(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】動的最適化環境制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20231214BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20231214BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569551
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 US2020059710
(87)【国際公開番号】W WO2022098370
(87)【国際公開日】2022-05-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】ダビジャ・ヴラド グリゴレ
(72)【発明者】
【氏名】マ・ヤンジュン
(72)【発明者】
【氏名】アッシュ・デビッド ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ソレルズ・フィリップ
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA13
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA12
3K273RA13
3K273RA14
3K273RA15
3K273RA17
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA38
3K273SA39
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA70
3K273UA16
3K273UA22
(57)【要約】
一般的に、環境制御の動的最適化のための技術が説明される。いくつかの例によるシステムは、人の環境的嗜好を判定し、その人のための時間ベースの環境制御モデルを生成することができる。該システムは、人の現在位置と予測された将来的位置を定義する位置モデルも生成することができる。環境モデルは、人の以前の動作又は現在の動作を考慮し、内部センサ及び外部環境センサと、人の装着する人体センサからの検知データに基づき調整されることができる。複数の人々のためのモデルは、優先度又は個人的特性に基づき組み合わせられることができる。モデルは、設定が人の到着前に将来的位置において実施可能であるよう、モバイルデバイスに格納されることもできる。実施された設定は、追加的な人々が位置に到着するとその人々のために調整されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的環境制御のための方法であって、
人の嗜好、前記人の現在の活動、又は前記人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、前記人のための時間性環境制御モデルを生成することと、
前記人のための時間性位置モデルを生成することであって、前記時間性位置モデルが、前記人の現在位置と、前記人の予測された将来的位置とを含むことと、
建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び前記人の前記現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取ることと、
前記時間性環境制御モデルと前記時間性位置モデルとに基づき環境パラメータを設定するため、前記現在位置及び/又は予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成することと、
実行のため前記命令を前記1つ以上の環境制御デバイスへ送信することと
を含む、
方法。
【請求項2】
前記人のための前記時間性環境制御モデルを生成することが、
前記人の前記嗜好、前記人の前記現在の活動、又は前記人の前記最近の活動のうちの1つ以上に基づき、前記現在位置のための1つ以上の環境パラメータを決定することを含み、
前記1つ以上の環境パラメータが時間ベースである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在位置の内部の第1環境センサからのデータ、前記現在位置の外部の第2環境センサからのデータ、又は前記人に関連付く人体センサからのデータのうちの1つ以上を受け取ることと、
前記受け取ったデータに基づき、前記現在位置のための前記1つ以上の環境パラメータを調整することと
を更に含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在位置の内部の前記第1環境センサからのデータ又は前記現在位置の外部の前記第2環境センサからデータを受け取ることが、
温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明構成、音レベル、におい、又は音構成のうちの1つ以上のための感知データを受け取ること
を更に含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記人体センサからデータを受け取ることが、
前記人に関連付く心拍数、体温、血圧、体の動き、又は認知又は行動機能のうちの1つ以上に関連付くデータを受け取ること
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記人のための前記時間性位置モデルを生成することが、
カレンダー、位置情報サービス、又は前記人に関連付くモバイルデバイスのうちの1つ以上に基づき、前記人の将来的位置のための情報を受け取ることと、
前記受け取った情報、前記人の前記嗜好、前記人の前記現在の活動、又は前記人の前記最近の活動のうちの1つ以上に基づき、1つ以上の環境パラメータを決定することと
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位置での二人以上の人の存在を判定することと、
前記二人以上の人のため生成された時間性環境制御モデルを組み合わせることと、
前記組み合わされた時間性環境制御モデルに基づき、前記現在位置での前記1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成することと
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記二人以上の人のための前記生成された時間性環境制御モデルを組み合わせることが、
各人のための1つ以上の個人的特性又は優先度を判定することと、
各人のための前記個人的特性又は前記優先度に基づき、前記生成された時間性環境制御モデルを組み合わせることと
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記位置での新たな人の実現前の到着を検知することと、
前記新たな人のための新たな時間性環境制御モデルを受け取ることと、
前記生成された時間性環境制御モデルと新たな時間性環境制御モデルとを組み合わせることと
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び利用可能な環境制御デバイスのうちの前記1つ以上に関連付く前記情報を受け取ることが、
環境制御デバイス、デスクトップコンピュータ、携帯型デバイス、スマートフォン、スマートウォッチ、車載コンピュータ、又はリモートサーバのうちの1つ以上から前記情報を受け取ること
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記位置が、部屋、家屋、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、列車、又は船である、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記人の前記嗜好、前記人の前記現在の活動、前記人の前記最近の活動、前記人の前記現在位置、前記人の前記予測された将来的位置、前記建築パラメータ、前記現在の環境パラメータ、又は前記利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上を受け取ることと、
前記時間性環境制御モデルと、前記1つ以上の環境制御デバイスのための前記命令とを生成するため、機械学習アルゴリズムを適用することと
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の環境制御デバイスが、暖房要素、冷房要素、気流要素、光源、遮光コントローラ、色合いコントローラ、においの源、又は音源を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記現在位置での前記人の撮影された画像又は動画を受け取ることと、
前記現在位置のための前記1つ以上の環境パラメータを調整するために前記撮影された画像又は動画における行動を解釈するため、機械学習アルゴリズムを適用することと
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
環境状態を動的に制御するよう構成されたコントローラであって、
1つ以上の環境制御デバイス、環境センサ、及びコンピューティングデバイスと通信するよう構成された通信デバイスと、
命令を格納するよう構成されたメモリと、
前記通信デバイスと前記メモリとに結合されたプロセッサと
を含み、
前記プロセッサが、前記メモリに格納された前記命令と合わせて、
人の嗜好、前記人の現在の活動、又は前記人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、前記人のための時間性環境制御モデルを生成し、
前記人のための時間性位置モデルを生成することであって、前記時間性位置モデルが、前記人の現在位置と、前記人の予測された将来的位置とを含み、
建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び前記人の前記現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取り、
前記時間性環境制御モデルと前記時間性位置モデルとに基づき、前記現在位置及び/又は1つの予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成し、
実行のため前記命令を前記1つ以上の環境制御デバイスへ送信する
よう構成された、
コントローラ。
【請求項16】
前記プロセッサが、
前記人の前記嗜好、前記人の前記現在の活動、又は前記人の前記最近の活動のうちの1つ以上に基づき、前記現在位置のための1つ以上の環境パラメータを決定する
よう更に構成され、
前記1つ以上の環境パラメータが時間ベースである、
請求項15に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記プロセッサが、
前記現在位置の内部の第1環境センサからのデータ、前記現在位置の外部の第2環境センサからのデータ、又は前記人に関連付く人体センサからのデータのうちの1つ以上を受け取り、
前記受け取ったデータに基づき、前記現在位置のための前記1つ以上の環境パラメータを調整する
よう更に構成された、
請求項15に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記プロセッサが、
温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明構成、音レベル、におい、又は音構成のうちの1つ以上のための感知データを受け取る
よう更に構成された、
請求項17に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記プロセッサが、
前記人に関連付く心拍数、体温、血圧、体の動き、又は認知又は行動機能のうちの1つ以上に関連付くデータを受け取る
よう更に構成された、
請求項17に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記人のための前記時間性位置モデルを生成するため、前記プロセッサが、
カレンダー、位置情報サービス、又は前記人に関連付くモバイルデバイスのうちの1つ以上に基づき、前記人の将来的位置のための情報を受け取り、
前記受け取った情報、前記人の前記嗜好、前記人の前記現在の活動、又は前記人の前記最近の活動のうちの1つ以上に基づき、1つ以上の環境パラメータを決定する
よう構成された、
請求項15に記載のコントローラ。
【請求項21】
位置に関連付く1つ以上の環境制御デバイスと、
前記位置に関連付く1つ以上の環境センサと、
前記1つ以上の環境制御デバイスと前記1つ以上の環境センサとに通信可能に結合されたコントローラと
を含み、
前記コントローラが、
人の嗜好、前記人の現在の活動、又は前記人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、前記人のための時間性環境制御モデルを生成し、
前記人のための時間性位置モデルを生成することであって、前記時間性位置モデルが、前記人の現在位置と、前記人の予測された将来的位置とを含み、
建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び前記人の前記現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取り、
前記時間性環境制御モデルと前記時間性位置モデルとに基づき、前記現在位置及び/又は1つの予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成し、
実行のため前記命令を前記1つ以上の環境制御デバイスへ送信する
よう構成された、
環境制御システム(ECS)。
【請求項22】
前記コントローラが、
前記人の前記嗜好、前記人の前記現在の活動、又は前記人の前記最近の活動のうちの1つ以上に基づき、前記現在位置のための1つ以上の環境パラメータを決定する
よう更に構成され、
前記1つ以上の環境パラメータが時間ベースである、
請求項21に記載のECS。
【請求項23】
前記コントローラが、
前記現在位置の内部の第1環境センサからのデータ、前記現在位置の外部の第2環境センサからのデータ、又は前記人に関連付く人体センサからのデータのうちの1つ以上を受け取り、
前記受け取ったデータに基づき、前記現在位置のための前記1つ以上の環境パラメータを調整する
よう更に構成された、
請求項22に記載のECS。
【請求項24】
前記コントローラが、
温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明構成、音レベル、におい、又は音構成のうちの1つ以上のための感知データを受け取る
よう更に構成された、
請求項23に記載のECS。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
別段の記載がない限り、この章で説明する事項は本願請求項に対する先行技術ではなく、この章に含めることにより先行技術であると認めるものではない。
【0002】
人間(並びに動物及び植物)は環境に反応する。温度、湿度、照明、音量等といった環境状態は、ある位置での占有者の快適度に影響する。環境制御システム及び環境制御デバイスは益々複雑になり、多くは無線制御可能である。様々な状態下で環境制御システム/デバイスの複雑なネットワークを管理することは1つの挑戦である。異なる嗜好の複数の人が同一空間にいるとき、この挑戦はより複雑となる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、一般的に、環境制御の動的最適化のための技術を説明する。
【0004】
いくつかの例において、動的環境制御のための方法は、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、人のための時間性環境制御モデルを生成することと、人の現在位置と人の予測された将来的位置とを含む、人のための時間性位置モデルを生成することと、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取ることと、時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき環境パラメータを設定するため、現在位置及び/又は予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成することと、実行のため命令を1つ以上の環境制御デバイスへ送信することとを含んでもよい。
【0005】
他の例によると、環境状態を動的に制御するよう構成されたコントローラは、1つ以上の環境制御デバイスと通信するよう構成された通信デバイスと、環境センサと、コンピューティングデバイスと、命令を格納するよう構成されたメモリと、通信デバイスとメモリとに結合されたプロセッサとを含んでもよい。プロセッサは、メモリに格納された命令と合わせて、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、人のための時間性環境制御モデルを生成し、人のための時間性位置モデルを生成し、該時間性位置モデルは人の現在位置と人の将来的位置とを含んでおり、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取り、時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき環境パラメータを設定するため、現在位置及び/又は予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成し、実行のため命令を1つ以上の環境制御デバイスへ送信するよう構成されてもよい。
【0006】
更なる例によると、環境制御システム(ECS)は、位置に関連付く1つ以上の環境制御デバイスと、位置に関連付く1つ以上の環境センサと、1つ以上の環境制御デバイス及び1つ以上の環境制御センサに結合されたプロセッサとを含んでもよい。コントローラは、メモリに格納された命令と合わせて、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、時間性環境制御モデルを生成し、人の現在位置と人の将来的位置とを含む、人のための時間性位置モデルを生成し、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取り、時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき環境パラメータを設定するため、現在位置及び/又は予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成し、実行のため命令を1つ以上の環境制御デバイスへ送信するよう構成されてもよい。
【0007】
前述の概要は例示にすぎず、如何なるかたちでも限定することを意図していない。上記の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加え、更なる態様、実施形態、及び特徴が図面及び以下の詳細な説明を参照することにより明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の前述の特徴及び他の特徴は、添付の図面と併せて以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明確となる。これら図面は、本発明によるいくつかの実施形態のみを図示しており、このためその範囲を限定すると見なされるべきではなく、添付の図面を用いることにより本発明を更なる具体性及び詳細を伴い説明するものと理解されたい。添付の図面において:
【
図1】
図1は、環境制御システムが動的に管理されることのできる家屋のアーキテクチャの図示を含む。
【
図2】
図2は、様々な環境制御要素、センサ、及び構成を有する例示的な部屋の図示を含む。
【
図3A】
図3Aは、例示的な動的環境制御シナリオの図示を含む。
【
図3B】
図3Bは、例示的な動的環境制御シナリオの図示を含む。
【
図4A】
図4Aは、動的環境制御システムのための例示的なコンポーネント及び動作を含む。
【
図4B】
図4Bは、動的環境制御システムのための例示的なコンポーネント及び動作を含む。
【
図4C】
図4Cは、動的環境制御システムのための例示的なコンポーネント及び動作を含む。
【
図5】
図5は、動的環境制御システムのための例示的なシステムの主要なコンポーネントを表す。
【
図6】
図6は、動的環境制御システムを管理するために用いることのできるコンピューティングデバイスを表す。
【
図7】
図7は、
図6のコンピューティングデバイスといったコンピューティングデバイスにより実行されることのできる動的環境制御のための例示的な方法を表すフロー図である。
【
図8】
図8は、例示的なコンピュータプログラム製品のブロック図を表す。
【0009】
上記の全ては、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態に基づき配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、その一部を構成する添付の図面を参照する。図面では、文脈上別段の記述がない限り、類似の符号は典型的に類似の部品を示す。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。ここに提示される主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用したり、他の改変を行うことが可能である。ここで一般的に説明されて図示される本発明の態様は、全てここで明示的に予期される多様な異なる構成に、配置、置き換え、組み合わせ、分割、及び設計することができる。
【0011】
本発明は、一般的に、環境制御の動的最適化に関する、方法、装置、システム、デバイス、及び/又はコンピュータプログラム製品を特に対象とする。
【0012】
簡述すると、一般的に、環境制御の動的最適化のための技術が説明される。いくつかの例によるシステムは、人の環境的嗜好を判定し、その人のための時間ベースの環境制御モデルを生成することができる。該システムは、人の現在位置と予測された将来的位置を定義する位置モデルも生成することができる。環境モデルは、人の以前の活動又は現在の活動を考慮し、内部センサ及び外部環境センサと、人の装着する人体センサからの検知データに基づき調整されることができる。複数の人々のためのモデルは、優先度又は個人的特性に基づき組み合わせられることができる。モデルは、設定が人の到着前に将来的位置において実施可能であるよう、モバイルデバイスに格納されることもできる。実施された設定は、追加的な人々が位置に到着するとその人々のために調整されることができる。
【0013】
図1は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、環境制御システムが動的に管理されることのできる家屋のアーキテクチャの図示を含む。
【0014】
図100は、ベッドルーム102、リビングルーム104、書斎106、及びキッチン108を含んでもよい家屋を示す。家屋内の各部屋は、ベッド112、椅子114、ソファ116、机118、ピアノ122等といった例示的な家具を有する。家屋内の環境制御は、環境制御デバイス110により提供される、温度、湿度、照明、音量、遮光、及び類似のものの管理を含んでもよく、各環境制御デバイス110は1つ以上の異なる様態(例えば、温度と湿度)を管理してもよい。現在の環境状態は、家屋内及び家屋外に分散された環境センサ120を通じて判定されてもよい。
【0015】
家屋又はオフィスでの快適さは、多くのパラメータ(温度、湿度、光の明るさ及び色、香り、音等)に依存し、各建物は、異なる部屋に分散しているか同一の部屋に一緒にいる、異なるニーズ及び嗜好を持つ複数の占有者を同時に有する可能性がある。実施形態は、エネルギー消費を抑えつつ最適な快適さを確保する、全ての居住者のための家屋の環境の最適化を対象とする。エネルギー消費は、例えば、人がいないときに1つ以上の環境制御デバイスの動作をオフにするか減少させること、特定の環境設定のためエネルギー使用量を最小限に抑えるため、特定の環境制御デバイスの動作を連携させる、又は特定の環境制御デバイスを選択する等により達成されてもよい。例えば、人がテレビを見ている場合、ECSはテレビの明度を少し高めに調整して部屋内のいくつかの照明をオフにし、全体的に消費されるエネルギーを減少させてもよい。最適化は、外からの客といった他の人々が建物内に入ったとき調整されてもよい。
【0016】
環境の管理において、各部屋の寸法、各部屋内の家具のサイズ及び配置、窓及びドアのサイズ及び配置、環境制御デバイスの数及び配置、各部屋内の現在の状態、外の状態(例えば、明るさ、遮光、外気温/湿度等)といった様態が考慮されてもよい。更には、所望の環境状態、及び、如何にして現在の状態から所望の環境状態へ到達するかは、環境制御を如何にして管理するかの決定におけるパラメータであってもよい。
【0017】
環境制御デバイス110は、各部屋又は家屋全体の、温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明の構成、音量、又は音の構成のうちの1つ以上を制御してもよい。環境制御デバイス110は、テレビの音量又は明度制御、部屋照明レベル及び構成制御、及びその位置の環境に貢献することのできる他の電気装置の制御といった、光、音等を提供可能なデバイスの制御も含んでもよい。環境センサ120は、例えば、温度センサ、湿度センサ、音センサ、光検知センサ、気流センサ、又はユーザ入力デバイスを含んでもよい。
【0018】
図100における家屋は、実施形態が実装されることのできる位置のための例示であり、実施形態を限定することを意図していない。他の位置には、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場、又は同等の建物、並びに、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、船、及び類似のものといった乗り物を含んでもよいが、これに限定されない。
【0019】
図2は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、様々な環境制御要素、センサ、及び構成を有する例示的な部屋の図示を含む。
【0020】
図200は、ドア236と窓(例えば窓234)とを有する部屋を示す。例示的な部屋は、ソファ208、椅子210、机206、及び室内植物212といった家具も含む。部屋環境の動的制御のためのシステムを実装するため、部屋は、温度/湿度コントローラ(例えば熱/冷交換器)214、照明コントローラ(例えばLED光源)218、及び音コントローラ216といった、様々な環境制御デバイスを具えてもよい。温度計222、気流センサ220、光センサ224、湿度センサ220、及びマイク228といった様々な環境センサが、部屋内の現在の状態を検出し、環境特性の変化を監視するために用いられてもよい。
【0021】
1つの例において、コントローラ(未図示)は、人のための時間ベースの環境制御モデルを採用してもよい。例えば、人はソファ204上で昼寝をする可能性があり、モデルは人を起こすための特定の環境制御値(時間に伴う)を設定してもよい。コントローラは、部屋内で次第に増加するレベルで適切な音楽又はノイズ(例えばピンクノイズ)を提供するため、適切なデバイスに命令してもよい。音のレベルはマイクにより検出され、コントローラがレベルを調整できるようコントローラへフィードバックされてもよい。更には、カメラ又は類似のセンサが、人が起きたか否かを示す人の動き又は動きの欠如を検出し、音レベルの更なる調整のためにコントローラへフィードバックを提供してもよい。例えば、人が眠りから覚めたことをカメラが検出した場合、音レベルは徐々に増加されてもよい。一方、人が眠るために横臥した場合、システムはカメラによる横臥の検出に応じて、より容易な睡眠への移行のため音レベル(及び/又は構成)を徐々に低下させてもよい。当然ながら、人のスムーズな目覚めや容易な眠りのため、音レベルと組み合わせて、照明や温度レベルといった複数の環境特性も調整されてもよい。
【0022】
もう1つの例において、人は机206で作業する可能性がある。コントローラは、適切な環境制御デバイスを用いて1つ以上の環境特性を調整し、人に注意力を保たせるため適切なセンサからフィードバックを受け取ってもよい。つまり、温度、照明、音レベル等は、人が快適すぎて眠りに落ちるレベルに到達することができないようにされてもよい。
【0023】
更なる例において、コントローラは、人がジョギングから帰宅したことを判定してもよい。これは、人の体温が通常よりも高いことを意味する。このため、コントローラは、適切な期間、家の温度を下げ、次いで又は人の体温が正常に戻ったことに応じて、人が好む温度範囲へ戻すよう、暖房/冷房制御デバイスに命令してもよい。
【0024】
例示的な実施形態の様態は、住宅、オフィスビル、ホテル、学校、及び、個別のオフィス、共有オフィス、会議室等を含むその他といった異なる環境への適用可能性、各特定の人のための快適モデルを学習し、次いで動的に人々のニーズに一致させることを可能とする家屋のための最適な設定を決定するため、異なる人々のためのモデルの結果を組み合わせること、並びに、人々が1つの環境からもう1つの環境へ移動したときの可搬性を含む。実施形態によるシステムは、人々のグループが所与の時間において各位置にいることの予測、及びそれら人々のための最適な環境の準備を可能とするため、各人のための位置モデルを学習する。システムは、各位置での異なる人々の優先度/年齢序列を考慮してもよい(例えば、高齢、一時的な病気、疲れ、家屋又はオフィスにおける客等)。システムは、次に訪れる客及びその客の嗜好を特定して準備してもよい。例えば、ECSは、客のECSに接続して客の嗜好を取得してもよい。個人的なECS嗜好は、スマートフォンといったモバイルデバイスに格納されてもよく、ユーザが移動するとき、デバイスは環境最適化プロセスにユーザの嗜好を含めるため、ローカルECSに接続してもよい。環境最適化プロセスは、エネルギー消費のための最適化も含んでもよい。
【0025】
実施形態を実装することのできる1つの環境は、暖房装置、エアコン、加湿器、駆動式ブラインド、気候制御、光及び音デバイス(照明、スピーカ、テレビ等)、通気口、香り発生装置、及び多くのその他を含む、多数の環境制御デバイスを含んでもよい。そのようなデバイスは、高速リンク(例えば、4G、5G、WiFi等であるがこれに限定されない)上で有効にされ通信するモノのインターネット(IoT)であってもよい。ECSは、全ての利用可能な環境制御デバイスに接続されてもよく、携帯電話、スマートメガネ、時計、ブレスレット、及び人の動き、温度、心拍数、発汗、瞳孔サイズ、ストレスレベル等を感知可能なその他デバイスといった、人が持ち歩くウェアラブルデバイスと通信してもよい。
【0026】
図3Aと
図3Bは、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、例示的な動的環境制御シナリオの図示を含む。
【0027】
図3Aにおける
図300Aは、環境制御システム(ECS)が、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、1つの位置(例えば家屋302)での人204のための静的環境制御モデルを生成(322)する1つの例示的なシナリオを示す。該モデルは、以前又は現在の活動、人の生物学的特性(例えば、血圧、心拍数等)といった他の要因に基づく人の嗜好に従って家屋302内の環境を設定するための環境パラメータを定義してもよい。該モデルは、次いで、ECSが家屋302内及び家屋302周囲の様々な環境制御デバイスに命令することにより実行されてもよい。
【0028】
図3Aにおける
図300Bは、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき家屋302での人304のためのECSが時間性環境制御モデルを生成(324)する、もう1つの例示的なシナリオを示す。時間ベースの該モデルは、長期的な人の嗜好に従い家屋302における環境を設定するための環境パラメータを定義してもよい。例えば、人は、午前、午後、そして夜に温度、照明レベル、及び音レベルが異なる値に設定されることを好む。該モデルは、次いで、ECSが特定の時間に家屋302内及び家屋302のあちこちの様々な環境制御デバイスに命令することにより実行されてもよい。該モデルは、変化(体温、心拍数、意識レベル等といった人の身体的特性、並びに、外気温、湿度、光レベルの変化)に基づき調整されてもよい。ECSは、該モデル及び任意の変化に基づき、温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明成分、音レベル、におい、及び/又は音の成分といった、必要とされる環境パラメータを予測してもよく、環境制御デバイスに命令することにより実行してもよい。
【0029】
図3Aにおける
図300Cは、ECSが人306のための時間性環境制御モデルを、同人物のための時間性位置モデルと共に生成又は受け取る(326)、更なる例示的なシナリオを示す。該モデルに基づき、ECSは、人306が家屋302にいつ到着するか予測又は検出可能である。人306は、単純に自宅に到着した人304と同一であるか、異なる人(例えば、家屋302の客又は第2の居住者)であってもよい。ECSは、上述したプロセスに類似して家屋302での環境設定を設定/調整してもよいが、到着時間が考慮される。例えば、家屋が寒く、10℃以上暖める必要がある場合、ECSは環境制御デバイスに人の到着に先立ち家屋を暖房することを開始するよう命令してもよい。一方、所望の照明又は音レベルは、到着時に実施されてもよい。
【0030】
いくつかの例において、ECSは、異なる部屋又は部屋の異なる部分における環境設定を制御するため、より高い粒度を有してもよい。モーションセンサ、カメラ、及び類似の検出デバイスを通じて、ECSは、家屋内の人の移動を検出し、モデルに従い異なる部分のための環境設定を調整してもよい。例えば、システムは、人が夕食を準備するため典型的に午後6時半にキッチンへ行くと判定し、キッチンにおける環境設定を午後6時半のために設定してもよい。モデルを生成/調整するため、教師あり又は教師なし機械学習アルゴリズムが採用されてもよい。
【0031】
図3Bにおける
図300Dは、生成された(又は記録された)環境制御モデルが人々のグループに適用される(328)シナリオを示す。例えば、複数モデルが家屋302での人304といった何人かの人々のために生成されてもよい。これら人々のグループ308が家屋302に集まったとき、ECSは、異なる人々に優先度、個人的特性等を割り当てる、又は、割り当てられた優先度、個人的特性等を考慮することにより、モデルを組み合わせてもよい。1つの例において、ECSは、家屋の居住者のためのモデルを生成し、家屋に到着する客のための別のシステムにより生成されたモデルを受け取ってもよい。
【0032】
ECSは、人の重要度、年齢、健康状態等に基づき、優先度を割り当てて(又は提供して)よい。例えば、システムは、マイクを通じて家屋内の人々の言葉を聞き、会話認識を適用してもよい。システムは、ある人が「祖父は今日気分が悪く、世話をする必要がある」と言うのを聞く。システムはこの会話から、祖父には優先度が付され、祖父のための環境パラメータに更なる重みが与えられるものと推測してもよい。システムは、これは祖父の年齢のためと判定し、祖父の状態を、高齢、祖父の一時的な病気、又はそれら両方として保留してもよい。他の例において、各人のための好ましい環境パラメータは、各人の現在の状態(例えば、それら人々の体温、心拍数等)を考慮することのできる重み付けアプローチを通じて組み合わされてもよい。人々が家屋302中の異なる位置にいる場合、環境制御はより高い粒度で管理されることができ、家屋内の異なる位置は誰がその位置にいるかによって制御されてもよい。いくつかの例において、人々のグループのためのモデルの組合せは、ルールベースのシステムを通じて実施されてもよい。規則ベースのシステムは、特定の人々が集まったとき何が起こるか、又は二人以上の人々の嗜好が衝突するとき何が起こるかを定義した、所定及び/又は機械学習調整可能なルールを含んでもよい。
【0033】
もう1つの例において、カメラは、人の存在又は体温のような単純な測定可能イベントを監視するのみならず、動き及びジェスチャーから環境の快適さ(不快さ)を示すと解釈することのできる動作も監視する(例えば、セーターを着る、震える、又は手をこする/暖める等)。機械学習システムは、人はそれぞれ異なることから、そのようなジェスチャーが各人にとって何を意味するかを学習してもよい。
【0034】
図3Bの
図300Eは、人304の環境嗜好又は予め生成された環境制御モデルが、人に関連付くスマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルコンピュータ等といったモバイルデバイスに格納される、もう1つのシナリオを示す。人304が家屋302に到着するとき、モデルがECSによりモバイルデバイス310から取得されて実施される。例えば、モデルは、モバイルデバイスが家屋302の無線ネットワークの範囲に進入したとき、又は他の方法を通じてモバイルデバイスから取得されてもよい。
【0035】
図300Fは、人306が家屋302に接近する又は到着する予定であるとき、人306の予め生成された環境制御モデル又は環境嗜好がネットワーク上でECSにより取得される、更なるシナリオを示す。例えば、予め生成されたモデルは人のモバイルデバイス310に格納されてもよい。人が家屋に向かっていることを検出し(例えば、位置サービスに基づく)、所定の閾値(例えば、3マイル、5マイル等)を通過したとき、ECSはモバイルデバイス310からモデルを取得し、その人が家屋内にいるとき実施してもよい。他の例において、予め生成されたモデル又は個人的嗜好はクラウドに格納され、上述したのもと類似のシナリオにおいて、又は人が家屋にいると予期されるときを示す人のカレンダーに基づき、ECSにより取得されてもよい。
【0036】
上述したように、家屋の内部又は外部の環境状態を感知し、それに従い環境制御モデルを調整するため、様々な内部又は外部環境センサが用いられてもよい。同様に、血圧、心拍、体温、体の動き、目の動き等を測定する生体センサが、家屋内の人の快適さ又は意識レベルを判定するために用いられてもよく、それに従い実施されたモデルが調整されてもよい。
【0037】
図3Aと
図3Bにおける例示的なシナリオが家屋内を説明している一方、実施形態によるECSは、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場等でも実施されてもよい。実施形態は、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、列車、又は船といった移動位置において実装されてもよい。例えば、飛行機内で、フライトキャビンに沿った座席の各列、列のグループ、更には個別の座席のために異なる環境制御ゾーンが確立されてもよい。更なる例において、動的環境制御は、動物搬送車両(又は静止動物格納建物)において実施されてもよい。異なる種は、変化する環境状態に対し異なる反応をする可能性がある。どの種(例えば、牛、羊、家禽動物)が搬送されるかによって、環境制御がここで説明されるように管理されてもよい。オフィスへの訪問者にも同一のアプローチが用いられてもよい。割り当てられた会議室のためのECSは、環境嗜好モデルを取得するために訪問者のスマートフォンに接続してもよく、これが後の時間のため、会議室のため、環境最適化プロセスにおいて考慮されてもよい。加えて、少なくとも何人かの客は接待者よりも高い重要度であると見なされてもよく、ECSはこれら階層順位も考慮してもよい。
【0038】
図4A~
図4Cは、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、動的環境制御システムのための例示的なコンポーネント及び動作を含む。
【0039】
図4Aの
図400Aは、実施形態によるシステムの異なるコンポーネントによる主要な動作を示す。例えば、ユーザ(又は占有者)は、特定の環境パラメータ、位置情報、活動情報といった入力(402)を提供する、又は、環境制御デバイスユーザインターフェイス又はコンピューティングデバイスを通じて所定のシナリオのセットから選択してもよい。システムへのアプリケーション又はブラウザベースのアクセスが、ユーザに対し、環境が制御される位置で、又はコンピューティングデバイスを用いて任意の位置から、ユーザの入力を提供することを可能としてもよい。サーバ又はコントローラ404(例えば特定用途向けデバイス)が、次いで、時間性環境制御モデル及び/又は時間性位置モデルを生成又は調整してもよく、時間性環境制御モデル及び/又は時間性位置モデルを通じて環境制御パラメータが定義又は調整され、その位置における環境が監視され、占有者の生物学的機能が監視される。位置及び/又はその位置で変化する人々は、実施されたモデルを調整するために監視されてもよい。サーバ又はコントローラ404は、モデルを生成又は実施するため、教師あり又は教師なし機械学習405を採用してもよい。いくつかの例において、環境制御モデル又はユーザ嗜好は、実施されるためにサーバ又はコントローラにより取得されるよう、各人に関連付くモバイルデバイス403に格納されてもよい。サーバ又はコントローラは、様々な環境制御デバイス406の動作を制御し、いくつかの環境センサ408から入力/フィードバックを受け取ってもよい。サーバは、環境制御デバイス又はユーザのコンピューティングデバイスを通じて、ユーザへフィードバック410を提供してもよい。
【0040】
位置に関連付く環境制御パラメータは、環境制御デバイス、デスクトップコンピュータ、携帯型デバイス、スマートフォン、スマートウォッチ、車載コンピュータ、又はリモートサーバから受け取られてもよい。環境制御パラメータは、位置のための温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明成分、音レベル、又は音の成分のための値又は値の範囲を特定してもよい。環境制御デバイスは、暖房要素、冷房要素、気流要素、光源、遮光コントローラ、色合いコントローラ、又は音源を含んでもよい。環境センサは、温度センサ、湿度センサ、音センサ、光検知センサ、気流センサ、又はユーザ入力デバイスを含んでもよい。環境センサは、マイク、又は、位置での対気速度の分布を測定するために持ちることのできるレーザ風速計も含んでもよい。環境センサは、ドップラー効果を通じて対気速度を測定する超音波トランスデューサとレシーバとを更に含んでもよい。もう1つの例において、環境センサは、家具、ランプ、カーテン等における振動を検出することで対気速度を監視するこのとできるカメラを含んでもよい。カメラは、位置の拡散熱パターンを測定することにより温度を測定するための感熱カメラであってもよい。
【0041】
システムは、1つ以上の環境センサから、及び/又は、データベースといった外部ソースから、位置の現在の環境状態を受け取ってもよい。建築パラメータは、位置の寸法、壁/床/天井の構成、位置における家具のサイズ及び配置、ドア及び窓のサイズ及び配置を含んでもよいが、これに限定されない。外気温/湿度、外部照明(成分及びレベル)、外部の音の成分及びレベルといった外部状態が、実行されるモデルの生成/調整に織り込まれてもよい。
【0042】
図4Bの
図400Bは、いくつかの実施形態による環境状態を動的制御するためのシステムの1つ以上のサーバにより実行されるいくつかの例示的な動作を示す。サーバは、専用サーバ、メインフレーム、又は類似のコンピュータであってもよく、分散コンピューティングシステムにおける独立した単一デバイス、互いに協働する複数のコンピュータ等として実装されてもよい。主要動作はいくつかのコンポーネントにより実行されてもよい。例えば、1つのコンポーネントは、各人のための環境制御設定の環境制御モデルを構築してもよい(422)。モデルは、時間性(時間ベース)、及び/又は、人の現在又は以前の活動を考慮した活動ベースであってもよい(例えば、ランニング又は他の激しい活動から帰宅した人は、寒い中外で長時間待ってから戻った別の人と比較し異なる環境嗜好を有する)。もう1つのコンポーネントは、人の現在位置又は予測された将来的位置を定義する、各人のための位置モデルを構築してもよい(424)。このため、位置モデルも時間性である。位置モデルは、午後にホームオフィスからキッチンへ、ダイニングルームへ、リビングルームへ、又は夜にベッドルームへ行くといった移動を考慮してもよい。位置モデルは、直接的な観察から構築されてもよく、そしてECSが人のカレンダーへのアクセスを有する場合に変更されてもよい。更にもう1つのコンポーネントは、環境制御モデル及び位置モデル(時間性)に基づき、エネルギー消費のモデルを構築してもよい。いくつかの例において、環境制御モデルの実施は、エネルギー消費の考慮に基づき調整されてもよい。1つの更なるコンポーネントは、到来する占有者又は客を特定又は予測し、異なる人々のための異なるモデルを組み合わせるか、実施された環境制御モデルを調整してもよい。もう1つのコンポーネントは、例えば、グループ中の人々の優先度付け、グループ中の人々の個人的特性及び状態の考慮等により、生成された又は受け取られたモデルを人々のグループのために拡張するために用いられてもよい(430)。そして更にもう1つのコンポーネントは、生成された環境制御モデル、個人的嗜好情報、位置情報等を、人々に関連付くモバイルデバイスに格納又は取得してもよい(432)。
【0043】
環境制御モデル及び位置モデルは、教師あり又は教師なし機械学習技術を用いて継続的に調整されてもよい。そのようなモデルは、環境の静的な準備(即ち、同一の人々に対し常に同一)でなく、動的様式における環境パラメータのより好ましい調整を可能とする。嗜好モデルを訓練するための教師なし学習の1つの方法は、人の体温、動作状態、心拍数、発汗レベルを環境制御パラメータに相関させることである。1つの例として、人の電話、スマートメガネ等の中のコンピュータビジョン又はセンサにより観察可能である、人が(安静時又は睡眠中に)落ち着きがない場合、人は快適な状態ではないと推測されてもよい。各時間で、ECSは、次の時間に誰が各部屋にいるかを推測してもよい(そして可能な場合、部屋のどこであるかというより細かな粒度で―例えば、人によって、夜にテレビを見るため特定の椅子又はソファ上の場所を好む、又は、ディナーテーブルの特定の場所、又は会議テーブルの特定の場所を好む)。ECSは、次いで、その人及び時間の好ましい環境設定のモデルを環境設定アルゴリズムの入力として用いてもよい。
【0044】
人工知能(AI)アルゴリズムは、自体の環境を知覚する任意のデバイスを制御し、人の嗜好に基づきある位置での環境パラメータを最適化するといった、所定の目標を成功裏に達成する可能性を最大化させる行動を取る。AIのサブセット、機械学習(ML)アルゴリズムは、予測や決定を行うよう明示的にプログラムされることなくそれを行うため、サンプルデータ(訓練データ)に基づき数学モデルを構築する。いくつかの例において、AIプランニングアルゴリズム又は特定のMLアルゴリズムは、現在及び所望の環境パラメータを決定し、将来的な環境設定等を予測し、所望の/予測された環境設定を達成するため環境制御デバイスのための命令を提供するために採用されてもよい。環境設定アルゴリズムは、環境設定(例えば、温度又は照明レベル)が変化したとき、人による要求、人又は他の人々の予測された到着等にてシステムによりトリガーされてもよい。人は、ML(機械学習)データをネットワークへアップロードし、自身のデータから他のユーザが恩恵を受けられるようにしてもよい。MLアルゴリズムは、教師あり及び教師なし学習の両方を容易にすることができる。
【0045】
次の時間の人の嗜好を判定するとき、人の以前の活動が複数のソース、例えば、利用可能で更新されていれば人のカレンダー、そして利用可能であればカメラ又はマイクを通じた直接的な観察、又は、人が過去20分間ランニングしていた、又は、寒い場所で立っていた等を知ることができる人のスマートフォンから、判定されてもよい。位置は、人の体温と発汗レベルを監視可能な赤外線ビジョンデバイスを含むコンピュータビジョンデバイスを有してもよく、それに従い環境制御パラメータを調整してもよい。次の時間に部屋を占有する可能性の高い各人のための推測に基づき、ECSは部屋の環境を準備してもよい。グループのシナリオにおいて、ECSは、最適環境設定を取得するため、部屋内の各人の優先度/年齢序列、並びにエネルギー消費の削減を考慮してもよい。全ての人々にとっての快適度は、個人の快適さの重み関数として最大化されることができる。いくつかの例において、ECSは部屋内の実際の人々に対する設定を継続して調整してもよく、家屋環境最適化プロセスの様々な様態(人々の位置モデル、好ましい設定対時間モデル)を学習してもよい。
【0046】
客は、アクセス可能なカレンダーのような利用可能なリソースから、やや定期的なイベント(例えば、ブッククラブ、ゲーム、遊びの約束)を特定する学習されたモデルから、又は、特定の客が特定の時間に来訪することをECSへ伝える接待者からの直接入力から、特定されてもよい。これら客の環境嗜好を取得するため、ホストECSは客のECSに接続し、最適化アルゴリズムへの入力として用いることのできる客の嗜好モデルを取得してもよい。最適化アルゴリズムは、特定の位置のために異なる人々の環境設定モデルを組み合わせ最適化するよう設計されたAI又はMLアルゴリズムであってもよい。
【0047】
上述したように、人のECS環境制御(嗜好)モデルは、人のスマートフォンに格納されてもよい。人が移動するとき、スマートフォンはその嗜好モデルを環境最適化プロセスに含めるためローカルECSに接続してもよい。或いは、スマートフォンは、そのユーザのための多くの次の位置の知識を含んでもよい(カレンダー及び他のリソースから―例えば、スマートフォン自体が異なる時間/週/月/年でのそのユーザの位置のモデルを構築し、次の時間のユーザの位置を推測するために用いてもよい)。スマートフォンは、そのユーザのために予測された次の位置のECSに接続し、次の時間のための環境最適化プロセスにおいて考慮すべきその環境嗜好モデルを該ECSへ転送してもよい。
【0048】
実施形態によるシステムの単純さ及び使用の容易さは、シームレスに融合することのできる利用可能なセンサの包括的な使用により更に高められることができる。例えば、システムを自動調整するために、人の動作を検出し、体温、心拍数、発汗レベル等といった人の生理学的パラメータに相関させるため、コンピュータビジョン技術が用いられてもよい。もう1つの実用的な例において、システムは衣服を調整する(例えば、ボタンを外す対ボタンをはめる、汗を拭く、寝ている間に毛布をかける)人を検出し、人が暑すぎる又は寒すぎることを検出し、それに従い環境パラメータを調整するよう環境制御デバイスに命令してもよい。
【0049】
図4Cの
図400Cは、ある位置(430)での複数人のためのモデルの拡張又は組合せを示す。機械学習(405)ベースのシステムは、(例えば、モバイルデバイスから、又はデータストア446から取得した)該位置で人々のための複数の個別のモデルを共に組み合わせてもよい。他の例において、システムは単一の人のモデルから開始し、該モデルを複数の人々へ拡張してもよい。拡張/組合せは、個別の人々の優先度(例えば、年齢序列、組織の地位序列、社会的序列等)、人々の身体的、行動的、位置的特性に割り当てられた重み、人々に関連付く継続的な状態(例えば、永続的な健康状態)、一時的状態(一時的な病気、最近又は現在の活動等)、及び同等の要因を考慮してもよい。システムは、ユーザデバイス442(ユーザ提供情報)、センサ444(撮像及び分析された画像といった感知情報)、及び外部データストア446から、情報を受け取ってもよい。モデルを拡張又は複数モデルを組み合わせた後、システムは、新たに計算されたモデルを実施するため、環境制御デバイス406へ命令を提供してもよい。ここで説明されるデータストア446及び他のデータストアは、以下で
図6と合わせて説明するデータストレージの如何なる形態であってもよい。
【0050】
上述したコンポーネントは例示目的である。各例示的なコンポーネントは別々のサーバ(又は特定用途向け機器)で実行されてもよく、いくつかのコンポーネントは同一のサーバで実行されてもよい、又は、全てのコンポーネントが同一のサーバで実行されてもよい。コンポーネントはまた、クラウドで分散方式で実行されてもよい。加えて、上述したいくつかの動作は、同一のコンポーネントに組み合わされてもよい、又は、単一の動作が1つ以上のコンポーネントにより実行されてもよい。例えば、異なるコンポーネントが、家屋、オフィス等のための位置モデルを生成するために採用されてもよい。或いは、同一のコンポーネントが全ての3つのモデルを生成するために用いられてもよい。
【0051】
もう1つの例において、ユーザは、例えば、画面入力、又は、部屋内の様々な位置へ移動して各位置での温度及び空気の移動を提供することにより、動作パラメータを提供してもよい。システムは、1つ以上のパラメータが達成できない又は矛盾する場合、ユーザに警告してもよい。或いは、ユーザは推奨設定をダウンロードするか、推奨設定を編集してもよい。システムは、温度センサ及び気流センサを用いて部屋を監視し、ユーザが提供/調整した設定に従いエアコン、扇風機、暖房の動作を調整してもよい。空間における変化の例において、空間分布における制限は、自己校正を通じてインストール後にシステムにより学習されてもよい。
【0052】
図5は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、動的環境制御システムのための例示的なシステムの主要なコンポーネントを示す。
【0053】
いくつかの実施形態は、動的環境制御を提供するよう構成されたシステムを含んでもよい。
図500に示されるような1つの例示的なシステムは、1つ以上のネットワーク上でデータストア560とシステムコントローラ520とに通信可能に結合された遠隔コントローラ540を含んでもよい。遠隔コントローラ540は及びシステムコントローラ520は、別々に動作する、又は分散方式で協働する、個別の異なるサーバであってもよい。これらは、並列処理を実行する複数のプロセッサのシステムの一部であってもよい。コントローラは、ここで説明される動的環境制御に関連付くタスクの全て又は一部を実行するため、1つ以上のネットワーク520と通信してもよい。例えば、遠隔コントローラ540及びシステムコントローラ520は、複数の位置環境管理システムを制御してもよい。システムは、位置環境管理システム522も含んでもよい。位置環境管理システム522は、位置での人又は人々に情報を提供するため、任意的なディスプレイ526に結合されたコントローラ524を含んでもよい。位置には、家屋、オフィス、教育の場所、ヘルスケアの場所、又は類似の静的位置を含んでもよい。位置には、車、トラック、バン、バス、ボート、飛行機等の動的位置も含んでもよい。
【0054】
位置環境管理システム522は、人の嗜好、人の現在の活動、及び/又は人の最近の活動に関連付く情報を受け取り、人のための時間ベースの環境制御モデルを生成してもよい。位置環境管理システム522は、人の現在の位置及び人の予測された将来的位置を定義する、人のための時間性位置モデルも生成してもよい。これらモデルと、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスといった他の情報とに基づき、位置環境管理システム522は、環境制御モデルを実施するため環境制御デバイス532のための命令を生成してもよい。位置環境管理システム522は、センサ534(例えば、位置の内部又は外部の環境センサ、センサのための人体センサ)、ユーザデバイス538(例えば、モバイル又はウェアラブルデバイス)、及び外部センサ536(例えば、データベース、環境データソース)からの入力を受け取ってもよい。
【0055】
いくつかの例において、動的環境制御管理動作は、コントローラと、ローカルコントローラに送られた特定動作のための命令とにより実行されてもよい。他の例において、動的環境制御管理動作はローカルコントローラで実行されてもよい。更に他の例において、中央コントローラ(又はサーバ)は複数のシナリオを現場の環境コントローラへ送信し、これら環境コントローラが命令を実行してもよい。
【0056】
図6は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、動的環境制御システムを管理するために用いることのできるコンピューティングデバイスを表す。
【0057】
1つの例示的な基本構成602において、コンピューティングデバイス600は、1つ以上のプロセッサ604と、システムメモリ606とを含んでもよい。メモリバス608は、プロセッサ604とシステムメモリ606との間で通信するために用いられてもよい。基本構成602は、
図6において内部破線内のコンポーネントにより表される。
【0058】
所望の構成によって、プロセッサ604は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、又はそれらの任意の組合せを含む、任意のタイプであってもよいが、これに限定されない。プロセッサ604は、キャッシュメモリ612、プロセッサコア614、及びレジスタ616といった、1つ以上のレベルのキャッシングを含んでもよい。例示的なプロセッサコア614には、演算装置(ALU)、浮動小数点演算装置(FPU)、デジタルシグナルプロセッシングコア(DSPコア)、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。1つの例示的なメモリコントローラ618がプロセッサ604と共に用いられてもよく、又は、いくつかの実装において、メモリコントローラ618はプロセッサ604の内部部分であってもよい。
【0059】
所望の構成によって、システムメモリ606は、揮発性メモリ(例えばRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、フラッシュメモリ等)、またはそれらの任意の組合せを含んでもよいが、これに限定されない。システムメモリ606は、オペレーティングシステム620、制御アプリケーション622、及びプログラムデータ624を含んでもよい。制御アプリケーション622は、センサモジュール626とコンポーネントモジュール627とを含んでもよい。制御アプリケーション622は、人の環境設定嗜好、位置、活動等といった人に関連付く情報、並びに、物理的特性、環境設定、現在位置及び予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスといった位置の詳細を受け取るよう構成されてもよい。アプリケーションは、人の嗜好及び他のパラメータに従い環境設定を作成するためにその位置での個別の環境制御デバイスのための命令を生成するため、時間性環境制御モデル及び位置モデルを生成してもよい。プログラムは、ここで説明されるように、他にもあるデータのうち、位置のための天候、照明、音環境、及び類似のデータといった環境データ628を含んでもよい。
【0060】
コンピューティングデバイス600は、追加的な特徴又は機能、及び基本構成602と任意の所望のデバイス及びインターフェイスとの間の通信を容易にするための追加的なインターフェイスを有してもよい。例えば、ストレージインターフェイスバス634を介した基本構成602と1つ以上のデータストレージデバイス632との間の通信を容易にするために用いられることのできる、バス/インターフェイスコントローラ630が用いられてもよい。データストレージデバイス632は、1つ以上の取り外し可能ストレージデバイス636、1つ以上の非取り外し可能ストレージデバイス638、又はそれらの組合せであってもよい。取り外し可能ストレージデバイス及び非取り外し可能ストレージデバイスの例としては、いくつか挙げると、フレキシブルディスク及びハードディスクドライブ(HDD)といった磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブといった光学ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、及びテープドライブを含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータといった情報の格納のために任意の方法又は技術において実装された、揮発性及び不揮発性、取外し可能及び非取り外し可能媒体を含んでもよい。
【0061】
システムメモリ606、取外し可能ストレージデバイス636、及び非取り外し可能ストレージデバイス638は、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EFPROM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、又は他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を格納するために用いられることができ且つコンピューティングデバイス600によりアクセスされることのできる他の媒体を含んでもよいが、これに限定されない。そのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス600の一部であってもよい。
【0062】
コンピューティングデバイス600は、バス/インターフェイスコントローラ630を介して、様々なインターフェイスデバイス(例えば、1つ以上の出力デバイス642、1つ以上の周辺インターフェイス650、及び1つ以上の通信デバイス660)から基本構成602への通信を容易にするため、インターフェイスバス640も含んでもよい。いくつかの例示的な出力デバイス642には、グラフィックスプロセッシングユニット644とオーディオプロセッシングユニット646を含み、1つ以上のA/Vポート648を介して、ディスプレイ又はスピーカといった様々な外部デバイスと通信するよう構成されてもよい。1つ以上の例示的な周辺インターフェイス650には、シリアルインターフェイスコントローラ654又はパラレルインターフェイスコントローラ656を含んでもよく、1つ以上のI/Oポート658を介して、入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイス等)又は他の周辺デバイス(例えば、プリンタ、スキャナ等)と通信するよう構成されてもよい。1つの例示的な通信デバイス660はネットワークコントローラ662を含み、ネットワークコントローラ662は、1つ以上の通信ポート664を介して、ネットワーク通信リンク上での1つ以上の他のコンピューティングデバイス666との通信を容易にするため配置されてもよい。1つ以上の他のコンピューティングデバイス666は、データセンターでのサーバ、顧客機器、及び同等のデバイスを含んでもよい。
【0063】
ネットワーク通信リンクは通信媒体の1つの例であってもよい。通信媒体は、キャリア波又は他のトランスポート機構といった変調データ信号中の、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータにより組み込まれてもよく、情報配信媒体を含んでもよい。「変調データ信号」は、その特性の1つ以上を有する信号、又は、信号中の情報をエンコードするような方法にて変更された信号であってもよい。例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接配線接続通信といった有線媒体、及び、音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、及び他の無線媒体といった無線媒体を含んでもよいが、これに限定されない。ここで用いられる用語、コンピュータ読み取り可能媒体は、非一時的な記憶媒体を含んでもよい。
【0064】
コンピューティングデバイス600は、専用サーバ、メインフレーム、又は上記機能のいずれかを含む類似のコンピュータの一部として実装されてもよい。コンピューティングデバイス600は、ラップトップコンピュータ構成及び非ラップトップコンピュータ構成を含むパーソナルコンピュータとして実装されてもよい。
【0065】
図7は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、
図6のコンピューティングデバイスといったコンピューティングデバイスにより実行されることのできる動的環境制御のための例示的な方法を表すフロー図である。
【0066】
例示的な方法は、いくつかの実施形態において、
図6におけるコンピューティングデバイス600といったコンピューティングデバイスにより実行されることのできる1つ以上のブロック722、724、726、728,730により表されるような、1つ以上の動作、機能、又は行為を含んでもよい。
図6及び他の図におけるそのような動作、機能、又は行為は、他の動作、機能、又は行為にて、組み合わせ、除外、改変、及び/又は補充されてもよく、必ずしも示されたとおりの順序で実行される必要はない。ブロック722~730において説明される動作は、コンピューティングデバイス710のコンピュータ読み取り可能媒体720といったコンピュータ読み取り可能媒体に格納された、コンピュータ実行可能命令を通じて実装されてもよい。
【0067】
動的環境制御を提供するための例示的なプロセスは、ブロック722、「人の嗜好、人の現在の活動、及び/又は人の最近の活動に基づき、人のための時間性環境制御モデルを生成する」で始まり、コントローラ又は制御アプリケーション622は、人の嗜好、現在の活動、最近の活動、又は家屋、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場、又は同等の位置、並びに、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、船、又は類似のものといった乗り物といった位置での他の情報に基づき、人のための好ましい環境設定の時間性モデルを構築してもよい。環境制御設定は、位置内の天候、照明、音、遮光、色合い等に関連付いてもよい。
【0068】
ブロック724、「人のための時間性位置モデルを生成し、該時間性位置モデルは人の現在位置と人の予測された将来的位置とを含む」がブロック722に続いてもよく、制御アプリケーション622は、人のための時間ベースの位置モデルを生成して(又は受け取って)よい。該モデルは、人が現在どこにいるか、どのくらい長く該位置に留まることが予期されるか、将来的にどこに、どれほど長くいるか等を定義してもよい。該モデルは、高い粒度を有してもよく、つまり、建物内のどの部屋に人がいるか又はいると予期されるかを定義してもよい。時間性位置モデルお及び環境制御モデルは、教師あり又は教師なし機械学習技術を用いて継続して調整されてもよい。
【0069】
ブロック726、「建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び/又は、人の現在位置及び/又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスに関連付く情報を受け取る」がブロック724に続いてもよく、制御アプリケーション622は、位置の物理的特性、現在の環境パラメータ(例えば、温度、湿度、照明レベル、音レベル等)に関連付く情報を受け取ってもよい。制御アプリケーション622は、時間性位置モデルにより予測された将来的位置のための類似の情報も受け取ってもよい。
【0070】
ブロック728、「時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき環境パラメータを設定するため、現在位置及び/又は予測された将来的位置での環境制御デバイスのための命令を生成する」がブロック726に続いてもよく、個別のコンポーネントモジュール627又は制御アプリケーション622は、生成された環境制御モデルが位置(又は将来的位置)で実施可能となるよう命令を実行するために、1つ以上の環境制御デバイスを制御する、又は1つ以上の環境制御デバイスに命令を送信してもよい。
【0071】
ブロック730、「実行のため命令を環境制御デバイスへ送信する」がブロック728に続いてもよく、個別のコンポーネントモジュール627又は制御アプリケーション622は、例えば、位置での温度、湿度、照明レベル、音レベル等の変化を実行するために、1つ以上の環境制御デバイスを制御するため命令を送信してもよい。
【0072】
プロセス700に含まれる動作は例示目的のためのものである。動的環境制御は、より少ない動作又は追加的な動作を有する類似のプロセスにより、並びに、ここで説明される原理を用いた動作の異なる順序において、実装されてもよい。ここで説明される動作は、他にもある例のうち、1つ以上のコンピューティングデバイス上で動作する1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサコア、及び/又は専用処理デバイスにより実行されてもよい。更なる例において、並列処理が採用されてもよく、計算又はプロセスの実行は、大きなタスクを小さなタスクに分割して同時に解決する1つ以上のプロセッサにより同時に行われてもよい。並列処理のために分割されたタスクは、必要なコンポーネントにより制御されてもよい。ビットレベル、命令レベル、データ並列性、及びタスク並列性といった異なるタイプの並列処理が用いられてもよい。
【0073】
図8は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、例示的なコンピュータプログラム製品のブロック図を表す。
【0074】
いくつかの例において、
図8に示されるように、コンピュータプログラム製品800は、1つ以上の機械読み取り可能命令804を含むこともできる信号担持媒体802を含んでもよく、例えば、プロセッサによる実行に応じて、ここで説明される機能を提供してもよい。このため、例えば、
図6におけるプロセッサ604を参照し、制御アプリケーション622は、ここで説明されるような動的環境制御に関連付く動作を実行するため、信号担持媒体802によりプロセッサ604へ伝えられる命令804に応じて、
図8に示された1つ以上のタスクを実行する、又は、該タスクのパフォーマンスを制御してもよい。これら命令には、例えば、ここで説明されるいくつかの実施形態による、人の嗜好、人の現在の活動、及び/又は人の最近の活動に基づき、人のための時間性環境制御モデルを生成することと、時間性位置モデルを生成することであって、該時間性位置モデルは人の現在位置と人の予測された将来的位置とを含むことと、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び/又は人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスに関連付く情報を受け取ることと、時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき環境パラメータを設定するため、現在位置及び/又は予測された将来的位置での環境制御デバイスのための命令を生成することと、実行のため命令を環境制御デバイスへ送信することとを含んでもよい。
【0075】
いくつかの実装において、
図8に図示された信号担持媒体802は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリ、及び同等の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むがこれに限定されない、コンピュータ読み取り可能媒体806を含む。いくつかの実装において、信号担持媒体802は、メモリ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVD等を含むがこれに限定されない、記録可能媒体908を含んでもよい。いくつかの実装において、信号担持媒体802は、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンク等)を含むがこれに限定されない、通信媒体810を含んでもよい。このため、例えば、コンピュータプログラム製品800は、無線周波数(RF)信号担持媒体によってプロセッサ804の1つ以上のモジュールへ伝達されてもよく、信号担持媒体802は通信媒体810(例えば、IEEE802.11標準に準拠する無線通信媒体)により伝達される。
【0076】
いくつかの例によると、動的環境制御のための方法は、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、人のための時間性環境制御モデルを生成することと、人のための時間性位置モデルを生成することであって、該時間性位置モデルが人の現在位置と人の予測された将来的位置とを含むことと、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取ることと、時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき環境パラメータを設定するため、現在位置及び/又は予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成することと、実行のため命令を1つ以上の環境制御デバイスへ送信することとを含んでもよい。
【0077】
他の例によると、人のための時間性環境制御モデルを生成することは、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを決定することを含んでもよく、1つ以上の環境パラメータは時間ベースである。該方法は、現在位置の内部の第1環境センサからのデータ、現在位置の外部の第2環境センサからのデータ、又は人に関連付く人体センサからのデータのうちの1つ以上を受け取ることと、受け取ったデータに基づき、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを調整することとを更に含んでもよい。現在位置の内部の第1環境センサからのデータ又は現在位置の外部の第2環境センサからデータを受け取ることは、温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明成分、音レベル、におい、又は音の成分のうちの1つ以上のための感知データを受け取ることを更に含んでもよい。
【0078】
更なる例によると、人体センサからデータを受け取ることは、人に関連付く心拍数、体温、血圧、体の動き、又は認知又は行動機能のうちの1つ以上に関連付くデータを受け取ることを含んでもよい。人のための時間性位置モデルを生成することは、カレンダー、位置情報サービス、又は人に関連付くモバイルデバイスのうちの1つ以上に基づき、人の将来的位置のための情報を受け取ることと、受け取った情報、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、1つ以上の環境パラメータを決定することとを更に含んでもよい。該方法は、位置での二人以上の人の存在を判定することと、二人以上の人のため生成された時間性環境制御モデルを組み合わせることと、組み合わされた時間性環境制御モデルに基づき、現在位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成することとを更に含んでもよい。二人以上の人のために生成された時間性環境制御モデルを組み合わせることが、各人のための1つ以上の個人的特性又は優先度を判定することと、各人のための個人的特性又は優先度に基づき、生成された時間性環境制御モデルを組み合わせることとを含んでもよい。
【0079】
いくつかの例によると、方法は、位置での新たな人の実現前の到着を判定することと、新たな人のための新たな時間性環境制御モデルを受け取ることと、生成された時間性環境制御モデルと新たな時間性環境制御モデルとを組み合わせることとを更に含んでもよい。建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取ることは、環境制御デバイス、デスクトップコンピュータ、携帯型デバイス、スマートフォン、スマートウォッチ、車載コンピュータ、又はリモートサーバのうちの1つ以上から情報を受け取ることを含んでもよい。位置は、部屋、家屋、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、列車、又は船のなかであってもよい。方法は、人の嗜好、人の現在の活動、人の最近の活動、人の現在位置、人の予測された将来的位置、建築パラメータ、環境パラメータ、又は利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上を受け取ることと、時間性環境制御モデルと、1つ以上の環境制御デバイスのための命令とを生成するため、機械学習アルゴリズムを適用することとを更に含んでもよい。1つ以上の環境制御デバイスは、暖房要素、冷房要素、気流要素、光源、遮光コントローラ、色合いコントローラ、においの源、又は音源を含んでもよい。方法は、現在位置での人の撮影された画像又は動画を受け取ることと、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを調整するために撮影された画像又は動画における行動を解釈するため、機械学習アルゴリズムを適用することとを更に含んでもよい。
【0080】
他の例によると、環境状態を動的に制御するよう構成されたコントローラは、環境制御デバイス、環境センサ、及びコンピューティングデバイスのうちの1つ以上と通信するよう構成された通信デバイスと、命令を格納するよう構成されたメモリと、通信デバイスとメモリとに結合されたプロセッサとを含んでもよい。プロセッサは、メモリに格納された命令と合わせて、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、人のための時間性環境制御モデルを生成し、人のための時間性位置モデルを生成することであって、時間性位置モデルが人の現在位置と人の予測された将来的位置とを含み、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取り、時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき、現在位置及び/又は予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成し、実行のため命令を1つ以上の環境制御デバイスへ送信するよう構成されてもよい。
【0081】
更なる例において、プロセッサは、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを決定してもよく、1つ以上の環境パラメータは時間ベースである。プロセッサは更に、現在位置の内部の第1環境センサからのデータ、現在位置の外部の第2環境センサからのデータ、又は人に関連付く人体センサからのデータのうちの1つ以上を受け取り、受け取ったデータに基づき、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを調整してもよい。プロセッサはまた、温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明構成、音レベル、におい、又は音構成のうちの1つ以上のための感知データを受け取ってもよい。プロセッサは更に、人に関連付く心拍数、体温、血圧、体の動き、又は認知又は行動機能のうちの1つ以上に関連付くデータを受け取ってもよい。
【0082】
いくつかの例によると、人のための時間性位置モデルを生成するため、プロセッサは、カレンダー、位置情報サービス、又は人に関連付くモバイルデバイスのうちの1つ以上に基づき、人の将来的位置のための情報を受け取り、受け取った情報、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、1つ以上の環境パラメータを決定してもよい。プロセッサはまた、位置での二人以上の人の存在を判定し、二人以上の人のため生成された時間性環境制御モデルを組み合わせ、組み合わせられた時間性環境制御モデルに基づき、現在位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成してもよい。二人以上の人々のため生成された時間性環境制御モデルを組み合わせるため、プロセッサは、各人のための1つ以上の個人的特性又は優先度を判定し、各人のための個人的特性又は優先度に基づき、生成された時間性環境制御モデルを組み合わせてもよい。プロセッサは、位置での新たな人の実現前の到着を判定し、新たな人のための新たな時間性環境制御モデルを受け取り、生成された時間性環境制御モデルと新たな時間性環境制御モデルとを組み合わせてもよい。
【0083】
他の例によると、プロセッサは、環境制御デバイス、デスクトップコンピュータ、携帯型デバイス、スマートフォン、スマートウォッチ、車載コンピュータ、又はリモートサーバのうちの1つ以上から、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く前記情報を受け取るよう構成されてもよい。位置は、部屋、家屋、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、列車、又は船であってもよい。プロセッサは更に、人の嗜好、人の現在の活動、人の最近の活動、人の現在位置、人の予測された将来的位置、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、又は利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上を受け取り、時間性環境制御モデルと、1つ以上の環境制御デバイスのための命令とを生成するため、機械学習アルゴリズムを適用してもよい。1つ以上の環境制御デバイスは、暖房要素、冷房要素、気流要素、光源、遮光コントローラ、色合いコントローラ、においの源、又は音源を含んでもよい。プロセッサは更に、生成された時間性環境制御モデルと、生成された時間性位置モデルを、人に関連付くモバイルデバイスに格納してもよい。プロセッサはまた、現在位置での人の撮影された画像又は動画を受け取り、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを調整するために撮影された画像又は動画における行動を解釈するため、機械学習アルゴリズムを適用してもよい。
【0084】
更なる例によると、環境制御システム(ECS)は、位置に関連付く1つ以上の環境制御デバイスと、位置に関連付く1つ以上の環境センサと、1つ以上の環境制御デバイスと1つ以上の環境センサとに通信可能に結合されたコントローラとを含んでもよい。コントローラは、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、人のための時間性環境制御モデルを生成し、人のための時間性位置モデルを生成することであって、時間性位置モデルが人の現在位置と人の予測された将来的位置とを含み、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び人の現在位置又は予測された将来的位置に関連付く利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取り、時間性環境制御モデルと時間性位置モデルとに基づき、現在位置及び/又は予測された将来的位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成し、実行のた命令を前記つ以上の環境制御デバイスへ送信するよう構成されてもよい。
【0085】
いくつかの例によると、コントローラは更に、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを決定してもよく、1つ以上の環境パラメータは時間ベースである。コントローラはまた、現在位置の内部の第1環境センサからのデータ、現在位置の外部の第2環境センサからのデータ、又は人に関連付く人体センサからのデータのうちの1つ以上を受け取り、受け取ったデータに基づき、現在位置のための前記1つ以上の環境パラメータを調整してもよい。コントローラは更に、温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明構成、音レベル、におい、又は音構成のうちの1つ以上のための感知データを受け取ってもよい。コントローラはまた、人に関連付く心拍数、体温、血圧、体の動き、又は認知又は行動機能のうちの1つ以上に関連付くデータを受け取ってもよい。
【0086】
他の例によると、人のための時間性位置モデルを生成するため、コントローラは、カレンダー、位置情報サービス、又は人に関連付くモバイルデバイスのうちの1つ以上に基づき、人の将来的位置のための情報を受け取り、受け取った情報、人の嗜好、人の現在の活動、又は人の最近の活動のうちの1つ以上に基づき、1つ以上の環境パラメータを決定してもよい。コントローラはまた、位置での二人以上の人の存在を判定し、二人以上の人のため生成された時間性環境制御モデルを組み合わせ、組み合わせられた時間性環境制御モデルに基づき、現在位置での1つ以上の環境制御デバイスのための命令を生成してもよい。二人以上の人々のため生成された時間性環境制御モデルを組み合わせるため、コントローラは、各人のための1つ以上の個人的特性又は優先度を判定し、各人のための個人的特性又は優先度に基づき、生成された時間性環境制御モデルを組み合わせてもよい。コントローラはまた、位置での新たな人の実現前の到着を判定し、新たな人のための新たな時間性環境制御モデルを受け取り、生成された時間性環境制御モデルと新たな時間性環境制御モデルとを組み合わせてもよい。
【0087】
更なる例によると、コントローラは、環境制御デバイス、デスクトップコンピュータ、携帯型デバイス、スマートフォン、スマートウォッチ、車載コンピュータ、又はリモートサーバのうちの1つ以上から、建築パラメータ、現在の環境パラメータ、及び利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上に関連付く情報を受け取るよう構成されてもよい。位置は、部屋、家屋、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、列車、又は船のなかであってもよい。コントローラは更に、人の嗜好、人の現在の活動、人の最近の活動、人の現在位置、人の予測された将来的位置、建築パラメータ、環境パラメータ、又は利用可能な環境制御デバイスのうちの1つ以上を受け取り、時間性環境制御モデルと、1つ以上の環境制御デバイスのための命令とを生成するため、機械学習アルゴリズムを適用してもよい。1つ以上の環境制御デバイスは、暖房要素、冷房要素、気流要素、光源、遮光コントローラ、色合いコントローラ、においの源、又は音源を含んでもよい。コントローラはまた、生成された時間性環境制御モデルと、生成された時間性位置モデルを、人に関連付くモバイルデバイスに格納してもよい。コントローラは更に、現在位置での人の撮影された画像又は動画を受け取り、現在位置のための1つ以上の環境パラメータを調整するために撮影された画像又は動画における行動を解釈するため、機械学習アルゴリズムを適用してもよい。
【0088】
ここで説明されたプロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術に影響する可能性のある様々な媒体が存在し(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア)、好ましい媒体は、プロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術が配備される状況により異なる。例えば、実装者が速度と精度が最優先事項であると判断した場合、実装者は主にハードウェア及び/又はファームウェア媒体を選択してもよく、柔軟性が最優先事項である場合、実装者は主にソフトウェア実装を選択してもよく、又は、更に代替的に、実装者はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアのいくつかの組合せを選択してもよい。
【0089】
前述の詳細な説明は、ブロック図、フロー図、及び/又は実施例の使用を介し、デバイス及び/又はプロセスの様々な実施形態を示している。そのようなブロック図、フロー図、及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、フロー図、又は実施例中の各機能及び/又は動作は、個別及び/又は集合的に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの事実上任意の組合せにより実装されてもよい。1つの実施形態において、ここで説明されるいくつかの主題は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、又は他の統合フォーマットを介して実装されてもよい。しかし、ここに開示される実施形態のいくつかの態様は、全体的又は部分的に、1つ以上のコンピュータで実行される1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上コンピュータシステムで実行される1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサで実行される1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサで実行される1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又は事実上それらの任意の組合せとして、集積回路に同等に実装されることができ、回路の設計、及び/又は、ソフトウェア及び/又はファームウェアのためのコードの記述が本発明に照らし可能である。
【0090】
本発明は、本願に記載されている、様々な態様の例示として意図されている特定の実施形態に限定されるべきでない。その精神と範囲から逸脱することなく、多くの改変及び変形を行うことができる。ここで列挙されたものに加え、本発明の範囲内の機能的に均等な方法及び装置が前述の説明から可能である。そのような改変及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることを意図している。本発明は、添付の特許請求の範囲の条件、並びに権利が与えられたそのような特許請求の範囲の均等物の全範囲によってのみ限定される。ここで用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していない。
【0091】
加えて、ここで説明される主題のメカニズムは様々な形態のプログラム製品として配布されることができ、ここで説明される主題の例示的な実施形態は、実際に配布を実行するために用いられる信号伝達媒体の特定のタイプに関係なく適用される。信号伝達媒体の例には、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)といった記録可能型媒体と、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンク等)といった伝達型媒体とを含むが、これに限定されない。
【0092】
ここに記載されたかたちでデバイス及び/又はプロセスを描写し、その後、そのような描写されたデバイス及び/又はプロセスをデータ処理システムに統合するためにエンジニアリング手法を用いることは、当技術分野内で一般的である。つまり、ここで説明されるデバイス及び/又はプロセスの少なくとも一部は、妥当な実験量を介し、データ処理システムに統合することができる。データ処理システムは、システムユニット筐体、ビデオ表示装置、揮発性及び不揮発性メモリといったメモリ、マイクロプロセッサ及びデジタルシグナルプロセッサといったプロセッサ、オペレーティングシステムといった計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェイス、及びアプリケーションプログラム、タッチパッド又はスクリーンといった1つ以上の対話型デバイス、及び/又はフィードバックループ及び制御モータを含む制御システムのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0093】
データ処理システムは、データコンピューティング/通信及び/又はネットワークコンピューティング/通信システムに見られるものといった、任意の適切な市販の構成要素を利用して実装することができる。ここで説明される主題は、異なる他の構成要素に包含又は接続される異なる構成要素を表すことがある。そのように図示されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際、同一機能を実現する他の多くのアーキテクチャを実装することができる。概念的な意味では、同一機能を実現するための構成要素の配置は、所望の機能が達成されるよう効果的に「関連付けられる」。よって、特定の機能を達成するためにここで組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間的構成要素に関係なく、所望の機能が達成されるよう互いに「関連付けられる」と見なされることができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に接続された」又は「動作可能に結合された」と見なされてもよく、そのように関連付けられることのできる任意の2つの構成要素は所望の機能を達成するため相互に「動作可能に結合可能」と見なされてもよい。動作可能に結合可能な特定の例には、物理的に接続可能な及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は、無線で相互作用可能な及び/又は無線で相互作用する構成要素、及び/又は、論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素が含まれるが、これに限定されない。
【0094】
ここでの実質的に全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関し、当業者は、文脈及び/又は応用に適切であるように、複数形から単数形へ、及び/又は、単数形から複数形へと翻訳することができる。明確化するため、様々な単数形/複数形の置き換えをここで明示的に記載し得る。
【0095】
一般的に、ここで、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲本文)で用いられる用語は、一般に「開放的」用語として意図されている(例えば、「含んでいる」という用語は「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含むがこれに限定されない」等と解釈されるべきである)。導入された請求項詳述にて特定の数が意図されている場合、そのような意図は請求項に明示的に詳述され、そのような詳述がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者により更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項詳述を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用法を含む可能性がある。ただし、そのような句の使用は、1つの請求項が「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という導入句と「a」又は「an」といった不定冠詞とを含むときであっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項詳述の導入が、そのような請求項詳述を含んだ特定の請求項を、そのような詳述を1つのみ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/又は「an」は「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、同じことが請求項詳述を導入するために用いられる不定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入された請求項詳述での特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者は、そのような記載が、少なくとも記載された数、を意味すると理解するであろう(例えば、他の修飾子のない単なる「2つという詳述」という記載は、少なくとも2つという詳述、又は、2つ以上という詳述を意味する)。
【0096】
明細書を提供するためといったあらゆる目的のため、ここで開示される全ての範囲は、あらゆる可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組合せをも包含する。列挙された範囲はいずれも、同一の範囲を少なくとも均等な半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分割することが可能であるよう十分に説明されていると容易に認めることができる。非限定的な例として、ここで論じられる各範囲は、下方3分の1、中間3分の1、及び上方3分の1等に容易に分解可能である。当業者にも理解されるように、「~まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」といった全ての文言は、上述したように、続けて部分範囲に分割可能な範囲を述べ参照する数を含む。最後に、範囲には各個別のメンバーが含まれる。このため、例えば、1~3個のセルを有する群は、1個、2個、又は3個のセルを有する群を指す。同様に、1~5個のセルを有する群は、1個、2個、3個、4個、又は5個のセルを有する群を指す。
【0097】
様々な態様及び実施形態をここで開示しているが、他の態様及び実施形態も可能である。ここで開示される様々な態様及び実施形態は例示目的であり、限定することを意図しておらず、真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲により示される。
【国際調査報告】