(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】カートリッジ及びこれを含むエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20231214BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20231214BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513227
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2022017133
(87)【国際公開番号】W WO2023085692
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0154507
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォンキョン
(72)【発明者】
【氏名】ソヌ、ポール ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ビョンソン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC02
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC33
(57)【要約】
一実施形態に係るエアロゾル発生装置用カートリッジは、エアロゾル形成基材が加熱して形成されたエアロゾルが排出される開口部と、前記カートリッジがメインボディと結合される側の端部に形成され、前記カートリッジの固有情報を含んでいる情報格納部とを含み、前記情報格納部の特定のパターンを有する物理的な構造により他のカートリッジの固有情報が格納されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用カートリッジであって、
エアロゾル形成基材が加熱して形成されたエアロゾルが排出される開口部と、
前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置のメインボディと結合される側の端部に形成され、前記カートリッジの固有情報を含んでいる情報格納部と、
を含み、
前記情報格納部は、カートリッジの固有情報を示す特定のパターンを含む物理的な構造を有する、カートリッジ。
【請求項2】
エアロゾル形成基材を格納できる液相貯蔵槽と、
前記液相貯蔵槽の内部に設置され、芯及び加熱コイルを含む加熱要素と、
をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記特定のパターンは、1つ以上の凹部及び1つ以上の溝部によって形成され、前記凹部の個数及び位置、前記溝部の個数及び位置に応じて前記カートリッジの固有情報を相違に示す、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記情報格納部は、
前記カートリッジの第1情報を格納する第1貯蔵領域と、
前記カートリッジの第2情報を格納する第2貯蔵領域と、
前記カートリッジの第3情報を格納する第3貯蔵領域と、
を含み、
前記特定のパターンは、前記第1貯蔵領域ないし前記第3貯蔵領域内のそれぞれの凹部及び溝部の組み合わせに応じて前記カートリッジの固有情報を相違に示す、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記特定のパターンは2つ以上の電極によって形成され、前記特定のパターンは、前記電極の個数及び位置に応じて前記カートリッジの固有情報を相違に示す、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記情報格納部は、
前記カートリッジの第1情報を格納する第1貯蔵領域と、
前記カートリッジの第2情報を格納する第2貯蔵領域と、
前記カートリッジの第3情報を格納する第3貯蔵領域と、
を含み、
前記特定のパターンは、前記第1貯蔵領域ないし前記第3貯蔵領域内のそれぞれの電極の位置及び個数に応じて前記カートリッジの固有情報を相違に示す、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
エアロゾル発生装置であって、
カートリッジ及びメインボディを含み、
前記カートリッジは、
エアロゾル形成基材を格納できる液相貯蔵槽と、
前記液相貯蔵槽の内部に設置され、芯及び加熱コイルを含む加熱要素と、
前記エアロゾル形成基材が加熱して形成されたエアロゾルが排出される開口部と、
カートリッジの前記エアロゾル発生装置のメインボディと結合される側の端部に形成され、カートリッジの固有情報を示す特定のパターンを有する物理的な構造を含む情報格納部と、
を含み、
前記メインボディは、
前記カートリッジの前記加熱要素の前記加熱コイルを加熱するための電力を供給する電源部と、
前記電源部を収容するハウジングと、
前記カートリッジの前記情報格納部と接触して前記カートリッジの固有情報を認識するカートリッジ認識部と、
前記カートリッジの前記加熱要素の温度を制御できる制御部と、
を含み、前記カートリッジと結合し、
前記メインボディの前記制御部は、前記カートリッジ認識部によって認識された前記カートリッジの固有情報に基づいて前記エアロゾル発生装置の作動を制御する、エアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記特定のパターンは1つ以上の凹部及び1つ以上の溝部によって形成され、前記特定のパターンは、前記凹部及び前記溝部の個数及び位置に応じて前記カートリッジの固有情報を相違に示し、
前記メインボディの前記カートリッジ認識部は、前記凹部及び前記溝部を合わせた個数だけの物理的スイッチを含み、前記カートリッジの凹部によってクリックされる少なくとも1つの物理的スイッチをベースにカートリッジの固有情報を認識する、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記特定のパターンは2つ以上の電極によって形成され、前記電極の個数及び位置に応じて前記カートリッジの固有情報を相違に示し、
前記メインボディの前記カートリッジ認識部は、前記電極数以上の認識端子を含み、前記カートリッジの電極と接触する認識端子にのみ電流が伝えられて前記カートリッジの固有情報を認識する、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記カートリッジの前記情報格納部の前記電極は、1つ以上の正電極及び1つ以上の負電極を含み、
前記メインボディの前記カートリッジ認識部は、2つ以上の負極端子を含む負極パッド及び2つ以上の正極端子を含む正極パッドを含み、
それぞれの前記正電極及び前記負電極は、前記負極パッドの負極端子のいずれか1つ及び前記正極パッドの正極端子のうちの1つと1対1に対応する、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記カートリッジの前記情報格納部に対する固有パターンは前記メインボディに予め格納され、前記制御部は、認識された固有パターンが予め格納された前記固有パターンとマッチングされるかに応じてカートリッジの正規品認証の可否を判断する、請求項7~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記正規品認証が失敗した場合、前記エアロゾル発生装置で警告音を発生させたり、又は、前記エアロゾル発生装置の作動を遮断させる、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記メインボディの前記制御部は、前記カートリッジ認識部によって認識された前記カートリッジの固有情報に基づいて前記カートリッジの前記加熱要素の加熱温度を調節する、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施形態はカートリッジ及びこれを含むエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、一般的な巻タバコの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、巻タバコを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、エアロゾル生成物質が加熱されることによりエアロゾルが生成される装置に関する需要が増加している。そのため、加熱式巻タバコ又は加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が盛んに行われている。例えば、公開特許公報第10-2013-0036585号にはエアロゾル吸引器が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態に係る目的は、カートリッジの固有情報をメインボディに容易に伝達できるエアロゾル発生装置用カートリッジ及びエアロゾル発生装置を提供することにある。
【0004】
一実施形態に係る他の目的は、エアロゾル発生装置用メインボディ内にカートリッジを認識するためのセンサなどを備えなくてもカートリッジ認識を可能にし、エアロゾル発生装置の重さ及び生産コストを節減し、カートリッジの固有情報を精密に認識できるエアロゾル発生装置用カートリッジ及びエアロゾル発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るエアロゾル発生装置用カートリッジは、エアロゾル形成基材が加熱して形成されたエアロゾルが排出される開口部と、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置のメインボディと結合される側の端部に形成され、前記カートリッジの固有情報を含んでいる情報格納部とを含み、前記情報格納部の特定のパターンを含む物理的な構造に応じて異なるカートリッジの固有情報が格納されることができる。
【0006】
前記カートリッジは、エアロゾル形成基材を格納できる液相貯蔵槽と、前記液相貯蔵槽の内部に設置され、芯及び加熱コイルを含む加熱要素とをさらに含むことができる。
【0007】
前記特定のパターンは、1つ以上の凹部及び1つ以上の溝部によって形成され、前記凹部の個数及び位置、前記溝部の個数及び位置に応じて前記カートリッジの固有情報を示すことができる。
【0008】
前記情報格納部は、前記カートリッジの第1情報を格納する第1貯蔵領域と、前記カートリッジの第2情報を格納する第2貯蔵領域と、前記カートリッジの第3情報を格納する第3貯蔵領域とを含み、前記特定のパターンは、前記第1貯蔵領域ないし前記第3貯蔵領域内のそれぞれの凹部及び溝部の組み合わせに応じて前記カートリッジの固有情報を示すことができる。
【0009】
前記特定のパターンは2つ以上の電極によって形成され、前記特定のパターンは、前記電極の個数及び位置に応じて前記カートリッジの固有情報を示すことができる。
【0010】
前記情報格納部は、前記カートリッジの第1情報を格納する第1貯蔵領域と、前記カートリッジの第2情報を格納する第2貯蔵領域と、前記カートリッジの第3情報を格納する第3貯蔵領域とを含み、前記特定のパターンは、前記第1貯蔵領域ないし前記第3貯蔵領域内のそれぞれの電極の位置及び個数に応じて前記カートリッジの固有情報を示すことができる。
【0011】
一実施形態に係るエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材を格納できる液相貯蔵槽と、前記液相貯蔵槽の内部に設置され、芯及び加熱コイルを含む加熱要素と、前記エアロゾル形成基材が加熱して形成されたエアロゾルが排出される開口部と、カートリッジの前記エアロゾル発生装置のメインボディと結合される側の端部に形成され、カートリッジの固有情報を含む情報格納部を含み、前記情報格納部は、前記カートリッジの固有情報を示す特定のパターンを有するカートリッジと、前記カートリッジの加熱要素の加熱コイルを加熱するための電力を供給する電源部と、前記電源部を収容するハウジングと、前記カートリッジの前記情報格納部と接触して前記カートリッジの固有情報を認識するカートリッジ認識部と、前記カートリッジの前記加熱要素の温度を制御することができる制御部とを含み、前記カートリッジと結合されるメインボディを含み、前記メインボディの前記制御部は、前記カートリッジ認識部により認識された前記カートリッジの固有情報に基づいて前記エアロゾル発生装置の作動を制御することができる。
【0012】
前記特定のパターンは、1つ以上の凹部及び1つ以上の溝部によって形成され、前記特定のパターンは、前記凹部及び前記溝部の個数及び位置に応じて前記カートリッジの固有情報を相違に示し、前記メインボディのカートリッジ認識部は、前記凹部及び溝部を合わせた個数だけの物理的スイッチを含み、前記カートリッジの凹部によってクリックされる少なくとも1つの物理的スイッチに基づいてカートリッジの固有情報を認識することができる。
【0013】
前記特定のパターンは、2以上の電極によって形成され、前記電極の個数及び位置に応じて、前記カートリッジの固有情報を相違に示し、前記メインボディの前記カートリッジ認識部は、前記電極数以上の認識端子を含み、前記カートリッジの電極と接触する認識端子にのみ電流が伝達されて前記カートリッジの固有情報を認識することができる。
【0014】
前記カートリッジの情報格納部の前記電極は、1つ以上の正電極及び1つ以上の負電極を含み、前記メインボディの前記カートリッジ認識部は、2以上の負極端子を含む負極パッド及び2以上の正極端子を含む正極パッドを含み、それぞれの前記正電極及び前記負電極は、前記負極パッドの負極端子のいずれか1つ及び前記正極パッドの正極端子のうち1つと1対1に対応することができる。
【0015】
前記カートリッジの前記情報格納部に対する固有パターンは前記メインボディに予め格納され、前記制御部は、認識された固有パターンが予め格納された前記固有パターンとマッチングされるかに応じてカートリッジの正規品認証の可否を判断することができる。
【0016】
前記制御部は、前記正規品認定が失敗した場合、前記エアロゾル発生装置で警告音を発生させたり、又は前記エアロゾル発生装置の作動を遮断させることができる。
【0017】
前記メインボディの前記制御部は、前記カートリッジ認識部によって認識された前記カートリッジの固有情報に基づいて、前記カートリッジの前記加熱要素の加熱温度を調節することができる。
【発明の効果】
【0018】
一実施形態に係るエアロゾル発生装置用カートリッジ及びエアロゾル発生装置は、カートリッジの固有情報をメインボディに容易に伝達することができる。
【0019】
一実施形態に係るエアロゾル発生装置用カートリッジ及びエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置用メインボディ内にカートリッジを認識するためのセンサなどを備えなくてもカートリッジ認識を可能にし、エアロゾル発生装置の重さ及び生産コストを節減してカートリッジの固有情報を精密に認識することができる。
【0020】
一実施形態に係るエアロゾル発生装置用カートリッジ及びエアロゾル発生装置の効果は、以上で言及したものなどに限定されず、言及されない異なる効果は、下記記載によって当業者に明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態に係るエアロゾル発生装置の断面を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る
図1のエアロゾル発生装置でエアロゾル発生装置用カートリッジの断面を示す図である。
【
図3A】一実施形態に係る
図2のエアロゾル発生装置用カートリッジにおいてAに表示された部分を拡大した図である。
【
図3B】他の実施形態に係る
図2のエアロゾル発生装置用カートリッジにおいてAに表示された部分である情報格納部を拡大した図である。
【
図4】一実施形態に係る
図1のエアロゾル発生装置においてメインボディの断面を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る
図4のメインボディにおいてBに表示された部分であるカートリッジ認識部を拡大した図である。
【
図6A】一実施形態に係るカートリッジの情報格納部及びメインボディのカートリッジ認識部が接触する前の状態を示す図である。
【
図6B】一実施形態に係るカートリッジの情報格納部及びメインボディのカートリッジ認識部が接触した後の状態を示す図である。
【
図7A】他の実施形態に係るカートリッジの情報格納部及びメインボディのカートリッジ認識部が接触する前の状態を示す図である。
【
図7B】他の実施形態に係るカートリッジの情報格納部及びメインボディのカートリッジ認識部が接触した後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳説する。しかし、本明細書で開示する特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示したものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本発明は本明細書で説明した実施形態に限定されるものではない。実施形態に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0023】
実施形態で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0024】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0025】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0026】
また、実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されたり接続されるが、各構成要素間で別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」され得ると理解できるのであろう。
【0027】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施形態に記載した説明は他の実施形態にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0028】
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。
【0029】
図1は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置10の断面を示す図である。
【0030】
図1を参照すると、エアロゾル発生装置10は、エアロゾルを発生させるための液相物質が格納されるカートリッジ100、及びカートリッジ100内の液相物質を加熱するための電力を供給するバッテリーを含む。デバイス200(すなわち、エアロゾル発生装置10のメインボディ)はカートリッジ100と結合できる。エアロゾル発生装置10のデバイス200にカートリッジ100が装着される場合、デバイス200は、カートリッジ100の固有情報を認識することでカートリッジ100の正規品/偽物の有無を判別したり、装着されたカートリッジ100の種類による最適な加熱温度で加熱されるよう電力を伝達することができる。カートリッジ100は、特定のパターンを有する物理的な構造によって異なる情報を格納してもよい。エアロゾル発生装置10は、カートリッジ100の固有情報を認識し、認識されたカートリッジ100の固有情報に基づいてエアロゾル発生装置10の作動を制御することができる。
【0031】
図2は、一実施形態に係る
図1のエアロゾル発生装置でエアロゾル発生装置用カートリッジ100の断面を示す図である。
【0032】
図2を参照すると、エアロゾル発生装置用カートリッジ100は、エアロゾル形成基材を格納できる液相貯蔵槽110を含む。エアロゾル形成基材は、エアロゾルを形成できる物質を意味する。エアロゾルは揮発性化合物を含んでもよい。エアロゾル形成基材は固体又は液相であってもよい。例えば、固体のエアロゾル形成基材はシートタバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料を基礎にする固体物質を含んでもよく、液相のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/又は様々な香味剤を基礎にする液相組成物質を含んでもよい。しかし、本実施形態の範囲がこれに限定されることはない。
【0033】
図2を引き続き参照すると、カートリッジ100は、芯122及び加熱コイル124を含む加熱要素120を含む。芯122は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つ又はこれらの化合物を含むが、これに限定されることはない。加熱コイル124は、芯122を巻取る形態に配置され、これはデバイス200の電源部210に接続して熱を発生させることで芯122を加熱し、加熱された芯122によってエアロゾルが発生される。
【0034】
図2を引き続き参照すると、カートリッジ100は、エアロゾル形成基材が加熱して形成されたエアロゾルが排出される開口部130を含む。開口部130は、
図2に示すように、カートリッジ100の一側から突出した吸い口の形態を有してもよいが、必ずこれに限定されることはない。例えば、ヒョウタン状の形態、円筒状の形態、ホール状などの開口部130を含んでもよい。また、開口部130の材料として、プラスチック合成樹脂、ステンレス鋼、ガラス、テフロン(登録商標)、ゴムなどの様々な材料で製造されてもよい。
【0035】
図2を引き続き参照すると、カートリッジ100は、カートリッジ100の固有情報を含む情報格納部140を含む。情報格納部140は、カートリッジ100がデバイス200と結合される側の端部に形成されてもよい。情報格納部140及び開口部130は、カートリッジ100の反対側に配置される。情報格納部140に格納されているカートリッジ100の固有情報は、例えば、カートリッジ100が正規品であるか否か、デバイス200に対するカートリッジ100の互換の有無、カートリッジ100に含まれている媒質の種類、カートリッジ100に格納されているエアロゾル発生基材の香味などを含むが、これに限定されることはない。カートリッジ100の情報格納部140は、特定のパターンを有する物理的な構造により前記のようなカートリッジの固有情報を格納することができる。以下、特定のパターンを有する物理的な構造についてより詳細に説明する。
【0036】
図3A及び
図3Bは、様々な実施形態に係る
図2のエアロゾル発生装置用カートリッジでAに表示された部分を拡大した図である。
【0037】
図3Aは、一実施形態に係る
図2のエアロゾル発生装置用カートリッジにおいてAに表示された部分を拡大した図であり、情報格納部142は、物理的に突出した凹部142a及び物理的に湾入された溝部142bの組み合わせに応じてカートリッジ100の固有情報を格納することができる。
【0038】
図3Aを参照すると、情報格納部142は、1つ以上の凹部142a及び1つ以上の溝部142bを含む。情報格納部142は、凹部及び溝部の個数及び位置の組み合わせに応じて異なる情報を格納してもよい。情報格納部142は複数のブロックを含んでもよく、それぞれのブロックは凹部142a及び溝部142bを含んでもよい。凹溝部142a,142bが形成されるブロックの個数が多いほど、情報格納部142はより様々なカートリッジ100の情報を格納することができる。例えば、1つのブロックには凹部142a又は溝部142bのうちの1つが選択的に配置され得るため、情報格納部142に凹溝部142a,142bが形成されているブロックがn個である場合、2
n個の異なるカートリッジ100の情報が格納されてもよい。例えば、
図3Aには、凹溝部142a,142bが形成されるブロックが合計10個に図示されているため、合計2
10個(すなわち、1024個)の異なるカートリッジ100の固有情報を格納することができる。
【0039】
引き続き、
図3Aを参照すると、情報格納部142は、格納されるカートリッジ100の情報の種類に応じて複数の区画化された領域を含むことができる。例えば、
図3Aを参照すると、情報格納部142は、第1情報を格納する第1貯蔵領域140a、第2情報を格納する第2貯蔵領域140b、及び第3情報を格納する第3貯蔵領域140cを含む。第n貯蔵領域は、上述したようにデバイス200に対するカートリッジ100の互換の有無、カートリッジ100に含まれている媒質の種類、カートリッジ100に格納されたエアロゾル発生基材の香味などのようにカートリッジ100が有する固有の情報を格納するが、これに限定されない。それぞれの貯蔵領域は、凹溝部142a,142bが配置される1つ以上のブロックを含む。例えば、
図3Aを参照すると、第1貯蔵領域140aは2つのブロックを含み、第2貯蔵領域140bは3つのブロックを含み、第3貯蔵領域140cは5つのブロックを含んでもよい。より多くの個数のブロックを含む貯蔵領域であるほど、より多くの種類のカートリッジ100情報が格納され、第1貯蔵領域140a~第3貯蔵領域140c内のそれぞれの凹部142a及び溝部142bの組み合わせに応じて、カートリッジ100の固有情報を格納することができる。
【0040】
図3Bは、他の実施形態に係る
図2のエアロゾル発生装置用カートリッジでAに表示された部分である情報格納部を拡大した図であり、情報格納部144は、2つ以上の電極144p,144nの正極/負極の有無及び位置の組み合わせによってカートリッジ100の固有情報を格納することができる。
【0041】
図3Bを参照すると、情報格納部144は2つ以上の電極144p,144nを含んでもよく、情報格納部144は互いに異なる個数及び位置を有する電極144p,144nの組み合わせに応じてカートリッジ100の固有情報を相違に格納してもよい。電極144p,144nは、カートリッジの情報を格納する役割を果たすだけでなく、デバイス200に含まれている電源部210から電力が供給される役割を共に果たすことができる。電源部210からの電力を供給されるためには、電源部210の正極及び負極がそれぞれカートリッジ100端子の負極及び正極に接続されなければならないため、電極144p,144nは正電極144p及び負電極144nを含む。ここで、電極144p,144nは、正電極領域146及び負電極領域148を含むことができる。
【0042】
また、
図3Bには図示されていないが、情報格納部144は、情報格納部142と同様に格納されているカートリッジ100の情報の種類に応じて、複数の区画化された領域を含んでもよい。例えば、情報格納部144は、第1情報を格納する第1貯蔵領域、第2情報を格納する第2貯蔵領域、及び第3情報を格納する第3貯蔵領域を含む。第n貯蔵領域は、上述したようにデバイス200に対するカートリッジ100の互換の有無、カートリッジ100に含まれている媒質の種類、カートリッジ100に格納されたエアロゾル発生基材の香味などのようにカートリッジ100が有する固有の情報を格納するが、これに限定されない。それぞれの貯蔵領域は1つ以上の電極144p,144nを含む。より多くの個数のブロックを含む貯蔵領域であるほど、貯蔵領域はより多くの種類のカートリッジ100情報を格納することができる。第1貯蔵領域140a~第3貯蔵領域140c内のそれぞれの電極の位置及び個数の組み合わせに応じてカートリッジ100の固有情報が格納され得る。
【0043】
以下では、カートリッジ100と結合されてエアロゾル発生装置10をなすデバイス200について詳細に説明する。
【0044】
図4は、一実施形態に係る
図1のエアロゾル発生装置10でデバイス200の断面を示す図である。
【0045】
図4を参照すると、デバイス200は、カートリッジ100の加熱要素120の加熱コイル124を加熱するための電力を格納する電源部210を含む。また、電源部210は、エアロゾル発生装置10内に備えられる他のハードウェア構成、すなわち、センサ、ユーザインターフェース、メモリ、プロセッサ及び制御部の動作に必要な電力を供給することができる。電源部210は、充電可能な数回使用できるバッテリーであるか、使い捨てバッテリーであってもよい。例えば、電源部210は、ニッケル系バッテリー(例えば、ニッケル-金属ハイドライドバッテリー、ニッケル-カドミウムバッテリー)、又はリチウム系バッテリー(例えば、リチウム-コバルトバッテリー、リチウム-ホスフェイトバッテリー、リチウムチタン酸バッテリー、リチウム-イオンバッテリー、又は、リチウム-ポリマーバッテリー)を含む。ただし、エアロゾル発生装置10に使用できる電源部210の種類は上述のものに限定されない。必要に応じて、電源部210は、アルカリバッテリー又はマンガンバッテリーを含んでもよい。
【0046】
引き続き
図4を参照すると、デバイス200は、電源部210を収容するハウジング220を含む。ハウジング220は、電源部210の他にもエアロゾル発生装置10内に備えられているその他のハードウェア構成を含んでもよい。また、ハウジング220は、ユーザに安定的なグリップ感を提供するために人体工学的(ergonomic)な形状で製造されることができる。例えば、ハウジング220は、円筒状、六角柱型、八角柱型、又は流線型などのユーザがハウジング220を気楽に把持可能にする形状に製造され得る。また、ハウジング220上には、エアロゾル発生装置10の作動を調節できるスイッチ230が配置されてもよい。
【0047】
引き続き
図4を参照すると、デバイス200は、カートリッジ100の情報格納部140と接触してカートリッジ100の固有情報を認識するカートリッジ認識部240、及びカートリッジ100の加熱要素120の温度を制御できる制御部250を含む。デバイス200の制御部250は、カートリッジ認識部240によって認識されたカートリッジ100の固有情報に基づいてエアロゾル発生装置10の作動を制御することができる。以下、カートリッジ認識部240がカートリッジ100の情報格納部140と接触してカートリッジ100の固有情報を認識する方式、及び制御部250が認識されたカートリッジ100の固有情報に基づいてエアロゾル発生装置10の作動を制御する方式について詳細に説明する。
【0048】
図5は、一実施形態に係る
図4のデバイス200でBに表示された部分であるカートリッジ認識部240を拡大した図である。
【0049】
図5を参照すると、カートリッジ認識部242は、複数の物理的スイッチsを含む。物理的スイッチsは、カートリッジ100の情報格納部142の凹部142a及び溝部142bを合わせた数、すなわち、ブロック個数と同じ個数だけの物理的スイッチsを含んでもよい。ここで、物理的スイッチsは、全て独立的にクリックされてもよい。したがって、カートリッジ100がデバイス200に装着されてエアロゾル発生装置10を構成している場合、カートリッジ100の情報格納部142がデバイス200のカートリッジ認識部242と係合され、ここで、デバイス200のカートリッジ認識部242の物理的スイッチsのうち、カートリッジ100の情報格納部142の凹部142aと接触する物理的スイッチのみがクリックされることで、カートリッジ100の固有情報がデバイス200側に伝達され得る。デバイス200の側に伝達されたカートリッジ100の固有情報が制御部250によって認識されれば、制御部250は、カートリッジ100の固有情報、例えば、媒質の種類、香味剤の種類に応じるエアロゾル発生装置10の全般的な作動を制御することができる。例えば、制御部250は、カートリッジ100の固有情報による最適な温度プロファイルが実現されるようにカートリッジ100の加熱要素120に電力を伝達することができる。
【0050】
引き続き
図5を参照すると、デバイス200は、カートリッジ100の正規品認証のためにカートリッジ100の情報格納部140に対する暗号化された固有パターンが予め格納されることができる。例えば、カートリッジ100の情報格納部142において、デバイス200の0番及び9番スイッチsに対応するブロックは必ず凹部142aに形成されることによって、スイッチsがクリックされなければならないという暗号化されたパターンが予め格納され、又は、連続する3つ以上のスイッチsがクリックされなければならないという暗号化されたパターンが予め格納されてもよい。カートリッジ100の正規品認証のための暗号化された固有パターンはこれに限定されず、様々なパターンを含んでもよい。ここで、カートリッジ100の情報格納部140の凹溝部142a,142bの位置及び組み合せ又は電極142p,142nの位置及び組み合せが、デバイスに予め格納された暗号化されたパターンと一致しない場合、エアロゾル発生装置10は警告音を発生したり、デバイス200のディスプレイ(図示せず)に警告文句を送出したり、エアロゾル発生装置10の作動を遮断させることができる。
【0051】
図6A及び
図6Bは、それぞれ一実施形態に係るカートリッジ100の情報格納部142及びデバイス200のカートリッジ認識部242が接触する前及び接触した後の状態を示した図である
【0052】
図6A及び
図6Bを参照すると、カートリッジ100の情報格納部142及びデバイス200のカートリッジ認識部242が接触する前には、カートリッジ認識部242のスイッチsが全て突出している状態、すなわち、ノンクリック(non-click)状態に保持されるが、カートリッジ100の情報格納部142及びデバイス200のカートリッジ認識部242が接触した後には、カートリッジ100の情報格納部142の凹部142aと接触する物理的スイッチのみがクリックされたことを見ることができる。このように、クリックされるスイッチsの組み合わせに応じてデバイス200の制御部250は、カートリッジ100の固有情報を認識してエアロゾル発生装置10の全般的な作動を制御できる。例えば、制御部250は、カートリッジ認識部240によって認識されたカートリッジ100の固有情報に基づいてカートリッジ100の加熱要素120の加熱温度を調節することができる。
【0053】
図7A及び
図7Bは、他の実施形態に係るカートリッジの情報格納部及びデバイスのカートリッジ認識部が接触する前及び接触した後の状態を示す図である。
【0054】
図7A及び
図7Bを参照すると、カートリッジ100の情報格納部144は、2つ以上の電極144p,144nを含み、情報格納部144は電極144p,144nの個数及び位置の組み合わせに応じてカートリッジ100の固有情報を相違に格納してもよい。ここで、電極144p,144nは、1つ以上の正電極144p及び1つ以上の負電極144nを含む。
【0055】
引き続き
図7A及び
図7Bを参照すると、デバイス200のカートリッジ認識部240は、カートリッジ100の情報格納部144の電極144p,144nの個数以上の認識端子244を含んでもよい。認識端子244は、カートリッジ100の情報格納部144の電極144p,144nと接触して伝達される電流を介して電気的信号をやりとりできる。電極144p,144nの個数及び位置の組み合わせに応じて接触する認識端子244が互いに異なるため、デバイス200に装着されたカートリッジ100の固有情報を相違に認識することができる。ここで、認識端子244は、負極パッド246及び正極パッド248を含む。負極パッド246は複数の負極端子nを含んでもよく、正極パッド248は複数の正極端子pを含んでもよい。正極パッド248に含まれた1つの正極端子pは、情報格納部144の1つの負電極144nに接触し、負極パッド246に含まれた1つの負極端子nは、情報格納部144の1つの正電極144pに接触する。すなわち、それぞれの正電極144p及び負電極144nは、負極パッド246の負極端子nのいずれか1つ及び正極パッド248の正極端子pのうちの1つと1対1に対応する。
【0056】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当技の術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0057】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【国際調査報告】