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特表2023-553282レリーフ前駆体の露光を改善するための装置および方法
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  • 特表-レリーフ前駆体の露光を改善するための装置および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】レリーフ前駆体の露光を改善するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
G03F7/20 511
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530818
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2021086474
(87)【国際公開番号】W WO2022129514
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2027144
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508373925
【氏名又は名称】エクシス ジャーマニー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】XSYS Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 77731 Willstaett, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ターテ, マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルヴァエッケ, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤー, マティアス
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AB05
2H197CA01
2H197DA09
2H197DB06
2H197HA01
(57)【要約】
レリーフ前駆体の第1の側を露光するために第1の光源と、一つ又は複数の第2の露光ステップの一つ又は複数の第2の露光期間中に、第1の側と反対側のレリーフ前駆体の第2の側を露光するために移動可能な第2の光源とを使用して、レリーフ前駆体を露光する方法であって、前記方法は、第1の露光期間を表す少なくとも1つの第1の特性、および/または、一つ又は複数の第2の露光期間を表す少なくとも1つの第2の特性を、オペレータインターフェースを介して受け取り、少なくとも1つの第1の特性および/または第2の特性に基づいて、第1の光源および第2の光源の動作シーケンスを決定するステップを含み、前記シーケンスは、前記一つ又は複数の第2の露光期間のそれぞれが、第1の露光期間と完全に重複するか、または第1の露光期間と重複しないようなシーケンスである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の露光ステップ(S1)の第1の露光期間(Te1)中にレリーフ前駆体の第1の側を露光するように構成された第1の光源(1)と、一つ又は複数の第2の露光ステップ(S2,S2’)の一つ又は複数の第2の露光期間(Te2)中にレリーフ前駆体の第1の側と反対側の第2の側を露光するように構成された移動可能な第2の光源(2)とを用いてレリーフ前駆体(P)を露光する方法であって、
オペレータインターフェース(7)を介して(501)、第1の露光期間(Te1)を表す少なくとも一つの第1の特性(C1)、および/または、一つ又は複数の第2の露光期間(Te2、Te2’)を表す少なくとも1つの第2の特性(C2)を受け取るステップと、
少なくとも一つの第1の特性および/または第2の特性に基づいて、前記第1の光源および前記第2の光源のための動作シーケンスを決定する(502)ステップであって、前記シーケンスは、前記一つ又は複数の第2の露光期間のそれぞれが、前記第1の露光期間と完全に重複するか、または前記第1の露光期間と重複しないようなシーケンスである、ステップと、
決定されたシーケンスに従って前記レリーフ前駆体を露光する(503)ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
シーケンスを決定するステップは、前記第1の露光期間が前記一つ又は複数の第2の露光ステップの前記第2の露光期間のいずれか1つよりも短い場合、前記第1の光源のみまたは前記第2の光源のみを一度に動作させるように経時的なシーケンスを選択する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シーケンスを決定するステップは、前記第1の露光期間が前記第2の露光期間のいずれか1つよりも長い場合、前記第2の露光期間を前記第1の露光期間と重複するように選択する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
シーケンスを決定するステップは、
前記第1の露光期間よりも前記第2の露光期間が短い場合、前記一つ又は複数の第2の露光ステップの少なくとも1つを決定する工程と、
もしそうであれば、前記1つの第2の露光ステップの前記第2の露光期間(Te2)が前記第1の露光期間(Te1)と完全に重複するように前記シーケンスを決定する工程と、
そうでない場合には、前記1つの第2露光ステップの前記第2露光期間(Te2)が前記第1の露光期間(Te1)と重複しないように前記シーケンスを決定する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の露光期間と重複する各第2の露光期間(Te2)中、前記第1の光源(1)が発する光の強度はほぼ一定である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の特性(C1)は、前記第1の露光期間の持続時間を表す特性を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2の特性(C2)は、前記一つ又は複数の第2の露光期間の持続時間を表す少なくとも1つの特性を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2の特性(C2)は、
前記一つ又は複数の第2の露光ステップ中の前記第2の光源の移動速度の速度値、
前記一つ又は複数の第2の露光ステップが繰り返される回数、
前記一つ又は複数の露光期間の第2の露光期間の持続時間、
前記一つ又は複数の第2の露光ステップの非露光期間の持続時間、
前記一つ又は複数の第2の露光期間中に使用される光強度を表す値、
のいずれか又はこれらの組合せを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの第1の特性(C1)は、
前記第1の露光期間の持続時間、
前記第1の露光ステップの非露光期間の持続時間、
前記第1の露光期間中に使用される光強度を表す値、
のいずれか又はこれらの組合せを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の露光ステップは、前記第2の露光期間(Te2)に続く第2の非露光期間(Tne2)を含み、前記決定するステップは、前記第2の非露光期間(Tne2)を考慮する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
各第2の露光ステップは、前方移動および後方移動を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の光源は、前記第2の露光期間における前記前方移動中に前記第2の側を露光し、前記後方移動中に前記第2の側を露光しない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記一つ又は複数の第2の露光ステップは、少なくとも2つの第2の露光ステップを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの第2の露光ステップは、2つの異なる第2の露光ステップを含み、前記受け取るステップは、それぞれの異なる第2の露光ステップに対して第2の特性を受け取る工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
シーケンスを決定するステップは、
前記少なくとも2つの露光ステップのうちの2つの第2の露光ステップの第2の露光期間(Te2、Te2’)と任意の中間の非露光期間(Tne2)との合計を前記第1の露光期間(Te1)と比較する工程を含み、
前記第2の露光期間と前記任意の中間の非露光期間との合計が前記第1の露光期間よりも小さく、前記2つの第2の露光期間が両方とも前記第1の露光期間と重複するように前記2つの露光ステップが実施されると決定する工程を含み(Te1>Te2+Te2’+Tne2)、
前記第2の露光期間が前記第1の露光期間よりも大きい場合、前記2つの第2の露光ステップが前記第1の露光ステップの前および/または後に実施されると決定する工程を含み(Te2>Te1およびTe2’>Te1)、
前記第2の露光期間が前記第1の露光期間よりも小さく、かつ前記第2の露光期間と前記任意の中間非露光期間との合計が前記第1の露光期間よりも大きい場合、前記2つの第2の露光ステップのうちの一方は、その第2の露光期間が前記第1の露光期間と重複するように実施され、他方は、その第2の露光期間が前記第1の露光期間と重複しないように実施されると決定する工程を含む(Te2<Te1<Te2+Te2’+Tne2またはTe2’<Te1<Te2+Te2’+Tne2)、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記受け取るステップは、ユーザが少なくとも1つの第1の特性および/または第2の特性を入力することを可能にする入力インターフェースをオペレータに提示する工程を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記決定するステップの前に、および任意選択的に受け取るステップの前に、前記オペレータインターフェースを介して、一つ又は複数の動作モードのうちの一つの動作モードを受け取るステップ(602)を更に含み、前記一つ又は複数の動作モードは、前記決定するステップが前記シーケンスを決定するために実施されることを示す少なくとも第1の動作モード(603)と、異なる所定のシーケンスが実施されることを示す少なくとも第2の動作モード(606)とを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の動作モードは、前記第1の露光ステップの前に前記一つ又は複数の第2の露光ステップを実施する必要があることを示し、前記一つ又は複数の動作モードは、前記第1の露光ステップの後に前記一つ又は複数の第2の露光ステップを実施する必要があることを示す第3の動作モード(608)を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の光源が移動するにつれて、前記第1の光源と前記レリーフ前駆体との間で移動可能なシールドが移動する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの第1の特性は、第1の光源によって加えられる正味の線量がシャドウプレートによってより低くなることを考慮しない第1の露光期間の値を含み、前記方法は、前記シャドウプレートによる損失を考慮して前記第1の露光期間の補正値を決定するステップと、この補正値を前記シーケンスを決定するステップで使用するステップと、を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の露光ステップは、前記前駆体の第1の側の面における強度が1~200mW/cm、好ましくは1~100mW/cmの範囲にあるように、および/または、前記前駆体の第1の側の面における線量が0.01~30J/cmの範囲にあるように実施される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
各第2の露光ステップは、前記前駆体の第2の側に発せられる強度が20~2000mW/cmの範囲にあるように、および/または、前記前駆体の第2の側の面における線量が1~100J/cmの範囲にあるように実施される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記レリーフ前駆体は、少なくとも寸法的に安定な支持体と、光活性層と、必要に応じて、バリア層、(一体化または追加された)マスク層、スリップ層、接着層、保護層、機能層、およびこれらの組合せを含むグループから選択される更なる層と、を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
好ましくは静止光源である第1の光源は、複数のLED若しくは複数の光管、又は複数のレーザダイオード若しくはそれらの組合せを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の光源は、複数のLEDを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の光源からの照射領域は、前記前駆体の表面積の0.5~90%の領域をカバーする、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
露光ステップに先立って、保護層を除去する工程、マスク層を追加する工程、マスク層を溶発する工程、前駆体を事前に露光する工程、およびそれらの組合せを含む追加のステップが実施され、さらに/または、追加のステップは、液体による処理、ガスによる処理、熱処理、面との接触、溶解または液化可能な材料の除去、電磁放射線への曝露、プラズマへの曝露、切断、サンディングまたはそれらの組合せを含むグループから選択される露光するステップの後に実施される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
第1の露光ステップ(S1)の第1の露光期間(Te1)中にレリーフ前駆体の第1の側を露光するように構成された第1の光源(1)と、一つ又は複数の第2の露光ステップ(S2,S2’)の一つ又は複数の第1の露光期間(Te2)中に前記レリーフ前駆体の第1の側と反対側の第2の側を露光するように構成された移動可能な第2光源(2)と、
を制御する制御手段(5)であって、
前記制御手段は、以下のステップ、すなわち、
オペレータインターフェースを介して、第1の露光期間(Te1)を表す少なくとも1つの第1の特性(C1)、および/または、一つ又は複数の第2の露光期間(Te2、Te2’)を表す少なくとも1つの第2の特性(C2)を受け取るステップと、
前記少なくとも1つの第1の特性および/または第2の特性に基づいて、前記第1の光源および前記第2の光源の動作シーケンスを決定するステップであって、前記シーケンスは、前記一つ又は複数の第2の露光期間のそれぞれが、前記第1の露光期間と完全に重複するか、または、前記第1の露光期間と重複しないようにするシーケンスである、ステップと、
前記決定されたシーケンスに従って前記第1の光源および第2の光源を制御するステップと、
を実施するように構成される制御手段。
【請求項29】
シーケンスを決定するステップは、
前記第1の露光期間よりも前記第2の露光期間が短い場合に、前記一つ又は複数の第2の露光ステップの少なくとも1つを決定する工程と、
もしそうであれば、前記1つの第2の露光ステップの第2の露光期間(Te2)が前記第1の露光期間(Te1)と完全に重複するように前記シーケンスを決定する工程と、
そうでない場合には、前記1つの第2露光ステップの第2露光期間(Te2)が前記第1の露光期間(Te1)と重複しないように前記シーケンスを決定する工程と、
を含む、請求項28に記載の制御手段。
【請求項30】
決定するステップは、第1の露光期間と重なる各第2の露光期間(Te2)中に、第1の光源(1)が発する光の強度が実質的に一定となるように決定する、請求項28~29のいずれか一項に記載の制御手段。
【請求項31】
それぞれの第2の露光ステップは、前記第2の露光期間(Te2)に続く第2の非露光期間(Tne2)を含み、前記決定するステップは、前記第2の非露光期間(Tne2)を考慮する、請求項28~30のいずれか一項に記載の制御手段。
【請求項32】
コンピュータ・プログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で実行されるときに、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ・プログラム。
【請求項33】
第1の露光ステップ(S1)の第1の露光期間(Te1)中にレリーフ前駆体の第1の側を露光するように構成された第1の光源(1)と、
一つ又は複数の第2の露光ステップ(S2,S2’)の一つ又は複数の第2の露光期間(Te2)中に前記第1の側と反対側のレリーフ前駆体の第2の側を露光するように構成された移動可能な第2の光源(2)と、
前記第2の光源を移動させるように構成された移動手段(8)と、
請求項28~31のいずれか一項に記載の制御手段(5)または請求項32に記載のコンピュータプログラムを記憶する制御手段と、
を備える露光装置であって、
前記制御手段は、前記決定されたシーケンスに従って前記第1の光源、前記第2の光源および前記移動手段を制御するように構成されている、露光装置。
【請求項34】
前記第1の光源は、静止光源である、請求項1~27、34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の光源は、静止光源である、請求項28~30のいずれか一項に記載の制御手段。
【請求項36】
前記第1の光源は、静止光源である、請求項33に記載の露光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、レリーフ前駆体、特に印刷版前駆体を露光するための、さらに特に印刷版前駆体の前面露光および背面露光のための装置および方法に関する。
【0002】
【背景】
【0003】
レリーフ構造は、画像情報を画像形成可能層上に転写し、画像形成可能層の一部を除去することによって作成することができる。次いで、形成されたレリーフを使用して、印刷ステップにおける情報を基板上に転写することができる。レリーフ前駆体の一例は印刷版前駆体である。デジタル画像形成可能な可撓性印刷版前駆体は公知であり、典型的には少なくとも寸法安定性支持層、感光層およびデジタル画像形成可能なマスク層を含む。デジタル画像形成可能マスク層は、例えば、レーザー除去可能層とすることができる。従来の印刷版前駆体の場合において、デジタル画像形成可能層は、感光層に取り付けられた別個のマスクによって置き換えられる。
【0004】
印刷版レリーフ前駆体から印刷版を作り出すために、既存の方法によれば、まず、印刷されるべき画像データに基づいて、マスクがデジタル画像形成可能層に書き込まれる。マスクの書き込みに続いて、感光性層が重合もしくは架橋、またはマスクで覆われていない領域で感光性層の溶解性もしくは流動性を変化させる反応を受けるように、版がマスクを通して放射線で露光される。露光後、マスクおよび感光層の非露光部分の残留物が除去される。これは、洗浄装置中の一つ又は複数の液体を用いて、または感光層の非露光材料が温度上昇によって液化され除去される熱現像によって行うことができる。
【0005】
印刷版前駆体のための露光装置が知られている。露光装置は、背面露光用の第1の光源と、前面露光用の第2の光源とを備えてもよい。背面露光は、一組のUV光管またはLEDアレイを使用して行うことができる。背面露光は、レリーフ構造が生成される固体層(床)を作成する。前面露光は、可動レーザまたはLEDバーのような可動UV光源を使用して、または固定光源、例えば管状光源の配置を使用して行うことができる。露光装置によっては、要求に応じて、前面露光のみを行うものや、背面露光のみを行うものがある。一部の場合には、露光装置は両面から露光することができ、本発明の実施形態はそのような場合に関する。
【0006】
【概要】
【0007】
本発明の実施形態の目的は、良好な結果を維持しながら生産性を増大させるシーケンスに従ってレリーフ前駆体を露光させるための装置および方法を提供することである。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、第1の露光ステップの第1の露光期間中にレリーフ前駆体の第1の側を露光するように構成された第1の光源と、一つ又は複数の第2の露光ステップの一つ又は複数の第2の露光期間中に第1の側と反対側のレリーフ前駆体の第2の側を露光するように構成された移動可能な第2の光源とを使用して、レリーフ前駆体を露光する方法が提供される。この方法は、第1の露光期間を表す少なくとも1つの第1の特性および/または一つ又は複数の第2の露光期間を表す少なくとも1つの第2の特性を、オペレータインターフェースを介して受け取り、少なくとも1つの第1の特性および/または第2の特性に基づいて第1の光源および第2の光源に対する動作シーケンスを決定し、決定されたシーケンスに従ってレリーフ前駆体を露光するステップを含む。シーケンスは、一つ又は複数の第2の露光期間のそれぞれが、第1の露光期間と完全に重複するか、または第1の露光期間と重複しないようなシーケンスである。
【0009】
このようにして、オペレータによって入力された特性に基づいて適切なシーケンスを決定することができる。このシーケンスは、第2の光源が露光状態にある間に、第1の光源が露光状態から非露光状態に変化しないように決定される。さらに、シーケンスは、第2の露光期間が第1の露光期間と完全に重複する(すなわち、完全に内部にある)限り、第1の光源および第2の光源との同時露光を含むことができる。このような決定ステップを導入して適切なシーケンスを決定することにより、生産性を高めることができる。実際、結果の質に否定的な影響を与えることなく、可能な限り重複を導入することによって、方法を実施するために必要とされる時間はより短くなり得る。
【0010】
好ましい実施形態において、第1の光源は、レリーフ前駆体の第1の側(背面)に固体層(床)を形成するための背面光源であり、第2の光源は、レリーフ前駆体の第2の側(前面)にレリーフ構造を生成する前面光源である。
【0011】
したがって、本発明の実施形態によれば、前面露光期間は、常に背面露光期間と完全に重複するか、または全く重複しない。このようにして、レリーフ前駆体Pの熱挙動は、任意の前面露光中に制御され(例えば、全前面露光中に同じ前面露光条件および背面露光条件)、印刷版の品質を確保する一方で、可能な場合には重複は、露光方法の全持続時間の低減を可能にし、従って、方法の生産性を増加させる。
【0012】
好ましくは、第1の特性と第2の特性の両方が、オペレータによって変更され、オペレータインターフェースを介して受け取られてもよい。このようにして、第1の露光および第2の露光を自由にカスタマイズすることができる。あるいは、第1の特性または第2の特性のうちの1つが予め設定され、もう1つが可変であり、オペレータインターフェースを介して受け取られる。このようにして、カスタマイズの前にユーザを助けるために、所定の数のシナリオが提供されてもよい。第1の特性および第2の特性は、それぞれ、第1の露光ステップおよび第2の露光ステップの第1の露光期間および第2の露光期間および第1の非露光期間および第2の非露光期間の両方に対する指示を含むことができることに留意されたい。しかしながら、典型的には、第1の非露光期間および第2の非露光時間は予めプログラムされ、オペレータによって入力されない。また、第1の非露光時間および/または第2の非露光時間は、ゼロまたは無視できるものであってもよい。あるいは、非露光期間が予めプログラムされているか無視できる場合には、第1の露光ステップおよび第2の露光ステップの全時間期間のみが提供されてもよい。
【0013】
好ましい実施形態によれば、シーケンスを決定するステップは、第1の露光期間が、一つ又は複数の第2の露光ステップの第2の露光期間のいずれか1つよりも短い場合、一度に第1の光源のみ又は第2の光源のみを動作させるように一連のシーケンスを選択するステップを含む。このようにして、第1の露光期間がいずれかの第2の露光期間よりも短い場合には、第2の露光ステップの一部のみの間の第1の露光を防止するために重複が回避される。このようにして、露光条件、例えば温度条件は実質的に均一であり、定性的に良好で実質的に均一な第2の露光ステップを保証する。第1の選択肢によれば、第1の露光期間は、少なくとも1つの第2の露光期間に先行してもよく、第2の選択肢によれば、第1の露光期間は、少なくとも1つの第2の露光期間の後に続くことができる。2つ以上の第2の露光ステップが実施される場合、さらに多くのオプションが可能である。状況に応じて、3つの選択肢のうちの1つが好ましい場合があり、決定するステップは、任意選択的に、シーケンスの適合性を更に改善するために、レリーフ前駆体のタイプ、使用される強度などの更なる考慮すべき問題を考慮してもよい。
【0014】
好ましい実施形態によれば、シーケンスを決定するステップは、第1の露光期間が第2の露光期間の1つよりも長い場合、第1の露光期間と重複するようにその第2の露光期間を選択する工程を含む。このようにして、第1の露光が第2の露光期間よりも長い場合には、第2の露光期間中に第2の露光と第1の露光を一緒に実施することができ、従って、露光の全持続時間を短縮することができる。第1の選択肢によれば、第1の露光期間および第2の露光期間は、その後、一緒に開始することができる。一部の用途では、第2の露光をできるだけ早く実施することによって、より高い品質が達成される。たとえば、利用可能な酸素の量は、第2の露光に対して役割を果たし、そして第2の露光を早期に行うことによって、より少ない酸素がレリーフ前駆体中に存在し得る。あるいは、第1の露光期間および第2の露光期間を一緒に終了させてもよいし、重複のために選択された第2の露光ステップを第1の露光ステップの中間に封じ込めてもよい。状況に応じて、3つの選択肢のうちの1つが好ましい場合があり、決定するステップは、所望の結果に対するシーケンスを更に改善するために、レリーフ前駆体のタイプ、使用される強度などの更なる考慮すべき問題を任意に考慮してもよい。
【0015】
好ましい実施形態によれば、シーケンスを決定するステップは、前記一つ又は複数の第2の露光ステップのうちの少なくとも1つに対して、その第2の露光期間が第1の露光期間よりも短いかどうかを決定する工程を含み、もしそうである場合には、前記1つの第2の露光ステップの第2の露光期間が前記第1の露光期間と完全に重複するようにシーケンスを決定し、もしそうでない場合には、前記第1の露光期間と前記第2の露光ステップの第2の露光期間が重複しないようにシーケンスを決定する。従って、シーケンスを決定するステップは、典型的には、一つ又は複数の第2の露光ステップの第1の露光期間と一つ又は複数の第2の露光期間とを比較する工程を含む。このようにして、第1の露光期間と各第2の露光期間の持続時間を直接比較することによって、単純に決定されて、第2の光源および第1の光源に対する最良のシーケンスを決定することができる。
【0016】
たとえば、一つ又は複数の第2の露光ステップが、単一の第2の露光ステップを含む場合、シーケンスを決定するステップは2つのステップを含む。第1のステップでは、第1の露光期間および第2の露光期間が比較される。第2のステップでは、第2の露光期間が第1の露光期間よりも小さい場合には、第2の露光ステップの第2の露光期間が第1の露光期間と完全に重複するように第2の露光ステップが実施されることを決定し、第2の露光期間が第1の露光期間よりも大きい場合には、第2の露光ステップの第2の露光期間が第1の露光期間と重複しないように第2の露光ステップが実施されることを決定する。
【0017】
好ましい実施形態によれば、第1の露光期間中、第1の光源によって発せられる光の強度は実質的に一定である。このようにして、第1の露光は一定の強度で実施され、少なくとも1つの第2の露光ステップ中にレリーフ前駆体上の実質的に均一な条件を時間にわたって確保する。
【0018】
第1の光源から発せられる光の強度に関しては、露光装置にレリーフ前駆体を配置する際に、レリーフ前駆体の第1の側に対応する平面内にセンサの測定側が置かれるように配置された直径16mmのダイアフラムを有するOphir 10A-V1.1センサ(Ophir Optronics Solutions Ltd.)によって測定された強度を意味する。従って、露光装置が支持面を有する担持構造、例えば支持面を有するガラス版を有する場合、センサは、その測定側が第1の光源に向けられた状態で、支持面上に設定可能である。これは図8に例示されており、センサSは、例えばガラス版のような支持構造体3の支持面上に置かれ、センサSの測定側Mは、測定側Mが第1の光源によって放射された光を受けるように支持面上に配置されている。
【0019】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの第1の特性は、第1の露光期間の持続時間を表す特性を含む。このようにして、第2の光源および第1の光源の動作シーケンスを決定する際に、第1の露光期間の持続時間を考慮に入れることができる。たとえば、少なくとも1つの第1の特性は、以下のいずれか1つまたはそれらの組合せを含む。第1の露光期間の持続時間、第1の露光ステップの第1の非露光期間の持続時間、第1の露光期間中に使用される光強度を表す値。このようにして、第1の露光ステップ中の露光条件は、第2の光源および第1の光源の動作シーケンスを決定する際に考慮に入れることができる。さらに、第1の露光期間中に受けた光量に影響する限りにおいて、第1の露光期間中の光強度を表す値は、第1の露光期間の持続時間と相関させることができることに留意されたい。一実施例において、第1の光源は、シャッタを備えた一組のUV光管であり、非露光期間は、第1の光源を事前調整するための時間に対応してもよい。一部の実施例において、オペレータが第1の露光期間を表す値を入力する場合、決定中に、較正パラメータおよび/または露光条件に基づいて(例えば、シャドープレートが使用されるか否かに基づいて)、入力された第1の露光期間を増加または減少させることが決定されてもよい。
【0020】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの第2の特性は、一つ又は複数の第2の露光期間の持続時間を表す少なくとも1つの特性を含む。このようにして、第2の光源および第1の光源の動作シーケンスを決定する際に、一つ又は複数の第2の露光期間の持続時間を考慮に入れることができる。たとえば、少なくとも1つの第2の特性は、以下のいずれか1つまたはそれらの組合せを含む。一つ又は複数の第2の露光ステップ中の第2の光源の移動速度に対する速度値、同じ第2の露光ステップが繰り返される回数、一つ又は複数の露光期間の第2の露光期間の持続時間、前記一つ又は複数の第2の露光ステップの一つの第2の露光ステップの非露光期間の持続時間、一つ又は複数の第2の露光期間の一つの第2の露光期間中に使用される光強度を表す値。特に、第2の露光期間中に第2の光源が移動する速度は、所定のサイズを有する所定のレリーフ前駆体に対する第2の露光期間の持続時間に影響し、第2の光源および第1の光源に対する動作シーケンスを決定するために考慮に入れることができる。さらに、同じ第2の露光ステップが繰り返される回数は、少なくとも1つの第2の露光ステップの合計持続時間に影響を与え、第2の光源および第1の光源に対する動作シーケンスを決定するために考慮に入れることができる。さらに、光強度を表す値は、第2の露光期間中に受けた光量に影響する限りにおいて、第2の光源の移動のための速度値に相関されてもよいことに留意されたい。したがって、オペレータは強度値および/または線量のみを入力することができ、適切な速度(したがって第2の露光時間)を制御手段によってそれに基づいて決定することができる。
【0021】
第2の光源が発する光の強度とは、露光装置にレリーフ前駆体を配置したときのレリーフ前駆体の第1の側に対応する平面と第2の光源との間の平面から15mm離れた位置の強度をいう。したがって、露光装置が支持面、例えばガラス版を有する担持構造体を備える場合、強度は、支持面から15mmの距離における強度である。しかしながら、センサは一定の高さを有し、第2の光源と支持面との間の距離は典型的には非常に小さいので、光強度は露光装置の外側で測定されなければならない場合がある。したがって、センサは露光装置の外側に配置されてもよいが、センサの測定側は、第2の光源と支持面との距離d2から15mmを引いた距離d2(dm=d2-15mm)に対応する第2の光源の距離dmに位置するようにする。また、第2の光源の強度は、直径16mmのダイアフラムを備えたOphir 10A-V1.1センサ(Ophir Optronics Solutions Ltd)によって測定してもよい。これは、図8に示すように、センサS’の測定側M’が、第2の光源2と支持構造体3の支持面との間の距離d2(例示の実施例では、d2=50mm)から15mmを引いた距離d2(すなわち、dm=d2-15mm=50mm-15mm=35mm)に等しい第2の光源2の距離dmに位置するようにセンサS’が置かれる。
【0022】
ここで、距離は、第2の光源とセンサの測定側との間ではなく、第2の光源とセンサの支持側との間で測定されることに留意されたい。これは図8に例示されており、センサSは、例えばガラス版のような支持構造体3の支持面上に置かれ、センサSの測定側Mは、測定側Mが第1の光源によって発せられた光を受けるように支持面上に配置されている。
【0023】
好ましくは、受け取るステップは、第1の露光期間と、異なる第2の露光ステップごとに、第2の光源の移動速度と第2の露光ステップが繰り返される回数との組合せとを受け取る工程を含む。次に、一つ又は複数の第2の露光期間を、一つ又は複数の受け取る速度の値および対応する反復回数から導出することができる。
【0024】
好ましい実施形態によれば、各第2の露光ステップは、第2の露光期間に続く第2の非露光期間を含み、決定するステップは、第2の非露光期間を考慮に入れる。このようにして、露光プロセスに固有の遅延を露光ステップで考慮に入れることができる。例えば、第2の非露光期間中に、露光期間後に第2の光源を最初に初期位置に移動させるための時間を設けることができる。
【0025】
好ましい実施形態によれば、決定するステップは、第1の露光ステップおよび一つ又は複数の第2の露光ステップを実施するために必要とされる時間が、第1の露光ステップおよび一つ又は複数の第2の露光ステップを連続して実施するために必要とされる時間よりも短くなるようなものである。
【0026】
好ましい実施形態によれば、各第2の露光ステップは、前方移動および後方移動を含む。好ましくは、第2の光源は、第2の露光期間中の前方移動中に第2の側を露光し、後方移動中に第2の側を露光しない。換言すれば、第2の露光ステップは、第2の光源がレリーフ前駆体を露光する前方移動に対応する露光期間と、第2の光源をオフにして単に初期位置に戻す後方移動に対応する非露光期間とからなる。あるいは、第2の光源は、前方移動および後方移動の両方の間に第2の側を露光してもよく、第1の第2の露光ステップは前方移動に対応し、別の第2の露光ステップは後方移動に対応する。そのような実施形態において、第1の露光ステップおよび更なる第2の露光ステップ中の非露光期間は、典型的には無視できるか、または非常に短い。
【0027】
好ましい実施形態によれば、一つ又は複数の第2の露光ステップは、少なくとも2つの第2の露光ステップを含む。このようにして、第2の露光を少なくとも2つの第2の露光ステップにわたって分布させることができる。好ましくは、少なくとも2つの第2の露光ステップは、2つの異なる第2の露光ステップを含み、受け取るステップは、異なる各第2の露光ステップに対して第2の特性を受け取るステップを含む。このようにして、レリーフ前駆体の第2の側は、異なる条件下で、特に、複数のサイクルに従って、段階的に増加または減少された強度および/または速度で連続的に露光されて、レリーフ構造のエッジの質を改善することができる。たとえば、第1の強度および速度を有する一つ又は複数のサイクルの後に、異なる強度および/または速度を有する一つ又は複数のサイクルを続けることができる。あるいは、少なくとも2つの露光ステップは同一であってもよく、例えば、熱的理由(より高い強度および/またはより低い速度での単一サイクル中に露光するときに熱の蓄積を回避すること)のために、時間にわたって露光を分散させる。
【0028】
好ましい実施形態によれば、シーケンスを決定するステップは、以下の工程を含む。
・2つの第2の露光ステップの第2の露光期間および任意の中間の非露光期間の合計を第1の露光期間と比較する工程、
・第2の露光期間と任意の中間の非露光期間の合計が第1の露光期間よりも小さい場合には、前記2つの第2の露光期間が両方とも第1の露光期間と重複するように前記2つの露光ステップが実施されると決定する工程。このようにして、2つの連続する第2の露光期間中に第1の露光ステップを実施することができ、これにより、第1の光源が2つの露光期間全体にわたってオンのままであることを確保しながら、露光方法の全期間を短縮することができる。
・各第2の露光期間が第1の露光期間よりも大きい場合には、前記2つの第2の露光ステップが、第1の露光ステップの前および/または後に実施されると決定する工程。任意選択的に、第1の露光ステップは、例えば、最終レリーフ前駆体、レリーフ構造のための良好な基礎を構成する既に露光された床層の品質を向上させるために、第2の露光ステップの前に実施されることもある。あるいは、2回目の露光後に1回目の露光を実施する。このようにして、第2の露光期間のいずれかの一部分のみの間の重複が防止され、第1の光源が両方の第2の露光期間にオフのままであるかまたは遮蔽されることを確実にする連続動作が実現される。
・第2の露光期間が第1の露光期間よりも小さく、かつ第2の露光期間と任意の中間非露光期間との合計が前記第1の露光期間よりも大きい場合には、前記2つの第2の露光ステップのうちの一方は、その第2の露光期間が第1の露光期間と重複するように実施され、他方は、第2の露光期間が第1の露光期間と重複しないように実施されることを決定する。このようにして、一方の第2の露光期間全体との重複を可能とし、他方の第2の露光期間の一部のみの重複を防止する。
【0029】
好ましい実施形態によれば、受け取るステップは、オペレータが少なくとも1つの第1の特性および/または第2の特性を入力することを可能にするオペレータインターフェースをオペレータに提示する工程を含む。このようにして、シーケンスは、この方法の適用範囲を増加させるためにオペレータによって入力されたカスタマイズされた特性に基づくことができる。
【0030】
好ましい実施形態によれば、この方法は、決定するステップの前に、およびオプションとして受け取るステップの前に、オペレータインターフェースを介して、一つ又は複数の動作モードから動作モードを受け取るステップを含む。一つ又は複数の動作モードは、シーケンスを決定するために決定ステップが実施されることを示す第1の動作モードと、所定のシーケンスが実施されることを示す第2の動作モードとを少なくとも含む。このようにして、ユーザは、生産性を向上させるために、所定のシーケンスと計算されたシーケンスとの間で選択することができる。所定のシーケンスは、ユーザが過去に使用したシーケンスであってもよいし、予めプログラムされたシーケンスまたはオペレータによって入力されたシーケンスであってもよい。
【0031】
好ましい実施形態によれば、第2の動作モードは、第1の露光ステップの前に一つ又は複数の第2の露光ステップを実施する必要があることを示し、一つ又は複数の動作モードは、第1の露光ステップの後に一つ又は複数の第2の露光ステップを実施する必要があることを示す第3の動作モードを含む。第3のモード動作は、既に露光された床層が、一般に、露光されていない床層よりもレリーフ構造のためのより良い基礎であると考えられるので、一般に好ましい動作モードに対応する。このようにして、状況に応じて露光方法をユーザのニーズに適応させるために、柔軟性がユーザに提供される。
【0032】
好ましい実施形態によれば、第2の光源が移動されるときに、移動可能なシールドが第1の光源とレリーフ前駆体との間で移動される。第1の光源とレリーフ前駆体との間に移動可能なシールドが存在するため、レリーフ前駆体の第1の側は、移動可能なシールドがない場合よりも受ける光が少なくなる。シャドウプレートとも呼ばれる移動可能なシールドの好ましい特徴は、2020年1月24日に出願された出願番号N2024756のオランダにおける特許出願に見ることができ、これは参照により本明細書に含まれる。そのような実施形態において、オペレータは、受けた正味の線量がシャドウプレートのために低くなることを考慮した第1の露光期間を入力してもよく、またはオペレータは、正味の線量がシャドウプレートのために低くなることを考慮しない第1の露光期間の値を入力してもよい。後者の場合には、シャドウプレートによる損失を考慮して第1露光期間の補正値を決定し、この補正値をシーケンスの決定に用いてもよい。
【0033】
好ましい実施形態によれば、第1の露光ステップは、上記のように測定された前駆体の第1の側の面における強度が1-200mW/cm、好ましくは1-100mW/cm、より好ましくは10-50mW/cmの範囲になるように、さらに/または、前駆体の第1の側の面における線量が0.01-30J/cmの範囲、好ましくは0.1-30J/cmの範囲、より好ましくは1-30J/cmの範囲に実施される。
【0034】
好ましい実施形態によれば、各第2の露光ステップは、前駆体の第2の側で発せられ、上記のように測定された強度が、20-2000mW/cmの範囲、好ましくは40-1000mW/cmの範囲、より好ましくは50-500mW/cmの範囲となるように、さらに/または、前駆体の第2の側の面での線量が1-100J/cmの範囲、好ましくは2-80J/cmの範囲、より好ましくは4-50J/cmの範囲となるように実施される。
【0035】
好ましい実施形態によれば、レリーフ前駆体は、少なくとも寸法的に安定な支持体と、光活性層と、必要に応じて、バリア層、マスク層(一体または追加)、スリップ層、接着層、保護層、機能層、及びこれらの組合せを含むグループから選択される更なる層とを含む。
【0036】
好ましい実施形態によれば、第1の光源は、好ましくは静止光源であり、複数のLED若しくは複数の光管、又は複数のレーザダイオード若しくはそれらの組合せを含む。
【0037】
任意選択的に、第1の光源は、第1の光源によって放射される強度を変化させるように構成された強度制御手段を備える。たとえば、第1の光源がLEDアレイである場合、強度制御手段は、異なる電力レベルでLEDアレイを駆動するように構成された駆動手段であってもよい。あるいは、強度制御手段は、レリーフ前駆体上の光強度を変化させるように構成された光学的手段であってもよい。
【0038】
好ましい実施形態によれば、第2の光源は、複数のLEDを備える。このようにして、特に、レリーフ前駆体を少なくとも2つの異なる強度を用いて少なくとも2つのステップで露光させるために、可変強度を達成することができる。任意選択的に、第2の光源は、第2の光源によって発せられる強度を変化させるように構成された強度制御手段を備える。たとえば、第2の光源がLEDアレイである場合、強度制御手段は、異なる電力レベルでLEDアレイを駆動するように構成された駆動手段であってもよい。あるいは、強度制御手段は、レリーフ前駆体上の光強度を変化させるように構成された光学的手段であってもよい。また、光学特性の異なる複数のプレートの中から適切な光学特性を有するプレートを選択し、このプレートを第2の光源とレリーフ前駆体との間に配置して、レリーフ前駆体が受ける強度に影響を与えることにより、強度を変化させてもよい。異なる強度が必要な場合には、このプレートを交換してもよい。さらに別の実施例において、必要とされる強度に応じて、異なる駆動電流を生成するように構成された複数のPCBの中から、第2の光源の必要とされる駆動電流を生成するための駆動回路を有するPCBを選択することができる。また、第2の光源とレリーフ前駆体との間の距離を変化させて、レリーフ前駆体が受ける強度に影響を与えてもよい。同じ方法を使用して、第1の光源の強度を変更することができる。
【0039】
好ましい実施形態によれば、第1の光源からの照射領域は、前駆体の表面積の0.5~90%の領域をカバーする。
【0040】
好ましい実施形態によれば、次のいずれか1つを含む露光ステップに先立って追加のステップが実施される。保護層の除去、マスク層の追加、マスク層の除去、前駆体の予備露光、およびそれらの組合せ、および/または、追加のステップは、露光ステップの後に実施され、露光ステップは、液体による処理、ガスによる処理、熱処理、面との接触、溶解または液化可能な材料の除去、電磁放射への曝露、プラズマへの曝露、切断、サンディングまたはこれらの組合せを含むグループから選択される。
【0041】
本発明の別の態様によれば、第1の露光ステップの第1の露光期間中にレリーフ前駆体の第1の側を露光するように構成された第1の光源と、一つ又は複数の第2の露光ステップの一つ又は複数の第2の露光期間中に第1の側と反対側のレリーフ前駆体の第2の側を露光するように構成された移動可能な第2の光源とを制御するための制御手段が提供される。制御手段は、オペレータインターフェースを介して、第1の露光期間を表す少なくとも1つの第1の特性および/または一つ又は複数の第2の露光期間を表す少なくとも1つの第2の特性を受け取るように構成される。制御手段は、少なくとも1つの第1の特性および/または第2の特性に基づいて、第1の光源および第2の光源に対する動作シーケンスを決定するように構成される。シーケンスは、一つ又は複数の第2の露光期間のそれぞれが、第1の露光期間と完全に重複するか、または第1の露光期間と重複しないようなシーケンスである。制御手段は、決定されたシーケンスに従って第1の光源および第2の光源を制御するように構成される。
【0042】
このようにして、本発明の実施形態によれば、第2の露光期間は、常に第1の露光期間と完全に重複するか、または全く重複しない。このようにして、レリーフ前駆体は、第2の露光ステップ中に実質的に均一に動作することが保証され、それによって露光の品質が保証される一方で、可能な場合には重複は、第1の露光ステップおよび第2の露光ステップの合計持続時間の短縮を可能にし、それによって制御手段によって達成される生産性を増加させる。
【0043】
制御手段は、上記に開示された方法の実施形態の方法ステップのいずれか一つ又は複数を実施するように更に構成されてもよい。
【0044】
本発明の更なる実施態様によれば、上記に開示された実施形態のいずれか1つの複数のステップのいずれか1つのステップに従って、プログラムがコンピュータ上で実行されるときに、この方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0045】
本発明の更なる態様によれば、上記に開示された方法の任意の1つの実施形態の一つ又は複数のステップを実施するようにプログラムされたコンピュータデバイスまたは他のハードウェアデバイスが提供される。別の態様によれば、上記に開示された方法の任意の1つの実施形態の一つ又は複数のステップを実施するために、機械可読形式および機械実行可能形式でプログラムを符号化するデータ記憶デバイスが提供される。
【0046】
本発明の別の態様によれば、露光装置が提供され、この露光装置は、第1の露光ステップの第1の露光期間中にレリーフ前駆体の第1の側を露光するように構成された第1の光源と、一つ又は複数の第2の露光ステップの一つ又は複数の第2の露光期間(Te2)中に第1の側と反対側のレリーフ前駆体の第2の側を露光するように構成された移動可能な第2の光源と、第2の光源を移動させるように構成された移動手段と、上記実施形態のいずれか1つに記載の制御手段または上記実施形態のいずれか1つのコンピュータプログラムを記憶する制御手段とを備え、前記制御手段は、決定されたシーケンスに従って、第1の光源、第2の光源および移動手段を制御するように構成されている。
【0047】
好ましくは、レリーフ前駆体は、以下を含むグループから選択される要素の前駆体である:フレキソ印刷版、レリーフ印刷版、レタープレス版、凹版、(フレキシブル)プリント回路基板、電子素子、マイクロ流体素子、マイクロ流体工学素子、マイクロリアクタ、泳動セル(phoretic cell)、フォトニック結晶および光学素子、フレネルレンズ。マイクロ流体要素またはマイクロリアクタを得るために、形成されたレリーフの上に追加の層が追加され、それによってチャネルおよび空間が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
添付の図面は、本発明の装置および方法の現在好ましい非限定的例示的実施形態を示すために使用される。本発明の特徴および目的の上記および他の利点は、より明らかになり、本発明は、添付の図面と併せて読むとき、以下の詳細な説明から、よりよく理解される。
図1図1は、レリーフ前駆体を露光するための装置の例示的実施形態の概略断面図である。
図2図2は、移動可能なシールドを備えたむレリーフ前駆体を露光するための装置の別の例示的実施形態の斜視図である。
図3図3A図3Fは、第2の露光ステップが1つしかない場合におけるレリーフ前駆体の露光方法の例示的実施形態の時間図である。図3A図3Cは、第2の露光期間が第1の露光期間よりも長い状況を例示し、図3D図3Fは、第1の露光期間が第2の露光期間よりも長い状況を示す。
図4図4A図4Fは、2つの第2の露光ステップがある場合におけるレリーフ前駆体の露光方法の例示的実施形態の時間図である。図4A図4Cは、第2の露光期間が第1の露光期間よりも大きい状況を示し、一方、図4D図4Eは、1つの第2の露光ステップ中の重複の状況を示し、図4Fは、第1の露光期間が両方の第2の露光期間の合計よりも大きい状況を示す。
図5図5は、レリーフ前駆体の露光方法の例示的実施形態のフローチャートである。
図6図6は、レリーフ前駆体の露光のための方法の別の例示的実施形態の別のフローチャートである。
図7図7は、本発明の例示的な実施形態によるオペレータインターフェースの概略図を例示する。
図8図8は、第1の光源および第2の光源が発する強度がどのように測定されるかを概略的に例示する。
【実施形態の詳細な説明】
【0049】
図1は、基板層および少なくとも1つの感光層を備えたレリーフ前駆体Pの露光するための装置を概略的に例示する。装置は、第1の光源1と、移動可能な第2の光源2と、搬送構造体3とを備える。第1の光源1は、レリーフ前駆体Pの第1の側、ここでは裏側とも呼ばれる下側を照射するように構成される。移動可能な第2の光源2は、レリーフ前駆体Pの第1の側とは反対側の第2の側を照射するように構成されている。第2の側は、典型的には、レリーフ前駆体Pの前側とも呼ばれる上側である。
【0050】
第1の光源1は、レリーフ前駆体Pに平行な平面内に実質的に延びている。第1の光源1は、静止している。第2の光源2は、矢印A1で示すように、第1の光源1の平面に平行な平面内を前後に移動可能である。
【0051】
好ましくは、第1の光源1は、(図1において幅w1’を有する)平面の第1の照射領域を照射するように構成され、第2の光源は、前記平面の(図1において幅w2’を有する)の第2の照射領域を照射するように構成され、前記平面は、第1の光源1と第2の光源2との間に置かれ、かつレリーフ前駆体の第1の側が置かれることが意図される平面に対応する。平面の照射領域とは、前記平面における光の強度の最大値の10%より高い強度の領域と定義される。搬送構造体3が存在する場合、平面は搬送構造体3の支持面に対応する。(図1において幅w2’を有する)第2の照射領域は、(図1において幅w1’を有する)第1の照射領域よりも少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも5倍、小さいことが好ましい。典型的な実施形態において、第1の光源1は、レリーフ前駆体の第1の側全体(即ち、後側全体)を実質的に照射するために使用され、一方、第2の光源2は、レリーフ前駆体の第2の側(即ち、上側)のより小さな領域を、典型的にはより高い光強度で照射する。好ましくは、幅w2’は、100mm~600mm、例えば、200mm~400mmである。好ましくは、幅w1’は1500mm~3000mm、例えば1800mm~2500mmである。
【0052】
搬送構造体3、例えばガラス版は、レリーフ前駆体を支持するように構成され、第2の光源2と第1の光源1との間に置かれる。搬送構造体3は、第1の光源1から発せられる電磁放射線に対して透過性があってもよい。
【0053】
第1の光源1は、複数のLED、一組の蛍光ランプ、フラッシュランプ、一組の光管、LCDスクリーン、(移動可能なミラーを有する)光投影システム、太陽光収集システム、およびそれらの組合せを含むグループから選択されてもよい。第2の光源2は、LEDアレイ、一組の蛍光ランプ、フラッシュランプ、直線状に置かれた一組の光管、(走査)レーザ、LCDスクリーン、(移動可能なミラーを有する)光投影システム、およびこれらの組合せからなるグループから選択されてもよい。図1の実施例において、光源1は、開閉可能なシャッタ6を備えた一組の光管である。シャッタ6は、事前調整中にUV光管1を遮蔽するために使用されてもよい。
【0054】
図1は、第2の光源2を移動させるように構成された移動手段8を例示する。制御手段5は、第2の光源2がレリーフ前駆体の全面を露光するように移動手段8を制御してもよい。第1の光源1および第2の光源2の駆動は、オペレータインターフェース7を介して受け取られた情報に基づいて制御手段5によって行われる。制御手段5は、第1の露光ステップS1中に第1の光源1に電力を供給し、第2の露光ステップS2中に第2の光源2に電力を供給して移動させるように構成することができる。2つ以上のステップS2、S2’に従って第2の光源2の電力供給を行うことも可能であり、これらのステップは周期的であっても非周期的であってもよい。たとえば、第1の光源1による第1の露光ステップS1と第2の光源2による第1の第2の露光ステップS2の後に、第2の光源2による第2以降の露光S2’を実施してもよい。ステップS2およびS2’は、典型的には異なっていてもよい。
【0055】
第1の露光ステップS1において、第1の光源1は、第1の露光期間Te1中にレリーフ前駆体Pを露光してもよいし、第1の非露光期間Tne1中にレリーフ前駆体Pを露光しなくてもよい。第1の非露光期間Tne1は、第1の露光プロセスに固有の遅延を考慮に入れることができる。典型的には、第1の光源1が、シャッタを備えたUV光管のセットである場合、第1の非露光期間Tne1は、第1の光源を事前調整するための期間を含むことができる。
【0056】
第2の露光ステップS2またはS2’中、第2の光源2は、第2の露光期間Te2中にレリーフ前駆体Pを露光してもよく、第2の非露光期間Tne2中にレリーフ前駆体Pを露光しなくてもよい。第2の非露光期間Tne2は、第2の露光プロセスに固有の遅延を考慮に入れることができる。典型的には、第2の光源2は第2の露光期間Te2中に一方向に移動されてレリーフ前駆体の完全な面を露光し、非露光期間Tne2中に反対方向に移動されて元の位置に戻る。第2の露光期間中、第2の光源2はオンにされ、第2の非露光期間中、第2の光源2はオフまたは遮蔽される。
【0057】
制御手段5は、オペレータインターフェース7を介して受け取った情報に基づいて、第1の光源1および第2の光源2の動作シーケンスを決定する。次いで、制御手段5は、決定されたシーケンスに従って、レリーフ前駆体Pを露光する第1の光源1、第2の光源2および移動手段8を制御する。シーケンスは、1一つ又は複数の第2の露光期間のそれぞれが、第1の露光期間と完全に重複するか、または第1の露光期間と重複しないようなシーケンスである。オペレータインターフェース7を介して受け取られる情報は、第1の露光期間Te1を表す少なくとも1つの第1の特性および/または一つ又は複数の第2の露光期間Te2、Te2’を表す少なくとも1つの第2の特性を含んでもよい。
【0058】
少なくとも1つの第2の特性は、以下のいずれか1つまたはそれらの組合せを含むことができる。一つ又は複数の第2の露光ステップS2、S2’中の第2の光源2の移動速度に対する速度値、同じ第2の露光ステップが繰り返される回数、一つ又は複数の第2の露光期間Te2、Te2’中に使用される光強度を表す値。典型的には、第2の特性は、それぞれの異なる第2の露光ステップに対して、速度値と反復回数との組合せを含むことができる。典型的には、それぞれの第2の露光ステップの強度または電力もオペレータによって入力されるが、ほとんどの実施形態において、シーケンスを決定するために強度または電力を使用する必要はないことに留意されたい。しかしながら、さらに開発された実施形態では、強度または電力も考慮に入れることができる。
【0059】
少なくとも1つの第1の特性は、以下のいずれか1つまたはそれらの組合せを含むことができる。第1の露光期間の持続時間、第1の露光期間Te1中に使用される光強度を表す値。典型的には、第1の特性は、第1の露光期間中の持続時間を含むことができる。また、第1の露光ステップの強度または電力は、オペレータによって入力されてもよいが、ほとんどの実施形態において、シーケンスを決定するために強度または電力を使用する必要はないことに留意されたい。しかしながら、さらに開発された実施形態では、第1の露光ステップの強度または電力も考慮に入れることができる。
【0060】
図2の実施形態では、図1に示す要素に加えて、移動可能なシールド4が追加されている。移動可能なシールド4は、第1の光源と第2の光源2との間、特に第1の光源1と搬送構造体3との間に置かれる。シールド4は、レリーフ前駆体Pを透過した第2の光源2の光の少なくとも一部を捕捉するように構成されている(矢印L参照)。シールド4は、第2の光源から発せられる電磁放射に対して非透過性である。シールド4は、第2の光源2に面し、前記面で受け取られる光の80%以上、好ましくは95%以上を吸収するように構成された面42、ここでは上面を有する。この上面42は黒色面であってもよい。例示された実施形態において、シールド4は平坦な上面42を有するプレートであるが、当業者はシールドが任意の適切な形状を有してもよく、例えば黒色の外面を有するロッドであってもよいことを理解している。シールド4は、第2の光源2に機械的に結合されてもよいし、独立して移動可能であってもよい。また、シールド4は、矢印A2で示すように、第1の光源1の平面に平行な平面内を前後に移動可能である。移動可能なシールドの好ましい特徴は、2020年1月24日に出願された出願番号N2024756のオランダにおける特許出願に見ることができ、これは参照により本明細書に含まれる。
【0061】
図2の実施形態において、第1の光源1はLEDアレイを備え、制御手段5は、露光が同時にまたは順次に行われるように第1の光源1および第2の光源2を制御することができ、第1の光源1は、シールドに面するLEDアレイの発光素子1aのグループがオフに切り替えられ、LEDアレイの他の発光素子1bがオンに切り替えられるように制御され、シールド4が移動するにつれてグループ1aが変化する。第1の光源1は、第2の光源2に面する光吸収面12、例えば、黒色面を有する支持体10、典型的にはPCBを備える。
【0062】
図2は、第2の光源2と同時に移動可能なシールド4を移動させるように構成された移動手段8を例示する。制御手段5は、第2の光源2とシールド4とが共に移動するように移動手段8を制御してもよく、第1の光源1の配光がシールド4の位置に応じて機能的に調整されるように第1の光源1の駆動を制御してもよい。
【0063】
図1と同様に、第1の光源1および第2の光源2の駆動は、オペレータインターフェース7を介して受け取られた情報に基づいて制御手段5によって行われる。図2の実施形態において、第2の露光期間は、光源2の前方移動の持続時間に対応してもよく、第2の非露光期間Tne2は、第2の光源2が前方移動中のみ能動的であり、後方移動中は能動的でない場合には後方移動の持続時間に対応してもよい。
【0064】
図2の実施形態において、オペレータは、第1の光源1による第1の露光期間を入力することができ、これは、この第1の露光期間は、受けた正味の線量が、移動可能なシールド4によって低くなることを考慮に入れる、または、オペレータは、第1の露光期間の値を入力することができ、これは、第1の露光期間が、正味の線量が、移動可能なシールド4によって低くなることを考慮に入れる。後者の場合には、移動可能なシールド4による損失を考慮して第1の露光期間の補正値を決定し、この補正値を用いてシーケンスを決定してもよい。
【0065】
図3A図3Fは、第2の露光ステップS2が1つしかない場合におけるレリーフ前駆体の露光方法の例示的実施形態の時間図である。これらの図は、第1の非露光期間Tne1を言及している。まだ、状況に応じて、第1の非露光期間Tne1はゼロまたは無視できる。同様に、第2の非露光期間Tne2もまた、例えば、第2の露光が移動手段8の前後両方の移動中に実施されるように選択される場合には、ゼロまたは無視してもよい。
【0066】
図3A図3Cは、第2の露光期間Te2が第1の露光期間Te1よりも大きい状況を例示している。実質的に均一な第2の露光を確保するためには、第1の露光期間Te1と第2の露光期間Te2とが重複しないようにして、印刷版の印刷品質を確保するために、第1の露光期間Te1と第2の露光期間Te2とを順次実施する必要がある。第2の露光期間Te2全体にわたって第1の光源1を消灯させておくことにより、レリーフ前駆体Pが第2の露光期間にほぼ均一に挙動することを確保することができる。
【0067】
図3Aは、第1の露光ステップS1に従ってレリーフ前駆体Pを第1の光源1で露光した後、第2の露光ステップS2に従ってレリーフ前駆体を第2の光源2で露光してもよい状況を例示している。たとえば、薄いレリーフ前駆体の場合、第1の光源1による背面露光は、第2の光源2による主要露光の前に終了してもよい。次に、露光方法の全持続時間は、第1の露光ステップS1と第2の露光ステップS2の持続時間の合計とすることができ、これは、第1の非露光期間Tne1、第1の露光期間Te1、第2の露光期間Te2、および第2の非露光期間Tne2の合計を意味する。
【0068】
図3Bは、代替状況を例示し、ここでは、第2の露光ステップS2に従ってレリーフ前駆体Pを第2の光源2で露光するステップが、第1の露光ステップS1に従ってレリーフ前駆体を第1の光源1で露光する前に終了してもよい。たとえば、厚いプレートの場合、第2の光源2による主要露光は、第1の光源1による背面露光の前に終了してもよい。次に、露光方法の全持続時間は、第1の露光ステップS1と第2の露光ステップS2の持続時間の合計とすることができ、これは、第1の非露光期間Tne1、第1の露光期間Te1、第2の露光期間Te2、および第2の非露光期間Tne2の合計を意味する。
【0069】
図3Cは、第2の露光期間Te2が終了した直後に第1の露光ステップS1を開始することができる別の状況を例示する。この変形例において、第2の露光期間Te2が終了すると同時にシャッタ6が閉じられている間に、第1の光源1がウォームアップを開始してもよい。この状況において、第1の光源1は、第2の非露光期間Tne2中、例えば、第2の光源2がその初期位置に戻される間に露光されてもよい。この代替案は、記載された3つの状況全ての最短の合計持続時間に相当してもよい。露光方法の全持続時間は、次に、露光期間Te1と第2の露光期間Te2との合計とすることができる。また、全持続時間が、例えばTe1+Te2とTe1+Te2+Tne1との間である場合にも準最適な解決策が可能である。
【0070】
使用されるべきシーケンスを決定するとき、図3A図3Cの選択肢の1つを選択することができ、ここで、任意に、好ましい選択肢を決定するために他の要因を考慮に入れることができる。
【0071】
さらなる図3D図3Fは、第1の露光期間Te1が第2の露光期間Te2よりも大きい状況を例示する。次に、第1の露光期間Te1と第2の露光期間Te2が重複してもよいが、それでもなお、レリーフ前駆体Pが第2の露光期間Te2中に実質的に均一な様式で熱的に挙動することができることを保証する。
【0072】
図3Dは、第1の露光期間Te1の途中で第2の露光期間Te2を行ってもよい状況を示している。その場合、露光方法の全持続時間は、第1の露光ステップS1の持続時間のみとなる。
【0073】
図3Eは、第2の露光期間Te2が第1の露光期間Te1で開始されてもよい状況を例示する。ここでもまた、露光方法の全持続時間は、第1の露光ステップS1の持続時間だけである。
【0074】
図3Fは、第2の露光期間Te2が第1の露光期間Te1で終了し得る状況を例示する。ここでもまた、露光方法の全持続時間は、第1の露光ステップS1の持続時間と第2の非露光ステップTne2の持続時間との合計となる。
【0075】
使用されるべきシーケンスを決定定するとき、図3D図3Fの選択肢のうちの1つを選択することができ、ここで、任意に、好ましい選択肢を決定するために他の要因を考慮に入れることができる。
【0076】
図4A図4Fは、2つの第2の露光ステップがある場合におけるレリーフ前駆体の露光方法の例示的実施形態の時間図である。
【0077】
図4A図4Cは、第2の露光期間が第1の露光期間よりも大きい状況を例示しており、その場合、Te2とTe1との間、またはTe2’とTe1との間に重複があってはならない。図4D図4Eは、1つの第2の露光ステップS2またはS2’中間の重複の状況を例示し、図4Fは、第1の露光期間が、2つの第2の露光ステップS2およびS2’中の重複の両方の第2の露光期間の合計よりも大きくてもよい状況を例示する。
【0078】
図4Aは、第1の露光ステップS1、第1の第2の露光ステップS2、および第2の第2の露光ステップS2’が、この順序で連続して実行されてもよいという、重複のない状況を示している。図4Bは、第2の露光ステップが第1の露光ステップの前に実行されてもよいという点で図4Aとは異なる別の状況を例示する。第1の露光ステップに加えて、最後の露光期間Te2’が終了するとすぐに、またはTne1がゼロでない場合には少し前に開始して、シーケンスを短縮することができる。図4Cは、第1の露光ステップが2つの第2の露光ステップの間に実施され、シーケンスを短縮するために第1の第2の露光期間Te2が終了するとすぐに開始される別の状況を例示する。したがって、図4Bおよび図4Cのシーケンスの持続時間は同一である。
【0079】
図4Dは、第1の露光期間が、第1の露光期間Te2と重複してもよいが、第2の露光期間Te2’とは重複しない状況を例示する。この状況の条件は、第1の露光期間Te1が、第2の露光期間Te2よりも大きく、第2の露光期間Te2よりも小さく、第2の露光期間Te2’および非露光期間Tne2に追加されることである。示された実施例では、図3Eと同様に、第1の露光および第2の露光は一緒に開始する。Te2がTe1の最後またはTe1の中間にあり得る更に他の代替例を想定してもよい。
【0080】
図4Eは、第1の露光期間が、第1の露光期間Te2と重複してもよいが、第2の露光期間Te2’とは重複しない状況を例示する。この状況の条件は、第1の露光期間Te1がTe2’よりも大きいが、Te2およびTne2に追加されたTe2’よりも小さいことである。再び、例示された実施例では、図3Eと同様に、第1の露光Te1および第2の露光Te2’が一緒に始まる。Te2’がTe1の末端またはTe1の中間にあってもよい更に他の代替例を想定することができる。
【0081】
図4Fは、第1の露光期間がTe2およびTe2’の両方と重複し得る状況を例示する。この状況の条件は、T1が、Te2、Tne2およびTe2’の合計よりも大きいことである。ここでも、例示の実施例では、第1の露光Te1および第2の露光Te2は一緒に開始する。さらに、Te2’が、Te1の最後にあってもよく、またはTe2が、Te1の中間にあってもよい、他の代替例が想定することができる。
【0082】
図5は、レリーフ前駆体の露光方法の例示的実施形態のフローチャートを例示する。この方法は、少なくとも第1の特性および/または第2の特性をオペレータインターフェースを介して受け取るステップ501を含む。
【0083】
続くステップ502において、受け取られた少なくとも1つの第1の特性および/または第2の特性に基づいて、第1の光源1および第2の光源2の動作シーケンスを決定する。動作シーケンスを決定するための基準としては、主に、一つ又は複数の第2の露光期間Te2、Te2’の各々が第1の露光期間Te1と完全に重複するか、または第1の露光期間Te1と重複しないようなシーケンスであるという条件がある。さらに、この方法は、
・生産性を向上させるための動作シーケンスの全持続続時間、
・可能な限り早い第2の露光期間での動作シーケンス、
を含む他の基準を考慮に入れてシーケンスを決定してもよいが、一部のレリーフ前駆体では、印刷版の印刷品質は、第1の露光と第2の露光を分離する時間とともに低下することがある。
【0084】
ステップ503において、この方法は、決定されたシーケンスに従ってレリーフ前駆体を露光するステップを含む。
【0085】
図6は、レリーフ前駆体の露光のための方法の別の例示的実施形態の別のフローチャートである。この例示的な実施形態において、ステップ602中に、オペレータインターフェースを介して動作モードを更に受け取ることができる。ステップ602は、図5のステップ502に対応するステップ601の前または後に実施されてもよい。
【0086】
動作モードは以下のいずれかとすることができる。
・制御手段5が、生産性を向上させるために、状況に応じて、第1の露光ステップと第2の露光ステップとが重複できる動作シーケンスを自動的に決定する複合モード603、または
・少なくとも1つの第2の露光ステップの前に、連続的に第1の露光ステップを実施する第1の固定モード606、
・少なくとも1つの第2の露光ステップの後に、逐次的に第1の露光ステップを実施する第2の固定モード608。
【0087】
最後に、ステップ605、ステップ607およびステップ608において、レリーフ前駆体は、選択された動作モードに対応するシーケンスに従って露光されてもよい。このようにして、オペレータは、幾つかのタイプの既知のレリーフ前駆体についての固定されたシーケンスを用いて自身の機械を操作することができ、一方で、新しい未知のレリーフ前駆体についてのシーケンスを決定するために制御手段に依存することを望むことができる。
【0088】
図7は、例示的な実施形態によるオペレータインターフェースの概略図を例示する。オペレータインターフェースは、複数の編集可能フィールド701-706および関連するボタン711-716を備えたウィンドウ700を有するグラフィカルユーザインターフェースとすることができる。
・フィールド701は、レリーフ前駆体の同定のために存在してもよい。
・フィールド702-703は、第1の露光期間、ここでは背面露光期間を表す第1の特性に関連してもよい。より具体的には、背面露光電力702および背面露光期間703を入力または変更することができる。
・フィールド705およびフィールド706は、少なくとも1つの第2の露光期間(ここでは、前面露光ステップの2サイクル)を表す少なくとも1つの第2の特性に関連してもよい。例示された実施例では、第2の露光ステップの2つの異なるサイクルに対する第2の特性を入力することができる。1番目のサイクルと2番目のサイクルでは、電力、速度、繰り返し回数を入力できる。したがって、実施される第2の露光ステップの総数は、第1のサイクルおよび第2のサイクルの繰り返し数の合計に等しい。
・フィールド704は、動作モードのために存在してもよい。
【0089】
グラフィカル・ユーザ・インターフェースの動作の一般原理を例示するために、フィールド704の編集について説明する。フィールド704に関連付けられたボタン714を起動させるとき、新しいウィンドウ1704を開くことができる。ウィンドウ1704において、オペレータは、利用可能な動作モードに対応するより多くのオプション704a-704cのうちの1つを選択することができ、すなわち、「メインの前」、「メインの後」または「組合せ」の実施例である。モードが選択されると、ボタン750の起動によってウィンドウ1704が閉じられ、ウィンドウ700に戻る。ウィンドウ1704と同様のウィンドウを開いて、編集可能フィールド701-703、705および706のそれぞれを編集することができることを理解されたい。ボタン720を起動させて全てのフィールド701-706を確認し、オペレータインターフェース7を介して情報を受け取るステップを完了することができる。ボタン730は、オペレータインターフェースを介して情報を受け取る最後のステップ以降のフィールド701-706の編集を取り消すために起動されてもよい。ボタン740は、ウィンドウ700に更に編集可能なフィールドを追加するために起動されてもよい。グラフィカルインターフェースを編集する他の方法は、オペレータから情報を受け取ることができる限り、発明の技能なしに構想することができることを、当業者は理解するであろう。
【0090】
例示されていない実施形態において、後処理ユニットは、レリーフ前駆体に後処理、例えば、洗浄、乾燥、後処理露光、加熱、冷却、材料の除去などを行うために提供されてもよい。さらに、例示されていない実施形態において、前処理ユニットは、レリーフ前駆体に前処理を実施するように提供可能であり、前記前処理は、例えば、以下を含むグループから選択される:切断、アブレーション、電磁放射への曝露、およびこれらの組合せ。
【0091】
レリーフ前駆体は、一般に、支持層および少なくとも1つの感光層を含む。支持層は、可撓性金属、天然または人工ポリマー、紙、セラミック、またはこれらの組合せであってよい。好ましくは、支持層は可撓性の金属またはポリマーのフィルムまたはシートである。可撓性金属の場合、支持層は、薄膜、ふるい様構造、メッシュ様構造、織布または不織布構造、またはそれらの組合せを含むことができる。鋼、銅、ニッケルまたはアルミニウムシートが好ましく、約50-1000μmの厚さであってよい。ポリマーフィルムの場合、フィルムは寸法的に安定であるが屈曲可能であり、たとえば、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドおよびポリカーボネート、織られた繊維、不織の繊維または層状の繊維(例えばガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維)で強化されたポリマー、またはこれらの組合せから作ることができる。好ましくはポリエチレンおよびポリエステルの箔が使用され、それらの厚さは約100-300μm、好ましくは100-200μmの範囲である。
【0092】
レリーフ前駆体は、少なくとも1つの更なる層を担持してもよい。たとえば、追加層は、以下のいずれかであってもよい。(たとえば、レーザーによる)直接刻み込める層、溶媒または水現像可能な層、熱現像可能な層、感光層、カバー層、バリア層、感光層とマスク層の組合せ。任意選択的に、追加の層の上に一つ又は複数の追加の層を提供することができる。上述した異なる層の間に、異なる層の適切な接着を保証する一つ又は複数の接着層を置くことができる。このような一つ又は複数の更なる追加の層は、画像形成可能層が画像形成される前に除去される他の全ての層の最上部にカバー層を含めてもよい。一つ又は複数の追加の層は、レリーフ層と、支持層とレリーフ層との間、または支持層のレリーフ層と反対側にあるハレーション防止層とを含むことができる。一つ又は複数の追加の層は、レリーフ層、画像形成可能層、および酸素の拡散を防止するレリーフ層と画像形成可能層との間の一つ又は複数のバリア層を含むことができる。上述した異なる層の間に、異なる層の適切な接着を保証する一つ又は複数の接着層を置くことができる。
【0093】
好ましい態様において、レリーフ前駆体は、ポリマー材料のポリエステルからなる支持層と、樹脂材料などの直接的に彫み込める材料からなる追加層とを含む。次いで、任意選択の層は、レーザアブレーション層であってよい。例示的な実施形態において、レリーフ前駆体は、少なくとも寸法的に安定な支持層、レリーフ層および画像形成可能なマスク層を含むことができる。任意選択的に、更なる層が存在してもよい。画像形成可能マスク層が画像形成される前に除去される全ての他の層の最上部にカバー層があってもよい。支持層とレリーフ層との間にハレーション防止層を設けてもよいし、支持層のレリーフ層と反対側に置いてもよい。酸素の拡散を防止する一つ又は複数のバリア層が、レリーフ層と画像形成可能マスク層との間に存在してもよい。上述した異なる層の間に、異なる層の適切な接着を保証する1つ以上の接着層を配置することができる。一つ又は複数の層は、液体による処理によって除去可能であってもよい。使用される液体は、異なる層に対して同じであっても異なっていてもよい。
【0094】
好ましい実施態様において、レリーフ前駆体は、感光層およびマスク層を含む。マスク層は、処理中に除去されるか、または透明性が変化してもよく、透明領域および非透明領域を有するマスクを形成する。必要に応じて、マスク層および/またはバリア層は、システムの予備洗浄セクションで除去されるが、これは、マスク層および/またはバリア層が、更なるプロセスステップまたは最終レリーフの使用中に問題を引き起こし得る材料を含み得るためである。マスクの透明領域の下で、感光性層は、照射によって溶解度および/または流動性の変化を受ける。この変化は、一つ又は複数の後続のステップにおいて感光性層の一部を除去することによってレリーフを生成するために使用される。溶解度および/または流動性の変化は、光誘導重合および/または架橋によって達成することができ、照射された領域の溶解性を低下させる。他の場合には、電磁放射線は、結合の破壊または保護基の開裂を引き起こし、照射された領域をより可溶性にする。好ましくは、光誘起架橋および/または重合を用いる方法が用いられる。
【0095】
露光された前駆体から材料を除去するために使用可能な液体は、とりわけ以下を含む:水、水溶液、溶媒およびそれらの組合せ。使用される液体の性質は、使用される前駆体の性質によって導かれる。除去される層が水または水溶液に可溶性、乳化性または分散性である場合、水または水溶液を使用してもよい。層が有機溶媒または混合物に可溶性、乳化性または分散性である場合、有機溶媒または混合物を使用することができる。有機的に現像可能な前駆体の場合、異なる有機溶媒またはそれらの混合物を使用することができる。
【0096】
露光された前駆体からの未硬化材料の除去はまた、加熱および現像材料による液化材料の除去によって実施されてもよい。軟化された材料の除去は、それを吸収材料と連続的に接触させることによって達成される。吸収性現像剤材料は、ポリアミド、ポリエステル、セルロースまたは無機繊維の不織布であってよく、その上に軟化材料が付着し、その後除去される。そのような方法は、たとえば、米国特許第3264103号、米国特許第5175072号、WO 96/14603またはWO 01/88615に記載されている。あるいは、WO 01/90818は、露光されたレリーフ前駆体を高温ガスまたは流体ジェットで処理して未硬化材料を除去することを提案している。EP-A 469 735およびWO 01/18604には、上記の方法を実施することができるデバイスが記載されている。
【0097】
本発明の原理は特定の実施形態に関連して上述したが、この説明は単に実施例としてなされたものであって、添付の特許請求の範囲によって決定される保護範囲の限定としてなされたものではないことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】