(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】電気化学センサスイッチを備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20231214BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231214BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20231214BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/20
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023533904
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2021084848
(87)【国際公開番号】W WO2022122849
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルベス
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB08
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB22
4B162AC13
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル発生システム(100)は、エアロゾル形成基体(1010)およびエアロゾル形成マーカー(1080)を含むエアロゾル発生物品(1000)と、エアロゾル発生物品(1000)を受容するように構成されたエアロゾル発生装置(2000)とを備える。エアロゾル発生装置(2000)は、制御電子機器(2120)と、制御電子機器(2120)に動作可能に連結された電気化学センサスイッチ(2130)と、ヒーター(2090)とを備える。電気化学センサスイッチ(2130)は、電気化学センサスイッチ(2130)が、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカー(1080)の量を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されている。ヒーター(2090)は、電気化学センサスイッチ(2130)を介して制御電子機器(2120)に動作可能に連結されている。制御電子機器(2120)は、電気化学センサスイッチ(2130)が第一の状態から第二の状態に変化する時に、ヒーター(2090)を停止させるように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体およびエアロゾル形成マーカーを含むエアロゾル発生物品と、
前記エアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置と、を備え、前記エアロゾル発生装置が、
制御電子機器と、
前記制御電子機器に動作可能に連結された電気化学センサスイッチであって、前記電気化学センサスイッチが、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカーの量を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されている、電気化学センサスイッチと、
前記電気化学センサスイッチを介して前記制御電子機器に動作可能に連結されたヒーターと、を備え、
前記電気化学センサスイッチが前記第一の状態から前記第二の状態に変化する時に、前記制御電子機器が前記ヒーターを停止させるように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品が、前記エアロゾル形成マーカーを含有する貯蔵部を備える、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生物品が複数の貯蔵部を備え、前記複数の貯蔵部のそれぞれが前記エアロゾル形成マーカーを含有する、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
各貯蔵部がカプセルを含む、請求項2または請求項3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
各カプセルが外殻を備える、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記外殻が熱分解性材料から形成されている、請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記外殻がワックスから形成されている、請求項5または請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記エアロゾル形成マーカーが、前記エアロゾル形成基体の半径方向外側部分に位置する、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記エアロゾル形成マーカーが、前記エアロゾル形成基体の半径方向中央部分に位置する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記エアロゾル形成マーカーが、キシレンの異性体またはアミン含有化合物を含む、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記エアロゾル形成マーカーがゲルである、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記電気化学センサスイッチが、前記第一の状態において前記第二の状態と異なる導電率を有する、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記電気化学センサスイッチが化学抵抗性材料を含む、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記電気化学センサスイッチが半導電性材料を含む、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
各電気化学センサスイッチが、一つ以上のカーボンナノチューブを備える、請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムに関する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品中のエアロゾル形成マーカーを検出できる電気化学センサスイッチを備える。
【背景技術】
【0002】
ユーザーにエアロゾルを送達するためのエアロゾル発生システムは典型的に、吸入可能なエアロゾルをエアロゾル形成基体から発生するように構成されたアトマイザーを備える。一部の既知のエアロゾル発生システムは、電気ヒーターまたは誘導加熱装置などの熱式アトマイザーを備える。熱式アトマイザーは、エアロゾルを発生するためにエアロゾル形成基体を加熱および気化するように構成されている。エアロゾル発生システムで使用する典型的なエアロゾル形成基体は、ニコチン製剤であり、これはグリセリン、および/またはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含む液体ニコチン製剤であってもよい。
【0003】
改善された電池寿命を提供することができる、かつ一貫性があり満足のいくユーザー体験を作り出すことができるエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムはエアロゾル発生物品を備えてもよい。エアロゾル発生システムはエアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生システムはエアロゾル形成マーカーを備えてもよい。エアロゾル発生システムはエアロゾル発生装置を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は制御電子機器を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、制御電子機器に動作可能に連結された電気化学センサスイッチを備えてもよい。電気化学センサスイッチは、電気化学センサスイッチが、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカーの量を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置はヒーターを備えてもよい。ヒーターは、電気化学センサスイッチを介して制御電子機器に動作可能に連結されてもよい。制御電子機器は、電気化学センサスイッチが第一の状態から第二の状態に変化する時に、ヒーターを停止させるように構成されてもよい。
【0005】
エアロゾル形成基体およびエアロゾル形成マーカーを含むエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置とを備え、エアロゾル発生装置が、制御電子機器と、制御電子機器に動作可能に連結された電気化学センサスイッチであって、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカーの量を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されている電気化学センサスイッチと、電気化学センサスイッチを介して制御電子機器に動作可能に連結されたヒーターとを備え、電気化学センサスイッチが第一の状態から第二の状態に変化する時に、制御電子機器がヒーターを停止させるように構成されている、エアロゾル発生システムも提供されている。
【0006】
エアロゾル発生物品とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの動作方法も提供されている。方法は、エアロゾル形成マーカーの量が所定の閾値量を超えるまたは下回ることを電気化学センサスイッチが検出するのに応答して、制御電子機器がエアロゾル発生装置のヒーターを停止させることを含んでもよい。
【0007】
エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムの動作方法も提供されていて、方法は、エアロゾル形成マーカーの量が所定の閾値量を超えるまたは下回ることを電気化学センサスイッチが検出するのに応答して、制御電子機器がエアロゾル発生装置のヒーターを停止させることを含む。
【0008】
所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカーの量を電気化学センサスイッチが検出する時にヒーターを停止することは、エアロゾル形成基体が枯渇するおおよその時点で、エアロゾル発生システムがエアロゾル発生物品の加熱を自動的に停止することを可能にしうる。
【0009】
これは、枯渇したエアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置が加熱する時に浪費されるエネルギーの量が低減されるので、エネルギー管理の改善につながりうる。
【0010】
また、枯渇したエアロゾル形成基体を有するエアロゾル発生物品をユーザーが誤って加熱することができないため、ユーザー体験の改善もありうる。結果として、より一貫性があり満足のいくユーザー体験がユーザーに提供されうる。
【0011】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを生成するための物品を指す。エアロゾル発生物品は典型的に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、加熱または燃焼されるのに適していて、それが意図されているエアロゾル形成基体を含む。従来の紙巻たばこは、ユーザーが紙巻たばこの一方の端に炎を当て、もう一方の端を通して空気を引き出す時に点火される。炎と、紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻たばこの端を点火させ、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。対照的に、「加熱式エアロゾル発生物品」において、エアロゾル形成基体を燃焼することによってではなく、エアロゾル形成基体を加熱することによってエアロゾルが発生する。既知の加熱式エアロゾル発生物品には、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品が含まれる。
【0012】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、揮発性化合物(これはエアロゾルを形成することができる)を加熱に伴い生成する能力を有する基体を指す。エアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、人の目で見えても見えなくてもよく、ベイパー(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状の微粒子)、ならびに凝縮されたベイパーまたはエアロゾルの気体および液滴を含んでもよい。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用するヒーターまたは発熱体を備える装置を指す。
【0014】
本明細書で使用される「エアロゾル形成マーカー」という用語は、揮発性化合物(これはエアロゾルを形成することができる)を加熱に伴い生成する能力を有する一つ以上の化合物または物質を指す。エアロゾル形成マーカーは、そのエアロゾル化された形態にある時に電気化学センサスイッチによって検出されることが意図されているという点で、エアロゾル形成基体と異なる。従って、典型的にエアロゾル形成マーカーは、エアロゾル形成基体中に通常存在しない化合物または物質から選択される。適切なエアロゾル形成マーカーの例を以下で論じる。
【0015】
一例において、エアロゾル形成マーカーの「量」は、エアロゾル形成マーカーの濃度である。こうした一例において、電気化学センサスイッチは、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカーの濃度を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されている。
【0016】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成マーカーを含有する貯蔵部を備えてもよい。
【0017】
貯蔵部はエアロゾル形成基体内に位置してもよい。
【0018】
貯蔵部は、ヒーターがエアロゾル形成基体を加熱する場所から離れた位置に位置してもよい。貯蔵部は、ヒーターがエアロゾル形成基体を加熱する場所に隣接した位置に位置してもよい。
【0019】
エアロゾル発生物品は複数の貯蔵部を備えてもよく、複数の貯蔵部のそれぞれはエアロゾル形成マーカーを含有する。
【0020】
各貯蔵部は、体積あたり100万分の30~100万分の50のエアロゾル形成マーカーが放出されるのを引き起こす体積を有してもよい。
【0021】
各貯蔵部はカプセルを含んでもよい。一つの実施例において、各カプセルは外殻を備えてもよい。外殻は、熱分解性材料から形成されてもよい。このようにして、外殻が特定の温度に加熱された時に、外殻は材料を熱的に分解し、エアロゾル形成マーカーを放出してもよい。外殻を形成する特定の材料は、外殻が分解する特定の温度に対応するように選択されてもよい。一つの実施例において、外殻はワックスから形成されてもよい。ワックスは熱反応性であってもよい。
【0022】
外殻が形成される材料は、外殻が分解してエアロゾル形成マーカーが漏れ出るのを可能にする前に加熱に耐える所望の期間に基づいて選ばれてもよい。外殻の厚さは、外殻が分解してエアロゾル形成マーカーが漏れ出るのを可能にする前に加熱に耐える所望の期間に基づいて選ばれてもよい。このようにして、外殻の構成を使用して、エアロゾル形成マーカーの放出のタイミングを制御すること、および従って、ヒーターの停止のタイミングに対して幾らかの制御を提供することができる。
【0023】
一つの実施例において、各カプセルは円筒形状を有してもよい。別の実施例において、各カプセルは球形状を有してもよい。別の実施例において、各カプセルは立方体形状を有してもよい。別の実施例において、各カプセルは円盤形状を有してもよい。
【0024】
エアロゾル発生物品は、中空のセルロースアセテートチューブを含んでもよい。
【0025】
エアロゾル発生物品は、スペーサ要素を含んでもよい。
【0026】
エアロゾル発生物品は、マウスピースフィルターを含んでもよい。
【0027】
エアロゾル形成基体、中空のセルロースアセテートチューブ、スペーサ要素、マウスピースフィルターは、連続的に配設されてもよい。エアロゾル形成基体、中空のセルロースアセテートチューブ、スペーサ要素、マウスピースフィルターは、同軸整列で配設されてもよい。
【0028】
エアロゾル発生物品は、たばこ紙を含んでもよい。
【0029】
エアロゾル形成基体、中空のセルロースアセテートチューブ、スペーサ要素、マウスピースフィルターは、たばこ紙によって組み立てられてもよい。
【0030】
エアロゾル発生物品は、口側端および遠位端を有してもよい。使用時に、ユーザーは口側端を自身の口の中に挿入してもよい。
【0031】
エアロゾル形成基体はプラグの形態で提供されてもよい。
【0032】
エアロゾル発生物品はサセプタを備えてもよい。
【0033】
サセプタは、エアロゾル形成基体上に堆積うる、またはエアロゾル形成基体内に包埋されうる複数のサセプタ粒子であってもよい。サセプタ粒子は、エアロゾル形成基体によって固定化されてもよく、初期の位置にとどまってもよい。サセプタ粒子は、エアロゾル形成基体中に均一に分布されてもよい。サセプタの粒子特性に起因して、熱はエアロゾル形成基体中の粒子の分布に従い生成されてもよい。別の方法として、サセプタは、エアロゾル形成基体の隣に定置されうるか、またはエアロゾル形成基体に包埋されうる、一つ以上のシート、細片、断片またはロッドの形態であってもよい。エアロゾル形成基体は、一つ以上のサセプタ細片を含んでもよい。
【0034】
エアロゾル形成マーカーは、エアロゾル発生物品内に位置付けられてもよい。一つの実施例において、エアロゾル形成マーカーは、エアロゾル発生物品内の一つの位置に位置付けられてもよい。一つの実施例において、エアロゾル形成マーカーは、エアロゾル発生物品内の複数の位置に位置付けられてもよい。
【0035】
エアロゾル形成マーカーは、エアロゾル形成基体内に位置してもよい。
【0036】
エアロゾル形成マーカーは、ヒーターがエアロゾル形成基体を加熱する場所から離れた位置に位置してもよい。エアロゾル形成マーカーは、ヒーターがエアロゾル形成基体を加熱する場所に隣接した位置に位置してもよい。
【0037】
エアロゾル形成マーカーは、エアロゾル形成基体の半径方向外側部分に位置してもよい。
【0038】
エアロゾル形成基体の半径方向外側部分にエアロゾル形成マーカーを位置させることは、エアロゾル形成基体を加熱するために加熱ブレードタイプのヒーターが使用される時に、エアロゾル形成マーカーが比較的にゆっくりとエアロゾル化することを可能にしうる。この配設は、電気化学センサスイッチによって検出されたエアロゾル形成マーカーの量が所定の閾値量を超える時に、制御電子機器がヒーターの停止を引き起こす一例において有利でありうる。
【0039】
エアロゾル形成基体の半径方向外側部分にエアロゾル形成マーカーを位置させることは、エアロゾル形成基体を外部から加熱するヒーターが使用される時に、エアロゾル形成マーカーが比較的に迅速にエアロゾル化することを可能にしうる。この配設は、電気化学センサスイッチによって検出されたエアロゾル形成マーカーの量が所定の閾値量を下回る時に、制御電子機器がヒーターの停止を引き起こす一例において有利でありうる。
【0040】
別の方法として、エアロゾル形成マーカーは、エアロゾル形成基体の半径方向中央部分に位置してもよい。
【0041】
エアロゾル形成基体の半径方向中央部分にエアロゾル形成マーカーを位置させることは、エアロゾル形成基体を加熱するために加熱ブレードタイプのヒーターが使用される時に、エアロゾル形成マーカーが比較的に迅速にエアロゾル化することを可能にしうる。この配設は、電気化学センサスイッチによって検出されたエアロゾル形成マーカーの量が所定の閾値量を下回る時に、制御電子機器がヒーターの停止を引き起こす一例において有利でありうる。
【0042】
エアロゾル形成基体の半径方向中央部分にエアロゾル形成マーカーを位置させることは、エアロゾル形成基体を外部から加熱するヒーターが使用される時に、エアロゾル形成マーカーが比較的にゆっくりとエアロゾル化することを可能にしうる。この配設は、電気化学センサスイッチによって検出されたエアロゾル形成マーカーの量が所定の閾値量を超える時に、制御電子機器がヒーターの停止を引き起こす一例において有利でありうる。
【0043】
エアロゾル形成マーカーは、物質がそのエアロゾル化された形態にある時に、電気化学センサスイッチによって物質を検出できるように、エアロゾル化することができる任意の物質を含んでもよい。エアロゾル形成マーカーは、エアロゾル化することができる、かつ典型的にエアロゾル形成基体中に存在しない任意の物質を含んでもよい。一つの実施例において、エアロゾル形成マーカーは異性化合物であってもよい。一つの実施例において、エアロゾル形成マーカーはキシレンの異性体を含んでもよい。一つの実施例において、エアロゾル形成マーカーはアミン含有化合物を含んでもよい。
【0044】
エアロゾル形成マーカーはゲルであってもよい。別の実施例において、エアロゾル形成マーカーは固体であってもよい。
【0045】
エアロゾル形成マーカーを保存する貯蔵部は、エアロゾル形成基体内に位置してもよい。
【0046】
エアロゾル発生装置は、任意の適切なタイプのヒーターを備えてもよい。例えば、ヒーターは電気ヒーターを含んでもよい。一つの実施例において、ヒーターは、一つ以上の発熱体を備える電気ヒーターを含んでもよい。一つ以上の発熱体は抵抗発熱体であってもよい。
【0047】
一実施例において、ヒーターは、エアロゾル発生物品を内部から加熱するための加熱ブレードを備えてもよい。ヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時に、エアロゾル発生物品を内部から加熱するための加熱ブレードを備えてもよい。この実施例において、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時に、ヒーターブレードはエアロゾル形成基体を貫通することができる。これは、エアロゾル発生物品の外部ラッパーの加熱なしに、エアロゾル形成基体が直接加熱されることを可能にしうる。加熱ブレードは内部加熱ブレードであってもよい。ヒーターはエアロゾル形成基体をその内部から加熱しうる。
【0048】
別の実施例において、ヒーターは、エアロゾル発生物品を外部から加熱するように構成されたヒーター配設を備えてもよい。ヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時に、エアロゾル発生物品を外部から加熱するように構成されたヒーター配設を備えてもよい。この実施例において、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時に、ヒーター配設はエアロゾル発生物品の外表面を直接加熱することによって、エアロゾル形成基体を加熱することができる。ヒーターは、エアロゾル形成基体を部分的にまたは完全に囲んでもよく、エアロゾル形成基体をその外側から円周方向に加熱してもよい。
【0049】
別の実施例において、ヒーターは誘導加熱装置を備えてもよい。誘導加熱装置は典型的に、サセプタに連結されるように構成されている誘導源を備え、これはエアロゾル形成基体の外部に、またはエアロゾル形成基体の内部に提供されてもよい。誘導源は交流電磁場が発生し、これがサセプタ内に磁化または渦電流を誘起する。サセプタは、ヒステリシス損失または誘起された渦電流の結果として加熱されてもよく、これはオーム加熱または抵抗加熱によってサセプタを加熱する。
【0050】
エアロゾル発生装置はサセプタをさらに含んでもよい。サセプタは、エアロゾル発生物品に関連して上述した通りであってもよい。
【0051】
誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を有するエアロゾル発生物品と、エアロゾル形成基体と熱的に近接しているサセプタとを受容するように構成されてもよい。典型的に、サセプタはエアロゾル形成基体と直接接触していて、熱は主に伝導によってサセプタからエアロゾル形成基体に伝達される。
【0052】
誘導加熱装置とサセプタを有するエアロゾル発生物品とを有する電気的に作動するエアロゾル発生システムの実施例は、WO-A1-95/27411およびWO-A1-2015/177255に記載されている。
【0053】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が中に挿入されうる本体を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が中に挿入されうるハウジングを備えてもよい。
【0054】
一つの実施例において、エアロゾル発生装置は電気化学センサスイッチを備えてもよい。エアロゾル発生装置は一つ以上の電気化学センサスイッチを備えてもよい。エアロゾル発生装置は複数の電気化学センサスイッチを備えてもよい。
【0055】
エアロゾル発生装置は電池を含んでもよい。
エアロゾル発生装置は本体を含んでもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が本体の中に挿入されている時に、エアロゾル発生物品を定位置に保持するための保持固定具を含んでもよい。
【0056】
一つの実施例において、各電気化学センサスイッチは、エアロゾル発生物品中のエアロゾル形成マーカーがエアロゾル化された時の指標を判定するように構成されている。電気化学センサスイッチは、エアロゾル形成マーカーの量または濃度が所定の閾値量を超えていることを検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化する。電気化学センサスイッチが第一の状態から第二の状態に変化することに応答して、制御電子機器はヒーターを停止させる。
【0057】
別の実施例において、各電気化学センサスイッチは、エアロゾル発生中のエアロゾル形成マーカーがエアロゾル化されるのをやめた時の指標を判定するように構成されている。電気化学センサスイッチは、エアロゾル形成マーカーの量または濃度が所定の閾値量を下回っていることを検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化する。電気化学センサスイッチが第一の状態から第二の状態に変化することに応答して、制御電子機器はヒーターを停止させる。
【0058】
各電気化学センサスイッチは、体積あたり100万分の10~体積あたり100万分の100の感度を有してもよい。好ましくは、各電気化学センサスイッチは、体積あたり100万分の20~体積あたり100万分の70の感度を有してもよい。
【0059】
各電気化学センサスイッチは、第一の状態において第二の状態と異なる導電率を有してもよい。
【0060】
エアロゾル形成マーカー化合物を検出するための任意の適切な電気化学センサスイッチを使用しうる。
【0061】
各電気化学センサスイッチは、化学抵抗性材料を含んでもよい。一つの実施例において、各電気化学センサスイッチは、化学抵抗性材料の被覆を含んでもよい。一つの実施例において、各電気化学センサスイッチは、化学抵抗性材料の層を含んでもよい。
【0062】
各電気化学センサスイッチは、半導電性材料を含んでもよい。一つの実施例において、各電気化学センサスイッチは、半導電性材料の被覆を含んでもよい。一つの実施例において、各電気化学センサスイッチは、半導電性材料の層を含んでもよい。
【0063】
各電気化学センサスイッチは、一つ以上のカーボンナノチューブを含んでもよい。一つの実施例において、各電気化学センサスイッチは、一つ以上のカーボンナノチューブと、エアロゾル形成マーカーに化学的に敏感なメタロポルフィリンとの複合物を含んでもよい。
【0064】
各電気化学センサスイッチは、カーボンナノチューブまたは単層カーボンナノチューブを金-ハフニウムで被覆することを含んでもよい。カーボンナノチューブまたは単層カーボンナノチューブを金-ハフニウムで被覆することを含めることは、検出能力を増幅しうる。
【0065】
制御電子機器は、ヒーターまたは他の電気構成要素の動作を制御するように構成されてもよい。制御電子回路は任意の適切な形態で提供されてもよく、例えばコントローラ、またはメモリとコントローラを含んでもよい。コントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)ステートマシン、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子回路は、制御電子回路の一つ以上の構成要素に制御電子回路の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0066】
制御電子機器はヒーターの動作を制御するように構成されてもよい。
【0067】
制御電子機器は、電気化学センサスイッチからの信号を受信および処理してもよい。
【0068】
制御電子機器は、ヒーターへの電気供給を停止することによって、ヒーターを停止させるように構成されてもよい。
【0069】
制御電子機器は、ヒーターが停止する時に警報の出力を引き起こすように構成されてもよい。例えば、制御電子機器は、LEDなどの光の照明を引き起こしてもよい。別の実施例において、制御電子機器は、スピーカーを通して音を出力させてもよい。
【0070】
制御電子機器は、新しいエアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時に、ヒーターを再起動するように構成されてもよい。
【0071】
エアロゾル発生システムを動作する方法は、エアロゾル発生システムに関して上述した任意の特徴を含んでもよい。
【0072】
当然のことながら、エアロゾル形成基体、エアロゾル発生物品、エアロゾル発生装置、またはエアロゾル発生システムの一つの実施形態に関連して本明細書に記載の任意の特徴は、本開示によるエアロゾル形成基体、エアロゾル発生物品、エアロゾル発生装置、またはエアロゾル発生システムの他の実施形態にも適用されうる。一つの実施形態に関連して記載された特徴は、本開示による別の実施形態に等しく適用されうる。また、当然のことながら、本開示によるエアロゾル発生器は、カートリッジを有さないエアロゾル発生装置に提供されてもよい。従って、カートリッジに関連して本明細書に記載の特徴のいずれかは、エアロゾル発生装置に等しく適用されうる。
【0073】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0074】
実施例1 エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体およびエアロゾル形成マーカーを含むエアロゾル発生物品と、
エアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置と、を備え、エアロゾル発生装置が、
制御電子機器と、
制御電子機器に動作可能に連結された電気化学センサスイッチであって、電気化学センサスイッチが、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカーの量を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されている、電気化学センサスイッチと、
電気化学センサスイッチを介して制御電子機器に動作可能に連結されたヒーターと、を備え、
電気化学センサスイッチが第一の状態から第二の状態に変化する時に、制御電子機器がヒーターを停止させるように構成されている、エアロゾル発生システム。
【0075】
実施例2 エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成マーカーを含有する貯蔵部を備える、実施例1に記載のエアロゾル発生システム。
【0076】
実施例3 エアロゾル発生物品が複数の貯蔵部を備え、複数の貯蔵部のそれぞれがエアロゾル形成マーカーを含有する、実施例1または実施例2に記載のエアロゾル発生システム。
【0077】
実施例4 各貯蔵部がカプセルを含む、実施例2または実施例3に記載のエアロゾル発生システム。
【0078】
実施例5 各カプセルが外殻を備える、実施例4に記載のエアロゾル発生システム。
【0079】
実施例6 外殻が熱分解性材料から形成されている、実施例5に記載のエアロゾル発生システム。
【0080】
実施例7 外殻がワックスから形成されている、実施例5または実施例6に記載のエアロゾル発生システム。
【0081】
実施例8 エアロゾル形成マーカーが、エアロゾル発生物品内の一つの位置に位置付けられている、実施例1~7のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0082】
実施例9 エアロゾル形成マーカーが、エアロゾル発生物品内の複数の位置に位置付けられている、実施例1~7のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0083】
実施例10 エアロゾル形成マーカーが、エアロゾル形成基体の半径方向外側部分に位置する、実施例1~9のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0084】
実施例11 エアロゾル形成マーカーが、エアロゾル形成基体の半径方向中央部分に位置する、実施例1~10のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0085】
実施例12 エアロゾル形成マーカーが、キシレンの異性体を含む、実施例1~11のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0086】
実施例13 エアロゾル形成マーカーが、アミン含有化合物を含む、実施例1~12のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0087】
実施例14 エアロゾル形成マーカーがゲルである、実施例1~13のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0088】
実施例15 ヒーターが、エアロゾル発生物品を内部から加熱するための加熱ブレードを備える、実施例1~14のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0089】
実施例16 ヒーターが、エアロゾル発生物品を外部から加熱するように構成されたヒーター配設を備える、実施例1~15のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0090】
実施例17 エアロゾル発生物品が中に挿入されうる本体をエアロゾル発生装置が備える、実施例1~16のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0091】
実施例18 エアロゾル発生装置が複数の電気化学センサスイッチを備える、実施例1~17のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0092】
実施例19 各電気化学センサスイッチが、第一の状態において第二の状態と異なる導電率を有する、実施例1~18のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0093】
実施例20 各電気化学センサスイッチが化学抵抗性材料を含む、実施例1~19のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0094】
実施例21 各電気化学センサスイッチが半導電性材料を含む、実施例1~19のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0095】
実施例22 各電気化学センサスイッチが、一つ以上のカーボンナノチューブを備える、実施例20または実施例21に記載のエアロゾル発生システム。
【0096】
実施例23 制御電子機器が、ヒーターへの電気供給を停止させることによってヒーターを停止させるように構成されている、実施例1~22のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0097】
実施例24 制御電子機器がヒーターを停止させる時に、警報の出力を引き起こすように構成されている、実施例1~23のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0098】
実施例25 エアロゾル発生物品とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの動作方法であって、
エアロゾル形成マーカーの量が所定の閾値量を超えるまたは下回ることを電気化学センサスイッチが検出するのに応答して、制御電子機器がエアロゾル発生装置のヒーターを停止させることを含む、方法。
【0099】
実施例26 制御電子機器がヒーターへの電気供給を停止させることによってヒーターを停止させることを含む、実施例25に記載のエアロゾル発生システムの動作方法。
【0100】
実施例27 制御電子機器がヒーターを停止させる時に、警報の出力を引き起こすことを含む、実施例25または実施例26に記載のエアロゾル発生システムの動作方法。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【
図1】
図1は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生システムによるエアロゾル発生物品の第一の実施例を概略的に図示する。
【
図2】
図2は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生システムによるエアロゾル発生装置の第一の実施例の中に挿入された時の、
図1のエアロゾル発生物品を概略的に図示する。
【
図3】
図3は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生システムによるエアロゾル発生物品の第二の実施例を概略的に図示する。
【
図4】
図4は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生システムによるエアロゾル発生装置の第二の実施例の中に挿入された時の、
図3のエアロゾル発生物品を概略的に図示する。
【
図5】
図5は、
図1および
図2に示すエアロゾル発生システムを動作する方法の第一の実施例を概略的に図示する。
【
図6】
図6は、
図1および
図2に示すエアロゾル発生システムを動作する方法の第二の実施例を概略的に図示する。
【0102】
ユーザーにエアロゾルを送達するためのエアロゾル発生システムは典型的に、吸入可能なエアロゾルをエアロゾル形成基体から発生するように構成されたアトマイザーを備える。一部の既知のエアロゾル発生システムは、電気ヒーターまたは誘導加熱装置などの熱式アトマイザーを備える。熱式アトマイザーは、エアロゾルを発生するためにエアロゾル形成基体を加熱および気化するように構成されている。エアロゾル発生システムで使用する典型的なエアロゾル形成基体は、ニコチン製剤であり、これはグリセリン、および/またはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含む液体ニコチン製剤であってもよい。
【0103】
エアロゾル発生物品は典型的に、一定の量のエアロゾル形成基体を含む。しかしながら、エアロゾル発生物品中のエアロゾル形成基体は、異なるユーザーによって異なる速度で消費されうる。これは、エアロゾル発生物品が、期待される体験をユーザーに提供することを停止する時点が、異なるユーザー間で異なりうることを意味する。
【0104】
従来のエアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品が、期待される体験をユーザーに提供することを停止する時点を検出することができない。これは、エアロゾル発生物品がそのエアロゾル形成基体を枯渇したことを、例えば吸煙回数または持続時間などの「標準」の設定に基づいて従来のエアロゾル発生システムが判断することを意味する。その結果、異なるユーザーによるエアロゾル発生物品中のエアロゾル形成基体の消費の変動は、多くの問題を引き起こす可能性がある。
【0105】
第一に、エアロゾル形成基体が枯渇またはほぼ枯渇したエアロゾル発生物品からエアロゾルを消費しようとしているユーザーには、不満足で一貫性のないユーザー体験が与えられる。
【0106】
第二に、エアロゾル形成基体が枯渇またはほぼ枯渇したエアロゾル発生物品を加熱するエアロゾル発生装置は、エネルギーを浪費し、これはエアロゾル発生装置の電池寿命を減少させる。
【0107】
エアロゾル発生物品がそのエアロゾル形成基体を枯渇しうる、またはそのエアロゾル形成基体の枯渇に近づいている時の指標を判断することができる、エアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【0108】
本出願に記載の本発明は、この問題に対処することを試みるものである。
図1および
図2は、本発明によるエアロゾル発生システム100の第一の実施例を図示する。エアロゾル発生システム100は、エアロゾル発生物品1000およびエアロゾル発生装置2000を含む。
図1は、エアロゾル発生物品1000の第一の実施例を示す。
図2は、エアロゾル発生装置2000の第一の実施例の中に挿入された時の、エアロゾル発生物品1000の第一の実施例を示す。
【0109】
図1の実施例において、エアロゾル発生物品1000は四つの要素、すなわちエアロゾル形成基体1010、中空のセルロースアセテートチューブ1020、スペーサ要素1030、マウスピースフィルター1040を含む。四つの要素1010、1020、1030、1040は、連続的にかつ同軸整列で配設されている。四つの要素1010、1020、1030、1040は、たばこ紙1050によって組み立てられていて、エアロゾル発生物品1000を形成する。
【0110】
図1の実施例において、エアロゾル発生物品1000は、口側端1060および遠位端1070を有する。ユーザーは、使用中に口側端1060を自身の口に挿入してもよい。遠位端1070は、口側端1060に対してエアロゾル発生物品1000の反対側の端に位置する。
図1に図示するエアロゾル発生物品1000の実施例は、エアロゾル形成基体1010を加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するために特に適切である。
【0111】
一つの実施例において、組み立てられた時に、エアロゾル発生物品1000は長さ約45ミリメートルであり、約7.2ミリメートルの外径と約6.9ミリメートルの内径を有する。
【0112】
図1の実施例において、エアロゾル形成基体1010は、エアロゾル形成基体のシートを捲縮することによって作製されたプラグの形態で提供されている。シートは、プラグを形成するために、集合され、捲縮され、フィルターペーパー(図示せず)で巻かれている。エアロゾル形成基体は、たばこであってもよい。たばこは、任意の形態であってもよい。例えば、たばこは、葉または茎の切断片または細断片であってもよい。たばこは再構成されてもよい。たばこは押し出されてもよい。たばこは粉末状であってもよい。たばこは顆粒状であってもよい。たばこは圧縮されてもよい。たばこは形成されてもよい。たばこはペレット化されてもよい。たばこは、たばこ抽出物の形態であってもよい。たばこは処理されてもよく、再構成されてもよく、またはその他の方法で調製されてもよい。エアロゾル形成基体は風味要素を含んでもよい。風味要素は、例えばメントール、ココア、バニラ、またはリコリスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル化増強剤を含んでもよい。
【0113】
図1に図示するエアロゾル発生物品1000の実施例は、消費されるためにエアロゾル発生装置と係合するように設計されている。こうしたエアロゾル発生装置は、エアロゾルを形成するためにエアロゾル形成基体1010を十分な温度に加熱するための手段を含む。典型的に、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体1010に隣接したエアロゾル発生物品1000を囲む発熱体、またはエアロゾル形成基体1010の中に挿入されている発熱体を備えてもよい。
【0114】
エアロゾル発生装置と係合されると、ユーザーはエアロゾル発生物品1000の口側端1060を吸い、またエアロゾル形成基体1010は摂氏約375度の温度に加熱される。この温度にて、揮発性化合物がエアロゾル形成基体1010から放出される。これらの化合物は凝縮されてエアロゾルを形成する。エアロゾルはフィルター1040を通って、ユーザーの口の中に引き出される。ヒーターは抵抗ヒーターであってもよい。
【0115】
エアロゾル発生物品1000はエアロゾル形成マーカー1080を含む。エアロゾル形成マーカー1080は異性化合物であってもよい。この実施例において、エアロゾル形成マーカー1080はキシレンの異性体である。
図1に示す実施例において、エアロゾル発生物品1000は貯蔵部を有し、エアロゾル形成マーカー1080は貯蔵部に保存されている。
図1に示す実施例において、貯蔵部はカプセルである。カプセルは外殻を有する。外殻は、分解してエアロゾル形成マーカー1080を放出することができる任意の適切な材料から形成されてもよい。例えば、カプセルの外殻は、ワックスなどの熱分解性材料から形成されてもよい。
【0116】
図1の実施例において、外殻が特定の温度に加熱されている時に、外殻は熱分解し始め、これがエアロゾル形成マーカー1080を貯蔵部から放出する。
【0117】
エアロゾル形成マーカー1080を保存する貯蔵部は、エアロゾル発生物品1000内の任意の位置に位置してもよい。
図1の実施例において、エアロゾル形成マーカー1080を保存する貯蔵部は、エアロゾル形成基体1010内に包含されている。
【0118】
エアロゾル形成マーカー1080を保存する貯蔵部は、エアロゾル形成基体1010の少なくとも大半がエアロゾル化された後にのみ、エアロゾル形成マーカー1080がエアロゾル化されることを可能にすることができるエアロゾル形成基体1010内の位置に位置してもよい。
図1に示す実施例において、エアロゾル形成マーカー1080を保存する貯蔵部は、エアロゾル発生物品1000の半径方向外側部分に位置する。これは、以下で考察されている通り、エアロゾル発生物品1000の第一の実施例が、加熱ブレードを含むエアロゾル発生装置2000の中に挿入されるように設計されているからである。
【0119】
図2の実施例において、
図1に示すエアロゾル発生物品1000は、エアロゾル発生装置2000の中に挿入されている。
【0120】
図2は、エアロゾル発生装置2000の一部分のみを図示する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品1000のエアロゾル形成基体1010を加熱するためのヒーターを含む。
図2の実施例において、ヒーター2090は加熱ブレードである。
図2の実施例において、ヒーター2090は受容チャンバ内に据え付けられている。エアロゾル発生装置2000は、空気がエアロゾル発生物品1000の中に流れることを可能にするための複数の空気穴2100を画定する。気流は、
図2において矢印で示されている。
図2のエアロゾル発生物品1000は、
図1に関して説明したものと同じである。
【0121】
エアロゾル発生物品1000の幾何学的形状およびヒーター2090の位置に起因して、エアロゾル発生物品1000がエアロゾル発生装置2000によって加熱されている時に、エアロゾル発生物品1000は、その直径にわたって温度勾配を経験する。エアロゾル発生物品1000の半径方向内側または中央部分は、エアロゾル発生物品1000の半径方向外側部分よりも高い温度を呈する。従って、半径方向中央にあるエアロゾル形成基体1010の領域は、エアロゾル化するエアロゾル形成基体1010の第一の領域である。最終的に、エアロゾル形成基体1010の半径方向外側領域も、エアロゾル化を開始するのに十分な温度に加熱される。この時点で、この実施例においてエアロゾル形成基体1010の半径方向外側領域に位置するエアロゾル形成マーカー1080もエアロゾル化する。
【0122】
エアロゾル発生装置2000は電源を有する。
図2の実施例において、電源は電池2110である。
【0123】
エアロゾル発生装置2000は、エアロゾル発生装置2000の動作を制御するための制御電子機器2120を含む。制御電子機器2120は、プロセッサまたはこれに類するものを含んでもよい。
【0124】
エアロゾル発生装置2000は、電気化学センサスイッチ2130を有する。別の実施例において、エアロゾル発生装置2000は、複数の電気化学センサスイッチを有してもよい。
図2の実施例において、電気化学センサスイッチ2130は、制御電子機器2120に動作可能に連結されている。電気化学センサスイッチ2130は、電気化学センサスイッチ2130が、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカー1080の量を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されている。
図2の実施例において、電気化学センサスイッチ2130は、第一の状態において第二の状態と異なる導電率を有する。
【0125】
制御電子機器2120は、電気化学センサスイッチ2130が第一の状態から第二の状態に変化するのに応答して、ヒーター2090を停止させるように構成されている。
【0126】
言い換えれば、制御電子装置2120は、電気化学センサスイッチ2130が、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカー1080の量を検出する時に、ヒーター2090を停止する。
【0127】
一部の実施例において、制御電子装置2120は、電気化学センサスイッチ2130が、所定の閾値量を超えるエアロゾル形成マーカー1080の量を検出する時に、ヒーター2090を停止する。一部の実施例において、制御電子装置2120は、電気化学センサスイッチ2130が、所定の閾値量を下回るエアロゾル形成マーカー1080の量を検出する時に、ヒーター2090を停止する。
【0128】
図3および
図4は、本発明によるエアロゾル発生システム300の第二の実施例を図示する。エアロゾル発生システム300は、エアロゾル発生物品3000およびエアロゾル発生装置4000を含む。
図3は、エアロゾル発生物品3000の第二の実施例を示す。
図4は、エアロゾル発生装置4000の第一の実施例の中に挿入された時の、エアロゾル発生物品3000の第二の実施例を示す。
【0129】
図3に示すエアロゾル発生物品3000は、エアロゾル形成マーカー3080の位置を除き、
図1に示すエアロゾル発生物品1000に類似している。
図1に示す第一の実施例において、エアロゾル形成マーカー1080を保存する貯蔵部は、エアロゾル発生物品1000の半径方向外側部分に位置する。対照的に、
図3に示す第二の実施例において、エアロゾル形成マーカー3080を保存する貯蔵部は、エアロゾル発生物品3000の半径方向中央部分に位置する。
【0130】
図3の実施例において、エアロゾル発生物品3000は四つの要素、すなわちエアロゾル形成基体3010、中空のセルロースアセテートチューブ3020、スペーサ要素3030、マウスピースフィルター3040を含む。四つの要素3010、3020、3030、3040は、連続的にかつ同軸整列で配設されている。四つの要素3010、3020、3030、3040は、たばこ紙3050によって組み立てられていて、エアロゾル発生物品3000を形成する。
【0131】
図3の実施例において、エアロゾル発生物品3000は、口側端3060および遠位端3070を有する。ユーザーは、使用中に口側端3060を自身の口に挿入してもよい。遠位端3070は、口側端3060に対してエアロゾル発生物品3000の反対側の端に位置する。
図3に図示するエアロゾル発生物品3000の実施例は、エアロゾル形成基体3010を加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するために特に適切である。
【0132】
一つの実施例において、組み立てられた時に、エアロゾル発生物品3000は長さ約45ミリメートルであり、約7.2ミリメートルの外径と約6.9ミリメートルの内径を有する。
【0133】
図3の実施例において、エアロゾル形成基体3010は、エアロゾル形成基体のシートを捲縮することによって作製されたプラグの形態で提供されている。シートは、プラグを形成するために、集合され、捲縮され、フィルターペーパー(図示せず)で巻かれている。
【0134】
図3に図示するエアロゾル発生物品3000の実施例は、消費されるためにエアロゾル発生装置と係合するように設計されている。こうしたエアロゾル発生装置は、エアロゾルを形成するためにエアロゾル形成基体3010を十分な温度に加熱するための手段を含む。典型的に、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体3010に隣接したエアロゾル発生物品3000を囲む発熱体、またはエアロゾル形成基体3010の中に挿入されている発熱体を備えてもよい。
【0135】
エアロゾル発生装置と係合されると、ユーザーはエアロゾル発生物品3000の口側端3060を吸い、またエアロゾル形成基体3010は摂氏約375度の温度に加熱される。この温度にて、揮発性化合物がエアロゾル形成基体3010から放出される。これらの化合物は凝縮されてエアロゾルを形成する。エアロゾルはフィルター3040を通って、ユーザーの口の中に引き出される。
【0136】
エアロゾル発生物品3000はエアロゾル形成マーカー3080を含む。エアロゾル形成マーカー3080は異性化合物であってもよい。この実施例において、エアロゾル形成マーカー3080はキシレンの異性体である。
図1に示す実施例において、エアロゾル発生物品3000は貯蔵部を有し、エアロゾル形成マーカー3080は貯蔵部に保存されている。
図3に示す実施例において、貯蔵部はカプセルである。カプセルは外殻を有する。外殻は、分解してエアロゾル形成マーカー3080を放出することができる任意の適切な材料から形成されてもよい。例えば、カプセルの外殻は、ワックスなどの熱分解性材料から形成されてもよい。
【0137】
図3の実施例において、外殻が特定の温度に加熱されている時に、外殻は熱的に分解し始め、これがエアロゾル形成マーカー3080を貯蔵部から放出する。
【0138】
エアロゾル形成マーカー3080を保存する貯蔵部は、エアロゾル発生物品3000内の任意の位置に位置してもよい。
図3の実施例において、エアロゾル形成マーカー3080を保存する貯蔵部は、エアロゾル形成基体3010内に包含されている。
【0139】
エアロゾル形成マーカー3080を保存する貯蔵部は、エアロゾル形成基体3010の少なくとも大半がエアロゾル化された後にのみ、エアロゾル形成マーカー3080がエアロゾル化されることを可能にすることができるエアロゾル形成基体3010内の位置に位置してもよい。
図3に示す実施例において、エアロゾル形成マーカー3080を保存する貯蔵部は、エアロゾル発生物品3000の半径方向中央部分に位置する。これは、以下で考察されている通り、エアロゾル発生物品3000の第二の実施例が、エアロゾル発生物品1000の外表面を部分的に囲む外部ヒーターを含むエアロゾル発生装置4000の中に挿入されるように設計されているからである。この配設において、ヒーターは、その外側からエアロゾル形成基体3010を加熱する。
【0140】
図4の実施例において、
図4に示すエアロゾル発生物品3000は、エアロゾル発生装置4000の中に挿入されている。
【0141】
図4は、エアロゾル発生装置4000の一部分のみを図示する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品4000のエアロゾル形成基体4010を加熱するためのヒーター4090を含む。
図4の実施例において、ヒーター4090は、エアロゾル発生物品3000の外側表面を部分的に囲む配設である。エアロゾル発生装置4000は、空気がエアロゾル発生物品3000の中に流れることを可能にするための一つ以上の空気穴4100を画定する。気流は、
図4において矢印で示されている。
図4のエアロゾル発生物品3000は、
図3に関して説明したものと同じである。
【0142】
エアロゾル発生物品1000の幾何学的形状およびヒーター2090の位置に起因して、エアロゾル発生物品1000がエアロゾル発生装置2000によって加熱されている時に、エアロゾル発生物品1000は、その直径にわたって温度勾配を経験する。エアロゾル発生物品1000の半径方向外側部分は、エアロゾル発生物品1000の半径方向内側部分よりも高い温度を呈する。従って、半径方向外側にあるエアロゾル形成基体1010の領域は、エアロゾル化するエアロゾル形成基体1010の第一の領域である。最終的に、エアロゾル形成基体1010の半径方向内側領域も、エアロゾル化を開始するのに十分な温度に加熱される。この時点で、この実施例においてエアロゾル形成基体1010の半径方向内側領域に位置するエアロゾル形成マーカー1080もエアロゾル化する。
【0143】
エアロゾル発生装置4000は電源を有する。
図4の実施例において、電源は電池4110である。
【0144】
エアロゾル発生装置4000は、エアロゾル発生装置4000の動作を制御するための制御電子機器4120を含む。制御電子機器4120は、プロセッサまたはこれに類するものを含んでもよい。
【0145】
エアロゾル発生装置4000は、電気化学センサスイッチ4130を有する。別の実施例において、エアロゾル発生装置4000は、複数の電気化学センサスイッチを有してもよい。
図4の実施例において、電気化学センサスイッチ4130は、制御電子機器4120に動作可能に連結されている。電気化学センサスイッチ4130は、電気化学センサスイッチ4130が、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル化したエアロゾル形成マーカー3080の量を検出する時に、第一の状態から第二の状態に変化するように構成されている。
図4の実施例において、電気化学センサスイッチ4130は、第一の状態において第二の状態と異なる導電率を有する。
【0146】
制御電子機器4120は、電気化学センサスイッチ4130が第一の状態から第二の状態に変化するのに応答して、ヒーター4090を停止させるように構成されている。
【0147】
言い換えれば、制御電子装置4120は、電気化学センサスイッチ4130が、所定の閾値量を超えるまたは下回るエアロゾル形成マーカー3080の量を検出する時に、加熱ブレード4090を停止する。
【0148】
一部の実施例において、制御電子装置4120は、電気化学センサスイッチ4130が、所定の閾値量を超えるエアロゾル形成マーカー3080の量を検出する時に、加熱ブレード4090を停止する。一部の実施例において、制御電子装置4120は、電気化学センサスイッチ4130が、所定の閾値量を下回るエアロゾル形成マーカー3080の量を検出する時に、加熱ブレード4090を停止する。
【0149】
ここで、
図1および
図2に示すエアロゾル発生システムを動作する方法の二つの実施例を、
図5および
図6を参照して説明する。
【0150】
図5に示す第一の実施例において、制御電子装置2120は、電気化学センサスイッチ2130が、所定の閾値量を超えるエアロゾル形成マーカー1080の量を検出する時に、ヒーター2090を停止させる。
【0151】
S100でユーザーは、エアロゾル発生物品1000を使用している。エアロゾル発生物品1000は、エアロゾル発生装置2000の中に挿入されていて、ヒーター2090は、エアロゾル形成基体1010を加熱していて、これがエアロゾル化を開始する。エアロゾル形成基体1010を加熱することはまた、エアロゾル形成マーカー1080を含有するカプセルを加熱する。ユーザーは、マウスピースフィルター1040を通して、発生したエアロゾルを引き出す。
【0152】
エアロゾル形成マーカー1080を含有するカプセルが十分に加熱されると、カプセルは溶融し、これはエアロゾル形成マーカー1080をエアロゾル形成基体1010の中に放出する。カプセルからのエアロゾル形成マーカー1080の放出は、エアロゾル形成マーカー1080がヒーター2090によってエアロゾル化されることを可能にする。
【0153】
電気化学センサスイッチ2130は、エアロゾル形成基体1010に近接しているため、電気化学センサスイッチ2130は、エアロゾル化されているエアロゾル形成マーカー1080に比較的に近接している。電気化学センサスイッチ2130がエアロゾル形成マーカー1080の存在を検出すると、制御電子機器2110に通知される。
【0154】
S110で制御電子機器2110は、検出されたエアロゾル形成マーカー1080の量を所定の閾値量と比較する。例えば、制御電子機器2110は、検出されたエアロゾル形成マーカー1080の濃度を所定の閾値濃度と比較してもよい。
【0155】
S120で、エアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の量が所定の閾値量よりも大きくない場合、方法はS130に進む。
【0156】
S130で制御電子機器2110は、エアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の検出量に関して、さらなる措置を取らない。
【0157】
S140で、エアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の量が所定の閾値量よりも大きい場合、方法はS140に進む。
【0158】
S150で制御電子装置2110は、ヒーターを停止させる。例えば、ヒーターは、電池2110からヒーター2090への電気供給を停止させうる。
【0159】
第一の実施例において、エアロゾル形成マーカー1080は、ユーザー経験の開始からエアロゾル化される。電気化学センサスイッチ2130によって検出されたエアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の濃度が、特定の所定の閾値を下回って低下するようにエアロゾル形成マーカー1080が枯渇すると、制御電子機器2120はヒーター2090をオフにする。
【0160】
図6に示す第二の実施例において、制御電子装置2120は、電気化学センサスイッチ2130が、所定の閾値量を下回るエアロゾル形成マーカー1080の量を検出する時に、ヒーター2090を停止させる。
【0161】
S200でユーザーは、エアロゾル発生物品1000を使用している。エアロゾル発生物品1000は、エアロゾル発生装置2000の中に挿入されていて、ヒーター2090は、エアロゾル形成基体1010を加熱していて、これがエアロゾル化を開始する。エアロゾル形成基体1010を加熱することはまた、エアロゾル形成マーカー1080を含有するカプセルを加熱する。ユーザーは、マウスピースフィルター1040を通して、発生したエアロゾルを引き出す。
【0162】
エアロゾル形成マーカー1080を含有するカプセルが十分に加熱されると、カプセルは溶融し、これはエアロゾル形成マーカー1080をエアロゾル形成基体の中に放出する。カプセルからのエアロゾル形成マーカー1080の放出は、エアロゾル形成マーカー1080がヒーター2090によってエアロゾル化されることを可能にする。
【0163】
電気化学センサスイッチ2130は、エアロゾル形成基体1010に近接しているため、電気化学センサスイッチ2130は、エアロゾル化されているエアロゾル形成マーカー1090に比較的に近接している。電気化学センサスイッチ2130がエアロゾル形成マーカー1080の存在を検出すると、制御電子機器2120に通知される。
【0164】
S210で、制御電子機器2120は、検出されたエアロゾル形成マーカー1080の量を所定の閾値量と比較する。例えば、制御電子機器2120は、検出されたエアロゾル形成マーカー1080の濃度を所定の閾値濃度と比較してもよい。
【0165】
S220で、エアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の量が所定の閾値量よりも小さくない場合、方法はS230に進む。
【0166】
S230で制御電子機器2120は、エアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の検出量に関して、さらなる措置を取らない。
【0167】
S240で、エアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の量が所定の閾値量よりも小さい場合、方法はS240に進む。
【0168】
S250で制御電子装置2120は、ヒーター2090を停止させる。例えば、ヒーターは、電池2110からヒーター2090への電気供給を停止させうる。
【0169】
第二の実施例において、エアロゾル形成マーカー1080は、ユーザー経験の開始後しばらくしてからエアロゾル化される。エアロゾル形成マーカー1080がエアロゾル化され始める正確なタイミングは、エアロゾル発生物品1000がどのように使用されているかに依存する。例えば、ユーザーがエアロゾル発生物品1000を非常に素早く使用している場合、エアロゾル形成マーカー1080は、ユーザーがエアロゾル発生物品1000をゆっくりと使用している場合よりも早くエアロゾル化を開始する。エアロゾル形成マーカー1080のエアロゾル化は、ユーザーによるエアロゾル発生物品1000の実際の使用の指標を提供しうる。電気化学センサスイッチ2130によって検出されたエアロゾル化されたエアロゾル形成マーカー1080の濃度が、特定の所定の閾値を超えて増加する程度までエアロゾル形成マーカー1080がエアロゾル化されると、制御電子機器2120はヒーター2090をオフにする。
【0170】
図5に関して記載された方法の第一の実施例は、
図6に関して記載された方法と同じ利点を有してもよい。
【0171】
有利なことに、上記の配設で、エアロゾル発生装置2000は、エアロゾル形成基体1010が枯渇した時に、エアロゾル発生物品1000の加熱を自動的に停止しうる。これは、エアロゾル化するためのエアロゾル形成基体1010がもはや残されていない時に、電池2110がヒーター2090への電力供給を停止することができるため、電池2110のより効果的なエネルギー管理につながりうる。
【0172】
有利なことに、上記の配設で、枯渇したエアロゾル形成基体1010でエアロゾル発生物品1000の発生をユーザーが試みることができないため、より一貫性があり満足のいくユーザー体験がユーザーに提供されうる。
【0173】
上述の実施例は、特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。上述の例示的な実施例と一貫性のある他の実施例は、当業者に明らかになる。一つの実施例に関して記載された特徴はまた、他の実施例にも適用可能であってもよい。
【国際調査報告】