(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20231214BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20231214BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231214BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535409
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2021084446
(87)【国際公開番号】W WO2022128583
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルベス
(72)【発明者】
【氏名】オリアナ ヴァレリオ
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ボンジョヴァンニ ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】ベダッソ ベケレ アレム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC32
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(200)で使用するためのカートリッジ(100)が提供される。カートリッジ(100)は、装置(200)と係合可能、かつ装置(200)から係脱可能である。カートリッジ(100)は、マウスピース(102)およびハウジング(104)を備える。ハウジング(104)は、サセプタ材料を含み、エアロゾル形成基体を受容するための空洞(106)を画定する。カートリッジ(100)はまた、排出器(108)を含む。排出器(108)の一部分は、空洞(106)からエアロゾル形成基体を排出するように、空洞(106)内でスライド可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジであって、前記装置と係合可能、かつ前記装置から係脱可能であり、
マウスピースと、
サセプタ材料を含むハウジングであって、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する、ハウジングと、
排出器であって、エアロゾル形成基体を前記空洞から排出するように、前記排出器の一部分が前記空洞内でスライド可能である、排出器と、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記ハウジングが、軸方向の空気吸込み口、第一の半径方向の空気吸込み口、および前記軸方向の空気吸込み口と前記第一の半径方向の空気吸込み口との下流の空気出口、を画定する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ハウジングが、第二の半径方向の空気吸込み口を画定し、前記第二の半径方向の空気吸込み口が、前記ハウジングに軸方向に沿って前記第一の半径方向の空気吸込み口から離間している、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第一の半径方向の空気吸込み口が、前記ハウジング内に第一の環状の通気性バンドを形成する第一の複数の穴を備え、前記第二の半径方向の空気吸込み口が、前記ハウジング内に第二の環状の通気性バンドを形成する第二の複数の穴を備え、前記第二の環状の通気性バンドが、前記ハウジングに軸方向に沿って前記第一の通気性バンドから離間している、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第一の通気性バンドが、それを通る気流に対する第一の透過性を有し、前記第二の通気性バンドが、それを通る気流に対する第二の透過性を有し、前記第一の透過性が前記第二の透過性とは異なる、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
使用時に、空気が前記ハウジングを通り、次いで前記マウスピースを通って流れるように、気流路が前記マウスピースを通って画定され、前記マウスピースが、収縮ゾーンおよび拡張ゾーンを含み、前記収縮ゾーンが前記マウスピースを通る気流を収縮させ、前記拡張ゾーンが前記マウスピース内の前記気流の拡張を可能にする、請求項1~5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
使用時に、前記排出器が、前記空洞内に挿入されたエアロゾル形成基体の停止部として作用する、請求項1~6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記ハウジングに沿って軸方向に延在するスロットを備え、前記スロットが、エアロゾル形成基体が前記ハウジングの前記空洞の内側に位置されているかどうかをユーザーが判定することを可能にするためのものである、請求項1~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記排出器が、前記スロットに結合している、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジが、熱起動される機械的係止機構の係止構成要素を含み、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置と係合するとき、前記係止機構が、前記係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される、請求項1~9のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記係止構成要素が、熱膨張構成要素を含み、前記熱膨張構成要素が、加熱されたときに膨張して前記エアロゾル発生装置の係合構成要素と係合し、前記エアロゾル発生装置から前記カートリッジが係脱しにくくするように構成される、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
エアロゾル発生装置および請求項1~11のいずれかに記載のカートリッジを備える、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置が、前記カートリッジの前記サセプタ材料を誘導加熱するように構成される、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置が、前記カートリッジを受容するためのチャンバ、前記チャンバの第一の部分の周りに位置付けられる第一のインダクタコイル、および前記チャンバの第二の部分の周りに位置付けられる第二のインダクタコイルを備え、前記チャンバの前記第二の部分が、前記チャンバに沿って前記チャンバの前記第一の部分から軸方向に離間している、請求項12または13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記第一のインダクタコイルが第一の電源に電気的に接続され、前記第二のインダクタコイルが、前記第一の電源とは別の第二の電源に電気的に接続される、請求項14に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジに関する。本開示はまた、エアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置は、当業界で知られている。こうした周知の装置は、基体の燃焼ではなく、基体への熱の適用を通して基体からエアロゾルを発生しうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の構成要素部分として存在してもよく、この場合において当該物品は、エアロゾル発生装置から物理的に分離している。使用時に、カートリッジは、エアロゾル発生物品を保持してもよく、エアロゾル発生装置は、カートリッジと係合してもよい。使用時に、装置は、熱源からエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体への熱の伝達を可能にする電力を提供しうる。このような周知のエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物は冷却とともに凝結し、消費者が吸い込むエアロゾルを形成する。本開示は、エアロゾル発生装置で使用するための改善されたカートリッジを提供することに関する。
【0003】
一部のエアロゾル発生システムの使用中、それらのシステムのカートリッジは、接触するには不快に暖かい温度に達する場合がある。本開示はまた、触れると不快に暖かい場合があるカートリッジにユーザーが触れることに関連する問題の軽減にも関係している。
【発明の概要】
【0004】
本開示によると、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、装置と係合可能、かつ装置から係脱可能であってもよい。すなわち、カートリッジは、可逆的に、または取り外し可能に装置と係合可能であってもよい。カートリッジはマウスピースを備えてもよい。カートリッジはハウジングを備えてもよい。ハウジングは、サセプタ材料を含みうる。ハウジングは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含む消耗品を受容するための空洞を画定しうる。カートリッジは、排出器を備えてもよい。排出器の一部分は、空洞内でスライド可能であってもよい。排出器の一部分は、エアロゾル形成基体または消耗品を空洞から排出するように、空洞内でスライド可能であってもよい。
【0005】
本開示の第一の態様によると、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、装置と係合可能、かつ装置から係脱可能である。カートリッジは、マウスピースおよびハウジングを備える。ハウジングは、サセプタ材料を含み、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含む消耗品を受容するための空洞を画定する。カートリッジはまた、エアロゾル形成基体または消耗品を空洞から排出するように、その一部分が空洞内でスライド可能である排出器も備える。
【0006】
使用時に、ユーザーは、エアロゾル形成基体を含む消耗品をカートリッジの空洞内に挿入してもよい。次に、ユーザーは、カートリッジをエアロゾル発生装置と係合させてもよい。次いで、装置は、ハウジングのサセプタ材料を誘導加熱して、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成してもよい。この加熱が発生する一方で、ユーザーは、カートリッジのマウスピースをパフして、形成されたエアロゾルを口または肺に引き込むことができる。
【0007】
有利なことに、マウスピースを備えるカートリッジは、ユーザーが、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル形成基体を含む消耗品を、直接パフする必要がないことを意味する場合がある。これは、一部のユーザーには好ましい場合がある。
【0008】
有利なことに、サセプタ材料を含むカートリッジハウジングは、エアロゾル形成基体が誘導加熱されうることを意味する場合がある。これは、抵抗加熱よりも好ましい場合がある。なぜなら、場合によっては、抵抗加熱は抵抗発熱体よりもむしろ電気接点を加熱して電気エネルギーを無駄にするため、より低効率であるからである。
【0009】
有利なことに、排出器は、ユーザーが、消耗品に接触する必要なく、エアロゾル形成基体を含む消耗品を排出することを可能にしうる。
【0010】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、気体中の固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴との組み合わせの分散を指す。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温において通常は液体または固体である物質の蒸気だけでなく、固体微粒子もしくは液滴、または固体微粒子と液滴との組み合わせも含んでもよい。
【0011】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。
【0012】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。
【0013】
エアロゾル形成基体は固体成分および液体成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、液体、ゲル、またはペーストのエアロゾル形成基体であってもよい。
【0014】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートの形態を取ってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で、担体の表面上に沈着されうる。エアロゾル形成基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用中、均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0015】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含みうる。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含んでもよい。たばこ含有材料は、揮発性たばこ風味化合物を含有してもよい。これらの化合物は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出されうる。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および、風味剤などの成分を含んでもよい。
【0016】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。本明細書で使用する用語「均質化したたばこ材料」は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を指す。
【0017】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用する用語「シート」は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状要素を指す。本明細書で使用する用語「集められた」は、巻き込まれ、折り畳まれ、またはそれ以外では、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横断方向に圧縮され、または収縮されるシートを記述するために使用される。
【0018】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用する用語「エアロゾル形成体」は、使用時に、エアロゾルの形成を容易にする、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。好適なエアロゾル形成体は、当技術分野で周知であるが、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、トリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくは、グリセリン)またはその混合物である。
【0019】
エアロゾル形成基体は、単一のエアロゾル形成体を含みうる。例えば、エアロゾル形成基体は、唯一のエアロゾル形成体としてのグリセリン、または唯一のエアロゾル形成体としてのプロピレングリコールを含んでもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含みうる。例えば、エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体成分は、グリセリンおよびプロピレングリコールであってもよい。
【0020】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」または「消耗品」という用語は、エアロゾル形成基体を含む、またはそれから成る物品を指す。エアロゾル発生物品または消耗品は、エアロゾル形成基体に加えて成分を含みうる。エアロゾル発生物品または消耗品は、喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品または消耗品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接的に吸入可能なエアロゾルを発生してもよい。エアロゾル発生物品または消耗品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接的に吸入可能なニコチン含有エアロゾルを発生させる喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品または消耗品は、ロッドの形態でありうる。
【0021】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、またはエアロゾル形成基体もしくはエアロゾル発生物品を保持するカートリッジと相互作用して、エアロゾルを発生してもよい。エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を容易にしうる。エアロゾル発生装置は、電気的に作動するエアロゾル発生装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「軸」および「長軸方向の」は、エアロゾル発生装置、カートリッジまたはエアロゾル発生物品などの構成要素の下流、近位または口側の端と、構成要素の対向する上流または遠位端との間の方向を記述するために使用される。
【0023】
本明細書に使用される場合、「半径方向」および「横断方向」という用語は、長軸方向に対して垂直な方向を記述するために使用される。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「長さ」は、エアロゾル発生装置、カートリッジまたはエアロゾル発生物品などの構成要素の遠位または上流端と、構成要素の対向する上流または遠位端との間の最大の長軸方向の寸法を記述するために使用される。
【0025】
本明細書で使用される「幅」という用語は、構成要素、例えばエアロゾル発生装置、カートリッジ、またはエアロゾル発生物品の横断方向の寸法を記述するために使用される。
【0026】
本明細書で使用される「直径」という用語は、構成要素、例えばエアロゾル発生装置、カートリッジ、またはエアロゾル発生物品の最大の横断方向の寸法を記述するために使用される。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「熱起動係止機構」は、温度変化、例えば、温度上昇に応答して自動的に動作する係止機構を指すために使用される。
【0028】
カートリッジハウジングは、軸方向の空気吸込み口を画定しうる。軸方向の空気吸込み口は、空気が軸方向にハウジング内に流れることを可能にしうる。ハウジングは空気出口を画定してもよい。空気出口は、軸方向の空気吸込み口の下流であってもよい。空気出口は、軸方向の空気出口であってもよい。空気出口は、空気が軸方向にハウジングの外へ流れることを可能にしうる。ハウジングは、軸方向の空気吸込み口から空気出口へ第一の気流路を画定してもよい。有利なことに、軸方向の空気吸込み口および軸方向の空気出口は、軸方向の気流が通るように構成された消耗品、例えば、軸端部で、周囲に不透過性バリアを有する、透過性バリアを有する、またはバリアを有さない消耗品と共に、カートリッジを使用することを可能にしうる。
【0029】
カートリッジのハウジングは、近位または下流の端部、および遠位または上流の端部を有してもよい。ハウジングは、部分的または完全に中空の管であってもよく、またはこれを含んでもよい。管は、近位または下流の端部と、遠位または上流の端部との間に画定されてもよい。管は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定しうる。
【0030】
カートリッジ空洞は、消耗品を受容するのに好適でありうる。上述のように、用語「消耗品」は、エアロゾル形成基体を含む、またはそれから成る物品を指しうる。空洞は、複数の消耗品を受容するのに好適でありうる。有利なことに、複数の消耗品を保持する能力によって、ユーザーは、異なる風味の複数の消耗品を使用することによって、その経験をカスタマイズすることができる。
【0031】
各消耗品は、上流端と下流端との間の軸方向にわたる長さを有してもよい。各消耗品は、横断方向にわたる直径を有してもよい。空洞は、複数の消耗品を、空洞内で軸方向に配置されるように受容するのに好適でありうる。空洞は、空洞内に受容された第一の消耗品の上流端が、空洞内に受容された第二の消耗品の下流端に隣接して、および任意選択的には当接して位置するように、複数の消耗品を受容するのに好適でありうる。さらに、空洞内に受容された第二の消耗品の上流端は、空洞内に受容された第三の消耗品の下流端に隣接して、および任意選択的には当接して位置してもよい。空洞は、空洞内に受容された第一の消耗品が、空洞内に受容された第二の消耗品の完全に下流であるように、複数の消耗品を受容するのに好適でありうる。さらに、空洞内に受容された第二の消耗品は、空洞内に受容された第三の消耗品の完全に下流であってもよい。有利なことに、空洞内でのこの配置を可能にすることが、空洞内の異なる風味の消耗品の異なる順序を使用することによってユーザーがその経験をカスタマイズすることを可能にしうる。
【0032】
空洞は、空洞内に受容された一つ以上の消耗品を確実に保持するように構成されうる。例えば、空洞は、干渉嵌合または摩擦嵌合を使用して、空洞内に受容された一つ以上の消耗品を確実に保持するようにサイズ設定されてもよい。有利なことに、これにより、空洞内に消耗品を確実に保持するための別個の機構の必要性が取り除かれうる。
【0033】
カートリッジハウジングは、第一の半径方向の空気吸込み口を画定しうる。第一の半径方向の空気吸込み口は、空気出口の上流であってもよい。第一の半径方向の空気吸込み口は、軸方向の空気吸込み口の下流であってもよい。第二の気流路は、第一の半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定されうる。第一の半径方向の空気吸込み口は、空気が半径方向にハウジング内に流れることを可能にしうる。
【0034】
カートリッジハウジングは、第二の半径方向の空気吸込み口を画定しうる。第二の半径方向の空気吸込み口は、空気出口の上流であってもよい。第二の半径方向の空気吸込み口は、第一の半径方向の空気吸込み口からハウジングに沿って軸方向に離間していてもよい。第二の半径方向の空気吸込み口は、第一の半径方向の空気吸込み口の下流であってもよい。第三の気流路は、第二の半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定されうる。第二の半径方向の空気吸込み口は、空気が半径方向にハウジング内に流れることを可能にしうる。
【0035】
カートリッジハウジングは、第三の半径方向の空気吸込み口を画定しうる。第三の半径方向の空気吸込み口は、空気出口の上流であってもよい。第三の半径方向の空気吸込み口は、第一および第二の半径方向の空気吸込み口からハウジングに沿って軸方向に離間していてもよい。第三の半径方向の空気吸込み口は、第二の半径方向の空気吸込み口の下流であってもよい。第四の気流路は、第三の半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定されうる。第三の半径方向の空気吸込み口は、空気が半径方向にハウジング内に流れることを可能にしうる。
【0036】
第一の半径方向の空気吸込み口は、空洞内に受容された第一の消耗品と整列するように位置付けられてもよい。使用時に、空気は、第一の半径方向の空気吸込み口を通って流れ、次に、第一の消耗品を通って、例えば、第一の消耗品の透過性の外側部分、または周縁部分を通って流れてもよい。次に、空気はハウジングを通って軸方向に流れうる。第二の消耗品が空洞内に受容される場合、空気は、第一の消耗品を通って流れた後、第二の消耗品を通って軸方向に流れてもよい。第三の消耗品もまた空洞内に受容される場合、空気は、第二の消耗品を通って流れた後、第三の消耗品を通って軸方向に流れてもよい。
【0037】
第二の半径方向の空気吸込み口は、空洞内に受容された第二の消耗品と整列するように位置付けられてもよい。使用時に、空気は、第二の半径方向の空気吸込み口を通って流れ、次に、第二の消耗品を通って、例えば、第二の消耗品の透過性の外側部分、または周縁部分を通って流れてもよい。次に、空気はハウジングを通って軸方向に流れうる。第三の消耗品もまた空洞内に受容される場合、空気は、第二の消耗品を通って流れた後、第三の消耗品を通って軸方向に流れてもよい。
【0038】
第三の半径方向の空気吸込み口は、空洞内に受容された第三の消耗品と整列するように位置付けられてもよい。使用時に、空気は、第三の半径方向の空気吸込み口を通って流れ、次に、第三の消耗品を通って、例えば、第三の消耗品の透過性の外側部分、または周縁部分を通って流れてもよい。次に、空気はハウジングを通って軸方向に流れうる。
【0039】
有利なことに、この方法での半径方向の空気吸込み口の使用は、新鮮な空気が消耗品のそれぞれを通って流れうるため、ユーザー経験を向上させることができる。対照的に、軸方向の空気吸込み口のみが存在する場合、第二の消耗品を通って流れる空気は、この空気が既に第一の消耗品を通って流れているため、新鮮ではない場合がある。この文脈では、用語「新鮮な空気」は、まだ消耗品を通って流れていない空気を指すために使用される。
【0040】
カートリッジハウジングは、軸方向の空気吸込み口および一つ以上の半径方向の空気吸込み口の両方を画定しうる。例えば、ハウジングは、軸方向の空気吸込み口、および第一、第二、および第三の半径方向の空気吸込み口の任意の一つ、二つ、またはすべてを画定することができる。第一、第二、および第三の半径方向の空気吸込み口の任意の一つ、二つ、またはすべては、軸方向の空気吸込み口の下流に位置してもよい。空気出口は、軸方向の空気吸込み口および半径方向の空気吸込み口の下流であってもよい。軸方向の空気吸込み口から空気出口への気流路は、第一、第二、または第三の空気吸込み口から空気出口への気流路の任意の一つ、二つ、またはすべてと合流してもよい。有利なことに、軸方向の空気吸込み口および半径方向の空気吸込み口の包含は、より大きな空気の流量をハウジング内に許容することによって、カートリッジの引き出し抵抗を低減しうる。有利なことに、これはまた、カートリッジをより多様な消耗品と共に使用することを可能にしうる。これは、カートリッジが、それを通る軸方向の気流を意図した消耗品、およびそれを通る半径方向の気流を意図した消耗品の使用に適している場合があるからである。
【0041】
第一、第二、および第三の半径方向の空気吸込み口の任意の一つ、二つ、またはすべては、ハウジングの通気性部分によって形成されうる。したがって、第一の半径方向の空気吸込み口は、ハウジングの第一の通気性部分によって形成されてもよい。第二の半径方向の空気吸込み口は、ハウジングの第二の通気性部分によって形成されてもよい。第三の半径方向の空気吸込み口は、ハウジングの第三の通気性部分によって形成されてもよい。
【0042】
ハウジングの第一、第二、および第三の通気性部分の任意の一つ、二つ、またはすべては、一つ以上の多孔性材料、および複数のスリットなどの複数の穴を含みうる。
【0043】
ハウジングの第一、第二、および第三の通気性部分の任意の一つ、二つ、またはすべては、40%~95%、または50%~90%、または60%~80%の空隙率を有してもよい。この文脈では、用語「空隙率」は、ハウジングの壁を通る自由空間の面積による尺度として使用されうる。したがって、通気性部分が固体材料によって囲まれた複数の穴を備える場合、穴によって形成される通気性部分の断面積の割合は、40%~95%、または50%~90%、または60%~80%でありうる(残りの60%~5%、または50%~10%、または40%~20%は固体材料によって形成される)。有利なことに、これらの空隙率の範囲は、適切な量の空気がカートリッジを通って流れることを可能にすること、通気性部分の近くのハウジングのサセプタ材料の適切なレベルの加熱を可能にすること、カートリッジを通る最適な引き出し抵抗を提供すること、およびハウジングの構造的な完全性を維持することを含む、いくつかのファクターの間に最適なコンプライズ(comprise)を提供しうる。
【0044】
第一の通気性部分は、ハウジング内に第一の環状または実質的に環状の通気性バンドを備えてもよい。第一の環状の通気性バンドは、ハウジング内に第一の複数の穴を備えてもよい。
【0045】
第二の通気性部分は、ハウジング内に第二の環状または実質的に環状の通気性バンドを備えてもよい。第二の環状の通気性バンドは、ハウジング内に第二の複数の穴を備えてもよい。第二の環状の通気性バンドは、第一の環状の通気性バンドからハウジングに沿って軸方向に離間していてもよい。
【0046】
第三の通気性部分は、ハウジング内に第三の環状または実質的に環状の通気性バンドを備えてもよい。第三の環状の通気性バンドは、ハウジング内に第三の複数の穴を備えてもよい。第三の環状の通気性バンドは、第一、および第二の環状の通気性バンドからハウジングに沿って軸方向に離間していてもよい。
【0047】
第一の通気性バンドは、それを通る気流に対する第一の透過性を有してもよい。第二の通気性バンドは、それを通る気流に対する第二の透過性を有してもよい。第三の通気性バンドは、それを通る気流に対する第三の透過性を有してもよい。第一の透過性は、第二の透過性とは異なってもよい。第一の透過性は、第三の透過性とは異なってもよい。第二の透過性は、第三の透過性とは異なってもよい。第一の通気性バンド、第二の通気性バンド、および第三の通気性バンドはすべて異なる透過性を有してもよい。
【0048】
有利なことに、これらの異なる透過性によって、ユーザーは、通気性バンドを通る空気の予想される流量に基づいて、カートリッジ内で消耗品をどこに位置させるかを決定することによって、その経験をカスタマイズすることができる。例えば、ユーザーが特定の消耗品に存在する風味を最大化することを望む場合、この消耗品は、最も高い透過性を有する通気性バンドと整列するように、空洞内に受容されうる。
【0049】
ハウジングの第一、第二、および第三の環状の通気性バンドの任意の一つ、二つ、またはすべては、ハウジングの周囲の少なくとも50、60、70、80、または90%の周りに延在しうる。したがって、当然のことながら、環状の通気性バンドは、ハウジングの周囲全体または周辺に延在しうるが、必ずしも必要ではない。
【0050】
カートリッジは、カートリッジのサセプタ材料を誘導加熱するように構成されたエアロゾル発生装置で使用可能であってもよい。例えば、カートリッジは、例えば、インダクタコイルなどのインダクタを含むエアロゾル発生装置と共に使用されるように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源は、インダクタが変動する電磁場を発生するように、交流電流をインダクタに通過させるように構成されうる。装置は、カートリッジが変動する電磁場内に位置されうるように構成されてもよい。交流電流は、高周波の交流電流としうる。これは、次いで、サセプタ材料内に渦電流およびヒステリシス損失を発生しうる。これは、サセプタ材料を加熱しうる。したがって、電源およびインダクタは、サセプタ材料を誘導加熱するように構成されうる。
【0051】
サセプタ材料は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料であってもよく、またはこれを含んでもよい。好ましいサセプタ材料は摂氏50、100、150、200、250、300、350、または400度を超える温度に加熱されてもよい。好ましいサセプタ材料は、金属、または炭素、または金属と炭素の両方を含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性の鋼もしくはステンレス鋼を含んでもよい。好適なサセプタ材料は、グラファイト、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、およびアルミニウムのうちの一つ以上でありうるか、またはこれを含みうる。好ましいサセプタ材料は、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼を含んでもよく、またはこれらから形成されてもよい。特に好ましいサセプタ材料は、強磁性合金、例えば、カートリッジまたはシステムの動作条件下で腐食しない強磁性合金であってもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および電界強度を有する電磁場内に置かれたときに、異なる量のエネルギーを散逸させる。こうして、材料のタイプ、サイズなどのサセプタ材料のパラメータは、周知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0052】
サセプタ材料は、ハウジングの50、60、70、または80重量%超を構成しうる。ハウジングは、サセプタ材料から成るか、またはサセプタ材料から形成されてもよい。有利なことに、サセプタ材料から形成されるハウジングの割合が高くなると、誘導加熱エアロゾル発生システムでのハウジングの誘導加熱がより大きくなる場合がある。
【0053】
ハウジングは、ハウジング構成要素を含みうる。サセプタ材料は、ハウジング構成要素の表面、例えば、ハウジング構成要素の内部表面上に位置してもよい。サセプタ材料は、ハウジング構成要素の表面、例えば、ハウジング構成要素の内部表面に適用された被覆であってもよい。サセプタ材料は、空洞の少なくとも一部分を画定しうる。有利なことに、ハウジング構成要素の内部表面上に位置するサセプタ材料は、使用時に空洞内に受容される消耗品のより大きな加熱をもたらしうる。
【0054】
サセプタ材料は、使用時に空洞内の消耗品またはエアロゾル形成基体と接触しうる。有利なことに、これは、使用中の消耗品またはエアロゾル形成基体への、サセプタ材料からのより効率的な熱伝達をもたらしうる。
【0055】
空洞は、20mm~100mmの長さを有してもよい。空洞は、少なくとも20、30、40、または50ミリメートルの長さを有してもよい。空洞は、100、80、または60ミリメートル未満の長さを有してもよい。空洞は、3mm~30mmの幅を有してもよい。空洞は、少なくとも3、5、または10ミリメートルの幅を有してもよい。空洞は、30、20、または15ミリメートル未満の幅を有してもよい。空洞は、実質的に円筒形の形状、例えば、実質的に直円筒形の形状であってもよい。空洞は、円形の横断断面、または楕円形の横断断面、または多角形の横断断面を有してもよい。
【0056】
マウスピースは再利用可能であってもよい。マウスピースは、ポリマーを含んでもよく、またはポリマーから形成されてもよい。カートリッジは再利用可能であってもよい。有利なことに、再利用可能なカートリッジは、使い捨てカートリッジよりも環境にやさしい場合がある。
【0057】
気流路は、マウスピースを通して画定されてもよい。使用時に、空気はハウジングを通って、次いでマウスピースを通って流れてもよい。
【0058】
マウスピースは、収縮ゾーンを備えてもよく、収縮ゾーンは、使用中のマウスピースを通る空気の流れを収縮する。
【0059】
マウスピースは、収縮ゾーンの下流に拡張ゾーンを備えてもよく、拡張ゾーンは、使用中のマウスピース内の空気の流れの拡張を可能にする。
【0060】
マウスピースは、拡張ゾーンの下流に第二の収縮ゾーンを備えてもよく、第二の収縮ゾーンは、使用時にマウスピースを通る気流を収縮する。
【0061】
マウスピースは、第二の収縮ゾーンの下流に第二の拡張ゾーンを備えてもよく、第二の拡張ゾーンは、使用時にマウスピース内の気流の拡張を可能にする。
【0062】
有利なことに、マウスピースにおける一つ以上の収縮ゾーン、または一つ以上の拡張ゾーン、または一つ以上の収縮ゾーンと一つ以上の拡張ゾーンとの使用は、ユーザーへの送達前にエアロゾルの混合を強化するために使用されうる。さらに、マウスピースにおける一つ以上の収縮または拡張ゾーンの使用は、ユーザーへの送達前にエアロゾルを冷却するために使用されうる。
【0063】
排出器は、カートリッジのハウジングに結合されてもよい。排出器は、ハウジングに対して軸方向にスライド可能であってもよい。排出器は、ハウジング上の第一の軸方向位置から、ハウジング上の第二の軸方向位置へ、ハウジングに対して軸方向にスライド可能であってもよい。第一の軸方向位置は、第二の軸方向位置よりもマウスピースに近い場合がある。排出器は、空洞からエアロゾル形成基体を排出するように、第一の軸方向位置から第二の軸方向位置へスライド可能であってもよい。
【0064】
排出器は、第一の軸方向位置および第二の軸方向位置のうちの一つまたは各々で一時的に固定可能であってもよい。例えば、排出器上の突起部は、第一の軸方向位置におけるハウジング上の対応する第一の陥凹部にスナップ嵌合しうる。同様に、排出器上の突起部は、第二の軸方向位置におけるハウジング上の対応する第二の陥凹部にスナップ嵌合しうる。有利なことに、これにより、重力の作用下で排出器が自由にスライドすることを防止しうる。
【0065】
排出器は、ばねなどの付勢手段によって、第一の軸方向位置および第二の軸方向位置のうちの一つに向かって付勢されてもよい。
【0066】
排出器の第二の部分は、ハウジングの外側に位置してもよい。排出器は、ボタン部分を備えてもよい。ボタン部分は、ハウジングの外側に位置してもよい。使用時に、ユーザーはボタン部分を係合させて、排出器をハウジングに対してスライドさせてもよい。有利なことに、これは排出器の使用を単純化しうる。
【0067】
使用時に、空洞内に挿入される消耗品は、排出器に当接しうる。例えば、空洞内に挿入される消耗品の下流端は、排出器に当接しうる。排出器は、空洞内に挿入された消耗品の停止部として作用しうる。排出器は、第一の軸方向位置で停止部として作用しうる。この意味で、排出器は有利にも、空洞内に受容された消耗品を位置付けるために使用されうる。例えば、排出器は、消耗品が、例えばハウジング内の第一の半径方向の空気吸込み口などの半径方向の入口、または例えばハウジング内の第一の環状の通気性バンドなどの通気性バンドと整列するように、消耗品を位置付けるために使用されうる。
【0068】
ハウジングは、ハウジングに沿って軸方向に延在するスロットを備えてもよい。スロットは、少なくとも0.5、1、または1.5ミリメートルの幅を有してもよい。スロットは、少なくとも20、30、または40ミリメートルの長さを有してもよい。スロットは、ハウジングの長さの少なくとも30、50、または70%に沿って延在してもよい。スロットにより、エアロゾル形成基体がハウジングの空洞の内側に位置しうるかどうかを、ユーザーが判定することができる。有利なことに、これにより、ユーザーは、消耗品がもしあったとして、空洞内にいくつの消耗品が受容されているかを、排出器を使用する必要なく判断することができる。
【0069】
排出器は、スロットに結合されてもよい。排出器は、ハウジングから空洞内に受容された消耗品を排出するように、例えば第一の軸方向位置と第二の軸方向位置との間で、スロットに沿って軸方向にスライド可能であってもよい。
【0070】
カートリッジは、熱起動される機械的係止機構の機械的係止構成要素を含んでもよい。係止機構は、機能するためにいかなる電子機器も必要としない場合がある。機械的係止構成要素は、カートリッジの一部分の温度に基づいて起動および停止しうる。有利なことに、これは、信頼性の高い係止機構を提供しうる。
【0071】
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超えた場合にカートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成されうる。有利なことに、これは、カートリッジの一部分が高温である間、ユーザーがカートリッジをエアロゾル発生装置から係脱することを防止しうる。
【0072】
係止構成要素は、熱膨張構成要素を含んでもよく、熱膨張構成要素は、加熱されたときに膨張または屈曲するように構成される。カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は、エアロゾル発生装置からカートリッジが係脱しにくくするために、加熱されたときに膨張または屈曲してエアロゾル発生装置の係合構成要素と係合するように構成されうる。有利なことに、これは、カートリッジの一部分が高温である間、ユーザーがカートリッジをエアロゾル発生装置から係脱することを防止しうる。
【0073】
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の使用中に膨張または屈曲するように構成されうる。
【0074】
本開示の第二の態様によると、エアロゾル発生システムが提供される。システムは、エアロゾル発生装置と、カートリッジとを備える。カートリッジは、本開示の第一の態様に関連して上で説明されたようなカートリッジでありうる。したがって、第一の態様のカートリッジに関連して上で説明される特徴のうちのいずれかが、第二の態様のシステムのカートリッジに適用可能である場合がある。同様に、第二の態様のシステムのカートリッジに関連して下で説明される特徴のうちのいずれかが、第一の態様のカートリッジに適用可能である場合がある。
【0075】
エアロゾル発生装置は、空気吸込み口を備えてもよい。カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、気流路は、装置の空気吸込み口とカートリッジの空気吸込み口の任意の一つ、二つ、三つ、またはすべてとの間に形成されうる。したがって、使用時に、空気は、装置の空気吸込み口を通って、その後、カートリッジの一つ以上の空気吸込み口を通って流れてもよい。
【0076】
エアロゾル発生装置は、カートリッジのサセプタ材料を誘導加熱するように構成されてもよい。
【0077】
エアロゾル発生装置は、誘導コイルなどのインダクタを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源は、インダクタが変動する、または振動する電磁場を発生するように、交流電流をインダクタに通過させるように構成されうる。
【0078】
交流電流は、任意の好適な周波数を有しうる。交流電流は、高周波の交流電流としうる。交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。インダクタが管状インダクタコイルである場合、交流電流は、500キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数を有しうる。インダクタが平坦なインダクタコイルである場合、交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数を有しうる。
【0079】
使用時に、カートリッジのサセプタ材料は、インダクタによって生成される電磁場内に配置されてもよく、またはそうでなければ、電磁場に供されてもよい。これは、サセプタ材料内に渦電流およびヒステリシス損失を発生しうる。これは、サセプタ材料を加熱しうる。したがって、電源およびインダクタは、サセプタ材料を誘導加熱するように構成されうる。これは、使用時の空洞内に受容された消耗品を加熱してもよく、その結果、エアロゾルを発生しうる。
【0080】
サセプタ材料は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料であってもよく、またはこれを含んでもよい。好ましいサセプタ材料は摂氏50、100、150、200、250、300、350、または400度を超える温度に加熱されてもよい。好ましいサセプタ材料は、金属、または炭素、または金属と炭素の両方を含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性の鋼もしくはステンレス鋼を含んでもよい。好適なサセプタ素子は、グラファイト、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、およびアルミニウムのうちの一つ以上であってもよいか、またはこれを含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼を含んでもよく、またはこれらから形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および電界強度を有する電磁場内に置かれたときに、異なる量のエネルギーを散逸させる。こうして、材料のタイプ、サイズなどのサセプタ材料のパラメータは、周知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0081】
有利なことに、誘導加熱を使用するエアロゾル発生システムでは、電気抵抗性のある発熱体とエアロゾル発生装置との間に電気接点を形成する必要はない。さらに、誘導加熱は、抵抗加熱と比較して、改善されたエネルギー変換を提供しうる。これは、誘導加熱は、電気抵抗性のある発熱体と電源との間の接続において電気抵抗に関連する電力損失を有しない場合があるためである。
【0082】
エアロゾル発生装置は、カートリッジを受容するためのチャンバを備えうる。チャンバは、カートリッジのハウジングの長さの少なくとも一部分に適合するように、軸方向に延在してもよい。
【0083】
装置は第一のインダクタコイルを含んでもよい。第一のインダクタコイルは、チャンバの第一の部分の周りに、または隣接して位置付けられてもよい。エアロゾル発生装置は、第二のインダクタコイルを含んでもよい。第二のインダクタコイルは、チャンバの第二の部分の周りに、または隣接して位置付けられてもよい。チャンバの第二の部分は、チャンバに軸方向に沿って第一の部分から離間してもよい。有利なことに、チャンバに沿って軸方向に離間した二つのインダクタコイルの使用は、カートリッジのサセプタ材料の不均一な加熱を可能にしうる。例えば、第一と第二のインダクタコイルは、異なるコイル厚、コイル断面形状、コイル断面積、もしくはコイルを形成する異なる曲率半径を有してもよく、または異なる交流電流を第一と第二のインダクタコイルに適用しうる。これらの変数を調整することは、有利には、カートリッジの異なる部分の加熱を調整することを可能にしうる。
【0084】
第一の態様のカートリッジに関連して上述したように、カートリッジの空洞は、第一の消耗品および第二の消耗品を受容および位置付けするのに好適でありうる。カートリッジのハウジングは、第一の部分を備えてもよい。カートリッジのハウジングは、第二の部分を備えてもよい。第一の消耗品は、カートリッジのハウジングの第一の部分に配置可能であってもよい。第二の消耗品は、カートリッジのハウジングの第二の部分に配置可能であってもよい。カートリッジのハウジングの第一の部分は、第一の半径方向の空気吸込み口または第一の通気性バンドを含みうる。カートリッジのハウジングの第二の部分は、第二の半径方向の空気吸込み口または第二の通気性バンドを含みうる。
【0085】
カートリッジがチャンバ内に受容されるとき、カートリッジのハウジングの第一の部分は、チャンバの第一の部分と整列しうる。カートリッジが装置のチャンバ内に受容されるとき、またはさもなければカートリッジが装置と係合するとき、第一のインダクタコイルは、カートリッジのハウジングの第一の部分と空洞内に受容される第一の消耗品との一方または両方に整列しうる。
【0086】
カートリッジがチャンバ内に受容されるとき、カートリッジのハウジングの第二の部分は、チャンバの第二の部分と整列しうる。カートリッジが装置のチャンバ内に受容されるとき、またはさもなければカートリッジが装置と係合するとき、第二のコイルは、カートリッジのハウジングの第二の部分と空洞内に受容される第二の消耗品との一方または両方に整列しうる。
【0087】
有利なことに、これは、第一および第二の消耗品の加熱を個別に調整することを可能にしうる。例えば、これにより、一方の消耗品の周りのサセプタ材料を他方の消耗品の周りのサセプタ材料よりも高温に加熱することによって、第一および第二の消耗品のうちの一方を、他方の消耗品よりも高温に加熱することができる。
【0088】
第二のインダクタコイルは、チャンバの第一の部分の周りに、または隣接して位置付けられてもよい。第二のインダクタコイルは、第一のインダクタコイルから半径方向に離間してもよい。第二のインダクタコイルは、第一のインダクタコイルを少なくとも部分的に取り囲むか、または第一のインダクタコイルによって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。
【0089】
第一のインダクタコイルおよび第二のインダクタコイルは独立して動作可能でありうる。使用時に、装置は、第一の交流電流を第一のインダクタコイルに流し、同時に第二の交流電流を、第一の交流電流とは異なり、第二のインダクタコイルに流すことができる。第一のインダクタコイルは、第一の電源に電気的に接続されてもよい。第二のインダクタコイルは、第二の電源に電気的に接続されてもよい。第二の電源は、第一の電源とは別のものであってもよい。有利なことに、これは、第一および第二のインダクタコイルの独立した動作を可能にしうる。
【0090】
本開示によると、カートリッジと、第一の態様に関連して上述した第一、第二、および第三の消耗品のうちの任意の一つ、二つ、またはすべてなどの消耗品または消耗品のセットとを含むシステムが提供される。カートリッジは、第一の態様のカートリッジの特徴のうちのいずれかを含みうる。カートリッジは、第一の態様のカートリッジであってもよい。
【0091】
カートリッジは、少なくとも二つの消耗品を、例えばカートリッジの空洞内に前述の消耗品を受け取ることによって、保持するように構成されうる。カートリッジは、上述のように、第一の消耗品が第一の半径方向の空気吸込み口と整列するように、例えば摩擦嵌合を使用して、第一の消耗品を保持するように構成されうる。カートリッジは、上述のように、第二の消耗品が第二の半径方向の空気吸込み口と整列するように、例えば摩擦嵌合を使用して、第二の消耗品を保持するように構成されうる。カートリッジは、上述のように、第三の消耗品が第三の半径方向の空気吸込み口と整列するように、例えば摩擦嵌合を使用して、第三の消耗品を保持するように構成されうる。
【0092】
本開示によると、エアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生システムに関連して上で説明される特徴のうちのいずれかを含みうる。例えば、このシステムは、第二の態様によるシステムの特徴のうちのいずれかを含んでもよい。システムは、エアロゾル発生装置を備えうる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置に関連して上で説明される特徴のうちのいずれかを含みうる。システムは、エアロゾル発生装置と係合可能、かつエアロゾル発生装置から係脱可能なカートリッジを備えてもよい。カートリッジは、カートリッジに関連して上で説明される特徴のうちのいずれかを含みうる。例えば、このカートリッジは、第一の態様によるカートリッジの特徴のいずれかを含む。システムは、係止機構を備えてもよい。係止機構は、熱起動係止機構であってもよい。係止機構は、機械的係止機構であってもよい。係止機構は、熱起動される機械的係止機構であってもよい。カートリッジが装置と係合するとき、係止機構はカートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成されうる。カートリッジが装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成されうる。
【0093】
本開示の第三の態様によると、エアロゾル発生システムが提供される。システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置と係合可能、かつエアロゾル発生装置から係脱可能なカートリッジとを備える。システムは、熱起動される機械的係止機構を含む。カートリッジが装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される。
【0094】
有利なことに、係止機構は、カートリッジの一部分がまだ高温のままである間、ユーザーがカートリッジをエアロゾル発生装置から係脱させることを防止しうるか、または少なくとも係脱させにくくしうる。これにより、接触するには不快に高温でありうるカートリッジの一部分に、ユーザーが接触する可能性を低減することができる。
【0095】
有利なことに、係止機構が熱起動係止機構であるということは、係止機構が熱に応答して自動的に起動されることを意味しうる。
【0096】
エアロゾル発生システムに関連して上で説明される特徴のすべては、第三の態様のエアロゾル発生システムに適用可能でありうる。例えば、第三の態様のシステムは、第二の態様のシステムの特徴のうちのいずれかを含んでもよい。エアロゾル発生装置に関連して上で説明される特徴のすべては、第三の態様のエアロゾル発生装置に適用可能でありうる。カートリッジに関連して上で説明される特徴のすべては、第三の態様のカートリッジに適用可能でありうる。例えば、第三の態様のカートリッジは、第一の態様のカートリッジの特徴のうちのいずれかを含みうる。
【0097】
係止機構は、機能するために電気を必要としない場合がある。係止機構は、いかなる電気構成要素も含まない場合がある。係止機構は、非電気構成要素から成ってもよい。有利なことに、これは、より信頼性の高い係止機構をもたらしうる。
【0098】
係止機構は、熱膨張構成要素を備えてもよい。熱膨張構成要素は、加熱されたときに膨張または屈曲するように構成されうる。カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は装置の使用中に加熱され、エアロゾルを発生しうる。熱膨張構成要素は、加熱されたときに膨張または屈曲して係合構成要素と係合するように構成されうる。カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は、エアロゾル発生装置からカートリッジが係脱しにくくするために、加熱されたときに膨張または屈曲して係合構成要素と係合するように構成されうる。カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は、膨張または屈曲して係合構成要素と係合するために、かつエアロゾル発生装置からカートリッジが係脱しにくくするために、エアロゾルを発生するための装置の使用中に加熱されるように構成されうる。
【0099】
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の使用中に、所与の方向に少なくとも0.1、0.5、1、2、または3mm膨張または屈曲するように構成されうる。有利なことに、このレベルの膨張は、ユーザーが装置の使用中または使用直後にカートリッジを装置から係脱させるのを防止するか、または強固に係脱させにくくするために、熱膨張構成要素と係合構成要素との間の十分な係合を可能にしうる。
【0100】
係合構成要素は、陥凹部であってもよい。陥凹部は、熱膨張構成要素が膨張したときに、熱膨張構成要素の少なくとも一部分を受容するように構成されてもよい。カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は、加熱されたときに膨張または屈曲して、陥凹部内に突出するかまたは陥凹部によって受容されるように、構成されうる。有利なことに、熱膨張構成要素と陥凹部との間の相互作用は、エアロゾル発生装置からカートリッジが係脱しにくくするための単純で信頼できる方法を提供しうる。
【0101】
カートリッジは、熱膨張構成要素を含んでもよい。エアロゾル発生装置は、熱膨張構成要素を含んでもよい。カートリッジは、係合構成要素を含んでもよい。エアロゾル発生装置は、係合構成要素を含んでもよい。
【0102】
カートリッジおよびエアロゾル発生装置のうちの一方は、熱膨張構成要素を含んでもよく、カートリッジおよびエアロゾル発生装置のうちの他方は、係合構成要素を含んでもよい。したがって、カートリッジは熱膨張構成要素を含んでもよく、エアロゾル発生装置は、係合構成要素を含んでもよい。あるいは、エアロゾル発生装置が熱膨張構成要素を含んでもよく、カートリッジが係合構成要素を含んでもよい。
【0103】
カートリッジが係合構成要素、例えば、陥凹部を含む場合、係合構成要素は、カートリッジの外周全体にわたって延在しうる。装置が係合構成要素、例えば、陥凹部を含む場合、係合構成要素は、カートリッジの外周全体にわたって延在しうる。有利なことに、これは、カートリッジが装置と係合しているときに、装置に対するカートリッジの配向に関係なく、係止機構が動作可能であることを意味する。
【0104】
例えば、装置は、カートリッジの少なくとも一部分を受容するためのチャンバを備えうる。係合構成要素は、陥凹部であってもよく、カートリッジの外周またはチャンバの内周にぐるりと延在してもよい。熱膨張構成要素は、カートリッジの外周またはチャンバの内周の他方に位置してもよい。したがって、装置に対するカートリッジの配向に関係なく、カートリッジがチャンバ内に受容され、熱膨張構成要素が加熱されると、熱膨張構成要素は係合構成要素と係合し、装置からカートリッジが係脱されにくくしうる。
【0105】
カートリッジおよび装置は、カートリッジがある特定の配向のみか、または複数の特定の配向のうちの一つで装置と係合可能であるように、構成されうる。例えば、カートリッジおよび装置のチャンバは、カートリッジがある特定の配向のみか、または複数の特定の配向のうちの一つでチャンバ内に受容可能であるように、形作られてもよく、または「キー付け」されてもよい。
【0106】
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素は、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生システムの使用中に膨張するように構成されうる。有利なことに、これは、装置の使用中または使用直後にカートリッジが使用でまだ高温のままであるとき、カートリッジが装置から係脱しにくくする係止機構をもたらしうる。
【0107】
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超えた場合にカートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成されうる。所定の温度は、少なくとも摂氏50、60、または65度でありうる。所定の温度は、摂氏90、80、または70度未満であってもよい。所定の温度は、摂氏60~90度、または摂氏60~70度、または摂氏65~70度であってもよい。有利なことに、これは、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生システムの使用中に係止機構が起動されることを意味しうる。
【0108】
第一の態様のカートリッジを参照して説明するように、カートリッジは誘導加熱されるように構成されてもよい。カートリッジのハウジングは、サセプタ材料を含んでもよい。熱膨張構成要素は、サセプタ材料を含んでもよい。熱膨張構成要素は、誘導加熱されるように構成される。有利なことに、これは、システムがエアロゾルを発生させるために使用されるとき、熱膨張構成要素が係止機構を起動させるのに十分な温度に加熱されることを確実にしうる。
【0109】
カートリッジは、熱膨張構成要素を含んでもよい。カートリッジのハウジングは、熱膨張構成要素を含んでもよい。熱膨張構成要素は、カートリッジのハウジング上、またはそれと接触して位置してもよい。熱膨張構成要素は、カートリッジのハウジングと熱的接触してもよい。カートリッジは、カートリッジ、例えば、カートリッジのハウジング、またはカートリッジのサセプタ材料からの熱が、使用時に熱膨張構成要素に伝導されて熱膨張構成要素を加熱するように、構成されてもよい。有利なことに、これは、カートリッジeのハウジングが加熱されるたびに、熱膨張構成要素が加熱されることを確実にする信頼できる方法を提供しうる。これにより、カートリッジが加熱されたときに係止機構が起動されない可能性を低減しうる。
【0110】
熱膨張構成要素は、サセプタ材料、例えば、カートリッジのハウジングを参照して上に列挙された任意の材料または材料の組み合わせを含みうる。
【0111】
熱膨張構成要素は、材料の細片を含んでもよい。材料の細片は、カートリッジの外部表面上に位置してもよい。材料の細片は、装置のチャンバの内部表面上に位置してもよい。材料の細片は、二つの端部でカートリッジまたは装置に固定されてもよい。材料の細片は、二つの端部の間でカートリッジまたは装置に固定されなくてもよい。加熱されると、材料の細片は、カートリッジの外部表面から、または装置のチャンバの内部表面から外向きに膨張および屈曲または撓むように構成されうる。加熱されると、二つの端部の間の材料の細片の中央部分は、カートリッジの外部表面から、または装置のチャンバの内部表面から外向きに撓むように構成されうる。加熱されると、材料の細片は、材料の細片の曲率半径が減少するように膨張するように構成されうる。有利なことに、この配置は、温度の所与の増大に対して、半径方向への熱膨張構成要素の膨張を最大化しうる。これにより、より安全に、カートリッジを装置と係合させて「係止」することができる。
【0112】
材料の細片は、サセプタ材料、例えば、カートリッジのハウジングを参照して上に列挙された任意の材料または材料の組み合わせを含みうる。有利なことに、これは、例えば、エアロゾルを発生させるシステムの使用中に、材料の細片を誘導加熱することを可能にしうる。
【0113】
熱膨張構成要素は、1、2、4、6、8、10、15、または20マイクロメートル/メートル・ケルビンを超える室温での熱膨張の線形係数を有する材料を含みうる。
【0114】
熱膨張構成要素は、バイメタル部分を含んでもよい。バイメタル部分は、第二の金属細片の上部に位置する第一の金属細片を含みうる。第一の金属細片は、上述の材料の細片の特徴のいずれかを含んでもよく、またはその細片であってもよい。加熱されると、第一の金属細片は、第二の金属細片から突出するように膨張するように構成されうる。有利なことに、この配置は、温度の所与の増大に対して、熱膨張構成要素の膨張を最大化しうる。
【0115】
第二の金属細片は、システムのカートリッジのハウジングの一部であってもよい。第二の金属細片は、サセプタ材料を含みうる。第二の金属細片は、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生システムの使用中に誘導加熱されてもよい。第一の金属細片は、サセプタ材料を含みうる。第一の金属細片は、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生システムの使用中に誘導加熱されてもよい。有利なことに、これは、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生システムの使用中に係止機構が起動されることを意味しうる。
【0116】
第一の金属細片は、第一の金属細片の二つの端部で、第二の金属細片に取り付けられうる。第一の金属細片は、第一の金属細片の二つの端部の間で、第二の金属細片に固定されなくてもよい。加熱されると、第一の金属細片は膨張して、第二の金属細片から外向きに撓むように構成されうる。加熱されると、第一の金属細片の中央部分(それの二つの端部の間の一部分)は、第二の金属細片から外向きに撓むように構成されうる。加熱されると、第一の金属細片は、第一の金属細片の中央部分の曲率半径が減少するように膨張するように構成されうる。有利なことに、この配置は、温度の所与の増大に対して、半径方向への熱膨張構成要素の膨張を最大化しうる。これにより、より安全に、カートリッジを装置と係合させて「係止」することができる。
【0117】
本開示によると、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、エアロゾル発生装置と係合可能、かつエアロゾル発生装置から係脱可能であってもよい。カートリッジは、熱起動される機械的係止機構の機械的係止構成要素を含んでもよい。カートリッジが装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成されうる。
【0118】
本開示の第四の態様によれば、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジが提供され、カートリッジは、エアロゾル発生装置と係合可能であり、かつエアロゾル発生装置から係脱可能である。カートリッジは熱起動される機械的係止機構の機械的係止構成要素を含み、カートリッジが装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成されうる。
【0119】
有利なことに、係止機構は、カートリッジの一部分がまだ高温のままである間、ユーザーがカートリッジをエアロゾル発生装置から係脱させることを防止しうるか、または少なくとも係脱させにくくしうる。これにより、接触するには不快に高温でありうるカートリッジの一部分に、ユーザーが接触する可能性を低減することができる。
【0120】
有利なことに、係止機構が熱起動係止機構であるということは、係止機構が熱に応答して自動的に起動されることを意味しうる。
【0121】
カートリッジに関連して上で説明される特徴のすべては、第四の態様のカートリッジに適用可能でありうる。例えば、第四の態様のカートリッジは、第一の態様のカートリッジの特徴のうちのいずれか、および第三の態様のシステムのカートリッジの特徴のうちのいずれかを含んでもよい。カートリッジは、第三の態様のシステムのカートリッジであってもよい。
【0122】
係止機構は、機能するために電気を必要としない場合がある。係止機構は、いかなる電気構成要素も含まない場合がある。係止機構は、非電気構成要素から成ってもよい。有利なことに、これは、より信頼性の高い係止機構をもたらしうる。
【0123】
機械的係止構成要素は、熱膨張構成要素を含んでもよく、または熱膨張構成要素であってもよい。機械的係止構成要素は、係合構成要素を含んでもよく、または係合構成要素であってもよい。
【0124】
機械的係止構成要素が熱膨張構成要素を含む、または熱膨張構成要素である場合、係止構成要素は、例えば第三の態様を参照して説明されるように、装置の係合構成要素と係合するように構成されうる。機械的係止構成要素が係合構成要素を含む、または係合構成要素である場合、係止構成要素は、例えば第三の態様を参照して説明されるように、装置の熱膨張構成要素と係合するように構成されうる。
【0125】
本開示によると、エアロゾル発生装置が提供される。装置は、カートリッジ、例えば第四の態様のカートリッジと係合、かつ当該カートリッジから係脱するように構成されてもよい。装置は、熱起動される機械的係止機構の機械的係止構成要素を含んでもよい。カートリッジが装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成されうる。
【0126】
本開示の第五の態様によると、エアロゾル発生装置が提供される。装置は、カートリッジ、例えば第四の態様のカートリッジと係合、かつ当該カートリッジから係脱するように構成される。装置は、熱起動される機械的係止機構の機械的係止構成要素を含む。カートリッジが装置と係合するとき、係止機構は、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される。
【0127】
有利なことに、係止機構は、カートリッジの一部分がまだ高温のままである間、ユーザーがカートリッジをエアロゾル発生装置から係脱させることを防止しうるか、または少なくとも係脱させにくくしうる。これにより、接触するには不快に高温でありうるカートリッジの一部分に、ユーザーが接触する可能性を低減することができる。
【0128】
有利なことに、係止機構が熱起動係止機構であるということは、係止機構が熱に応答して自動的に起動されることを意味しうる。
【0129】
エアロゾル発生装置に関連して上で説明される特徴のすべては、第五の態様のエアロゾル発生装置に適用可能でありうる。例えば、第五の態様のエアロゾル発生装置は、第三の態様のシステムのエアロゾル発生装置の特徴のうちのいずれかを含んでもよい。第五の態様のエアロゾル発生装置は、第三の態様のシステムのエアロゾル発生装置であってもよい。
【0130】
係止機構は、機能するために電気を必要としない場合がある。係止機構は、いかなる電気構成要素も含まない場合がある。係止機構は、非電気構成要素から成ってもよい。有利なことに、これは、より信頼性の高い係止機構をもたらしうる。
【0131】
機械的係止構成要素は、熱膨張構成要素を含んでもよく、または熱膨張構成要素であってもよい。機械的係止構成要素は、係合構成要素を含んでもよく、または係合構成要素であってもよい。
【0132】
機械的係止構成要素が熱膨張構成要素を含む、または熱膨張構成要素である場合、係止構成要素は、例えば第三の態様を参照して説明されるように、カートリッジの係合構成要素と係合するように構成されうる。機械的係止構成要素が係合構成要素を含む、または係合構成要素である場合、係止構成要素は、例えば第三の態様を参照して説明されるように、カートリッジの熱膨張構成要素と係合するように構成されうる。
【0133】
本発明は、特許請求の範囲に定義される。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の特徴うちのいずれか一つ以上と組み合わされうる。
【0134】
実施例1
エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジであって、装置と係合可能、かつ装置から係脱可能であり、
マウスピースと、
サセプタ材料を含むハウジングであって、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する、ハウジングと、
排出器であって、エアロゾル形成基体を空洞から排出するように、排出器の一部分が空洞内でスライド可能である、排出器と、を備える、カートリッジ。
実施例2
ハウジングが、軸方向の空気吸込み口および軸方向の空気吸込み口の下流の空気出口を画定し、第一の気流路が、軸方向の空気吸込み口から空気出口まで画定される、実施例1に記載のカートリッジ。
実施例3
ハウジングが、第一の半径方向の空気吸込み口および半径方向の空気吸込み口の下流の空気出口を画定し、第二の気流路が、半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定される、実施例1に記載のカートリッジ。
実施例4
ハウジングが、軸方向の空気吸込み口、第一の半径方向の空気吸込み口、および軸方向の空気吸込み口と第一の半径方向の空気吸込み口との下流の空気出口を画定し、第一の気流路が、軸方向の空気吸込み口から空気出口まで画定され、第二の気流路が、第一の半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定される、実施例1に記載のカートリッジ。
実施例5
第一の半径方向の空気吸込み口が、軸方向の空気吸込み口の下流に位置する、実施例4に記載のカートリッジ。
実施例6
第一の半径方向の空気吸込み口が、ハウジングの第一の通気性部分によって形成される、実施例3、4、または5のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例7
ハウジングの第一の通気性部分が、一つ以上の多孔性材料、複数のスリット、および複数の穴を含む、実施例6に記載のカートリッジ。
実施例8
ハウジングの第一の通気性部分が、40%~95%の空隙率を有する、実施例7に記載のカートリッジ。
実施例9
ハウジングが第二の半径方向の空気吸込み口を画定し、第二の半径方向の空気吸込み口がハウジングに軸方向に沿って第一の半径方向の空気吸込み口から離間している、実施例3~8のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例10
第一の半径方向の空気吸込み口が、ハウジング内に第一の環状の通気性バンドを形成する第一の複数の穴を含む、実施例3~9のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例11
第一の半径方向の空気吸込み口が、ハウジング内に第一の環状の通気性バンドを形成する第一の複数の穴を備え、第二の半径方向の空気吸込み口が、ハウジング内に第二の環状の通気性バンドを形成する第二の複数の穴を備え、第二の環状の通気性バンドが、ハウジングに軸方向に沿って第一の通気性バンドから離間している、実施例9に記載のカートリッジ。
実施例12
第一の通気性バンドが、それを通る気流に対する第一の透過性を有し、第二の通気性バンドが、それを通る気流に対する第二の透過性を有し、第一の透過性が第二の透過性とは異なる、実施例11に記載のカートリッジ。
実施例13
ハウジングがサセプタ材料で形成される、実施例1~12のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例14
ハウジングがハウジング構成要素を備え、サセプタ材料がハウジング構成要素の表面に適用された被覆である、実施例1~13のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例15
被覆がハウジング構成要素の内部表面に適用され、被覆が空洞の少なくとも一部分を画定する、実施例14に記載のカートリッジ。
実施例16
サセプタ材料が、使用時に空洞内のエアロゾル形成基体と接触する、実施例1~15のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例17
サセプタ材料が、鉄、鋼、およびアルミニウムのうちの一つ以上であるか、または鉄、鋼、およびアルミニウムのうちの一つ以上を含む、実施例1~16のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例18
空洞が少なくとも20、30、40、または50ミリメートルの長さを有する、実施例1~17のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例19
空洞が100、80、または60ミリメートル未満の長さを有する、実施例1~18のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例20
空洞が少なくとも3、5、または10ミリメートルの幅を有する、実施例1~19のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例21
空洞が30、20、または15ミリメートル未満の幅を有する、実施例1~20のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例22
空洞が、実質的に直円筒形状である、実施例1~21のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例23
使用時に空気がハウジングを通り、次いでマウスピースを通って流れるように、気流路がマウスピースを通って画定される、実施例1~22のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例24
マウスピースが収縮ゾーンを備え、収縮ゾーンが、使用時にマウスピースを通る気流を収縮する、実施例23に記載のカートリッジ。
実施例25
マウスピースが、収縮ゾーンの下流に拡張ゾーンを備え、拡張ゾーンは、使用時にマウスピース内の気流の拡張を可能にする、実施例24に記載のカートリッジ。
実施例26
マウスピースが、拡張ゾーンの下流に第二の収縮ゾーンを備え、第二の収縮ゾーンが、使用時にマウスピースを通る気流を収縮する、実施例25に記載のカートリッジ。
実施例27
マウスピースが、第二の収縮ゾーンの下流に第二の拡張ゾーンを備え、第二の拡張ゾーンは、使用時にマウスピース内の気流の拡張を可能にする、実施例26に記載のカートリッジ。
実施例28
排出器が、ハウジングに結合している、実施例1~27のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例29
排出器が、ハウジング上の第一の軸方向位置から、ハウジング上の第二の軸方向位置へ軸方向にスライド可能な、実施例1~28のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例30
排出器が、空洞からエアロゾル形成基体を排出するように、第一の軸方向位置から第二の軸方向位置へスライド可能である、実施例29に記載のカートリッジ。
実施例31
使用時に、排出器が、空洞内に挿入されたエアロゾル形成基体の停止部として作用する、実施例1~30のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例32
使用時に、排出器が、空洞内に挿入されたエアロゾル形成基体の、第一の軸方向位置における停止部として作用する、実施例29または30に記載のカートリッジ。
実施例33
排出器の第二の部分が、ハウジングの外側に位置している、実施例1~32のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例34
ハウジングが、ハウジングに沿って軸方向に延在するスロットを備える、実施例1~33のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例35
スロットが少なくとも0.5ミリメートルの幅を有する、実施例34に記載のカートリッジ。
実施例36
スロットが少なくとも20ミリメートルの長さを有する、実施例34または35に記載のカートリッジ。
実施例37
スロットが、ハウジングの長さの少なくとも50%に延在する、実施例34~36のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例38
スロットが、エアロゾル形成基体がハウジングの空洞の内側に位置しているかどうかをユーザーが判定することを可能にするためにある、実施例34~37のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例39
排出器が、スロットに結合している、実施例34~38のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例40
排出器がスロットに沿って軸方向にスライド可能である、実施例39に記載のカートリッジ。
実施例41
カートリッジが、熱起動される機械的係止機構の係止構成要素を含む、実施例1~40のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例42
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、係止機構が、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される、実施例41に記載のカートリッジ。
実施例43
係止構成要素が、熱膨張構成要素を含み、熱膨張構成要素が、加熱されたときに膨張するように構成される、実施例41または42に記載のカートリッジ。
実施例44
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素が、エアロゾル発生装置からカートリッジが係脱しにくくするために、加熱されたときに膨張してエアロゾル発生装置の係合構成要素と係合するように構成される、実施例43に記載のカートリッジ。
実施例45
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素が、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の使用中に膨張するように構成される、実施例43または44に記載のカートリッジ。
実施例46
エアロゾル発生装置および実施例1~45のいずれかに記載のカートリッジを備える、エアロゾル発生システム。
実施例47
エアロゾル発生装置が、カートリッジのサセプタ材料を誘導加熱するように構成される、実施例46に記載のエアロゾル発生システム。
実施例48
エアロゾル発生装置が、カートリッジを受容するためのチャンバと、チャンバの第一の部分の周りに位置付けられた第一のインダクタコイルとを含む、実施例47に記載のエアロゾル発生システム。
実施例49
エアロゾル発生装置が第二のインダクタコイルを含む、実施例48に記載のエアロゾル発生システム。
実施例50
第二のインダクタコイルが、チャンバの第二の部分の周りに位置付けられ、チャンバの第二の部分が、チャンバに軸方向に沿って第一の部分から離間している、実施例49に記載のエアロゾル発生システム。
実施例51
カートリッジが装置のチャンバ内に受容されるとき、第一のインダクタコイルが第一のエアロゾル形成基体と実質的に整列し、第二のコイルが第二のエアロゾル形成基体と実質的に整列するように、カートリッジの空洞が、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体を受容および位置付けするためのものである、実施例50に記載のエアロゾル発生システム。
実施例52
カートリッジのハウジングが第一の半径方向の空気吸込み口および第二の半径方向の空気吸込み口を画定し、カートリッジが装置のチャンバ内に受容されるとき、第一のインダクタコイルが第一の半径方向の空気吸込み口と実質的に整列し、第二のコイルが第二の半径方向の空気吸込み口と実質的に整列するように、第二の半径方向の空気吸込み口がハウジングに軸方向に沿って、半径方向の空気吸込み口から離間している、実施例51に記載のエアロゾル発生システム。
実施例53
第二のインダクタコイルが、チャンバの第一の部分の周りに位置付けられている、実施例49に記載のエアロゾル発生システム。
実施例54
第二のインダクタコイルが、第一のインダクタコイルから半径方向に離間している、実施例53に記載のエアロゾル発生システム。
実施例55
第一のインダクタコイルと第二のインダクタコイルとは、独立して動作可能であり、例えば、第一のインダクタコイルは第一の電源に電気的に接続され、第二のインダクタコイルは第一の電源とは別の第二の電源に電気的に接続される、実施例49~54のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
実施例56
エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置と係合可能、かつエアロゾル発生装置から係脱可能であるカートリッジと、を備える、エアロゾル発生システムであって、
熱起動される機械的係止機構を備え、
カートリッジが装置と係合するとき、係止機構が、係止機構の一部分の温度が所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される、エアロゾル発生システム。
実施例57
係止機構が、熱膨張構成要素を含み、熱膨張構成要素が、加熱されたときに膨張するように構成される、実施例56に記載のエアロゾル発生システム。
実施例58
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素が、エアロゾル発生装置からカートリッジが係脱しにくくするために、加熱されたときに膨張して係合構成要素と係合するように構成される、実施例57に記載のエアロゾル発生システム。
実施例59
係合構成要素が陥凹部であり、カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、陥凹部が、熱膨張構成要素が膨張した時に熱膨張構成要素の一部分を受容するように構成される、実施例58に記載のエアロゾル発生システム。
実施例60
熱膨張構成要素が、カートリッジおよびエアロゾル発生装置のうちの一方の上に位置し、係合構成要素が、カートリッジおよびエアロゾル発生装置のうちの他方の上に位置する、実施例58または59に記載のエアロゾル発生システム。
実施例61
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、熱膨張構成要素が、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システムの使用中に膨張するように構成される、実施例57~60のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
実施例62
カートリッジがエアロゾル発生装置と係合するとき、係止機構が、係止機構の一部分の温度が摂氏50、60、65、または70度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される、実施例56~61のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
実施例63
熱膨張構成要素が金属を含む、実施例57~62のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
実施例64
熱膨張構成要素がバイメタル部分を含む、実施例63に記載のエアロゾル発生システム。
実施例65
バイメタル部分が、第二の金属細片の上部に位置する第一の金属細片を含む、実施例64に記載のエアロゾル発生システム。
実施例66
加熱されると第一の金属細片が膨張して、第二の金属細片から突出し、任意選択的に、第一の金属細片の一部分と第二の金属細片との間の空間を形成するか、または空間のサイズを増やすように、構成される、実施例65に記載のエアロゾル発生システム。
実施例67
第二の金属細片が、システムのカートリッジのハウジングの一部である、実施例65または66に記載のエアロゾル発生システム。
実施例68
第一の金属細片および第二の金属細片の一方または両方が、サセプタ材料を含む、実施例67に記載のエアロゾル発生システム。
実施例69
第一の金属細片および第二の金属細片の一方または両方が、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生システムの使用中に誘導加熱される、実施例68に記載のエアロゾル発生システム。
実施例70
エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジであって、エアロゾル発生装置と係合可能、かつエアロゾル発生装置から係脱可能であり、
熱起動される機械的係止機構の機械的係止構成要素を含み、
ここで、カートリッジが装置と係合するとき、係止機構が、係止機構の一部分の温度が摂氏50、60、65、または70度などの所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される、カートリッジ。
実施例71
エアロゾル発生装置であって、カートリッジと係合、かつ当該カートリッジから係脱するように構成され、
熱起動される機械的係止機構の機械的係止構成要素を含み、
ここで、カートリッジが装置と係合するとき、係止機構が、係止機構の一部分の温度が摂氏50、60、65、または70度などの所定の温度を超える場合に、カートリッジがエアロゾル発生装置から係脱しにくくするように構成される、エアロゾル発生装置。
【0135】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【
図1】
図1は、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジの斜視図を示す。
【
図3】
図3は、
図1のカートリッジで使用するためのエアロゾル発生装置の斜視図を示し、この図は、装置の内部構成要素を示す。
【
図4】
図4は、
図1および2のカートリッジ、ならびに
図3の装置を備えるエアロゾル発生システムの斜視図を示し、この図は、システムの内部構成要素を示す。
【
図5】
図5は、使用前に
図3の装置と係合したときの、
図1のカートリッジの斜視図、およびカートリッジの一部分の断面図を示す。
【
図6】
図6は、使用中に
図3の装置と係合したときの、
図1のカートリッジの斜視図、およびカートリッジの一部分の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0137】
図1および2はそれぞれ、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジ100の斜視図および断面図を示す。カートリッジ100は、エアロゾル発生装置と係合可能、かつエアロゾル発生装置から係脱可能である。カートリッジ100は、ポリマー材料から形成される再利用可能なマウスピース102を含む。カートリッジ100はまた、サセプタ材料から形成されるハウジング104を含む。特定の実施形態では、サセプタ材料はステンレス鋼であってもよい。ハウジング104は、消耗品またはエアロゾル形成基体を受容するための空洞106を画定する。カートリッジ100はまた、排出器108を含む。排出器108の一部分は、空洞106からエアロゾル形成基体を排出するように、空洞106内でスライド可能である。
【0138】
空洞106は、複数の消耗品を受容することができる。
図2では、カートリッジ100が、空洞106内に受容された第一の消耗品110、第二の消耗品112、および第三の消耗品114とともに示されている。各消耗品はエアロゾル形成基体を含む。一つ以上の消耗品はまた、風味剤等を含んでもよい。
【0139】
ハウジング104は、端の開いた管の形態である。ハウジング104は、軸方向の空気吸込み口116、第一の半径方向の空気吸込み口118、第二の半径方向の空気吸込み口120、および第三の半径方向の空気吸込み口122を含む。ハウジング104はまた、マウスピース102と流体連通する軸方向の空気出口124を画定する。
【0140】
使用時に、ユーザーは所望の消耗品を空洞106内に挿入する。これらの消耗品は、摩擦または干渉、嵌合を使用して空洞106内に保持される。次に、カートリッジは、エアロゾル発生装置と係合される。具体的には、カートリッジ100は、エアロゾル発生装置のチャンバ内に受容され、ハウジングのサセプタ材料は、ユーザーがマウスピース102で吸入すると、エアロゾル発生装置によって誘導加熱される。サセプタ材料の加熱は、消耗品110、112、114を加熱してエアロゾルを生成する。空気は、エアロゾル発生装置の空気吸込み口を通って流れ、次に、カートリッジ100の軸方向の空気吸込み口116、および第一、第二および第三の半径方向の空気吸込み口118、120、122のそれぞれを通って流れる。この空気は、消耗品を通って流れ、消耗品を加熱することから形成されるエアロゾルをハウジング104の空気出口124へと運び、次いでマウスピース102を通ってユーザーに送達される。
【0141】
第一の半径方向の空気吸込み口118は、ハウジングの第一の通気性部分によって形成される。ハウジングの第一の通気性部分は、複数の穴を含む。この複数の穴は、ハウジング内に第一の環状の通気性バンドを形成する。ハウジングの第一の通気性部分は、約50%の空隙率を有する。すなわち、第一の環状の通気性バンドの断面の約50%は、ハウジングの固体材料によって構成され、約50%は穴によって構成されている。
【0142】
第二の半径方向の空気吸込み口120は、第一の半径方向の空気吸込み口118からハウジング104に沿って軸方向に離間している。第二の半径方向の空気吸込み口120は、第一の半径方向の空気吸込み口118の下流に効果的に位置する。すなわち、軸方向の空気吸込み口116から軸方向の空気出口124までのハウジングを通る軸方向の気流路を考慮するとき、第二の半径方向の空気吸込み口120を通る気流は、第一の半径方向の空気吸込み口118を通る気流がこの軸方向の気流路と合流するところから下流で、この軸方向の気流路に合流する。第二の半径方向の空気吸込み口120は、ハウジングの第二の通気性部分によって形成される。ハウジングの第二の通気性部分は、複数のスリットを含む。この複数のスリットは、ハウジング内に第二の環状の通気性バンドを形成する。ハウジングの第二の通気性部分は、約65%の空隙率を有する。
【0143】
第三の半径方向の空気吸込み口122は、第二の半径方向の空気吸込み口120からハウジング104に沿って軸方向に離間している。第三の半径方向の空気吸込み口122は、第二の半径方向の空気吸込み口120の下流に効果的に位置する。第三の半径方向の空気吸込み口122は、ハウジングの第三の通気性部分によって形成される。ハウジングの第三の通気性部分は、複数のスリットを含む。この複数のスリットは、ハウジング内に第三の環状の通気性バンドを形成する。ハウジングの第三の通気性部分は、約80%の空隙率を有する。
【0144】
第一、第二、および第三の環状の通気性バンドの異なる空隙率は、第一、第二、および第三の環状の通気性バンドに、使用時にそれを通る気流に対する異なる透過性を与える。この実施形態では、異なる透過性は、異なる形状の穴およびスリットを使用して生成されるが、異なる透過性は、通気性バンドの穴またはスリットの数および間隔を調整することによって同様に生成されうる。
【0145】
ハウジング104は、サセプタ材料から形成される。この実施形態では、ハウジングはステンレス鋼から形成されるが、任意の適切なサセプタ材料が使用されうる。
【0146】
空洞106は、実質的に直円柱の形状であり、約50ミリメートルの長さ、および約15ミリメートルの直径または幅を有する。
【0147】
使用時に空気がハウジング104を通り、次いでマウスピース102を通って流れるように、気流路がマウスピース102を通って画定される。マウスピースは、第一の収縮ゾーン126、第一の収縮ゾーン126の下流の第一の拡張ゾーン128、第一の拡張ゾーン128の下流の第二の収縮ゾーン130、および第二の収縮ゾーン130の下流の第二の拡張ゾーン132を含む。使用時に、収縮ゾーン126、130は、マウスピース102を通る気流を収縮させ、拡張ゾーン128、132は、マウスピース102内の気流の拡張を可能にする。収縮ゾーンおよび拡張ゾーンは、ユーザーに送達される前にエアロゾルを混合および冷却するのに役立つ。
【0148】
排出器108は、ハウジング104に結合される。具体的には、排出器108は、ハウジング104に軸方向に沿って延在するスロット134に結合される。ユーザーが消耗品に触れる必要なく、空洞106内に受容された任意の消耗品を空洞106から排出するように、排出器108は、ハウジング104上の第一の軸方向位置136から軸方向に、ハウジング104上の第二の軸方向位置138までスライド可能である(これは
図1および2に示されている)。排出器108の一部分は、ユーザーがこれらの位置の間で排出器108を簡単にスライドできるように、ハウジング104の外側に位置する。
【0149】
図2に示すように、排出器108は、第一の軸方向位置136において、空洞106で最初に受容された消耗品の停止部として機能する。この場合、空洞106内に最初に受容された消耗品は、第三の消耗品114である。このように、排出器108は、第三の消耗品114を第三の半径方向の空気吸込み口122と整列させる。
図2に見られるように、排出器108は、スナップ嵌合機構139を使用して、第一の軸方向位置136に一時的に固定されうる。
【0150】
スロット134は、1ミリメートルの幅および約20ミリメートルの長さを有する。スロット134は、排出器108がそれに沿ってスライドするための経路を提供するだけでなく、ユーザーが、ハウジング104の空洞106の内側に位置する消耗品がいくつかを見ることができるようにする。
【0151】
カートリッジ100はまた、熱起動される機械的係止機構の係止構成要素140を含む。
【0152】
係止構成要素140は、加熱されたときに膨張するように構成された熱膨張構成要素である。この実施形態では、係止構成要素140は、第二の鋼の細片の上部に位置する第一の鋼の細片を含むバイメタル部分である。この文脈では、「上部」とは、第一の鋼の細片が第二の鋼の細片の半径方向外側に位置することを指す。この実施形態では、第二の鋼の細片は、単にカートリッジ100のハウジング104の一部である。第一の鋼の細片は、その半径方向の端部(
図1に示すように細片の左右の側面)でのみ、第二の鋼の細片に取り付けられる(ハウジング104に取り付けられる)。したがって、加熱されると、第一の鋼の細片は、第一の鋼の細片の中央セクションと第二の鋼の細片との間に空間が形成されるように、第二の鋼の細片から突出するか、または外向きに撓むように膨張するように構成される。第一および第二の細片は、サセプタ材料、鋼から形成されるため、これらの細片の両方は、誘導加熱されることが可能で、例えばエアロゾル発生装置の使用中に、カートリッジ100のハウジングを誘導加熱するように構成されることが可能である。
【0153】
エアロゾル発生システムの熱起動係止機構の動作は、
図4、5および6を参照してより詳細に説明される。
【0154】
図3は、エアロゾル発生装置200の斜視図を示し、この図は装置200の内部構成要素を示す。
【0155】
エアロゾル発生装置200は、カートリッジ100のサセプタ材料を誘導加熱するように構成される。装置200は、カートリッジ100を受容するためのチャンバ202を備える。装置200はまた、チャンバ202と流体連通する装置空気吸込み口203を備える。
【0156】
装置200は、第一の電源206に結合され、チャンバ202の第一の部分の周りに位置付けられる第一のインダクタコイル204を備える。カートリッジ100がチャンバ202内に受容されると、第一のインダクタコイル204、第一の消耗品110、および第一の半径方向の空気吸込み口118がすべて整列する。したがって、第一のインダクタコイル204は主として、カートリッジ100のハウジング104のサセプタ材料を第一の消耗品110の周りまたはその近くで加熱するように構成される。
【0157】
装置200は、第二の電源210に結合され、チャンバ202の第一の部分からチャンバ202に沿って軸方向に離間したチャンバ202の第二の部分の周りに位置付けられる第二のインダクタコイル208を備える。カートリッジ100がチャンバ202内に受容されると、第二のインダクタコイル208、第二の消耗品112、および第二の半径方向の空気吸込み口120がすべて整列する。したがって、第二のインダクタコイル208は主として、カートリッジ100のハウジング104のサセプタ材料を第二の消耗品112の周りまたはその近くで加熱するように構成される。
【0158】
装置200は、第三の電源214に結合され、チャンバ202の第一、および第二の部分からチャンバ202に沿って軸方向に離間したチャンバ202の第三の部分の周りに位置付けられる第三のインダクタコイル212を備える。カートリッジ100がチャンバ202内に受容されると、第三のインダクタコイル210、第三の消耗品114、および第三の半径方向の空気吸込み口122がすべて整列する。したがって、第三のインダクタコイル212は主として、カートリッジ100のハウジング104のサセプタ材料を第三の消耗品114の周りまたはその近くで加熱するように構成される。
【0159】
第一、第二、および第三の各インダクタコイル204、208、212が、それぞれ各インダクタコイル専用の第一、第二、および第三の電源206、210、214に結合されるということは、異なる交流電流がこれらのインダクタコイルのそれぞれに独立して通過しうることを意味する。これは、第一、第二、および第三の消耗品110、112、114の加熱を独立して調整することを可能にしうる。
【0160】
装置200はまた、係合構成要素216を備える。係合構成要素216は、チャンバ202の内側に形成される環状陥凹部である。係合構成要素216は、熱起動係止機構の一部であり、使用時にカートリッジ100の係止構成要素140と係合するように構成される。特に、係合構成要素216、または陥凹部は、係止構成要素140が膨張するように十分な温度まで加熱されるとき、係止構成要素140を受容するように構成される。具体的には、係止構成要素140の第一の鋼の細片は、加熱されて膨張し係止構成要素140の第二の鋼の細片から外向きに撓むと、陥凹部内に受容される。
【0161】
図4は、エアロゾル発生システム300の斜視図を示し、この図はシステム300の内部構成要素を示す。システム300は、
図1および2のカートリッジ100が
図3の装置200と係合していることを示す。明確にするために、半径方向の空気吸込み口118、120、122およびカートリッジ100のスロット134は
図4には示されていない。
【0162】
システム300の熱起動係止機構は、カートリッジ100の係止構成要素140および装置200の係合構成要素216を含む。カートリッジ100が、
図4に示すように装置200と係合するとき、係止構成要素140は係合構成要素216と整列する。
【0163】
使用時に、カートリッジ100を装置200と係合した後、装置上のボタンまたはタッチスクリーンなどのユーザーインターフェース(図示せず)を使用して、装置200を起動する。これにより、コントローラ(図示せず)は、第一、第二および第三の電源206、210、214の各々に信号を送信して、電源それぞれの第一、第二および第三のインダクタコイル204、208、212に高周波の交流電流を供給する。これにより、各インダクタコイルが変動電磁場を生成する。これは、次いで、カートリッジ100のハウジング104のサセプタ材料内に渦電流およびヒステリシス損失を発生させる。これは、サセプタ材料を加熱する。したがって、ハウジング104が誘導加熱される。この熱は、カートリッジ100の空洞106内に受容された第一、第二、および第三の消耗品110、112、114に伝達され、その結果、揮発性化合物を放出する各消耗品のエアロゾル形成基体が生じる。
【0164】
カートリッジのハウジング104が誘導加熱されている間、ユーザーは、その唇をカートリッジ100のマウスピース102上に置き、吸入する。これにより圧力差が生じ、それによって、空気が装置空気吸込み口203を通って、装置のチャンバ202内に流入する。次に、この空気は、カートリッジ100の軸方向の空気吸込み口116および第一、第二および第三の半径方向の空気吸込み口118、120、122を通って流れる。一部の空気はまた、カートリッジ100のスロット134を通って流れる。この空気は、消耗品を通って流れ、消耗品によって放出される揮発性化合物を混入してエアロゾルを形成する。エアロゾルは、カートリッジ100のハウジング104を通って、ハウジング104の空気出口124に到達するまで、かつマウスピース102内に進入するまで、概して軸方向に流れる。
【0165】
次に、エアロゾルは、マウスピース102の第一および第二の収縮および拡張ゾーン126、128、130、132を通って流れる。これにより、エアロゾルが混合および冷却される。次に、エアロゾルをユーザーに送達し、ユーザーはエアロゾルを口および肺に吸入する。
【0166】
カートリッジ100のハウジング104が(エアロゾルを発生させるために)誘導加熱される間、係止構成要素140、または熱膨張構成要素もまた加熱される。これは、部分的にはハウジング104から係止構成要素140への熱の伝導により、部分的には係止構成要素140自体の誘導加熱による。これは、この実施形態では、係止構成要素140がサセプタ材料-鋼を含むためである。係止構成要素140のこの加熱は、係止構成要素140を膨張させる。具体的には、その半径方向の端部で係止構成要素140の第二の鋼の細片に取り付けられる係止構成要素140の第一の鋼の細片は、係止構成要素140の第二の鋼の細片から外向きに撓むように膨張する。この膨張は、
図5および6に最もよく示されている。
【0167】
図5は、加熱する前の係止構成要素140を含むカートリッジ100を示す。断面A-Aは、カートリッジ100の一部分、および
図3の装置のチャンバ202を示す。この断面では、カートリッジ100が装置と係合し、その結果、カートリッジ100の一部分が装置のチャンバ202内に受容される。
図5から分かるように、この位置では、係止構成要素140が、カートリッジ100が装置から係脱しにくくするための装置の係合構成要素216または環状陥凹部と係合していないため、カートリッジ100はチャンバ202から容易に除去されうる。
【0168】
図6は、上で説明したような加熱した後の係止構成要素140を含むカートリッジ100を示す。断面B-Bは、カートリッジ100の一部分、および
図3の装置のチャンバ202を示す。この断面では、カートリッジ100が装置と係合し、その結果、カートリッジ100の一部分が装置のチャンバ202内に受容される。
図6から分かるように、係止構成要素140は加熱されて膨張し、係合構成要素216と係合している。具体的には、係止構成要素140の第一の鋼の細片が、カートリッジ100の第二の鋼の細片、またはハウジング104から外向きに撓み、装置のチャンバ202内の環状陥凹部内に受容されている。陥凹部は環状であり、その結果、チャンバ202に対するカートリッジ100の配向に関係なく、係止構成要素140が膨張すると、係止構成要素140が係合構成要素216と係合する。係止構成要素140と係合構成要素216との間のこの係合は、ユーザーがカートリッジ100をチャンバ202から上方に容易に引き出すことができないため、カートリッジ100が装置から係脱しにくくする。係止構成要素140が再び冷却されると、係合構成要素216から係脱するように収縮し、ユーザーがカートリッジ100をチャンバ202から再び簡単に取り外すことを可能にする。このようにして、熱起動係止機構は、カートリッジ100のハウジング104が接触するには不快に暖かい場合がある間、ユーザーがそれに接触するのを防止する信頼性の高い方法を提供する。
【0169】
本明細書に記載する実施形態では、係止構成要素140は十分に膨張して、係合構成要素216と係合し、摂氏約65度を超える温度でカートリッジ100が装置から係脱しにくくする。
【0170】
この実施形態では、カートリッジ100が係止構成要素140を備え、装置が係合構成要素216を備える。しかし、当業者であれば、カートリッジ100が係合構成要素216を備えてもよく、また装置が係止構成要素140を備えてもよいことを理解するであろう。この場合、装置の係止構成要素140は膨張して、カートリッジ100の陥凹部または穴と係合することができる。
【0171】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。したがって、この文脈では、数AはA±10%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用するいくつかの事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱しうる。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
【国際調査報告】