連結する結果として、釣合い重りプラットフォーム10は、その第1の端100がその最も低い位置へと下降させられ、その第2の端105がその最も高い位置へと上昇させられるように、その枢動部101の周りで同様に傾けられている。第1の持ち上げピストン14はここで完全に縮められており、第2の持ち上げピストン15はここで完全に延ばされている。回転ハンドル26における慣性は、時計回り方向に移動するハンドル26を保つことになる。
【0076】
図6では、ハンドル26は190°の位置にある。ハンドルピストン30は、ハンドル重り28が駆動シャフト24に向けて径方向でなおも完全に引き込まれるように、なおも完全に縮められている。釣合い重りピストン106は、移動可能運搬器102における釣合い重り104が釣合い重りアームの第2の端105になおも完全に向かうように、なおも完全に拡張されている。ハンドル26および駆動シャフト24は、時計回りに回転し続けるにつれて、その枢動部81の周りで時計回りの運動で回転し始めるスイングアームの第1の端80によって上へ引っ張られるロッド32によって支援される。スイングアーム8の運動は、第1の持ち上げピストン14が能動的に拡張することと、第2の持ち上げピストン15が能動的に縮むこととを通じて引き起こされる。同様に、ケーブル12、13によってスイングアーム8から吊り下げられた釣合い重りプラットフォーム10も、その枢動部101の周りにおいて時計回りの運動で回転することになる。釣合い重り104が釣合い重りプラットフォームの第2の端105にあり、ハンドル重り28が駆動シャフト24に向けて径方向で縮められているため、持ち上げピストン14、15から必要とされる力は、釣合い重り104が釣合い重りアームの第1の端100に留まるままの場合、および、ハンドル重り28が駆動シャフト24から径方向に延ばされたままの場合と比較して、低減されることになる。
【0077】
図7では、ハンドル26は270°の位置にある。ハンドルピストン30は、ハンドル重り28が駆動シャフト24に向けて径方向でなおも完全に引き込まれるように、なおも完全に縮められている。釣合い重りピストン106は、移動可能運搬器102における釣合い重り104が釣合い重りアームの第2の端105になおも完全に向かうように、なおも完全に拡張されている。ハンドル26および駆動シャフト24は、時計回りに回転し続けるにつれて、その枢動部81の周りで時計回りの運動で回転し続けるスイングアームの第1の端80によって上へ引っ張られるロッド32によって支援される。スイングアーム8の運動は、第1の持ち上げピストン14が能動的に拡張することと、第2の持ち上げピストン15が能動的に縮むこととを通じて引き起こされる。同様に、ケーブル12、13によってスイングアーム8から吊り下げられた釣合い重りプラットフォーム10は、その枢動部101の周りにおいて時計回りの運動で回転し続けることになる。釣合い重り104が釣合い重りプラットフォームの第2の端105にあり、ハンドル重り28が駆動シャフト24に向けて径方向で縮められているため、持ち上げピストン14、15から必要とされる力は、釣合い重り104が釣合い重りアームの第1の端100に留まるままの場合、および、ハンドル重り28が駆動シャフト24から径方向に延ばされたままの場合と比較して、低減されることになる。
【0078】
図8では、ハンドル26は350°の位置にある。装置が図8に示されている位置に到達した後、ハンドルピストン30は拡張し始めることになり、ハンドル重り28を駆動シャフト24から離れるように径方向に押し始めることになる。同様に、釣合い重りピストン106は、縮み始めることになり、移動可能な運搬器の上にある釣合い重り104を釣合い重りアームの第1の端100に向けて引っ張ることになる。ハンドル26および駆動シャフト24は、時計回りに回転し続けるにつれて、その枢動部81の周りで時計回りの運動で回転し続けるスイングアームの第1の端80によって上へ引っ張られるロッド32によって支援される。スイングアーム8の運動は、第1の持ち上げピストン14が能動的に拡張することと、第2の持ち上げピストン15が能動的に縮むこととを通じて引き起こされる。同様に、ケーブル12、13によってスイングアーム8から吊り下げられた釣合い重りプラットフォーム10は、その枢動部101の周りにおいて時計回りの運動で回転し続けることになる。
【0079】
ハンドルピストン30および釣合い重りピストン106の運動は、ハンドル26が再び0°の位置に到達したときに完了することになり、装置のすべての要素は、図1に示されている位置に再びなる。この段階で、動作の完全な周期が完了しており、ハンドル26と駆動シャフト24との両方が完全な回転を完了していることになる。装置は、エネルギー発生過程の間、上記の周期の多くを経ることになる。
【0080】
駆動シャフト24の結果生じる回転は、変速機22によって、変速シャフト34における回転へと変換される。発電機40では、この回転エネルギーが、機械の運転の間に電力へと変換され得る。電力線または他の手段に沿っての電気の輸送の前に、出力電圧を昇圧することができる変圧器48もある。
【0081】
図9図16は電力発生装置の代替の例を示している。この例では、駆動シャフト24は、変速機22ではなくリングジェネレータ50に連結されている。リングジェネレータ50は、駆動シャフト24の回転運動を電気エネルギーへと直接的に変換する。
【0082】
図9図16における構成要素の移動は、好ましくは、前述の図1図8の例示の実施形態についての記載した運動と同一である。第1の実施形態と同様に、ハンドルピストン30および釣合い重りピストン106の運動は、ハンドル26が再び0°の位置(TDC)に到達したときに完了することになり、装置のすべての要素は、図9に示されている位置に再びなる。この段階で、動作の完全な周期が完了しており、ハンドル26と駆動シャフト24との両方が完全な回転を完了していることになる。装置は、エネルギー発生過程の間、上記の周期の多くを経ることになる。駆動シャフト24の結果生じた回転は、リングジェネレータ50によって電力へと変換される。同様に、電力線または他の手段に沿っての電気の輸送の前に、出力電圧を昇圧することができる変圧器48もある。
【0083】
第2の実施形態において使用されるリングジェネレータ50は、第1の実施形態において使用された変速機22よりも大きな電力を装置から出力させることができる。例えば、変速機の実施形態はキロワットの規模で電力を発生させることができるが、リングジェネレータの実施形態はメガワットの規模で電力を発生させることができる。
【0084】
本発明の上記の例示の態様を詳細に説明してきたが、本発明の他の代替の実施形態が、添付の請求項に定められているような範囲から逸脱することなく可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0085】
釣合い重りピストン106は、任意選択で、図示されているような第1の端100からの取り付けによるピストンの代わりに、またはそのピストンと同様に、釣合い重りプラットフォームの第2の端105から移動可能プラットフォーム102に取り付けられてもよい。
【0086】
釣合い重りプラットフォーム10の枢動部101は、図示されているような第1の端100の近くではなく、代わりに、釣合い重りプラットフォーム10における異なる点において支持柱4に取り付けられてもよい。枢動部101が第1の端100のより近くにあるとき、釣合い重りによって発揮される時計回りの回転力は、先に記載されているように、釣合い重りが枢動部の第1の端へと移動するときに低減される。代替で、枢動部が釣合い重りプラットフォームの中心の近くにある場合、釣合い重りが釣合い重りアームの第1の端100へと移動させられるとき、これは、代わりに枢動部の周りで反時計回りの回転力を発揮することになり、これは、周期の最初の半分の間にハンドルの運動を支援することにもなる。
【0087】
ハンドル26は、装置の動作原理を変化させないため、任意選択で、前述のような時計回りではなく、装置の動作の間に反時計回りで回転してもよい。
【0088】
先の配置で示されているような液圧ピストンは、任意の他の形態のピストンまたは線形アクチュエータと置き換えられてもよい。
【0089】
基礎板2をスイングアームの第2の端85に取り付ける滑車システムおよび持ち上げピストンを有するのではなく、これらは、基礎板2とスイングアームの第2の端85との間で直接的に連結されるピストンで置き換えられてもよい。持ち上げピストン14、15のいずれかは、限定されることはないが、基礎板2、支持柱4、筋交い構造6、または補助プラットフォーム20を含め、装置の他の静的な構成要素のいずれかに取り付けられてもよい。
【0090】
第1の実施形態において使用される変速機22および発電機40、または、第2の実施形態において使用されるリングジェネレータ50など、回転構成要素の態様は、回転運動を有用な仕事へと変換することができる電力発生の任意の形態と、任意選択に置き換えられてもよい。同様に、様々な構成要素の往復運動または回転運動も、第1に電力へと変換することなく、機械的仕事として直接的に使用されてもよい。
【0091】
支持柱は複数の柱から形成されてもよく、スイングアーム8と釣合い重りプラットフォーム10とは同じ柱ではなく異なる柱に取り付けられる。同様に、これらの柱は、床における基礎フレームから延びず、上方または側方におけるフレームから吊り下げられてもよい。
【0092】
先に示されているようなそれぞれが2つの別々のハンドル26、ハンドル重り28、ハンドルピストン30、スロット31、およびロッド32がなくてもよく、1つだけの各々の要素があってもよく、または代替で3つ以上あってもよい。
【0093】
釣合い重りアームに搭載される2つ以上の釣合い重りがあってもよく、同様に、2つ以上の移動可能運搬器102、および2つ以上の釣合い重りピストン106があってもよい。移動可能運搬器102と釣合い重り104とは1つの実体として永久的に連結されてもよく、または、釣合い重り104は、代わりの釣合い重りを載せることができるように、移動可能運搬器102から取り外し可能であってもよい。
【0094】
前述の例では、釣合い重り104およびハンドル重り28の運動は、好ましくは、ハンドルの回転のTDCおよびBDCの前の10°において起こるとして記載されている。しかしながら、この移動は、ハンドルが周期における他の位置にあるときに起こってもよく、本発明がそのように限定されるとして理解されるべきではない。例えば、移動は、周期の最上部(例えば、TDC)および最下部(例えば、BDC)の前の5°、15°、20°、25°、またはそれ以上で起こってもよい。
【0095】
したがって、本明細書に記載されている具体的な態様におけるあらゆる特徴は、任意の適切な組み合わせで、本明細書に記載されているあらゆる他の態様に適用させることができることが、理解されるであろう。本明細書に記載されているあらゆる態様で記載および定義されている様々な特徴の具体的な組み合わせは、独立して実施、供給、および/または使用できることも、理解されるべきである。本明細書に記載されているあらゆる装置の特徴は、方法の特徴として組み込まれてもよく、逆もまた同様である。
【符号の説明】
【0096】
1 電力を発生させるための装置
2 基礎板
4 支持柱
6 筋交い構造
6a 第1のアーム
6b 第2のアーム
8 スイングアーム
10 釣合い重りプラットフォーム、傾斜可能なプラットフォーム、釣合い重りアーム
12、13 ケーブル
14 第1の持ち上げピストン
15 第2の持ち上げピストン
16 滑車
17 ケーブル
18 第2の滑車
20 補助プラットフォーム
22 変速機
24 駆動シャフト
26 ハンドル
28 ハンドル重り
30 ハンドルピストン
31 スロット
32 ロッド
34 変速シャフト
36 ブレーキディスク
38 液圧ブレーキピストン
40 発電機
42 液圧動力ユニット
44 制御箱、制御ユニット
46 アンテナ
48 変圧器
50 リングジェネレータ
80 スイングアームの第1の端
81 取り付け部、枢動部
85 スイングアームの第2の端
100 釣合い重りプラットフォームの第1の端、釣合い重りアームの第1の端
101 取り付け部、枢動部
102 移動可能運搬器
104 釣合い重り
105 釣合い重りプラットフォームの第2の端、釣合い重りアームの第2の端
106 釣合い重りピストン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を発生させるための装置であって、
電力を発生させるための発電機と、
前記発電機に回転可能に結合される第1の端、および、上死点(TDC)位置から下死点(BDC)位置を通り、上死点(TDC)位置へと戻るように、実質的に鉛直の平面において、前記第1の端の周りで360°回転可能な第2の端を有するハンドルと、
前記ハンドルの前記第1の端に近接する第1の位置と、前記ハンドルの前記第2の端に近接する第2の位置との間で、前記ハンドルの回転の間に、第1の線形アクチュエータによって前記ハンドルに沿って移動可能である第1の重りと、
前記ハンドルに結合されるスイングアームであって、前記第1の重りが前記ハンドルにおける前記第1の位置にあるときに前記ハンドルをBDCからTDCに向けて回転させるように動作可能であり、前記ハンドルがBDCにあるときの第1の位置と、前記ハンドルがTDCにあるときの第2の位置との間で傾くように構成されるスイングアームと、
前記スイングアームの前記第1の位置と前記第2の位置との間での前記傾けを支援するために、第2の線形アクチュエータによって移動可能である第2の重りと
を備え、
前記第1の重りが、前記ハンドルに作用する重力のため、TDCからBDCへの前記ハンドルの回転の間に機械的利益を提供することができ、それによって、前記ハンドルの回転が前記発電機を駆動することで電力を発生させるように、前記第1の線形アクチュエータは、前記ハンドルが回転させられるとき、前記第1の重りを前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記ハンドルに沿って移動させるように配置される、装置。
【請求項2】
前記第1の線形アクチュエータは、前記ハンドルがTDCにあるときに前記第1の重りがその第2の位置にあるように、前記第1の重りをその第1の位置からその第2の位置へと移動させ、前記ハンドルがBDCにあるときに前記第1の重りがその第1の位置にあるように、前記第1の重りをその第2の位置からその第1の位置へと移動させるように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の線形アクチュエータは、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前に前記第1の重りのその第1の位置とその第2の位置との間での移動が開始するように配置される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の重りの移動は、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前の少なくとも1°において開始し、好ましくは、前記ハンドルが、TDCおよび/またはBDCに到達する前の1°から45°の間の位置にあるときで、より好ましくは1°から30°の間の位置にあるときで、さらにより好ましくは1°から15°の間の位置にあるときに開始する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の重りのその第1の位置とその第2の位置との間での移動は、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達する前のおおよそ10°において開始する、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記ハンドルは細長い剛性部材を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記発電機にそれぞれが回転可能に結合される複数のハンドルを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の線形アクチュエータは、前記ハンドルがTDCおよび/またはBDCに到達するときに前記第1の重りのその第1の位置とその第2の位置との間での前記移動が完了するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記スイングアームは、前記装置に枢動可能に搭載され、前記ハンドルに結合される第1の端と、前記スイングアームをその搭載部の周りで枢動させることで前記ハンドルを回転させるように構成される滑車システムに結合される第2の端とを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記スイングアームは、前記ハンドルにおける細長いスロットと係合する細長い支柱を介して前記ハンドルに結合され、前記スロットは、前記ハンドルの前記第1の端と前記第2の端との間に位置付けられ、前記ハンドルの前記第2の端に向けて位置付けられる前記細長いスロットの端と係合させられるとき、前記細長い支柱は前記ハンドルをBDCからTDCへと回転させるように作用する、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の重りは傾け可能なプラットフォームに設けられ、前記プラットフォームは、前記スイングアームの前記第1の端に向けて位置付けられる第1の端と、前記スイングアームの前記第2の端に向けて位置付けられる第2の端とを有し、前記プラットフォームは、前記プラットフォームの前記第1の端と前記第2の端との間に位置決めされる枢動点において前記装置に枢動可能に搭載され、前記第2の重りは、前記プラットフォームの前記第1の端と前記第2の端との間で前記プラットフォームに沿って移動可能であり、前記枢動点を越える前記第2の重りの移動は、前記プラットフォームを前記移動の方向において下向きに傾けさせ、前記プラットフォームは、前記プラットフォームの傾く移動が前記スイングアームの傾く移動を支援するように、前記スイングアームに結合される、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の線形アクチュエータはピストンであり、好ましくは、液圧で駆動されるピストンである、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の線形アクチュエータはピストンであり、好ましくは、液圧で駆動されるピストンである、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ハンドルは歯車箱を介して前記発電機に結合される、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記発電機はリングジェネレータを備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の装置を使用して電力を発生させる方法であって、
前記上死点(TDC)位置から前記下死点(BDC)位置への前記ハンドルの回転の間、前記ハンドルがおおよそBDCにあるときに前記第1の重りがその第1の位置にあるように、前記第1の重りを前記ハンドルに沿って、前記第1の重りが前記ハンドルの前記第2の端に近接するその第2の位置から、前記第1の重りが前記ハンドルの前記第1の端に近接するその第1の位置へと移動させるために、前記第1の線形アクチュエータを作動させ、また、前記第2の重りを移動させて、前記スイングアームのその第2の位置からその第1の位置への運動を支援するために、前記第2の線形アクチュエータを作動させるステップと、
前記BDC位置から前記TDC位置への前記ハンドルの回転の間、前記ハンドルがおおよそTDCにあるときに前記第1の重りがその第2の位置にあるように、前記第1の重りを前記ハンドルに沿ってその第1の位置からその第2の位置へと移動させるために、前記第1の線形アクチュエータを作動させ、また、前記第2の重りを移動させて、前記スイングアームのその第1の位置からその第2の位置への運動を支援するために、前記第2の線形アクチュエータを作動させるステップと
を含み、
その第2の位置にあるとき、前記第1の重りは、前記ハンドルに作用する重力のため、前記ハンドルがTDCからBDCへと回転するときに機械的利益を提供し、前記ハンドルの回転が前記発電機を駆動することで電力を発生させる、方法。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか一項に記載の装置を備える、および/または、請求項16に記載の方法を実施する発電所。
【国際調査報告】