(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ロック装置
(51)【国際特許分類】
E05B 47/00 20060101AFI20231214BHJP
E05B 1/00 20060101ALI20231214BHJP
E05B 13/08 20060101ALI20231214BHJP
E05B 3/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
E05B47/00 J
E05B1/00 311H
E05B13/08 A
E05B3/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518182
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 EP2021075329
(87)【国際公開番号】W WO2022063651
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202020105406.6
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522499759
【氏名又は名称】ブルク・リューリング・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(71)【出願人】
【識別番号】521244938
【氏名又は名称】ウーエスエム ウー.シェーラー ゼーネ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】バックハウス・ディルク
(72)【発明者】
【氏名】リュティ・クリスティアン
(57)【要約】
本発明は、ステータ内に、バッテリ作動式のモータと、このモータに作用する電子式の制御ユニットが存在する、ドア、引き出し及び跳ね蓋用のロック装置に関する。ハンドル(20)は、ロータ(30)とトルク伝達式に結合され、クランプバネ(50)によってロータ(30)に保持されている。このクランプバネ(50)は、磁石(60)用の収容部を備える。モータ用のバッテリの交換は、ハンドル(20)とロータ(30)の間のクランプ結合が、磁石(60)への外部作用によって解離可能であること、によって可能になる(
図1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(40)と、このステータ(40)内に回転可能に支承されかつロック要素と直接的又は間接的に結合されたロータ(30)とを有し、ステータ内に、バッテリ作動式のモータと、このモータに作用する電子式の制御ユニットが存在し、ロータ(30)とトルク伝達式に結合された回転ノブの形態のハンドル(20)が存在する、ドア、引き出し及び跳ね蓋用のロック装置において、
ハンドル(20)が、クランプバネ(50)によってロータ(30)に保持されていること、クランプバネ(50)が、磁石(60)用の収容部を備えること、モータ用のバッテリを交換するために、ハンドル(20)とロータ(30)の間のクランプ結合が、磁石(60)への外部作用によって解離可能であること、を特徴とするロック装置。
【請求項2】
クランプバネ(50)が、中央のクランプ部分(54,55)を有するバネウェブを構成するストリップから形成され、このバネウェブは、下端が、磁石(60)用のU字型の収容空間(51)を有する保持アーム(52)を成すように成形され、このバネウェブは、上端が、フック(57)を成すように折り曲げられていること、を特徴とする請求項1に記載のロック装置。
【請求項3】
ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、フック(57)が、ロータ(30)のスリット(32)に係合し、このスリット(32)は、ハンドル(20)の取外し時に、フック(57)が、スリット内で移動し得るような大きさに寸法設定されていること、を特徴とする請求項2に記載のロック装置。
【請求項4】
ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、保持アーム(52)が、磁石(60)と共にロータ(30)の凹部(31)に係合し、この凹部(31)は、磁石(60)への作用時に、保持アーム(52)が、内方向及び/又は下方向に移動し得るような大きさに寸法設定されていること、を特徴とする請求項2に記載のロック装置。
【請求項5】
中央のクランプ部分(54,55)が、水平なウェブ部分(54)と斜めのウェブ部分(55)から成り、これらウェブ部分が、ロータ(30)から外方向に向けられたノーズを構成し、斜めのウェブ部分(55)が、バネウェブの長さの少なくとも半分にわたって延在すること、を特徴とする請求項2に記載のロック装置。
【請求項6】
斜めのウェブ部分(55)内に、打抜き部(58)が存在し、これにより、支持ウェブ(59)が構成され、この支持ウェブが、垂直に整向され、ロータ(30)の垂直に形成された壁(33)に支持されること、を特徴とする請求項5に記載のロック装置。
【請求項7】
ハンドル(20)は、片側が閉じたシリンダから成るキャップであり、シリンダシェル(21)と閉じた上側(24)が、ロータ(30)とステータ(40)をカバーすること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項8】
ハンドル(20)が、シリンダシェル(21)の内側に複数の突起(22,23)を備え、第1の突起(22)は、ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、この第1の突起がロータ(30)の凹部(31)の前に存在するように配置されていること、を特徴とする請求項7に記載のロック装置。
【請求項9】
第2の突起(23)が、第1の突起(22)の上に配置され、ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、水平なウェブ部分(54)と斜めのウェブ部分(55)から構成された外方向に向けられたノーズの直下に存在すること、を特徴とする請求項8に記載のロック装置。
【請求項10】
ハンドル(20)の取付け時、上の突起(23)が、斜めのウェブ部分(55)に沿ってそのクランプ位置に滑動し得ること、を特徴とする請求項9に記載のロック装置。
【請求項11】
ハンドル(20)が、シリンダシェル(21)の外側に表面構造化部(26)を備えること、を特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項12】
ハンドル(20)が、シリンダシェル(21)の外側及び/又は上側(24)に、取外しを支援するための、即ちクランプバネ(5)内に保持された磁石(60)に作用し得る外側の磁石(83)の位置決めを支援するためのマーキング(25)を備えること、を特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のロック装置(10)用の取外し工具において、
取外し工具が、取外しリング(80)から成り、この取外しリングの内径は、ハンドル(20)の外径に適合、即ち取外しリング(80)がそのシリンダ状の内側でもってハンドル(20)のシリンダシェル(21)に沿って滑動し得るようにされていること、を特徴とする取外し工具。
【請求項14】
取外しリング(80)が、内側に、磁石(83)の支承及び位置決めをするための収容部(82)を備えること、を特徴とする請求項13に記載の取外し工具。
【請求項15】
取外しリング(80)が、その外側にマーキング(81,81’)を備え、これにより、取外しリング(80)が、ハンドル(20)の取外しのために相応にハンドル(20)のマーキング(25)に対して位置合わせされ得ること、を特徴とする請求項13又は14に記載の取外し工具。
【請求項16】
ロック装置(10)のハンドル(20)に対して取外しリング(80)を相応に位置合わせする時に、取外しリング(80)内の磁石(83)が、クランプバネ(50)の磁石(60)に対して対向するように位置決めされ、クランプバネ(50)の磁石(60)の磁気的な反発を生じさせること、を特徴とする請求項15に記載の取外し工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータと、このステータ内に回転可能に支承されかつロック要素と直接的又は間接的に結合されたロータとを有する、ドア、引き出し及び跳ね蓋用のロック装置に関する。ロータとトルク伝達式に結合された回転ノブの形態のハンドルは、回転運動によってロック要素の開閉運動を生じさせることができる。
【背景技術】
【0002】
回転ノブを有するドア、引き出し及び跳ね蓋用のロック装置が知られている。ロック装置のいくつかの実施形態では、回転ノブ内には、電子式の部品と、バッテリによって駆動されるモータが存在する。ある程度の利用時間の後にバッテリの交換が必要になるので、バッテリへのアクセスを簡単に可能にすることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、バッテリの交換が簡単に可能になるドア、引き出し及び跳ね蓋用のロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1の特徴を有するロック装置によって解決をなす。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0005】
ドア、引き出し及び跳ね蓋用の新しいロック装置は、ハンドルの簡単な取付け及び取外しを可能にし、これにより回転ノブ内に配置されたバッテリの簡単な交換を可能にする。
【0006】
新しいロック装置は、ステータを有する。ハウジング側のステータ内に、ロック要素に作用するための電子的及び機械的な構成要素が存在する。電子的な構成要素は、ロック許可の確認後にロック要素の運動を可能にする制御ユニットの一部である。ロック許可が確認されると、アクチュエータの調整を惹起するモータが制御される。このアクチュエータは、ロータと、ロータと結合されたロック要素の回転のロックが解除されることを生じさせる。このモータは、バッテリを介して駆動される。ロータは、ロック要素と直接的又は間接的に結合されたステータ内に回転可能に支承されている。ロータを運動させるため、回転ノブの形態のハンドルが存在する。好ましい構成では、このハンドルは、シリンダ状のキャップであり、ロータとステータの両方を完全にカバーする。このようなキャップは、片側が閉じたシリンダから成り、シリンダは、その開口でもってステータとロータに嵌着されているので、シリンダシェルと閉じた上側が、ロータとステータをカバーする。
【0007】
新しいロック装置のハンドルは、クランプバネによるクランプ結合を介してロータに保持されている。このクランプ結合は、ロータへのハンドルのトルク伝達作用を可能にするので、ハンドルの回転時に、ロータが回転し、ロック要素が開閉運動を実施する。ハンドルとロータの間のクランプバネは、付加的に磁石用の収容部を備える。この磁石は、ハンドルを取り外すためだけに使用される。磁石への外部作用により、ハンドルとロータの間のクランプ結合が解離される。このため、外側から別の磁石がハンドルの表面に案内され、クランプバネの保持された磁石の近傍にもたらされる。磁気的な作用(引き寄せ、反発)により、クランプバネに支承された磁石は移動させられる。磁石のこのような移動は、クランプバネ全体の位置を変更するか、クランプバネの個々の部分の長さを互いに変更し、これが、ハンドルとロータの間のクランプバネの選択された配置と、クランプバネの形態とに応じて、クランプ結合の解離を生じさせるので、ハンドルを引き抜くことができる。これにより、内側に位置するバッテリへのアクセスが得られ、このバッテリを取り出し、新しいバッテリを挿入することができる。取外し時に外側から作用する磁石の位置決めを容易にするため、好ましい実施形態の場合、ハンドルが、マーキングを備えている。
【0008】
特に簡単な取外しは、外側からロック装置に作用する磁石を有する取外し工具によって可能になる。更に、取外し工具は、ハンドルのマーキングに適合させたマーキングを備える。好ましい実施形態では、取外し工具が、適切な形状及び適切な内径を有する取外しリングであり、この取外しリングは、ハンドルに嵌着され、その装着運動時にその磁石をクランプバネ内に支承された磁石に接近させ、磁気的な影響によってクランプ結合の解離を生じさせる。
【0009】
本発明を以下で実施例によって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】ハンドルの取付け前の
図1のロック装置の側面図
【
図4】ハンドルの取付け前の
図1のロック装置の別の側面図
【
図5】取外し前の取外しリングを有する
図1によるロック装置の斜視図
【
図6】取外し中の取外しリングを有する
図1によるロック装置の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ドア、引き出し及び跳ね蓋用の本発明によるロック装置10を示す。ロック装置10は、ステータ40と、このステータ40内に回転可能に支承されたロータ30とを有する。ステータ40内に、機械的な構成要素と、電子式の制御ユニットと、モータと、バッテリとが存在する。ロック許可が確認されると、アクチュエータの調整を惹起するモータが制御される。このアクチュエータは、ロータ30と、ロータ30と結合されたロック要素の回転のロックが解除されることを生じさせる。前記機械的及び電子的な構成要素は示されていない。ロータ30は、この例では、駆動ホイール70と回転不能に結合され、この駆動ホイールは、ロータ30の回転運動時に示してないロック要素を移動させる。ロータ30の回転運動は、ハンドル20によって実現される。
【0012】
ハンドル20は、片側が閉じたシリンダから成るキャップであり、シリンダシェル21と閉じた上側24が、ロータ30とステータ40をカバーする。ハンドル20は、クランプバネ50によってロータ30に保持されている。クランプバネ50に、磁石60が支承され、この磁石は、ロータ30にハンドル20を保持するために寄与するのではなく、ハンドル20の取外しのためだけに使用される。即ち、クランプ結合は、磁石60への外部作用によって、これにより生じた磁石60の移動によってふたたび解離され得る。
【0013】
クランプ結合の解離を説明する前に、以下では、クランプバネ50の形態と、このクランプバネ50によって得られるロータ30におけるハンドル20の保持に立ち入る。クランプバネ50は、この例では金属ストリップから形成されている。十分なクランプ力が達成可能である限り、他の材料から成るストリップも可能である。クランプバネ50の金属ストリップは、
図2及び3から最もよく見られるように、バネウェブを構成するが、ここでは、クランプバネ50が、それぞれ別個に示されている。バネウェブは、上端が、フックを成すように折り曲げられ、下端が、U字型に折り曲げられた保持アーム52を成すように成形されている。保持アーム52は、この場合は、直方体状の磁石60を包囲する。磁石60が、保持アーム52のU字型の収容空間51から横に滑り出ることができないように、付加的に2つの屈曲部52が設けられている。従って、磁石60は、周囲を包囲され、クランプバネ50内に確実に支承される。上端と下端の間に、バネウェブは、中央のクランプ部分を備え、即ち、垂直に整向された脚を備える保持アーム52から始まって、これは、隣接する水平なウェブ部分54と、上方向に隣接する斜めのウェブ部分55である。斜めのウェブ部分55は、更に、垂直なウェブ部分56に移行し、この垂直なウェブ部分の自由端に、ロータ30に係合するためのフック57が存在する。水平なウェブ部分54と斜めのウェブ部分55から成る中央のクランプ部分は、フック57とは反対に整向されたノーズを構成する。斜めのウェブ部分55は、他のウェブ部分よりも長く、バネウェブ全体の長さの少なくとも半分にわたって延在する。この斜めのウェブ部分55内に、打抜き部58が存在し、これにより、支持ウェブ59が構成されている。この支持ウェブ59は、斜めのウェブ部分から曲げ出され、この場合は垂直に整向されているので、支持ウェブは、ロータ30の垂直に整向された鞄33に支持され得る。
【0014】
図1に示したように、ロータ30とハンドル20の間にクランプ結合がなされている時に、クランプバネ50は、ロータ30に挿入されている。このため、ロータ30は、
図4から最もよくわかるように凹部31を有し、この凹部は、保持アーム52が磁石60と共にこの凹部31に挿入され得るような大きさに寸法設定されている。この場合、内方向に向けられたフック57も、ロータ30のスリット32に係合する。スリット32は、ハンドルの取付け時にフック57がスリット32内で上方向に移動し得るように、若干幅広である。クランプバネ50が挿入される時、水平なウェブ部分54と斜めのウェブ部分55から構成されたノーズが、ロータ30から離れる方を指し、外方向に突出する。ハンドル20が、クランプバネ50を予め取り付けられたロータ30上に嵌着される時、ハンドル20は、斜めのウェブ部分55に沿ってこのノーズ上を滑動する。クランプバネ50の位置を固定し、ロータ30におけるハンドル20の保持を保証するため、ハンドル20のシリンダシェル21の内側に内方向に向けられた複数の突起又はリブが設けられている。
図1からわかるように、第1の突起22は、クランプ結合がなされている時に、この第1の突起がロータ30の凹部31の前に存在するように配置されている。第2の突起23は、第1の突起22の上に存在する。第2の突起は、クランプ結合がなされている時に、この第2の突起が、クランプバネ50の水平なウェブ部分54と斜めのウェブ部分55から構成された外方向に向けられたノーズの直下に存在するように配置されている。ハンドル20が、
図2に矢印によって示したように上からロータ30に装着されると、まず第1の突起22が、次に上の突起23が、斜めのウェブ部分55に沿って滑動し、ノーズを内方向に押す。第2の突起23がノーズを通過した後、ノーズは、バネ力によって再び外方向に押され、上の突起23の前に着座し、これにより、ハンドル20の引抜きが防止され、従って、ハンドル20が確実に保持される。
【0015】
ハンドル20を取り外すため、この例では、
図5に示された取外しリング80が使用される。この取外しリング80は、垂直に整向された内壁と外壁を有する二重壁のパイプシリンダである。取外しリング80の内径は、キャップ状のハンドル20の外径に適合されているので、取外しリング80は、そのシリンダ状の内側でもってハンドル20のシリンダシェル21に沿って下方向に滑動し得る。取外しリング80は、
図6に示すように、内部に、磁石83の支承及び位置決めをするための収容部82を備える。この外側の磁石83が、クランプバネ50内に支承された磁石に外側から作用し得る。ハンドル20内に配置された磁石60に磁気的な作用を加え得るため、外側の磁石83は、内側の磁石60に接近させる必要がある。正確な位置決めは、ハンドル20と取外しリング80の相応のマーキングによって支援される。このため、ハンドル20は、シリンダシェル21の外側及び/又は上側24にマーキング25を備え得る。ロック装置10が、鍵によって機械的にロック可能な装置である場合、
図5に示したように、鍵用のスリット25が、このようなマーキングとして利用され得る。取外しリング80も、マーキングを備える。この例では、取外しリング80は、その上側及びその外側にマーキング81,81’を備える。正確に位置決めするため、取外しリング80は、マーキング81,81’がハンドル20のスリット25と共に仮想の線上に位置するように回転される。その場合、取外しリング80は、ロック装置10に対して正しい回転位置を有する(
図5参照)。取外しリング80が、下方向に、即ち矢印方向に降下されると、外側の磁石83が内側の磁石60に接近する。両磁石60,83は、この例では、外側の磁石83の接近時に内側の磁石60の磁気的な反発が行なわれるように整向されている。この内側の磁石60は、後方向にロータ内部に押し込まれ、この場合、それと共にクランプバネ50を引っ張る。この場合、クランプバネ50の斜めのウェブ部分55は、ロータ壁33に当接し、支持ウェブ59は、斜めのウェブ部分55内に存在する。外方向に突出するノーズは、突起23を越えて引っ張られる。水平なウェブ部分54と保持アーム52の間の内側の角部は、ロータ30の段部34内に収容されている。クランプバネ50の位置の変化により、クランプ作用が解除され、ハンドル20が、引き抜かれ得る。取外しリング80を除去した後、クランプバネ50は、再び戻る。ロック装置10の部品へのアクセスが可能になり、バッテリを交換し得る。必要に応じて、デザインを変更した同じ新しいハンドルも装着され得る。示したハンドル20は、シリンダシェル21の外側のキャップ上半分に表面構造化部26を有する。この表面構造化部は、グリップを把持力を向上させ、デザイン的特徴である。
【符号の説明】
【0016】
10 ロック装置
20 ハンドル
21 シリンダシェル
22 突起
23 突起
24 上側
25 マーキング
26 表面構造化部
30 ロータ
31 U字型の凹部
32 スリット
33 壁
34 段部
40 ステータ
50 クランプバネ
51 U字型の収容空間
52 保持アーム
53 屈曲部
54 水平なウェブ部分
55 斜めのウェブ部分
56 垂直な上のウェブ部分
57 フック
58 打抜き部
59 支持ウェブ
60 磁石
70 ロック要素用の駆動ホイール
80 取外しリング
81,81’ マーキング
82 収容部
83 磁石
【手続補正書】
【提出日】2022-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(40)と、このステータ(40)内に回転可能に支承されかつロック要素と直接的又は間接的に結合されたロータ(30)とを有し、ステータ内に、バッテリ作動式のモータと、このモータに作用する電子式の制御ユニットが存在し、ロータ(30)とトルク伝達式に結合された回転ノブの形態のハンドル(20)が存在する、ドア、引き出し及び跳ね蓋用のロック装置において、
ハンドル(20)が、クランプバネ(50)によってロータ(30)に保持されていること、クランプバネ(50)が、磁石(60)用の収容部を備えること、モータ用のバッテリを交換するために、ハンドル(20)とロータ(30)の間のクランプ結合が、磁石(60)への外部作用によって解離可能であること、
クランプバネ(50)が、中央のクランプ部分(54,55)を有するバネウェブを構成するストリップから形成され、このバネウェブは、下端が、磁石(60)用のU字型の収容空間(51)を有する保持アーム(52)を成すように成形され、このバネウェブは、上端が、フック(57)を成すように折り曲げられていること、を特徴とするロック装置。
【請求項2】
ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、フック(57)が、ロータ(30)のスリット(32)に係合し、このスリット(32)は、ハンドル(20)の取外し時に、フック(57)が、スリット内で移動し得るような大きさに寸法設定されていること、を特徴とする請求項
1に記載のロック装置。
【請求項3】
ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、保持アーム(52)が、磁石(60)と共にロータ(30)の凹部(31)に係合し、この凹部(31)は、磁石(60)への作用時に、保持アーム(52)が、内方向及び/又は下方向に移動し得るような大きさに寸法設定されていること、を特徴とする請求項
1に記載のロック装置。
【請求項4】
中央のクランプ部分(54,55)が、水平なウェブ部分(54)と斜めのウェブ部分(55)から成り、これらウェブ部分が、ロータ(30)から外方向に向けられたノーズを構成し、斜めのウェブ部分(55)が、バネウェブの長さの少なくとも半分にわたって延在すること、を特徴とする請求項
1に記載のロック装置。
【請求項5】
斜めのウェブ部分(55)内に、打抜き部(58)が存在し、これにより、支持ウェブ(59)が構成され、この支持ウェブが、垂直に整向され、ロータ(30)の垂直に形成された壁(33)に支持されること、を特徴とする請求項
4に記載のロック装置。
【請求項6】
ハンドル(20)は、片側が閉じたシリンダから成るキャップであり、シリンダシェル(21)と閉じた上側(24)が、ロータ(30)とステータ(40)をカバーすること、を特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項7】
ハンドル(20)が、シリンダシェル(21)の内側に複数の突起(22,23)を備え、第1の突起(22)は、ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、この第1の突起がロータ(30)の凹部(31)の前に存在するように配置されていること、を特徴とする請求項
6に記載のロック装置。
【請求項8】
第2の突起(23)が、第1の突起(22)の上に配置され、ハンドル(20)とロータ(30)の間にクランプ結合がなされている時に、水平なウェブ部分(54)と斜めのウェブ部分(55)から構成された外方向に向けられたノーズの直下に存在すること、を特徴とする請求項
7に記載のロック装置。
【請求項9】
ハンドル(20)の取付け時、上の突起(23)が、斜めのウェブ部分(55)に沿ってそのクランプ位置に滑動し得ること、を特徴とする請求項
8に記載のロック装置。
【請求項10】
ハンドル(20)が、シリンダシェル(21)の外側に表面構造化部(26)を備えること、を特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項11】
ハンドル(20)が、シリンダシェル(21)の外側及び/又は上側(24)に、取外しを支援するための、即ちクランプバネ(5)内に保持された磁石(60)に作用し得る外側の磁石(83)の位置決めを支援するためのマーキング(25)を備えること、を特徴とする請求項1~
10のいずれか1項に記載のロック装置。
【国際調査報告】