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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】自動電気配線システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/20 20060101AFI20231213BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H01R43/20 A
B25J19/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557852
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 IL2021051456
(87)【国際公開番号】W WO2022123560
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/122,030
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/164,645
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/164,660
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523212748
【氏名又は名称】ポリゴン ティー.アール リミテッド
【氏名又は名称原語表記】POLYGON T.R LTD.
【住所又は居所原語表記】12 HaBazelet Street, Tzur-Yigal, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エイナフ オメール
(72)【発明者】
【氏名】シャバノフ ドロン
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンバーグ ロム
(72)【発明者】
【氏名】マンデルバウム オルヤ
(72)【発明者】
【氏名】エフラット ヨタム
【テーマコード(参考)】
3C707
5E063
【Fターム(参考)】
3C707CY01
3C707CY12
3C707KS31
3C707KS33
3C707KS35
3C707KS37
3C707KT01
3C707KT05
3C707KV11
3C707LV06
3C707NS17
5E063KA01
5E063XA05
5E063XA08
(57)【要約】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、自動電気配線システムに関し、この自動電気配線システムは、ワイヤ準備モジュールと、電気配線が必要な物体に差し込まれるワイヤを操作するために配線エンドエフェクタをその遠位端部に備える少なくとも1つの配線アームモジュールと、電気配線の必要性に関連する少なくとも1つのパラメータを使用して、ワイヤ準備モジュール及び少なくとも1つの配線アームモジュールの操作を調整する回路とを含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ワイヤを保持し操作するために配線エンドエフェクタをその遠位端部に備える少なくとも1つの配線アームモジュール、
b.前記配線エンドエフェクタ内に位置している少なくとも1つのセンサ、
c.回路であって、
i.前記配線エンドエフェクタを備える前記少なくとも1つの配線アームモジュールを使用することによって、電気配線のアクティビティを実行するためのコマンドを受信し、
ii.前記アクティビティによって引き起こされる前記ワイヤに関して感知されたプロパティを考慮して、前記少なくとも1つの配線アームモジュール及び前記配線エンドエフェクタの前記操作を調整する、前記回路、
を含む、自動電気配線システム。
【請求項2】
前記プロパティは、前記ワイヤの状態、前記ワイヤの変形、前記ワイヤの位置、前記ワイヤに加えられる力、前記ワイヤに印加されるトルク、前記物体内のコネクタのタイプのうちの1つまたは複数である、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項3】
前記配線エンドエフェクタはワイヤ保持要素を含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項4】
前記ワイヤ保持要素は、2つの延出部を含むワイヤ挟み要素を備える、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項5】
前記2つの延出部は、2つの細長い延出部である、請求項4に記載の自動電気配線システム。
【請求項6】
前記2つの延出部は、電気機構によって連結される、請求項4に記載の自動電気配線システム。
【請求項7】
前記2つの延出部は、空気圧機構によって連結される、請求項4に記載の自動電気配線システム。
【請求項8】
前記操作は、電気配線を必要としている物体のコネクタ内に前記ワイヤを差し込むことを含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項9】
前記ワイヤ保持要素は、前記物体内の前記コネクタの差込口軸に沿った運動のためのモータを含む、請求項8に記載の自動電気配線システム。
【請求項10】
前記ワイヤ保持要素は、前記ワイヤ挟み要素によって加えられた力を監視するための1つまたは複数のセンサを含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項11】
前記配線エンドエフェクタは、前記ワイヤ保持要素に加えられた力を監視するための1つまたは複数のセンサを含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項12】
前記配線エンドエフェクタはワイヤロック要素を含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項13】
前記ワイヤロック要素は、前記コネクタ内のロック機構と相互作用するために1つまたは複数の方向に前記ワイヤロック要素を移動させるための1つまたは複数のモータを含む、請求項8に記載の自動電気配線システム。
【請求項14】
前記ワイヤロック要素は、前記コネクタ内の前記ロック機構上の前記ワイヤロック要素の前記ロックの作動を監視するための1つまたは複数のトルクセンサを含む、請求項8に記載の自動電気配線システム。
【請求項15】
前記ワイヤロック要素は、前記1つまたは複数のトルクセンサによって監視された所定のトルクパラメータに従って、前記コネクタ内の前記ロック機構を作動させるように構成される、請求項14に記載の自動電気配線システム。
【請求項16】
前記回路は、前記電気配線の前記アクティビティを実行するための前記コマンドを少なくとも1つの設計コンソールから受信する、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの設計コンソールは、電子機器、コンピュータ、タブレット、携帯電話及びサーバのうちの1つまたは複数である、請求項16に記載の自動電気配線システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図の作成のために専用ソフトウェアを含む、請求項16に記載の自動電気配線システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの設計コンソールは、少なくとも1つのサーバと通信する、請求項16に記載の自動電気配線システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの設計コンソールは、機械製図の作成のために専用ソフトウェアを含む、請求項16に記載の自動電気配線システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図と機械製図とのマージの生成のために専用ソフトウェアを含む、請求項16に記載の自動電気配線システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図及び機械製図のうちの1つまたは複数に従って、ワイヤの配索シーケンスの生成のために専用ソフトウェアを含む、請求項16に記載の自動電気配線システム。
【請求項23】
監視システムをさらに含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項24】
前記監視システムは、1つまたは複数のカメラを含む、請求項23に記載の自動電気配線システム。
【請求項25】
前記監視システムは、1つまたは複数のセンサを含む、請求項23に記載の自動電気配線システム。
【請求項26】
前記監視システムは、1つまたは複数の力センサを含む、請求項23に記載の自動電気配線システム。
【請求項27】
前記監視システムは、1つまたは複数のトルクセンサを含む、請求項23に記載の自動電気配線システム。
【請求項28】
前記監視システムは、1つまたは複数の電流センサを含む、請求項23に記載の自動電気配線システム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、複数の関節を含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、レールに取り付けられる、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項31】
前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、側面から電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、上部から電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項33】
前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、前記端子ワイヤポート角度に沿って電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項34】
2つの配線アームモジュールは、前記ワイヤの前記操作中に互いに協働する、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項35】
前記操作中の前記2つの配線アームモジュールは、前記ワイヤに張力を与えるように互いに離隔される、請求項34に記載の自動電気配線システム。
【請求項36】
前記2つの配線アームモジュール間に保持されていない前記ワイヤの部分には、張力が与えられない、請求項35に記載の自動電気配線システム。
【請求項37】
前記操作中の前記2つの配線アームモジュールのうちの1つは前記ワイヤを咬持し、前記配線アームモジュールのうちのもう1つは前記ワイヤ上で所望の位置まで摺動する、請求項34に記載の自動電気配線システム。
【請求項38】
張力なしで保持されている前記ワイヤは、前記ワイヤの全長の約1%から約50%である、請求項35に記載の自動電気配線システム。
【請求項39】
前記システムは、前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動を監視するように構成される、請求項34に記載の自動電気配線システム。
【請求項40】
前記運動は、前記2つの配線アームモジュールのうちの1つに対するもう1つの運動、前記コネクタに対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記物体に対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記2つの配線アームモジュール間の距離、及び前記2つの配線アームモジュール間で保持されている前記ワイヤの張力のうちの1つまたは複数である、請求項39に記載の自動電気配線システム。
【請求項41】
前記システムは、ある所定の値が前記運動に関して感知されるときに、前記運動を修正するように構成される、請求項40に記載の自動電気配線システム。
【請求項42】
ワイヤが電気配線を必要とする物体内に差し込まれる準備をするように構成される、ワイヤ準備モジュールをさらに含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項43】
前記ワイヤ準備モジュールは、使用準備済みワイヤを前記少なくとも1つの配線アームモジュールに提供する、請求項42に記載の自動電気配線システム。
【請求項44】
電気配線を必要とする前記物体をさらに含む、請求項1に記載の自動電気配線システム。
【請求項45】
前記物体は電気キャビネットである、請求項40に記載の自動電気配線システム。
【請求項46】
前記電気キャビネットは、前記電気配線を支援するように構成された1つまたは複数のスマート構成要素を含む、請求項45に記載の自動電気配線システム。
【請求項47】
前記1つまたは複数のスマート構成要素は、スマートワイヤ、スマートダクト、ラッチ、ホルダ及びマーカーのうちの1つまたは複数である、請求項46に記載の自動電気配線システム。
【請求項48】
少なくとも1つのワイヤを構成要素内の少なくとも1つのコネクタに自動的に接続する方法であって、
a.少なくとも1つのワイヤホルダによって少なくとも1つのワイヤの遠位端部を自動的に掴むこと、
b.前記少なくとも1つのワイヤホルダを自動的に移動させて、前記少なくとも1つのワイヤの前記遠位端部を前記少なくとも1つのコネクタに近づけること、
c.前記少なくとも1つのワイヤの前記遠位端部を前記少なくとも1つのコネクタ内に自動的に差し込むこと、
d.前記少なくとも1つのワイヤが前記少なくとも1つのコネクタに正しく接続されているかどうかを自動的に評価すること、
を含み、
前記方法は、前記自動的に差し込むこと、及び前記自動的に評価することの最中、前記少なくとも1つのコネクタに関する前記少なくとも1つのワイヤの少なくとも1つのパラメータを感知することをさらに含む、前記方法。
【請求項49】
前記少なくとも1つのパラメータは、前記少なくとも1つのワイヤの状態、前記少なくとも1つのワイヤの変形、前記少なくとも1つのワイヤの位置、前記少なくとも1つのワイヤに加えられた力、前記少なくとも1つのワイヤに印加されたトルクのうちの1つまたは複数である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記差し込むことは、前記少なくとも1つのワイヤホルダを移動させることによって実行される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つのワイヤは、複数の遠位端部を含むハーネスワイヤである、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記差し込むことは、前記少なくとも1つのワイヤホルダが取り付けられているロボットアームを移動させることによって実行される、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記感知することは、前記構成要素内の前記少なくとも1つのコネクタと接触するようになるときに前記少なくとも1つのワイヤに加えられる力を感知することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
少なくとも1つのロック機構を作動させることによって前記少なくとも1つのコネクタ内に前記少なくとも1つのワイヤを自動的にロックすることをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記自動的に評価することは、前記少なくとも1つのコネクタから前記少なくとも1つのワイヤを引き戻すことを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記評価することは、前記少なくとも1つのワイヤが前記引き戻すことに抵抗するかどうかを感知することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
2つの配線アームモジュールは、前記少なくとも1つのワイヤの前記接続を行う際に互いに協働する、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
前記接続中の前記2つの配線アームモジュールは、前記少なくとも1つのワイヤに張力を与えるように互いに離隔される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記2つの配線アームモジュール間に保持されていない前記ワイヤの部分には、張力が与えられない、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記接続中の前記2つの配線アームモジュールのうちの1つは前記ワイヤを咬持し、前記配線アームモジュールのうちのもう1つは前記ワイヤ上で所望の位置まで摺動する、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
張力なしで保持されている前記ワイヤは、前記ワイヤの全長の約1%から約50%である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動を監視することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
前記運動は、前記2つの配線アームモジュールのうちの1つに対するもう1つの運動、前記コネクタに対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記構成要素に対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記2つの配線アームモジュール間の距離、及び前記2つの配線アームモジュール間で保持されている前記ワイヤの張力のうちの1つまたは複数である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
ある所定の値が前記運動に関して感知されるときに前記運動を修正することをさらに含む、請求項62に記載の配線方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2020年12月7日に出願された米国仮特許出願第63/122,030号、2021年3月23日に出願された米国仮特許出願第63/164,645号、及び2021年3月23日に出願された米国仮特許出願第63/164,660号の優先権の利益を主張するものであり、それらの内容は、それら全体が参照により、本明細書に援用されている。
【0002】
本願はまた、「SYSTEMS AND METHODS FOR AUTOMATIC ELECTRICAL WIRING WITH ENDEFFECTOR」と題された同時出願のPCT特許出願(代理人整理番号90346)にも関連しており、その内容は、その全体が参照により、本明細書に援用されている。
【背景技術】
【0003】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、自動電気配線システム及び方法に関し、さらに特に、限定するものではないが、電気キャビネット用の自動電気配線システム及び方法に関する。
【0004】
電気キャビネットの準備及び配線は、複雑なプロセスのワイヤアーキテクチャ設計及び難しい配線作業を有する。本発明は、電気キャビネットの生成及び製造を潜在的に改善する自動電気配線システム及び方法を開示する。
【発明の概要】
【0005】
以下は、本発明の実施形態のいくつかの例を含む非排他的なリストである。本発明はまた、以下に明示的に列挙されない場合でも、一例のすべてよりも少ない特徴を含む実施形態、及び複数の例からの特徴を使用する実施形態も含む。
【0006】
実施例1.a.ワイヤを保持し操作するために配線エンドエフェクタをその遠位端部に備える少なくとも1つの配線アームモジュール、
b.前記配線エンドエフェクタ内に位置している少なくとも1つのセンサ、
c.回路であって、
i.前記配線エンドエフェクタを備える前記少なくとも1つの配線アームモジュールを使用することによって、電気配線のアクティビティを実行するためのコマンドを受信し、
ii.前記アクティビティによって引き起こされる前記ワイヤに関して感知されたプロパティを考慮して、前記少なくとも1つの配線アームモジュール及び前記配線エンドエフェクタの前記操作を調整する、前記回路、
を含む、自動電気配線システム。
【0007】
実施例2.前記少なくとも1つのパラメータは、前記ワイヤの状態、前記ワイヤの変形、前記ワイヤの位置、前記ワイヤに加えられる力、前記ワイヤに印加されるトルク、前記物体内のコネクタのタイプのうちの1つまたは複数である、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0008】
実施例3.前記配線エンドエフェクタはワイヤ保持要素を含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0009】
実施例4.前記ワイヤ保持要素は、2つの延出部を含むワイヤ挟み要素を備える、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0010】
実施例5.前記2つの延出部は、2つの細長い延出部である、実施例4に記載の自動電気配線システム。
【0011】
実施例6.前記2つの延出部は、電気機構によって連結される、実施例4に記載の自動電気配線システム。
【0012】
実施例7.前記2つの延出部は、空気圧機構によって連結される、実施例4に記載の自動電気配線システム。
【0013】
実施例8.前記操作は、電気配線を必要としている物体のコネクタ内に前記ワイヤを差し込むことを含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0014】
実施例9.前記ワイヤは、前記物体内の前記コネクタの差込口軸に沿った運動のためのモータを含む、実施例8に記載の自動電気配線システム。
【0015】
実施例10.前記ワイヤ保持要素は、前記ワイヤ挟み要素によって加えられた力を監視するための1つまたは複数のセンサを含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0016】
実施例11.前記配線エンドエフェクタは、前記ワイヤ保持要素に加えられた力を監視するための1つまたは複数のセンサを含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0017】
実施例12.前記配線エンドエフェクタはワイヤロック要素を含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0018】
実施例13.前記ワイヤロック要素は、前記コネクタ内のロック機構と相互作用するために1つまたは複数の方向に前記ワイヤロック要素を移動させるための1つまたは複数のモータを含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0019】
実施例14.前記ワイヤロック要素は、前記コネクタ内の前記ロック機構上の前記ワイヤロック要素の前記ロックの作動を監視するための1つまたは複数のトルクセンサを含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0020】
実施例15.前記ワイヤロック要素は、前記1つまたは複数のトルクセンサによって監視された所定のトルクパラメータに従って、前記コネクタ内の前記ロック機構を作動させるように構成される、実施例14に記載の自動電気配線システム。
【0021】
実施例16.前記回路は、電気配線のアクティビティを実行するための前記コマンドを少なくとも1つの設計コンソールから受信する、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0022】
実施例17.前記少なくとも1つの設計コンソールは、電子機器、コンピュータ、タブレット、携帯電話及びサーバのうちの1つまたは複数である、実施例16に記載の自動電気配線システム。
【0023】
実施例18.前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図の作成のために専用ソフトウェアを含む、実施例16に記載の自動電気配線システム。
【0024】
実施例19.前記少なくとも1つの設計コンソールは、少なくとも1つのサーバと通信する、実施例16に記載の自動電気配線システム。
【0025】
実施例20.前記少なくとも1つの設計コンソールは、機械製図の作成のために専用ソフトウェアを含む、実施例16に記載の自動電気配線システム。
【0026】
実施例21.前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図と機械製図とのマージの生成のために専用ソフトウェアを含む、実施例16に記載の自動電気配線システム。
【0027】
実施例22.前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図及び機械製図のうちの1つまたは複数に従って、ワイヤの配索シーケンスの生成のために専用ソフトウェアを含む、実施例16に記載の自動電気配線システム。
【0028】
実施例23.監視システムをさらに含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0029】
実施例24.前記監視システムは、1つまたは複数のカメラを含む、実施例23に記載の自動電気配線システム。
【0030】
実施例25.前記監視システムは、1つまたは複数のセンサを含む、実施例23に記載の自動電気配線システム。
【0031】
実施例26.前記監視システムは、1つまたは複数の力センサを含む、実施例23に記載の自動電気配線システム。
【0032】
実施例27.前記監視システムは、1つまたは複数のトルクセンサを含む、実施例23に記載の自動電気配線システム。
【0033】
実施例28.前記監視システムは、1つまたは複数の電流センサを含む、実施例23に記載の自動電気配線システム。
【0034】
実施例29.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、複数の関節を含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0035】
実施例30.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、レールに取り付けられる、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0036】
実施例31.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、側面から電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0037】
実施例32.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、上部から電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0038】
実施例33.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、前記端子ワイヤポート角度に沿って電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0039】
実施例34.2つの配線アームモジュールは、前記ワイヤの前記操作中に互いに協働する、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0040】
実施例35.前記操作中の前記2つの配線アームモジュールは、前記ワイヤに張力を与えるように互いに離隔される、実施例34に記載の自動電気配線システム。
【0041】
実施例36.前記2つの配線アームモジュール間に保持されていない前記ワイヤの部分には、張力が与えられない、実施例35に記載の自動電気配線システム。
【0042】
実施例37.前記操作中の前記2つの配線アームモジュールのうちの1つは前記ワイヤを咬持し、前記配線アームモジュールのうちのもう1つは前記ワイヤ上で所望の位置まで摺動する、実施例34に記載の自動電気配線システム。
【0043】
実施例38.張力なしで保持されている前記ワイヤは、前記ワイヤの全長の約1%から約50%である、実施例35に記載の自動電気配線システム。
【0044】
実施例39.前記システムは、前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動を監視するように構成される、実施例34に記載の自動電気配線システム。
【0045】
実施例40.前記運動は、前記2つの配線アームモジュールのうちの1つに対するもう1つの運動、前記コネクタに対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記物体に対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記2つの配線アームモジュール間の距離、及び前記2つの配線アームモジュール間で保持されている前記ワイヤの張力のうちの1つまたは複数である、実施例39に記載の自動電気配線システム。
【0046】
実施例41.前記システムは、ある所定の値が前記運動に関して感知されるときに、前記運動を修正するように構成される、実施例40に記載の自動電気配線システム。
【0047】
実施例42.ワイヤが電気配線を必要とする物体内に差し込まれる準備をするように構成される、ワイヤ準備モジュールをさらに含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0048】
実施例43.前記ワイヤ準備モジュールは、使用準備済みワイヤを前記少なくとも1つの配線アームモジュールに提供する、実施例42に記載の自動電気配線システム。
【0049】
実施例44.電気配線を必要とする前記物体をさらに含む、実施例1に記載の自動電気配線システム。
【0050】
実施例45.前記物体は電気キャビネットである、実施例40に記載の自動電気配線システム。
【0051】
実施例46.前記電気キャビネットは、前記電気配線を支援するように構成された1つまたは複数のスマート構成要素を含む、実施例42に記載の自動電気配線システム。
【0052】
実施例47.前記1つまたは複数のスマート構成要素は、スマートワイヤ、スマートダクト、ラッチ、ホルダ及びマーカーのうちの1つまたは複数である、実施例43に記載の自動電気配線システム。
【0053】
実施例48.少なくとも1つのワイヤを構成要素内の少なくとも1つのコネクタに自動的に接続する方法であって、
a.少なくとも1つのワイヤホルダによって少なくとも1つのワイヤの遠位端部を自動的に掴むこと、
b.前記少なくとも1つのワイヤホルダを自動的に移動させて、前記少なくとも1つのワイヤの前記遠位端部を前記少なくとも1つのコネクタに近づけること、
c.前記少なくとも1つのワイヤの前記遠位端部を前記少なくとも1つのコネクタ内に自動的に差し込むこと、
d.前記少なくとも1つのワイヤが前記少なくとも1つのコネクタに正しく接続されているかどうかを自動的に評価すること、
を含み、
前記方法は、前記自動的に差し込むこと、及び前記自動的に評価することの最中、前記少なくとも1つのコネクタに関する前記少なくとも1つのワイヤの少なくとも1つのパラメータを感知することをさらに含む、前記方法。
【0054】
実施例49.前記少なくとも1つのパラメータは、前記少なくとも1つのワイヤの状態、前記少なくとも1つのワイヤの変形、前記少なくとも1つのワイヤの位置、前記少なくとも1つのワイヤに加えられた力、前記少なくとも1つのワイヤに印加されたトルクのうちの1つまたは複数である、実施例55に記載の方法。
【0055】
実施例50.前記差し込むことは、前記少なくとも1つのワイヤホルダを移動させることによって実行される、実施例55に記載の方法。
【0056】
実施例51.前記少なくとも1つのワイヤは、複数の遠位端部を含むハーネスワイヤである、実施例55に記載の方法。
【0057】
実施例52.前記差し込むことは、前記少なくとも1つのワイヤホルダが取り付けられているロボットアームを移動させることによって実行される、実施例55に記載の方法。
【0058】
実施例53.前記感知することは、前記構成要素内の前記少なくとも1つのコネクタと接触するようになるときに前記少なくとも1つのワイヤに加えられる力を感知することを含む、実施例55に記載の方法。
【0059】
実施例54.少なくとも1つのロック機構を作動させることによって、前記少なくとも1つのワイヤを前記少なくとも1つのコネクタで自動的にロックすることをさらに含む、実施例55に記載の方法。
【0060】
実施例55.前記自動的に評価することは、前記少なくとも1つのコネクタから前記少なくとも1つのワイヤを引き戻すことを含む、実施例55に記載の方法。
【0061】
実施例56.前記評価することは、前記少なくとも1つのワイヤが前記引き戻すことに抵抗するかどうかを感知することを含む、実施例62に記載の方法。
【0062】
実施例57.2つの配線アームモジュールは、前記少なくとも1つのワイヤの前記接続を行う際に互いに協働する、実施例55に記載の方法。
【0063】
実施例58.前記接続中の前記2つの配線アームモジュールは、前記少なくとも1つのワイヤに張力を与えるように互いに離隔される、実施例57に記載の方法。
【0064】
実施例59.前記2つの配線アームモジュール間に保持されていない前記ワイヤの部分には、張力が与えられない、実施例58に記載の方法。
【0065】
実施例60.前記接続中の前記2つの配線アームモジュールのうちの1つは前記ワイヤを咬持し、前記配線アームモジュールのうちのもう1つは前記ワイヤ上で所望の位置まで摺動する、実施例58に記載の方法。
【0066】
実施例61.張力なしで保持されている前記ワイヤは、前記ワイヤの全長の約1%から約50%である、実施例59に記載の方法。
【0067】
実施例62.前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動を監視することをさらに含む、実施例57に記載の方法。
【0068】
実施例63.前記運動は、前記2つの配線アームモジュールのうちの1つに対するもう1つの運動、前記コネクタに対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記物体に対する前記2つの配線アームモジュールのそれぞれの運動、前記2つの配線アームモジュール間の距離、及び前記2つの配線アームモジュール間で保持されている前記ワイヤの張力のうちの1つまたは複数である、実施例57に記載の方法。
【0069】
実施例64.ある所定の値が前記運動に関して感知されるときに前記運動を修正することをさらに含む、実施例63に記載の配線方法。
【0070】
実施例65.a.ワイヤ送達ユニット、
b.電気配線を必要とする物体内のコネクタに差し込まれるように、前記ワイヤ送達ユニットによって受け入れられたワイヤを操作するために配線エンドエフェクタをその遠位端部に備える少なくとも1つの配線アームモジュール、
c.前記電気配線の必要性に関連する少なくとも1つのパラメータを使用して、前記ワイヤ送達ユニット及び前記少なくとも1つの配線アームモジュールの前記操作を調整する回路、
を含む、自動電気配線システム。
【0071】
実施例66.前記ワイヤ送達ユニットは、ワイヤが電気配線を必要とする前記物体内の前記コネクタに差し込まれる準備をするためのワイヤ準備モジュールである、実施例65に記載の自動電気配線システム。
【0072】
実施例67.前記ワイヤ送達ユニットは、前記電気配線を必要とする前記物体内の前記コネクタに差し込まれる既製ワイヤを含む、実施例65に記載の自動電気配線システム。
【0073】
実施例68.a.2つの延出部を備えるワイヤ保持要素と、
b.前記ワイヤ保持要素によって保持されている少なくとも1つのワイヤに加えられる力を監視するように構成された少なくとも1つのセンサと、
を含む、配線エンドエフェクタ。
【0074】
実施例69.前記2つの延出部は、2つの細長い延出部である、実施例68に記載の配線エンドエフェクタ。
【0075】
実施例70.前記少なくとも1つのセンサは、前記ワイヤ保持要素内に位置している、実施例68に記載の配線エンドエフェクタ。
【0076】
実施例71.前記少なくとも1つのセンサは、前記2つの延出部内に位置している、実施例68に記載の配線エンドエフェクタ。
【0077】
実施例72.コネクタロック機構アクチュエータを含むワイヤロック要素をさらに備える、実施例68に記載の配線エンドエフェクタ。
【0078】
実施例73.電気配線を必要とする物体に自動的に配線する方法であって、
a.前記電気配線を必要とする前記物体の電気配線設計図、及び前記設計図に従ったワイヤの配索シーケンスを受信すること、
b.複数のワイヤを準備すること、
c.前記準備されたワイヤを自動配線アームモジュールに送達すること、
d.前記生成されたワイヤの配索シーケンスに従って、前記電気配線を必要とする前記物体内に前記準備されたワイヤを自動的に配線すること、
を含む、前記方法。
【0079】
実施例74.電気配線を必要とする物体に自動的に配線する方法であって、
a.前記電気配線を必要とする前記物体の前記電気配線の設計図を書くこと、
b.前記設計図に従ってワイヤの配索シーケンスを自動的に生成すること、
c.複数のワイヤを準備すること、
d.前記準備されたワイヤを自動配線アームモジュールに送達すること、
e.前記生成されたワイヤの配索シーケンスに従って、前記電気配線を必要とする前記物体内に前記準備されたワイヤを自動的に配線すること、
を含む、前記方法。
【0080】
実施例75.a.構成要素内のコネクタのホールに差し込まれるようにワイヤを操作するために配線エンドエフェクタをその遠位端部に備える少なくとも1つの配線アームモジュール、
b.前記コネクタに関連する少なくとも1つのパラメータを使用して、前記少なくとも1つの配線アームモジュール及び前記配線エンドエフェクタの前記操作を調整する回路、
c.前記配線エンドエフェクタによって前記コネクタの前記ホールに差し込まれている間、前記ワイヤに関連するパラメータを検出するように構成された1つまたは複数のセンサ、
を含む、自動電気配線システム。
【0081】
実施例76.a.2つの延出部を備えるワイヤ保持要素と、
b.電気端子コネクタロック機構アクチュエータを備えるロックデバイスと、
を含む、配線エンドエフェクタ。
【0082】
実施例77.前記ワイヤ保持要素によって保持されている少なくとも1つのワイヤに加えられる力を監視するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む、実施例76に記載の配線エンドエフェクタ。
【0083】
実施例78.a.2つの延出部を備えるワイヤ保持要素、
b.電気端子コネクタロック機構アクチュエータを備えるロックデバイス、
c.少なくとも1つのワイヤを前記ワイヤ保持要素にフィードするように構成されたワイヤフィーダ、
を含む、配線エンドエフェクタ。
【0084】
実施例79.前記ワイヤ保持要素によって保持されている少なくとも1つのワイヤに加えられる力を監視するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む、実施例78に記載の配線エンドエフェクタ。
【0085】
実施例80.a.2つの延出部を備えるワイヤ保持要素と、
b.前記ワイヤ保持要素の前記作動を監視するように構成されたカメラと、
を含む、配線エンドエフェクタ。
【0086】
実施例81.コネクタロック機構アクチュエータを含むロックデバイスをさらに備える、実施例80に記載の配線エンドエフェクタ。
【0087】
実施例82.少なくとも1つのワイヤを前記ワイヤ保持要素にフィードするように構成されたワイヤフィーダをさらに含む、実施例80に記載の配線エンドエフェクタ。
【0088】
実施例83.前記ワイヤ保持要素によって保持されている少なくとも1つのワイヤに加えられる力を監視するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む、実施例80に記載の配線エンドエフェクタ。
【0089】
実施例84.a.2つの延出部を備えるワイヤ保持要素と、
b.前記ワイヤ保持要素によって保持されているワイヤの遠位部を切断するように構成されたワイヤカッタと、
を含む、配線エンドエフェクタ。
【0090】
実施例85.前記ワイヤ保持要素の前記作動を監視するように構成されたカメラをさらに含む、実施例84に記載の配線エンドエフェクタ。
【0091】
実施例86.コネクタロック機構アクチュエータを含むロックデバイスをさらに備える、実施例84に記載の配線エンドエフェクタ。
【0092】
実施例87.少なくとも1つのワイヤを前記ワイヤ保持要素にフィードするように構成されたワイヤフィーダをさらに含む、実施例84に記載の配線エンドエフェクタ。
【0093】
実施例88.前記ワイヤ保持要素によって保持されている少なくとも1つのワイヤに加えられる力を監視するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む、実施例84に記載の配線エンドエフェクタ。
【0094】
実施例89.自動電気配線システムの設計コンソール内に電気配線を必要とする少なくとも1つの物体の自動配線の設計図を書く方法であって、
a.電気回路図及び/または機械製図に関するルールを少なくとも1人のユーザから受信すること、
b.前記設計コンソールで前記電気回路図及び/または前記機械製図を受信すること、
c.前記ルールに従って前記設計の自動チェックを実行すること、
d.前記電気回路図を前記機械製図とマージすることにより、元になる配線設計を生成すること、
e.ロボット配線設計図の準備をすること、
を含む、前記方法。
【0095】
実施例90.前記ルールは、1つまたは複数の規格、クライアントによる特別な要件、技術的な限界、及び前記1人以上のユーザによって挿入される個人的なルールに関連するルールである、実施例89に記載の方法。
【0096】
実施例91.異なる設計は、異なるユーザによって提供され、前記設計コンソールに独立して挿入される、実施例89に記載の方法。
【0097】
実施例92.前記設計は、他の場所で作成され、前記設計コンソールに手動で挿入される、実施例89に記載の方法。
【0098】
実施例93.前記実行後に前記設計を自動的に承認することをさらに含む、実施例89に記載の方法。
【0099】
実施例94.前記ルールに従って前記元になる配線設計に第二チェックを実行することをさらに含む、実施例89に記載の方法。
【0100】
実施例95.前記ロボット配線設計図は、ダクトの長さ及び数、前記物体に挿入される構成要素、1つまたは複数のワイヤのための一連の配索経路、1つまたは複数のワイヤを前記配索経路上に配置するシーケンスのうちの1つまたは複数を含む、実施例89に記載の方法。
【0101】
実施例96.前記ロボット配線設計図に従って前記少なくとも1つの物体に配線することをさらに含む、実施例89に記載の方法。
【0102】
実施例97.前記ロボット配線設計図に従って前記少なくとも1つの物体に配線する前に、前記ロボット配線設計図のシミュレーションを実行することをさらに含む、実施例89に記載の方法。
【0103】
実施例98.2つのロボットアームによって経路沿いにワイヤを配置する方法であって、
a.第一ロボットアームで前記ワイヤの第一端部を保持すること、
b.前記ワイヤの前記第一端部を前記経路沿いの第一位置に配置すること、
c.第二ロボットアームを前記ワイヤ沿いに前記第一位置に向けて摺動させることにより、前記ワイヤを前記経路沿いに配置すること、
を含む、前記方法。
【0104】
実施例99.少なくとも1つのワイヤを少なくとも1つのコネクタに接続することによって発光ユニットに自動的に配線する方法であって、
a.ワイヤホルダによってワイヤの遠位端部を自動的に掴むこと、
b.前記ワイヤの前記遠位端部を前記コネクタに近づけるように前記ワイヤホルダを自動的に移動させること、
c.前記ワイヤの前記遠位端部を前記コネクタ内に自動的に差し込むこと、
d.前記少なくとも1つのワイヤが前記少なくとも1つのコネクタに正しく接続されているかどうかを自動的に評価すること、
を含み、
前記方法は、前記自動的に差し込むこと、及び前記自動的に評価することの最中、前記コネクタに関する前記ワイヤの少なくとも1つのパラメータを感知することをさらに含む、前記方法。
【0105】
実施例100.前記少なくとも1つのパラメータは、前記ワイヤの状態、前記ワイヤの変形、前記ワイヤの位置、前記ワイヤに加えられた力、前記ワイヤに印加されたトルクのうちの1つまたは複数である、実施例99に記載の方法。
【0106】
実施例101.前記差し込むことは、前記ワイヤホルダを移動させることによって実行される、実施例99に記載の方法。
【0107】
実施例102.前記差し込むことは、前記コネクタを移動させることによって実行される、実施例99に記載の方法。
【0108】
実施例103.前記差し込むことは、前記ワイヤホルダが取り付けられているロボットアームを移動させることによって実行される、実施例99に記載の方法。
【0109】
実施例104.前記感知することは、前記少なくとも1つのコネクタと接触するようになるときに前記少なくとも1つのワイヤに加えられる力を感知することを含む、実施例99に記載の方法。
【0110】
実施例105.少なくとも1つのロック機構を作動させることによって、前記少なくとも1つのワイヤを前記少なくとも1つのコネクタで自動的にロックすることをさらに含む、実施例99に記載の方法。
【0111】
実施例106.前記自動的に評価することは、前記少なくとも1つのコネクタから前記少なくとも1つのワイヤを引き戻すことを含む、実施例99に記載の方法。
【0112】
実施例107.前記評価することは、前記少なくとも1つのワイヤが前記引き戻すことに抵抗するかどうかを感知することを含む、実施例106に記載の方法。
【0113】
以下は、本発明の実施形態のいくつかの例を含むさらなる非排他的なリストである。本発明はまた、以下に明示的に列挙されない場合でも、一例のすべてよりも少ない特徴を含む実施形態、及び複数の例からの特徴を使用する実施形態も含む。
【0114】
実施例1001.a.電気配線を必要とする物体に差し込まれるようにワイヤを操作するために配線エンドエフェクタをその遠位端部に備える少なくとも1つの配線アームモジュール、
b.前記電気配線の必要性に関連する少なくとも1つのパラメータを使用して、前記ワイヤ準備モジュール及び前記少なくとも1つの配線アームモジュールの前記操作を調整する回路、
を含む、自動電気配線システム。
【0115】
実施例1002.ワイヤ準備モジュールをさらに含む、実施例1001に記載の自動電気配線システム。
【0116】
実施例1003.前記配線準備モジュールは、ワイヤが電気配線を必要とする物体に差し込まれる準備をするように構成される、実施例1001または実施例1002に記載の自動電気配線システム。
【0117】
実施例1004.前記ワイヤ準備モジュールは、複数のワイヤストックを含む、実施例1001~1003のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0118】
実施例1005.前記ワイヤ準備モジュールは、1つまたは複数のワイヤマニピュレータを含む、実施例1001~1004のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0119】
実施例1006.前記1つまたは複数のワイヤマニピュレータは、前記ワイヤ準備モジュールの部品間で移動するためのレールに取り付けられる、実施例1001~1005のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0120】
実施例1007.前記ワイヤ準備モジュールは、少なくとも1つのワイヤストリッパモジュールを含む、実施例100100~6のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0121】
実施例1008.前記ワイヤ準備モジュールは、複数のワイヤエンドコネクタ取り付けモジュールを含む、実施例1001~1007のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0122】
実施例1009.前記ワイヤ準備モジュールはワイヤカッタを含む、実施例1001~1008のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0123】
実施例1010.前記ワイヤ準備モジュールはラベル付けモジュールを含む、実施例1001~1009のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0124】
実施例1011.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、複数の関節を含む、実施例1001~1010のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0125】
実施例1012.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、レールに取り付けられる、実施例1001~1011のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0126】
実施例1013.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、側面から電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、実施例1001~1012のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0127】
実施例1014.前記少なくとも1つの配線アームモジュールは、上部から電気配線を必要とする前記物体に接近するように構成される、実施例1001~1013のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0128】
実施例1015.前記配線エンドエフェクタはワイヤ保持要素を含む、実施例1001~1014のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0129】
実施例1016.前記ワイヤ保持要素は、2つの細長い延出部を含むワイヤ挟み要素を備える、実施例1001~1015のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0130】
実施例1017.前記2つの細長い延出部は、電気機構によって連結される、実施例1001~1016のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0131】
実施例1018.前記ワイヤ保持要素は前記ワイヤ保持要素の水平運動のためのモータを含む、実施例1001~1017のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0132】
実施例1019.前記ワイヤ保持要素は、前記ワイヤ挟み要素によって加えられた力を監視するための1つまたは複数のセンサを含む、実施例1~18のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0133】
実施例1020.前記配線エンドエフェクタはワイヤロック要素を含む、実施例1001~1019のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0134】
実施例1021.前記ワイヤロック要素は端子台アクチュエータを含む、実施例1001~1020のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0135】
実施例1022.前記ワイヤロック要素は、端子台と相互作用するために前記アクチュエータを垂直方向に移動させるためのモータを含む、実施例1001~1021のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0136】
実施例1023.前記ワイヤ準備モジュールは、使用準備済みワイヤを前記少なくとも1つの配線アームモジュールに提供する、実施例1001~1022のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0137】
実施例1024.前記ワイヤ準備モジュールは、使用準備済みマルチエンドハーネスワイヤを提供する、実施例1001~1023のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0138】
実施例1025.前記回路は、少なくとも1つの設計コンソールから前記電気配線の必要性に関連する前記少なくとも1つのパラメータを受信する、実施例1001~1024のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0139】
実施例1026.前記少なくとも1つの設計コンソールは、電子機器、コンピュータ、タブレット、携帯電話及びサーバのうちの1つまたは複数である、実施例1001~1025のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0140】
実施例1027.前記少なくとも1つの設計コンソールは、少なくとも1つのサーバと通信する、実施例1001~1026のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0141】
実施例1028.前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図の作成のために専用ソフトウェアを含む、実施例1001~1027のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0142】
実施例1029.前記少なくとも1つの設計コンソールは、機械製図の作成のために専用ソフトウェアを含む、実施例1001~1028のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0143】
実施例1030.前記少なくとも1つの設計コンソールは、電気回路設計図と機械製図とのマージの生成のために専用ソフトウェアを含む、実施例1001~1029のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0144】
実施例1031.前記少なくとも1つの設計コンソールは、部品表の作成のために専用ソフトウェアを含む、実施例1001~1030のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0145】
実施例1032.前記少なくとも1つの設計コンソールは、前記電気回路設計図及び前記機械製図のうちの1つまたは複数に従って、ワイヤの配索シーケンスの生成のために専用ソフトウェアを含む、実施例1001~1031のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0146】
実施例1033.監視システムをさらに含む、実施例1001~1032のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0147】
実施例1034.前記監視システムは、1つまたは複数のカメラを含む、実施例1001~1033のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0148】
実施例1035.前記監視システムは、1つまたは複数のセンサを含む、実施例1001~1034のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0149】
実施例1036.前記監視システムは、1つまたは複数の力センサを含む、実施例1001~1035のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0150】
実施例1037.前記監視システムは、1つまたは複数のトルクセンサを含む、実施例1001~1036のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0151】
実施例1038.前記監視システムは、1つまたは複数の電流センサを含む、実施例1001~1037のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0152】
実施例1039.電気配線を必要とする前記物体をさらに含む、実施例1001~1038のいずれか1項に記載の自動電気配線システム。
【0153】
実施例1040.a.ワイヤ送達ユニット、
b.電気配線を必要とする物体に差し込まれるようにワイヤを操作するために配線エンドエフェクタをその遠位端部に備える少なくとも1つの配線アームモジュール、
c.前記電気配線の必要性に関連する少なくとも1つのパラメータを使用して、前記ワイヤ準備モジュール及び前記少なくとも1つの配線アームモジュールの前記操作を調整する回路、
を含む、自動電気配線システム。
【0154】
実施例1041.前記ワイヤ送達ユニットは、ワイヤが電気配線を必要とする物体に差し込まれる準備をするためのワイヤ準備モジュールである、実施例1040に記載の自動電気配線システム。
【0155】
実施例1042.前記ワイヤ送達ユニットは、前記電気配線を必要とする前記物体に差し込まれる既製ワイヤを含む、実施例1040に記載の自動電気配線システム。
【0156】
実施例1043.a.2つの細長い延出部を備えるワイヤ保持要素と、
b.端子台アクチュエータを備えるワイヤロック要素と、
を含む、配線エンドエフェクタ。
【0157】
実施例1044.複数のワイヤストック、1つまたは複数のワイヤマニピュレータ、少なくとも1つのワイヤストリッパモジュール、複数のワイヤエンドコネクタ取り付けモジュール、少なくとも1つのラベル付けモジュール、及びワイヤカッタを含む自動ワイヤ準備マシンによって電気ワイヤを準備する方法であって、
a.前記1つまたは複数のワイヤマニピュレータからの第一ワイヤマニピュレータによって、前記複数のワイヤストックからワイヤの第一端部を摘むこと、
b.前記ワイヤの前記第一端部を前記少なくとも1つのストリッパモジュール内に移動させることにより、前記ワイヤの前記第一端部の被覆をストリップし、ワイヤ心線を露出させること、
c.準備されたワイヤの長さの必要に応じて、前記ワイヤの長さを解放すること、
d.前記1つまたは複数のワイヤマニピュレータからの第二ワイヤマニピュレータによって前述の前記必要な長さの位置で前記ワイヤを摘むこと、
e.前記ワイヤを前記ワイヤカッタ内に移動させることにより、前記ワイヤの第二端部を生成すること、
f.前記ワイヤの前記第二端部を前記少なくとも1つのストリッパモジュール内に移動させることにより、前記ワイヤの前記第二端部の被覆をストリップし、ワイヤ心線を露出させること、
を含む、前記方法。
【0158】
実施例1045.前記ワイヤの前記ストリップされた第一端部を前記複数のワイヤエンドコネクタ取り付けモジュールのうちの1つの内に移動させることにより、前記ワイヤの前記ストリップされた第一端部上にワイヤエンドコネクタを取り付けることをさらに含む、実施例1044に記載の方法。
【0159】
実施例1046.前記ワイヤの前記ストリップされた第二端部を前記複数のワイヤエンドコネクタ取り付けモジュールのうちの1つの内に移動させることにより、前記ワイヤの前記ストリップされた第二端部上にワイヤエンドコネクタを取り付けることをさらに含む、実施例1044または実施例1045に記載の方法。
【0160】
実施例1047.前記ワイヤにラベル付けするために前記ワイヤの前記第一端部を前記ラベル付けモジュール内に移動させることをさらに含む、実施例1044~1046のいずれか1項に記載の方法。
【0161】
実施例1048.前記ワイヤにラベル付けするために前記ワイヤの前記第二端部を前記ラベル付けモジュール内に移動させることをさらに含む、実施例1044~1047のいずれか1項に記載の方法。
【0162】
実施例1049.電気配線を必要とする物体に自動的に配線する方法であって、
a.前記電気配線を必要とする前記物体の電気配線設計図、及び前記設計図に従ったワイヤの配索シーケンスを受信すること、
b.複数のワイヤを準備すること、
c.前記準備されたワイヤを自動配線アームモジュールに送達すること、
d.前記生成されたワイヤの配索シーケンスに従って、前記電気配線を必要とする前記物体内に前記準備されたワイヤを自動的に配線すること、
を含む、前記方法。
【0163】
実施例1050.電気配線を必要とする物体に自動的に配線する方法であって、
a.前記電気配線を必要とする前記物体の前記電気配線の設計図を書くこと、
b.前記設計図に従ってワイヤの配索シーケンスを自動的に生成すること、
c.複数のワイヤを準備すること、
d.前記準備されたワイヤを自動配線アームモジュールに送達すること、
e.前記生成されたワイヤの配索シーケンスに従って、前記電気配線を必要とする前記物体内に前記準備されたワイヤを自動的に配線すること、
を含む、前記方法。
【0164】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験には、本明細書に記載したものと類似または同等の方法及び材料を用いることができるが、例示的な方法及び/または材料が以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、一例にすぎず、必ずしも限定することを意図していない。
【0165】
当業者には理解されるように、本発明のいくつかの実施形態は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、本明細書では一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれ得る、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化される1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)に具現化されているコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。本発明のいくつかの実施形態の方法及び/またはシステムの実施は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで実行すること及び/または遂行することを含み得る。さらに、本発明の方法及び/またはシステムのいくつかの実施形態の実際の計装及び設備によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、及び/またはそれらの組み合わせによって、例えばオペレーティングシステムを使用して実施することができる。
【0166】
例えば、本発明のいくつかの実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施され得る。ソフトウェアとしては、本発明のいくつかの実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実施され得る。本発明の例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法及び/またはシステムのいくつかの例示的な実施形態による1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択で、データプロセッサは、命令及び/またはデータを格納するための揮発性メモリ、及び/または命令及び/またはデータを格納するための不揮発性ストレージ、例えば、磁気ハードディスク及び/またはリムーバブルメディアを含む。任意選択で、ネットワーク接続も設けられる。ディスプレイ、及び/またはキーボードまたはマウスなどのユーザ入力デバイスも任意選択で提供される。
【0167】
本発明のいくつかの実施形態には、1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定ではないが、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または任意の前述の好適な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより多くの具体例は、1つ以上の通信回線を有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能PROM(EEPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の任意の好適な組み合わせを含むことになる。本文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のために、またはそれらと接続してプログラムを含むまたは記憶することができる任意の有形媒体であり得る。
【0168】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドでまたは搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を含み得る。係る伝搬信号は、電磁気、光学、またはその任意の組み合わせを含むが、これに限定されるものではない様々な形のいずれかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のために、またはそれらと接続してプログラムを通信、伝搬、または搬送できる任意のコンピュータ可読媒体であってよい。
【0169】
コンピュータ可読記憶媒体上に具現化されるプログラムコード及び/またはそれによって使用されるデータは、無線、有線、光ファイバケーブル、RF等、または上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これに限定されるものではない任意の適切な媒体を使用し、伝達され得る。
【0170】
本発明のいくつかの実施形態のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、例えばJava、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び例えば「C」プログラミング言語または類似するプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含んだ1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで作成されてよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアローンのソフトウェアパッケージとして実行すること、部分的にユーザのコンピュータ上で実行し、部分的にリモートコンピュータ上で実行すること、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することが可能である。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または外部のコンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いるインターネット経由で)接続することができる。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/またはブロック図を参照して以下に説明される。フローチャート図及び/またはブロック図の各ブロック、及びフローチャート図及び/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/またはブロック図のブロックまたは複数のブロックで指定される機能/行為を実施するための手段を作成するような機械を作り出し得る。
【0172】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスに特定の方法で機能するように命令できるコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、これによりコンピュータ可読媒体に記憶される命令は、ブロックまたは複数のブロックのフローチャート及び/またはブロック図に指定される機能/行為を実施する命令を含んだ、製造品を製造する。
【0173】
コンピュータプログラム命令は、一連の操作ステップを、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイスで実行させて、コンピュータまたは他のプログラム可能装置で実行する命令が、ブロックまたは複数のブロックのフローチャート及び/またはブロック図で指定される機能/行為を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを作り出すためにコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスの上にロードされてもよい。
【0174】
本明細書で説明する方法のいくつかは、一般に、コンピュータによる使用のみを目的として設計されており、人間の専門家が完全に手動で実行するには適していない、または実用的ではない可能性がある。ワイヤのソケット内への差し込み及び/または電気キャビネットのアーキテクチャの設計など、同様のタスクを手動で実行したい人間の専門家は、全く異なる方法、例えば、専門知識を利用する方法、及び/または人間の脳のパターン認識能力を利用する方法を用いることが予想され得、それにより本明細書に記載の方法のステップを手動で行うよりもはるかに効率が良くなるはずである。
【0175】
本発明のいくつかの実施形態を、本明細書では、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明する。このとき図面を詳細にわたって具体的に参照するが、図示されている細部は例示として本発明の実施形態を説明的に考察することを目的としたものであることが強調される。この点に関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0176】
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な自動配線システムの概略図である。
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、設計コンソール内で、かつ設計コンソールによって電気回路図を機械製図とマージする例示的な方法のフローチャートである。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な自動配線ユニット/システムの回路図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な自動配線ユニット/システムの概略図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤ準備モジュールの概略図である。
図5】A~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤマニピュレータの概略図である。
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤ準備方法のフローチャートである。
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤ準備方法のフローチャートである。
図6C】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤ準備方法のフローチャートである。
図7A】本発明のいくつかの実施形態による、複数の関節を含む例示的な配線アームモジュールである。
図7B1】コネクタ内にワイヤを配線するときに人間によって実行される例示的で典型的なアクションサイクルの概略図である。
図7B2】コネクタ内にワイヤを配線するときに人間によって実行される例示的で典型的なアクションサイクルの概略図である。
図7B3】コネクタ内にワイヤを配線するときに人間によって実行される例示的で典型的なアクションサイクルの概略図である。
図7B4】コネクタ内にワイヤを配線するときに人間によって実行される例示的で典型的なアクションサイクルの概略図である。
図7B5】コネクタ内にワイヤを配線するときに人間によって実行される例示的で典型的なアクションサイクルの概略図である。
図8A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線アームモジュールの概略図である。
図8B】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線アームモジュールの概略図である。
図9A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線エンドエフェクタモジュールの概略図である。
図9B】本発明のいくつかの実施形態による、ワイヤ保持要素の部品の概略図である。
図9C1】本発明のいくつかの実施形態による、細長い延出部上に位置しているセンサの概略図である。
図9C2】本発明のいくつかの実施形態による、延出部が連結される例示的なジンバルブロックの概略図である。
図9C3】本発明のいくつかの実施形態による、延出部が連結される例示的なジンバルブロックの概略図である。
図9D】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤロック要素の概略図である。
図9E1】本発明のいくつかの実施形態による、配線エンドエフェクタモジュールと異なるタイプの端子台との複数の例示的な相互作用の概略図である。
図9E2】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なフェルールの概略図である。
図9E3】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なフェルールの概略図である。
図9F】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線エンドエフェクタモジュールによる例示的な配線方法のフローチャートである。
図9G】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線エンドエフェクタモジュールによる例示的な配線方法のフローチャートである。
図9H】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線エンドエフェクタモジュールによる例示的な配線方法のフローチャートである。
図10】本発明のいくつかの実施形態による、配線アームモジュールによる例示的な配線方法のフローチャートである。
図11】本発明のいくつかの実施形態による、自動配線システムの例示的なデータフロー及び操作の概略図である。
図12】本発明のいくつかの実施形態による、発光ユニットの自動電気配線の概略図である。
図13】A~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、発光ユニットの自動電気配線のワイヤエンドエフェクタの概略図である。
図14】本発明のいくつかの実施形態による、ワイヤのワイヤ端子内への差し込みのために使用される例示的な力の概略図である。
図15】本発明のいくつかの実施形態による、専用ワイヤ準備モジュールを備えた例示的な水平方向自動配線システムの概略図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態による、専用ワイヤ準備モジュールを備えた別の例示的な水平方向自動配線システムの概略図である。
図17A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な水平方向自動配線システムの概略図である。
図17B】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な水平方向自動配線システムの概略図である。
図17C】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な水平方向自動配線システムの概略図である。
図17D】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な水平方向自動配線システムの概略図である。
図18】A~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、2つの自動化されたメカニカルアームによる配線プロセス、及び水平方向ワイヤ準備モジュールの概略図である。
図19】本発明のいくつかの実施形態による、グリッパ内のセンサによって識別される、電気端子コネクタ内へのワイヤの差し込みの例示的なフェーズを説明するグラフである。
図20】A~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、3つの異なるシナリオにおいてグリッパが感知した力の3つの異なる例である。
図21】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なシナリオの特性の複数のテスト実験を示す。
【発明を実施するための形態】
【0177】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、自動電気配線システム及び方法に関し、さらに特に、限定するものではないが、電気キャビネット用の自動電気配線システム及び方法に関する。
【0178】
概要
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、電気キャビネットの配線を設計し、自動化された機械によって配線を実行することに関する。
【0179】
いくつかの実施形態では、自動配線操作は、配線シーケンスの設計図作成及びシミュレーションによる最適化を含み、これらにより、電気キャビネットの配線のセットアップ時間エンジニアリングが削減され、実際の配線実行時間が短縮される可能性がある。いくつかの実施形態では、自動配線機械は、触覚フィードバック用の複数のセンサを備え、これらにより、妥当な位置へのワイヤの差し込みが増加する可能性があり、妥当性確認プロセスの時間が短縮される可能性がある。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、人工知能(AI)アルゴリズムによるミクロ及びマクロ動作解析を利用して複数の最適化プロセスを実行し、セットアップ時間を短縮する可能性がある。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、構成要素の位置及び識別のために深層学習及び/または視覚に基づいたアルゴリズムを利用することにより、妥当な位置へのワイヤの差し込みが増加する可能性があり、妥当性確認プロセスの時間が短縮され、キャビネットの配線サイクル/実行時間が改善される可能性がある。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、インピーダンス制御によるワイヤ差し込みに強化学習を利用し、そのうえ任意選択で検索ルーチンも利用し、これらすべてが妥当な位置へのワイヤの差し込みの精度/性能を向上させる可能性がある。
【0180】
いくつかの実施形態では、自動配線システムは、ケーブルのチャネル/トラック内へのワイヤ配置により、キャビネット内での無計画な配線が防止されることを可能にするための命令を含む。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、経路に沿ったケーブルの適切な配索を固定する操作中に、ワイヤのねじれを防止するための命令を含む。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、ケーブルが2箇所で保持される(ただし、必ずしも2つの端部で保持されない)場合のケーブルのたるみを管理する。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、ダクト内のルートに沿ったケーブルに対する障害物、または実際のケーブルトレイ/ダクトに対する障害物を回避するための命令を含む。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、ジャンクションの識別による、任意選択でたるみ及びケーブル垂れ下がりの位置を固定することによる、衝突回避及びたるみ管理を伴う配索をハーネスで接続する(つまり、マルチエンド(2つより多い)を備えたハーネスで接続する)ための命令を含む。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、電気キャビネット内の複数のワイヤの設計及び/または配索及び/または位置決めのために、ケーブルのトラック/チャネル内で以前に位置決めされたワイヤの長さ及び/またはワイヤの数を考慮するための命令を含む。いくつかの実施形態では、ケーブルのトラック/チャネル内のケーブルの配索には、少なくとも2つのケーブルマニピュレータ(代替にロボットアームなど)が必要であり、1つはケーブルの位置(角部など)を固定し、もう1つはケーブルのトラック/チャネル内でのケーブルの位置決めを続行する。
【0181】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、ロボットマニピュレータによる電気コネクタへのワイヤの差し込みに関する。いくつかの実施形態では、ロボットマニピュレータは、複数のセンサを含むスマートホルダを備える。いくつかの実施形態では、ホルダは指状のホルダを含む。いくつかの実施形態では、ワイヤの差し込みは、ワイヤを操作すること、及びワイヤの状態に関する、そのうえ任意選択で構成要素のコネクタに関するフィードバックを複数のセンサから受信することを含む。以降本明細書では、「コネクタ」という用語は、ワイヤ及び/またはワイヤヘッドが構成要素上に接続される位置を指す。以降本明細書では、「構成要素」という用語は、ワイヤ及び/またはワイヤヘッドを接続できるコネクタを備える、配線が必要な物体(例えば、電気キャビネット)の一部である任意の構成要素、例えば、配線用遮断器、電気部品、コンピュータコンポーネント、電子部品などと称される。「ワイヤヘッド」という用語は、以降本明細書では、専用の取り付け部(例えば、フェルール)、または露出した金属ワイヤだけの専用コネクタ(例えば、データ及び/またはビデオ及び/またはネットワークなどのためのもの)を含むかどうかにかかわらず、ワイヤの任意の端部を指す。
【0182】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、2つのロボットマニピュレータによるワイヤの操作に関し、ロボットマニピュレータはワイヤ上の2つの異なる点からワイヤを保持する。いくつかの実施形態では、ワイヤを操作することは、ワイヤに一定レベルの張力を維持することを含む。いくつかの実施形態では、ワイヤを操作することは、配線アクションを実行するためにワイヤを保持しながら、標的に対する2つのマニピュレータのそれぞれについての三次元座標を識別することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の記述で記載される、ならびに/または図面及び/もしくは実施例に示される、構造の詳細ならびにコンポーネント及び/または方法の配列に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0183】
ここで図面を参照すると、図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な自動配線システムの概略図を示す。
【0184】
いくつかの実施形態では、システムは、電子機器102、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、携帯電話、及び専用設計ステーションのうちの1つまたは複数で使用される電気設計ソフトウェアを含む。簡単にするために、以降本明細書ではソフトウェア及び電子機器は設計コンソールと称される。
【0185】
いくつかの実施形態では、システムは、技術的な電気データ、電気設計、機械製図、ビジネスデータなどのうちの1つまたは複数を有するデータベース104を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、システムは、自動電気配線ユニット/システム/モジュール106のうちの1つまたは複数を含むが、これらについては以下でさらに説明する。
【0187】
いくつかの実施形態では、電子機器102上のソフトウェア、データベース104、及び1つまたは複数の自動電気配線ユニット/システム/モジュール106は、有線接続、無線接続、及びクラウドサーバ108を介した無線接続のうちの1つまたは複数によって相互に通信する。いくつかの実施形態では、データベース104及びクラウドサーバ108は1つである。
【0188】
設計コンソールの例
いくつかの実施形態では、設計コンソールは、電気キャビネットを仮想で設計するのに専用のグラフィカルインタフェースユニット(GUI)を含む。いくつかの実施形態では、ユーザは、必要なスイッチ、ノブ及びディスプレイのうちの1つまたは複数を含む、プロジェクトに関連するすべての必要な情報及び要件、熱放散、無線周波数干渉及び静電気放電保護に対する需要、ワイヤ、コネクタ、電線管の必要な数、ワイヤのタイプをインサートし、ワイヤ情報は、ワイヤゲージ、色、日射タイプ、エンドピースタイプなどを含む場合があり、キャビネット内の構成要素は、スイッチ、配線用遮断器、リレー、カプラ、ドライバ、コンピュータ部品、基板などの様々な電気部品及び電子部品を含む場合がある。
【0189】
いくつかの実施形態では、設計コンソール102は、部品表及び接続リスト、または組立説明書及びデータシートなどの関連文書を含むすべての設計データを管理する。いくつかの実施形態では、設計コンソールの潜在的な利点は、そのオブジェクト指向データ構造により、常に設計データにマッチングする製造命令が確保されることである。いくつかの実施形態では、設計コンソール102は、実際の部品のみが使用されることを確保し、任意選択で自動部品選択による設計の駆動を支援する、構成要素に基づいた部品ライブラリを含むデータベース104と通信する。
【0190】
いくつかの実施形態では、設計コンソール102は、ユーザが電気キャビネットの配線に必要な複数の設計図を作成することを支援するように構成される。例えば、電気キャビネット内のどこにどのようなタイプのワイヤが接続されているかを表す電気回路図、電気キャビネット内の様々な構成要素のレイアウトモデルを表す機械製図(通常は電気技術者及び/または機械技術者によって実行される)。
【0191】
いくつかの実施形態では、データベースは、以前のユーザが使用した、及び/またはライブラリにインサートした部品のライブラリを含む。いくつかの実施形態では、部品のライブラリは、特定の部品に関する技術情報を含み、各部品はいずれかの設計図で表される。例えば、電気技術者はライブラリからの特定の部品(配線用遮断器など)を特定のワイヤ接続(電気回路図に示される)に使用し、機械技術者は部品の位置を使用して、ワイヤの差し込み点の物理的な位置を識別する。
【0192】
いくつかの実施形態では、設計コンソール102は、例えば、生産技術者によって操作され、生産技術者は、電気回路図と機械製図との両方を1つの設計図に統合し、この設計図を使用して、組み立てのために自動電気配線ユニット/システム106を操作する。いくつかの実施形態では、システム自体は、両方の設計図を自動的にマージし、任意選択で生産技術者(または他の専任担当者)の承認後、それらの設計図を組み立てのために自動電気配線ユニット/システム106に提供する。いくつかの実施形態では、さらに、自動電気配線ユニット/システム106による実際の組み立ての前にシミュレーションが実行される。いくつかの実施形態では、データの連続性は、例えば、電気回路図及び機械製図の設計及びマージを含むキャビネットの設計図作成から、構成要素の取り付け、ワイヤ配索の設計図作成、システムの各部品によって実行されるアクションを含むキャビネットの実際の配線まで、プロセス全体にわたって保持される。データの連続性、マージプロセス、及びその他のプロセスの詳細については、www(dot)smart-cabinet-building(dot)com/en/index.jspを参照されたい。その内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0193】
いくつかの実施形態では、機械製図がなく、部品表(BOM)のみがある場合、空の(配線されていない)キャビネットは、専用のスキャンソフトウェアを使用してスキャンされて分析されることができると、キャビネット及び/または構成要素のタイプが認識される。いくつかの実施形態では、次いで、システムは、スキャン及びBOMに基づいて配線の設計図を作成する。
【0194】
いくつかの実施形態では、設計コンソール102は、エラーをチェックし、潜在的にエラーを防止するように構成された「ビルトインリアルタイム設計ルールチェッカ」を含む。いくつかの実施形態では、この特徴の潜在的な利点は、潜在的にエラーを事前に回避することであり、これは、後から生産段階でエラーを発見するよりも優れている。いくつかの実施形態では、設計コンソールは、デバイスの重複防止、短絡防止、中央に格納された副回路またはモジュールによる設計の再利用、自動及び並列接続、図面及び領域の保存、ロード、コピー、回転及びミラーリング、シンボル及びコンポーネントを交換する広範な機能、コンポーネント駆動のインテリジェント部品ライブラリ、設計で有効な部品のみが使用されていることの確保、単純及び複雑な変形ならびにオプション管理、接続及びデバイスのオンライン相互参照、オブジェクト及びテキストのハイパーリンク、ユーザ定義の属性、ユーザ定義のグリッドサイズ、フォント及びラインタイプならびに動的なズーム及びパンを含む基本機能を有する。
【0195】
いくつかの実施形態では、設計コンソールは、ワイヤ設計図及びハーネスレイアウトの設計及び文書化を含む。いくつかの実施形態では、この設計では個々の導体を組み合わせて、新しいワイヤまたはハーネスを形成することができる。いくつかの実施形態では、シールド及びツイストペア構造をワイヤに追加して、回路図に自動的に示すこともできる。いくつかの実施形態では、ビューにより、単線結線図、配線図及びワイヤ設計図などのデバイスの代替の文書化が可能になる。例えば、コネクタは回路図では単一ピンとして表され、ワイヤ設計図では完全なコネクタとして表されることができる。いくつかの実施形態では、ビューのいずれかを変更すると、他のすべてのビューが即時に更新され、すべての文書化を同期することが確保される。
【0196】
いくつかの実施形態では、設計コンソールはブロック機能を含む。いくつかの実施形態では、ブロックは、構成要素、ラック機器、ブラックボックス、PCB、ならびに階層全体を通したシステム及びサブシステムを表す。いくつかの実施形態では、コネクタピンがブロックに動的に追加され、信号情報が横に表示される。いくつかの実施形態では、ブロックは階層的なシステム及びサブシステムを表すため、ユーザはブロックを下のレベルまでトンネルで掘り下げることができ、信号及び接続はレベルとサブレベルとの間で渡すことができる。いくつかの実施形態では、階層によってトップダウン及びボトムアップの設計が可能になり、設計の再利用が促進され、管理者にシステムレベルの概要が提供される。いくつかの実施形態では、航空宇宙産業及び自動車産業で使用されるような、コネクタの特別な表現は、専用の拡張機能を使用して自動的に作成され得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、システムは、例えば、すべての接地用バーが例えば州/国/CE/ULの規制に従って適切に配置されてサイズ設定されるなど、特定の規格及びまたはコードに従って設計を妥当性確認するための命令を含む。
【0198】
ここで図1Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、設計コンソール102内で、かつ設計コンソール102によって電気回路図を機械製図とマージする例示的な方法のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、ユーザは、電気回路図120及び/または機械製図122のルールを設計コンソール102に提供する、及び/またはインサートする。いくつかの実施形態では、ルールは、政府が要求する1つ以上の規格、クライアントによる特別な要件、技術的な限界、及びユーザが設計コンソール102に追加したい他の任意のルールに関連するルールである。いくつかの実施形態では、その後、ユーザは、設計コンソール102自体で電気回路図124及び/または機械製図126を設計する。いくつかの実施形態では、異なる設計は、異なるユーザによって提供され、設計コンソール102に独立してインサートされる。いくつかの実施形態では、設計は他の箇所で作成され、設計コンソール102に手動でインサートされる。いくつかの実施形態では、設計を受信すると、設計コンソール102は、設計のチェックを実行して、設計が設定されたルールに従っていることを確保する(128/130)。いくつかの実施形態では、設計のいずれかに問題がある場合、システムはユーザに通知する。いくつかの実施形態では、訂正は設計コンソール102自体で行われる。いくつかの実施形態では、ユーザは、他の箇所で作成された訂正済み設計を持ち込む。いくつかの実施形態では、設計が承認されると、設計コンソール102は、電気回路図と機械製図との間でマージすることにより(132)、元になる配線設計図を作成する。いくつかの実施形態では、マージ後、設計コンソール102は、任意選択で、各設計のルールの追加のチェックを実行して、すべてのルールが依然として維持されていることを確保する(134)。いくつかの実施形態では、システムはその後、ロボット配線設計図を準備することに続く(136)。
【0199】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、DINの長さ及び数、配線が必要な電気キャビネットの要素に専用の実際のスペースを含む、電気キャビネットの技術データをインサートする。いくつかの実施形態では、設計コンソール102は、ユーザによってインサートされた電気キャビネットの技術データを考慮して、電気回路図及び/または機械製図のチェック、及び/またはそれらのマージを実行するための命令を含む。いくつかの実施形態では、設計コンソール102が矛盾及び/または問題を発見すると、ユーザにメッセージを送信する。任意選択で、ユーザは設計図を編集して再チェックすることができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、設計コンソールは、電気ケーブル敷設/配線の詳細(構成要素、コネクタ、端子、スプライス、ネットリスト情報)を自動電気配線ユニット/システム106に転送することを可能にする。
【0201】
いくつかの実施形態では、設計コンソールは、2次元か3次元かいずれかでの作業を可能にする。いくつかの実施形態では、設計コンソールにより、ユーザはパネル筐体内に構成要素をレイアウトすることが可能になる。いくつかの実施形態では、インテリジェント自動スナップポイントにより、部品を正しい位置に簡単に配置することが可能になり、締め出し及び高さ制限により破損を防ぐことも可能である。いくつかの実施形態では、システムの潜在的な利点は、使いやすいシステムを提供することであり、これは、ユーザが潜在的にMCADツールを理解する必要がないことを意味する。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、最短ルート及び任意の分離要件を考慮して、パネル内のダクトを通るワイヤのルートの設計図を自動的に作成するように構成される。いくつかの実施形態では、設計図作成中にダクト充填容量もチェックされる。いくつかの実施形態では、各ワイヤの長さが計算され、その情報が自動電気配線ユニット/システム106に渡される。
【0202】
いくつかの実施形態では、複数のワイヤの設計図及び配索に基づいて、以下の態様の例、物理的制約(例えば、衝突/障害物を避けるためにデバイスにワイヤ11を12より先に差し込む)、及び他の優先順位に基づいたシーケンスの最適化(例えば、サイクルタイムの短縮)のうちの1つまたは複数に基づいて、ケーブル配置の優先順位が生成される。
【0203】
いくつかの実施形態では、設計コンソールは、電気パネル設計の単純化されたモデルを利用して、完全な機械設計における衝突をチェックする。いくつかの実施形態では、この機能により、完全なデジタルモックアップが間隔要件、衝突/干渉検出、及び誤り防止を評価することが可能になる。いくつかの実施形態では、複数のユーザは、同時に、任意選択で独立してまたは共同して、システムを利用することができる。いくつかの実施形態では、設計コンソールは、すべての変更が追跡され文書化されることを確保する。いくつかの実施形態では、設計の代替の改訂が相互に比較され、あらゆる変更がグラフィック形式とテキスト形式との両方で報告され、格納される。いくつかの実施形態では、製造データは、自動電気配線ユニット/システム106へのルート及び長さの情報を含む、ワイヤリスト形式で設計から抽出される。
【0204】
シミュレーションモジュールの例
いくつかの実施形態では、設計コンソールは、設計プロセス中及び/または設計プロセス後、電気キャビネットの性能の仮想シミュレーションを実行するための命令を有する専用ソフトウェアを含むシミュレーションモジュールを備える。いくつかの実施形態では、シミュレーションが実行された後、シミュレーション結果に従って、及び/またはシミュレーション結果を考慮して、最適化プロセスが実行される。
【0205】
いくつかの実施形態では、シミュレーションモジュールは、システム(例えば、ロボットアーム)とキャビネット部品との衝突を潜在的に防止するためにシミュレーションを実行する。いくつかの実施形態では、シミュレーションモジュールは、最良のサイクルタイムを有するシーケンスを選択するために、様々なシーケンスを妥当性確認するためにシミュレーションを実行する。いくつかの実施形態では、シミュレーションモジュールは、電気キャビネット内の部品表(BOM)に含まれるすべての構成要素の配置の妥当性確認に使用される。いくつかの実施形態では、シミュレーションモジュールは、すべての設計図が電気キャビネットの配線の設計に使用されることを妥当性確認するために使用される。いくつかの実施形態では、シミュレーションモジュールは、自動電気配線ユニット/システム106の実行前に使用される。いくつかの実施形態では、シミュレーションモジュールは、コードを作成し、任意選択でそれを自動電気配線ユニット/システム106にダウンロードする。いくつかの実施形態では、シミュレーションモジュールは、エンドユーザにキャビネット組み立てのコストを設定するために使用される。いくつかの実施形態では、シミュレーションを使用して、原材料の使用を最適化する、例えば、銅を節約するために、使用されるワイヤの全長を最小にする。
【0206】
タスクをマクロプロセス及びミクロプロセスに分割する例
いくつかの実施形態では、設計コンソールのソフトウェアは、自動配線プロセス全体を複数のミクロプロセスを含む複数のマクロプロセスに分割するための命令を含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションの使用を含む、最適化プロセスは、任意選択ですべてではないがほとんどのマクロプロセス及びミクロプロセスを最適化することによって、マクロプロセス及びミクロプロセスがタスクに従って最適な方法で実行されることを確保する。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、AIアルゴリズムによるミクロ及びマクロ動作解析を利用して複数の最適化プロセスを実行し、セットアップ時間を短縮する可能性がある。いくつかの実施形態では、AIアルゴリズムは、配線パフォーマンスにおける誤り及び/または繰り返す障害を分析し、任意選択でそれらをパネル内の特定の構成要素及び/または位置と相関させて、パネルの配線の設計図を作成するときに事前に解決策及び/または警告を提供するように構成される。
【0207】
いくつかの実施形態では、ミクロプロセスは使用される特定のツールに依存するが、同様のマクロプロセスは自動電気配線ユニット/システム106内の実際のデバイスに対して異なるミクロプロセスを使用することができる。
【0208】
いくつかの実施形態では、ミクロ操作ライブラリは、その対応するミクロ操作をツールに提供する第三者エンティティの一部であり、例えば、グリッパは電気的に操作されることができると、モータ(代替に、空気圧アクチュエータを使用してもよい)を作動させて把持タスクを実行するミクロ操作がもたらされることができる。いくつかの実施形態では、ミクロ操作は、ワイヤが適所に実際に固定されたことを識別するなどのための感知モジュールを含むことができる。
【0209】
自動配線ユニット/システム106の例
いくつかの実施形態では、電気キャビネットの設計図作成及び/または設計の後、最終設計は組み立てのために自動配線ユニット/システム106に渡される。いくつかの実施形態では、電気キャビネットは、パネル、システム、アプライアンス、または配線を必要とする他の任意のデバイスであり得る。
【0210】
ここで図2及び3を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な自動配線ユニット/システム106の回路図(図2)及び概略図(図3)が示されている。いくつかの実施形態では、例示的な自動配線ユニット/システム106は、主ケーシング202の一部として及び/または内部に1つまたは複数のモジュール、例えば、ワイヤ準備モジュール204、1つまたは複数の配線アームモジュール206、1つまたは複数の配線エンドエフェクタモジュール208、パネルハンドリングモジュール210、品質保証(QA)モジュール212(図2のみに示す)、及びソフトウェアモジュール214(図2のみに示す)を含む。
【0211】
ソフトウェアモジュール214の例
いくつかの実施形態では、自動配線ユニット/システム106は、配線ユニット/システム106内の異なるモジュールすべて、及び外部システムと通信するソフトウェアモジュール214を含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュール214は、設計コンソール(外部システム)から設計図を受信し、配線設計図を実行するために自動配線ユニット/システム106内の異なるモジュールを作動させる。
【0212】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュール214は、システムのデバッグ、及びシステムメンテナンスの実行及び/またはスケジューリングの機能も担う。
【0213】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュール214は、とりわけ、実行前及び実際の実行中にプロセス(またはその一部)を妥当性確認することを可能にする、オンサイトシミュレーションソフトウェアを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ランタイムソフトウェアを編集して、例えば、新しいワイヤを追加し、既存のワイヤのルートを編集すること、及び/またはワイヤを省略することができる。いくつかの実施形態では、ゲージ、色などのワイヤパラメータもユーザによって編集され得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、テスト及び/またはQAルーチンを実行ソフトウェアに追加することができる。
【0215】
パネルハンドリングモジュール210の例
いくつかの実施形態では、様々なパネルハンドリングモジュールは、システム106へのパネルの載荷及び除荷のプロセスをサポートすることができる。いくつかの実施形態では、パネルハンドリングモジュール210は、自動配線ユニット/システム106内で電気キャビネットをその軸を中心に回転させて、電気キャビネットの載荷、電気キャビネットの除荷のうちの1つ以上を容易にし、ユーザのアクセスにより、電気キャビネットが自動配線ユニット/システム106内にありながら装備されることが可能になるように構成される。いくつかの実施形態では、パネルハンドリングモジュールは、パネルを垂直方向(例えば図3に示すように)及び/または水平方向(例えば図15に示すように)に保持することができる。
【0216】
いくつかの実施形態では、パネルハンドリングモジュールは、自動または半自動載荷/除荷システムと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、載荷/除荷システムは、回転ではなく直線的に運動している。
【0217】
QAモジュール212の例
いくつかの実施形態では、QAモジュール212は、自動配線ユニット/システム106のすべてのモジュールと通信し、自動配線ユニット/システム106の機能が妥当なことを確保するために複数のアクションを実行するように構成される。いくつかの実施形態では、監視される機能は、ワイヤ差し込みの妥当性確認、電気キャビネット内の電気部品の位置の妥当性確認、ワイヤ配索の検証、電気部品の電気コネクタ内のロック機構の作動の妥当性の確認(例えば、コネクタ内でワイヤを保持しているねじのトルクを妥当性確認することによる)、ならびに任意選択で、ワイヤ接続の妥当性確認及び電気的完全性の妥当性確認のうちの1つまたは複数である。
【0218】
いくつかの実施形態では、自動配線機械は、触覚フィードバック、力覚フィードバック、モーメント/トルクフィードバック用の複数のセンサを備え、これらにより、妥当な位置へのワイヤの差し込みが増加する可能性があり、妥当性確認プロセスの時間が短縮される可能性がある。
【0219】
いくつかの実施形態では、視覚システム及び/または光学システムがQAに使用される。いくつかの実施形態では、システムに様々な負荷を与えることによって、例えば、2つの細長い延出部910a~b(以下を参照)を通じて、または配線アームモジュールに(自動または手動で)取設され得る特定のツールを通じて、電流/電圧を異なるレベルで送達することによって、様々な電気回路がチェックされることができる。例えば、コネクタ内のロック機構を作動させるロック作動機構は、ワイヤを押し付けるようにねじを作動させる、ドライバを含む。いくつかの実施形態では、電流を使用して、例えば2つの構成要素(各アームに1つ)に触れ、抵抗及びまたは電流のパラメータによって導通を妥当性確認することによって、導通/抵抗の試験を実行する。
【0220】
いくつかの実施形態では、自動配線システムは、構成要素の位置及び識別のために深層学習アルゴリズムを利用することにより、妥当な位置でのワイヤの位置妥当性確認及び差し込みが増加する可能性があり、妥当性確認プロセスの時間が短縮される可能性がある。
【0221】
いくつかの実施形態では、構成要素の一部がQAシステムから部分的に隠される(または部分的にのみ可視である)可能性があるため、システムの深層学習(D/L)アルゴリズムは、以前に学習したプロセスを使用して、部品を識別し、それらの位置を推定する。
【0222】
いくつかの実施形態では、例えば、特定のコネクタでは通常、接地線がポートAに向かうが、ある命令セットでは、接地線がポートBに(誤って)配索される場合、D/Lアルゴリズムを使用して、配索システムで起こり得る誤りを予測し、システムは警告を発する、または代替に、他のロジックを使用してポートBも接地線を受け入れることができるかどうかを確認する。
【0223】
いくつかの実施形態では、自動配線システムは、インピーダンス制御による可撓性ワイヤの差し込みに強化学習を利用して、妥当な位置へのワイヤの差し込みを増加させる可能性がある。
【0224】
いくつかの実施形態では、自動配線システムは、フィードバックシステムを有する検索ルーチンを使用して、構成要素のコネクタにワイヤを差し込むための開口部(ポート)を設ける。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、ワイヤの差し込み前及び/またはその最中、他のセンサの有無にかかわらず、視覚システムを使用して、構成要素内にコネクタの開口部を設ける。いくつかの実施形態では、自動配線システムは、構成要素上でドライラン(スキャン)を実行して、構成要素内のコネクタの開口部の位置を(視覚、光学、触覚などの様々なセンサを使用して)妥当性確認し、補正デルタ位置を提供してから、差し込みルーチンを実行する。
【0225】
ワイヤ準備モジュール204
ここで図4を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤ準備モジュール204の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、自動配線ユニット/システム106は、ワイヤ準備モジュール204を含む。いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュール204は、自動配線ユニット/システム106の不可欠な部分である。いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュール204は、任意選択で自動配線ユニット/システム106の外部にある、独立したモジュールである。いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュール204は、自動配線ユニット/システム106によって電気キャビネットに組み込むためのワイヤの準備の機能を担う。
【0226】
いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュール204は、以下の部品、複数のワイヤストック402、ワイヤマニピュレータ404がモジュール間で移動することを可能にするレール410を備える1つまたは複数のワイヤマニピュレータ404(以下を参照)、少なくとも1つのワイヤストリッパモジュール406、複数のワイヤエンドコネクタ(ワイヤヘッド)取り付けモジュール408、ワイヤカッタ414、及びワイヤ準備モジュール204のすべてのモジュール及び部品を収容するように構成されたフレーム412のうちの1つまたは複数を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュール204は、準備中のワイヤに個別化されたマーク付けを追加するように構成されたワイヤマーク付けデバイスを含む。例えば、ワイヤマーク付けデバイスは、レーザ、ステッカ、またはワイヤの表面に印刷するように構成された、もしくはワイヤにマーク付けするステッカもしくはスリーブを追加するように構成されたその他の任意の印刷機によって、数字、文字、記号などを追加することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤマーク付けデバイスの潜在的な利点は、後でキャビネット内の特定のワイヤを潜在的に容易に見つけることを可能にすることである。
【0228】
フレーム412の例
いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュール204は、ワイヤ準備モジュール204のすべてのモジュール及び部品を収容するように構成されたフレーム412を備える。図4では、フレーム412は垂直フレームである。本発明の理解を容易にするために、以下の説明は、図4に示されるような垂直フレームを参照する。一般にはワイヤ準備モジュール204のその他の構成、及び具体的にはフレーム412の構成(例えば、以下の例示的な水平方向の自動配線キャビネットを参照)が依然として本発明の範囲内にあることを理解されたい。いくつかの実施形態では、垂直フレームを有する潜在的な利点は、ワイヤ準備プロセス中にワイヤマニピュレータ404によるワイヤの運動を容易にすることも可能にするシーケンス方式で、ワイヤ準備モジュール204の異なる部品を位置決めすることを可能にすることである。いくつかの実施形態では、フレーム412の長さはレール410の最大長を決定する。
【0229】
ワイヤマニピュレータ404の例
いくつかの実施形態では、ワイヤマニピュレータ404は、ワイヤストック402から必要なワイヤの第一遠位端部を挟持し、それをまずワイヤストリッパモジュール406に運搬するように構成される。そのワイヤストリッパモジュールでは、第一遠位端部をストリップし、ワイヤ心線を露出させた後、任意選択で、次に複数のワイヤエンド取り付けコネクタ408のうちの1つに運搬することで、先程露出したワイヤ心線上に、コネクタが取り付けられる。いくつかの実施形態では、露出したワイヤ心線は、電気キャビネットに差し込まれるために露出したままにされる。いくつかの実施形態では、レール410の長さ(フレーム412の長さによって決まる)によって決まる、2つのワイヤマニピュレータ404間の最大距離よりもワイヤの必要な長さが短い場合、図4に開示される例では、第一ワイヤマニピュレータは、フレーム412及びワイヤストック402に対して上向きに移動することによって、必要なだけワイヤを引き出し、第二ワイヤマニピュレータは、ワイヤの第二遠位端部を摘み上げ、それをワイヤカッタ414に運搬し、ワイヤを切断することで、ワイヤの送り遠位端部が作成される。いくつかの実施形態では、第一遠位端部で行われたように、第二ワイヤマニピュレータは、第二遠位端部をまずワイヤストリッパモジュール406に運搬し、そこで第二遠位端部をストリップし、ワイヤ心線を露出させた後、次に複数のワイヤエンド取り付けコネクタ408のうちの1つに運搬することで、先程露出したワイヤ心線上に、コネクタが取り付けられる。
【0230】
いくつかの実施形態では、ストリップされたワイヤにワイヤエンドコネクタを取り付ける前か後かいずれかに、ワイヤ自体を、任意選択で、上記に開示されるように、ワイヤマーク付けデバイスによってマーク付けすることができる。
【0231】
いくつかの実施形態では、ワイヤストックは横方向に移動して、様々なワイヤをフィード領域内に位置決めする。いくつかの実施形態では、ワイヤストックは、複数の異なるワイヤリール、例えば約5から約10個の異なるワイヤリール、任意選択で約5から約20個の異なるワイヤリール、任意選択で約5から約50個の異なるワイヤリール、例えば5、8、または20個の異なるワイヤリールを含むことができる。いくつかの実施形態では、リールは、異なる電気キャビネット組立体に対して手動または自動で交換され得る。
【0232】
ここで図5A~Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤマニピュレータ404の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、ワイヤマニピュレータ404は、ワイヤ準備プロセス中にワイヤの端部をリバーシブルに保持するように構成されたワイヤホルダ502を備える。いくつかの実施形態では、ワイヤホルダは、2つの細長い要素504/506を備え、これら2つの細長い要素は、開閉して、その間にワイヤの端部を保持するように構成される。いくつかの実施形態では、2つの細長い要素の間にワイヤ端部を保持するために加えられる力は、約0.5Nから約5Nである。いくつかの実施形態では、ワイヤホルダ502は、ワイヤに加えられる力を監視するように構成された1つまたは複数の力センサを備える。いくつかの実施形態では、任意選択で、トルクセンサ、光センサ、及び/または導電率/静電容量センサなどの他のセンサを、ワイヤとグリッパとの相互作用の妥当性確認に使用する。いくつかの実施形態では、ワイヤホルダ502はワイヤホルダ基部508に接続される。いくつかの実施形態では、ワイヤ保持基部508は、例えば図5Bの矢印512によって示されるように、ワイヤホルダのX軸510に沿った回転を可能にするように構成された回転機構を備える(XYZ座標画像を参照)。いくつかの実施形態では、コンプライアンス小型機構は、差し込み中のアライメントずれの保護を与えるようにワイヤ保持基部508を保持している。いくつかの実施形態では、ワイヤ保持基部508は、図5Aの矢印516によって示されるように、コネクタ518を越えてY軸に沿って移動するように構成された可動要素514に接続される。いくつかの実施形態では、コネクタ518は、レール410上でZ軸に沿って(上下に)移動するように構成された第二基部520上に取り付けられる。
【0233】
いくつかの実施形態では、上記の段落から理解できるように、ワイヤマニピュレータ404は、ワイヤホルダ502をX軸510に沿って回転させてワイヤストック402からワイヤの端部を摘み上げてから、摘み上げられたばかりのワイヤの端部がこれらのモジュール、及びワイヤ準備モジュール204の部品に対向するようにワイヤホルダ502を回転させて戻すように構成される。いくつかの実施形態では、ワイヤの端部は、可動要素514を利用して、モジュールのそれぞれに差し込まれる。この可動要素は、Y軸に沿って移動することで、ワイヤの端部をモジュールに差し込み、モジュールから抜き出すように構成される。いくつかの実施形態では、第二基部520をレール410上でZ軸に沿って(上下に)移動させることによって、ワイヤは異なるモジュールに沿って移動する。
【0234】
ワイヤストリッパモジュール406の例
いくつかの実施形態では、ワイヤストリッパモジュールは、ワイヤの端部から被覆(通常はプラスチックまたは絶縁用の他の材料)を自動的にストリップし、ワイヤ心線(通常は金属ワイヤで作られる)を露出させるように構成される。いくつかの実施形態では、追加または代替として、プログラム可能なストリップナイフを使用してワイヤ被覆をストリップする。
【0235】
ワイヤエンドコネクタ(ワイヤヘッド)取り付けモジュール408の例
いくつかの実施形態では、ワイヤエンドコネクタ取り付けモジュールは、ワイヤのストリップされた端部を受け入れ、例えばフェルールとしても当技術分野で知られている、コネクタ/ワイヤヘッドを自動的に取り付けるように構成される。ワイヤコネクタ/ワイヤヘッドは当技術分野で知られており、例えば、リングコネクタ、スペードコネクタ、及びブレードコネクタのうちの1つまたは複数であることができる。
【0236】
ワイヤカッタ414の例
いくつかの実施形態では、ワイヤカッタはワイヤを切断するように構成される。
【0237】
ワイヤストック402の例
いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュール204は、複数のワイヤストック402を備える。いくつかの実施形態では、ワイヤストックは、電気キャビネットで使用される複数の異なるタイプのワイヤ、例えば、シールドワイヤ、異なるゲージのワイヤ、異なる色のワイヤ、及び/またはRF用などの異なるタイプの絶縁体を含む。いくつかの実施形態では、任意選択で、ワイヤストックは、必要なだけワイヤを解放するように構成された、例えば、必要なワイヤの必要な長さを解放するように構成された自動フィーダに結合される。いくつかの実施形態では、ワイヤにマーク付けするために、ワイヤ準備モジュールにラベル付けモジュール409が追加される。いくつかの実施形態では、ラベルをスリーブ上に印刷し、エンドピースの前にワイヤに挿入することができる。いくつかの実施形態では、印刷されたラベルをワイヤ(フラッグと呼ばれる)に付着させる。いくつかの実施形態では、インジケーションの印刷は、ワイヤ上に直接印刷される。
【0238】
ワイヤ準備方法の例
ここで図6A~Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤ準備方法のフローチャートが示されている。いくつかの実施形態では、システムは、必要なワイヤに関する情報を受信する(602)。いくつかの実施形態では、ワイヤに関する情報は、ワイヤのタイプ及びワイヤの長さのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、第一ワイヤマニピュレータは、選択されたワイヤの端部を摘む(604)。いくつかの実施形態では、第一ワイヤマニピュレータは、ワイヤの端部をストリッパモジュール406内に移動させることにより、ワイヤ心線の被覆をストリップし、ワイヤ心線を露出させる(606)。いくつかの実施形態では、任意選択で、第一ワイヤマニピュレータは、ワイヤのストリップされた端部を関連するワイヤエンドコネクタ取り付けモジュール408内に移動させることによって、ストリップされたワイヤ心線上にワイヤエンドコネクタ/ワイヤヘッドを取り付ける(608)。いくつかの実施形態では、任意選択で、第一ワイヤマニピュレータは、ワイヤの端部をラベル付けモジュール409内に移動させることによって、ワイヤにマーク付けする(609)、及び/または識別を提供する。
【0239】
いくつかの実施形態では、上述されるように、2つのワイヤマニピュレータ404間の最大距離は、フレーム412の長さによって決定され、ワイヤマニピュレータ404のZ軸上の移動に使用されるレール410の長さを制限する。
【0240】
いくつかの実施形態では、システムは、ワイヤの長さが2つのワイヤマニピュレータ404間の最大距離に従って設定される所定の最大長以内であるかどうか(610)を評価する。
【0241】
いくつかの実施形態では、回答が「はい」である場合(図6Bの文字「A」に続く)、ワイヤエンドコネクタが取り付けられたばかりのワイヤを保持しているワイヤマニピュレータは、それ自体が第二ワイヤマニピュレータから、ワイヤの必要な長さを提供するために必要な距離を置く(612)。いくつかの実施形態では、第二ワイヤマニピュレータは、ワイヤ、及び必要な長さに従って選択された位置を摘む(614)。いくつかの実施形態では、第二ワイヤマニピュレータはワイヤをワイヤカッタ414の方に移動させ、ワイヤカッタはワイヤを切断することによって、ワイヤの第二端部を作成する(616)。いくつかの実施形態では、ワイヤカッタがワイヤを切断している間、第二ワイヤマニピュレータは、先程切断されたワイヤの端部を保持し続ける。いくつかの実施形態では、ワイヤの第一端部で実行されたのと同じように、第二マニピュレータは、ワイヤの第二端部をストリッパモジュール406内に移動させることにより、ワイヤ心線の被覆をストリップし、ワイヤ心線を露出させる(618)。いくつかの実施形態では、任意選択で、第二ワイヤマニピュレータは、ワイヤのストリップされた第二端部を関連するワイヤエンドコネクタ/ワイヤヘッド取り付けモジュール408内に移動させることによって、ストリップされたワイヤ心線上にワイヤエンドコネクタを取り付ける(620)。いくつかの実施形態では、任意選択で、第二ワイヤマニピュレータは、ワイヤの端部をラベル付けモジュール409内に移動させることによって、ワイヤにマーク付けする(621)、及び/または第二識別を提供する。いくつかの実施形態では、この時点で、2つの異なるワイヤマニピュレータによって保持される、必要なコネクタを備えた2つの端部を有するワイヤが存在する。いくつかの実施形態では、この時点で、ワイヤ端部は、ワイヤキャビネット内にさらに差し込むために配線アームモジュールに送達される(622)(以下でさらに詳述される)。
【0242】
図6Aに戻ると、回答が「いいえ」である場合(図6Cの文字「B」に続く)、ワイヤエンドコネクタが取り付けられたばかりのワイヤを保持しているワイヤマニピュレータは、第一端部を配線アームモジュールに送達し(624)、配線アームモジュールの両方のアームを使用して、必要な長さのワイヤを引く(608)。いくつかの実施形態では、この長さが第一ワイヤマニピュレータか第二ワイヤマニピュレータかいずれかに達した場合、いずれかが、ワイヤ、及び必要な長さに従って選択された位置を摘む(630)。いくつかの実施形態では、第一/第二ワイヤマニピュレータはワイヤをワイヤカッタ414の方に移動させ、ワイヤカッタはワイヤを切断することによって、そのワイヤの第二端部を作成する(632)。いくつかの実施形態では、ワイヤカッタがワイヤを切断している間、第一/第二ワイヤマニピュレータは、先程切断されたワイヤの端部を保持し続ける。いくつかの実施形態では、ワイヤの第一端部で実行されたのと同じように、第一/第二マニピュレータは、ワイヤの第二端部をストリッパモジュール406内に移動させることにより、ワイヤ心線の被覆をストリップし、ワイヤ心線を露出させる(634)。いくつかの実施形態では、任意選択で、第一/第二ワイヤマニピュレータは、ワイヤのストリップされた第二端部を関連するワイヤエンドコネクタ取り付けモジュール408内に移動させることによって、ストリップされたワイヤ心線上にワイヤエンドコネクタを取り付ける(636)。いくつかの実施形態では、任意選択で、第一/第二ワイヤマニピュレータは、ワイヤの端部をラベル付けモジュール409内に移動させることによって、ワイヤにマーク付けする(637)、及び/または識別を提供する。いくつかの実施形態では、この時点で、必要なコネクタを備えた2つの端部を有するワイヤが存在し、1つの端部は配線アームモジュールによって保持され、第二端部は第一/第二ワイヤマニピュレータによって保持される。いくつかの実施形態では、この時点で、第二ワイヤ端部は、ワイヤキャビネット内にさらに差し込むために配線アームモジュールに送達される(以下でさらに詳述される)。
【0243】
ワイヤ送達ユニットの例
いくつかの実施形態では、電気キャビネットに配線される準備ができている事前切断されたワイヤを提供することによって、予め使用される準備ができているワイヤが提供される。いくつかの実施形態では、事前切断されたワイヤは、そのまま第三者から入手される。いくつかの実施形態では、事前切断されたワイヤは、ワイヤ準備モジュールによって予め準備される。いくつかの実施形態では、使用される準備ができているワイヤは、メカニカルアームモジュールの届く範囲内に置かれる。いくつかの実施形態では、事前切断されたワイヤを使用し、メカニカルアームモジュールに利用可能にする場合、自動システムによって電気キャビネットに差し込まれるワイヤを提供するためのワイヤ送達ユニットの使用が呼び出される。いくつかの実施形態では、専用フィクスチャを使用して事前切断されたワイヤをシステムに提示し、例えば、フィクスチャは、ワイヤの長さに応じて、あるいはその順序/シーケンスに従って、ワイヤを保持する規定で構築される。いくつかの実施形態では、任意選択で、ワイヤ送達ユニットは可動であり、必要に応じてシステムに取り付けられることができる。いくつかの実施形態では、任意選択で、ワイヤ送達ユニットは複数のシステムにサービスを提供することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュールは、例えばマニピュレータ、双腕、空気圧軸などを用いて、ワイヤ(複数可)を配線システムに送達する、及びまたは提示する手渡し機構を含む。
【0244】
微細運動技能及び配線
本発明の例示的な配線アームモジュール206及び例示的な配線エンドエフェクタモジュール208の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、発明者らは、一般にはロボット自動化パフォーマンスにおいて、具体的には電気配線のロボット自動化及びロボット配線操作において、考えられる多くの課題のうちの1つを伝えたいと考えている。発明者らは、電気キャビネットへの電気ワイヤの妥当な配線を行うには、一定レベルの器用さ及び/または知覚能力(高レベルのワイヤ操作能力を意味する)が必要であり、明らかに場合によっては、少なくとも2本の手が必要であることを見いだした。例えば、技術者及び/またはユーザは、体性感覚システム(例えば、接触)を利用して、一方の手でワイヤを保持し、ワイヤをそのまま、またはワイヤヘッド付きのワイヤを構成要素の電気コンセントもしくは電気端子コネクタに差し込み、もう一方の手でワイヤをコンセント内にロックするロックアクションを実行する必要がある。「電気コンセント」及び「電気端子コネクタ」という用語は交換可能であり、どちらかに言及する場合は、電気ワイヤを構成要素に接続する、及び/または保持する目的でワイヤを受け入れるように構成された構成要素内の物体である、同じものをどちらも指すことを理解されたい。さらに、ワイヤ端部のタイプによっては、ワイヤをコンセントに差し込むときに、一方では、ワイヤをロックしながらコンセントに差し込んで保持し、他方では、過度な力を加えることによるワイヤの変形を回避するために、必要な力だけを使用する必要がある。また、ロックアクションが実行された後、ワイヤをわずかに引くことによって、ワイヤが適所に固定されているとユーザが「感じる」ことも当技術分野では一般的である。以下の段落では、人間が行う一見簡単なタスクをロボット工学に変換するときの課題を当業者が理解することを可能にするように、人間が行う例示的なアクションについて説明する。
【0245】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、微細運動技能(または器用さ)を有する。いくつかの実施形態では、本発明の自動配線システム(一般に)及び配線アームモジュールは、以下の技術的特性のうちの1つまたは複数を有する。
【0246】
関節:いくつかの実施形態では、アームモジュールは、配線エンドエフェクタモジュールと共に、システムに複数の運動の自由度を与える複数の関節を備える。ここで図7Aを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、複数の関節を含む例示的な配線アームモジュール206が概略的に示されている。いくつかの実施形態では、配線アームモジュール206は、複数の関節702、704、706を備える。いくつかの実施形態では、関節は複数の運動の自由度を与える。例えば、関節702、704、706は、矢印で示されるように、4から8の間の運動の自由度を潜在的に与えることができる。本明細書に開示される関節は、当業者が本発明を理解することを可能にするための単なる例であり、より多いまたはより少ない関節を使用することができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、システムは、回転エンドエフェクタによる直交座標系であること、または完全関節式であることができる。
【0247】
例示的な知覚能力:いくつかの実施形態では、アームモジュール及び配線エンドエフェクタモジュールは、モジュールとワイヤ及び/またはワイヤキャビネットとの相互作用を監視するように構成された複数のセンサ(以下を参照)を備える。いくつかの実施形態では、アームモジュール及び配線エンドエフェクタモジュールは、剛体リンケージベースのロボットグリッパとは対照的に、拮抗的な弾性作動を伴うコンプライアンスベースの機構を可能にするモータ、センサ及びソフトウェアの組み合わせを使用して作動する。いくつかの実施形態では、これにより、把持力制御での可変性が高くなることが可能になる。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、ペイロード重量/剛性及び構造に関する情報、ならびにオーバーシュートなしにグリッパの正しい機能(把握設計図作成)を強化するプログラムを含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、アーム及びまたはグリッパの一部は、例えばピンセットまたはカッタなどの異なるツールを保持するのに専用のタスクに合わせて自動的に変更され得る。
【0249】
握り及び滑り機能:人間は、配線アクションを行う場合、触覚フィードバックを使用してケーブルをコネクタ/デバイスに固定し、一般的なアクションサイクルには次が含まれる(図7B1~7B5を参照):
・接触力がゼロで、差し込み中に増大する前に、差し込み中に、ワイヤに半径方向の力(半径方向の力、図7B1)を加え、差し込み力(軸方向の力、図7B2)を加えることにより、ワイヤを握着する;
・特定のピーク力(ユーザの経験によって決定される)では、人間はワイヤが構成要素のコネクタに差し込まれている(ピーク力、図7B3)と「感じる」。通常、この時点で、構成要素のコネクタにワイヤを完全に差し込むことで、軸方向の力が打ち消される;
・ワイヤがコネクタに固定された後、ユーザは(しっかりと固定されているかどうかを感じるために)一定の力でワイヤを引き戻す(ユーザが引く、図7B4);
・次に、ユーザは、ケーブルに加える半径方向の力(把持力)を弱め、ケーブルが手の中で軸方向に滑ることを可能にする(図7B5)。通常、ユーザはワイヤを解放しなくてもケーブルの滑りを感じる。
【0250】
いくつかの実施形態では、これらのアクションは、本明細書では握り及び滑り機能と呼ばれる機能を使用して実行される。
【0251】
いくつかの実施形態では、配線エンドエフェクタモジュール208を備える配線アームモジュール206は、配線アクションを実行できる高レベルの器用さ及び知覚能力を有するシステムを提供するために、人間が行うアクションと同様に、力と軸方向及び半径方向の力の測定とを実行する、複数のモータ及びセンサを含む。いくつかの実施形態では、配線エンドエフェクタモジュール300は、1つまたは複数の光センサ、例えば、1つまたは複数のカメラ及び/またはレーザスキャナを含む。いくつかの実施形態では、配線エンドエフェクタモジュール300は、複数の2Dカメラ及び/または3Dカメラを含む。
【0252】
配線アームモジュール206の例
ここで図8A~Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線アームモジュール206の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、配線アームモジュールは、レール804上に取り付けられた基部802を備える。この例では、レール804は、2つの垂直方向チューブを備え、これら2つの垂直方向チューブ上で、配線アームモジュール全体は、矢印806によって概略的に示されるように垂直方向に移動する。いくつかの実施形態では、基部802上に取り付けられた、メカニカルアーム808は、複数のアーム部分810、812及び関節702、704、706を備える。いくつかの実施形態では、メカニカルアーム808の端部には、配線エンドエフェクタモジュール208がある。ここで図8Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、配線ユニット/システム106内の2つの例示的な配線アームモジュール206の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、各配線アームモジュール206は配線ユニット/システム106の側面に位置している。いくつかの実施形態では、それらをこのように設けることの潜在的な利点は、他のメカニカルアームの運動を妨げずに自由に運動させるために、メカニカルアームごとに必要なスペースを提供することである。いくつかの実施形態では、各配線アームモジュール206は、任意選択でカメラ850を含む、配線エンドエフェクタモジュール208を備える。配線エンドエフェクタモジュール208の実施形態のいずれにおいても、カメラが任意選択で追加されることを理解されたい。
【0253】
いくつかの実施形態では、配線アームモジュールは任意選択であり、これは、配線エンドエフェクタモジュール208のより単純なホルダを使用することができることを意味する。以下の段落では、専用の配線アームモジュール206を備える自動配線システムの例を使用して本発明を説明する。配線エンドエフェクタモジュール208を作動させることができる他のタイプのプラットフォームを使用することができ、それらも本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0254】
いくつかの実施形態では、典型的なアームは約10Kgのペイロード、及び0.1mmより良い精度を有する。いくつかの実施形態では、直交ガントリ型アームまたは双腕を主運動(XYZ)に使用して、微細な局所運動をエンドエフェクタと共に2軸または3軸の回転軸によって行う。
【0255】
配線エンドエフェクタモジュール208の例
ここで図9Aを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線エンドエフェクタモジュール208の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、配線エンドエフェクタモジュール208は、以下の部品、ワイヤ保持要素902及びワイヤロック要素904のうちの1つまたは複数を備える。ここで図9Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、ワイヤ保持要素902の部品の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、ワイヤ保持要素902は、ワイヤ挟み要素908を含む基部906のうちの1つまたは複数を備える。いくつかの実施形態では、ワイヤ挟み要素908は、例えば電気機構912及び/または空気圧機構によって、連結される2つの延出部910a~b、任意選択で2つの細長い指状延出部を備える。いくつかの実施形態では、ワイヤ挟み要素908は、2つの延出部910a~bを連結するジンバルブロック970を備える(ジンバルブロック970に関する以下のさらなる説明を参照)。いくつかの実施形態では、基部906は、矢印916によって概略的に示される方向内で、ワイヤ保持要素902の水平運動を可能にするモータ914を備える。いくつかの実施形態では、代替に、またはさらに、配線アームモジュールは概略的な矢印916に沿った運動を提供する。いくつかの実施形態では、矢印916によって示される水平運動は、ワイヤの軸に沿った電気端子コネクタに向かう方向である。いくつかの実施形態では、運動は、例えば、パネルの平面から30度、45度、90度の角度(またはその間の任意の角度)であり得るワイヤ端子ポートに沿ったものである。
【0256】
ここで図9C1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、細長い延出部910a~bの上に位置しているセンサの概略図が示されている。いくつかの実施形態では、細長い延出部910a~bのうちの1つまたは複数は、細長い延出部910a~bによってワイヤ920に加えられる力を監視するように構成された1つまたは複数のセンサ918を備える。いくつかの実施形態では、センサはエンドエフェクタの指部または本体に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、これらのセンサにより、上記で説明されるように、軸方向及び半径方向の力の測定が可能になると、人間が行うアクションと同様に、配線アクションを実行できる高レベルの器用さ及び知覚能力がシステムに提供される。いくつかの実施形態では、センサは、例えば、ひずみゲージ、ロードセル、及び/またはその他のものに基づいている。いくつかの実施形態では、さらに、または代替に、力またはモーメントを感知できる機構(すなわち、センサ)は、以下の図9C2~9C3に示されて説明されるように、延出部をデバイスに連結する部品、例えばジンバルブロック(図9C2の970を参照)の上に位置している。
【0257】
いくつかの実施形態では、ワイヤ保持要素902は、ワイヤ準備モジュール204のワイヤマニピュレータ404からワイヤを受け入れると、そのワイヤを保持する機能を担う。
【0258】
いくつかの実施形態では、細長い延出部910a~bは、異なるワイヤゲージに対応するために自動及び/または手動で交換されることができる。
【0259】
いくつかの実施形態では、電気機構912は、指部を保護する衝突防止機構を含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、電気機構912は、差し込み中に細長い延出部910a~bによって加えられるモーメント、例えば、約0.01NMから約0.1NMの値のモーメントを測定することができるセンサを含む。
【0261】
ここで図9C2~9C3を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、延出部が連結される例示的なジンバルブロックの概略図が示されている。いくつかの実施形態では、ジンバルブロック970は、延出部910a~bに加えられる力の監視を可能にする複数の部品を備える。いくつかの実施形態では、複数の部品は、互いに重なり合って取り付けられるが、異なる運動軸を有する1つまたは複数のジンバルである。説明を容易にするために、2軸の運動軸について説明する。より多くのジンバルを使用することができることによって、監視することができる3軸以上の運動軸を提供することができることを理解されたい。これらも本発明の範囲の一部である。図9C2に戻ると、ジンバルブロック970は、ジンバルブロック970をデバイスの残りの部分に連結する頂部ブロック972を備える。いくつかの実施形態では、頂部ブロック972より下に頂部コネクタ974があり、ねじ976などによって、頂部ブロック972に連結される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のボタン軸ロードセル978と通信する1つまたは複数の減衰ばね996は、頂部ブロック972と頂部コネクタ974との間に収容される。いくつかの実施形態では、ロードセルの較正は、減衰力較正止めねじ980を作動させることによって実行される。いくつかの実施形態では、頂部コネクタ974より下には、中央ブロック982がある。いくつかの実施形態では、中央ブロック982の頂部側に挿入される、第一ジンバル軸984があり、水平方向に第一ジンバル軸984のピンに垂直な運動軸を与える(ジンバルブロックの運動については以下の説明を参照)。いくつかの実施形態では、中央ブロック982の底部側に挿入されている、第二ジンバル軸986がある(挿入位置で示される)。いくつかの実施形態では、第二ジンバル軸986は、第一ジンバル軸984に垂直である。いくつかの実施形態では、第二ジンバル軸986は、水平方向に第二ジンバル軸986のピンに垂直な運動軸を与える(ジンバルブロックの運動については以下の説明を参照)。いくつかの実施形態では、中央ブロック982より下に底部コネクタ988があり、頂部では中央ブロック982に連結され、底部では底部ブロック990に連結される。いくつかの実施形態では、図9C2には示されていないが、別のセットの1つまたは複数のボタン軸ロードセルと関係する/インタフェースする別のセットの1つまたは複数の減衰ばねは、底部コネクタ988と底部ブロック990との間に収容される。いくつかの実施形態では、延出部910a~bは底部ブロック990に連結される。
【0262】
いくつかの実施形態では、デバイスは、両方の延出部910a~bを連結する1つのジンバルブロック970を備える。いくつかの実施形態では、デバイスは、2つのジンバルブロック970を備え、例えば図9C3に示されるように、延出部ごとに1つのジンバルブロック970を備える。
【0263】
ここで図9C3を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、ジンバルブロック970の例示的な運動、及び2つのジンバルブロックを備えるデバイスの例示的な実施形態の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、上述のように、ジンバルブロック970は、第一軸でのジンバルブロック970の運動を与える第一ジンバル軸984、及び第二軸でのジンバルブロック970の運動を与える第二ジンバル軸986を備える。図9C3には、ジンバルブロック970の側面図が示されており、第一ジンバル軸984によって可能になる運動(矢印992)が示されている。さらに図9C3には、ジンバルブロック970の正面図が示されており、第二ジンバル軸386によって可能になる運動(矢印994)が示されている。いくつかの実施形態では、第一ジンバル軸984及び第二ジンバル軸986は、ジンバルブロック970に異なる位置での二軸回転軸を提供する。いくつかの実施形態では、これらの回転軸は、延出部に加えられるモーメント及び力を測定するために単軸ロードセルと共に使用される。いくつかの実施形態では、図9C3に示されるように、2つの延出部はそれぞれ別個にジンバルブロック970に連結されることで、各延出部にかかる異なる力の測定が可能になる。いくつかの実施形態では、ジンバル機構が回転(運動)の限界に達すると、これは任意選択で(例えば、デバイスと電気パネルとのありえる衝突中に)延出部に加えられる力のアクセスを黙示するが、システムは、ワイヤの差し込み操作を停止してもよく、及び/または訂正アクション(デバイスの移動)を行ってもよい。
【0264】
ここで図9Dを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なワイヤロック要素904の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、ワイヤロック要素は、構成要素のワイヤロック機構と、ワイヤがワイヤキャビネット内のその構成要素のそれぞれの電気端子台に差し込まれた後、相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、キャビネット内で使用される構成要素は、コネクタ内に異なるタイプのロック機構、例えば、ねじ端子、プッシュボタン、及び/またはプッシュインを含むことができる。いくつかの実施形態では、プッシュインロック機構を含む電気端子コネクタを備える構成要素を使用する場合、ワイヤロック要素904は必要ないため、使用されない。いくつかの実施形態では、ねじ端子またはねじ式端子台(構成要素)は、ねじを締めてクランプを閉じることによって、ワイヤを端子台(構成要素)内の導体に対して固定する。いくつかの実施形態では、プッシュボタン端子台は、ボタンを押すことによって開くばねクランプによって導体に対してワイヤを固定する。いくつかの実施形態では、ボタンを解放すると、ばねがワイヤ上にクランプで締められる。いくつかの実施形態では、ばねクランプを備えたプッシュボタンと同様に、プッシュイン端子台により、ばねを開放するためにプッシュボタンを使用せずに、ワイヤをハウジングに直接圧入させることが可能になる。いくつかの実施形態では、端子台(構成要素)内のロック機構のタイプに応じて、ワイヤロック要素904は専用のアクチュエータ922を備える。例えば、図9Dでは、ワイヤロック要素904は、ねじ式端子台を固定するために使用されるマイナスドライバ922を備える。いくつかの実施形態では、アクチュエータ及び/またはドリルビット322のヘッドは、手動で、または任意選択に自動で(例えば、垂直運動330を使用してアクチュエータ322のヘッドを交換する交換ラックの方にデバイスを移動させることによって)交換されることができる。ここで図9E1を参照すると、配線エンドエフェクタモジュール208と、構成要素のコネクタ内のワイヤの異なるロック機構を有する異なるタイプの端子台(構成要素)との可能な複数の相互作用の概略図が示されている。
【0265】
図9Dに戻ると、いくつかの実施形態では、ワイヤロック要素904は、専用アクチュエータ922を作動させるように構成されたモータ924を備える。いくつかの実施形態では、モータ924及び専用アクチュエータ922は基部926によって保持され、この基部は、第二モータ928にさらに連結され、この第二モータは、専用アクチュエータ922の端子台への挿入に必要な、矢印930によって概略的に示されるような垂直運動を実行する。いくつかの実施形態では、図9Dには示されていないが、複数のモータを使用して、ワイヤロック要素904に複数の運動方向を提供する。いくつかの実施形態では、ワイヤロック要素904は、上下方向、側方向、前後方向に運動するように構成される。いくつかの実施形態では、ロック要素904にこのような運動の自由を与える潜在的な利点は、ワイヤロック機構へのアクセスのための異なる位置をそれぞれ有する複数の電気端子コネクタとデバイスが相互作用することが可能になることである。
【0266】
いくつかの実施形態では、ワイヤロック要素904はトルクセンサを備え、このトルクセンサは、構成要素内の電気端子コネクタのロック機構にアクチュエータによって加えられるトルク力を監視するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、電気端子コネクタの特定のロック機構に関連する特定のトルク力が保存されるデータベースを含む。いくつかの実施形態では、システムは、特定のパラメータに従ってアクチュエータを作動させるための命令を含み、これら特定のパラメータは、特定の電気端子コネクタの特定のロック機構及び特定のワイヤゲージのトルク要件に特にマッチングする。
【0267】
エンド端子(ワイヤヘッド)フェルールを有するワイヤの使用例
ここで図9E2~9E3を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、フェルールの概略図が示されている。いくつかの実施形態では、自動配線システムで使用されるワイヤは、遠位端部にビルトインフェルールを備えるワイヤ(フェルールワイヤヘッド)である。フェルールは、任意選択で金属製遠位端部9004を有する、リングまたはキャップ9002であり、これを使用して、露出したワイヤの遠位端部を封入すると、ワイヤの遠位端部の取り扱い及び構成要素の電気端子コネクタへのワイヤの遠位端部の接続が容易になる。いくつかの実施形態では、フェルールは硬い。いくつかの実施形態では、フェルールはワイヤ自体よりも硬い。いくつかの実施形態では、フェルールはワイヤよりも約2倍から約10倍の間で硬い。いくつかの実施形態では、例えば図9E2に示されるように、フェルールは異なる寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、フェルールは、例えば図9E3に示されるように、遠位端部に異なる形状の金属部品9004を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ自体よりも硬いキャップ9002をフェルールが備えるため、配線エンドエフェクタモジュール208はワイヤを直接挟む代わりにキャップ9002を挟む。いくつかの実施形態では、キャップ9002を挟むことの潜在的な利点は、構成要素の電気端子コネクタへの差し込み中のワイヤの操作が容易になることである。ワイヤは可撓性であるため、差し込み中にワイヤが曲がると、電気端子コネクタに差し込む必要があるワイヤのヘッドが偏向することがある。キャップ9002を挟むと、これを回避できる可能性がある。いくつかの実施形態では、フェルールは、構成要素の電気端子コネクタに完全に挿入されるように構成され、これは、正しく接続されるためには、キャップ9002が構成要素の電気端子コネクタの内側に完全に挿入される必要があることを意味する。いくつかの実施形態では、フェルールを備えたワイヤの使用中に、構成要素の電気端子コネクタにワイヤを差し込む方法は、以下にさらに開示されるように、追加のステップを含む。いくつかの実施形態では、フェルールを含むワイヤの差し込み中に実行される必要がある追加のアクションには、構成要素の電気端子コネクタへのフェルールの部分的な差し込み、フェルールの解放または部分的な解放、デバイスの後方への移動、フェルールに対してワイヤの遠位位置でのワイヤの再度の挟み、構成要素の電気端子コネクタへのワイヤ及びフェルールの差し込みの終了のうちの1つまたは複数が含まれる。いくつかの実施形態では、フェルールを解放する前に、システムは、任意選択で、構成要素内の電気端子コネクタのロック機構を部分的に閉じて、フェルールを適所に部分的に保持し、フェルールが電気端子コネクタから出るのを潜在的に回避する。いくつかの実施形態では、この場合、ワイヤを再度挟んだ後で、かつワイヤを電気端子コネクタにさらに差し込む前に、システムは、電気端子コネクタのロック機構を解放することで、ワイヤを電気端子コネクタにさらに差し込むことが可能になる。いくつかの実施形態では、配線エンドエフェクタモジュール300は、延出部がワイヤ上でより遠位の位置に移動している間、ワイヤを適所に保持するように構成された追加の要素を備える。いくつかの実施形態では、追加要素は、必要に応じて延出し、ワイヤを適所に保持するように構成された第三延出部であることができる。
【0268】
いくつかの実施形態では、延出部/エンドエフェクタは、フォーク型フェルールまたはリング型フェルールなどの複雑な形状のフェルールをコネクタに挿入することができる。
【0269】
ここで図9Fを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な配線エンドエフェクタモジュール208による例示的な配線方法のフローチャートが示されている。いくつかの実施形態では、細長い延出部は、ワイヤに半径方向の力を加えることによってワイヤを掴む(950)。いくつかの実施形態では、ワイヤに加えられる力は、約5Nから約15N、任意選択で約7Nから約20N、任意選択で約8Nから約25N、例えば約8N、約10N、約12Nである。いくつかの実施形態では、上記の力のいずれかの分解能は約1Nのものである。いくつかの実施形態では、エフェクタモジュールは、軸方向の力を加えることによってワイヤをコネクタに近づける(952)。いくつかの実施形態では、ワイヤに加えられる力は、約5Nから約15N、任意選択で約7Nから約20N、任意選択で約8Nから約25N、例えば約8N、約10N、約12Nである。いくつかの実施形態では、上記の力のいずれかの分解能は約1Nのものである。いくつかの実施形態では、その後、ワイヤは構成要素のコネクタのホールに差し込まれる(954)。いくつかの実施形態では、システムは、ワイヤがコネクタ内のホールの端部に到達したという事実によってワイヤ上の抵抗を感知する(956)。いくつかの実施形態では、次いで、システムは、構成要素のコネクタ内にワイヤを固定する(958)(コネクタ内にワイヤを固定する上記の方法を参照)。いくつかの実施形態では、次いで、システムは、ガビング(gabbing)センサからの抵抗を感知しながら、反対方向の軸方向の力を軽く加えることによってワイヤを引き戻し、コネクタ内でのワイヤの強固な接続を評価する(960)。いくつかの実施形態では、システムは、ワイヤを保持し続けながら、ワイヤにかかる半径方向の力をわずかに減少させる(962)。いくつかの実施形態では、ワイヤの差し込みが電気キャビネット内の構成要素に接続される最後のワイヤであった場合、方法は終了する。いくつかの実施形態では、システムは、メカニカルアームをコネクタから遠ざけながら、ワイヤを解放することなく、ワイヤ(細長い延出部によってまだ保持されている)が細長い延出部に滑り込むことを可能にする(964)。いくつかの実施形態では、システムは、他の箇所で説明されているように、配線プロセスを続行する(966)。
【0270】
ここで図9Gを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、ワイヤがフェルールを含む場合の例示的な配線エンドエフェクタモジュールによる例示的な配線方法のフローチャートが示されている。いくつかの実施形態では、延出部は、フェルールに半径方向の力を加えることによってワイヤを掴む(9006)。いくつかの実施形態では、フェルールに加えられる力は、約3Nから約110N、任意選択で約7Nから約20N、任意選択で約8Nから約25N、例えば約8N、約10N、約12Nである。いくつかの実施形態では、上記の力のいずれかの分解能は約0.5Nのものである。いくつかの実施形態では、エフェクタモジュールは、軸方向の力を加えることによってフェルールをコネクタに近づける(9008)。いくつかの実施形態では、ワイヤに加えられる力は、約3Nから約15N、任意選択で約7Nから約20N、任意選択で約8Nから約25N、例えば約8N、約10N、約12Nである。いくつかの実施形態では、上記の力のいずれかの分解能は約0.25Nのものである。いくつかの実施形態では、その後、フェルールは構成要素のコネクタのホールに部分的に挿入される(9010)。いくつかの実施形態では、任意選択で、システムは、電気端子コネクタ内のロック機構を部分的に閉じて、フェルールを適所に保持する(9012)。いくつかの実施形態では、フェルールを備えたワイヤは適所に保持される(9014)。いくつかの実施形態では、これは、上記に開示されている1つまたは複数の追加要素によって実行される。いくつかの実施形態では、延出部が作動して、フェルールを解放する(9016)。いくつかの実施形態では、その後、デバイスはワイヤに沿って後方に移動する(9018)。いくつかの実施形態では、延出部はワイヤ自体を再度掴む(9020)。いくつかの実施形態では、任意選択で、システムは、電気端子コネクタの予め部分的に閉じているロック機構を開く(9022)。いくつかの実施形態では、次に、システムは軸方向の力を、電気端子コネクタに完全に挿入されているフェルールに加える(9024)。フローチャートは文字Aの後の図9Hに続く。いくつかの実施形態では、システムは、ワイヤがコネクタ内のホールの端部に到達したという事実によってワイヤ上の抵抗を感知する(9026)。いくつかの実施形態では、次いで、システムは、構成要素のコネクタ内にワイヤを固定する(9028)(コネクタ内にワイヤを固定する上記の方法を参照)。いくつかの実施形態では、次いで、システムは、ガビングセンサからの抵抗を感知しながら、反対方向の軸方向の力を軽く加えることによってワイヤを引き戻し、コネクタ内のワイヤの強固な接続を評価する(9030)。いくつかの実施形態では、システムは、ワイヤを保持し続けながら、ワイヤにかかる半径方向の力をわずかに減少させる(9032)。いくつかの実施形態では、ワイヤの差し込みが電気パネル内の構成要素に接続される最後のワイヤであった場合、方法は終了する。いくつかの実施形態では、システムは、メカニカルアームをコネクタから遠ざけながら、ワイヤを解放することなく、ワイヤ(細長い延出部によってまだ保持されている)が細長い延出部に滑り込むことを可能にする(9034)。いくつかの実施形態では、システムは、他の箇所で説明されているように、配線プロセスを続行する(9036)。
【0271】
いくつかの実施形態では、延出部、ジンバルブロック、またはシステム内の他の箇所のいずれかで、1つまたは複数のセンサによって感知されたパラメータ、例えば、ワイヤ及び差し込みプロセスに関連する力、閾値、運動値は、データベースに保存される。
【0272】
2つの配線アームモジュールによって保持されたワイヤの管理例
いくつかの実施形態では、ワイヤが2つの配線アームモジュールによって保持される場合、システムは、ワイヤを特定の方法で保持するための命令を含む。例えば、ワイヤは電気キャビネットに対して特定の位置に保持される。別の例では、ワイヤは2つのアームによって保持されているワイヤ上の2点の間に一定の張力で保持される。いくつかの実施形態では、配線設計図作成プロセス中に一連の命令が準備され、各アームモジュールに提供される。いくつかの実施形態では、これが実行されるのは、ロボットアームが潜在的に、相互に損傷を引き起こすことなく、電気キャビネットに損傷を引き起こすことなく、ワイヤに損傷を引き起こすことなく、及び/または配線プロセス中にワイヤのもつれを引き起こすことなく、機能することを可能にするためである。いくつかの実施形態では、ワイヤにかかる張力には指向性がある。例えば、一方のメカニカルアームがワイヤの一方の端部を保持している間、もう一方のメカニカルアームは、張力を維持しながら、電気キャビネット内に割り振られている位置の方向(任意選択でダクト/DINより上)にもう一方の端部を保持する。
【0273】
いくつかの実施形態では、ワイヤを保持して張力をかける機能は、2つのメカニカルアーム間で交換可能である。例えば、配線アクションの開始時に、第一メカニカルアームがワイヤを保持して移動させないが、第二メカニカルアームはワイヤを割り振る位置の方にワイヤを摺動させながら移動させる。第二アームが電気キャビネット上の目的の位置に到着すると停止し、第一アームは、ワイヤを解放し、第二メカニカルアームが配置されている位置に移動して配線プロセスを続行する。この時点で、第二メカニカルアームはワイヤを移動させずに保持するものであり、第一アームはワイヤを摺動させて、ワイヤを、位置決めする電気キャビネット内の位置の方に移動させるものである。
【0274】
いくつかの実施形態では、配線プロセス中に、ワイヤをダクト/DIN上に敷設する場合、2つのアームのうちの1つがワイヤ上で摺動する。例えば、配線エンドエフェクタモジュール208がワイヤにかかる半径方向の力を減少させ、メカニカルアームが移動している間にワイヤが滑ることを可能にする場合について説明する際に上記で説明したように(図7B1~7B5及び図9Fを参照)。
【0275】
いくつかの実施形態では、2つの配線アーム間の距離が維持される。いくつかの実施形態では、任意選択で、距離は、ダクト(複数可)内のケーブルのルートに対するケーブルの配置中に調整される。いくつかの実施形態では、任意選択で、アーム間の距離は、基板上に位置している構成要素からのクリアランスを提供する。いくつかの実施形態では、ある閾値を張力が上回る場合、例えば、所望の張力及び/または所定の閾値より15%上回る場合、アームの運動は減速する、または停止する。いくつかの実施形態では、閾値は、配線アームの能力、ワイヤのタイプ、及びそれらの任意の組み合わせに従って設定される。いくつかの実施形態では、システムはアーム間の距離を監視し、配線アーム間で一定の距離を維持する。いくつかの実施形態では、ある所定の距離をアーム間の距離が上回る場合、アームの運動は調整される、または停止する。
【0276】
いくつかの実施形態では、ワイヤの張力レベル及び/またはアーム間の距離が公差外であること、及び/または所定の値、例えば、所定の値/公差の値の±20%を上回るまたは下回ることをシステムが感知する場合、配線エンドエフェクタは、アーム及び/またはパネル/構成要素への損傷の可能性を回避するためにワイヤを解放する。
【0277】
いくつかの実施形態では、ワイヤをダクト内に配置する前に、視覚システムを使用してプロセスを妥当性確認する。
【0278】
いくつかの実施形態では、キャビネットの配線のための2つの配線アームの動作、例えば(網羅的なリストではない)、一方のアームに対する他方のアームの動作、キャビネットに対するアームの動作、ワイヤに対するアームの動作、ワイヤ及びパネル内のワイヤの配線配索設計図に対するアームの動作は、複数のレベルでのアームの動作中に高レベルの同期及び精度を必要とする。
【0279】
いくつかの実施形態では、ワイヤ配索動作中の双腕の協調の一例は、第一アームが配索中に先導し、このアームがワイヤの端部を構成要素内の関連する端子コネクタに差し込むことを意味し、第二アームが配索プロセス中に第一アームを追従してサポートすることを含む。いくつかの実施形態では、配線プロセス中に先導する配線アームがサポートアームになることができ、またその逆も同様である。いくつかの実施形態では、配線プロセス中、サポートアームは、ワイヤに一定の力(例えば、2N、4N、8N)を維持することによって、先導するワイヤアームに対してワイヤを一定の張力に保つ。いくつかの実施形態では、配線プロセス中、サポートアームはワイヤの一部、例えば、2つの配線アームの間に保持されるワイヤの一部に張力をかけたままにし、他の部分には張力のないままにする(ワイヤはワイヤエンドエフェクタの後ろでたるむ、及び/またはぶら下がる)。いくつかの実施形態では、たるみの長さは、配線されるワイヤの全長の約10%から約30%である。任意選択で、配線されるワイヤの全長の約5%から約40%。任意選択で、配線されるワイヤの全長の約1%から約50%。例えば、配線されるワイヤの全長の15%、20%または25%。いくつかの実施形態では、配線プロセス中に、たるんだワイヤは、パネルの構成要素が位置している平面より上に保持され(配線が水平方向に配置されたパネル上より上から実行される場合、例えば図15を参照)、及び/またはパネルの構成要素が位置している平面から距離を置かれる(配線が垂直方向に配置されたパネル上の側方から実行される場合、例えば図3を参照)。いくつかの実施形態では、先導アームが差し込み点の方に移動し、パネル上の設計図に書かれた経路に沿ってワイヤを導く場合、第二アームは第一アームの後方で一定の距離に保たれる。いくつかの実施形態では、先導アームが差し込み点の方に移動し、パネル上で設計図に書かれた経路に沿ってワイヤを導く場合、第二アームは、ワイヤを差し込む必要がある次の点に関連する位置に維持され、例えば、ワイヤをダクト内のホールに通して差し込む必要がある場合、第一アームはワイヤの端部をホールに差し込み、第二アームは、ホールの反対側で待機してワイヤの端部を捕らえることにより、さらに先導配線アームになる。いくつかの実施形態では、ワイヤがダクト内に配置される、またはクリップを通過する場合があるため、第二アームの位置はダクト経路及び配線方向に対して設定される。いくつかの実施形態では、ダクトが真っ直ぐである場合、第二アームは、配線される構成要素に対して遠いダクト位置に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、例えばパネル内でのワイヤの曲がりを容易にするために、第二アームを使用して、ワイヤのねじれを容易にする。いくつかの実施形態では、任意選択で、ダクト経路の曲がりが予想される場合、この位置より上に第二アームを位置決めして、ワイヤのねじれを容易にする。いくつかの実施形態では、ワイヤの方向が変化する位置、例えばダクトの隅部にワイヤを位置決めしている間、ワイヤの方向の変化点の後で、かつワイヤを位置決めする前に、ワイヤの余分が意図的に残される。いくつかの実施形態では、ワイヤを位置決めする前にこれを行うことの潜在的な利点は、経路内の必要な点で方向を変えながら、ワイヤを引くことなく、及び/またはワイヤにゆがみを生じさせることなく、ワイヤを適切に位置決めすることを可能にするのに十分なワイヤを提供することである。
【0280】
いくつかの実施形態では、配線プロセスは、ワイヤの第一端部をキャビネット内の構成要素の端子コネクタに差し込み、その後、ケーブルをキャビネット内側の設計図に書いた経路に沿って、ワイヤのもう1つの端部を第二構成要素内の第二端子コネクタに接続するキャビネット内側の第二構成要素の方に導くことを含む。いくつかの実施形態では、例えば第一アームによって、ワイヤの第一端部が第一構成要素に差し込まれると、第二アームは、先導アームになり、ワイヤを第二構成要素の方に導き、第一アームはサポートアームになる。
【0281】
いくつかの実施形態では、サポートアームは、以下のアクションのうちの1つ以上を実行する;ワイヤをダクト内に固定する(任意選択で、他のツール、例えば、パッシブフィンガ、ステープラ、グルーア、及び/またはラッチ要素を使用する;または先導アームに道を空けるプラスチック製の保持ストリップ(「ブリッジ」)を配置するために使用されてもよい;1つ以上のセンサ(例えば、カメラ、力センサ、レーザラインセンサ及び/または近接センサ)を使用して配索プロセスを妥当性確認する)。いくつかの実施形態では、安全区域は、例えば構成要素レベルより上に、画定され(配線が水平方向に配置されたパネル上より上から実行される場合、例えば図15を参照)、及び/またはパネルの構成要素が位置している平面から距離を置かれ(配線が垂直方向に配置されたパネル上の側方から実行される場合、例えば図3を参照)、ワイヤを伴うサポートアームは、安全区域内で操作される。いくつかの実施形態では、パネルは、任意選択で異なる安全高さを有する、複数の局所安全区域に分割される。いくつかの実施形態では、上述のように、任意選択で、配線アームは、1つまたは複数の専用デバイスによって作動するワイヤ接着要素(例えば、接着剤、粘着テープ、ステープル)を備えることによって、ワイヤをパネル及び/またはダクト内の特定の位置に固定する、及び/または貼着するための手段を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所でも述べられたように、先導アームがワイヤの遠位端部をパネル内のその次の点に導いている間、サポートアームはワイヤに沿って摺動し、ワイヤをパネル上の経路に沿った適所に位置決めする。
【0282】
複数のワイヤが同じダクト内に配置されている、いくつかの実施形態では、保持されている操作されたワイヤの位置は、すでに配置されたワイヤに対する位置であり、例えば、ダクトの中心が他のワイヤによって占められている場合、サポートアームは、現在配置されているワイヤをダクトの一方の側に配置する、及び/または近づける。いくつかの実施形態では、ソフトウェアはダクトにかかる負荷を考慮し、任意選択で、ダクト内のワイヤの負荷のために必要な追加の距離を補うためにワイヤに長さを追加することができ、例えば、1%、2%、または5%をワイヤの長さに追加することができる。
【0283】
自動配線プロセスの最適化特徴の例
いくつかの実施形態では、システムは、例示的な水平方向/垂直方向自動配線システムによって実行される自動配線プロセスを最適化するように構成された1つまたは複数の特徴を備える。
【0284】
配線プロセス中の無駄なワイヤのためのカートリッジ
いくつかの実施形態では、上記で説明されているように、先導配線アームがキャビネット内の設計図に書かれた経路に沿ってワイヤを位置決めしている間、サポート配線アームは先導配線アームによって実行されるアクションをサポートする。いくつかの実施形態では、これらのサポートアクションの1つは、ワイヤの端部を配線経路に通して移動させる間、先導配線アームが「引きずっている」ワイヤの残りの部分を保持することである。いくつかの実施形態では、配線アームは、特定のワイヤアームがサポート配線アームとして機能する場合、無駄なワイヤが巻かれる及び/または保持される専用のカートリッジを任意選択で備える。いくつかの実施形態では、配線プロセス中に先導及びサポートの役割が変わる可能性があるため、両方のアームは、専用カートリッジを任意選択で備える。いくつかの実施形態では、専用カートリッジ内に保持されているワイヤは、配線プロセス中に必要に応じて、例えばアームの運動に多くの無駄なワイヤが必要な場合、配線経路内のダクト及び/または障害物を考慮しながら解放される。いくつかの実施形態では、専用カートリッジを有する潜在的な利点は、配線プロセス中に長いワイヤが収容されたままになることによって、配線プロセス中に無駄なワイヤが損傷を引き起こす、またはからまるのを潜在的に回避することである。
【0285】
サポート配線アームによる障害物の除去例
いくつかの実施形態では、配線プロセス中に、先導配線アームによってキャビネット内に位置決めされたワイヤがからまる可能性がある、及び/または経路に沿った目的の位置に正しく位置決めされることができない場合、及びそのとき、システムは、サポート配線アームをアクティブにし、これらの問題を解決するためのアクションを実行するように構成される。例えば、サポート配線アームは、障害物(例えば、キャビネット内にすでに位置決めされた他のワイヤ)を、任意選択で他のワイヤを損傷することなくそれらと相互作用することを可能にする専用ツール(例えば、ピンセット、細長い棒)を使用して、位置決めされているワイヤから遠ざける。いくつかの実施形態では、任意選択で、障害物を除去している間、サポート配線アームは位置決めされているワイヤを保持しない。いくつかの実施形態では、任意選択で、ワイヤは障害物の周囲に2つのアームで配索される。いくつかの実施形態では、代わりに、障害物の周囲に迂回する新しい経路が計算される。
【0286】
1つの配線アームの使用(可能な場合)
いくつかの実施形態では、システムは、配線プロセスのために2つの配線アームを使用する義務はない。いくつかの実施形態では、例えば、短いワイヤ(例えば、1cm、2cm、5cmの長さを有する)を配線する場合、システムは、1つの配線アームが配線プロセス全体を実行することを可能にし、第二アームがキャビネットの全体の配線プロセスに関連する他のタスクを実行するために残されるように構成される。いくつかの実施形態では、任意選択で、短いワイヤの場合、配線アームは、ワイヤの1つの端部を物体/構成要素内に固定してから、ワイヤに沿って(場合によっては摺動運動を「感じながら」)もう1つの端部まで摺動し、その後、もう1つの端部を必要な位置に差し込む。いくつかの実施形態では、任意選択で、最初の差し込み後、アームはワイヤを解放し、任意選択でビジョンカメラなどのセンサの支援により、ワイヤをもう1つの端部で再び掴む。
【0287】
配線プロセス中の握り及び滑りの使用
いくつかの実施形態では、システムは、設計図に書かれた経路上にワイヤを割り振るためにその「握り及び滑り」機能を利用する。例えば、配線アームは、ワイヤを位置決めする必要がある表面の頂部上にワイヤを保持し、ワイヤを目的の経路内に位置決めしながら、ワイヤに沿ってゆっくりと移動することができる(「握り及び滑り」機能の「滑り」成分)。
【0288】
配線用遮断器の作動例
いくつかの実施形態では、ワイヤエンドエフェクタは、パネル内に配線用遮断器を作動させる、例えば上向き/下向きに移動させる、及び/または押し込むように構成される。いくつかの実施形態では、作動は延出部を使用して実行される。いくつかの実施形態では、作動は、専用の作動装置を使用して実行される。いくつかの実施形態では、構成要素をオン/オフに切り替えると、例えば、導通試験、負荷試験、論理試験(回路ロジックのもの)などの特定の試験が実行される。
【0289】
複雑なワイヤの使用
いくつかの実施形態では、システムは、単線ワイヤだけでなく、ワイヤ内に1つ以上のスプリットを含むワイヤも操作して、多線ワイヤ及び/またはハーネスを提供するように構成される。いくつかの実施形態、例えば、3つの端部を有するT字状のハーネスを備えたワイヤでは、サポートアームは、ワイヤにスプリットが設けられるワイヤ上の位置を保持し、先導アームがワイヤの1つの端部を構成要素に差し込み、その後、ワイヤの第二端部を第二構成要素に差し込む。
【0290】
キャビネット内のワイヤハーネスへのシステムの使用例
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの延出部は、構成要素に差し込む必要があるワイヤヘッドを保持するように構成される。例えば、ネットワークケーブルには専用のワイヤヘッド(RJ45コネクタとして知られている)が含まれる。この例では、エンドエフェクタの延出部は、ネットワークケーブルのRJ45コネクタを保持し、それをキャビネット内の専用構成要素に接続するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、これらのタイプのワイヤヘッドを接続するときに記録される感覚フィードバック、例えば、力覚、トルク、及び視覚フィードバックに関する情報を含む。いくつかの実施形態では、ワイヤヘッドが適所に適切に差し込まれたことを妥当性確認するために、感覚フィードバックが使用される。いくつかの実施形態では、ワイヤヘッドを適所に差し込んだ後、ロックアクチュエータを使用して、例えば構成要素内のコネクタのねじを締めることによって、ワイヤヘッドを適所に固定する。いくつかの実施形態では、ワイヤヘッドを差し込むためにデュアルプッシュアクション(すなわち、押して解放し、再度掴む)が使用される。
【0291】
タイムラインでのタスクの任意選択の分割
いくつかの実施形態では、システムは、タスクの一部を実行し、停止し、別のタスクを実行し、その後、前のタスクを選択して終了するように構成される。例えば、ワイヤの1つの端部を1つのコネクタに接続し、設計図に書かれた経路に沿ってワイヤを位置決めし、ワイヤを解放し、別のタスクを実行してから、以前に残したワイヤに戻り、コネクタへの位置決め及び/または接続を続行する。いくつかの実施形態では、ワイヤを再び掴むことは、視覚システムを使用して、及び/または既知の位置(構成要素、クリップ、角部)に行き、ワイヤに沿ってその端部まで滑ることによって行われる。
【0292】
ワイヤエンドエフェクタに複数の自由度を与える例
いくつかの実施形態では、ワイヤエンドエフェクタには、障害物及び/またはワイヤの過密を克服することを可能にするように複数の自由度(DOF)が与えられる。いくつかの実施形態では、ワイヤエンドエフェクタまたは操作中のアームには、各垂直軸を中心とした3回の回転及び3回の並進運動という6の自由度が与えられる。いくつかの実施形態では、ワイヤエンドエフェクタには7以上の自由度が与えられる。いくつかの実施形態では、6を超える自由度を与える潜在的な利点は、ソフトウェアに冗長性(または過剰冗長性)の問題を引き起こす可能性があるが、障害物を克服するために、及び/またはワイヤが過密な状況でワイヤを位置決めするときに、ワイヤ操作による解決が可能になる可能性もあることである。
【0293】
構成要素上のスマート識別マーカー
いくつかの実施形態では、電気キャビネット内で使用される構成要素がその頂部にスマート識別マーカーを含むため、そのスマート識別マーカーが配線プロセス中に自動配線システムによって読み取られることができる。例えば、ダクトに沿ったマーカーは、ダクトに沿った配線アームの位置に関する基準を提供する。例えば、この例ではコネクタXと呼ばれる特定のコネクタは、電気キャビネット内の特定の座標に配置されており、スマート識別マーカーを含む。いくつかの実施形態では、メカニカルアームは、メカニカルアームが正しい位置に正しく到着したことを裏付けるために使用される、スマート識別マーカー用のリーダーまたはカメラまたはセンサを備える。
【0294】
電気キャビネット上の位置マーカー
いくつかの実施形態では、電気キャビネットには専用の位置マーカーが設けられ、これらの位置マーカーは、設計コンソール102に格納された情報に追加され、配線プロセス中に、例えばカメラまたはリーダーを使用して、メカニカルアームによって使用されて識別される。
【0295】
セルフロック構成要素/コネクタの使用
いくつかの実施形態では、電気パネルには、例えばセルフロック機構を使用することによって、ワイヤを適所にロックするためのねじを含むコネクタを備えない構成要素が設けられる。
【0296】
スマートダクト/DINの例
いくつかの実施形態では、電気パネルには、自動配線プロセスを支援するように構成されたスマートダクト、あるいはスマートDINレール(または両方)が設けられる。例えば、ダクトは、ワイヤ用の1つまたは複数のクリップ及び/またはホルダ及び/または取り付け可能なリバーシブルコネクタを備えることができ、これらは、一旦配置されると、これらの中に配置されたワイヤを保持する。いくつかの実施形態では、これの潜在的な利点は、すでに配置されたワイヤが配線プロセスの残りの部分を妨げないことを可能にすることである。いくつかの実施形態では、ダクト/DINは、1つまたは複数の位置マーカーを備え、これらの位置マーカーも設計コンソール102に格納され、メカニカルアームによって使用されて識別される。いくつかの実施形態では、スマートダクト/DINは、以下に説明されるようにスマートワイヤを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、電気パネルは、ワイヤを位置決めし、その後、位置決めされたワイヤの頂部に逆にされたダクトを位置決めすることで、ワイヤが被覆されることを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、ダクト/DINは、メカニカルアームによって自動配線を助ける角度に位置決めされる。例えば、電気キャビネットに対して約1度から約15度の角度に位置決めされる。いくつかの実施形態では、ダクト/DINは、適所にあると、ダクト/DINにワイヤを締め付けるように構成された締め付けストリップを備える。いくつかの実施形態では、ダクトは、ロボットがワイヤを置く、及び/またはワイヤを側面に通すための容易なアクセスを提供するために、側面開口部を有する。いくつかの実施形態では、ダクトは、パネルの残りの部分に対するダクトのアライメント/位置を潜在的に容易にするマーク付けを有してもよく、例えば、マーク付けは、スケール/色などを含むことができる。いくつかの実施形態では、ダクトは、ワイヤの配置前/配置中または配置後にワイヤ組み立てロボットがワイヤを配置することを可能にするための1つまたは複数のアタッチメントを含む。例えば、ダクトは、底部に接着剤を有してもよく、この接着剤が配置されると、パネルにダクトを固定することができる。
【0297】
いくつかの実施形態では、DINレールは、パネルに対するレール内の位置の正確な位置及び識別を可能にするために、1つの端部または2つの端部にマーク付けを有する。いくつかの実施形態では、任意選択で、DINレール上に取り付けられた構成要素の各アレイの端部に、DINレール上に配置された構成要素の終了位置及び/または開始位置を識別するためにマーク付け構成要素が追加される。
【0298】
いくつかの実施形態では、ワイヤはダクトのないパネル内に位置決めされ、ワイヤの位置決めの一部または全部が終了した後、逆にされたダクト(底部に開口部を有し、頂部に被覆されることを意味する)がワイヤの頂部に位置決めされることにより、閉じたダクト内でワイヤを閉める。
【0299】
スマートワイヤの例
いくつかの実施形態では、電気パネルは、自動配線プロセスを支援するように構成されたスマートワイヤによって配線される。例えば、ワイヤは、ワイヤ用の1つまたは複数のクリップ及び/またはホルダ及び/または取り付け可能なリバーシブルコネクタを備えることができ、これらは、一旦ダクト/DIN内に挿入されると、ワイヤを適所に保持する。いくつかの実施形態では、これの潜在的な利点は、すでに配置されたワイヤが配線プロセスの残りの部分を妨げないことを可能にすることである。いくつかの実施形態では、ワイヤは、1つまたは複数の位置マーカーを備え、これらの位置マーカーも設計コンソール102に格納され、配線プロセス中にメカニカルアームによって使用されて識別される。いくつかの実施形態では、ワイヤは接続材料(例えば、接着剤)を含んでもよく、ワイヤが位置決めされると、接続材料はワイヤを適所に維持し、任意選択で、配置後にワイヤ上の接着剤が硬化することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤは、細長い部材がワイヤを掴むのを支援するために粗い表面を備える。いくつかの実施形態では、ワイヤは、ダクト内でのワイヤのより良好な配置をサポートする異なる断面、例えば正方形の断面を有する。
【0300】
ダクトのない電気キャビネットの例
いくつかの実施形態では、電気キャビネットは、例えば相互に取り付けられることができるスマートワイヤを提供することによって、ダクトを全く含まなくてもよく、これらのワイヤはワイヤを適所に保持するものである。
【0301】
配線アームモジュール206による配線方法の例
ここで図10を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、配線アームモジュール206による例示的な配線方法のフローチャートが示されている。いくつかの実施形態では、システムは、使用する必要があるワイヤ、ワイヤの長さ、及び必要なワイヤ端部のタイプに関する情報を受信する(1002)。いくつかの実施形態では、ワイヤ準備モジュールは、本明細書に開示されるようにワイヤを準備する(1004)。いくつかの実施形態では、ワイヤの第一端部は配線アームモジュールによって摘み上げられる(1006)。いくつかの実施形態では、ワイヤの第一端部は、電気キャビネット内の位置まで操作される(1008)。いくつかの実施形態では、配線アームモジュール206は、ワイヤの第一端部を第一構成要素の端子コネクタに差し込み、ワイヤを端子台内にロックし、例えば力の増加ではなくワイヤをわずかに引き戻して細長い延出部910a~bの滑りを「感じる」ことによって、妥当性確認を実行する(1010)。いくつかの実施形態では、ワイヤの第二端部は配線アームモジュールによって摘み上げられる(1012)。いくつかの実施形態では、ワイヤの第二端部は、電気キャビネット内の位置まで操作される(1014)。いくつかの実施形態では、ワイヤの第二端部の操作は、ワイヤの第一端部がワイヤのチャネル/トラックを通して差し込まれた位置から、ワイヤの第二端部がその位置に到達するまで、ワイヤを配索することを含む。いくつかの実施形態では、2つのワイヤアームモジュールは、チャネル/トラックを通したワイヤの差し込みの際に、人間が同じ作業を行っている間に行う作業と同様に、協働して作業する。例えば、角度付きチャネル/トラック内にワイヤを差し込む場合、1つのアームはワイヤを特定の位置に保持し、もう1つのアームはワイヤをチャネル/トラック内に/それを通して配置する、または例えば、ワイヤをオリフィスに通す必要がある場合、1つのアームはオリフィスの1つの側でワイヤを保持し、ワイヤの端部をオリフィスに通し、もう1つのアームはオリフィスのもう1つの側からワイヤの端部を摘む。上記の例が単なる例であり、本発明を決して限定するものではないことを理解されたい。
【0302】
いくつかの実施形態では、配線アームモジュール206は、ワイヤの第二端部を第二構成要素のコネクタに差し込み、ワイヤを端子台内にロックし、妥当性確認を実行する(1016)。いくつかの実施形態では、次いで、システムは、そのジョブに必要ないずれかの他のワイヤがあるかどうかを評価する(1018)。いくつかの実施形態では、回答が「はい」である場合、方法は最初から開始される。いくつかの実施形態では、回答が「いいえ」である場合、システムはレポートを作成し、ジョブを終了する(1020)。
【0303】
データフロー及び操作の例
ここで図11を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、自動配線システムの例示的なデータフロー及び操作の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、ユーザは、電気キャビネットの設計図を仮想で書くことから始める(1102)。いくつかの実施形態では、ユーザは専用ソフトウェアでシミュレーションを実行する(1104)。いくつかの実施形態では、設計図作成は、シミュレーションの結果を考慮して任意選択で最適化される(1106)。いくつかの実施形態では、最良の設計図が達成されるまで、さらなるシミュレーションが実行される。いくつかの実施形態では、続行する前に、システムは、設計図作成段階が終了したかどうかを確認するための最終評価を実行する(1108)。いくつかの実施形態では、回答が「いいえ」である場合、システムは設計図作成段階に戻る。いくつかの実施形態では、回答が「はい」である場合、システムは、他のプラットフォームでも共有されるように適合された電気回路設計図を作成し、システムは、他のプラットフォームでも共有されるように適合された電気パネルの機械製図を作成し、システムは、電気キャビネットの組み立てのための部品表(BOM)を作成する(1110)。
【0304】
いくつかの実施形態では、この時点で、システムは、電気回路図及び機械製図に基づいてワイヤの配索シーケンスを生成する(1111)。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で説明されているように、ワイヤの配索シーケンスの生成は、電気キャビネットにワイヤを差し込む一連の可能なシーケンスの仮想生成と、電気キャビネットの実際の配線中に発生する可能性のある問題の評価とを含む。いくつかの実施形態では、任意選択で、システムは、決定されたパラメータに任意選択で従って、ワイヤ配索シーケンスを最適化するためにシミュレーションを実行する。
【0305】
いくつかの実施形態では、上述のアクションは、電気回路を設計しているユーザのコンピュータとサーバとの間の連続したデータ交換を含む(1112)。いくつかの実施形態では、すべての組み立て準備が整うと、設計図の最終バージョンに従って、電気キャビネットが自動電気配線ユニット/システム106内に組み立てられる(1114)。いくつかの実施形態では、組み立て中に、自動電気配線ユニット/システム106は、パフォーマンスの連続した監視のためにサーバと通信する(1116)。
【0306】
照明配線器具の例
いくつかの実施形態では、自動電気配線システムは、照明ユニットの配線に使用される。以下の段落では、自動配線システムの使用例を開示する。以下は、当業者が本発明を理解することを可能にするためにもたらされた自動配線システムの使用例にすぎず、決して限定するものではないことを理解されたい。ここで図12を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、発光ユニット1200の自動電気配線の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、発光ユニット1200用の自動電気配線は、発光ユニット1200用の自動電気配線の異なる部品が取り付けられる基部1202を備える。いくつかの実施形態では、発光ユニット1200用の自動電気配線は、ワイヤエンドエフェクタ1206を含む少なくとも1つのロボットアーム1204を備える。いくつかの実施形態では、発光ユニット1200用の自動電気配線は、メインロボットアーム1208を支援するように構成された追加のロボットアームを任意選択で備える。いくつかの実施形態では、発光ユニット1200用の自動電気配線は、システムの配線アクションを監視するように構成されたデプスカメラ1210を任意選択で備える。図12には、配線プロセスが実行される位置での例示的な照明パネル1212も示されている。
【0307】
ここで図13A~Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、発光ユニット1200の自動電気配線の例示的なワイヤエンドエフェクタ1206の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、自動電気配線システムは、例えば、発光ユニット/器具(下記を参照)に使用される。いくつかの実施形態では、ワイヤエンドエフェクタ1206は、必要なワイヤ1306をグリッパ1308にフィードするように構成された専用モータ1304を含む機械式ワイヤフィーダ1302を備える。いくつかの実施形態では、上述されるように、グリッパ1308は、ワイヤ1306を挟んで保持するように構成された2つの(任意選択で指状の)延出部1310a~bを備える。いくつかの実施形態では、各延出部は、力付与機構1312a~bに連結され、この力付与機構は、挟み/保持アクションを作動させる2つの延出部1310a~bの運動を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、専用モータ1314は力付与機構1312a~bに連結される。いくつかの実施形態では、任意選択で、ワイヤエンドエフェクタ1206は、エンドワイヤカッタ1316を備え、このエンドワイヤカッタは、ワイヤ周囲の絶縁体を除去し、ワイヤの心線を露出させるように構成される。いくつかの実施形態では、ワイヤエンドエフェクタ1206は、真空システム(図示せず)を任意選択で備え、この真空システムは、エンドワイヤカッタ1316から廃棄物を摘み上げ、廃棄物容器1318内に運搬するように構成される。
【0308】
ここで図14を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、グリッパ1308及び延出部1310a~bの近接した概略図が示されている。同じ部品番号が使用される。いくつかの実施形態では、グリッパ1308は、グリッパ1308によって加えられる力を監視するように構成された1つまたは複数のセンサ1320を延出部1310a~b上に備える。いくつかの実施形態では、上記で説明されるように、センサは、代替または追加で、延出部を保持しているジンバルブロック(複数可)370内にある。いくつかの実施形態では、図14に概略的に示されるように、グリッパ1308は、3つの主な方向(Fin1、Fin2及びFin3としてマーク付けされる)に力を加えて監視する。いくつかの実施形態では、図14の左側に概略的に示されるように、これらの力は、ワイヤ1306をワイヤ端子1322に差し込むために使用される。いくつかの実施形態では、これらの力(Fin1、Fin2及びFin3)は、約5Nから約15N、任意選択で約7Nから約20N、任意選択で約8Nから約25N、例えば約8N、約10N、約12Nである。いくつかの実施形態では、上記の力のいずれかの分解能は約1Nのものである。
【0309】
専用のワイヤ準備モジュールを備えた水平方向自動配線システムの例
いくつかの実施形態では、自動配線システムは、水平方向プラットフォーム上に取り付けられるように構成される。図1A~B、図3及び図4に示される自動配線システムでは、自動配線システムは、本明細書に開示されているように、直立しているキャビネット上でのワイヤの接続を可能にする垂直方向プラットフォーム上に、必要なワイヤを提供するために、その近くのワイヤ準備モジュールと共に取り付けられる。図12に示される自動配線システムでは、自動配線システムは、プラットフォーム上にある物体の上のワイヤの接続を可能にする水平方向プラットフォーム上に、ワイヤエンドエフェクタ1206に組み込まれたワイヤフィーダと共に取り付けられる。
【0310】
以下の段落では、専用のワイヤ準備モジュールを備えた水平方向自動配線システムの変形形態が開示される。
【0311】
ここで図15を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、専用ワイヤ準備モジュールを備えた例示的な水平方向自動配線システムの概略図が示されている。いくつかの実施形態では、システムは、水平方向プラットフォーム1502上に取り付けられ、その頂部の上に必要なすべての機器が位置している。上述のように、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の配線アームモジュール1504(図15では2つを示す)を備え、任意選択で両方とも、上記で開示されたものと同様の配線エンドエフェクタモジュール1506及びワイヤ準備モジュール1508を備え、これらは、パネル1512の配線に使用される(例えば)、接続準備済みワイヤ1510を用意するように構成される。いくつかの実施形態では、図12に開示されたシステムと同様に、このシステムは、システムの配線アクションを監視するように構成されたデプスカメラ1514を任意選択で備える。いくつかの実施形態では、配線方法は、本明細書の他の箇所で開示されたものと同じである。
【0312】
ここで図16を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、専用ワイヤ準備モジュールを備えた別の例示的な水平方向自動配線システムの概略図が示されている。いくつかの実施形態では、システムは、一方が他方の近くに割り振られた2つの別個のシステムを備える。いくつかの実施形態では、1つのシステムは、ワイヤ準備システム1602であり、2つの完全に自動化されたメカニカルアーム1604を備え、ワイヤ1606がデバイス1608に差し込まれる準備をするように構成される。いくつかの実施形態では、もう1つのシステムは、別の2つの自動化されたメカニカルアーム1610を備える自動配線システムである。いくつかの実施形態では、ワイヤ準備システム1602は、自動配線システム1610の近くに残される複数のワイヤ1612を事前に準備することができる。いくつかの実施形態では、その他のシステムと同様に、このシステムは、システムの配線アクションを監視するように構成されたデプスカメラ1614を任意選択で備える。いくつかの実施形態では、配線方法は、本明細書の他の箇所で開示されたものと同じである。
【0313】
ここで図17Aを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、専用ワイヤ準備モジュールを備えた別の例示的な水平方向自動配線システム1700の概略図の等角図が示されている。いくつかの実施形態では、システムは、以下でさらに説明されるように、自動配線システムのすべての構成要素が設置される基部1702を備える。いくつかの実施形態では、基部1702は、配線が実行される電気キャビネット1722の割り振りのための専用スロットを備える。いくつかの実施形態では、電気キャビネットは、例えば図17Bに示される例示的な水平方向自動配線システム1700の上面図に示されるように、水平方向に位置決めされ、配線プロセスのためにDIN及びコネクタにアクセスできるようにする。いくつかの実施形態では、例示的な水平方向自動配線システム1700は、例えば図17Cにも示されるように、ワイヤ準備システム1704を備え、このワイヤ準備システムは、2つの水平方向レール1714上に取り付けられた2つの完全に自動化されたメカニカルアーム1706を備え、ワイヤ1708が電気キャビネット1722内に差し込まれる準備をするように構成される。いくつかの実施形態では、図4図5A~Bに開示されたものと同様に、ワイヤ準備システム1704は、ワイヤにマーク付けするための、少なくとも1つのクリンパ1710、カッタ(図示せず)、及び任意選択のレーザ彫刻機1712を備える。いくつかの実施形態では、複数のワイヤは、メカニカルアーム1706への関連ワイヤのより良好なアクセスを可能にするために垂直方向に移動するように構成されたデバイス1716内に保持される。
【0314】
いくつかの実施形態では、例示的な水平方向自動配線システム1700は、上記で開示されたメカニカルアームと同様に、別の2つの自動化されたメカニカルアーム1718を備える。いくつかの実施形態では、ワイヤ準備システム1704は、2つの自動化されたメカニカルアーム1718の近くに残される複数のワイヤを任意選択で事前に準備することができる。いくつかの実施形態では、その他のシステムと同様に、このシステムは、システムの配線アクションを監視するように構成されたデプスカメラを任意選択で備える。いくつかの実施形態では、配線方法は、本明細書の他の箇所で開示されたものと同じである。いくつかの実施形態では、2つの自動化されたメカニカルアーム1718のそれぞれは、基部1702上で水平方向に移動するように構成される基部1724上に取り付けられる。いくつかの実施形態では、例示的な水平方向自動配線システム1700は、例えば図17Dに示されるように、配線前及び/または配線後に電気キャビネット1722を挿入する及び/または除去するために移動する引き出し状のパネルハンドリングモジュール1720を備える。
【0315】
電気キャビネット内の電気要素の任意選択の取り付け例
いくつかの実施形態では、自動配線システムに加えて、本発明のシステムは、自動配線プロセスの前に電気キャビネット内に電気部品を取り付けるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、これを行う潜在的な利点は、電気キャビネットのすべての準備が同じ位置で実行され、監視されることである。
【0316】
単腕システムの例
いくつかの実施形態では、システムは、配線プロセスのすべての自動化されたアクションを実行するように構成された1つのメカニカルアームを備える。例えば、配線の準備ができている既製のワイヤは、一方の側がメカニカルアームによって保持され、もう一方の側がウインチに巻き戻され、必要に応じてワイヤが解放される。いくつかの実施形態では、ワイヤを備えたウインチは、ワイヤ準備モジュールからメカニカルアームに直接設けられる。
【0317】
上記で説明され、以下の特許請求の範囲で特許請求される本発明の様々な実施形態及び態様は、以下の例示的な実施形態で実験的裏付けを見出す。
【0318】
例示的な実施形態
ここで、以下の例示的な実施形態が参照されるが、下記の例示的な実施形態は、上記の説明とともに、本発のいくつかの実施形態を非限定様式で例示する。
【0319】
ここで図18A~Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、2つの自動化されたメカニカルアームによる配線プロセスの概略図が示されている。
【0320】
図18Aは、2つの自動化されたメカニカルアーム1802/1804の概略図を示す。以下の説明では、1つの自動化されたメカニカルアームをアーム1 1802と呼び、別の自動化されたメカニカルアームをアーム2 1804と呼ぶ。また図18Aに示されているのは、配線が必要な電気パネル1806の概略図である。図18Bは、電気パネル1806の概略図をより詳細に示している。例示的な電気パネル1806は、5つのダクト1808-1/5を備える。例示的な電気パネルは、複数の構成要素をさらに備え、本発明の例では、構成要素A及び構成要素Bは、それらの間で接続するためのワイヤを必要とする。
【0321】
また図18Bには、以下の説明のために1から8までの丸で囲まれた基準点がマーク付けされている。
【0322】
上述のように、次の例では、構成要素Aと構成要素Bとの間にワイヤを配置する必要がある。この例に関しては、構成要素Aから構成要素Bへの選択された経路は、構成要素Aに接続されたワイヤである、ワイヤを基準点1から基準点2に延長し、基準点3に続いてダクト1808-3に入ることによるものであることが決定された。次に、ワイヤは、ダクト1808-3内で基準点4に向かい、ダクト1808-5内に延長されるように曲がる必要がある。次に、ワイヤは、ダクト1808-5内で基準点5に向かい曲がる必要がある。次に、ワイヤは、ダクト1808-4内で基準点6に向かい曲がる必要がある。その後、ワイヤは、基準点7でダクト1808-4から出て、基準点8に続いて構成要素Bに差し込まれる。
【0323】
次の表は、基準点1から基準点8までワイヤを配置する際のアーム1 1802及びアーム2 1804のアクションを要約したものである。
【表1】
【0324】
ここで図19を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、グリッパ内のセンサによって識別される、構成要素の電気端子コネクタ内へのワイヤの差し込みの例示的なフェーズを説明するグラフが示されている。いくつかの実施形態では、上記でさらに開示されるように、システムは、構成要素の電気端子コネクタへのワイヤの差し込みの異なるフェーズを識別するように構成される。図19のグラフは、保持されたワイヤに関してグリッパ1308の指状延出部910a~b上のセンサによって感知された力を示す。いくつかの実施形態では、フェーズは次のとおりである。
【0325】
フェーズA:構成要素の電気端子コネクタの方に前進する。いくつかの実施形態では、このフェーズで、ワイヤはグリッパ1308によって保持され、グリッパ1308は構成要素の電気端子コネクタの方に前進している。いくつかの実施形態では、最初は、ワイヤがいかなる遮断物にも遭遇していない場合と同じ力が感知される。いくつかの実施形態では、ある時点で、ワイヤが構成要素の電気端子コネクタに接触し、センサは、感知した力の増加を感知し始める。あるピークに達すると、システムはその次のフェーズに移行する。いくつかの実施形態では、ピークは、ワイヤのタイプ及び/または電気端子コネクタのタイプに依存してもよく、それに基づいて任意選択で設定されてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤのタイプ、構成要素のコネクタのタイプ、及び「感知された」力の間の関係は、システムによって学習され、専用のデータベースに格納される。いくつかの実施形態では、AIアルゴリズムを使用して、学習データに基づいてこれらのピーク値を生成する。
【0326】
フェーズB:構成要素の電気端子コネクタから後退する。いくつかの実施形態では、あるピークに達すると、グリッパ1308は、ワイヤを保持したままであるが、それで実際にワイヤを引くことなく、後退し始める。いくつかの実施形態では、グラフに示されるように、グリッパが握りを緩めると、感知される力は大幅に減少する。
【0327】
フェーズC:ワイヤを引きながら構成要素の電気端子コネクタから後退する。いくつかの実施形態では、ワイヤと構成要素の電気端子コネクタとの間の正しい接続を評価するために、グリッパは構成要素の電気端子コネクタから後退し続けながらワイヤをそっと保持する。いくつかの実施形態では、この時点で、1.ワイヤは正しく接続されており、グリッパが接続されたワイヤ上で滑る原因となる運動がないこと、または2.ワイヤは正しく接続されておらず、電気端子コネクタから引き抜かれること、という2つのことが起こり得る。いくつかの実施形態では、上述のように、各試行後、値は、学習される、及び/または調整される。
【0328】
いくつかの実施形態では、異なるタイプの電気端子コネクタ及び異なるタイプのワイヤは、グリッパによって感知される異なる力によって特徴付けられる、異なる力によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、システムは、異なるタイプの電気端子コネクタ及び異なるタイプのワイヤの異なる組み合わせが保存されるデータベースを備え、ユーザによって提供される入力に従って、システムはそれに応じてグリッパを作動させる。
【0329】
ここで図20A~Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、3つの異なるシナリオにおいてグリッパが感知した力の3つの異なる例が示されている。図20Aは、グリッパの後退中にセンサが感知したものの例を示しており、ワイヤは構成要素の電気端子コネクタにまったく接続されていなかった。この場合、ワイヤがグリッパの引きに抵抗しないため、感知される力は増加しない。
【0330】
図20Bは、グリッパの後退中にセンサが感知したものの例を示しており、ワイヤは構成要素の電気端子コネクタに正しく接続されていなかった。この場合、最初にグリッパは、ワイヤが引きに抵抗するまで後退し始め、これは、感知される力の増加に変換される。ある時点で、ワイヤが適切に接続されていないため、構成要素の電気端子コネクタからワイヤが取り外され、これは、感知される力の突然の減少によって証明され、その後、最初と同じレベルまで戻る。
【0331】
図20Cは、グリッパの後退中にセンサが感知したものの例を示しており、ワイヤは構成要素の電気端子コネクタに正しく接続された。この場合、最初にグリッパは、ワイヤが引きに抵抗するまで後退し始め、これは、感知される力の増加に変換される。ある時点では、ワイヤが適切に接続されているため、グリッパはワイヤ上で滑り始め、これは、グラフの端でグリッパにかかる感知された力の減少によって証明される。
【0332】
ここで図21を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なシナリオの特性の複数のテスト実験が示されている。先に開示されるように、最初はワイヤからの抵抗がなく、グリッパが動くため、力センサからの入力は安定した状態である。次に、ワイヤが構成要素の電気端子コネクタに入ると、ワイヤとコネクタとの間の抵抗により、センサからの入力にスパイクが発生する。次に、デバイスはワイヤと構成要素の電気端子コネクタとの間の接続を評価するためにワイヤを後方に引き始める。この部分は、図21に示されるように、センサから受信する入力が急に減少することによって特徴付けられる。次に、ワイヤと電気端子コネクタとの間の接続のアウトカムに応じて、様々な入力をセンサから受信する。テスト1では、変化のないグラフからわかるように、ワイヤはコネクタから外れた。テスト2では、ワイヤを後方に引いている間にワイヤがコネクタから断線した。テスト3では、ワイヤはコネクタに完全に接続され、後退中にグリッパはワイヤ上で滑った。テスト4では、ワイヤを後方に引いている間にワイヤがコネクタから断線した。前述のグラフは、当業者が本発明を理解することを可能にするために提供された例示的な実験であり、決して限定するものではない。
【0333】
量または値に関して本明細書で使用される場合、「約」という用語は、「その±20%以内」を意味する。
【0334】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語及びそれらの同根語は、「限定ではないが、~を含む(including but not limited to)」を意味する。
【0335】
「~から成る(consisting of)」という用語は、「含み、~に限定される(including and limited to)」ことを意味する。
【0336】
「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という用語は、組成物、方法または構造物が、追加の成分、ステップ及び/または部品を含むことができることを意味するが、追加の成分、ステップ及び/または部品が、特許請求された組成物、方法または構造物の基本的かつ新規な特性を実質的に変えない場合に限る。
【0337】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示される場合を除き、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、複数の指示対象を含む。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
【0338】
本出願を通して、本発明の実施形態は、範囲形式を参照して提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記述は、その範囲内の個々の数値だけでなく、可能性のある全てのサブ範囲を具体的に開示したものと見なされるべきである。例えば、「1~6」といった範囲の記述は、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などといったサブ範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、及び6とが具体的に開示されていると見なされるべきである。これは、範囲の広さに関係なく適用される。
【0339】
本明細書で数値の範囲が示されている場合(例えば、「10~15」、「10から15」、またはこれらの別のこのような範囲表示によって連結された数値の組)には、文脈から明らかに別の指示がない限り、範囲の限界を含む、示された範囲の限界内の任意の数値(分数または整数)を含むことを意味する。第一表示番号と第二表示番号との「間の範囲(range/ranging/ranges between)」という句、及び第一表示番号「から」第二表示番号「まで(to)」、「まで(up to)」、「まで(until)」または「まで(through)」の「範囲(range/ranging/ranges from)」という句は、本明細書では互換的に使用され、第一表示番号及び第二表示番号と、それらの間の分数及び整数の数字の全てを含むことを意味する。
【0340】
別段の指示がない限り、本明細書で使用される数値及びそれに基づく任意の数値範囲は、当業者が理解する妥当な測定精度及び丸め誤差の範囲内での近似値である。
【0341】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特徴を、単一の実施形態において組み合わせで設けることもできることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴を、別々に、または任意の好適な副次的な組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において好適なものとして設けることもできる。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なすべきではない。
【0342】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの代替案、修正及び変形が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に含まれるそのようなすべての代替案、修正及び変形を包含することが意図されている。
【0343】
本明細書に記述されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが示されているときに、これが明確かつ個別に注記されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることが出願人(出願人ら)の意図である。さらに、本願におけるいずれかの参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であるということの承認として解釈するべきではない。セクションの見出しが使用されている場合、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本願のいずれかの優先権書類(複数可)は、本明細書により、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B1
図7B2
図7B3
図7B4
図7B5
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C1
図9C2
図9C3
図9D
図9E1
図9E2
図9E3
図9F
図9G
図9H
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】