▶ サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイションの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】プリンタアセンブリの低摩擦ローラライナ
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20231214BHJP
C08L 27/12 20060101ALI20231214BHJP
【ＦＩ】
G03G15/20 510
C08L27/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531692
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 US2021072794
(87)【国際公開番号】W WO2022126108
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/124,365
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン－ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッチ、デイヴィッド エー．
(72)【発明者】
【氏名】ディランド、ニコール エム．
【テーマコード（参考）】
2H033
4J002
【Ｆターム（参考）】
2H033BA11
2H033BB12
2H033BB30
4J002BD12W
4J002CF03X
4J002CH09X
4J002CL00X
4J002CM02X
4J002CM04X
4J002CN02X
4J002GM00
4J002GQ00
4J002GS00
(57)【要約】
本開示は、低摩擦層を含み得るプリンタアセンブのための低摩擦ローラライナに関する。低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり得る。第１の熱可塑性フィラー成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり得る。
【選択図】図１
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナであって、前記低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層を備え、前記第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、前記第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、
前記第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量は、前記第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、
前記第１の熱可塑性フィラー成分の含有量は、前記第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、低摩擦ローラライナ。
【請求項2】
プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナであって、前記低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層を備え、前記第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、前記第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、
前記第１の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に有する、低摩擦ローラライナ。
【請求項3】
前記低摩擦ローラライナは、約０．２０以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項4】
前記第１の低摩擦層が、約０．２０以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項5】
少なくとも約３２，０００の摩耗等級を更に含み、前記摩耗等級は、トライボメータ試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、前記トライボメータ試験中の定常状態値に対するＣＯＦの５０％増加として定義される、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項6】
前記第１の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に含む、請求項１に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項7】
前記第１のフルオロポリマーマトリックス成分の前記含有量が、前記第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、前記第１の熱可塑性フィラー成分の前記含有量が、前記第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、請求項２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項8】
前記第１のフルオロポリマーマトリックス成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、パーフルオロアルコキシアルカン材料、変性ＰＴＦＥ材料、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つを含む、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項9】
前記第１の低摩擦層は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項10】
前記第１の低摩擦層は、ポリテトラフルオロエチレン材料からなる、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項11】
前記第１の低摩擦層は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項12】
前記第１の熱可塑性フィラーは、少なくとも約１３０℃のガラス転移温度を有する、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項13】
前記第１の低摩擦層が、少なくとも約１ミクロンかつ約１２５ミクロン以下の厚さを有する、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項14】
前記低摩擦ローラライナは、少なくとも約１ミクロンかつ約５００ミクロン以下の厚さを有する、請求項１又は２に記載の低摩擦ローラライナ。
【請求項15】
プリンタアセンブリであって、プリンタフューザプリンタローラと、低摩擦ローラライナを備えるフリーベルトスリッププリンタローラと、を備え、前記低摩擦ローラライナは、
前記低摩擦ローラライナが、第１の低摩擦層を備え、
前記第１の低摩擦層が、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、前記第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、
前記第１のフルオロポリマーマトリックス成分の前記含有量が、前記第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、
前記第１の熱可塑性フィラー成分の前記含有量が、前記第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、ことを含む、プリンタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低摩擦ローラライナに関し、特に、プリンタアセンブリで使用するための低摩擦ローラライナに関する。本開示は更に、低摩擦ローラライナを含むプリンタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタアセンブリは、一般に、互いに接触し、かつプリンタアセンブリ内の他の構成要素と接触する複数のローラを含む。移動するローラが互いに接触するので、構成要素部品間の摩擦が構成要素の疲労及び摩耗を引き起こす可能性があり、これがプリンタアセンブリ内のローラの平均寿命を短縮する可能性がある。したがって、使用中に移動する構成要素間の摩擦を低減することができる、プリンタアセンブリ内の追加の構成要素、すなわちライナが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
第１の態様によれば、プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナは、低摩擦層を含み得る。低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり得る。第１の熱可塑性フィラー成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり得る。
【0004】
別の態様によれば、プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナは、低摩擦層を含み得る。低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。第１の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを有してもよく、ＴＦＣ－１ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントでの第１の熱可塑性フィラー成分の含有量に等しく、ＦＭＣ－１ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量の重量パーセントでの第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量である。
【0005】
更に別の態様によれば、プリンタアセンブリは、プリンタフューザと、プリンタローラと、低摩擦ローラライナを含むことができるフリーベルトスリッププリンタローラと、を含むことができる。プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナは、低摩擦層を含んでもよい。低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり得る。第１の熱可塑性フィラー成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり得る。
【0006】
更に別の態様によれば、プリンタアセンブリは、プリンタフューザプリンタローラと、低摩擦ローラライナを含むことができるフリーベルトスリッププリンタローラと、を含むことができる。プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナは、低摩擦層を含んでもよい。低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。第１の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを有してもよく、ＴＦＣ－１ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントでの第１の熱可塑性フィラー成分の含有量に等しく、ＦＭＣ－１ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量の重量パーセントでの第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態は、例として示されており、添付の図面に限定されない。
【図1】本明細書に記載の実施形態による、低摩擦ローラライナ構成の図を含む。
【図2】本明細書に記載の実施形態による、低摩擦ローラライナ構成の図を含む。
【図3】本明細書に記載の実施形態による、低摩擦ローラライナ構成の図を含む。
【図4】本明細書に記載の実施形態による、低摩擦ローラライナを含むプリンタアセンブリの図を含む。 当業者は、図中の要素が簡略化及び明瞭化を目的として例解されており、必ずしも縮尺どおりに描画されていないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の考察は、教示の特定の実施態様及び実施形態に焦点を当てている。詳細な説明は、特定の実施形態を説明するのを助けるために提供されており、本開示又は教示の範囲又は適用性に関する限定として解釈されるべきではない。本明細書で提供される本開示及び教示に基づいて、他の実施形態を使用することができることが理解されるであろう。
【0009】
「備える（comprises）」、「備える（comprising）」、「含む（includes）」、「含む（including）」、「有する（has）」、「有する（having）」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含む方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるものではないが、明示的に列挙されていない他の特徴、又はそのような方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は」は、包含的なｏｒを指し、排他的なｏｒを指すのではない。例えば、条件Ａ又はＢは、以下のいずれか１つによって満たされる：Ａが真であり（又は存在し）、Ｂが偽である（又は存在しない）、Ａが偽であり（又は存在せず）、Ｂが真である（又は存在する）、及び、ＡとＢとの両方が真である（又は存在する）。
【0010】
また、「（a）」又は「（an）」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、そうでないことを意味することが明らかでない限り、１つ、少なくとも１つ、又は単数形が複数形も含むものとして、又はその逆として理解されるべきである。例えば、単一の物品が本明細書に記載されている場合、単一の物品の代わりに２つ以上の物品を使用することができる。同様に、２つ以上の物品が本明細書に記載されている場合、その２つ以上の物品を単一の物品に置き換えることができる。
【0011】
本明細書に記載される実施形態は、概して、プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナを対象とする。特定の実施形態によれば、低摩擦ローラライナは、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る第１の低摩擦層を含み得る。
【0012】
例証の目的のために、図１は、本明細書に記載の実施形態による、低摩擦層１００の図を含む。図１に示すように、低摩擦ローラライナ１００は、第１の低摩擦層１１０を含むことができる。図１に更に示すように、第１の低摩擦層１１０は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分１１４と、を含むことができる。
【0013】
特定の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、特定の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを有してもよく、ＴＦＣ－１ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントでの第１の熱可塑性フィラー成分の含有量に等しく、ＦＭＣ－１ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量の重量パーセントでの第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量である。例えば、第１の低摩擦層１１０は、少なくとも約０．０１、例えば、少なくとも約０．０５、又は少なくとも約０．１、又は少なくとも約０．１５、又は少なくとも約０．２、又は更には少なくとも約０．２５、の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを有してもよい。更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、約１００以下、例えば、約９０以下、又は約８０以下、又は約７０以下、又は約６０以下、又は約５０以下、又は約２５以下、又は約１以下、又は約０．９以下、又は約０．８以下、又は約０．７以下、又は約０．４以下、又は約０．３５以下、又は更には約０．３以下、の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを有してもよい。第１の低摩擦層１１０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを有し得ることが理解されよう。第１の低摩擦層１１０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを有し得ることが更に理解されよう。
【0014】
更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、特定の含有量の第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２を有し得る。例えば、第１の低摩擦層１１０は、第１の低摩擦層１１２の総重量に対して少なくとも約１．０重量％、例えば、少なくとも約５重量％、又は少なくとも約１０重量％、又は少なくとも約１５重量％、又は少なくとも約２０重量％、又は少なくとも約２５重量％、又は少なくとも約３０重量％、又は少なくとも約３５重量％、又は少なくとも約４０重量％、又は少なくとも約４５重量％、又は少なくとも約５０重量％、又は少なくとも約５５重量％、又は少なくとも約６０重量％、又は少なくとも約６５重量％、又は少なくとも約７０重量％、又は少なくとも約７２重量％、又は少なくとも約７４重量％、又は少なくとも約７６重量％、又は少なくとも約７８重量％、又は少なくとも約８０重量％、又は少なくとも約８２重量％、又は少なくとも約８４重量％、又は更には少なくとも約８６重量％、の第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２の含有量を有してもよい。更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、低摩擦層１１２の総重量に対して約１００重量％以下、例えば、約９８重量％以下、又は約９６重量％以下、又は約９４重量％以下、又は約９２重量％以下、又は約９０重量％以下、又は更には約８８重量％以下、の第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２の含有量を含み得る。第１の低摩擦層１１０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内の第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２の含有量を有し得ることが理解されよう。第１の低摩擦層１１０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値の第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２の含有量を有し得ることが更に理解されよう。
【0015】
更に他の実施形態によれば、第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２は、特定の材料を含み得る。例えば、第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２は、フッ素化エチレンプロピレン材料、パーフルオロアルコキシアルカン材料、変性ＰＴＦＥ材料、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つを含んでもよい。特定の実施形態によれば、第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなってもよい。更に他の実施形態によれば、第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２は、パーフルオロアルコキシアルカン材料からなってもよい。更に他の実施形態によれば、第１のフルオロポリマーマトリックス成分１１２は、変性ＰＴＦＥ材料からなってもよい。
【0016】
更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、特定の含有量の第１の熱可塑性フィラー成分１１４を有し得る。例えば、第１の低摩擦層１１０は、第１の低摩擦層１１２の総重量に対して、少なくとも約１．０重量％、例えば、少なくとも約５重量％、又は少なくとも約１０重量％、又は少なくとも約１５重量％、又は少なくとも約２０重量％、又は少なくとも約２５重量％、又は少なくとも約３０重量％、又は少なくとも約３５重量％、又は少なくとも約４０重量％、又は少なくとも約４５重量％、又は少なくとも約５０重量％、又は少なくとも約５５重量％、又は少なくとも約６０重量％、又は少なくとも約６５重量％、又は少なくとも約７０重量％、又は少なくとも約７２重量％、又は少なくとも約７４重量％、又は少なくとも約７６重量％、又は少なくとも約７８重量％、又は少なくとも約８０重量％、又は少なくとも約８２重量％、又は少なくとも約８４重量％、又は更には少なくとも約８６重量％、の第１の熱可塑性フィラー成分１１４の含有量を有してもよい。更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、低摩擦層１１２の総重量に対して約１００重量％以下、例えば、約９８重量％以下、又は約９６重量％以下、又は約９４重量％以下、又は約９２重量％以下、又は約９０重量％以下、又は更には約８８重量％以下、の第１の熱可塑性フィラー成分１１４の含有量を含み得る。第１の低摩擦層１１０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内の第１の熱可塑性フィラー成分１１４の含有量を有し得ることが理解されよう。第１の低摩擦層１１０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値の第１の熱可塑性フィラー成分１１４の含有量を有し得ることが更に理解されよう。
【0017】
特定の実施形態によれば、第１の熱可塑性フィラー成分１１４は、特定のガラス転移温度を有する材料を含むことができる。例えば、第１の熱可塑性フィラー成分１１４のガラス転移温度は、少なくとも約１３０℃、例えば、少なくとも約１３５℃、又は少なくとも約１４０℃、又は少なくとも約１４５℃、又は少なくとも約１５０℃、又は少なくとも約１５５℃、又は更には少なくとも約１６０℃であってもよい。第１の熱可塑性フィラー成分１１４のガラス転移温度は、上記の値のうちのいずれかの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第１の熱可塑性フィラー成分１１４のガラス転移温度は、上記の値のうちのいずれかの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0018】
特定の実施形態によれば、第１の熱可塑性フィラー成分１１４は、特定の溶融温度を有する材料を含むことができる。例えば、第１の熱可塑性フィラー成分１１４の溶融温度は、少なくとも約２４０℃、例えば、少なくとも約２４５℃、又は少なくとも約２５０℃、又は少なくとも約２５５℃、又は少なくとも約２６０℃、又は少なくとも約２６５℃、又は少なくとも約２７０℃、又は少なくとも約２７５℃、又は少なくとも約２８０℃、又は少なくとも約２８５℃、又は少なくとも約２９０℃、又は少なくとも約２９５℃、又は少なくとも約３００℃であってもよい。第１の熱可塑性フィラー成分１１４の溶融温度は、上記の値のうちのいずれかの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第１の熱可塑性フィラー成分１１４の溶融温度は、上記の値のうちのいずれかの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0019】
更に他の実施形態によれば、第１の熱可塑性フィラー成分１１４は、特定の材料を含むことができる。例えば、第１の熱可塑性フィラー成分１１４は、ポリイミド（polyimide、ＰＩ）、ポリアミド（polyamide、ＰＡ）、ポリアミドイミド（polyamideimide、ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（polybenzimidazole、ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（polyether ether ketone、ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（polyphenylene sulfide、ＰＰＳ）、合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。更に他の実施形態によれば、第１の熱可塑性フィラー成分１１４は、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、又は合成繊維からなってもよい。
【0020】
更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、特定の厚さを有し得る。例えば、第１の低摩擦層１１０は、少なくとも約１μｍ、例えば、少なくとも約５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約６０μｍ、又は少なくとも約６５μｍ、又は更には少なくとも約６９μｍ、の厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、約１２５μｍ以下、例えば、約１２０μｍ以下、又は約１１５μｍ以下、又は約１１０μｍ以下、又は約１０５μｍ以下、又は約１００μｍ以下、又は約９５μｍ以下、又は約９０μｍ以下、又は約８５μｍ以下、又は約８０μｍ以下、又は約７５μｍ以下、又は更には約７１μｍ以下、の厚さを有することができる。第１の低摩擦層１１０の厚さは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第１の低摩擦層１１０は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0021】
更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、特定の潤滑表面摩擦係数を有し得る。本明細書に記載される実施形態の目的のために、特定の層の潤滑表面摩擦係数は、１５～１４０℃の温度で１００～１００，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑された１／４インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触させて、１００～３００ｍｍ／秒で８～９ニュートンの垂直力下で測定され得ることが理解されよう。特定の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、約０．２０以下、例えば、約０．１０以下、又は約０．０５以下、又は約０．０２以下、の潤滑表面摩擦係数を有することができる。更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、少なくとも約０．００５の潤滑表面摩擦係数を有することができる。第１の低摩擦層１１０の潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第１の低摩擦層１１０の潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0022】
更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、特定の非潤滑表面摩擦係数を有し得る。本明細書に記載される実施形態の目的のために、特定の層の非潤滑表面摩擦係数は、１５～１４０℃の温度で１／４インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触させて１００～３００ｍｍ／秒で８～９ニュートンの垂直力下で測定され得ることが理解されよう。特定の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、約０．２０以下、例えば、約０．１０以下、又は約０．０５以下、又は約０．０２以下、の非潤滑表面摩擦係数を有することができる。更に他の実施形態によれば、第１の低摩擦層１１０は、少なくとも約０．００５の非潤滑表面摩擦係数を有することができる。第１の低摩擦層１１０の非潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第１の低摩擦層１１０の非潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0023】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ１００は、特定の厚さを有し得る。例えば、低摩擦ローラライナ１００は、少なくとも約１μｍ、例えば、少なくとも約５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約６０μｍ、又は少なくとも約６５μｍ、又は更には少なくとも約６９μｍ、の厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ１００は、約５００μｍ以下、例えば、約４８０μｍ以下、又は約４６０μｍ以下、又は約４４０μｍ以下、又は約４２０μｍ以下、又は約４００μｍ以下、又は約３８０μｍ以下、又は約３６０μｍ以下、又は約３４０μｍ以下、又は約３２０μｍ以下、又は約３００μｍ以下、又は更には約２８０μｍ以下、の厚さを有することができる。低摩擦ローラライナ１００の厚さは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ１００の厚さは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0024】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ１００は、特定の摩耗等級を有し得る。本明細書に記載される実施形態の目的のために、摩耗等級は、１４０℃の動作温度で６，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑された１／４インチのポリイミド摩耗球と接触させて、２６０ｍｍ／秒で９ニュートンの垂直力下で測定された、トライボメータ試験を使用して試験され得ることが理解されるであろう。摩耗等級は、トライボメータ試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、トライボメータ試験中の定常状態値に対するＣＯＦの５０％増加として定義される。特定の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ１００は、少なくとも約３５，０００、例えば、少なくとも約４０，０００、又は少なくとも約４５，０００、又は少なくとも約５０，０００、又は少なくとも約７５，０００、又は少なくとも約１００，０００、又は少なくとも約１２５，０００、又は少なくとも約１５０，０００、又は少なくとも約１７５，０００、又は少なくとも約２００，０００、又は少なくとも約２２５，０００、又は更には少なくとも約２５０，０００、の摩耗等級を有し得る。低摩擦ローラライナ１００の摩耗等級は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ１００の摩耗等級は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0025】
追加の実施形態を参照すると、低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層と、第１の低摩擦ローラライナの下にある基材と、を含んでもよい。特定の実施形態によれば、第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。
【0026】
例証の目的のために、図２は、本明細書に記載の実施形態による、低摩擦ローラライナ２００の図を含む。図１に示すように、低摩擦ローラライナ２００は、第１の低摩擦層２１０と、第１の低摩擦層２１０の下にある基材２２０と、を含むことができる。図２に更に示すように、第１の低摩擦層２１０は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分２１２と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分２１２全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分２１４と、を含むことができる。
【0027】
低摩擦ローラライナ１００及び／又は第１の低摩擦層１１０に関して本明細書で提供される全ての説明は、低摩擦ローラライナ２００の対応する態様に更に適用され得ることが理解されよう。
【0028】
更に他の実施形態によれば、基材２２０は、特定の材料を含み得る。例えば、基材２２０はポリイミド材料を含むことができる。更に他の実施形態によれば、基材２２０はポリイミド材料からなってもよい。更に他の実施形態によれば、基材２２０は布を含んでもよい。他の実施形態によれば、基材２２０は布からなってもよい。更に他の実施形態によれば、基材２２０は、ガラス繊維織布を含んでもよい。更に他の実施形態によれば、基材２２０は、ガラス繊維織布からなってもよい。
【0029】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、特定の第１の厚さ比ＬＦＬ－１Ｔ／ＳＴを有することができ、ＬＦＬ－１Ｔは第１の低摩擦層２１０の厚さに等しく、ＳＴは基材２２０の厚さに等しい。例えば、低摩擦ローラライナ２００は、少なくとも約０．０２、例えば、少なくとも約０．０３、又は少なくとも約０．０４、又は少なくとも約０．０５、又は少なくとも約０．０６、又は少なくとも約０．０７、又は少なくとも約０．０８、又は少なくとも約０．０９、の第１の厚さ比ＬＦＬ－１Ｔ／ＳＴを有してもよい。更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、約０．４以下、例えば、約０．３以下、又は約０．２以下、又は約０．１９以下、又は約０．１８以下、又は約０．１７以下、又は約０．１６以下、又は約０．１５以下、又は約０．１４以下、又は約０．１３以下、又は約０．１２以下、又は約０．１１以下、の第１の厚さ比ＬＦＬ－１Ｔ／ＳＴを有してもよい。低摩擦ローラライナ２００の第１の厚さ比ＬＦＬ－１Ｔ／ＳＴは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ２００の第１の厚さ比ＬＦＬ－１Ｔ／ＳＴは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0030】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、特定の厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、特定の厚さを有し得る。例えば、低摩擦ローラライナ２００は、少なくとも約１μｍ、例えば、少なくとも約５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約６０μｍ、又は少なくとも約６５μｍ、又は更には少なくとも約６９μｍ、の厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、約５００μｍ以下、例えば、約４８０μｍ以下、又は約４６０μｍ以下、又は約４４０μｍ以下、又は約４２０μｍ以下、又は約４００μｍ以下、又は約３８０μｍ以下、又は約３６０μｍ以下、又は約３４０μｍ以下、又は約３２０μｍ以下、又は約３００μｍ以下、又は更には約２８０μｍ以下、の厚さを有することができる。低摩擦ローラライナ２００の厚さは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ２００は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0031】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、特定の摩耗等級を有し得る。本明細書に記載される実施形態の目的のために、摩耗等級は、１４０℃の動作温度で６，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑された１／４インチのポリイミド摩耗球と接触させて、２６０ｍｍ／秒で９ニュートンの垂直力下で測定された、トライボメータ試験を使用して試験され得ることが理解されるであろう。摩耗等級は、トライボメータ試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、トライボメータ試験中の定常状態値に対するＣＯＦの５０％増加として定義される。特定の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、少なくとも約３５，０００、例えば、少なくとも約４０，０００、又は少なくとも約４５，０００、又は少なくとも約５０，０００、又は少なくとも約７５，０００、又は少なくとも約１００，０００、又は少なくとも約１２５，０００、又は少なくとも約１５０，０００、又は少なくとも約１７５，０００、又は少なくとも約２００，０００、又は少なくとも約２２５，０００、又は更には少なくとも約２５０，０００、の摩耗等級を有し得る。低摩擦ローラライナ２００の摩耗等級は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ２００の摩耗等級は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0032】
更に他の実施形態を参照すると、低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層と、第１の低摩擦ローラライナの下にある基材と、基材の下にある第２の低摩擦層と、を含んでもよい。特定の実施形態によれば、第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層は、第２のフルオロポリマーマトリックス成分と、第２のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第２の熱可塑性フィラー成分と、を含み得る。
【0033】
例証の目的のために、図３は、本明細書に記載の実施形態による、低摩擦層３００の図を含む。図３に示すように、低摩擦ローラライナ３００は、第１の低摩擦層３１０と、第１の低摩擦層３１０の下にある基材３２０と、第２の低摩擦層３３０と、を含むことができる。図３に更に示すように、第１の低摩擦層３１０は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分３１２と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分３１２全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分３１４と、を含むことができる。図３にまた示すように、第２の低摩擦層３３０は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分３３２と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分３３２全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分３３４と、を含むことができる。
【0034】
低摩擦ローラライナ１００（２００）、第１の低摩擦層１１０（２１０）、及び基材２２０に関して本明細書で提供される全ての説明は、低摩擦ローラライナ３００の対応する態様に更に適用され得ることが理解されよう。
【0035】
特定の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、特定の含有量比ＴＦＣ－２ＷＣ／ＦＭＣ－２ＷＣを有してもよく、ＴＦＣ－２ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントでの第２の熱可塑性フィラー成分の含有量に等しく、ＦＭＣ－２ＷＣは、第１の低摩擦層の総重量の重量パーセントでの第２のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量である。例えば、第２の低摩擦層３３０は、少なくとも約０．０１、例えば、少なくとも約０．０５、又は少なくとも約０．１、又は少なくとも約０．１５、又は少なくとも約０．２、又は更には少なくとも約０．２５、の含有量比ＴＦＣ－２ＷＣ／ＦＭＣ－２ＷＣを有してもよい。更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、約１００以下、例えば、約９０以下、又は約８０以下、又は約７０以下、又は約６０以下、又は約５０以下、又は約２５以下、又は約１以下、又は約０．９以下、又は約０．８以下、又は約０．７以下、又は約０．４以下、又は約０．３５以下、又は更には約０．３以下、の含有量比ＴＦＣ－２ＷＣ／ＦＭＣ－２ＷＣを有してもよい。第２の低摩擦層３３０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内の含有量比ＴＦＣ－２ＷＣ／ＦＭＣ－２ＷＣを有し得ることが理解されよう。第２の低摩擦層３３０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値の含有量比ＴＦＣ－２ＷＣ／ＦＭＣ－２ＷＣを有し得ることが更に理解されよう。
【0036】
更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、特定の含有量の第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２を有し得る。例えば、第２の低摩擦層３３０は、第１の低摩擦層１１２の総重量に対して、少なくとも約１．０重量％、例えば、少なくとも約５重量％、又は少なくとも約１０重量％、又は少なくとも約１５重量％、又は少なくとも約２０重量％、又は少なくとも約２５重量％、又は少なくとも約３０重量％、又は少なくとも約３５重量％、又は少なくとも約４０重量％、又は少なくとも約４５重量％、又は少なくとも約５０重量％、又は少なくとも約５５重量％、又は少なくとも約６０重量％、又は少なくとも約６５重量％、又は少なくとも約７０重量％、又は少なくとも約７２重量％、又は少なくとも約７４重量％、又は少なくとも約７６重量％、又は少なくとも約７８重量％、又は少なくとも約８０重量％、又は少なくとも約８２重量％、又は少なくとも約８４重量％、又は更には少なくとも約８６重量％、の第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２の含有量を有してもよい。更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、低摩擦層３３２の総重量に対して約１００重量％以下、例えば、約９８重量％以下、又は約９６重量％以下、又は約９４重量％以下、又は約９２重量％以下、又は約９０重量％以下、又は更には約８８重量％以下、の第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２の含有量を含み得る。第２の低摩擦層３３０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内の第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２の含有量を有し得ることが理解されよう。第２の低摩擦層３３０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値の第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２の含有量を有し得ることが更に理解されよう。
【0037】
更に他の実施形態によれば、第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２は、特定の材料を含み得る。例えば、第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２は、フッ素化エチレンプロピレン材料、パーフルオロアルコキシアルカン材料、変性ＰＴＦＥ材料、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つを含んでもよい。特定の実施形態によれば、第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなってもよい。更に他の実施形態によれば、第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２は、パーフルオロアルコキシアルカン材料からなってもよい。更に他の実施形態によれば、第２のフルオロポリマーマトリックス成分３３２は、変性ＰＴＦＥ材料からなってもよい。
【0038】
更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、特定の含有量の第２の熱可塑性フィラー成分３３４を有し得る。例えば、第２の低摩擦層３３０は、第１の低摩擦層１１２の総重量に対して、少なくとも約１．０重量％、例えば、少なくとも約５重量％、又は少なくとも約１０重量％、又は少なくとも約１５重量％、又は少なくとも約２０重量％、又は少なくとも約２５重量％、又は少なくとも約３０重量％、又は少なくとも約３５重量％、又は少なくとも約４０重量％、又は少なくとも約４５重量％、又は少なくとも約５０重量％、又は少なくとも約５５重量％、又は少なくとも約６０重量％、又は少なくとも約６５重量％、又は少なくとも約７０重量％、又は少なくとも約７２重量％、又は少なくとも約７４重量％、又は少なくとも約７６重量％、又は少なくとも約７８重量％、又は少なくとも約８０重量％、又は少なくとも約８２重量％、又は少なくとも約８４重量％、又は更には少なくとも約８６重量％、の第２の熱可塑性フィラー成分３３４の含有量を有してもよい。更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、低摩擦層１１２の総重量に対して約１００重量％以下、例えば、約９８重量％以下、又は約９６重量％以下、又は約９４重量％以下、又は約９２重量％以下、又は約９０重量％以下、又は更には約８８重量％以下、の第２の熱可塑性フィラー成分３３４の含有量を含み得る。第２の低摩擦層３３０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内の第２の熱可塑性フィラー成分３３４の含有量を有し得ることが理解されよう。第２の低摩擦層３３０は、上述の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値の第２の熱可塑性フィラー成分３３４の含有量を有し得ることが更に理解されよう。
【0039】
特定の実施形態によれば、第２の熱可塑性フィラー成分３３４は、特定のガラス転移温度を有する材料を含むことができる。例えば、第２の熱可塑性フィラー成分３３４のガラス転移温度は、少なくとも約１３０℃、例えば、少なくとも約１３５℃、又は少なくとも約１４０℃、又は少なくとも約１４５℃、又は少なくとも約１５０℃、又は少なくとも約１５５℃、又は更には少なくとも約１６０℃であってもよい。第２の熱可塑性フィラー成分３３４のガラス転移温度は、上記の値のうちのいずれかの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第２の熱可塑性フィラー成分３３４のガラス転移温度は、上記の値のうちのいずれかの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0040】
特定の実施形態によれば、第２の熱可塑性フィラー成分３３４は、特定の溶融温度を有する材料を含むことができる。例えば、第２の熱可塑性フィラー成分３３４の溶融温度は、少なくとも約２４０℃、例えば、少なくとも約２４５℃、又は少なくとも約２５０℃、又は少なくとも約２５５℃、又は少なくとも約２６０℃、又は少なくとも約２６５℃、又は少なくとも約２７０℃、又は少なくとも約２７５℃、又は少なくとも約２８０℃、又は少なくとも約２８５℃、又は少なくとも約２９０℃、又は少なくとも約２９５℃、又は少なくとも約３００℃であってもよい。第２の熱可塑性フィラー成分３３４の溶融温度は、上記の値のうちのいずれかの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第２の熱可塑性フィラー成分３３４の溶融温度は、上記の値のうちのいずれかの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0041】
更に他の実施形態によれば、第２の熱可塑性フィラー成分３３４は、特定の材料を含むことができる。例えば、第２の熱可塑性フィラー成分３３４は、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。更に他の実施形態によれば、第２の熱可塑性フィラー成分３３４は、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、又は合成繊維からなってもよい。
【0042】
更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、特定の厚さを有し得る。例えば、第２の低摩擦層３３０は、少なくとも約１μｍ、例えば、少なくとも約５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約６０μｍ、又は少なくとも約６５μｍ、又は更には少なくとも約６９μｍ、の厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、約１２５μｍ以下、例えば、約１２０μｍ以下、又は約１１５μｍ以下、又は約１１０μｍ以下、又は約１０５μｍ以下、又は約１００μｍ以下、又は約９５μｍ以下、又は約９０μｍ以下、又は約８５μｍ以下、又は約８０μｍ以下、又は約７５μｍ以下、又は更には約７１μｍ以下、の厚さを有することができる。第２の低摩擦層３３０の厚さは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第２の低摩擦層３３０は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0043】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、特定の第２の厚さ比ＬＦＬ－２Ｔ／ＳＴを有することができ、ＬＦＬ－２Ｔは第２の低摩擦層３３０の厚さに等しく、ＳＴは基材３２０の厚さに等しい。例えば、低摩擦ローラライナ２００は、少なくとも約０．０２、例えば、少なくとも約０．０３、又は少なくとも約０．０４、又は少なくとも約０．０５、又は少なくとも約０．０６、又は少なくとも約０．０７、又は少なくとも約０．０８、又は少なくとも約０．０９、の第２の厚さ比ＬＦＬ－２Ｔ／ＳＴを有してもよい。更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ２００は、約０．４以下、例えば、約０．３以下、又は約０．２以下、又は約０．１９以下、又は約０．１８以下、又は約０．１７以下、又は約０．１６以下、又は約０．１５以下、又は約０．１４以下、又は約０．１３以下、又は約０．１２以下、又は約０．１１以下、の第２の厚さ比ＬＦＬ－２Ｔ／ＳＴを有してもよい。低摩擦ローラライナ３００の第２の厚さ比ＬＦＬ－２Ｔ／ＳＴは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ３００の第２の厚さ比ＬＦＬ－２Ｔ／ＳＴは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0044】
更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、特定の表面潤滑摩擦係数を有し得る。本明細書に記載される実施形態の目的のために、特定の層の潤滑表面摩擦係数は、１５～１４０℃の温度で１００～１００，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑された１／４インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触させて、１００～３００ｍｍ／秒で８～９ニュートンの垂直力下で測定され得ることが理解されよう。特定の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、約０．２０以下、例えば、約０．１０以下、又は約０．０５以下、又は約０．０２以下、の潤滑表面摩擦係数を有することができる。更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、少なくとも約０．００５の潤滑表面摩擦係数を有することができる。第２の低摩擦層３３０の潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第２の低摩擦層３３０の潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0045】
更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、特定の表面非潤滑摩擦係数を有し得る。本明細書に記載される実施形態の目的のために、特定の層の非潤滑表面摩擦係数は、１５～１４０℃の温度で１００～１００，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑されない１／４インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触させて、１００～３００ｍｍ／秒で８～９ニュートンの垂直力下で測定され得ることが理解されよう。特定の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、約０．２０以下、例えば、約０．１０以下、又は約０．０５以下、又は約０．０２以下、の非潤滑表面摩擦係数を有することができる。更に他の実施形態によれば、第２の低摩擦層３３０は、少なくとも約０．００５の非潤滑表面摩擦係数を有することができる。第２の低摩擦層３３０の非潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。第２の低摩擦層３３０の非潤滑表面摩擦係数は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0046】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ３００は、特定の厚さを有し得る。例えば、低摩擦ローラライナ３００は、少なくとも約１μｍ、例えば、少なくとも約５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約１５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約２５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約３５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約４５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５０μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約５５μｍ、又は少なくとも約又は少なくとも約６０μｍ、又は少なくとも約６５μｍ、又は更には少なくとも約６９μｍ、の厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ３００は、約５００μｍ以下、例えば、約４８０μｍ以下、又は約４６０μｍ以下、又は約４４０μｍ以下、又は約４２０μｍ以下、又は約４００μｍ以下、又は約３８０μｍ以下、又は約３６０μｍ以下、又は約３４０μｍ以下、又は約３２０μｍ以下、又は約３００μｍ以下、又は更には約２８０μｍ以下、の厚さを有することができる。低摩擦ローラライナ３００の厚さは、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ３００は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0047】
更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ３００は、特定の摩耗等級を有し得る。本明細書に記載される実施形態の目的のために、摩耗等級は、１４０℃の動作温度で６，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑された１／４インチのポリイミド摩耗球と接触させて、２６０ｍｍ／秒で９ニュートンの垂直力下で測定された、トライボメータ試験を使用して試験され得ることが理解されるであろう。摩耗等級は、トライボメータ試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、トライボメータ試験中の定常状態値に対するＣＯＦの５０％増加として定義される。特定の実施形態によれば、低摩擦ローラライナ３００は、少なくとも約３５，０００、例えば、少なくとも約４０，０００、又は少なくとも約４５，０００、又は少なくとも約５０，０００、又は少なくとも約７５，０００、又は少なくとも約１００，０００、又は少なくとも約１２５，０００、又は少なくとも約１５０，０００、又は少なくとも約１７５，０００、又は少なくとも約２００，０００、又は少なくとも約２２５，０００、又は更には少なくとも約２５０，０００、の摩耗等級を有し得る。低摩擦ローラライナ３００の摩耗等級は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の範囲内であり得ることが理解されよう。低摩擦ローラライナ３００の摩耗等級は、上記の最小値のいずれかと最大値のいずれかとの間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0048】
本明細書に記載される更に他の実施形態によれば、低摩擦ローラライナは、プリンタアセンブリに組み込まれてもよい。
【0049】
例証の目的のために、図４は、本明細書に記載の実施形態による、プリンタアセンブリ４００の図を含む。図４に示すように、プリンタアセンブリ４００は、プリンタフューザローラ４１０と、フリーベルトスリップローラ４２０と、加力手段４２５と、加力手段４２５とプリンタアセンブリ４００のフリーベルトスリップローラ４２０との間に配置された低摩擦ローラライナ４３０と、を含むことができる。
【0050】
更に他の実施形態によれば、図４に示されるようなプリンタアセンブリ４００の低摩擦ローラライナ４３０は、構成要素のうちのいずれかを含んでもよく、図１に示されるような低摩擦ローラライナ１００、図２に示されるような低摩擦ローラライナ２００、及び／又は図３に示されるような低摩擦ローラライナ３００に関して本明細書で説明される特性のうちのいずれかを有するものとして説明されてもよいことが理解されるであろう。
【0051】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかを本明細書に記載する。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様及び実施形態が単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のうちのいずれか１つ以上に従うことができる。
【0052】
実施形態１．プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナであって、低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層を備え、第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、第１の熱可塑性フィラー成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、低摩擦ローラライナ。
【0053】
実施形態２．プリンタアセンブリのための低摩擦ローラライナであって、低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層を備え、第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、第１の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に有する、低摩擦ローラライナ。
【0054】
実施形態３．低摩擦ローラライナは、約０．２０以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0055】
実施形態４．第１の低摩擦層が、約０．２０以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0056】
実施形態５．少なくとも約３２，０００の摩耗等級を更に含み、摩耗等級は、トライボメータ試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、トライボメータ試験中の定常状態値に対するＣＯＦの５０％増加として定義され、又は少なくとも約３５，０００、若しくは少なくとも約４０，０００、若しくは少なくとも約４５，０００、若しくは少なくとも約５０，０００、若しくは少なくとも約７５，０００、若しくは少なくとも約１００，０００、若しくは少なくとも約１２５，０００、若しくは少なくとも約１５０，０００、若しくは少なくとも約１７５，０００、若しくは少なくとも約２００，０００、若しくは少なくとも約２２５，０００、若しくは少なくとも約２５０，０００である、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0057】
実施形態６．第１の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に含む、実施形態１の低摩擦ローラライナ。
【0058】
実施形態７．第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量が、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、第１の熱可塑性フィラー成分の含有量が、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、実施形態２の低摩擦ローラライナ。
【0059】
実施形態８．第１のフルオロポリマーマトリックス成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、パーフルオロアルコキシアルカン材料、変性ＰＴＦＥ材料、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つを含む、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0060】
実施形態９．第１の低摩擦層は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0061】
実施形態１０．第１の低摩擦層は、ポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0062】
実施形態１１．第１の低摩擦層は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0063】
実施形態１２．第１の熱可塑性フィラーは、少なくとも約１３０℃のガラス転移温度を有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0064】
実施形態１３．第１の熱可塑性フィラーは、少なくとも約２４０℃の溶融温度を有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0065】
実施形態１４．第１の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0066】
実施形態１５．第１の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、若しくは合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせからなる、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0067】
実施形態１６．第１の低摩擦層が、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0068】
実施形態１７．第１の低摩擦層が、約１２５ミクロン以下の厚さを有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0069】
実施形態１８．低摩擦ローラライナが、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0070】
実施形態１９．低摩擦ローラライナが、約５００ミクロン以下の厚さを有する、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0071】
実施形態２０．低摩擦ローラライナが、第１の低摩擦層の下にある基材を更に含む、実施形態１又は２の低摩擦ローラライナ。
【0072】
実施形態２１．基材がポリイミド材料を含む、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0073】
実施形態２２．基材がポリイミド材料からなる、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0074】
実施形態２３．基材が布を含む、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0075】
実施形態２４．基材が布からなる、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0076】
実施形態２５．基材がガラス繊維織布を含む、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0077】
実施形態２６．基材がガラス繊維織布からなる、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0078】
実施形態２７．少なくとも約０．０５、少なくとも約０．０６、又は少なくとも約０．０７、又は少なくとも約０．０８、又は少なくとも約０．０９の厚さ比ＬＦＬ－１Ｔ／ＳＴを更に含み、ＬＦＬ－１Ｔは第１の外層の厚さに等しく、ＳＴは基材の厚さに等しい、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0079】
実施形態２８．基材が、少なくとも約２５μｍ又は少なくとも約３０μｍ又は少なくとも約３５μｍ又は少なくとも約４０μｍ又は少なくとも約４５μｍ又は少なくとも約４９μｍの厚さを有する、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0080】
実施形態２９．基材が、約７５μｍ以下、又は約７０μｍ以下、又は約６５μｍ以下、又は約６０μｍ以下、又は約５５μｍ以下、又は約５１μｍ以下の厚さを有する、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0081】
実施形態３０．低摩擦ローラライナが、少なくとも約１μｍの厚さを有する、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0082】
実施形態３１．低摩擦ローラライナが、約５００μｍ以下の厚さを有する、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0083】
実施形態３２．低摩擦ローラライナが、基材の下にある第２の低摩擦層を更に含み、第２の低摩擦層が、第２のフルオロポリマーマトリックス成分と、第２のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第２の熱可塑性フィラー成分と、を含む、実施形態２０の低摩擦ローラライナ。
【0084】
実施形態３３．第２の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に含む、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0085】
実施形態３４．第２のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量が、第２の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、第２の熱可塑性フィラー成分の含有量が、第２の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0086】
実施形態３５．第２のフルオロポリマーマトリックス成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、パーフルオロアルコキシアルカン材料、変性ＰＴＦＥ材料、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つを含む、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0087】
実施形態３６．第２の低摩擦層が、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0088】
実施形態３７．第２の低摩擦層が、ポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0089】
実施形態３８．第２の低摩擦層が、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0090】
実施形態３９．第２の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0091】
実施形態４０．第２の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、又は合成繊維からなる、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0092】
実施形態４１．第２の低摩擦層が、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0093】
実施形態４２．第２の低摩擦層が、約１２５ミクロン以下の厚さを有する、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0094】
実施形態４３．低摩擦ローラライナが、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0095】
実施形態４４．低摩擦ローラライナが、約５００ミクロン以下の厚さを有する、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0096】
実施形態４５．少なくとも約０．０５、少なくとも約０．０６、又は少なくとも約０．０７、又は少なくとも約０．０８、又は少なくとも約０．０９の厚さ比ＬＦＬ－２Ｔ／ＳＴを更に含み、ＬＦＬ－２Ｔは第１の外層の厚さに等しく、ＳＴは基材の厚さに等しい、実施形態３２の低摩擦ローラライナ。
【0097】
実施形態４６．プリンタアセンブリであって、プリンタフューザプリンタローラと、低摩擦ローラライナを備えるフリーベルトスリッププリンタローラと、を備え、低摩擦ローラライナは、低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層を含み、第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、第１の熱可塑性フィラー成分の含有量は、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、プリンタアセンブリ。
【0098】
実施形態４７．プリンタアセンブリであって、プリンタフューザプリンタローラと、低摩擦ローラライナを備えるフリーベルトスリッププリンタローラと、を備え、低摩擦ローラライナは、低摩擦ローラライナは、第１の低摩擦層を含み、第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、第１の低摩擦層は、第１のフルオロポリマーマトリックス成分と、第１のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第１の熱可塑性フィラー成分と、を含み、第１の低摩擦層は、少なくとも約０．０１かつ１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に有する、プリンタアセンブリ。
【0099】
実施形態４８．低摩擦ローラライナは、フリーベルトスリッププリンタローラに取り付けられている、実施形態４６又は４７のプリンタアセンブリ。
【0100】
実施形態４９．低摩擦ローラライナは、約０．２０以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0101】
実施形態５０．第１の低摩擦層が、約０．２０以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0102】
実施形態５１．少なくとも約３２，０００の摩耗等級を更に含み、摩耗等級は、トライボメータ試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、トライボメータ試験中の定常状態値に対するＣＯＦの５０％増加として定義され、又は少なくとも約３５，０００、若しくは少なくとも約４０，０００、若しくは少なくとも約４５，０００、若しくは少なくとも約５０，０００、若しくは少なくとも約７５，０００、若しくは少なくとも約１００，０００、若しくは少なくとも約１２５，０００、若しくは少なくとも約１５０，０００、若しくは少なくとも約１７５，０００、若しくは少なくとも約２００，０００、若しくは少なくとも約２２５，０００、若しくは少なくとも約２５０，０００である、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0103】
実施形態５２．第１の低摩擦層が、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に含む、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0104】
実施形態５３．第１のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量が、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下であり、第１の熱可塑性フィラー成分の含有量が、第１の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約９９重量％以下である、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0105】
実施形態５４．第１のフルオロポリマーマトリックス成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、パーフルオロアルコキシアルカン材料、変性ＰＴＦＥ材料、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つを含む、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0106】
実施形態５５．第１の低摩擦層が、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0107】
実施形態５６．第１の低摩擦層が、ポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0108】
実施形態５７．第１の低摩擦層が、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0109】
実施形態５８．第１の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0110】
実施形態５９．第１の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、又は合成繊維からなる、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0111】
実施形態６０．第１の低摩擦層が、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0112】
実施形態６１．第１の低摩擦層が、約１２５ミクロン以下の厚さを有する、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0113】
実施形態６２．低摩擦ローラライナが、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0114】
実施形態６３．低摩擦ローラライナが、約５００ミクロン以下の厚さを有する、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0115】
実施形態６４．低摩擦ローラライナが、第１の低摩擦層の下にある基材を更に含む、実施形態４７のプリンタアセンブリ。
【0116】
実施形態６５．基材がポリイミド材料を含む、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0117】
実施形態６６．基材がポリイミド材料からなる、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0118】
実施形態６７．基材が布を含む、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0119】
実施形態６８．基材が布からなる、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0120】
実施形態６９．基材がガラス繊維織布を含む、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0121】
実施形態７０．基材がガラス繊維織布からなる、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0122】
実施形態７１．少なくとも約０．０５、少なくとも約０．０６、又は少なくとも約０．０７、又は少なくとも約０．０８、又は少なくとも約０．０９の厚さ比ＬＦＬ－１Ｔ／ＳＴを更に含み、ＬＦＬ－１Ｔは第１の外層の厚さに等しく、ＳＴは基材の厚さに等しい、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0123】
実施形態７２．基材が、少なくとも約２５μｍ又は少なくとも約３０μｍ又は少なくとも約３５μｍ又は少なくとも約４０μｍ又は少なくとも約４５μｍ又は少なくとも約４９μｍの厚さを有する、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0124】
実施形態７３．基材が、約７５μｍ以下、又は約７０μｍ以下、又は約６５μｍ以下、又は約６０μｍ以下、又は約５５μｍ以下、又は約５１μｍ以下の厚さを有する、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0125】
実施形態７４．低摩擦ローラライナが、少なくとも約５０μｍ又は少なくとも約５５μｍ又は少なくとも約又は少なくとも約６０μｍ又は少なくとも約６５μｍ又は少なくとも約６９μｍの厚さを有する、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0126】
実施形態７５．低摩擦ローラライナが、約１００μｍ以下、又は約９５μｍ以下、又は約９０μｍ以下、又は約８５μｍ以下、又は約８０μｍ以下、又は約７５μｍ以下、又は約７１μｍ以下の厚さを有する、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0127】
実施形態７６．低摩擦ローラライナが、基材の下にある第２の低摩擦層を更に含み、第２の低摩擦層が、第２のフルオロポリマーマトリックス成分と、第２のフルオロポリマーマトリックス成分全体に分散された第２の熱可塑性フィラー成分と、を含む、実施形態６４のプリンタアセンブリ。
【0128】
実施形態７７．第２の低摩擦層が、少なくとも約０．０１かつ約１００以下の含有量比ＴＦＣ－１ＷＣ／ＦＭＣ－１ＷＣを更に含む、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0129】
実施形態７８．第２のフルオロポリマーマトリックス成分の含有量が、第２の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約７０重量％かつ約１００重量％以下であり、第２の熱可塑性フィラー成分の含有量が、第２の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約１重量％かつ約３０重量％以下である、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0130】
実施形態７９．第２のフルオロポリマーマトリックス成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、パーフルオロアルコキシアルカン材料、変性ＰＴＦＥ材料、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つを含む、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0131】
実施形態８０．第２の低摩擦層が、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0132】
実施形態８１．第２の低摩擦層が、ポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0133】
実施形態８２．第２の低摩擦層が、フッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0134】
実施形態８３．第２の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0135】
実施形態８４．第２の熱可塑性フィラーが、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアミドイミド（ＰＡＩ）、ポリベンズイミダゾール（ＰＢＩ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、又は合成繊維からなる、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0136】
実施形態８５．第２の低摩擦層が、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0137】
実施形態８６．第２の低摩擦層が、約１２５ミクロン以下の厚さを有する、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0138】
実施形態８７．低摩擦ローラライナが、少なくとも約１ミクロンの厚さを有する、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0139】
実施形態８８．低摩擦ローラライナが、約５００ミクロン以下の厚さを有する、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【0140】
実施形態８９．少なくとも約０．０５、少なくとも約０．０６、又は少なくとも約０．０７、又は少なくとも約０．０８、又は少なくとも約０．０９の厚さ比ＬＦＬ－２Ｔ／ＳＴを更に含み、ＬＦＬ－２Ｔは第１の外層の厚さに等しく、ＳＴは基材の厚さに等しい、実施形態７６のプリンタアセンブリ。
【実施例】
【0141】
実施例１
本明細書中に記載される概念は、以下の実施例において更に記載され、これは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない。
本明細書中に記載される概念は、以下の実施例において更に記載され、これは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない。
【0142】
試料低摩擦ライナＳ１～Ｓ１０は、本明細書に記載の実施形態に従って形成された。試料低摩擦ライナＳ１は、１５重量％のＰＥＥＫフィラーを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ＰＥＥＫは、１１．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料Ｓ２は、５重量％のＰＥＥＫフィラーを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ＰＥＥＫは、１１．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ３は、１５重量％のＰＢＩフィラーを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ＰＢＩは、５．２６ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ４は、５重量％のＰＢＩフィラーを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ＰＢＩは、５．２６ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ５は、１５重量％のＰＡＩフィラーを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ＰＡＩは、４．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ６は、５重量％のＰＡＩを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ＰＡＩは、４．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ７は、１５重量％の芳香族ポリエステルを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、芳香族ポリエステルは、９．３ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ８は、５重量％の芳香族ポリエステルを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、芳香族ポリエステルは、９．３ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ９は、１５重量％のポリアミドを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ポリアミドは、３．４３ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料低摩擦ライナＳ１０は、５重量％のポリアミドを含有するＰＴＦＥのマトリックスを含み、ポリアミドは、３．４３ミクロンのｄ５０粒径を有する。
【0143】
試料低摩擦ライナＳ１～Ｓ１０と比較するために、比較試料低摩擦ライナＣＳ１を調製した。比較試料低摩擦ライナＣＳ１は、１００重量％のＰＴＦＥを含む。
【0144】
試料低摩擦ライナＳ１～Ｓ１０及び比較試料低摩擦ライナＣＳ１を、１４０℃の動作温度で６，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑された１／４インチのポリイミド摩耗球と接触させて、２６０ｍｍ／秒で８ニュートンの垂直力下で測定された、トライボメータ試験を使用して試験して、８３分後のそれらの摩擦係数及び８３分後のそれらの摩耗等級を決定した。各試料の試験結果を以下の表１に要約する。
【0145】
【表1】
【0146】
実施例２
試料低摩擦ライナＳ１１～Ｓ１２は、本明細書に記載の実施形態に従って形成された。試料低摩擦ライナＳ１１は、５重量％のＰＴＦＥ及び９５重量％のＰＥＥＫの組成物を含み、ＰＥＥＫは、１１．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料Ｓ１２は、１５重量％のＰＴＦＥ及び８５重量％のＰＥＥＫフィラーの組成物を含み、ＰＥＥＫは、１１．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。
試料低摩擦ライナＳ１１～Ｓ１２は、本明細書に記載の実施形態に従って形成された。試料低摩擦ライナＳ１１は、５重量％のＰＴＦＥ及び９５重量％のＰＥＥＫの組成物を含み、ＰＥＥＫは、１１．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。試料Ｓ１２は、１５重量％のＰＴＦＥ及び８５重量％のＰＥＥＫフィラーの組成物を含み、ＰＥＥＫは、１１．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。
【0147】
試料低摩擦ライナＳ１１～Ｓ１２と比較するために、比較試料低摩擦ライナＣＳ２を調製した。比較試料低摩擦ライナＣＳ２は、１００重量％のＰＥＥＫを含み、ＰＥＥＫは、１１．２２ミクロンのｄ５０粒径を有する。
【0148】
試料低摩擦ライナＳ１１、Ｓ１２、及び比較試料低摩擦ライナＣＳ２を、１４０℃の動作温度で６，０００ｃｓのシリコーン油で潤滑された１／４インチのポリイミド摩耗球と接触させて、２６０ｍｍ／秒で８ニュートンの垂直力下で測定された、トライボメータ試験を使用して試験して、８３分後のそれらの摩擦係数及び８３分後のそれらの摩耗等級を決定した。各試料の試験結果を以下の表２に要約する。
【0149】
【表2】
【0150】
一般的な説明又は実施例において、上で説明される活動の全てが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされない場合があり、説明される活動に加えて１つ以上の更なる活動が行われ得ることに留意されたい。なおも更に、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0151】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0152】
本明細書に記載の実施形態の明細書及び図面は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書及び図面は、本明細書に記載の構造又は方法を使用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態が単一の実施形態中に組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明されている様々な特徴が、別々に又は任意の部分的組み合わせで提供されてもよい。更に、範囲に記載された値への言及は、その範囲内の各々の値全てを含む。多くの他の実施形態が、本明細書を読んだ後にのみ当業者に明らかとなってもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、又は別の変更を行うことができるように、他の実施形態を使用し、本開示から導出することができる。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【国際調査報告】