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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】二重層遅延放出硬質カプセル
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/48 20060101AFI20231214BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20231214BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20231214BHJP
   A61J 3/07 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61K9/48
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/02
A61J3/07 D
A61J3/07 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023531522
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021083016
(87)【国際公開番号】W WO2022112422
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】20209913.1
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21155696.4
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】512054458
【氏名又は名称】キャプシュゲル・ベルジウム・エヌ・ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ションウェイ・ホー
(72)【発明者】
【氏名】リージャナ・パランジェティック
(72)【発明者】
【氏名】ステファーン・ヴァンクイッケンボーン
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・クエバス
【テーマコード(参考)】
4C047
4C076
【Fターム(参考)】
4C047CC13
4C047DD05
4C047LL12
4C076AA54
4C076AA58
4C076AA94
4C076AA95
4C076DD22P
4C076EE30P
4C076EE32H
4C076EE42P
4C076FF27
4C076FF28
4C076FF29
4C076FF31
4C076FF35
(57)【要約】
本発明は、二重浸漬によって作製される、二重層遅延放出硬質カプセルを開示し、この二重浸漬は、第1の浸漬成形ステップによって提供されたフィルムを、2つの浸漬成形ステップの間に成形ピンから除去することなく、第2の浸漬成形ステップにおいてこの第1のフィルムを有する成形ピンを浸漬する、同じ成形ピン上での2つの連続した浸漬成形ステップであり、各浸漬成形ステップは、異なるポリマー溶融物で行われ、二重層遅延放出カプセルを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLであって、
CAPSSHELLが、二重浸漬プロセスによって調製され、
CAPSSHELLの壁が、壁形成ポリマーの2つの層、すなわち1つの内層及び前記内層上の1つの外層を含み、
前記内層の前記壁形成ポリマーが、ゼラチン、セルロース誘導体、PVA、及び修飾デンプンの群から選択される水溶性フィルム形成ポリマーWATSOLPOLを含み、
前記外層の前記壁形成ポリマーが、HPMCAS、HPMCP、CAP、及びポリアクリル酸コポリマーの群から選択される遅延放出ポリマーENTPOLを含む、ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項2】
WATSOLPOLが、ゼラチンであり、
ENTPOLが、HPMCAS、及びポリアクリル酸コポリマーの群から選択されるか、
又は
WATSOLPOLが、セルロース誘導体、PVA、及び修飾デンプンの群から選択され、
ENTPOLが、HPMCAS、HPMCP、CAP、及びポリアクリル酸コポリマーの群から選択される、請求項1に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項3】
WATSOLPOLが、ゼラチン又はセルロース誘導体である、請求項2に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項4】
WATSOLPOLが、ゼラチン又はHPMCである、請求項2又は3に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項5】
前記HPMCが、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロピル基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロピル基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロピル基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロピル基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、並びに
それらの混合物の群から選択される、請求項4に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項6】
前記HPMCが、HPMC2906である、請求項4又は5に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項7】
ENTPOLが、HPMCAS、CAP又はポリアクリル酸コポリマーである、請求項2~6のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項8】
ENTPOLが、HPMCAS又はCAPである、請求項2~7のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項9】
ENTPOLが、HPMCASである、請求項2~8のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項10】
WATSOLPOLが、セルロース誘導体であり、ENTPOLが、HPMCASである、請求項2~9のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項11】
WATSOLPOLが、HPMCであり、ENTPOLが、HPMCASである、請求項2及び4~9のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項12】
WATSOLPOLが、ゼラチンであり、ENTPOLが、HPMCASである、請求項2~4及び7~9のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項13】
ENTPOLが、CAPである、請求項2~8のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項14】
WATSOLPOLが、ゼラチンであり、ENTPOLが、CAPである、請求項2及び4~8のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項15】
CAPSSHELL中のENTPOLの量が、少なくとも5重量%であり得、前記重量%が、乾燥カプセル重量に基づく、請求項2~14のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項16】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量が、少なくとも50重量%であり得、前記重量%が、乾燥カプセル重量に基づく、請求項2~15のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項17】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量が、67.5~90.5重量%であり、
CAPSSHELL中のENTPOLの量が、9.5~32.5重量%であり、
前記重量%が、乾燥カプセル重量に基づく、請求項2~16のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項18】
CAPSSHELLの前記内層若しくは前記外層、又は両方の層が、ゲル化システムGELSYSを更に含み得、
GELSYSが、1つ以上のゲル化剤GELAGE、又は1つ以上のGELAGEと1つ以上のゲル化助剤GELAIDとの混合物であり、
GELAGEが、寒天ガム、グアーガム、ローカストビーンガム(キャロブ)、カラギーナン、ペクチン、キサンタン、ゲランガム、コンニャクマンナン、ゼラチン、及びそれらの混合物などのヒドロコロイドの群から選択され、
GELAIDが、カチオンであり、前記カチオンが、K、Na、Li、NH 、Ca2+、Mg2+又はそれらの混合物であり得る、請求項2~17のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項19】
前記内層は、いずれのGELSYSも含まず、WATSOLPOLが、HPMCであり、
GELSYSが、請求項18で定義されるとおりである、請求項2~11及び15~17のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項20】
CAPSSHELLが、1つ以上の更なる物質FURTHERSUBSTを含み、FURTHERSUBSTが、可塑剤、pH調節剤、甘味料、酸味料、防腐剤、香味料、結合剤、増粘剤、着色剤、及びそれらの混合物の群から選択される、請求項2~19のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項21】
前記着色剤が、染料又は顔料である、請求項20に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項22】
浸漬成形プロセスDOUBLEDIPによるCAPSSHELLの調製のための方法であって、
DOUBLEDIPにおいて、第1の浸漬成形DIP1及び第2の浸漬成形DIP2が連続して行われ、
DIP1において、成形ピンを第1の混合物MELT1に浸漬し、前記MELT1からそれを引き抜くことによって、WATSOLPOLの第1のポリマーフィルムが、前記成形ピン上に形成され、
MELT1が、WATSOLPOL及び水を含み、
DIP2において、DIP1からの前記第1のポリマーフィルムを有する前記成形ピンを第2の混合物MELT2に浸漬し、前記MELT1からそれを引き抜くことによって、ENTPOLの第2のポリマーフィルムが、前記成形ピン上の前記第1のポリマーフィルム上に形成され、
MELT2が、ENTPOL及び水を含み、
CAPSSHELL、WATSOLPOL及びENTPOLが、請求項1~21のいずれか一項で定義されるとおりである、方法。
【請求項23】
MELT2が、塩基BAS2を更に含み、BAS2が、アンモニアである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
MELT2が、少なくともENTPOLがMELT2中に溶解するような量でBAS2を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
DIP1が、
(1-1)CAPSSHELLの半分のうちの1つについての前記成形ピンをMELT1に浸漬するステップ、
(1-2)前記成形ピンをMELT1から引き抜くステップ、
(1-3)前記第1のポリマーフィルムを乾燥によって前記成形ピン上に形成するステップを含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
DIP2が、
(2-1)DIP1からの前記第1のポリマーフィルムを有する前記成形ピンをMELT2に浸漬するステップ、
(2-2)前記成形ピンをMELT2から引き抜くステップ、
(2-3)前記第2のポリマーフィルムを乾燥によって前記成形ピン上の前記第1のポリマーフィルム上に形成するステップを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
時間DRYTIME1-2は、DIP1における前記MELT1からの前記成形ピンの前記引き抜きと、前記成形ピンのMELT2への前記浸漬との間の時間であり、
DRYTIME1-2が、5時間を超えない、請求項22~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
DOUBLEDIPによって得ることができるツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLであって、
CAPSSHELLが、請求項1~21のいずれか一項で定義されるとおりであり、
DOUBLEDIPが、請求項22~26のいずれか一項で定義されるとおりである、ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項29】
製剤FILLFORMで充填されたツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLであって、
FILLFORMが、活性成分ACTINGRを含み、ACTINGRが、活性薬学的成分、薬学的剤形、薬剤、生きたバイオ医薬品、及び栄養製品の群から選択され、
CAPSSHELLが、請求項1~21及び28のいずれか一項で定義されるとおりである、ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項30】
活性成分ACTINGRを含むFILLFORMで充填するための、請求項1~21及び28のいずれか一項で定義されるツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLの使用であって、
FILFORM及びACTINGRが、請求項29で定義されるとおりである、使用。
【請求項31】
経口摂取のためのFILLFORMで充填された、請求項1~21及び28のいずれか一項で定義されるツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLの使用であって、FILLFORMが、有効成分ACTINGRを含み、
FILFORM及びACTINGRが、請求項29で定義されるとおりである、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重浸漬によって作製される、二重層遅延放出硬質カプセルを開示し、この二重浸漬は、第1の浸漬成形ステップによって提供されたフィルムを、2つの浸漬成形ステップの間に成形ピンから除去することなく、第2の浸漬成形ステップにおいてこの第1のフィルムを有する成形ピンを浸漬する、同じ成形ピン上での2つの連続した浸漬成形ステップであり、各浸漬成形ステップは、異なるポリマー溶融物で行われ、二重層遅延放出カプセルを提供する。
【背景技術】
【0002】
カプセルは、ファーマ、健康、及び栄養のための一般的な剤形であり、通常、できるだけ早く胃で溶解し、それらの内容物を放出する必要があるが、特定の目的のために、溶解する前にそれらは胃を通過し、腸に入るように設計されている。かかるカプセルは、胃耐性、腸溶性及び遅延放出を含む、様々な用語によって記載されている。
【0003】
GB2 361 643Aは、2つの層を有するワンピース軟質カプセルを開示している。ツーピース硬質カプセルは開示されていない。かかるワンピース軟質カプセルは、成形浸漬プロセスによって調製されず、ツーピース硬質カプセルの製造に使用することができないカプセル化プロセスによって調製される。当該出願における発明の核心は、内層の一部が、意図的に外層によって遮蔽されておらず、したがって、外部環境と接触することである。第1の層としてのゼラチン又はHPMC若しくはHPMCASは、開示されていない。
【0004】
GB1,455,884Aは、第1の層がゼラチンである、二重浸漬プロセスによって調製されたカプセルを開示している。HPMC及びHPMCASは開示されていない。第1の層は、水性の無溶媒溶融物に浸漬することによって調製され、第2の層は、溶媒ベースの溶融物に浸漬することによって調製されるHPMCPで又はCAPである可能性がある。
【0005】
US4,816,259は、コーティングされた軟質ゼラチンカプセルを開示している。ツーピース硬質カプセルは開示されていない。
【0006】
US2013/0295188A1は、単層化されたHPMCASのツーピース硬質カプセルを開示している。二層化されたカプセルは開示されていない。
【0007】
US Pharmacopeia Method Aは、例えば、医薬品を含有するカプセルなどの遅延放出剤形についてのインビトロ溶解試験を記載しており、それは、第1のステップで、pH1.2の水性媒体、すなわち0.1NのHClで2時間、したがって胃の胃液を模擬して処理された場合の特定の閾値未満にとどまる医薬品の放出、及び第2のステップで、特定の時間のpH6.8の水性緩衝液、したがって、腸を模擬して処理された場合の増加した、又はより良い完全な放出を要求している。
【0008】
両方の目標を達成することは、困難であり、pH1.2条件下での第1のステップで既に放出された医薬品が多すぎるか、又はpH6.8条件下での第2のステップで放出された医薬品が少なすぎるかのいずれかである。
【0009】
USPによって定義されるpH1.2条件下での標的は、pH1.2で120分後にカプセルの含有量の10%未満の放出である。
【0010】
USPによって定義されるpH6.8条件下での目標は、pH6.8で45分後にカプセルの含有量の80%超の放出である。
【0011】
所望の溶解要件の次に、カプセルの機械的特性もまた重要である。様々な相対湿度条件下で保管するのに十分に安定なカプセルを有することが所望される。機械的特性とは、例えば、カプセルの破壊及び弾性挙動(例えば、チューブ試験を介した)、上部強度(例えば、カプセル上部圧縮試験を介した)、及び(プレ)ロック力強度(例えば、(プレ)ロック力測定試験を介した)であり、許容範囲内にある必要がある重要なパラメータである可能性がある。代替的に、機械的挙動を評価するために、以下のものなどのいくつかの機械的特性が、ゲル化組成物によって形成されたフィルム上で測定され得る:破断時の変形(例えば、フィルム引張試験を介した)、耐衝撃性(例えば、破壊試験のための衝撃エネルギーを介した)、溶解流体による貫通時間(例えば、貫通時間測定試験を介した)、又は耐穿刺性(例えば、穿刺試験を介した)。
【0012】
保管後また、活性成分の腸内放出を保護するのに十分な腸内特性と、カプセルの好適な機械的特性との間のバランスを見出す必要がある。
【0013】
この溶解試験に加えて、かかる遅延放出カプセルは、例えば、破断時のポリマーフィルムの伸びによって測定される、機械的衝撃に対する抵抗、低脆性、又は高弾性のような機械的特性など、カプセルから要求される通常の要件を満たす必要がある。機械的衝撃に対する抵抗は、実施例5に示されるチューブ試験によって評価され得る。
【0014】
更なる要件は、低い崩壊傾向、カプセルが完全に充填されているか又は充填されていない場合のpH1.2の水性媒体中の2時間後のカプセルの完全性、カプセルの多孔性、酸媒体から内容物を保護する能力である。
【0015】
溶媒蒸気の特定の封じ込め条件が環境及び健康上のために必要であり、また、例えば、製造中の着火又は爆発を回避するための措置を講じる必要があるため、少なくとも1つの有機溶媒を含有する溶媒ベースの溶融物は、安全上の理由から、製造中での取り扱いが重要である。
【0016】
加えて、有機溶媒を含有する溶媒ベースの溶融物を使用する場合に、例えば、医薬品使用のためのカプセル中に残留溶媒が存在することについての懸念が存在した。残留溶媒のこれらの懸念のために、非水性溶融物中で揮発性溶媒を使用する傾向がある。揮発性は、有機溶媒の使用に関連する言及された固有の問題を悪化させる。
【0017】
更に、溶媒ベースの溶融物の浸漬及び乾燥特性は、水性ベースの溶融物の乾燥特性とは異なるため、溶媒ベースの溶融物の浸漬及び乾燥挙動に関するいかなる経験も、通常、単純に水性溶融物に転移することはできず、溶媒ベースの溶融物で可能なことが、水性ベースの溶融物でも可能であるかどうかは予測できない。また、内層が水性ベースであり、外層が溶媒ベースである場合のピン上の2つの層の挙動及び相互作用は、両方の溶融物が水性ベースである場合の状況とは異なる。これらの違いは、2つの層における溶媒及びポリマーの様々な組み合わせに依存する欠陥(例えば、腫れ、しわ、膨らみ又は亀裂)をもたらす場合があり、かかる欠陥が全て修正可能である場合、異なるプロセス条件を再び必要とする。また、この異なる挙動及び相互作用は予測できない。
【0018】
これらの要件を満たすために、二重浸漬プロセスによって調製された遅延放出カプセルが見出された。
略語及び定義
【表1-1】
【表1-2】
【発明の概要】
【0019】
本発明の主題は、硬質カプセルシェルCAPSSHELLであり、
CAPSSHELLは、二重浸漬プロセスによって調製され、
CAPSSHELLの壁は、壁形成ポリマーの2つの層、すなわち1つの内層及びこの内層上の1つの外層を含み、
内層の壁形成ポリマーは、ゼラチン、セルロース誘導体、PVA、及び修飾デンプンの群から選択される水溶性フィルム形成ポリマーWATSOLPOLを含み、
外層の壁形成ポリマーは、HPMCAS、HPMCP、CAP、及びポリアクリル酸コポリマーの群から選択される遅延放出ポリマーENTPOLを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】表23の穿刺試験のデータのグラフ表示を示す。破断時の力対フィルム中のHPMCの重量%。
図2】表24の引張試験のデータのグラフ表示を示す。破断時の変形対フィルム中のHPMCの重量%
図3】表26の引張試験のデータのグラフ表示を示す。弾性係数対フィルム中のゼラチンの重量%
図4】表26:引張試験のデータのグラフ表示を示す。破断時の応力対フィルム中のゼラチンの重量%
図5】二重層フィルムゼラチン-HPMCASのミクロトーム切断の画像を示す。連結括弧は、部分的な破線によって交差した両方の層の境界を提示する。矢印は、HPMCAS層を通過し、ゼラチン層のおよそ中央まで降りた青色染料の浸潤(黒及び白の画像ではより暗い色合いで表示される)を示す。
図6】二重層フィルムHPMC-HPMCASのミクロトーム切断の画像を示す。連結括弧は、部分的な破線によって交差した両方の層の境界を提示する。矢印は、HPMCAS層を通過し、HPMC層のおよそ中央まで降りた青色染料の浸潤(黒及び白の画像ではより暗い色合いで表示される)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
二重浸漬プロセスは、成形ピンがまず第1のフィルム形成ポリマーの第1の溶液中に浸漬され、第1の溶液から成形ピンを引き抜いた後、第1のフィルム形成ポリマーが成形ピン上にフィルムを形成し、次いで、第1のフィルム形成ポリマーのフィルムによって覆われる成形ピンに、第1のフィルム形成ポリマーとは異なる第2のフィルム形成ポリマーの第2の溶液中に第2の浸漬が行われ、第2の溶液から成形ピンを引き抜いた後、第2のフィルム形成ポリマーのフィルムが、成形ピン上にある第1のフィルム形成ポリマーのフィルム上に形成することを意味する。
【0022】
二重浸漬されたカプセルは、2つの部分、キャップ及び本体を含み、各キャップ及び本体は、キャップ又は本体のいずれかを提供するように成形されたそれぞれの成形ピンを有する二重浸漬プロセスによって別々に調製される。したがって、二重浸漬されたカプセルは、カプセルが充填され、キャップを本体にはめることによって閉じると、二重浸漬プロセスによって調製されなかったコーティングされたカプセルとは明らかに異なる。コーティングされたカプセル及び二重浸漬によって調製されたカプセルの両方は、2つの層、すなわち内層及び外層を有する。カプセルのコーティングは、キャップが、伸縮自在に本体と少なくとも部分的に係合された状態のカプセルで行われる。したがって、コーティングは、キャップが、伸縮自在に本体と少なくとも部分的に係合された状態のカプセル上で適用される。少なくとも部分的に係合されたとは、キャップが少なくとも部分的に本体の上でスライドされていることを意味する。
【0023】
通常、2つのかかる状態は、事前閉鎖状態及び閉鎖状態に区別される。両方の状態では、キャップは伸縮自在に本体と係合し、事前閉鎖状態では、キャップは事前閉鎖位置に達するまで本体上でスライドされているだけのため、キャップは、伸縮自在に本体と部分的にのみ係合されている。閉鎖状態では、キャップは本体と完全に係合されている。
【0024】
通常、本体及び/又はキャップの壁には、キャップを事前閉鎖状態で固定し、キャップを閉鎖状態で固定することを可能にする構成的手段がある。かかる手段は、通常、ロッキングリングであり、これらのロッキングリングは、本体及び/又はキャップの壁の突出部であり、これは、本体及び/又はキャップの周りに少なくとも部分的に、好ましくは円周方向に延在し、かつ通常、本体及び/又はキャップの内部に半径方向に延在する。キャップ又は本体のいずれかは、例えば、1つのかかる突出部を有するそれぞれの他の部分とともに、かかる突出部をする必要があってもよく、例えば、本体は、1つのかかるロッキングリングを有してもよく、キャップは、軸方向にある特定の距離によって互いに分離された2つのかかるロッキングリングを有してもよく、本体のロッキングリングは、事前閉鎖状態では、キャップの開放端部の縁部に近いキャップの第1のロッキングリングと会合し、閉鎖状態では、キャップの閉鎖端部に近いキャップの第2のロッキングリングと係合する。
【0025】
閉鎖状態のカプセルは、閉鎖カプセルと呼ばれ得、事前閉鎖状態では、事前閉鎖カプセルと呼ばれ得る。通常、キャップの本体との係合は、閉鎖状態よりも事前閉鎖状態ではより締め付けが少ない係合である。したがって、事前閉鎖状態でキャップを本体から取り外すことは、カプセルのいかなる部分も損傷することなく依然として可能であるが、キャップを閉鎖カプセルの本体から分離することはより困難であり、カプセルの一部は損傷される場合さえある。
【0026】
カプセルを損傷することなく閉鎖カプセルを開くことは、通常、困難であるか、又は不可能であるため、通常、カプセルが所望の内容物で満たされた後にのみ、カプセルが閉鎖される。一方、事前閉鎖位置は、管理可能で定義された力、いわゆるプレロック力がキャップ又は本体を損傷することなくキャップを本体から再び分離するために必要とされるような位置である。事前閉鎖カプセルの本体からのキャップのこの分離は、通常、続いて、所望の内容物で本体を充填も行い、次いで、閉鎖状態に到達するまで本体上でキャップをスライドさせ、それによってカプセルを閉じる、機械によって行われる。事前閉鎖カプセルは、例えば、カプセルの製造後、充填前にカプセルを出荷するために使用されるため、キャップ及び本体は部分的に接合され、次いで、充填のために再び分離され得る。
【0027】
したがって、コーティングが事前閉鎖状態でカプセルに適用される場合、カプセルは通常、空であるが、コーティングが閉鎖カプセルに適用される場合、コーティングは通常、カプセルが充填及び閉鎖された後にのみ適用される。コーティングは、閉鎖又は事前閉鎖カプセルの外側を完全に覆い、コーティングされていないカプセルが事前閉鎖又は閉鎖された場合には可視であり、キャップ及び本体が実際に2つの別個の部分であることを示す、キャップと本体との間のスリットが、コーティングが閉鎖又は事前閉鎖カプセル上に適用された後は、コーティングによって覆われ、したがって、スリットが、もはや可視でないか又は接近可能ではない。これは、当該スリットが覆われていないが、依然として可視で接近可能である二重浸漬されたカプセルとは対照的である。
【0028】
ポリマー分散体から作製された腸溶コーティングは、概して、例えば、粒子の合体問題に起因する不均一なカプセルフィルムを示すが、それと比較して、二重浸漬されたカプセルの場合、第2の層は良好なフィルム均一性を示す。このため、二重層カプセルの技術的性能もまた変動が少なく、コーティングされたカプセルの場合よりも、仕様外の技術的性能を有する二重浸漬されたカプセルを有する可能性が低い。
【0029】
コーティングされたカプセルと二重浸漬されたカプセルとの間の別の明確な違いは、コーティングされたカプセルの場合にコーティングによって、又は二重浸漬プロセスによって適用される第2の層によって覆われる領域である。外側から事前閉鎖状態又は閉鎖状態のカプセルにコーティングを適用するため、明らかに外側からアクセス可能な領域のみがコーティングされる。キャップは、事前閉鎖カプセルの場合には、伸縮自在に本体と少なくとも部分的に係合し、閉鎖カプセルの場合には本体と完全に係合するため、本体の開放端部の縁部から始まり、本体の閉鎖端部の方向に軸方向に特定の距離延在するコーティングで覆われない本体の外側領域が存在し、それは、この領域が、伸縮自在に本体と少なくとも部分的に係合するキャップによって覆われているためである。したがって、この特定の距離は、事前閉鎖状態又は閉鎖状態のいずれかでキャップが伸縮自在に本体と係合される場合、本体の開放端部の縁部からキャップの開放端部の縁部までの軸方向の距離である。
【0030】
この領域は、本体の開放端部の縁部から始まるリングの形態を有し、リングは、本体の周りを円周方向に完全に延在し、コーティングが適用される場合、キャップが事前閉鎖又は閉鎖状態で本体の上にスライドされているため、軸方向に本体の開放端部の縁部から本体の閉鎖端部に向かって延在する。
【0031】
対照的に、二重浸漬によって本体に適用された第2の層の場合、本体の完全な外側領域は、第2の層で覆われる。
【0032】
カプセルは、カプセル製造企業によって製造されるが、一方、その後の充填及び閉鎖を伴う事前閉鎖状態でのコーティング、又は充填、閉鎖、及びその後の閉鎖状態でのコーティングは、異なる企業によって、又は複数の異なる企業によって行われ得、これは、ツール製造業者、又はカプセル製造業者の顧客でさえあり得る。
【0033】
CAPSSHELLは、物質FILLで充填するためのカプセルシェルであり、FILLは、活性薬学的成分、薬学的剤形、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。CAPSSHELLは、薬学的用途、ヘルスケア用途又は栄養用途で使用されるタイプのカプセルである。
【0034】
「硬質カプセル」又は「硬質カプセルシェル」という用語は、最初にカプセルシェルを製造し、次いで、カプセルシェルに内容物をカプセル化することによって製造されるカプセル又はカプセルシェルのタイプを指す。硬質カプセルシェルは、2つの部分又はツーピースの硬質カプセルシェルであり、2つの部分又はツーピースは、本明細書で更に詳述されるように、カプセルシェルのキャップ及び本体である。
【0035】
CAPSSHELLの壁厚は、当業者には既知であり、典型的な値は、約100マイクロメートルであり得、典型的な範囲は、60~150マイクロメートルであり得る。
【0036】
CAPSSHELLの典型的なサイズは、当業者に既知であり、例えば、Pharmaceutical Capsules,Second Edition,2014,edited by F.Podczeck and B.E.Jones,Pharmaceutical Press,London,UK、ページ84,表4.1に開示されるように、例えば、000、00el、00、0el、0、1、2、3、4、5、又は9のサイズで表され得る。CAPSSHELLの閉じた接合された長さは、11~27mmで変化し得、キャップの長さは6~13mm、本体の長さは9~23mm、キャップの直径は4~10mm、本体の直径は4~10mmである。
【0037】
CAPSSHELLは、2つの半分のカプセルシェルを備え、2つの半分が、カプセルシェルのキャップ及び本体と呼ばれる。
【0038】
「半分」という用語は、キャップ及び本体が等しいサイズのものであることを意味するものではなく、むしろ、「半分」という用語は、「部分」又は「ピース」として理解される必要があり、したがって、CAPSSHELLは、カプセルの2つの部分又はツーピース、キャップである一方部分、及び本体である別の部分を含む。
【0039】
キャップ及び本体は、2つの別個の部分である。それらを一緒に接合すると、カプセル又はカプセルシェルを形成し、カプセル又はカプセルシェルは、空であっても充填されてもよい。「カプセル」及び「カプセルシェル」という単語は、通常、同義に使用される。「シェル」という用語は、通常、シェルの壁を再び形成するフィルムを形成するカプセル形状ポリマーを指し、それは、再びシェルであり、したがって、カプセル形状ポリマーは、シェルとも呼ばれる。
【0040】
キャップ及び本体は、CAPSSHELLを提供するために伸縮自在に係合可能であり得る。典型的には、キャップ及び本体は各々、それぞれキャップ又は本体の閉鎖端であるドーム形状領域、及びドーム形状領域から延在し、それぞれ、キャップ又は本体の開放端で終わる、本質的に円筒形状の領域、の2つの領域を有する。
【0041】
キャップの本質的に円筒形状の領域又はその少なくとも一部は、本体の本質的に円筒形状の領域又は少なくともその一部と伸縮自在に係合可能である。これは、本質的には、本体をキャップに挿入すること、又はその逆である。この挿入は、典型的には、本体を覆ってキャップをスライドさせること、又はその逆である。典型的には、キャップは、本体を覆ってスライドされる。それによって、本体の本質的に円筒形状の領域又は本体のこの領域の少なくとも一部は、キャップの本質的に円筒形状の領域の空洞の内側、又はキャップのこの領域の少なくとも一部の内側にある。したがって、キャップ及び本体の本質的に円筒状の領域又はその部分は、場合によっては、他の領域を覆ってスライドされる。したがって、典型的には、本体はキャップに挿入される、すなわち、本体はキャップにスライドされる。伸縮自在な係合は、キャップ及び本体の長手方向軸に対して同軸で発生する。
したがって、伸縮自在に係合したキャップ及び本体が、カプセルである。
【0042】
本発明の意味でのCASPSSHELLは、互いに係合した両方など、キャップ、本体、又はそれらの両方を意味する。
【0043】
長手方向又は軸方向は、キャップの閉鎖端部から本体の閉鎖端部までの方向及び、その逆であり、一方、半径方向は、長手方向に垂直である。
【0044】
「内」及び「外」という用語並びに「内側」及び「外側」という用語は、それぞれ、本体若しくはキャップ又はCAPSSHELLの内側である空洞、並びに、それぞれ、本体若しくはキャップ又はCAPSSHELLの外側を指す。したがって、例えば、外層が内層上にあると定義される場合、したがって、これは、内層が空洞に面しており、一方で、外層がCAPSSHELLの外部に面していることを意味する。
【0045】
CAPSSHELLは、二重浸漬プロセスによって調製される。これは、キャップがそれぞれの二重浸漬プロセスによって調製され、本体がそれぞれの二重浸漬プロセスによって調製されることを意味する。
【0046】
全ての実施形態も伴う、本明細書に開示の二重浸漬プロセスは、CAPSSHELLの調製に使用され得る。
【0047】
CAPSSHELLは、コーティングされたカプセルではない。
【0048】
CAPSSHELLは、コーティングが、外層の塗布中に、CAPSSHELLが閉鎖状態又は事前閉鎖状態である状態で、CAPSSHELLに塗布される、特に、CAPSSHELLの壁形成ポリマーの外層が、コーティングプロセスによって、CAPSSHELLの壁形成ポリマーの内層に塗布されず、外層は、CAPSSHELLが外層の塗布中に、閉鎖状態又は事前閉鎖状態で、内層に塗布される、コーティングプロセスによって調製されない。
【0049】
CAPSSHELLは、コーティングプロセスによって調製されない。特に、CAPSSHELLの壁形成ポリマーの外層はコーティングプロセスによってCAPSSHELLの壁形成ポリマーの内層に塗布されない。
【0050】
したがって、CAPSSHELLの外層は、外層の塗布中にCAPSSHELLが閉鎖状態又は事前閉鎖状態にあるコーティングプロセスによってCAPSSHELLの内層に塗布されない。
【0051】
CAPSSHELLの本体の内層の外側は、本体の外層によって完全に覆われている。完全に覆われたとは、本体の閉鎖端部及び本体の閉鎖端部から本体の開放端部の縁部までを含む本体の内層の外側を外層が覆うことを意味し、本体の外層による本体の内層の外側のこの被覆は、いかなる隙間もなく、外層によって覆われていない本体の内層の外側のいかなる領域もない。特に、本体の開放端部の縁部から始まり、本体の閉鎖端部に向かって特定の距離軸方向に延在する、本体の外層によって覆われていない本体の周囲の内層の円周領域はない。
【0052】
CAPSSHELLの本体の内層は、外層によって覆われていない領域をその外側上に有さず、具体的には、本体の内層の外側は、本体の周りに円周方向に延在し、本体の開放端部の縁部から凝視し、本体の閉鎖端部の方向に特定の距離長手方向に延在する領域を有さない。
【0053】
好ましくは、WATSOLPOLは、ゼラチン又はセルロース誘導体である。
【0054】
セルロース誘導体には、セルロースのヒドロキシ基の1つ以上の水素原子が、C1-4アルキル基などのアルキル基及びC1-4ヒドロキシアルキル基などのヒドロキシアルキル基の群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている水溶性セルロースエーテルが含まれる。具体例としては、メチルセルロースなどのヒドロキシ低級アルキルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、並びにヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのヒドロキシ低級アルキルアルキルセルロースが挙げられる。その中で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が特に好ましい。
【0055】
より好ましくは、WATSOLPOLは、ゼラチン又はHPMCである。
【0056】
好適なWATSOLPOLは、市販されている。
【0057】
HPMCは、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量を有し得る。
【0058】
HPMCは、4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有し得る。
【0059】
好ましくは、HPMCは、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量、及び4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有し得る。
【0060】
本発明において、HPMCメトキシ及びヒドロキシプロポキシ含有量は、米国薬局方(US Pharmacopiea)に従って表され、米国薬局方の参照文献が本明細書で引用される。
【0061】
異なるタイプ又はグレードのHPMCが存在する。
【0062】
したがって、本発明の意味での「HPMC」という用語は、2つ以上のタイプ又はグレードのHPMCの混合物も含む。
【0063】
HPMCは、例えば、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロポキシ基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロピー基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、並びに
それらの混合物の群から選択され得る。
【0064】
CAPSSHELL中のHPMCは、1つのタイプのHPMCであり得、また異なるタイプのHPMCの混合物であり得る。
【0065】
一実施形態では、HPMCは、HPMC2906である。
【0066】
内層の壁形成ポリマーは、2つ以上のWATSOLPOLの混合物を含み得る。
【0067】
好ましくは、ENTPOLは、HPMCAS又はCAPの群から選択される。
【0068】
一実施形態では、ENTPOLは、HPMCASである。
【0069】
内層の壁形成ポリマーは、2つ以上のENTPOLの混合物を含み得る。
【0070】
一実施形態では、WATSOLPOLは、セルロース誘導体、好ましくはHPMCであり、ENTPOLは、HPMCASである。
【0071】
別の実施形態では、WATSOLPOLは、ゼラチンであり、ENTPOLは、HPMCAS又はCAPである。
【0072】
別の実施形態では、WATSOLPOLは、ゼラチンであり、ENTPOLは、HPMCASである。
【0073】
別の実施形態では、WATSOLPOLは、ゼラチンであり、ENTPOLは、CAPである。
【0074】
STDカプセル重量に基づいて、
CAPSSHELL中のENTPOLの量は、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも7.5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、更により好ましくは少なくとも12.5重量%、特に少なくとも15重量%、より特に少なくとも17.5重量%、更により特に少なくとも18.5重量%、特に少なくとも20重量%であり得、重量%は、STDカプセル重量に基づく。
【0075】
CAPSSHELL中のENTPOLの量は、最大50重量%、好ましくは最大45重量%、より好ましくは最大40重量%、更により好ましくは最大35重量%であり得、重量%はSTDカプセル重量に基づく。
【0076】
ENTPOLの最小量のいずれかは、ENTPOLの最大量のいずれかと組み合わせ得る。
【0077】
例えば、CAPSSHELL中のENTPOLの量は、5~50重量%、好ましくは7.5~45重量%、より好ましくは9~40重量%、更により好ましくは10~35重量%であり得、重量%はSTDカプセル重量に基づく。
【0078】
乾燥カプセル重量に基づいて、
CAPSSHELL中のENTPOLの量は、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも7.5重量%、より好ましくは少なくとも9.5重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0079】
CAPSSHELL中のENTPOLの量は、最大50重量%、好ましくは最大45重量%、より好ましくは最大40重量%、更により好ましくは最大35重量%、特に最大32.5重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0080】
ENTPOLの最小量のいずれかは、ENTPOLの最大量のいずれかと組み合わせ得る。
【0081】
例えば、CAPSSHELL中のENTPOLの量は、5~50重量%、好ましくは7.5~45重量%、より好ましくは7.5~40重量%、更により好ましくは7.5~35重量%、特に9.5~35重量%、より特に9.5~32.5重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0082】
ENTPOLがHPMCASである場合、CAPSSHELL中のHPMCASの量は、12~32.5重量%、好ましくは12~31重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0083】
ENTPOLがHPMCAS-LGである場合、CAPSSHELL中のHPMCAS-LGの量は、13.5~32.5重量%、好ましくは13.5~31重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0084】
ENTPOLがHPMCAS-HGである場合、CAPSSHELL中のHPMCAS-HGの量は、11.5~22.5重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0085】
ENTPOLがCAPである場合、CAPSSHELL中のCAPの量は、9.5~22.5重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0086】
STDカプセル重量に基づいて、
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量は、最大95重量%、好ましくは最大92.5重量%、より好ましくは最大90重量%、更により好ましくは最大87.5重量%、特に最大85重量%、より特に最大82.5重量%、更により特に最大81.5重量%、特に最大80重量%であり得、重量%はSTDカプセル重量に基づく。
【0087】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、更により好ましくは少なくとも65重量%であり得、重量%はSTDカプセル重量に基づく。
【0088】
WATSOLPOLの最小量のいずれかは、WATSOLPOLの最大量のいずれかと組み合わせ得る。
【0089】
例えば、CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量は、50~95重量%、好ましくは55~92.5重量%、より好ましくは60~90重量%、更により好ましくは65~87.5重量%であり得、重量%はSTDカプセル重量に基づく。
【0090】
乾燥カプセル重量に基づいて、
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量は、最大95重量%、好ましくは最大92.5重量%、より好ましくは最大90重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0091】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、更により好ましくは少なくとも65重量%、特に少なくとも67.5重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0092】
WATSOLPOLの最小量のいずれかは、WATSOLPOLの最大量のいずれかと組み合わせ得る。
【0093】
例えば、CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量は、50~95重量%、好ましくは55~92.5重量%、より好ましくは60~90重量%、更により好ましくは65~90重量%、特に67.5~90重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0094】
WATSOLPOLがHPMCである場合、CAPSSHELL中のHPMCの量は、67.5~88重量%、好ましくは67.5~86.5重量%、より好ましくは67.5~85重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0095】
WATSOLPOLがゼラチンである場合、CAPSSHELL中のゼラチンの量は、67.5~90重量%、好ましくは67.5~86.5重量%、別の実施形態では77.5~90.5重量%、好ましくは77.5~88.5重量%であり得、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0096】
一実施形態では、
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量は、67.5~90.5重量%、好ましくは67.5~86.5重量%、別の実施形態では77.5~90.5重量%、好ましくは77.5~88.5重量%であり得、
かつ
CAPSSHELL中のENTPOLの量は、9.5~32.5重量%、好ましくは13.5~32.5重量%、別の実施形態では9.5~22.5重量%、好ましくは11.5~22.5重量%であり得、
重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0097】
WATSOLPOLがHPMCであり、ENTPOLがHPMCASである場合、
CAPSSHELL中のHPMCの量は、67.5~90重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCASの量は、10~32.5重量%であり得、
好ましくは、
CAPSSHELL中のHPMCの量は、67.5~88重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCASの量は、12~32.5重量%であり得、
重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0098】
WATSOLPOLがHPMCであり、ENTPOLがHPMCAS-HGである場合、
CAPSSHELL中のHPMCの量は、67.5~90重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCAS-LGの量は、10~32.5重量%であり得、
好ましくは、
CAPSSHELL中のHPMCの量は、75~90重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCAS-LGの量は、10~25重量%であり得、
より好ましくは、
CAPSSHELL中のHPMCの量は、80~90重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCAS-LGの量は、10~20重量%であり得、
更により好ましくは、
CAPSSHELL中のHPMCの量は、82~88重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCAS-LGの量は、12~18重量%であり得、
重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0099】
WATSOLPOLがHPMCであり、ENTPOLがHPMCAS-LGである場合、
CAPSSHELL中のHPMCの量は、67.5~86.5重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCAS-LGの量は、13.5~32.5重量%であり得、
重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0100】
WATSOLPOLがゼラチンであり、ENTPOLがHPMCAS-LGである場合、
CAPSSHELL中のゼラチンの量は、67.5~86.5重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCAS-LGの量は、13.5~32.5重量%であり得、
重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0101】
WATSOLPOLがゼラチンであり、ENTPOLがHPMCAS-HGである場合、
CAPSSHELL中のゼラチンの量は、77.5~88.5重量%であり得、
CAPSSHELL中のHPMCAS-HGの量は、11.5~22.5重量%であり得、
重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0102】
WATSOLPOLがゼラチンであり、ENTPOLがCAPである場合、
CAPSSHELL中のゼラチンの量は、77.5~90.5重量%であり得、
CAPSSHELL中のCAPの量は、9.5~22.5重量%であり得、
重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0103】
STDカプセル重量に基づいて、
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの重量%の量は、CAPSHELLがWATSOLPOL及びENTPOLのみを含有し、更なる物質を含有しない場合に、最大で[100重量%-重量%でのENTPOLの量]であり、重量%はSTDカプセル重量に基づく。
【0104】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの重量%での量及びそれらの範囲のいずれかは、CAPSSHELL中のENTPOLの重量%での量及びそれらの範囲のいずれかと組み合わせることができ、一方、WATSOLPOL及びENTPOLの組み合わせ量は、100重量%を超えてはならず、重量%はSTDカプセル重量に基づく。
【0105】
乾燥カプセル重量に基づいて、
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの重量%の量は、CAPSHELLがWATSOLPOL及びENTPOLのみを含有し、更なる物質を含有しない場合に、最大で[100重量%-重量%でのENTPOLの量]であり、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0106】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの重量%での量及びそれらの範囲のいずれかは、CAPSSHELL中のENTPOLの重量%での量及びそれらの範囲のいずれかと組み合わせることができ、一方、WATSOLPOL及びENTPOLの組み合わせ量は、100重量%を超えてはならず、重量%は乾燥カプセル重量に基づく。
【0107】
CAPSSHELLは、水を含み得る。水は、CAPSSHELLを調製するための水性組成物を使用している可能性のある製造プロセスに由来し得るので、CAPSSHELL中の水は、典型的には、乾燥後にCAPSSHELL中に残留する残留水であり、CAPSSHELLを取り巻く大気、本質的には空気の相対湿度に由来し得る。CAPSSHELL中の残留水の量の典型的な上限は、20重量%以下、好ましくは17.5重量%以下であり、重量%はCAPSSHELLの重量に基づく。
【0108】
CAPSSHELL中の残留水の量の典型的な下限は、3重量%以上、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、重量%はCAPSSHELLの重量に基づく。
【0109】
残留水の量の下限のいずれかは、残留水の量の上限のいずれかと組み合わせ得る。
【0110】
例えば、CAPSSHELL中の残留水の量は、3~20重量%、好ましくは4~17.5重量%、より好ましくは5~17.5重量%であり得、重量%はCAPSSHELLの重量に基づく。
【0111】
残留水の量は、LODによって特徴付けられ得る。乾燥カプセル重量は、カプセル重量から、LODが決定されたときに失われる重量を引いたもの、すなわち、LOD決定後の残りのカプセル重量である。
【0112】
CAPSSHELLの内層、外層、又はそれらの両方の層は、ゲル化システムGELSYSを更に含み得る。
【0113】
GELSYSは、1つ以上のゲル化剤GELAGE、又は1つ以上のGELAGEと1つ以上のゲル化助剤GELAIDとの混合物であり得る。
【0114】
典型的なGELAGEは、寒天ガム、グアーガム、ローカストビーンガム(キャロブ)、カラギーナン、ペクチン、キサンタン、ゲランガム、コンニャクマンナン、ゼラチン、及びそれらの混合物などのヒドロコロイドの群から選択され、
好ましくは、GELAGEは、カラギーナン、ペクチン、ゲランガム、ゼラチン、及びそれらの混合物の群から選択される。
【0115】
典型的なGELAIDは、カチオンであり、カチオンは、K、Na、Li、NH 、Ca2+、Mg2+又はそれらの混合物であり得る。
【0116】
GELSYSは、内層、外層、又はそれらの両方に含有され得る。CAPSSHELLは、0.01~10重量%、好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.01~2重量%、更により好ましくは0.01~1重量%のGELSYSを含み得、重量%は、GELSYSが内層に含まれる場合にはWATSOLPOLの重量に基づくか、又はGELSYSが外層に含まれる場合にENTPOLの重量に基づく。
【0117】
一実施形態では、内層は、ゼラチン以外の任意のGELSYSを含まず、WATSOLPOLは、ゼラチンである。
【0118】
一実施形態では、内層は、任意のGELSYSを含まず、WATSOLPOLは、セルロース誘導体、好ましくはHPMCである。
【0119】
一実施形態では、外層は、任意のGELSYSを含まない。
【0120】
一実施形態では、内層は、ゼラチン以外の任意のGELSYSを含まず、WATSOLPOLは、ゼラチンであり、外層は、任意のGELSYSを含まない。
【0121】
一実施形態では、内層は、任意のGELSYSを含まず、WATSOLPOLは、セルロース誘導体、好ましくはHPMCであり、外層は、任意のGELSYSを含まない。
【0122】
CAPSSHELLは、1つ以上の更なる物質FURTHERSUBSTを含み得、FURTHERSUBSTは、可塑剤、pH調節剤、甘味料、酸味料、防腐剤、香味料、結合剤、増粘剤、着色剤、及びそれらの混合物の群から選択される。
【0123】
FURTHERSUBTは、内層、外層、又はそれらの両方に含有され得る。層の各々におけるFURTHERSUBSTの可能な含有量は、0.1~20重量%、好ましくは1~10重量%であり得、重量%は、FURTHERSUBSTが内層に含まれる場合、WATSOLPOLの重量に基づき得、又はFURTHERSUBSTが外層に含まれる場合、ENTPOLの重量に基づき得る。
【0124】
可塑剤の例としては、クエン酸トリエチル、グリセリン、Dソルビトール(D-ソルビトール/ソルビタン溶液)、D-マンニトール、トレハロース、植物油(ゴマ油、ヒマシ油)、中鎖トリグリセリド、トリアセチン、フタル酸ジオクチル(フタル酸ジオクチル)、フィトステロール、プロピレングリコール、ポリソルベート、及びポリエチレングリコール(マクロ目標)が挙げられる。
【0125】
pH調節剤の例としては、リン酸、塩酸、クエン酸、グリシン、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、ホウ酸、マレイン酸、硫酸、リンゴ酸、アンモニア、水酸化物、アミン、及びそれらの塩が挙げられる。
【0126】
甘味料の例としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アマチャパウダー、液体糖、フルクトース、グルコース、還元マルチトールシロップ、甘草、キシリトール、グリシン、グリセリン、グリチルリチン酸塩、黒糖、サッカリン、スクラロース、ステビア抽出物、精製白糖、精製蜂蜜、D-ソルビトール、マルチトール、マルトース、及びD-マンニトールが挙げられる。
【0127】
酸性剤の例としては、アジピン酸、イタコン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノ-デルタ-ラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸、乳酸、乳酸ナトリウム、酢酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、及びリン酸が挙げられる。
【0128】
防腐剤の例としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、蘇合香抽出物、毛細血管アルテミシア抽出物、ミルトタンパク質抽出物、ソルビン酸化合物、デヒドロ酢酸ナトリウム、ナイシン、二酸化硫黄、ペクチン分解物、及びイプシロンポリリシンが挙げられる。
【0129】
香味料の例としては、様々なエッセンス、香味料、ペパーミント、メンソール、ペパーミント、シナモン、フェンネル、バニラ、レモン、及び樟脳が挙げられる。
【0130】
甘味料、酸味料、及び香味料は、食用製品にFILMCOMPを使用する場合に好適に使用される。
【0131】
増粘剤の例としては、アルギン酸、アルギン酸塩、アラビアガム、カラヤガム、グアーガム、ゲランガム、タマリンドシードガム、タラガム、トラガントガム、カラギーナン、CMC-Ca、CMC-Na、グルコサミン、プルラン、ペクチン、ポリアクリレートナトリウム、メチルセルロース、クルドラン、及び修飾デンプンが挙げられる。
【0132】
カプセルフィルムの強度は、増粘剤及び結合剤の使用によって増加させることができる。
【0133】
着色剤は、黒、TiOなどの白、灰色、又は任意の有彩色を有する染料又は顔料であり得る。本明細書における有彩色という用語は、黒、白、及び灰色を除く全ての色を指す。
【0134】
一実施形態では、WATSOLPOLがHPMCであり、ENTOLがポリアクリル酸コポリマーである場合、内層は、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween-80、グリセリン又はポリエチレングリコールを含有しない。
【0135】
一実施形態において、ENTPOLがHPMCPである場合、WATSOLPOLは、HPMC及びペクチンの両方を含有しない。
【0136】
一実施形態では、CAPSHELLは、内層の内側に腸溶性コーティングを有しない。
【0137】
カプセルの製造のための既知のプロセスは、浸漬成形であり、成形ピンは、溶媒とフィルム形成ポリマーとの混合物であり、通常は溶媒中のフィルム形成ポリマーの溶液である、溶液層とも呼ばれ得る、いわゆる溶融物に浸漬され、その後の溶融物からの成形ピンが引き抜かれ、それによってポリマーは、乾燥後に成形ピン上にフィルムを形成する。
【0138】
キャップは、キャップの所望の形状に相補的なそれぞれの幾何学的形状を有する成形ピンによってから得られ得る。本体は、本体の所望の形状に相補的なそれぞれの幾何学形状を有する成形ピンによって形成され得る。浸漬成形にそれぞれの成形ピンを使用することによって、キャップ又は本体のいずれかが得られる。
【0139】
本発明の更なる主題は、浸漬成形プロセスDOUBLEDIPによるCAPSSHELLの調製のための方法であり、
DOUBLEDIPにおいて、第1の浸漬成形DIP1及び第2の浸漬成形DIP2が連続して行われ、
DIP1において、成形ピンを第1の混合物MELT1に浸漬し、MELT1からそれを引き抜くことによって、WATSOLPOLの第1のポリマーフィルムが、成形ピン上に形成され、
MELT1は、WATSOLPOL及び水を含み、
DIP2において、DIP1からの第1のポリマーフィルムを有する成形ピンを第2の混合物MELT2に浸漬し、MELT1からそれを引き出すことによって、ENTPOLの第2のポリマーフィルムが、成形ピン上の第1のポリマーフィルム上に形成され、
MELT2は、ENTPOL及び水を含み、
CAPSSHELL、WATSOLPOL及びENTPOLは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0140】
DOUBLEDIPはまた、二重浸漬プロセスとも呼ばれ得る。
【0141】
WATSOLPOLの第1のポリマーフィルムは、DIP1後、成形ピン上のWATSOLPOLを乾燥させることにより、成形ピン上に形成される。
【0142】
ENTPOLの第2のポリマーフィルムは、成形ピン上のENTPOLを乾燥させることによって、すなわち、成形ピン上の第1のポリマーフィルム上のENTPOLを乾燥させることによって、成形ピン上の第1のポリマーフィルム上に形成される。
【0143】
第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムの任意の乾燥は、空気乾燥によって行われ得る。
【0144】
通常、MELT1は、ENTPOLを含まない。
【0145】
通常、MELT2は、例えば、ゲル化剤としてMELT2に含まれ得るゼラチンを除いて、WATSOLPOLを含まない。
【0146】
好ましくは、MELT2は、WATSOLPOLを含まない。
【0147】
一実施形態では、MELT1は、ENTPOLを含まず、MELT2は、例えば、ゲル化剤として、MELT2に含まれ得るゼラチンを除いて、WATSOLPOLを含まない。
【0148】
好ましくは、MELT1は、ENTPOLを含まず、MELT2は、WATSOLPOLを含まない。
【0149】
混合物MELT1及びMELT2はまた、当業者によって溶解物とも呼ばれる。
【0150】
DOUBLEDIPのために、MELT1及びMELT2が提供される必要がある。
【0151】
MELT1は、好ましくは、水中のWATSOLPOLの溶液である。
【0152】
MELT2は、好ましくは、水中のENTPOLの溶液である。
【0153】
一実施形態では、MELT1は、水性ベースの溶解物である。
【0154】
一実施形態では、MELT2は、水性ベースの溶解物である。
【0155】
好ましくは、MELT1及びMELT2は、水性ベースの溶融物である。
【0156】
一実施形態では、MELT1は、溶媒ベースの溶解物ではない。
【0157】
一実施形態では、MELT2は、溶媒ベースの溶解物ではない。
【0158】
好ましくは、MELT1及びMELT2は、溶媒ベースの溶解物ではない。
【0159】
一実施形態では、水以外の更なる溶媒は、MELT1中に存在しない。
【0160】
一実施形態では、水以外の更なる溶媒は、MELT2中に存在しない。
【0161】
一実施形態では、水以外の更なる溶媒は、MELT1及びMELT2中に存在しない。
【0162】
ENTPOLは、酸性残基を有するポリマーである。
【0163】
MELT2は、塩基BAS2を更に含み、BAS2は、アンモニアである。
【0164】
アンモニアは、水酸化アンモニウムと称されるか、又は水酸化アンモニウムとして使用される場合もある。
【0165】
BAS2をMELT2に添加して、ENTPOLをMELT2中に可溶化する。
【0166】
好ましくは、MELT2は、少なくともENTPOLがMELT2中に溶解するような量でBAS2を含む。
【0167】
MELT2中のBAS2の量は、少なくとも1モル当量、好ましくは少なくとも1.05モル当量、より好ましくは少なくとも1.1モル当量であり得、モル当量はENTPOL中の酸性残基のモル量に基づく。
【0168】
MELT2中のBAS2の量は、最大1.5モル当量、好ましくは最大1.4モル当量であり得、モル当量はENTPOL中の酸性残基のモル量に基づく。
【0169】
BAS2の量の下限のいずれかは、BAS2の量の上限のいずれかと組み合わせ得る。
【0170】
好ましくは、MELT2中のBAS2の量は、1~1.5モル当量、好ましくは1.05~1.4モル当量、より好ましくは1.1~1.4モル当量であり得、モル当量は、ENTPOL中の酸性残基のモル量に基づく。
【0171】
MELT2は、SOL2及びENTPOL及びBAS2を混合することによって調製され得る。
【0172】
DIP1は、
(1-1)CAPSSHELLの半分のうちの1つについての成形ピンをMELT1に浸漬するステップ、
(1-2)成形ピンをMELT1から引き抜くステップ、
(1-3)第1のポリマーフィルムを乾燥によって成形ピン上に形成するステップを含む。
【0173】
DIP2は、
(2-1)DIP1からの第1のポリマーフィルムを有する成形ピンをMELT2に浸漬するステップ、
(2-2)成形ピンをMELT2から引き抜くステップ、
(2-3)第2のポリマーフィルムを乾燥によって成形ピン上の第1のポリマーフィルム上に形成するステップを含む。
【0174】
第1のポリマーフィルムは、CAPSSHELLの内層である。
【0175】
第2のポリマーフィルムは、CAPSSHELLの外層である。
【0176】
DIP1とDIP2の間の時間は、通常、数秒、数分、又は最大数時間などの短い時間である。製造では、二重浸漬プロセスは、それぞれの機械によって自動化された連続的な方法で行われ、DIP2は、通常、DIP1後、数秒、又は数分、最大1時間など、第1の浸漬後の短い期間内に行われる。
【0177】
一実施形態では、時間DRYTIME1-2は、DIP1におけるMELT1からの成形ピンの引き抜きと、成形ピンのMELT2への浸漬との間の時間であり、すなわち、第1の浸漬と第2の浸漬との間の合計時間である。DRYTIME1-2の間、第1のポリマーフィルムは、第2の浸漬の前に成形ピン上で乾燥する。好ましくは、DRYTIME1-2は、5時間以内、より好ましくは2時間以内、更により好ましくは1.5時間以内、特に1時間以内である。
【0178】
DRYTIME1-2は、1秒~5時間、好ましくは2秒~2時間、より好ましくは5秒~1.5時間、更により好ましくは5秒~1時間であり得る。
【0179】
DIP2は、CAPSSHELLの半分を提供する。
【0180】
DIP2後、このCAPSSHELLの半分は、成形ピンから取り外される。
【0181】
DIP2後、及び成形ピンからCAPSSHELLの半分を取り外す前に、成形ピン上のCAPSSHELLの半分を成形ピン上で更に乾燥させ得る。
【0182】
また、CAPSSHELLの半分を成形ピンから取り外した後、又はキャップ及び本体を切断若しくは組み立てなどの寸法測定などの任意の更なるステップの後、CAPSSHELLを更に乾燥させ得る。また、追加の後処理を適用して、例えば、CAPSSHELL中の任意の残留アンモニアを、CAPSSHELL中の特定の所定の最大残留アンモニア濃度下の濃度に低減し得る。
【0183】
DOUBLEDIPは、好ましくは、このCAPSSHELLの一方の半分を提供するキャップを提供するように成形されている成形ピン、及びCAPPSSHELLの他方の半分を提供する本体を提供するように成形されている成形ピンの両方で行われる。
【0184】
CAPSSHELLの両方の半分調製後、キャップ及び本体は、カプセルを形成するために互いに接合される。
【0185】
成形ピンから取り外された半分は、カプセルシェルの所望の最終の半分の目的長さよりも依然として長い長さを有し得、この場合、成形ピン上の及び成形ピンから取り外された後のカプセルシェルの半分は、機械加工されていない部分を表し、これらを所望のサイズに切断して、所望の長さのカプセルシェルの所望の最終の半分を提供する。
【0186】
浸漬成形によってピン上に均一な厚さの内層シェルを形成するために、MELT1はゲル化能力を有する必要がある。溶融物のゲル化性質は、溶融物がそのゲル化温度超では液体であり、そのゲル化温度未満ではゲルである場合、従来のゲル化と呼ばれる。例えば、ゼラチンは、ゲル化性質の従来のゲル化を示す。
【0187】
一方、溶融物がそのゲル化温度未満で液体であり、そのゲル化温度超の温度でゲル化するゲル化性質は、熱ゲル化と呼ばれる。例えば、HPMCは、ゲル化性質の熱ゲル化を示す。
【0188】
MELT1のゲル化性質に応じて、成形ピンは、DIP1中のMELT1の温度に関して、より高い又はより低い温度PINTEMPDIP1を有し得、
一実施形態では、PINTEMPDIP1は、熱ゲル化の場合など、例えば、HPMCの場合、DIP1中のMELT1の温度を上回る。
【0189】
別の実施形態では、PINTEMPDIP1は、従来のゲル化の場合など、例えば、ゼラチンの場合、DIP1中のMELT1の温度よりも低い。
【0190】
MELT1のゲル化温度は、溶液を徐々に加熱又は冷却することによる粘度の測定によって決定され得る。粘度が急激に上昇し始める温度が、ゲル化温度とみなされる。例として、水中約20重量%の濃度では、HPMCタイプ2906は、約30~40℃のゲル化温度を有する。
【0191】
PINTEMPDIP1は、熱ゲル化の場合、MELT1のゲル化温度を5℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、上回り得る。
【0192】
PINTEMPDIP1は、従来のゲル化の場合、MELT1のゲル化温度を5℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、下回り得る。
【0193】
DIP1後又はDIP2後の成形ピン上のフィルムの任意の乾燥は、空気乾燥によって行われ得る。
【0194】
HPMCの内層及びHPMCASの外層の組み合わせを有するカプセルを、まずHPMC溶融物中、すなわち、MELT1がHPMC溶融物であり、次いで、HPMCAS溶融物中、すなわち、MELT2がHPMCAS溶融物であり、この組み合わせは以下にHPMC-HPMCAS組み合わせとも称される、二重浸漬することによって調製することについてのプロセス特許請求の範囲の実施形態は、以下のとおりである。
【0195】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、MELT1の粘度は、MELT1の温度で、500~2500cP、好ましくは800~1000cPであり得る。
【0196】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、MELT1の温度は、25~40℃、好ましくは31~33℃であり得る。
【0197】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCAS、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、PINTEMPDIP1は、50~80℃、好ましくは66~70℃であり得る。
【0198】
好ましい実施形態では、以下のパラメータが、HPMC-HPMCASの組み合わせ、すなわち、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合に適用される。
H1-1)MELT1の粘度は、MELT1の温度で、500~2500cP、好ましくは800~1000cPであり得、
MELT1の温度は、25~40℃、好ましくは31~33℃であり得るか、
又は
H1-2)MELT1の粘度は、MELT1の温度で、500~2500cP、好ましくは800~1000cPであり得、
PINTEMPDIP1は、50~80℃、好ましくは66~70℃であり得るか、
又は
H1-3)MELT1の温度は、25~40℃、好ましくは31~33℃であり得、
PINTEMPDIP1は、50~80℃、好ましくは66~70℃であり得るか、
又は
H1-4)MELT1の粘度は、MELT1の温度で、500~2500cP、好ましくは800~1000cPであり得、
MELT1の温度は、25~40℃、好ましくは31~33℃であり得、
PINTEMPDIP1は、50~80℃、好ましくは66~70℃であり得る。
【0199】
上記のHPMC-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第1のポリマーフィルムの乾燥は、1つの段階、DRY1、又は2つの連続する段階、第1の乾燥、DRY1-1、及びその後の第2の乾燥、DRY1-2で行われ得、DRY1-1及びDRY1-2は、異なる乾燥パラメータを有する。
【0200】
DRY1は、30~80℃、好ましくは40~65℃の温度で行われ得る。
【0201】
DRY1は、20~60%、好ましくは30~50%のRHで行われ得る。
【0202】
DRY1-1の時間は、1~60分、好ましくは2~55分、更により好ましくは20~55分であり得る。
【0203】
DRY1-1は、40~80℃、好ましくは50~65℃の温度で行われ得る。
【0204】
DRY1-1は、30~60%、好ましくは40~50%のRHで行われ得る。
【0205】
DRY1-1の時間は、1~10分、好ましくは2~8分であり得る。
【0206】
DRY1-2は、30~60℃、好ましくは40~50℃の温度で行われ得る。
【0207】
DRY1-2は、20~50%、好ましくは30~40%のRHで行われ得る。
【0208】
DRY1-2の時間は、20~60分、好ましくは30~55分であり得る。
【0209】
上記のHPMC-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、すなわち、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第1のポリマーフィルムの、1つの段階、DRY1、又は2つの連続する段階、第1の乾燥、DRY1-1、及びその後の第2の乾燥、DRY1-2における乾燥の好ましい実施形態は、以下のとおりである。
H11-a)DRY1は、30~80℃、好ましくは40~65℃の温度で行われ得、
DRY1は、20~60%、好ましくは30~50%のRHで行われ得るか、
又は
H11-b)DRY1-1の時間は、1~60分、好ましくは2~55分、更により好ましくは20~55分であり得るか、
又は
H11-ab)H11-a)とH11-b)との組み合わせ、
かつ
H1-a)DRY1-1は、40~80℃、好ましくは50~65℃の温度で行われ得、
DRY1-1は、30~60%、好ましくは40~50%のRHで行われ得るか、
又は
H1-b)DRY1-2は、30~60℃、好ましくは40~50℃の温度で行われ得、
DRY1-2は、20~50%、好ましくは30~40%のRHで行われ得るか、
又は
H1-c)DRY1-1は、40~80℃、好ましくは50~65℃の温度で行われ得、
DRY1-1は、30~60%、好ましくは40~50%のRHで行われ得、
DRY1-2は、30~60℃、好ましくは40~50℃の温度で行われ得、
DRY1-2は、20~50%、好ましくは30~40%のRHで行われ得るか、
又は
H1-d)DRY1-1の時間は、実施形態H1-a)、H1-b)、又はH1-c)のうちのいずれか1つと組み合わせて、1~10分、好ましくは2~8分であり得るか、
又は
H1-e)DRY1-2の時間は、実施形態H1-a)、H1-b)、又はH1-c)のうちのいずれか1つと組み合わせて、20~60分、好ましくは30~55分であり得るか、
又は
H1-f)DRY1-1の時間は、1~10分、好ましくは2~8分であり得、
DRY1-2の時間は、実施形態H1-a)、H1-b)、又はH1-c)のうちのいずれか1つと組み合わせて、20~60分、好ましくは30~55分であり得る。
【0210】
実施形態H11-a)、H11-b)、及びH11-ab-c)のうちのいずれか1つ以上を、実施形態H1-1)、H1-2)、H1-3)、及びH1-4)のうちのいずれか1つ以上と組み合わせてもよい。
【0211】
実施形態H1-a)、H1-b)、H1-c)、H1-d)、H1-e)及びH1-f)のうちのいずれか1つ以上を、実施形態H1-1)、H1-2)、H1-3)及びH1-4)のうちのいずれか1つ以上と組み合わせてもよい。
【0212】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、MELT2の粘度は、MELT2の温度で、100~2000cP、好ましくは150~1000cP、より好ましくは200~600cPであり得る。
【0213】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、MELT2の温度は、20~35℃、好ましくは24~35℃、より好ましくは27~35℃であり得る。
【0214】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、成形ピンは、DIP1の場合のピン温度PINTEMPDIP1とは異なるDIP2の場合の温度PINTEMPDIP2を有し得る。
【0215】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCAS、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、PINTEMPDIP2は、20~50℃、好ましくは25~50℃であり得る。
【0216】
好ましい実施形態では、以下のパラメータが、第1の溶解物MELT1がHPMC溶解物の場合、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせ、すなわち、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、HPMCAS溶解であるMELT2に適用される。
H2-1)MELT2の粘度は、MELT2の温度で、100~2000cP、好ましくは150~1000cP、より好ましくは200~600cPであり得、
MELT2の温度は、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、20~35℃、好ましくは24~35℃、より好ましくは27~35℃であり得るか、
又は
H2-2)MELT2の粘度は、MELT2の温度で、100~2000cP、好ましくは150~1000cP、より好ましくは200~600cPであり得、
PINTEMPDIP2は、20~50℃、好ましくは25~50℃であり得るか、
又は
H2-3)MELT2の温度は、20~35℃、好ましくは24~35℃、より好ましくは27~35℃であり得、
PINTEMPDIP2は、20~50℃、好ましくは25~50℃であり得るか、
又は
H2-4)MELT2の粘度は、MELT2の温度で、100~2000cP、好ましくは150~1000cP、より好ましくは200~600cPであり得、
MELT2の温度は、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、20~35℃、好ましくは24~35℃、より好ましくは27~35℃であり得、
PINTEMPDIP2は、20~50℃、好ましくは25~50℃であり得る。
【0217】
上記のHPMC-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第2のポリマーフィルムの乾燥は、1つの乾燥DRY2を伴う1つの段階で行われ得る。
【0218】
DRY2は、20~70℃、好ましくは25~60℃の温度で行われ得る。
【0219】
DRY2は、5~50%、好ましくは5~35%のRHで行われ得る。
【0220】
DRY2の時間は、20~50分、好ましくは20~40分であり得る。
【0221】
上記のHPMC-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第2のポリマーフィルムの乾燥DRY2の好ましい実施形態は、以下のとおりである。
H2-a)DRY2は、20~70℃、好ましくは25~60℃の温度で行われ得、
DRY2は、5~50%、好ましくは5~35%のRHで行われ得るか、
又は
H2-b)DRY2の時間は、実施形態H2-a)と組み合わせて、20~50分、好ましくは20~40分であり得るか、
又は
H2-ab)H2-a)とH2-b)との組み合わせ。
【0222】
実施形態H2-a)、H2-b)及びH2-ab)のうちのいずれか1つ以上を、実施形態H2-1)、H2-2)、H2-3)、及びH2-4)のうちのいずれか1つ以上と組み合わせてもよい。
【0223】
第1のポリマーがHPMCであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、すなわち、HPMC-HPMCASの組み合わせである場合、次いで、
第1のポリマーHPMCの浸漬及び乾燥の実施形態のうちのいずれか1つ以上、すなわち、
実施形態H1-1)、H1-2)、H1-3)、H1-4)、H1-a)、H1-b)、H1-c)、H1-d)、H1-e)、H1-f)、及びそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つ以上、
又は
実施形態H1-1)、H1-2)、H1-3)、H1-4)、H11-a)、H11-b)、H11-ab)、及びそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つ以上は、
第2のポリマーHPMCASの浸漬及び乾燥の実施形態のうちのいずれか1つ以上、すなわち、実施形態H2-1)、H2-2)、H2-3)、H2-4)、H2-a)、H2-b)及びH2-ab)並びにそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つ以上と、組み合わせ得る。
【0224】
ゼラチンの内層及びHPMCASの外層の組み合わせを有するカプセルを、まずゼラチン溶融物中、すなわち、MELT1がゼラチン溶融物であり、次いで、HPMCAS溶融物中、すなわち、MELT2がHPMCAS溶融物であり、この組み合わせは以下にゼラチン-HPMCAS組み合わせとも称される、二重浸漬することによって調製することについてのプロセス特許請求の範囲の実施形態は、以下のとおりである。
【0225】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわちゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、MELT1の粘度は、MELT1の温度で、300~1200cP、好ましくは300~1100cPであり得る。
【0226】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわちゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、MELT1の温度は、40~50℃、好ましくは42~48℃、更により好ましくは44~46℃であり得る。
【0227】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわちゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、PINTEMPDIP1は、20~35℃、好ましくは22~28℃、更により好ましくは23~26℃であり得る。
【0228】
好ましい実施形態では、以下のパラメータが、ゼラチン-HPMCASの組み合わせ、すなわち、第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである場合に適用される。
G1-1)MELT1の粘度は、MELT1の温度で、300~1200cP、好ましくは300~1100cPであり得、
MELT1の温度は、40~50℃、好ましくは42~48℃、更により好ましくは44~46℃であり得るか、
又は
G1-2)MELT1の粘度は、MELT1の温度で、300~1200cP、好ましくは300~1100cPであり得、
PINTEMPDIP1は、20~35℃、好ましくは22~28℃、更に好ましくは23~26℃であり得るか、
又は
G1-3)MELT1の温度は、40~50℃、好ましくは42~48℃、更により好ましくは44~46℃であり得、
PINTEMPDIP1は、20~35℃、好ましくは22~28℃、更に好ましくは23~26℃であり得るか、
又は
G1-4)MELT1の粘度は、MELT1の温度で、300~1200cP、好ましくは300~1100cPであり得、
MELT1の温度は、40~50℃、好ましくは42~48℃、更により好ましくは44~46℃であり得、
PINTEMPDIP1は、20~35℃、好ましくは22~28℃、更に好ましくは23~26℃であり得る。
【0229】
ゼラチン-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第1のポリマーフィルムの乾燥は、1つの乾燥DRYG1を伴う1つの段階で行われ得る。
【0230】
DRYG1は、20~30℃、好ましくは23~28℃、更に好ましくは25~27℃の温度で行われ得る。
【0231】
DRYG1は、30~45%、好ましくは32~43%、更に好ましくは34~42%のRHで行われ得る。
【0232】
DRYG1の時間は、20~90分、好ましくは30~70分、更により好ましくは40~55分であり得る。
【0233】
ゼラチン-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第2のポリマーフィルムの乾燥DRYG1の好ましい実施形態は、以下のとおりである。
G1-a)DRYG1は、20~30℃、好ましくは23~28℃、更に好ましくは25~27℃の温度で行われ得、
DRYG1は、30~45%、好ましくは32~43%、更に好ましくは34~42%のRHで行われ得るか、
又は
G1-b)DRYG1の時間は、実施形態G1-a)と組み合わせて、20~90分、好ましくは30~70分、更により好ましくは40~55分であり得るか、
又は
G1-ab)G1-a)とG1-b)との組み合わせ。
【0234】
実施形態G1-a)、G1-b)及びG1-ab)のうちのいずれか1つ以上を、実施形態G1-1)、G1-2)、G1-3)、及びG1-4)のうちのいずれか1つ以上と組み合わせてもよい。
【0235】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわちゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、MELT2の粘度は、MELT2の温度で、200~700cP、好ましくは200~500cPであり得る。
【0236】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわち、ゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、MELT2の温度は、20~35℃、好ましくは24~32℃、より好ましくは27~29℃であり得る。一実施形態では、MELT2の温度は、28℃である。
【0237】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである、すなわちゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、成形ピンは、DIP1の場合のピン温度PINTEMPDIP1とは異なるDIP2の場合の温度PINTEMPDIPG2を有し得る。
【0238】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCAS、すなわちゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、PINTEMPDIPG2は、25~30℃、好ましくは27~29℃であり得る。
【0239】
好ましい実施形態では、以下のパラメータが、ゼラチン-HPMCASの組み合わせ、すなわち、第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである場合に適用される。
G2-1)MELT2の粘度は、MELT2の温度で、200~700cP、好ましくは200~500cPであり得、
MELT2の温度は、20~35℃、好ましくは24~32℃、より好ましくは27~29℃、最も好ましくは28℃であり得るか、
又は
G2-2)MELT2の粘度は、MELT2の温度で、200~700cP、好ましくは200~500cPであり得、
PINTEMPDIPG2は、25~30℃、好ましくは27~29℃であり得るか、
又は
G2-3)MELT2の温度は、20~35℃、好ましくは24~32℃、より好ましくは27~29℃、最も好ましくは28℃であり得、
PINTEMPDIPG2は、25~30℃、好ましくは27~29℃であり得るか、
又は
G2-4)MELT2の粘度は、MELT2の温度で、200~700cP、好ましくは200~500cPであり得、
MELT2の温度は、20~35℃、好ましくは24~32℃、より好ましくは27~29℃、最も好ましくは28℃であり得、
PINTEMPDIPG2は、25~30℃、好ましくは27~29℃であり得る。
【0240】
ゼラチン-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第1のポリマーフィルムの乾燥は、1つの乾燥DRYG2を伴う1つの段階で行われ得る。
【0241】
DRYG2は、25~30℃、好ましくは27~29℃の温度で行われ得る。
【0242】
DRYG2は、5~20%、好ましくは8~15%のRHで行われ得る。
【0243】
DRYG1の時間は、5~45分、好ましくは10~30分、更により好ましくは15~25分であり得る。
【0244】
ゼラチン-HPMCASの組み合わせのプロセス特許請求の範囲に関する実施形態のうちのいずれか1つでは、第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、成形ピン上の第2のポリマーフィルムの乾燥DRYG1の好ましい実施形態は、以下のとおりである。
G2-a)DRYG2は、25~30℃、好ましくは27~29℃の温度で行われ得、
DRYG2は、5~20%、好ましくは8~15%のRHで行われ得るか、
又は
G2-b)DRYG1の時間は、5~45分、好ましくは10~30分、更により好ましくは15~25分であり得、
G2-ab)G2-a)とG2-b)との組み合わせ。
【0245】
実施形態G2-a)、G2-b)及びG2-ab)のうちのいずれか1つ以上を、実施形態G2-1)、G2-2)、G2-3)、及びG2-4)のうちのいずれか1つ以上と組み合わせてもよい。
【0246】
第1のポリマーがゼラチンであり、第2のポリマーがHPMCASである場合、すなわち、ゼラチン-HPMCASの組み合わせである場合、次いで、
第1のポリマーゼラチンの浸漬及び乾燥の実施形態のうちのいずれか1つ以上、すなわち、実施形態G1-1)、G1-2)、G1-3)、G1-4)、G1-a)、G1-b)及びG1-ab)並びにそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つ以上は、
第2のポリマーHPMCASの浸漬及び乾燥の実施形態のうちのいずれか1つ以上、すなわち、実施形態G2-1)、G2-2)、G2-3)、G2-4)、G2-a)、G2-b)及びG2-ab)並びにそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つ以上と、組み合わせ得る。
【0247】
任意のGELSYS及び任意のFURTHERSUBSTは、MELT1、MELT2、又はそれらの両方に含まれ得る。
【0248】
任意のFURTHERSUBST及び任意のGELSYSは、それぞれ、内層又は外層における所望の量に等しい、WATSOLPOLの量に基づく量でMELT1中に、又はENTPOLの量に基づく量でMELT2中に、含まれ得る。
【0249】
本発明の更なる主題は、DOUBLEDIPによって入手可能なCAPSSHELLであり、
CAPSSHELL及びDOUBLEDIPは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0250】
本発明の更なる主題は、製剤FILLFORMで充填されたCAPSSHELLであり、
FILLFORMは、活性成分ACTINGRを含み、ACTINGRが、活性薬学的成分、薬学的剤形、薬剤、生きたバイオ医薬品、及び栄養製品の群から選択され、
CAPSSHELLが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0251】
生きたバイオ医薬品は、例えば、マイクロバイオームであり得る。
【0252】
CAPSSHELLの1つの用途は、生きたバイオ医薬品を腸に送達することであり、CPASSHELLの腸溶特性は、CAASSHELLの含有物の放出なしに、CAPSSHELLにおける生きたバイオ医薬品を胃を通過させることを可能にし、放出は、CPASSHELLが胃を通過した後に、腸内でのみ起こる。
【0253】
FILLFORMは、粉末、カプレット、又は錠剤形態を有し得る。
【0254】
本発明の更なる主題は、FILLFORMを充填するためのCAPSSHELLの使用であり、CAPSSHELL及びFILLFORMは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【0255】
本発明の更なる主題は、経口摂取のためのFILLFORMを充填したCAPSSHELLの使用であり、CAPSSHELL及びFILLFORMは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【0256】
FILLFORMは、ACTINGRを0.05~100重量%、好ましくは0.5~90重量%、より好ましくは1~50重量%、更により好ましくは5~30重量%の量で含み得、重量%は、FILLFORMの乾燥重量に基づく。
【0257】
一実施形態では、CAPSHELLの内層は、ACTINGRを含有せず、これは、ACTINGRが、CAPSHELLの内層全体に担持されないことを意味する。
【実施例
【0258】
本明細書で使用される試験方法、材料及び更なる略語
実施例5を除く全ての実施例は、カプセルサイズ2で行われた。サイズ2のカプセルのSTD目標重量(STD-T-Wで略された表中の標準目標重量)は、以下のように事前定義された:
カプセル本体、また本体と呼ばれる:STD-T-W 37.5mg
カプセルキャップ、キャップとも呼ばれる:STD-T-W 23.5mg
実施例5のサイズ0について、それぞれの値は、以下のとおりである:
カプセル本体、また本体と呼ばれる:STD-T-W 60mg
カプセルキャップ、キャップとも呼ばれる:STD-T-W 36mg
【表2】
【0259】
AQOAT(登録商標)HG(AS-HGとも呼ばれる)及びLG(AS-LGとも呼ばれる)の形態のHPMCASは、Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.(Tokyo,Japan)から購入した。文字L、M、及びHは、グレードを指定し、アセチル基及びスクシノイル基の含有量を区別する。文字Gは、平均粒子サイズが1mmの粒状グレードを表し、Gの代わりに文字Fは、平均粒子サイズが5マイクロメートルの微粒子化グレードを表す。これらのグレードの様々な含有量及びパラメータを表27に示す(出典:Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.)。
【表3】
【表4】
【0260】
チューブ試験:カプセルの破壊及び弾性挙動は、Capsugel、現Lonza Ltd、Visp,Switzerlandが社内で開発したチューブ試験機を用いた衝突試験又は衝撃試験に対する耐性によって測定され得る。本質的に、カプセルを最初に、選択された相対湿度又は湿度(例えば、2.5、10、16、23、33、45、又は66%RH)で5日間の保管に供する。その後、カプセルを平らな面上に水平に置き、例えば、100グラムの重りを試験するカプセルの上に置くチューブの内側から落とす。チューブは、25.5mmの内径を有し得、重りは、24.5mmの直径を有し得る。チューブは、重りが落ちる距離である80mmの高さを有し得る。50個のカプセルの試料サイズが選択され得、各カプセルは個別に試験される。異なる相対湿度での破損した本体、キャップ、又は全体のカプセル(本体及びキャップ)の数は、破壊率及び弾性挙動を計算するために数えられる。
【0261】
カプセル上部圧縮試験:この試験は、カプセル(本体又はキャップ)の上部を0.55mm圧縮する(垂直方向)ために必要な力又はエネルギーである上部パンチ力又は上部パンチエネルギーによってカプセルの上部強度を評価することである。カプセルの上部強度は、カプセルの含水量にも依存するため、保管期間(24時間~5日)の相対湿度を考慮する必要がある。概して、試験したカプセルは、例えば、23%RH、33%RH、及び更には45%RHで保管される。好ましくは、Instron Universal Testing Machine Series5960(番号5965)は、本体、キャップ、又はカプセル全体の圧縮に必要な力を試験するために、1kNセル(N°2580-106)を使用して使用することができる。
【0262】
(プレ)ロック力測定:試験は、市販のデジタルフォースゲージ(例えば、Shimpo-USA)を組み込んだデバイスを使用して実施され得る。カプセルの本体は、ホルダー内に固定され(好ましくは針で、又は空気吸引で)、好ましくは70mm/sで一定の速度で、プレロック(該当する場合)又はロック条件下でキャップを取り外すために必要な力が記録される。
【0263】
腸溶投薬量のための溶解:この試験は、適切な(酸性)媒体中の腸溶性カプセルの溶解を測定する。
●EUROPEAN PHARMACOPOEIA 7.0-2.9.3又は7.5-2.9.3、固体剤形の溶解試験-遅延放出固体剤形に準拠した培地及び試験。
●USP Method Aに従った培地及び試験(本明細書で更に詳述されるように、例えば上記の「略語及び定義」を参照されたい)
この試験は、溶解浴タイプVanKel VK7000又は他のもので手動で実施され得る。
試験は、パドル装置(装置2)で行われ得、好ましくは、パドルは50RPMで実施され、当該パドルと溶解浴容器の底部との間の距離は、約2.5+/-0.2cmである。
試験は、例えば、Method Aに記載されるように、pH1.2又はpH6.8で実施されてもよく、又は、任意の他のpHで実施されてもよく、好ましくは、pH1.2とpH6.8との間の任意の他のpHで実施されてもよく、例えば、pH4.5が目的のものであってもよく、所望のpH環境及び試験溶液は、それぞれの水性緩衝液によって提供される。
投薬量測定は、Lambda 25、Lambda 35又はUvikon XL、BioTek Instrumentsなどの市販のUV分光光度計を用いて実施され得る。
●また、カプセルの溶解特性のための適切な試験手順は、以下のとおりである。USP溶解装置2(パドル)を使用し、溶解媒体:pH1.2での模擬胃液0.1NのHClを2時間、次にNa3PO4を含むpH6.8での模擬腸管液、試験条件:流体を37℃で維持し、球端を有する円筒形のパドル容器(USP/NF)、回転速度50rpm、溶解液量は750mlである。試験カプセルは、380mgのアセトアミノフェンで充填される。次いで、カプセルを容器に入れ、それを模擬胃液に2時間配置する。続いて、250mlの0.20Mの三塩基性リン酸ナトリウムを模擬腸液pH6.8に添加する。UV(λ=300nm)を使用して、溶解媒体中の溶解したアセトアミノフェン(充填量の%として)を定量する。模擬胃液中では15分ごと、模擬腸液中では3分ごとに測定を行う。
【0264】
脱塩水中の溶解:脱塩水中のカプセルの溶解は、特定のpHを有する緩衝液の代わりに脱塩水が使用される(37℃で最大2時間持続する)「腸溶投薬量のための溶解」で上記に示されるように、酸性培地の溶解試験と同様に測定され得る。
【0265】
フィルム引張試験:引張試験によるフィルム試験品の機械的特性の決定は、Instron試験デバイス(例えば、1kNセル(N°2580-106)を使用するInstron Universal Testing Machine Series 5960(番号5965)を使用して実施され、フィルムの厚さは、例えば、Mitutoyoによって提供される商業用ゲージによって決定され得る。
【0266】
試験のために、20個のフィルムストリップ(幅12.7mm、長さ約80mm)の試料を器具のクランプの間に配置し、フィルムの厚さを測定し、破断時の変形(フィルムの形状(form)又は形状(shape)の変化のための測定であり、破断時の伸びとも呼ばれ得る)を測定する。
【0267】
フィルムに対する破壊のための衝撃エネルギー:この試験は、ゼラチン又は他の材料中のフィルムの耐衝撃性を評価することである。フィルムは(フィルムアプリケータを用いて)成形することによって調製され、可能なフィルム厚さは100マイクロメートル±15マイクロメートル又はそれ以外であり得、乾燥後、フィルムをストリップ(例えば、50mm×30mm又は40mm×25mm)に切断し、様々な相対湿度条件(例えば、2.5、10、16、23、33、45、又は66%RH、例えば、5日間)に保管(平衡化)する。
【0268】
フィルム厚さは、乾燥機に保管する前に、例えば、マイクロメータゲージ(例えば、Mitutoyoから)を使用してフィルムの各ピースについて測定され、値を記録する。フィルムストリップは、例えば、7mm×16mmの窓を有する試料ホルダー内にクランプされる。次いで、フィルムを破断するために必要なエネルギーは、ムートンシャルピー振り子を使用して定義される。本質的には、フィルムが破断する点までエネルギーが徐々に増加し、耐衝撃性は試料厚さ当たりのエネルギーの比率(mJ/mm)として表される。
【0269】
同様の試験は、衝撃試験機を使用した衝撃に対する耐性の測定など、カプセルに対して実施され得る。カプセル試料は、最低5日間(2.5~10~16~23~33~45~66%RH)の乾燥機で保管することによって、様々な相対湿度条件に平衡化される。マイクロメータゲージは、カプセル本体(例えば、MitutoyoモードIDC-112B)又はキャップ(例えば、Kafferから)の衝撃ゾーンの厚さを測定するために使用される。本質的に、カプセル本体又はキャップを破断するために必要なエネルギーは、衝撃先端によって当たることによって本体又はキャップが破断する点まで衝撃エネルギーを徐々に増加させることによって測定され、耐衝撃性は、試料厚さ当たりのエネルギーの比率(mJ/mm)として表される。
【0270】
貫通時間測定試験:この試験は、溶解液によって試験したフィルムのディスクを貫通するのに必要な時間を測定するものであり、例えば、溶解浴タイプVanKel VK7000又は他のデバイスからのボウルを使用する。フィルム組成物及び使用される流体に応じて、貫通時間は、フィルムの溶解時間又は破断時間に対応する。
【0271】
本質的に、フィルムディスクは、可能な場合、約100μmであるべき厚さで、約18mmの直径でプレスされる。ディスクの厚さLを測定する(μm)。次いで、フィルムディスクを、直径約14mmの溶解窓を有する溶解セルのキャップ内に配置する。この溶解セルは、溶解液を含有するフラスコに37℃で浸漬し、クロノメーターが開始される。溶解が進むにつれて、フィルムはより薄くなり、特定の時点で溶解液によって「貫通」される。フィルムが使用された溶解液中に溶解しない場合、ボトル内部で発生する空気膨張の圧力下でも破断する可能性がある。溶解液がボトルの半分を満たすのに必要な時間は、貫通時間(Tp)として記録される。100μmの厚さ(Tp.c)に正規化された貫通時間は、以下の式によって計算される。
Tp.c=Tp*100/L
L:厚さ(μm)
Tp:貫通時間
Tp.c:100μmの厚さに正規化された貫通時間
【0272】
平均Tp.cは、記録された15のうち10以上の代表的な結果で計算される。
【0273】
穿刺試験:この試験は、フィルムの穿刺耐性を評価するために使用される。フィルムは、(フィルムアプリケータを使用して)成形によって調製され、テクスチャアナライザデバイスで試験される。この試験は、試験前に材料が意図的に切断され、伸ばされた場合にも、十分にカプセル壁の断片上で実施され得る。成形及び乾燥後、フィルムをストリップ(30mm×30mm)に切断し、様々な相対湿度条件(例えば、2.5、10、16、23、33、45、又は66%のRH、例えば、5日間)に平衡化する。フィルム厚は、試験前にストリップごとに測定される。次に、テクスチャアナライザ装置には、ボール形状のプローブ(例えば、直径5mmの標準プローブP5/S)を備えている。4本の固定ネジを備えた2つ穴の金属板の間にフィルムをクランプする(穴の好ましい直径は10mmである)。プローブの初期位置は、試料の上約5cmにある。試験中、プローブは下がり、フィルムストリップ(又はカプセル本体部分)を貫通し、初期位置に戻る。対応する曲線をトレースし、ピーク下の面積を、フィルム又はカプセルシェルの耐穿刺性の尺度として計算する。破断時の力は、破断前の最大力であると決定され、破断時の変形は、ボール形状プローブが最初にフィルムに接触してから破断するまで移動した距離であることが決定される。
【0274】
実施例1:HPMC及びHPMCAS-LGに基づく二重浸漬による遅延放出硬質カプセル
第1のHPMC層浸漬の説明
1kgのHPMCを4kgの水に80℃で分散させることによって、5kgのHPMC溶液を調製した。分散後、攪拌速度を低減させて分散液を脱泡し、次いで、分散液を15℃に冷却して完全なHPMC粒子可溶化を行い、気泡のないHPMC溶液を得た。
【0275】
次いで、HPMC溶液を硬質カプセル製造パイロット機の浸漬皿に注ぎ、皿内のHPMC溶液を32℃に加熱した。これがいわゆる第1の溶解物である。
【0276】
事前加熱されたホットピン(70℃)及び熱乾燥空気(40%RHで65℃、約40分間)を使用して、熱ゲル化プロセスに従って第1の層浸漬を実施した。
【0277】
皿内のHPMC溶液の粘度を、水を添加することによって調整して、浸漬によってピン上にピックアップされる溶液の所望の重量を達成し、したがって、第1の層の重量を制御し、その重量をピックアップ重量と呼ぶ。ピックアップ重量は、浸漬の前後に浸漬用バーの計量することによって決定される。所望のピックアップ重量は、カプセルの第1の層の意図された及び事前定義された重量を考慮して再び設定され、この意図された及び事前定義された重量は、例えば、標準目標重量STD-T-Wの70重量%であり、すなわち、
本体=37.5×70%=26.3mg
キャップ=23.5×70%=16.5mg。
【0278】
本体及びキャップの重量は、乾燥後にそれらを計量し、ピンから剥がし、サイズに切断することによって決定される。
【0279】
粘度調整の目的で、浸漬されたバーを乾燥させ(40%RHで65℃の高温乾燥空気を約40分間)、次いでストリッピングし、得られた本体及びキャップを所望のサイズに切断し、次いで、重量を決定して、本体及びキャップの第1の層の重量を把握し、意図された及び事前に定義された重量を達成するために、それに応じて粘度を調整した。
【0280】
第2の浸漬に使用された、粘度を調整した後の浸漬されたバーの調製のために、浸漬されたバーを乾燥させ(40%RHで65℃の熱乾燥空気で約40分間)、ストリッピングされていない状態で乾燥後に保持した。並行して、これらのバーのいくつかも剥がし、カプセル本体及びキャップを切断し、次いで、本体及びキャップを22℃及び50%RHで一晩平衡化し、それらの重量を決定した。この重量は、表1に報告されている「第1層HPMC」の重量「W[mg]」である。
【0281】
また、これらの平衡化されたカプセルで決定されたのは、LODであった。この目的のために、カプセル(本体及びキャップ)を105℃で一晩乾燥させ、重量を決定した。
【表5】
【0282】
第2のHPMCAS-LG層浸漬の説明
5kgのHPMCAS-LG溶液を、700gのHPMCAS-LGを4300gの水中に室温で分散させ、次いで、HPMCAS-LGの完全な可溶化を達成するために、70mlの30重量%のアンモニア水溶液(0.873molのスクシノイル及び1.11molのNHは、HPMCAS-LGのスクシノイル残基のモル量に基づいて1.27モル当量のNHを提供する)を攪拌下で徐々に添加することによって調製した。添加したアンモニア溶液の量は、HPMCAS-LG粒子を完全に溶解するのにちょうど十分な量であるように選択された。
【0283】
14gのTiOを溶液に添加し、懸濁液を得て、白色で不透明な第2層を得た。溶解したHPMCAS-LG及び懸濁したTiOを含有する得られた懸濁液を、室温で約200mbarの真空下で一晩脱泡した。
【0284】
溶解したHPMCAS-LG及び懸濁したTiOを含有する懸濁液を硬質カプセル製造パイロット機の浸漬皿に注ぎ、皿内の懸濁液を34℃に加熱した。これがいわゆる第2の溶融物である。
【0285】
第2の浸漬を、第1の層を有し、「第1のHPMC層浸漬」の下で説明されるように調製されている浸漬されたバーで、30℃のバーの温度で実施し、第2の浸漬の後、二重浸漬されたバーを約20分間、7%RH、30℃で空気乾燥させた。
【0286】
また、第2の浸漬について、ディッシュ内の懸濁液の粘度を、水を添加することによって調整して、STD目標重量に等しい、又は少なくとも近い最終カプセル重量にした。この粘度の調整は、「第1のHPMC層浸漬」に記載されているように、これらの乾燥バーで同じ方法で行われた。
【0287】
例えば、カプセルの第1の層の意図された重量が、「第1のHPMC層浸漬」に記載されているように、標準目標重量STD-T-Wの70重量%であるように事前に定義されている場合、カプセルの第2の層の意図された重量は、第1の層の所定の70重量%に対応するSTD-T-Wの30重量%であるように事前に定義された。すなわち、
本体=37.5×30%=11.25mg
キャップ=23.5×30%=7.05mg。
【0288】
このようにして、キャップ及び体のSTD-T-Wに到達することが目的であった。
【0289】
遅延放出性能を試験するために使用されたカプセルの製造に使用されたこれらの二重浸漬されたバーを、乾燥後に剥離し、本体及びキャップをサイズに切断し、22℃、50%RHで、一晩平衡化し、それらの重量を決定した。この重量は、表1に報告された「合計」の重量「W[mg]」である。「合計」は、第1層及び第2層の重量である。
【0290】
表1に記載の「第2層HPMCAS-LG」の重量「W[mg]」を、以下によって計算した:
第2層のW=合計のW-第1層のW。
【0291】
表1のW/STD W[%]は、以下によって計算された:
本体の場合:
第1層W/STD-T-W[%]=第1層のW/STD-T-W=第1層のW/37.5mg
第2層W/STD-T-W[%]=第2層のW/STD-T-W=第2層のW/37.5mg
合計W/STD-T-W[%]=合計のW/STD-T-W=合計のW/37.5mg。
キャップの場合:
第1層W/STD-T-W[%]=第1層のW/STD-T-W=第1層のW/23.5mg
第2層W/STD-T-W[%]=第2層のW/STD-T-W=第2層のW/23.5mg
合計W/STD-T-W[%]=合計のW/STD-T-W=合計のW/23.5mg。
【0292】
実施例について、常に同じSTD目標重量を得ることを目指すか、又は少なくともSTD目標重量に近づくことを達成するのを目指しながら、2つの層の重量の異なる組み合わせを達成するために、ディッシュ内の溶液(第1の浸漬)及び懸濁液(第2の浸漬)の異なる粘度を選択しながら、第1及び第2の層浸漬は行われた。
【0293】
表1は、製造されたカプセルの詳細を示す。
【表6】
【0294】
第2の層のLODを、それぞれのフィルムで決定した。
フィルムは、第2の浸漬に使用された第2の溶融物を有する支持フィルム上に成形することによって作製された。フィルムを室温で乾燥させ、乾燥後、フィルムを支持体から取り出し、一晩22℃、50%RHで、平衡化し、それらの重量を決定した。また、これらの平衡化されたフィルムで決定されたのは、LODであった。この目的のために、フィルムを105℃で一晩乾燥させ、重量を決定した。
【表7】
【0295】
遅延放出性能のカプセル評価
中和されたHPMCAS水溶液が第2の層浸漬に使用されるため、第2の層は水溶性である。
【0296】
最適な遅延放出性能及びカプセル容器内の任意のアンモニア臭を大量に回避するために、アンモニア含有量を最小限に低減するように後処理が実施される。
【0297】
後処理:
説明「第2のHPMCAS-LG層浸漬」に従って作製されたカプセルを一晩60℃に保持し、続いて、評価の1日前に、22℃、50%RHで第2の平衡化を行った。
【0298】
カプセルは、遅延放出剤形について、インビトロ溶解試験Method A USPによって評価した。この目的のために、カプセルをアセトアミノフェン(APAP)で充填し、閉鎖した。溶解試験を、最初に模擬胃培地(pH1.2)中、37℃で120分間、次いて、模擬腸液(pH6.8)中、1時間15分間、Method A USPに記載されるように実施した。シンカーを使用して、カプセルを溶解容器の底部に保持し、50rpmの攪拌を適用した。各実施例1A、1B、及び1Cの6個のカプセルを試験し、それらの値の平均を報告した。
【0299】
結果は、製造された全てのカプセルが良好な遅延放出性能を有することを示す。
【0300】
約19.5%の最小のHPMCAS-LG層の重量比「W/STD-T-W[%]」であるカプセルであっても、良好な遅延放出性能を示し、それらの19.5%は、21.7%のキャップの最小重量比及び17.3%の本体の最小重量比の平均である。
【0301】
詳細を表2に示す。表2の「最大」は、最も高い値を有する1つの試料の値を表す。
【表8】
【0302】
全てのカプセルは、pH1.2で120分後にその含有量の10%未満、及びpH6.8で45分後にその含有量の80%超の所望の放出を示した。
【0303】
含有量の計算:
【表9】
【0304】
表9及び表10は、組成物の重量%を示し、表9の「%」に示される値は、総重量に基づく重量%であり、表10の「%」に示される値は、乾燥重量に基づく重量%である。「W」は重さを意味する。
【表10】
【表11】
【0305】
実施例2:ゼラチン及びHPMCAS-LGに基づく二重浸漬による遅延放出硬質カプセル
第1のゼラチン層浸漬
50℃で約200mbarの真空下で一晩脱泡した50℃の30重量%のゼラチン水溶液5リットルを、浸漬皿に注ぎ、次いで、皿内の溶液を45℃に加熱し、第1の層の所望の重量を提供するために実施例1の「第1のHPMC層浸漬の説明」に従って粘度を調整し、26℃及び乾燥空気(40%RHで26℃、約40分間)でのピンを使用して「第1のHPMC層浸漬の説明」に従って浸漬を実施した。
【0306】
実施例1に記載されているように、カプセルのLODは、14.76%であると決定した。
【0307】
第2のHPMCAS-LG層浸漬
溶解したHPMCAS-LG及び懸濁TiOを含有する懸濁液を、実施例1に記載のとおりに調製した。
【0308】
ディッシュ中の懸濁液の粘度を、実施例1に記載されるように調整した。かかる粘度が特定されると、懸濁液の温度が28℃であり、浸漬用バーの温度が28℃であり、28℃の乾燥空気を12%RHで20分間使用することを除き、実施例1の「第2のHPMCAS-LG層浸漬の説明」に従って、第1の層を有するバーの浸漬を行った。
【0309】
本体及びキャップの最終重量は、実施例1に記載されるように達成され、監視された。
【0310】
実施例について、常に同じSTD目標重量を維持することを目指すか、又は少なくともSTD目標重量に近づくことを達成しながら、2つの層の重量の異なる組み合わせを達成するために、ディッシュ内の溶液(第1の浸漬)及び懸濁液(第2の浸漬)の異なる粘度を選択しながら、第1及び第2の層浸漬は行われた。
【0311】
表3は、製造されたカプセルの詳細を示す。
【表12】
【0312】
実施例1に記載されているように、第2の溶融物で成形されたフィルムのLODは、6.72%であると決定した。
【0313】
遅延放出性能のカプセル評価
実施例1に記載されるように、製造されたカプセルを後処理し、遅延放出性能について評価した。
【0314】
結果により、カプセルの良好な遅延放出性能が明らかとなる。
【0315】
詳細を表4に示す。表4の「最大」は、最も高い値を有する1つの試料の値を表す。
【表13】
【0316】
全てのカプセルは、pH1.2で120分後にその含有量の10%未満、及びpH6.8で45分後にその含有量の80%超の所望の放出を示した。
【0317】
含有量の計算:
【表14】
【0318】
表11及び表12は、組成物の重量%を示し、表9の「%」に示される値は、総重量に基づく重量%であり、表12の「%」に示される値は、乾燥重量に基づく重量%である。「W」は重さを意味する。
【表15】
【表16】
【0319】
実施例3:ゼラチン及びHPMCAS-HGに基づく二重浸漬による遅延放出硬質カプセル
第1のゼラチン層浸漬
第1の浸漬を、実施例2に記載されるように行った。
実施例1に記載されているように、カプセルのLODは、14.76%であると決定した。
【0320】
第2のHPMCAS-HG層浸漬
TiOを有するHPMCAS-HGの懸濁液を、HPMCAS-LGの代わりに700gのHPMCAS-HGを使用しながら、実施例1に記載のとおりに調製した。
【0321】
HPMCAS-HGの完全可溶化を達成するために、攪拌下で、70mlの代わりに、30重量%のアンモニア水溶液を32mlだけ使用しながら(0.454molのスクシノイル及び0.507molのNHは、HPMCAS-HGのスクシノイル残基のモル量に基づいて、1.12モル当量のNHを提供する)、TiOを有するHPMCAS-HGのこの懸濁液を使用しながら、第2の浸漬を、実施例2に記載されるように行った。添加したアンモニア溶液の量は、HPMCAS-HG粒子を完全に溶解するのにちょうど十分な量であるように選択された。
【0322】
表5は、製造されたカプセルの詳細を示す。
【表17】
【0323】
実施例1に記載されているように、第2の溶融物で成形されたフィルムのLODは、3.74%であると決定した。
【0324】
実施例3Bでは、第1の浸漬のゼラチン溶融物の粘度は、溶融物の温度で1000cPであり、第2の浸漬のHPMCAS-HG溶融物の粘度は、溶融物の温度で450cPであった。
【0325】
遅延放出性能のカプセル評価
実施例1に記載されるように、産生されたカプセルをガス除去し、遅延放出性能について評価した。
【0326】
結果により、製造された全てのカプセルが良好な遅延放出性能を有することが明らかになる。
【0327】
約11.75%の最小のHPMCAS-HG層の重量比「W/STD-T-W[%]」であるカプセルであっても、良好な遅延放出性能を示し、それらの11,75%は、12.3%のキャップの最小重量比及び11.2%の本体の最小重量比の平均である。
【0328】
詳細を表6に示す。表6の「最大」は、最も高い値を有する1つの試料の値を表す。
【表18】
【0329】
全てのカプセルは、pH1.2で120分後にその含有量の10%未満、及びpH6.8で45分後にその含有量の80%超の所望の放出を示した。
【0330】
含有量の計算:
【表19】
【0331】
表13及び表14は、組成物の重量%を示し、表9の「%」に示される値は、総重量に基づく重量%であり、表14の「%」に示される値は、乾燥重量に基づく重量%である。「W」は重さを意味する。
【表20】
【表21】
【0332】
実施例4:ゼラチン及びCAPに基づく二重浸漬による遅延放出硬質カプセル
第1のゼラチン層浸漬
第1の浸漬を、実施例2に記載されるように行った。
実施例1に記載されているように、カプセルのLODは、14.76%であると決定した。
【0333】
第2のCAP層浸漬
CAPの完全可溶化を達成するために、攪拌下で、700gのHPMCAS-LGの代わりに750gのCAP、14gのTiOの代わりに15gのTiO、及び70mlの代わりに30重量%のアンモニア水溶液を130ml(1.590molのスクシノイル及び2.061molのNHは、CAPのフタリル残基のモル量に基づいて、1.30モル当量のNHを提供する)を使用しながら、TiOを有するCAPの懸濁液を、実施例1に記載のとおりに調製した。
【0334】
添加したアンモニア溶液の量は、CAP粒子を完全に溶解するのにちょうど十分な量であるように選択された。
【0335】
第2の浸漬を、TiOを有するCAPのこの懸濁液を使用しながら、実施例2に記載されるように行った。
【0336】
表7は、製造されたカプセルの詳細を示す。
【表22】
【0337】
実施例1に記載されているように、第2の溶融物で成形されたフィルムのLODは、13.17%であると決定した。
【0338】
遅延放出性能のカプセル評価
実施例1に記載されるように、産生されたカプセルをガス除去し、遅延放出性能について評価した。
【0339】
結果により、製造された全てのカプセルが良好な遅延放出性能を有することが明らかになる。
【0340】
約11%の最小のCAP層の重量比「W/STD-T-W[%]」であるカプセルであっても、良好な遅延放出性能を示し、それらの11%は、11.5%のキャップの最小重量比及び10.7%の本体の最小重量比の平均である。
【0341】
詳細を表8に示す。表8の「最大」は、最も高い値を有する1つの試料の値を表す。
【表23】
【0342】
全てのカプセルは、pH1.2で120分後にその含有量の10%未満、及びpH6.8で45分後にその含有量の80%超の所望の放出を示した。
【0343】
含有量の計算:
【表24】
【0344】
表15及び表16は、組成物の重量%を示し、表9の「%」に示される値は、総重量に基づく重量%であり、表16の「%」に示される値は、乾燥重量に基づく重量%である。「W」は重さを意味する。
【表25】
【表26】
【0345】
実施例5:二重浸漬された硬質カプセルサイズ0:HPMCの第1の層及びHPMCAS-HGの第2の層
実施例1に記載されるように、第1の層浸漬のためのHPMC溶融物を調製する。HPMC溶融物が、32℃の温度で、硬質カプセル製造パイロット機の浸漬皿に充填される。第1の層の作製は、実施例1のような熱ゲル化プロセスに基づいている。溶融粘度は、それぞれの成形ピンを有するサイズ0の浸漬用バーでサイズ0のSTD目標重量の85%に等しい第1の層の重量、すなわち、51mg/本体及び30.6mg/キャップを達成するように調整される。他のプロセス条件は、実施例1と同様である。
【0346】
実施例3に記載されるように、第2の層浸漬のためのHPMCAS-HG溶融物を調製する。HMPCAS-HG溶融物は、28℃の温度で硬質カプセル製造パイロット機の浸漬用皿に充填される。溶融粘度は、それぞれの成形ピンを有するサイズ0浸漬用バーでサイズ0のSTD目標重量の15%に等しい第2の層の重量、すなわち、9mg/本体及び5.4mg/キャップを達成するように調整される。
【0347】
それぞれ意図された層重量を達成するためにHPMC溶解物及びHPMCAS-HG溶解物の溶解粘度を特定した後、第1の層について浸漬を実施する。HPMC溶融物から成形ピンを引き抜いた後、成形ピン上に形成された第1の層のHPMCフィルムを、50℃及び40%の相対湿度で45分間乾燥させた、次いで、更なる待機時間なく、これらの成形ピンを第2の層のための第2の浸漬に使用した。HPMCAS-HG溶融物からピンを引き抜いた後、ピン上の第1のフィルム上に形成されたHPMCAS-HGフィルムを、40℃及び20%の相対湿度で約30分間乾燥させた。次いで、本体及びキャップを剥がし、サイズ0の仕様に従って所望の長さに切断する。したがって、二重浸漬されたカプセルが製造される。
【0348】
第1の浸漬のHPMC溶解物の粘度は、溶解物の温度で960cPであり、第2の浸漬のHPMCAS-HG溶解物の粘度は、溶解物の温度で310cPであった。
【0349】
製造されたカプセルの各層の重量は、実施例1に記載されるように決定され、表17に報告される。
【表27】
【0350】
製造されたカプセルを、乾燥工程中に形成された可能性のあるシェル亀裂欠陥について視覚的に1つずつ制御した。製造された全ての本体(N=500)及びキャップ(N=350)に亀裂は見られなかった。
【0351】
カプセルは、溶解試験(Method A、USP)によって評価される。結果を表18に示す。
【表28】
【0352】
全てのカプセルは、pH1.2で120分後にその含有量の10%未満、及びpH6.8で45分後にその含有量の80%超の所望の放出を示した。
【0353】
カプセルの機械的性能を、チューブ試験によって評価した。100gの重さのステンレス鋼シリンダーを、8cmの高さから、事前に接合された空のカプセルに1つずつ落下させた。破断したカプセルのパーセンテージを表19に報告する。評価の前に、カプセルはそれぞれ22℃/45%のRH及び22℃/33%のRHで1週間、n=50で平衡化される。
【表29】
【0354】
全てのカプセルは、チューブ試験に合格し、必要な機械的強度を示している。
【0355】
含有量の計算:
【表30】
【0356】
表20及び表21は、組成物の重量%を示し、表20の「%」に示される値は、総重量に基づく重量%であり、表21の「%」に示される値は、乾燥重量に基づく重量%である。「W」は重さを意味する。
【表31】
【表32】
【0357】
実施例6:HPMCに基づくフィルムの比較
フィルムを調製するための溶融物は、以下のとおりであった:
(a)HPMC:溶解物は、実施例5に記載され、調製された第1の層浸漬用のHPMC溶解物であった。
【0358】
(b1)及び(b2)二重層
第1の層HPMC:溶解物は、実施例5に記載され、調製された第1の層浸漬用のHPMC溶解物であった。
【0359】
第2の層AS-HG:溶融物を、室温で、20kgのHPMCAS-HG粉末を180kgの水に分散させることによって調製した。合計で、800gのアンモニア30%溶液を添加して、全てのHPMCAS-HG粒子を溶解させた。追加の3kgの水に分散された408gのTiO2を添加して、溶融物を不透明にした。
【0360】
溶融物に閉じ込められた空気を除去するために、一晩に最大200mbarの真空を適用した。
【0361】
組成物:
【表33】
【0362】
(c)85%のHPMC及び15%のAS-HGの混合物:
5000gの85%HPMC及び15%AS-HGの混合物は、乾燥HPMCの最終重量含有量が85重量%であり、乾燥HPMCAS-HGの最終重量含有量が15重量%であるように、3725gのHPMC溶解物(実施例5で説明され、調製された第1の層浸漬に使用されるもの)と1275gのHPMCAS-HG溶解物(実施例6で二重層フィルム(b1)及び(b2)の第2の層に使用されるもの)を、28℃で穏やかなアンカー攪拌下で混合することによって調製された。HPMC及びHPMCAS-HGグレードは、実施例5で調製したHPMC及びHPMCAS-HG溶融物に使用したものとそれぞれ同じであった。
【0363】
含有量の計算:
HPMC溶解物については、19重量%のポリマー固体含有量を考慮し、HPMCAS-HG溶解物については、9.8重量%のポリマー固体含有量を考慮する。混合するHPMC溶解物及びHPMCAS-HG溶解物の正確な量の計算:
(19重量%*W1)/(9.8重量%*W2)=85重量%/15重量%
及び
W1+W2=5000g
W1及びW2は、それぞれ、混合されるHPMC溶融物の重量、及び混合されるHPMCAS-HG溶融物の重量を意味する。
【0364】
上記の方程式を解くと、以下が得られる:W1=3725g及びW2=1275g。
【0365】
いくつかのフィルムをフィルムアプリケータで成形することによって調製し、フィルムの厚さを表22に示す。
【表34】
【0366】
(d)AS-HGフィルムをフィルムアプリケータで成形することができなかった:フィルムは剥がすことが不可能であり、フィルムは不均一であり、フィルムアプリケータで得ることができた最大の層厚は、約30マイクロメートルであった。代わりに、ペトリ皿にAS-HG溶融物を注入することによってAS-HGフィルムを調製した。
【0367】
AS-HG溶融物は、実施例5で調製された二重層フィルム(b1)及び(b2)の第2層のHPMCAS-HG溶融物であった。
【0368】
平均フィルム厚は、90~100マイクロメートルであった。
【0369】
穿刺試験では、破断時の力が決定され、この目的のために、フィルムを22℃、50%RHで一晩平衡化した。表23は、結果を示す。
【表35】
【0370】
図1は、表23のデータのグラフ表示を示す。AS-HGのみ及びHPMCのみの2つの極端を接続している図1の破線は、線形挙動の場合の破断時の力の期待値を示す。二重層は、予期しない非線形の挙動を示す。
【0371】
引張試験で、破断時の変形を決定し、表24は結果を示す。
【表36】
【0372】
図2は、表24のデータのグラフ表示を示す。AS-HGのみ及びHPMCのみの2つの極端を接続している図2の破線は、線形挙動の場合の破断時の変形の期待値を示す。二重層は、予期しない非線形の挙動を示す。
【0373】
穿刺試験及び引張試験の試験結果は、類似の厚さを有するが、1つのポリマーのみを有するフィルムと比較して、及び類似の厚さ及び2つのポリマーを有するフィルムと比較して、二重層化されたフィルムの予想外の非線形改善を示すが、2つのポリマーは、個々の層で分離されず、1つの層内の混合物として存在する。
【0374】
実施例7:ゼラチンに基づくフィルムの比較
フィルムを調製するための溶融物は、以下のとおりであった:
(e)ゼラチン:溶解物は、実施例3Bに記載され、調製された第1の層浸漬用のゼラチン溶解物であった。
【0375】
(f)二重層
第1の層:ゼラチン:溶解物は、実施例3Bに記載され、調製された第1の層浸漬用のゼラチン溶解物であった。
【0376】
第2の層:AS-HG:溶融物は、実施例6で調製された二重層フィルム(b1)及び(b2)の第2層のHPMCAS-HG溶融物であった。
【0377】
フィルムアプリケータで成形することによっていくつかのフィルムを調製し、表25はフィルムの厚さを示す。
【表37】
【0378】
85重量%のゼラチン及び15重量%のAS-HGの混合物を含有するフィルムを調製することは不可能であり、溶融物は、28℃又は55℃の温度に応じて、相分離、凝集、更には固体の塊を示す。
【0379】
(g)AS-HGフィルムをフィルムアプリケータで成形することができなかった:フィルムは剥がすことが不可能であり、ドア開口部の増加は不均質なフィルムをもたらし、フィルムアプリケータで得ることができた最大の層厚は、約30マイクロメートルであった。代わりに、ペトリ皿にAS-HG溶融物を注入することによってAS-HGフィルムを調製した。AS-HG溶融物は、実施例6に記載の二重層フィルム(b1)及び(b2)の第2層用に調製されたHPMCAS-HG溶融物であった。
【0380】
平均フィルム厚は、90~100マイクロメートルであった。
【0381】
引張試験で、破断時の変形を決定し、表26は結果を示す。
【表38】
【0382】
図3及び図4は、表26のデータのグラフ表示を示す。AS-HGのみ及びゼラチンのみの2つの極端を接続している図3及び図4の破線は、線形挙動の場合の弾性係数及び破断時の応力の期待値を示す。二重層は、予期しない非線形の挙動を示す。
【0383】
引張試験の試験結果は、類似の厚さを有するが、2つのポリマーのうちの1つのみを有するフィルムと比較して、二重層フィルムの予想外の非線形改善を示す。
【0384】
実施例8:染料浸透試験
ミクロトーム切断を、以下の2つのフィルムから調製した。
●実施例6に従って調製された二重層フィルムHPMC-HPMCAS。
●実施例7に従って調製された二重層フィルムゼラチン-HPMCAS。
【0385】
両方の場合において、第2の層の溶融物を、HPMCASの重量に基づいて0.5重量%の顔料青色2(CAS 1325-94-6)で染色した。
【0386】
顕微鏡を用いて、標準光の下で、これらのミクロトーム切断の画像を撮影した。
【0387】
図5は、二重層フィルムゼラチン-HPMCASのミクロトーム切断の画像を示す。
【0388】
図6は、二重層フィルムHPMC-HPMCASのミクロトーム切断の画像を示す。
【0389】
黒及び白のバージョンでは、第2の外層から第1の内層への青色染料の浸透を見ることができるが、これらの画像のカラーバージョンでより明確に見ることができる。
【0390】
MELT1及びMELT2の2つの水性ベースの溶解物の組み合わせは、第2、すなわち外層から、第1、すなわち内層への染料のこの浸透を提供し、これは、かかる二重浸漬されたカプセルを、腸溶性ポリマーでコーティングされた、コーティングされたカプセルと区別すると想定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLであって、
CAPSSHELLが、二重浸漬プロセスによって調製され、
CAPSSHELLの壁が、壁形成ポリマーの2つの層、すなわち1つの内層及び前記内層上の1つの外層を含み、
前記内層の前記壁形成ポリマーが、HPMCである水溶性フィルム形成ポリマーWATSOLPOLを含み、
前記外層の前記壁形成ポリマーが、HPMCASである遅延放出ポリマーENTPOLを含む、ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項2】
前記HPMCが、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロピル基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロピル基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロピル基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロピル基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、並びに
それらの混合物の群から選択される、請求項1に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項3】
前記HPMCが、HPMC2906である、請求項2に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項4】
CAPSSHELL中のENTPOLの量が、少なくとも5重量%であり得、前記重量%が、乾燥カプセル重量に基づく、請求項1~3のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項5】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量が、少なくとも50重量%であり、前記重量%が、乾燥カプセル重量に基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項6】
CAPSSHELL中のWATSOLPOLの量が、67.5~90.5重量%であり、
CAPSSHELL中のENTPOLの量が、9.5~32.5重量%であり、
前記重量%が、乾燥カプセル重量に基づく、請求項1~5のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項7】
CAPSSHELLの前記内層若しくは前記外層、又は両方の層が、ゲル化システムGELSYSを更に含み得、
GELSYSが、1つ以上のゲル化剤GELAGE、又は1つ以上のGELAGEと1つ以上のゲル化助剤GELAIDとの混合物であり、
GELAGEが、寒天ガム、グアーガム、ローカストビーンガム(キャロブ)、カラギーナン、ペクチン、キサンタン、ゲランガム、コンニャクマンナン、ゼラチン、及びそれらの混合物などのヒドロコロイドの群から選択され、
GELAIDが、カチオンであり、前記カチオンが、K、Na、Li、NH 、Ca2+、Mg2+又はそれらの混合物であり得る、請求項1~6のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項8】
前記内層が、いずれのGELSYSも含まず、
GELSYSが、請求項7で定義されるとおりである、請求項1~7のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項9】
CAPSSHELLが、1つ以上の更なる物質FURTHERSUBSTを含み、FURTHERSUBSTが、可塑剤、pH調節剤、甘味料、酸味料、防腐剤、香味料、結合剤、増粘剤、着色剤、及びそれらの混合物の群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項10】
前記着色剤が、染料又は顔料である、請求項9に記載のツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項11】
浸漬成形プロセスDOUBLEDIPによるCAPSSHELLの調製のための方法であって、
DOUBLEDIPにおいて、第1の浸漬成形DIP1及び第2の浸漬成形DIP2が連続して行われ、
DIP1において、成形ピンを第1の混合物MELT1に浸漬し、前記MELT1からそれを引き抜くことによって、HPMCであるWATSOLPOLの第1のポリマーフィルムが、前記成形ピン上に形成され、
MELT1が、WATSOLPOL及び水を含み、
DIP2において、DIP1からの前記第1のポリマーフィルムを有する前記成形ピンを第2の混合物MELT2に浸漬し、前記MELT1からそれを引き抜くことによって、HPMCASであるENTPOLの第2のポリマーフィルムが、前記成形ピン上の前記第1のポリマーフィルム上に形成され、
MELT2が、ENTPOL及び水を含み、
CAPSSHELL、WATSOLPOL及びENTPOLが、請求項1~10のいずれか一項で定義されるとおりである、方法。
【請求項12】
MELT2が、塩基BAS2を更に含み、BAS2が、アンモニアである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
MELT2が、少なくともENTPOLがMELT2中に溶解するような量でBAS2を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
DIP1が、
(1-1)CAPSSHELLの半分のうちの1つについての前記成形ピンをMELT1に浸漬するステップ、
(1-2)前記成形ピンをMELT1から引き抜くステップ、
(1-3)前記第1のポリマーフィルムを乾燥によって前記成形ピン上に形成するステップを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
DIP2が、
(2-1)DIP1からの前記第1のポリマーフィルムを有する前記成形ピンをMELT2に浸漬するステップ、
(2-2)前記成形ピンをMELT2から引き抜くステップ、
(2-3)前記第2のポリマーフィルムを乾燥によって前記成形ピン上の前記第1のポリマーフィルム上に形成するステップを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
時間DRYTIME1-2は、DIP1における前記MELT1からの前記成形ピンの前記引き抜きと、前記成形ピンのMELT2への前記浸漬との間の時間であり、
DRYTIME1-2が、5時間を超えない、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
DOUBLEDIPによって得ることができるツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLであって、
CAPSSHELLが、請求項1~10のいずれか一項で定義されるとおりであり、
DOUBLEDIPが、請求項11~15のいずれか一項で定義されるとおりである、ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項18】
製剤FILLFORMで充填されたツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLであって、
FILLFORMが、活性成分ACTINGRを含み、ACTINGRが、活性薬学的成分、薬学的剤形、薬剤、生きたバイオ医薬品、及び栄養製品の群から選択され、
CAPSSHELLが、請求項1~10及び17のいずれか一項で定義されるとおりである、ツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項19】
活性成分ACTINGRを含むFILLFORMで充填するための、請求項1~10及び17のいずれか一項で定義されるツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLの使用であって、
FILFORM及びACTINGRが、請求項18で定義されるとおりである、使用。
【請求項20】
経口摂取のためのFILLFORMで充填された、請求項1~10及び17のいずれか一項で定義されるツーピース硬質カプセルシェルCAPSSHELLの使用であって、FILLFORMが、有効成分ACTINGRを含み、
FILFORM及びACTINGRが、請求項18で定義されるとおりである、使用。
【国際調査報告】