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特表2023-553299金属製品のための延伸および矯正ユニット、ならびに対応する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】金属製品のための延伸および矯正ユニット、ならびに対応する方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 3/05 20060101AFI20231214BHJP
   B21F 23/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B21D3/05 H
B21F23/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531037
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 IT2021050378
(87)【国際公開番号】W WO2022113138
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】102020000028259
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592060639
【氏名又は名称】エム・イー・ピー・マシーネ・エレトロニーチェ・ピエガトリーチ・エス・ピー・エイ
【氏名又は名称原語表記】M.E.P. MACCHINE ELETTRONICHE PIEGATRICI SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ、ジョルジョ
【テーマコード(参考)】
4E070
【Fターム(参考)】
4E070AA01
4E070AB06
4E070AC01
4E070BB01
4E070CA01
4E070DB05
(57)【要約】
少なくとも1つの第1のローラ(12)と、少なくとも1つの金属製品(P)の供給軸線(X)に対して前記第1のローラ(12)の反対側にある少なくとも1つの第2のローラ(16,17,18)と、を有する延伸および矯正ユニット(10)。本発明はまた、供給ユニット(119)ならびに延伸および矯正ユニット(10)を備える装置(100)、ならびに前記延伸および矯正ユニット(10)を用いて金属製品(P)を延伸および矯正するための対応する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の金属製品(P)を供給するための延伸および矯正ユニット(10)であって、少なくとも1つの金属製品(P)を収容可能な複数の円形溝(13,14,15)が周囲に設けられた少なくとも1つの第1のローラ(12)と、前記少なくとも1つの金属製品(P)の供給軸線(X)に対して前記第1のローラ(12)の反対側にある少なくとも1つの第2のローラ(16,17,18)と、を備え、
前記溝(13,14,15)のうちの1つ以上を、上流側に配置された供給ユニット(119)によって供給されるそれぞれの金属製品(P)と位置合わせするように、前記ユニット(10)を前記供給軸線(X)を横切る調整方向(Y)に移動させることができる調整手段(28)が設けられることを特徴とする、延伸および矯正ユニット(10)。
【請求項2】
前記調整方向(Y)が前記供給軸線(X)に直交することを特徴とする、請求項1に記載のユニット(10)。
【請求項3】
前記調整方向(Y)が、前記第1のローラ(12)および/または前記少なくとも1つの第2のローラ(16,17,18)の回転軸線に平行であることを特徴とする、請求項1または2に記載のユニット(10)。
【請求項4】
前記第1のローラ(12)および前記少なくとも1つの第2のローラ(16,17,18)が関連付けられる可動支持体(27)によって形成されるアセンブリを備え、前記移動手段(28)が、前記アセンブリを前記調整方向(Y)に移動させることができることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のユニット(10)。
【請求項5】
前記移動手段(28)が、ジャッキ、リニアアクチュエータ、スライドガイド、チェーン機構、ラック、またはグラブねじ機構のいずれかのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のユニット(10)。
【請求項6】
前記第1のローラ(12)が電動式であり、内側溝(15)と、外側溝(13)と、それらの間に形成された中央溝(14)との3つの溝を備え、前記第2のローラがアイドルであり、第2の外側ローラ(18)と、第2の内側ローラ(16)と、それらの間に配置された第2の中央ローラ(17)とを備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のユニット(10)。
【請求項7】
供給ユニット(119)と、複数の円形溝(13,14,15)が周囲に設けられた少なくとも1つの第1のローラ(12)を有する延伸および矯正ユニット(10)と、を備える、金属製品を加工するための装置(100)であって、
前記溝(13,14,15)のうちの1つ以上を、前記供給ユニット(119)によって供給される1つ以上の金属製品(P)と位置合わせするように、前記延伸および矯正ユニット(10)を前記少なくとも1つの金属製品(P)の供給軸線(X)を横切る調整方向(Y)に移動させる、前記延伸および矯正ユニット(10)に関連付けられた調整手段(28)が設けられることを特徴とする装置(100)。
【請求項8】
前記供給ユニット(119)は、ガイド開口(122,123,124)が設けられた少なくとも1つのフィーダ本体(120)を備え、前記延伸および矯正ユニット(10)は、少なくとも1つの待機位置と、前記溝(13,14,15)のうちの1つ以上が前記供給軸線(X)に沿って前記ガイド開口(122,123,124)のうちの1つ以上と位置合わせされる複数の整列位置と、の間で移動可能であることを特徴とする、請求項7に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記フィーダ本体(120)は、少なくとも、前記ガイド開口(122,123,124)のうちの1つの貫通軸線が、前記供給軸線(X)の少なくとも最初の区分と同一平面上にあり、かつ平行であるように配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記供給ユニット(119)の前記フィーダ本体(120)は、前記供給軸線(X)と前記調整方向(Y)とに直交する位置合わせ軸線(Z)に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
1つ以上の長尺状の金属製品(P)を、同金属製品(P)を加工する機械に供給するための延伸および矯正方法であって、
-1つ以上の金属製品(P)を摺動可能に支持する供給ユニット(119)によって実行される、1つ以上の金属製品(P)を延伸および矯正ユニット(10)に供給するステップと、
-前記延伸および矯正ユニット(10)によって前記1つ以上の金属製品(P)を延伸するステップであって、前記延伸および矯正ユニット(10)では、少なくとも1つの第1のローラ(12)が、それぞれの円形溝(13,14,15)内に、少なくとも1つの第2のローラ(16,17,18)によって供給軸線(X)に対して所定の位置に同時に対比される前記1つ以上の金属製品(P)を収容するステップと、を備え、
前記供給ステップと前記延伸ステップとの間には、前記溝(13,14,15)のうちの1つ以上をそれぞれの金属製品(P)と位置合わせするように、前記延伸および矯正ユニット(10)が前記供給軸線(X)を横切る調整方向(Y)に移動される調整ステップが設けられることを特徴とする方法。
【請求項12】
小さい方の直径を有する一対の金属製品(P)をそれぞれの連続した溝(13,14)に沿って、または代替的に、前記一対の金属製品(P)の直径より大きい直径を有する単一の金属製品(P)を別の溝(15)に沿って延伸することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の金属製品を加工機に供給するために使用される延伸および矯正ユニットに関する。特に、本発明による延伸および矯正ユニットは、好ましくは、限定されるものではないが、一度に2本の棒材、丸材または線材を同時に加工し、均一で調整された同時供給を実行する機械に適用される。
【背景技術】
【0002】
曲げ・成形機またはスターラップ製造機が知られており、これらの機械には、ロールからの金属ワイヤまたはプレカットバーのような長尺状の金属製品が供給されることによって、建築業用の補強製品が製造される。
【0003】
ロールから供給される金属製品と、プレカットバーの金属製品との両方は、一般に、熱間圧延サイクルの終わりに得られ、通常、使用中のセメントへの接着状態を改善するために、外側に一連のリブを有する。
【0004】
さらに、ロールで保管された金属製品の場合、製品に存在するループ、曲がりおよび内部張力を除去するために、使用前に矯正作業を行わなければならない。一般に、矯正作業は、延伸作業の上流側で行われる。
【0005】
典型的には、曲げ・成形機には、機械の生産性を最適化するために、一度に1つ以上の金属製品が供給される。
機械には、通常、供給される金属製品が配置される1つ以上の円形溝が設けられた電動ローラと、金属製品に対して電動ローラの反対側にある1つ以上のコントラストローラと、を備える延伸および矯正ユニットを通じて供給が行われる。
【0006】
延伸および矯正ユニットの上流側には、金属製品を実質的に供給軸線に沿って供給することを可能にする供給ユニットが存在する。
供給ユニットは、異なる形状および/または直径を有するガイド開口を備えることができ、それぞれのコイルから解かれた1つ以上の金属ワイヤがガイド開口を通過する。
【0007】
公知の延伸および矯正ユニットの1つの欠点は、延伸される金属製品が、供給軸線と実質的にすでに位置合わせされたフィーダによって供給されるが、それらが電動ローラの溝と完全に位置合わせされていない場合があることである。
【0008】
位置ずれまたは不正確な位置合わせは、溝の上縁部の一部または電動ローラの自由表面の一部に大きな摩耗を引き起こす可能性がある。溝の変形、またはいずれにしても入口ゾーンの拡大は、金属製品の不正確な位置決めおよび効果的でない延伸を引き起こす可能性がある。
【0009】
別の欠点は、加工されるワイヤの直径が変更されるとき、供給ユニットの開口を電動延伸ローラの溝と位置合わせする必要があることである。従来技術では、そのためには供給ユニット全体を横方向に並進させる必要があり、それには複雑な移動および位置合わせ動作が伴う。
【0010】
したがって、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服することができる、長尺状の金属製品のための延伸および矯正ユニットを完成させる必要がある。
特に、本発明の1つの目的は、電動ローラの円形溝の摩耗を抑制することができる、そのような延伸および矯正ユニットを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、加工される金属製品の極めて正確な位置合わせを可能にし、予期しない方向への起こり得る歪みおよび応力を抑制する、そのような延伸および矯正ユニットを提供することである。
【0012】
別の目的は、実施するのが簡単であり、加工される製品と延伸ユニットとの正確な係合を迅速に可能にする延伸および矯正方法を完成することである。
本出願人は、従来技術の欠点を克服して、これらや他の目的および利点を得るために、本発明を考案し、試験し、具体化した。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、独立請求項に記載されるとともに、特徴付けられる。従属請求項は、本発明の他の特徴または主要な発明概念に対する変形を記載する。
上記の目的に従い、1つ以上の長尺状の金属製品を加工機に供給するための延伸および矯正ユニットは、複数の円形溝が周囲に設けられた少なくとも1つの第1のローラであって、前記円形溝の各々の内側には、供給される少なくとも1つの金属製品を位置決めすることが可能である、第1のローラと、前記少なくとも1つの金属製品の供給軸線に対して前記第1のローラの反対側にある少なくとも1つの第2のローラと、を備える。
【0014】
本発明の一態様によれば、延伸および矯正ユニットの上流側に配置された供給ユニットによって供給されるそれぞれの金属製品に、溝のうちの1つ以上を位置合わせするように、延伸および矯正ユニットを供給軸線を横切る調整方向に移動させることができる、延伸および矯正ユニットに関連付けられた調整手段が存在する。
【0015】
本発明はまた、長尺状の金属製品を供給するための装置であって、供給ユニットと、複数の円形溝が周囲に設けられた少なくとも1つの第1のローラを有する延伸および矯正ユニットと、を備える装置に関する。通常、加工装置は、上記のように金属製品を加工するための機械も備える。
【0016】
一態様によれば、供給ユニットによって供給される1つ以上の金属製品に、溝のうちの1つ以上を位置合わせするように、延伸および矯正ユニットを少なくとも1つの金属製品の供給軸線を横切る調整方向に移動させるための、前記延伸および矯正ユニットに関連付けられた調整手段が存在する。
【0017】
本発明はまた、1つ以上の長尺状の金属製品を供給するための延伸および矯正方法に関する。この方法は、
-供給ユニットによって実行される、1つ以上の金属製品を延伸および矯正ユニットに供給するステップと、
-前記延伸および矯正ユニットによって前記1つ以上の金属製品を延伸するステップであって、前記延伸および矯正ユニットでは、少なくとも1つの第1のローラが、それぞれの円形溝内に、少なくとも1つの第2のローラによって供給軸線に対して所定の位置に同時に対比される1つ以上の金属製品を収容するステップと、を備える。
【0018】
一態様によれば、供給ステップと延伸ステップとの間に調整ステップが設けられ、この調整ステップでは、溝のうちの1つ以上を、供給ユニットによって供給されるそれぞれの金属製品と位置合わせするように、延伸ユニットが供給軸線を横切る調整方向に移動される。
【0019】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられるいくつかの実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
理解を容易にするために、可能な場合には、図面において同一の共通要素を識別するために同じ参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴は、さらに説明することなく、他の実施形態に都合よく組み合わせるか、または組み込むことができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ここに記載された実施形態による延伸および矯正ユニットを備えた、長尺状の金属製品を加工するための装置の正面図である。
図2図1の線II-IIに沿った断面図である。
図3】供給ユニットに対する延伸および矯正ユニットの可能な一連の動きを概略的に示す。
図4図1の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の可能な実施形態を詳細に参照するが、その1つ以上の例が、非限定的な例示として添付の図面に示されている。ここで使用される表現および用語もまた、非限定的な例を提供するためのものである。
【0022】
添付の図面を参照して説明される実施形態は、金属製品を加工するための装置100の一部である延伸および矯正ユニット10に関する。
延伸および矯正ユニット10は、例えば、曲げ・成形機またはスターラップ製造機であり得る加工機110に、少なくとも1つの長尺状の金属製品P、例えば金属ワイヤまたは丸材を、有利には2つ同時に供給するのに適している。
【0023】
問題の金属製品Pは、典型的には、棒材加工装置100の上流側に配置されたロールまたはコイルに収容される。
金属製品Pは、非常に異なる直径、材料および表面仕上げ、例えばリブによって特徴付けることができる。
【0024】
金属製品Pのこの多様性は、様々な用途に適した、多かれ少なかれ複雑な範囲の完成品、例えばブラケットを製造するための加工機110の必要性によって与えられる。
いくつかの実施形態によれば、延伸および矯正ユニット10は、複数の円形溝13,14,15が周囲に設けられた少なくとも1つの第1のローラ12を有する。円形溝13,14,15の各々の内側には、供給されるそれぞれの金属製品Pを位置決めすることができる。
【0025】
延伸および矯正ユニット10は、少なくとも1つの金属製品Pの供給軸線Xに対して第1のローラ12の反対側にある少なくとも1つの第2のローラ16,17,18を備える。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの第1のローラ12は電動式であり、少なくとも1つの第2のローラ16,17,18はアイドルであって、第1のローラ12に対して少なくとも垂直方向に調整可能である。
【0027】
有利には、第2のローラ16,17,18の数は、第1のローラ12の溝13,14,15の数に等しく、その結果、各第2のローラ16,17,18は、それぞれの溝13,14,15と位置合わせされる。
【0028】
ここで説明する例を特に参照すると、第1のローラ12には、3つの溝、特に内側溝15、外側溝13、およびそれらの間に形成された中央溝14が設けられている。
溝13,14,15は、円形であるとともに、供給される金属製品Pの公称直径に相関するサイズを有する実質的にV字形の断面を有する。
【0029】
第2のローラは、第2の外側ローラ18と、第2の内側ローラ16と、それらの間に配置された第2の中央ローラ17とを含む。
有利には、第2のローラ16,17,18は、それ自体知られている方法で、互いに独立して回転するように構成される。
【0030】
さらに、図2を参照すると、各第2のローラ16,17,18は、有利には、各金属製品Pをそれぞれの溝13,14,15内に正確に位置決めした状態に維持するために、第1のローラ12に対して接近離間するように独立して移動することができる。
【0031】
また、例えば第1のローラ12への最初の接近を実行するために、独立した移動の偏位よりも大きい偏位で第2のローラ16,17,18の全体的な移動を提供することができる。
【0032】
さらに、延伸および矯正ユニット10は、第2のローラ16,17,18の複数のグループを備えることができる。
図1を参照すると、延伸および矯正ユニット10は、供給軸線Xに沿って順次配置された第2のローラ16,17,18の2つのグループを備える。
【0033】
少なくとも1つの第2のローラ16,17,18は、平滑な周面を有することができ、あるいは、図2および図3の例に示されるように、周方向の溝またはリッジが設けられた周面を有することができ、それにより、金属製品Pのより効果的な平坦化を実行する。
【0034】
延伸および矯正ユニット10の上流側には、延伸および矯正ユニット10に供給される所定数の金属製品Pの長さの一部を摺動可能に支持するように構成された少なくとも1つのフィーダユニット120を備える供給ユニット119が存在する。
【0035】
供給ユニット119によって支持される金属製品Pの数は、延伸および矯正ユニット10から供給を受ける加工機110が製造しなければならない完成品の範囲に実質的に依存する。
【0036】
本発明の一態様によれば、延伸および矯正ユニット10は、溝13,14,15のうちの1つ以上を、供給ユニット119によって供給されるそれぞれの金属製品Pと横方向に位置合わせするために、供給軸線Xを横切る調整方向Yに移動可能である。
【0037】
したがって、この解決策は、延伸および矯正ユニット10の入口での金属製品Pとの正確かつ規定された位置合わせを得ることを可能にし、特に取付けの縁部または地点、すなわち金属製品Pが溝13,14,15に入る地点に沿った、溝13,14,15の望ましくないかつ無効な延伸、横方向応力、および過度の摩耗を防止する。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、装置100は支持構造体126を備え、支持構造体126には、少なくとも延伸および矯正ユニット10が、好ましくは供給ユニット119および加工機110もが関連付けられる。
【0039】
支持構造体126は、好ましくは、延伸および矯正ユニット10ならびに供給ユニット119を、支持構造体126が載置される平面、例えば床に対して傾斜した位置で支持するように構成され得る(例えば図2参照)。
【0040】
例えば、延伸および矯正ユニット10ならびに供給ユニット119は、共通の横たわる平面上に、すなわち床面に対して等しく傾斜した平行な横たわる平面上に配置され得る。
フィーダ本体120には、延伸および矯正ユニット10に供給される金属製品Pを摺動自在に支持するガイド開口122,123,124が設けられている。
【0041】
供給ユニット119、特にフィーダ本体120は、少なくとも、供給される金属製品Pを支持するガイド開口122,123,124のうちの1つの貫通軸線が、供給軸線Xの最初の区分と同一平面上にあり、かつ平行であるように配置され得る。
【0042】
供給軸線Xは、各場合において、ガイド開口122,123,124のうちの1つの貫通軸線と一致することができる。
2つの金属製品Pの同時進行のために結合された2つのガイド開口、例えば122,123の場合、互いに平行であり、別個であり、且つ、それらガイド開口122,123の軸線と位置合わせされた2つの供給軸線Xを画定することができる。
【0043】
供給ユニット119は、例えばフォーマット変更動作中に、金属製品Pの第1のセグメントに係合してこれを延伸するために、フィーダ本体120と延伸および矯正ユニット10との間に配置された一対の係合ローラ121を備えることができる。
【0044】
フィーダ本体120のガイド開口122,123,124は、実質的に円形の形状と、供給される金属製品Pの最大横方向サイズと一致する直径とを有することができる。
ガイド開口122,123,124は、フィーダ本体120を貫通して形成され、互いに平行なそれぞれの貫通軸線を有する。
【0045】
例えば、ガイド開口122,123,124は、図1に破線で示されるように、コイルマガジンに面するフィーダ本体120の一方の側から、延伸および矯正ユニット10に面する反対側まで貫通して形成される。
【0046】
ガイド開口122,123,124の貫通軸線は、同一平面上にあってもよく、または何らかの方法でオフセットされてもよい。
特に図3を参照すると、説明された例では、両ガイド開口122,123が結合されるとともに実質的に同一の直径を有し、同じ幾何学的特性を有する2つの金属製品Pの同時支持および摺動を可能にする一方で、ガイド開口124が単一であるとともに、ガイド開口122,123の直径よりも大きい直径を有する。
【0047】
ガイド開口122,123,124および可能な追加のガイド開口の他の構成および配置が可能である。
延伸および矯正ユニット10は、開口122,123,124の位置と一致する調整範囲で調整方向Yに移動することができる。
【0048】
特に、延伸および矯正ユニット10は、待機位置と複数の整列位置との間で移動可能である。
各整列位置は、溝13,14,15を供給軸線Xに沿ってガイド開口122,123,124のうちの1つ以上と横方向に位置合わせさせるように延伸および矯正ユニット10を移動させることによって達成される。
【0049】
待機位置は、最大範囲位置と最小範囲位置との間に位置する延伸および矯正ユニット10の一般的な位置とすることができる。例えば、待機位置は、以前に到達した最後の整列位置であってもよい。
【0050】
図3を参照すると、延伸および矯正ユニット10の可能な一連の動きが例として示されており、ここでは、簡略化のために、第1のローラ12および第2のローラ16,17,18、並びにフィーダ本体120のみが示されている。
【0051】
第1の場合、図3の左上では、延伸および矯正ユニット10は、待機位置、例えば中央から、溝13,14が一対の供給軸線Xに沿ってガイド開口122,123と位置合わせされる第1の整列位置まで移動することができる。この場合、延伸および矯正ユニット10の下流側に位置する加工機110は、2つの金属製品Pを同時に加工するように調整される。
【0052】
第2の場合、図3の右下において、延伸および矯正ユニット10は、例えば以前の整列位置と一致する待機位置から、加工機がより大きな直径を有する単一の金属製品Pを受け取るように、溝15が供給軸線Xに沿ってガイド開口124と位置合わせされる第2の整列位置に移動することができる。
【0053】
操作上、小さい方の直径を有する一対の同一の金属製品P、または大きい方の直径を有する単一の金属製品Pのいずれかを供給することが好ましい。
調整方向Yは、供給軸線Xに対して実質的に直交しており、供給軸線Xは、例えば、フィーダ本体120からの出口のすぐ近くにおいて直線状であってもよく、あるいは、例えば、延伸および矯正ユニット10の入口部と出口部との間に含まれるゾーンにおいて、湾曲した区分を含んでいてもよい。
【0054】
実際、可能な構成では、延伸および矯正ユニット10は、第1のローラ12および少なくとも1つの第2のローラ16,17,18の上流側と下流側とに配置された複数のイールドローラ(yielding rollers)25を備えることもでき、これらのイールドローラは、全体として、供給軸線Xにおいて曲線を描く延伸ループを画定する。
【0055】
調整方向Yは、第1のローラ12および第2のローラ16,17,18の回転軸線に平行である。
延伸および矯正ユニット10は、第1のローラ12および少なくとも1つの第2のローラ16,17,18が関連付けられる可動支持体27によって形成されるアセンブリを備える。移動手段28は、調整方向Yに一体的にアセンブリを移動させることができる。
【0056】
図2を参照すると、移動手段28は、支持構造体126と可動支持体27との間に配置され得る。
可動支持体27は、実質的に平坦な金属プレートとして構成することができ、その外側に、第1のローラ12および少なくとも1つの第2のローラ16,17,18が公知の方法で取り付けられる。しかしながら、他の構造的構成は除外されない。
【0057】
移動手段28は、ジャッキ、リニアアクチュエータ、摺動ガイド、チェーン機構、ラック、またはグラブねじ機構などのうちの少なくとも1つを備えることができる。
移動手段28は、位置検出装置、例えば、調整方向Yにおける延伸ユニット10の位置を識別することができる位置トランスデューサを備えることができる。
【0058】
図2に示す例では、移動手段28は、一対の油圧シリンダ29を備える。一対の油圧シリンダ29は、一方の側で支持構造体126に関連付けられ、反対側で可動支持体27に関連付けられ、可動支持体27を一対のガイド30上で摺動するように移動させることができる。
【0059】
延伸および矯正ユニット10、特に溝13,14,15の位置を、供給ユニット119、特にガイド開口122,123,124の位置と連携させるために、可能な位置検出装置を供給ユニット119に関連して、または組み合わせて設けることもできる。
【0060】
図4に示す1つの可能な変形例によれば、供給ユニット119のフィーダ本体120は、供給軸線Xと調整方向Yとに直交する位置合わせ軸線Zに沿って移動可能であってもよい。
【0061】
フィーダ本体120は、フィーダ本体120上の異なるレベルに配置された複数のガイド開口を備えることができ、異なるレベルは、位置合わせ軸線Zに沿って異なる高さに規定される。
【0062】
この変形例は、作業サイクルを中断することなく、またはフィーダ本体120を交換することなく、ある範囲の非常に異なる金属製品Pを供給する必要がある場合に特に有用であり得る。
【0063】
別の変形例によれば、供給ユニット119の少なくともフィーダ本体120は、調整方向Yに実質的に平行な位置合わせ方向(direction of registration)に移動可能であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、金属製品Pを延伸および矯正するための方法が提供される。この方法は、
-1つ以上の金属製品Pを摺動可能に支持する供給ユニット119によって実行される、1つ以上の金属製品Pを延伸および矯正ユニット10に供給するステップと、
-前記延伸および矯正ユニット10によって前記1つ以上の金属製品Pを延伸するステップであって、前記延伸および矯正ユニット10では、少なくとも1つの第1のローラ12が、それぞれの円形溝13,14,15内に、少なくとも1つの第2のローラ16,17,18によって供給軸線に対して所定の位置に同時に対比される1つ以上の金属製品Pを収容するステップと、を備える。
【0065】
一態様によれば、供給ステップと延伸ステップとの間に、溝13,14,15のうちの1つ以上を、供給ユニット119によって供給されるそれぞれの金属製品Pと位置合わせするように、延伸ユニット10を供給軸線Xを横切る調整方向Yに移動させる調整ステップが設けられる。
【0066】
特許請求の範囲によって定義される本発明の分野および範囲から逸脱することなく、これまで説明した金属製品を延伸および矯正するためのユニットならびに方法に対して、部品またはステップの修正および/または追加を行うことができることは明らかである。
【0067】
以下の特許請求の範囲において、括弧内の参照符号の唯一の目的は、読み取りを容易にすることであり、それらは、特定の特許請求の範囲において請求される保護の分野に関して制限的な要因として考慮されてはならない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】