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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】自動注入弁
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A61F9/007 130G
A61F9/007 130D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535676
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2021061722
(87)【国際公開番号】W WO2022130213
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/126,675
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】シーン クリストファー マッデン
(72)【発明者】
【氏名】パリシュラム パルタサラティー
(57)【要約】
本開示は、概して、眼科手術及び処置中に流体を送出及び/又は吸引するための流体制御弁に関する。一実施形態において、弁アセンブリは、気体供給ラインと流体結合するよう構成される第1の部分と、液体供給ライン及び注入ラインと流体結合するよう構成される第2の部分とを含む。第1の部分及び第2の部分は、気体の自由な流れを可能にする一方で、それを通る液体の流れを防止するよう構成される疎水性膜を有するフィルタによって、互いから仕切られるか、又は分離される。従って、注入液は、第2の部分を通って流れてもよい一方で、気体は、同時に、いかなる液体も気体供給ライン内に進むことなく、第1の部分を通って吸引されてもよい。気体供給ラインは、従って、手術処置の実施前又はその間に、注入ラインから気体を排気又はパージするために利用されてもよい。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科処置中の流体注入のための弁アセンブリであって、
第1の部分であって、
第1のポートを有する第1の導管と、
第1の端部と、前記第1の端部に対向する第2の端部とを有する第1のキャビティであって、前記第1の端部は、前記第1の導管を介して前記第1のポートに流体結合され、前記第2の端部は、前記第1の導管の断面積よりも大きい断面積を有する、第1のキャビティと、
を備える第1の部分と、
第2の部分であって、
第2のポートを有する第2の導管と、
第3のポートを有する第3の導管と、
前記第2のポート及び前記第3のポートと流体連通する第2のキャビティであって、前記第1のキャビティに隣接する、第2のキャビティと、
を備える第2の部分と、
前記第1のキャビティを前記第2のキャビティから仕切るフィルタであって、前記第2のキャビティを部分的に画成する疎水性膜を備える、フィルタと、
を備える、弁アセンブリ。
【請求項2】
前記疎水性膜は、前記第2のキャビティから前記第1のキャビティへの液体の流れを防止する一方で、それらの間の気体の双方向の流れを可能にするよう構成される、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項3】
前記疎水性膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE(ePTFE)、ポリカーボネートトラックエッチ(PCTE)、ポリエステル、ナイロン、セルロース、硝酸セルロース(CN)、酢酸セルロース(CA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ガラス繊維、及びアクリルコポリマーのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項4】
前記フィルタは、更に、前記疎水性膜に結合される裏材を備え、前記裏材は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びナイロンのうちの少なくとも1つを備える、請求項3に記載の弁アセンブリ。
【請求項5】
前記疎水性膜は、約0.1μm~約10.0μmの間の範囲の細孔径及び約150μm~約300μmの間の厚さを有する、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のキャビティは、更に、その内部に配設される1つ以上の半環状又は環状隆起部を備え、前記1つ以上の隆起部は、1つ以上のチャネルを画成する、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項7】
前記第2のキャビティは、更に、その内部に配設される1つ以上の半環状又は環状隆起部を備え、前記1つ以上の隆起部は、1つ以上のチャネルを画成する、請求項6に記載の弁アセンブリ。
【請求項8】
前記第2のキャビティの少なくとも一部は、前記第1のキャビティの前記第2の端部の断面積と略同じか又はそれよりも大きい断面積を有する、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項9】
眼科処置のための流体注入システムであって、
手術コンソールであって、
気体流体源に結合される第1の流体ラインと、
液体流体源に結合される第2の流体ラインと、
を備える手術コンソールと、
前記第1の流体ライン及び前記第2の流体ラインに流体結合される弁アセンブリであって、
前記第1の流体ラインに直接結合される第1のポートを有する第1の導管と、
前記第2の流体ラインに直接結合される第2のポートを有する第2の導管と、
第3の流体ラインに結合される第3のポートを有する第3の導管であって、前記第1の導管、前記第2の導管、及び前記第3の導管は、中間キャビティに結合され、互いに流体連通しており、前記手術コンソールは、前記第1の流体ライン、前記第2の流体ライン、前記第3の流体ライン、及び前記弁アセンブリを通る流体の流量を制御する、第3の導管と、
前記中間キャビティ内に配設されるフィルタであって、前記第1の導管を前記第2の導管及び前記第3の導管から仕切り、前記第1の導管の反対側に配設される疎水性膜を備え、前記第2及び第3の導管から前記第1の導管への液体の流れを防止する一方で、それらの間の気体の双方向の流れを可能にするよう構成されるフィルタと、
を備える弁アセンブリと、
を備える、流体注入システム。
【請求項10】
前記疎水性膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を備える、請求項9に記載の流体注入システム。
【請求項11】
前記疎水性膜は延伸PTFE(ePTFE)を備える、請求項10に記載の流体注入システム。
【請求項12】
前記疎水性膜は、ポリカーボネートトラックエッチ(PCTE)、ポリエステル、ナイロン、セルロース、硝酸セルロース(CN)、酢酸セルロース(CA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ガラス繊維、及びアクリルコポリマーのうちの少なくとも1つを備える、請求項9に記載の流体注入システム。
【請求項13】
前記手術コンソールの少なくとも1つの制御形態は、前記液体流体源から前記弁アセンブリに向かう第1の方向に液体を流す一方で、前記弁アセンブリから離間する第2の方向に気体を吸引して、前記気体が前記流れる液体内に漏出することを防止することを含み、前記フィルタは、前記液体が前記気体と共に前記第2の方向に吸引されることを防止する、請求項9に記載の流体注入システム。
【請求項14】
前記手術コンソールの少なくとも1つの制御形態は、前記気体流体源から前記弁アセンブリに向かう方向に前記気体を流す一方で、前記液体流体源からの液体の流れを停止させて、前記液体が前記流れる気体内に漏出することを防止することを含む、請求項9に記載の流体注入システム。
【請求項15】
前記手術コンソールの少なくとも1つの制御形態は、気体を吸引することと、前記弁アセンブリから離間する方向に液体を流すこととを含み、前記フィルタは、前記液体が前記方向に前記気体と共に吸引されることを防止する、請求項9に記載の流体注入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、2020年12月17日出願の米国仮特許出願第63/126,675号明細書、発明の名称「AUTOMATIC INFUSION VALVE」、発明者がSean Christopher Madden及びParthasarathy Parishramである、優先権の利益を主張するものであり、あたかも本明細書に十分且つ完全に記載されているかのように、その全体を引用して本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、概して、眼科処置のための装置に関し、より詳細には、眼内液送出のための装置に関する。
【0003】
顕微手術処置は、往々にして、様々な身体組織の正確な切断、除去、及び操作を必要とする。例えば、経毛様体扁平部硝子体切除術等の特定の眼科手術処置は、眼の後眼部を満たす透明なゲル状物質である硝子体液の一部の切断及び除去を必要とする。硝子体液を除去するのと同時に、通常、液体溶液(例えば、平衡塩類溶液(BSS))を眼に注入して、眼内圧を維持し、眼球外壁の虚脱を防止する。網膜裂孔又は網膜剥離の場合、液体溶液は、次いで、流体-空気交換として公知のプロセスにより、空気と交換されて、眼内圧を維持し、網膜を適所に一時的に保持しながら、網膜下液を眼内空間から押し出すことを補助してもよい。かかる処置の間、液体及び空気は、ストップコックを介して単一の下流注入ラインと結合される別個の供給ラインによって提供される。
【0004】
場合によっては、気体供給ライン内の空気圧が上昇し、空気を注入ライン内に漏出させ、注入液内に気泡を形成し、それが眼に移動し、手術中に眼内圧に悪影響を及ぼす可能性がある。しかし、注入ストップコックの逆止弁のための従来の設計は、液体の逆漏れを伴わずに気体供給ラインを通して排気することができず、従って、気泡を除去するか又はそれらが注入液中に漏出することを防止するための効果的な方法は現在存在しない。更に、幾つかの処置中に、網膜タンポナーデ等の他の外科用流体を眼内空間に注入するために、注入流体を注入ラインを通して逆流させなければならない。かかる場合、逆流する可能性がある注入流体の量は、その内部の液体の逆漏れを伴わずに気体供給ラインを通して注入気体をパージすることが不可能であることによって制限され、それにより空気ポンプを損傷し、及び/又は流体注入中に付加的な合併症を引き起こす可能性がある。
【0005】
従って、当該技術分野において必要とされるものは、気体の吸引及びパージを可能にする眼科用流体注入のための改良された流体制御弁である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一般に、手術処置のための装置、より詳細には、眼用流体注入及び吸引のための外科手術装置に関する。
【0007】
ある特定の実施形態において、流体注入のための弁アセンブリが提供される。弁アセンブリは、第1のポートを有する第1の導管と、近位端及び近位端に対向する遠位端を有する第1のキャビティとを有する第1の部分を含む。近位端は、第1の導管を介して第1のポートに流体結合され、遠位端は、第1の導管の断面積よりも大きい断面積を有する。弁アセンブリは、更に、第2のポートを有する第2の導管と、第3のポートを有する第3の導管と、第2の導管と第3の導管との間に配設され、第2のポートを第3のポートに流体結合する第2のキャビティとを有する第2の部分を含み、第2のキャビティは、第1のキャビティに隣接する。疎水性膜を有するフィルタは、第1のキャビティと第2のキャビティとの間に配設され、第1のキャビティを第2のキャビティから仕切り、疎水性膜は、第2のキャビティを部分的に画成する。
【0008】
ある特定の実施形態において、眼科処置のための流体注入システムが提供される。流体注入システムは、気体流体源に結合される第1の流体ラインと、液体流体源に結合される第2の流体ラインとを有する手術コンソールを含む。流体注入システムは、更に、第1の流体ライン及び第2の流体ラインに流体結合される弁アセンブリを含む。弁アセンブリは、第1の流体ラインと流体連通する第1のポートを有する第1の導管と、第2の流体ラインと流体連通する第2のポートを有する第2の導管と、第3の流体ラインと流体連通する第3のポートを有する第3の導管とを含む。第1、第2、及び第3のラインを通る流体の流量は、手術コンソールによって制御される。第1、第2、及び第3の導管は、更に、中間キャビティに結合され、互いに流体連通する。フィルタは、中間キャビティ内部に配設され、第1の導管を第2及び第3の導管から仕切る。フィルタは、第1の導管の反対側に配設され、第2及び第3の導管からの第1の導管への液体の流れを防止する一方で、それらの間の気体の双方向の流れを可能にするよう構成される疎水性膜を含む。
【0009】
上記で記載した本開示の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡潔に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、その幾つかを添付図面に示す。しかし、添付図面は、例示的な実施形態のみを示し、従って、その範囲を限定すると見なされるべきではなく、他の同様に効果的な実施形態が認められてもよいことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示のある特定の実施形態による例示的な手術コンソールの斜視図を示す。
図2A】本開示のある特定の実施形態による例示的な弁アセンブリの斜視図を示す。
図2B】本開示のある特定の実施形態による、図2Aの弁アセンブリの分解斜視図を示す。
図2C】本開示のある特定の実施形態による、図2Aの弁アセンブリの断面略図を示す。
図3A】本開示のある特定の実施形態による例示的な弁アセンブリの斜視図を示す。
図3B】本開示のある特定の実施形態による、図3Aの弁アセンブリの分解斜視図を示す。
図3C】本開示のある特定の実施形態による、図3Aの弁アセンブリの断面略図を示す。
図4A】本開示のある実施形態による、図2A~2C及び3A~3Cの弁アセンブリの例示的な動作形態の平面略図を示す。
図4B】本開示のある実施形態による、図2A~2C及び3A~3Cの弁アセンブリの例示的な動作形態の平面略図を示す。
図4C】本開示のある実施形態による、図2A~2C及び3A~3Cの弁アセンブリの動作形態の平面略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
容易に理解できるようにするために、可能な場合、複数の図面で共通の同一の要素を示すために同一の参照符号が使用されている。1つの実施形態の要素及び特徴は、更に記述することなく他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが考えられる。
【0012】
本開示は、概して、眼科手術及び処置中に流体を送出及び/又は吸引するための流体制御弁に関する。例えば、本明細書中に説明する流体制御弁は、後眼部疾患の治療のための経毛様体扁平部硝子体切除術等の硝子体切除術中に用いられてもよい。硝子体切除術は、通常、硝子体液の一部の切断及び除去を必要とする。かかる手術処置中に眼内圧を維持し、眼の虚脱を防止するために、液体が眼内空間に注入され、その後吸引される。ある特定の処置において、液体は、次いで、流体-空気交換として公知のプロセス中に、空気又は他の気体と交換される。かかるプロセス中、一般的に、注入ライン及び/又は眼内空間内の任意の望ましくない気体をパージ又は排気して、眼内圧を維持することが有益である。明細書中に説明する流体制御弁及び方法は、注入ラインからの液体が気体供給ライン内へ漏出することも防止しながら、注入ラインからの気体の上流パージ及び/又は排気を可能にする、注入流体流動調節のための改良された構造及び機構を提供する。
【0013】
ある特定の実施形態において、弁アセンブリは、気体供給ラインと流体結合するよう構成される第1の部分と、液体供給ライン及び注入ラインと流体結合するよう構成される第2の部分とを含む。第1の部分及び第2の部分は、気体の自由な流れを可能にする一方で、それを通る液体の流れを防止するよう構成される疎水性膜を有するフィルタによって、互いから仕切られるか、又は分離される。従って、注入液は、第2の部分を通って流れてもよい一方で、気体は、同時に、いかなる液体も気体供給ライン内に進むことなく、第1の部分内に吸引されてもよい。気体供給ラインは、従って、手術処置の実施前又はその間に、注入ラインから気体を排気又はパージするために利用されてもよい。
【0014】
図1は、本明細書中に説明する流体制御弁と組み合わせて利用されてもよい例示的な手術コンソール100の斜視図を示している。手術コンソール100は、フットコントローラ102と、硝子体切除装置等の手術ツール104とを含む任意の数のユーザインターフェースに物理的に又は無線で動作可能に結合される。手術コンソール100は、ユーザインターフェースを手術コンソール100の様々なコンポーネントに物理的に結合するための1つ以上のポートコネクタ106を設けている。例えば、手術ツール104は、患者の眼から切断された硝子体の吸引を可能にするよう、ポートコネクタ106を通って配設される真空供給ライン108を介して真空源と流体的に結合されてもよい。同様に、1つ以上のポートコネクタ106を利用して、流体注入システム110を1つ以上の注入流体源(例えば、空気/気体源、液体パーフルオロカーボン源、シリコーンオイル注入(SOI)源、BSS源等)と連結して、硝子体除去中の眼への流体の注入を可能にしてもよい。図1に示すように、流体注入システム110は、注入ライン112を通る異なる注入流体の選択的な流れを可能にしてもよい三方自動弁アセンブリ118において気体供給ライン114及び別個の液体供給ライン116と流体的に結合される注入ライン112を含む。
【0015】
動作中、ユーザは、フットペダルを含んでもよいフットコントローラ102の作動を介して、手術ツール104及び/又は流体注入システム110の態様又は機構を制御してもよい。例えば、ユーザは、フットコントローラ102を押下して(例えば、踏み込んで)、流体源から流体注入システム110を通って患者の眼に入る注入流体の流量を開始及び増加させてもよい。代替として、フットコントローラ102の押下を減少させる(例えば、ユーザの足を持ち上げる)ことにより、流体注入システム110を通る流体の流れを減少させ、最終的に停止させてもよい。従って、ある特定の実施形態において、流体注入システム110を通る注入流体の流量は、フットコントローラ102の押下量に対応する。ある特定の実施形態において、手術コンソール100は、更に、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ120を含む(ディスプレイは、ユーザ入力を受け取るためのタッチスクリーンも組み込んでもよい)。従って、ディスプレイ120は、その動作中に、注入流体流量及び眼内圧等の注入流体パラメータに関する情報をユーザに表示してもよい。
【0016】
図2A~2Cは、手術処置中の注入流体の流れ制御のための弁アセンブリ200を示している。弁アセンブリ200は、上で説明した流体注入システム110及び手術コンソール100と組み合わせて利用してもよい三方自動弁アセンブリ118の一実施例である。図2A~2Cにおいてより詳細に示すように、弁アセンブリ200は、一般に、気体供給ラインと流体結合するよう構成される弁アセンブリ200の第1の部分(例えば、上部本体)と、流体供給ラインと流体結合するよう構成される弁アセンブリ200の第2の部分(例えば、下部本体)との間に配設される疎水性フィルタ(図2B~2Cにおいて疎水性フィルタ222として示す)を含む。疎水性フィルタによる第1の部分と第2の部分との分割は、液体が気体供給ライン内に移動することを受動的に防止しながら、気体供給ラインと注入ラインとの間の空気等の気体の能動的な双方向の流れを可能にする。従って、気体は、流体注入中に流体注入システム110から排出又はパージされて、手術処置中の眼内圧の向上した制御を可能にしてもよい。
【0017】
図2Aは、弁アセンブリ200の斜視図を示す一方で、図2Bは、その分解斜視図を示し、図2Cは、その断面図を示している。従って、図2A~2Cを、明確にするために共に本明細書中に説明する。
【0018】
上述したように、弁アセンブリ200は、一般に、下部本体202と接続して機能する(例えば、結合する)よう構成される上部本体232を含む。ある特定の実施形態において、上部本体232及び下部本体202は、色が透明又は不透明であってもよい、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、及びアクリル等の任意の好適なプラスチック材料から形成される。上部本体232は、気体供給ライン114と連結するために、アーム234が近位方向に(例えば、手術コンソール又は気体源に向かって)延在する基部238を有する。本明細書中に説明するように、コンポーネントの遠位端又は一部は、その使用中に患者の身体に直線でより近い端部又は一部を指すことに留意されたい。一方で、コンポーネントの近位端又は一部は、患者の身体から直線で更に離れた(例えば、手術コンソールに近い)端部又は一部を指す。
【0019】
気体供給ライン114は、アーム234の近位端において、アーム234の長さを通って延在する導管236との流体接続を提供するポート237と結合する。ある特定の実施形態において、ポート237の直径は、気体供給ライン114の遠位端がポート237内部に確実に嵌合されることを可能にするよう、気体供給ライン114の外径と略同じであるか、又は僅かに大きい。ある特定の実施形態において、アーム234の近位端の外径は、気体供給ライン114の遠位端がアーム234の近位端の上に確実に嵌合することを可能にするよう、気体供給ライン114の内径と略同じであるか、又は僅かに小さい。
【0020】
導管236は、アーム234の近位端からアーム234の遠位端に延在し、上部本体232の基部238内部のキャビティ240に開口する。ある特定の実施形態において、アーム234、及び従って導管236は、気体供給ライン114とキャビティ240との間に気体のための角度の付いた流路を形成するよう、1つ以上の湾曲部分を有する。例えば、アーム234及び導管236は、その近位端と遠位端との間に約90度の角度で配設される屈曲部を有してもよく、従って、エルボ状の気体流路を形成してもよい。気体流路の屈曲により、気体供給ライン114、液体供給ライン116、及び注入ライン108の間の弁アセンブリ200の三方接続を可能にしている。
【0021】
キャビティ240は、導管236の遠位端に配設され、概して、導管236の幅又は直径よりも大きい1つ以上の寸法を有する。ある特定の実施形態において、キャビティ240は、アーム234に最も近いキャビティ240の端部からアーム234から最も遠い(例えば、下部本体202に最も近い)キャビティ240の端部まで徐々に増加する断面積を有する。例えば、アーム234に最も近いキャビティ240の端部は、導管236の遠位端と略同じ断面積を有してもよい一方で、アーム234から最も遠いキャビティ240の端部は、導管236の遠位端の断面積よりも大きい断面積を有してもよい。ある特定の実施形態において、キャビティ240は円錐台状の形状を有する。その遠位端におけるキャビティ240の増加した断面積は、上部本体232と下部本体202との間のより大きい面積のフィルタ222の利用を可能にし、気体が液体供給ライン116と注入ライン108との間を流れる液体から排気又はパージされる可能性がある、より大きい表面積を提供する。
【0022】
一般に、上部本体232の下面及び下部本体202の上面は、互いに接続して機能するか又は係合し、それらの間にフィルタ222を固定するよう構成される。ある特定の実施形態において、下部本体202は、キャビティ240が下部本体202の中心位置に位置するチャンバ204(例えば、第2のキャビティ又はリザーバ)に面するように、基部238の下面において上部本体232に結合する。チャンバ204は、上部本体232と下部本体202との間及びその逆の空気流を制限しないように、チャンバ204に最も近いキャビティ240の端部の断面積と略同じか又はそれよりも大きい断面積を有してもよい。下部本体202は、更に、チャンバ204の両側に延長部206及び210を含み、各延長部206及び210は、それを通って形成される導管208又は212をそれぞれ有する。導管208及び212は、チャンバ204から、それぞれ、延長部206及び210の近位端及び遠位端に位置するポート209及び211に向かって反対方向に延在する。ある特定の実施形態において、ポート209は、液体供給ライン116と流体的に結合するよう構成される一方で、ポート211は、注入ライン108に結合するよう構成される。
【0023】
ポート237と同様に、ポート209は、液体供給ライン116の遠位端がポート209内部に確実に嵌合されることを可能にするよう、液体供給ライン116の外径と略同じであるか、又は僅かに大きい直径を有してもよい。代替として、延長部206の近位端の外径は、液体供給ライン116の遠位端が延長部206の近位端の上に確実に嵌合することを可能にするよう、液体供給ライン116の内径と略同じであるか、又は僅かに小さくてもよい。しかし、延長部212は、概して、注入ライン108の近位端の内径と略同じか、又は僅かに小さい外径を有する大きさである。従って、注入ライン108は、延長部212の周囲に確実に嵌合するよう構成される。ある特定の実施形態において、延長部212は、注入ライン108と結合し、弁アセンブリ200と注入ライン108との間の漏出のないシールのための追加の機械的保持力を提供するよう構成される、ルアーロック250等の係止機構を含んでもよい。例えば、ルアーロック250は、注入ライン108の近位端を内部に固定してもよいねじ付き内面252を備えてもよい。
【0024】
フィルタ222は、上部本体232のキャビティ240と下部本体202のチャンバ204との間に配設され、従って、キャビティ240及びチャンバ204の両方を部分的に画成する。フィルタ222は、気体を透過する疎水性膜224を有する任意の適切な種類の膜フィルタを含む。疎水性膜224はまた、個々のウイルス及びバクテリアを捕捉することが可能であってもよく、従って、ウイルス及びバクテリアが低圧気体源から眼に進入することを防止する滅菌バリアとして作用してもよい。
【0025】
幾つかの実施例において、フィルタ222は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE(ePTFE)、ポリカーボネートトラックエッチ(PCTE)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ナイロン、セルロース(例えば、界面活性剤を含まない酢酸セルロース(SCFA))、硝酸セルロース(CN)、酢酸セルロース(CA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ガラス繊維、又はアクリルコポリマーから形成される膜224を含む。膜224は、更に、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はナイロンを含むが、それらに限定されない材料から形成される裏材226によって支持されなくてもよいか、又は支持されてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、フィルタ222は、ポリエステル裏材226を有するePTFE膜224を含む。一般に、フィルタ222の疎水性膜224は、液体がチャンバ204からフィルタ222を通ってキャビティ240内に流れることを防止するように、チャンバ204に面するよう配向される。膜224は、約0.1μm~約10.0μmの間、例えば約0.2μm~約5μmの間、例えば約0.5μm~約3.0μmの間、例えば約0.8μm~約1.2μmの間の範囲の孔径を有する。更に、膜224は、約150μm~約300μmの間、例えば約200μm~約250μmの間の範囲の厚さを有してもよい。
【0026】
動作中、シリコーンオイル又はバランストソルトソリューション(BSS)等の液体源からの注入液は、液体供給ライン116を通って、弁アセンブリ200の下部本体202に流入し、注入ライン108を通って患者の眼に向かって流動してもよく、その逆も同様である。代替として、空気等の気体源からの注入気体は、気体供給ライン114を通って上部本体232内へ流れ、フィルタ222を通過して下部本体202内に入り、次いで、注入ライン108内を患者の眼に向かって流動してもよく、その逆も同様である。上部本体232と下部本体202との間の疎水性フィルタ222の配置により、液体が上部本体232及び気体供給ライン116内に上方へ流れることが受動的に防止する一方で、気体がそこを通過することが可能になる。従って、弁アセンブリ200は、以下で更に詳細に説明する、気体供給ライン116への液体の漏出を防止しながら、流体注入処置中の気体の排気、パージ、及び/又は逆流を可能にする。
【0027】
図2A~2Cには単一のフィルタ222を示しているが、ある特定の実施形態において、弁アセンブリ200は、直線状又は積層構成で配置される2つ以上のフィルタを含んでもよいことが更に企図されることに留意されたい。2つ以上のフィルタは、異なる材料から形成されてもよく、及び/又は互いに対して異なる細孔サイズを有してもよい。例えば、ある特定の実施形態において、弁アセンブリ200は、上部本体232と下部本体202との間でフィルタ222の上流に(例えば、気体供給ライン114に対して直線でより近くに)配設される第2のフィルタを含んでもよい。かかる実施形態において、第2のフィルタは、フィルタ222よりも小さい孔径を有し、気体供給ライン114を通って流れる気体の濾過を提供してもよい一方で、フィルタ222は、その内部の液体の漏れを防止する疎水性バリアを提供する。
【0028】
図3A~3Cは、図2A~2Cに示す弁アセンブリ200と略同じように機能するが、異なる構造を有する別の弁アセンブリ300を示している。従って、図3A~3Cを、明確にするために共に説明し、弁アセンブリ200の上で説明した部品に対応する弁アセンブリ300の部品を、同じ参照番号で記す。
【0029】
図示するように、弁アセンブリ300の上部本体232は、概して、プレート状形状を有する基部338を含み、更に、キャビティ340(図3Cに示す)内部に1つ以上のチャネルを形成する、その下面から延在する1つ以上の隆起部(例えば、リブ又は溝)342を含む。ある特定の実施形態において、隆起部342は、導管236の遠位端を囲む環状又は半環状の隆起部である。隆起部342は、弁アセンブリ300が組み立てられた状態にある場合に、フィルタ222のための追加の支持を提供する。
【0030】
弁アセンブリ200のキャビティ240と同様に、キャビティ340は、導管236と流体結合し、導管236の幅又は直径よりも大きい1つ以上の断面寸法を有する。しかし、キャビティ240とは異なり、キャビティ340は、アーム234に最も近いキャビティ340の端部からアーム234から最も遠いキャビティ340の端部まで急勾配で又は急激に増加する断面積を有する。上で説明したように、キャビティ340の増加した断面積は、より大きな面積のフィルタ222の利用を可能にし、これにより、液体供給ライン116と注入ライン108との間を流れる液体から気体を排気又はパージする可能性がある、より大きな表面積を提供する。
【0031】
弁アセンブリ300の下部本体202は、流通部材358に結合されるベイスン350を含む。ベイスン350は、上部本体232の基部338と接続及び係合し、それらの間にフィルタ222を固定するよう構成される。ある特定の実施形態において、ベイスン350は、基部338のキャビティ340がベイスン350のキャビティ354に面するように、基部338の下面において上部本体232に結合する。キャビティ354の少なくとも一部は、上部本体232と下部本体202との間及びその逆の空気流を制限しないように、ベイスン350に最も近いキャビティ340の端部の断面積と略同じか又はそれよりも大きい断面積を有してもよい。例えば、流通部材358に対向するキャビティ354の端部は、ベイスン350に最も近いキャビティ340の端部の断面積と略同じか又はそれよりも大きい断面積を有してもよい。
【0032】
基部338と同様に、ベイスン304は、その上面からキャビティ354内に延在する1つ以上の隆起部352を含む。隆起部352は、弁アセンブリ300が組み立てられた状態にある場合にフィルタ222に支持を提供するよう構成され、環状又は半環状の形状であってもよく、その内部に1つ以上のチャネルを画成する。ある特定の実施形態において、隆起部352は、キャビティ354を流通部材358の中間導管360と流体的に結合するチャネル356の近位端を囲む。中間導管360は、順に、それぞれ、ポート209及び211において液体供給ライン116及び注入ライン108と結合するよう構成される下部本体202の延長部206及び210に延在し、流体接続する。
【0033】
弁アセンブリの動作中、液体源からの注入液は、液体供給ライン116を通って、下部本体202の流通部材358に流入し、注入ライン108を通って患者の眼に向かって流れてもよく、逆もまた同様である。代替として、気体源からの注入気体は、気体供給ライン114を通って上部本体232内へ流れ、フィルタ222を通過して下部本体202内に入り、注入ライン108を通って患者の眼に向かって流動してもよく、その逆も同様である。弁アセンブリ200と同様に、上部本体232と下部本体202との間の疎水性フィルタ222の配置により、上部本体232及び気体供給ライン116への液体の流れを受動的に防止する一方で、気体がそこを通過することが可能になる。従って、弁アセンブリ200と同様に、弁アセンブリ300は、気体供給ライン116内への液体の漏出を防止しながら、流体注入処置中の気体の排気、パージ、及び/又は逆流を容易にする。
【0034】
弁アセンブリ200を参照して上で検討したように、単一のフィルタ222を図3A~3Cにおいて示しているが、弁アセンブリ300は、直線状又は積層構成で配置される2つ以上のフィルタを含んでもよいことが更に考えられることに留意されたい。2つ以上のフィルタは、異なる材料から形成されてもよく、及び/又は互いに対して異なる細孔サイズを有してもよい。例えば、ある特定の実施形態において、より微細な孔径を有する第2のフィルタをフィルタ222の上流に配設して、気体供給ライン114を通って流れる気体の追加の濾過を提供してもよい一方で、フィルタ222は、疎水性バリアを提供し、液体がその内部に流れることを防止する。
【0035】
図4A~4Cは、流体注入処置中の弁アセンブリ200、300の動作形態を略図で示している。特に、図4A~4Cは、上で説明したように、弁アセンブリ200を有する流体注入システム110を通る、線410によって表す液体溶液(例えば、BSS)の流れ、及び線420によって表す気体(例えば、空気)の流れを示している。弁アセンブリ200を図4A~4Cにおいて示しているが、弁アセンブリ300は、略同じ方法で利用されてもよいことに留意されたい。更に、実線(例えば、連続線)は、開いた又は能動的な流れを表す一方で、破線(例えば、点線)は、閉じた又は流れのないことを表すことに留意されたい。
【0036】
図4Aは、手術コンソール100等の手術コンソールを介してユーザ(例えば、外科医)によって選択及び/又は制御されてもよい液体注入の第1の動作中の流体注入システム110を示している。図示するように、注入液410は、液体供給ライン116、弁アセンブリ200、及び注入ライン108を介して、液体源470と眼402との間で制御可能に流動される一方で、気体供給ライン114を通る空気又は気体流は、停止又は遮断される。流体注入システム110、従って、眼402内の圧力を制御するために、ユーザは、手術コンソール100を介して、液体源470への、又はそこからの液体410の方向及び流量を調整してもよい。流量制御弁200は、液体410が液体供給ライン116と注入ライン108との間を流れることを可能にする一方で、疎水性フィルタ222の存在により、液体410が気体供給ライン114に流入し、気体源480に向かって流れることも防止する。従って、弁アセンブリ200は、気体供給ライン114への液体410の漏れを防止する受動的手段を提供し、これは、その使用中に気体供給ライン114への少なくとも一部の液体410の漏出を可能にし得る従来の流量制御弁とは対照的である。
【0037】
図4Bは、注入液410が液体源470と眼402との間を流れる間に気体供給ライン114内部の空気420の圧力が能動的に調節される、液体注入の第2の動作中の流体注入システム110を示している。上で説明したように、流体注入システム110及び眼402内の圧力は、手術コンソール100を介して液体源470への、又はそこからの液体410の方向及び流量を調整することによって制御される。放置したままであると、気体供給ライン114内部の圧力は、注入中に不用意に蓄積し、空気420を眼402に注入される液体410に漏出させ、それによって、その眼内圧に悪影響を及ぼす可能性がある。従って、ある特定の実施形態において、気体供給ライン114に真空圧(例えば、負圧)を印加して、気体供給ライン114を排気し、気泡としての液体410内への空気420の望ましくない漏出を防止することが望ましい場合がある。ある特定の実施形態において、気体供給ライン114の能動的な排気はまた、液体410が注入ライン108内を通過する際に、注入液410内に既に捕捉された気体をそれらからパージすることが望ましい場合がある。液体の圧力と同様である。
【0038】
従来の流量制御弁は、液体410の気体供給ライン114への漏れを防止することができないため、従来の弁による気体供給ライン114の排気は極めて困難である。比較すると、疎水性フィルタ222の結果として、弁アセンブリ200は、眼402への液体410の注入中に気体供給ライン114の能動的な排気を容易にし、従って、望ましくない気体が眼402に流入し、その眼内圧を乱す可能性を低減又は排除する。
【0039】
図4Bは、更に、注入流体逆流動作中の流体注入システム110を表している。注入流体の逆流は、眼402に、別個のカニューレ又は注入装置を介して、眼内空気/気体、シリコーンオイル、又はパーフルオロン等の網膜タンポナーデ(又は他の流体治療)を注入する場合に必要とされる場合がある。結果として、注入ライン108を通って以前に流れた注入流体を逆流させる必要がある場合がある。従来の流量制御弁は、注入液の漏れなしに気体を気体供給ライン114に逆流させるか又はパージすることができないため、気体供給ライン114への液漏れ又は液体供給ライン116への気体漏れの危険を冒すことなく、限られた注入流体の量しか逆流させることができない。対照的に、図4Bにおける弁アセンブリ200の疎水性フィルタ222は、注入液の漏れなしに、気体供給ライン114への気体の逆流を可能にし、従って、より大きい注入流体量をそれらそれぞれの供給ラインへ逆流させることを可能にし、更に、より大きい治療流体の量を眼402内に注入することを可能にしている。
【0040】
図4Cは、液体注入の第3の動作中の流体注入システム110を示している。図4Cに示す動作形態は、例えば、眼402の眼内空間から網膜下液を押し出すことを助けるよう、流体-空気交換中に実行されてもよい。図示するように、空気420は、気体源480から眼402に流れる一方で、液体供給ライン116を通る液体流は、注入された空気420への液体410の漏出を防止するよう遮断される。従って、流体注入システム110及び眼402内の圧力は、手術コンソール100を介して気体源480への、又はそこからの空気420の方向及び流量を調整することによって制御される。
【0041】
要約すると、本開示の実施形態は、眼科処置中の改善された眼内圧維持のための構造及び機構、特に、眼内流体注入のための向上した流体制御弁を含む。上で説明した弁アセンブリは、疎水性フィルタが気体供給ラインと液体供給ライン及び/又は注入ラインとの間に配設される実施形態を含む。疎水性フィルタの利用により、気体供給ラインと患者の眼との間の気体の双方向の流れを可能にする一方で、気体供給ラインへの液体の漏れも受動的に防止する。従って、前述の弁アセンブリは、気体が注入中に注入液から排出されるか、又は他の治療の注入中に眼から逆流させてもよく、従って、眼内部の眼内圧のより良好な制御を可能にするため、眼内空間の流体注入中に特に有益である。
【0042】
上記は、本開示の実施形態に関するが、その基本的な適用範囲から逸脱することなく、本開示の他の及び更なる実施形態が考案されてもよく、その適用範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
【国際調査報告】