(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】医療用プローブ消毒装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20231213BHJP
A61L 2/14 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558111
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 KR2021017125
(87)【国際公開番号】W WO2022124628
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0169527
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523212416
【氏名又は名称】アイビーエムソル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IBMsol Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】(Kyung Hee University Medical Center, Hoegi-dong) #502, 5th Floor, 23, Kyungheedae-ro, Dongdaemun-gu, Seoul 02447, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒ キョン
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058BB06
4C058EE02
4C058EE12
4C058EE16
4C058EE26
4C058KK02
4C058KK06
(57)【要約】
(1)消毒処理すべき医療用プローブが収容され、開閉可能な消毒チャンバーを有する装置本体と、(2)装置本体に設置され、消毒チャンバーの内部に医療用プローブが位置するように保持するプローブ保持部と、(3)消毒チャンバー内にて医療用プローブについてUV光を用いて消毒するUV殺菌ユニットと、(4)消毒チャンバーの内部でプラズマを用いて医療用プローブを消毒するプラズマ消毒処理部と、(5)消毒チャンバーの外部へのプラズマ漏れを防止するシール部と、を含むことを特徴とする、医療用プローブ消毒装置が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒処理すべき医療用プローブが収容され、開閉可能な消毒チャンバーを有する装置本体と、
前記装置本体に設置され、前記消毒チャンバーの内部に前記医療用プローブが位置するように保持するプローブ保持部と、
前記消毒チャンバー内にて前記医療用プローブについてUV光を用いて消毒するUV殺菌ユニットと、
前記消毒チャンバーの内部でプラズマを用いて前記医療用プローブを消毒するプラズマ消毒処理部と、
前記消毒チャンバーの外部へのプラズマの漏れ出しを防止するシール部と、を含むことを特徴とする、医療用プローブ消毒装置。
【請求項2】
前記装置本体は、
内部に前記プラズマ消毒処理部が設置され、外側の前面に前記プローブ保持部と前記UV殺菌ユニットが設置される装置ハウジングと、
前記外側の前面に、前記プローブ保持部によって保持された医療用プローブと、前記UV滅菌ユニットとを覆うように開閉可能に設置され、覆った状態で前記装置ハウジングとの間に前記消毒チャンバーを形成するチャンバー用ドアと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用プローブ消毒装置。
【請求項3】
前記プローブ保持部は、
前記消毒チャンバーの内部に位置するように、前記装置ハウジングの前面に突出するように固定されて設置され、前記医療用プローブのケーブルを保持する第1保持部材と、
前記第1保持部材の上方に位置し、前記消毒チャンバーの外部に固定されて前記医療用プローブのケーブルを支持する第2保持部材と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の医療用プローブ消毒装置。
【請求項4】
前記プローブ保持部は、
前記医療用プローブのケーブルに結合され、前記第2保持部材に掛け止めされるようにして前記医療用プローブの荷重を支持する掛け止め部材をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の医療用プローブ消毒装置。
【請求項5】
前記UV殺菌ユニットは、
前記装置ハウジングの前面に配置されてUV光を照射する前面殺菌部と、
前記消毒チャンバー内の下部に配置され、前記装置ハウジングの前面から突出して前記医療用プローブの下方からUV光を照射する下部殺菌部と、
前記前面殺菌部の両側に配置され、前記装置ハウジングの前面に突出して前記医療用プローブの側部にUV光を照射する一対の側部殺菌部と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の医療用プローブ消毒装置。
【請求項6】
前記シール部は、
前記装置ハウジングの前面に突出するように設置され、前記医療用プローブのケーブルが挿通されるケーブル装着用スリット状穴を有するケーブルシール用ホルダーと、
前記チャンバー用ドアにおける前記装置ハウジングに接する密着周縁部に設置され、前記チャンバー用ドアの閉鎖動作の際に、前記装置ハウジングの前面と前記ケーブルシール用ホルダーとに密着するシール部材と、を含むことを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の医療用プローブ消毒装置。
【請求項7】
前記プラズマ消毒処理部は、
前記装置ハウジングの内部に設置され、プラズマを発生して前記消毒チャンバーへと供給するプラズマ発生部と、
前記装置ハウジングに設置され、前記消毒チャンバーに供給されたプラズマを吸入して回収するプラズマ回収ポンプと、
前記プラズマ回収ポンプによって回収される回収経路上に設置され、オゾンをフィルタリングして除去するフィルターと、を含むことを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の医療用プローブ消毒装置。
【請求項8】
前記シール用ホルダーは、外力によって弾性変形可能な材質で形成されることを特徴とする、請求項6に記載の医療用プローブ消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用プローブ消毒装置に関し、より詳細には、超音波検査のための医療用プローブを殺菌消毒処理することができる医療用プローブ消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、超音波検査は、人体に無害な超音波を用いて人体内部の臓器の疾病の有無を診断する技術であって、検査が比較的安価で簡単であり、安全(非放射線)であって様々な診療分野で使用されている。特に、韓国の場合、健康保険給付化により検査件数が急激に増加している。
【0003】
このような超音波探針は、不特定多数の患者の人体に接触をして検査するため、検査後に周期的な消毒を行わなければ様々な病原菌が存在し、また、被検査者の手を用いて探針を掴んで検査するため、被検査者の適切な手感染管理が足りなければ、病原菌の温床になるおそれがある。
【0004】
特に、産婦人科で使用される膣超音波探針の場合、患者の膣腔内に挿入されて膣粘膜及び子宮頸部に直接接触し、探針が汚染すると、様々な性媒介性感染だけでなく、子宮頸がんの誘発因子であるヒトパピローマウイルス(HPV、Human papillomavirus)の感染を引き起こすため、膣探針の場合は、準リスク医療器具として、検査前に高レベルの消毒が要求される。
【0005】
産婦人科の場合、超音波探針の検査前に探針を一次的に消毒し、消毒された探針に、使い捨ての保護カバー(コンドーム)を被せる。このような過程は、検査前に、患者ごとに繰り返し行われなければならない。
【0006】
このように、産婦人科の膣超音波検査過程中における高い感染リスクを予防するための疾病管理本部の超音波プローブ消毒管理指針にも拘らず、1サイクルあたり20分以上の長い消毒時間に起因して、消毒過程が省略されたまま、使い捨ての保護カバーのみを交換して検査が行われている。
【0007】
このように、医療用プローブを一次的に消毒せず、使い捨ての保護カバーのみを繰り返して使用するようにすると、検査者における適切な手の管理が足りない場合、病原菌により医療用プローブが汚染されるので、探針に保護カバーを被せることが無意味になる。
【0008】
特に、検査者がプローブの取っ手部分に繰り返し接触するので、汚染された医療用プローブを殺菌及び消毒処理せずに使用し続けると、次の被検査者が再度感染して病原菌の温床になるおそれがある。また、医療用プローブを操作する検査者同士の間でも感染にさらされるおそれがある。
【0009】
かかる点に鑑みて、超音波プローブ、すなわち医療用プローブを消毒処理することが可能な装置の一例として、韓国公開実用新案公報第20-2014-0003473号に開示されている。
【0010】
前記従来の技術によれば、プローブを消毒するためにケースの内部に据え置き、UVランプを用いて消毒することができる構成を有する。
【0011】
ところが、上述した従来の技術によれば、UV光を用いてプローブを消毒するのに限界があり、特に、病原菌とウイルスを効果的に殺菌及び消毒するのには限界がある。すなわち、UV光が及ばない部分での効果的な殺菌を確約することができないため、外部に露出しないプローブの隙間に対する均一な消毒処理には限界がある。
【0012】
また、UV光を用いてプローブを消毒すると、物理的にのみ消毒を行うことになり、完全に消毒処理するのには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みて創案されたもので、その目的は、UV光とプラズマを用いて物理的及び化学的な殺菌及び消毒処理を行うことができる医療用プローブ消毒装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための本発明の医療用プローブ消毒装置は、(1)消毒処理すべき医療用プローブが収容され、開閉可能な消毒チャンバーを有する装置本体と、(2)前記装置本体に設置され、前記消毒チャンバーの内部に前記医療用プローブが位置するように保持するプローブ保持部と、(3)前記消毒チャンバー内にて前記医療用プローブについてUV光を用いて消毒するUV殺菌ユニットと、(4)前記消毒チャンバーの内部でプラズマを用いて前記医療用プローブを消毒するプラズマ消毒処理部と、(5)前記消毒チャンバーの外部へのプラズマの漏れ出しを防止するシール部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
これにより、医療用プローブをUV光とプラズマを用いて物理的及び化学的に消毒処理することができる。
【0016】
ここで、前記装置本体は、(i)内部に前記プラズマ消毒処理部が設置され、外側の前面に前記プローブ保持部と前記UV殺菌ユニットとが設置される装置ハウジングと、(ii)前記外側の前面に、前記プローブ保持部によって保持された医療用プローブと前記UV滅菌ユニットとを覆うように開閉可能に設置され、覆った状態で前記装置ハウジングとの間に前記消毒チャンバーを形成するチャンバー用ドアと、を含むことが好ましい。
【0017】
これにより、消毒チャンバーを容易に開閉して、消毒すべき医療用プローブを容易に取り付け及び取り外しすることができる。
【0018】
また、前記プローブ保持部は、(a)前記消毒チャンバーの内部に位置するように前記装置ハウジングの前面に突出するように固定・設置され、前記医療用プローブのケーブルを保持する第1保持部材と、(b)前記第1保持部材の上方に位置し、前記消毒チャンバーの外側に固定されて前記医療用プローブのケーブルを支持する第2保持部材と、を含むことが好ましい。
【0019】
これにより、消毒すべき医療用プローブを消毒チャンバー内に安定的な姿勢で保持して固定することができる。
【0020】
また、前記プローブ保持部は、前記医療用プローブのケーブルに結合され、前記第2保持部材に掛け止めされるようにして前記医療用プローブの荷重を支持する掛け止め部材をさらに含むことが好ましい。
【0021】
これにより、医療用プローブの種類別にケーブルのサイズが異なっても、安定的に保持して消毒処理することができる。
【0022】
また、前記UV殺菌ユニットは、(1)前記装置ハウジングの前面に配置されてUV光を照射する前面殺菌部と、(2)前記消毒チャンバー内の下部に配置され、前記装置ハウジングの前面から突出して前記医療用プローブの下方からUV光を照射する下部殺菌部と、(3)前記前面殺菌部の両側に配置され、前記装置ハウジングの前面に突出して前記医療用プローブの側部にUV光を照射する一対の側部殺菌部と、を含むことが好ましい。
【0023】
これにより、消毒チャンバー内に保持された医療用プローブを、様々な方向からUVを照射して効果的に消毒処理することができる。
【0024】
また、前記シール部は、(1)前記装置ハウジングの前面に、突出するように設置され、前記医療用プローブのケーブルが挿通されるケーブル装着用スリット状穴を有するケーブルシール用ホルダーと、(2)前記チャンバー用ドアにおける前記装置ハウジングに接する密着周縁部に設置され、前記チャンバー用ドアの閉鎖動作の際に前記装置ハウジングの前面と前記ケーブルシール用ホルダーとに密着するシール部材と、を含むことが好ましい。
【0025】
これにより、ケーブルが接続された医療用プローブを消毒チャンバー内に入れ、外部と完全に遮断した状態でUV光とプラズマを用いて安全に消毒処理することができる。
【0026】
また、前記プラズマ消毒処理部は、(1)前記装置ハウジングの内部に設置され、プラズマを発生して前記消毒チャンバーへ供給するプラズマ発生部と、(2)前記装置ハウジングに設置され、前記消毒チャンバーに供給されたプラズマを吸入して回収するプラズマ回収ポンプと、(3)前記プラズマ回収ポンプによって回収される回収経路上に設置され、オゾンをフィルタリングして除去するフィルターと、を含むことが好ましい。
【0027】
これにより、消毒及び殺菌に使用されたプラズマを回収する際、オゾンをフィルタリングして安全に処理することができる。
【0028】
また、前記シール用ホルダーは、外力によって弾性変形可能な材質で形成されることが好ましい。
【0029】
これにより、プローブのシール状態をより確実に維持させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の医療用プローブ消毒装置によれば、医療用プローブについて、UV光とプラズマを用いて物理的・化学的に消毒及び殺菌処理することができる。よって、医療用プローブの表面について、全体的に、均一に消毒及び殺菌処理することができる。
【0031】
また、本発明は、消毒チャンバーの内部にケーブルが接続された状態にある医療用プローブを保持した状態にて、外部と完全に遮断することが可能なシール部を備えることにより、プラズマの外部への漏れ出しを遮断しながら、安定的に消毒処理することができる。
【0032】
また、医療用プローブの種類ごとにケーブルのサイズが異なるとしても、これを、安定的に保持して、消毒チャンバー内に固定させることができる。
【0033】
このように、医療用プローブを自動的に消毒及び殺菌処理することができるので、メンテナンスが容易であり、人件費を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の実施形態による医療用プローブ消毒装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示された医療用プローブ消毒装置の分離斜視図である。
【
図3】
図1に示された医療用プローブ消毒装置の分離斜視図である。
【
図4】
図1に示された医療用プローブ消毒装置の正面図である。
【
図6】
図1に示された医療用プローブ消毒装置の平面図である。
【
図8】
図2に示された掛け止め部材を示す斜視図である。
【
図9】
図1に示されたシール部を説明するための部分結合断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による医療用プローブ消毒装置を詳細に説明する。
【0036】
図1~
図9を参照すると、本発明の実施形態による医療用プローブ消毒装置は、(1)消毒処理すべき医療用プローブ10が収容される消毒チャンバー101を有する装置本体100と、(2)消毒チャンバー101の内部に設置され、前記医療用プローブ10を支持するプローブ保持部200と、(3)消毒チャンバー101内で医療用プローブ10を物理的に消毒するUV殺菌ユニット300と、(4)消毒チャンバー101内の医療用プローブ10についてプラズマを用いて消毒するプラズマ消毒処理部400と、(5)消毒チャンバー101の外部へのプラズマの漏れ出しを防止するシール部600と、を備える。
【0037】
前記装置本体100は、(i)装置ハウジング110と、(ii)前記装置ハウジング110の前面に開閉可能に結合されて消毒チャンバー101を形成するチャンバー用ドア120と、を備える。
【0038】
前記装置ハウジング110は、内部に一定の空間を有するケーシング構造を持ち、内部に、前記プラズマ消毒処理部400と制御部440とが設置される。装置ハウジング110の前面に、チャンバー用ドア120が開閉可能に結合される。チャンバー用ドア120によって覆われる装置本体100の前面には、プローブ保持部200とUV殺菌ユニット300が設置される。
【0039】
前記プローブ保持部200は、(a)装置ハウジング110の前面の上部に突出するように固定・設置される第1保持部材210と、(b)第1保持部材210の上方に位置して消毒チャンバー101の外部に固定される第2保持部材220と、(c)プローブ10のケーブル13に結合して前記第2保持部材220に掛け止めされるようにする掛け止め部材230と、を備える。
【0040】
前記第1保持部材210は、消毒チャンバー101内の上部に位置するように設置され、先端には、プローブ10の取っ手11に隣接するケーブル13が強制嵌め込みされて支持されるケーブル結合凹部211が形成される。
【0041】
前記第2保持部材220は、第1保持部材210よりも高い位置に設置され、チャンバー用ドア120を閉じた状態にて外部に露出するように、消毒チャンバー101の外部に位置する。このような第2保持部材220は、装置本体100の前面に、ボルト等の締結部材によって固定・設置され、前方に突出する一対の支持リブ221を有する。一対の支持リブ221は、互いに離隔して並んで形成され、先端は上方へと折り曲げられて延びる。このような構成の支持リブ221の間に、プローブ10のケーブル13が通過するのであって、ケーブル13に結合される掛け止め部材230が、支持リブ221の上部に据え付けられて支持されうる。そして、支持リブ221に据え付けられた掛け止め部材230は、支持リブ221の先端が折り曲げられた構成によって、抜け出ずに安定的に据え付けられて固定されることにより、プローブ10を安定的な状態で保持して消毒処理することができる。
【0042】
前記掛け止め部材230は、プローブ10のケーブル13をクランプして固定することにより、ケーブル13を第2保持部材220に安定的に固定させることができる。すなわち、プローブ10の種類ごとにケーブルの大きさが異なり得るが、このような点を考慮して別途の掛け止め部材230をケーブル13に結合するのであって、その掛け止め部材230を第2保持部材220に据え付けて固定するのであり、第1保持部材210にケーブル13がしっかりと固定されなくても、プローブ10を、消毒チャンバー101内の空間に安定的な姿勢で収容して消毒処理することができる。このような掛け止め部材230は、リング形状を有するのであり、少なくとも一端が切開されることで、ケーブル13に対してクランプした状態で結合することが可能な、一対のクランプ部材231を含む構成を有しうる。一対のクランプ部材231は、広げられた状態で、この間にケーブル13を入れるのであって、別途の締結部材232でもって結合するか、或いは、別途のフック(図示せず)を一体に形成することで、いわゆるワンタッチ式で結合することにより、ケーブル13をしっかりとクランプする方式で固定することができる。
【0043】
また、装置ハウジング110の外側には、ケーブル13を固定してまとめるためのケーブルホルダー240が複数設置されうる。
【0044】
前記UV殺菌ユニット300は、前面殺菌部310、下部殺菌部320及び一対の側部殺菌部330を備える。
【0045】
前記前面殺菌部310は、装置ハウジング110の前面に設置される前面光モジュール311と、前面光モジュール311の背面に配置され、前面光モジュール311から発生する光を前面に反射する前面光反射板313と、を備える。前面光反射板313は、装置ハウジング110の前面に、引き込まれるようにして取り付けられる。前面光反射板313は、前面光モジュール311に結合される。
【0046】
前記下部殺菌部320は、殺菌チャンバー101内の下部に配置される下部光モジュール321と、下部光モジュール321の下部に配置される下部光反射板323と、装置ハウジング110の前面の下部に突出して設置され、前記下部光反射板323が装着される下部装着部325と、を備える。
【0047】
前記下部装着部325は、装置ハウジング110の前面に突出して設置され、上面に、下部光反射板323が取り付けられる取付凹部が形成される。
【0048】
前記側部滅菌部330は、プローブ保持部200にて保持されたプローブ10について、両側からUV光を用いて消毒処理することができるように、一対が対向するように設置される。このような側部滅菌部330は、(1)前面殺菌部310を基準として両側に配置される側部光モジュール331と、(2)側部光モジュール331の背面に設置され、側部光モジュール331を支持する側部光反射板333と、(3)前記光反射板333が装着される側部装着部335と、を備える。前記側部装着部335は、装置ハウジング110の前面に突出して設置され、好ましくはプローブ10の長さに対応する長さに上下に長く形成される。プローブ10に対向する面には、側部光反射板333が取り付けられる取付凹部が形成される。前記構成を有するUV殺菌ユニット300は、プローブ保持部200に保持されたプローブ10の全体の部分にUV光を照射することができることから、プローブ10を効果的に殺菌処理することができる。
【0049】
また、前記チャンバー用ドア120の内壁にも反射板が設置されることにより、UV殺菌ユニット300から発生するUV光を反射してプローブ10に集中するようにすることが好ましい。
【0050】
前記プラズマ消毒処理部400は、(1)装置ハウジング110の内部に設置され、プラズマを発生して消毒チャンバー101へ供給するプラズマ発生部410と、(2)消毒チャンバー101へ供給されたプラズマを吸入して回収するプラズマ回収ポンプ420と、(3)プラズマ回収ポンプ420によって回収されるプラズマの回収経路上に設置され、オゾンをフィルタリングして除去するフィルター430及び制御部440と、を備える。
【0051】
前記プラズマ発生部410は、制御部440によって制御され、駆動時にプラズマを発生し、発生したプラズマを、別途の経路を通じて消毒チャンバー101の内部へと供給する。好ましくは、消毒チャンバー101内の上部から供給するのがよい。このために、装置ハウジング110の前面の上部には、プラズマを供給するためのプラズマ吐出孔が、1つまたは複数形成される。
【0052】
前記プラズマ回収ポンプ420は、制御部440によって駆動制御され、動作時に回収ラインを通じて消毒チャンバー101内のプラズマを吸入して回収する。この際、プラズマ発生部410の駆動の後、設定された時間が経過した後にプラズマ回収ポンプ420が駆動されてプラズマを回収するように動作する。そして、プラズマを回収する過程で、オゾンをろ過して除去することができるように、プラズマ回収ラインにはフィルター430が設置される。プラズマ回収ポンプ420によって回収されるプラズマの回収孔は、消毒チャンバー101の下部に位置し、好ましくは、装置ハウジング110の前面の下部に、プラズマを回収するためのプラズマ回収孔が1つまたは複数形成されるのが良い。
【0053】
前記制御部440は、消毒チャンバー101内に、消毒すべきプローブ10を装着した後、チャンバー用ドア120を閉じた状態で動作信号が入力されると、UV殺菌ユニット300を駆動してプローブ10をUV光で消毒処理する。また、UV殺菌ユニット300による殺菌処理の前又は後に、設定された時間の間にプラズマ発生部410を駆動制御してプラズマを供給し、一定時間、プラズマを用いてプローブ10を消毒処理する。その後、設定された消毒処理時間が経過した後、設定された時間の間にプラズマ回収ポンプ420を駆動制御してプラズマ及びオゾンを安全に回収及び処理することにより、プローブ10を安全かつ効果的に消毒処理することができる。
【0054】
前記フィルター430は、プラズマ回収経路上に設置され、回収されるプラズマに含まれているオゾンを破壊して安定な状態にする。このようなフィルター430は活性炭フィルターを含むことができる。
【0055】
このように、プラズマを用いてプローブを消毒処理すると、UV光を用いた消毒処理が至らなかった部分までも完璧に、すなわち化学的に消毒処理することができるようになり、プローブ10の消毒処理の信頼性を高め、二次的な感染伝播を防止することができる。
【0056】
前記シール部600は、装置ハウジング110の前面に突出して設置されるケーブルシール用ホルダー610と、前記チャンバー用ドア120の密着する周縁部に設置されるシール部材620と、を備える。ケーブルシール用ホルダー610は、チャンバー用ドア120を装置ハウジング110の前面に密着させて閉じる際に、チャンバー用ドア120の密着する周縁部に接するように、装置ハウジング110の前面に突出して設置される。そして、ケーブルシール用ホルダー610は、チャンバー用ドア120に接する面が曲面からなり、中央には、ケーブル13が圧入されて挿入されるケーブル装着用スリット状穴611が、引き込まれて形成される。このようなシール用ホルダー610は、好ましくは外力によって弾性変形可能な材質、例えばシリコーンやウレタンなどの材質で形成されることが良い。これにより、チャンバー用ドア120を閉じた状態で、シール部材620とシール用ホルダー610との間にプローブのケーブル13が位置した状態で、シール部材620とシール用ホルダー610の弾性変形によって、シール状態が、より確実に維持されるようにすることができる。
【0057】
前記シール部材620は、チャンバー用ドア120と装置ハウジング110との間を密閉させることができるように、チャンバー用ドア120の密着する周縁部に設置されたシール部材取付溝125に取り付けられる。このようなシール部材620は、ゴムパッキンを含むことが好ましい。また、チャンバー用ドア120の密着する周縁部中に、ケーブルシール用ホルダー610の突出した形状に対応するように、曲線状に引き込まれた引き込み部123が形成される。前記引き込み部123は、チャンバー用ドア120の密着する周縁部について、引き込まれるようにすることで形成してもよく、別途の部品を加工して結合することで設けてもよい。
【0058】
前記構成のシール部600によれば、消毒チャンバー101内にプローブ10を取り付け、ケーブル13について、ケーブルシール用ホルダー610を通過させて結合することにより保持する。その後、チャンバー用ドア120を閉じると、シール部材620が装置ハウジング110の前面とケーブルシール用ホルダー610に密着することにより、消毒チャンバー101を外部から完全に遮断して密閉させることができる。特に、ケーブルシール用ホルダー610の外側が曲面で形成されることにより、シール部材620との密着性を向上させ、隙間の発生を防止することができ、弾性変形するシール部材620がケーブル装着用スリット状穴611の入口までも押し込まれて隙間なく完全に密閉処理することができる。
【0059】
以上説明したように、本発明の医療用プローブ消毒装置によれば、保持部200を用いて、消毒処理すべきプローブ10を、消毒チャンバー101内に安定的な姿勢で保持して固定することができる。そして、プローブ10を保持した後、チャンバー用ドア120を閉じてドアチャンバー101を外部と遮断することができる。この際、チャンバー用ドア120にはロック用リングが設置されており、装置ハウジング110には、ロック用ドアをロックするためのロック装置が備えられることにより、任意に開くのを防止することができる。前記ロック装置は、公知の自動ロック装置が適用されうるのであり、消毒処理過程が完了すると、自動的にロック解除されるように設定できる。
【0060】
一方、上述したようにチャンバー用ドア120を閉じると、ケーブル130が消毒チャンバー101の内外につながっているものの、上述したシール部600によって、消毒チャンバー101を外部と完全に遮断させることができる。
【0061】
この状態で、制御部440は、UV殺菌ユニット300を設定時間だけ駆動制御することにより、UV光を用いてプローブ10を消毒処理する。そして。一定時間が経過すると、プラズマ発生部410を駆動させて消毒チャンバー101の内部へとプラズマを供給することにより、一定時間だけ、プローブ10をプラズマで消毒処理する。
【0062】
設定された時間が経過すると、制御部400は、プラズマ回収ポンプ420を駆動させて、消毒チャンバー101内のプラズマを回収し、フィルター430で濾過されることにより、オゾンの外部への漏れ出しを防止するようにして処理することができる。
【0063】
このように、プローブ10を消毒する際に、UV光を用いて物理的に消毒を行い、プラズマを用いて化学的に消毒処理することにより、プローブ10を効果的に消毒処理することができるようになることから、安全に使用することができる。
【0064】
特に、繰り返し使用するプローブ10を消毒チャンバー101内に装着した状態で、制御部440の制御動作によって自動的に消毒処理が行われるので、管理者や医療従事者の人手不足を解決することができ、メンテナンス費用を削減することができ、安全な管理が可能である。よって、プローブ10の不良管理及び汚染による問題を解決することができるという利点がある。
【0065】
以上、本発明の特定の実施形態が説明及び図示されているが、本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲から逸脱することなしに、様々に修正及び変形を加え得るのは、当該技術の分野における通常の知識を有す者にとって自明なことである。したがって、それらの修正例又は変形例は、本発明の技術的思想又は観点から個別に理解されてはならず、変形した実施形態も、本発明の特許請求の範囲に属すると理解すべきである。
【国際調査報告】