(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20231214BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536113
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 KR2021019507
(87)【国際公開番号】W WO2022139409
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0182670
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523217259
【氏名又は名称】オーシーモバイル シーオー エルティディ
(71)【出願人】
【識別番号】523211257
【氏名又は名称】パク、ジュン ヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン ヨン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
本発明は、(a)中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会する段階と、(b)中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集する段階と、(c)収集された前記非定型データをコンピュータ分析によって診断して性能を点検するAI性能点検を行う段階と、(d)AI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する段階とを含む中古自動車の知能型性能点検サービス方法を開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会する段階と、
(b)中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集する段階と、
(c)収集された前記非定型データをコンピュータ分析によって診断して性能を点検するAI性能点検を行う段階と、
(d)AI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する段階と、を含む、中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項2】
前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供する段階をさらに含む、請求項1に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項3】
前記 (b)の段階は、
前記中古自動車の内部または外部に設けられたマイクロフォンまたはユーザが所持しているスマートフォンを用いて音響信号を収集し、
前記 (c)の段階は、収集した非定型データのうちの前記音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する段階と、
前記音響情報データを予めデータベース化されている車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する段階と、
前記音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する段階と、を行う、請求項1に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項4】
前記 (d)の段階は、
前記AI性能点検結果及び基本性能点検結果をオンラインを通じて顧客の端末機に提供する、請求項3に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項5】
前記AI性能点検結果は、正常性能状態と性能低下状態とを比較して示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記顧客の端末機に表示される、請求項4に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項6】
中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会し、前記中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集し、収集された前記非定型データをコンピュータ分析により診断して自動車性能を点検するAI性能点検を行う性能点検表生成モジュールと、前記性能点検表生成モジュールによって生成されたAI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する非定型データ伝送部と、を含む、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【請求項7】
前記性能点検表生成モジュールは、
前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供する、請求項6に記載の中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【請求項8】
前記性能点検表生成モジュールは、
前記中古車の車両番号を取得して車種情報を照会する車種情報照会部と、
前記中古車の機械または電子装置などで発生する音響信号を収集する音響信号取得部と、
収集された音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する音響情報前処理部と、
車種別の誤謬事例情報を記録する車種別誤謬DBと、
前記音響情報データを前記車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する車種情報マッピング部と、
前記音響情報データから音響情報のパターンを分析して車両の異常兆候を検出する音響情報イベント抽出部と、
音響情報から異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する性能情報レポート処理部と、を含む、請求項6に記載の中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【請求項9】
前記性能点検表生成モジュールは、
正常性能状態と性能低下状態とを比較して前記AI性能点検結果を示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記顧客の端末機に表示する、請求項8に記載の中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年12月23日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0182670号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法に関し、より詳しくは、車両のエンジン駆動時や車両の走行中に発生する騒音、振動などに対する感性品質をオンラインを通じても確認できるように感性品質指標を作成し、これをコンピュータ、AI(Artificial Intelligence、人工知能)などによって分析した結果とその根拠データをオンラインを通じて確認できる知能型性能状態点検部を提供するシステム及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
中古自動車を取り引く際、自動車を買おうとする者は地域に位置した大型中古車販売店を訪問し、そこで紹介してもらうか、または直接見回りながら自動車を選択することが一般的な取引方法である。しかし、このような場合においても、自動車の自動車登録原簿、保険事故履歴、性能検査表を見て判断する場合が多く、自動車に対する知識を少し持っている者であっても、直接エンジンをかけて見る程度が殆どである。高価な自動車ではないと、試運転までは行わないことが現実である。
【0004】
近来、オンライン取引が活性化され、さらに非対面取引も活性化されている。そこで、従来のように書類のみで確認された中古自動車の状態を信じて購入するには、少なくともオンラインでは、極めて一部の情報のみに基づいて判断しなければならないため、不満足な取引になるおそれがある。このように中古自動車を購買する顧客に走行やエンジン状態などについての情報がない状況であるため、極端的な情報の非対称状況で不公正な取引が成り立つようになる。また、このように取り引きした自動車に問題が生じたとき、購買した顧客の立場では情報の非対称によって騙されたと思うことにもなる。これは中古車取引産業を全体的に不信する風土につながり、このような不信によって伝統的な中小企業と零細自営業者に役立とうと心の代わりに、信頼できるまたはブランド認知度の高い大企業の中古車産業への進出を歓迎するなどのように、顧客及び中古車産業従事者の両者に被害をもたらしている。
【0005】
現在、中古自動車の取引のために必須的に必要な性能状態点検の方式及びその証明書において、専門点検者が目視によって部品の修理、交換と各種部品の油漏れなどを検査して証明書を発行している。しかし、実際にはオンライン取引、非対面取引などが増加しており、さらにオンラインやオフラインで車両を購買しても、購買する顧客の立場では車両のエンジン駆動時や車両の走行中に発生する感性品質については情報を得難いのが現状である。
【0006】
代案として、韓国特許第10-1970641号公報は、未来に予想される性能点検費用を算出し、予想される性能点検費用に対する性能点検保証保険を反映して中古車の価格を算出することで、より信頼性高い中古車相場情報を提供することができる。また、性能点検保証保険を通じて中古車購買者の性能点検費用の負担を軽くした、性能点検保証保険が反映された中古車取引システムを開示している。
【0007】
しかし、相変らず中古車業界は、顧客の選択権を拡大するための補助的な手段を必要としている。このような手段は、書類で伝達される情報にとどまらず、自動車の走行時やエンジンで発生する音などを直接的または間接的に経験する方式で第4次産業時代に適した知能型性能点検サービスが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みて創案されたものであり、自動車の走行時やエンジンなどで発生する音または映像のような非定型データに対し、AI学習によって正常と誤謬との偏差を分析して感性品質についての指標を提供し、このような非定型データをオンラインを通じて顧客に提供することができる中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、中古自動車のオンライン取引またはオフライン取引の場合において、自動車の状態が専門的に分かり難い部分の感性品質に対し、性能点検時に音響、映像、その他センサを通じて収集された自動車の追加的な性能状態の情報をオンラインとモバイルで利用可能にして、保有中の自動車などの状態情報を全世界のどこでも閲覧できるようにする中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は、(a)中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会する段階と、(b)中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集する段階と、(c)収集された前記非定型データをコンピュータ分析によって診断して性能を点検するAI性能点検を行う段階と、(d)AI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する段階と、を含む中古自動車の知能型性能点検サービス方法を提供する。
【0011】
さらに、前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供する段階を含み得る。
【0012】
前記(b)の段階は、前記中古自動車の内部または外部に設けられたマイクロフォンまたはユーザが所持しているスマートフォンを用いて音響信号を収集し、前記(c)の段階は、収集した非定型データのうちの前記音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する段階と、前記音響情報データを予めデータベース化されている車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する段階と、前期音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する段階と、を行い得る。
【0013】
前記(d)の段階は、前記AI性能点検結果及び基本性能点検結果をオンラインを通じて顧客の端末機に提供し得る。
【0014】
また、本発明の他の一態様は、中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会し、前記中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集し、収集された前記非定型データをコンピュータ分析により診断して自動車性能を点検するAI性能点検を行う性能点検表生成モジュールと、前記性能点検表生成モジュールによって生成されたAI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する非定型データ伝送部と、を含む中古自動車の知能型性能点検サービスシステムを提供する。
【0015】
前記性能点検表生成モジュールは、前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供し得る。
【0016】
前記性能点検表生成モジュールは、前記中古車の車両番号を取得して車種情報を照会する車種情報照会部と、前記中古車の機械または電子装置などで発生する音響信号を収集する音響信号取得部と、収集された音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する音響情報前処理部と、車種別の誤謬事例情報を記録する車種別誤謬DBと、前記音響情報データを前記車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する車種情報マッピング部と、前記音響情報データから音響情報のパターンを分析して車両の異常兆候を検出する音響情報イベント抽出部と、音響情報から異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する性能情報レポート処理部と、を含み得る。
【0017】
前記性能点検表生成モジュールは、正常性能状態と性能低下状態とを比較して前記AI性能点検結果を示すユーザ・インタフェース(UI:User Interface)を通じて前記顧客の端末機に表示し得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明による中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法は、次のような効果を奏する。
【0019】
第一、中古自動車で発生する音響情報などの非定型データを収集し分析して自動車の正常または異常の兆候をリアルタイムで把握することで、安全事故を予め防止することができる。
【0020】
第二、誤謬発見データを車種情報毎に蓄積することで、類似部品による類似した故障と整備要因を事前に把握することができ、詳細整備情報の提供を受けて自動車に対する詳細な故障と整備履歴を蓄積することができる。
【0021】
第三、AI性能点検結果を視覚化処理し、正常性能状態と性能低下状態とをグラフで比較して示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて顧客の端末機に表示することで、顧客が自動車の正常/異常状態を直観的に確認することができる。
【0022】
第四、顧客に提供されるAI性能点検結果は、中古自動車の取引時の情報の非対称を解消するため、顧客が追加的に判断する情報になり、これによって顧客の信頼が崩れて中小商工業者の基盤が大企業によって産業化される過程において、品質に対する顧客の信頼を回復し、またオンライン取引の進展を通じてより活性化した第4次産業化が可能になる。
【0023】
第五、知能型性能点検システムとそのサービスが駐車場ゲートなどの自動車の日常使用領域まで拡散すれば、自動車の所有者は自分の自動車の中古車としての残存価値を予想でき、自動車の運行、整備、取引などの意思決定にもシステム化された情報の連動が可能になり、自律走行自動車の時代でAIが推薦する整備時点、取引時点などに活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムの構成を示したブロック図である。
【
図2】
図1に示された性能点検表生成モジュールの構成を示したブロック図である。
【
図3】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービス方法が行われる過程を示したフロー図である。
【
図4a】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって処理される音響情報及び車種情報を例示したテーブルである。
【
図4b】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって処理される音響情報及び車種情報を例示したテーブルである。
【
図4c】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって処理される音響情報及び車種情報を例示したテーブルである。
【
図5】本発明の実施形態による非定型データ視覚化処理部において、AI性能点検結果を視覚化処理した一例を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムの構成を示したブロック図である。
【0026】
図1を参照すると、本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、オンライン性能点検表要請受信部205、オンライン性能点検表出力部及びアクセス権限伝送部206、非定型データ要請受信部207、非定型データ伝送部208、及び性能点検表生成モジュール102を含む。また、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、現場訪問顧客(自動車購買者)101のためのものとして、性能点検表要請受信部202、及び性能点検表書類出力部203を含む。
【0027】
中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、通常の自動車性能点検表の項目に含まれるテキストデータを記録する定型データDB209、承認されたユーザに限って性能点検結果を提供するためのデータを記録するアクセス権限DB210、及び中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを記録する非定型データDB211を含むか、または、連動するように構成される。
【0028】
性能点検表生成モジュール102は、中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会し、前記中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集し、収集された前記非定型データをコンピュータ分析によって診断して自動車性能を点検するAI性能点検を行う。
【0029】
図2に示されたように、性能点検表生成モジュール102は、音響信号取得部102a、車種情報照会部102b、音響情報前処理部102c、車種情報マッピング部102d、音響情報イベント抽出部102e、非定型データ視覚化処理部102f、車種別誤謬DB102g、及び性能情報レポート処理部102hを含む。
【0030】
音響信号取得部102aは、車両の機械、電子装置などで発生する音響信号を収集する。
【0031】
自動車の異常兆候を把握するための音響信号の収集は、自動車の座席、エンジンルーム、下部及び外部に設けられた所定のマイクロフォンなどの音響センサによって行われる。自動車の内部には車輪や駆動系などの多様な機械器具が結合されているため、多様な内力と外力が作用する部分に前記音響センサを配置することが効果的である。自動車の外部に設置する場合には、中古自動車販売店の施設物の一側を含めて、自動車にサービスを提供し易い場所(駐車場、ガソリンスタンド、洗車場、整備所、ドライブスルーカフェなど)の入口の下端や側面などに設置し得る。これらの場所にマイクロフォンなどの音響センサを設置する場合は、可聴周波数(20~20,000Hz)を超える周波数まで検知することが機械的な異常兆候を捕捉するのに有利である。音響センサは、車両が一定の速度で動くかまたは停止状態であるときの機械的な音響を収集する。このように収集された音響信号を直接連結または通信で連結された分析コンピュータにより分析して特異な周波数パターンを見つける。
【0032】
自動車の車両番号の認識は、サービス提供社のゲート設備に設置されたカメラによって行われる。システム内部や外部サービス提供社を通じて車両番号を該当車両の詳細車種情報とマッチングしてデータベース化すると、出入りした特定の車両のみに該当する異常兆候を車種別にまとめて判別できるため、車種の特性による異常兆候であるかそれとも特定自動車に対する異常兆候であるかを判別することで、ターゲティング化されたデータとしての使用が可能になる。
【0033】
車種情報照会部102bは、自動車の車両番号を取得して車種情報を照会する。ゲート設備に設置されたカメラによって認識された車両番号を用いて、付加情報提供事業者または公共情報API(Application Programming Interface)から該当車両の車種情報を取得する。
【0034】
すなわち、該当自動車の詳細車種情報は、例えば「12カ1234」という車両番号を読み込んだ後、「車台番号(VIN)=KN12345678A123456;ブランド=現代;モデル=グレンジャーIG;トリム=3.0;ガソリン;詳細トリム=エクスクルーシブスペシャル;トランスミッション=AT;駆動=前輪;モデル=2017年式;製造=2019年02月;型式名=HG4EBK-G;乗車定員=5;原動機型式=G6DG;排気量=2999;全長=4920;全幅=1860;エアバッグ=アドバンス;オプション=アラウンドビューモニタ;タイヤ=19インチ;サンルーフ=Y」のように細分化された分類情報を取得する。
【0035】
音響情報前処理部102cは、収集された音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する。具体的には、音響情報前処理部102cは、
図4a~
図4cに示したように、収集された音響信号をフーリエ変換(Fourier transform)及びノイズ除去処理して車両の機械装置で発生する周波数成分からなる音響情報データを生成する。
【0036】
車種情報マッピング部102dは、音響情報データを車種別の各種誤謬事例情報を記録している車種別誤謬DB102gとマッピングして車両の異常兆候を検出する。
音響情報イベント抽出部102eは、音響情報前処理部102cによって生成された音響情報データに対して音響情報のパターンを分析し、車両の異常兆候イベント401~404を検出する。これについては、
図4a~
図4cに音響情報のパターン分析過程が概略的に示されている。
【0037】
非定型データ視覚化処理部102fは、AI性能点検結果を視覚化処理して自動車性能点検グラフを生成する。AI性能点検結果には、
図4a~
図4cに示されたような、音響情報のパターン分析過程に使用された音響波形グラフとイメージ、テーブルなどが反映され得る。さらに望ましくは、非定型データ視覚化処理部102fは、
図5に示されたように、正常性能状態と性能低下状態とをグラフで比較して示す開示するユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記AI性能点検結果が顧客端末機に表示されるように、AI性能点検結果のデータに対して視覚化処理を行う。
図5に示されたように性能低下(エンジン不調)状態に対するグラフを顧客に提供する場合、非定型データDB211に予め記録されている該当車種の正常状態グラフを共に表示することで、顧客に性能低下如何を直観的に理解させることができる。具体的には、性能点検表生成モジュール102の非定型データ視覚化処理部102fは、
図5の(1)、(2)、(3)に示されたように、中古自動車の正常性能状態と性能低下状態の各々の音響信号に対するロー(raw)波形グラフ、前記音響信号に対してフーリエ変換及びノイズ除去処理を施したグラフ、並びに前記音響信号に対して時間(横軸)と周波数(縦軸)に応じた振幅の変化を濃度や色相差で示したスペクトログラム(spectrogram)を生成する。
【0038】
性能情報レポート処理部102hは、音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する。性能情報レポート処理部102hによって生成された異常兆候レポートまたは正常レポートは、車種別誤謬DB102gに記録される。
【0039】
性能点検表生成モジュール102にはSNS誤謬報告処理部102iが備えられることで、車種別誤謬DB102gのデータベースの信頼度を高め、迅速なデータアップデートを可能にする。SNS誤謬報告処理部102iは、インターネットニュースやツイッター(Twitter、登録商標)などのようなSNSを通じて特定車種に対する誤謬が報告されたとき、その誤謬内訳を分析して、該当車種に欠陥があると判断された場合は、車種別誤謬DB102gに反映して誤謬データをアップデートする。
【0040】
非定型データ伝送部208は、性能点検表生成モジュール102によって生成されたAI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する。このとき、前記AI性能点検結果は、非定型データ視覚化処理部102fによって生成された視覚化処理情報を含む。
【0041】
望ましくは、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、中古自動車の取引が完了した後も、AI性能点検に対する履歴サービスを提供する。
図3は、本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって行われるサービス方法を示したフロー図である。
【0042】
図3に示したように、本発明の望ましい実施形態による知能型性能点検サービス方法は、自動車販売者100と知能型性能点検サービスシステム204と現場訪問自動車購買者101とオンライン自動車購買者103との間の相互作用を通じて行われる。
【0043】
まず、自動車販売者100によって中古販売車両の登録及び入庫が行われると(段階S104及び段階S105)、知能型性能点検サービスシステム204は、販売車両の洗車が完了した後(段階S106)、車両内/外部写真撮影(段階S107)、音響情報収集(段階S108)、基本性能点検(段階S109)、AI性能点検(段階S110)の過程を順次に行って性能点検を完了する(段階S111)。
【0044】
その後、現場訪問自動車購買者101からの性能点検表要請が受信されるか(段階S112)、または、オンライン自動車購買者103からの性能点検表要請が受信されると(段階S113)、知能型性能点検サービスシステム204は、一次的に基本性能点検表を発行して現場訪問自動車購買者101またはオンライン自動車購買者103に提供する(段階S114)。このとき、知能型性能点検サービスシステム204に備えられた性能点検表書類出力部203は、販売車両の基本性能情報に関する書類及び/または写真が掲載された性能点検表115または性能点検表116をオフラインまたはオンライン上で出力して提供する。
【0045】
また、オンライン自動車購買者103にはAI性能点検表118を発行して転送する(段階S117)。AI性能点検表118は、書類や写真のような形態の定型データを含めて、販売車両固有の音響、映像などの非情型性能点検データを反映して発行する。
【0046】
具体的には、知能型性能点検サービスシステム204は、車種情報照会を要請した後、販売車両から取得した音響情報信号に対してフーリエ変換(Fourier transform)とノイズ除去作業の前処理を行い、コンピュータ学習によるパターン分析を通じて周期的または非周期的でありながら特異な情報を分析する。また、知能型性能点検サービスシステム204は、分析された情報と照会された車種情報及び自体保有している車種別誤謬内訳(自体DB、公共APIまたはSNSなどのユーザ情報など)とをマッピングして、該当誤謬の発生が該当車両に限定された問題であるか、それとも、車種毎の特性による問題であるかを評価、分析する。分析されたレポーティング情報はAI性能点検表を発行するときに反映される。
【0047】
望ましくは、知能型性能点検サービスシステム204は、非定型データ視覚化処理部102fを通じてAI性能点検結果を視覚化処理して自動車性能点検グラフを生成する。AI性能点検結果には、音響情報のパターン分析過程で使用された音響波形グラフとイメージ、テーブルなどが反映される。また、非定型データ視覚化処理部102fは、正常性能状態と性能低下状態とをグラフで比較して示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記AI性能点検結果が顧客の端末機に表示されるように、AI性能点検データに対する視覚化処理を行う。
【0048】
また、本発明の他の実施形態は、中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会するプロセスと、中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集するプロセスと、収集された前記非定型データをコンピュータ分析により診断して性能を点検し、音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映するAI性能点検プロセスと、前記AI性能点検結果を視覚化処理して自動車性能点検グラフを生成するプロセスと、前記AI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供するプロセスと、をコンピュータ上で実行可能なプログラムを記録した記録媒体(例えば、磁気記録媒体、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フラッシュ(登録商標)メモリなど)が提供される。
【0049】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明を適用する場合、自動車の取引時に、自動車の基本的な性能点検のみではなく、機械特性と電子機器の特性に応じた追加的な情報を収集し、これを反映したAI性能点検結果レポートをオフラインまたはオンラインで顧客に提供することができる。また、基本的な収集データも権限が与えられた顧客に提供することで、購買者に該当自動車の情報が正確に伝達されないことで発生する情報の極端的な非対称を解消することができ、オンラインで自動車を購買する顧客が感性品質を間接的に判断可能にして中古車取引のオンライン化を促進することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)中古自動車
の車種詳細情報を照会する段階と、
(b)中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集する段階と、
(c)収集された前記非定型データをコンピュータ分析によって診断して性能を点検するAI性能点検を行う段階と、
(d)AI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する段階と、を含む、中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項2】
前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供する段階をさらに含む、請求項1に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項3】
前記 (b)の段階は、
前記中古自動車の内部または外部に設けられたマイクロフォンまたはユーザが所持しているスマートフォンを用いて音響信号を収集し、
前記 (c)の段階は、収集した非定型データのうちの前記音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する段階と、
前記音響情報データを予めデータベース化されている車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する段階と、
前記音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する段階と、を行う、請求項1に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項4】
前記 (d)の段階は、
前記AI性能点検結果及び基本性能点検結果をオンラインを通じて顧客の端末機に提供する、請求項3に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項5】
前記AI性能点検結果は、正常性能状態と性能低下状態とを比較して示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記顧客の端末機に表示される、請求項4に記載の中古自動車の知能型性能点検サービス方法。
【請求項6】
中古自動車
の車種詳細情報を照会し、前記中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集し、収集された前記非定型データをコンピュータ分析により診断して自動車性能を点検するAI性能点検を行う性能点検表生成モジュールと、前記性能点検表生成モジュールによって生成されたAI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する非定型データ伝送部と、を含む、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【請求項7】
前記性能点検表生成モジュールは、
前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供する、請求項6に記載の中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【請求項8】
前記性能点検表生成モジュールは、
前記中古車
の車種情報を照会する車種情報照会部と、
前記中古車の機械または電子装置などで発生する音響信号を収集する音響信号取得部と、
収集された音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する音響情報前処理部と、
車種別の誤謬事例情報を記録する車種別誤謬DBと、
前記音響情報データを前記車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する車種情報マッピング部と、
前記音響情報データから音響情報のパターンを分析して車両の異常兆候を検出する音響情報イベント抽出部と、
音響情報から異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する性能情報レポート処理部と、を含む、請求項6に記載の中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【請求項9】
前記性能点検表生成モジュールは、
正常性能状態と性能低下状態とを比較して前記AI性能点検結果を示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記顧客の端末機に表示する、請求項8に記載の中古自動車の知能型性能点検サービスシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年12月23日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0182670号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法に関し、より詳しくは、車両のエンジン駆動時や車両の走行中に発生する騒音、振動などに対する感性品質をオンラインを通じても確認できるように感性品質指標を作成し、これをコンピュータ、AI(Artificial Intelligence、人工知能)などによって分析した結果とその根拠データをオンラインを通じて確認できる知能型性能状態点検部を提供するシステム及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
中古自動車を取り引く際、自動車を買おうとする者は地域に位置した大型中古車販売店を訪問し、そこで紹介してもらうか、または直接見回りながら自動車を選択することが一般的な取引方法である。しかし、このような場合においても、自動車の自動車登録原簿、保険事故履歴、性能検査表を見て判断する場合が多く、自動車に対する知識を少し持っている者であっても、直接エンジンをかけて見る程度が殆どである。高価な自動車ではないと、試運転までは行わないことが現実である。
【0004】
近来、オンライン取引が活性化され、さらに非対面取引も活性化されている。そこで、従来のように書類のみで確認された中古自動車の状態を信じて購入するには、少なくともオンラインでは、極めて一部の情報のみに基づいて判断しなければならないため、不満足な取引になるおそれがある。このように中古自動車を購買する顧客に走行やエンジン状態などについての情報がない状況であるため、極端的な情報の非対称状況で不公正な取引が成り立つようになる。また、このように取り引きした自動車に問題が生じたとき、購買した顧客の立場では情報の非対称によって騙されたと思うことにもなる。これは中古車取引産業を全体的に不信する風土につながり、このような不信によって伝統的な中小企業と零細自営業者に役立とうと心の代わりに、信頼できるまたはブランド認知度の高い大企業の中古車産業への進出を歓迎するなどのように、顧客及び中古車産業従事者の両者に被害をもたらしている。
【0005】
現在、中古自動車の取引のために必須的に必要な性能状態点検の方式及びその証明書において、専門点検者が目視によって部品の修理、交換と各種部品の油漏れなどを検査して証明書を発行している。しかし、実際にはオンライン取引、非対面取引などが増加しており、さらにオンラインやオフラインで車両を購買しても、購買する顧客の立場では車両のエンジン駆動時や車両の走行中に発生する感性品質については情報を得難いのが現状である。
【0006】
代案として、韓国特許第10-1970641号公報は、未来に予想される性能点検費用を算出し、予想される性能点検費用に対する性能点検保証保険を反映して中古車の価格を算出することで、より信頼性高い中古車相場情報を提供することができる。また、性能点検保証保険を通じて中古車購買者の性能点検費用の負担を軽くした、性能点検保証保険が反映された中古車取引システムを開示している。
【0007】
しかし、相変らず中古車業界は、顧客の選択権を拡大するための補助的な手段を必要としている。このような手段は、書類で伝達される情報にとどまらず、自動車の走行時やエンジンで発生する音などを直接的または間接的に経験する方式で第4次産業時代に適した知能型性能点検サービスが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みて創案されたものであり、自動車の走行時やエンジンなどで発生する音または映像のような非定型データに対し、AI学習によって正常と誤謬との偏差を分析して感性品質についての指標を提供し、このような非定型データをオンラインを通じて顧客に提供することができる中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、中古自動車のオンライン取引またはオフライン取引の場合において、自動車の状態が専門的に分かり難い部分の感性品質に対し、性能点検時に音響、映像、その他センサを通じて収集された自動車の追加的な性能状態の情報をオンラインとモバイルで利用可能にして、保有中の自動車などの状態情報を全世界のどこでも閲覧できるようにする中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は、(a)中古自動車の車種詳細情報を照会する段階と、(b)中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集する段階と、(c)収集された前記非定型データをコンピュータ分析によって診断して性能を点検するAI性能点検を行う段階と、(d)AI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する段階と、を含む中古自動車の知能型性能点検サービス方法を提供する。
【0011】
さらに、前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供する段階を含み得る。
【0012】
前記(b)の段階は、前記中古自動車の内部または外部に設けられたマイクロフォンまたはユーザが所持しているスマートフォンを用いて音響信号を収集し、前記(c)の段階は、収集した非定型データのうちの前記音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する段階と、前記音響情報データを予めデータベース化されている車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する段階と、前期音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する段階と、を行い得る。
【0013】
前記(d)の段階は、前記AI性能点検結果及び基本性能点検結果をオンラインを通じて顧客の端末機に提供し得る。
【0014】
また、本発明の他の一態様は、中古自動車の車種詳細情報を照会し、前記中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集し、収集された前記非定型データをコンピュータ分析により診断して自動車性能を点検するAI性能点検を行う性能点検表生成モジュールと、前記性能点検表生成モジュールによって生成されたAI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する非定型データ伝送部と、を含む中古自動車の知能型性能点検サービスシステムを提供する。
【0015】
前記性能点検表生成モジュールは、前記中古自動車の取引が完了した後も、前記AI性能点検に対する履歴サービスを提供し得る。
【0016】
前記性能点検表生成モジュールは、前記中古車の車種情報を照会する車種情報照会部と、前記中古車の機械または電子装置などで発生する音響信号を収集する音響信号取得部と、収集された音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する音響情報前処理部と、車種別の誤謬事例情報を記録する車種別誤謬DBと、前記音響情報データを前記車種別誤謬DBとマッピングして車両の異常兆候を検出する車種情報マッピング部と、前記音響情報データから音響情報のパターンを分析して車両の異常兆候を検出する音響情報イベント抽出部と、音響情報から異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する性能情報レポート処理部と、を含み得る。
【0017】
前記性能点検表生成モジュールは、正常性能状態と性能低下状態とを比較して前記AI性能点検結果を示すユーザ・インタフェース(UI:User Interface)を通じて前記顧客の端末機に表示し得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明による中古自動車の知能型性能点検サービスシステム及びその方法は、次のような効果を奏する。
【0019】
第一、中古自動車で発生する音響情報などの非定型データを収集し分析して自動車の正常または異常の兆候をリアルタイムで把握することで、安全事故を予め防止することができる。
【0020】
第二、誤謬発見データを車種情報毎に蓄積することで、類似部品による類似した故障と整備要因を事前に把握することができ、詳細整備情報の提供を受けて自動車に対する詳細な故障と整備履歴を蓄積することができる。
【0021】
第三、AI性能点検結果を視覚化処理し、正常性能状態と性能低下状態とをグラフで比較して示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて顧客の端末機に表示することで、顧客が自動車の正常/異常状態を直観的に確認することができる。
【0022】
第四、顧客に提供されるAI性能点検結果は、中古自動車の取引時の情報の非対称を解消するため、顧客が追加的に判断する情報になり、これによって顧客の信頼が崩れて中小商工業者の基盤が大企業によって産業化される過程において、品質に対する顧客の信頼を回復し、またオンライン取引の進展を通じてより活性化した第4次産業化が可能になる。
【0023】
第五、知能型性能点検システムとそのサービスが駐車場ゲートなどの自動車の日常使用領域まで拡散すれば、自動車の所有者は自分の自動車の中古車としての残存価値を予想でき、自動車の運行、整備、取引などの意思決定にもシステム化された情報の連動が可能になり、自律走行自動車の時代でAIが推薦する整備時点、取引時点などに活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムの構成を示したブロック図である。
【
図2】
図1に示された性能点検表生成モジュールの構成を示したブロック図である。
【
図3】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービス方法が行われる過程を示したフロー図である。
【
図4a】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって処理される音響情報及び車種情報を例示したテーブルである。
【
図4b】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって処理される音響情報及び車種情報を例示したテーブルである。
【
図4c】本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって処理される音響情報及び車種情報を例示したテーブルである。
【
図5】本発明の実施形態による非定型データ視覚化処理部において、AI性能点検結果を視覚化処理した一例を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムの構成を示したブロック図である。
【0026】
図1を参照すると、本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、オンライン性能点検表要請受信部205、オンライン性能点検表出力部及びアクセス権限伝送部206、非定型データ要請受信部207、非定型データ伝送部208、及び性能点検表生成モジュール102を含む。また、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、現場訪問顧客(自動車購買者)101のためのものとして、性能点検表要請受信部202、及び性能点検表書類出力部203を含む。
【0027】
中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、通常の自動車性能点検表の項目に含まれるテキストデータを記録する定型データDB209、承認されたユーザに限って性能点検結果を提供するためのデータを記録するアクセス権限DB210、及び中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを記録する非定型データDB211を含むか、または、連動するように構成される。
【0028】
性能点検表生成モジュール102は、中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会し、前記中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集し、収集された前記非定型データをコンピュータ分析によって診断して自動車性能を点検するAI性能点検を行う。
【0029】
図2に示されたように、性能点検表生成モジュール102は、音響信号取得部102a、車種情報照会部102b、音響情報前処理部102c、車種情報マッピング部102d、音響情報イベント抽出部102e、非定型データ視覚化処理部102f、車種別誤謬DB102g、及び性能情報レポート処理部102hを含む。
【0030】
音響信号取得部102aは、車両の機械、電子装置などで発生する音響信号を収集する。
【0031】
自動車の異常兆候を把握するための音響信号の収集は、自動車の座席、エンジンルーム、下部及び外部に設けられた所定のマイクロフォンなどの音響センサによって行われる。自動車の内部には車輪や駆動系などの多様な機械器具が結合されているため、多様な内力と外力が作用する部分に前記音響センサを配置することが効果的である。自動車の外部に設置する場合には、中古自動車販売店の施設物の一側を含めて、自動車にサービスを提供し易い場所(駐車場、ガソリンスタンド、洗車場、整備所、ドライブスルーカフェなど)の入口の下端や側面などに設置し得る。これらの場所にマイクロフォンなどの音響センサを設置する場合は、可聴周波数(20~20,000Hz)を超える周波数まで検知することが機械的な異常兆候を捕捉するのに有利である。音響センサは、車両が一定の速度で動くかまたは停止状態であるときの機械的な音響を収集する。このように収集された音響信号を直接連結または通信で連結された分析コンピュータにより分析して特異な周波数パターンを見つける。
【0032】
自動車の車両番号の認識は、サービス提供社のゲート設備に設置されたカメラによって行われる。システム内部や外部サービス提供社を通じて車両番号を該当車両の詳細車種情報とマッチングしてデータベース化すると、出入りした特定の車両のみに該当する異常兆候を車種別にまとめて判別できるため、車種の特性による異常兆候であるかそれとも特定自動車に対する異常兆候であるかを判別することで、ターゲティング化されたデータとしての使用が可能になる。
【0033】
車種情報照会部102bは、自動車の車両番号を取得して車種情報を照会する。ゲート設備に設置されたカメラによって認識された車両番号を用いて、付加情報提供事業者または公共情報API(Application Programming Interface)から該当車両の車種情報を取得する。
【0034】
すなわち、該当自動車の詳細車種情報は、例えば「12カ1234」という車両番号を読み込んだ後、「車台番号(VIN)=KN12345678A123456;ブランド=現代;モデル=グレンジャーIG;トリム=3.0;ガソリン;詳細トリム=エクスクルーシブスペシャル;トランスミッション=AT;駆動=前輪;モデル=2017年式;製造=2019年02月;型式名=HG4EBK-G;乗車定員=5;原動機型式=G6DG;排気量=2999;全長=4920;全幅=1860;エアバッグ=アドバンス;オプション=アラウンドビューモニタ;タイヤ=19インチ;サンルーフ=Y」のように細分化された分類情報を取得する。
【0035】
音響情報前処理部102cは、収集された音響信号をデジタル化して音響情報データを生成する。具体的には、音響情報前処理部102cは、
図4a~
図4cに示したように、収集された音響信号をフーリエ変換(Fourier transform)及びノイズ除去処理して車両の機械装置で発生する周波数成分からなる音響情報データを生成する。
【0036】
車種情報マッピング部102dは、音響情報データを車種別の各種誤謬事例情報を記録している車種別誤謬DB102gとマッピングして車両の異常兆候を検出する。
音響情報イベント抽出部102eは、音響情報前処理部102cによって生成された音響情報データに対して音響情報のパターンを分析し、車両の異常兆候イベント401~404を検出する。これについては、
図4a~
図4cに音響情報のパターン分析過程が概略的に示されている。
【0037】
非定型データ視覚化処理部102fは、AI性能点検結果を視覚化処理して自動車性能点検グラフを生成する。AI性能点検結果には、
図4a~
図4cに示されたような、音響情報のパターン分析過程に使用された音響波形グラフとイメージ、テーブルなどが反映され得る。さらに望ましくは、非定型データ視覚化処理部102fは、
図5に示されたように、正常性能状態と性能低下状態とをグラフで比較して示す開示するユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記AI性能点検結果が顧客端末機に表示されるように、AI性能点検結果のデータに対して視覚化処理を行う。
図5に示されたように性能低下(エンジン不調)状態に対するグラフを顧客に提供する場合、非定型データDB211に予め記録されている該当車種の正常状態グラフを共に表示することで、顧客に性能低下如何を直観的に理解させることができる。具体的には、性能点検表生成モジュール102の非定型データ視覚化処理部102fは、
図5の(1)、(2)、(3)に示されたように、中古自動車の正常性能状態と性能低下状態の各々の音響信号に対するロー(raw)波形グラフ、前記音響信号に対してフーリエ変換及びノイズ除去処理を施したグラフ、並びに前記音響信号に対して時間(横軸)と周波数(縦軸)に応じた振幅の変化を濃度や色相差で示したスペクトログラム(spectrogram)を生成する。
【0038】
性能情報レポート処理部102hは、音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映する。性能情報レポート処理部102hによって生成された異常兆候レポートまたは正常レポートは、車種別誤謬DB102gに記録される。
【0039】
性能点検表生成モジュール102にはSNS誤謬報告処理部102iが備えられることで、車種別誤謬DB102gのデータベースの信頼度を高め、迅速なデータアップデートを可能にする。SNS誤謬報告処理部102iは、インターネットニュースやツイッター(Twitter、登録商標)などのようなSNSを通じて特定車種に対する誤謬が報告されたとき、その誤謬内訳を分析して、該当車種に欠陥があると判断された場合は、車種別誤謬DB102gに反映して誤謬データをアップデートする。
【0040】
非定型データ伝送部208は、性能点検表生成モジュール102によって生成されたAI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供する。このとき、前記AI性能点検結果は、非定型データ視覚化処理部102fによって生成された視覚化処理情報を含む。
【0041】
望ましくは、中古自動車の知能型性能点検サービスシステム204は、中古自動車の取引が完了した後も、AI性能点検に対する履歴サービスを提供する。
図3は、本発明の望ましい実施形態による中古自動車の知能型性能点検サービスシステムによって行われるサービス方法を示したフロー図である。
【0042】
図3に示したように、本発明の望ましい実施形態による知能型性能点検サービス方法は、自動車販売者100と知能型性能点検サービスシステム204と現場訪問自動車購買者101とオンライン自動車購買者103との間の相互作用を通じて行われる。
【0043】
まず、自動車販売者100によって中古販売車両の登録及び入庫が行われると(段階S104及び段階S105)、知能型性能点検サービスシステム204は、販売車両の洗車が完了した後(段階S106)、車両内/外部写真撮影(段階S107)、音響情報収集(段階S108)、基本性能点検(段階S109)、AI性能点検(段階S110)の過程を順次に行って性能点検を完了する(段階S111)。
【0044】
その後、現場訪問自動車購買者101からの性能点検表要請が受信されるか(段階S112)、または、オンライン自動車購買者103からの性能点検表要請が受信されると(段階S113)、知能型性能点検サービスシステム204は、一次的に基本性能点検表を発行して現場訪問自動車購買者101またはオンライン自動車購買者103に提供する(段階S114)。このとき、知能型性能点検サービスシステム204に備えられた性能点検表書類出力部203は、販売車両の基本性能情報に関する書類及び/または写真が掲載された性能点検表115または性能点検表116をオフラインまたはオンライン上で出力して提供する。
【0045】
また、オンライン自動車購買者103にはAI性能点検表118を発行して転送する(段階S117)。AI性能点検表118は、書類や写真のような形態の定型データを含めて、販売車両固有の音響、映像などの非情型性能点検データを反映して発行する。
【0046】
具体的には、知能型性能点検サービスシステム204は、車種情報照会を要請した後、販売車両から取得した音響情報信号に対してフーリエ変換(Fourier transform)とノイズ除去作業の前処理を行い、コンピュータ学習によるパターン分析を通じて周期的または非周期的でありながら特異な情報を分析する。また、知能型性能点検サービスシステム204は、分析された情報と照会された車種情報及び自体保有している車種別誤謬内訳(自体DB、公共APIまたはSNSなどのユーザ情報など)とをマッピングして、該当誤謬の発生が該当車両に限定された問題であるか、それとも、車種毎の特性による問題であるかを評価、分析する。分析されたレポーティング情報はAI性能点検表を発行するときに反映される。
【0047】
望ましくは、知能型性能点検サービスシステム204は、非定型データ視覚化処理部102fを通じてAI性能点検結果を視覚化処理して自動車性能点検グラフを生成する。AI性能点検結果には、音響情報のパターン分析過程で使用された音響波形グラフとイメージ、テーブルなどが反映される。また、非定型データ視覚化処理部102fは、正常性能状態と性能低下状態とをグラフで比較して示すユーザ・インタフェース(UI)を通じて前記AI性能点検結果が顧客の端末機に表示されるように、AI性能点検データに対する視覚化処理を行う。
【0048】
また、本発明の他の実施形態は、中古自動車の車両番号を用いて車種詳細情報を照会するプロセスと、中古自動車の内/外部写真撮影、音響、映像、及びセンサを通じて自動車の機械または電子装置などで発生する非定型データを収集するプロセスと、収集された前記非定型データをコンピュータ分析により診断して性能を点検し、音響情報で異常兆候が見つかった場合は異常兆候レポートを生成し、異常兆候がない場合は正常レポートを生成して前記AI性能点検結果に反映するAI性能点検プロセスと、前記AI性能点検結果を視覚化処理して自動車性能点検グラフを生成するプロセスと、前記AI性能点検結果を基本性能点検結果とともに顧客に提供するプロセスと、をコンピュータ上で実行可能なプログラムを記録した記録媒体(例えば、磁気記録媒体、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フラッシュ(登録商標)メモリなど)が提供される。
【0049】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明を適用する場合、自動車の取引時に、自動車の基本的な性能点検のみではなく、機械特性と電子機器の特性に応じた追加的な情報を収集し、これを反映したAI性能点検結果レポートをオフラインまたはオンラインで顧客に提供することができる。また、基本的な収集データも権限が与えられた顧客に提供することで、購買者に該当自動車の情報が正確に伝達されないことで発生する情報の極端的な非対称を解消することができ、オンラインで自動車を購買する顧客が感性品質を間接的に判断可能にして中古車取引のオンライン化を促進することができる。
【国際調査報告】