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特表2023-553494改善された放射線造影特性を有する多糖
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】改善された放射線造影特性を有する多糖
(51)【国際特許分類】
   C08B 37/00 20060101AFI20231214BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
C08B37/00
A61K49/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536106
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 US2021064384
(87)【国際公開番号】W WO2022146749
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/130,950
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【弁理士】
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】ディレニー ジョセフ ティー
(72)【発明者】
【氏名】コルステ コルベイン
(72)【発明者】
【氏名】ディンディコヴァ タチアナ
【テーマコード(参考)】
4C085
4C090
【Fターム(参考)】
4C085HH03
4C085KA29
4C085KB79
4C090AA02
4C090AA09
4C090BA64
4C090BA97
4C090BB21
4C090BB22
4C090BB23
4C090BB66
4C090BB76
4C090BB98
4C090BD01
4C090CA35
4C090DA24
(57)【要約】
本開示は、複数のカルボキシル基及び複数のヨウ素化側基を含む多糖骨格を含む、ヨウ素化多糖化合物に関する。本開示はまた、カルボキシル含有多糖鎖に存在するカルボキシル基の少なくとも一部は、複数のヨウ素化側基で官能化されている、ヨウ素化多糖化合物にも関する。本開示の他の態様は、ヨウ素化多糖化合物の形成方法、ヨウ素化多糖化合物を含む医療用組成物、かかる医療用組成物を患者の組織内又は組織間に導入することを含む医療処置、及びかかる医療用組成物を含む医療キットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカルボキシル基及び複数のヨウ素化側基を含む多糖骨格を含む、ヨウ素化多糖化合物。
【請求項2】
多糖骨格が、ヨウ素化側基が結合しているカルボキシル含有多糖鎖を含み、カルボキシル含有多糖鎖が、グルクロン酸残基、マンヌロン酸残基、又はガラクツロン酸残基のうちの1つ又は複数から選択される1つ又は複数の残基を含む、請求項1に記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項3】
カルボキシル含有多糖鎖に存在するカルボキシル基の少なくとも一部が複数のヨウ素化側基で官能化されている、ヨウ素化多糖化合物。
【請求項4】
カルボキシル含有多糖鎖が、グルクロン酸残基、マンヌロン酸残基、又はガラクツロン酸残基から選択される1つ又は複数の残基を含む、請求項3に記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項5】
ヨウ素化側基が、芳香族基の1つ又は複数の水素がヨウ素で置換されておりかつ芳香族基の1つ又は複数の水素が親水性基で置換されているヨウ素化芳香族基を含む、請求項1~4のいずれかに記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項6】
芳香族基が、フェニル基である、請求項5に記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項7】
ヨウ素化側基が、ヨウ素化芳香族基及び親水性基を含む、請求項1~4のいずれかに記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項8】
ヨウ素化芳香族側基が、モノヨード-フェニル基、ジヨード-フェニル基、トリヨード-フェニル基又はテトラヨード-フェニル基を含む、請求項7に記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項9】
親水性基が、ポリヒドロキシ化基を含む、請求項5~8のいずれかに記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項10】
ヨウ素化側基が、3位及び5位の水素の少なくとも1つがポリヒドロキシ化基で置換されている2,4,6-トリヨードベンゼン基を含む、請求項1~4のいずれかに記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項11】
ポリヒドロキシ化基が、ポリヒドロキシ化C1-C6-アルキル含有基を含む、請求項9又は請求項10に記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項12】
ヨウ素化側基が、-N,N’-ビス(ポリヒドロキシ-C1-C6-アルキル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-3,5-ジカルボキサミド基を含む、請求項1~4のいずれかに記載のヨウ素化多糖化合物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のヨウ素化多糖化合物の形成方法であって、アミノ含有ヨウ素化化合物のアミノ基をカルボキシル含有多糖鎖のカルボキシル基と反応させるカップリング反応によってアミド結合を形成する工程を含む、形成方法。
【請求項14】
請求項1~12のいずれかに記載のヨウ素化多糖化合物を含む、医療用組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の医療用組成物を患者の組織内又は組織間に導入する工程を含む、医療処置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2020年12月28日に出願された米国仮特許出願第63/130,950号の利益を主張し、その開示は、全ての目的で参照によりその全体が組み込まれる。
数ある態様の中でも、本開示は、放射線造影特性を有するヨウ素化多糖化合物を含む医療用組成物、かかるヨウ素化多糖化合物の作製方法、かかるヨウ素化多糖化合物を含む医療用組成物、及びかかるヨウ素化多糖化合物を使用する医療処置に関する。
【背景技術】
【0002】
注入用ヒドロゲルは、様々な医療用途を有する新たに登場したクラスの材料である。1つの特定の例として、注入用ヒドロゲルは、標的外放射線治療(off-target radiation therapy)の副作用を減らすために、組織間の間隔を作成又は維持するのに使用されている。スペーサー材の前立腺放射線治療に関連する使用の概略は、図1A及び1Bに示されている。図1Aは、前立腺110及び直腸壁112を含むヒト男性の解剖学的構造の断面を示す。前立腺が放射線治療を使用して治療される場合、前立腺に隣接する高線量領域114があり、高線量の放射線に供されるが、前立腺110から更に離れるにつれて低線量領域116になる。図1Bに示されるように、スペーシング材118は、前立腺110と直腸壁112との間に注入することができるが、これにより、直腸壁を、高線量領域114から低線量領域116へと押し動かすことで、直腸壁への損傷を低減することができる。
【0003】
しかし、様々な適用は、腫瘍部位近傍のスペーサーとして放射線治療の前に注入用ヒドロゲルを使用することを含むが、材料がまた何らかの持続的な放射線造影特性を有することも有益である。タングステン粒子を加えることもできるが、しかしながら、これらは生分解されず、ヒドロゲルから沈降する可能性があり、理想的な戦略とは言えない。ヨウ素化造影剤もまた注入の直前に加えることができる。しかし、このアプローチは3つの問題点がある:1)画像は、埋め込みから数時間以内に取得する必要がある、さもなければ埋込物は可視化されない、2)経過観察イメージングは、感知できるほどの造影剤を有しない、及び3)ヨウ素は、ヒドロゲルに結合しないため、イメージングされる造影剤は、ヒドロゲルではなく、ヒドロゲルから拡散した造影剤である可能性がある。
したがって、生物医学の分野では、数ある需要の中でも、放射線造影特性を有する新規な材料、並びにかかる材料の作製方法及び使用方法が継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
幾つかの態様では、本開示は、複数のカルボキシル基及び複数のヨウ素化側基を含む多糖骨格を含む、ヨウ素化多糖化合物に関する。ある特定の実施形態では、多糖骨格は、ヨウ素化側基が結合するカルボキシル含有多糖鎖を含む。ある特定の実施形態では、カルボキシル含有多糖鎖は、グルクロン酸残基、マンヌロン酸残基、又はガラクツロン酸残基の1つ又は複数から選択される1つ又は複数の残基を含む。
幾つかの態様では、本開示は、カルボキシル含有多糖鎖に存在するカルボキシル基の少なくとも一部は、複数のヨウ素化側基で官能化されている、ヨウ素化多糖化合物に関する。ある特定の実施形態では、カルボキシル含有多糖鎖は、グルクロン酸残基、マンヌロン酸残基、又はガラクツロン酸残基から選択される1つ又は複数の残基を含む。
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、ヨウ素化側基は、芳香族基の1つ又は複数の水素がヨウ素で置換されておりかつ芳香族基の1つ又は複数の水素が親水性基で置換されているヨウ素化芳香族基を含み得る。これらの実施形態の幾つかでは、芳香族基は、フェニル基であってもよい。これらの実施形態の幾つかでは、親水性基は、ポリヒドロキシ化基を含み得る。
【0005】
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、ヨウ素化側基は、ヨウ素化芳香族基及び親水性基を含み得る。これらの実施形態の幾つかでは、ヨウ素化芳香族側基は、モノヨード-フェニル基、ジヨード-フェニル基、トリヨード-フェニル基又はテトラヨード-フェニル基を含み得る。これらの実施形態の幾つかでは、親水性基は、数ある中でも、ポリヒドロキシ化基、例えば、ポリヒドロキシ化C1-C6-アルキル含有基を含むポリヒドロキシ化基を含み得る。
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、2,4,6-トリヨードベンゼン基は、ヨウ素化側基に含まれ得、3及び5位の水素の少なくとも1つが、数ある中でも、ポリヒドロキシ化基、例えば、ポリヒドロキシ化C1-C6-アルキル含有基を含むポリヒドロキシ化基で置換されている。
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、ヨウ素化側基は、-N,N’-ビス(ポリヒドロキシ-C1-C6-アルキル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-3,5-ジカルボキサミド基を含み得る。
【0006】
幾つかの態様では、本開示は、先行する態様及び実施形態のいずれかに従うヨウ素化多糖化合物の形成方法に関する。幾つかの実施形態では、方法は、アミド結合を、アミノ含有ヨウ素化化合物のアミノ基がカルボキシル含有多糖鎖のカルボキシル基と反応するカップリング反応で形成することを含む。
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、カップリングは、カップリング剤の存在下、水溶液中で行われる。例えば、カップリング剤は、数ある中でもカルボジイミドカップリング剤であり得る。
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、芳香族基は、アミノ含有ヨウ素化化合物に含まれ、1つ又は複数の水素が、アミノ含有基で置換されており、1つ又は複数の水素が、ヨウ素で置換されており、1つ又は複数の水素が、親水性基、例えば、上述のものから選択される親水性基で置換されている。
【0007】
幾つかの態様では、本開示は、先行する態様及び実施形態のいずれかに従うヨウ素化多糖化合物を含む医療用組成物に関する。
幾つかの実施形態では、医療用組成物はヒドロゲルである。これらの実施形態のある特定のものでは、ヒドロゲルは注入用ヒドロゲルである。
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、医療用組成物は、治療剤を更に含む。
幾つかの態様では、本開示は、先行する態様及び実施形態のいずれかに従う医療用組成物を患者の組織内又は組織間に導入することを含む医療処置に関する。
幾つかの実施形態では、医療処置は、医療用組成物のイメージングをX線ベースのイメージング手法を使用して行うことを更に含む。
【0008】
先行する態様及び実施形態に関連して使用され得る幾つかの実施形態では、医療処置は、ヨウ素化多糖化合物を含む基準マーカーを埋め込む処置、ヨウ素化多糖化合物を含む組織再生足場を埋め込む処置、ヨウ素化多糖化合物を含む組織支持体を埋め込む処置、ヨウ素化多糖化合物を含む組織増量剤を埋め込む処置、ヨウ素化多糖化合物を含む治療剤含有デポーを埋め込む処置、医療用組成物を埋め込むことを含む組織増大処置、第1の組織と第2の組織との間に医療用組成物を導入して第1の組織の第2の組織との間隔を開ける処置、から選択される。
幾つかの態様では、本開示は、容器内の先行する態様及び実施形態のいずれかに従う医療用組成物、及び以下:(a)ヨウ素化多糖化合物を分解するように作用する容器内の注入用分解性組成物、(b)カテーテル若しくはその他の送達器具、(d)針、又は(e)注入に適した希釈剤液(例えば、注入のための水又は生理食塩水)、のうちの1つ又は複数を含む医療キットに関する。
上記に加えて、本開示の更なる態様及び実施形態は、以下の詳細な説明を精査することで容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A-1B】図1A及び1Bは、スペーサー材の注入の前後での、前立腺及び直腸壁を含むヒト男性の解剖学的構造の断面を示す概略図である。
図2図2は、本開示の実施形態に従う放射線不透過性多糖化合物の形成方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な態様では、本開示は、複数のカルボキシル基及び複数のヨウ素化側基を含む多糖骨格を含む、ヨウ素化多糖化合物を提供する。様々な実施形態では、多糖骨格は、ヨウ素化側基が結合するカルボキシル含有多糖鎖を含む。様々な態様では、本開示は、カルボキシル含有多糖鎖に存在するカルボキシル基の少なくとも一部は、複数のヨウ素化側基で官能化されている、ヨウ素化多糖化合物を提供する。
ヨウ素化側基を多糖鎖に結合させることにより放射線不透過性が多糖鎖に付与されて、ヨウ素化多糖化合物は、例えば放射線造影設定において有用となる。
【0011】
カルボキシル含有多糖鎖は、一般に、天然起源、合成起源又はそれらの組み合わせのあらゆるカルボキシル含有多糖であり得る。カルボキシル含有多糖鎖の特定の例は、以下を含む:ポリグルクロン酸ホモポリマー、並びにポリグルクロン酸コポリマー、例えば、ヒアルロン酸(D-グルクロン酸残基及びN-アセチル-D-グルコサミン残基を含む)、及びジェランガム(D-グルクロン酸残基、D-グルコース残基及びL-ラムノース残基を含む)及びキサンタンガム(D-グルクロン酸残基、D-グルコース残基及びD-マンノース残基を含む)などのグルクロン酸残基を有するガムを含む様々なカルボキシル含有ガムをはじめとするグルクロン酸残基を含むポリマーと;ポリマンヌロン酸ホモポリマー、並びにポリマンヌロン酸コポリマー、例えば、アルギン酸(D-マンヌロン酸残基及びL-グルクロン酸残基を含む)をはじめとするマンヌロン酸残基を含むポリマーと;ポリガラクツロン酸ホモポリマー、並びにD-グルクロン酸残基、及びD-キシロース残基(例えば、キシロガラクツロナン)、D-アピオース残基(例えば、アピオガラクツロナン)、α-L-ラムノース残基(ラムノガラクツロナンペクチン)、D-ガラクツロン酸残基、D-ガラクトース残基、L-アラビノース残基、及びD-キシロース残基から選択される1つ又は複数の追加の残基を、D-ガラクツロン酸残基に加えて同様に含み得る、ペクチンファミリーのメンバーを含むポリガラクツロン酸コポリマーをはじめとするガラクツロン酸残基を含むポリマー。カルボキシル含有多糖鎖の他の特定の例としては、カルボキシ化セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ化デンプン、カルボキシメチルデンプン、N-カルボキシメチルキトサン、又はN,O-カルボキシメチルキトサンが挙げられる。
【0012】
様々な実施形態では、ヨウ素化多糖化合物のヨウ素化側基は、芳香族基の1つ又は複数の水素がヨウ素で置換されておりかつ芳香族基の1つ又は複数の水素が親水性基で置換されているヨウ素化芳香族基を含む。これらの実施形態では、芳香族基は、数ある中でも、フェニル基又はナフタレン基から選択され得る。
様々な実施形態では、ヨウ素化側基は、ヨウ素化芳香族基及び少なくとも1つの親水性基を含む。これらの実施形態では、ヨウ素化芳香族基は、数ある中でも、ヨウ素化フェニル基又はヨウ素化ナフタレン基から選択され得る。特定の実施形態では、ヨウ素化芳香族基は、モノヨード-フェニル基、ジヨード-フェニル基、トリヨード-フェニル基又はテトラヨード-フェニル基を含み得る。ある特定の実施形態では、ヨウ素化側基は、3及び5位の水素の少なくとも1つが親水性基で置換されている2,4,6-トリヨードベンゼン基を含み得る。
【0013】
少なくとも1つの親水性基は、数ある中でも、例えばポリヒドロキシ化基から選択され得る。例えば、少なくとも1つのポリヒドロキシ化基は、例えば、ポリヒドロキシ化C1-C6-アルキル含有基、又はポリヒドロキシ化C1-C6-アルキル-カルボキサミド基を含み得る。
ある特定の実施形態では、ヨウ素化側基は、-N,N’-ビス(ポリヒドロキシ-C1-C6-アルキル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-3,5-ジカルボキサミド基を含み得、これらのうち、-N,N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-3,5-ジカルボキサミドが1例である。
【0014】
本開示の他の態様は、上述のようなヨウ素化多糖化合物の形成方法に関する。幾つかの実施形態では、これらの方法は、ヨウ素化側基を多糖骨格と連結するアミド結合を、アミノ含有ヨウ素化化合物のアミノ基がカルボキシル含有多糖鎖のカルボキシル基と反応するカップリング反応で形成することを含む。アミノ含有ヨウ素化化合物を多糖とカップリングさせることにより放射線不透過性が多糖に付与される。
【0015】
このカップリングは、水溶液及び非水溶液においてカップリング剤の使用で促進することができる。適したカップリング剤は、例えば、以下から選択され得る:(a)カルボジイミド、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチル-アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリニル-4-エチル)カルボジイミドメチルp-トルエンスルホネート(CMC)、又は1-シクロヘキシル-3-(2-モルフォリオ(morpholio)エチル)カルボジイミドメト-4-トルエンスルホネート(CDI)、(b)ホスホニウム試薬、例えば、BOP(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、PyBOPR(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、PyBrOPR(ブロモ-トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、PyAOP(7-アザ-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、PyOxim(エチルシアノ(ヒドロキシイミノ)アセタト-O2)-トリ-(1-ピロリジニル)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、DEPBT(3-(ジエトキシ-ホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾ[d]トリアジン-4(3H)-オン)、(c)アミニウム/ウロニウム-イモニウム試薬、例えば、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボレート/ヘキサフルオロホスフェート(TBTU、BF4 -陰イオン)/HBTU、PF6 -陰イオン)、HCTU(2-(6-クロロ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート)、HDMC(N-[(5-クロロ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-ジメチルアミノ-モルホリノ]-ウロニウムヘキサフルオロホスフェートN-オキシド)、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボレート/ヘキサフルオロホスフェート(TATU、BF4 -陰イオン/HATU、PF6 -陰イオン)、COMU(1-[1-(シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)-ジメチルアミノ-モルホリノ]-ウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、TOTT(2-(1-オキシ-ピリジン-2-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソチオウロニウムテトラフルオロボレート)、TFFH(テトラメチルフルオロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート)、(d)追加のカップリング剤、例えば、EEDQ(N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン)、T3P(2-プロパンホスホン酸無水物)、DMTMM及び関連の化合物(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム塩)、BTC(ビス-トリクロロメチルカルボネート又は「トリホスゲン」)、及びCDI(1,1’-カルボニルジイミタゾール)。添加剤は、反応性を高めると同時にエピマー及びN-アシル尿素の形成を減らすために、カルボジイミドを用いてアミド結合を形成するのに一般的に使用される。添加剤としては、HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)、HOBt-6-スルホンアミドメチル樹脂・HCl(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール-6-スルホンアミドメチル樹脂・HCl)、HOOBt(HODhbt)(ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン)、HOSu(N-ヒドロキシスクシンイミド)、HOAt(1-ヒドロキシ-7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール)、Oxyma Pure(エチル2-シアノ-2-(ヒドロキシミノ(hydroximino))アセテート)、DMAP(4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン)が挙げられる。上記のカップリング剤及び添加剤は、例えば、Bachem Americas,Inc.、Torrance、CA、USAなどの供給者から入手可能である。
【0016】
かかるカップリング方法に使用するためのカルボキシル含有多糖化合物は、上述の通り、ポリグルクロン酸のホモポリマー及びコポリマー、ポリマンヌロン酸のホモポリマー及びコポリマー、ポリガラクツロン酸のホモポリマー及びコポリマー、カルボキシ化セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ化デンプン、カルボキシメチルデンプン、N-カルボキシメチルキトサン、又はN,O-カルボキシメチルキトサンから選択され得る。
【0017】
様々な実施形態では、アミノ含有ヨウ素化化合物は、水溶性であり得る。
様々な実施形態では、アミノ含有ヨウ素化化合物は、水溶性ヨウ素化芳香族アミン、例えば、1つ又は複数の親水性基で置換されているヨウ素化芳香族アミンであり得る。
様々な実施形態では、芳香族基は、アミノ含有ヨウ素化化合物に含まれ得、1つ又は複数の水素が、アミノ含有基で置換されており、1つ又は複数の水素が、ヨウ素で置換されており、1つ又は複数の水素が、親水性基で置換されている。例えば、ベンゼン基は、アミノ含有ヨウ素化化合物に含まれ得、少なくとも1つの水素がアミノ含有基で置換されており、少なくとも1つの水素がヨウ素基で置換されており、少なくとも1つの水素が親水性基で置換されている。
【0018】
様々な実施形態では、ヨウ素化芳香族基は、アミノ含有ヨウ素化化合物に含まれ得、1つ又は複数の水素がアミノ含有基で置換されており、1つ又は複数の水素が親水性基で置換されている。例えば、ヨウ素化ベンゼン基は、アミノ含有ヨウ素化化合物に含まれ得、少なくとも1つの水素がアミノ含有基で置換されており、少なくとも1つの水素が親水性基で置換されている。ある特定の実施形態では、2,4,6-トリヨードベンゼン基は、アミノ含有ヨウ素化化合物に含まれ得、少なくとも1つの水素が1、3及び5位でアミノ含有基で置換されており、少なくとも1つの水素が1、3及び5位で親水性基で置換されている。
親水性基の例としては、数ある中でもポリヒドロキシ化基が挙げられる。
特定のアミノ含有ヨウ素化化合物は、5-アミノ-N,N’-ビス(ポリヒドロキシ-C1-C6-アルキル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-1,3-ジカルボキサミド化合物を含み、これらのうち、5-アミノ-N,N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-1,3-ジカルボキサミドが1例である。
【0019】
ここで、本開示に従うヨウ素化多糖の形成方法の特定の例を説明するが、この方法では、ヒアルロン酸含有多糖鎖に存在するカルボキシル基の少なくとも一部は、放射線不透過性が多糖鎖に付与されるようにヨウ素化側基で官能化される。1つの有益な実施形態において、非動物安定化ヒアルロン酸(NASHA)のカルボキシル基は、ヨウ素化側基で官能化される。十分に高い濃度では、NASHA溶液は、物理的に架橋したヒドロゲルを形成するが、これは、生体適合性に優れ、注入に適している。更に、NASHAヒドロゲルは、温和な条件下でヒアルロニダーゼを投与して加水分解を触媒することにより容易に溶解し得るという追加の魅力的な特徴も兼ね備えている。NASHAポリマーは、水溶性ヨウ素化側基で官能化されている。図2を参照して、NASHAのD-グルクロン酸サブユニットのカルボキシル基と、化合物5-アミノ-N,N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨードイソフタルアミド(CAS#76801-93-9)の利用可能なアミノ基を、カップリングして、水溶性の放射線不透過性部位を得ることができる。このカップリングは、水溶液において、EDCなどの適切なカップリング剤を用いて促進することができる。
【0020】
本開示の他の態様は、本開示のヨウ素化多糖化合物を含む組成物に関する。本開示のヨウ素化多糖化合物を含む組成物は、注入剤、埋込物及び医療装置における使用を含む多種多様な生物医学的適用で使用することができる。
かかる組成物としては、本開示のヨウ素化多糖化合物及び水を含むヒドロゲル組成物が挙げられる。本開示に従うヒドロゲルは、物理的又は化学的に(例えば、共有結合的に)架橋され得る。幾つかの実施形態では、本開示に従うヒドロゲルは、滑らかなコーティングを形成し得る。幾つかの実施形態では、本開示に従うヒドロゲルは、注入用ヒドロゲルであり得る。
【0021】
前述のように、ヨウ素化側基をカルボキシル含有多糖鎖に結合させることにより放射線不透過性が多糖鎖に付与されて、放射線造影設定において有用なヨウ素化多糖化合物となる。
幾つかの実施形態では、本開示のヨウ素化多糖化合物を含む組成物は、1つ又は複数の治療剤、例えば、小分子薬剤、細胞、タンパク質、及び生物活性分子を含み得る。
【0022】
幾つかの実施形態では、治療剤は、以下から選択され得る:麻酔剤;アセトアミノフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、Voltaren(登録商標)、フェナセチン及びサリチルアミドから選択される鎮痛剤;ナプロキセン及びインドメタシンから選択される抗炎症剤;クロルフェニラミンマレイン酸塩、フェニンダミン酒石酸塩、ピリラミンマレイン酸塩、ドキシラミンコハク酸塩、フェニルトロキサミンクエン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、プロメタジン、ブロムフェニラミンマレイン酸塩、デクスブロムフェニラミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩及びトリプロリジンから選択される抗ヒスタミン剤;デキストロメトルファン臭化水素酸塩及びグアイフェネシンから選択される鎮咳剤;去痰剤;フェニレフリン塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、及びエフェドリンから選択されるうっ血除去剤;殺アメーバ薬、広域及び中域の真菌薬物(fungal medications)、モノバクタム及びウイルス剤から選択される抗生物質;テオフィリン、アルブテロール及びテルブタリンから選択される気管支拡張剤;ジルチアゼム、プロプラノロール、ニフェジピン、クロニジン、αアドレナリン受容体アゴニスト、α受容体遮断剤、α及びβ受容体遮断剤、アンチオテンシン(antiotensin)変換酵素阻害剤、β遮断剤、カルシウムチャネル遮断薬、及び強心配糖体から選択される心血管製剤;チオリダジン、ジアゼパム、メクリジン、エルゴロイドメシル酸塩、クロルプロマジン、カルビドパ及びレボドパから選択される中枢神経系薬;塩化カリウム及び炭酸リチウムから選択される金属塩;鉄、クロム、モリブデン及びカリウムからなる群から選択される無機質;免疫調節剤;ミノサイクリン、シクロスポリンAから選択される免疫抑制剤;合成甲状腺ホルモン、及びサイロキシンナトリウムから選択される甲状腺製剤;ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、コルチコトロピン、ヒト成長ホルモン(HGH-ソマトトロピン)エリスロポエチン(EPO)、FGF1及びFGF2を含む塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、アンジオポエチン1、及びアンジオポエチン2から選択されるペプチド及び糖タンパク質ホルモン及び類似体;ACTH、タンパク質同化剤、アンドロゲン及びエストロゲンの併用、アンドロゲン、コルチコイド及び鎮痛剤、エストロゲン、グルココルチコイド、ゴナドトロピン、ゴナドトロピン放出剤(gonadotropin releasing)、低カルシウム血症剤(hypocalcemic)、メノトロピン、副甲状腺のもの、プロゲステロン、プロゲストゲン、プロゲストゲン及びエストロゲンの併用、ソマトスタチン様化合物、ウロフォリトロピン、バソプレシン、メチルプレドニゾロン、GM1ガングリオシド、及びcAMPなどから選択されるステロイド及びホルモン;水溶性ビタミンから選択されるビタミン及び動物用製剤;EGF、FGF2及びニューロトロフィンから選択される増殖因子;ペプチド、ペプチド模倣体及びその他のタンパク質製剤;DNA;並びに、低分子干渉RNA。
【0023】
本開示に従う注入用ヒドロゲルが使用され得る設定の例としては、数ある中でも、組織間の間隔を開けるための注入、基準マーカーを提供するための注入(例えば、ブレブの形態で)組織増大又は再生のための注入、軟組織の充填剤又は置き換えとしての注入、損なわれた組織に機械的支持を提供するための注入、足場としての注入、組織の疾患、癌、修復及び再生の治療における治療剤の担体としての注入が挙げられる。
【0024】
本発明は、様々な医療処置に関連して本開示の組成物を投与する様々な方法を包含する。当業者は、数ある要因の中でも特に治療の種類及び患者の状態に応じて組成物を投与する最も望ましい方法を決めることができる。投与方法としては、例えば、経皮的手法及び他の有効な投与経路が挙げられる。例えば、本発明の組成物は、数ある器具の中でも、注射器を介して、又はカテーテル、例えば、ガイドワイヤーに沿って進ませることができるマイクロカテーテル、ステラブルマイクロカテーテル、又はフローダイレクトマイクロカテーテル、を介して、送達され得る。
様々な態様では、提供される医療処置では、本開示のヨウ素化多糖化合物を含む医療用組成物が、患者の組織内又は組織間に挿入される。様々な実施形態では、注入された医療用組成物は、次いで外部又は内部イメージング手法を使用してイメージングされる。典型的には、イメージング手法は、X線ベースのイメージング手法、例えば、コンピュータ断層撮影法又はX線透視法である。
【0025】
ある特定の実施形態では、医療処置は、以下のうちの1つであり得る:ヨウ素化多糖を含む基準マーカーを埋め込む処置、ヨウ素化多糖を含む組織再生足場を埋め込む処置、ヨウ素化多糖を含む組織支持体を埋め込む処置、ヨウ素化多糖を含む組織増量剤を埋め込む処置、ヨウ素化多糖を含む治療剤含有デポーを埋め込む処置、医療用組成物を埋め込むことを含む組織増大処置、第1の組織と第2の組織との間に医療用組成物を導入して第1の組織の第2の組織との間隔を開ける処置。
【0026】
本開示に従う組成物(例えば、ヒドロゲル)は、以下を含む様々な医療処置における様々な部位で注入することができる:直腸癌用放射線治療において間隔を開ける場合の前立腺又は腟と直腸との間への注入、前立腺癌用放射線治療において間隔を開ける場合の直腸と前立腺との間への注入、前立腺癌の待機的治療の場合の皮下注入、女性腹圧性尿失禁の場合の経尿道又は粘膜下注入、尿失禁の場合の膀胱内注入、アッシャーマン症候群の場合の子宮腔注入、肛門失禁の場合の粘膜下注入、心不全の場合の経皮注入、心不全及び拡張型心筋症の場合の心筋内注入、心筋梗塞の場合の経心内膜注入、骨関節炎の場合の関節内注入、脊椎固定、並びに脊椎、口腔顎顔面及び整形外科的外傷の手術の場合の脊髄注入、後外側腰部の脊椎固定の場合の脊髄注入、変性椎間板疾患の場合の椎間板内注入、膵臓腺癌のイメージングの場合の膵臓と十二指腸との間への注入、中咽頭癌のイメージングの場合の切除床注入、膀胱癌のイメージングの場合の腫瘍床の周囲あたりへの注入、消化器腫瘍及びポリープの場合の粘膜下注入、肺生検の場合の臓側胸膜注入、2型糖尿病及び慢性腎疾患の場合の腎臓注入、腎臓及び尿路の先天異常からの慢性腎疾患の場合の腎皮質注入、新生血管加齢黄斑変性の場合の硝子体内注入、感音難聴の場合の鼓室内注入、皺(wrinkles)、しわ(creases)及び皺襞の矯正、顔面における、脂肪喪失、容積喪失、浅い~深い輪郭不足の徴候の矯正、陥凹性皮膚瘢痕の矯正、口周囲のしわの矯正、口唇拡大術の矯正、顔面脂肪組織萎縮の矯正、天然コラーゲン産生の刺激の場合の真皮注入。
【0027】
他の態様では、本開示は、本開示に従うヨウ素化多糖化合物を含む組成物を、適切な容器内に備えた医療キットに関する。ヨウ素化多糖を含む組成物は、乾燥形態(例えば、乾燥粒子の形態)であっても、又はあらかじめ作製されたヒドロゲルの形態であってもよい。ヨウ素化多糖を含む組成物のための容器は、例えば、バイアル又は注射筒であってもよい。注射筒は、注射筒の内部が注射針又はカテーテルの内部と流体連結して配置されるように、その近位端にプランジャーを受ける開口部を有し、その遠位端に注射針又はカテーテルと直接又は間接的に係合するために継手(例えば、ルアー継手又は別の適切な継手)を有し得る。注射筒はまた、その近位端に係合を容易とするためにフランジを備え、注射筒に残っている流体の容量を求めるための目盛りを備えることもできる。適切な注射器の容量は、例えば、5cc以下~50cc以上、典型的には5cc~15ccの範囲であり得る。ヨウ素化多糖を含む組成物に加えて、医療キットは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:(a)ヨウ素化多糖を分解するもの(例えば、ヒアルロン酸含有多糖に対するヒアルロニダーゼ)である容器内の注入用分解性組成物(例えば、乾燥形態又はすぐに注入可能な形態)、(b)カテーテル若しくはその他の送達器具、(b)針、又は(d)注入に適した希釈剤液(例えば、注入のための水又は生理食塩水)。
図1A-1B】
図2
【国際調査報告】