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特表2023-553270無線通信システムにおける電力増幅器及びそれを含む電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける電力増幅器及びそれを含む電子装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20231214BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20231214BHJP
   H03F 3/45 20060101ALI20231214BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H03F1/02 188
H03F3/24
H03F3/45
H03F3/68 220
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529107
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 KR2021019099
(87)【国際公開番号】W WO2022131796
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0175792
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンチュル・パク
(72)【発明者】
【氏名】ソクヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ビュンジョン・パク
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA04
5J500AA21
5J500AA41
5J500AC62
5J500AC75
5J500AC92
5J500AF14
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH35
5J500AK02
5J500AK29
5J500AS14
5J500CK03
5J500CK06
(57)【要約】
本開示は、LTE(Long Term Evolution)などの4G(4th Generation)通信システム以後のより高いデータ送信率をサポートするための5G(5th generation)又はpre-5G通信システムに関する。無線通信システムにおいて、ドハティ(doherty)電力増幅器(power amplifier)は、差動(differential)キャリア増幅器、差動ピーク増幅器、及び出力整合回路を含み、上記出力整合回路は、1次チューニングキャパシタ、変圧器、及び2次チューニングキャパシタを含み、上記差動キャリア増幅器は、上記差動キャリア増幅器の出力端のキャリアキャパシタ及びインダクタを介して上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記差動ピーク増幅器は上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記1次チューニングキャパシタ、上記インダクタ、及び上記キャリアキャパシタは、1/4波長変換器(quarter-wave transformer)として機能するように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるドハティ(doherty)電力増幅器(power amplifier)であって、
差動(differential)キャリア増幅器、
差動ピーク増幅器、及び
出力整合回路を含み、
前記出力整合回路は、1次チューニングキャパシタ、変圧器、及び2次チューニングキャパシタを含み、
前記差動キャリア増幅器は、前記差動キャリア増幅器の出力端のキャリアキャパシタ及びインダクタを介して前記1次チューニングキャパシタと接続され、
前記差動ピーク増幅器は前記1次チューニングキャパシタと接続され、
前記1次チューニングキャパシタ、前記インダクタ、及び前記キャリアキャパシタは、1/4波長変換器(quarter-wave transformer)として機能するように構成される、ドハティ電力増幅器。
【請求項2】
前記差動キャリア増幅器は、(+)端のための第1増幅器及び(-)端のための第2増幅器を含み、
前記差動ピーク増幅器は、(+)端のための第3増幅器及び(-)端のための第4増幅器を含む、請求項1に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項3】
前記キャリアキャパシタは、前記第1増幅器の出力端と前記第2増幅器の出力端に並列に接続され、
前記1次チューニングキャパシタは、前記第3増幅器の出力端と前記第4増幅器の出力端に並列に接続される、請求項2に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項4】
前記インダクタは、前記キャリアキャパシタ及び前記1次チューニングキャパシタの間で直列に配置される、請求項3に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項5】
前記第1増幅器及び前記インダクタのうち前記第1増幅器に接続される第1インダクタは、前記ドハティ電力増幅器の第1領域に配置され、
前記第2増幅器及び前記インダクタのうち前記第2増幅器に接続される第2インダクタは、前記第1領域と異なる、前記ドハティ電力増幅器の第2領域に配置され、
前記第1領域と前記第2領域の間に前記出力整合回路が配置される、請求項2に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項6】
前記差動ピーク増幅器は、前記第1領域と前記第2領域の間に配置される、請求項5に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項7】
前記差動ピーク増幅器の前記第3増幅器は前記第1領域に配置され、前記第4増幅器は前記第2領域に配置される、請求項5に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項8】
前記第1領域と前記第2領域の間に配置されるグラウンド(ground)回路をさらに含む、請求項2に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項9】
前記1次チューニングキャパシタは、前記差動ピーク増幅器のハーモニック(harmonic)除去のための出力キャパシタとして機能するように構成される、請求項1に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項10】
前記出力整合回路は、前記差動キャリア増幅器の出力と前記差動ピーク増幅器の出力を結合し、前記結合された出力を整合するように構成される、請求項1に記載のドハティ電力増幅器。
【請求項11】
無線通信システムにおけるRFIC(radio frequency integrated circuit)であって、
複数のRF(radio frequency)処理チェーンを含み、
前記複数のRF処理チェーンの各々は、位相変換器(phase shifter)及びドハティ電力増幅器を含み、
前記ドハティ電力増幅器は、差動(differential)キャリア増幅器、差動ピーク増幅器、及び出力整合回路を含み、
前記出力整合回路は、1次チューニングキャパシタ、変圧器、及び2次チューニングキャパシタを含み、
前記差動キャリア増幅器は、前記差動キャリア増幅器の出力端のキャリアキャパシタ及びインダクタを介して前記1次チューニングキャパシタと接続され、
前記差動ピーク増幅器は前記1次チューニングキャパシタと接続される、RFIC。
【請求項12】
前記差動キャリア増幅器は、(+)端のための第1増幅器及び(-)端のための第2増幅器を含み、
前記差動ピーク増幅器は、(+)端のための第3増幅器及び(-)端のための第4増幅器を含む、請求項11に記載のRFIC。
【請求項13】
前記キャリアキャパシタは、前記第1増幅器の出力端と前記第2増幅器の出力端に並列に接続され、
前記1次チューニングキャパシタは、前記第3増幅器の出力端と前記第4増幅器の出力端に並列に接続される、請求項12に記載のRFIC。
【請求項14】
前記インダクタは、前記キャリアキャパシタ及び前記1次チューニングキャパシタの間で直列に配置される、請求項13に記載のRFIC。
【請求項15】
前記1次チューニングキャパシタ、前記インダクタ、及び前記キャリアキャパシタは、1/4波長変換器(quarter-wave transformer)として機能するように構成され、
前記1次チューニングキャパシタは、前記差動ピーク増幅器のハーモニック(harmonic)除去のための出力キャパシタとして機能するように構成される、請求項11に記載のRFIC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(disclosure)は、一般に無線通信システムに関し、より具体的には、無線通信システムにおける電力増幅器(power amplifier)及びそれを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
4G(4th generation)通信システムの商用化以降、増加の趨勢にある無線データトラフィックの需要を満たすために、改善された5G(5th generation)通信システム又はpre-5G通信システムを開発するための努力が注がれている。このような理由で、5G通信システム又はpre-5G通信システムは、4Gネットワーク以後の(Beyond 4G Network)通信システム又はLTE(Long Term Evolution)システム以後の(Post LTE)システムと呼ばれている。
【0003】
高いデータ伝送率を達成するために、5G通信システムは超高周波(mmWave)帯域(例えば、28ギガ(28GHz)、60ギガ(60GHz)帯域など)での実装が考慮されている。超高周波帯域での電波の経路損失を緩和し電波の送信距離を増大させるために、5G通信システムでは、ビームフォーミング(beamforming)、マッシブMIMO(massive MIMO)、全次元MIMO(Full Dimensional MIMO、FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング(analog beam-forming)及び大規模アンテナ(large scale antenna)技術が議論されている。
【0004】
また、システムネットワークの改善のために、5G通信システムでは、進化した小型セル、改善した小型セル(advanced small cell)、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network、cloud RAN)、超高密度ネットワーク(ultra-dense network)、端末間通信(Device to Device communication、D2D)、無線バックホール(wireless backhaul)、移動ネットワーク(moving network)、協調通信(cooperative communication)、CoMP(Coordinated Multi-Points)、及び受信干渉除去(interference cancellation)などの技術開発が行われている。
【0005】
その他にも、5Gシステムでは、進歩したコーディング変調(Advanced Coding Modulation、ACM)方式であるFQAM(Hybrid Frequency Shift Keying and Quadrature Amplitude Modulation)及びSWSC(Sliding Window Superposition Coding)と、進歩したアクセス技術であるFBMC(Filter Bank Multi Carrier)、NOMA(Non Orthogonal Multiple Access)、及びSCMA(Sparse Code Multiple Access)などが開発されている。
【0006】
通信性能を向上させるために多数のアンテナを装着した製品が開発されており、Massive MIMO技術を活用して次第に極めて多数のアンテナを持つ機器が使用されることが見込まれる。通信装置にアンテナエレメント(element)の数が増えることにより、それに伴うRF部品(例:電力増幅器(power amplifier、PA))の数も必然的に増加することになる。
【0007】
上記の情報は本開示の理解を助けるための背景情報にすぎず、上記の内容のうちのどれが本開示と関連して従来技術として適用され得るか否かについては、いかなる決定も主張もなされていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の態様は、少なくとも上記で言及された問題及び/又は短所を解決し、少なくとも下記に説明される利点を提供するものである。したがって、本開示の一態様は、無線通信システムで増幅器の小型化のための装置及び方法を提供するためのものである。
【0009】
また、本開示の別の態様は、無線通信システムで5G RFICの効率向上のためのドハティ(doherty)構造及びそれを含む装置を提供するためのものである。
【0010】
また、本開示の別の態様は、無線通信システムでドハティ電力増幅器のキャリア増幅器(carrier amplifier)とピーク増幅器(peaking amplifier)によって共有されるマッチング回路の構造によって、高い利得を提供するためのRFチェーン及びそれを含む装置を提供するためのものである。
【0011】
追加的な様態は次の説明で部分的に説明され、部分的には説明から明らかであり、又は提示された実施形態の実行によって学習され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の態様によれば、無線通信システムで、ドハティ(doherty)電力増幅器(power amplifier)が提供される。上記ドハティ電力増幅器は、差動(differential)キャリア増幅器、差動ピーク増幅器、及び出力整合回路を含み、上記出力整合回路は、1次チューニングキャパシタ、変圧器、及び2次チューニングキャパシタを含み、上記差動キャリア増幅器は、上記差動キャリア増幅器の出力端のキャリアキャパシタ及びインダクタを介して上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記差動ピーク増幅器は上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記1次チューニングキャパシタ、上記インダクタ、及び上記キャリアキャパシタは、1/4波長変換器(quarter-wave transformer)として機能するように構成され得る。
【0013】
本開示の別の態様によれば、RFIC(radio frequency integrated circuit)が提供される。上記RFICは複数のRF(radio frequency)処理チェーンを含み、上記複数のRF処理チェーンの各々は、位相変換器(phase shifter)及びドハティ電力増幅器を含み、上記ドハティ電力増幅器は、差動(differential)キャリア増幅器、差動ピーク増幅器、及び出力整合回路を含み、上記出力整合回路は、1次チューニングキャパシタ、変圧器、及び2次チューニングキャパシタを含み、上記差動キャリア増幅器は、上記差動キャリア増幅器の出力端のキャリアキャパシタ及びインダクタを介して上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記差動ピーク増幅器は上記1次チューニングキャパシタと接続され得る。
【発明の効果】
【0014】
本開示の実施形態による装置及び方法は、ドハティ電力増幅器でキャリア増幅器(carrier amplifier)とピーク増幅器(peaking amplifier)がマッチング回路を共有する構造によって、製品の小型化を達成するとともに増幅効率を向上させることができる。
【0015】
本開示の他の態様、利点、及び際立った特徴は添付の図面とともに行われる、本開示の様々な実施形態を開示する次の詳細な説明から当業者に明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の実施形態の上記及びその他の側面、特徴及び利点は添付の図面とともに行われる次の説明からより明らかになるであろう。
図1A】本開示の実施形態による無線通信システムを示す図である。
図1B】本開示の実施形態による電力増幅器を含むRFIC(radio frequency integrated circuit)の例を示す図である。
図2A】本開示の実施形態によるドハティ(doherty)構造によって改善しようとする電力増幅器(power amplifier)の例を示す図である。
図2B】本開示の実施形態によるドハティ(doherty)構造によって改善しようとする電力増幅器(power amplifier)の例を示す図である。
図3】本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器の例を示す図である。
図4】本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器の差動ペア(differential pair)配置の例を示す図である。
図5】本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器の差動ペア配置の別の例を示す図である。
図6】本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器を含む電子装置の機能的構成を示す図である。 図面全体にわたって同じ構成要素を示すために同じ符号が用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付された図面を参照した次の説明は請求の範囲及びその均等物によって定義される本開示の様々な実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。ここには理解を助けるための様々な特定の細部事項が含まれるが、これは単に例示的なものであるとみなされるべきである。したがって、本技術分野の通常の知識を有する者は本開示の内容及び思想から逸脱することなく、本明細書に記載された様々な実施形態の様々な変更及び修正がなされ得ることを認識するであろう。また、明瞭さと簡潔さのために、周知の機能及び構成に対する説明は省略する場合がある。
【0018】
下記の説明及び特許請求の範囲で用いられた用語は文献上の意味に限定されて用いられるものではなく、本発明に対する明確かつ一貫した理解を可能にするために発明者が用いたものにすぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。本発明の様々な実施形態に対する次の説明は、単なる例示を目的として提供され、添付の請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明を制限するためのものではないことを理解するべきである。
【0019】
単数形“a”、“an”及び“the”は文脈が明らかに異なるように指示しない限り、複数の指示対象を含むと理解されるべきである。したがって、例えば“構成要素表面”に対する言及はそのような表面のうちの1つ以上に対する言及を含む。
【0020】
以下で説明される本開示の様々な実施形態では、ハードウェア的なアプローチを例示として説明する。しかし、本開示の様々な実施形態では、ハードウェアとソフトウェアをいずれも使用する技術を含むので、本開示の様々な実施形態はソフトウェアに基づくアプローチを除外するものではない。
【0021】
以下の説明で用いられる電子装置の部品を示す用語(例:基板(substrate)、基板(plate)、PCB(print circuit board)、FPCB(flexible PCB)、モジュール、アンテナ、アンテナ素子、回路、プロセッサ、チップ、構成要素、機器)、部品の形状を示す用語(例:構造体、構造物、支持部、接触部、突出部、開口部)、構造体間の接続部を示す用語(例:接続部、接触部、支持部、コンタクト構造体、導電性部材、組立体(assembly))、回路を示す用語(例:PCB、FPCB、信号線、給電線(feeding line)、データライン(data line)、RF信号線、アンテナ線、RF経路、RFモジュール、RF回路)などは説明の便宜のために例示されたものである。したがって、本開示は後述する用語に限定されるものではなく、同等の技術的意味を持つ他の用語が用いられ得る。また、以下で用いられる「…部」、「…器」、「…物」、「…体」などの用語は少なくとも1つの形状構造を意味するか、または機能を処理する単位を意味する場合がある。
【0022】
また、本開示で、特定の条件の満足(satisfied)、充足(fulfilled)の如何を判断するために、超過又は未満という表現が用いられ得るが、これは一例を表現するための記載に過ぎず、以上又は以下という記載を排除するものでない。「以上」と記載された条件は「超過」、「以下」と記載された条件は「未満」、「以上及び未満」と記載された条件は「超過及び以下」で代替され得る。
【0023】
なお、本開示は、一部の通信規格(例:3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers))で使用される用語を用いて実施形態を説明するが、これは説明のための例示に過ぎないものである。本開示の実施形態は、他の通信システムでも、容易に変形されて適用され得る。
【0024】
以下、本開示は、無線通信システムにおける電力増幅器及びそれを含む電子装置に関する。具体的には、本開示は、無線通信システムで電力増幅器として、既存のスタックト(stacked)型の増幅器の代わりに、ドハティ電力増幅器を提案する。キャリア増幅器及びピーク増幅器が1つの出力整合回路と結合され、キャパシタ及びインダクタの配置によって、ドハティ電力増幅器の効率を上げ、製品の小型化を達成するための技術が述べられる。
【0025】
図1Aは、本開示の実施形態による無線通信システムを示す。
【0026】
図1Aを参照すると、通信システムで無線チャネルを利用するノード(node)の一部として、基地局110、端末120、端末130を例示する。図1Aは1つの基地局のみを図示するが、基地局110と同一又は類似の他の基地局がさらに含まれ得る。
【0027】
基地局110は端末120に無線接続を提供するネットワークインフラストラクチャ(infrastructure)である。基地局110は信号を送信できる距離に基づいて所定の地理的領域に定義されるカバレッジ(coverage)を持つ。基地局110は、基地局(base station)の他にも「mmWave(millimeter wave)機器」、「アクセスポイント(access point、AP)」、「イーノードビー(eNodeB、eNB)」、「5Gノード(5th generation node)」、「5Gノードビー(5G NodeB、NB)」、「無線ポイント(wireless point)」、「送受信ポイント(transmission/reception point、TRP)」、「アクセスユニット(access unit)」、「分散ユニット(distributed unit、DU)」、「送受信ポイント(transmission/reception point、TRP)」、「無線ユニット(radio unit、RU)」、「MMU(Massive MIMO(multiple input multiple output) unit)」、「リモート無線ヘッド(remote radio head、RRH)」又はそれと同等な技術的意味を持つ他の用語で称することができる。基地局110はダウンリンク信号を送信するか、またはアップリンク信号を受信することができる。
【0028】
端末120はユーザによって使用される装置であって、基地局110と無線チャネルを介して通信を行う。場合によっては、端末120はユーザの関与なしで運営され得る。すなわち、端末120はマシンタイプコミュニケーション(machine type communication、MTC)を行う装置であって、ユーザによって携帯されない場合がある。端末120は、端末(terminal)の他にも「ユーザ機器(user equipment、UE)」、「移動局(mobile station)」、「加入者局(subscriber station)」、「顧客構内設備(customer-premises equipment、CPE)」、「遠隔端末(remote terminal)」、又は「車両(vehicle)用端末」、「ユーザ装置(user device)」又はそれと同等な技術的意味を持つ他の用語で称することができる。
【0029】
図1Aに示した端末120、端末130は車両通信をサポートできる。車両通信の場合、LTEシステムでは、端末間通信(device-to-device、D2D)通信構造に基づいてV2X(vehicle-to-everything)技術に対する標準化作業が3GPP(登録商標)リリース14とリリース15で完了しており、現在、5G NR(new radio)に基づいてV2X技術を開発しようとする努力が進められている。NR V2Xでは端末と端末間のユニキャスト(unicast)通信、グループキャスト(groupcast)(又はマルチキャスト(multicast))通信、及びブロードキャスト(broadcast)通信をサポートする。
【0030】
本開示の実施形態で述べられる電力増幅器(power amplifier)はRF(radio frequency)の電力増幅のために用いられる構成要素であって、基地局での信号伝送を例に挙げて発明の動作及び構成を説明するが、本開示の実施形態はこれに限定されるものではない。本開示で提案される電力増幅器の構造及びそれを含む機器は、基地局だけでなく端末で実装されることもできる。すなわち、基地局のダウンリンク伝送だけでなく、端末のアップリンク伝送、端末のサイドリンク通信にも本開示の実施形態が用いられ得る。
【0031】
図1Bは、本開示の実施形態による電力増幅器を含むRFIC(radio frequency integrated circuit)の例を示す。
【0032】
5G通信で、mmWave帯域での効率的な通信のためにmmWave phased array RFICが開発中である。mmWave帯域での高い通信性能のために、IC内高出力(high power)、高効率(highly efficient)、高線形(highly linear)の電力増幅器(power amplifier、PA)(例:CMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)/Si(silicon)-based PA)の開発が求められる。
【0033】
図1Bを参照すると、RFIC160は複数のRFチェーン170-0、170-1、170-2、…、170-14、170-15を含むことができる。RFIC160に入力されるRF信号190は分配器(又は結合器、カプラ)165を介して各RFチェーンに分配され得る。一実施形態によれば、分配器165は受動素子又は能動素子で構成され得る。
【0034】
複数のRFチェーン170-0、170-1、170-2、…、170-14、170-15の各々は位相変換器(phase shifter)を含むことができる。位相変換器は、各アンテナエレメントに伝達される信号を位相変換させることができる。RFICは、放射素子ごとに独立した位相(phase)が設定される位相アレイ(phased array)アンテナのための構成要素を含むことができる。位相変換された信号は電力増幅器に伝達され得る。
【0035】
複数のRFチェーン170-0、170-1、170-2、…、170-14、170-15の各々は電力増幅器を含むことができる。無線通信システムで基地局又は端末の送信信号は無線チャネルを介して伝達されるため、大きな減衰が生じる。そのために、基地局又は端末の送信機は送信信号の増幅のための増幅器を含むように構成され得る。エアー(air)で伝達される信号の増幅のために、複数のRFチェーンの各々に電力増幅器が配置され得る。電力増幅器は印加される信号を増幅してアンテナに伝達できる。図1Bでは示していないが、電力増幅器を通過した信号はフィルタ及び伝送線路を経てアンテナ(例:アレイアンテナのアンテナエレメント)に伝達される。
【0036】
図1Bでは、本開示の実施形態を通して提案しようとするRFICの例示的な構造が述べられた。RFICの内部には図3乃至図5を通して後述されるドハティ電力増幅器が配置され得る。また、RFICの各RFチェーンに図3乃至図5を通して後述されるドハティ電力増幅器が配置され得る。一方、図1Bに示したRFIC構造はRF信号入力からアンテナまでの伝達過程を説明するための一実施形態に過ぎない。すなわち、図1Bが、本開示の実施形態のうち、後述されるドハティ電力増幅器を含みながら図1Bと異なる構造を有するRFICを排除すると解釈されるものではない。
【0037】
電力増幅器は位相アレイ(phased array)に必要なRFチェーンの数だけ(例えば、基地局用RFICの場合、一般に16~32個のチェーンを使用)IC内での実装が必要である。よって、電力増幅器の性能はRFICの全体性能に影響を及ぼす。高性能及び高効率のために、本開示の実施形態による電力増幅器はドハティ電力増幅器を含むことができる。すなわち、高効率電力増幅器を実装するために、RFICにドハティ構造が適用され得る。しかし、5G(例:NR(new radio)信号の広い帯域幅(bandwidth)、RFICの面積制限などの問題により、図2A及び図2Bのように一般的なドハティ構造をmmWave phased array RFICにそのまま適用することは難しい問題がある。その上、RF経路の増加によって求められる電力増幅器の個数も増加しており、電力増幅器の小型化も求められる。以下、図2A及び図2Bを通して既存のドハティ電力増幅器の問題点及び本開示の実施形態によって改善しようとする特徴が述べられる。
【0038】
図2Aは、本開示の実施形態によるドハティ構造によって改善しようとする電力増幅器(power amplifier)の例を示す。ドハティ電力増幅器はキャリア(carrier)増幅器及びピーク(peaking)増幅器を含むことができる。キャリア増幅器は主増幅器(main amplifier)、ピーク増幅器は補助増幅器(auxiliary amplifier)と称する場合もある。一般に、低出力では高効率を維持するためにキャリア増幅器が動作し、高出力では2つの増幅器、すなわち、キャリア増幅器とピーク増幅器が並行して動作するようになる。増幅器の要求特性に応じて、2つの増幅器の比(ratio)を異なるようにすることができる。この時、インピーダンス整合(impedance matching)問題と電力合成(power combining)問題が発生する場合がある。これを解消するために、ドハティ電力増幅器は出力整合回路を含むことができる。
【0039】
キャリア増幅器は、一般にAB級(動作点がA級バイアスへ移動)又はB級(トランジスタのカットオフ点に動作点)の増幅器であるが、ピーク増幅器は一般にC級(トランジスタのカットオフ点以下に動作点)増幅器であるため、多くの歪みを形成する。形成された歪みはキャリア増幅器の歪みと相殺し合うように、バイアスが調整されることによって、線形性が維持される。ドハティ電力増幅器は、キャリア増幅器とピーク増幅器を接続するための構造を含むことができる。この時、ドハティ電力増幅器は1/4波長変換器(quarter-wave transformer、λ/4 line)と接続され得る。ドハティ電力増幅器は、1/4波長変換器に基づいて、キャリア(carrier)増幅器及びピーク(peaking)増幅器を並列に接続する構造を有し得る。電力レベルが増加するに伴い、上記ピーク増幅器が負荷(load)に供給する電流の量が増加し、上記キャリア増幅器及び上記ピーク増幅器の各々の負荷インピーダンスの調節及びインピーダンスマッチングによって増幅器の効率を上げることができる。具体的には、ドハティ電力増幅器の基本動作原理は、ピーク増幅器の出力電流による負荷変調(load modulation、又はアクティブロードプル(Active Load Pull))で説明が可能である。ドハティ増幅器の動作は低い電力レベル領域と負荷変調が起こる中間電力レベル領域、及び最大電力レベル領域の3種類に区別できる。低い電力レベル領域でピーク増幅器は動作しない。ピーク増幅器は開回路(open circuit)のように見える場合がある。この時、キャリア増幅器は2Ropt(Ropt:増幅器の最適の負荷インピーダンス)で動作できる。キャリア増幅器の効率は出力電力が増加すると同時に増加し、最大出力レベルから6dBバックオフされた地点で飽和し得る。中間電力レベル領域でキャリア増幅器は飽和して最大効率で動作できる。入力電力が増加して中間電力レベルである6dBバックオフされた地点に到達するとピーク増幅器が動作できる。インピーダンス変換回路は2RoptからRoptへ負荷変調を発生させることができる。最大電力レベル領域から見ると、キャリア増幅器とピーク増幅器の負荷はRoptで動作し各々の増幅器は出力電力の半分を供給できる。
【0040】
図2A及び図2Bを参照すると、差動ドハティ電力増幅器の構造が例示される。図2A及び図2Bに図示された電力増幅器の各々は、キャリア増幅器とピーク増幅器の各々で変圧器(transformer)によって実装される出力整合回路を含み、λ/4変換器(transformer)によって出力電力を結合する構造を有する。
【0041】
一例として、第1ドハティ電力増幅器240は、第1キャリア増幅器241及び第1ピーク増幅器242を含むことができる。第1キャリア増幅器241は第1主マッチング回路251と接続され得る。第1主マッチング回路251は、インピーダンスマッチングのための第1キャパシタ(CMAT1)、変圧器、インピーダンスマッチングのための第2キャパシタ(CMAT2)を含むことができる。同様に、第1ピーク増幅器242は第1補助マッチング回路252と接続され得る。第1補助マッチング回路252は、インピーダンスマッチングのための第1キャパシタ(CMAT1)、変圧器、インピーダンスマッチングのための第2キャパシタ(CMAT2)を含むことができる。また、第1ドハティ電力増幅器240は、第1キャリア増幅器241のための1/4波長変換器253を含むことができる。1/4波長変換器253は、λ/4波長(quarter-wave)の長さを有する伝送線路(transmission line)であり得る。第1ドハティ電力増幅器240の結合構造は少なくとも2つの変圧器とλ/4波長の長さを有する伝送線路が要求されるので、増幅器設計のために大きな面積が要求される。特に、第1ピーク増幅器242が非活性化される低電力動作時、第1ピーク増幅器242の出力側に見えるインピーダンス(Zout,peaking)254は変圧器とトランジスタが有する出力キャパシタンスによって、周波数に応じて大きく変わる。このような変動性は広帯域特性で増幅器性能の劣化を招く。したがって、第1ドハティ電力増幅器240の結合構造はmmWave phased array RFICの実装が容易ではない問題がある。
【0042】
一例として、第2ドハティ電力増幅器260は、第2キャリア増幅器261及び第2ピーク増幅器262を含むことができる。第2キャリア増幅器261は第2主マッチング回路271と接続され得る。第2主マッチング回路271は、インピーダンスマッチングのための第2キャパシタ(CMAT1)、変圧器、インピーダンスマッチングのための第2キャパシタ(CMAT2+Cλ/4)を含むことができる。同様に、第2ピーク増幅器262は第2補助マッチング回路272と接続され得る。第2補助マッチング回路272は、インピーダンスマッチングのための第2キャパシタ(CMAT1)、変圧器、インピーダンスマッチングのための第2キャパシタ(CMAT2+Cλ/4)を含むことができる。また、第2ドハティ電力増幅器260は、第2キャリア増幅器261のための1/4波長変換器273を含むことができる。1/4波長変換器273は、インダクタ(inductor)又はキャパシタ(capacitor)のような少なくとも1つの集中素子を含むことができる。1/4波長変換器273は、インピーダンスマッチングのためのキャパシタ-インダクタ-キャパシタC-L-C回路を含むことができる。この時、1/4波長変換器273は、変圧器の出力キャパシタ(CMAT2)を用いることができる。1/4波長変換器273は、出力キャパシタ(CMAT2)を用いてインピーダンス変換のためのキャパシタ(Cλ/4)とインピーダンス変換のためのインダクタ(Lλ/4)を含むことができる。この時、一実施形態によれば、並列配置されるキャパシタの和のように、第2キャパシタは1つで構成され得る。しかし、この場合にも出力側に見えるインピーダンス(Zout,peaking)274が変圧器とトランジスタが有する出力キャパシタンスによって、周波数に応じて大きく変わるので、第2ドハティ電力増幅器260は広帯域に適合しない問題がある。
【0043】
このような問題を解消するために、本開示では、増幅器(例:トランジスタ(transistor)が持つ寄生出力キャパシタ(output capacitor)を利用し、1/4波長変換器でキャリア増幅器とピーク増幅器を結合した後、インピーダンスマッチングのための出力整合回路を実装するドハティ出力結合構造が提案される。1/4波長変換器でキャリア増幅器とピーク増幅器を結合した後、出力整合回路を実装することによって、要求される変圧器の個数が1つに減少する。これにより、増幅器の実装面積が減少するだけでなく変圧器による広帯域(wideband)特性の劣化が最小化される。その上、本開示の実施形態は、キャリア増幅器とピーク増幅器の間の配置方法を提案する。2つの増幅器の間の対称的な構造によって、各電力増幅器でグラウンド(ground、GND)の非対称による影響を最小化できる。また、対称的な構造によって、空間効率(efficiency)を上げることによって、線形性の高い差動増幅器の設計時に要求される2次ハーモニック除去(2nd harmonic termination)又は中和キャパシタ(neutralization capacitor)のための回路空間の確保が可能である。
【0044】
図2A及び図2Bでは、本開示の実施形態を通して提案しようとする構造のために、ドハティ電力増幅器の一般的な説明が共に述べられた。図2A及び図2Bに示したドハティ電力増幅器は特定の配置の問題を説明するための一実施形態にすぎないため、ドハティ電力増幅器の一般的な説明(例:キャリア増幅器、ピーク増幅器、バックオフ動作、Ropt)は図3乃至図5を通して後述されるドハティ電力増幅器にも同様に適用され得る。
【0045】
図2A及び図2Bを通して言及される従来の構造の問題点を解決するために、本開示の実施形態は、キャリア増幅器とピーク増幅器をそれぞれ別にマッチング(すなわち、出力整合)することではなく、1/4波長変換器によって増幅器の出力を結合した後、変圧器を用いて結合された出力を整合する方案を提案する。以下、図3乃至図5を通して、キャリア増幅器とピーク増幅器に共通する出力整合回路及び各増幅器のキャパシタを1/4波長変換器のために用いることによって、広帯域性能を充足するとともに小型化を達成するためのドハティ電力増幅器の構造が述べられる。
【0046】
図3は、本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器の例を示す。OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)システムは高いPAPR(peak to average power ratio)を発生させる。5G NRもOFDMシステムを使用するだけでなく、64 QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、1024 QAMなどの高い高次変調方式によって高いPAPR問題は継続して発生する可能性がある。高いPAPRは電力増幅器で低いバックオフ(backoff)PAE(power-added efficiency)効率性を有するため、本開示ではドハティ電力増幅器が提案される。ここで、共通マッチング回路とは、ドハティ電力増幅器のキャリア増幅器とピーク増幅器によって共有されるマッチング回路を示す。換言すれば、キャリア増幅器とピーク増幅器はそれぞれマッチング回路を持つのではなく、同じ回路を共有できる。共通マッチング回路は、出力整合回路と称することができる。
【0047】
図3を参照すると、ドハティ電力増幅器300は差動構造の2つの電力増幅器に基づいて設計され得る。ドハティ電力増幅器300は、キャリア増幅器331、ピーク増幅器332を含むことができる。一実施形態によれば、キャリア増幅器331は差動増幅器で構成され得る。キャリア増幅器331は、(+)端子の入力端、(-)端子の入力端を含み、2つの入力端の差に対応する信号を増幅するように構成され得る。例えば、キャリア増幅器331は、(+)端と接続されるトランジスタ、(-)端と接続されるトランジスタを含むことができる。一実施形態によれば、ピーク増幅器332は差動増幅器で構成され得る。ピーク増幅器332は、(+)端子の入力端、(-)端子の入力端を含み、2つの入力端の差に対応する信号を増幅するように構成され得る。例えば、ピーク増幅器332は、(+)端と接続されるトランジスタ、(-)端と接続されるトランジスタを含むことができる。
【0048】
キャリア増幅器331にはインピーダンス変換回路340が接続され得る。インピーダンス変換回路340は、ドハティ動作時(ピーク増幅器332の動作時)、キャリア増幅器331の出力インピーダンスRoptになるように構成され得る。Roptは増幅器が最大出力と効率を出せるインピーダンスを意味する。インピーダンス変換回路340による位相変化はピーク増幅器の入力端に位相遅延成分を追加してキャリア増幅器とピーク増幅器の位相を一致させる。本開示の実施形態によれば、インピーダンス変換回路340はλ/4変換器として機能するためのC-L-C接続構造を含むことができる。C-L-C接続構造は、増幅器の出力両端に並列に接続される第1キャパシタ(Cλ/4)、両端に直列に接続されるインダクタ(Lλ/4)、及びインダクタの後に並列に接続される第2キャパシタ(Cλ/4)を含むことができる。C-L-C構造を実装するための第1キャパシタ(Cλ/4)は動作周波数(f)とROPT値によって決定され、(Cλ/4=1/(2πfOPT))、これはキャリア増幅器331のトランジスタTRの寄生出力キャパシタ(Cout,carrier)にキャパシタンス(図3のα)が追加されることによって実装される。同様に、C-L-C構造を実装するための第2キャパシタCλ/4はピーク増幅器332のトランジスタTRの寄生出力キャパシタ(Cout,peaking)にキャパシタンス(図3のβ)が追加されることによって実装される。キャリア増幅器331及びピーク増幅器332の各々はトランジスタで構成され得る。この時、Cout,carrierはキャリア増幅器331を構成するトランジスタ(ら)の寄生出力キャパシタを示し、実際の回路では第1キャパシタを実装するためにα(F)に対応するキャパシタのみが付加される。同様に、Cout,peakingはピーク増幅器332を構成するトランジスタ(ら)の寄生出力キャパシタを示し、実際の回路では第2キャパシタを実装するためにβ(F)に対応するキャパシタのみが付加される。λ/4変換器のマッチング機能のために増幅器の出力キャパシタンスの値を設定(一実施形態によれば、可変素子の場合には制御、別の一実施形態によれば、固定素子の場合には設計)することによって、キャリア増幅器とピーク増幅器が結合され得る。
【0049】
キャリア増幅器331とピーク増幅器332は共通マッチング回路350に接続され得る。この時、キャリア増幅器331は、上述したインピーダンス変換回路340を介して共通マッチング回路350と接続されるが、ピーク増幅器332は共通マッチング回路350と直に接続され得る。図3では、キャリア増幅器331にのみインピーダンス変換回路が付加されたが、本開示の実施形態はこれに限定されない。例えば、ピーク増幅器332にのみインピーダンス変換器が接続されてもよい。他の例としては、キャリア増幅器331及びピーク増幅器332に互いに異なるインピーダンス変換器が構成されてもよい。
【0050】
共通マッチング回路350は、インピーダンスマッチングのための変圧器を含むことができる。変圧器は、入力対出力の比率を制御するために、キャパシタを含むことができる。変圧器は入力対出力の比率を制御するために1次キャパシタ(CMAT1)及び2次キャパシタ(CMAT2)を含むことができる。1次キャパシタ(CMAT1)はインピーダンス変換回路340の第2キャパシタ(Cλ/4)と並列に接続され得る。一実施形態によれば、キャパシタの面積減少のために、1次キャパシタ(CMAT1)と第2キャパシタ(Cλ/4)は、第2キャパシタ(Cλ/4+CMAT1)のキャパシタンスを有する1つのキャパシタで代替できる。並列接続されるキャパシタらは、キャパシタンスらの和を持つ、1つのキャパシタで代替できるので、共通マッチング回路350はインピーダンス変換器の構成要素と変圧器の1次キャパシタの両方として機能するキャパシタ(以下、共有キャパシタ)を含むことができる。この時、変圧器の入力端とC-L-C構造で付加的に要求されるキャパシタンス値をβと仮定する。ピーク増幅器であるトランジスタの寄生出力キャパシタ(以下、ピークキャパシタ)のキャパシタンス値がCout,peakingの場合、共有キャパシタはβのキャパシタンスを付加することによって、共有キャパシタがCout,peaking+βのキャパシタンスを有するように構成され得る。一実施形態によれば、出力整合(負荷インピーダンスとのマッチング)機能のために、共有キャパシタがインピーダンス変換回路340及び共通マッチング回路350の両方の一部の構成要素として配置され得る。増幅器の共有キャパシタのキャパシタンスの値を設定(一実施形態によれば、可変素子の場合には制御、別の一実施形態によれば、固定素子の場合には設計)することによって、キャリア増幅器とピーク増幅器が結合され得る。
【0051】
キャリア増幅器とピーク増幅器の出力キャパシタをC-L-Cで実装される1/4波長変換器の一部の構成要素として活用することによって、本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器は、図2A及び図2Bのような従来の構造で必要な変圧器の個数を減らして面積を最小化する。また、キャリア増幅器とピーク増幅器が共通マッチング回路350を有する構造だけでなく、キャリア増幅器の出力キャパシタとピーク増幅器の出力キャパシタがドハティ電力増幅器のλ/4変換器として機能するように再利用されることによって、本開示の実施形態によるドハティ電力増幅器の面積をさらに減少させることができる。その上、本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器は、低電力動作時、ピーク増幅器332の出力端のインピーダンス(Zout,peaking)254が周波数に応じて大きく変わることによって生じる広帯域特性の劣化を最小化できる。
【0052】
図4は、本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器の差動ペア(differential pair)配置の例を示す。図4は、図3に示したドハティ電力増幅器300内構成要素の配置の例を示す。すなわち、図3のドハティ電力増幅器300に対する説明が同一又は類似の方式で適用され得る。
【0053】
図4を参照すると、ドハティ電力増幅器400は差動構造の2つの電力増幅器に基づいて設計され得る。ドハティ電力増幅器400は、(+)端のキャリア増幅器431a、(-)端のキャリア増幅器431b、(+)端のピーク増幅器432a、(-)端のピーク増幅器432bを含むことができる。例えば、(+)端のキャリア増幅器431aは(+)端と接続されるトランジスタを含むことができる。(-)端のキャリア増幅器431bは(-)端と接続されるトランジスタを含むことができる。また、例えば、(+)端のピーク増幅器432aは(+)端と接続されるトランジスタを含むことができる。(-)端のピーク増幅器432bは(-)端と接続されるトランジスタを含むことができる。図4には示していないが、入力端でカプラ(又はディバイダ、スプリッタ)を介して入力信号はキャリア増幅器とピーク増幅器に分配されて伝達され得る。(+)端の入力信号は、(+)端のキャリア増幅器431aと(+)端のピーク増幅器432aの各々に分配されて伝達され得る。(-)端の入力信号は、(-)端のキャリア増幅器431bと(-)端のピーク増幅器432bの各々に分配されて伝達され得る。
【0054】
キャリア増幅器の出力端にインピーダンス変換回路440が配置され得る。インピーダンス変換回路440は、ドハティ増幅器が最大出力で動作するとき(ピーク増幅器の動作時)、キャリア増幅器の出力インピーダンスRoptになるように構成され得る。Roptは増幅器が最大出力と効率を出せるインピーダンスを意味する。インピーダンス変換回路440は、λ/4変換器として機能するように実装され得る。本開示の実施形態によれば、インピーダンス変換回路440はλ/4変換器として機能するためのC-L-C接続構造を含むことができる。C-L-C接続構造は、(+)端のキャリア増幅器431a(又はトランジスタ)の出力端(-)端のキャリア増幅器431b(又はトランジスタ)の出力端に並列に接続される第1キャパシタ(Cλ/4)、(+)端のキャリア増幅器431a(又はトランジスタ)の出力端(-)端のキャリア増幅器431b(又はトランジスタ)の出力端の各々に直列に接続されるインダクタ(Lλ/4)、及びインダクタの後に並列に接続される第2キャパシタ(Cλ/4)を含むことができる。C-L-C構造を実装するための第1キャパシタ(Cλ/4)は動作周波数(f)とROPT値によって決定され、(Cλ/4=1/(2πfOPT))、これはキャリア増幅器431a、431bのトランジスタTRの寄生出力キャパシタ(Cout,carrier)にキャパシタンス(図4のα)が追加されることによって実装される。同様に、C-L-C構造を実装するための第2キャパシタ(Cλ/4)はピーク増幅器432a、432bのトランジスタTRの寄生出力キャパシタ(Cout,peaking)にキャパシタンス(図4のβ)が追加されることによって実装される。λ/4変換器のマッチング機能のために増幅器の出力キャパシタンスの値を設定(一実施形態によれば、可変素子の場合には制御、別の一実施形態によれば、固定素子の場合には設計)することによって、キャリア増幅器とピーク増幅器が結合され得る。
【0055】
(+)端のキャリア増幅器431a、(+)端のピーク増幅器432a、(-)端のキャリア増幅器431b、及び(-)端のピーク増幅器432bの各々の出力端は共通マッチング回路450に接続され得る。この時、(+)端のキャリア増幅器431a及び(-)端のキャリア増幅器431bは上述したインピーダンス変換回路440を介して共通マッチング回路450と接続されるが、(+)端のピーク増幅器432a及び(-)端のピーク増幅器432bは共通マッチング回路450と直に接続され得る。共通マッチング回路450は、インピーダンスマッチングのための変圧器を含むことができる。変圧器は、入力対出力の比率を制御するために、キャパシタを含むことができる。変圧器は入力対出力の比率を制御するために1次キャパシタ(CMAT1)及び2次キャパシタ(CMAT2)を含むことができる。1次キャパシタ(CMAT1)はインピーダンス変換回路440の第2キャパシタ(Cλ/4)と並列に接続され得る。一実施形態によれば、キャパシタの面積減少のために、1次キャパシタ(CMAT1)と第2キャパシタ(Cλ/4)は、第2キャパシタ(Cλ/4+CMAT1)のキャパシタンスを有する1つのキャパシタで代替できる。並列接続されるキャパシタらは、キャパシタンスらの和を持つ、1つのキャパシタで代替できるので、共通マッチング回路450はインピーダンス変換器の構成要素と変圧器の1次キャパシタの両方として機能するキャパシタ(以下、共有キャパシタ)を含むことができる。この時、変圧器の入力端で付加的に要求されるキャパシタンス値をβと仮定する。ピーク増幅器であるトランジスタの寄生出力キャパシタのキャパシタンス値がCout,peakingの場合、共有キャパシタはCout,peaking+βのキャパシタンスを有するように構成され得る。一実施形態によれば、出力整合(負荷インピーダンスとのマッチング)機能のために、共有キャパシタがインピーダンス変換回路440及び共通マッチング回路450の両方の一部の構成要素として配置され得る。増幅器の共有キャパシタのキャパシタンスの値を設定(一実施形態によれば、可変素子の場合には制御、別の一実施形態によれば、固定素子の場合には設計)することによって、キャリア増幅器とピーク増幅器が結合され得る。
【0056】
本開示の実施形態による電力増幅器をRFICに設計するためには、図4に示した集中素子(例:インダクタ又はキャパシタ)及びトランジスが適切に配置される。一部の実施形態で、適切な配置は、各構成要素(component)の対称的な配置を含むことができる。一実施形態によれば、グラウンド(ground、GND)から対称的な設計のために、(+)入力端の構成要素と(-)入力端の構成要素は実質的に対称(symmetric)になるように配置され得る。物理的な線路の長さが変わるほど、信号が受ける損失も変わるからである。インピーダンス変換回路440及び共通マッチング回路450がキャパシタを共有するように配置され得る。該当キャパシタを中心に一側には(+)端のキャリア増幅器431a、(+)端のピーク増幅器432a、他側には(-)端のキャリア増幅器431b、(-)端のピーク増幅器432bが位置し得る。また、一実施形態によれば、集中素子であるキャパシタ及びインダクタも対称的に配置され得る。キャリア増幅器の出力キャパシタとピーク増幅器の出力キャパシタの間に位置するインダクタはそれぞれ互いに異なる側に位置し得る。また、一実施形態によれば、キャリア増幅器とピーク増幅器の出力整合のために1つの共通マッチング回路450がドハティ電力増幅器400に含まれるので、共通マッチング回路450は(+)端の構成要素と(-)端の構成要素の間の中心領域に位置し得る。
【0057】
一部の実施形態で、適切な配置は、余裕空間の確保を含むことができる。一実施形態によれば、本開示の実施形態による電力増幅器は、各トランジスタの出力から2次ハーモニック成分の除去するための回路(例:L-Cで構成される低域通過フィルタ(low pass filter))をさらに含むことができる。変圧器個数の減少、キャパシタ個数の減少により実装面積を減少させることができる。その上、RF構成要素の対称的な配置によって、余裕空間が確保され得る。
【0058】
図5は、本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器の差動ペア配置の別の例を示す。図5は、図3に示したドハティ電力増幅器300内構成要素の配置の例を示す。すなわち、図3のドハティ電力増幅器300に対する説明が同一又は類似の方式で適用され得る。
【0059】
図5を参照すると、ドハティ電力増幅器500は差動構造の2つの電力増幅器に基づいて設計され得る。ドハティ電力増幅器500は、(+)端のキャリア増幅器531a、(-)端のキャリア増幅器531b、及びピーク増幅器532を含むことができる。例えば、(+)端のキャリア増幅器531aは(+)端と接続されるトランジスタを含むことができる。(-)端のキャリア増幅器531bは(-)端と接続されるトランジスタを含むことができる。また、例えば、ピーク増幅器532は(+)端と接続されるトランジスタ及び(-)端と接続されるトランジスタを含むことができる。図5には示していないが、入力端でカプラ(又はディバイダ、スプリッタ)を介して入力信号はキャリア増幅器とピーク増幅器に分配されて伝達され得る。(+)端の入力信号は、(+)端のキャリア増幅器531aとピーク増幅器532の各々に分配されて伝達され得る。(-)端の入力信号は、(-)端のキャリア増幅器531bとピーク増幅器532の各々に分配されて伝達され得る。
【0060】
キャリア増幅器の出力端にインピーダンス変換回路540が配置され得る。インピーダンス変換回路540は、ドハティ増幅器が最大出力で動作するとき(ピーク増幅器の動作時)、キャリア増幅器の出力インピーダンスRoptになるように構成され得る。Roptは増幅器が最大出力と効率を出せるインピーダンスを意味する。インピーダンス変換回路540は、λ/4変換器として機能するように実装され得る。インピーダンス変換回路540は、キャリア増幅器とピーク増幅器の位相(phase)を一致させるように構成され得る。例えば、インピーダンス変換回路540は、位相遅延成分を含むように構成され得る。本開示の実施形態によれば、インピーダンス変換回路540はλ/4変換器として機能するためのC-L-C接続構造を含むことができる。C-L-C接続構造は、(+)端のキャリア増幅器531a(又はトランジスタ)の出力端(-)端のキャリア増幅器531b(又はトランジスタ)の出力端に並列に接続される第1キャパシタ(Cλ/4)、(+)端のキャリア増幅器531a(又はトランジスタ)の出力端(-)端のキャリア増幅器531b(又はトランジスタ)の出力端の各々に直列に接続されるインダクタ(Lλ/4)、及びインダクタの後に並列に接続される第2キャパシタ(Cλ/4)を含むことができる。C-L-C構造を実装するための第1キャパシタ(Cλ/4)は動作周波数(f)とROPT値によって決定され、(Cλ/4=1/(2πfOPT))、これはキャリア増幅器531a、531bのトランジスタTRの寄生出力キャパシタ(Cout,carrier)にキャパシタンス(図4のα)が追加されることによって実装される。同様に、C-L-C構造を実装するための第2キャパシタ(Cλ/4)はピーク増幅器532のトランジスタTRの寄生出力キャパシタ(Cout,peaking)にキャパシタンス(図4のβ)が追加されることによって実装される。λ/4変換器のマッチング機能のために増幅器の出力キャパシタンスの値を設定(一実施形態によれば、可変素子の場合には制御、別の一実施形態によれば、固定素子の場合には設計)することによって、キャリア増幅器とピーク増幅器が結合され得る。
【0061】
(+)端のキャリア増幅器531a、(-)端のキャリア増幅器531b、及びピーク増幅器532の各々の出力端は共通マッチング回路550に接続され得る。この時、(+)端のキャリア増幅器531a及び(-)端のキャリア増幅器531bは上述したインピーダンス変換回路540を介して共通マッチング回路550と接続されるが、ピーク増幅器532は共通マッチング回路550と直に接続され得る。共通マッチング回路550は、インピーダンスマッチングのための変圧器を含むことができる。変圧器は、入力対出力の比率を制御するために、キャパシタを含むことができる。変圧器は入力対出力の比率を制御するために1次キャパシタ(CMAT1)及び2次キャパシタ(CMAT2)を含むことができる。1次キャパシタ(CMAT1)はインピーダンス変換回路540の第2キャパシタ(Cλ/4)と並列に接続され得る。一実施形態によれば、キャパシタの面積減少のために、1次キャパシタ(CMAT1)と第2キャパシタ(Cλ/4)は、第2キャパシタ(Cλ/4+CMAT1)のキャパシタンスを有する1つのキャパシタで代替できる。並列接続されるキャパシタらは、キャパシタンスらの和を持つ、1つのキャパシタで代替できるので、共通マッチング回路550はインピーダンス変換器の構成要素と変圧器の1次キャパシタの両方として機能するキャパシタ(以下、共有キャパシタ)を含むことができる。この時、変圧器の入力端で付加的に要求されるキャパシタンス値をβと仮定する。ピーク増幅器であるトランジスタの寄生出力キャパシタのキャパシタンス値がCout,peakingの場合、共有キャパシタはCout,peaking+βのキャパシタンスを有するように構成され得る。一実施形態によれば、出力整合(負荷インピーダンスとのマッチング)機能のために、共有キャパシタがインピーダンス変換回路540及び共通マッチング回路550の両方の一部の構成要素として配置され得る。増幅器の共有キャパシタのキャパシタンスの値を設定(一実施形態によれば、可変素子の場合には制御、別の一実施形態によれば、固定素子の場合には設計)することによって、キャリア増幅器とピーク増幅器が結合され得る。
【0062】
本開示の実施形態による電力増幅器をRFICに設計するためには、図5に示した集中素子(例:インダクタ又はキャパシタ)及びトランジスが適切に配置される。一部の実施形態で、適切な配置は、各構成要素(component)の対称的な配置を含むことができる。一実施形態によれば、グラウンド(ground、GND)から対称的な設計が可能になるように、(+)入力端の構成要素と(-)入力端の構成要素は実質的に対称(symmetric)になるように配置され得る。物理的な線路の長さが変わるほど、信号が受ける損失も変わるからである。インピーダンス変換回路540及び共通マッチング回路550がキャパシタを共有するように配置され得る。該当キャパシタを中心に一側には(+)端のキャリア増幅器531aが位置し、他側には(-)端のキャリア増幅器531bが位置し得る。また、一実施形態によれば、集中素子であるキャパシタ及びインダクタも対称的に配置され得る。キャリア増幅器の出力キャパシタとピーク増幅器の出力キャパシタの間に位置するインダクタはそれぞれ互いに異なる側に位置し得る。また、一実施形態によれば、キャリア増幅器とピーク増幅器の出力整合のために1つの共通マッチング回路550がドハティ電力増幅器500に含まれるので、共通マッチング回路550は(+)端の構成要素と(-)端の構成要素の間の中心領域に位置し得る。また、一実施形態によれば、ピーク増幅器532はインピーダンスマッチング回路540の構成要素の間に位置し得る。ピーク増幅器532は、ドハティ電力増幅器500内の対称的な設計時の効率的な配置のために、インピーダンスマッチング回路540の素子の間に配置され得る。例えば、ピーク増幅器532はキャリア増幅器531aの出力キャパシタとピーク増幅器531bの出力キャパシタの間に位置し得る。
【0063】
一部の実施形態で、適切な配置は、余裕空間の確保を含むことができる。一実施形態によれば、本開示の実施形態による電力増幅器は、各トランジスタの出力から2次ハーモニック成分の除去するための回路(例:L-Cで構成される低域通過フィルタ(low pass filter))をさらに含むことができる。変圧器個数の減少、キャパシタ個数の減少により実装面積を減少させることができる。その上、RF構成要素の対称的な配置によって、余裕空間が確保され得る。
【0064】
図3乃至図5を通して、ドハティ電力増幅器の構造として、キャリア増幅器とピーク増幅器が共有する出力整合回路(すなわち、共通マッチング回路)、キャリア増幅器と出力整合回路の間に位置するインピーダンス変換回路が提案された。図3乃至図5では、各差動増幅器の素子の位置、空間確保によって様々な配置シナリオの例が示された。
【0065】
図3乃至図5で言及された回路構造は電力増幅器を必要とする機器(例:mmWave phased array RFIC、RFICを含む基地局、端末)での要求事項に応じて適切に選択されて用いられ得る。一実施形態によれば、ドハティ増幅回路の各構成要素は、図3乃至図5を通して共通して言及される共通マッチング回路及び共有キャパシタの他にも、中和キャパシタ(neutralization capacitor)の必要性、入出力経路の孤立(isolation)、2次ハーモニック短絡回路の必要有無のうちの少なくとも1つによって配置され得る。一実施形態によれば、本開示の実施形態によるドハティ電力増幅器は、中和(neutralization)キャパシタをさらに含むことができる。差動増幅器で発生する電極間静電容量の問題を解消するための中和キャパシタがドハティ電力増幅器に配置され得る。各トランジスタで、電極を交差するように中和キャパシタが配置され得る。例えば、(+)出力端と(-)入力端の間にキャパシタが配置され得る。ドハティ電力増幅器は総4個のトランジスタ(キャリア増幅器)を含むので、追加的な中和キャパシタの配置のために余裕空間の確保又は他の電極を有する増幅器の間の距離が考慮された回路構造が用いられ得る。また、一実施形態によれば、本開示の実施形態によるドハティ電力増幅器は、各トランジスタの出力で発生するハーモニック成分の除去のために、インダクタ又はキャパシタで構成されるハーモニック除去回路をさらに含むことができる。ドハティ電力増幅器は総4個のトランジスタ(キャリア増幅器)を含むので、追加的な中和キャパシタの配置のために余裕空間の確保のための回路構造が用いられ得る。
【0066】
図3乃至図5で上述した、本開示の実施形態によるドハティ電力増幅器は、図1Bの複数のRFチェーン170-0、170-1、170-2、…、170-14、170-15のそれぞれに含まれ得る。各RFチェーンの信号は、位相変換器及び本開示の実施形態によるドハティ電力増幅器を通過して、アンテナエレメントに伝達され得る。
【0067】
図6は、本開示の実施形態による共通マッチング回路を有するドハティ電力増幅器を含む電子装置の機能的構成を示す。
【0068】
図6を参照すると、電子装置610は、図1Aの基地局110又は端末120のうちの1つであり得る。一実施形態によれば、電子装置610は、基地局110のmmWave帯域で1つ以上のRFチェーンを含むRFICのアンテナ機器であり得る。図1A乃至図5を通して言及された増幅器回路構造だけでなく、それを含む電子装置も本開示の実施形態に含まれる。電子装置610は、図1A乃至図5を通して言及されたキャリア増幅器とピーク増幅器がマッチング回路を共有する形態のドハティ電力増幅器をRF構成要素として含むことができる。
【0069】
図6を参照すると、電子装置610の例示的な機能的構成が示される。電子装置610は、アンテナ部611、フィルタ部612、RF(radio frequency)処理部613、プロセッサ(例:制御部(control unit))614を含むことができる。
【0070】
アンテナ部611は複数のアンテナを含むことができる。アンテナは無線チャネルを介して信号を送受信するための機能を行う。アンテナはサブストレート(例:PCB)上に形成された導電体又は導電性パターンからなる放射体を含むことができる。アンテナはアップコンバートされた信号を無線チャネル上で放射するか、または他の装置が放射した信号を獲得できる。各アンテナはアンテナエレメント又はアンテナ素子と称することができる。一部の実施形態で、アンテナ部611は、複数のアンテナエレメントが列(array)をなすアンテナアレイ(antenna array)を含むことができる。アンテナ部611は、RF信号線を介してフィルタ部612と電気的に接続され得る。アンテナ部611は、複数のアンテナエレメントを含むPCBに実装され得る。PCBは各アンテナエレメントとフィルタ部612のフィルタを接続する複数のRF信号線を含むことができる。このようなRF信号線は給電ネットワーク(feeding network)と称することができる。アンテナ部611は、受信された信号をフィルタ部612に提供するか、またはフィルタ部612から提供された信号を空気中に放射できる。
【0071】
フィルタ部612は、所望の周波数の信号を伝達するために、フィルタリングを行うことができる。フィルタ部612は、共振(resonance)を形成することによって周波数を選択的に識別するための機能を行うことができる。フィルタ部612は、帯域通過フィルタ(band pass filter)、低域通過フィルタ(low pass filter)、高域通過フィルタ(high pass filter)、又は帯域除去フィルタ(band reject filter)のうちの少なくとも1つを含むことができる。すなわち、フィルタ部612は、送信のための周波数帯域又は受信のための周波数帯域の信号を得るためのRF回路を含むことができる。本開示の実施形態によるフィルタ部612はアンテナ部611とRF処理部613を電気的に接続できる。
【0072】
RF処理部613は、複数のRF経路を含むことができる。RF経路はアンテナを介して受信される信号又はアンテナを介して放射される信号が通過する経路の単位であり得る。少なくとも1つのRF経路はRFチェーンと称することができる。RFチェーンは複数のRF素子を含むことができる。RF素子は増幅器、ミキサ、オシレータ、DAC(digital-to-analog converter)、ADC(analog-to-digital converter)などを含むことができる。例えば、RF処理部613は、基底帯域(base band)のデジタル送信信号を送信周波数にアップコンバートするアップコンバータ(up converter)と、アップコンバートされたデジタル送信信号をアナログRF送信信号に変換するDACを含むことができる。アップコンバータとDACは送信経路の一部を形成する。送信経路は電力増幅器(power amplifier、PA)又はカプラ(coupler)(又は結合器(combiner))をさらに含むことができる。また、例えば、RF処理部613は、アナログRF受信信号をデジタル受信信号に変換するADCとデジタル受信信号を基底帯域のデジタル受信信号に変換するダウンコンバータ(down converter)を含むことができる。ADCとダウンコンバータは受信経路の一部を形成する。受信経路は低電力増幅器(low-noise amplifier、LNA)又はカプラ(coupler)(又は分配器(divider))をさらに含むことができる。RF処理部613のRF部品はPCBに実装され得る。基地局(例:電子装置610)はアンテナ副611-フィルタ部612-RF処理部613の順に積層された構造を含むことができる。アンテナとRF処理部613のRF部品はPCB上で実装されることができ、PCBとPCBの間にフィルタが繰り返し締結されて複数の層(layers)を形成できる。
【0073】
本開示の実施形態によるRF処理部613は、アンテナ部111、フィルタ部612に伝達される複数の信号経路のための複数のRF処理チェーンを含むことができる。mmWaveのためのRFICは複数のRF処理チェーンを含むことができる。基底帯域(baseband)で印加される信号はRFICに入力される。RFICに入力される信号は各アンテナエレメントに分配される。この時、ビームフォーミングのために、アンテナエレメントの各々に独立した位相シフトが適用され得る。したがって、RFICは各アンテナエレメントに伝達される信号の処理のためのRF処理チェーンを含むことができる。各RF処理チェーンは、RF信号処理のための1つ以上のRF構成要素を含むことができる。RF処理部613は、本開示の実施形態による各RF経路でキャリア増幅器とピーク増幅器が共通の出力整合回路を有するドハティ(doherty)電力増幅器(power amplifier)を含むことができる。ドハティ電力増幅器は、出力整合回路のチューニングキャパシタを用いる、キャリア増幅器とピーク増幅器のインピーダンス変換のための1/4波長変換器を含むことができる。
【0074】
プロセッサ614は、電子装置610の全般的な動作を制御できる。プロセッサ614は、通信を行うための様々なモジュールを含むことができる。プロセッサ614は、モデム(modem)のような少なくとも1つのプロセッサ(processor)を含むことができる。プロセッサ614は、デジタル信号処理(digital signal processing)のためのモジュールを含むことができる。例えば、プロセッサ614はモデムを含むことができる。データ送信時、プロセッサ614は送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成する。また、例えば、データ受信時、プロセッサ614は基底帯域信号を復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。プロセッサ614は通信規格で要求するプロトコルスタック(protocol stack)の機能を行うことができる。
【0075】
図6では本開示の電力増幅器を活用できる機器として、電子装置610の機能的構成を述べた。しかし、図6に示した例は図1A乃至図5を通して述べられた本開示の実施形態によるアンテナ構造の活用のための例示的な構成にすぎず、本開示の実施形態は図6に示した機器の構成要素に限定されるものではない。したがって、インピーダンスマッチング回路を含む電力増幅器を含むRFモジュール、RFIC、他の構成の通信機器、電力増幅器のための構造物自体も本開示の実施形態として理解され得る。
【0076】
本開示では、電力増幅器フィルタ及びそれを含む電子装置を説明するために、基地局又はmmWave帯域の信号伝達のための基地局の機器(例:RU(radio unit)又はAU(access unit))が例として述べられたが、本開示の実施形態はこれに限定されない。本開示の実施形態による電力増幅器及びそれを含む電子装置として、基地局と同等な機能を行う無線機器、基地局と接続される無線機器(例:TRP)、端末120、又はその他の5G通信のために使用される通信機器のいずれも可能であることは無論である。また、本開示では、MIMO(Multiple Input Multiple Output)環境で通信のための複数のアンテナの構造としてアンテナアレイが例として述べられたが、一部の実施形態でビームフォーミングのための容易な変更が可能であることは勿論である。
【0077】
mmWave phased array RFICに使用している既存のstacked PA構造は高いPAPRを有する5G NR信号を使用する場合、効率が大きく劣化する。ドハティ構造は高いPAPRを有する信号を使用する場合に効率を向上させることができる非常に効果的な構造であるが、既存の差動ドハティ(Differential Doherty)構造(例:図2A及び図2B)は2つの変圧器とλ/4変換器を使用するため、大きすぎる面積を占めるだけでなく、低電力動作時(ピーク増幅器の非活性化)、広帯域特性が劣化する問題がある。本開示の実施形態は、面積と広帯域(wide bandwidth)特性、効率がいずれも重要なphased array RFICに適用される差動ドハティ電力増幅器構造を提案する。キャリア増幅器とピーク増幅器が1つの出力整合回路と接続され、キャリア増幅器と出力整合回路の間にインピーダンス変換器が実装されることによって、面積を減らして帯域特性の劣化が減少する。
【0078】
本開示の実施形態による、共通マッチング回路を有する差動ドハティ電力増幅器は、キャリア増幅器とピーク増幅器は1つ以上のインダクタを介して直列に接続され得る。また、一実施形態によれば、差動ドハティ電力増幅器は、上記1つ以上のインダクタとキャリア増幅器の出力キャパシタ及びピーク増幅器の出力キャパシタを介してC-L-C構造を有するλ/4変換器を含むことができる。また、一実施形態によれば、差動ドハティ電力増幅器は、キャリア増幅器と接続されるλ/4変換器とピーク増幅器が結合される回路及び出力整合のための変圧器が結合した後に接続される回路を含むことができる。また、一実施形態によれば、キャリア増幅器とピーク増幅器の各々は差動増幅器であって、(+)成分の入力(positive input)と(-)成分の入力(negative input)が物理的に所定の距離をおいて配置され得る。キャリア増幅器及びピーク増幅器の出力は、以後、共通マッチング回路を介して結合され得る。また、一実施形態によれば、上述したインダクタはそれぞれ伝送線路(transmission line)で代替され得る。換言すれば、λ/4変換器はC-L-C構造の代わりに両キャパシタの間に配置される伝送線路を含むことができる。
【0079】
本開示の実施形態によれば、無線通信システムにおいて、ドハティ(doherty)電力増幅器(power amplifier)は、差動(differential)キャリア増幅器、差動ピーク増幅器、及び出力整合回路を含み、上記出力整合回路は、1次チューニングキャパシタ、変圧器、及び2次チューニングキャパシタを含み、上記差動キャリア増幅器は、上記差動キャリア増幅器の出力端のキャリアキャパシタ及びインダクタを介して上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記差動ピーク増幅器は上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記1次チューニングキャパシタ、上記インダクタ、及び上記キャリアキャパシタは、1/4波長変換器(quarter-wave transformer)として機能するように構成され得る。
【0080】
一実施形態によれば、上記差動キャリア増幅器は、(+)端のための第1増幅器及び(-)端のための第2増幅器を含み、上記差動ピーク増幅器は、(+)端のための第3増幅器及び(-)端のための第4増幅器を含むことができる。
【0081】
一実施形態によれば、上記キャリアキャパシタは、上記第1増幅器の出力端と上記第2増幅器の出力端に並列に接続され、上記1次チューニングキャパシタは、上記第3増幅器の出力端と上記第4増幅器の出力端に並列に接続され得る。
【0082】
一実施形態によれば、上記インダクタは、上記キャリアキャパシタ及び上記1次チューニングキャパシタの間で直列に配置され得る。
【0083】
一実施形態によれば、上記第1増幅器及び上記インダクタのうち上記第1増幅器に接続される第1インダクタは、上記ドハティ電力増幅器の第1領域に配置され、上記第2増幅器及び上記インダクタのうち上記第2増幅器に接続される第2インダクタは、上記第1領域と異なる、上記ドハティ電力増幅器の第2領域に配置され、上記第1領域と上記第2領域の間に上記出力整合回路が配置され得る。
【0084】
一実施形態によれば、上記差動ピーク増幅器は、上記第1領域と上記第2領域の間に配置され得る。
【0085】
一実施形態によれば、上記差動ピーク増幅器の上記第3増幅器は上記第1領域に配置され、上記第4増幅器は上記第2領域に配置され得る。
【0086】
一実施形態によれば、上記ドハティ電力増幅器は、上記第1領域と上記第2領域の間に配置されるグラウンド(ground)回路をさらに含むことができる。
【0087】
一実施形態によれば、上記1次チューニングキャパシタは、上記差動ピーク増幅器のハーモニック(harmonic)除去のための出力キャパシタとして機能するように構成され得る。
【0088】
一実施形態によれば、上記出力整合回路は、上記差動キャリア増幅器の出力と上記差動ピーク増幅器の出力を結合し、上記結合された出力を整合するように構成され得る。
【0089】
本開示の実施形態によれば、RFIC(radio frequency integrated circuit)は、複数のRF(radio frequency)処理チェーンを含み、上記複数のRF処理チェーンの各々は、位相変換器(phase shifter)及びドハティ電力増幅器を含み、上記ドハティ電力増幅器は、差動(differential)キャリア増幅器、差動ピーク増幅器、及び出力整合回路を含み、上記出力整合回路は、1次チューニングキャパシタ、変圧器、及び2次チューニングキャパシタを含み、上記差動キャリア増幅器は、上記差動キャリア増幅器の出力端のキャリアキャパシタ及びインダクタを介して上記1次チューニングキャパシタと接続され、上記差動ピーク増幅器は上記1次チューニングキャパシタと接続され得る。
【0090】
一実施形態によれば、上記差動キャリア増幅器は、(+)端のための第1増幅器及び(-)端のための第2増幅器を含み、上記差動ピーク増幅器は、(+)端のための第3増幅器及び(-)端のための第4増幅器を含むことができる。
【0091】
一実施形態によれば、上記キャリアキャパシタは、上記第1増幅器の出力端と上記第2増幅器の出力端に並列に接続され、上記1次チューニングキャパシタは、上記第3増幅器の出力端と上記第4増幅器の出力端に並列に接続され得る。
【0092】
一実施形態によれば、上記インダクタは、上記キャリアキャパシタ及び上記1次チューニングキャパシタの間で直列に配置され得る。
【0093】
一実施形態によれば、上記第1増幅器及び上記インダクタのうち上記第1増幅器に接続される第1インダクタは、上記ドハティ電力増幅器の第1領域に配置され、上記第2増幅器及び上記インダクタのうち上記第2増幅器に接続される第2インダクタは、上記第1領域と異なる、上記ドハティ電力増幅器の第2領域に配置され、上記第1領域と上記第2領域の間に上記出力整合回路が配置され得る。
【0094】
一実施形態によれば、上記差動ピーク増幅器は、上記第1領域と上記第2領域の間に配置され得る。
【0095】
一実施形態によれば、上記差動ピーク増幅器の上記第3増幅器は上記第1領域に配置され、上記第4増幅器は上記第2領域に配置され得る。
【0096】
一実施形態によれば、上記ドハティ電力増幅器は、上記第1領域と上記第2領域の間に配置されるグラウンド(ground)回路を含むことができる。
【0097】
一実施形態によれば、上記1次チューニングキャパシタ、上記インダクタ、及び上記キャリアキャパシタは、1/4波長変換器(quarter-wave transformer)として機能するように構成され、上記1次チューニングキャパシタは、上記差動ピーク増幅器のハーモニック(harmonic)除去のための出力キャパシタとして機能するように構成され得る。
【0098】
一実施形態によれば、上記出力整合回路は、上記差動キャリア増幅器の出力と上記差動ピーク増幅器の出力を結合し、上記結合された出力を整合するように構成され得る。
【0099】
本開示の特許請求の範囲又は明細書に記載された実施形態による方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの形態で実装される(implemented)ことができる。
【0100】
ソフトウェアで実装する場合、1つ以上のプログラム(ソフトウェアモジュール)を記憶するコンピュータ可読記憶媒体が提供され得る。コンピュータ可読記憶媒体に記憶される1つ以上のプログラムは、電子装置(device)内の1つ以上のプロセッサによって実行可能に構成される(configured for execution)。1つ以上のプログラムは、電子装置に本開示の特許請求の範囲又は明細書に記載された実施形態による方法を実行させる命令(instructions)を含む。
【0101】
このようなプログラム(ソフトウェアモジュール、ソフトウェア)はランダムアクセスメモリ(random access memory)、フラッシュ(flash)メモリを含む不揮発性(non-volatile)メモリ、ロム(read only memory、ROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read only memory、EEPROM)、磁気ディスク記憶装置(magnetic disc storage device)、コンパクトディスクロム(compact disc-ROM、CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(digital versatile discs、DVDs)又は他の形態の光学記憶装置、マグネティックカセット(magnetic cassette)に記憶され得る。又は、それらの一部又は全部の組み合わせで構成されたメモリに記憶され得る。また、各々の構成メモリは多数個が含まれる場合もある。
【0102】
また、プログラムはインターネット(Internet)、イントラネット(Intranet)、LAN(local area network)、WAN(wide area network)、又はSAN(storage area network)などの通信ネットワーク、又はそれらの組み合わせで構成された通信ネットワークを通してアクセス(access)できる取付可能な(attachable)記憶装置(storage device)に記憶され得る。このような記憶装置は外部ポートを介して本開示の実施形態を遂行する装置にアクセスできる。また、通信ネットワーク上の別途の記憶装置が本開示の実施形態を遂行する装置にアクセスすることもできる。
【0103】
上述の本開示の具体的な実施形態で、開示に含まれる構成要素は提示された具体的な実施形態によって単数又は複数で表現された。しかし、単数又は複数の表現は説明の便宜のために提示した状況に適するように選択されたものであって、本開示は単数又は複数の構成要素に限定されず、複数で表現された構成要素であっても単数で構成されたり、単数で表現された構成要素であっても複数で構成されたりすることができる。
【0104】
本開示内容がその様々な実施形態を参照して図示及び説明されたが、添付された特許請求の範囲及びその均等物によって定義された本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、形態(form)及び細部事項(details)の様々な変更が行われ得るということが該当分野の通常の技術者によって理解されることができる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】