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特表2023-553241網膜障害を有する見る人の目の視覚を改善するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】網膜障害を有する見る人の目の視覚を改善するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 5/00 20060101AFI20231214BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61H5/00 Z
A61B3/113
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518350
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022033321
(87)【国際公開番号】W WO2022261567
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/209,405
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520332841
【氏名又は名称】ヒーズ アイピー ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イン
(72)【発明者】
【氏名】ライ,ジウン-イーイン
(72)【発明者】
【氏名】イェ,フォン-チュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,グオ-シュアン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ヤ-チュン
(72)【発明者】
【氏名】ユエ,シュ-イェン
【テーマコード(参考)】
4C046
4C316
【Fターム(参考)】
4C046AA31
4C046AA50
4C046BB12
4C046DD36
4C046EE17
4C316AA13
4C316AA16
4C316AA21
4C316FA04
4C316FA18
4C316FA19
4C316FB11
4C316FC04
(57)【要約】
網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステム及び方法、並びにそのような見る人の目の視覚を改善するための補助システムが開示されている。訓練のためのポータブルシステムは、見る人の目の情報を提供するアイトラッキングモジュールと、中心窩に中心があるのではなく、見る人の障害を有する網膜の代替の網膜位置に中心がある仮想画像を表示する仮想画像表示モジュールと、を含む。仮想画像表示モジュールは、複数の第1の光信号を発生させる第1の光信号発生器と、見る人の目の瞳孔が見る人の目のほぼ中心に位置している場合に、複数の第1の光信号を代替の網膜位置に向け直す第1のコンバイナと、をさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網膜障害を有する見る人の目における代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステムであって、
前記見る人の目の情報を提供するアイトラッキングモジュールと、
中心窩に中心があるのではなく、前記見る人の目における代替の網膜位置に中心がある仮想画像を表示する仮想画像表示モジュールであり、
前記仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる第1の光信号発生器、
前記アイトラッキングモジュールからの前記目の情報に基づき、前記見る人の目の瞳孔が前記見る人の目のほぼ中心に位置している場合に、前記仮想画像の複数の第1のピクセルを表示するために、前記第1の光信号発生器からの前記複数の第1の光信号を前記見る人の目の代替の網膜位置に向け直す第1のコンバイナ、
を含む仮想画像表示モジュールと、
を含むポータブルシステム。
【請求項2】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、両眼融合を容易にするように選択される、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項3】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、視覚機能及び前記代替の網膜位置の高さに基づき選択される、請求項2に記載のポータブルシステム。
【請求項4】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、見る人のもう一方の目の好ましい感知位置の第2の高さに近い第1の高さを有するように選択される、請求項3に記載のポータブルシステム。
【請求項5】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、前記中心窩の外側にあるように選択される、請求項2に記載のポータブルシステム。
【請求項6】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、前記見る人の目の目印に基づく座標を有する、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項7】
前記見る人の目の目印は、前記見る人の目の視神経乳頭である、請求項6に記載のポータブルシステム。
【請求項8】
前記アイトラッキングモジュールからの前記目の情報に基づき、前記見る人の目の瞳孔が前記見る人の目の中心から所定の程度以上離れているときにフィードバックを提供するように構成されたフィードバックモジュールをさらに含む、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項9】
前記フィードバックは、音響ガイダンス又は視覚ガイダンスを含む、請求項8に記載のポータブルシステム。
【請求項10】
前記視覚ガイダンスは、前記見る人の目の動きを指示する可視指標を含む、請求項9に記載のポータブルシステム。
【請求項11】
前記音響ガイダンスは、前記見る人の目の動きに対する向きを示す音声フィードバックを含む、請求項9に記載のポータブルシステム。
【請求項12】
前記第1のコンバイナは、前記複数の第1の光信号を、前記見る人の目の瞳孔のほぼ中心を通って、前記見る人の目における代替の網膜位置に向け直す、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項13】
前記第1の光信号発生器はレーザー光源を含む、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項14】
前記仮想画像表示モジュールのために前記仮想画像の情報を生成するか、又は訓練プログラムを実行するプロセスモジュールをさらに含む、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項15】
前記訓練プログラムは、前記見る人の目がまばたきする時間を所定の訓練時間に含めない、請求項14に記載のポータブルシステム。
【請求項16】
高さ調整可能な顎ホルダーをさらに含む、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項17】
前記仮想画像は、緑色の十字である、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項18】
重量が3キログラム未満である、請求項1に記載のポータブルシステム。
【請求項19】
網膜障害を有する見る人の目の視覚を改善するためのシステムであって、
対象物体の複数の画像ピクセルを受けるように構成された画像キャプチャモジュールと、
前記対象物体に関連する仮想画像の情報を生成するように構成されたプロセスモジュールと、
前記仮想画像の情報に基づき、中心窩に中心があるのではなく、前記見る人の目における代替の網膜位置に中心がある前記仮想画像を表示する仮想画像表示モジュールであり、
前記仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる第1の光信号発生器、
前記仮想画像の複数の第1のピクセルを表示するために、前記第1の光信号発生器からの前記複数の第1の光信号を前記見る人の目における代替の網膜位置に向け直す第1のコンバイナ、
を含む仮想画像表示モジュールと、
を含むシステム。
【請求項20】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、両眼融合を容易にするように選択される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、視覚機能及び前記代替の網膜位置の高さに基づき選択される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記見る人の目における代替の網膜位置は、前記見る人のもう一方の目の好ましい感知位置の第2の高さに近い第1の高さを有するように選択される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記見る人の網膜における代替の網膜位置は、前記中心窩の外側にあるように選択される、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記見る人の目の情報を提供するアイトラッキングモジュールをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記アイトラッキングモジュールは、前記見る人の片目又は両目の固視に基づき前記対象物体を決定する、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1のコンバイナは、前記複数の第1の光信号を、前記見る人の目の瞳孔のほぼ中心を通って、前記見る人の目における代替の網膜位置に向け直す、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記見る人の目によって受けた前記仮想画像、及び見る人のもう一方の目によって受けた実際の画像が、部分的に融合される、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
環境からの自然光は、前記見る人の目に入るのが減らされるか又は阻止される、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
前記仮想画像の情報が、前記網膜障害を有する見る人の目の視野角で生成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項30】
見る人の頭部に装着可能な支持構造体をさらに含み、前記画像キャプチャモジュール、前記プロセスモジュール、及び前記仮想画像表示モジュールは、前記支持構造体によって保有されている、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、“VISION-ASISTED DEVICE FOR USERS WITH IMPAIRED RETINA”と題された、2021年6月11日に出願された仮出願第63/209,405号の利益を主張するものであり、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
加えて、“SYSTEM AND METHOD FOR DISPLAYING AN OBJECT WITH DEPTHS”と題された、2020年11月6日に出願されたPCT国際出願PCT/US20/59317の全体を、参照により本明細書に援用する。
【0003】
本発明は、網膜障害を有する見る人(a viewer)の目を訓練し、そのような見る人の目の視覚を改善するためのシステムに関し、特に、見る人の目の視覚を改善するために、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
網膜障害を有する人は、視界の中心領域又は周辺領域において視覚を失う。加齢黄斑変性(AMD)を患う人は、視界の中心領域から視覚を失う。緑内障を患う人は、視界の周辺領域から視覚を失う。網膜障害を有する人の目は、通常、人の目の網膜の中心付近にある楕円形の色素領域である損傷した斑(又は黄斑)を有している。人の黄斑は、通常、約5.5mm(0.22インチ)の直径を有し、大窩(umbo)、小窩、中心窩無血管域、中心窩、傍中心窩、及び周中心窩に細分される。黄斑は、明るい場所で可能な中心部の高解像度の色覚に対する責任を担っている。中心窩は、鋭い中心部の視覚(中心窩視覚とも呼ばれる)に対する責任を担っており、これは、ヒトにおいて、読書及び運転等の視覚的詳細が最も重要な活動に必要である。中心窩は、傍中心窩帯及び周中心窩の外側領域によって取り囲まれている。
【0005】
人の目が対象物を固視するとき、通常、その人は網膜中心窩を使用して対象物を狙い、対象物の像のより良い解像度を得ることになる。従って、視軸は、対象物と網膜中心窩との間の架空の線として定められる。上述のように、網膜障害は、AMD、緑内障、又は他の疾患によって引き起こされることがある。網膜障害を有する人は、視界の中心部又は周辺部においてぼやけるか又は見えなくなることがある。人の視覚は、健康な状態を保っている見る人の目の偏心視域(PRL)を、受信した光信号に反応するように訓練することによって改善することができる。従って、網膜障害を有する見る人の目のPRLを訓練するためのポータブルシステム、及び見る人の目の視覚を改善するための補助システムが所望される。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練し、従って、見る人の目の視覚を改善するためのポータブルシステム及び方法に関する。見る人の網膜障害は、加齢黄斑変性(AMD)、緑内障、又は他の疾患によって引き起こされることがある。AMD患者は、変性した黄斑を有しており、これによって、視界の中心部においてぼやけるか又は見えなくなることがある。緑内障患者は、中心領域ではなく周辺領域において視界を失う。これらの患者の視界の中心領域又は周辺領域における視覚は、受信した光信号に反応するように、健康な状態を保っている見る人の目の代替の網膜位置を訓練することによって改善することができる。代替の網膜位置は、偏心視域(PRL)とも呼ばれることがある。網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステムは、アイトラッキングモジュール及び仮想画像表示モジュールを含む。アイトラッキングモジュールは、見る人の目の情報を提供する。仮想画像表示モジュールは、アイトラッキングモジュールからの目の情報に基づき、見る人の目の瞳孔が見る人の目のほぼ中心に位置している場合に、中心窩ではなく、見る人の目の代替の網膜位置に中心がある仮想画像を表示する。仮想画像表示モジュールは、第1の光信号発生器及び第1のコンバイナを含む。第1の光信号発生器は、仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる。第1のコンバイナは、仮想画像の複数の第1のピクセルを表示するために、第1の光信号発生器からの複数の第1の光信号を見る人の目の代替の網膜位置に向け直す。
【0007】
見る人の目の代替の網膜位置が固視のために中心窩に代わるように訓練された後で、補助システム及び方法を使用して、網膜障害を有する見る人の目の中心窩及びその隣接領域(緑内障患者の場合)又は訓練された代替の網膜位置(AMD患者の場合)に対象物体に対応する仮想画像を投影することによって、網膜障害を有する人の目の視覚を改善することができる。視覚を改善するための補助システムは、画像キャプチャモジュール、プロセスモジュール、及び仮想画像表示モジュールを含む。画像キャプチャモジュールは、見る人の目の真正面の視野(デフォルトの対象物体)又は見る人の目が固視する特定の対象物体をキャプチャするように構成され、従って、複数の画像ピクセルを受ける。プロセスモジュールは、対象物体に関連する仮想画像の情報を生成するように構成される。仮想画像表示モジュールには、第1の光信号発生器及び第1のコンバイナが含まれる。第1の光信号発生器は、プロセスモジュールによって提供される仮想画像の情報に基づき、仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる。AMD患者等、障害が黄斑、特に中心窩及びその隣接領域にある見る人に対して、第1のコンバイナは、仮想画像の複数の第1のピクセルを表示するために、第1の光信号発生器からの複数の第1の光信号を、中心窩ではなく、見る人の目の代替の網膜位置に向け直す。緑内障患者等、視界の周辺領域において網膜障害を有する見る人に対しては、第1のコンバイナは、第1の光信号を、中心窩及びその隣接領域を含む、健康な状態を保っている黄斑の中心領域に向け直す。
【0008】
代替の網膜位置は、健康な状態を保っている網膜の一部分から選択される。代替の網膜位置の選択ガイダンスには、(1)代替の網膜位置の高さ、及び(2)眼球が向きを変える場合の両眼固視を可能にする中心窩に対する代替の網膜位置の相対位置が含まれる。第一に、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置の第1の高さが、網膜障害を有しているか又は有していない見る人のもう一方の目の好ましい感知位置の第2の高さの近くにあるように選択されるべきである。第二に、見る人の眼球がその視界の周辺領域に固定されたときに、代替の網膜位置又は好ましい感知位置のいずれかからの両眼の視軸が、見る人の目が固視している対象物体において交差することができるように、代替の網膜位置は、網膜障害を有する見る人の目の中心窩の外側において選択されるべきである。
【0009】
代替の網膜位置が選択されると、仮想画像表示モジュールが仮想画像を投影するための正確な位置を提供するために、網膜障害を有する見る人の目の目印に基づき、代替の網膜位置の座標が生成される。目印は、網膜障害を有する見る人の目の視神経乳頭であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのシステムの一実施形態を例示したブロック図である。
図2】本発明による、仮想画像表示モジュール及びアイトラッキングモジュールの一実施形態を例示した概略図である。
図3】本発明による、第1の光信号発生器及び第1のコンバイナの一実施形態を例示した概略図である。
図4A】本発明による、異なる光経路を介して、代替の網膜位置に中心がある仮想画像を形成する光信号を投射する仮想画像表示モジュールの一実施形態を例示した概略図である。
図4B】本発明による、異なる光経路を介して、代替の網膜位置に中心がある仮想画像を形成する光信号を投射する仮想画像表示モジュールの一実施形態を例示した概略図である。
図4C】本発明による、異なる光経路を介して、代替の網膜位置に中心がある仮想画像を形成する光信号を投射する仮想画像表示モジュールの一実施形態を例示した概略図である。
図5】本発明による、マイクロペリメトリ画像の一実施形態を例示した画像である。
図6】本発明による、代替の網膜位置、視神経乳頭、及び中心窩の相対位置を示す眼底マップの一実施形態を例示した画像である。
図7A】本発明による、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステムの一実施形態を例示した概略図である。
図7B】本発明による、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステムの一実施形態を例示した概略図である。
図7C】本発明による、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステムの一実施形態を例示した概略図である。
図7D】本発明による、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステムの一実施形態を例示した概略図である。
図8】本発明による、網膜障害を有する見る人の目の視覚を改善するための補助システムの一実施形態を例示したブロック図である。
図9A】本発明による、緑内障に関連する視野の一実施形態を例示した画像である。
図9B】本発明による、緑内障に関連する視野の一実施形態を例示した画像である。
図9C】本発明による、緑内障に関連する視野の一実施形態を例示した画像である。
図10】本発明による、網膜障害を有する見る人の目の視覚を改善するための補助システムの一実施形態を例示した概略図である。
図11図11A~11Bは、本発明による、深度情報を用いたキャプチャ画像の調整の一実施形態を例示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に示される説明において使用されている用語は、当技術の特定の具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されているとしても、最も広範で合理的な様式で解釈されることを意図している。特定の用語が以下において強調されることさえあり得るが、いかなる制限された様式で解釈されることを意図したいかなる用語も、この詳細な説明のセクションにおいては、そのようなものとして特に定義されることになる。
【0012】
本開示は、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練し、従って、見る人の目の視覚を改善するためのポータブルシステム及び方法に関する。見る人の網膜障害は、加齢黄斑変性(AMD)、緑内障、又は他の疾患によって引き起こされることがある。AMD患者は、変性した黄斑を有しており、これによって、視界の中心部においてぼやけるか又は見えなくなることがある。緑内障患者は、中心領域ではなく周辺領域において視界を失う。これらの患者の視界の中心領域又は周辺領域における視覚は、受信した光信号に反応するように、健康な状態を保っている見る人の目の代替の網膜位置を訓練することによって改善することができる。代替の網膜位置は、偏心視域(PRL)とも呼ばれることがある。網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステムは、アイトラッキングモジュール及び仮想画像表示モジュールを含む。アイトラッキングモジュールは、見る人の目の情報を提供する。仮想画像表示モジュールは、アイトラッキングモジュールからの目の情報に基づき、見る人の目の瞳孔が見る人の目のほぼ中心に位置している場合に、中心窩に中心があるのではなく、見る人の目の代替の網膜位置に中心がある仮想画像を表示する。仮想画像表示モジュールは、第1の光信号発生器及び第1のコンバイナを含む。言い換えると、見る人の目は真正面を固視し、見る人の目の視軸は、その状況での見る人の前頭面に対してほぼ垂直である。第1の光信号発生器は、仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる。第1のコンバイナは、仮想画像の複数の第1のピクセルを表示するために、第1の光信号発生器からの複数の第1の光信号を見る人の目の代替の網膜位置に向け直す。
【0013】
見る人の目の代替の網膜位置が固視のために中心窩に代わるように訓練された後で、補助システム及び方法を使用して、網膜障害を有する見る人の目の中心窩及びその隣接領域(緑内障患者の場合)又は訓練された代替の網膜位置(AMD患者の場合)に対象物体に対応する仮想画像を投影することによって、網膜障害を有する人の目の視覚を改善することができる。視覚を改善するための補助システムは、画像キャプチャモジュール、プロセスモジュール、及び仮想画像表示モジュールを含む。画像キャプチャモジュールは、見る人の目の真正面の視野(デフォルトの対象物体)又は見る人の片目若しくは両目が固視する特定の対象物体をキャプチャするように構成され、従って、複数の画像ピクセルを受ける。別の実施形態においては、画像キャプチャモジュールは、複数の画像ピクセルの対応する深度も受ける。プロセスモジュールは、対象物体に関連する仮想画像の情報を生成するように構成される。仮想画像表示モジュールには、第1の光信号発生器及び第1のコンバイナが含まれる。第1の光信号発生器は、プロセスモジュールによって提供される仮想画像の情報に基づき、仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる。AMD患者等、障害が黄斑、特に中心窩及びその隣接領域にある見る人に対して、第1のコンバイナは、仮想画像の複数の第1のピクセルを表示するために、第1の光信号発生器からの複数の第1の光信号を、中心窩ではなく、見る人の目の代替の網膜位置に向け直す。緑内障患者等、視界の周辺領域において網膜障害を有する見る人に対しては、第1のコンバイナは、第1の光信号を、中心窩及びその隣接領域を含む、健康な状態を保っている黄斑の中心領域に向け直す。
【0014】
代替の網膜位置は、健康な状態を保っている網膜の一部分から選択される。見る人の網膜上の複数の位置は、代替の網膜位置として役立つように利用可能であり得る。これらの複数の利用可能な位置からの選択は、見る人の2つの目の間の両眼融合の可能性に影響を与えることがある。従って、代替の網膜位置は、両眼融合を容易にするように選択されるべきである。代替の網膜位置の選択ガイダンスには、(1)代替の網膜位置の高さ、及び(2)眼球が向きを変える場合の両眼固視を可能にする中心窩に対する代替の網膜位置の相対位置が含まれる。第一に、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置の第1の高さが、網膜障害を有しているか又は有していない見る人のもう一方の目の好ましい感知位置の第2の高さの近くにあるように選択されるべきである。言い換えると、第1の高さは、第2の高さとほぼ同じである。第二に、見る人の眼球がその視界の周辺領域に固定されたときに、代替の網膜位置又は好ましい感知位置のいずれかからの両眼の視軸が、見る人の目が固視している対象物体において交差することができるように、代替の網膜位置は、網膜障害を有する見る人の目の中心窩の外側において選択されるべきである。
【0015】
代替の網膜位置が選択されると、仮想画像表示モジュールが仮想画像を投影するための正確な位置を提供するために、網膜障害を有する見る人の目の目印に基づき、代替の網膜位置の座標が生成される。目印は、網膜障害を有する見る人の目の視神経乳頭であってもよい。
【0016】
図1において示されているように、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置を訓練するためのポータブルシステム100は、アイトラッキングモジュール110及び仮想画像表示モジュール120を含む。アイトラッキングモジュール110は、見る人の目を追跡し、見る人の目の動き、瞳孔の位置、瞳孔のサイズ、凝視角(視野角;視軸)、及び収束角等、関連する目の情報を提供するように構成される。アイトラッキングモジュール110は、網膜障害を有する目を追跡する第1のカメラ112を含んでもよい。仮想画像表示モジュール120は、アイトラッキングモジュール110からの目の情報に基づき、見る人の目の瞳孔が見る人の目のほぼ中心に位置している場合に、訓練目的の刺激を提供するために、見る人の目の所定の代替の網膜位置に仮想画像を投影する。その瞬間、見る人の目は真正面の点に固定され、見る人の目の視軸も見る人の前頭面に対してほぼ垂直になる。仮想画像は、医師、訓練専門家、又は見る人によって予め決定されてもよい。一実施形態では、予め決定された仮想画像は、赤又は緑色の十字のシンボルである。
【0017】
上記のように、アイトラッキングモジュール110は、見る人の片目又は両目を追跡し、見る人のそれぞれの目の瞳孔の位置、瞳孔のサイズ、凝視角(視野角)、及び収束角等、関連する目の情報を提供するように構成される。そのような目の情報は、見る人の目の瞳孔が網膜障害を有する見る人の目のほぼ中心に位置しているかどうかを決定するために使用されてもよい。図2において示されている一実施形態において、アイトラッキングモジュール110は、網膜障害を有する見る人の目を追跡するために、第1のカメラ112及びアイトラッキングリフレクター114を含んでもよい。アイトラッキングリフレクター114は、この実施形態ではIR光に対して約100%の反射率を有してもよい。第1のカメラ112は、IRレーザーダイオード及びIR光センサをさらに含んでもよい。アイトラッキングリフレクター114は、第1のカメラ112と見る人の目との間の光経路に配置される。IRレーザーダイオードによって生成されたIR光は、アイトラッキングリフレクター114によって反射され、次に、見る人の目に投射される。見る人の目から反射されたIR光は、アイトラッキングリフレクター114を介してIR光センサまで戻り、瞳孔の位置を含む目の情報が分析及び決定される。別の実施形態では、見る人の両目に網膜障害がある。アイトラッキングモジュール110は、見る人のもう一方の目を追跡するために第2のカメラ116をさらに含んでもよい。従来のアイトラッキングカメラに加えて、第1のカメラ112及び第2のカメラ116は、超小型の微小電気機械システム(MEMS)の技術によって構築することができる。第1のカメラ112及び第2のカメラ116は、様々な目の情報を検出及び導出するために、赤外エミッター及びセンサを使用することができる。アイトラッキングモジュール110は、加速度計、ジャイロスコープ、及び場合によっては磁力計の組み合わせを使用して、体の比力、角速度、及び場合によっては体の向きを測定及び報告する電子デバイスである統合された慣性計測装置(IMU)をさらに含んでもよい。
【0018】
アイトラッキングモジュール110は、見る人の目の瞳孔の位置及びサイズを測定し、瞳孔が見る人の目の中心から離れている程度又は範囲を決定することができる。一実施形態において、アイトラッキングデバイス110は、瞳孔の位置を決定するために、反射されたIR光の60のフレームを毎秒受信及び分析する。見る人の目の瞳孔が、0.5度等、見る人の目の中心から所定の程度以上離れている場合、アイトラッキングモジュール110は、休止のアクションを実行するように仮想画像表示モジュール120に通知することができる。
【0019】
図3において示されているように、仮想画像表示モジュール120は、第1の光信号発生器10及び第1のコンバイナ20を含む。第1の光信号発生器10は、その光源として、レーザー、ミニ及びマイクロLEDを含む発光ダイオード(「LED」)、有機発光ダイオード(「OLED」)、又はスーパールミネッセントダイオード(「SLD」)、LCoS(Liquid Crystal on Silicon)、液晶ディスプレイ(「LCD」)、又はそれらの任意の組み合わせを使用してもよい。一実施形態において、光信号発生器10は、赤色光レーザー15、緑色光レーザー16、及び青色光レーザー17を含む光源11、ダイクロイックコンバイナ及び偏波コンバイナ等の光色モディファイア(a light color modifier)、並びに2D電気機械システム(「MEMS」)ミラー等の二次元(2D)調整可能リフレクター12を含み得るレーザービームスキャニングプロジェクタ(LBSプロジェクタ)である。別の実施形態において、光源11は、IR(赤外)光レーザー14をさらに含んでもよい。第1の光信号発生器10は、光信号の運動方向を特定の方向においてより整列(平行に)させるために、光源11と2D調整可能リフレクター12との間に置かれたコリメータ13をさらに含んでもよい。コリメータ160は、湾曲レンズ又は凸レンズであってもよい。2D調整可能リフレクター12は、2つの1DMEMSミラー等、2つの1次元(1D)リフレクターに置き換えてもよい。LBSプロジェクタは、1つずつ光信号を順次に生成してスキャンし、所定の解像度、例えばフレームあたり1280×720ピクセルで2D仮想画像を形成する。このように、1つのピクセルに対して1つの光信号が生成され、第1のコンバイナ20に向けて一度に投射される。ユーザがそのような2D仮想画像を片目から見るためには、LBSプロジェクタは、視覚の持続時間内、例えば1/18秒内に、各ピクセルに対して光信号を、例えば1280×720の光信号を順次に生成しなければならない。従って、各光信号の持続時間は約60.28ナノ秒である。
【0020】
別の実施形態において、第1の光信号発生器10は、2Dカラー画像を一度に生成することができるデジタル光処理プロジェクタ(「DLPプロジェクタ」)であってもよい。Texas InstrumentのDLP技術は、DLPプロジェクタの製造に使用することができるいくつかの技術のうちの1つである。例えば1280×720ピクセルを含み得る2Dカラー画像フレーム全体が、第1のコンバイナ20に向けて同時に投射される。
【0021】
第1のコンバイナ20は、第1の光信号発生器10によって発生された複数の光信号を受信し、中心窩ではなく見る人の目の代替の網膜位置に向け直す。ここで、第1のコンバイナ20は、リフレクターとして機能することができる。第1のコンバイナ20は、ガラス又はレンズのようなプラスチック材料で作られ、金属等の特定の材料で被覆されて、反射するようにしてもよい。光信号をユーザの目に向けるために、従来の導波管の代わりに反射コンバイナを使用することの1つの利点は、多数の影、色変位等の望ましくない回折効果の問題を排除することである。
【0022】
図2において示されている別の実施形態では、仮想画像表示モジュール120の光経路は、補助的な第1のコンバイナ25をさらに含むように設計することができる。第1の光信号発生器10から発生した光信号は、第1のコンバイナ20に向けて投射され、第1のコンバイナ20は、光信号を補助的な第1のコンバイナ25に向け直し、補助的な第1のコンバイナ25はさらに、光信号を、中心窩ではなく見る人の目の代替の網膜位置に向け直す。加えて、仮想画像表示モジュール120は、第1のコンバイナ20と補助的な第1のコンバイナ25との間に配置されたセーフティリフレクター122、及びセーフティセンサ124をさらに含んでもよい。一実施形態では、リフレクター122の反射率は約10%であり、光信号の約90%が通過する。セーフティセンサ124は、リフレクター122からの反射した光信号を受信し、その強度を測定する。光信号の強度が所定の値を超える場合、セーフティセンサ124は、安全上の理由から、光源の電源を切るか、又は光信号が見る人の目に投射されるのを阻止するように第1の光信号発生器10に通知して、目を傷つけるのを回避する。
【0023】
一実施形態では、第1の光信号が投射される見る人の目の位置を正確に制御するために、6自由度を有する第1のコンバイナ20及び補助的な第1のコンバイナ25は、例えば5度回転させる等、特定の程度まで水平軸(若しくはピッチ軸、X軸)、垂直軸(若しくは縦軸、Y軸)、及び/又は奥行き軸(若しくは鉛直軸、Z軸)に沿って動かす及び/又はそれらを中心として回転させることによって、独立して調整されてもよい。水平軸は、瞳孔間線の方向に沿ってあるように設定することができる。垂直軸は、顔の正中線に沿って且つ水平方向に対して垂直にあるように設定することができる。奥行き方向(又は鉛直軸、Z軸方向)は、前頭面に対して垂直且つ水平方向及び垂直方向の両方に対して垂直にあるように設定することができる。より具体的には、第1のコンバイナ20及び補助的な第1のコンバイナ25を、水平軸を中心に回転させて光信号の投射位置を見る人の網膜の上下に動かす、垂直軸を中心に回転させて光信号の投射位置を見る人の網膜の左右に動かす、及び/又は、奥行き軸に沿って動かして瞳距離を調整することができる。
【0024】
上記のように、仮想画像表示モジュール120は、アイトラッキングモジュール120からの目の情報に基づき、見る人の目の瞳孔が見る人の目のほぼ中心に位置している場合に、見る人の目の所定の代替の網膜位置に仮想画像を投影して、訓練目的の刺激を提供する。その瞬間、見る人の目は真正面の点に固定され、見る人の目の視軸も見る人の前頭面に対してほぼ垂直になる。視軸は、瞳孔を通って固視点と見る人の目の中心窩とを接続する架空の線である。これは、見る人にとって最も自然で簡単な固視点である。その結果、見る人は、代替の網膜位置を訓練するために眼球を回転させる必要がない。そのような網膜障害を有する見る人の目の固視訓練で、AMD患者等の見る人は、網膜障害を有する見る人の目が画像の中心部分を見るために頭を片側に向けることなく、固定したまま真正面を見るのを可能にし得る。アイトラッキングモジュール120は、網膜障害を有する見る人の目の瞳孔の位置及びサイズを検出し、次に、瞳孔が見る人の目の中心に位置しているかどうかを決定することができる。仮想画像表示モジュール120は、瞳孔が見る人の目の中心に位置しているときに、光信号を所定の代替の網膜位置に投射する。仮想画像表示モジュール120は、瞳孔が見る人の目の中心から所定の範囲、例えば1度外れたときに投射を一時停止することがあるが、その状況では、光信号は訓練用に意図された代替の網膜位置とは異なる別の位置に投射されるためである。瞳孔が見る人の目の中心から特定の範囲外れたときは、システムは見る人のために光信号を固定位置に投射するように較正されるため、光信号は瞳孔を通過することさえできない場合がある。
【0025】
図4A~4Cにおいて示されているように、仮想画像表示モジュール120は、仮想画像440を形成する光信号を、異なる光経路を介して代替の網膜位置420に向けて投射することができる。具体的には、仮想画像は、中心窩410に中心があるのではなく、代替の網膜位置420に中心がある見る人の網膜の領域に投影される。一実施形態において、仮想画像は、1280×720アレイにおいて921,600ピクセルを有してもよい。集合的に仮想画像を形成する光信号は、光ビームとしてみなすことができる。光ビームの中心の光経路に基づき、光信号の投射の光経路を3つのカテゴリに分けることができる。図4Aでは、仮想画像440を形成する光信号は、瞳孔430のほぼ中心部分を通って投射され;図4Bでは、仮想画像440を形成する光信号は、瞳孔430の上部を通って投射され;図4Cでは、仮想画像440を形成する光信号は、瞳孔430の下部を通って投射される。或いは、仮想画像440を形成する光信号は、瞳孔430の右側部分又は左側部分を通って投射されてもよい。瞳孔のほぼ中心部分を通って、仮想画像を形成する光信号を投射する利点がいくつかあり得る。第一に、強い環境光のために瞳孔のサイズが小さくても、仮想画像が部分的に遮られる可能性は低い。第二に、仮想画像の光信号を代替の網膜位置に投射するためには、入射角は一般的に小さくなる。第1のコンバイナ20及び/又は補助的な第1のコンバイナ25は、選択された光経路を通って光信号の投射を行うように調整することができる。
【0026】
システム100は、眼底視野測定130をさらに含んで、見る人の目における網膜の特定の部分で知覚される光の量の「網膜感度マップ」を生成することによって視界検査を実行することができる。重複を減らすために、眼底視野測定130は、光源11及びいくつかの光学部品を仮想画像表示モジュール120と共有することができる。図3において示されている一実施形態では、眼底視野測定130は、光源11、光学部品131のセット、光強度センサ136、及び視野測定コントローラ138を含んでいる。光学部品131のセットは、見る人の目から反射された光を、CCD(電荷結合素子)であり得る光強度センサ136にガイドするために3つのリフレクター132,133、及び134を含んでもよい。視野測定コントローラ138は、光強度センサ136から電気信号を受信して、医師が代替の網膜位置を選択するための情報を提供する図5等、網膜感度マップを生成することができる。代替の網膜位置は、固視を容易にするためのいくつかのガイダンスに基づき選択されてもよい。一実施形態において、眼底視野測定130は、マイクロペリメトリー又は走査型レーザー検眼鏡(SLO)であってもよい。
【0027】
上記のように、網膜障害を有する患者に対して、代替の網膜位置が、健康な状態を保っている網膜の一部分から選択される。見る人の網膜上の複数の位置が、代替の網膜位置として役立つように利用可能であり得る。図5において示されているように、マイクロペリメトリーマップは、見る人の網膜の健康の程度を通常は色で例示しており、例えば、緑色は健康な(完全に機能している)状態を意味し、黄色は部分的に損傷しているがある程度は依然として機能している可能性がある(部分的に機能している)状態を意味し、赤色は損傷している(機能していない)状態を意味する。従って、図5における各小さな四角の色は、各特定の位置における網膜の機能レベルを表している。通常、緑色は完全に機能していることを意味し;黄色は部分的に機能していることを意味し;赤色は機能していないことを意味する。訓練のためにこれらの複数の利用可能な健康な位置から代替の網膜位置を選択することは、見る人の2つの目、例えば1つのAMDの目と1つの正常な目との間の、又は両方ともAMDの目の間の両眼融合の可能性に影響を与えることがある。従って、代替の網膜位置は、両眼融合を容易にするように選択される必要がある。代替の網膜位置の選択ガイダンスには、(1)代替の網膜位置の高さ、及び(2)眼球が向きを変える場合の両眼固視を可能にする中心窩に対する代替の網膜位置の相対位置が含まれる。第一に、網膜障害を有する見る人の目の代替の網膜位置の第1の高さが、網膜障害を有しているか又は有していない見る人のもう一方の目の好ましい感知位置の第2の高さの近くにあるように選択されるべきである。網膜障害を有している見る人の目の代替の網膜位置が、見る人のもう一方の目の好ましい感知位置、例えば正常な目の中心窩とほぼ同じ高さにある場合、両眼固視はより容易に発生することがある。言い換えると、第1の高さは第2の高さとほぼ同じである。第二に、見る人の眼球が視界の周辺領域に固定されたときに、代替の網膜位置又は好ましい感知位置のいずれかからの両方の目の視軸が、見る人の目が固視する対象物体において交差することができるように、網膜障害を有する見る人の目の中心窩の外側において代替の網膜位置は選択されるべきである。
【0028】
代替の網膜位置630が決定されると、目印に基づき代替の網膜位置の所在を正確に示すために2D座標が生成される。図6において示されている一実施形態では、見る人の目の視神経乳頭610を目印として使用して、中心窩620の位置が導き出される。次に、中心窩620が座標(0,0)を有する原点であると仮定すると、代替の網膜位置630の座標を得ることができる。
【0029】
システム100は、見る人のための訓練プログラムを実行するプロセスモジュール140をさらに含んでもよい。プロセスモジュール140は、アイトラッキングモジュール110及び仮想画像表示モジュール120等のシステム100の他のモジュールに対する計算パワーセンターとして機能するためにプロセッサ及びメモリを含んでもよい。見る人に訓練プログラムを提供するために、訓練アプリケーション/ソフトウェアをプロセスモジュール140にインストールすることができる。訓練プログラムは、個人ごとにカスタマイズすることができる。加えて、システム100はポータブルであるため、見る人は、自宅で訓練を容易に実行することができる。一実施形態において、訓練セッションは約15分である。見る人が瞬きをする時間は、訓練セッションの時間にカウントされなくてもよい。人工知能(AI)モデルを使用して、瞬きが発生しているかどうかを決定することができる。赤色若しくは緑色の十字又は赤色若しくは緑色の円等、訓練に使用される仮想画像の形状、サイズ、及び色は、プログラムから選択されてもよい。訓練の開始時に、見る人の瞳孔が目の中心から外れて辺りを漂うことが多くあり得る場合は、より大きな仮想画像を訓練に使用することができる。見る人の瞳孔がより長い時間真正面を固視し得る場合は、より小さな仮想画像を訓練に使用することができる。訓練プログラムは、訓練セッション中に検出された全ての関連データを記録し、訓練レポートを生成することができる。全ての関連訓練データ及びレポートは、医師の診断のために、診療所又は病院における情報システムにリモートでアップロードされてもよい。
【0030】
システム100は、アイトラッキングモジュール110からの目の情報に基づき、見る人の瞳孔が見る人の目の中心から所定の程度、例えば0.5度以上離れているときに、見る人にフィードバックを提供するように構成されたフィードバックモジュール150をさらに含んでもよい。言い換えると、見る人の目がもはや真正面を固視しなくなり、見る人の目の視軸が見る人の前頭面に対して垂直ではなくなったとき、フィードバックモジュール150は、見る人の瞳孔が目の中心まで戻るようにガイドするための音響及び/又は視覚のフィードバックを提供することができる。視覚ガイダンスには、見る人の瞳孔が動くべき方向を示す点滅する矢印等、見る人の目の移動方向を指示する可視指標が含まれる。そのような視覚ガイダンスは、仮想画像表示モジュール120によって表示されてもよい。音響ガイダンスには、見る人の目の動きに対する方向を示す音声フィードバックが含まれており、これは、スピーカーによって行われてもよい。
【0031】
システム100は、見る人がシステム100の様々な機能を制御するのを可能にするインターフェースモジュール160をさらに含んでもよい。インターフェースモジュール160は、音声、手のジェスチャー、指/足の動きによって操作することができ、ペダル、キーボード、マウス、ノブ、スイッチ、スタイラス、ボタン、スティック、タッチスクリーン等の形であってもよい。
【0032】
図7A~7Dにおいて示されているように、ポータブルシステム100は、アイトラッキングモジュール110、仮想画像表示モジュール120、眼底視野測定モジュール130、及びプロセスモジュール140を含むライトエンジン175に加えて、ベース171、顎ホルダー172、額レスト173、及びタブレットコネクタ174を含むフレーム170をさらに含んでもよい。顎ホルダー172の高さは調整可能である。額レスト173の相対位置は、見る人に向けて又は見る人から離して調整することができる。一実施形態では、フレーム170を有するシステム100のサイズは、ほぼ高さ50~65cm、幅30cm、及び奥行き約30cmである。加えて、一実施形態では、フレーム170を有するシステム100の重量は、約3kgである。
【0033】
代替の網膜位置を有する見る人の目がポータブルシステム100によって固視のために訓練された後で、見る人は、システム200を使用して、対象物体に対応する仮想画像を、網膜障害を有する見る人の目の訓練された代替の網膜位置に投影することによって、網膜障害を有する目の視覚を改善することができる。図8において示されているように、視覚を改善するためのシステム200は、画像キャプチャモジュール210、プロセスモジュール220、及び仮想画像表示モジュール230を含む。画像キャプチャモジュール210は、複数の画像ピクセル及び対象物体205の対応する深度を受けるように構成される。一実施形態において、画像キャプチャモジュール210は、対象物体として、見る人の両方の目の真正面の視野をキャプチャする。言い換えると、画像キャプチャモジュール210の視野角は、補助システム200を装着した見る人の前頭面に対して垂直である。プロセスモジュール220は、対象物体に関連する仮想画像の情報を生成する。仮想画像表示モジュール230は、仮想画像の情報に基づき、網膜障害を有する見る人の目において仮想画像を表示する。AMD患者等、障害が黄斑、特に中心窩及びその隣接領域にある見る人に対して、仮想画像表示モジュール230は、中心窩に中心があるのではなく、見る人の目の代替の網膜位置に中心がある仮想画像を投影することができる。緑内障患者等、視界の周辺領域において網膜障害を有する見る人に対しては、仮想画像表示モジュール230は、中心窩及びその隣接領域を含む、健康な状態を保っている黄斑の中心領域に中心がある仮想画像を投影する。この状況では、図9A~9Cにおいて示されているように、光信号を受信し且つそれらに応答することができる中心領域における健康な状態を保っている網膜の部分が小さいため、仮想画像をより小さなサイズに縮めることができる。その結果、同じ視界を有する縮められた仮想画像は、サイズは小さいけれども、対象物体が画像キャプチャモジュール210によって最初に撮影されたように知覚される。図9Aは、見る人の健康な目によって知覚される視野を示している。図9Bは、緑内障を有する見る人の目によって知覚される視野を示している。図9Cは、仮想画像表示モジュール230が、網膜障害を有する見る人の目の中心窩領域に、対象物体の縮められた仮想画像を投影したときに、緑内障を有する見る人の目によって知覚される視野を示している。環境から見る人の目が受ける自然光の妨害を回避するために、システム200は、網膜障害を有する見る人の目に自然光が入るのを減らすか又は阻止することができる。その結果、網膜障害を有する見る人の目は、仮想画像表示モジュール230によって投影された仮想画像を主に又はほぼそれだけを知覚することになる。網膜障害を有する見る人の目によって知覚される仮想画像、及び、健康な状態を保っている見る人のもう一方の目によって知覚される実際の画像を、少なくとも部分的に融合して1つの画像にすることができる。見る人の両方の目の各々が網膜障害を有し、それぞれ仮想画像表示モジュール230から仮想画像を受ける場合にも両眼融合は発生し得る。
【0034】
視覚を改善するための補助システム200は、アイトラッキングモジュール240及びインターフェースモジュール250をさらに含んでもよい。訓練システム100におけるアイトラッキングモジュール110と同様に、補助システム200におけるアイトラッキングモジュール240は、見る人の片目又は両目を追跡し、見る人の目の動き、瞳孔の位置、瞳孔のサイズ、凝視角(視野角;視軸)、及び収束角度等の関連する目の情報を提供するように構成することができる。アイトラッキングモジュール240は、見る人の片目又は両目の固視に基づき対象物体を決定するためにカメラ242、244をさらに含んでもよい。インターフェースモジュール250は、見る人がシステム200の様々な機能を制御するのを可能にする。インターフェースモジュール250は、音声、手のジェスチャー、又は指の動きによって操作することができ、ペダル、キーボード、マウス、ノブ、スイッチ、スタイラス、ボタン、スティック、タッチスクリーン等の形であってもよい。
【0035】
図10において示されているように、システム200は、見る人の頭部に装着可能な支持構造体260をさらに含む。画像キャプチャモジュール210、プロセスモジュール220、仮想画像表示モジュール230(第1の光信号発生器10、第1のコンバイナ20、並びに、第2の光信号発生器30、及び第2のコンバイナ40さえも含む)は、支持構造体によって保有される。一実施形態において、システム200は、仮想現実(VR)ゴーグル及び拡張現実(AR)/複合現実(MR)の眼鏡等の頭部ウェアラブルデバイスである。この場合には、支持構造体は、眼鏡のレンズの有無にかかわらず、フレームであってもよい。レンズは、近視、遠視等を矯正するために使用される処方レンズであってもよい。加えて、アイトラッキングモジュール240、インターフェースモジュール250も、支持構造体によって保有され得る。
【0036】
画像キャプチャモジュール210は、対象物体の複数の画像ピクセル、すなわちターゲット画像を受けるために、少なくとも1つのRGBカメラ212を単に含んでもよい。別の実施形態において、画像キャプチャモジュール210は、複数の画像ピクセルの対応する深度を受けるために、少なくとも1つの深度カメラ214をさらに含んでもよい。或いは、画像キャプチャモジュール210は、複数の画像ピクセル及び対象物体の対応する深度の両方を受けるために位置決め構成要素を含んでもよい。対象物体及び環境の深度を測定するために、深度カメラ214は飛行時間カメラ(ToFカメラ)であってもよく、飛行時間カメラ(ToFカメラ)は、LiDAR等のレーザー又はLEDによって提供される人工光信号の往復時間を測定することによって、画像の各ポイントについてカメラと物体との間の距離を決定するために飛行時間技術を利用する。ToFカメラは、数センチメートルから数キロメートルに及ぶ距離を測定することができる。構造化光モジュール、超音波モジュール、又はIRモジュール等の他の装置も、対象物体及び環境の深度を検出するために使用される深度カメラとして機能することができる。
【0037】
複数の画像ピクセルに対応する深度の情報を組み込んで、対象物体及びその形状のより正確な座標を導き出すために、調整処理が実行される。複数の画像ピクセルは、対象物体の特徴点ごとに、XY座標等の2D座標を提供する。しかし、そのような2D座標は、奥行きが考慮されていないため、正確ではない。従って、図11A~11Bにおいて示されているように、画像キャプチャモジュール210は、RGB画像内の特徴点が深度マップ上の対応する特徴点に重なるように、複数の画像ピクセルを含むRGB画像と深度マップとを整列させるか又はオーバーレイすることができる。次に、各特徴点の深度が得られる。RGB画像及び深度マップは、異なる解像度及びサイズを有してもよい。従って、図11Bにおいて示されている一実施形態では、RGB画像にオーバーレイしない深度マップの周辺部分をクロップすることができる。特徴点の深度は、RBG画像からのXY座標を較正して、実際のXY座標を導き出すために使用される。例えば、特徴点は、RGB画像におけるXY座標(a、c)及び深度マップからのz座標(奥行き)を有する。実際のXY座標は、(a+b*深さ、c+d*深さ)になり、ここで、b及びdは較正パラメータであり、記号「*」は乗算を意味する。従って、画像キャプチャモジュール210は、同時にキャプチャされた複数の画像ピクセル及びそれらの対応する深度を利用して、対象物体に対する水平座標及び縦座標をそれぞれ調整する。
【0038】
プロセスモジュール220は、対象物体に関連する仮想画像の情報を生成するためにプロセッサ及びメモリを含んでもよい。加えて、プロセスモジュール220は、画像キャプチャモジュール210及び仮想画像表示モジュール230等、システム200の他のモジュールに対する計算パワーセンターとして機能することができる。仮想画像の情報を生成するために、網膜障害を有する見る人の目からの対象物体の視野角、並びに、赤、青、緑の色の明るさ及び強度だけでなく、濃淡等の他の3D関連効果を考慮することができる。
【0039】
ポータブル訓練システム100における仮想画像表示モジュール120と同様に、視覚補助システム200における仮想画像表示モジュール230は、網膜障害を有する見る人の目に仮想画像を投影するための第1の光信号発生器10及び第1のコンバイナ20を含む。仮想画像表示モジュール230は、同様に網膜障害を有し得るか又は健康な状態を保っている見る人のもう一方の目のための第2の光信号発生器30及び第2のコンバイナ40をさらに含んでもよい。第1の光信号発生器10及び第1のコンバイナ20に関する上述の説明は、第2の光信号発生器30及び第2のコンバイナ40にも適用される。ここでも、AMD患者等、障害が黄斑の中心領域、特に中心窩及びその隣接領域にある見る人に対して、第1の光信号発生器10は、プロセスモジュール220からの情報に基づき、仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる。第1のコンバイナ20は、仮想画像の複数の第1のピクセルを表示するために、第1の光信号発生器10からの複数の第1の光信号を、障害がある中心窩及びその隣接領域ではなく、見る人の目の代替の網膜位置に向け直す。緑内障患者等、視界の周辺領域において網膜障害を有する見る人に対しては、第1の光信号発生器10は、プロセスモジュール220からの情報に基づき、仮想画像に対する複数の第1の光信号を発生させる。第1のコンバイナ20は、第1の光信号発生器10からの複数の第1の光信号を、中心窩及びその隣接領域を含む、健康な状態を保っている黄斑の中心領域に向け直す。
【0040】
ここでも、仮想画像表示モジュール230は、例えば、コンバイナ20、40を調整することによって、仮想画像を形成する光信号を、異なる光経路を介して、代替の網膜位置、又は、中心窩及びその隣接領域等の好ましい感知位置に投射することができる。一般に、仮想画像を形成する光信号は、瞳孔のほぼ中心部分、瞳孔の右側部分、瞳孔の左側部分を通って投射させることができる。一実施形態では、強い環境光により瞳孔のサイズが小さくなるため、仮想画像を形成する光信号は、瞳孔のほぼ中心部分を通って投射されて、仮想画像のいずれの部分も遮られるのを回避する。
【0041】
環境からの自然光を減らすか又は遮断するために、第1のコンバイナ20及び第2のコンバイナ40の透明度を、必要に応じて自動的に又は見る人によってインターフェースモジュール250を介して前後に調整することができる。別の実施形態において、補助システム200は、環境からの自然光が見る人の片方の目又は両方の目に入るのを減らすか又は阻止するためにライトブロッカーをさらに含んでもよい。
【0042】
赤色光レーザー、緑色光レーザー、青色光レーザーに加えて、第1の光信号発生器10及び第2の光信号発生器20の光源11、21は、マイクロパルス発生器等のIR(赤外線)光レーザーをさらに含んで、約532nm、577nm、又は810nmの波長を有する低出力及び高密度の電磁波を発生させて、マッサージ機能のために見る人の網膜に照射されてもよい。一実施形態では、810nmの赤外光が発生されて、見る人の網膜上に照射される。熱ショックタンパク質(HSP)が、そのような電磁波の照射下で生成されることになる。HSPは、網膜における細胞の再活性化に寄与し得るため、加齢黄斑変性の進行を遅らせることができる。さらに、赤外線はヒトの目には見えないため、光源11、21の赤、緑、青のレーザーが見る人の網膜に投影されることになる仮想画像を生成する際に、同時に見る人の網膜に照射されてもよい。その結果、赤、緑、青の光信号で構成される仮想画像に赤外光が干渉することはない。或いは、IR光は、2つの連続した画像フレーム間に投射されてもよい。
【0043】
図3において示されているように、見る人の網膜に照射されるように使用されるIR光の強度は、網膜への損傷を回避するために監視及び制御されなければならない。IR光センサ320がその強度を測定するために、見る人の目から反射されたIR光を集めるようにレンズ310が使用される。強度が低すぎる場合は、光電子増倍管(PMT)330を使用して強度信号を増加させる。IR強度コントローラ340が、IRレーザーダイオード14の強度を調整する必要があるかどうかを決定するために使用される。調整が必要な場合、IR強度コントローラ340は、信号を第1の光信号発生器10に送信し、調整を要求する。
【0044】
別の実施形態では、網膜色素変性症(RP)を有する人々に対する光遺伝学の治療を支援するように、光信号発生器10、30の光源11、31は、光開口型イオンチャネルとして機能するチャネルロドプシンを活性化するために特定の波長を有する光を提供する光発生器をさらに含んでもよい。この臨床治療は、網膜色素変性症(RP)による失明に苦しむ患者の視覚を回復させるために設計された生活の質を高める遺伝子治療を開発しているバイオテクノロジー企業であるRetroSense Therapeuticsによって第一に開発された。網膜色素変性症(RP)は、進行性の周辺視野喪失及び夜間視力障害によって特徴付けられる遺伝性障害の一群であり、多くの場合、最終的に中心視野喪失及び失明に至る。RPは、典型的には、青少年・若年成人において診断される。
【0045】
訓練システム100又は補助システム200のいずれかにおける全ての構成要素が、必要な機能を行うために、モジュールによって排他的に使用されてもよく、又は2つ以上のモジュールによって共有されてもよい。加えて、この仕様で記載されている2つ以上のモジュールは、1つの物理モジュールによって実装されることがある。この仕様で記載されている1つのモジュールは、2つ以上の別個のモジュールによって実装されることがある。外部のサーバは、補助システム200の一部ではないが、より複雑な計算のために追加の計算能力を提供することができる。上記のこれらのモジュールの各々及び外部のサーバは、有線又は無線の様式を介して互いに通信することができる。無線の様式には、WiFi、bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、インターネット、電気通信、無線周波数(RF)等が含まれてもよい。
【0046】
上述の実施形態の説明は、当業者が特定事項を作成及び使用するのを可能にするために提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになり、本明細書において開示されている新規の原理及び特定事項を、革新的な能力を使用することなく他の実施形態に適用することができる。特許請求の範囲に記載されている発明特定事項は、本明細書において示されている実施形態に限定されることを意図したものではなく、本明細書において開示されている原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。さらなる実施形態が、開示されている特定事項の真意及び真の範囲内にあると考えられる。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内にある修正及び変形をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図9C
図10
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【国際調査報告】