(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】給電回路、駆動用チップおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20231214BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20231214BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20231214BHJP
G05F 3/24 20060101ALI20231214BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20231214BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 612E
G09G3/20 612A
H01L33/00 J
G05F3/24 A
H05B45/345
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524873
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-24
(86)【国際出願番号】 CN2021130736
(87)【国際公開番号】W WO2022127468
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011499656.4
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬英杰
【テーマコード(参考)】
3K273
5C080
5C380
5F241
5H420
【Fターム(参考)】
3K273CA02
3K273DA08
3K273FA03
3K273FA07
3K273FA14
3K273FA27
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3K273GA29
5C080AA07
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5F241BC47
5H420NA31
5H420NB03
5H420NB13
5H420NB25
5H420NB36
5H420NC02
5H420NC23
(57)【要約】
給電回路、駆動用チップおよび表示装置を提供する。給電回路は、基準電流を生成するように構成される基準電流発生回路(101)と、基準電流発生回路(101)と接続され、基準電流に基づいて、ミラー比が調整可能なミラー電流を生成するとともに、バイアス電圧およびゲート駆動電圧を出力するように構成される駆動回路(302)と、駆動回路(302)と接続され、バイアス電圧およびゲート駆動電圧を受電するとともに、ミラー電流に基づいて、ミラー比が調整可能なチャネル電流を生成するように構成されるチャネル電流出力回路(303)と、を備える。ミラー比が調整可能であるため、電流精度を高めることができ、比較的大きい出力電流が必要である場合、ミラー電流が依然として比較的小さく保たれることができ、これによって消費電力を抑えることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電流を生成するように構成される基準電流発生回路と、
前記基準電流発生回路と接続され、前記基準電流に基づいて、ミラー比が調整可能なミラー電流を生成するとともに、バイアス電圧およびゲート駆動電圧を出力するように構成される駆動回路と、
前記駆動回路と接続され、前記バイアス電圧および前記ゲート駆動電圧を受電するとともに、前記ミラー電流に基づいて、ミラー比が調整可能なチャネル電流を生成するように構成されるチャネル電流出力回路と、
を備えることを特徴とする給電回路。
【請求項2】
前記基準電流発生回路は、
反転入力端子が基準電圧の入力端子として構成される第1増幅器と、
第1端が接地され、第2端が前記第1増幅器の非反転入力端子と接続される抵抗と、
ソースが電源と接続され、ゲートがそれぞれ前記第1増幅器の出力端子と接続され、ドレインが、前記抵抗の第2端と接続されて、前記抵抗に前記基準電流を出力するように構成される複数組の第1P型電界効果トランジスタと、
前記複数組の第1P型電界効果トランジスタと接続され、各組の第1P型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される第1スイッチと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の給電回路。
【請求項3】
前記第1P型電界効果トランジスタは、4組設置されることを特徴とする請求項2に記載の給電回路。
【請求項4】
前記駆動回路は、
ソースが電源と接続され、ゲートが前記複数組の第1P型電界効果トランジスタのゲートと接続され、ドレインが、前記ミラー電流を出力するように構成される第2P型電界効果トランジスタと、
反転入力端子が、参照電圧の入力端子として構成され、出力端子が、前記ゲート駆動電圧を提供するように構成される第2増幅器と、
ゲートが前記第2増幅器の出力端子と接続され、ソースが接地され、ドレインが、前記第2P型電界効果トランジスタのドレインおよび前記第2増幅器の非反転入力端子と接続され、前記参照電圧と同じ前記バイアス電圧を提供するように構成される第1N型電界効果トランジスタと、
を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の給電回路。
【請求項5】
前記チャネル電流出力回路は、
非反転入力端子が前記第1N型電界効果トランジスタのドレインと接続される第3増幅器と、
ゲートが前記第3増幅器の出力端子と接続され、ソースが前記第3増幅器の反転入力端子と接続され、ドレインが、前記チャネル電流を出力するように構成される第3N型電界効果トランジスタと、
ドレインがそれぞれ前記第3増幅器の反転入力端子と接続され、ゲートがそれぞれ前記第2増幅器の出力端子と接続され、ソースが接地される、複数組の第2N型電界効果トランジスタと、
複数組の前記第2N型電界効果トランジスタと接続され、各組の第2N型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される第2スイッチと、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の給電回路。
【請求項6】
前記第2N型電界効果トランジスタは、4組設置される
ことを特徴とする請求項5に記載の給電回路。
【請求項7】
前記駆動回路は、
前記第2増幅器の出力端子および前記複数組の第2N型電界効果トランジスタのゲートと接続されるとともに、前記ゲート駆動電圧を大きくするように構成される駆動バッファをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の給電回路。
【請求項8】
前記駆動バッファは、直列接続される2つのインバータを含むことを特徴とする請求項7に記載の給電回路。
【請求項9】
前記第1スイッチは、複数組の前記第1P型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される複数の第1サブスイッチを含み、
第2スイッチは、複数組の前記第2N型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される複数の第2サブスイッチを含むことを特徴とする請求項5に記載の給電回路。
【請求項10】
複数の前記第1サブスイッチが複数組の前記第1P型電界効果トランジスタと一対一で対応して接続され、
複数の前記第2サブスイッチが複数組の前記第2N型電界効果トランジスタと一対一で対応して接続されることを特徴とする請求項9に記載の給電回路。
【請求項11】
前記複数組の第1P型電界効果トランジスタの個数比と前記複数組の第2N型電界効果トランジスタの個数比とが同じであることを特徴とする請求項5に記載の給電回路。
【請求項12】
前記複数組の第1P型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率と前記複数組の第2N型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率とが同じであることを特徴とする請求項11に記載の給電回路。
【請求項13】
前記第1スイッチと前記第2スイッチのスイッチ制御信号が同じであることを特徴とする請求項12に記載の給電回路。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の給電回路を備えることを特徴とする駆動用チップ。
【請求項15】
LED表示パネルと、駆動用チップとを備え、
前記LED表示パネルがカソードコモン構造またはアノードコモン構造であり、
前記駆動用チップは、前記LED表示パネルと接続され、請求項1~13のいずれか1項に記載の給電回路を備え、前記チャネル電流出力回路が複数あり、
前記LED表示パネルがカソードコモン構造である場合、複数の前記チャネル電流出力回路がそれぞれ前記LED表示パネルの複数の発光ダイオードのアノードと接続され、
前記LED表示パネルがアノードコモン構造である場合、複数の前記チャネル電流出力回路がそれぞれ前記LED表示パネルの複数の発光ダイオードのカソードと接続される
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、集積回路の技術分野に属し、特に、給電回路、駆動用チップおよび表示装置に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本出願は、2020年12月17日に中国専利局に提出された、出願番号が2020114996564であり、名称が「給電回路および表示装置」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本出願に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)表示駆動用チップの多くは、
図1に示す構造を定電流源発生回路とする。定電流源発生回路は、3つの部分を含み、第1部分が基準電流発生回路101であり、第2部分がカレントミラー回路102であり、第3部分が電流出力回路103である。該定電流源発生回路の具体的な仕事原理として、まず基準電流発生回路101により内部既定基準電圧Vrefと外部抵抗Rextとに基づいて基準電流I
0を生成し、そして、カレントミラー回路102(MOS金属酸化物半導体デバイスの個数比がM:Nである)により電流をミラーリングして電流I
1を得、そして、電流出力回路103(MOSデバイスの個数比がJ:Kである)により、定電流源電流Ioutを生成し、その出力を駆動する。第2部分、第3部分は、LEDのアノードコモン構造に適応するとともに、マルチチャネル駆動能力の要求を満たすためのものである。
【0004】
出力する定電流源電流Ioutが比較的大きい場合、K:Jの比の値が一定であるため、電流I1を大きくしなければならず、チップの消費電力が大きくなってしまう。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、給電回路、駆動用チップおよび表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
本出願の実施例は、給電回路を提供する。前記給電回路は、基準電流を生成するように構成される基準電流発生回路と、前記基準電流発生回路と接続され、前記基準電流に基づいて、ミラー比が調整可能なミラー電流を生成するとともに、バイアス電圧およびゲート駆動電圧を出力するように構成される駆動回路と、前記駆動回路と接続され、前記バイアス電圧およびゲート駆動電圧を受電するとともに、前記ミラー電流に基づいて、ミラー比が調整可能なチャネル電流を生成するように構成されるチャネル電流出力回路と、を備える。
【0007】
任意で、前記基準電流発生回路は、反転入力端子が基準電圧の入力端子として構成される第1増幅器と、第1端が接地され、第2端が前記第1増幅器の非反転入力端子と接続される抵抗と、ソースが電源と接続され、ゲートがそれぞれ前記第1増幅器の出力端子と接続され、ドレインが、前記抵抗の第2端と接続されて、前記抵抗に前記基準電流を出力するように構成される複数組の第1P型電界効果トランジスタと、前記複数組の第1P型電界効果トランジスタと接続され、各組の第1P型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される第1スイッチと、を備える。
【0008】
任意で、前記第1P型電界効果トランジスタは、4組設置される。
【0009】
任意で、前記駆動回路は、ソースが電源と接続され、ゲートが前記複数組の第1P型電界効果トランジスタのゲートと接続され、ドレインが、前記ミラー電流を出力するように構成される第2P型電界効果トランジスタと、反転入力端子が、参照電圧の入力端子として構成され、出力端子が、前記ゲート駆動電圧を提供するように構成される第2増幅器と、ゲートが前記第2増幅器の出力端子と接続され、ソースが接地され、ドレインが、前記第2P型電界効果トランジスタのドレインおよび前記第2増幅器の非反転入力端子と接続され、前記参照電圧と同じ前記バイアス電圧を提供するように構成される第1N型電界効果トランジスタと、を備える。
【0010】
任意で、前記チャネル電流出力回路は、非反転入力端子が前記第1N型電界効果トランジスタのドレインと接続される第3増幅器と、ゲートが前記第3増幅器の出力端子と接続され、ソースが前記第3増幅器の反転入力端子と接続され、ドレインが、前記チャネル電流を出力するように構成される第3N型電界効果トランジスタと、ドレインがそれぞれ前記第3増幅器の反転入力端子と接続され、ゲートがそれぞれ前記第2増幅器の出力端子と接続され、ソースが接地される、複数組の第2N型電界効果トランジスタと、複数組の前記第2N型電界効果トランジスタと接続され、各組の第2N型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される第2スイッチと、を備える。
【0011】
任意で、前記第2N型電界効果トランジスタは、4組設置される。
【0012】
任意で、前記駆動回路は、前記第2増幅器の出力端子および前記複数組の第2N型電界効果トランジスタのゲートと接続されるとともに、前記ゲート駆動電圧を大きくするように構成される駆動バッファをさらに備える。
【0013】
任意で、前記駆動バッファは、直列接続される2つのインバータを含む。
【0014】
任意で、前記第1スイッチは、複数組の前記第1P型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される複数の第1サブスイッチを含み、第2スイッチは、複数組の前記第2N型電界効果トランジスタのオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される複数の第2サブスイッチを含む。
【0015】
任意で、複数の前記第1サブスイッチが複数組の前記第1P型電界効果トランジスタと一対一で対応して接続され、複数の前記第2サブスイッチが複数組の前記第2N型電界効果トランジスタと一対一で対応して接続される。
【0016】
任意で、前記複数組の第1P型電界効果トランジスタの個数比と前記複数組の第2N型電界効果トランジスタの個数比とが同じである。
【0017】
任意で、前記複数組の第1P型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率と前記複数組の第2N型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率とが同じである。
【0018】
任意で、前記第1スイッチと前記第2スイッチのスイッチ制御信号が同じである。
【0019】
本出願の実施例は、上記の給電回路を備える駆動用チップをさらに提供する。
【0020】
本出願の実施例は、表示装置をさらに提供する。前記表示装置は、LED表示パネルと、駆動用チップとを備え、前記LED表示パネルがカソードコモン構造またはアノードコモン構造であり、前記駆動用チップは、前記LED表示パネルと接続され、上記の給電回路を備え、前記チャネル電流出力回路が複数あり、前記LED表示パネルがカソードコモン構造である場合、前記複数のチャネル電流出力回路がそれぞれ前記LED表示パネルの複数の発光ダイオードのアノードと接続され、
前記LED表示パネルがアノードコモン構造である場合、前記複数のチャネル電流出力回路がそれぞれ前記LED表示パネルの複数の発光ダイオードのカソードと接続される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願の実施例における技術案をより明瞭に説明するため、以下、本出願の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。
【
図1】背景技術における給電回路の模式的構成図である。
【
図2】本出願の実施例によるカレントミラーリングの原理を示す模式図である。
【
図3】本出願の実施例による給電回路の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本出願の実施例に用いられる図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を説明する。
【0023】
同様な符号は、図面において同様なものを示すので、1つの図面で定義された場合、その他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。また、本出願の説明において、「第1」、「第2」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示または暗示するものではない。
【0024】
図2は、本出願の実施例によるカレントミラーリングの原理を示す模式図である。
図2に示すように、N型電界効果トランジスタ(NMOS)NM0とN型電界効果トランジスタNM1とが同じゲート電圧Vg1を有する。N型電界効果トランジスタNM2のゲート電圧をVg2にし、N型電界効果トランジスタNM0、N型電界効果トランジスタNM1、N型電界効果トランジスタNM2のドレイン電圧をそれぞれVd0、Vd1、Vd2にする場合、もしN型電界効果トランジスタNM1のゲート電圧Vg1がN型電界効果トランジスタNM2のゲート電圧Vg2に等しく、かつN型電界効果トランジスタNM1のドレイン電圧Vd1がN型電界効果トランジスタNM2のドレイン電圧Vd2に等しいようになれば、N型電界効果トランジスタNM1およびN型電界効果トランジスタNM2の2つのデバイスが同じバイアス条件になる。したがって、N型電界効果トランジスタNM1が属する分岐回路の電流I1がN型電界効果トランジスタNM2が属する分岐回路の電流I2に等しく、つまり、電流I2が電流I1をミラーリングしたものとである。
【0025】
図3は、本出願の実施例による給電回路の模式図である。
図3に示すように、該給電回路は、基準電流発生回路301と、駆動回路302と、チャネル電流出力回路303とを含む。
【0026】
基準電流発生回路301は、基準電流I0を生成するように構成される。任意で、前記基準電流発生回路301は、第1増幅器OP0と、抵抗REXTと、複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0と、第1スイッチK0とを備える。
【0027】
第1、第2は、主に区別して説明するためのものである。第1増幅器OP0は、反転入力端子が、基準電圧VREFの入力端子として構成され、出力端子が、複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0のゲートと接続され、ゲート電圧VGATEPを提供するように構成され、非反転入力端子が抵抗REXTの第2端と接続される。抵抗REXTは、第1端が接地され、第2端が第1増幅器OP0の非反転入力端子および複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0のドレインと接続される。複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0は、ソースが電源と接続され、ゲートがそれぞれ第1増幅器OP0の出力端子と接続され、ドレインが、抵抗REXTの第2端と接続されて、抵抗REXTに基準電流I0を出力するように構成される。
【0028】
基準電圧VREFは、チップ内部のバンドギャップ基準電圧源により生成されることができ、第1増幅器OP0と複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0と外部抵抗REXTとにより負帰還構造を構成し、これによって基準電流I0を得る。
【0029】
【数1】
式において、I0が基準電流を表し、Vrefが基準電圧を表し、Rextが抵抗を表す。
【0030】
第1スイッチK0は、複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0と接続され、各組の第1P型電界効果トランジスタPM0のオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される。
【0031】
図3に示すように、複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0は、4組(PM0:1、PM0:2、PM0:3、PM0:4)であり、例えば、4組の第1P型電界効果トランジスタPM0の個数比がM:M:2M:4Mであり、各組の第1P型電界効果トランジスタPM0は、ゲートが第1増幅器OP0の出力端子と接続され、ソースが電源と接続され、ドレインが抵抗REXTの、第1増幅器OP0と接続する第1端と接続される。なお、上記は、実施例にすぎず、限定するものではなく、実際の応用において、第1P型電界効果トランジスタPM0の組の数がニーズに応じて柔軟に設定することができる。
【0032】
第1スイッチK0は、複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0と一対一で対応して接続されるとともに、各組の第1P型電界効果トランジスタPM0のオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される複数の第1サブスイッチ(K0:1、K0:2、K0:3、K0:4)を含む。各第1サブスイッチは、オンおよびオフの2種の状態を有し、つまり、ハイレベルに接続されるとオンになり、ローレベルに接続されるとオフになる。
【0033】
図3に示すように、K0:1は、第1組の第1P型電界効果トランジスタPM0:1のオンオフを制御するように構成され、K0:2は、第2組の第1P型電界効果トランジスタPM0:2のオンオフを制御するように構成され、K0:3は、第3組の第1P型電界効果トランジスタPM0:3のオンオフを制御するように構成され、K0:4は、第4組の第1P型電界効果トランジスタPM0:4のオンオフを制御するように構成される。必要に応じて、K0:1、K0:2、K0:3、K0:4のオンをそれぞれ独立して制御することができ、これによってオンになる第1P型電界効果トランジスタPM0の個数を制御することができる。
【0034】
駆動回路302は、前記基準電流発生回路301と接続され、前記基準電流I0に基づいて、ミラー比が調整可能なミラー電流I1を生成するとともに、バイアス電圧およびゲート駆動電圧を出力するように構成される。
【0035】
任意で、
図3に示すように、駆動回路302は、第2P型電界効果トランジスタPM1と、第2増幅器OP1と、第1N型電界効果トランジスタNM0とを備える。
【0036】
第2P型電界効果トランジスタPM1は、ゲートが前記複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0のゲートと接続され、ソースが電源と接続され、ドレインが、ミラー電流I1を出力するように構成される。第2P型電界効果トランジスタPM1と複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0とによりカウントミラーを構成し、同じ電圧バイアスでMOSデバイスの電流がデバイスの寸法に正比例し、同じ寸法のMOSデバイスを採用すれば、電流比がMOSデバイスの個数によって決められ、したがって、MOSデバイスの個数を調整することにより、所望の電流比を得ることができる。したがって、第1スイッチK0を制御することにより、オンになる第1P型電界効果トランジスタPM0の個数を調整することができ、これによってミラー電流I1の大きさを制御することができる。
【0037】
図3に示すように、4組の第1P型電界効果トランジスタPM0は、個数比がM:M:2M:4Mであり得、それぞれスイッチK0:1、K0:2、K0:3、K0:4により制御される。上記のスイッチを制御することにより、オンになる第1P型電界効果トランジスタPM0の個数をR1×M(R1が1、2、3、4、5、6、7、8であり得る)とする場合、第2P型電界効果トランジスタPM1と第1N型電界効果トランジスタNM0との電流分岐回路において、カレントミラーリングに従って、分岐回路電流I1=N/(R1×M)×I0であり、ただし、I1が出力するミラー電流を表し、Nが第2P型電界効果トランジスタPM1の個数を表す。第1P型電界効果トランジスタPM0、第2P型電界効果トランジスタPM1のカレントミラーリングにより、精確に整合するミラー電流I1を得ることができる。
【0038】
第2増幅器OP1は、反転入力端子が、参照電圧VCRESの入力端子として構成され、出力端子が、ゲート駆動電圧VGATEを提供するように構成され、非反転入力端子が、第1N型電界効果トランジスタNM0のドレインと接続される。
【0039】
第1N型電界効果トランジスタNM0は、ゲートが前記第2増幅器OP1の出力端子と接続され、ソースが接地され、ドレインが、第2P型電界効果トランジスタPM1のドレインおよび第2増幅器OP1の非反転入力端子と接続され、前記参照電圧VCRESと同じバイアス電圧を提供するように構成される。
【0040】
図3に示すように、第2P型電界効果トランジスタPM1と、第1N型電界効果トランジスタNM0と、第2増幅器OP1とにより構成される負帰還ループにより、第1N型電界効果トランジスタNM0のドレイン電圧(すなわちバイアス電圧)を設定することができる。負帰還システムが定常状態である場合、第2増幅器OP1の2つの入力端子の電圧が同じである(わずかな差しかなく、これがループのオープンループゲインによって決められる)ため、第1N型電界効果トランジスタNM0のドレイン電圧が第2増幅器OP1の反転入力電圧VCRESに等しく、すなわち、バイアス電圧が、入力される参照電圧に等しい。
【0041】
チャネル電流出力回路303は、前記駆動回路302と接続され、前記バイアス電圧およびゲート駆動電圧を受電するとともに、前記ミラー電流I0に基づいて、ミラー比が調整可能なチャネル電流Ioutを生成するように構成される。
【0042】
図3に示すように、チャネル電流出力回路は、第3増幅器DRIVER_OPと、第3N型電界効果トランジスタNM2と、複数組の第2N型電界効果トランジスタNM1と、第2スイッチK1とを備える。
【0043】
第3増幅器DRIVER_OPの非反転入力端子が第1N型電界効果トランジスタNM0のドレインと接続されるため、第3増幅器DRIVER_OPの非反転入力端子により入力される電圧が参照電圧VCRESに等しい。第3N型電界効果トランジスタNM2は、ゲートが前記第3増幅器DRIVER_OPの出力端子と接続され、ソースが複数組の第2N型電界効果トランジスタNM1のドレインおよび前記第3増幅器DRIVER_OPの反転入力端子と接続され、ドレインが、前記チャネル電流を出力するように構成される。
【0044】
負帰還システムが定常状態である場合、増幅器の2つの入力端子の電圧が同じであるため、第3増幅器DRIVER_OPの反転入力端子により入力される電圧も参照電圧VCRESに等しく、したがって、複数組の第2N型電界効果トランジスタNM1にバイアス電圧を提供する場合、このバイアス電圧も参照電圧VCRESに等しい。
【0045】
複数組の第2N型電界効果トランジスタNM1は、ドレインがそれぞれ前記第3増幅器DRIVER_OPの反転入力端子と接続され、ゲートがそれぞれ前記第2増幅器OP1の出力端子と接続され、ソースが接地される。
【0046】
第2スイッチK1は、複数組の前記第2N型電界効果トランジスタNM1と接続され、各組の第2N型電界効果トランジスタNM1のオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される。
【0047】
任意で、
図3に示すように、第2N型電界効果トランジスタNM1は、4組(NM1:1、NM1:2、NM1:3、NM1:4)であり得、4組のmosトランジスタの個数比がK:K:2K:4Kである。各組の第2N型電界効果トランジスタNM1は、第3増幅器DRIVER_OPの反転入力端子および第3N型電界効果トランジスタNM2のソースと接続されて、各組のN型電界効果トランジスタNM1に同じバイアス電圧を提供する。なお、上記は、実施例にすぎず、限定するものではなく、実際の応用において、第2N型電界効果トランジスタNM1の組の数がニーズに応じて設定することができる。
【0048】
第2スイッチK1は、複数組の前記第2N型電界効果トランジスタNM1と一対一で対応して接続されるとともに、各組の第2N型電界効果トランジスタNM1のオンオフをそれぞれ独立して制御するように構成される複数の第2サブスイッチ(K1:1、K1:2、K1:3、K1:4)を含む。各第2サブスイッチは、2種の状態を有し、つまり、ハイレベルに接続されるとオンになり、ローレベルに接続されるとオフになる。
【0049】
図3に示すように、K1:1は、第1組の第2N型電界効果トランジスタNM1:1のオンオフを制御するように構成され、K1:2は、第2組の第2N型電界効果トランジスタNM1:2のオンオフを制御するように構成され、K1:3は、第3組の第2N型電界効果トランジスタNM1:3のオンオフを制御するように構成され、K1:4は、第4組の第2N型電界効果トランジスタNM1:4のオンオフを制御するように構成される。
【0050】
複数組の第2N型電界効果トランジスタNM1は、個数比がK:K:2K:4Kであり得る。上記の第2スイッチK1を制御することにより、オンになる第2N型電界効果トランジスタNM1の個数をR2×K(R2が1、2、3、4、5、6、7、8であり得る)とする場合、第1N型電界効果トランジスタNM0の個数をJとすると、第2N型電界効果トランジスタNM1のゲート電圧がVGATEに等しく、ドレイン電圧がVCRESに等しいため、第2N型電界効果トランジスタNM1と第3N型電界効果トランジスタNM2との電流分岐回路において、カレントミラーリングに従って、精確な出力電流を得ることができ、分岐回路電流Iout=R2×K/J×I1であり、Ioutがチャネル電流を表す。したがって、第2スイッチK1を制御することにより、オンになる第2N型電界効果トランジスタNM1の個数R2×Kを調整することができ、これによって出力電流Ioutの大きさを制御することができる。
【0051】
任意で、
図3に示すように、駆動回路302は、前記第2増幅器OP1の出力端子および前記複数組の第2N型電界効果トランジスタNM1のゲートと接続されるとともに、前記ゲート駆動電圧を大きくし、後段駆動能力を高めるように構成される駆動バッファBufferをさらに備える。Bufferは、デバイス寸法が段階的に大きいいくつかのインバータまたはそれに類似する構成の回路であり得、例えば、直列接続される2つのインバータである。
【0052】
任意で、複数組の第1P型電界効果トランジスタの個数比と前記複数組の第2N型電界効果トランジスタの個数比とが同じである。例えば、複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0の個数比がM:M:2M:4Mであり、複数組の第2N型電界効果トランジスタNN1の個数比がK:K:2K:4Kである場合、個数比が同じであるとみなされる。
【0053】
任意で、上記の前記複数組の第1P型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率と前記複数組の第2N型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率とが同じである。
【0054】
つまり、上記のR1とR2とが等しい。オンになる第1P型電界効果トランジスタPM0の個数は、第1スイッチK0により制御することができる。オンになる第1P型電界効果トランジスタPM0の個数が、M、2M、3M、4M、5M、6M、7M、8Mであり得る。オンになる第2N型電界効果トランジスタNN1の個数は、第2スイッチK1により制御することができる。オンになる第2N型電界効果トランジスタNN1の個数が、K、2K、3K、4K、5K、6K、7K、8Kである。したがって、オンになる第1P型電界効果トランジスタPM0の個数がMである場合、オンになる第2N型電界効果トランジスタNN1の個数がKであり、オンになる第1P型電界効果トランジスタPM0の個数が2Mである場合、オンになる第2N型電界効果トランジスタNN1の個数が2Kであり、このようにする場合、オンになるものの個数の調整比率が同じであるとみなされる。
【0055】
任意で、前記第1スイッチと第2スイッチのスイッチ制御信号が同じであり、これによって複数組の第1P型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率と複数組の第2N型電界効果トランジスタのうちオンになるものの個数の調整比率とを同じにすることができ、すなわち、R1とR2とが等しいように制御する。スイッチ制御信号は、第1スイッチK0および第2スイッチK1を制御するものであり、スイッチ制御信号が同じである場合、すなわち、K0:1とK1:1の制御信号が同じであり、K0:2とK1:2の制御信号が同じであり、K0:3とK1:3の制御信号が同じであり、K0:4とK1:4の制御信号が同じであり、これによって、複数組の第1P型電界効果トランジスタPM0の個数比と複数組の第2N型電界効果トランジスタNN1の個数比とが同じである場合、オンになるものの個数の調整比率を同じにすることができ、すなわち、R1=R2であり、これによって、2回のカレントミラーチングにより、
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
つまり、R1およびR2は、いずれもRで表すことができ、相殺することができる。抵抗REXTの2回のミラーリングの比率を調整することにより、精確な出力電流Ioutを得ることができる。
【0061】
任意で、出力電流が比較的小さいとき、K0:1およびK1:1だけをオンにし、このときに定電流源の精度が最適で、NM1:1の能力を超えるほど出力電流Ioutが増大するときにK0:2、K1:2をオンにし、このようにして、設定する出力電流Ioutの増大に従って、順にスイッチK0:1~4およびK1:1~4をオンにし、すなわち、電流が比較的小さいときにNMOSデバイスを比較的少なくオンにし、このようにしてチップの電流精度を高めることができる。NMOSデバイスを線形領域に保つために、VGATE電圧をモニタリングする方式で判断することができ、VGATEが高すぎたり低すぎたりすると、次の段のスイッチをオンにしまたは現在のスイッチをオフにする。任意で、コンパレータと論理回路とを設置することにより、VGATE電圧が高すぎまたは低すぎになるか否かを自動的に判断して、相応のスイッチ制御信号を出力して第1スイッチK0および第2スイッチK1を制御する。これによって、比較的大きい電流範囲でのカウントミラーの精度を保証するとともに、チップの消費電力を抑えることができる。下記の表においてスイッチのそれぞれのオン状態でのR値が示される。
【0062】
【表1】
このとき、下記の式に従ってチップの静止電流を算出する。
【0063】
Idis=Idis_ana+I0+I1+L×ICH
ただし、Idisがチップ全体の静止電流を表し、Idis_anaが他のアナログモジュールの静止電流を表し、I0、I1がそれぞれ給電回路における2つの分岐回路の電流を表し、Lが定電流出力チャネルの数を表し、ICHが定電流源チャネルにおけるアナログ回路の静止電流を表す。一般的に、N/M>1かつK/J>1を満たす。したがって、チップの静止電流のうち変化が比較的大きいのはI1である。
【0064】
本出願の実施例による回路は、
【0065】
【数6】
を満たし、出力する定電流源電流Ioutが増大すると、Rがそれに従って増加し、I1が減少し、したがって、本出願の実施例による回路構造はチップの消費電力を効果的に削減できることがわかる。
【0066】
本出願の実施例による給電回路は、駆動用チップに適用することができ、該駆動用チップがLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)表示パネルの駆動用チップであり得る。本出願の実施例は、表示装置をさらに提供し、該表示装置がLED表示パネルと駆動用チップとを備え、前記LED表示パネルがカソードコモン構造またはアノードコモン構造である。駆動用チップは、前記LED表示パネルと接続され、駆動用チップが本出願の実施例による給電回路を備える。前記チャネル電流出力回路が複数ある。アノードコモンとは、同じ行にある複数の発光ダイオードのアノードが共通して接続され(例えば、+5Vに接続する)、複数のチャネル電流出力回路の出力端子IOUTがそれぞれ複数の発光ダイオードのカソードと接続され、カソードのレベルの異なることによって、異なる輝度を制御する。カソードコモン構造とは、同じ行にある複数の発光ダイオードのカソードが共通して接続され(例えば、接地される)、複数のチャネル電流出力回路の出力端子IOUTがそれぞれ複数の発光ダイオードのアノードと接続され、アノードレベルの異なることによって、異なる輝度を制御する。
【0067】
本出願の各実施例における各機能モジュールは、集積して1つの独立部分として形成してもよく、各モジュールがそれぞれ単独に存在してもよく、2つ以上のモジュールにより集積して1つの独立部分として形成してもよい。本明細書で言及される接続について、直接接続してもよく、間接的に接続してもよい。
【0068】
産業上の利用可能性
本出願に係る技術案によれば、ミラー比が調整可能であるため、電流精度を高めることができ、比較的大きいチャネル電流が必要である場合、ミラー電流が依然として比較的小さく保たれることができ、これによって消費電力を抑えることができる。
【符号の説明】
【0069】
101 基準電流発生回路
102 カレントミラー回路
103 電流出力回路
301 基準電流発生回路
302 駆動回路
303 チャネル電流出力回路。
【国際調査報告】