(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(54)【発明の名称】整形外科用装置のための双方向空圧インパクタ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/92 20060101AFI20231214BHJP
B25D 9/26 20060101ALI20231214BHJP
B25D 17/04 20060101ALI20231214BHJP
B25D 9/04 20060101ALI20231214BHJP
B25D 9/18 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61B17/92
B25D9/26
B25D17/04
B25D9/04
B25D9/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560245
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021063062
(87)【国際公開番号】W WO2022132626
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523220190
【氏名又は名称】モクシー・メディカル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス,ジョシュア・ダブリュー
【テーマコード(参考)】
2D058
4C160
【Fターム(参考)】
2D058AA15
2D058BB06
2D058CA03
2D058CB04
2D058CC26
2D058CC28
4C160LL00
(57)【要約】
物体に衝撃力を与えるための双方向空圧インパクタ(20、120、120A)。本インパクタは、少なくとも1つの把持部材(24、124)を有する支持構造体(22、122)と、ピストン軸線(34、134)に沿って往復運動可能なピストン(32、132)とを含む。支持構造体と結合され、加圧空気の供給部(38)に接続されるように構成される圧力制御システム(36、136)。圧力制御システムは、往復運動の一方または両方の端部で強力な衝撃を生成するためにピストンをピストン軸線に沿って往復運動させる。支持構造体に配置された衝撃伝達アセンブリ(50、150)は、物体と結合されるように構成され、それによって、衝撃伝達アセンブリは、衝撃力を推進方向および/または引込み方向に物体に伝達する。制御スプール(160)は、ピストンシリンダへの加圧空気の供給を制御するために使用することができる。衝撃伝達アセンブリは、ピストンを通って軸方向に延在するハンマーピン(100)を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(48、210)に衝撃力を与えるための双方向空圧インパクタ(20、120、120A)であって、
ピストンシリンダ(31、131)および少なくとも1つの把持部材(24、124)を画定する支持構造体(22、122)であって、前記少なくとも1つの把持部材(24、124)によって、使用者が前記支持構造体を手で把持することができる、支持構造体と、
前記ピストンシリンダ内でピストン軸線(34、134)に沿って往復運動可能なピストン(32、132)と、
前記ピストンシリンダと結合され、加圧ガスの供給部に接続されるように構成された圧力制御システム(36、136)であって、前記ピストン軸線に沿って前記ピストンを往復運動させるように構成された圧力制御システムと、
前記支持構造体に配置され、前記物体と結合されるように構成され、それによって、前記ピストンによって生成された衝撃力を前記物体に伝達する衝撃伝達アセンブリ(50、150)と
を備え、
前記空圧インパクタは、推進モードと引込みモードとの間で選択的に切換え可能であり、
前記推進モードでは、前記ピストンが前記往復運動の第1の端部で強力な衝撃を生成し、前記衝撃伝達アセンブリが前記往復運動の前記第1の端部で生成された衝撃力を前記物体に伝達し、
前記引込みモードでは、前記ピストンが前記第1の端部とは反対側の前記往復運動の第2の端部で強力な衝撃を生成し、前記衝撃伝達アセンブリが前記往復運動の前記第2の端部で生成された衝撃力を前記物体に伝達する、
空圧インパクタ。
【請求項2】
前記空圧インパクタ(120、120A)は、前記衝撃伝達アセンブリ(150)を選択的に構成することによって前記推進モードと前記引込みモードとの間で選択的に切換え可能であり、
前記衝撃伝達アセンブリが細長いハンマーピン(100)を含み、
前記ハンマーピンが前記ピストン(132)および前記支持構造体(122)に対して軸方向に移動可能であり、
前記ハンマーピンが第1の衝撃面(102)および第2の衝撃面(104)を含み、
前記第1の衝撃面と前記第2の衝撃面が反対の軸方向を向き、
前記ピストンが、前記ハンマーピンに第1の軸方向に衝撃力を与えるように前記第1の衝撃面と係合可能であり、
前記ピストンが、前記ハンマーピンに反対の第2の軸方向に衝撃力を与えるように前記第2の衝撃面と係合可能であり、
前記ハンマーピンが、前記第1の衝撃面および前記第2の衝撃面のうちの前記第1の衝撃面(102)のみが前記ピストンによって係合可能である第1の軸方向位置と、前記第1の衝撃面および前記第2の衝撃面のうちの前記第2の衝撃面(104)のみが前記ピストンによって係合可能である第2の軸方向位置との間で、前記ハウジングに対して軸方向に移動可能である、
請求項1に記載の空圧インパクタ。
【請求項3】
前記ピストン(132)が軸方向に延在する中央開口(186)を画定し、
前記細長いハンマーピン(100)が、前記ピストンの前記中央開口を通って延在し、
前記ピストンが、前記ハンマーピン上を摺動可能に往復運動し、
前記ハンマーピンの前記第1の衝撃面(102)および前記第2の衝撃面(104)が、反対側にある前記ピストンの第1の軸方向端部および第2の軸方向端部に配置される、
請求項2に記載の空圧インパクタ。
【請求項4】
前記ハンマーピンが、前記支持構造体から突出し前記物体と結合されるように構成された、軸方向に延在する端部(112)を有する、
請求項3に記載の空圧インパクタ。
【請求項5】
前記ピストンの前記第1の軸方向端部において、前記ピストンが、前記ハンマーピンが前記第1の軸方向位置にあるときに前記第1の衝撃面(102)と係合可能な第1の軸方向外向きの接触面(191)を画定し、
第1の軸方向外向きのピストン面(189)が、前記ハンマーピンが前記第2の軸方向位置にあるときに前記支持構造体と係合可能であり、
前記ピストンの前記第2の軸方向端部において、前記ピストンが、前記ハンマーピンが前記第2の軸方向位置にあるときに前記第2の衝撃面(104)と係合可能な第2の軸方向外向きの接触面(191)を画定し、
第2の軸方向外向きのピストン面(189)が、前記ハンマーピンが前記第1の軸方向位置にあるときに前記支持構造体と係合可能である、
請求項4に記載の空圧インパクタ。
【請求項6】
前記圧力制御システム(136)が、スプールシリンダ(162)内に摺動可能に配置された制御スプール(160)を含み、
前記制御スプールが、前記ピストンシリンダ(131)への加圧ガスの供給を制御して、それによって前記ピストン(132)の往復運動を生成する、
請求項3に記載の空圧インパクタ。
【請求項7】
前記ピストンが、前記ピストンシリンダを4つの別々の圧力チャンバ(179、181、183、185)に分割する、軸方向に間隔を空けて配置された3つのピストンヘッド(180、182、184)を含み、
前記ピストンシリンダが少なくとも1つのピストン通気通路(146)を画定し、
少なくとも1つのスプール通気通路(144、145)が前記スプールシリンダ(162)と連通しており、
前記ピストンが前記ピストンシリンダの近位部分に配置され前記スプールが前記スプールシリンダ内で第1のスプール位置に配置された第1のピストン位置において、2つの最も近位の前記ピストンチャンバが加圧ガスを供給され、
2つの最も遠位の前記ピストンチャンバが、前記少なくとも1つのピストン通気通路および前記少なくとも1つのスプール通気通路を通じて大気に通気され、
前記スプールシリンダ内の加圧空気が前記スプールを第2のスプール位置に向かって付勢し、
前記ピストンが前記ピストンシリンダの遠位部分に配置され前記スプールが第2のスプール位置に配置された第2のピストン位置において、2つの最も遠位の前記ピストンチャンバが加圧ガスを供給され、
2つの最も近位の前記ピストンチャンバが、前記少なくとも1つのピストン通気通路および前記少なくとも1つのスプール通気通路を通じて大気に通気され、
前記スプールシリンダ内の加圧空気が前記スプールを前記第1のスプール位置に向かって付勢する、
請求項6に記載の空圧インパクタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのスプール通気通路が2つのスプール通気通路(144、145)の形態をとり、
前記スプールが、前記第1のスプール位置で、前記スプール通気通路の1つを通る空気の通気を妨げ、前記第2のスプール位置で、スプール通気通路の他の1つを通る空気の通気を妨げる、
請求項7に記載の空圧インパクタ。
【請求項9】
前記ハンマーピンが、前記支持構造体から突出し前記物体と結合されるように構成された、軸方向に延在する端部(112)を有し、
前記ピストンの前記第1の軸方向端部において、前記ピストンが、前記ハンマーピンが前記第1の軸方向位置にあるときに前記第1の衝撃面(102)と係合可能な第1の軸方向外向きの接触面(191)を画定し、
第1の軸方向外向きのピストン面(189)が、前記ハンマーピンが前記第2の軸方向位置にあるときに前記支持構造体と係合可能であり、
前記ピストンの前記第2の軸方向端部において、前記ピストンが、前記ハンマーピンが前記第2の軸方向位置にあるときに前記第2の衝撃面(104)と係合可能な第2の軸方向外向きの接触面(191)を画定し、
第2の軸方向外向きのピストン面(189)が、前記ハンマーピンが前記第1の軸方向位置にあるときに前記支持構造体と係合可能である、
請求項8に記載の空圧インパクタ。
【請求項10】
前記ピストンに作用する前記ガスの圧力を調整するための使用者調節可能な圧力調整弁(126)をさらに備える、
請求項1から9のいずれか一項に記載の空圧インパクタ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの把持部材(24、124)が、第1の把持部材および第2の把持部材を備え、
前記ピストン軸線(34、134)が、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材との間に対称的に配置された、
請求項1から9のいずれか一項に記載の空圧インパクタ。
【請求項12】
前記衝撃伝達アセンブリ(50、150)が、少なくとも1つの打撃面(52、203)および少なくとも1つの引張面(62、209)を含み、
前記少なくとも1つの打撃面が第1の軸方向を向き、
前記少なくとも1つの引張面が前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向を向く、
請求項1から9のいずれか一項に記載の空圧インパクタ。
【請求項13】
前記衝撃伝達アセンブリが、クイックリリースチャック(200)を含み、
前記少なくとも1つの打撃面(203)および前記少なくとも1つの引張面(209)が前記チャックによって画定される、
請求項12に記載の空圧インパクタ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの打撃面(52)が打撃部材(54)によって画定され、
前記打撃面が、前記ピストン軸線(34)と直角に交差する平面を形成し、
前記衝撃伝達アセンブリが、前記打撃面の周りに周方向に対称的に配置された複数のラッチ(60)をさらに備え、
前記少なくとも1つの引張面が複数の引張面(62)を含み、
前記複数のラッチのそれぞれが前記複数の引張面の1つを画定し、
前記複数のラッチのそれぞれが、非係合位置と係合位置との間で移動可能であり、
前記複数のラッチが前記非係合位置にあるとき、前記複数のラッチが、前記物体が前記打撃面と係合することを可能にし、
前記複数のラッチが、前記物体が前記打撃面に係合している前記係合位置にあるとき、前記複数のラッチのそれぞれが、前記物体を前記複数の引張面の対応する1つに係合させ、それによって前記物体を前記打撃部材と前記複数のラッチとの間に固定する、
請求項12に記載の空圧インパクタ。
【請求項15】
前記空圧インパクタ(20)は、前記圧力制御システムを選択的に構成することによって前記推進モードと前記引込みモードとの間で選択的に切換え可能であり、
前記空圧インパクタは、
前記往復運動の前記第1の端部で前記ピストンに付勢力を及ぼす第1のばね(86)と、
前記往復運動の前記第2の端部で前記ピストンに付勢力を及ぼす第2のばね(84)と
をさらに備え、
前記衝撃伝達アセンブリ(50)が、前記往復運動の前記第1の端部に近接して配置され、前記空圧インパクタが前記推進モードのときに、前記ピストンからの衝撃力を吸収し、
前記支持構造体が、前記往復運動の前記第2の端部の近傍から前記衝撃伝達アセンブリまで延在し、前記空圧インパクタが前記引込みモードのときに、衝撃力を前記衝撃伝達アセンブリに伝達する剛性の高いハウジング部材(26)を含む、
請求項1に記載の空圧インパクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001]本出願は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2020年12月15日に「BI-DIRECTIONAL PNEUMATIC IMPCTOR FOR ORTHOPEDIC DEVICES」という名称で出願した米国仮特許出願第63/125,567号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本開示は、外科用の移植片およびハードウェアの埋込みおよび/または取外しに有用な外科用器具に関する。
【0003】
[0003]整形外科用の移植片を埋め込む、または取り外すとき、整形外科用の移植片に直接、または移植片に取り付けられた二次構造物を通じて一連の衝撃を加える必要があることが多い。いくつかの状況では、大工が一般的なハンマーを使って釘に衝撃を加えるのと同じように、外科医がマレットを使ってこのような衝撃を生成することができる。
【0004】
[0004]このような衝撃を加える際に外科医を補助するための様々な追加のツールも開発されている。しかしながら、整形外科用の移植片の埋込みおよび/または取外しに使用することができる改良されたインパクタに対する必要性は依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示は、整形外科用の移植片の埋込みおよび取外しの両方に使用することができる双方向空圧インパクタを提供する。
【0006】
[0006]本発明は、1つの形態では、ピストンシリンダおよび少なくとも1つの把持部材を画定する支持構造体であって、少なくとも1つの把持部材によって、使用者が支持構造体を手で把持することができる、支持構造体と、ピストンシリンダ内でピストン軸線に沿って往復運動可能なピストンと、ピストンシリンダと結合され、加圧ガスの供給部に接続されるように構成された圧力制御システムであって、ピストン軸線に沿ってピストンを往復運動させるように構成された圧力制御システムと、支持構造体に配置され、物体と結合されるように構成され、それによって、ピストンによって生成された衝撃力を物体に伝達する衝撃伝達アセンブリとを含む、物体に衝撃力を与えるための双方向空圧インパクタを含み、空圧インパクタは、推進モードと引込みモードとの間で選択的に切換え可能であり、推進モードでは、ピストンは往復運動の第1の端部で強力な衝撃を生成し、衝撃伝達アセンブリは往復運動の第1の端部で生成された衝撃力を物体に伝達し、引込みモードでは、ピストンは第1の端部とは反対側の往復運動の第2の端部で強力な衝撃を生成し、衝撃伝達アセンブリは往復運動の第2の端部で生成された衝撃力を物体に伝達する。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、空圧インパクタは、ピストンが動く距離を調節する使用者調節可能な機構、または、ピストンに作用するガスの圧力を調節する使用者調節可能な圧力調整弁をさらに含み、どちらかが衝撃時のピストンの速度を調節し、それによって衝撃の力を調節する。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、空圧インパクタは、圧力制御システムを選択的に構成することによって推進モードと引込みモードとの間で選択的に切換え可能であり、空圧インパクタは、往復運動の第1の端部でピストンに付勢力を及ぼす第1のばねと、往復運動の第2の端部でピストンに付勢力を及ぼす第2のばねとをさらに含む。
【0009】
[0009]選択的に構成可能な圧力制御システムを有するこのような実施形態では、衝撃伝達アセンブリは、往復運動の第1の端部に近接して配置され、空圧インパクタが推進モードのときに、ピストンからの衝撃力を吸収し、支持構造体は、往復運動の第2の端部の近傍から衝撃伝達アセンブリまで延在し、空圧インパクタが引込みモードのときに、衝撃力を衝撃伝達アセンブリに伝達する剛性の高いハウジング部材を含んでもよい。
【0010】
[0010]他の実施形態では、空圧インパクタは、衝撃伝達アセンブリを選択的に構成することによって推進モードと引込みモードとの間で選択的に切換え可能であり、衝撃伝達アセンブリは細長いハンマーピンを含み、ハンマーピンはピストンおよび支持構造体に対して軸方向に移動可能であり、ハンマーピンは第1の衝撃面および第2の衝撃面を含み、第1の衝撃面と第2の衝撃面は反対の軸方向を向き、ピストンは、ハンマーピンに第1の軸方向に衝撃力を与えるように第1の衝撃面と係合可能であり、ピストンは、ハンマーピンに反対の第2の軸方向に衝撃力を与えるように第2の衝撃面と係合可能であり、ハンマーピンは、第1の衝撃面および第2の衝撃面のうちの第1の衝撃面のみがピストンによって係合可能である第1の軸方向位置と、第1の衝撃面および上記第2の衝撃面のうちの第2の衝撃面のみがピストンによって係合可能である第2の軸方向位置との間でハウジングに対して軸方向に移動可能である。
【0011】
[0011]ハンマーピンを有するこのような実施形態では、ピストンは軸方向に延在する中央開口を画定してもよく、細長いハンマーピンは、ピストンの中央開口を通って延在し、ピストンは、ハンマーピン上を摺動可能に往復運動し、ハンマーピンの第1の衝撃面および第2の衝撃面は、反対側にあるピストンの第1の軸方向端部および第2の軸方向端部に配置される。
【0012】
[0012]ハンマーピンを有する実施形態では、ハンマーピンは、支持構造体から突出し物体と結合されるように構成された、軸方向に延在する端部を有してもよい。
【0013】
[0013]ハンマーピンを有する実施形態では、ピストンは、ピストンの第1の軸方向端部において、ピストンが、ハンマーピンが第1の軸方向位置にあるときに第1の衝撃面と係合可能な第1の軸方向外向きの接触面を画定し、第1の軸方向外向きのピストン面が、ハンマーピンが第2の軸方向位置にあるときに支持構造体と係合可能であり、ピストンの第2の軸方向端部において、ピストンが、ハンマーピンが第2の軸方向位置にあるときに第2の衝撃面と係合可能な第2の軸方向外向きの接触面を画定し、第2の軸方向外向きのピストン面が、ハンマーピンが第1の軸方向位置にあるときに支持構造体と係合可能であるように構成されてもよい。
【0014】
[0014]空圧インパクタのいくつかの実施形態では、圧力制御システムは、スプールシリンダ内に摺動可能に配置された制御スプールを含み、制御スプールは、ピストンシリンダへの加圧ガスの供給を制御して、それによってピストンの往復運動を生成する。
【0015】
[0015]制御スプールを有するこのような実施形態では、ピストンは、ピストンシリンダを4つの別々の圧力チャンバに分割する、軸方向に間隔を空けて配置された3つのピストンヘッドを含んでもよく、ピストンシリンダは少なくとも1つのピストン通気通路を画定し、少なくとも1つのスプール通気通路はスプールシリンダと連通しており、ピストンがピストンシリンダの近位部分に配置されスプールがスプールシリンダ内で第1のスプール位置に配置された第1のピストン位置において、2つの最も近位のピストンチャンバは加圧ガスを供給され、2つの最も遠位のピストンチャンバは、少なくとも1つのピストン通気通路および少なくとも1つのスプール通気通路を通じて大気に通気され、スプールシリンダ内の加圧空気はスプールを第2のスプール位置に向かって付勢し、ピストンがピストンシリンダの遠位部分に配置されスプールが第2のスプール位置に配置された第2のピストン位置において、2つの最も遠位のピストンチャンバは加圧ガスを供給され、2つの最も近位のピストンチャンバは、少なくとも1つのピストン通気通路および少なくとも1つのスプール通気通路を通じて大気に通気され、スプールシリンダ内の加圧空気はスプールを第1のスプール位置に向かって付勢する。このような実施形態では、少なくとも1つのスプール通気通路は2つのスプール通気通路の形態をとり、スプールは、第1のスプール位置で、スプール通気通路の1つを通る空気の通気を妨げ、第2のスプール位置で、スプール通気通路の他の1つを通る空気の通気を妨げる。
【0016】
[0016]上記で説明した実施形態のいずれかでは、空圧インパクタは、ピストンに作用するガスの圧力を調整するための使用者調節可能な圧力弁を備えてもよい。
【0017】
[0017]上記で説明した実施形態のいずれかでは、空圧インパクタは、少なくとも1つの打撃面および少なくとも1つの引張面を含む衝撃伝達アセンブリを含んでもよく、少なくとも1つの打撃面は第1の軸方向を向き、少なくとも1つの引張面は第1の軸方向と反対の第2の軸方向を向く。
【0018】
[0018]このような打撃面および引張面を有する実施形態では、打撃面および引張面はクイックリリースチャックアセンブリによって画定されてもよい。代替の実施形態では、打撃面は打撃部材によって画定されてもよく、打撃面は、ピストン軸線と直角に交差する平面を形成し、衝撃伝達アセンブリは、打撃面の周りに周方向に対称的に配置された複数のラッチを含み、少なくとも1つの引張面は複数の引張面によって形成され、複数のラッチのそれぞれは複数の引張面の1つを画定し、複数のラッチのそれぞれは、非係合位置と係合位置との間で移動可能であり、複数のラッチが非係合位置にあるとき、複数のラッチは、物体が打撃面と係合することを可能にし、複数のラッチが、物体が打撃面に係合している係合位置にあるとき、複数のラッチのそれぞれは、物体を複数の引張面の対応する1つに係合させ、それによって物体を打撃部材と複数のラッチとの間に固定する。
【0019】
[0019]上記の実施形態のいずれかでは、少なくとも1つの把持部材は、第1の把持部材および第2の把持部材の形態をとってもよく、ピストン軸線は、第1の把持部材と第2の把持部材との間に対称的に配置される。ピストンはまた、支持構造体の細長い中央ハウジング部材内に配置され、細長いハウジング部材は、反対側にある中央ハウジング部材の第1の端部と第2の端部との間でピストン軸線と平行に延在し、第1の把持部材と第2の把持部材は、中央ハウジング部材の両側に配置され、反対側にある中央部材の第1の端部と第2の端部との間に軸方向に配置される。
【0020】
[0020]この発明の上述の特徴および他の特徴、ならびにそれらを達成する態様は、添付の図面と併せて読まれる本発明の実施形態の以下の説明を参照することによってより明らかになり、本発明自体がよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】[0021]双方向空圧インパクタの第1の実施形態の前面図である。
【
図2】[0022]第1の実施形態の斜視図である。
【
図3】[0023]第1の実施形態の別の前面図である。
【
図4】[0024]第1の実施形態の側面図である。
【
図5】[0025]第1の実施形態の概略図である。
【
図6】[0026]双方向空圧インパクタの第2の実施形態の斜視図である。
【
図7】[0027]第2の実施形態の別の斜視図である。
【
図8】[0028]第2の実施形態の主要本体の透視斜視図である。
【
図9】[0029]第2の実施形態の主要本体の透視側面図である。
【
図10】[0030]ピストンが第1の位置にある第2の実施形態の主要本体の別の透視側面図である。
【
図10A】[0031]
図10と同様の図であるが、主要本体内のガスの流れを概略的に示す矢印も含む図である。
【
図11】[0032]
図10と同様の第2の実施形態の主要本体の透視側面図であるが、ピストンは第2の位置にある。
【
図11A】[0033]
図11と同様の図であるが、主要本体内のガスの流れを概略的に示す矢印も含む図である。
【
図12】[0034]第1の位置にある制御スプールを示す第2の実施形態の主要本体の透視端面図である。
【
図13】[0035]第2の位置にある制御スプールを示す第2の実施形態の主要本体の透視端面図である。
【
図14】[0036]代替のスプール通気通路を示す第2の実施形態の主要本体の透視端面図である。
【
図15】[0037]ピストンおよびハンマーピンが取り除かれた、
図14の主要本体の透視側面図である。
【
図16】[0038]ピストンおよびハンマーピンが取り除かれた、
図14の主要本体の透視斜視図である。
【
図17】[0039]第2の実施形態のハンマーピンの側面図である。
【
図18】[0040]第2の実施形態のピストンの側面図である。
【
図19】[0041]第2の実施形態のピストンの端面図である。
【
図20】[0042]第2の実施形態のクイックリリースチャックの端面図である。
【
図21】[0043]第2の実施形態のクイックリリースチャックの側面斜視図である。
【
図22】[0044]第2の実施形態のクイックリリースチャックと共に使用するためのインプラントツールの例の部分斜視図である。
【
図23】[0045]第2の実施形態のための弁アセンブリの概略図である。
【
図24】[0046]第2の実施形態を変更したものの図である。
【
図25】[0047]
図24の変更されたインパクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0048]いくつかの図全体を通じて、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載する例は、本発明の実施形態を複数の形態で示すが、以下に開示する実施形態は網羅的であることを意図するものではなく、または開示する正確な形態に本発明の範囲を限定するものとして解釈するように意図するものではない。
【0023】
[0049]以下の説明は、2つの異なる実施形態の説明と、2つの主要な実施形態のいずれか一方または両方に行うことができる様々な変更とを含むが、本明細書に記載される教示を利用するさらなる変更も、本開示の範囲内で使用されてもよい。
第1の実施形態(
図1~
図5)
[0050]双方向空圧インパクタの第1の実施形態20が
図1~
図5に示されている。インパクタ20は支持構造体22を含み、支持構造体22は、ピストンシリンダ31を画定し、細長い中央ハウジング部材26の両側に配置された一対の把持部材24を有する。2つの把持部材24はそれぞれ、2箇所で中央ハウジング部材26に取り付けられており、そのうちの1箇所は中央ハウジング部材26の第1の端部28に近接し、他の箇所は中央ハウジング部材26の第2の端部30に近接する。中央ハウジング部材26は、把持部材24の間に対称に配置されており、それにより、把持部材24を手で把持する使用者は、インパクタ20を確実に保持し、使用中にインパクタ20の位置および移動を容易に制御することができる。
【0024】
[0051]ピストン32は、ピストンシリンダ31内に移動可能に配置され、ピストン軸線34に沿って往復運動する。図示の実施形態では、ピストン32は、ピストンシリンダ31を画定する細長い中央ハウジング部材26内に配置される。ハウジング部材26は、反対側にあるハウジング部材26の端部28と端部30との間でピストン軸線34と平行に延在する。2つの把持部材24は、中央ハウジング部材26の両側に配置され、反対側にある中央部材26の端部28と端部30との間に軸方向に配置され、それにより、往復運動するピストンが使用者の両手の間に配置され、使用中に使用者がインパクタ20を制御および位置決めすることが容易になる。インパクタ20は、1.36~2.27kg(3~5ポンド)以下の総重量を有することが有利である。図示の実施形態では、支持構造体22はステンレス鋼チューブから形成され、インパクタ20は、約0.91~1.36kg(2~3ポンド)の総重量を有し、ピストン32は、約0.45kg(1ポンド)の重量を有する。図に記載された寸法はインチであることにさらに留意されたい。
【0025】
[0052]インパクタ20は、支持構造体22に取り付けられ、またはこれに結合され加圧ガスの供給部38に接続可能な圧力制御システム36を含む。図示の実施形態では、インパクタ20は、圧力制御システム36と連通しガス供給部38と接続するために支持構造体22に取り付けられたコネクタ40を含む。
【0026】
[0053]典型的な病院の手術室(「OR」(operating room))は、ORの恒久設備であり一般的なホースおよびコネクタを使用して空気圧装置に接続することができる加圧ガス供給部を有する。このようなガス供給部は、多くの場合、壁に取り付けられており、接続された装置に供給されるガスの圧力を監視し調整する内部ゲージを有する。このようなシステムは、しばしば、加圧空気システムと呼ばれ、このようなシステムは、しばしば、加圧空気を使用するが、本明細書に開示するこのようなシステムおよび空圧装置は、加圧空気に限定されず、他の加圧ガスを使用してもよい。このような一般的な使用法によれば、用語「加圧空気」およびその変形は、周囲の大気と全く同じ組成を有する加圧ガスのみに限定されると解釈されるべきではなく、このような用語が代替のガスおよびガス組成を除外すると特記されない限り、全ての加圧ガスを包含するものとする。インパクタ20は、ほとんどのORで見られる典型的な加圧ガス供給部38と共に使用することによく適している。
【0027】
[0054]インパクタ20の使用者は、圧力制御システム36を推進モードと引込みモードとの間で切り換え、それによってインパクタ20に双方向の機能を提供することができる。推進モードでは、圧力制御システム36は、ピストン32をピストン軸線34に沿って往復運動させ、ピストン32は、ピストンの往復運動の第1の端部44で強力な衝撃を生成する。引込みモードでは、圧力制御システム36は、ピストン32ピストン軸線34に沿って往復運動させ、ピストン32は、第1の端部44とは反対側の往復運動の第2の端部46で強力な衝撃を生成する。
【0028】
[0055]使用者が調整可能な圧力調整弁は、ピストンに作用する空気圧を調節し、それによってピストンによって生成される衝撃の大きさを調節するために使用することができる。以下、圧力制御システム36の動作をより詳細に論じる。
【0029】
[0056]インパクタ20はまた、衝撃伝達アセンブリ50を含む。アセンブリ50は、中央ハウジング部材26の端部26に取り付けられ、ピストン32によって生成された衝撃を、推進するまたは引っ込める物体48に伝達する。インパクタ20は、髄内釘、全関節移植片、および他の整形外科用のハードウェアのような整形外科用の移植片を推進するおよび引っ込めるのによく適している。そのような整形外科用の移植片は、しばしば、移植片を把持しマレットまたは他の装置の衝撃を受けるように設計された特別に設計されたホルダを含む。このようなホルダを有する移植片と共にインパクタ20を使用するとき、衝撃伝達アセンブリ50は、移植片自体ではなくホルダと係合され、それによってホルダを介して移植片に衝撃を伝達する。
図1の物体48は、整形外科用の移植片のためのそのような保持装置を示す。また、多くの整形外科用の移植片の製造業者は、業者自身の製品に特有の接続具を使用することに留意されたい。様々な衝撃伝達アセンブリ50をインパクタ20で使用し、取り換えることができ、それにより、インパクタ20は、異なる接続構成を有する様々な異なる製造業者からの移植片と共に使用することができる。例えば、衝撃伝達アセンブリ50は、中央ハウジング部材26の螺旋状雄ねじに係合される螺旋状雌ねじを有するカラーを有してもよく、それによって、ある製造業者のコネクタと共に使用するように構成された1つの伝達アセンブリ50を中央ハウジング部材26からねじをゆるめて外し、異なる製造業者のコネクタと共に使用するように構成された代替構成の衝撃伝達アセンブリ50をねじ込むことによって交換することができる。
【0030】
[0057]支持構造体22に取り付けられているとき、衝撃伝達アセンブリ50は、ピストン32の往復運動の第1の端部44に近接して配置され、圧力制御システムが推進モードのときのピストンからの衝撃力を吸収し、次いで、ピストン軸線34と交差し支持構造体22から離れる方向を向く打撃面52を介してそのような力を物体48へ伝達する。図示の実施形態では、打撃面52は、打撃アセンブリ54によって画定される平面である。打撃アセンブリ54はまた、ピストン32によって衝撃が与えられピストン32の往復運動の第1の端部44を画定する、打撃面52の反対側に位置する衝撃面55を含む。打撃面52および衝撃面55は両方とも、単一の一体の材料片に配置することができる、または、ピストン32からの衝撃力を伝達するように互いに結合された別々の部品に形成することができる。
【0031】
[0058]図示の打撃アセンブリ54は、打撃面52を画定する打撃板51の形態の第1の打撃部材と、衝撃面55を画定する円柱形の衝撃部材53の形態の第2の打撃部材を含む。図示の実施形態では、打撃板51は中央ハウジング部材26の端部に固定され、打撃面52は物体48に衝撃力を与えるために使用することができる。衝撃部材53は中央ハウジング部材26の螺旋状雌ねじに係合する螺旋状雄ねじを有して、衝撃面55をピストン32によって打撃することができる位置に衝撃部材53を固定する。衝撃部材53を固定するために螺旋状ねじを使用すると、衝撃部材53の軸方向位置の調節が容易になる。中央ハウジング部材26は、衝撃力を衝撃部材53から打撃板51に伝達するために使用される。
【0032】
[0059]支持構造体22の中央ハウジング部材26は、ピストン32の往復運動の第2の端部46の近傍から衝撃伝達アセンブリ50まで延在し、また、圧力制御システム36が引込みモードのとき、衝撃力を衝撃伝達アセンブリ50に伝達する剛性の高いハウジング部材を形成する。図示の実施形態では、衝撃部材56は、ピストン32の往復運動の第2の端部として機能しピストン32によって衝撃を与えられる衝撃面58を画定する。ピストン32が衝撃面58に衝突することによって生成される衝撃力は、衝撃部材56をハウジング部材26に対して固定することによって、中央ハウジング部材26に伝達される。次いで、ハウジング部材26は、これらの衝撃力を衝撃伝達アセンブリ50に伝達する。
【0033】
[0060]衝撃伝達アセンブリ50は、打撃面52の軸方向外側に配置され支持構造体22の方を向く引張面62を含み、それによって引込みモード中に生成された衝撃面を物体48に伝達することができる。図示の実施形態では、引張面62は、打撃面52の周りに周方向に対称に配置された複数のラッチ60に配置される。図示の実施形態では、互いに直径方向に対向して配置された2つのラッチ60がある。
【0034】
[0061]ラッチ60のそれぞれは、非係合位置(
図3に破線の輪郭で示す)と係合位置(
図1~
図4に実線で示す)との間で移動可能であり、ラッチが非係合位置にあるとき、ラッチは物体48が打撃面52と係合することを許容し、複数のラッチが、打撃面52と係合された物体48と係合位置にあるとき、ラッチは物体を引張面62のうち対応する引張面62の1つと係合させ、それにより物体48を打撃部材/打撃板51と複数のラッチ60との間に固定する。ラッチ60を係合解除位置に移動させると、また、物体48はインパクタ20との係合を解除することができる。図示の実施形態では、ラッチ60は、ピボットピン65で衝撃伝達アセンブリ50に枢動可能に取り付けられたレバー部材64と、ピボットピン67でレバー部材64に枢動可能に取り付けられた把持部材66とを有するデュアル枢動ラッチである。
【0035】
[0062]開示の実施形態では、ラッチ60は、協働する螺旋状のねじで中央ハウジング部材26に係合されたカラー61に取り付けられる。カラー61が中央ハウジング部材26にねじ込まれる距離を調節することによって、打撃面52と引張面62との間の軸方向距離を、把持される物体の軸方向寸法に合うように調節することができる。
【0036】
[0063]これに代えて、クイックリリースチャックアセンブリが衝撃伝達アセンブリの一部を形成して、推進するまたは引っ込める物体とインパクタ20を接続するために使用されてもよい。このようなクイックリリースチャックアセンブリの一例を、第2の実施形態の説明においてより詳細に論じる。
【0037】
[0064]衝撃伝達アセンブリの他の形態も使用されてもよい。例えば、打撃面と引張面を形成するために打撃板とラッチを使用する代わりに、衝撃が与えられる物体にねじで係合するために螺旋状のねじ部材を使用することができる。このような螺旋状のねじ部材を用いると、支持構造体から離れる方向を向くねじの側が打撃面として機能し、支持構造体を向く方向を向くねじの側が引張面として機能する。衝撃力を伝達することができるように物体を把持する他の様々な形態も使用することができる。例えば、図示の実施形態の打撃面はピストン軸線34に垂直な平面を画定するが、打撃面または引張面がピストン軸線に垂直である必要はない。その代わりに、打撃面が、第1の軸方向に少なくとも部分的に延在する方向を定め、一方、引張面が、第1の軸方向と反対方向の第2の軸方向に少なくとも部分的に延在する第2の方向を向く限り、打撃面は、ピストン軸線と垂直または非垂直の角度を形成する方向を向いてもよい。
【0038】
[0065]上述のように、インパクタ20は圧力制御システム36を含み、圧力制御システム36は、圧力制御システム36を加圧ガス源38と結合するコネクタ40を有する。
【0039】
[0066]空気圧制御システム36の動作は、
図1~
図4に加えて、
図5を参照すると最もよく理解される。加圧ガス源38に接続されると、作動レバー70によって動作する弁68(
図5)は、加圧空気がピストン32に到達するかどうかを制御するために使用される。レバー70が
図1に示す位置にある状態では、弁68は閉じており、加圧空気がピストン32に到達しないようにしている。使用者がレバー70を動かして、レバー70を
図3に破線の輪郭で示す位置で把持部材24に近接して保持すると、弁68は開かれ、インパクタ20が作動する。
【0040】
[0067]レバー70が押し下げられると、加圧空気は、矢印72,74で示されるように、ピストン32の往復運動の2つの反対側の端部に流れることができる。加圧空気は、支持構造体22が加圧空気を送る気密ハウジングを形成することによるか、あるいは、加圧空気/ガスを送るために支持構造体22内に気密チューブまたはホースを使用することによるかどちらかによって送ることができる。
【0041】
[0068]ピストン32は、軸方向に延在するスロット78を含み、このスロット78は、ピストン32の軸方向端部までは延在しない。弁制御部材80は、スロット78内を動くピン82を有する。インパクタが推進モードのとき、加圧ガスは矢印72によって示されるように送られてピストン32を衝撃部材56に向かって押す。ピストンが衝撃部材56に向かって移動すると、ばね84が圧縮される。弁制御部材80は、空気圧がピストン32を衝撃部材56に向かって押すとき、圧力開放開口88を覆っている(
図5では、弁制御部材80は開口90を覆って示されている)。ピストン32が衝撃部材56に向かって移動すると、ピン82は最終的にスロット78の端部に当たり、ピストン32がさらに移動すると、弁制御部材80は、圧力開放口88を開けるまで軸方向に動く。開口88が開くことにより、ばね84はピストン32を打撃部材/衝撃部材53に力強く推進し、それによって物体48に伝達される衝撃力を生成することができる。ピストンのこの動きはまた、スロット78の反対側の端部との係合により、弁制御部材80を元の位置に戻し、開口88を復帰させ、それにより、空気圧でピストン32を衝撃部材56に向かって軸方向に動かすプロセスが再び開始される。
【0042】
[0069]インパクタ20が引込みモードで操作されると、加圧空気は、矢印74によって示されるようにピストン32の反対側に向けられる。この圧力は、ピストン32が、弁制御部材80に圧力開放口90を露出させてピストン32の空気圧を開放する軸方向位置に移動するまでピストン32にかかってばね86を圧縮し、それによって、ばね86は、ピストン32を衝撃部材56に向かって推進することができ、ピストン32が衝撃部材56に衝突するときの衝撃力を生成する。ピストン32のこの動きは、圧力制御弁80の移動をもたらし、開口90を復帰させ、それにより、このプロセスが繰り返される。
【0043】
[0070]使用者操作可能な切換弁76は、インパクタ20を推進モードにするか引込みモードにするかを決定するために使用される。推進モード位置では、切換弁76、弁76は、矢印72によって示される方向に加圧空気を向け、加圧空気が矢印74によって示される方向には送られないようにする。引込みモードに切り換えられると、弁は、加圧空気を矢印74によって示される方向に向け、矢印72によって示される方向には送られないようにする。切換弁76は、加圧空気が支持構造体22に入る場所の近くに配置され、弁68とは別個のものであってもよい。これに代えて、弁68と弁76の両方の機能を提供する単一の弁ユニットを使用してもよい。例えば、レバー70は、スプール弁を軸方向に動かして加圧空気の供給をオン、オフするために使用することができ、一方、そのスプール弁の回転位置は、加圧空気をピストンのどちらの端部に向けるかを決定するために使用することができる。
【0044】
[0071]ばね84、86は、ばねホルダ92に取り付けられる。渦巻きばね84は衝撃部材56を取り囲む一方、渦巻きばね86は、ピストン32に向かって突出する打撃アセンブリ54の衝撃部材53部分を取り囲む。ばねホルダ92および衝撃部材56は、調整器キャップ94の回転によって軸方向に位置変更可能である。例えば、調整器キャップ94は、中央ハウジング部材26とねじで係合され、衝撃部材56およびばねホルダ92を軸方向に位置決めするように衝撃部材56およびばねホルダ92と係合し軸方向を向く力を吸収する軸方向係合面を有してもよい。ピストン32の往復運動の移動距離と、強力な衝撃を生成する役割のばねが圧縮される軸方向の範囲とを調節することによって、インパクタ20によって生成される強力な衝撃の大きさを調節することができる。これに代えて、ばねホルダ92および衝撃部材56の一方または両方は、独立して軸方向に位置変更可能であってもよい。ばねホルダ92の軸方向の長さも独立して調節可能であり、それによって、装置20によって生成される衝撃を制御および調節することができる。
【0045】
[0072]配置されると、使用者、例えば、外科医は、インパクタ20の2つの把持部材24を保持し、インパクタ20は、次いで、選択された方向に繰り返し衝撃、すなわち、整形外科用の移植片の挿入で外科医を支援する、装置20から離れるように打撃面52によって与えられる推進衝撃、または移植された整形外科用の移植片の取外しで外科医を支援する、引込み面62によって与えられる繰り返し衝撃のいずれかを生成する。この点に関して、外科医は一般に、移植片を動かしたい方向に圧力を加えることが有用であることを見出すことに留意されたい。この圧力は、移植片を所望の方向に動かすのを助けるだけでなく、これはまた、ピストンを突出させて物体48に加えられる強力な衝撃を作り出すときにばねによって生成されるはね返りを吸収する。
【0046】
[0073]様々な他の変更もまたインパクタ20に行うことができる。例えば、代替の圧力制御システムが使用されてもよい。例えば、1886年9月7日発行の米国特許第348,870号は、単純な一方向弁無し空気圧ハンマーを開示している。開示された装置は、第2の組の開口および通路を含み、一度に1つの組のみが開いて、それによって可逆的な空圧インパクタを提供するように変更されてもよい。
第2の実施形態(
図6~
図25)
[0074]
図6~
図23、
図24、および
図25は、双方向性インパクタの別の実施形態を示す。推進モードと引込みモードとの間で選択的に切換え可能な
図1~
図5のインパクタ20と同様に、
図6~
図19のインパクタ120、ならびに
図24および
図25のインパクタ120Aも、推進モードと引込みモードとの間で選択的に切換え可能である。上記で論じたように、
図1~
図5のインパクタ20は、圧力制御システム36の構成を選択的に変更することにより、推進モードと引込みモードとの間の選択的な切換えを達成する。下記でさらに論じるように、インパクタ120、120Aは、衝撃伝達アセンブリ150の構成を選択的に変更することによって、推進モードと引込みモードとの間の選択的な切換えを達成する。
【0047】
[0075]まず、
図6および
図7を参照すると、双方向空圧インパクタ120は支持構造体122を含み、支持構造体122は、ピストンシリンダ131を画定し、細長い中央ハウジング部材126の両側に配置された一対の把持部材124を有する。ハウジング部材126は、反対側にあるハウジング部材126の端部128と端部130との間でピストン軸線134と平行に延在する。2つの把持部材124は、反対側にある中央部材126の端部128と端部130の間に軸方向に配置され、それにより、往復運動するピストンが使用者の両手の間に配置され、使用中に使用者がインパクタ120を制御および位置決めすることが容易になる。
【0048】
[0076]インパクタ120がどのように機能するかを理解しやすくするために、
図8~
図16は、中央ハウジング部材126を透明にして示し、把持部材124を示していない。これらの図を参照して理解することができるように、ピストン132は、細長い中央ハウジング部材126によって画定されたピストンシリンダ131内に移動可能に配置され、ピストンシリンダ131内でピストン軸線134に沿って往復運動する。
【0049】
[0077]圧力制御システム136は、ピストンシリンダ131と結合され、ガス供給部38に接続されるように構成され、それによって、圧力制御システム136は、ピストン軸線134に沿ってピストン132を往復運動させる。
図6~
図19の実施形態では、圧力制御システム136は、中央ハウジング部材126の穴によって形成された通路と、穴の一部をシールするねじ付きキャップ158と、スプールシリンダ162と、制御スプール160とを含む。圧力制御システム136の動作を以下でより詳細に論じる。
【0050】
[0078]衝撃伝達アセンブリ150はハンマーピン100を含む。ハンマーピン100は、反対の軸方向を向く第1および第2の衝撃面102、104を有する細長い部材である。ハンマーピン100は、空圧インパクタ120を推進モードまたは引込みモードのいずれかに選択的に配置するために、2つの位置の間で支持構造体に対して軸方向に移動可能である。推進モードでは、衝撃面102のみがピストン132によって係合可能であり、引込みモードでは、衝撃面104のみがピストン132によって係合可能である。推進モードでは、ピストン132が衝撃面102の向かい側の往復運動の終わりにあるとき、ピストン132は、衝撃面104の代わりに、支持構造体122の一部であるピストンシリンダの内壁に衝突する。同様に、引込みモードでは、ピストン132が衝撃面104の向かい側の往復運動の終わりにあるとき、ピストン132は、衝撃面102の代わりに、支持構造122の一部であるピストンシリンダの内壁に衝突する。
【0051】
[0079]図示の実施形態のハンマーピン100は
図17に示され、衝撃面102を画定する第1の衝撃部材101、および衝撃面104を画定する第2の衝撃部材103が両方とも固定された細長い軸106を含む。ハンマーピン100の軸は、2つの衝撃部材101、103を分離する中央軸部分108と、軸延長部110と、軸方向に延在する端部分112とを含む。軸延長部110は、3つの軸部分のうち最も小さい直径を有し、一方、端部分112は、3つの軸部分のうち最も大きい直径を有する。
【0052】
[0080]ハンマーピン100の端部分112は、支持構造体122から軸方向外側に突出し、物体48と結合されるように構成される。図示の実施形態では、
図20~
図22に示すように、クイックリリースチャック200が、インプラントハードウェア、例えばインプラントツール210などの物体を固定するためにハンマーピン100の突出端部に配置される。図示の実施形態では、インプラントツール210は、チャック200と係合可能なステム212と、整形外科用の移植片に着脱可能に固定可能な反対側の端部(図示せず)とを有し、それによってこのツールは、整形外科用の移植片の埋込みまたは取外しに使用することができる。
【0053】
[0081]チャック200は、ツール210のステム212を受け入れるためのチャック開口204を画定するチャック本体202を有する。チャック本体202は、開口204の中心軸線に対して回転して、ツール210を固定または係合解除する。
図20で分かるように、チャック開口204は、チャック開口204の外周に沿って4つのキー溝206を画定する。キー溝206は、ツール210のステム212に配置されたキー214を受け入れるような形状および配置である。
【0054】
[0082]チャック本体202が第1の回転位置にあるとき、キー溝206は空いており、キー214をそこに挿入することができ、それによってステム212はチャック開口204に完全に着座することができる。その後、チャック本体204が第2の位置に回転されると、保持部材208がキー溝206内に移動し、キー214をチャック本体202内で動かないようにする。チャック本体202は、この第2のロック位置の方へばねで付勢されてもよい。
【0055】
[0083]チャック本体202は、ステム212がチャック開口204に完全に着座したときに、ツール210の軸方向を向く肩部216と係合される軸方向を向く打撃面203を画定する。打撃面203は、インパクタが推進モードで操作されるとき、肩部216に強力な衝撃を与える。
【0056】
[0084]保持部材208は、ステム212がチャック開口204に完全に着座し、チャック本体がロック回転位置にあるとき、打撃面203とキー214の軸方向を向く面215との間に配置される。これにより、インパクタが引込みモードで操作されるとき、保持部材208の軸方向を向く引張面209が、表面215に強力な衝撃を与えることができる。
【0057】
[0085]チャック200は、本明細書では、クイックリリースチャックとして説明されている。この文脈における用語「クイックリリース」は、別のツールの使用を必要とせずに、チャックを手動操作することによって、チャック本体内にステム212を挿入することができる位置とステム212を固定することができる位置との間でチャックを動かすことができることを意味する。このようなチャックはまた、「キーレス」チャックと呼ばれることもある。クイックリリースまたは別のツールの使用を必要とする様々な他のチャックも、本明細書で説明するインパクタと共に使用することができる。このようなチャックは当技術分野でよく知られており、カム構成体がボールベアリングを半径方向内側に付勢して、挿入されたツールを固定する、チャックを含むことができる。ツールを固定するためにボールベアリングを使用するこのようなチャックは、物体に強力な衝撃を与えるための打撃面および/または引張面としてボールベアリングの表面を使用することができることに留意されたい。言い換えれば、打撃面および引張面が平面であることが有利であることが多いが、必ずしもそうである必要はない。少なくとも1つの打撃面が、支持構造体から離れる第1の軸方向を向き(軸方向と必ずしも平行ではなく、軸線と90度未満の角度をなす方向を向き)、少なくとも1つの引張面が、支持構造体の方向で、反対の第2の軸方向を向く(軸方向と必ずしも平行である必要はなく、軸線と90度未満の角度をなす方向を向く)ことだけが必要である。ボールベアリングが打撃面と引張面を形成する場合、打撃面を形成するのは、ボールベアリングの支持構造体から離れる方向を向く一方の半球側であり、ボールベアリングの反対側の半球側は引張面を形成する。
【0058】
[0086]チャック200は、任意の適切な態様でハンマーピン100の端部に固定されてもよい。例えば、チャック200は、ハンマーピン100の雄ねじに係合する雌ねじを有するカラー、またはハンマーピン100のねじ付き穴に係合するねじ付き軸を有してもよい。チャック200はまた、チャック200とハンマーピン100との間の軸方向の力の伝達を容易にする態様で、ハンマーピン100と溶接されてもよく、締結具を用いて固定されてもよく、または他の方法で係合されてもよい。
【0059】
[0087]これに代えて、端部分112にねじを切ることができ、その結果、ラッチ60を有するカラー61を端部分112に固定することができ、それによってラッチ60の引張面が物体48を引き込む力を与えることができる。端部分112の軸方向端面は、物体48に衝撃力を与えるための打撃面152を形成する。端部分112の代替の構成も、
図1~
図5の実施形態に関して上記で論じたように、物体48に推進力および引込み力を与えるために使用されてもよい。
【0060】
[0088]ピストン132は、ピストンシリンダを4つの別々の圧力チャンバ179、181、183、185に分割する、軸方向に間隔を空けて配置された3つのピストンヘッド180、182、184を含む。ピストン132はまた、軸方向に延在する中央開口186を画定する。ハンマーピン100の中央軸部分108は、ピストン132の中央開口186を通って延在し、ピストン132は、ハンマーピン100を摺動可能に往復運動する。衝撃面102、104は、軸方向反対側にあるピストン132の端部に配置され、ハンマーピン100でのピストン132の往復運動を制約する。
【0061】
[0089]空圧インパクタ120を組み立てるとき、ハンマーピン100は、2つの別々の部品から形成されることが有利であり、この場合、ハンマーピン100の2つの部分を互いに固定する前に、中央軸部分108がピストン132の開口186を通って挿入される。例えば、衝撃部材103は、溶接によってハンマーピン100に固定される別個の部品とすることができ、または軸延長部110は、ねじ付き穴を有する衝撃部材103とねじ結合することができ、それによって、衝撃部材103は、軸延長部110に衝撃部材103をねじ込むことによってハンマーピン100に固定される。これに代えて、中央軸部分108は、衝撃部材103と反対側の端部にねじが切られ、衝撃部材103と軸端部分112は別個の部品であり、軸端部分112は中央軸部分108のねじ付き端部を受け入れるためにねじ付き穴を有してもよい。また、図示の実施形態では、支持構造体122は、2つの別々の部品から形成されており、支持構造体の主要本体は中央ハウジング部材126を形成し、ピストンヘッド部材133は部材126に固定可能であり、それによってピストン132およびハンマーピン100をピストンシリンダ131に取り付けることができることに留意されたい。
【0062】
[0090]衝撃面102はピストンヘッド180を向き、一方、衝撃面104はピストン132の反対側の軸方向端部に配置され、ピストンヘッド184を向く。中央ピストンヘッド182は中実の円筒形ディスクである。中央ピストンヘッド184の中実の塊は、ピストンシリンダ131を異なる圧力チャンバに分割する目的に役立つだけでなく、強力な衝撃を作り出すのに有益な大きな質量を提供する。
【0063】
[0091]ピストンヘッド180、184は、
図8、
図18、および
図19を参照すると最もよく理解されるように、中央ピストンヘッド182とは異なる構成を有する。ピストンヘッド180、184はそれぞれ部分的に中空であり、内側円筒面と嵌合する、半径方向外側表面を有する中実の外側円筒壁188と、軸方向外側を向くリング状表面189とを有する。衝撃リング190は、中央開口186を取り囲み、軸方向外側を向くリング状の接触面191を形成する。衝撃リング190は、リング状のピストン面189よりも小さな直径を有する。
【0064】
[0092]ハンマーピン100は、支持構造体122に対して軸方向に摺動可能である。この軸方向の摺動運動をしやすくするために、ブッシュ114が、ピストンシリンダ131の軸方向反対側の端部で支持構造体122に取り付けられる。ブッシュ114の一方は、
図8で分かるように、軸延長部110を支持し、一方、第2のブッシュは端部分112を支持する。ピストンシリンダ131の軸方向端面116、118はそれぞれ、凹部117、119を有する。軸方向端面116の凹部117は、ハンマーピン100の衝撃部材101を受け入れるような形状であり、一方、軸方向端面118の凹部119は、ハンマーピン100の衝撃部材103を受け入れるような形状である。ブッシュ114は、インパクタ120をオートクレーブで殺菌することを可能にする青銅材料から形成されることが有利である。インパクタ120の残りの部分は、インパクタ120をオートクレーブで殺菌しやすくするために、ステンレス鋼材料または他の耐腐食性金属材料から形成されることが有利である。他のところで論じるように、インパクタ120は、弾性的に圧縮可能な材料から形成されて特定の衝撃力を吸収する減衰ワッシャおよび/または減衰スリーブ125を把持部材124に含んでもよい。このような弾性的に圧縮可能な部分を形成するためにシリコーンを使用すると、インパクタ120をオートクレーブで殺菌することができる。ピストン132およびハンマーピン100を潤滑するために、数滴のオイルが有用な場合があり、そのような潤滑は、インパクタ120の各殺菌後に補充することができる。
【0065】
[0093]軸方向端面116と118との間の距離は、ハンマーピン100が軸方向に摺動することができ、いかなるときでも衝撃部材101、103のうちの一方だけを、軸方向端面のそれぞれの凹部に着座させることができるような距離である。ハンマーピン100が軸方向端面118に向かって摺動すると、衝撃部材103は凹部119に着座する。ハンマーピン100がこの位置にある間にピストン132が往復運動すると、ピストンヘッド180の接触面191は、ピストンの往復運動の一方の端部で衝撃部材101の衝撃面102に衝突し、ピストンヘッド184のピストン面189は、ピストンの往復運動の反対側の端部で軸方向端面118に衝突する。これにより、インパクタ120は推進モードに入る。インパクタ120は、
図10の推進モードにある。
【0066】
[0094]推進モードにおいて、ピストンヘッド180が衝撃面102を打撃すると、力は、支持構造体122から離れる軸方向に、ハンマーピン100の端部分112に結合された物体48に伝達される。ピストンヘッド184が軸方向端面118を打撃するとき、力は、使用者によって保持されている支持構造体122に伝達される。それにより、使用者はこの力を吸収する。支持構造体122はまた、物体48に任意の引込み力を与える前に、この力の衝撃を受けて物体48からわずかな距離離すことができる。以下でさらに論じるように、使用者がこのような力に抵抗するのを助けるために、減衰部材が、軸方向端面118を形成するために使用されてもよいし、軸方向端面118と結合されてもよい。支持構造122のこの相対的な移動はまた、引込み方向のこの衝撃力の一部を吸収する。次いで、使用者は、次の推進衝撃が起こる前に、支持構造体122をハンマーピン100に対して物体48に向かう方向に動かすだけで、インパクタ120をその推進モード形態に維持する。
【0067】
[0095]ハンマーピン100を軸方向端面116に向かって摺動すると、衝撃部材101は凹部117に着座する。ハンマーピン100がこの位置にある間にピストン132が往復運動すると、ピストンヘッド184の接触面191は、ピストンの往復運動の一方の端部で衝撃部材104の衝撃面103に衝突し、ピストンヘッド180のピストン面189は、ピストンの往復運動の反対側の端部で軸方向端面116に衝突する。これにより、インパクタ120は引込みモードに入る。インパクタ120は、
図11において引込みモードにある。
【0068】
[0096]引込みモードにおいて、ピストンヘッド184が衝撃面104を打撃すると、力は、支持構造体122に向かう軸方向に、ハンマーピン100の端部分112に結合された物体48に伝達される。ピストンヘッド180が軸方向端面116を打撃するとき、力は、使用者によって保持されている支持構造体122に伝達される。それにより、使用者はこの力を吸収する。支持構造体122はまた、物体48に任意の推進力を与える前に、この力の衝撃を受けて物体48に向かってわずかな距離移動させることができる。支持構造体122のこの相対的な移動はまた、推進方向のこの衝撃力の一部を吸収する。以下でさらに論じるように、使用者がこのような力に抵抗するのを助けるために、減衰部材が、軸方向端面118を形成するために使用されてもよいし、軸方向端面118と結合されてもよい。次いで、使用者は、次の引込み衝撃が起こる前に、支持構造体122をハンマーピン100に対して物体48から離れる方向に動かすだけで、インパクタ120をその引込みモード形態に維持する。
【0069】
[0097]最初にインパクタ120を推進モードまたは引込みモードのいずれかにするために、使用者は、突出端部112を把持して、インパクタ120を推進モードに入れるためにハンマーピン100を支持構造122に押し込むか、または、インパクタ120を引込みモードに入れるためにハンマーピン100を支持構造122から引っ張るかのいずれかを行うだけでよい。これに代えて、端部分112を、まず、物体48に結合することができ、使用者は、インパクタを推進モードにするために、ハンマーピン100を物体48に向かって押すことによって支持構造体122をハンマーピン100に対して移動させ、インパクタを引込みモードにするために、使用者は、ハンマーピン100を物体48から離れるように引っ張ることによって支持構造体122をハンマーピン100に対して移動させる。
【0070】
[0098]使用中、使用者は、インパクタ120が推進モードのとき、支持構造体122を物体48に向かって押す圧力を維持する。使用者によって及ぼされるこの圧力は、引込み方向に生成される力を吸収し、またインパクタ120を推進モードに維持する。同様に、インパクタ120を引込みモードで使用する場合、使用者は、支持構造体122を物体48から離れるように引っ張る圧力を維持する。使用者によって及ぼされるこの引張力は、推進方向に生成される力を吸収し、またインパクタを引込みモードに維持する。軸方向端面116、118に形成または結合された減衰部材も、力を吸収し、それによって使用者が吸収しなければならない最大力を低下させるために使用されてもよい。同様に、把持部材124と結合された減衰部材も、使用者によって吸収される最大力を低下させるために使用されてもよい。
【0071】
[0099]図示のインパクタ120では、ハンマーピン100はいつでも支持構造体122に対して軸方向に移動することができるが、ハンマーピン100を推進モードまたは引込みモードのいずれかの位置に選択的かつ確実に維持するために、ハンマーピン100を、固定された相対軸方向位置に維持するようにロック機構が任意選択で使用されてもよい。例えば、支持構造体122に取り付けられた1つ以上のロックピンは、選択的に、ハンマーピン100の1つ以上の凹部または穴に係合またはそれらから係合解除して、ハンマーピン100を支持構造体122内の所望の軸方向位置に固定し、それによってハンマーピン100を推進モードまたは引込みモードのいずれかに確実に維持するために使用することができる。ハンマーピン100を所望の軸方向位置に固定する代替の方法もまた使用することができる。例えば、1つ以上の磁気部材を選択的に移動させることを用いて、ハンマーピン100を所望の軸方向の位置に保持することができる。このような磁気保持機構を使用することはまた、十分に大きな軸方向の力がハンマーピンに加えられた場合に、ハンマーピン100の移動を可能にする。このような所定の分離力を定めることができることは、いくつかの用途において有益であり得る。
【0072】
[00100]図示の実施形態では、表面189、191は同じ平面にあり、衝撃部材101、103はそれぞれの凹部117、119に完全に着座することができる。しかしながら、代替の構成も使用することができる。例えば、反対側にあるピストン面189の軸方向距離は、接触面191よりも互いから軸方向に離して配置されてもよく、その場合、凹部117、119は、それぞれのピストン面がピストンシリンダの軸方向端面に衝突する前に、衝撃部材101、103を完全に着座させる必要がない。
【0073】
[00101]上述のように、いくつかの実施形態は減衰部材を使用してもよい。例えば、ピストン132の往復運動によって物体48に与えられる推進力または引込み力とは反対方向を向く、ピストン132によって生成される衝撃力を吸収するために、軸方向を向くピストンシリンダ面116、118またはピストンヘッド180、184のリング面189のいずれかに形成される弾性的に圧縮可能な材料は、このような減衰部材を形成するために使用することができる。例えば、シリコーンワッシャは、そのような反対方向を向く衝撃力を吸収する目的で、これらの場所に取り付けることができる。弾性的に変形可能なパッド材料のスリーブ125も、衝撃力を吸収するために把持部材124に取り付けることができる。適切に構成されたばね構成体および他の力減衰材料または構成部品もまた、減衰部材として使用することができる。
【0074】
[00102]圧力制御システム136は、ピストン132を往復運動させるために使用される。圧力制御システム136は、手術室で典型的に見られる加圧空気のような加圧ガスの供給部に接続されるように構成される。空気は、支持構造体122に形成された入口通路138を通って制御システム136に供給される。入口通路138は、それによって、コネクタまたは弁アセンブリを支持構造体122に取り付けることができるねじ付き穴であってもよく、インパクタ120を加圧空気供給部に結合するための取付点であってもよい。例えば、
図23を参照して下記でさらに論じるように、ピストン132に作用するガスの圧力を使用者が制御することを可能にする圧力調整弁を入口通路138に取り付けて、インパクタ122を加圧ガスの供給部に結合することができる。
【0075】
[00103]入口通路138は、スプールシリンダ162に加圧ガスを供給する。スプールシリンダ162内には、制御スプール160が摺動可能に配置される。制御スプール160は、軸方向に間隔を置いて配置された3つのスプールヘッド164、166、168を含み、これらのスプールヘッドは、スプールシリンダ162の内面にシール可能に係合し、スプールシリンダ162を4つの別々の圧力チャンバ163、165、167、169に分割する。制御スプール160は、ピストンシリンダ131への加圧ガスの供給を制御し、それによってピストンの往復運動を生じさせる。別々のピストンチャンバ179、181、183、185および別々のスプールチャンバ163、165、167、169は、ピストンシリンダ131内および制御スプールシリンダ162内の固定された位置にあるのではなく、それぞれのシリンダ内のピストン132または制御スプール160の位置によって定められることに留意されたい。例えば、ピストンチャンバ183は、ピストンシリンダ131内のピストン132の位置に関係なくピストンヘッド182とピストンヘッド184との間の空間であり、スプールチャンバ165は、スプールシリンダ162内の制御スプール160の位置に関係なくスプールヘッド164とスプールヘッド166との間の空間である。
【0076】
[00104]圧力制御システム136の動作は、
図10A、
図11A、
図12、および
図13を参照すると最もよく理解される。
図10Aおよび
図11Aにおいて、黒い矢印および黒く塗りつぶされたシリンダチャンバは加圧ガスを供給されており、一方、白い矢印は、周囲環境に通気されている容積部を示し、したがって、加圧ガスが供給されている容積部よりも圧力が低い。圧力制御システム136の動作中、ピストン132と制御スプール160は、協調して、それぞれのシリンダ内で往復運動する。
【0077】
[00105]制御スプールシリンダ162は、4つの別々の通路139、140、141、および142を介してピストンシリンダ131と連通している。通路139、140、141、および142のそれぞれは、軸方向に延在する中間部分と、中間部分に対して垂直に延在する2つの端部分とを有し、一方の端部分はスプールシリンダと連通し、他方の端部分はピストンシリンダと連通する。通路140はまた、ピストンシリンダ131と連通する第3の垂直の通路を有する。通路143は、スプールシリンダ162と凹部119との間を連通する。ピストンシリンダ131と連通する2つの別々の分岐を軸方向に間隔を空けた位置で有する通路140に関して、ピストンヘッド180またはピストンヘッド184のいずれかが、分岐ラインの一方がピストンシリンダ131と連通することを妨げることに留意されたい。ピストン132が動くと、ピストン132の往復動に伴って交互に、分岐ラインの一方が露出し始め、同時に他方が閉じ始める。
【0078】
[00106]
図10Aは、軸方向端面118に近接した位置にあるピストン132を示す。
図12は、
図10Aと同じ位置にある制御スプール160を示す端面図である。
図10Aおよび
図12に示すこの位置において、加圧ガスは、入口通路138からスプールシリンダチャンバ165に伝えられる。スプールシリンダチャンバ165から、通路140は加圧ガスをピストンチャンバ183に伝え、ピストンチャンバ183内の加圧ガスは、次いで、通路142を通ってスプールシリンダチャンバ163に伝えられる。ピストンヘッド180は、ピストンシリンダ131と通路140の分岐ラインのうちの1つとの間の連通を妨げる。スプールシリンダチャンバ165内の加圧ガスはまた、通路143を通って凹部119に伝えられる。ピストンチャンバ181は、ピストン通気通路146を通じて大気と通気される。スプールチャンバ169は、通路142を介してピストンチャンバ181と連通し、したがって、また、通路181、ピストンチャンバ181、およびピストン通気口146を介して大気と通気される。スプールチャンバ167は、スプール通気口145を通じて大気と通気される。スプールヘッド164は、任意のガスが通気通路144を通じてスプールシリンダ162から通気されるのを妨げる。ピストンチャンバ170は、通路141、スプールチャンバ167、およびスプール通気通路145を通じて大気と通気される。
【0079】
[00107]したがって、ピストン132はピストンシリンダ131の近位部分に位置する
図10Aおよび
図12では、加圧空気は、2つの最も近位のピストンチャンバ185、183に存在し、2つの最も遠位のピストンチャンバ179、181は大気と通気される。その結果、ピストン132は、空気圧によって軸方向端面116の方に付勢される。スプールシリンダ162では、スプールチャンバ163および165は加圧空気を受け、スプールチャンバ167、169は大気と通気される。その結果、スプールシリンダ162内の加圧空気は、
図10Aおよび
図12に描かれた位置から
図11Aおよび
図13に示された位置に向かって制御スプール160を付勢する。
【0080】
[00108]ピストン132および制御スプール160が、
図10Aおよび
図12に示す位置から
図11Aおよび
図13に示す位置に向かってそれぞれのシリンダ内で移動すると、加圧空気がスプールシリンダ162およびピストンシリンダ131内に導入される経路、およびスプールおよびピストンチャンバが大気と通気される経路が変わり、空気圧はもはや制御スプール160およびピストン132を同じ方向に付勢し続けない。スプールシリンダ162およびピストンシリンダ131内の別々のチャンバ内の空気圧の変化はわずかな時間で起こり、スプール160およびピストン132の慣性力によって、それらは、ピストン132が衝撃面または軸方向端面のいずれかに衝突する
図11Aおよび
図13に示す位置まで移動する。
【0081】
[00109]ピストン132および制御スプール160が
図11Aおよび
図13に示す位置に達すると、入口通路138により、加圧空気はスプールチャンバ167に伝えられ、そこから通路140および141に伝えられる。ピストン132が
図11Aの位置へ移動した結果、ピストンヘッド180は通路140の分岐ラインの一方を覆うのを止め、ピストンヘッド184は通路140の他方の分岐ラインを覆う。その結果、加圧空気は、通路140を通ってピストンチャンバ181に伝えられ、そこから通路142にも伝えられ、次いで、スプールチャンバ169に伝えられる。スプールチャンバ167から通路141に伝えられた加圧空気はピストンチャンバ179に伝えられる。ピストンチャンバ183はピストン通気口146を通じて大気に通気され、スプールチャンバ163も、スプールチャンバが通路139を通じてピストンチャンバ183と連通しているので、ピストン通気口146を通じて大気に通気される。ピストンチャンバ185は、スプールチャンバ165を介してスプール通気口144と連通する通路143を通じて大気に通気される。スプール通気口145は、スプールヘッド168によってスプールシリンダ162を通気することを妨げられる。
【0082】
[00110]したがって、
図11Aおよび
図13に示す位置では、ピストンチャンバ179、181は加圧空気を受け、ピストンチャンバ183、185は大気に通気され、一方、スプールチャンバ167、169は加圧空気を受け、スプールチャンバ163、165は大気に通気される。これにより、ピストン132は
図10Aに示す位置に向かって戻り、制御スプール160は
図10Aおよび
図12に示す位置に戻る。スプールおよびピストンが
図10Aおよび
図12の位置に戻ると、このサイクルを繰り返す。ピストンおよび制御スプールのこの周期的な動きは、入口通路138を通る加圧ガスの供給が終了するまで続く。
【0083】
[00111]図示の実施形態では、スプールヘッドおよびピストンヘッドは傾斜のある外周を有して、制御スプールおよびピストンがそれらの軸方向の移動の限界位置にあるときに、制御シリンダおよびピストンシリンダの軸方向端部のチャンバが完全に排除されることを防ぐ。
【0084】
[00112]
図10Aが、推進モードにおけるハンマーピン100を示し、
図11Aが、引込みモードにおけるハンマーピン100を示すこともまた留意されたい。ピストンシリンダ131への通路開口は、上記で論じた圧力制御システム136の動作原理が、往復運動の全範囲に対して、推進モードおよび引込みモードの両方において適用可能であるような大きさである。
【0085】
[00113]図示の実施形態では、圧力制御システム136の一部である通路は、支持構造体122に通路を穿孔することによって効率的に製作されることにさらに留意されたい。大気に通気されないそれらの通路に対しては、ねじ付きキャップ158が通路に取り付けられて通路をシールする。これに代えて、通路の製作および/またはシールの他の方法が使用されてもよい。
【0086】
[00114]圧力制御システム136はまた、
図23に概略的に描かれているような弁アセンブリ220を含んでもよい。
図23に示す弁アセンブリ220は、支持構造体122に着脱可能に固定可能であるが、支持構造体122内に取り付けられた弁アセンブリも使用されてもよい。弁アセンブリ220は、弁アセンブリ220を支持構造体にシール可能かつ確実に取り付けるために、入口通路138によって形成されたねじ付き穴に係合するねじ付きステムを有するが、他の適切な方法も使用されてもよい。
【0087】
[00115]弁アセンブリ220は、手術室で典型的に見られる加圧空気供給部などの加圧ガス源と接続するためのコネクタ222を含む。内部通路により、加圧ガスはコネクタ222から遮断弁224に伝えられた。使用者操作可能なアクチュエータ225により、使用者は遮断弁224を開閉し、それによって入口通路138への加圧ガスの流れを許容する、または終了させることができる。遮断弁224と入口通路138との間には、ガス供給部から入口通路138に伝えられるガスの圧力を変化させるために使用することができる圧力調整弁226が配置される。使用者操作可能な制御部227により、使用者は弁226を調節し、それによって入口通路138に入る気体の圧力を制御することができる。弁アセンブリ220の様々な代替の実施形態も可能である。例えば、遮断弁と圧力調整弁は、両方の機能を実行し、単一の使用者操作可能な制御部のみを有する単一の弁に置き換えることができる。弁のどちらかを完全に省略することも可能であるが、インパクタは、入口通路138への加圧ガスの供給を遮断することができる使用者操作可能な制御部を有する弁を含むことが一般的には望ましいであろう。しかしながら、弁224および/または226を省略し、代わりに、弁224、226の一方または両方と同じ機能を実行するために、加圧ガス供給部と一体化した遮断弁および/または加圧ガス供給部と一体化した圧力調整弁に依存することは可能であろう。
【0088】
[00116]
図24および
図25は、インパクタの第2の実施形態を変更したものを示す。
図24および
図25に示すインパクタ120Aは、インパクタ120と同じように機能するが、異なる構造を有する。より詳細には、インパクタ120の個々の部品の多くは、インパクタ120Aのより小さな部品のアセンブリに対応し、または、インパクタ120Aの単一の部品は、インパクタ120の部品のアセンブリに対応する。
【0089】
[00117]
図24および
図25に示すように、インパクタ120Aは、入口通路138Aと直接連通する、支持構造体に取り付けられたコネクタ222Aを有する。インパクタ120Aはまた、遮断弁224Aを作動させ、それによって加圧ガスをコネクタ222A内に入れることを終了させる、または許容するための使用者操作可能なアクチュエータ225Aを有する。
図24および
図25で分かるように、アクチュエータ225Aは把持部材の1つに配置され、それにより、インパクタ120Aの使用者は、遮断弁を容易に開閉することができ、コネクタ222Aおよび入口通路138Aへの加圧ガスの流れを許容する、または終了させることができる。
【0090】
[00118]
図24は、アクチュエータ225Aと遮断弁224Aとの間の構成を概略的に示す。この構成を使用すると、加圧ガスは、遮断弁224Aが加圧ガスの供給部と入口通路138Aとの間に配置されるように、コネクタ222Bでインパクタ120Aに接続される。圧力ライン232により、加圧ガスは遮断弁224Aからコネクタ222Aに伝えられる。ライン232は、コネクタ222Aと結合するための雄コネクタを有する短い外部可撓性ホースの形態をとることができる。これに代えて、ライン232は、入口通路138Aと恒久的に接続され、コネクタ222Aを省略することができる。
【0091】
[00119]連結部230は、弁224Aを開閉するようにアクチュエータ225Aを弁224Aに接続し、それにより加圧ガスの通過を許容または防止する。連結部230は、それによってアクチュエータ225Aから弁224Aに機械的な力を伝達して弁224Aを開閉させる機械的な連結部であってもよい。これに代えて、弁224Aは、電気的に制御/作動される弁であり、使用者操作可能なアクチュエータ225Aは、連結部230を介して弁224Aに伝達される電気信号を生成し、連結部230は、絶縁銅線または電気信号を伝達するための他の適切な手段の形態をとってもよい。弁224Aは、その場合、アクチュエータ225Aによって生成された信号に応答して弁を開閉する一体型の電動アクチュエータを有する。バッテリまたは他の電力源が、弁に電力を供給し、電気信号を生成するために供給される。他の様々な構成も使用されてもよい。
【0092】
[00120]弁224Aおよびコネクタ222Bは、把持アームの1つの上部に取り付けられた弁アセンブリの一部であってもよく、インパクタ120Aの支持構造体と一体的に形成されてもよく、またはその他の方法でインパクタ120Aに取り付けられてもよい。
【0093】
[00121]本発明は、例示的な設計を有するものとして説明されてきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに変更されてもよい。したがって、本出願は、その一般原理を使用した本発明のいかなる変形、使用、または改造をも包含することを意図する。
【国際調査報告】