(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】全行程可変内燃エンジン
(51)【国際特許分類】
F02B 75/04 20060101AFI20231214BHJP
F02B 75/32 20060101ALI20231214BHJP
F02B 75/18 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
F02B75/04
F02B75/32 C
F02B75/18 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541531
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2022070161
(87)【国際公開番号】W WO2022155651
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523257130
【氏名又は名称】ホーガン,ロバート,ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホーガン,ロバート,ピー.
(57)【要約】
非対称的往復運動のためにエンジンシリンダ内に摺動可能に配置されたピストン、並びに一次クランク軸及び半速度クランク軸であって、一次クランク軸の速度の1/2における半速度クランク軸の回転のために作動可能に係合された、一次クランク軸及び半速度クランク軸を含み得る全行程可変内燃エンジンであって、一次クランク軸の速度の1/2における半速度クランク軸の回転は、全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個の行程にわたって独立に可変である行程長を生成するようにピストンの非対称的往復運動を生じる、全行程可変内燃エンジン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非対称的往復運動のためにエンジンシリンダ内で摺動可能に配置されたピストン;並びに一次クランク軸及び半速度クランク軸であって、前記一次クランク軸の速度の1/2における前記半速度クランク軸の回転のために作動可能に係合された、一次クランク軸及び半速度クランク軸を含む全行程可変内燃エンジンであって、
前記一次クランク軸の速度の1/2における前記半速度クランク軸の前記回転は、前記全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個の行程にわたって独立に可変である行程長を生成するように前記ピストンの前記非対称的往復運動を生じる、全行程可変内燃エンジン。
【請求項2】
前記行程長は前記4つの別個の行程のうちの1つ又は複数の行程の対応頂部及び/又は底部死点を変更することを介し独立に可変である、請求項1に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項3】
前記4つの別個の行程の前記対応頂部及び/又は底部死点は圧縮行程の頂部及び/又は底部の圧縮比及び/又はそれぞれの位置に少なくとも部分的に基づき判断される、請求項2に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項4】
排出-吸入頂部死点が圧縮-膨脹頂部死点と同様な位置に配置されなく、前記排出-吸入頂部死点は1つ又は複数の規定判断基準に少なくとも部分的に従って前記圧縮-膨脹頂部死点の上又は下に配置される、請求項3に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項5】
前記エンジンシリンダの頂部の位置は前記圧縮-膨脹頂部死点の位置と圧縮比により割られた前記圧縮行程の長さとの合計に少なくとも部分的に基づく、請求項4に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項6】
近位端及び遠位端を有するとともに前記近位端において前記ピストンへ枢動可能に接続されたピストン棒;
前記遠位端において前記ピストン棒へ枢動可能に接続されるとともに反対端において前記一次クランク軸へ回転可能に接続された一次クランク軸棒;並びに
前記遠位端において前記ピストン棒へ枢動可能に接続されるとともに反対端において前記半速度クランク軸へ回転可能に接続される半速度循環棒であって、前記一次クランク軸及び前記半速度クランク軸は、前記一次クランク軸の前記速度の1/2における前記半速度クランク軸の前記回転のために作動可能に係合されるように平行軸上に取り付けられる、半速度循環棒、をさらに含む、請求項1に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項7】
前記半速度クランク軸は、一端において前記半速度クランク軸へ回転可能に及び/又は枢動可能に接続される及び/又はそのそれぞれの遠位端において前記ピストン棒と前記一次クランク軸棒との接続部へ又はその近くに回転可能に及び/又は枢動可能に接続される機構及び/又は装置により、前記ピストン棒及び前記一次クランク軸棒の前記遠位端それぞれにおいて前記ピストン棒と前記一次クランク軸棒との接続部へ又はその近くへ枢動可能に及び/又は回転可能に接続される、請求項6に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項8】
前記半速度クランク軸とピストン棒/一次クランク軸棒接続部との間に作動可能に結合された第2の駆動システムをさらに含む、請求項6に記載の全行程可変内燃エンジンであって、
前記半速度クランク軸及び/又は前記第2の駆動システムの位置は、前記全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個の行程全体にわたりエンジンシリンダ内に摺動可能に配置されたピストンの非対称的往復運動のための前記一次クランク軸に対するタイミングを少なくとも部分的に提供する、全行程可変内燃エンジン。
【請求項9】
燃焼室内への侵入無く動作する1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁を含む弁システムを含む内燃エンジンを含む装置。
【請求項10】
前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁は実質的にカップ状弁頭を個々に含み、弁柄をさらに含み、前記実質的にカップ状弁頭は実質的に平坦な部分と実質的に円筒状部とを含み、前記実質的に平坦な部分は前記実質的に円筒状部の第1の端へ固定され、前記弁柄は前記平坦な部分の第1の表面へ固定される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記弁システムは弁作化が押しだけによるようにデスモドロミック弁作化をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記弁システムは前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁の両端の動作に影響を与える第1及び第2のカム軸をさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のカム軸は前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁を開くために前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁の動作に影響を与え、前記第2のカム軸は前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁を閉じるために前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁の動作に影響を与える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1のクランク軸を中心に固定された駆動歯車;
第2のクランク軸を中心に固定された被駆動歯車であって、前記被駆動歯車は前記駆動歯車と係合するように構成され、前記被駆動歯車は2つ以上の駆動棒を1つ又は複数の駆動クランク軸を介し駆動するように構成され、前記2つ以上の駆動棒は1つ又は複数の被駆動クランク軸を介し1つ又は複数のカム軸を駆動するように構成される、被駆動歯車;及び
前記第1のクランク軸を中心に枢動する枢動可能キャリヤフレームであって、前記被駆動歯車及び/又は前記1つ又は複数のカム軸駆動クランク軸の少なくとも1つは、1ユニットとして前記枢動可能キャリヤフレーム内で回転するように構成されるように前記枢動可能キャリヤフレームへ回転可能に取り付けられるように構成される、枢動可能キャリヤフレーム、を含む内燃エンジンの駆動システム。
【請求項15】
前記枢動可能キャリヤフレームは前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の1つ又は複数の部品の1つ又は複数の寸法偏差を補正するために前記第1のクランク軸を中心に動的に枢動するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項16】
前記枢動可能キャリヤフレームは、前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の1つ又は複数の部品の前記1つ又は複数の寸法偏差の前記補正を少なくとも部分的に介し雑音、振動及び/又はハーシュネスを低減するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項17】
前記枢動可能キャリヤフレームは、前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の前記1つ又は複数の部品の製造及び/又は組み立て偏差から生じる1つ又は複数の寸法偏差、又は前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の前記1つ又は複数の部品の熱膨張及び/又は収縮から生じる1つ又は複数の寸法偏差、又はそれらの組み合わせを補正するために前記第1のクランク軸を中心に動的に枢動するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項18】
前記枢動可能キャリヤフレームは、前記1つ又は複数の駆動クランク軸、前記1つ又は複数の被駆動クランク軸、又は前記2つ以上の駆動棒の1つ又は複数の寸法偏差、又はそれらの組み合わせを補正するために前記第1のクランク軸を中心に動的に枢動するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項19】
前記1つ又は複数の駆動クランク軸と前記1つ又は複数の被駆動クランク軸との間に接続された1つ又は複数のディスタンス棒をさらに含む、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システムであって、前記1つ又は複数のディスタンス棒は、前記1つ又は複数の駆動クランク軸のそれぞれの中心線と前記1つ又は複数の被駆動クランク軸のそれぞれの中心線との間の近似距離を維持するように構成される、内燃エンジンの駆動システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の駆動クランク軸は2スロー以上駆動クランク軸を含み、前記1つ又は複数の被駆動クランク軸は2スロー以上被駆動クランク軸を含む、請求項19に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項21】
前記2スロー以上駆動クランク軸のそれぞれのスロー及び/又は前記2スロー以上被駆動クランク軸のそれぞれのスロー間の分離の角度は近似的に等しく、前記2以上スロー駆動クランク軸の前記それぞれのスローは長さが近似的に等しく、前記2スロー以上被駆動クランク軸の前記それぞれのスローは長さが近似的に等しい、請求項20に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項22】
前記2以上駆動棒は少なくとも1つの第1の駆動棒及び第2の駆動棒を含み、
前記2スロー以上駆動クランク軸は2スロー駆動クランク軸を含み、
前記2スロー以上被駆動クランク軸は2スロー被駆動クランク軸を含み、
前記第1の駆動棒の第1の端は前記2スロー駆動クランク軸の第1のスローへ回転可能に取り付けられ、
前記第1の駆動棒の第2の端は前記2スロー被駆動クランク軸の第1のスローへ回転可能に取り付けられ、
前記第2の駆動棒の第1の端は前記2スロー駆動クランク軸の第2のスローへ回転可能に取り付けられ、
前記第2の駆動棒の第2の端は前記2スロー被駆動クランク軸の第2のスローへ回転可能に取り付けられる、請求項20に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項23】
第1のクランク軸を中心に固定された駆動歯車;第2のクランク軸を中心に固定された被駆動歯車を含む内燃エンジンの駆動システムであって、
前記被駆動歯車は前記駆動歯車と係合するように構成され、
前記被駆動歯車は2つ以上の駆動棒を1つ又は複数の駆動クランク軸を介し駆動するように構成され、
前記2つ以上の駆動棒は枢動可能駆動ユニットを介し1つ又は複数のカム軸を駆動するように構成され、
前記枢動可能駆動ユニットは前記1つ又は複数のカム軸を中心に枢動するように構成される、内燃エンジンの駆動システム。
【請求項24】
前記枢動可能駆動ユニットは1つ又は複数の被駆動クランク軸を含み、2つ以上の棒駆動器は前記1つ又は複数の被駆動クランク軸を介し前記1つ又は複数のカム軸を駆動するように構成される、請求項23に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項25】
無障害空気吸入路及び内燃エンジンの吸入弁の両方間に画定されるとともにそれらと流体連通された絞り弁滑り空洞;及び前記絞り弁滑り空洞内に配置された絞り弁滑り本体を含む絞り弁装置であって、
前記空気吸入路から前記吸入弁への空気流は前記絞り弁滑り空洞内の前記絞り弁滑り本体の往復運動により調整される、絞り弁装置。
【請求項26】
前記絞り弁滑り空洞は、前記絞り弁滑り本体と前記絞り弁滑り空洞間に実質的に気密なシールが存在するように、前記絞り弁滑り本体の断面形状に対し相補的である断面形状を有する末端部を含む、請求項25に記載の絞り弁装置。
【請求項27】
前記絞り弁滑り本体は前記絞り弁滑り本体の上流側に流れ修正形状を含む、請求項26に記載の絞り弁装置。
【請求項28】
前記流れ修正形状は前記空気吸入路から前記吸入弁への及び従って前記内燃エンジンの燃焼室への前記空気流の流れ特性を変更するように構成される、請求項27に記載の絞り弁装置。
【請求項29】
無障害空気吸入路;
燃焼室の吸入弁;及び
絞り弁装置、を含む内燃エンジンであって、前記絞り弁装置は:
前記無障害空気吸入路及び前記吸入弁の両方間に画定されるとともにそれらと流体連通された絞り弁滑り空洞;及び
前記絞り弁滑り空洞内の絞り弁滑り本体の往復運動が前記空気吸入路から前記吸入弁への空気流を計るように前記絞り弁滑り空洞内に配置された絞り弁滑り本体、を含む、内燃エンジン。
【請求項30】
内燃エンジンを絞る方法であって、前記方法は、
絞り弁装置を前記内燃エンジンの無障害空気吸入路と吸入弁との間に配置することであって;前記絞り弁装置は、前記無障害空気吸入路及び前記吸入弁の両方の間に及びそれらと流体連通された絞り弁滑り空洞、及び前記絞り弁滑り空洞内の絞り弁滑り本体の往復運動が前記空気吸入路から前記吸入弁への空気流を計るように前記絞り弁滑り空洞内に配置された絞り弁滑り本体を含む、配置すること;
前記空気流を増加するために前記絞り弁滑り空洞内で前記絞り弁滑り本体を退避させること;及び
前記空気流を低減するために前記絞り弁滑り空洞内で前記絞り弁滑り本体を延伸すること、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本明細書において開示される主題は、一般的には内燃エンジンに関し、具体的には4行程全行程可変内燃エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
内燃エンジンは、自動車、鉄道及び海上、又は他の業界、アプリケーションなどにおいて広範に採用されている。自動車及び/又は同様なアプリケーションは、吸入、圧縮、燃焼及び/又は膨脹及び/又は排出を含む4行程又は4サイクルを有する例えば4行程及び/又は4サイクル内燃エンジンを採用し得る。ガソリンエンジンの代わりに又はそれに加えて、燃料を燃焼室内へ直接噴射するディーゼルエンジンが採用され得、ここではディーゼルエンジンは燃焼室内の空気の圧縮から生じる熱により点火される。
【0003】
必要とされるのは、強化された性能、出力、低オクタン燃料で動作する能力、より高い燃料効率、可動パーツの低減などを提供する改善された内燃エンジンである。このような強化された性能はまた、雑音、振動、及び/又はハーシュネス(harshness:HVC)の低減に少なくとも部分的に基づき測定され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
非対称的往復運動のためにエンジンシリンダ内に摺動可能に配置されたピストン、並びに一次クランク軸の速度の1/2における半速度クランク軸の回転のために作動可能に係合された一次クランク軸及び半速度クランク軸を含む全行程可変内燃エンジンが提供され、ここでは一次クランク軸の速度の1/2における半速度クランク軸の回転は、全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個の行程にわたって独立に可変である行程長を生成するようにピストンの非対称的往復運動を生じる。
【0005】
開示される装置、システム、及び方法の開示された特徴、機能、及び利点は本開示の様々な実施形態において独立に実現され得る、又はさらに他の実施形態において組み合わせられ得、これらのさらなる詳細は以下の説明及び図面を参照して見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面の簡単な説明
【
図1A】本開示による距離及び角度を含む例示的全行程可変内燃エンジンの概略図を提供する。
【
図1B】本開示による距離及び角度を含む例示的全行程可変内燃エンジンの概略図を提供する。
【
図1C】本開示による距離及び角度を含む例示的全行程可変内燃エンジンの概略図を提供する。
【
図3】本開示による全行程可変内燃エンジンのパラメータを判断するための例示的プロセスの概略図である。
【
図4A】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの一態様を描写する。
【
図4B】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの一態様を描写する。
【
図4C】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの一態様を描写する。
【
図4D】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの一態様を描写する。
【
図4E】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの一態様を描写する。
【
図4F】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの一態様を描写する。
【
図5A】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5B】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5C】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5D】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5E】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5F】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5G】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5H】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図5I】本開示によるピストンの頂部の位置及び/又は一次クランク軸の角度位置の測定間の関係をグラフィック的に示す。
【
図6A】本開示による例示的棒駆動器及びカム軸を描写する。
【
図6B】本開示による例示的棒駆動器及びカム軸を描写する。
【
図6C】本開示による例示的棒駆動器及びカム軸を描写する。
【
図6D】本開示による例示的棒駆動器及びカム軸を描写する。
【
図6E】本開示による例示的棒駆動器及びカム軸を描写する。
【
図7】本開示による例示的弁システムを概略的に示す。
【
図8】本開示による例示的弁システムの概略正面図である。
【
図9】本開示による例示的弁システムの概略正面図である。
【
図10】本開示による例示的弁システムの例示的カム機構の概略正面図である。
【
図11A】本開示による例示的弁システムの例示的冷却液路の概略図を描写する。
【
図11B】本開示による例示的弁システムの例示的冷却液路の概略図を描写する。
【
図11C】本開示による例示的弁システムの例示的冷却液路の概略図を描写する。
【
図11D】本開示による例示的弁システムの例示的冷却液路の概略図を描写する。
【
図12A】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの概略図である。
【
図12B】本開示による例示的全行程可変内燃エンジンの概略図である。
【
図13】本開示による例示的絞り弁吸入システムの概略図である。
【
図14】
図13の絞り弁吸入システムの概略図であり、全開位置における絞り弁滑りを示す。
【
図15】本開示による代替例示的絞り弁吸入システムの概略図である。
【
図16】
図15の絞り弁吸入システムの概略図であり、全開位置における絞り弁滑りを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付図面は原寸に比例して必ずしも描かれていないということを理解すべきであり、従っていくつかの態様の寸法は他のものに対して誇張され得る。さらに、請求される主題から逸脱すること無く構造的変更及び/又は他の変更がなされ得る。
【0008】
詳細な説明
1つ又は複数の例示的実施形態によると、全行程可変内燃エンジンが提供される。本明細書で使用されるように、「全行程可変内燃エンジン」は個々の行程が可変である4行程内燃エンジンを指す。例えば、以下に詳細に論述されるように、全行程可変内燃エンジンの4行程の個々の行程は、とりわけ1つ又は複数の性能特性及び/又は態様を介し示されるような改善された性能を有する内燃エンジンを実装及び/又は実現するように選択及び/又は設定及び/又はそうでなければ構成され得る。
【0009】
一例として等積性/等時性(isometric-isochronal)エンジンなどのいくつかの4行程内燃エンジンでは、すべての4サイクルは通常、同じ長さである及び/又は同じTDC及び/又はBDCを有する。その結果、いくつかの事例では、吸入行程は例えば、好適な及び/又は望ましい行程長未満の行程長を有し得、従って好適な及び/又は望ましい効率未満の効率を有し得る。しかし、吸入行程がシリンダ内のより高い位置で始まれば又は開始すれば、吸入行程は、TDCにおける比較的小さなシリンダ容積が吸入系及び/又はシリンダ全体にわたるより大きな及び/又は迅速な圧力差を引き起こすことに少なくとも部分的に起因してより効率的及び/又はより効果的であり得る。時折、実質的に同じ長さのすべての4行程を有する4行程内燃エンジンでは、圧縮行程は例えば、絞り弁無し内燃エンジン(例えばディーゼルエンジン又は全開絞り弁におけるガスエンジンなど)の場合により長い及び/又は効率的な及び/又は効果的な行程が有し得る空気を吸入行程が提供し得ないのでより少ない空気を圧縮し得る。さらに、同じ長さのすべての行程を有する4行程内燃エンジンの膨張行程は、膨張過程が燃焼のエネルギーのすべて又はほぼすべてを力学的エネルギーへ変換することを可能にするために十分に長くないかもしれなく、変換過程が完了する前に排出弁が開き得るので燃焼のエネルギーのうちのかなりの割合のエネルギーが力学的エネルギーへ変換されないままにする。時折、これは例えば、かなりの割合の膨張ガスが機械力及び/又はエネルギーへ変換される得る前に排出システムから逃げることを許容し得る。加えて、同じ長さのすべての4行程を有する4行程内燃エンジンの排出行程は、排出-吸入TDCがシリンダ設計及び/又は全体弁設計が許容するのと同じぐらいシリンダ頂部に近い実装形態において追い出し得るのと同量の熱排出ガスを追い出し得ない。従って、指示されたように、吸入空気は、例えば排出行程がすべての可能な排出ガスを追い出し得ないので膨脹サイクルが始まる前などに熱排出ガスにより不必要に汚染され得る。吸入空気の排出ガス汚染の割合は例えば出力及び/又は内燃エンジン速度と共に変化し得る。出力及び/又は内燃エンジン速度は制御された内燃エンジン機能(延いては、制御された内燃エンジン機能が理想を下回る結果を生じ得る広範囲の変化する動作パラメータに対処するための点火タイミング、及び/又は燃料対空気比など)に関与し得る。時折、燃焼空気と混合された過剰残留排出ガスはまた、そうでなければ例えば膨張行程のために利用可能な清浄空気を移動させ得る。幾つかの事例では、これらの及び/又は同様な課題(例えば非効率性、過剰性など)は所定量のエネルギーを生成するために例えば比較的多くの空気及び/又は燃料を取り込み得る及び/又は利用し得る比較的大きなフットプリント内燃エンジンを生じ得る。
【0010】
時折、これら又は同様な課題に対処するために(例えば性能を改善する努力などにおいて)、部分的行程可変内燃エンジンが例えば全体的に又は部分的に利用され得る。この文脈では、「部分的行程可変内燃エンジン」は、BDCが膨脹/排出のための特定位置を有する及び/又はBDCが吸入/圧縮のための異なる位置を有する4行程内燃エンジンを指す。一実施形態では、部分的行程可変内燃エンジンのTDCは排出/吸入及び/又は圧縮/膨脹に関し同一であり得る。従って、部分的行程可変内燃エンジンの特定実装形態に関して、吸入及び/又は圧縮行程は互いに実質的に同一であり得る。また、特定実装形態に関して、膨張及び/又は排出行程は、互いに実質的に同一であり得る、及び/又は吸入及び/又は圧縮行程とは異なり得る。時折、膨張-排出BDCの移動は例えば、等しい長さのすべての4行程を有する及び/又は同じ対応位置におけるTDC及び/又はBDCを有する4行程内燃エンジンと比較して、力学的エネルギーへ変換される燃焼のエネルギーの割合を改善する又はそれに影響を与える。例えば、吸入行程はシリンダ内のより高い位置から始まるので、吸入行程は、排出-吸入TDCにおけるシリンダの低減された容積に少なくとも部分的に起因してより効率的及び/又は効果的であり得、従って吸入行程中の吸入系全体にわたるより大きな及び/又は迅速な圧力差を引き起こす、及び/又は吸入行程を増加された容積の吸入行程にする。
【0011】
しかし、幾つかの事例では、本明細書において論述されるように、部分的行程可変内燃エンジンは、全行程可変内燃エンジンより、少ない空気を圧縮し得る、及び/又はあまり効率的及び/又は効果的でないかもしれない。従って、実装形態に依存して、全行程可変内燃エンジンは例えば、排出-吸入TDC、吸入-圧縮BDC、圧縮-膨脹TDC、及び/又は膨張-排出BDCがそれぞれエンジンの特定性能及び/又は出力を実現するように選択的に及び/又は好適に配置及び/又は再配置されるように、設計の好適な柔軟性を提供し得る。従って、またいずれ分かるように、全行程可変内燃エンジンのすべての行程は独立に可変であり得、そして従って、すべてのTDC及び/又はすべてのBDCもまた、エンジンの特に最良な性能及び/又は出力又は最良な可能な最高により近い性能及び/又は出力を実現するなどのために独立に可変であり得る。従って、いくつかの事例では、全行程可変内燃エンジンは例えば、内燃エンジンの意図された燃料及び/又は意図された使用のための4つの行程比の最良な組み合わせ又はそうでなければ好適な適正組み合わせに有利に対処し得る。時折、本明細書において論述される全行程可変内燃エンジンはまた、例えば設計の柔軟性などのために、4行程の各行程の所定の望ましい又は好適な長さを有するように実装され得る。従って、いくつかの事例では、全行程可変内燃エンジンは例えば、意図された燃料及び/又はエンジンアプリケーションに対処するなどのために所定圧縮比を実現し得る。
【0012】
従って、以下にさらに詳細に論述されるように、特定の例示的実施形態によると、全行程可変内燃エンジンのシリンダのボアの頂部の位置は例えば、圧縮行程長及び/又はTDC及び/又はBDCの位置が判断された後又はそうでなければ識別された後などに判断又はそうでなければ識別され得る。以下にまた論述されるように、所定圧縮比、底部圧縮行程の位置、及び/又は圧縮行程の頂部の位置は例えば、全行程可変内燃エンジンのシリンダのボアの頂部の位置を計算又は判断するために少なくとも部分的に使用され得る。またいずれ分かるように、所定膨張比が例えば、意図された燃料に対処するために及び/又は全行程可変内燃エンジンの排出弁が開く前に燃焼のエネルギーを力学的エネルギーにより完全に変換するために全体的又は部分的に選択又はそうでなければ利用され得る。本明細書で使用される「膨張比」は、膨張行程中のその最小能力からその最大能力までの内燃エンジンのシリンダの容積の比を指す。例えば、膨張比は、膨張行程の掃引容積をピストンが圧縮-膨脹TDCに在るときのシリンダの容積により割ることにより計算され得る。
【0013】
前に示唆されたように、より効果的及び/又はより効率的排出比は例えば排出ガスをより完全に追い出し得る。この文脈では、「排出比」は、ピストンが排出-吸入TDCに在るときのシリンダの容積により割られる排出行程の掃引容積を指す。ここで、ピストンは例えばエンジンシリンダの頂部の好適な及び/又は望ましい近くまで上昇され得る。しかし、いくつかの事例では排出行程により追い出される排出ガスの割合は例えばシリンダ設計、弁設計、及び/又は弁タイミングにより制限され得るということに留意すべきである。幾つかの事例では、所定排出比の使用は、例えば排出行程の制限を有する現設計を改善し得る様々なシリンダ設計及び/又は弁設計の活用を提供し得る。例えば追い出される排出ガスの割合が100%に近くなるように又は排出ガスの動力学が許容し得る大きさになるように無限に比較的近いかもしれない排出比が選択又はそうでなければ利用され得る。しかし、いくつかの実装形態では内燃エンジンの設計者は一定量の排出ガスをシリンダ内に維持することを選択し得るということを理解すべきである。さらに、無限に比較的近い排出比を有するいくつかの実装形態では、吸入比もまた無限に比較的近いかもしれない。当然ながら、請求される主題はこれらの点に関する範囲において制限されない。
【0014】
またいずれ分かるように、いくつかの事例では、全行程可変内燃エンジンは、例えば吸入行程の始めにおける比較的低いシリンダ容積の結果として、例えば吸入行程の改善された効率及び/又は有効性を提供し得る。即ち、吸入行程の始めにおける比較的低いシリンダ容積は例えば吸入行程の始めにおけるシリンダ及び/又は吸入路間の圧力差の比較的急速な増強を引き起こし得る。加えて、排出-吸入TDCは圧縮-膨脹TDCの上に在るので、追加空気が内燃エンジンのシリンダに入る(例えば、絞り弁無しに、例えば全開絞り弁において、等々)ことを時折生じ得る吸入行程はそれに応じてより長いかもしれない。従って、時折、全行程可変内燃エンジンのより長い及び/又はより効率的及び/又はより効果的吸入行程は例えば、内燃エンジンの移動をより効果的に及び/又はより効率的に増加し得る又はそうでなければ変更し得る(その全嵩又はフットプリントを増加すること無く)。
【0015】
また指示されたように、いくつかの事例では、全行程可変内燃エンジンのより長い吸入行程の多くの利点は例えば絞り弁を利用しない内燃エンジンにより実現され得る。上に論述されたように、全行程可変内燃エンジンは、例えば吸入空気の不必要な汚染及び/又は移動を回避するように例えば部分的行程可変内燃エンジンより多くの排出ガスを追い出し得る。しかし、部分的行程可変内燃エンジンの排出行程は、シリンダの頂部により近い排出-吸入TDCを有する全行程可変内燃エンジンと比較して、望ましい及び/又は理想的状態により近くないかもしれない。従って、部分的行程可変内燃エンジンでは、例えば、吸入空気は、全行程可変内燃エンジンが有するであろうより、膨脹サイクルが始まる前に熱排出ガスによるより大きな汚染を有し得る。吸入空気の排出ガス汚染の割合は、内燃エンジン速度、負荷、絞り弁設定、及び/又はエンジン機能に影響を与え得る1つ又は複数の他の変数と共に変化し得る。点火タイミング及び/又は燃料混合などの1つ又は複数の制御された内燃エンジン機能は例えば識別された変動及び/又は識別されない変動に対処し得る。全行程可変内燃エンジンにより、吸入空気の排出ガス汚染の低減は、例えば燃焼変動の原因を低減し得、そして延いては、点火タイミング及び/又は燃料混合などのいくつかのエンジン機能が例えば望ましい状態により近くなるようにし得る。
【0016】
一実装形態によると、いくつかの事例では、部分的行程可変内燃エンジンでは、燃焼空気と混合される過剰使用済み排出ガスは例えばそうでなければ膨脹行程のために利用可能な清浄空気を移動し得る。従って、部分的行程可変内燃エンジンは、全行程可変内燃エンジンが生成するだろうより多くの燃料から所定量の動力を生成するためにより大きなエンジンフットプリントを有し得る。時折、全行程可変内燃エンジンはまた例えば部分的行程可変内燃エンジンと比較して吸入比を改善し得る。本明細書で使用される「吸入比」は、ピストンが排出-吸入TDCに在るときのシリンダの容積を吸入行程の掃引容積で割ったものを指す。従って、いくつかの事例では、全行程可変内燃エンジンは例えば、全行程可変内燃エンジンの意図された燃料及び/又は応用により好適に適合し得る4つの行程(例えば圧縮、膨脹、排出、及び/又は吸入)比の組み合わせを有利に利用し得る。
【0017】
例えば述べられた様々な例示的実装形態を含む本明細書において説明される実施形態は全行程可変内燃エンジンを含み得る。全行程可変内燃エンジンは、エンジンシリンダ、非対称的往復運動のためにエンジンシリンダ内に摺動可能に配置されたピストン、近位端においてピストンへ枢動可能に接続された近位端及び/又は遠位端を有するピストン棒、遠位端においてピストン棒へ枢動可能に接続された及び/又は反対端において一次クランク軸へ回転可能に接続された一次クランク軸棒、並びに遠位端においてピストン棒へ枢動可能に接続された及び/又は反対端において半速度クランク軸へ回転可能に接続された半速度循環棒を含み得る。棒、レバー及び/又は支点は、半速度循環棒配置及び/又は運動及び/又は半速度クランク軸と半速度循環棒との間の動力伝達を容易にするために有利であり得る及び/又は必要とされ得るので、使用され得る。一次クランク軸及び/又は半速度クランク軸は、一次クランク軸の速度の1/2における半速度クランク軸の回転のために作動可能に係合されるように平行軸上に取り付けられ得る。一次クランク軸棒及び/又は半速度循環棒は付随棒、レバー及び/又は支点と共に、全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個のストーク全体にわたり独立に可変である行程長を生成するようにピストンの往復運動中にピストン棒と共働するように配置され得る。
【0018】
図1A~1Cは例示的全行程可変内燃エンジンの一実施形態200を概略的に示し、そして
図4A~4Fは例示的全行程可変内燃エンジンの一実施形態500を概略的に示す。図示及び/又は論述を簡単にするために、
図1A~1C及び
図4A~4Fでは例示的全行程可変内燃エンジンの様々な部分が断面線で示される。また図示のように、
図1A~1Cに描写される実施形態200は特定実装のための6つの場所などにおけるエンジン部品間の枢動及び/又は回転可能接続を含み得、そして
図4A~4Fにおいて描写される実施形態500は例えば9つの場所などにおけるエンジン部品間の枢動及び/又は回転可能接続を含み得る。図示のように、
図1A~1Cに描写される実施形態200の一実装形態では、ピストン205は往復運動のためにシリンダ内に摺動可能に配置され得る。同様に、
図4A~4Fにおいて描写される実施形態500の一実装形態に関して、ピストン505は往復運動のためにシリンダ内に摺動可能に配置され得る。例えば、ピストン205はボア210内で往復運動的やり方で移動し得、そしてピストン505はボア510内で往復運動的やり方で移動し得る。また、例えば、ピストン205の頂部215は、ボア210の頂部220及び/又は頂部220から特定距離だけ離れて配置されたボア210内の位置間で移動し得る。また、例えば、ピストン505の頂部514は、ボア510の頂部512及び/又は頂部512から特定距離だけ離れて配置されたボア510内の位置間で移動し得る。
【0019】
さらに、例示的全行程可変内燃エンジンの例示的実施形態200、500を再び参照すると、ピストン棒225は例えば、ピストン205の本体を半速度循環棒230へ及び/又は接続部237における又はその近くのクランク軸棒235へ枢動可能に接続又は結合し得る。また、同様に、ピストン棒516は例えば、ピストン505の本体を半速度循環棒518へ及び/又は接続部522における又はその近くの一次クランク軸棒520へ枢動可能に接続又は結合し得る。ピストン棒225は例えば、近位端及び/又は遠位端を有し得る、及び/又は近位端においてピストン205へ枢動可能に接続され得る。また、例えば、ピストン棒516は、近位端及び/又は遠位端を有し得る、及び/又は近位端においてピストン505へ枢動可能に接続され得る。例えば、一次クランク軸棒235は、遠位端においてピストン棒225へ駆動可能に接続され得る、及び/又は反対端においてクランクピン247において一次クランク軸245へ回転可能に接続され得る。また、例えば、一次クランク軸棒520は遠位端においてピストン棒516へ駆動可能に接続され得る、及び/又は反対端において一次クランク軸ピン570において一次クランク軸540へ回転可能に接続され得る。
【0020】
加えて、例示的全行程可変内燃エンジンの例示的実施形態200、500を再び参照すると、半速度循環棒230は例えば、半速度クランク軸クランクピン242において半速度クランク軸240へ枢動可能に接続又は結合され得る。半速度クランク軸240は、接続部237における望ましい規則的及び/又は不規則的軌道及び/又は振動的及び/又は往復的周期運動に対し少なくとも部分的に特定なやり方で半速度クランク軸クランクピン接続部242における回転運動を半速度循環棒230へ変換するように、好適に配置される及び/又は一次クランク軸の角度位置と好適にタイミングが取られる及び/又は同期される。当業者は、本明細書において提供される説明に少なくとも部分的に起因して、実施形態200の一次クランク軸245に対する半速度クランク軸の位置、大きさ、タイミング及び/又は同期の重要性を認識し得る。半速度クランク軸を所望どおりに配置するために遊び歯車、棒駆動器、及び/又は他の回転動力伝達デバイスが使用され得る及び/又は有利に採用され得るということも認識され得る。接続部237の規則的及び/又は不規則的軌道及び/又は振動及び/又は往復周期的運動は一次クランク軸245の速度の1/2の速度で循環し得る。例えば、接続部237は一次クランク軸245の2回転毎に1つの完全な軌道及び/又は振動及び/又は往復サイクルを経由することになる。
【0021】
続いて、半速度循環棒230は、遠位端において又はその近くでピストン棒225へ枢動可能に接続され得る、及び/又は反対端において半速度クランク軸240へ回転可能に接続され得る。例えば、一次クランク軸240並びにクランク軸240、245を互いに接続、駆動、及び/又は計時するために使用されるすべての回転動力伝達デバイスは全行程可変内燃エンジン内のピストンの少なくとも部分的に非対称な往復運動を生成するための回転、配置、及びタイミングのために作動可能に係合されるように平行軸上に取り付けられ得る。続いて、回転運動を半速度循環棒230における往復、軌道、及び/又は振動運動へ変更し得、そして数ある中でも特に半速度クランク軸及び半速度循環棒を少なくとも部分的に駆動、配置、及び計時するために回転動力伝達デバイスを使用し得る
図1A~1Cに描写される実施形態200と同様に、
図4A~4Fに描写される実施形態500は、比較的近接して配置された半速度クランク軸535を有し得、そして幾つかの事例では例示的半速度クランク軸240が一次クランク軸245の速度の1/2で回転すると半速度クランク軸532が一次クランク軸540の速度の1/2で回転するように、歯車列及び/又はいくつかの回転動力伝達デバイスにより直接接続され得る。
図1A~1Cに描写される例示的実施形態200と同様に、
図4A~4Fに描写される実施形態500の半速度クランク軸532は、半速度クランク軸532の回転運動の例えば棒530における往復、軌道及び/又は回転運動への変換の機能を提供し得る。
【0022】
[0066]いくつかの環境及び/又は実装形態では、棒530の往復軌道及び/又は回転運動は、例えば半速度クランク軸532がこの目的のために配置され得ないので位置及び/又は方向の要件を満足し得ない。いくつかの環境及び/又は実装形態では、半速度クランク軸532は、ほんのいくつかの例を挙げると低い又は低減された雑音、振動及び/又はハーシュネス、費用及び/又はサイズなどの目的のために配置され得る。いくつかの特定実装形態では、半速度クランク軸532の主機能は、一次クランク軸540の速度の1/2で少なくとも部分的に回転することと棒530の往復及び/又は軌道及び/又は回転運動への変換のための手段を少なくとも部分的に提供することとである。
【0023】
一例をさらに続けると、往復及び/又は軌道及び/又は回転運動を有する棒530は前記運動の許容可能位置、方向及び/又は大きさを有し得ない。従って、例えば、
図4A~4Fは、棒530の運動を、許容可能位置、方向、大きさを有し得る往復、軌道及び/又は回転運動へ少なくとも部分的に変換し得る追加レバー525及び/又は支点555を示す。従って、示された例の中でも及び/又は示されない変形形態の中でも、半速度クランク軸532、棒530、レバー525、支点555の組み合わせが半速度循環棒518の所望往復軌道及び/又は回転運動を少なくとも部分的に提供する。
図1A~1Cに示す例示的実施形態200は、一次クランク軸245から半速度駆動器(説明を簡単にする目的のために示されない様々な例示的駆動機構)により駆動される半速度クランク軸240の使用と同様なやり方で動作し得、ここでは半速度クランク軸は所望どおりに及び/又は有利に、回転動力伝達デバイスと共に配置された、及び/又は回転動力伝達デバイスにより要求される使用のために及び/又は回転動力伝達デバイスの使用のために配置された。また、さらなる説明として、一次クランク軸245及び/又は540と半速度循環棒230及び/又は518との間の駆動機構の有利な(少なくともいくつかの実装形態では恐らく必須ですらある)態様は例えば以下の通りであり得る:一次クランク軸の速度の1/2で回転する回転運動を提供する;一次クランク軸の角度位置に対する半速度循環棒のタイミング及び/又は同期を少なくとも部分的に提供する;半速度循環棒の位置を少なくとも部分的に提供する;半速度循環棒運動の大きさを少なくとも部分的に提供する;半速度循環棒運動の方向を少なくとも部分的に提供する;及び/又は運動を効果的タイプの往復、軌道及び/又は回転運動の半速度循環棒へ少なくとも部分的に提供する。上記列挙はいくつかの可能な態様の中でも特に、全行程可変内燃エンジンの様々な実装形態の望ましい及び/又は有利な非対称ピストン行程を生成するために利用され得るいくつかの態様を含み得る。当業者は本明細書において開示される例示的実施形態の数多くの様々な例示的実装形態を本明細書に含まれる開示に少なくとも部分的に基づき考案することができるということに留意すべきである。開示された実施形態による及び/又は請求される主題による実装形態の可能な変形形態は余りに多過ぎるので本明細書において詳述及び/又は列挙され得ない。請求される主題の範囲は、本明細書において開示される例示的実施形態に基づく実装形態の任意の及び/又はすべての変形形態(例えば上に列挙された1つ又は複数の態様を取り込む実装形態を含む)を含み得る。
【0024】
先に述べたように、そして様々な図に見られるように、様々な駆動機構が、
図1A~1C及び
図12A-12Bの一次クランク軸245などの一次クランク軸及び/又は
図4A~4Fの一次クランク軸540、並びに
図1A~1C及び
図12A-12Bの半速度循環棒230などの半速度循環棒及び/又は
図4A~4Fの半速度循環棒518間で動作し得る。例えば、
図12Aに見られるように(以下により詳細に論述される)、機構1810及び半速度クランク軸240は一次クランク軸245と半速度循環棒230との間に結合される。この特定例に関して、機構1810及び半速度クランク軸240は「駆動機構」と集合的に呼ばれ得る。一次クランク軸と半速度循環棒との間に結合される他の例示的駆動機構は
図1A~1C及び
図4A~4F内に見ることができる。
【0025】
特定実装形態では、一次クランク軸245及び/又は540などの一次クランク軸と半速度循環棒230及び/又は518などの半速度循環棒との間に結合される駆動機構は、半速度循環棒の遠位端の特定態様に影響を与えるために半速度循環棒の遠位端(例えば三重接続点237及び/又は522に又はその近く位置する)を駆動するように動作し得る。例えば、このような駆動機構は以下のものに影響を与え得る:(1)一次クランク軸に対する半速度循環棒サイクルの遠位端のサイクルの速度及び/又は周波数;(2)一次クランク軸に対する半速度循環棒サイクルの遠位端の同期、連携及び/又はタイミング;(3)全行程可変内燃エンジンの他の特徴に対する半速度循環棒サイクルの遠位端の位置;(4)全行程可変内燃エンジンの他の特徴に対する半速度循環棒サイクルの遠位端の進行の方向;及び/又は(5)全行程可変内燃エンジンの他の特徴に対する半速度循環棒サイクルの遠位端の進行の大きさ。一次クランク軸245及び/又は540などの一次クランク軸と半速度循環棒230及び/又は518などの半速度循環棒との間に結合される駆動機構を少なくとも部分的に介し実現される上に列挙された例示的効果は幾つかの特定実装形態では全行程可変内燃エンジンのピストンの非対称的往復運動を少なくとも部分的に提供する。
【0026】
さらに、半速度循環棒230及び/又は518などの半速度循環棒の端(三重接続点237及び/又は522などの三重接続点の反対に在る)は半速度循環棒の近位端と呼ばれ得る。幾つかの特定実装形態では、半速度循環棒の近位端は様々な例示的駆動機構(半速度循環棒の遠位端を参照して上に論述されたものなど)により操作され得る。例えば、先に述べたように、
図12Aに示すような一次クランク軸245と半速度循環棒230との間に結合される機構1810及び半速度クランク軸240は1つのこのような例示的駆動機構を共同で含む。例示的駆動機構は、一次クランク軸245及び/又は540などの一次クランク軸に対して円状、往復的、軌道的、及び/又は振動的であり得る半速度循環棒の近位端の運動を生成するように半速度循環棒230及び/又は518などの半速度循環棒の近位端を操作し得る。さらに、例えば、駆動機構は、半速度循環棒の近位端の運動のサイクルの周波数、運動の位置、運動の大きさ、及び/又は運動の同期及び/又は連携に影響を与え得る。従って、幾つかの特定実装形態では、上に論述されたような駆動機構は例えば、全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個の行程の相対的大きさ及び/又は位置を少なくとも部分的に提供し得る。
【0027】
さらなる説明として、
図1A~1Cに描写される例示的実施形態200及び/又は
図4A~4Fに描写される例示的実施形態500と同様に、半速度駆動機構は回転運動を半速度循環棒230及び/又は518における往復軌道及び/又は回転運動へ少なくとも部分的に変換し得る。半速度循環棒230及び/又は半速度循環棒518の往復運動は、接続部237及び/又は522における又はその近くにおける不規則的往復、軌道及び/又は回転運動へ変換し得る、及び/又は一次クランク軸245及び/又は540それぞれの速度の1/2の速度で循環し得る。別の言い方をすると、例えば、接続部237及び接続部522はそれぞれ一次クランク軸245及び一次クランク軸540の2回転毎に全1サイクルを通り得る。従って、様々なバージョン、実施形態、実装形態などが、全行程可変内燃エンジンへ適用され得るのでピストンの非対称的往復運動を生成するために少なくとも部分的に利用され得る。
【0028】
当業者は、例えば240及び/又は532などの半速度クランク軸がカム軸などの様々な内燃エンジン部品及び/又は特徴を機械的に駆動するために利用され得るということを本明細書に提供される開示に少なくとも部分的に基づき認識し得る。また、回転動力伝達デバイスの様々な遊び歯車は、例えば水ポンプ、オルタネータ、油圧ポンプ及び/又は動力取り出し器(power take-off)などの付属デバイスを好適な速度で駆動するように寸法決め及び/又は配置され得る。
【0029】
続いて、例示的実施形態200及び/又は500に関して本明細書において示された数学的関係式を有し得る請求される主題による例示的実施形態のほぼ無数の可能な変形形態及び/又は実装形態の中でも2つの変形形態及び/又は実装形態がある。当業者は以下のことを本明細書に提供される開示に少なくとも部分的に基づき理解することになる:動力伝達デバイス(数ある可能性の中でも、押す、引く、回転する、交番する、枢動する、円回転する、向きを変える、車軸回転する、循環する、軌道運動する、順序付ける、切り換える、回転することなどを行う一次、二次、三次等々のシステムを含んでも又は含まなくてもよい、示されない又は論述されない例えば扇形歯車、歯車ラック、スライド、空転、ベルクランク、1つ又は複数の駆動軸を有する傘歯車対、レバー及び/又は支点、棒などの複数の異なる組み合わせなど)を取り込む変形形態及び/又は実装形態が全行程可変内燃エンジンにおいて利用され得る。例えば、請求される主題による全ストーク可変内燃エンジンは、請求される主題の範囲から逸脱することなく、本明細書において説明される例示的態様のすべて、本明細書において説明される例示的態様より少ない態様、又は本明細書において説明される例示的態様より多い態様を含み得る。
【0030】
指示されたように、例えば例示的実施形態200などに示す全行程可変内燃エンジンを実装するために、部品間の様々な異なる距離及び/又は角度が、例えば内燃エンジンの特定使用を実現するように排出-吸入TDC、吸入-圧縮BDC、圧縮-膨脹TDC、及び/又は膨張-排出BDCのそれぞれの位置を判断するなどのために選択され得る。例えば、部品間の距離及び/又は角度は、以下に論述されるように例えば所与の燃料に対しどの距離及び/又は角度が全行程可変内燃エンジンのより効率的及び/又はより効果的動作を生じるかを判断するために選択され得る。
【0031】
従って、
図1Bは実施形態200の全行程可変内燃エンジンの部品間の様々な距離の例示的測定を概略的に示す。次に、
図1Cは実施形態200の全行程可変内燃エンジンの部品間の様々な角度の例示的測定を概略的に示す。部品間の様々な距離が
図1Bに表される及び/又は様々な角度が
図1Cに表される。具体的には、この例に関して、Hは、例示的デカルト座標系を介し右上四分区間内に示されるようなシリンダ内ボアの頂部及び/又は水平基準面267間の距離を表す。水平基準面267及び/又は垂直基準面265は、例示及び/又は計算目的のために示される及び/又は非限定的例であるので、任意の他の好適な基準面、座標などが例えば全体的又は部分的に本明細書において使用され得る。従って、いくつかの事例では、水平基準面267及び/又は垂直基準面265は、
図2を参照して以下に論述されるように例えば一般形状グラフを生成するように計算を容易にする及び/又は支援するために少なくとも部分的に利用され得る。Jは所与の角度Aにおけるピストン205の頂部215及び/又は水平基準面267間の距離を表し、ここで、角度Aは、一次クランク軸245主軸受中心線を通る垂直線から時計回りに一次クランク軸245主軸受中心線へ及び/又は一次クランク軸クランクピン軸受247中心線を通る線まで測定され得る。角度Aは例えば一次クランク軸245の角度位置の測定を含み得る。時折、角度Aは例えばクランク軸クランクピン247が一次クランク軸主軸受250中心線の真上に在るときの零から時計回りに測定され得る。角度Aはまた、一次クランク軸250主軸受中心線を通る垂直線から反時計回りに一次クランク軸250主軸受中心線まで及び/又は一次クランク軸クランクピン軸受247中心線を通る線まで測定され得る。
【0032】
一実装形態では、K1は一次クランク軸クランク主軸受250中心線の位置及び/又は示された例示的デカルト座標系の右上四分区間の垂直基準面265間の距離を表す。さらに、K2はクランク軸ピン250及び/又は水平基準面267間の距離を表す。K1及び/又はK2の値は例えば、全行程可変機構全体が例えば全4行程サイクル中にデカルト座標系の右上四分区間内に在るように十分に大きくなるように選択され得る。全行程可変機構全体がデカルト座標系の右上四分区間内に在るこのような実装形態は、機構のいくつかのパーツが例えば示された例示的デカルト座標系の1つ又は複数の他の四分区間上へ入る及び/又は侵入する際の例えば符号(+又は-)変更に関係する複雑性を回避及び/又は低減するために利用され得る。さらに、この例に関して、K3は垂直基準面265及び/又は半速度クランク軸主軸受255中心線を通る垂直線間の距離を表し、K4は半速度クランク軸主軸受255中心線及び/又は水平基準面267間の距離を表し、及び/又はK5は一次クランク軸245の長さを表す。加えて、K6は一次クランク軸245のスロー(throw)の長さにより割られた半速度クランク軸240の長さの距離を表す。半速度クランク軸240のスローの長さは例えばK5及び/又はK6の積を含み得る。さらに、K7は一次クランク軸棒235の長さを表し、K8は半速度循環棒230の長さを表し、K9はピストン棒225の長さを表し、K10はピストンピン209及び/又はピストン205の頂部215間の距離を表し、及び/又はK11はピストンスラップ(piston slap)係数を表す。本明細書で使用される「ピストンスラップ」は、ボア210及び/又はピストン棒225間の過剰角度に少なくとも部分的に起因する往復運動中のシリンダ内のピストンのロッキング及び/又はノッキングを指す。例えば、ピストンスラップは、ピストン205がシリンダ内で上及び/又は下に進行するとピストンスカートがボア210にぶつかるようにシリンダのボア210内のピストン205の横方向及び/又は左右運動により引き起こされ得る。ピストンスラップは例えば「
図1Cの角度Eがピストン205の著しい側面負荷が例えば燃焼の圧力により生成されるようになるような角度であれば」発生し得る。
【0033】
図1B及び/又は
図1Cを続けると、一実装形態では、KPは垂直基準面265及び/又はピン209の中心線間の距離を表し、Pは接続部237の垂直方向中心線及び/又は4行程サイクル機構の垂直基準面265からの距離を表し、PMXは接続部237の垂直方向中心線及び/又は垂直基準面265間の最大距離を表し、PMNは接続部237の垂直方向中心線及び/又は垂直基準面265間の最小距離を表し、及び/又はRは一次クランク軸クランクピン247及び/又は一次クランク軸245の半速度クランク軸クランクピン242及び/又は半速度クランク軸240間の距離をそれぞれ表す。一実施形態では、設計者は「PMX及び/又はPMNが膨張行程の一部である」ということを例えばPをグラフ化することにより検証し得る。例えば、当業者は、試験下の全行程可変エンジン配置の全1サイクル(例えば一次クランク軸245の720度の回転)にわたってPをグラフ化し得る。Pのこのようなグラフは例えば
図2に描写される一般形状に幾分似ているように見え得る。より正確には、個々のサイクルのPの2つの高い点(例えばPMX)及び2つの低い点(例えばPMN)が存在し得る。パラメータKPを確立するために利用されるPMX及びPMNは、ピストンに対する側面負荷を低減及び/又は最小化するために及び/又は膨張行程中及び/又は1サイクルのすべての4行程中の電力消費を低減及び/又は最少化するために好都合に適合され得る曲線の高い点及び低い点をそれぞれ表し得る。さらなる論述が
図3に関連して以下に続く。
【0034】
図1Cにも示されるように、角度Bは例えば、一次クランク軸棒235(K7としても表される)及び/又は一次クランク軸主軸受250中心線及び/又は一次クランク軸クランクピン247を通る一次クランク軸245から延びる線及び/又は一次クランク軸245に対し平行線間の角度を含み得る。角度Cは一次クランク軸棒235及び/又は線R間の角度を含み得る。角度Dは線R及び/又は一次クランク軸クランクピン247を通る水平線間の角度を含み得る。角度Eはピストン棒225及び/又は接続部237を通る垂直線間の鈍角を指示し得る。半速度クランク軸オフセット角KFは例えば、角度Aが0度に等しい場合のサイクルの始めに、半速度クランク軸主軸受255中心線を通る垂直線から半速度クランク軸クランクピン242を通る線まで時計回りに測定され得る。
【0035】
指示されたように、様々な数学的関係式は例えば
図1B及び/又は1Cに示すものなどの1つ又は複数の長さ/距離及び/又は角度を計算するために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。従って、様々な計算及び/又は判断は、改善された及び/又はそうでなければ好適なエンジン性能を呈示する全行程可変内燃エンジンを生じ得る例えば1つ又は複数の好適な長さ/距離及び/又は角度に到達するために行われ得る。
【0036】
従って、
図1A~1Cの例示的実施形態200に関連する関係式1が例えばKPの値を判断するために全体的に及び/又は部分的に利用され得る:
KP=(P
mx-P
mn)(K11)+(P
mn) (関係式1)
【0037】
図1A~1Cに関する特定例示的実施形態では、半速度クランク軸240及び/又は一次クランク軸245はそれぞれ時計回り方向に回転し得る、及び/又は部品の距離及び/又は長さ及び/又は角度間の様々な関係式が1つ又は複数の適用可能態様を識別及び/又は判断すると考えられ得る。例えば、ここでは排出-吸入TDC、吸入-圧縮BDC、圧縮-膨脹TDC、及び/又は膨張-排出BDCは上に論述されたように全行程可変内燃エンジンの特定使用を実現するように識別及び/又は判断され得る。時計回り以外のクランク軸の回転の相対的方向は例えば以下に論述される関係式に対する適切な変更に関与し得るということが理解されるべきである。
【0038】
一実装形態では、
図1Cに示す半速度クランク軸オフセット角(KF)は例えば半速度クランク軸主軸受中心線を通る垂直線から半速度クランク軸主軸受255中心線及び/又は半速度クランク軸クランクピン242中心線を通る線まで時計回りに測定され得る。角度KFは例えばサイクルの始め(例えば、角度A=零度の場合)に測定され得る。いくつかのシミュレーションでは、特定組の長さ及び/又は位置K1~K11に関する角度KFのより良い及び/又は最良及び/又はそうでなければ好適な測定を識別するために、約90回の評価(例えば4度毎(例えば角度KFが0、4、8、12、16、...、360度に等しい場合)に1回の評価)が行われた。ここで、スラップ係数K11は例えば摩擦により引き起こされるピストンスラップ及び/又は動力損失を最小化するためにピストン205に対する側面負荷を最小化及び/又は低減するように例えば選択され得る。さらに、上に指示されたように、距離Pは、例えばK11の望ましい及び/又は好適な値を判断するなどのために、角度Aに対して及び/又は他の変数及び/又は要因(例えばシリンダ燃焼圧)に対してグラフ化され得る。
【0039】
実施形態200では、関係式2は例えば、一次クランク軸245の角度位置に対するピストン205の頂部の位置(「J」と表される)を計算するために全体的に及び/又は部分的に利用され得る:
J=(K2)+(K5)Cos(A)+(K7)Sin(C+D)+(K9)Cos(E)+(K10) (関係式2)
【0040】
幾つかの事例では、関係式2は例えば
図1A~1Cの例示的実施形態200に関し以下に論述される関係式3~10に少なくとも部分的に基づき判断され得る。関係式3~10は、1つ又は複数の例示的実施形態では、いくつかの形状(三角形など)の様々な幾何学的及び/又は演算特性に基づき判断され得る。関係式3~10は、例えば、望ましい及び/又は改善された性能特性を有する全行程可変内燃エンジンのいくつかの特徴を識別するように、例示的実施形態200の様々な特徴の好適な測定を判断するために利用され得る。時折、関係式3は例えばR2の値を判断するために全体的に及び/又は部分的に採用され得る。従って、次式を考慮する:
R
2=[(K3)+(K5)(K6)Sin(KF+0.5A)-[(K1)+(K5)Sin(A)]]
2+[(K4)+(K5)(K6)Cos(KF+0.5A)-[(K2)+(K5)Cos(A)]]
2 (関係式3)
関係式3に示す式のそれぞれの側の二乗を計算すると、Rの値が例えば関係式4において以下に示されるように計算され得る。
R=[[(K3)+(K5)(K6)Sin(KF+0.5A)-[(K1)+(K5)Sin(A)]]
2+[(K4)+(K5)(K6)Cos(KF+0.5A)-[(K2)+(K5)Cos(A)]]
2]
0.5 (関係式4)
【0041】
角度Dの値は以下に示すように関係式5及び/又は6の計算を介し判断され得る。関係式5は角度Dの正弦の値を判断するように計算され得る。関係式6は角度の正弦の値の逆正弦値を判断することによりDの角度を判断するように計算され得る。
【数1】
【0042】
時折、角度Cの値は例えば、以下に示すように関係式7及び/又は8の計算を介し判断され得る。関係式7は角度Cの余弦の値を判断するように計算され得る。関係式8は角度Cの余弦の値の逆余弦値を判断することによりCの角度を判断するように計算され得る。従って、例えば次式を考慮する:
【数2】
【0043】
一実装形態では、距離Pの値は例えば以下に示す関係式9の計算を介し判断され得る。
P=(K1)+(K5)Sin(A)+(K7)Cos(D+C) (関係式9)
【0044】
角度Eの値は以下に示す関係式10及び/又は11の計算を介し判断され得る。
【数3】
【0045】
図2は例示的実施形態による例示的一般形状グラフ300である。一般形状グラフ300は、例えば全行程可変内燃エンジンの動作の各行程を介した
図1A~1Cの例示的実施形態200に関するピストンの頂部の位置及び/又は角度A間の関係を示す。幾つかの事例では、一般形状グラフ300は例えば、角度Aの測定に対するピストン205の頂部(Jで表される)の点の軌跡をプロットするために2回の全回転を介し例示的実施形態200の一次クランク軸245を回転することにより生成され得る。具体的には、角度Aは、全行程可変内燃エンジンの1サイクルを完了するために零度から720度まで及び/又は零ラジアンから4rrラジアンまで変化し得る。一般形状グラフは一例として示されているということに注意すべきであるが、1つ又は複数のパラメータを変更することにより一般形状グラフの形状及び/又は傾斜が例えば或るやり方で変更され得るということを理解すべきである。以下の関係式は結果グラフを調べる及び/又は比較する(例えば全行程可変内燃エンジンの性能を評価する)ために使用され得る。
【0046】
従って、排出/吸入(Ex/In)の値が例えば排出-吸入TDCを見出すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。加えて、吸入/圧縮(In/Cp)の値が例えば吸入-圧縮BDCを見出すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。さらに、圧縮/膨脹(Cp/Pw)の値が圧縮-膨脹TDCを見出すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。膨脹/排出(Pw/Ex)の値が膨張-排出BDCを見出すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。長さHの値がシリンダボアの頂部を見出すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。長さJの値が所与の角度Aにおけるピストンの頂部を見出すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。角度Aの値が、零に等しい垂直から時計回りに測定された一次クランク軸の角度位置を見出すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。角度KFの値が、角度Aが約0度の値を有する場合及び/又は機械が4行程サイクルの始めに在る場合に、零に等しい垂直から時計回りに測定された半速度クランク軸の角度位置を見出すために、全体的に及び/又は部分的に利用され得る。
【0047】
一実装形態では、吸入行程、吸入比、圧縮行程、圧縮比及び/又はKCR、膨張行程、膨張比、排出行程、及び/又は排出比、及び/又は距離Hのそれぞれの値は例えば以下に示される関係式12-20に少なくとも部分的に基づいて判断され得る。従って、以下の関係式を考慮する:
【数4】
【0048】
適用可能及び/又は適切であれば、Hの値は例えば同様なやり方で様々な全行程可変実装形態からの1つ又は複数の同様な計算を使用することなどにより再計算され得る。例えば、いくつかの事例では単一リンケージ長及び/又は位置変更及び/又は角度A以外の角度変更はHの値の再計算に関与し得るということに注意すべきである。
【0049】
一実装形態では、関係式12~20は例えば圧縮比(KCR)を表すために単数字を利用し得る。従って、例えば10.2~1圧縮比を有する全行程可変内燃エンジンは上に示した関係式15及び/又は20において10.2の圧縮比(KCR)を有し得る。当然ながら、請求される主題はそのように制限されない。
【0050】
時折、角度Aは例えば一次クランク軸の角度位置の測定を含み得る。少なくとも1つの実装形態では、角度Aは例えばクランクピンが内燃エンジンの主軸受の真上にある場合に零から時計回りに測定され得る。
【0051】
さらに、角度KFは例えば半速度クランク軸の角度位置を含み得る。少なくとも1つの実装形態では、角度KFは例えば、半速度クランク軸の主軸受中心線を通る垂直線からクランクピン中心線及び/又は半速度クランク軸の主軸受中心線を通る線まで時計回りに測定され得る。角度KFは角度Aがサイクルの始めに零であるときの測定を含み得る。角度KFは本明細書では「半速度クランク軸オフセット角」呼ばれ得る。上に先に論述されたように、ピストンスラップ係数K11は、例えばピストン205の往復運動中に摩擦により引き起こされるピストンスラップ及び/又は動力損失を例えば最小化するためにピストン205に対する側面負荷を低減及び/又は最小化するように選択され得る。
【0052】
一実装形態では、点の軌跡の同様な位置が同様なやり方で関係式12~20へ適用され得る及び/又は結果が評価され得る。例えば、好適な数のグラフは、サイクルの始めに一次クランク軸からの半速度クランク軸の約90個の異なる半速度クランク軸オフセット角(KF)の効果の視覚的実証(例えば4度毎に1つのグラフ)を提示するように約90個のグラフを含み得る。同様に、多くの評価が例えば
図2A~Cに示す例示的実施形態200の様々な変形形態に関して行われ得る。結果グラフは、例えば1つ又は複数の望ましい膨張行程比、排出行程比、及び/又は吸入行程比を生成することができる多くの望ましい及び/又は好適な実装形態を識別するために解析され得る。1つの特定例示的実施形態では、圧縮比は例えば特定評価のために一定のままであるように規定され得る。
【0053】
従って、関係式12~20は例えば、全動作サイクルの4行程の各行程中に全行程可変内燃エンジンのシリンダの頂部の位置を判断するように
図2の一般形状グラフと同様なグラフを生成するために全体的に及び/又は部分的に使用され得る。幾つかの事例では、適切であれば、1サイクルの任意の部分において内燃エンジンのシリンダの頂部の上に在るピストンの頂部を示す評価のための1つ又は複数のグラフは考察から外され得る。例示的実施形態では、シリンダの頂部の位置は例えば、指示されたように、圧縮比が固定値を有するとして規定される一方でグラフが評価及び/又は固定された後(例えば圧縮行程が識別されると)に確立され得る。
【0054】
従って、
図3は本明細書において論述されるような全行程可変内燃エンジンの1つ又は複数の好適なパラメータを判断するための方法及び/又はプロセスの例示的実施形態400である。請求される主題によるいくつかの実施形態は、ブロック405-475のすべて、それより少ないブロック、及び/又はそれより多いブロックを含み得る。また、ブロック405-475の順番は単に例示的である。指示されたように、例示的実施形態400による方法は例えば、全行程可変内燃エンジンの特定組の行程だけでなくTDC及び/又はBDCも識別及び/又は判断するように少なくとも部分的に実施され得る。例示的方法及び/又はプロセス400は、圧縮比が選択及び/又は規定され得る操作405において開始し得る。操作410において、膨張比、排出比、及び/又は吸入比の数組のパラメータの許容範囲が選択及び/又は規定され得る。操作415において、開発されるべき全行程可変エンジンの構成が識別され得る。例えば、本明細書で述べるように、可能な構成は
図1A~1C及び/又は
図4A~4Fに関連して描写及び/又は説明されたものを含み得る。本明細書で説明されるように、全行程可変燃焼エンジンの特定実装形態は、往復運動ピストンと半速度クランク軸(一次クランク軸245などの一次クランク軸、及び/又は半速度クランク軸240など)とをリンクする様々な構成の機構及び/又はリンケージを含み得る。また本明細書において説明されるように、特定実装形態は例えば実施形態200などのエンジンの別個の4つの行程(例えば吸入、圧縮、膨脹、排出)が独立に可変であり得るように機構及び/又はリンケージに対する様々な変更及び/又は調節を含み得る。
【0055】
操作420では、推定が、選択された全行程可変内燃エンジン構成の数組のパラメータ(操作415において選択され得る)に関して行われ得る。例えば、推定は、選択された全行程可変内燃エンジン構成の数組のパラメータ(規定された膨張比、排出比、及び/又は吸入比を生じ得る)に関して行われ得る。先に述べたように、位置K1~K11の特定組の長さ及び/又は角度KFのより良い及び/又は最良及び/又はそうでなければ好適な測定を識別するために、例えば約90回の評価(例えば4度毎(例えば角度KFが0、4、8、12、16、...、360度に等しい場合)に1回の評価)が行われ得る。実施形態200などのエンジンの様々な潜在的構成の多くの可能な変数全体にわたる順列を推定するために、相対的に非常に多くの評価が行われ得る。幾つかの特定実装形態では、ソフトウェアツール及び/又はフィルタが、例えばさらなる考察のために潜在的構成を識別するのを助けるために採用され得る。例示的実施形態200及び/又は500の例示的数学的関係式が本明細書において説明される。
【0056】
全行程可変燃焼エンジンの他の変形形態及び/又は構成に関し、類似した関係式が生成され得る及び/又はそうでなければ規定され得る。操作425において、例えば、2回転全体にわたるピストン頂部及び/又は一次クランク軸角度位置間の1つ又は複数の数学的関係式が識別され得る。操作430において、主クランク軸角度位置に対するピストンの頂部のグラフが計算及び/又はプロットされ得る。
【0057】
操作435において、例えば、1つ又は複数の許容可能プロット及び/又はグラフが、特定全行程可変内燃エンジン構成のパラメータを識別するように、上に論述された評価の結果から選択され得る。幾つかの特定実装形態では、操作430及び/又は435は例えば操作420などの他の操作と組み合わせられ得る。また、幾つかの特定実装形態では、操作430及び/又は435と他の操作とを組み合わせるべきかどうかは、全行程可変内燃エンジンの好適なパラメータを判断するための方法及び/又はプロセスを実行するために利用され得るソフトウェアツールの能力に少なくとも部分的に依存し得る。
【0058】
操作440において、2つのTDC及び/又は2つのBDCのそれぞれの位置は上記論述された及び/又は示されたように各プロット及び/又はグラフ上で識別され得る。操作445において、行程位置及び/又は長さは、上にも論述されたように関係式12-20の使用を介し行われる計算に少なくとも基づき計算され得る。操作450において、エンジンシリンダの頂部の位置が、上に論述されたように、少なくとも関係式20の使用を介し行われる計算に少なくとも部分的に基づき計算及び/又はそうでなければ識別され得る。操作455において、ピストンの頂部がサイクル内の任意の点においてエンジンシリンダの頂部の上に在るということを指示するすべての及び/又は最も好適な全行程可変内燃エンジン構成が考察から削除及び/又は除去され得る。操作460において、膨張行程比、排出行程比、及び/又は吸入行程比は例えば、上に論述されたように、関係式13、17、及び/又は19の使用を介し行われる計算に少なくとも部分的に基づき判断され得る。操作475において、調節が、例えば許容可能及び/又は好適な全行程可変内燃エンジン構成を判断及び/又は識別するために様々なパラメータに対して行われ得る。当然、幾つかの特定実装形態では、操作405-475のうちの1つ又は複数の操作は、全行程可変内燃エンジンの好適なパラメータが適用可能パラメータに関し判断及び/又はそうでなければ規定されるまで1又は複数回繰り返され得る。幾つかの特定実装形態では、操作405-475のうちの1つ又は複数の操作は、全行程可変燃焼エンジンの改善された構成を判断及び/又はそうでなければ発見しようと努力して、及び/又は規定された構成を精緻化しようと努力して、追加の数組のパラメータを試みるために様々な組み合わせで繰り返され得る。また、述べたように、ソフトウェアツールが特定実装形態では操作405-475のうちの任意の及び/又はすべての操作を行うために実装され得る。ソフトウェアツールは例えば、様々な構成及び/又はパラメータを試みるために、及び/又は限定しないがピストン加速度、ピストン速度、及び/又は膨張行程の期間を含む規定された全行程可変内燃エンジンの特徴を解析するために利用され得る。
【0059】
実施形態400に関連して上に論述されたものなどの例示的操作は、規定された全行程可変内燃エンジン構成のための特定リンケージ機構の長さ及び/又は位置に対する変動から生じる全行程可変内燃エンジン性能特性に対する潜在的影響を識別するのを助け得る。実施形態200などの例示的実施形態では、特定リンケージ機構の長さ及び/又は位置を変更することは全行程可変内燃エンジン性能特性に対する影響の測度を変更すること生じ得る。例えば、リンケージ235の長さを変更すること(実施形態400の1つ又は複数の操作などに従って)は性能特性に対する比較的重大な影響を有し得る。例えば、リンケージ230及び/又は240の長さを変更することがまた全行程可変内燃エンジンの性能に対する比較的重大な影響を有し得る一方で、リンケージ225の長さ及び/又は位置を変更することは相対的に低減された影響を有し得る。さらに、例えば、実施形態400の1つ又は複数の操作に従って距離K3、K4及び/又はK11を変更することは、例えば性能特性に対する比較的重大な影響を生じ得る。加えて、前述のように、K1及び/又はK2の距離パラメータは例えば、全行程可変機構全体が全4行程サイクル中に例えばデカルト座標系の右上四分区間内に在るように、十分に大きくなるように選択され得る。実施形態400に関連して上に論述されたような例示的操作中、リンケージ245の長さ及び/又は位置(K5)は全行程可変内燃エンジンの特定構成の「単位」長として指定され得る。一実施形態では、全行程可変内燃エンジン構成は単位長(例えばリンケージ機構245の長さ)を所望パラメータへ少なくとも部分的に変更することによりサイズ変更され得る。
【0060】
上の論述を続けると、許容可能及び/又は好適な行程比を有する多くの全行程可変内燃エンジン構成が例えば、例示的実施形態400による方法の実装形態を介するなどして結果のプロット及び/又はグラフの評価を行った後及び/又はそれらを解析した後に識別され得る。特定の提案された全行程可変内燃エンジン構成(限定しないがピストンスラップ、ピストン速度、ピストン加速度、及び/又はピストンジャーク、跳ね返り、クラックル、例えば及び/又は跳ね上がりなどのパラメータを含む)がさらに精緻化のために調べられ得る。
【0061】
従って、ピストンスラップに関して、1つの可能な例としてソフトウェアツール(例えばスプレッドシートアプリケーション)などを介する評価が、往復運動するとピストンへ印可される側面負荷を判断するために、ピストン棒、一次クランク軸棒、及び/又は半速度循環棒の接続部の点の軌跡に関して行われ得る。加えて、例えば
図2に示す一般形状グラフと同様な燃焼圧及び/又はピストン位置と共に角度Eのプロット及び/又はグラフ及び/又は角度Eの正弦プロット及び/又はグラフが例えば最小ピストン側面負荷及び/又は電力消費を有する構成を識別するように生成され得る。
【0062】
具体的には、垂直に対する一次クランク軸の角度Aに対するピストン位置のグラフ(
図2によるものなどの)の一次導関数がピストン速度を識別するために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。例えば、1つ又は複数の行程のピストン速度及び/又は期間が、角度Aに対するピストン位置のグラフの一次微分プロットからの情報を使用することにより評価され得る。角度Aに対するピストン位置のグラフの2次微分係数が例えばピストン加速度を判断するために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。2次微分係数グラフは例えば往復質量の加速からの振動を評価するために全体的に及び/又は部分的に使用され得る。角度Aに対するピストン位置のグラフの3次又は高次微分は例えば、これらのパラメータもまた一般的に知られているので及び/又は本明細書においてさらに詳細に説明される必要がないのでジャーク、跳ね返り、クラックル、及び/又は跳ね上がりを判断するために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。
【0063】
図4Aは全行程可変内燃エンジンの別の例示的実施形態500を概略的に示す。同様に、
図4Aではエンジンの様々な部分が断面線で示される。実施形態500は、この特定例に関してはこれら9つの場所においてなどの部品間の枢動及び/又は回転可能接続部を含み得る。
【0064】
図示のように、実施形態500は例えばボア510内で往復運動的やり方で移動し得るピストン505を含み得る。ボア510はボア頂部512を含み得る。ピストン505はピストン頂部514を含み得る。ピストン棒516はピストン505を半速度循環棒518及び/又は一次クランク軸棒520へ可動的に結合し得る。例えば、ピストン棒516は接続部522において半速度循環棒518及び/又は一次クランク軸棒520へ可動的に結合され得る。半速度循環棒518は例えばアクチュエータレバー525を介し半速度クランク軸アクチュエータ棒530へ結合され得る。半速度クランク軸アクチュエータ棒530は半速度クランク軸歯車535の半速度クランク軸532へ可動的に結合され得る。一次クランク軸棒520は接続部570において一次クランク軸540へ可動的に結合され得る。一次クランク軸540もまた例えば一次クランク軸歯車542へ機械的に固定され得る。固定されたアセンブリとしての一次クランク軸540及び/又は一次クランク軸歯車542は例えば一次クランク軸主軸受545などにおいてエンジンブロック及び/又は他の好適な機構へ可動的に結合され得る。
【0065】
従って、いくつかの事例では、実施形態500は例えばボア510内で往復運動する及び/又はピストン棒516へ枢動可能に接続されるピストン505を有する内燃エンジンに関係し得る。次に、ピストン棒516は例えば一次クランク軸棒520の一端へ及び/又は半速度循環棒518の一端へ枢動可能に接続され得る。一次クランク軸棒520の他端は例えば一次クランク軸クランクピン570へ回転可能に接続され得る。一次クランク軸540は、例えば一次クランク軸歯車542などの動力伝達デバイス及び/又は同様なデバイスを含み得る及び/又はそれへ固定され得る。例示的実施形態200と同様に例示的実施形態500は半速度クランク軸を含み得る。例えば、半速度クランク軸532は半速度クランク軸歯車535などの動力伝達及び/又は同様なデバイスを含み得る及び/又はそれへ固定され得る。一次クランク軸540及び/又は半速度クランク軸532は、比較的極近傍に配置され得、そしていくつかの事例では半速度クランク軸532が一次クランク軸540の速度の1/2で回転するように歯車列及び/又は他の或る動力伝達及び/又は同様なデバイスにより直接接続及び/又は接続され得る。実装形態に依存して、半速度クランク軸532及び/又は一次クランク軸540は同じ及び/又は反対回転方向を有し得る。半速度クランク軸532は例えば、所望位置及び/又は運動を半速度循環棒518に与え得る1つ又は複数のレバー及び/又は棒までの距離を測るために少なくとも部分的に利用され得る半速度クランク軸アクチュエータ棒530の一端へ回転可能に結合及び/又は接続され得る。半速度クランク軸アクチュエータ棒530の他端はアクチュエータレバー525へ枢動可能に接続され得る。アクチュエータレバー525は例えば反対端において(接続部572などにおいて)半速度循環棒518へ枢動可能に接続され得る。アクチュエータレバー525の支点は例えば、アクチュエータ支点555などにおいてエンジン及び/又はその好適な部分へ枢動可能及び/又は回転可能に接続され得る。支点555は様々なレバー、棒及び/又は半速度クランク軸532と共に例えば、上に論述されたように、例示的実施形態200の半速度循環棒230に関連して上に述べたような、同様な機能と同様なやり方で及び/又は同様な機能のために半速度循環棒518を配置及び/又は操作するように機能し得る。アクチュエータレバー525は例示的実施形態500では例えばベルクランクを含み得る。少なくとも1つの実装形態では、半速度クランク軸532、一次クランク軸540、及び/又はアクチュエータレバー525は平行軸上で動作し得る。半速度クランク軸532は例えば実施形態200に関連して説明したようなカム軸及び/又は付属デバイスを駆動するために少なくとも部分的に使用され得る。半速度クランク軸アクチュエータ棒530は例えば接続部575などにおいて半速度クランク軸へ可動的に結合され得る。
【0066】
同様に、
図4Bは例示的実施形態500の全行程可変内燃エンジンの部品間の様々な距離の測定を概略的に示す。説明の目的のため、BK1は一次クランク軸主軸受の位置545及び/又は垂直基準面550間の距離を表す。BK2は一次クランク軸主軸受545及び/又は水平基準面557間の距離を表す。BK3はアクチュエータレバーピン555及び/又は垂直基準面550間の距離を表す。BK4はアクチュエータレバーピン555及び/又は水平基準面557間の距離を表す。BK5は一次クランク軸540のスローの長さを表す。BK6は第1のセグメント559の長さを表す及び/又はBK14はレバーアクチュエータ525の第2のセグメント561の長さを表す。BK7は一次クランク軸棒520の長さを表す。BK8は半速度循環棒518の長さを表す。BK9はピストン棒516の長さを表す。BK10はピストンピン509及び/又はピストン505の頂部514間の距離を表す。BK11はピストンスラップ係数を表す。BK12は一次クランク軸主軸受中心線545及び/又は半速度クランク軸主軸受565間の距離を表す。BK13は半速度クランク軸532の長さ及び/又はスローを表す。BK15は半速度循環棒530の長さを表す。
【0067】
さらに、BKPは垂直基準面550及び/又はピストンピン505の中心線間の距離を表す。BPは垂直基準面550及び/又は接続部522の垂直方向中心線間の距離を表す。BPMXは垂直基準面550及び/又は接続部522の垂直方向中心線間の最大距離を表す。BPMNは接続部522の垂直方向中心線及び/又は垂直基準面550間の最小距離を表す。
【0068】
同様に、
図4Cは例示的実施形態500の全行程可変内燃エンジンの部品間の様々な距離の例示的測定を概略的に示す。説明の目的のため、距離BRは接続部570及び/又は572間の距離を表す。距離BSはアクチュエータレバーピン555及び/又は接続部575間の距離を表す。角度BAは接続部570を通る垂直線及び/又は一次クランク軸540主軸受中心線路545を貫通する線間の角度を表す。角度BBは一次クランク軸棒520及び/又は一次クランク軸540を貫通する線間の角度を表す。角度BCは一次クランク軸棒520及び/又は接続部570及び/又は572間に延伸するBR間の角度を表す。角度BDは接続部570を通る水平線及び/又は接続部570及び/又は572間に延伸するBR間の角度を表す。角度BEは接続部575を通る水平線及び/又は線BS及び/又は半速度アクチュエータ棒530間の角度を表す。角度BVは半速度アクチュエータ棒530及び/又は接続部575を貫通する水平線間の角度を表す。線BSはアクチュエータレバーピン555及び/又は接続部575間の距離を表す。角度BQは接続部575を通る水平線及び/又は線BS間の角度を表す。角度BHはピストン棒516及び/又は接続部522を通る垂直線間の鈍角を表す。角度BKFはアクチュエータレバーピン555を通る垂直線及び/又はアクチュエータレバー525のセグメント559を貫通する線間の角度を表す。角度BKUはアクチュエータレバー525のセグメント559を貫通する線及び/又はアクチュエータレバー525のセグメント561を貫通する線間の角度を表す。角度BGはアクチュエータレバーピン555を通る垂直線及び/又はアクチュエータレバー525のセグメント561を貫通する線間の角度を表す。
【0069】
さらに、
図4Dは例示的実施形態500の追加測定及び/又は角度を示す概略図である。同様に、説明の目的のために、角度BAは接続部545を通る垂直線及び/又は一次クランク軸540を貫通する線間の角度を表す。大きさの1/2の負値を有する角度即ち(-0.5)BAは、半速度クランク軸532及び/又はそれ自身が接続部565及び/又はアクチュエータレバーピン555間に延伸する線BS間に形成されるとして指示される。角度BKMは接続部565を通る垂直線及び/又は線BS間の角度を表す。一次クランク軸主軸受545及び/又は一次クランク軸歯車542のピッチ円間の距離は
図4Dでは距離BXとして表される。例示的実施形態500では、一次クランク軸歯車542は半速度クランク軸歯車535の径の近似的に1/2に等しいピッチ径を有し得る。従って、半速度クランク軸歯車535の中心及び/又は半速度クランク軸歯車535のピッチ円間の距離は距離2BXとして表される。別の言い方をすると、一次クランク軸歯車542は半速度クランク軸歯車535の歯の数の1/2の数の歯を有し得る及び/又は半速度クランク軸歯車535のピッチ円半径は一次クランク軸歯車542のピッチ円半径の2倍であり得る。
【0070】
図4Eは例示的実施形態500の角度探索及び/又は判断の例示的手法を示す。従って、いくつかの事例では、接続部575を通る垂直線及び/又は半速度アクチュエータ棒間の角度は例えば角度BQの値を減じることにより及び/又は角度BEの値を90°へ加えることにより判断され得る。従って、例えばアクチュエータレバーピン555を貫通する垂直線の一部を含む第1の辺584、アクチュエータレバー525のセグメント561を含む第2の辺586、及び/又はセグメント561の端及び/又は半速度クランク軸アクチュエータ棒530及び/又はアクチュエータレバーピン555を貫通する垂直線の交差点間に延伸する半速度クランク軸アクチュエータ棒530の一部を含む第3の辺588により形成される三角形582が示される。この例にも示されるように、三角形582の第1の辺584及び/又は第2の辺586間の角度は例えば角度BZを含む。同様に、また分かるように、三角形582の第2の辺586及び/又は第3の辺588間の角度は例えば角度BYを含む。三角形582の第3の辺588及び/又は第1の辺584間の角度は、上に論述及び/又は示されたように接続部575を通る垂直線及び/又は半速度アクチュエータ棒間に形成される角度に平行であり得るので、例えば90°-BQ-BEの値を有する角度を含み得る。
【0071】
図4Fは例示的実施形態500の角度探索の例示的手法を示す。
図5Fは例示的実施形態500の他の図に示さない角度BL、BW、及び/又はBXなどのいくつかの角度を示す。ここで、角度BLは接続部555から延びる水平線及び/又はレバーアクチュエータ525の第2のセグメント561を貫通する線間の角度を表す、角度BWは線BS及び/又はレバーアクチュエータ525の第2のセグメント561を貫通する線間の角度を表す、及び/又は角度BXはアクチュエータレバーピン555を貫通する垂直線及び/又は線BS間の角度を表す。
【0072】
従って、上記論述を続けると、以下に示される関係式21は例えば一次クランク軸540の角度位置(角度BA)に対するピストン505の頂部(BJ)514の位置を識別及び/又は判断するために少なくとも部分的に利用され得る。従って、例えば次式を考慮する:
BJ=(BK2)+(BK5)Cos(BA)+(BK7)Sin(BC+BD)+(BK9)Cos(BH)+(BK10) (関係式21)
【0073】
幾つかの事例では、関係式21は例えば例示的実施形態500に関して以下に論述されるように計算され得る。実装形態に依存して、パラメータBK1-BK15、KCR、BKF、BKM、及び/又はBKUの特徴及び/又は値は、グラフ及び/又はプロットを生成するために、及び/又はいくつかの望ましい特徴を呈示し得る例示的実施形態500のバージョンを識別するために様々な評価を介し変更され得る。例えば、一実装形態では、BK5は例示的実施形態500による全行程可変内燃エンジンの初期及び/又は基本実装形態を判断するために全体的に及び/又は部分的に使用され得る。角度BKM、BKF、及び/又はBKUは
図1A~1Cに関し上に論述されたように例示的実施形態500評価におけるオフセット角(例示的実施形態200の角度KFと同様な)を含み得る。
【0074】
指示されたように、様々な関係式が1つ又は複数の好適な角度及び/又は長さ及び/又は距離を計算及び/又は判断するために利用され得る。例えば
図4E~4Fに示すような例示的実施形態500の角度BYは三角形の代数的及び/又は幾何学的特性に少なくとも部分的に基づき判断され得る。例えば以下に記載のような関係式22及び/又は23が角度BYを判断するために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。従って次式を考慮する:
【数5】
【0075】
一実装形態では、関係式24及び/又は25が、
図4Cに示すように例示的実施形態500の接続部570及び/又は572間に延伸するBRの長さを識別するために少なくとも部分的に利用され得る。従って、次式を考慮する:
BR
2=[(BK3)+(BK6)Sin(BKF)-[(BK1)+(BK5)Sin(BA)]]
2+[(BK4)+(BK6)Cos(BKF)-[(BK2)+(BK5)Cos(BA)]]
2 (関係式24)
BR=[[(BK3)+(BK6)Sin(BKF)-[(BK1)+(BK5)Sin(BA)]]
2+[(BK4)+(BK6)Cos(BKF)-[(BK2)+(BK5)Cos(BA)]]
2]
0.5 (関係式25)
【0076】
ここで、関係式26及び/又は27は、
図4Cに示すように接続部575及び/又はアクチュエータレバーピン555間に延伸するBSの長さを識別するために少なくとも部分的に利用され得る。
BS
2=[(BK4)-[(BK2)+(BK13)Cos(BKM-0.5BA)]]
2+[(BK3)-[(BK1)+(BK12)+(BK13)Sin(BKM-0.5BA)]]
2 (関係式26)
BS=[[(BK4)-[(BK2)+(BK13)Cos(BKM-0.5BA)]]
2+[(BK3)-(BK1)+(BK12)+(BK13)Sin(BKM-0.5BA)]
2]
0.5 (関係式27)
【0077】
関係式28及び/又は29は例えば
図4Cに示すように一次クランク軸棒520及び/又は接続部570及び/又は572間に延伸するBR間に位置する角度BCの値を識別するために少なくとも部分的に利用され得る。
【数6】
【0078】
関係式30及び/又は31は例えば
図4Cに示すようにBR及び/又は接続部570を貫通する水平線間に位置する角度BDの値を識別するために少なくとも部分的に利用され得る。
【数7】
【0079】
関係式32及び/又は33は例えば
図4Cに示すような接続部555から接続部575まで延伸する線BS及び/又は接続部575を貫通する水平線間に位置する角度BQの値を識別するために少なくとも部分的に利用され得る。従って、次式を考慮する:
【数8】
【0080】
関係式34及び/又は35は
図4Cに示すように接続部575及び/又はアクチュエータレバーピン555間に延伸する線BS及び/又は半速度クランク軸アクチュエータ棒530を貫通する線間に位置する角度BEの値を識別するために少なくとも部分的に利用され得る。従って、次式を考慮する:
【数9】
【0081】
関係式36は
図4Bに示すような垂直基準面550及び/又は接続部522の垂直中心線間の距離を指示し得るBPの長さを判断するために少なくとも部分的に利用され得る。従って、次式を考慮する:
BP=(BK1)+(BK5)Sin(BA)+(BK7)Cos(BC+BD) (関係式36)
【0082】
関係式37は
図4Bに示すような垂直基準面550及び/又はピストン505の中心線間の距離を指示し得るBKPの長さを判断するために少なくとも部分的に利用され得る。従って、次式を考慮する:
(BKP)=(BP
MX-BP
MN)(BK11)+BP
MN (関係式37)
【0083】
関係式38及び/又は39は
図4Cに示すようなピストン棒519及び/又はピストンアクチュエータ棒518間の鈍角を指示し得る角度BHの値を識別するために少なくとも部分的に利用され得る。従って、次式を考慮する:
【数10】
【0084】
同様に、例示的実施形態200と同様に一次クランク軸は例えばパラメータ評価などのために1つ又は複数の適切なグラフを生成するように点の軌跡をプロットするために2回全回転され得る。例えば、角度BAは、例示的実施形態500に従って全行程可変内燃エンジンの1サイクルを完了するために零度から720度まで及び/又は零ラジアンから4πラジアンまで変化し得る。ピストンスラップ係数を表すBK11が例えば実施形態200と同様にピストンに対する側面負荷に起因する動力損失を低減及び/又は最小化するために選択され得る。
【0085】
従ってここでは
図2の一般形状グラフと同様なグラフ及び/又はプロットが例えば生成され得る。同様に、付随関係式が、例えば結果を評価するために及び/又はTDC及びBDCの位置、行程長、及び/又はシリンダの頂部を計算する及び/又は示すために全体的に及び/又は部分的に利用され得る。加えて、膨張比、排出比及び/又は吸入比が本明細書において論述されたように例えば様々な関係式を使用することにより計算され得る。同様に、ここでは「ピストン頂部514が動作サイクルの任意の部分においてシリンダの頂部の上に在る」ということを示す結果を戻す全行程可変内燃エンジンの1つ又は複数の構成が考察から外され得る。例示的実施形態200と同様に、例示的実施形態500では、シリンダの頂部が例えば様々な対応関係式の実施を介し圧縮比及び/又は圧縮行程の位置により判断及び/又は指示され得る。例示的実施形態200と同様に、例示的実施形態500の1つ又は複数の態様が、限定しないが上に論述された例示的実施形態200精緻化を含む精緻化のために調べられ得る。例示的実施形態500の評価では、各行程及び/又は各行程比は可変であり得る。
【0086】
例示的実施形態400のプロセス及び/又は本明細書において説明された1つ又は複数の関係式に少なくとも部分的に基づき得るような他の好適なプロセスが、すべての及び/又は好適な数の望ましい及び/又は好適な行程及び/又は望ましい及び/又は好適な行程比を有する全行程可変内燃エンジンの1つ又は複数の実装形態を判断するために全体的に及び/又は部分的に使用され得る。以下に示す表1は、例えば例示的実施形態200のプロセスに従って
図3に関し上に論述されたような評価のための例示的パラメータ値を示す。
【0087】
【0088】
いくつかのシミュレーションでは、90回の評価(オフセット角度KFの4度毎に1回の評価)が角度KFの様々な値に関して行われた。ここで、第1の計算において零度に等しい角度KFを有する例示的実施形態の上記条件を有する及び/又は角度KFが前の計算よりも4度高い場合などのただ1つの変更を有する後続計算を有するスプレッドシートが例えば採用され得る。
【0089】
図5A-5Iは、表1に示されるパラメータを有する例示的実施形態200などに関するピストンの頂部の位置及び/又は角度A間の関係を示すグラフである。各グラフは、角度[A]の測定に対する[J]の点の軌跡をプロットするために2回の全回転を介し例示的実施形態200の一次クランク軸を回転させることにより生成され得る。各グラフは、変数K1~K11及び/又はKCRを一定値に保つことにより及び/又は角度KFを変更することにより生成され得る。一例として、
図5Aは角度KFが184°の値を有する場合に生成されたグラフを示す;
図5Bは角度KFが185°の値を有する場合に生成されたグラフを示す;
図5Cは角度KFが186°の値を有する場合に生成されたグラフを示す。
図5Dは角度KFが187°の値を有する場合に生成されたグラフを示す。
図5Eは角度KFが188°の値を有する場合に生成されたグラフを示す。
図5Fは角度KFが189°の値を有する場合に生成されたグラフを示す。
図5Gは角度KFが190°の値を有する場合に生成されたグラフを示す;
図5Hは角度KFが191°の値を有する場合に生成されたグラフを示す;及び/又は
図5Iは角度KFが192°の値を有する場合に生成されたグラフを示す。
【0090】
184~192度に等しい角度KFを有する9つの評価の例の結果が表2において以下に示される。
【0091】
【0092】
184度及び/又は185度に等しい角度KFを有する表2に示される結果は膨張比より小さい排出比を示し、これは排出TDCに弁クリアランスを加えた全行程可変構成である。186度に等しい角度KFを有する全行程可変内燃エンジンの結果は膨張比より若干大きい排出比を示し、185度及び/又は186度間の角度KFを有する全行程可変実装形態が実質的に等しい排出比及び/又は膨張比を有し得るということを実証する。実質的に等しい膨張比及び/又は排出比を有する全行程可変内燃エンジンの実装形態に関し、2つのTDCが同様に配置され得る。しかし、全行程可変内燃エンジンはこの構成に限定される必要がないということを理解すべきである。例えば、排出行程のTDCは特定弁設計及び/又はタイミングに対処するように及び/又はこれらを活用するように配置され得る、及び/又は圧縮行程のTDCは互いに独立に圧縮比に対処するように配置され得る。TDCの位置は例えば望ましい及び/又は好適な圧縮比、膨張比、排出比、及び/又は吸入比により判断され得る。186度~191度に等しい角度KFを有する評価結果は、例えば角度KFが増加するにつれ排出比が増加し得る及び/又は膨張比より大きくなり得るということを指示する。例えば角度KFが186から191度へ増加するにつれ排出比は24.1から159まで増加し得る。191度に等しい角度KFを有する構成は、排出TDCにおいてピストンの頂部をシリンダボアの頂部に近くに置き得る。角度KFへ加えられるさらに1度(角度KFを192度にする)が-1348の排出比に戻し得、ピストンの頂部をシリンダボアの頂部を越えて置く及び/又はリンケージが失敗し、「全行程可変内燃エンジン構成を識別するための手順が、零未満の排出比を有する実装形態を無視するためにフィルタを採用し得る」ということを実証する。当業者は、特定組の望ましい行程比を確立するためにどのように全行程可変機構の構成を操作すべきかを、本開示を使用することにより理解するだろう。全行程可変内燃エンジンの特徴は、例えば望ましい及び/又は好適な行程比を生成する及び/又は戻す構成を識別するためにエンジン配置を操作する一方で例えば変更及び/又は調整され得る。
【0093】
表1に示すパラメータ値によるいくつかの評価及び/又は結果の検査は、186度から190度へ角度KFを変更するために使用される位相変更器が例えば本明細書において実装され得るということを示し得る。例えば、このような位相変更器は、説明の一例として、排出比を約29.7(膨張比とほぼ同じ)から約46:5へ変更することができ得、そして、従って吸入比は約13.1から約21.5へ変化し得る、及び/又は膨張比は約28から約19へ変化し得る。このような変更は、188度のKF角度を有する全行程可変構成において角度KFが変更される結果を生じ得る。具体的には、全行程可変内燃エンジンは表1に示すパラメータ(188度に等しい角度KFを含む)を利用することにより実装され得る。このような内燃エンジンは例えば角度KFが位相変更器により186度へ変更されそしてその他の変更が行われないことにより実現され得る。内燃エンジンは同様に角度KFが190度へ変更されることにより実装され得る。説明の一例として、以下の表3は、KF角度を変更する位相変更器に応じた4つの行程比に対し行われた変更結果の例を示す。
【0094】
【0095】
従って、表3は、位相変更器が、可変圧縮比、可変膨脹(即ち動力)比、可変排出比、及び/又は可変吸入比を有する全行程可変内燃エンジンを実現するために利用され得るということを実証する。
【0096】
1つ又は複数の他の構成は、位相変更器を有する全行程可変内燃エンジンの様々な長さ、位置、及び/又は角度を、改善された及び/又は望ましい柔軟性及び/又は性能を発見するための同様なやり方で変更することなどにより評価され得る。幾つかの事例では、1つ又は複数の行程比は例えば内燃エンジンが動作している間に(例えば作動可能使用状態で)、及び/又は内燃エンジンが動作していない間に(作動可能使用状態でない、即ち静止状態で)作成及び/又は選択され得る。変更は、負荷、シードなどの1つ又は複数の動作条件及び/又は異なる燃料への変更及び/又は変換などの他のいくつかの条件に応じて行われ得る。
【0097】
ここでは例えば任意の好適な位相変更器が利用され得る。例えば、一実装形態では、位相変更器は、チューブ及び/又はスリーブの内面及び/又は外面上に様々な螺旋角を有するチューブ及び/又はスリーブ螺旋歯車を含み得る。スリーブの内部螺旋は例えば半速度クランク軸上の整合用螺旋に係合し得る。次に、スリーブの外側螺旋は例えば半速度クランク軸歯車又は一次クランク軸歯車のボア上の整合用螺旋と係合し得る。内側及び/又は外側螺旋嵌合は摺動可能型接続部のものであり得る。制御デバイスが例えば、角度KFの変化を生じ得る位相変更スリーブをクランク軸の軸に沿って移動させるために少なくとも部分的に使用され得る。
【0098】
前に示唆されたように、全行程可変内燃エンジンは、カム軸を駆動するために、そして4行程サイクル過程中に吸入弁及び/又は排出弁を開く及び/又は閉じるための棒駆動器を収容し得る。
図6Aはカム軸を駆動するための棒駆動器の例示的実施形態800の正面図を示す。
図6Bはカム軸を駆動するための棒駆動器の例示的実施形態800の平面図を示す。
図6Cは駆動クランク軸端における棒駆動器クランク軸及び/又は棒アセンブリの例示的実施形態800の正面図を示す。
図6Dは被駆動クランク軸における棒駆動器の例示的実施形態800の側面図を示す。
図6Eは被駆動クランク軸端における棒被駆動クランク軸及び/又は棒アセンブリの例示的実施形態800の正面図を示す。論述を簡単にするために、適切な場合、
図6A~6Eの同じ態様には同じ参照番号が与えられる。
【0099】
いくつかの棒駆動器実装形態では、ディスタンス棒(distance rod)820が、駆動カム軸駆動器クランク軸865の中心線863及び/又は被駆動カム軸駆動器クランク軸805の中心線間の距離を維持するために使用され得る。ディスタンス棒820は2つの駆動棒と実質的に同様な熱膨脹係数を有する材料で作られ得る。維持される距離は2つの駆動棒のボアの2つの中心線間の距離と同じであり得る。より正確には、駆動棒815、825及び/又はディスタンス棒820は例えば歯車キャリヤフレーム835の使用の有無にかかわらず実質的に同一な中心線距離を有し得る。加えて、現技術棒駆動器実装形態は、クランク軸865の中心線863が固定され得るように枢動可能キャリヤフレームを含み得ない。駆動カム軸駆動器クランク軸865は固定場所に配置されると考えられ得る一方で、駆動カム軸駆動器クランク軸865からカム軸810までの距離は例えば温度が変化するとディスタンス棒ボアの中心間の距離の変化とは異なる量だけ変化する。特定実装形態では、被駆動カム軸駆動器クランク軸805はディスタンス棒820により適所に保持され得る。被駆動カム軸810は、被駆動カム軸駆動器クランク軸805の中心線からオフセットされ得るピンにより、被駆動カム軸駆動器クランク軸805から動力を受け得る。このようなピンは、被駆動クランク軸の被固定部を含み得る。ピンは例えばカム軸の端における放射状スロットと係合し得る。このようなピンは被駆動カム軸駆動器クランク軸805からのトルクをカム軸810へ転送し得る。一実施形態では、カム軸810の端におけるスロットがカム軸810からの被駆動カム軸駆動器クランク軸805のオフセットを補正し得る。特定実装形態では、駆動ピン及び/又はスロットはクランク軸及び/又はカム軸から切り替えられ得る。ピン及び/又はスロットオフセット駆動器に対する代案は千鳥足状及び/又は「く」の字状駆動ピンを採用し得る。このような駆動器は、被駆動カム軸駆動器クランク軸805及び/又はカム軸810の中心線からオフセットされ得る1つ又は複数の穴を利用し得る。2つのオフセット及び/又は平行中心線を有するようにジョグを有するピンが、「トルクが被駆動カム軸駆動器クランク軸805からピンを介しカム軸810へ転送され得るように」1つ又は複数の穴により被駆動カム軸駆動器クランク軸805及び/又はカム軸810へ枢動可能に接続され得る。さらに、特定実装形態では、オフセットピンは、2つの穴により被駆動カム軸駆動器クランク軸805及び/又はカム軸810へ枢動可能に接続され得る、及び/又は被駆動カム軸駆動器クランク軸805及び/又はカム軸810のアライメントずれを補正するようにoculateし得る。本明細書において説明される実装形態(上に説明された棒駆動器及び/又はキャリヤフレーム835を例えば含む)は、低減された量の十分な動力を利用し得る及び/又は発生すると寸法変化の補正に少なくとも部分的に起因するより小さな雑音、振動、及び/又はハーシュネス(NVH)を受け得る。例えば、以下に述べる特定実装形態は、被駆動カム軸駆動器クランク軸805がカム軸810と実質的に及び/又は一貫して連動するということを保証するのを助け得る枢動可能キャリヤフレーム835の選択肢を含み得る。
【0100】
論述されたように、枢動可能キャリヤフレーム835の特定実装形態は潜在的アライメントずれ問題を低減及び/又は実質的に削除し得る。アライメントずれ問題を削除するというよりむしろ補正するようないくつかの実装形態は、実質的に一貫して互いに相対運動状態に在り得これにより何らかの摩擦動力損失を生じる幾つかのパーツを有し得る、及び/又は雑音、振動及び/又はハーシュネス(NVH)の何らかの増加を生じる。棒駆動器の実質的に一貫した補償バージョンは例えば、個々の回転全体にわたるカム軸の角度回転速度の実質的に一貫した変化を生じ得これにより追加NVHを生じる特定軸の中心線からの距離を実質的に一貫して変更し得るトルクを被駆動カム軸駆動器クランク軸805からカム軸810へ転送し得る要素を含み得る。アライメントずれ問題を実質的に削除及び/又は低減するための枢動可能キャリヤフレーム835の実装形態を含む棒駆動器の特定実装形態は、一次クランク軸870上で又はそれを中心に枢動し得るようにそして同時に半速度クランク軸865が回転するように半速度クランク軸865へ回転可能に取り付けられる枢動可能キャリヤフレーム835を含み得る。特定実装形態では、枢動可能キャリヤフレーム835枢動可能付属物がエンジンフレームの主軸受筐体上の好適な位置へ配置され得る。特定実装形態では、枢動可能キャリヤフレーム835は、半速度クランク軸870の中心線845を中心に枢動し得る及び/又はエンジンフレーム及び/又は主軸受871へ枢動可能に取り付けられ得る。このような位置は、枢動可能キャリヤフレーム835が一次クランク軸870へ回転可能に接続されることから生じ得る動力消費軸受抗力を低減及び/又は実質的に削除し得る。
【0101】
例示的実施形態800では、棒駆動器機構は例えば、チェーン駆動器及び/又は歯車駆動器と比較して比較的低いNVHでもって1対1比で平行軸を駆動し得る。例示的実施形態800による棒駆動器機構は例えばベルト駆動器と比較して改善された耐久性を呈示し得る。棒駆動器機構は、スロー865A及び/又は865Bを含む2連(two throw)駆動クランク軸865及び/又はスロー805A及び/又は805Bを含む2スロー駆動型クランク軸805を含み得る。このようなクランク軸は例えば平行軸上に在り得る及び/又は対応クランクピンは一列状態に在り得る。例えば、クランクピン866及び/又は806はクランクピン867及び/又は807がそうであり得るように対応し得る。さらに、例えばスロー865Aはスロー805Aに対応し得る及び/又はスロー865Bはスロー805Bに対応し得る。少なくとも1つの実装形態では、各クランク軸上のクランクピンは例えば同様な及び/又は同じ角度(一例として約90度であり得る)だけ互いに分離され得る。2つのクランク軸の対応スロー(スロー805Bに対応するスロー805A及び/又はスロー865Bに対応するスロー865Aなど)は同じ及び/又は同様な長さであり得る。対応クランクピン(クランクピン807に対応するクランクピン806及び/又はクランクピン867に対応するクランクピン866など)は同じ及び/又は同様な長さの棒を接続することにより回転可能に互いに接続され得る。棒駆動器の設計は、多くの例の中でもいくつかの例だけを挙げると、駆動軸及び/又は被駆動軸間の距離の1つ又は複数の変動(組み立て及び/又は熱膨張から生じ得る)に対処し得る。従って、以下に記載される説明は、駆動クランク軸及び/又は被駆動クランク軸間の距離の変動から生じ得る1つ又は複数の問題を低減及び/又は削除し得る特定例示的実装形態を説明する。
【0102】
従って、一実装形態では、全行程可変内燃エンジンのカム軸を駆動するように棒駆動器を適合化するために、枢動可能キャリヤフレーム835は例えばクランク軸主軸受筐体871の中心線845を中心に比較的小さい量だけ枢動し得るように半速度クランク軸865へ回転可能に接続され得る及び/又はエンジンフレームへ枢動可能に接続され得る一方で、駆動カム軸駆動器クランク軸865及び/又は被駆動歯車830を含むアセンブリは駆動歯車840を介し回転させられる。クランク軸870を中心とする枢動可能キャリヤフレーム835の比較的少量の枢動はエンジンアセンブリの長さの上述の変動を補正し得る。被駆動歯車830は、枢動可能キャリヤフレーム835へ回転可能に取り付けられ得る、及び/又は駆動カム軸駆動器クランク軸865へ機械的に結合され得る、及び/又はへそうでなければそれと係合され得る。被駆動歯車830及び/又は駆動カム軸駆動器クランク軸865は例えば、枢動可能キャリヤフレーム835内に回転可能に取り付けられ得る、及び/又は被駆動歯車830及び/又は駆動カム軸駆動器クランク軸865がアセンブリ及び/又はユニットとして枢動可能キャリヤフレーム835内で回転し得るように駆動歯車840へ機械的に結合され得る及び/又はそうでなければそれと係合され得る。
【0103】
カム軸は被駆動二連(two throw)クランク軸を含み得る及び/又はそれへ固定され得る。例えばこのような上述の駆動及び/又は被駆動クランク軸は平行軸上で回転し得る。2つのクランク軸の対応スローは、各クランク軸のスロー間の角度が同じ及び/又は略同じとなるように同じ及び/又は略同じ長さであり得る、及び/又は互いに連動状態であり得る。1つの特定例示的実装形態では、スロー間の角度は約90度であり得るが、請求される主題はそのように限定されない。例えば、2つのクランク軸の対応クランクピンは、ほぼ等しい長さの、及び/又は被駆動カム軸から半速度クランク軸までの距離の変動がクランク軸主軸受871の中心線845を中心に枢動可能キャリヤフレーム835の自由枢動により補償され得るように枢動可能キャリヤフレーム835を配置する長さの、棒815及び/又は825などの駆動棒により互いに回転可能に接続され得る。枢動可能キャリヤフレーム835が枢動するための空間は、例えば熱膨張により引き起こされる変動、及び/又は許容公差から生じる変動、及び/又は組み立てられたユニットの他の変動を補正するために適切であり得る。このような機構は例えば枢動可能キャリヤフレーム835を適所に保持するための力が2つの接続棒により担われることを可能にし得る。追加負荷は例えば、接続棒が、駆動クランク軸-被駆動クランク軸距離を維持する追加負荷を担わない棒より重くなることを可能にし得る。ディスタンス棒820などの第3の接続棒は、駆動クランク軸-被駆動クランク軸距離(時折第1及び/又は第3駆動棒815、825の長さにそれぞれ等しいかもしれない及び/又は例えば枢動可能キャリヤフレーム835の負荷を担うために加算され得る)を維持し得る。ディスタンス棒820は例えば駆動クランク軸主軸受及び/又は被駆動カム軸主軸受を回転可能に接続し得る。駆動棒上の低減された負荷は棒及び/又は軸受がより軽くなることを可能にし得る。加えて、平衡錘もまたより軽くなり得る。ディスタンス棒820は例えば2つの駆動棒と同様な(又は同じ)熱膨脹係数を有し得る材料で作製され得る。
【0104】
従って、本明細書において論述されるように、全行程可変内燃エンジンはいくつかの利点を提供し得る。例えば、部分的行程可変内燃エンジンはカム軸を駆動するために比較的長い駆動棒を含み得る。比較的長い駆動棒システムは、比較的高速円運動で走行し得る駆動棒の付加質量及び/又は長さに少なくとも部分的に起因する増加されたNVHを受け得る。対照的に、本明細書で論述されるような全行程可変内燃エンジンの例示的実施形態は比較的低いNVHのために比較的短い寸法の1つ又は複数の駆動棒を有する比較的コンパクトな駆動棒構成を含み得る。
【0105】
さらに、幾つかの特定実装形態では、棒駆動器システムは、一次クランク軸又は他の駆動歯車を中心に枢動することとは対照的に被駆動カム軸を中心に枢動し得るキャリヤフレームを含み得る。キャリヤフレームがカム軸を中心に枢動し得る実装形態では、棒駆動器はカム軸に対する最終駆動ユニットとして働き得る、及び/又はキャリヤフレーム内の減速歯車セット(例えば2:1)がカム軸に対する最終駆動ユニットとして働き得る。例えば、特定実装形態に関して、比較的低いNVH棒駆動器システムは半速度歯車及び/又はクランク軸からカム軸まで又はその近くまで延びる棒駆動器を含み得、ここでは枢動可能駆動ユニットがカム軸を中心に枢動し得る。一実装形態では、棒駆動器は枢動可能駆動ユニットへ接続され得る、及び/又は延いてはカム軸を駆動し得る棒駆動器により駆動され得る。さらに、一実装形態では、枢動可能駆動ユニットは例えば第2の比較的短い棒駆動器を含み得る。
【0106】
全行程可変内燃エンジンの特定実装形態は特定燃料に対処するように設計及び/又は構成され得る。このような実装形態は例えば比較的低い圧縮比及び/又は比較的高い排出比に関与し得る。全行程可変内燃エンジンの特定実装形態はまた、比較的高い圧縮比及び/又は比較的低い排出比に関与し得る追加燃料に対処するように設計及び/又は構成され得る。他方で、部分的行程可変内燃エンジンはこれらの利点を提供することができないだろう。
【0107】
さらに、本明細書において説明される例示的実施形態は一次クランク軸の速度の1/2で回転される二次クランク軸について論述するが、請求される主題はこれらの点に関する範囲において制限されない。例えば、他の実施形態は、1/2速度以外の速度で動作し得る二次クランク軸及び/又はリンケージ機構を実装し得る。このような実施形態は例えば医療デバイス及び/又は他のアプリケーションにおいてミキサポンプとして有利に利用され得る。また、全行程可変実装形態は、様々なピストン及び/又はクランク軸及び/又はリンケージを結合し得る1つ又は複数の棒内の1つ又は複数の継手を操作し得る2つ以上の二次クランク軸及び/又はリンケージ機構を含み得る。このような実装形態は多種多様のアプリケーションを満足し得る行程長及び/又はTDC及び/又はBDCを含み得る。
【0108】
さらに、全行程可変内燃エンジンの特定実装形態は、シリンダ内のピストンが排出-吸入TDCに在る及び/又はその近くに在るのでシリンダ内へ侵入するパーツを有しなくてもよい弁(以下に説明される例示的比較的低制約ポペット弁など)設計を活用するように設計及び/又は構成され得る。このような例示的特徴は比較的非常に高い(例えば、ほぼ無限)排出比値及び/又は吸入比値を有し得る内燃エンジンを可能にし得る。このような特徴を有する弁設計は例えば様々な回転弁設計及び/又は構成を含み得る。比較的高い排出比は例えば部分的行程可変内燃エンジン設計の特徴及び/又は結果ではない、及び/又は部分的行程可変内燃エンジンの外でむしろ明示的に設計される。
【0109】
加えて、全行程可変内燃エンジンの特定実装形態に関して、半速度クランク軸は、低減された数のパーツを有する及び/又は低減された費用を有する1つ又は複数のカム軸を駆動するためにスプロケット、歯車、及び/又は他の動力伝達デバイスを含み得る。
【0110】
また、ガソリン及び/又はディーゼルの両方を同時に使用することにより動作し得る内燃エンジンは、互いに独立に配置され得る2つのTDC及び/又は2つのBDCを有することができることにより提供され得る柔軟性から恩恵を受け得る。複数の燃料タイプの組み合わせは、どのように個々の燃料が行程比のそれぞれの比較的より好適且つ適切な組み合わせを有し得るかと同様なやり方で、4つの行程比の比較的より好適且つ適切な組み合わせを有し得る。加えて、特定実装形態に関して、1つ又は複数の位相変更器は内燃エンジンが動作している間に行程比を調節するために使用され得る。さらに、特定実装形態に関して、特定ガソリン対ディーゼル比が、所望性能特性をより好適に満足するように変更され得る。幾つかの特定実装形態では、デュエル(duel)燃料概念は、全行程可変内燃エンジンを実質的にすべてディーゼル及び/又は実質的にすべてガソリン上で運転させる点まで拡張し得る。2つ以上の燃料の他の組み合わせの追加所望性能特性は例えば位相変更器の調節を介し少なくとも部分的に実現され得る。
【0111】
以下では、内燃エンジンと共に使用するための例示的弁が説明される。幾つかの特定実装形態では、弁は比較的低い制約ポペット弁を含み得る。一実施形態では、1つ又は複数のピストンを有するピストンエンジン及び/又はピストンポンプは、比較的高い排出比及び/又は吸入比を有する及び/又は比較的高い効率を有する比較的低い制約ポペット弁を採用し得る。幾つかの特定実装形態では、全行程可変内燃エンジンは例えば以下に説明されるような比較的低い制約ポペット弁を採用し得るが、請求される主題はこの点に関する範囲において制限されない。幾つかの特定実装形態では、比較的低い制約ポペット弁はカム運動、油圧系、ソレノイド、及び/又は他の機構を介し操作され得る。また、特定実装形態では、比較的低い制約ポペット弁は例えば内燃エンジン内の比較的非常に広い範囲の吸入比及び/又は排出比(比較的非常に高い吸入比及び/又は排出比を含む)を許容し得る。さらに、特定実装形態では、より比較的低い制約ポペット弁は比較的極端な暑さ、寒さ、圧力、真空度、及び/又は不純物の環境内で動作し得るので有利である。
【0112】
図7~10は比較的高い吸入比及び/又は排出比に対処し得る比較的低い制約ポペット弁システムの実施形態1000を描写する。表1に関連して少なくとも部分的に説明された全行程可変構成は表2に描写されるような191°の角度KFに関して例えば159の排出比を有し得る。
図5A~5Eも参照されたい。特定実装形態では、1つ又は複数の吸入弁1001は
図7に描写されるようにシリンダ1010の上の1つ又は複数の排出弁1002と交差するように配置され得る。当然ながら、請求される主題はこれらの点に関する範囲において制限されない。吸入弁1001及び/又は排出弁1002は例えば1つ又は複数のカム及び/又はカム軸及び/又はロッカーアーム機構を介し作動され得る(例えば、開かれ得る及び/又は閉じられ得る)。
図6A~6Eに描写されるような例示的カム軸駆動機構は上に説明されたが請求される主題はこれらの点に関する範囲において制限されない。特定実装形態では、弁バネ空洞1021内に配置される弁バネ1072は比較的一定な力を吸入弁1001へ提供し得る。同様に、弁バネ空洞1022内に配置される弁バネは比較的一定な力を排出弁1002へ提供し得る。
【0113】
実施形態1000では、例えば、吸入弁1001は
図7に描写されるように実質的に円筒形状を有し得る及び/又は実質的にカップ状であり得る弁頭を含み得る。同様に、排出弁1002は実質的に円筒形状を有し得る及び/又は実質的にカップ状であり得る弁頭を含み得る。また、実施形態1000では、吸入弁頭表面1003及び/又は排出弁頭表面1004は燃焼室1070の一部を構成し得、ここでは室1070はピストン1040の頂面、吸入弁頭表面1003及び/又は排出弁頭表面1004により少なくとも部分的に画定される。室1070はさらにシリンダ1010及び/又はシリンダ頭1011により少なくとも部分的に画定される。
【0114】
実施形態1000では、吸入弁1001及び/又は排出弁1002は、燃焼室1070及び/又はシリンダ1010内へ侵入すること無くエンジン動作中に開き得る及び/又は閉じ得る。吸入弁1001が開かれると空気及び/又は空気/燃料混合物が吸入口1061を介しシリンダ1010内へ導入され得る。吸入口1061は、空気がシリンダ1010へ転送されるための実質的直線路を含み得、これにより吸入行程中に吸入弁1001全体にわたる圧力降下を恐らく低減する。排出弁1002が開かれると排出ガス及び/又は粒子は排出口1062を介しシリンダ1010から出得る。排出口1062は、排出ガスがシリンダ1010から出るための実質的直線路を含み得る。吸入弁頭表面1003及び/又は排出弁頭表面1004により少なくとも部分的に画定される燃焼室1070の特徴に少なくとも部分的に起因して、実施形態1000及び/又は比較的低い制約ポペット弁システムを実現する他の実施形態は比較的高い吸入比及び/又は排出比を提供し得る。様々な実装形態は、比較的高い吸入比及び/又は排出比を実現するために、本明細書において説明される及び/又は
図7~10に描写される特徴及び/又は要素の様々な組み合わせを採用し得る。実施形態1000などの実施形態では、ピストンシール1031及び/又は弁シール1032及び/又は1033がエンジン動作中の燃焼室1070の完全性を維持するのを助け得る。弁座1023及び/又は1024もまた燃焼室1070の完全性を維持することに寄与し得る。従って、ピストンシール1031、弁シール1032及び/又は1033、及び/又は弁座1023及び/又は1024は例えば比較的高い吸入比及び/又は排出比の実現に少なくとも部分的に寄与し得る。
【0115】
図8に描写するように、一実施形態では、弁バネが空気バネと組み合わせられ得る。例えば、弁バネ1072は、ポート1075を介し弁バネ空洞1021内へ導入されるガス1076から生じ得るガス圧により支援され得る。いくつかの実装形態では、ガス及び/又はガス圧は燃焼室から及び/又は補助ソースから例えばポート1075へ方向転換され得る。一実装形態では、吸入弁頭1101は径が拡大され得、これにより、ガス圧から生じる弁閉鎖力の増加を可能にする。通気孔1074は、弁頭1101が弁バネ空洞1021内で前後に移動するにつれて弁頭1101へ印可される逆圧を少なくとも部分的に調整し得る。特定実装形態では、ガス1076により提供される弁閉鎖力は弁バネ1072により提供される閉鎖力へ加算され得る。一実施形態では、空気圧弁バネ圧は、例えば低減された閉鎖力を提供するために可変であり得、これにより摩擦、摩耗、及び/又は動力消費を低減する。
【0116】
図9は実施形態1000に多くの点で似ている例示的実施形態1100を描写する。例えば、実施形態1100は弁バネ空洞1021内で移動する弁頭1101を含む。しかし、実施形態1100は、実施形態1000に描写されるものと反対側に在る弁頭1101の表面へ取り付ける吸入弁柄1301を含む。例えば、
図7に描写するように弁柄1301を吸入口1061及び/又は排出口1062の1つ又は複数と交差させるのではなくむしろ、弁柄1301は弁頭1101の弁バネ空洞側へ取り付けられ得る。さらに、弁柄1301は弁バネ空洞1021を貫通し得る。他の実施形態と同様に、弁柄1301は例えば吸入弁1001を開く及び/又は閉じるようにカム及び/又はロッカーアーム機構を介し作動され得る。いくつかの実施形態は
図9に示さないが排出弁1002の同様な機構を実装し得る。
【0117】
特定実装形態では、弁バネ空洞1021は単に空気圧弁バネ室(例えば、金属コイル型弁バネ無し)として動作し得る。弁バネ空洞1021は例えば閉鎖された室として実装され得る。シール1132はガス1076が弁柄1301を介し弁バネ空洞1021から逃げるのを防止し得る。
【0118】
実施形態1100では、例えば、弁バネ空洞1021内のガス圧(例えば弁バネ空洞1021内へのガス1076の導入から生じる)の値は調整可能であり得る。さらに、弁バネ室1021へ提供するべきガス圧1076の値は、燃焼室1070内で発達される所定値の燃焼圧に少なくとも部分的に依存し得る。特定実装形態に関して、燃焼圧の1,000単位毎に7.8単位のガス圧が弁バネ空洞1021へ印可され得るが請求される主題はこの点に関する範囲に制限されない。弁バネ空洞1021内のガス圧は、規定閉鎖力を満足するように調節され得る及び/又は摩擦損失を低減及び/又は最小化するように調節され得る。弁閉鎖力は燃焼室圧力の変化に少なくとも部分的に応じて変更され得る。例えば、全行程可変内燃エンジンの特定実装形態を含む内燃エンジンの特定実装形態は負荷及び/又は速度を変更することにより動作し得る。一実施形態では、弁閉鎖力は負荷及び/又は速度を変更することに少なくとも部分的に基づき(例えば弁バネ空洞1021内のガス圧を調整することにより)調節され得る。
【0119】
図10は実施形態1000に多くの点で似た一実施形態1200を描写する。実施形態1200は、吸入弁1001及び/又は排出弁1002などの吸入弁及び/又は排出弁の両端上で動作するためのカム機構を含む例示的制御弁操作システムを含む。実施形態1200に関し、弁開放器カム1208及び/又は1214が描写され、同様に弁閉鎖器カム1202及び/又は1206が描写される。実施形態1200では、弁閉鎖器カム1202は力を柔軟プレート1201へ印加し得、柔軟プレート1201は延いては力を吸入弁1001へ印加し得る。弁開放器カム1214はまた、弁閉鎖器カム1202により印可されるものと実質的に反対の力を吸入弁1001へ印加し得る。一実施形態では、弁開放器カム1214は吸入弁1001を開く及び/又は閉じるために弁閉鎖器カム1202と呼応して動作し得る。同様に、弁閉鎖器カム1206は力を柔軟プレート1207へ印加し得、柔軟プレート1207は延いては力を排出弁1002へ印加し得る。弁開放器カム1208はまた、弁閉鎖器カム1206により印可されるものと実質的に反対の力を排出弁1002へ印加し得る。一実施形態では、弁開放器カム1208は排出弁1002を開く及び/又は閉じるために弁閉鎖器カム1206と呼応して動作し得る。弁開放器カム1208及び/又は1214及び/又は弁閉鎖器カム1202及び/又は1206を含む実施形態1200は例えばバネ-コイル型弁バネ及び/又は空気圧弁バネの必要性を取り除き得る。
【0120】
幾つかの特定実装形態では、油圧系及び/又は他の機構及び/又は材料が、実施形態1200などの弁操作システム内の寸法変動を制御するために及び/又は弁閉鎖力を制御するのを助けるために利用され得る。例えば、実施形態1200などの弁操作システムは、弁操作システム内の緩みを低減及び/又は実質的に削除するために油圧弁持ち上げ器及び/又は他の好適な機構と同様なデバイスを含み得る。例えば、実施形態1200の特定実装形態は他のデスモドロミック(desmodromic)弁操作システムと比較して雑音を低減し得る。「デスモドロミック弁」は、対応する様々な制御機構を介し様々な方向に作動される弁を指す。例えば、内燃エンジン内のデスモドロミック弁はバネよりむしろカム及び/又は梃子機構により積極的に閉じられ得る。
【0121】
幾つかの特定実装形態では、弁システムの一部として実装され得る油圧弁持ち上げ器に少なくとも幾つかの点で似たデバイスは膨張行程中に印可される比較的高い油圧を有し得る。特定実装形態では、例えば、圧力生成及び/又は送達システムはディーゼルエンジン内に実装され得る直接燃料噴射システムに少なくとも幾つかの点で似得る。一実装形態では、例えば、デスモドロミック弁作動を含んでも含まなくてもよい弁システムは燃焼室が膨張行程中の加圧下に在る時に印可され得る調整可能閉鎖力を有し得る。例えば、弁を閉じた状態に保持するために利用される油圧は燃焼室圧の変動を引き起こし得るものと同様な要因に応じて及び/又は他の性能パラメータに応じて変更され得る。
【0122】
図7~10に描写される例示的実施形態1000、1100及び/又は1200などのいくつかの実施形態は或る範囲の恐らく有利な特徴を提供し得る。例えば、特定実装形態は前述のように比較的高い吸入比及び/又は排出比を提供し得る。また、特定実装形態は、いかなるヘッドガスケットやヘッド-シリンダブロック継手も利用しなくてもよい、及び/又はヘッドガスケット及び/又はヘッド-シリンダブロック継手を実際に取り込む少なくともいくつかの他の内燃エンジンタイプと比較して単純化された鋳造、機械加工、及び/又は組み立てを利用し得る。従って、例えば、燃焼室1070などの燃焼室全体にわたる温度勾配はヘッドガスケット、ガスケット表面、ヘッドボルトなどにより影響を受け得ない。さらに、例えば、ヘッドボルト及び/又はヘッドボルトに関係する他の構造を削除することにより冷却液路の設計及び/又は実装形態が簡略化され得る。吸入路及び/又は排出路の設計及び/又は実装形態が同様に単純化される。例えば、エンジン設計者は、冷却、吸入、排出、潤滑、点火、噴射、主軸受ファスナ、円筒形歪み、温度勾配の突然の変化、及び/又はヘッド-シリンダブロック継手の実装に関係する他の考慮点に関する選択された設計との許容可能量の干渉を有し得るようなヘッドボルトの位置及び/又は設計に関する効果的妥協点を発見することに対処する必要が無い。加えて、
図7~10に描写される例示的実施形態1000、1100及び/又は1200などの実施形態は他のデスモドロミック弁操作システムより頑強であり得る比較的単純化された弁制御機構を提供し得る。
【0123】
図11Aは例示的弁システムの例示的冷却液路の一実施形態1500の正面図の概略図を描写する。実施形態1500は
図7~10に描写される実施形態1000、1100及び/又は1200と同様な多くの特徴を含み得る。しかし、実施形態1500は他の実施形態とは異なる特徴を含み得る。例えば、実施形態1500は、冷却液が通過し得る多くの通路を含み得る。実施形態1500は例えば冷却液路1551、1552及び/又は1553を含み得る。当然ながら、請求される主題は、本明細書において説明及び/又は描写される冷却液路の特定量及び/又は特定構成に関する範囲において制限されない。
【0124】
一実施形態では、冷却液路1551、1552及び/又は1553は吸入口1561及び/又は排出口1562を取り囲み得る及び/又はそうでなければそれに実質的に隣接して配置され得る。冷却液路1551、1552及び/又は1553はまた、例えばシリンダ1510を取り囲み得る及び/又はそうでなければそれに実質的に隣接して配置され得る。さらに、冷却液路1551、1552及び/又は1553は、吸入弁1501及び/又は排出弁1502を取り囲み得る及び/又はそうでなければそれに実質的に隣接して配置され得る。吸入口1561及び/又は排出口1562が実質的直線路を含む特定実装形態に少なくとも部分的に起因して、冷却液路1551、1552及び/又は1553は、ポート1561及び/又は1562を平行にし得る及び/又は取り囲み得る実質的部分を提供しこれにより強化された冷却能力を提供するやり方で実装され得る。
【0125】
特定実装形態では、冷却液路1551、1552及び/又は1553は相互接続され得る及び/又はそうでなければ単一隣接路を含み得る。換言すれば、実施形態1500の冷却液システムは、冷却液路1551、1552及び/又は1553などのいくつかの別個の及び/又は相互接続された通路の観点で説明され得るが、単一隣接路と考えられ得る。例えば、
図11Bは、冷却液路1551、1552及び/又は1553だけでなく吸入口1561及び/又は排出口1562の断面図(
図11Aに示すビュー11B-11B)を描写する実施形態1500の概略図である。
図11Bに描写するように、吸入口1561及び/又は排出口1562は冷却液路1551、1552及び/又は1553により取り囲まれ得る。
【0126】
図11Aを再び参照すると、冷却液路1551は吸入弁1501の冷却を提供するやり方で実装され得る。例えば、冷却液路1551は、吸入弁座1523に対し相対的に極近傍に配置され得る及び/又は1つ又は複数の吸入弁シール1532に対し相対的に極近傍に配置され得。同様に、冷却液路1552は排出弁1502の冷却を提供し得る。例えば、冷却液路1552は排出弁座1524に対し相対的に極近傍に配置され得る及び/又は1つ又は複数の排出弁シール1533に対し相対的極近傍に配置され得る。弁シール1532及び/又は1533に対し相対的に極近傍に冷却液路を実装することにより及び/又は弁座1523及び/又は1524に対し相対的に極近傍に冷却液路を実装することにより、弁シール1532及び/又は1533及び/又は弁座1523及び/又は1524の冷却器動作が生じ得、これにより様々な部品の信頼性及び/又は寿命を増加する。
【0127】
図11Cは、吸入口1561から離れる方向を見た冷却液路1551及び/又は弁1501の断面図(
図11Aに示すビュー11D-11D)を描写する実施形態1500の概略図を描写する。
図11Dは、吸入口1561の方を見た冷却液路1551及び/又は弁1501の断面図(
図11Aに示ビュー11C-11C)を描写する実施形態1500の概略図を描写する。特定実装形態では、そして上述のように、冷却液路1551は吸入弁1501を実質的に取り囲み得る。同様に、
図11C及び/又は11Dでは示さないが、冷却液路1552は排出弁1502を実質的に取り囲み得る。このような実装から生じる潜在的利点は、様々な部品(例えば吸入弁シール1532など)の増加された信頼性及び/又は寿命を生じ得る増加された冷却能力を含み得る。加えて、
図11C及び/又は11Dは特定実装形態に関して弁1501が実質的円状断面を含み得るということを示す。弁1501の特定表面1601はシリンダ1510内の燃焼室を少なくとも部分的に画定し得る。冷却液路1551の隙間1602は例えば吸入口及び/又は排出口のためのシリンダ1510内への窓を提供し得る。さらに、一実施形態では、ピストン1540は弁1501と少なくとも部分的に一致し得る形状を有し得る。ピストン1540の表面1541はさらに、ピストン1540がTDCに近づく及び/又は到達すると燃焼室を画定し得る。加えて、一実施形態では、冷却液路1551はシリンダ壁1511に対し相対的に極近傍に実装され得、これにより、強化された冷却を及び/又はそれから導出される利点を提供する。
【0128】
実施形態1500は例えば単一シリンダブロック及び/又はヘッドとして実装され得る。このような実装形態では、ヘッドガスケット継手の欠落は、シリンダ1510などのシリンダの近傍の改善された温度制御及び/又は改善された温度勾配を提供し得る。さらに、燃焼圧は、このような実装形態において存在しないこのようなシール及び/又はガスケットに少なくとも部分的に起因して、ヘッド-シリンダブロックシールにより制限され得ない。
【0129】
単一シリンダブロック及び/又はヘッド実装形態では、
図7~11Dに関連して上に論述されたものなどの弁は比較的高い排出比を許容し得る。弁座1023、1024、1523及び/又は1524などの弁座は、単一シリンダブロック及び/又はヘッド実装形態のために機械加工する及び/又は組み立てるのが比較的より簡単であり得る。例えば、他の従来の現技術弁システムを有する単一シリンダブロック及び/又はヘッド実装形態は、機械スピンドルを弁ガイド孔によりシリンダ頭内への導入することを含みそして工具ビットを機械スピンドルへ組み込むことをさらに含む比較的複雑な手順により機械加工され得る弁座のポケットを含み得る。弁座ポケットはバック座ぐり(back spot face)機械操作と同様にバック機械加工(back-machine)され得る。このような手順は例えば粗切削及び/又は仕上げ切削を含む繰り返し切削を含み得る。さらに、従来の現技術弁による非単一シリンダブロック及び/又はヘッド実装形態の比較的より複雑化された手順に関し、2つ以上の弁座ポケットを同時に機械加工すること及び/又は2つ以上の弁座を同時に設置することは困難であり得る。対照的に、
図11A~11Dなどに描写される例示的単一シリンダブロック及び/又はヘッド実装形態に関して、例えば弁座ポケットの同時機械加工及び/又は弁座の同時組み立てを含む比較的より単純な及び/又は効率的な技術が採用され得る。
【0130】
図12A、12Bは可変圧縮比を提供し得る例示的全行程可変エンジンの一実施形態1800を描写する。例えば、特定実装形態では、全行程可変エンジンの圧縮比は様々なパラメータ(例えば負荷、エンジン速度、及び/又はエンジン性能の1つ又は複数の態様を改善するための大気条件など)に従って及び/又は応じて変化し得る。特定実装形態では、調整可能圧縮比は、
図12Aに描写されるような半速度クランク軸240を駆動し得る歯車キャリヤ1810などの歯車キャリヤを介し少なくとも部分的に提供され得る。特定実装形態では、歯車キャリヤ1810は2:1機械的駆動機構により作動され得るが請求される主題はこの点に関する範囲に制限されない。特定実装形態では、歯車キャリヤ1810は
図12Aに描写するように一次クランク軸主軸受250を中心に枢動し得る。特定実装形態では、中心線255が一次クランク軸主軸受250を中心とする歯車キャリヤ1810の枢軸に応じて移動すると圧縮比の変動が生じ得る。
【0131】
歯車キャリヤ1801を枢動しそして適所に保持するために利用され得るデバイスは
図12A~12Bでは描写されないが、「歯車キャリヤ1810が一次クランク軸主軸受250を中心に枢動すると角度KF(例えば
図1Cに描写される)は特定実装形態に関して歯車列が奇数の歯車を含めば変化し得ない」ということを理解すべきである。さらに、一実装形態では、角度KFは、動力伝達デバイスが最終駆動機構を一次駆動機構と同じ方向に回転させるように実装されれば変化し得ない。可変圧縮比エンジンの特定実装形態は一次クランク軸主軸受250中心線からより有利な枢動点を提供し得る位置まで延びる機械的駆動機構を含み得るということがさらに理解されるべきである。例えば、
図12Bは一次クランク軸主軸受250から歯車キャリヤ枢動点260まで延びる機械的駆動機構1920を含む一実施形態1900を描写する。特定実装形態では、機械的駆動機構1920は歯車キャリヤ枢動点260において1つ又は複数の歯車を作動させ得る。特定実装形態では、歯車キャリヤ1910は、歯車キャリヤ1910が歯車キャリヤ枢動点260を中心に枢動するにつれて角度KF(例えば、
図1Cを参照)を変化させることを回避するために奇数の歯車を含み得る。本明細書の開示を使用することにより、当業者は、一次クランク軸と半速度クランク軸との間の圧縮比及び相対的角度を同時に変更するために上述の歯車キャリヤフレーム内に偶数の歯車を含むことができるようになる。上記歯車キャリヤフレームと同様な枢動可能キャリヤフレームが
図4A~4Fに描写される実施形態500などの全行程可変構成と共に当業者により含まれ得る。また、一実施形態では、当業者は上記論述が傘歯車及び軸駆動配置を含まないということを理解するようになる。
【0132】
絞り弁装置
上に論述されたように、本開示による全行程可変内燃エンジンは1つ又は複数のポペット弁を吸入弁及び/又は排出弁として取り込み得、ここで、ポペット弁は吸入口及び/又は排出口に関する比較的低い制約を生成し得る。内燃エンジンのこのような低侵入弁の例は、2021年4月29日申請の米国特許出願第17/244,565号(参照のためその全体を本明細書に援用する)において示され説明されており、そして本
図9及び
図11Aに描写される。このような低侵入弁を採用する全行程可変内燃エンジンの実装形態では、エンジンは比較的合理化された絞り弁持ち上げ及び持続機構(例えばBMWにより開発されたVALVETRONIC絞り機構など)を使用することにより絞られるように構成され得る。このような絞り弁持ち上げ及び持続機構は、開かれるエンジン吸入弁の距離及び期間を制御することによりエンジンの燃焼室に入る空気の量を制御し得る。
【0133】
改善された代替案として、低侵入弁を採用する本開示の全行程可変内燃エンジンは、他のいくつかの利点の中でも、動作のための低又は零容積真空室を要求するとともにエンジンの製造及び操作を簡単にし得るだけでなく製造コスト及び運転コストも低減し得る新規絞り弁装置を使用することにより、絞られるように構成され得る。
【0134】
比較的低い中度出力中、従来の絞り弁機構を採用するガソリンエンジンエンジンは吸入路の上記参照真空室内で真空を維持しなければならない。この真空を維持するために必要とされる動力は大きいが、本開示の絞り弁装置を採用することにより、真空室は削除又は実質的に削除され得る又はサイズが著しく低減され得、改善された燃料経済性を生じる。
【0135】
図13の実施形態2000は低制約ポペット弁システム及び絞り弁装置2010を取り込む例示的吸入弁を描写する。低制約ポペット弁システムを採用することにより、吸入路1061は、吸入弁2012に到るまでの、吸入弁2012における又はその近くのいかなる障害も取り除かれ得る。その結果、絞り弁装置は、通常は空気吸入系の部品である真空室が削除及び/又は実質的に削除され得るように吸入弁2012において及び/又はその極近傍に配置され得る。付随真空の必要性と共に真空室を削除及び/又は実質的に削除してしまうことで、エンジンの燃料経済性は、現技術において知られた恐らくより複雑で且つより高価な絞り弁持ち上げ及び持続機構の実装形態に関して観測される燃料経済性改善と同様な量だけ改善され得る。
【0136】
特に、実施形態2000は吸入弁2012に隣接する絞り弁装置2010を含む。絞り弁装置2010は絞り弁滑り空洞2016と共に配置される絞り弁滑り本体2014を含み、そして絞り弁滑り本体2014及び絞り弁側空洞2016は、絞り弁滑り本体2014が絞り弁滑り空洞2016内で相互に平行移動し得るように構成される。加えて、絞り弁滑り空洞2016は、絞り弁滑り空洞2016内の絞り弁滑り本体2014の位置が吸入路1061から吸入弁2012への空気流を効果的に計るように、流体連通吸入路1061と吸入弁2012との間に割り込まれそしてそれらと流体連通する。
【0137】
例えば、絞り弁装置は、絞り弁滑り本体の少なくとも1つの末端部の断面形状に対し相補的である断面形状を有する少なくとも1つの末端部を含むように画定された絞り弁滑り空洞を含み得るので、その結果、絞り弁滑り本体と絞り弁滑り空洞間に実質的に気密なシールが存在する。
【0138】
図13に示すように、絞り弁滑り本体2014が絞り弁滑り空洞2016内へ十分に延伸されると、絞り弁滑り本体2014の遠位端2017は絞り弁滑り空洞2016の末端2018に当接する。絞り弁滑り本体2014がこのようにして十分に延伸されると、絞り弁滑り本体2014は全閉位置に在る。絞り弁滑り本体2014が全閉位置に在る場合、絞り弁装置は十分に閉じられたと考えられ得る。絞り弁装置2010は、絞り弁滑り本体2014がその全閉位置に在る場合に絞り弁滑り本体2014が吸入路1061から吸入弁2012内への空気流と最大限に干渉するように構成される。
【0139】
絞り弁滑り本体2014が十分に延伸された(十分に閉じられた)位置に在る場合、絞り弁滑り本体2014は吸入弁2012への空気流と最大限に干渉するが、吸入弁2012へのすべての空気流を必ずしも遮断するとは限らない。絞り弁滑り本体2014が十分に延伸された場合ですら吸入弁2012への最小空気流が以下に論述されるようにエンジンアイドリング(又は低速における動作)を容易にするように維持されるように絞り弁装置2010を構成することが有利であり得る。
【0140】
対照的に、絞り弁滑り本体2014を絞り弁滑り空洞2016内に十分退避させることにより、絞り弁滑り本体2014は
図14に示すように全開位置に到達することになる。絞り弁滑り本体2014がこのようにして十分に退避される場合、絞り弁装置は全開状態であると考えられ得る。絞り弁装置2010は、絞り弁滑り本体2014が全開位置に在る場合に絞り弁滑り本体2014が吸入路1061の開口2024又は吸入弁2012の開口2026を最小限に妨害するように構成されるので、その結果、吸入路1061から吸入弁2012までの空気流は絞り弁滑り本体2014により妨害又は実質的に妨害されない。即ち、全開状態に在ると、絞り弁滑り本体2014のさらなる退避は吸入弁2012への空気流を増加しないことになる。絞り弁装置2010が全開状態であると、これは代替的に「全開」状態である又は「全開絞り」であると呼ばれ得、いずれの場合も、吸入弁2012内への最大空気流に対応するので絞り弁滑り本体2014の全開位置と呼ばれる。
【0141】
絞り弁滑り空洞2016内の絞り弁滑り本体2014の位置をその全閉位置とその全開位置との間で変更することにより、吸入弁2012に入る空気の量が計られ得、エンジンはこれにより絞られる。絞り弁滑り空洞2016内の絞り弁滑り本体2014の位置は例えばソレノイド又は等価機構を介し機載コンピューターにより制御され得る。絞り弁滑り本体2014は絞り弁空洞2016内で連続的やり方又は増分的やり方で平行移動され得る。
【0142】
「絞り弁装置は関連エンジンへの空気吸入を調整する際に効果的である」ということを保証するために、絞り弁滑り本体2014及び絞り弁滑り空洞2016は形状及び/又は幾何学形状が実質的に相補的であるべきである。即ち、絞り弁滑り本体2014が吸入弁2012内への空気流を許容するために十分に引き出されない限り空気が吸入路1061から吸入弁2012へ流れることを実質的に又は本質的に妨げられるように、絞り弁滑り本体2014の外面と絞り弁滑り空洞2016の内面との間は密嵌合状態であるべきである。効率的絞り行為を許容する絞り弁滑り本体の任意の幾何学形状及び絞り弁滑り空洞の相補的幾何学形状は本開示の目的のために満足な幾何学形状である。
【0143】
例えば、絞り弁滑り本体2014は、絞り板又は絞り板部分と相補的であるように寸法決め又は成形されたスロットである絞り弁滑り空洞2016の内で相互に摺動し得る実質的に又は本質的に平坦な絞り板の構成を有し得る又はこの構成を有する平板状部分を含み得る(
図13~16に示すように)。絞り弁滑り本体2014が絞り板である又はこれを含む場合、絞り板は単一シリンダの単一吸入弁に関連付けられ得る、又は単一絞り板は複数の吸入弁及びシリンダへの空気流を同時に絞ることができるように延伸され得る。
【0144】
代替実施形態では、絞り弁滑り本体2014は、絞り弁滑り本体が絞り弁滑り空洞内で相互に摺動し得るように且つ円筒形絞り弁滑り本体と円筒形絞り弁滑り空洞との間に実質的に気密なシールが存在するように、円筒形絞り弁滑り本体と実質的に相補的であるように構成された円筒状部を含み得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、開示された絞り弁装置がアイドル状態又は低速において関連エンジンを効果的に絞る能力は、絞り弁滑り本体2014が絞り弁滑り空洞2016内のその全閉位置又はその近くに在る場合に吸入弁2012内への空気流を強化するように絞り弁滑り本体2014を修正することにより強化され得る。
【0146】
例えば、絞り弁滑り本体2014の遠位端2028は、絞り弁滑り本体2014がその全閉位置又はその近くに在る場合に所定量の空気が凹部を依然として通過し得るように、成形切欠きなどの凹部を画定するよう修正され得る。v字状凹部、半円状凹部、四角凹部などの任意の幾何学形状の凹部がこの目的のために使用され得る。
【0147】
代替的に又は加えて、その遠位端において画定された凹部を有するのではなくむしろ、絞り弁滑り本体2014は、所定流量の空気がこれを介し吸入路1061から吸入弁2012へ通過し得る通路を生成する絞り弁滑り本体2014を貫通する内部隙間を画定し得る。通常、隙間を通る空気の量は、絞り弁滑り本体内の隙間の適切なサイズを選択することにより制御される。隙間(又はオリフィス、又は穴)は任意の好適な断面形状を有し得る。通常、隙間は実質的円形断面形状を有することになるが、絞り弁滑り本体隙間の任意の他の幾何学形状(数ある中でも楕円断面、正方形断面、矩形断面、三角形断面などの)が好適な幾何学形状になり得る。
【0148】
代替的に又は加えて、アイドル又は低速性能は絞り弁滑り本体2014の形状又は構成を修正することにより改善され得る。例えば、流れ修正形状2032が
図15に示すように絞り弁滑り本体の上流側又は面2034上に画定され得る。このような流れ修正形状2032の幾何学形状は、通常は絞り弁滑り本体2014がその全閉位置に又はその近くに(即ちアイドル又は非常に低絞り弁レベルに)在る場合の吸入路1061から吸入弁2012への空気流の1つ又は複数の流れ特性を修正するように選択されるだろう。流れ修正形状2032により修正され得る流れ特性はとりわけ流速及び流量を含み得る。
【0149】
図15、16に示すように、流れ修正形状2032は、絞り弁滑り本体2014が絞り弁滑り空洞2016においてその全閉位置に又はその近くに在る時における吸入路1061及び吸入弁2012間の空気路を効果的に狭める斜面を画定する。しかし、「選択された流れ修正形状が、アイドル又は低絞り弁レベルに在る時の絞り弁装置を通る空気流を望ましいやり方で変更することができる」という条件で多様な構成のうちの任意のものが流れ修正形状2032のために企図され得るということを理解すべきである。
【0150】
図16に示すように、絞り弁滑り空洞2016はさらに、絞り弁滑り本体2014が絞り弁滑り空洞2016内のその全開位置に在るときに絞り弁滑り本体2014の上流側2034の流れ修正形状2032を受け入れるように寸法決め又は構成される成形された隙間2036を画定する。成形された隙間2036の特定形状及び寸法は、成形された隙間が流れ修正形状2032をぴったりとそして相補的やり方で受け入れるように構成されるべきであるので、選択された流れ修正形状2032の特定構成に必然的に依存する。
【0151】
本開示された絞り弁装置絞り弁概念は以前に実装された絞り弁持ち上げ及び持続システムを単純化及び/又は置換及び/又はエミュレート及び/又は改善するために使用され得る。代替的に又は加えて、本明細書において開示された絞り弁概念は例えば絞り弁持ち上げ及び持続を採用するエンジンの性能特性をシミュレートするために採用され得る。絞り弁滑り本体2014は比較的軽量であるように製造され得、そして高いエンジン速度において高速往復運動を必要としないので、吸入弁2012は電子的に操作及び/又は制御され得る。低出力及び/又は低エンジン速度において、絞り弁滑り本体2014は、弁重なりの影響を低減及び/又は削除するように選択されたタイミング及び/又は大きさでもって往復運動され得、これにより、望まれれば及び/又は必要とされれば数ある中でも特に排出物を低減しそしてエンジン効率を改善する。エンジン速度及び/又は出力が増加するにつれ、絞り弁滑り本体2014の往復運動は変更又は修正され得、そして出力要件が十分に高く且つ弁重なりが好ましいと、絞り弁滑り本体2014は望ましければ又は必要とされれば往復運動を完全に停止し得る。次に、絞り弁滑り本体2014は、絞り弁と吸入弁との間の真空室が削除又は実質的に削除されるという追加利点を有する従来の絞り弁のやり方で吸入空気が計られるような位置に配置され得る。
【0152】
「開示された絞り弁装置を採用することにより、比較的低速度における絞り弁滑り本体2014の往復運動が、弁タイミング及び期間変更又は可変弁タイミングの代わりとして実施され得、これにより、同時に開かれる排出及び吸入弁の影響を削除する」ことを理解すべきである。明確にすると、排出及び/又は吸入弁の実際のタイミングは特定ケースでは変化しなくてもよい及び/又は変化する必要がない。当然、開示された主題の実装形態はこれらの点の範囲において制限される必要がない。簡潔に言うと、吸入弁2012が開くと、例えば、絞り弁滑り本体2014はその遠位位置に在るままであり得、排出弁が閉鎖されるまで空気流を効果的に閉鎖する。次に、選択された時刻及び/又はピストン位置及び/又は排出弁位置において、絞り弁滑り本体2014は、絞り弁装置2010が絞り開放要件に基づく及び/又はそれから計算された量だけ開放されるように、選択された量だけ絞り弁滑り空洞2016内で平行移動され得る。吸入弁2012が閉じそして圧縮及び膨張行程が行われると、絞り弁滑り本体2014は、例えば低出力中などに吸入弁が開きそして排出弁が閉じているので、吸入行程中に燃焼室に入る空気流及び/又は吸入路に入る排出ガスを計るための所定位置へ移動し得る。排出弁及びピストン位置に関する絞り弁滑り本体運動の特定タイミングは、例えば数ある中でも特に、次の膨張行程の吸入空気の汚染を削除及び/又は著しく低減するために選択され得る。
【0153】
絞り弁持ち上げ及び持続概念の単純化であることに加えて、本絞り弁概念は、絞り弁滑り本体2014をその全閉位置内へ移動させ、そしてこれによりエンジン燃焼室から吸入路1061を完全に又はほぼ完全に密閉することによるシリンダ非活性化のために採用され得る。開示された絞り弁装置がシリンダ非活性化のために使用される場合、絞り弁滑り本体は、関連シリンダの再活性化のような時間が望まれるまで、この全閉位置に維持され得る。
【0154】
絞り弁概念の本説明はこれらの説明された実施形態に限定されると考えられるべきでない。当業者は、上記絞り弁概念は上記例示されたガソリン動力型エンジンに加えて任意の絞り型内燃ピストンエンジンへ適用され得るということを認識することになる。
【0155】
結論
本明細書で使用される用語「実質的に」は、特徴又は部品が正確に適合する必要がないように、用語により修飾される特定寸法、範囲、形状、概念又は他の態様に多少なりとも一致するということを意味する。例えば、「実質的に円筒形」物体は、同物体が円筒に似ているということを意味するが、真の円筒から1つ又は複数の偏差を有し得る。同様に、用語「約」は、述べられた値の最大10%の偏差(物理的に可能であれば下方及び上方の両方への又はそうでなければ意味のある方向だけの)を指す。用語「本質的に」は機能品質を強調するために本明細書では使用されるが、当該品質を絶対的なものとして必要とするようには意図されていない。例えば、「本質的に」気密であることとして説明されるシールは、期待動作又は条件下で機能的に気密であると考えられ得るが、いかなる可能な測定又は検出の限界内の絶対的意味において必ずしも気密ではない。
【0156】
以上の説明では、請求される主題の様々な態様が説明された。説明の目的のため、量、システム及び/又は構成などの詳細は一例として記載された。他の事例では、周知の特徴は請求される主題を曖昧にしないように省略及び/又は簡略化された。
【0157】
上記開示は独立的有用性を有する複数の別個の例を包含し得る。これらのそれぞれは1つ又は複数の例示的形態において開示されたが、本明細書において論述され示されるその特定実施形態は数多くの変形形態が可能であるので限定的意味で考えられてはならない。章表題が本開示内で使用される限りにおいて、このような表題は編成目的のためだけのものである。本開示の主題は、本明細書において開示される様々な要素、特徴、機能及び/又は特性のすべての新規且つ非自明的組み合わせ及び副組み合わせを含む。以下の請求項は特に、新規且つ非自明的であると見なされるいくつかの組み合わせ及び副組み合わせを指摘する。特徴、機能、要素、及び/又は特性の他の組み合わせ及び副組み合わせは本出願又は関連出願からの優先権を請求する出願において請求され得る。このような請求項もまた、元の請求項に対する範囲においてより広い、より狭い、等しい、又は異なるかにかかわらず、本開示の主題内に含まれるものと見なされる。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非対称的往復運動のためにエンジンシリンダ内で摺動可能に配置されたピストン;並びに一次クランク軸及び半速度クランク軸であって、前記一次クランク軸の速度の1/2における前記半速度クランク軸の回転のために作動可能に係合された、一次クランク軸及び半速度クランク軸を含む全行程可変内燃エンジンであって、
前記一次クランク軸の速度の1/2における前記半速度クランク軸の前記回転は、前記全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個の行程にわたって独立に可変である行程長を生成するように前記ピストンの前記非対称的往復運動を生じる、全行程可変内燃エンジン。
【請求項2】
前記行程長は前記4つの別個の行程のうちの1つ又は複数の行程の対応頂部及び/又は底部死点を変更することを介し独立に可変である、請求項1に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項3】
前記4つの別個の行程の前記対応頂部及び/又は底部死点は圧縮行程の頂部及び/又は底部の圧縮比及び/又はそれぞれの位置に少なくとも部分的に基づき判断される、請求項2に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項4】
排出-吸入頂部死点が圧縮-膨脹頂部死点と同様な位置に配置されなく、前記排出-吸入頂部死点は1つ又は複数の規定判断基準に少なくとも部分的に従って前記圧縮-膨脹頂部死点の上又は下に配置される、請求項3に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項5】
前記エンジンシリンダの頂部の位置は前記圧縮-膨脹頂部死点の位置と圧縮比により割られた前記圧縮行程の長さとの合計に少なくとも部分的に基づく、請求項4に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項6】
近位端及び遠位端を有するとともに前記近位端において前記ピストンへ枢動可能に接続されたピストン棒;
前記遠位端において前記ピストン棒へ枢動可能に接続されるとともに反対端において前記一次クランク軸へ回転可能に接続された一次クランク軸棒;並びに
前記遠位端において前記ピストン棒へ枢動可能に接続されるとともに反対端において前記半速度クランク軸へ回転可能に接続される半速度循環棒であって、前記一次クランク軸及び前記半速度クランク軸は、前記一次クランク軸の前記速度の1/2における前記半速度クランク軸の前記回転のために作動可能に係合されるように平行軸上に取り付けられる、半速度循環棒、をさらに含む、請求項1に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項7】
前記半速度クランク軸は、一端において前記半速度クランク軸へ回転可能に及び/又は枢動可能に接続される及び/又はそのそれぞれの遠位端において前記ピストン棒と前記一次クランク軸棒との接続部へ又はその近くに回転可能に及び/又は枢動可能に接続される機構及び/又は装置により、前記ピストン棒及び前記一次クランク軸棒の前記遠位端それぞれにおいて前記ピストン棒と前記一次クランク軸棒との接続部へ又はその近くへ枢動可能に及び/又は回転可能に接続される、請求項6に記載の全行程可変内燃エンジン。
【請求項8】
前記半速度クランク軸とピストンロッド/一次クランク軸ロッド接続部との間に作動可能に結合された第2の駆動システムをさらに含む、請求項6に記載の全行程可変内燃エンジンであって、
前記半速度クランク軸及び/又は前記第2の駆動システムの位置は、前記全行程可変内燃エンジンの全サイクルの4つの別個の行程全体にわたりエンジンシリンダ内に摺動可能に配置されたピストンの非対称的往復運動のための前記一次クランク軸に対するタイミングを少なくとも部分的に提供する、全行程可変内燃エンジン。
【請求項9】
シリンダ内で相互に移動する少なくとも1つのピストンを動作中に含む内燃エンジン
;並びに前記ピストンの頂面、前記シリンダ、及びシリンダ頭の内面;により少なくとも部分的に画定された燃焼室内への侵入無く動作する1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁を含む弁システムを含む装置であって;前記ピストンが排出行程の端に到達すると、前記ピストンの前記頂面は、実質的にすべての排出ガスが前記シリンダから押し出されるように前記シリンダ頭の前記内面とほぼぴったり重なる、装置。
【請求項10】
前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁は実質的にカップ状弁頭を個々に含み、弁柄をさらに含み、前記実質的にカップ状弁頭は実質的に平坦な部分と実質的に円筒状部とを含み、前記実質的に平坦な部分は前記実質的に円筒状部の第1の端へ固定され、前記弁柄は前記平坦な部分の第1の表面へ固定される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記弁システムは弁作化が押しだけによるようにデスモドロミック弁作化をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記弁システムは前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁の両端の動作に影響を与える第1及び第2のカム軸をさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のカム軸は前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁を開くために前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁の動作に影響を与え、前記第2のカム軸は前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁を閉じるために前記1つ又は複数の吸入弁及び/又は排出弁の動作に影響を与える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1のクランク軸を中心に固定された駆動歯車;
第2のクランク軸を中心に固定された被駆動歯車であって、前記被駆動歯車は前記駆動歯車と係合するように構成され、前記被駆動歯車は2つ以上の駆動棒を1つ又は複数の駆動クランク軸を介し駆動するように構成され、前記2つ以上の駆動棒は1つ又は複数の被駆動クランク軸を介し1つ又は複数のカム軸を駆動するように構成される、被駆動歯車;及び
前記第1のクランク軸を中心に枢動する枢動可能キャリヤフレームであって、前記被駆動歯車及び/又は前記1つ又は複数のカム軸駆動クランク軸の少なくとも1つは、1ユニットとして前記枢動可能キャリヤフレーム内で回転するように構成されるように前記枢動可能キャリヤフレームへ回転可能に取り付けられるように構成される、枢動可能キャリヤフレーム、を含む内燃エンジンの駆動システム。
【請求項15】
前記枢動可能キャリヤフレームは前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の1つ又は複数の部品の1つ又は複数の寸法偏差を補正するために前記第1のクランク軸を中心に動的に枢動するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項16】
前記枢動可能キャリヤフレームは、前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の1つ又は複数の部品の前記1つ又は複数の寸法偏差の前記補正を少なくとも部分的に介し雑音、振動及び/又はハーシュネスを低減するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項17】
前記枢動可能キャリヤフレームは、前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の前記1つ又は複数の部品の製造及び/又は組み立て偏差から生じる1つ又は複数の寸法偏差、又は前記内燃エンジンの及び/又は前記駆動システム内の前記1つ又は複数の部品の熱膨張及び/又は収縮から生じる1つ又は複数の寸法偏差、又はそれらの組み合わせを補正するために前記第1のクランク軸を中心に動的に枢動するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項18】
前記枢動可能キャリヤフレームは、前記1つ又は複数の駆動クランク軸、前記1つ又は複数の被駆動クランク軸、又は前記2つ以上の駆動棒の1つ又は複数の寸法偏差、又はそれらの組み合わせを補正するために前記第1のクランク軸を中心に動的に枢動するように構成される、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項19】
前記1つ又は複数の駆動クランク軸と前記1つ又は複数の被駆動クランク軸との間に接続された1つ又は複数のディスタンス棒をさらに含む、請求項14に記載の内燃エンジンの駆動システムであって、前記1つ又は複数のディスタンス棒は、前記1つ又は複数の駆動クランク軸のそれぞれの中心線と前記1つ又は複数の被駆動クランク軸のそれぞれの中心線との間の近似距離を維持するように構成される、内燃エンジンの駆動システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の駆動クランク軸は2スロー以上駆動クランク軸を含み、前記1つ又は複数の被駆動クランク軸は2スロー以上被駆動クランク軸を含む、請求項19に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項21】
前記2スロー以上駆動クランク軸のそれぞれのスロー及び/又は前記2スロー以上被駆動クランク軸のそれぞれのスロー間の分離の角度は近似的に等しく、前記2以上スロー駆動クランク軸の前記それぞれのスローは長さが近似的に等しく、前記2スロー以上被駆動クランク軸の前記それぞれのスローは長さが近似的に等しい、請求項20に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項22】
前記2以上駆動棒は少なくとも1つの第1の駆動棒及び第2の駆動棒を含み、
前記2スロー以上駆動クランク軸は2スロー駆動クランク軸を含み、
前記2スロー以上被駆動クランク軸は2スロー被駆動クランク軸を含み、
前記第1の駆動棒の第1の端は前記2スロー駆動クランク軸の第1のスローへ回転可能に取り付けられ、
前記第1の駆動棒の第2の端は前記2スロー被駆動クランク軸の第1のスローへ回転可能に取り付けられ、
前記第2の駆動棒の第1の端は前記2スロー駆動クランク軸の第2のスローへ回転可能に取り付けられ、
前記第2の駆動棒の第2の端は前記2スロー被駆動クランク軸の第2のスローへ回転可能に取り付けられる、請求項20に記載の内燃エンジンの駆動システム。
【請求項23】
絞り弁滑り空洞内に配置された絞り弁滑り本体を含む絞り弁装置であって、
前記絞り弁滑り空洞は無障害空気吸入路及び内燃エンジンの吸入弁の両方間に画定されるとともにそれらと流体連通され;
前記絞り弁滑り本体は、前記空気吸入路から前記吸入弁への空気流が前記絞り弁滑り空洞内の前記絞り弁滑り本体の往復運動により調整される
ように前記絞り弁滑り空洞内に配置され;
前記絞り弁装置は前記吸入弁のすぐ隣に配置され、これにより前記絞り弁装置と前記吸入弁との間の真空室を実質的に削減する、装置。
【請求項24】
前記絞り弁滑り空洞は、前記絞り弁滑り本体と前記絞り弁滑り空洞間に実質的に気密なシールが存在するように、前記絞り弁滑り本体の断面形状に対し相補的である断面形状を有する末端部を含む、請求項25に記載の絞り弁装置。
【請求項25】
前記絞り弁滑り本体は前記絞り弁滑り本体の上流側に流れ修正形状を含む、請求項26に記載の絞り弁装置。
【請求項26】
前記流れ修正形状は前記空気吸入路から前記吸入弁への及び従って前記内燃エンジンの燃焼室への前記空気流の流れ特性を変更するように構成される、請求項27に記載の絞り弁装置。
【請求項27】
無障害空気吸入路;燃焼室の吸入弁;及び絞り弁装置を含む内燃エンジンであって、前記絞り弁装置は:
前記無障害空気吸入路及び前記吸入弁の両方間に画定されるとともにそれらと流体連通された絞り弁滑り空洞;
前記絞り弁滑り空洞内の絞り弁滑り本体の往復運動が前記空気吸入路から前記吸入弁への空気流を計るように前記絞り弁滑り空洞内に配置された絞り弁滑り本体を含
み、
前記絞り弁装置は前記吸入弁のすぐ隣に配置され、これにより前記絞り弁装置と前記吸入弁との間の真空室を実質的に削減する、内燃エンジン。
【請求項28】
内燃エンジンを絞る方法であって、前記方法は、
絞り弁装置を前記内燃エンジンの無障害空気吸入路と吸入弁との間に配置することであって;
前記絞り弁装置は前記吸入弁のすぐ隣に配置され、これにより前記絞り弁装置と前記吸入弁との間の真空室を実質的に削減するようにされ;
前記絞り弁装置は、前記無障害空気吸入路及び前記吸入弁の両方の間に及びそれらと流体連通された絞り弁滑り空洞;並びに前記絞り弁滑り空洞内の絞り弁滑り本体の往復運動が前記空気吸入路から前記吸入弁への空気流を計るように前記絞り弁滑り空洞内に配置された絞り弁滑り本体を含む、配置すること:
前記空気流を増加するために前記絞り弁滑り空洞内で前記絞り弁滑り本体を退避させること;及び
前記空気流を低減するために前記絞り弁滑り空洞内で前記絞り弁滑り本体を延伸すること、を含む方法。
【国際調査報告】