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  • 特表-イソシクロセラム配合物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】イソシクロセラム配合物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/80 20060101AFI20231214BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20231214BHJP
   A01N 25/10 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A01N43/80 101
A01P7/04
A01N25/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535833
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2021085480
(87)【国際公開番号】W WO2022128912
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】20215262.5
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ロウ スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ウイヨン フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】メイソン ベヴァリー
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート クレア
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AC01
4H011BA01
4H011BB10
4H011BC03
4H011BC06
4H011BC19
4H011DA05
4H011DA15
4H011DA16
4H011DF03
4H011DG13
4H011DH02
4H011DH03
(57)【要約】
本発明は:
(a)イソシクロセラム、
(b)ポリオキシアルキレンコポリマー、
(c)アクリル系グラフトコポリマー、及び
(d)含酸素炭化水素化合物
を含む組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)イソシクロセラム、
(b)ポリオキシアルキレンコポリマー、
(c)アクリル系グラフトコポリマー、及び
(d)含酸素炭化水素化合物
を含む組成物。
【請求項2】
前記組成物の総重量に対して、0.01重量%~70重量%のイソシクロセラム、好ましくは0.1重量%~70重量%のイソシクロセラム、及び、より好ましくは5重量%~60重量%のイソシクロセラムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の総重量に対して、0.0005重量%~50重量%の前記ポリオキシアルキレンコポリマー、及び、好ましくは1.0重量%~20重量%の前記ポリオキシアルキレンコポリマーを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の総重量に対して、0.0005重量%~30重量%の前記アクリル系グラフトコポリマー、及び、好ましくは0.1重量%~20重量%の前記アクリル系グラフトコポリマーを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の総重量に対して、0.0001重量%~30重量%の前記含酸素炭化水素化合物、及び、好ましくは0.1重量%~20重量%の前記含酸素炭化水素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリオキシアルキレンコポリマーは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドモノマーから得られることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリオキシアルキレンコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)-ポリ(エチレンオキシド)ブロックコポリマーであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリオキシアルキレンコポリマーは、1,000~15,000g/mol、及び、好ましくは3,000~7,000g/molの分子量を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記アクリル系グラフトコポリマーは、ポリエチレングリコール及び/又はモノ-エーテルポリエチレングリコール側鎖を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アクリル系グラフトコポリマーは、アクリレート及び/又はメタクリレートモノマーから得られる骨格を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記含酸素炭化水素化合物は、アルキルエーテル化合物、アルキルエステル化合物及びいずれかのこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記含酸素炭化水素化合物は、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、スルホン化アルキルエステル化合物及びいずれかのこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
不凍剤、消泡剤、抗菌剤(又は殺生剤)、粘度調整剤、pH変性剤及びいずれかのこれらの混合物から選択される1種以上の配合添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
懸濁液濃縮物、フロアブル剤懸濁液、サスポエマルジョン、懸濁液濃縮物カプセル懸濁液ブレンド、すぐに使用可能な餌、水溶性顆粒、水分散性顆粒又は水分散性錠剤の調製に用いられることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
動物有害生物の駆除及び/又は防除方法であって、前記有害生物、前記有害生物の生息地、又は、前記有害生物による攻撃を受けやすい植物に、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を適用するステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソシクロセラムを含む組成物に関する。より具体的には、本発明は、ミルベース、又は、懸濁液濃縮物(SC)、フロアブル剤懸濁液(FS)、サスポエマルジョン(SE)、懸濁液濃縮物カプセル懸濁液ブレンド(ZC)、すぐに使用可能な餌(RB)、水溶性顆粒(SG)、水分散性顆粒(WG)及び水分散性錠剤(WT)などの配合物;より具体的には、農業従事者の噴霧タンク中におけるこのような配合物の希釈物又は分散体;並びに、動物有害生物を駆除及び/又は防除するためのこのような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
イソシクロセラムは殺虫性の農薬であり、より具体的には、室温(25℃)で固体である。典型的には、イソシクロセラムを粉砕することでミルベースを形成し、次いで、他の成分の添加により、又は、さらには乾燥ステージによりさらに処理し得ることで、液体倍体中に分散された粒子の微細な懸濁液としてイソシクロセラムを調製することが簡便である。
【0003】
しかしながら、イソシクロセラムを伴う場合、従来のミルベースアプローチにおいては、例えば、イソシクロセラムの濡れ性が低いためにミルベースを大規模処理で形成(特に製造現場において)することが困難であること、及び、温度変化にさらされた場合(例えば、凍結/解凍サイクルにさらされた場合)にミルベースの粘度の増大が見られたことなどの多数の問題が存在することが見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大規模での処理が容易である一方で、温度変化にさらされた場合における温度安定性が保証されたイソシクロセラムを含む組成物を提案することにより、従来技術に係る問題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は:
(a)イソシクロセラム、
(b)ポリオキシアルキレンコポリマー、
(c)アクリル系グラフトコポリマー、及び
(d)含酸素炭化水素化合物
を含む組成物を提供することを目的とする。
【0006】
(b)、(c)及び(d)とイソシクロセラムとの組み合わせによって、上記の問題のすべてが克服された。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例14~23の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、0.01重量%~70重量%のイソシクロセラム、好ましくは0.1重量%~70重量%のイソシクロセラム、好ましくは5重量%~70重量%のイソシクロセラム、好ましくは10重量%~70重量%のイソシクロセラム、好ましくは20重量%~60重量%のイソシクロセラム、及び、より好ましくは40重量%~60重量%のイソシクロセラムを含んでいることが可能である。
【0009】
イソシクロセラムは、以下のCAS番号:2061933-85-3を有する殺虫性農薬であり、以下の化学式:
【化1】
を有する。
【0010】
イソシクロセラムは、より具体的には、室温(25℃)で固体であると共に、典型的には20℃で5mg/l未満と低い水溶性を有する。
【0011】
より具体的には、イソシクロセラムの融点は、135~150℃、好ましくは138~148℃、及び、より好ましくは141±2℃であり得る。
【0012】
イソシクロセラムの融点は、10℃/分間の加熱速度で示差走査熱量測定法(DSC)を用いて簡便に得られる。
【0013】
イソシクロセラムは、4-[(5S)-5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]-N-[(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソキサゾリジン-4-イル]-2-メチル-ベンズアミドである異性体(5S,4R)、及び、任意に、異性体(5S,4S)、異性体(5R,4R)、異性体(5R,4S)から選択される異性体の少なくとも1つ、並びに、いずれかのこれらの組み合わせを含んでいることが可能である。本発明において、異性体(5S,4S)は、4-[(5S)-5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]-N-[(4S)-2-エチル-3-オキソ-イソキサゾリジン-4-イル]-2-メチル-ベンズアミドであり;異性体(5R,4R)は、4-[(5R)-5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]-N-[(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソキサゾリジン-4-イル]-2-メチル-ベンズアミドであり;及び、異性体(5R,4S)は、4-[(5R)-5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]-N-[(4S)-2-エチル-3-オキソ-イソキサゾリジン-4-イル]-2-メチル-ベンズアミドである。イソシクロセラムが異性体(5S,4S)、異性体(5R,4R)、異性体(5R,4S)から選択される異性体の少なくとも1つ、及び、いずれかのこれらの組み合わせをさらに含む場合、イソシクロセラムは、異性体(5S,4R)、(5S,4S)、(5R,4R)及び(5R,4S)の総量に対して、50%超、例えば少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%のモル比率で異性体(5S,4R)を含んでいることが可能である。
【0014】
本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、0.0005重量%~50重量%のポリオキシアルキレンコポリマー、好ましくは0.1重量%~30重量%のポリオキシアルキレンコポリマー、及び、好ましくは1重量%~20重量%のポリオキシアルキレンコポリマーを含んでいることが可能である。
【0015】
本発明において、ポリオキシアルキレンコポリマーは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドモノマーなどの少なくとも2種の異なるアルキレンオキシドから得ることが可能である。
【0016】
ポリオキシアルキレンコポリマーは、より好ましくは、AB、ABA、BAB、又はABABAタイプのポリオキシアルキレンブロックコポリマーであることが可能である。
【0017】
より具体的には、ポリオキシアルキレンコポリマーは、対応する環式エチレンオキシド及びプロピレンオキシドモノマーの開環重合により調製可能である。
【0018】
典型的には、開環重合は、水、並びに、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの水酸化アルカリの添加により開始される。コポリマーのブロック構造は、先ず、第1のモノマーを用いてポリマーブロックを重合し、その後、第2のモノマーを添加してさらなるポリマーブロックを形成することにより形成される。
【0019】
好ましい実施形態において、ポリオキシアルキレンコポリマーは、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシドブロックコポリマー(EO-PO-EOブロックコポリマー)、又は、換言すると、ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)-ポリ(エチレンオキシド)ブロックコポリマー又はポリ(エチレングリコール)-ポリ(プロピレングリコール)-ポリ(エチレングリコール)ブロックコポリマーであることが可能である。
【0020】
本発明のポリオキシアルキレンコポリマー、及び、より具体的には、EO-PO-EOブロックコポリマーは、1,000~15,000g/mol、及び、より好ましくは3,000~7,000g/molの分子量を有することが可能である。
【0021】
本発明において、「分子量」という表記は、平均分子量(すなわち、およその分子量)を意味する。ポリマーの分子量、又は、換言するとモル質量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)などの技術分野において周知である方法によって容易に判定が可能である。
【0022】
第1の実施形態において、EO-PO-EOブロックコポリマーは、900~4,000g/mol、及び、好ましくは2,000~4,000g/molのポリプロピレンオキシド分子量を有することが可能である。換言すると、ポリプロピレンオキシド分子量は、EO-PO-EOブロックコポリマーのポリ(プロピレンオキシド)ブロックの分子量である。
【0023】
第2の実施形態において、EO-PO-EOブロックコポリマーは、コポリマーの総重量に対して、10~80%、及び、好ましくは30~50%のエチレンオキシド含有量を有することが可能である。換言すると、エチレンオキシド含有量は、EO-PO-EOブロックコポリマー中におけるポリ(エチレンオキシド)ブロックの割合である。
【0024】
第3の態様において、EO-PO-EOブロックコポリマーは、第1の実施形態の特徴及び第2の実施形態の特徴を有することが可能である。
【0025】
例としては、GENAPOL(登録商標)PFシリーズ(CLARIANT)、PLURONIC(登録商標)シリーズ(BASF)、SYNPERONIC(登録商標)PEシリーズ(CRODA)又はTOXIMUL(登録商標)シリーズ(STEPAN)が挙げられる。
【0026】
本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、0.0005重量%~30重量%のアクリル系グラフトコポリマー、好ましくは0.01重量%~30重量%のアクリル系グラフトコポリマー、及び、より好ましくは0.1重量%~20重量%のアクリル系グラフトコポリマーを含んでいることが可能である。
【0027】
アクリル系グラフトコポリマーは、典型的には、くし型又は星型構造、及び、好ましくはくし型構造を有する。
【0028】
グラフトコポリマーは、側鎖を形成する構成要素が主鎖を形成する構成要素とは構造的に異なる分岐コポリマーである。
【0029】
くし型ポリマーは、その各々から直鎖側鎖が伸びる分岐点を有する主鎖(骨格)を含んで構成される。
【0030】
星型ポリマーは、少なくとも3本のポリマー鎖が放射状に伸びる多官能性中心を含んで構成される。
【0031】
好ましい実施形態において、アクリル系グラフトコポリマーは、両親媒性コポリマーであることが可能である。
【0032】
より具体的には、アクリル系グラフトコポリマーは、水性媒体により可溶化される少なくとも1つの構成要素A(親水性部)、及び、疎水性である少なくとも1つの他の構成要素Bを含む。
【0033】
好適なアクリル系グラフトコポリマーは、親水性側鎖として、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのモノ-メチルエーテル、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)又はポリ(ビニルアルコール)を含み得、一方で、疎水性骨格は、スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレート又は酢酸ビニルのポリマー及びコポリマーを含み得る。
【0034】
このようなアクリル系グラフトコポリマーは、例えば、ポリエチレングリコールのモノ-メチルエーテルをアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルに転換し、次いで、これを、スチレン、エチルアクリレート又はメチルメタクリレートなどの他の不飽和モノマーとのラジカル重合に供することにより調製可能である。このようなアクリル系グラフトコポリマーはまた、カルボキシル、ヒドロキシ又はアミン基などの化学的に反応性の部位からなる疎水性ポリマー骨格を、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドなどの単量体アルキレンオキシドと反応させて親水性側鎖を形成することにより調製可能である。
【0035】
より好ましくは、アクリル系グラフトコポリマーはノニオン性ポリマーであり、より具体的には、くし型構造を有するものである。
【0036】
本発明において、アクリル系グラフトコポリマーは、ポリエチレングリコール及び/又はモノ-エーテルポリエチレングリコール側鎖を含んでいることが可能である。
【0037】
アクリル系グラフトコポリマーはまた、アクリレート及び/又はメタクリレートモノマーから得られる骨格を含んでいることが可能である。
【0038】
さらにより好ましくは、アクリル系グラフトコポリマーは、アクリレート及び/又はメタクリレートモノマーから得られる骨格、並びに、ポリエチレングリコール及び/又はモノ-エーテルポリエチレングリコールを含む側鎖を含んでいることが可能であり、これにより、より具体的にはポリマーがくし型構造とされる。
【0039】
例えば、本発明のアクリル系グラフトコポリマーは、CRODAにより提供されるAtlox 4913(商標)、又は、HUNTSMANにより提供されるTersperse 2500(商標)であることが可能である。
【0040】
本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、0.0001重量%~30重量%の含酸素炭化水素化合物、好ましくは0.01重量%~30重量%の含酸素炭化水素化合物、及び、より好ましくは0.1重量%~20重量%の含酸素炭化水素化合物を含んでいることが可能である。
【0041】
含酸素炭化水素化合物は、アルキルエーテル化合物、アルキルエステル化合物及びいずれかのこれらの混合物から;並びに、好ましくはポリエチレングリコールアルキルエーテル、スルホン化アルキルエステル化合物及びいずれかのこれらの混合物から選択することが可能である。換言すると、含酸素炭化水素化合物(d)は、ポリオキシアルキレンコポリマー(b)及びアクリル系グラフトコポリマー(c)とは異なることが好ましい。
【0042】
ポリエチレングリコールアルキルエーテルは、アルコールとエチレンオキシドとを反応させることにより得ることが可能である。好適なアルコールは、C2~C15の鎖長、好ましくはC7~C11の鎖長、及び、より好ましくはC9又はC10の鎖長を有する直鎖又は分岐鎖脂肪族アルコールである。一例は、SOLVAY-RHODIAにより提供されるRhodasurf DA/630-E(商標)であることが可能である。
【0043】
スルホン化アルキルエステル化合物は、スルホコハク酸エステル又はスルホコハク酸エステルの塩であることが可能である。一例は、SOLVAY-RHODIAにより提供されるAerosol(商標)OT-Bであることが可能である。
【0044】
本発明において、組成物は水をさらに含んでいてもよい。
【0045】
本発明の特定の実施形態において、ミルベースを形成するために特に、組成物は:
(a)組成物の総重量に対して、20~70重量%のイソシクロセラム、及び、より好ましくは30~60重量%のイソシクロセラム;
(b)ポリオキシアルキレンコポリマーであって、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1重量%~10.0重量%のポリオキシアルキレンコポリマー、及び、より好ましくは1.0重量%~4.0重量%のポリオキシアルキレンコポリマー;
(c)アクリル系グラフトコポリマーであって、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1重量%~10.0重量%のアクリル系グラフトコポリマー、及び、より好ましくは0.2重量%~2.0重量%のアクリル系グラフトコポリマー;
(d)含酸素炭化水素化合物であって、組成物の総重量に対して、好ましくは0.01重量%~10.0重量%の含酸素炭化水素化合物、及び、より好ましくは0.1重量%~2.0重量%の含酸素炭化水素化合物;並びに
(e)任意に水
を含み得る。
【0046】
前記特定の実施形態において、イソシクロセラム、ポリオキシアルキレンコポリマー、アクリル系グラフトコポリマー及び含酸素炭化水素は、本明細書に記載の化合物である。
【0047】
本発明の他の特定の実施形態において、懸濁液濃縮物(SC)、フロアブル剤懸濁液(FS)、サスポエマルジョン(SE)、懸濁液濃縮物カプセル懸濁液ブレンド(ZC)、すぐに使用可能な餌(RB)、水溶性顆粒(SG)、水分散性顆粒(WG)及び水分散性錠剤(WT)などの配合物を形成するために特に、組成物は:
(a)組成物の総重量に対して、0.01重量%~50.0重量%のイソシクロセラム、及び、より好ましくは0.1重量%~40.0重量%のイソシクロセラム;
(b)ポリオキシアルキレンコポリマーであって、組成物の総重量に対して、好ましくは0.0005重量%~50.0重量%のポリオキシアルキレンコポリマー、及び、より好ましくは0.002重量%~25.0重量%のポリオキシアルキレンコポリマー;
(c)アクリル系グラフトコポリマーであって、組成物の総重量に対して、好ましくは0.0005重量%~20.0重量%のアクリル系グラフトポリマー、及び、より好ましくは0.001重量%~10.0重量%のアクリル系グラフトポリマー;
(d)含酸素炭化水素化合物であって、組成物の総重量に対して、好ましくは0.0001重量%~10.0重量%の含酸素炭化水素化合物、及び、より好ましくは0.001重量%~5.0重量%の含酸素炭化水素化合物;並びに
(e)任意に水
を含み得る。
【0048】
前記特定の実施形態において、イソシクロセラム、ポリオキシアルキレンコポリマー、アクリル系グラフトコポリマー及び含酸素炭化水素は、本明細書に記載の化合物である。
【0049】
本発明の組成物は、技術分野において周知である1種以上の配合添加剤をさらに含み得る。特に、配合添加剤は、不凍剤、消泡剤、抗菌剤(又は殺生剤)、粘度調整剤(又は増粘剤)、pH変性剤、及び、いずれかのこれらの混合物から選択可能である。
【0050】
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、消泡剤として少なくともシリコーン化合物をさらに含んでいることが可能である。シリコーン化合物の例は、ポリジメチルシロキサンであることが可能である。
【0051】
消泡剤は、所望の特性を得るために適切な量で組成物に添加可能である。例えば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、0.0001重量%~5重量%の消泡剤、好ましくは0.0001重量%~1重量%の消泡剤、及び、より好ましくは0.01重量%~1重量%の消泡剤を含んでいることが可能である。
【0052】
他の好適な配合添加剤としては、当業者に公知であるものの中でも、酸化防止剤、乳化剤、着色剤(又は顔料)、芳香剤、補助剤、誘引剤、バインダ、緩衝剤、固体支持体(キャリア)、コーティング剤、消臭剤、催吐剤、無機充填材、毒性緩和剤、有機溶剤、光保護剤及びいずれかのこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
本発明の組成物は追加の農薬をさらに含み得る。追加の農薬は、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、除草剤、共力剤、植物成長調節剤、殺線虫剤、植物栄養剤、植物肥料、及び、これらの混合物であることが可能である。
【0054】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、アバメクチン、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、シアントラニリプロール、エマメクチン安息香酸塩、エチプロール、γ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、メトキシフェノジド、ピメトロジン、スピネトラム、スピノサド、スルホキサフロル、チアメトキサム及びいずれかのこれらの混合物から選択される追加の殺虫剤を含んでいることが可能であり;並びに、より好ましくは、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、シアントラニリプロール、エマメクチン安息香酸塩、エチプロール、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、スピノサド及びいずれかのこれらの混合物から選択される追加の殺虫剤を含んでいることが可能である。イソシクロセラム対追加の殺虫剤の重量比は、1:100~100:1、好ましくは1:20~20:1、好ましくは1:10~10:1、好ましくは1:1~1:10、及び、より好ましくは1:1~1:6であることが可能である。
【0055】
エマメクチン安息香酸塩を追加の殺虫剤として用いる場合、好ましくは、光保護剤を組成物に添加することが可能である。
【0056】
本発明の組成物は、適切な場合にそれぞれの特性を得るために上記の成分の1種又は数種を好適な量で含み得る。
【0057】
本発明の他の目的において、組成物は、懸濁液濃縮物(SC)、フロアブル剤懸濁液(FS)、サスポエマルジョン(SE)、懸濁液濃縮物カプセル懸濁液ブレンド(ZC)、すぐに使用可能な餌(RB)、水溶性顆粒(SG)、水分散性顆粒又は水分散性錠剤(WT)を調製するために有利に使用可能である。
【0058】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、以下に関し得る:
-農業従事者の水噴霧タンクへの添加用に設計された濃縮物、若しくは、さらに希釈することなくそのまま適用され得る濃縮物、又は
-農業従事者の水噴霧タンク中において、濃縮物を噴霧タンク中の水と混合する際に生成される懸濁液。
【0059】
本発明の他の目的において、本発明は、動物有害生物の駆除及び/又は防除方法であって、有害生物、有害生物の生息地、又は、有害生物による攻撃を受けやすい植物に、本発明に係る組成物を適用するステップを含む方法に関する。
【0060】
動物有害生物は、昆虫、ダニ類、線虫又は軟体動物などの無脊椎動物有害生物であることが可能である。「植物」という用語は、本明細書において用いられるところ、実生、潅木及び高木を含む。
【0061】
本発明に係る組成物は、特に植物、特に農業、園芸及び林業において有用な植物及び観賞用植物、又は、このような植物の果実、花、群葉、茎、塊茎若しくは根などの器官に生じる上記のタイプの有害生物を駆除及び/又は防除する(すなわち封じ込める、又は、破壊する)ために使用可能であり、いくつかの場合においては、後の時点で形成される植物器官でさえもこれらの有害生物に対する保護が維持されている。
【0062】
好適な標的作物は、特に、コムギ、オオムギ、ライ麦、カラスムギ、イネ、トウモロコシ(例えば飼料用トウモロコシ、ポップコーン、コーン)、キビ又はソルガム(sorghum)などの穀類;砂糖又は飼料用ビートなどのビート;例えば、リンゴ、セイヨウナシ、セイヨウスモモ、モモ、アーモンド、サクランボなどの仁果、石果若しくは軟果、又は、例えば、イチゴ、ラズベリー若しくはブラックベリーなどの液果類といった果実;インゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメ又はダイズ(ダイズ(soya beans))などのマメ科作物;アブラナ、マスタード、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ヒマシ、カカオ又は落花生などの油作物;パンプキン、キュウリ、メロン、スイカ、キュウリ又はカボチャなどのウリ科植物;綿、亜麻、アサ又はジュートなどの繊維植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツ又はタンジェリンなどの柑橘果実;ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ブロッコリ、カリフラワ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ又はピーマンなどの野菜;アボカド、シナモン又は樟脳などのクスノキ科;並びに、タバコ、堅果、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウ、ホップ、プランテイン(plantain)科及びラテックス植物である。
【0063】
本方法において、組成物は一般に、有効量のイソシクロセラムと共に適用可能である。
【0064】
より好ましくは、前記方法は、例えば噴霧容器から供給される本発明の組成物の吹付けに適用される。
【0065】
前記方法は、0.01~5リットル/ヘクタール(L/ha)、及び、より好ましくは0.02~3.0L/haの量で組成物を有効量で適用可能である。
【0066】
本発明の他の目的において、組成物は種子処理配合物であることが可能であり、又は、換言すると、植物繁殖材料を本発明に係る組成物で処理が可能である。「植物繁殖材料」という用語は、その増殖に使用可能である、挿木などの無性生殖植物材料を含む、種子などの植物の生殖部のすべてを表すと理解される。植物繁殖材料としては、種子(厳密な意味での)、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎、植物の部分が挙げられ得る。植物繁殖材料は、材料を播種又は植え付ける前に本発明の組成物で処理することが可能である。或いは、植物繁殖材料は、播種又は植え付けの最中に本発明の組成物で処理し得る。また、本発明の組成物は、既に処理された繁殖材料に、その植え付けの前又はその最中に適用し得る。本発明の組成物は、種子の播種の最中に適用し得る。組成物はまた、温室で栽培されている植物及び/又は移植中の植物由来の植物繁殖材料に使用し得る。前記種子処理配合物は、種子1kg当り10mg~1gの有効物質(イソシクロセラム)、好ましくは、種子1kg当り10mg~500mgの有効物質(イソシクロセラム)、及び、より好ましくは、種子1kg当り10mg~100mgの有効物質(イソシクロセラム)の範囲の量で適用が可能である。
【0067】
本発明の他の目的において、組成物はまた、動物の健康治療として使用し得る。
【0068】
以下の非限定的な例は、本発明に係る組成物に関連する向上した挙動を表す。
【0069】
以下の実施例において使用した化合物を以下に詳述する。
-イソシクロセラムは、室温(25℃)で固体であると共に、141±2℃の融点を有する殺虫剤である(CAS番号:2061933-85-3)。
-Pluronic(商標)PE 10400は、BASFにより提供される、EO-PO-EOブロックコポリマー(CAS番号:9003-11-6)である。
-Atlox(商標)4913-LQ-(MV)は、CRODAにより提供される、約35重量%のアクリル系グラフトコポリマーを含む溶液である。
-Rhodasurf DA/630-Eは、SOLVAY-RHODIAにより提供される、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(CAS番号:78330-20-8)である。
-Aerosol(商標)OT-Bは、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(80~90%)及び安息香酸ナトリウム(15~20%)の混合物を含有し、SOLVAY-RHODIAにより提供される。
【実施例
【0070】
実施例1
この実施例は、ミルベース(すなわちイソシクロセラムミルベース)であると共に、本発明に係るさらなる組成物又は配合物を調製するために用いられ得る、本発明に係る組成物を提供する。実施例1のミルベースは、粘度調整剤、殺生剤及び消泡剤などの周知の配合添加剤を含んでいることが可能である。
【0071】
水及び殺生剤を二重ジャケットを備えた配合容器に仕込み、周囲温度(20℃)で開始して鋸刃ミキサで撹拌した。素早く粘度調整剤を添加し、粘度調整剤が完全に分散し、塊が視認できなくなるまで混合物を撹拌し続けた。混合を続けながら、消泡剤であるRhodasurf DA/630-E、Atlox(商標)4913-LQ-(MV)及びPluronic(商標)PE 10400(25%水溶液として)を所与の順番で添加した。容器を冷却ユニットに接続し、10℃まで冷却し、次いで、イソシクロセラムを容器に添加した。
【0072】
イソシクロセラムが完全に濡れたら、高せん断混合(Silverson高せん断ミキサ、5000rpm)を開始した。150μmのふるいを通過可能であることが確認されるまで、混合物を連続的にせん断に供した。次いで、混合物を水平ビーズミルに移し、以下の粒径中央値が達成されるまで粉砕した:D(v,50)<2μmで、70%が3μm未満(Malvern Mastersizer 2000、レーザ回折式粒度分析計で計測)。
【0073】
実施例1のイソシクロセラムミルベースを形成するために添加した構成要素の濃度が以下の表1に列挙されており、これらは、イソシクロセラムミルベースの総重量に対する重量割合(%w/w)で表記されている。
【0074】
【表1】
【0075】
実施例2
この実施例は、本発明に係る懸濁液濃縮物を提供する。以下の構成要素を水、殺生剤、不凍剤及び粘度調整剤の順番で容器に仕込み、パドル撹拌機で混合し、次いで、実施例1からのイソシクロセラムミルベースを添加した。得られた組成物を、パドル撹拌機を用いて低せん断下で1時間混合した。酸性化剤(pH変性剤)を用いて、pHを目標値(pH5)まで調節した。懸濁液濃縮物を形成するために添加した殺生剤、不凍剤、粘度調整剤及びpH変性剤は周知の配合添加剤である。
【0076】
実施例2の懸濁液濃縮物を形成するために添加した構成要素の濃度が以下の表2に列挙されており、これらは、懸濁液濃縮物の総体積に対する重量割合で表記されている(%w/v)。
【0077】
【表2】
【0078】
実施例3~13
内径40mmの50mlのガラスビーカに、Pluronic PE 10400、Atlox 4913-LQ-(MV)、Rhodasurf DA/630E及びAerosol OT-Bの水溶液5gを、個々の成分の濃度は以下の表3に記載のとおりとして仕込んだ。前記溶液に、5gのイソシクロセラムを10秒以内に添加した。ビーカを静置した。固体イソシクロセラムの濡れを、1分後、2分後及び8分後に視覚的に評価した。
【0079】
サンプルを、イソシクロセラムが液体の上面にまったく浮いておらず、且つ、すべてのイソシクロセラムがビーカの底に沈んだ場合を完全に濡れたと評価した。
【0080】
組成物の総重量に対する重量割合(%w/w)で表記されている実施例3~13における構成要素の濃度、並びに、濡れ評価を表3にまとめている。
【0081】
【表3】
【0082】
実施例14~23
10gの所与のミルベースを調製するために、30mlのガラスジャーに以下の表4に記載の組成に係る成分を仕込んだ。先ず、Pluronic PE 10400、Atlox 491-LQ-(MV)、Rhodasurf DA/630E及びAerosol OT-Bを水に溶解した。次いで、消泡剤(技術分野において周知である配合添加剤)及びイソシクロセラムを添加した。最後に、湿式粉砕のために15mlのジルコニウムケイ酸ビーズ(タイプZ、直径0.8~1.0mm)を添加した。ジャーを、Retsch MM200振動粉砕機を用いて30s-1で15分間、振盪した。ジャーを75分間静置して冷却し、その後、30s-1でさらに15分間振盪した。その後、サンプルを放置して冷却し、その後、ふるい(150μm)に注ぎ入れてジルコニウムケイ酸ビーズを除去した。粉砕プロセスの効率を確認するために、粒径を、Malvern Mastersizer 2000レーザ回折式粒度分析計を用いて計測した。十分な粉砕プロセスでは、1~10μm、及び、好ましくは1~5μmのD[4,3]粒径(D[4,3]は、De Brouckere平均直径又は体積加重平均直径として周知である)が得られる。
【0083】
組成物の総重量に対する重量割合(%w/w)で表記されている実施例14~23における構成要素の濃度、並びに、粒径を表4にまとめている。
【0084】
【表4】
【0085】
サンプル(実施例14~23)の温度安定性を評価するために、サンプルの粘度を様々な温度で計測した。サンプルの粘度は、CC17カップ及びボブ形状を備えるAnton-Parr MCR 502レオメターを用いて測定した。10Paの一定のせん断応力でボブを回転させながら、温度を最初に20℃から-10℃に0.5℃/分の割合で下げ、その後、0.5℃/分の割合で60℃とした。
【0086】
温度を下げると、サンプルの粘度はサンプルが凝固点に達するまで増加することが想定される。温度を上げると、粘度は低下することが想定される。温度を上げる際に粘度の上昇がもたらされる現象は、固体粒子の不可逆的な凝集を伴う可能性がある分散剤系の破壊を示す。
【0087】
実施例14~23の結果を図1に示す。より具体的には、温度を25℃から60℃に上げると、本発明に係る実施例17及び21は60℃まで安定な粘度を示し、又は、換言すると、前記実施例17及び21は、実施例15、18、19及び23と比して、特に40℃超における粘度の増加を示さなかった(図1を参照のこと)。
【0088】
温度を-10℃から25℃に上げた際にこれ以上の粘度の低減が見られず、従って、図1に示す範囲内に計測できなかったため、実施例22は図1に示されていない。
【0089】
従って、上記から、本発明に係る実施例6、10、17及び21は、イソシクロセラムの濡れ性についてポリオキシアルキレンコポリマー(b)、アクリル系グラフトコポリマー(c)及び含酸素炭化水素化合物(d)の組み合わせが重要であり、組成物の温度安定性を保証しながら、大規模での組成物の処理を有利とすることを示すものである。
図1
【国際調査報告】