(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ボトル内増強要求に基づいてスピリッツを生成する方法
(51)【国際特許分類】
C12G 3/07 20060101AFI20231214BHJP
C12H 6/02 20190101ALI20231214BHJP
【FI】
C12G3/07
C12H6/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540870
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 US2021065835
(87)【国際公開番号】W WO2022147358
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523251323
【氏名又は名称】ジェイムス ジョセフ サンクティファイド スピリッツ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギルデンゾップ、ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4B115
【Fターム(参考)】
4B115MA02
4B115MA04
4B115NB02
4B115NG02
4B115NG11
4B115NP07
4B115NP08
(57)【要約】
本開示は、ボトル内増強要求(IBER)をスピリッツの風味を増強するためのベースとして使用する増強スピリッツの製造方法を提供する。このように、スピリッツ製造業者ではなく他の当事者が、彼らの選択の風味プロファイルに従って増強スピリッツの製造を指示することができる。方法に加えて、本開示はまた、IBERを受信して処理するためのコンピューティングシステム、及びIBERに基づいて増強スピリッツのための注文を自動的に生成するコンピュータプログラム製品を提供する。一例では、本方法は、(1)IBERを受信するステップと、(2)IBERに基づいてボトルに少なくとも1つのスピリッツを入れるステップと、(3)IBERに基づいてボトルに1つ又は複数の製品を入れるステップと、(4)ボトルに少なくとも1つのスピリッツと1つ又は複数の製品の両方を配置したボトルを密封するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増強スピリッツを製造する方法であって、
ボトル内増強要求(IBER)を受信するステップと、
前記IBERに基づいて前記ボトルに少なくとも1つのスピリッツを入れるステップと、
前記IBERに基づいて前記ボトルに1つ又は複数の製品を入れるステップと、
前記ボトルに前記少なくとも1つのスピリッツと前記1つ又は複数の製品の両方を入れた前記ボトルを密封するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記IBERが、前記1つ又は複数の製品、1つ又は複数の休止剤、あるいは1つ又は複数の製品と1つ又は複数の休止剤との組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IBERに従って前記1つ又は複数の製品を処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記IBERが、前記スピリッツのための所望の増強された風味の説明を含み、前記方法が、前記説明に基づいて前記1つ又は複数の製品を選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記IBERが風味プロファイルを識別し、前記方法が、前記風味プロファイルを達成するためにエンハンサを自動的に選択するステップをさらに含み、前記エンハンサは前記1つ又は複数の製品を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
エンハンサを自動的に選択する前記ステップが機械学習を使用する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
受信する前記ステップが、コンピューティングデバイス上のアプリケーションを介して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記IBERに基づいて前記増強スピリッツのための注文を自動的に生成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ボトルにラベルを配置するステップをさらに含み、前記ラベルは、前記IBERに関連する風味プロファイルに対応し、前記IBERの発信者の署名を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記密封ボトルを前記IBERに含まれるアドレスに出荷するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
増強スピリッツのためのボトル内増強要求(IBER)を受信して処理するためのコンピューティングシステムであって、前記コンピューティングシステムは、
1つ又は複数の動作を実行するための1つ又は複数のプロセッサを備え、前記動作は、
前記IBERを受信するステップと、
前記IBERに基づいてスピリッツの1つ又は複数のエンハンサを決定するステップと、
前記1つ又は複数のエンハンサを使用して増強スピリッツの1つ又は複数のボトルの注文を自動的に生成するステップと、
を含む、
コンピューティングシステム。
【請求項12】
決定する前記ステップが、前記IBERからの風味プロファイルの説明に従って、1つ又は複数の製品を自動的に選択するステップを含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項13】
自動的に選択する前記ステップが、機械学習アルゴリズムを使用する、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項14】
決定する前記ステップが、前記IBERで識別された1つ又は複数の製品を使用するステップを含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項15】
決定する前記ステップが、前記IBERからの風味プロファイルの説明に従って、1つ又は複数の製品を選択するステップを含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項16】
受信する前記ステップが、前記IBERを生成するための入力を前記IBERの発信者に促すアプリケーションを介して行われ、前記プロンプトの少なくとも一部は、前記入力のうちの1つ又は複数に応答する、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項17】
前記IBERの発信者の署名を受信するステップと、前記増強スピリッツの前記1つ又は複数のボトルのラベルに配置するための前記注文と共に前記署名を含めるステップとをさらに含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項18】
実行時に1つ又は複数のプロセッサを指示して、増強スピリッツのための注文を生成するための動作を実行する非一時的コンピュータ可読媒体に格納された一連の動作命令を有するコンピュータプログラム製品であって、前記動作は、
IBERを受信するステップと、
前記IBERに基づいてスピリッツの1つ又は複数のエンハンサを決定するステップと、
前記1つ又は複数のエンハンサを使用して増強スピリッツの1つ又は複数のボトルの注文を自動的に生成するステップと、
を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記IBERが、1つ又は複数の製品と、前記1つ又は複数の製品の少なくとも1つのための少なくとも1つの休止剤とを含むエンハンサの選択を含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記動作が、前記IBERの発信者がアルコール製品の購入のための年齢要件を満たしていると判断するステップをさらに含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、スピリッツを製造することに関し、より具体的には、スピリッツの風味を増強することに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸留酒は、蒸留飲料、リカー、ハードリカー又はハードアルコールとも呼ばれ、発酵穀物、果実、又は野菜を蒸留することによって製造されるアルコール飲料である。一部の蒸留酒、例えば、ウィスキー、バーボン、スコッチ、及びラムは、蒸留後にエイジングされる。エイジングは、蒸留酒を木樽に一定時間貯蔵して、異なる風味を加え、原料アルコールから刺激の強い風味を除去するプロセスである。木樽は、典型的には、蒸留酒と相互作用して有機化合物をもたらし、酸をエステルに変換してスピリッツに独自の風味を与えるトースティングされた木材で構築される。
【0003】
蒸留酒は、樽に使用される異なる種類の木材から異なる風味を得る。独特の風味に加えて、エイジングはまた、清澄な蒸留酒に色を加える。時間の量及び木樽の種類を、いくつかの蒸留酒について指定することができる。例えば、スコッチウィスキーはすべて、オーク樽で少なくとも3年間エイジングさせなければならない。
【0004】
蒸留酒は、エイジングされると、通常、木樽から取り出され、流通又はその後の消費のためにボトル詰めされる。ワインとは対照的に、蒸留酒は、木樽から取り出されてボトルに入れられると、年月が経っても良くならない。代わりに、蒸留酒の熟成は木樽から取り出されたときに終了し、未開封のウィスキー、ラムなどの味はボトルに詰められて購入されるのを待つ間に変化しない。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、増強スピリッツを製造する方法が開示される。一例では、本方法は、(1)ボトル内増強要求(IBER)を受信するステップと、(2)IBERに基づいてボトルに少なくとも1つのスピリッツを入れるステップと、(3)IBERに基づいてボトルに1つ又は複数の製品を入れるステップと、(4)ボトルに少なくとも1つのスピリッツと1つ又は複数の製品の両方を配置したボトルを密封するステップと、を含む。
【0006】
別の態様では、増強スピリッツのためのIBERを受信及び処理するためのコンピューティングシステムが開示される。一例では、コンピューティングシステムは、1つ又は複数の動作を実行するための1つ又は複数のプロセッサを備え、動作は、(1)IBERを受信するステップと、(2)IBERに基づいてスピリッツの1つ又は複数のエンハンサを決定するステップと、(3)1つ又は複数のエンハンサを使用して増強スピリッツの1つ又は複数のボトルの注文を自動的に生成するステップと、を含む。
【0007】
さらに別の態様では、コンピュータプログラム製品が開示される。一例では、コンピュータプログラム製品は、実行時に1つ又は複数のプロセッサを指示して、増強スピリッツのための注文を生成するための動作を実行する非一時的コンピュータ可読媒体に格納された一連の動作命令を有し、動作は、(1)IBERを受信するステップと、(2)IBERに基づいてスピリッツのための1つ又は複数のエンハンサを決定するステップと、(3)1つ又は複数のエンハンサを使用して増強スピリッツの1つ又は複数のボトルの注文を自動的に生成するステップと、を含む。
【0008】
ここで、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の原理に従ってIBERを受信して処理するように構成されたコンピューティングシステムの一例のブロック図である。
【
図1A】本開示の原理に従って機能を提供するアプリケーションの一例のブロック図である。
【
図2】本開示の原理に従って構築された製造システムの一例を示すブロック図である。
【
図3】IBERに基づく増強スピリッツを製造する方法の一例のフロー図である。
【
図4】IBERに基づく増強スピリッツを製造する方法の別の例のフロー図である。
【
図5】IBERに従って増強するための木片を有するスピリッツのボトルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ボトル詰めされる前に、エイジングした蒸留酒に追加の風味を加えるために追加の処理ステップが使用されることがある。仕上げと呼ばれるこのステップは、エイジングしたスピリッツをさらなる熟成のために二次的な樽又はキャスクに入れる技術である。二次キャスクは、ラム、ブランデー、ワイン、又はビールなどの別のスピリッツをエイジングさせるために以前に使用された可能性が最も高い。仕上がったスピリッツは、第1のキャスク(エイジング)で熟成された後、異なるオリジンの別のキャスク(仕上げ用の第2のキャスク)で熟成されるため、二重熟成と呼ばれることがある。
【0011】
エイジングしたスピリッツを二次キャスクに入れることにより、スピリッツは、二次キャスクに固有の木材及び他の要素から、新しい、より微妙な風味を帯びる。これにより、スピリッツが「仕上がり」、独特の(是認された)ものになる。残念ながら、仕上げには、エイジングにかかる時間に加えて、より多くの時間が必要である。したがって、仕上げのためのコスト及び時間は、仕上がったスピリッツの利益を上回る可能性がある。これは、新製品の開発及び市場への送達に恐ろしい結果をもたらす可能性がある。
【0012】
新製品の開発及び送達に対する別の制限は、スピリッツの製造業者又は生産者(総称して製造業者と呼ばれる)に依存して、スピリッツの新しい風味プロファイル又は増強を生み出すことである。製造業者に対する増強の選択を制限することによって、消費者などの他の当事者は、それらの所望の風味プロファイルに従って製造されたスピリッツを有する機会を否定される。さらに、他の当事者は、他者の所望の風味プロファイルに従って生成されるこれらの増強スピリッツを試す機会を否定される。
【0013】
本開示は、ボトル内増強要求(IBER)をスピリッツの風味を増強するためのベースとして使用する増強スピリッツの製造方法を提供する。IBERは、風味プロファイルに従って増強スピリッツ、例えば、1つ又は複数の木片などのエンハンサによって増強されるスピリッツを製造するための製造業者への当事者又は製造業者の代表者からの要求である。代表者は、1つ又は複数のスピリッツ製造業者に関係する事業体の1人又は複数人である。例えば、試飲室は、特定のスピリッツ製造業者から独立している場合もあるが、そのスピリッツ製造業者及び1つ又は複数の他のスピリッツ製造業者の代表者が設置する場合もある。当事者は、製造業者以外の事業体又は人である。ボトル入りスピリッツの風味を増強するための1つ又は複数の製品あるいは1つ又は複数の製品と1つ又は複数の休止剤との組合せを識別することによって、風味プロファイルをIBERで表すことができる。例えば、製品、休止剤などを、IBERから選択することができる。風味プロファイルも記載することができ、製造業者は、増強スピリッツを作り出すために、風味プロファイルに従ってボトル入りのスピリッツを増強して、製品、休止剤、及びそれらの組合せを選択することができる。例えば、ボトル内増強は、甘味、トースティングされたオークの風味プロファイルを含むことができ、製造業者は、風味プロファイルを達成するために、1つ又は複数の製品あるいは1つ又は複数の製品と1つ又は複数の休止剤との組合せを選択することができる。IBERはまた、ボトルに入れるための特定の種類のスピリッツを含むことができる。そうでなければ、IBERは風味プロファイルを含み、製造業者が増強するスピリッツを選択することを可能にすることができる。IBERは、単一の風味プロファイルで増強するためにいくつかの異なるスピリッツを含むことができる。
【0014】
IBERはまた、風味プロファイルを使用して製造されるボトルの数を含むことができる。IBERからの1つ又は複数の製品は、ボトルが商業的な販売及び流通のために密封される前に、製造中に少なくとも1つのスピリッツでボトルの各々に入れられる。本明細書で使用されるシーリングとは、市販のボトル(ガラスボトルなど)にスピリッツをキャップして密封することを指す。シーリングは、業界標準に従って、コルク型クロージャ、カプセル(スピニング及びシュリンキングを含む)、及びスクリューオンキャップを含むがこれらに限定されない従来の方法を介して実行され得る。密封された後、ボトル入りスピリッツの購入者/消費者によってシールは破壊され、蓋は取り外される。
【0015】
IBERからの1つ又は複数の製品は、少なくとも1つの木片を含むことができる。スパイス(例えば、シナモンスティック)、胡椒、又はハニカムなどの別の種類の製品を使用して風味を加えることもできる。木片及びスパイスなどの異なる製品の組合せを使用することができる。
【0016】
木片を考慮すると、少なくとも1つの木片は、ボトル内のスピリッツのさらなる熟成又は増強のために使用される。例えば、木片は、ボトル内にあるエイジングした蒸留酒の仕上げに使用され得る。したがって、キャスク内仕上げの代わりに、開示された方法は、IBERによるボトル内仕上げを好適に使用する。木片は、ボトル内の木材とスピリッツとのインタラクションを高めるために製造される。このため、キャスク内仕上げに比べてエイジングした蒸留酒の仕上げ時間を短縮することができる。スピリッツの製造プロセスの一部は、少なくとも1つの木片を使用することを含むことができるため、仕上げに使用される木片の一貫性が必要とされる。したがって、木片は、異なる容積を有するボトルを含む複数のボトルにわたって一貫した仕上げにするために、特定のパラメータに従って製造される。IBERは、1つ又は複数の木片を1つ又は複数の休止剤中で休ませるための時間の量を含むことができる。異なる木片を休ませるために、異なる時間の量を使用することができる。
【0017】
IBERは、使用される1つ又は複数の木片の種類を識別することができる。木片を切断して、ボトル内のスピリッツに対する木材表面積の比率を高くすることができる。木片を切断して、最適な木材とスピリッツとのボトル内インタラクションのために、木材表面に特定の向きの木目を提供することができる。したがって、二次キャスクを使用する場合と比較して仕上げ時間を短縮するように、木片の表面積及び木目向きを設計することができる。木片は、スピリッツとの化学反応のための高い表面積を有する木材スパイアであってもよい。木片の設計及び製造により、木材は、ボトルの既知の容積及び増強に使用される時間に従って、ボトル入りスピリッツから他の化学成分(例えば、望ましくない化学成分)を反応させて除去しながら、ボトル入りスピリッツに所望の化学成分を付与することができる。
【0018】
木片はまた、球、円錐、円柱、又はある種の多面体などの他の形状を有することもできる。使用可能な異なる種類の多面体の非限定的なリストには、立方体、ピラミッド、八面体、十二面体、及び二十面体が含まれる。ピラミッドと比較してより多数の面、例えば二十面体を有する多角形は、スピリッツとの化学反応のためのより高い表面積を有することができる。木片の表面積が増大するように、様々な形状を修正することもできる。例えば、木片の面(複数可)又は表面(複数可)を切り欠いたり、切断したり、刻み目を付けたりして、スピリッツにさらされ得る表面積を増加させることができる。第1の形状の1つ又は複数の木片を、第2の異なる形状の1つ又は複数の木片と共に使用することができる。異なる木片の表面積の量は、異なるレベルのスピリッツとのインタラクションを提供するために変化し得る。このように、製造業者は、増強プロセスを制御するか又は少なくとも影響を及ぼし、IBERによって要求されるように異なる風味プロファイルを作成することができる。異なる形状及び各形状の異なる数の様々な組合せを同じボトルで使用することもできる。例えば、スパイア及び球体を同じボトルに入れることができる。IBERは、異なる形状及び各形状の異なる数を含むことができる。
【0019】
増強のためにキャスクにスピリッツを入れる代わりに、開示された方法は、ボトルにスピリッツを入れるステップと、IBERに基づいてボトル内のスピリッツの風味を増強するステップと、を含む。IBERを使用することにより、消費者が製造プロセスの一部となり、その風味プロファイルで製造された増強スピリッツを作り出すことができる。また、IBERを使用することにより、新製品を開発するための創造性のプールも増加する。
【0020】
IBERは、製造業者によって手動で受信され得る。例えば、製造業者は、消費者が様々なスピリッツ選択及びスピリッツを増強するための様々な選択肢をサンプリングする試飲室を有してもよい。消費者は、単に、書面又は口頭で、試飲室の係員にIBERを提出して、製造プロセスを開始することができる。
【0021】
IBERはまた、コンピューティングデバイスを介して受信され得る。コンピューティングデバイスは、試飲室に配置されるなど、製造業者によって所有又は操作され得るか、又はIBERを受け取るように構成された消費者などの別のコンピューティングデバイスとすることができる。コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーション又はコンピュータプログラムは、IBERを受信して要求を処理するようにコンピューティングデバイスに指示することができる。キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、又はマイクロフォンなどのコンピューティングデバイスのユーザインターフェースを使用して、IBERを受信又は入力することができる。コンピューティングデバイスは、IBERに基づいて1つ又は複数のスピリッツの製造注文を生成するように構成されたIBERプロセッサを含むことができる。IBERプロセッサは、ある特定の数のボトルのスピリッツを製造し、ボトルにIBERで識別された1つ又は複数の製品を入れるように製造業者に指示することによって要求を自動的に処理するように構成され得る。さらに、IBERプロセッサは、必要に応じて、IBERに含まれる風味プロファイルを得るために必要な製品及び/又は休止剤を自動的に決定するように構成され得る。例えば、IBERプロセッサは、異なる風味プロファイルを得るために必要な製品及び休止剤を含む風味プロファイルのデータベースを使用することができる。IBERプロセッサは、一致しない場合、類似の風味プロファイル間を補間することによって、データベースから必要とされる製品及び休止剤を選択することができる。IBERプロセッサはまた、学習アルゴリズムを使用して、要求された風味プロファイルに必要な製品及び休止剤を決定することができる。したがって、IBERプロセッサは、人工知能を使用して、特定の風味プロファイルのためのエンハンサを自動的に選択することができる。エンハンサは、スピリッツを有するボトルに入れられた構成要素であるか、又はスピリッツの風味を増強するためにボトルに入れられた構成要素と共に使用される。エンハンサは、例えば、木片などの1つ又は複数の製品、及びボトル入りスピリッツとは異なるスピリッツなどの1つ又は複数の休止剤とすることができる。エンハンサはまた、1つ又は複数の木片のためのトーストレベル又はチャーレベルであってもよい。
【0022】
IBERプロセッサを、ユーザの年齢要件に準拠するために使用することもできる。例えば、政府機関は、特定の年齢のユーザのみがアルコール製品を購入できることを要求してもよい。このように、IBERプロセッサは、少なくともIBERのユーザの年齢を照会し、かつ/又はユーザの年齢がアルコールを購入するための要件を満たすのに十分であることを検証するように構成され得る。IBERプロセッサは、ユーザ、すなわち、IBERの発信者の年齢を自動的に照会又は検証することができる。IBERプロセッサは、あるスピリッツのために注文を生成することができる前に検証される、ユーザからの生体入力を必要とする場合がある。IBERプロセッサは、バイオメトリック入力を介してユーザが十分な年齢であることを検証するために、別の当事者又は事業体と通信することができる。2つ以上の種類の入力が必要な場合がある。例えば、指紋及び音声IDが必要とされ得る。その他に、又はそれに加えて、IBERプロセッサは、ユーザ識別を検証するために、運転者の免許証番号又はクレジットカード番号などの他の形態の識別をユーザに要求してもよい。モバイルコンピューティングデバイスなどのコンピューティングデバイスは、ユーザ識別を受信するために必要な構成要素を含むことができる。例えば、スマートフォンのカメラを虹彩スキャンに使用することができ、虹彩スキャンはその後、ユーザの検証のためにデータベースと比較される。さらに、タッチパッド又は画面を使用してユーザの指紋を受信することができ、指紋はその後、検証のためにデータベースと比較される。
【0023】
IBERプロセッサを、モバイルコンピューティングデバイスなどのコンピューティングデバイス内に配置することも、サーバ上に配置することもできる。IBERプロセッサを分散させることができ、機能は1つ又は複数のデバイス(コンピューティングデバイス及びサーバなど)に配置される。したがって、IBERプロセッサを、1つ又は複数のプロセッサ又は処理装置上に実装することができる。
図2は、IBERプロセッサの一例を示す。
【0024】
ここで図面を参照すると、
図1は、本開示の原理に従ってIBERを受信して処理するように構成されたコンピューティングシステム100の一例のブロック図を示す。コンピューティングシステム100は、コンピューティングデバイス110、サーバ120、及び通信ネットワーク130を含む。
【0025】
コンピューティングデバイス110は、消費者などのユーザと通信又はインターフェースし、処理のためにIBERを受信するように構成される。コンピューティングデバイス110は、ユーザインターフェース111、メモリ(すなわち、データストレージ)113、トランシーバ115、及びプロセッサ117を含む。コンピューティングデバイス110は、モバイル通信能力を有するモバイル通信デバイスとすることができる。コンピューティングデバイス110は、例えば、通信ネットワーク130を介して通信することができるスマートフォン、コンピューティングパッド、タブレット、ラップトップ、又は別のポータブルコンピューティングデバイスとすることができる。コンピューティングデバイス110はまた、デスクトップコンピュータ又はIBERを受信及び処理するように特に構成された別の種類のコンピュータとすることもできる。
【0026】
コンピューティングデバイス110は、そのようなデバイスに通常含まれる追加の構成要素を含むことができる。コンピューティングデバイス110の各構成要素は、従来のコネクタ、バス、インターフェースなどを介して互いに結合され得る。ユーザインターフェース111、データストレージ113、トランシーバ115、及びプロセッサ117は、従来のデバイスのように動作するように構成され得る。さらに、コンピューティングデバイス110は、
図1Aのアプリケーション140の特徴など、本明細書に開示される追加の機能を実行することができる。追加の機能を、データストレージにロードされたアプリケーション140などのアプリケーションによって指示することができる。したがって、コンピューティングデバイス110の構成要素の少なくともいくつかは、本明細書に開示される追加の機能を提供するために協働するように構成される。
【0027】
ユーザインターフェース111は、IBERを受信するように構成される。ユーザインターフェース111は、ディスプレイ、マイクロフォン、スピーカ、キーパッド、キーボード、ユーザと対話するために使用される別の種類の構成要素、又は1つ若しくは複数のこれらの構成要素の組合せであるか、それらを含むことができる。ユーザインターフェース111は、入力をユーザに促し、かつ/又はユーザ入力に応答して質問/プロンプトを提供することができる。ユーザがIBERを作成することを選択するために、ユーザインターフェース111を介して選択肢を提供することができる。選択肢は、ユーザが選択することができるディスプレイ上の表形式とすることができる。選択肢は、ユーザが風味プロファイルを作成することを可能にするために、製品、休止剤、休止時間、製品の数などを含むことができる。異なる製品及び休止剤の説明も提供することができる。機能を選択する際に、ドロップダウンメニューを使用することもできる。例えば、木片を製品として選択することができる。木片を選択すると、木材の種類、トーストレベル、チャーレベル、形状などを選択することを可能にする別のメニューを表示することができる。ユーザインターフェース111を、アプリケーションによって駆動することができる。
【0028】
コンピューティングデバイス110は、IBERを受信するために使用される、データストレージ113などに格納されたアプリケーションを有することができる。アプリケーションをモバイルアプリケーションとすることができる。例えば、通信用に構成された(すなわち、設計及び構築された)スマートフォンを使用して、ダウンロードされたモバイルアプリケーションでIBERを受信することができる。IBERを受信することに加えて、アプリケーションは製造プロセスを開始することもできる。アプリケーションは、プロセッサ117に指示することによって製造プロセスを開始することができる。アプリケーションはまた、IBERをサーバ120に通信することができる。したがって、プロセッサ117及び/又はサーバ120は、IBERを処理し、製造を開始するために必要なロジックを含むことができる。コンピューティングデバイス110は、トランシーバ115及び通信ネットワーク130を介してサーバ120と通信することができる。コンピューティングデバイス110はまた、トランシーバ115及び通信ネットワーク130を介してサーバ120からアプリケーションをダウンロードすることもできる。
【0029】
トランシーバ115は、通信ネットワーク130を介してデータを送受信する。トランシーバ115は、セルラ通信又は別の通信ネットワークなどのために、通信、すなわち送信及び受信のためにデータを処理するネイティブチップセットを含むことができる。上述したように、アプリケーションは、トランシーバ115を介して受信され、データストレージ113に格納され得る。データストレージ113は、従来のコンピューティングデバイスに含まれるような1つ又は複数のメモリであってもよい。
【0030】
プロセッサ117は、IBERプロセッサの機能の少なくとも一部を提供するように構成される(すなわち、設計される、構築される、又はプログラムされる)ことができる。このように、プロセッサ117は、IBERに基づいて1つ又は複数のスピリッツの製造注文を生成することができる。したがって、プロセッサ117は、IBERを製造注文に変換するために必要なロジックを含むことができる。プロセッサ117は、製品、休止剤などのエンハンサを選択するのではなく、ユーザがある種の風味を要求したときに、IBERで識別された特定の風味プロファイルのエンハンサを決定することができる。
【0031】
サーバ120は、通信ネットワーク130を介して通信するように構成されたサーバに通常含まれる従来の構成要素又はハードウェアを含む。サーバ120は、従来のサーバなどのサーバの必要な機能を提供するためのハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せを含む1つ又は複数のプロセッサを有する。サーバ120は、電源、通信インターフェース、及びメモリなど、サーバに通常含まれる追加の構成要素を含むことができる。
【0032】
サーバ120は、コンピューティングデバイス110などにダウンロードするためのアプリケーションを格納するように構成される。サーバ120は、IBERプロセッサとして動作することもできる。サーバ120は、サーバ120又はそのプロセッサの動作を指示する、ローカル又は内蔵メモリに格納された、又は起動中にそれに関連するメモリにロードされた一連の動作命令を含む。サーバ120は、アプリケーションをダウンロードする、又はIBERを受信するためのウェブインターフェースを提供するのに必要なハードウェア及びプログラムコードを含むことができる。サーバ120は、通信ネットワーク130を介してコンピューティングデバイス110と通信する。
【0033】
通信ネットワーク130は、コンピューティングデバイス110とサーバ120とを通信可能に結合するように構成される。通信ネットワーク130は、無線、有線、光、又はそれらの組合せとすることができる。通信ネットワーク130は、WLAN及びインターネットなどのネットワークの組合せを含むことができる。コンピューティングデバイス110とサーバ120との間の近接度に応じて、従来のネットワーク又はケーブルを使用して両者を接続することができる。
【0034】
図1Aは、本開示の原理に従って機能を提供するアプリケーション140の一例のブロック図を示す。アプリケーション140は、
図1のコンピューティングデバイスなどのコンピューティングデバイスのデータストレージに格納されたコンピュータプログラムとすることができる。データストレージは、非一時的コンピュータ可読媒体とすることができる。アプリケーション140は、モバイルコンピューティングデバイス上にロードされる(ダウンロードされるなど)コンピュータプログラム製品とすることができる。アプリケーション140は、1つ又は複数のアルゴリズムを表す動作命令に従って様々な機能を実行することができる。アルゴリズムによって指示される機能は、後述するアプリケーション140の特徴を含む。
【0035】
アプリケーション140は、様々なスピリッツ、輸送費などの支払いが行われたことを確認することができる支払い機能141を有する。支払い機能141は、アプリケーションストアと連携して、ユーザがアプリケーションストアで使用する支払い方法を介して確認及び支払いを行うことができる。支払い機能141はまた、クレジットがユーザのために購入されたこと、又はユーザが独自の増強スピリッツを作り出すためのギフトとして提供されたことを確認することもできる。
【0036】
アプリケーション140によって提供される別の機能は、ソーシャルメディアとの対話である。例えば、アプリケーションは、ユーザによって作成された増強スピリッツのポスティングを可能にするために様々な種類のソーシャルメディアアプリケーションと協働するソーシャルメディアインターフェース143を含むことができる。ソーシャルメディアインターフェース143は、ラベルの写真、密封ボトルの写真、IBERからのエンハンサ又は風味プロファイルの写真など、IBERに関連付けられた写真を保存することを可能にすることができる。ソーシャルメディアアプリケーションを介したポスティングは、通信ネットワークを介したものであり、データ課金を被る可能性がある。
【0037】
アプリケーション140は、ユーザが自分の年齢に基づいてアルコール飲料を注文できるかどうかを制御する年齢モニタ145を含むことができる。年齢モニタ145は、ユーザからの生体情報及び/又は他の情報の受信を調整して、ユーザが十分な年齢であることを検証することができる。年齢モニタ145は、ユーザの年齢を検証するために別のサービス又はアプリケーションと通信することができる。
【0038】
アプリケーション140はまた、1つ又は複数のユーザインターフェースを介したユーザとの連動を制御するように構成されたインタラクションコントローラ147を含むことができる。インタラクションコントローラ147は、IBERに記入される視覚的フォームを提示し、IBERの記入を支援するプロンプト/質問を提供することができる。インタラクションコントローラ147はまた、増強スピリッツのラベルに付ける情報を受信するためにユーザと通信することができる。例えば、IBERは、誰かへの貢献を含むことができ、又は(ギフト用などの)IBERを提供した特定の会社を識別することができる。インタラクションコントローラ147はまた、コンピューティングデバイスのユーザインターフェースと協働して、ラベルに付けるユーザの署名を受信することができる。例えば、コンピューティングデバイスのタッチパッドを使用して署名を受信し、ラベルに追加することができる。
【0039】
アプリケーション140はまた、プロセッサコントローラ148及び通信コントローラ149を含むことができる。プロセッサコントローラ148は、IBERプロセッサの少なくとも一部の動作を指示することができる。プロセッサコントローラ148は、IBERプロセッサと協働して、IBERに基づいて注文を生成することができる。通信コントローラ149は、製造業者への注文の送信を調整する。2つ以上の製造業者がIBERベースの注文を受けることができる。例えば、スピリッツがバーボンである場合、注文をバーボン製造業者に送ることができ、スピリッツがラムである場合、注文をラム製造業者に送ることができる。ボトルに使用されるスピリッツに関係なく、単一の製造業者を使用して増強スピリッツを製造することもできる。
【0040】
図2は、本開示の原理に従って構築された製造システム200の一例を示すブロック図を示す。製造システム200は、IBERプロセッサ210及び製造業者220を含む。IBERプロセッサ210は、IBERを受信し、IBERに基づいてスピリッツの注文を生成するように構成される。IBERプロセッサ210は、履行のためにIBERベースの注文を製造業者220に送信する。これらの機能を実行するためのIBERプロセッサ210のロジックを、サーバ、モバイルコンピューティングデバイスなどの別のコンピューティングデバイスに配置することができ、又は2つ以上のデバイスに分散させることができる。IBERプロセッサ210は、本明細書に開示された機能を実行するための1つ又は複数のアルゴリズムに対応する一連の動作命令によって指示されることができる。製造業者220は、IBERベースの注文に従って、スピリッツ(又はスピリッツの組合せ)の密封ボトルを製造する。次いで、密封ボトルは、注文に応じて流通又は出荷され得る。
【0041】
上述したように、IBERプロセッサ210は、機械学習を使用して、完成したIBERがエンハンサを含まないが所望の風味プロファイルを示すときなど、風味プロファイルを得るために必要なエンハンサを決定することができる。このように、IBERプロセッサ210は、特定の風味プロファイルを得るためにどのエンハンサを使用すべきかについての分析及び指示を提供するためにニューラルネットワーク(NN)を含むことができる。したがって、IBERプロセッサ210は、学習システムの一部として学習アルゴリズムを使用して、風味プロファイルをどのように取得するかを決定することができる。
【0042】
IBERプロセッサ210又はその一部は、グラフィックス処理装置(GPU)若しくは別の並列プロセッサ、中央処理装置(CPU)若しくは別のシリアルプロセッサ、又は両方の組合せなどの、1つ又は複数の処理装置とすることができる。IBERプロセッサ210の少なくとも一部を、データセンタに配置することができる。データセンタは、本明細書に開示されているNNなどのニューラルネットワーク訓練をサポートするために必要なストレージ及びネットワーキングを提供することができる。
【0043】
本明細書で開示されるNNは、複雑な問題を解決するために入力データで訓練することができる接続ノードの複数の層を含む。例えば、風味プロファイルを得るために使用されるエンハンサを、NNの訓練のための入力データとして使用することができる。NNが訓練されると、NNは展開され、製品又は休止剤などのエンハンサを識別し、NNが所与の入力から有用な情報を抽出する推論プロセスにおいてオブジェクト又はパターンを分類するために使用され得る。訓練中、データは、入力に対応するラベルを示す予測が生成されるまで順伝播段階でNNを通って流れる。NNが入力を正しくラベル付けしないとき、正しいラベルと予測されたラベルとの間の誤差が分析され、重みは、訓練データセット内の入力を正しくラベル付けする逆伝播フェーズ中に層の特徴について調整される。
【0044】
図3は、IBERに基づいて増強スピリッツを生成する方法300の一実施形態のフロー図を示す。増強スピリッツは、エイジングされた後に仕上げられた蒸留酒である仕上がったスピリッツとすることができる。方法300は、IBERに基づく少なくとも1つの製品を含むスピリッツの密封ボトルを提供する。方法300は、IBERに従って再現可能な風味プロファイルを独自に送達する。方法300のステップの少なくともいくつかは、ボトル入りスピリッツの商業販売業者である製造業者によって実行され得る。いくつかのステップは、製造業者以外のユーザが行うことができる。いくつかのステップには、IBERプロセッサを使用することができる。さらに、本明細書に開示されるようなアプリケーションを、方法300のステップのうちの1つ又は複数のために使用することができる。方法300は、ステップ305で開始する。
【0045】
ステップ310において、IBERが受信される。IBERは、例えば、試飲室のスタッフによって受信され得る。IBERはまた、コンピューティングデバイスのアプリケーションを介して受信され得る。IBERは、1つのスピリッツ(又は複数のスピリッツ)の風味を増強するためのエンハンサを識別することができ、スピリッツを識別することができる。いくつかの例では、IBERは風味プロファイルを識別することができ、IBERプロセッサは風味プロファイルを提供するために必要なエンハンサを選択することができる。
【0046】
スピリッツは、既に蒸留された製品として製造業者から入手した蒸留酒であってもよく、又は例えば従来の方法によって製造されてもよい。蒸留酒は、ウィスキー、バーボン、ラム、ジン、テキーラなどとすることができる。蒸留酒はエイジングされ得る。蒸留酒は、指定された時間にわたって木樽内に入れるなどの従来の方法によってエイジングされ得る。時間の量は、蒸留酒の種類、使用される異なる方法(海上、高地、化学的に制御されたプロセスなどでのエイジング)又は所望の結果に応じて変化し得る。スピリッツは、エイジングされた蒸留酒として得られてもよい。さらに、得られたスピリッツは、蒸留されていないスピリッツであってもよい。
【0047】
ステップ320では、IBERに基づいて、スピリッツを生成してスピリッツを増強するための注文が生成される。注文を、IBERに基づいてIBERプロセッサによって自動的に生成することができる。注文を生成することは、IBERを提出するユーザがアルコール飲料を注文又は受け取るのに十分な年齢であることを検証することを含むことができる。IBERプロセッサの少なくとも一部を指示するアプリケーションを有するコンピューティングデバイスを使用して、注文を生成することができる。IBERプロセッサは、ボトル内のスピリッツに添加するエンハンサを決定して、IBERで識別された風味プロファイルを達成することができる。したがって、注文は、IBERの風味プロファイルのための1つ又は複数のスピリッツ及びエンハンサを識別することができ、これには、1つ若しくは複数の製品、及び/又は休止剤が含まれる。スピリッツは、発酵酒、蒸留酒、又は強化酒であってもよい。蒸留酒は、エイジングされた蒸留酒であってもよい。
【0048】
木片を例として使用すると、選択された木片の種類は、IBERに従って所望される特定の味覚プロファイルに対応する。特定の風味プロファイルを得るために、いくつかの異なる風味因子を選択することができる。味覚プロファイルは、木片の木材の種類及び木材がさらされる「トースト又はチャー」の量によって変化し得る。木材の種類には、アメリカンオーク(American oak)、フレンチオーク(French oak)、サクラの木(Cherry)、リンゴの木(Apple)、セイヨウトネリコ(Ash)、及びメスキート(Mesquite)が含まれるが、これらに限定されない。木片を、蒸留酒すなわちスピリッツ、例えばワイン又はビールのエイジングに以前に使用された木樽から切断することができる。木片を、茶、コーヒー、ソフトドリンクなどの非アルコール製品又は液体を貯蔵するために以前に使用された木樽から切断することもできる。木片を、樽の一部として実際には使用されていないが、樽の1つで通常使用される種類の木材から選択することもできる。
【0049】
トーストレベルは、典型的には、木片のためのトーストの量を表すために使用され、木材がさらされる熱の程度である。木材又は木片に加えられた熱は、木材を分子的に変化させ、木材に固有の特定の植物を放出させる。いくつかの実施形態では、異なるトーストレベルは、ライトトースト、ミディアムトースト、及びヘビートーストである。トーストレベルは、業界標準に対応することができる。
【0050】
チャーリングは、高熱にさらされたときの木材の不完全燃焼の化学プロセスである。チャーレベルは、木材又は木片が火にさらされる程度である。トースティングと同様に、木材をチャーリングすると、木材は異なる植物成分及び風味エッセンスを放出する。異なるチャーレベルは、木材が火にさらされる時間又は持続時間である。一実施形態では、使用されるチャーリング又はチャーレベルは、Char1、Char2、及びChar3を含む。チャーレベルは、業界標準に対応することができる。
【0051】
製造業者は、木材の種類、トーストレベル、及びチャーレベルを混合して適合させて、IBERに従って異なる風味プロファイルを得ることができる。製造業者はまた、2つ以上の木片を使用することができ、複数の木片は、IBERに従って木材の種類、トーストレベル、又はチャーレベルの1つ又は複数のうちの異なる1つを有することができる。例えば、1つの木片は、1のチャーレベルを有するミディアムトースティングされたアメリカンオークであってもよく、第2の木片は、2のチャーレベルを有するライトトースティングされたアッシュであってもよい。異なる形状の木片の組合せも、IBERに従って製造業者によって使用することができる。異なる木片のうちの1つ又は複数の表面積はまた、異なる木片からのスピリッツへの異なる影響を可能にするために異なっていてもよい。様々な種類の木片の各々は、再現可能な風味プロファイルを提供するように構築され得る。例えば、標準的なトーストレベル及びチャーレベルを使用することにより、製造業者は、再現可能な風味プロファイルを作成し、ボトル内仕上げを使用する消費者に送達することができる。木片に標準的な設計、例えば同じ寸法及び表面積を使用することは、再現可能な風味プロファイルを送達するのにも役立つ。例えば、上記のように、木片は、木材スパイアであってもよい。一貫した風味プロファイルの送達を確実にするために、木材スパイアを一貫して特定の方法で切断することができる。いくつかの実施形態では、木材スパイアは、長さ5インチ(127mm)、直径5/8インチ(15.875mm)とすることができ、より多くの木材表面積を露出させるために螺旋状に切断することができる。同様の構造一貫性を、木片の他の例にも使用することができる。例えば、球体、立方体などを再現可能に構築することができる。
【0052】
木片は、ボトル内のスピリッツ体積に対する表面積の所望の比を提供するように切断され得る。ここでも木材スパイアを例として考えると、表面積対体積比は467mm2対750mlとすることができる。ボトルサイズにかかわらず、スピリッツの体積に対する木材表面積の一貫した比率が存在するように、異なる寸法の木材スパイアを異なるサイズのボトルに使用することができる。いくつかの実施形態では、スピリッツの体積に対する木材の表面積は、指定された時間内に「ボトル内で」スピリッツを仕上げるために正確に決定される。750mlボトルを使用すると、表面積対体積比は、6週間のボトル内仕上げのために前述の467mm2対750mlとすることができる。上述したように、ボトル内の表面積対スピリッツ体積の所望の比は、同じボトル内の異なる木片によって変化し得、これは木片の休止にも影響を及ぼすことができる。
【0053】
木材の種類、トーストレベル、及びチャーレベルに加えて、木片を休ませて、IBERに基づいて特定の風味プロファイルを得ることもできる。木片をスピリッツのボトルに入れる前に、IBERから所望される味覚プロファイルに応じて、トースティング又はチャーリングすることもできる木片を、ラム、ブランデー、ワイン又はビールなどの別個のスピリッツ中で休ませ、最終的な仕上がったスピリッツにさらに別のレベルの複雑さを加えることができる。スピリッツの代わりに、ボトルに入れられる前に非アルコール製品中で木片を休ませることができる。例えば、木片を、コーヒー、茶、清涼飲料、蜂蜜、シロップ、又は別の種類の非アルコール性液体のうちの1つ又は複数の中で休ませることができる。木片を、シナモン、ナツメグ、オールスパイス、アニス、バニラ、ミント、又は他の種類のスパイスなどの液体ではない製品(すなわち、非液体)中で休ませることもできる。クローバー、ハイビスカス、ハニーサックル、ラベンダー、ローズなどを含む花卉製品も使用することができる。リンゴ、オレンジ若しくは別の種類の柑橘類、又はモモなどの果実製品は、休止に使用することができる非液体製品の別の例である。非液体製品を水又は別の種類の液体と混合して、木片の休止に使用できる液体を生成することができる。休止に使用される異なる種類の液体又は非液体は、まとめて休止剤と呼ばれる。1つ又は複数の木片をそれぞれ、ボトルに入れる前に、異なる休止剤中で休ませることができる。例えば、第1のスパイアをワイン中で休ませることができ、第2のスパイアを蜂蜜中で休ませることができ、第1のスパイアと第2のスパイアの両方を同じボトルに入れることができる。特定の形状の木片を同じ休止剤中で休ませることができる。例えば、立方体をハイビスカス中で休ませることができ、球体をラベンダー中で休ませることができる。いくつかの例では、例えば木材の種類及び休止剤に応じて、休止は異なる色の木片を生成することができる。例えば、ラベンダー中で休ませた球体は、ジンのボトルで見える紫色を有することができる。IBERは、異なる色の要求を含むことができる。
【0054】
休止時間の量は、所望の風味プロファイルの経験的データに応じて変化し得る。ある時点で、木片のための追加の休止が有益でないか、又は無視できる程度にしか有益でない場合、吸収を少なくとも実質的に達することができる。木片の休止時間の量は6週間とすることができ、木片の種類及び休止剤に応じて変えることができる。IBERは、休止時間の量を含むことができる。
【0055】
ステップ330において、IBERに基づくスピリッツがボトルに入れられる。本業界による従来のボトリング方法を使用して、ボトルにスピリッツを入れることができる。このように、ボトルは、業界標準に従ってスピリッツで満たされ得る。ボトルは、方法300の最終製品を流通させるために使用される容器である。例えば、ステップ330のボトルは、製造業者によって後で密封され、分配され、IBERを提出するユーザに送られるボトルである。密封ボトルは、出荷され、他のエンドユーザが購入するために棚に置くこともできる。典型的には、ボトルはガラスで構築され、本明細書に開示されるように、木片などの製品を受け入れるのに十分な開口部を有する。IBERは、2つ以上のスピリッツを識別することができ、複数のスピリッツをボトルに入れることができる。
【0056】
ステップ340において、スピリッツを有するボトルに1つ又は複数の製品を入れる。1つ又は複数の製品は、IBERに対応する。製品が木片である例を続けると、木片を選択した後、選択された木片の種類は、IBERに従って製造業者によって各ボトルに入れられる。木片を、手でボトルに入れることができる。いくつかの実施形態では、一貫した再現可能な仕上げを行うことができる限り、複数の単一の種類の木片をボトルに入れることができる。例えば、木材対スピリッツの既知又は所望の表面積対体積比を維持することができる。異なる種類の木片を異なるボトルに入れることができる。例えば、フレンチオークの木片をいくつかのボトルに入れ、チャーリングしたオークの木片を他のボトルに入れることができる。IBERによる仕上げ木材の混合物のために、木材の種類が異なる木片を単一のボトルに入れることができる。さらに、木材の種類が同じである複数の木片をボトルに入れることができる。異なる形状、木材の種類、チャーレベル、トーストレベル、休止剤、及びそれらの任意の組合せの木片を、IBERに基づいて同じボトルに入れることができる。
【0057】
ステップ350において、スピリッツ及び1つ又は複数の製品を有するボトルが密封される。ボトルは、アルコール飲料業界で一般的に使用されている従来の手順によって密封され得る。製造業者は、内部に1つ又は複数の製品を有するボトルを密封する。したがって、方法300は、IBERに従って選択された風味プロファイルのために設計/切断/製造/処理された少なくとも1つの製品を有するスピリッツの密封ボトルを製造する。
【0058】
ステップ360において、ラベルがボトルに追加される。製造業者は、業界で公知の従来の方法を用いてラベルをボトルに取り付けることができる。ラベルの各々は、IBERによる増強に使用される木片の1つ又は複数の種類に対応することができる。例えば、ボトルは、バーボンと、IBERに基づいてアメリカンオークをトーストした木片とを含むことができる。したがって、ラベルは、バーボンを含むことができ、スパイアなどのアメリカンオークの木片からのトースティングされたオーク仕上げを記載することができる。木片を休止剤中で休ませているとき、ラベルは、ラベル上に記載された風味プロファイルに対する休止の寄与も記載することができる。例えば、木片を茶の中で休ませているとき、ラベルは木片の種類を列挙し、木片が茶の中で休んだことを示すことができる。ラベルはまた、休止に使用される茶の種類及び/又はコールドブリュー対ホットブリューなどのブリューイングプロセスを示すことができる。複数の木片がボトルに入っているとき、ラベルは風味の組合せの寄与を記載することができる。したがって、ユーザは、各ボトルと共に使用されるボトル内増強の種類を知ることができ、提出されたIBERと比較することができる。ラベルはまた、IBERの作成者又は発信者の署名を含むことができる。
【0059】
ステップ370において、少なくとも1つの製品を含む密封ボトルを休ませる。例えば、IBERに従って指定した時間の量だけボトルを休ませることができる。ボトルを休ませる時間の量を、IBERとは別に製造業者によって決定することもできる。製品の例として木片を使用すると、時間の量は経験的データに基づくことができ、通常、ボトル内の1つ又は複数の木片の消耗又は実質的な消耗に対応する。木片は、それが周囲のスピリッツに与えることができる、又は与えることを意図している風味の全部又は実質的に全部を与えたときに消耗する。典型的には、休止又は仕上げのための指定された時間の量は、製造の複数バッチによる一貫した増強を確実にするために変更されない。ボトル内仕上げなどの増強のための時間は、木片とボトル入りスピリッツとの間の化学成分の交換の完了に対応する。したがって、本明細書に開示されるボトル内仕上げなどの増強プロセスは、木片(デザイン、サイズ、製造、種類、トースト、チャー、休止剤など)、液体量、及び密封ボトルを休ませる時間の量の関数である。増強プロセスの変数の値は、有機化合物が酸をエステルに変換してボトル入りスピリッツに所望の固有の風味を与えるのに寄与するように変更され得る。いくつかの実施形態では、味覚試験を使用して所望の製品の味を決定し、所望の製品の味を提供するために使用される変数の組合せ及び値は、増強スピリッツの製造及び一貫した再現のために選択される。
【0060】
一例として上述した木材スパイアを考慮すると、スパイアがボトル内に入れられると、木材のスパイアがスピリッツを増強する(是認する)のに十分な時間を可能にするために、消費のために流通又は販売される前に、ボトルを6週間休ませることができる。仕上がった製品が6週間を超えてエイジングすると、通常、風味プロファイルは変化しないが、製品はより滑らかになり、刺激が少なくなる可能性がある。出荷及び流通の時間を、休止又は仕上げの合計時間で考慮することができる。
【0061】
ステップ380において、IBERによる少なくとも1つ又は複数の製品を有する密封ボトルが出荷される。この時点で、製造業者は、IBERに従った製造プロセスを完了しており、そのスピリッツは、IBERを提出するユーザ又はその他によって流通され、楽しむ準備ができている。密封ボトルを出荷するための1つ又は複数のアドレスをIBERに含めることができる。方法300はステップ390で終了する。当業者は、方法300のステップの少なくともいくつかが、本明細書に開示されている順序とは異なる順序で実行され得ることを理解されよう。例えば、スピリッツ及び/又は1つ又は複数の製品を添加する前に、ボトルにラベルを付けることができる。
【0062】
図4は、IBERに基づいて増強スピリッツを生成する方法400の一実施形態のフロー図を示す。増強スピリッツは、エイジングされた後に仕上げられた蒸留酒である仕上がったスピリッツとすることができる。方法400は、IBERによる少なくとも1つの木片を含むスピリッツの密封ボトルを提供する。方法400は、IBERに基づいてボトル内の1つ又は複数の木片を使用して再現可能な風味プロファイルを独自に送達する。方法400のステップの少なくともいくつかを、ボトル入りスピリッツの商業販売業者である製造業者によって、IBERからの指示/要求に従って実行することができる。いくつかのステップは、製造業者以外のユーザが行うことができる。いくつかのステップには、IBERプロセッサを使用することができる。さらに、本明細書に開示されるようなアプリケーションを、方法400のステップのうちの1つ又は複数のために使用することができる。方法400は、ステップ401で開始する。
【0063】
ステップ405において、IBERに基づくスピリッツを製造するための注文が生成される。注文は、スピリッツの種類と、スピリッツと共にボトルに含める1つ又は複数の木片とを含むことができる。いくつかの例では、2つ以上のスピリッツをIBERに従ってボトルに入れることができる。
【0064】
ステップ410において、注文に従ってスピリッツが得られる。スピリッツは、発酵酒、蒸留酒、又は強化酒であってもよい。蒸留酒は、エイジングされた蒸留酒であってもよい。1つ又は複数のスピリッツを、1つ又は複数の製造業者から入手することができる。
【0065】
ステップ420において、スピリッツがボトルに入れられる。本業界による従来のボトリング方法を使用して、ボトルにスピリッツを入れることができる。このように、ボトルは、業界標準に従ってスピリッツで満たされ得る。ボトルは、方法400の最終製品を流通させるために使用される容器である。例えば、ステップ420のボトルは、製造業者によって後で密封され、ユーザに出荷され、購入のために棚に置かれ得るボトルである。典型的には、ボトルはガラスで構築され、本明細書に開示される木片を受け入れるのに十分な開口部を有する。異なる木片に対して異なるボトルを使用することができる。
【0066】
ステップ430において、IBERに基づいて、1つ又は複数の木片が選択される。選択された木片の種類は、IBERで識別されることができ、又はIBERに記載された特定の味覚プロファイルに対応することができる。IBERは、木材の種類を識別してもよく、IBERプロセッサ又は製造業者は、木材の形状を選択することができる。いくつかの異なる風味因子に対応する1つ又は複数の木片を選択して、特定の風味プロファイルを得ることができる。味覚プロファイルは、上述のように木片の木材の種類によって変化し得る。
【0067】
IBERは、同じである1つ又は複数の木片を選択することができ、又は木片を混合して適合させて、異なる風味プロファイルを得ることができる。1つ又は複数の木片は、木材の種類、トーストレベル、チャーレベル、形状、表面積などの1つ又は複数のうちの異なる1つを有することができる。このように、異なる形状の木片の組合せをIBERに従って製造業者が使用することができ、異なる木片の表面積はまた、異なる木片からボトル内のスピリッツへの異なる影響を可能にするために異なっていてもよい。様々な種類の木片の各々は、複数のボトルに再現可能な風味プロファイルを提供するように構築され得る。上述したように、ボトル内の表面積対スピリッツ体積の所望の比は、同じボトル内の異なる木片によって変化し得、これは木片の休止にも影響を及ぼすことができる。1つ又は複数の木片は、例えば、Central MinnesotaのBarrel Millから市販されている注入スパイラルであってもよい。
【0068】
ステップ440において、IBERに従って木片のうちの1つ又は複数を休止剤中で休ませる。1つ又は複数の選択された木片の各々を、異なる1つ又は複数の休止剤又は同じ休止剤中で休ませることができる。上記のように、休止剤は、スピリッツ又は非アルコール性のタイプであり得る。木片を第1の休止剤中で休ませ、次いで1つ又は複数の他の休止剤中で休ませることができる。さらに、異なる製品を組み合わせて休止剤を提供することができる。例えば、スピリッツを、非スピリッツと組み合わせることができ、木片を、その組合せの中で休ませることができる。特定の形状の木片を、同じ休止剤中で休ませることができ、木片に色を付加するために使用することができる。休止時間の量は、木片(例えば、形状、サイズ、表面積)及び休止剤によって変化し得る。木片の休止は、製造業者の代わりに他の当事者が行うことができる。したがって、製造業者は、ステップ430において、IBERに従って既に休ませた木片を選択することができる。製造業者は、同じ又は別の休止剤中で追加の休止を行うこともできる。
【0069】
1つ又は複数の木片は、ステップ450において製造業者によって各ボトルに入れられる。木片を手でボトルに入れることができ、又は機械を使用することができる。異なる形状、木材の種類、チャーレベル、トーストレベル、休止剤、及びそれらの任意の組合せの木片を、IBERに従って同じボトルに入れることができる。
【0070】
ステップ460において、スピリッツ及び1つ又は複数の木片を有するボトルが密封される。ボトルは、アルコール飲料業界で一般的に使用されている従来の手順によって密封され得る。製造業者は、ボトルを内部の1つ又は複数の木片で密封する。したがって、方法400は、IBERに従って選択された風味プロファイルのために設計/切断/製造/処理された少なくとも1つの木片を有するスピリッツの密封ボトルを製造する。
【0071】
ステップ470において、ラベルがボトルに追加される。製造業者は、業界で公知の従来の方法を用いてラベルをボトルに取り付けることができる。ラベルは、IBERに対応する。ラベルは、IBERのユーザの署名及び/又はユーザがラベルに記載したい他の情報を含むことができる。
【0072】
ステップ480において、IBERによるスピリッツ及び少なくとも1つ又は複数の木片を有するボトルが出荷される。密封ボトルは、IBERを提出するユーザによって識別された1つ又は複数のアドレスに出荷され得る。この時点で、製造業者はIBERに基づく製造プロセスを完了しており、そのスピリッツはユーザに流通される準備ができている。密封ボトルを、出荷前に休ませることができる。方法400はステップ490で終了する。当業者は、方法400のステップの少なくともいくつかが、本明細書に開示されている順序とは異なる順序で実行され得ることを理解されよう。例えば、木片を、ボトルにスピリッツを添加する前に選択することができ、かつ/又は1つ又は複数の木片を、スピリッツを添加する前にボトルに添加することができる。さらに、単一のスピリッツの代わりに、IBER又はIBERの風味プロファイルによって複数のスピリッツを識別することができる。
【0073】
図5は、IBERを使用して製造された、増強用の木片を有するスピリッツのボトル500の一例を示す。ボトル500は、本体510と、蓋520と、シール530と、スピリッツ540と、ラベル550と、木片560とを含む。スピリッツ540及び木片560は、本体510によって画定された容積内にある。ボトル500は、IBERに従って2つ以上のスピリッツを含むことができる。ボトル500は、ガラスなどの非浸透性材料で構築されており、市販の準備ができている。したがって、ボトル500は、消費者が購入するために出荷される又は棚に置かれる準備ができている。
【0074】
本体510は、ボトル500の形状及び容積を画定する。本体510は、内面及び外面を有する。本体510は、ベース、ヒール、ショルダなど、及びボトルの他の既知の部分を集合的に表す例である。蓋520は、ボトル500のオリフィスを覆うために使用される。蓋520は、コルク、スクリューキャップ、又は従来使用されている別のタイプの蓋とすることができる。シール530は、蓋520を固定し、製造業者から消費者への不正開封がないことを示すために使用される。従来のタイプのシールを使用することができる。図示のように、ボトル500は、木片560がボトル500内に入れられた後に密封される。ボトル500は市販品であるため、
図5ではシール530は破損していない。図示された例以外のタイプのシール及び蓋を使用することができる。
【0075】
木片560は、IBERによって選択された1つ又は複数の製品を表す。木片560は、蓋520及びシール530がその上に配置される前にボトル500内に入れられる。木片560は、ピラミッド562と、立方体563と、球体565、567、569とを含む。木片560のうちの1つ又は複数は、異なる種類の木材であってもよく、異なるトーストレベルの木材、チャーレベルの木材、又はトースティングもチャーリングもされていない木材であってもよい。木片560のうちの1つ又は複数の表面積も異なっていてもよい。木片560のうちの1つ又は複数はまた、ボトル500内に入れられる前に1つ又は複数の休止剤中で休んだ休止済み木片であってもよい。1つ又は複数の木片560を、IBERに準拠して休ませることができる。異なる休止剤中で休んだ木片560の組合せを使用することができる。例えば、ピラミッド561を第1の休止剤中で休ませることができ、立方体563を異なる休止剤中で休ませることができる。球体565、567、569のうちの1つ又は複数を、同じ休止剤のうちの1つで、又はさらに第3の休止剤中で休ませることができる。球体565、567、569の各々を、同じ休止剤中で休ませることができる。異なる木片560は、それらの休止剤からの色を内在させることができ、これにより、スピリッツ540の機能的増強と共にボトル500内に心地よい視覚的提示を提供することができる。木片560は、
図5に示すもの以外の形状を有することができ、木片の数は、IBERに基づいて変化し得る。本明細書に開示されるように、木片560は、ボトル500の容積及びスピリッツを増強するための所望の時間に対応するように設計され得る。最初にスピリッツ540と共にボトル500内に入れられると、木片560は浮く。木片560は、化学成分をスピリッツ540と交換するプロセス中にスピリッツ540を吸収し、ボトル500の底部に沈む。
図5では、木片560は、スピリッツ540に浸され、ボトル500のベースに沈められている。
【0076】
ラベル550は、ボトル500内の木片560の種類に対応し、IBERに対応する。ラベル550は、IBERを提出したユーザの名前及び/又は署名を含むことができる。ラベル550を、従来の手順を介してボトル500に取り付けることができる。本体510は、ラベル550の形状及びサイズに対応するくぼみ領域(
図5では識別されていない)を含むことができ、ラベル550をくぼみセクション内に配置することができる。蓋520、シール530、スピリッツ540、ラベル550及び木片560を備えたボトル500を、商業的な流通及び販売のために出荷することができる。木片のうちの1つ又は複数を休ませているとき、ラベル550は、IBERによる風味プロファイルに対する休止の寄与を反映する。
【0077】
上述の装置、システム、又は方法の一部は、様々なデジタルデータプロセッサに組み込まれるか、又は実行されてもよく、プロセッサは、方法のステップのうちの1つ又は複数を実行するためにソフトウェア命令のシーケンスの実行可能プログラムをプログラム又は格納する。プロセッサは、例えば、プログラマブルアレイロジック(PAL)、汎用アレイロジック(GAL)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は別のタイプのコンピュータ処理デバイス(CPD)などのプログラマブルロジックデバイスであってもよい。そのようなプログラムのソフトウェア命令は、様々なタイプのデジタルデータプロセッサ又はコンピュータが、本明細書に記載の1つ又は複数の上述の方法のステップ、又は機能、システム若しくは装置のうちの1つ、複数、又はすべてを実行することを可能にするために、アルゴリズムを表し、非一時的なデジタルデータストレージ媒体、例えば、磁気又は光ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ハードディスク、フラッシュメモリ、及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)上で機械実行可能な形式で符号化され得る。
【0078】
開示された実施形態の一部は、装置、デバイスの一部を具現化する、又は本明細書に記載の方法のステップを実行する様々なコンピュータ実装動作を実行するためのプログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータストレージ製品に関連し得る。本明細書で使用される非一時的とは、伝搬信号及び搬送波信号などの一時的信号を除くすべてのコンピュータ可読媒体を指す。非一時的コンピュータ可読媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープなどの磁気媒体、CD-ROMディスクなどの光学媒体、フロプティカルディスクなどの磁気光学媒体、ROM及びRAMデバイスなどの、プログラムコードを格納及び実行するように特別に構成されたハードウェアデバイスが含まれるが、これらに限定されない。プログラムコードの例には、コンパイラによって生成されるようなマシンコードと、インタプリタを使用してコンピュータによって実行され得るより高いレベルのコードを含むファイルの両方が含まれる。
【0079】
本開示を解釈する際に、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り最も広い方法で解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」という用語は、非排他的な方法で要素、構成要素、又はステップを指すものとして解釈されるべきであり、参照される要素、構成要素、又はステップが存在するか、又は利用されるか、又は明示的に参照されていない他の要素、構成要素、又はステップと組み合わされ得ることを示す。
【0080】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
【0081】
本出願が関連する当業者は、記載された実施形態に対して他の及びさらなる追加、削除、置換及び修正を行うことができることを理解されよう。例えば、木片などのIBERによる1つ又は複数の製品を使用するボトル内増強は、蒸留された又は蒸留されていないスピリッツ、異なるエイジング時間、及び異なる製品対体積比を含むことができる。本開示はまた、本明細書で提供されるIBERに従って販売用に製造される、他の種類の液体のボトル内の木片又は他の種類の風味プロバイダから風味を付与することにも適用することができる。
【0082】
発明の概要に記載された態様の各々は、以下の従属請求項のうちの1つ又は複数からの特徴のうちの1つ又は複数を組み合わせて有することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増強スピリッツを製造する方法であって、
ボトル内増強要求(IBER)を受信するステップと、
前記IBERに基づいて前記ボトルに少なくとも1つのスピリッツを入れるステップと、
前記IBERに基づいて前記ボトルに1つ又は複数の製品を入れるステップと、
前記ボトルに前記少なくとも1つのスピリッツと前記1つ又は複数の製品の両方を入れた前記ボトルを密封するステップと
、
前記ボトルにラベルを配置するステップと
を含み、前記ラベルは、前記IBERに関連する風味プロファイルに対応し、前記IBERの発信者の署名を含む、方法。
【請求項2】
前記IBERが、前記1つ又は複数の製品、1つ又は複数の休止剤、あるいは1つ又は複数の製品と1つ又は複数の休止剤との組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IBERに従って前記1つ又は複数の製品を処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記IBERが、前記スピリッツのための所望の増強された風味の説明を含み、前記方法が、前記説明に基づいて前記1つ又は複数の製品を選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記IBERが風味プロファイルを識別し、前記方法が、前記風味プロファイルを達成するためにエンハンサを自動的に選択するステップをさらに含み、前記エンハンサは前記1つ又は複数の製品を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
エンハンサを自動的に選択する前記ステップが機械学習を使用する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
受信する前記ステップが、コンピューティングデバイス上のアプリケーションを介して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記IBERに基づいて前記増強スピリッツのための注文を自動的に生成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記密封ボトルを前記IBERに含まれるアドレスに出荷するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
増強スピリッツのためのボトル内増強要求(IBER)を受信して処理するためのコンピューティングシステムであって、前記コンピューティングシステムは、
1つ又は複数の動作を実行するための1つ又は複数のプロセッサを備え、前記動作は、
前記IBERを受信するステップと、
前記IBERに基づいてスピリッツの1つ又は複数のエンハンサを決定するステップと、
前記1つ又は複数のエンハンサを使用して増強スピリッツの1つ又は複数のボトルの注文を自動的に生成するステップと、
前記IBERの発信者の署名を受信するステップと、前記増強スピリッツの前記1つ又は複数のボトルのラベルに配置するための前記注文と共に前記署名を含めるステップと
を含む、
コンピューティングシステム。
【請求項11】
決定する前記ステップが、前記IBERからの風味プロファイルの説明に従って、1つ又は複数の製品を自動的に選択するステップを含む、請求項
10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項12】
自動的に選択する前記ステップが、機械学習アルゴリズムを使用する、請求項
10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項13】
決定する前記ステップが、前記IBERで識別された1つ又は複数の製品を使用するステップを含む、請求項
10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項14】
決定する前記ステップが、前記IBERからの風味プロファイルの説明に従って、1つ又は複数の製品を選択するステップを含む、請求項
10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項15】
受信する前記ステップが、前記IBERを生成するための入力を前記IBERの発信者に促すアプリケーションを介して行われ、前記プロンプトの少なくとも一部は、前記入力のうちの1つ又は複数に応答する、請求項
10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項16】
実行時に1つ又は複数のプロセッサを指示して、増強スピリッツのための注文を生成するための動作を実行する非一時的コンピュータ可読媒体に格納された一連の動作命令を有するコンピュータプログラム製品であって、前記動作は、
ボトル内増強要求(IBER)を受信するステップと、
前記IBERに基づいてスピリッツの1つ又は複数のエンハンサを決定するステップと、
前記1つ又は複数のエンハンサを使用して増強スピリッツの1つ又は複数のボトルの注文を自動的に生成するステップと、
前記IBERの発信者の署名を受信するステップと、前記増強スピリッツの前記1つ又は複数のボトルのラベルに配置するための前記注文と共に前記署名を含めるステップと
を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記IBERが、1つ又は複数の製品と、前記1つ又は複数の製品の少なくとも1つのための少なくとも1つの休止剤とを含むエンハンサの選択を含む、請求項
16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記動作が、前記IBERの発信者がアルコール製品の購入のための年齢要件を満たしていると判断するステップをさらに含む、請求項
16に記載のコンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】