(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】車載表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20231214BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20231214BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20231214BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231214BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335
G02F1/1368
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349C
G09F9/00 362
G09F9/30 339Z
G09F9/30 348A
G09F9/00 336E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572945
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2021134621
(87)【国際公開番号】W WO2023082372
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111348629.1
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517264292
【氏名又は名称】武漢華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Building C5, Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,Wuhan East Lake High-tech Development Zone, Wuhan,Hubei 430079,China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】劉 洪朱
(72)【発明者】
【氏名】李 松
(72)【発明者】
【氏名】劉 凡成
(72)【発明者】
【氏名】武 騰
【テーマコード(参考)】
2H189
2H192
2H291
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA07
2H189DA07
2H189DA45
2H189FA16
2H189LA24
2H189LA32
2H192AA24
2H192GB72
2H291FA02Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA40Z
2H291FA81Z
2H291FA91Z
2H291FD22
2H291GA19
2H291JA03
2H291MA03
5C094BA43
5C094DA15
5C094DA20
5C094EA04
5C094EA07
5C094ED03
5C094ED12
5C094ED15
5C094HA05
5C094JA11
5G435BB12
5G435DD10
5G435DD13
5G435EE25
5G435FF05
5G435FF13
5G435HH02
5G435HH03
5G435LL17
(57)【要約】
本発明は、非表示透光領域と、非表示透光領域の周辺に位置する表示領域とを有する表示パネルと、表示パネルの光出射面の裏側に位置して、非表示透光領域に対応して設けられ、赤外光を受光するための赤外線センサユニットと、を含み、赤外光に対する表示パネルの非表示透光領域の透過率が、赤外光に対する表示パネルの表示領域の透過率よりも大きい車載表示装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非表示透光領域と、前記非表示透光領域の周辺に位置する表示領域とを有する表示パネルと、
前記表示パネルの光出射面の裏側に位置して、前記非表示透光領域に対応して設けられ、赤外光を受光するための赤外線センサユニットと、を含み、
赤外光に対する前記表示パネルの前記非表示透光領域の透過率が、赤外光に対する前記表示パネルの前記表示領域の透過率よりも大きい車載表示装置。
【請求項2】
前記表示領域は、主表示領域と、前記主表示領域と前記非表示透光領域との間に位置する遷移表示領域とを含み、
赤外光に対する前記表示パネルの前記非表示透光領域の透過率が、赤外光に対する前記表示パネルの前記主表示領域の透過率よりも大きく、
赤外光に対する前記表示パネルの少なくとも一部の前記遷移表示領域の透過率が、赤外光に対する前記表示パネルの前記主表示領域の透過率よりも小さく、赤外光に対する前記表示パネルの少なくとも一部の前記遷移表示領域の透過率が、前記主表示領域の前記遷移表示領域に向かう方向に逓減する請求項1に記載の車載表示装置。
【請求項3】
赤外光に対する前記表示パネルの前記非表示透光領域の透過率が50%以上である請求項1に記載の車載表示装置。
【請求項4】
赤外光に対する前記表示パネルの前記非表示透光領域の透過率が70%以上である請求項3に記載の車載表示装置。
【請求項5】
赤外光に対する前記表示パネルの前記主表示領域の透過率が50%未満である請求項2に記載の車載表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、
ブラックマトリクスブロックを含むブラックマトリクス層を含み、
前記主表示領域に設けられる前記ブラックマトリクスブロックの前記主表示領域における面積占有率が、前記非表示透光領域に設けられる前記ブラックマトリクスブロックの前記非表示透光領域における面積占有率よりも大きく、前記遷移表示領域に設けられる前記ブラックマトリクスブロックの前記遷移表示領域における面積占有率が、前記主表示領域に設けられる前記ブラックマトリクスブロックの前記主表示領域における面積占有率よりも大きく、前記遷移表示領域の前記ブラックマトリクスブロックの前記遷移表示領域における単位面積当たりの占有率が主表示領域の非表示透光領域に向かう方向に沿って逓増する請求項2に記載の車載表示装置。
【請求項7】
前記主表示領域に設けられる前記ブラックマトリクスブロックの前記主表示領域における面積占有率と、前記非表示透光領域に設けられる前記ブラックマトリクスブロックの前記非表示透光領域における面積占有率との比率が1.5以上である請求項6に記載の車載表示装置。
【請求項8】
前記ブラックマトリクスブロックの前記主表示領域における面積占有率が30%以上であり、前記ブラックマトリクスブロックの前記非表示透光領域における面積占有率が0%以上20%以下である請求項6に記載の車載表示装置。
【請求項9】
前記ブラックマトリクス層は、
前記主表示領域に設けられる複数の第1開口と、
前記遷移表示領域に設けられる第2開口であって、前記第2開口の寸法が前記第1開口の寸法以下であって、前記主表示領域の前記非表示透光領域に向かう方向において、少なくとも一部の前記第2開口の寸法が逓減する複数の第2開口と、
前記非表示透光領域に設けられる少なくとも1つの第3開口であって、前記第3開口の寸法が前記第1開口の寸法よりも大きい少なくとも1つの第3開口と、を含む請求項6に記載の車載表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは複数の画素を含み、前記主表示領域の前記非表示透光領域に向かう方向において、前記遷移表示領域の寸法が5つの前記画素に対応する寸法以上である請求項2に記載の車載表示装置。
【請求項11】
前記主表示領域の前記非表示透光領域に向かう方向において、前記遷移表示領域の寸法が15個の前記画素に対応する寸法以下である請求項10に記載の車載表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルは、
前記非表示透光領域に対応する第1領域を有するアレイ基板と、
前記アレイ基板と対向して設けられ、前記非表示透光領域に対応する第2領域を有し、前記第2領域と前記第1領域との間の重なり領域が前記非表示透光領域であるカラーフィルタ基板と、を含み、
前記第1領域の面積が前記第2領域の面積と異なる請求項1に記載の車載表示装置。
【請求項13】
前記カラーフィルタ基板が前記表示パネルの光出射側に位置し、前記第2領域の面積が前記第1領域の面積よりも小さいか、又は、前記アレイ基板が前記表示パネルの光出射側に位置し、前記第1領域の面積が前記第2領域の面積よりも小さい請求項12に記載の車載表示装置。
【請求項14】
前記アレイ基板は、前記第1領域の周辺に位置して、前記表示領域に対応する第3領域を含み、前記アレイ基板は画素電極層を含み、前記画素電極層は、
前記アレイ基板の前記第3領域に設けられて、スリットを有する複数の画素電極と、
前記アレイ基板の前記第1領域に設けられて、前記画素電極層を貫通する第1貫通孔と、を含む請求項12に記載の車載表示装置。
【請求項15】
前記アレイ基板は、
基板と、
前記基板の前記カラーフィルタ基板に近い表面に設けられる層間絶縁層と、
前記層間絶縁層の前記カラーフィルタ基板に近い側に設けられる共通電極層と、
前記共通電極層の前記カラーフィルタ基板に近い側に設けられるパッシベーション層と、
前記第1領域に設けられて、前記層間絶縁層、前記共通電極層及び前記パッシベーション層を貫通する非貫通孔と、を含む請求項12に記載の車載表示装置。
【請求項16】
前記車載表示装置は、
前記表示パネルの光出射面の裏側に位置するバックライトモジュールであって、前記バックライトモジュールには、非表示透光領域に対応して第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔が前記バックライトモジュールを貫通し、前記赤外線センサユニットが前記第2貫通孔に設けられるバックライトモジュールをさらに含む請求項1に記載の車載表示装置。
【請求項17】
前記表示パネルの前記非表示透光領域の面積が、前記赤外線センサユニットの光入射面の面積以上であり、前記表示パネルの前記非表示透光領域の面積が、前記第2貫通孔の断面積よりも小さい請求項16に記載の車載表示装置。
【請求項18】
前記車載表示装置は、
前記バックライトモジュールと前記表示パネルとの間に設けられる防眩層であって、前記防眩層には前記非表示透光領域に対応して第3貫通孔が設けられ、前記第3貫通孔に光透過保護層が設けられる防眩層と、
前記バックライトモジュールと前記表示パネルとの間に設けられる偏光板であって、前記防眩層が前記偏光板の前記表示パネルに近い表面に設けられる偏光板と、をさらに含む請求項16に記載の車載表示装置。
【請求項19】
前記車載表示装置は、
光透過保護層と、
前記バックライトモジュールと前記表示パネルとの間に設けられる偏光板であって、前記光透過保護層が前記偏光板の前記表示パネルに近い表面に設けられる偏光板と、をさらに含む請求項16に記載の車載表示装置。
【請求項20】
前記赤外線センサユニットは、
波長が850ナノメートル~1000ナノメートルの赤外光を出射するための赤外線送信器と、
赤外光を受光するための赤外線受信器と、を含む請求項1に記載の車載表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、特に車載表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車載ドライバー監視システム(Driver Monitor System,DMS)は、カメラを用いて連続運転及び運転者の状態を監視する必要性に基づいて、画面下カメラ技術が車載ドライバー監視システムに適用される。しかしながら、従来の車載画面下カメラは、昼間の撮像効果に優れているが、暗い環境下では環境制約のため結像品質が悪く、車載ドライバー監視システムの要求を満たすことができない。
【0003】
したがって、従来の車載画面下カメラの暗い環境下で結像品質が悪いという問題を解決するための技術的手段を提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、車載表示装置の暗い環境下での結像品質を改善するために、車載表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
車載表示装置であって、
非表示透光領域と、前記非表示透光領域の周辺に位置する表示領域とを有する表示パネルと、
前記表示パネルの光出射面の裏側に位置して、前記非表示透光領域に対応して設けられ、赤外光を受光するための赤外線センサユニットと、を含み、
赤外光に対する前記表示パネルの前記非表示透光領域の透過率が、赤外光に対する前記表示パネルの前記表示領域の透過率よりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る車載表示装置は、赤外線センサユニットを表示パネルの非表示透光領域に対応して設けることにより、赤外光に対する表示パネルの非表示透光領域の透過率が、赤外光に対する表示パネルの表示領域の透過率よりも大きくし、車両が暗い環境下であっても赤外線センサユニットが赤外光を受光して結像を実現することができ、車載表示装置の暗い環境下での結像品質を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本発明の実施例の車載表示装置の断面模式図である。
【
図2】
図2は
図1に示す車載表示装置の表示パネルの断面模式図である。
【
図3】
図3は
図2に示す表示パネルのアレイ基板及びカラーフィルタ基板の平面模式図である。
【
図4】
図4は
図2に示すカラーフィルタ基板のブラックマトリクス層の平面模式図である。
【
図5】
図5は本発明の他の実施例の車載表示装置のカラーフィルタ基板の模式図である。
【
図6】
図6は本発明の別の実施例の車載表示装置のカラーフィルタ基板の模式図である。
【
図7】
図7は
図1に示す車載表示装置の第1偏光板の模式図である。
【
図8】
図8は本発明の他の実施例の車載表示装置の第1偏光板の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を、明確かつ完全に説明する。説明した実施例はすべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例であることは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしに取得したすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属している。
【0009】
図1に示すように、本発明は、車両に取り付けられてドライバー監視システムに適用され、表示機能及び撮像機能を有し、ドライバー監視システムが連続運転及び運転者の状態を監視する要求を満たすことができる車載表示装置100を提供する。
【0010】
車載表示装置100は、表示パネル10、バックライトモジュール20、赤外線センサユニット30、第1偏光板401及び第2偏光板402を含む。表示パネル10は、非表示透光領域10aと、非表示透光領域10aの周辺に位置する表示領域10bとを有する。バックライトモジュール20は、表示パネル10の光出射面の裏側に位置し、バックライトモジュール20には非表示透光領域10aに対応してバックライトモジュール20を貫通する第2貫通孔20aが設けられている。赤外線センサユニット30は、第2貫通孔20aに設けられ、即ち表示パネル10の光出射面の裏側に位置し且つ非表示透光領域10aに対応して設けられている。第1偏光板401は、バックライトモジュール20と表示パネル10との間に設けられ、第2偏光板402は、表示パネル10の第1偏光板401から遠い側に設けられ、第1偏光板401及び第2偏光板402がそれぞれ表示パネル10の対向する両側に貼着される。
【0011】
本実施例において、赤外線センサユニット30は、赤外光を射出した後、対象結像物により反射された赤外光を受光して、撮像を実現した上に監視を実現するためのものである。赤外線センサユニット30は、その光入射面である光出射面30aを有する。赤外線センサユニット30は、赤外光を出射するための赤外線送信器と、対象結像物に射出した後、反射された赤外光を受光するための赤外線受信器とを含む。
【0012】
本発明の赤外光の波長が850ナノメートル~1000ナノメートルであり、赤外線センサユニット30から出射された赤外光が優れた透過能力を有して表示パネル10などを透過して運転者などの対象結像物に達するとともに、赤外光が運転者などの対象結像物に優れた反射率を有するように確保し、赤外光が反射されて赤外線センサユニット30に受光され、赤外線センサユニット30の結像品質の向上に有利である。例えば、所定波長は860ナノメートル、900ナノメートル、920ナノメートル、940ナノメートル、960ナノメートル又は1000ナノメートルであってもよい。
【0013】
なお、暗い環境下で撮像する必要性に基づいて、本発明では赤外光で撮像するが、赤外光の波長が長いほど赤外光の透過率が高くなり、反射率が低くなる。透過率が低いと伝搬する距離が短くなり、反射率が低いと赤外光の損失が大きくなり、赤外光の受光に不利となる。車載適用シーンにおいて車載表示装置100の赤外線センサユニット30と運転者などの目標結像物との間の距離などの要素に基づいて、本実施例は、透過率と反射率とのバランスをとるように赤外光を具体的に選択して車載適用シーンの結像要求を確保する。
【0014】
本実施例において、表示パネル10は液晶表示パネルである。表示パネル10の表示領域10bには、表示領域10bに表示を実現させるように、複数の画素が設けられている。各画素は、赤色副画素、緑色副画素及び青色副画素を含み、赤色副画素、緑色副画素及び青色副画素のいずれかは画素電極、共通電極、液晶及び対応するカラーレジストを含む。各画素の形状は正方形であり、各副画素は矩形である。画素の一辺の長さは、200マイクロメートル~400マイクロメートルである。表示パネル10の非表示透光領域10aは、表示するためのものではなく、赤外光を透過するためのものである。非表示透光領域10aの形状は円形であるが、他の形状であってもよい。
【0015】
赤外光に対する表示パネル10の非表示透光領域10aの透過率は、赤外光に対する表示パネル10の表示領域10bの透過率よりも大きいため、表示パネル10の非表示透光領域10aを透過する赤外光の透過率を向上させる。暗い環境下で優れた透過性を有する赤外光を組み合わせることにより、さらに車載表示装置100の暗い環境下での結像品質を改善する。
【0016】
本実施例において、表示パネル10を透過する十分な赤外光を確保するために、赤外光に対する表示パネル10の非表示透光領域10aの透過率は50%以上であり、結像品質の改善に有利である。赤外光に対する表示パネル10の非表示透光領域10aの透過率が大きいほど、赤外線センサユニット30の結像品質がよくなる。例えば、赤外光に対する表示パネル10の非表示透光領域10aの透過率は、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%及び95%である。
【0017】
具体的には、赤外線センサユニット30が鮮明に結像できるように、赤外光に対する表示パネル10の非表示透光領域10aの透過率は70%以上である。
【0018】
本実施例において、
図2に示すように、表示領域10bは、主表示領域10b1と、主表示領域10b1と非表示透光領域10aとの間に位置する遷移表示領域10b2とを含む。遷移表示領域10b2は、車載表示装置100の表示時に、主表示領域10b1と非表示透光領域10aとの輝度のスムーズな遷移を実現するためのものであり、主表示領域10b1と非表示透光領域10aとの間に輝度エッジが発生することを防止し、さらに非表示透光領域10aが容易に視認されることを防止する。また、遷移表示領域10b2は、車載表示装置100の非表示状態に、主表示領域10b1と非表示透光領域10aとの反射率を互いに一致させるためのものであり、表示透光領域が容易に視認されることを防止する。主表示領域10b1の面積は、遷移表示領域10b2の面積よりも大きい。遷移表示領域10b2の形状は、円環形状であるが、他の形状であってもよいことを理解されたい。
【0019】
本実施例において、赤外光に対する表示パネル10の非表示透光領域10aの透過率は、赤外光に対する表示パネル10の主表示領域10b1の透過率よりも大きく、赤外光に対する表示パネル10の遷移表示領域10b2の少なくとも一部の透過率は、赤外光に対する表示パネル10の主表示領域10b1の透過率よりも小さい。赤外光に対する表示パネル10の遷移表示領域10b2の少なくとも一部の透過率は、主表示領域10b1から遷移表示領域10b2に向かう方向に逓減する。車載表示装置の表示時に遷移表示領域10b2を透過したバックライトの輝度は、主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向に逓減する。表示輝度は、主表示領域10b1の高い輝度から、遷移表示領域10b2を通過して輝度が逓減し、非表示透光領域10aの低い輝度に達する。主表示領域10b1と非表示透光領域10aとの輝度変化をスムーズに遷移させて、車載表示装置の表示時に非表示透光領域10aが容易に視認されることを防止する。
【0020】
具体的には、赤外光に対する表示パネル10の主表示領域10b1の透過率が50%未満であることで、表示パネル10の主表示領域10b1がトランジスタ及び金属配線などの光不透過構造を配置する空間を十分に有し、表示パネル10の高解像度化を図ることができる。例えば、赤外光に対する表示パネル10の主表示領域10b1の透過率は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%及び45%などである。赤外光に対する表示パネル10の遷移表示領域10b2の透過率は、50%未満である。例えば、赤外光に対する表示パネル10の遷移表示領域10b2の透過率は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%及び45%などである。
【0021】
なお、本発明において、透過率とは、光が表示パネルを透過した後の輝度と、光が表示パネルを透過する前の初期輝度との比率を指す。
【0022】
本実施例において、主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向において、遷移表示領域10b2の寸法は5つの画素に対応する寸法以上である。主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向における遷移表示領域10b2の寸法が十分に大きく、輝度のスムーズな遷移を実現するのに十分な画素を有することを保証する。また、主表示領域10b1から前記非表示透光領域10aに向かう方向において遷移表示領域10b2の寸法が15個の画素に対応する寸法以下である。これにより、主表示領域10b1の非表示透光領域10aに向かう方向における遷移表示領域10b2の寸法が大きすぎるため、非表示透光領域10aが容易に目視により視認されることを防止する。例えば、主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向において、遷移表示領域10b2の寸法は、6つの画素に対応する寸法、7つの画素に対応する寸法、8つの画素に対応する寸法、10個の画素に対応する寸法、12個の画素に対応する寸法又は15個の画素に対応する寸法に等しい。
【0023】
具体的には、非表示透光領域10aの形状が円形である場合、主表示領域10b1の非表示透光領域10aに向かう方向において、非表示透光領域10aの径方向に沿って、遷移表示領域10b2の寸法は10個の画素に対応する寸法に等しい。例えば、1つの画素の寸法が150マイクロメートルである場合、10個の画素の寸法は1.5ミリメートルである。
【0024】
なお、本発明は、表示パネルの非表示透光領域10a、遷移表示領域10b2及び主表示領域10b1の膜層の差別化を設計することにより、赤外光に対する非表示透光領域10aの透過率が、赤外光に対する主表示領域10b1の透過率よりも大きく、赤外光に対する主表示領域10b1の透過率が、赤外光に対する遷移表示領域10b2の透過率よりも大きく、赤外光に対する遷移表示領域10b2の透過率が、主表示領域10b1の非表示透光領域10aに向かう方向において逓減することを実現する。
【0025】
本実施例において、表示パネル10は、アレイ基板101、カラーフィルタ基板102及び液晶層を含む。アレイ基板101とカラーフィルタ基板102とが対向配置され、液晶層がアレイ基板101とカラーフィルタ基板102との間に設けられる。
【0026】
図3に示すように、アレイ基板101は、非表示透光領域10aに対応する第1領域101aと、表示領域10bに対応する第3領域101bとを有する。第3領域101bは、第1領域101aの周辺に位置し、遷移表示領域10b2に対応する第1サブ領域101b1と、主表示領域10b1に対応する第2サブ領域101b2とを含む。カラーフィルタ基板102は、非表示透光領域10aに対応する第2領域102aと、表示領域10bに対応する第4領域102bとを有する。第4領域102bは、遷移表示領域10b2に対応する第3サブ領域102b1と、主表示領域10b1に対応する第4サブ領域102b2とを含み、第1領域101aと第2領域102aとの間の重なり領域が非表示透光領域10aである。
【0027】
第1領域101aの面積と第2領域102aの面積とを異ならせることで、アレイ基板101とカラーフィルタ基板102とを貼り合わせた後に、第1領域101aと第2領域102aとの重なり領域の面積が、予め設定された非表示透光領域10aの面積以上であるように確保する。
【0028】
具体的には、カラーフィルタ基板102が表示パネル10の光出射側に位置する場合に、第2領域102aの面積が第1領域101aの面積よりも小さいことで、光出射側に近い非表示領域がより小さくなり、目視による車載表示装置の非表示領域の認識が困難になる。アレイ基板101が表示パネル10の光出射側に位置する場合に、第1領域101aの面積が第2領域102aの面積よりも小さいことを理解されたい。
【0029】
本実施例において、
図2に示すように、アレイ基板101は、順次積層された第1基板1011、バッファ層1012、ゲート金属層(図示せず)、ゲート絶縁層1013、ソースドレイン金属層(図示せず)、層間絶縁層1014、平坦化層1015、共通電極層1016、パッシベーション層1017、画素電極層1018及び非貫通孔101cを含む。バッファ層1012は酸化シリコン層である。ゲート絶縁層1013は酸化シリコン層である。層間絶縁層1014は酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含む。平坦化層1015は有機層である。共通電極層1016は酸化インジウムスズ層である。パッシベーション層1017は窒化シリコン層である。画素電極層1018の製造材料は酸化インジウムスズである。
【0030】
本実施例において、
図2に示すように、画素電極層1018は、アレイ基板101の第3領域101bに設けられるスリットを有する複数の画素電極1018aと、アレイ基板101の第1領域101aに設けられて画素電極層1018を貫通する第1貫通孔1018bとを含む。スリットを有する画素電極1018aは、非表示透光領域10aを透過する必要がある所定波長の赤外光を回折して、所定波長の赤外光の伝送に影響を与えることを防止する。また、赤外光の画素電極1018aを透過する透過率が低いので、非表示透光領域10aの画素電極1018aを除去することで、赤外光に対する表示パネルの非表示透光領域10aの透過率の向上に有利である。
【0031】
本実施例において、非貫通孔101cが第1領域101aに設けられ、層間絶縁層1014、共通電極層1016及びパッシベーション層1017を貫通することで、赤外光に対するアレイ基板101の第1領域101aの透過率を向上させる。非貫通孔101cが層間絶縁層1014、共通電極層1016及びパッシベーション層1017のいずれか1つ又は2つの膜層を貫通することで、赤外光に対するアレイ基板101の第1領域101aの透過率を向上させて、非表示透光領域の赤外光に対する透過率を向上させることを理解されたい。
【0032】
アレイ基板101の第1領域101aの金属膜層及び非金属膜層の一部を除去することにより、アレイ基板101の第1領域101aの透過率が高くなり、反射率が低くなる。アレイ基板101の第3領域101bには、依然として金属膜層及び全ての非金属膜層が残っているため、アレイ基板101の第3領域101bの透過率は低く、反射率が高くなる。
【0033】
以下の表1に、アレイ基板の構成膜層の940±10nmの赤外光に対する透過率を示す。
【表1】
表1からわかるように、アレイ基板上の層間絶縁層、共通電極層、パッシベーション層及び画素電極層は、波長940±10nmの赤外光に対する透過率が低く、アレイ基板の第1領域101aのこれらの膜層を除去することにより、赤外光の非表示透光領域における透過率の向上に有利である。
【0034】
本実施例において、カラーフィルタ基板102は、第2基板1021、カラーフィルタ層1022、ブラックマトリクス層1023及び支持柱1024を含む。カラーフィルタ層1022、ブラックマトリクス層1023及び支持柱1024が第2基板1021上にそれぞれ設けられる。
【0035】
本実施例において、ブラックマトリクス層1023は、ブラックマトリクスブロック1025と、ブラックマトリクスブロック1025の間に分布する複数の開口とを含む。ブラックマトリクスブロック1025は、光を吸収する性質を有する一方、光を反射する性質を有し、光に対するブラックマトリクスブロック1025の吸光率がその反射率よりも大きい。即ち、ブラックマトリクスブロック1025の主な特性は、光を吸収することである。開口により光がカラーフィルタ基板102を容易に透過することができる。ブラックマトリクスブロック1025の製造材料は、金属材料であってもよく、有機樹脂及び黒色顔料であってもよい。
【0036】
図4に示すように、主表示領域10b1に設けられるブラックマトリクスブロック1025の主表示領域10b1における面積占有率は、非表示透光領域10aに設けられるブラックマトリクスブロック1025の非表示透光領域10aにおける面積占有率よりも大きく、さらに赤外光に対する主表示領域10b1の透過率は、赤外光に対する非表示透光領域10aの透過率よりも小さい。遷移表示領域10b2に設けられるブラックマトリクスブロック1025の遷移表示領域10b2における面積占有率は、主表示領域10b1に設けられるブラックマトリクスブロック1025の主表示領域10b1における面積占有率よりも大きく、遷移表示領域10b2に設けられるブラックマトリクスブロック1025の遷移表示領域10b2における単位面積当たりの占有率は、主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向に沿って逓増する。一方で、車載表示装置の表示時にバックライトに対する主表示領域10b1の透過率は、バックライトに対する遷移表示領域10b2の透過率よりも大きい。さらに、車載表示装置の表示時に主表示領域10b1の輝度は遷移表示領域10b2の輝度よりも大きく、遷移表示領域10b2の輝度は主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向に向かって逓減する。非表示透光領域10aにはバックライトがないので、遷移表示領域10b2の輝度が非表示透光領域10aの輝度よりも大きいことで、表示装置の表示時に輝度のスムーズな遷移に有利である。他方で、車載表示装置が非表示状態の場合、遷移表示領域10b2のブラックマトリクスブロック1025の分布密度は主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向に沿って逓増する。ブラックマトリクスブロック1025の光吸収作用により、環境光の遷移表示領域10b2を透過するブラックマトリクスブロック1025のスループットは、主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向に沿って逓減する。アレイ基板側の環境光に対する金属の反射率は、主表示領域10b1から非表示透光領域10aに向かう方向に沿って逓減する。主表示領域10b1はアレイ基板101の金属膜層の反射率が高いが、非表示透光領域10aは金属膜層がなく、反射率が低い。遷移表示領域10b2のブラックマトリクスブロック1025の設計により、環境光に対する主表示領域10b1の反射率を、環境光に対する非表示透光領域10aの反射率と一致させることを可能にする。
【0037】
主表示領域10b1に設けられるブラックマトリクスブロック1025の主表示領域10b1における面積占有率と、非表示透光領域10aに設けられるブラックマトリクスブロック1025の非表示透光領域10aにおける面積占有率との比率が1.5以上であることで、主表示領域10b1の透過率が、非表示透光領域10aの透過率よりも小さくなる。例えば、比率は、1.5、2、3、8、10又は15である。
【0038】
本実施例において、ブラックマトリクスブロック1025の主表示領域10b1における面積占有率は30%以上であり、ブラックマトリクスブロック1025の非表示透光領域10aにおける面積占有率は0%以上20%以下である。例えば、ブラックマトリクスブロック1025の主表示領域10b1における面積占有率は、35%、40%、45%、50%、60%又は70%であり、ブラックマトリクスブロック1025の非表示透光領域10aにおける面積占有率は、0%、2%、5%、8%、10%又は15%である。
【0039】
具体的には、ブラックマトリクスブロック1025の非表示透光領域10aにおける面積占有率が0%よりも大きく20%以下であるため、非表示透光領域10aに少量のブラックマトリクスブロック1025が確保され、車載表示装置の非表示状態に環境光に対する非表示透光領域10aの反射率を向上させ、さらに車載表示装置の非表示状態に非表示透光領域10aと主表示領域10b1との間の反射率の一致度を向上させる。
【0040】
本実施例において、
図4に示すように、複数の開口は、主表示領域10b1に設けられる複数の第1開口1026と、遷移表示領域10b2に設けられる複数の第2開口1027と、非表示透光領域10aに設けられる少なくとも1つの第3開口1028とを含み、第2開口1027の寸法が第1開口1026の寸法以下であり、主表示領域10b1の非表示透光領域10aに向かう方向において少なくとも一部の第2開口の寸法が逓減し、第3開口1028の寸法が第1開口の寸法よりも大きい。
【0041】
本実施例において、
図2に示すように、カラーフィルタ層1022は、第1赤色カラーレジストR1、第1青色カラーレジストB1、第1緑色カラーレジストG1、第2赤色カラーレジストR2及び第2青色カラーレジストB2を含む。順次並んでいる第1赤色カラーレジストR1、第1青色カラーレジストB1及び第1緑色カラーレジストG1が第1繰り返し単位を構成する。複数の第1繰り返し単位がカラーフィルタ基板102の第4領域102bに繰り返して設けられ、第1赤色カラーレジストR1、第1青色カラーレジストB1及び第1緑色カラーレジストG1のいずれかの2つの間にブラックマトリクスブロック1025が設けられる。第2赤色カラーレジストR2及び第2青色カラーレジストB2がカラーフィルタ基板102の第2領域102aに積層して設けられる。第2赤色カラーレジストR2は、第2基板1021の近くに設けられ、第3開口1028及びブラックマトリクスブロック1025上に位置する。
【0042】
図5に示すように、
図5は本発明の他の実施例の車載表示装置のカラーフィルタ基板の模式図である。
図5に示すカラーフィルタ基板は、カラーフィルタ層1022がカラーフィルタ基板102の第2領域102aに設けられる第2緑色カラーレジストG2と第2青色カラーレジストB2との積層を含む。第2緑色カラーレジストG2は、第2基板1021の近くに設けられ、第3開口1028及びブラックマトリクスブロック1025上に位置すること以外は、
図2に示すカラーフィルタ基板とほぼ同様である。
【0043】
図6に示すように、
図6は本発明の別の実施例の車載表示装置のカラーフィルタ基板の模式図である。
図6に示すカラーフィルタ基板は、ブラックマトリクスブロック1025のカラーフィルタ基板102の第2領域102aにおける面積占有率が0%である。カラーフィルタ層1022は、カラーフィルタ基板102の第2領域102aに設けられる第2繰り返し単位を含み、第2繰り返し単位が順次並んでいる第2赤色カラーレジストR2、第2青色カラーレジストB2及び第2緑色カラーレジストG2からなる以外は、
図2に示すカラーフィルタ基板とほぼ同様である。第2赤色カラーレジストR2は第1赤色カラーレジストR1と同じであり、第2青色カラーレジストB2は第1青色カラーレジストB1と同じであり、第2緑色カラーレジストG2は第1緑色カラーレジストG1と同じである。第2赤色カラーレジストR2の寸法は第1赤色カラーレジストR1の寸法と異なってもよく、第2青色カラーレジストB2の寸法は第1青色カラーレジストB1の寸法と異なってもよく、第2緑色カラーレジストG2の寸法は第1緑色カラーレジストG1の寸法と異なってもよいことを理解されたい。
【0044】
表2に、カラーフィルタ基板における940±10nmの赤外光に対する各膜層の透過率を示す。
【表2】
表2からわかるように、波長940±10nmの赤外光に対するブラックマトリクスブロックの透過率が非常に低い。ブラックマトリクスブロックを減少することにより、カラーフィルタ基板の第2領域の赤外光に対する透過率の向上に有利である。カラーフィルタ層を保持しながら、赤外光に対する透過率への影響が小さい。
【0045】
本実施例において、支持柱1024は、第4サブ領域102b2に設けられてブラックマトリクスブロック1025に対応して設けられる第1支持柱10241と、第3サブ領域102b1に設けられてブラックマトリクスブロック1025に対応して設けられる第2支持柱10242とを含む。第1支持柱10241の高さは第2支持柱10242の高さに等しく、第1支持柱10241の分布密度は第2支持柱10242の分布密度未満であることで、表示パネルの表示領域10b及び非表示透光領域10aにおけるセル厚が均一性を有する。第1支持柱10241の高さが第2支持柱10242の高さに等しい場合、第1支持柱10241の分布密度が第2支持柱10242の分布密度に等しくてもよい。この場合、第1支持柱10241の第2基板1021に近い底面面積が、第2支持柱10242の第2基板1021に近い底面面積よりも小さいことで、表示パネルの表示領域10b及び非表示透光領域10aにおけるセル厚が均一性を有することを理解されたい。
【0046】
なお、カラーフィルタ基板102は、非表示透光領域10aに支持柱を設けないか又は少ない支持柱を設けることで、支持柱が赤外光に対して回折作用を及ぼして、所定波長の赤外光の伝送に影響を与えることを防止する。
【0047】
表3に、本発明の表示パネル1~表示パネル4の波長940±10ナノメートルの赤外光に対する透過率を示す。3Lをバッファ層、GIをゲート絶縁層、ILDを層間絶縁層、BITOを共通電極層、TITOを画素電極層、PLNを平坦化層とする。バッファ層、ゲート絶縁層、層間絶縁層、共通電極層、平坦化層及び画素電極層の位置関係は
図2に示した通りである。Rを赤色カラーレジスト、Gを緑色カラーレジスト、Bを青色カラーレジスト、PSを支持柱、BM面積占有率をブラックマトリクスブロックの面積占有率とする。赤色カラーレジスト、青色カラーレジスト、支持柱及びブラックマトリクスブロックは
図2に示した通りである。+は膜層の確保を示し、-は膜層の除去を示す。
【表3】
表3から、本実施例の表示パネルは、非表示透光領域において940±10ナノメートルの赤外光に対する透過率が80%以上に達し得ることがわかる。非表示透光領域において、BM面積占有率が大きいほど、表示パネルの940±10ナノメートルの赤外光に対する透過率が低くなる。非表示透光領域において、940±10ナノメートルの赤外光に対する透過率が低い膜層を除去することにより、940±10ナノメートルの赤外光に対する透過率の向上に有利である。
【0048】
本実施例において、赤外線センサユニット30から出射される赤外光の表示パネル10を透過する透過率を向上させるように、表示パネル10の非表示透光領域10aの面積は赤外線センサユニット30の光入射面30aの面積以上である。
【0049】
具体的には、所定の組立精度の範囲内で、赤外線センサユニット30が表示パネル10を透過する透過率を高く保証するように、表示パネル10の非表示透光領域10aの面積は赤外線センサユニット30の光入射面の面積よりも大きい。例えば、表示パネル10の非表示透光領域10a及び赤外線センサユニット30の光入射面がそれぞれ円形である場合、表示パネル10の非表示透光領域10aの直径が5.8ミリメートルであり、赤外線センサユニット30の光入射面の直径が5.3ミリメートルである。
【0050】
本実施例において、バックライトモジュール20はエッジ型バックライトモジュール20である。バックライトモジュール20は、表示パネル10の表示領域にバックライトを供給するためのものである。バックライトモジュール20は、底板201と、底板201上に設けられる導光板202と、導光板202上に設けられる光学フィルムシート203とを含む。導光板202及び光学フィルムシート203が赤外光の伝送に干渉して結像に影響を与えることを防止するように、第2貫通孔20aが導光板202及び光学フィルムシート203を貫通する。光学フィルムシートは、拡散フィルム、プリズムフィルム及び輝度向上フィルム等を含む。
【0051】
また、バックライトモジュール20は、底板201上に設けられて、非表示透光領域10aに対応して設けられる環状ダム204をさらに含む。環状ダム204は、赤外線センサユニット30から出射される赤外光が表示領域10bに入射することを防止するように、赤外線センサユニット30の光出射面30aを取り囲む。また、環状ダム204と表示パネル10との間には、表示パネル10とバックライトモジュール20との隙間から表示領域10bに赤外光が進入することを防止する環状吸光パッド205が設けられている。
【0052】
なお、本実施例の表示パネル10の非表示透光領域10aは、非貫通孔の設計を採用し、バックライトモジュール20の表示パネル10の非表示透光領域10aに対応して設けられる貫通孔の設計により、赤外光に対する透過率を保証し、さらに赤外線センサユニット30の結像品質を保証する。
【0053】
本実施例において、所定の取付公差がある場合に、赤外線センサユニット30を第2貫通孔20a内に収容することができるように、表示パネル10の非表示透光領域10aの面積は第2貫通孔20aの断面積よりも小さい。例えば、表示パネル10の非表示透光領域10a及び第2貫通孔20aの横断面がそれぞれ円形である場合に、表示パネル10の非表示透光領域10aの直径が5.8ミリメートルであり、第2貫通孔20aの横断面の直径が7.5ミリメートルである。
【0054】
本実施例において、車載表示装置100は、バックライトモジュール20の光学フィルムシートの使用中に存在するモアレ現象を改善するための防眩層50をさらに含む。防眩層50はバックライトモジュール20と表示パネル10との間に設けられている。防眩層50には、防眩層50が赤外光の伝送に干渉することを防止するように、非表示透光領域10aに対応して第3貫通孔50aが設けられる。
【0055】
具体的には、
図7に示すように、防眩層50が第1偏光板401の表示パネル10に近い表面に設けられている。第3貫通孔50aには、第1偏光板401の第3貫通孔50aに対応する部分を保護するとともに、赤外光の透過率を保証するように、光透過保護層60が設けられる。光透過保護層60は、第3貫通孔50aのみに設けられてもよいし、防眩層50の第1偏光板401から遠い表面及び第2貫通孔20aに全面的に設けられてもよい。防眩層50は第1偏光板401に塗布されるシリカ粒子層であり、光透過保護層60は窒化シリコン層などのハードコート層である。
【0056】
図8に示すように、第1偏光板401の表示パネル10に近い表面を保護するように、第1偏光板401の表示パネル10に近い表面に光透過保護層60が全面的に設けられてもよい。
【0057】
以上の実施例の説明は、本発明の技術的手段及びそのコアアイデアの理解を助けるためのものに過ぎない。当業者は、対応する技術的手段の本質が本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱しない限り、依然として上記の各実施例に記載された技術的手段を修正するか、又はその一部の技術的特徴を同等に置き換えることができると理解すべきである。
【国際調査報告】