(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-22
(54)【発明の名称】魚の切り身品における穴の大きさを定める方法
(51)【国際特許分類】
A22C 25/00 20060101AFI20231215BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
A22C25/00 Z
G01B11/02 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536101
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2021087017
(87)【国際公開番号】W WO2022136386
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521162931
【氏名又は名称】マレル・サーモン・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Marel Salmon A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ケア,アナス
(72)【発明者】
【氏名】アナスン,マーティン
【テーマコード(参考)】
2F065
4B011
【Fターム(参考)】
2F065AA27
2F065AA53
2F065BB05
2F065DD03
2F065FF04
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ31
2F065QQ43
4B011KA01
4B011KE21
(57)【要約】
魚の切り身品(3,803)における穴の大きさを定める方法(100,300,400)が提示され、該方法は、魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを取得するステップ(102)と、魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを取得するステップ(104)と、ここで第1領域及び第2領域は少なくともオーバーラップ領域でオーバーラップしており、オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータ及びオーバーラップ領域内の光学的画像データに基づいて魚の切り身品の穴の大きさを定めるステップ(106)とを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚の切り身品(3,803)における穴の大きさを定める方法(100,300,400)であって、
前記魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを取得するステップ(102)と、
前記魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを取得するステップ(104)と、ここで前記第1領域と前記第2領域とは少なくともオーバーラップ領域でオーバーラップしており、
i.前記オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータ、及び
ii.前記オーバーラップ領域内の光学的画像データ
に基づいて、前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップ(106)と
を備える、魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項2】
前記方法は、
i.前記魚の切り身品の3次元プロファイルデータ、及び/又は
ii.前記魚の切り身品の光学的画像データ
に基づいて、穴領域候補の集合を定めるステップを備えており、
前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップ(106,306,406)は、前記穴領域候補の集合に基づく、
請求項1に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項3】
前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップ(106,306,406)は、前記魚の切り身品における穴領域候補の集合を定めることを含んでおり、
前記穴領域候補それぞれは、
合否が、例えば、前記魚の切り身品の、3次元プロファイルデータのみに基づくなど、3次元プロファイルデータに基づく、検査と、
合否が、前記魚の切り身品の、光学的画像データのみに基づくなど、光学的画像データに基づく、検査と
のそれぞれを合格する、
請求項1又は2に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項4】
合否が、前記魚の切り身品の前記光学的画像データに基づく、前記検査は、
前記穴領域候補内の位置又は前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記光学的画像データの実際の値と、
前記穴領域候補内の位置又は前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記光学的画像データの1つ以上の期待値と
を比較することを含む、
請求項3に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項5】
合否が、前記魚の切り身品の前記光学的画像データに基づく、前記検査は、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記光学的画像データの実際の値と、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記光学的画像データの1つ以上の期待値と
を比較することを含む、
請求項3に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項6】
合否が、前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータに基づく、前記検査は、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータの実際の値と、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータの1つ以上の期待値と
を比較することを含む、
請求項3又は5に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項7】
前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップ(106,306,406)は、前記穴領域候補の集合に基づく、
請求項3~6のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項8】
少なくとも所定の状況において、前記光学的画像データに応じる等、前記魚の切り身品の領域が、前記3次元プロファイルデータに基づいて前記穴の大きさとみなされないとしても、前記穴の大きさの一因となることを許容するように構成されている、
請求項1~7のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項9】
少なくとも所定の状況において、前記光学的画像データに応じる等、前記魚の切り身品の領域が、前記3次元プロファイルデータに基づいて前記穴の領域とみなされたとしても、前記穴の大きさの一因とならないことを許容するように構成されている、
請求項1~8のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項10】
少なくとも所定の状況において、前記3次元プロファイルデータに応じる等、前記魚の切り身品の領域が、前記光学的画像データに基づいて前記穴の領域とみなされないとしても、前記穴の大きさの一因となることを許容するように構成されている、
請求項1~9のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項11】
少なくとも所定の状況において、前記3次元プロファイルデータに応じる等、前記魚の切り身品の領域が、前記光学的画像データに基づいて前記穴の領域とみなされたとしても、前記穴の大きさの一因とならないことを許容するように構成されている、
請求項1~10のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項12】
前記穴の大きさは、穴の量又は程度を表すもの、及び/又は
前記穴の大きさは、1次元スケールのみなど1次元スケールで限定される又は定量化される、
請求項1~11のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項13】
前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップ(106,306,406)は、
i.前記オーバーラップ領域内の前記3次元プロファイルデータと、
ii.前記オーバーラップ領域内の前記光学的画像データと
を同時に用いることを含む、
請求項1~12のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項14】
前記方法は、
前記3次元プロファイルデータ、及び/又は
前記光学的画像データを
前記魚の切り身品の少なくとも一部が非平面(952)に載置されている間に取得することを含む、
請求項1~13のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項15】
前記魚の切り身品が乗る前記非平面、例えばコンベヤは、突出部を有しており、
前記突出部は、前記突出部の両側の表面上にあり、互いに5cmから50cm以内、互いに10cmから25cm以内等、互いに1cmから100cm以内にあるポイントを接続する直線から、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm離れる等、少なくとも0.5cm離れたポイントを含む、
請求項14に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項16】
前記魚の切り身品は、突出部に配置されており、
前記突出部は、細長く、1.5よりも高い又は2よりも高い等、1よりも高いアスペクト比を有しており、
前記突出部の長手方向軸と、前記魚の中心線及び/又は前記魚の背骨がある場合には前記魚の背骨に対して平行な前記魚の切り身品の軸と、の間の最も小さな角度が、45°以下、30°以下、15°以下、10°以下、5°以下、実質的に0°、0°等、60°以下、である、
請求項14又は15に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項17】
前記方法は、自動化及び/又はインライン化された方法である、
請求項1~16のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項18】
前記魚の切り身品は、例えばサケとマスのいずれかの品目である等、サケ目に属する魚に由来する、
請求項1~17のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項19】
前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップ(106,306,406)は、前記魚の切り身品の穴領域候補の集合を定めることを含んでおり、
ステップAにおいて、前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータに少なくとも基づいて、前記魚の切り身品の穴領域候補の集合を定めて(314)、
ステップBにおいて、
i.それぞれの穴領域候補に対して、合否が前記魚の切り身品の前記光学的画像データに基づいている検査を行い、
ii.前記集合から前記検査が不合格であったいずれかの前記穴領域候補を取り除く(316)、
請求項1~18のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項20】
前記方法は、
i.前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータと、
ii.前記魚の切り身品の前記光学的画像データと
に少なくとも基づいて、前記魚の切り身品の1つ以上の穴領域候補の1つ以上の位置を定めることをさらに備える、
請求項1~19のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項21】
前記方法は、前記1つ以上の穴領域候補の前記定められた1つ以上の位置及び少なくとも1つの魚の部分の特徴に少なくとも基づいて、前記魚の切り身品を魚の切り身品の部分に分割する、魚の切り身品に亘る魚の切り身品のカット部分の分布(36)を定めることをさらに備える、
請求項20に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項22】
前記方法は、魚の切り身品のカット部分の前記定められた分布に従って、前記魚の切り身品を魚の切り身品の部分にカットすることをさらに備える、
請求項21に記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項23】
前記方法は、前記穴の大きさに基づくパラメータを、上流のステーション及び/又は下流のステーションに与えること(105)、例えば前記パラメータに基づいて、上流(110)のステーション及び/又は下流のステーションにおける処理を調整することをさらに備える、
請求項1~22のいずれか1つに記載の魚の切り身品における穴の大きさを定める方法(100,300,400)。
【請求項24】
魚の切り身品における穴の大きさを定めるための魚の切り身品処理装置(800)であって、
前記魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを生成するための、カメラ及びラインレーザ等の、3次元プロファイル特定装置(840)と、
前記魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを生成するための、カメラ等の、光学的撮像装置(842)と、ここで前記第2領域は前記第1領域と少なくとも部分的にオーバーラップしており、
前記3次元プロファイル特定装置及び前記光学的撮像装置に対して動作可能に連結されており、請求項1~23のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成されている、コンピュータ等の、処理装置(844)と
を備える、魚の切り身品における穴の大きさを定めるための魚の切り身品処理装置(800)。
【請求項25】
コンピュータプログラム製品等のコンピュータプログラムであって、
前記プログラムがコンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに対して、請求項1~23のいずれか1つに記載の方法を実行させる指示を備える、及び/又は
請求項24に記載の装置に対して、請求項1~23のいずれか1つに記載の方法のステップを実行させる指示を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚の切り身品の特性を定めること、特に魚の切り身品における穴の大きさを定める方法、及び対応する装置、コンピュータプログラム製品と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
魚の切り身品は、品質にばらつきがあり、特に、品質を劣化させる穴などの複数の品質のパラメータに起因して、品質にばらつきがある、又は品質上の問題を被ったりする可能性がある。魚の切り身品の穴は、魚の切り身品の構造的完全性が低下するため、さらなる加工に対する制限をもたらし得る、及び/又は価値の減少に関連する格下げをもたらし得る。穴の大きさを定めることは、例えば、魚の切り身品のさらなる加工に対する制限を特定する観点、及び/又は魚の切り身品の価値を評価する観点により、有益であり得る。
【0003】
穴の大きさを定める現在の方法は、多くの人手を要し、主観的で、要求されるほど精密及び/又は正確でない可能性がある。
【0004】
したがって、魚の切り身品における穴の大きさを定めるための改良された方法と、対応する装置と、使用と、コンピュータプログラム製品とが有利であって、特に、より少ない必要労働量により、魚の切り身品における穴の大きさを定めることを可能にして、客観的であって、精密さが改善されて、及び/又は正確さが改善された、改良された方法と、装置と、使用と、コンピュータプログラム製品とが有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を克服する方法、装置、使用、及びコンピュータプログラム製品を提供することであると考えられ得る。本発明のさらなる目的は、先行技術に代わるものを提供することであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、上述の目的および他の複数の目的は、本発明の第1の態様において、魚の切り身品における穴の大きさを定める方法を提供することによって取得されることが意図されている。この方法は、
魚の切り身品の第1領域の3次元(3D)プロファイルデータを取得するステップと、
魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを取得するステップであって、第1領域と第2領域が少なくともオーバーラップ領域でオーバーラップしているステップと、
オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータ、及びオーバーラップ領域内の光学的画像データに基づいて、魚の切り身品における穴の大きさを定めるステップと
を含んでいる。
【0007】
本発明の利点は、魚の切り身品における穴の大きさを定める方法を自動化できることである。この方法により、必要労働量を減少させる、及び/又は客観的になり得る。たとえば、3次元表面データ及び光学的画像データは、それぞれ、例えばプロセッサによってデジタルデータとして取得され得る。また、自動化されたアルゴリズムは、これらのデータを処理して、自動化された客観的な方法で穴の大きさを提供できる。
【0008】
本発明の別の利点は、3次元表面データと光学的画像データの両方を考慮することであり、これにより精密さ及び/または正確さを向上させることができる。これは関連データの増加を考慮した本発明により、可能であってもよく、ここでは2種類のデータが互いに補完し合う。
【0009】
たとえば、本発明の実施形態では、両方のデータタイプを使用することにより、一方のデータタイプ(三次元プロファイルデータなど)によれば穴領域であるように見える一方、他方のデータタイプ(光学的画像データなど)により、穴領域であることを除外できる、誤検出の穴領域を無視することができてもよい。
【0010】
誤検出の穴領域は、例えば、サケに対する1つ以上の異物の存在によって引き起こされ得る。
異物は、例えば、
プラスチック片、例えば青又は緑などのサケとは別の色を持つプラスチック片、
(魚の切り身品に対して異物とみなされ得る)サケの内臓、及び
(魚の切り身品に対して異物とみなされ得る)サケの骨、
又は、魚の切り身品の特徴は、例えば、メラニンスポット又は血圧スポット等の変色のいずれか1つであってもよい。
【0011】
他の例では、たとえば、本発明の実施形態では、両方のデータタイプを使用することによって、一方のデータタイプ又は他のデータタイプでは、異なって検出漏れの穴領域となる穴領域を含むことができてもよい。
【0012】
「穴の大きさ」とは、名目、序数、間隔、比率など、いずれかのタイプの測定尺度の文脈で理解されうる。したがって、穴の大きさを定めることは、魚の切り身品に穴があるか否かを(定性的に)定めるなど、穴の検出を含む。名目測定尺度によれば、魚の切り身品は、例えば、「穴がある」(例えば、穴のレベルが穴の閾値を超える、魚の切り身品のカテゴリ)と「穴がない」(例えば、穴のレベルが穴の閾値を超えない、魚の切り身品のカテゴリ)という共同かつ相互に排他的なカテゴリなど、2つのカテゴリだけに分類され得る。魚の切り身品は、例えば、閾値を超える1つ以上の特性(例えば、光学的撮像強度、色、体積、面積、幅、長さ、深さ、最大横寸法、背骨方向に対する最大横寸法の角度の1つ以上に基づいて定義される指標など)を有する空洞など、少なくとも1つの穴領域を含む場合、穴があると分類され得る。序数型測定尺度によれば、魚の切り身品は、ランク付けされたグループ、例えば、(穴がほとんどない、及び/又は穴がないグループを任意で含む)穴の増加に関連する3つ、4つ、又は5つ以上のグループに分類され得る。間隔型又は比率型測定尺度によれば、魚の切り身品に対する穴の大きさは、数値スコアを与えられるなどして定量化され得る。そのような数値スコアは、(例えば、上述の測定指標の値に類似する指標に基づいて)測定値に基づいて客観的に算出される。
【0013】
定量化された指標は、例えば、水平な支持面に支持された魚の切り身品に対する水平方向の寸法における穴の長さ及び/又は幅のような、ぽっかり開いた穴等、1つ以上の穴領域の横寸法の分類化のために使用され得る。「長さ」と「幅」は、以下のように解釈される。「幅」は、背骨の方向に直交する方向の寸法である。「長さ」は、背骨の方向に平行な方向の寸法である。たとえば、一実施形態によれば、魚の切り身品は、以下のカテゴリ0,2,3,4(カテゴリ1は存在しない)に分類され得る。
カテゴリ0:穴がない(穴がないことは、1つ以上の穴を有する魚の切り身品を含むと任意に理解される)。穴がある場合、穴の幅は、0.3cmより小さい、及び/又は穴の長さは、0.6cmより小さい。
カテゴリ2:穴の幅は、0.3cm以上であり、1.5cmより小さい、及び/又は
穴の長さは、0.6cm以上であり、2.0cmより小さい(
図11において、このカテゴリに分類され得る魚の切り身の実施例を示す)少なくとも1つの穴を有する。
カテゴリ3:穴の幅は、1.5cm以上であり、3.0cmより小さく、穴の長さは、2.0cm以上である(
図12において、このカテゴリに分類され得る魚の切り身の実施例を示す)少なくとも1つの穴を有する。
カテゴリ4:穴の幅は、3.0cm以上であり、穴の長さは、2.0cm以上である(
図13において、このカテゴリに分類され得る魚の切り身の実施例を示す)少なくとも1つの穴を有する。
【0014】
一実施形態では、穴の大きさは、1つ以上の(候補)穴領域を特定する必要のない指標に基づいて、完全または部分的に定められ得る。例えば、穴の大きさは、魚の切り身品の二乗平均平方根(RMS)のような粗さの大きさに基づいている。例えば、上述の分類化は、(カテゴリ2,3,4(又は5,6)のいずれにも該当しない)所定の粗さを有する魚の切り身を有するカテゴリ1を含むように、修正され得る。
【0015】
それぞれの場合、分類化は、以下のようなカテゴリ5,6を含んでもよい。
カテゴリ5:穴の幅は1.5cmより小さく穴の長さは2.0cm以上である、少なくとも1つの穴を有する。
カテゴリ6は:穴の幅は1.5cm以上であり穴の長さは2.0cmより小さい、少なくとも1つの穴を有する。
【0016】
それぞれの分類化において、魚の切り身品は、より高いランクのカテゴリに適していないことが理解される(たとえば、カテゴリ2に適している少なくとも1つの穴を有する魚の切り身は、カテゴリ5,6,3,4に適する穴を有していない場合、ただ、カテゴリ2に分類されるままである)。異なる実施形態において、カテゴリは、以下の順序で(低いランクから高いランクに向けて)ランク付けされている。
0,2,3,4
0,1,2,3,4
0,2,5,6,3,4
0,1,2,5,6,3,4
【0017】
「魚の切り身品」とは、魚の切り身又はその一部(皮付き、又は皮なし、すなわち、皮なしの魚の切り身品を含む)、例えば、切り身が背骨に対して実質的に直交する1つ以上の平面に沿って切り分けられる(最高の)切り分け部などであると理解される。「魚の切り身」とは、背骨と実質的に平行に切ること、例えば平行に切ることによって取得される切り分け部であると理解される。一般的に、三次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データは、それぞれ、背骨に対して平行等、実質的に平行な魚の切り身品の表面について取得されると理解される。
【0018】
「取得」(3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データ)とは、測定(例えば、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データが導出される生データを測定すること)又は受信(例えば、以前に測定された3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを受信すること)のいずれかであると理解される。
【0019】
「3次元プロファイルデータ」とは、魚の切り身品の表面の三次元プロファイルについての情報を含むあらゆる種類のデータ(2次元又は3次元の空間分解など)であると理解される。「3次元プロファイル」とは、魚の切り身品の表面(例えば、表面の部分の3次元的な位置)の形状として理解される。3次元プロファイルデータは、3次元の点の集合、(ラスタライズされた)高さマップ、及び表面形状を表現する1つ以上の数学的関数(z=f(x,y)、支持面からの距離zは、横方向位置(x,y)の数学的関数fとして与えられる)を含む以下の非限定的な例の集合から選択され得る。
【0020】
「魚の切り身品の第1の領域」とは、魚の切り身品の表面全体、所定の方向(例えば、支持面に面する側面の反対側)若しくは所定の点から見える表面の一部、又はその一部などの魚の切り身品の領域であると理解される。
【0021】
「光学的画像データ」とは、(例えば、ラスターパターンの点をスキャンする、若しくは複数の線をスキャンする)スキャナ又は(例えば、単一のスナップショットで光学的画像データを取得する)光学カメラなどの測定装置によって観察されるような、輝度及び/又は色度を表すデータ(2次元又は3次元の空間分解など)であると理解される。光学的画像データは、赤、緑、青(RGB)の強度についての情報を備えるような、単色又は色であってもよい。「光学」とは、紫外線(UV)、可視光線(VIS)及び赤外線(IR)に対応するような、100nm~1mmの範囲内の波長を有する電磁放射線を介して画像データが取得されることであると理解される。特定の実施形態では、画像データは、可視光線(VIS)のスペクトルに対応するような、380nm~740nmの範囲内の電磁放射線に対して取得される。「光学的画像データ(Optical imaging data)」は「光学的イメージデータ(Optical image data)」と同義且つ互換的に理解されてもよい。
【0022】
「データ」は、一般的に、デジタルデータであると理解され得る。
【0023】
「魚の切り身品の第2の領域」とは、魚の切り身品の表面全体、所定の方向(例えば、支持面に面する側面の反対側)若しくは所定の点から見える表面の一部、又はその一部などの魚の切り身品の領域であると理解される。
【0024】
第1の領域と第2の領域は、部分的にオーバーラップする(例えば、第1の領域が第2の領域の真部分集合である場合、又はその逆である場合、又はオーバーラップする領域(交差点)が第1の領域と第2の領域の両方の真部分集合である)、又は完全にオーバーラップする(例えば、第1の領域と第2の領域が互いに同一であり、第1の領域と第2の領域の両方が所定の方向又は点から見える魚の切り身品のすべての部分に対応する)など、少なくとも部分的にオーバーラップすることが理解される。
【0025】
「オーバーラップ領域」とは、第1の領域と第2の領域の両方によって占有される領域、すなわち、3次元プロファイルデータと光学的画像データの両方が存在する領域であると理解される。第1の領域と第2の領域は、オーバーラップ領域内で完全にオーバーラップしていることが理解され得る。オーバーラップ領域は、コヒーレントであってもよいし、複数の非コヒーレントな(サブ)領域を有してもよい。
【0026】
「オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータとオーバーラップ領域内の光学的画像データに基づいて、魚の切り身品における穴の大きさを定めること」とは、穴の大きさが、オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータとオーバーラップ領域内の光学的画像データの少なくともそれぞれに応じることであると理解される。穴の大きさが他の要素にも基づいていることが考えられ、含まれる。
【0027】
一実施形態によれば、方法は、
i.魚の切り身品の3次元プロファイルデータ、及び/又は
ii.魚の切り身品の光学的画像データ
に基づいて、穴領域候補の集合を定めるステップを備える。魚の切り身品における穴の大きさを定めるステップは穴領域候補の集合に基づく。考えられる利点は、穴領域候補の集合を定めることにより、1つ以上の穴領域と穴の大きさとの間のつながりを助け、及び/又は増加することである。別の考えられる利点は、例えば、魚の切り身品を切り分けることを目的として、魚の切り身の次の切り分けに関連し得る1つ以上の穴領域の位置を定めることを可能にすることにより、少なくとも1つ以上の切り分け部が、ほとんど穴を有していない、又は穴を有していないことである。
【0028】
「候補穴領域の集合」とは、穴がある、又は(ある程度の可能性で)穴があってもよい、(表面の)魚の切り身品の1つ以上の領域を特定する情報であると理解され得る。「穴領域候補の集合」は、穴領域である可能性がある(例えば、3次元プロファイルデータと光学的画像データの一方のみから定められる)1つ以上の領域と、該方法により出来るだけ高い可能性と同じ等、穴領域である可能性が高い(例えば、3次元プロファイルデータと光学的画像データの両方から定められる)1つ以上の領域の(改良された)集合との両方を含むことが理解される。「集合」とは、例えば、複数の穴領域候補を有する集合、単一の穴領域候補を有する集合、及び穴領域候補を有さない集合(例えば、「穴がない」という分類化につながり得る空集合)を含む等、数学で一般的であるように理解されるべきものであり、すなわち、穴領域候補の集合は、その集合における穴領域候補の存在を必然的に伴わず、まして、その集合における複数の穴領域候補が存在することを必然的に伴わない。「穴領域候補の集合」は、さらに、(例えば、ピクセルに対応するような)領域が穴領域であるかどうかを(定性的及び/又は二元的な方法で)定める集合と、(定量的な方法及び/又は比率若しくは間隔の大きさで)領域が穴領域になる可能性がある(複数の穴領域候補の部分集合を任意で含む)集合との両方を含むと理解され得る。
【0029】
一実施形態によれば、魚の切り身品における穴の大きさを定めることが、魚の切り身品の穴領域候補の集合を定めることを含む、方法が提供される。
各穴領域候補は、
合否が、魚の切り身品の3次元プロファイルデータに独占的に基づく等、魚の切り身品の3次元プロファイルデータに基づく、検査と、
合否が、魚の切り身品の光学的画像データに独占的に基づく等、魚の切り身品の光学的画像データに基づく、検査と、
をそれぞれ合格する。
考えられる利点は、穴領域候補が3次元プロファイルデータと光学的画像データのそれぞれに基づいて検査をそれぞれ合格するとき、穴領域候補の集合内に1つ以上の誤検出の穴領域候補を有するリスクが制限、低減、又は排除されることである。たとえば、初期の穴領域候補の集合は3次元プロファイルデータに基づいてもよい。また、改良された穴領域候補の集合は、(初期の穴領域候補の集合から)光学的画像データに基づく検査を合格しない1つ以上の誤検出の穴領域候補を除去することによって与えられ得る。
【0030】
一実施形態では、3次元プロファイルデータ及び光学的画像データのそれぞれに基づく検査は、穴領域候補が穴領域であると判定された場合のみ、合格となる。上述の方法で、それぞれのモダリティにおいて、穴領域であることを確認された穴領域候補だけが穴領域とみなされる。
【0031】
別の実施形態では、少なくとも1つのモダリティで穴領域であることが確認される場合(すなわち、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データに基づいて)、及びそれぞれのモダリティに基づく検査(すなわち、3次元プロファイルデータと光学的画像データのそれぞれ)が、穴領域候補が穴領域であることを証明しない結果とならない場合、穴領域候補が穴領域候補であるとみなされる。この実施形態において、それぞれの穴領域候補は、それぞれのモダリティで、「確認された穴領域」、「(穴領域の状態に関して)決定的でない」、及び「偽りであることを示す穴領域」として登録され得る。上述の実施形態では、穴領域候補を穴領域とみなすため、両方のモダリティが穴領域候補を「確認された穴領域」として登録する必要がある。一方、この実施形態は、少なくとも一方のモダリティが穴領域候補を「確認された穴領域」として登録していること、及び他方のモダリティに係る登録が、存在して、「確認された穴領域」又は「決定的でない」のいずれかであることを要求するだけである。この実施形態の利点は、(穴の存在を「積極的に」確認するため、両方のモダリティを必要とする実施形態に関して)異なって検出漏れとなりかねない、より多くの穴領域を含めるために役目を果たすことである。換言すれば、ある領域を穴領域とみなすときの制約を下げる実施形態が提示される。より詳しくは、一方のモダリティが穴を発見して、他方のモダリティが穴を偽りであると示さなければ十分である(すなわち、両方のモダリティが穴を確認する必要はない)。
【0032】
一実施形態によれば、魚の切り身品の穴領域候補の集合を定める方法、及び/又は合否が魚の切り身品の3次元プロファイルデータに基づく検査が提供される。
上述の方法及び/又は検査は、
穴領域候補における魚の切り身品の3次元プロファイルデータの1つ以上の高さの値を、
穴領域候補に隣接する1つ以上の領域における魚の切り身品の3次元プロファイルデータの1つ以上の高さの値
と比較することを備える。
考えられる利点は、例えば、穴領域候補の深さが予想される深さの予め決められた間隔内にあるかを確認することによって、1つ以上の穴領域候補を特定及び/又は検査することを可能にすることであってもよい。
【0033】
「隣接する」とは、一般的に、一定の距離又は相対的な距離、例えば、穴領域候補の境界から一定の距離内(1,2,5,10,20ミリメートル以内など)又は相対的な距離内(穴領域候補の最小寸法に対応する距離内など)であると理解され得る。
【0034】
一実施形態によれば、
合否が、魚の切り身品の光学的画像データに基づく、検査が、
穴領域候補内の位置、又は穴領域候補に隣接する位置における魚の切り身品の光学的画像データの実際の値を、
穴領域候補内の位置、又は穴領域候補に隣接する位置における魚の切り身品の光学的画像データの1つ以上の期待値
と比較することを含む、方法が提供される。
考えられる利点は、1つ以上の誤検出の穴領域候補を特定する(及び穴領域候補の集合から除去する)ことを可能にすることであってもよい。たとえば、1つ以上の穴領域候補は、(3次元表面プロファイルデータに基づいて穴領域候補の初期集合を特定するためのアルゴリズムを混乱させ得る)青いプラスチック片などの異物の存在により、誤って特定された場合、実際の値(すなわち、プラスチックの青色)と1つ以上の期待値(例えば、ピンクがかったオレンジから薄いピンクの範囲内の色などのサケの色、又は白から黄色の範囲内の色などの脂肪の色)との間の比較によって特定され得る。実施形態では、合格又は不合格は、閾値距離に対する1つ以上の期待値からの距離(RGB又はCIE1931色空間における1つ以上の点数からの距離など)に基づいてもよい、又は1つ以上の期待値と一致している実際の値(RGB又はCIE1931色空間における領域内など)に基づいてもよい。1つ以上の期待値(サケ)は、任意且つ適応的に、実際の魚の切り身品に基づいて、例えば、1つ以上の魚の切り身品又は1つ以上の部分の(実行中の)明度の平均値又は中央値に基づいて、与えられ得る。代替として、1つ以上の(サケの)期待色は、例えば、(250,128,114)、(255,160,122)、(255,145,164)及び/又は(233,150,122)のsRGB値(r,g,b)のような、1つ以上の一意に定義された色に基づいて、予め決められ得る。sRGB値の集合は、0~255(バイト)に正規化される。sRGB値は、任意に、IEC61966-2-1:1999を参照して与えられる。予め決められた値は、代替として、Koninklijke DSM N.V.,Herleen(オランダ)から入手可能な「SalmoFan(商標) Lineal」の1つ以上の色を表すものであってもよい。
【0035】
一実施形態によれば、
合否が、前記魚の切り身品の前記光学的画像データに基づく、検査は、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記光学的画像データの実際の値を、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記光学的画像データの1つ以上の期待値
と比較することを含む、方法が提供される。
穴領域候補に隣接する位置に基づくこのような比較により、隣接する位置からの情報、例えばプラスチック片などの異物の情報を考慮することによって、検査を改良することができ、誤検出の領域を特定できる。
【0036】
一実施形態によれば、
合否が、前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータに基づく、検査は、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータの実際の値を、
前記穴領域候補に隣接する位置における前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータの1つ以上の期待値
と比較することを含む、方法が提供される。
穴領域候補に隣接する位置に基づくこのような比較により、誤検出の領域を特定できる隣接する位置からの情報、例えばプラスチック片、骨構造などの異物の情報を考慮することによって、検査を改良することができる。
【0037】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップは、前記穴領域候補の集合に基づく、方法が提供される。
【0038】
一実施形態によれば、少なくとも所定の状況において、前記魚の切り身品の領域が前記3次元プロファイルデータに基づいて前記穴領域とみなされないとしても、例えば、前記光学的画像データに応じて、前記穴の大きさの一因となることを可能にするように構成されている、方法が提供される。この考えられる利点は、例えば、3次元プロファイルデータにおける検出漏れにより、穴の大きさが過小評価されないなど、より正確な穴の大きさが定められ得ることである。
【0039】
一実施形態によれば、少なくとも所定の状況において、前記魚の切り身品の領域が前記3次元プロファイルデータに基づいて前記穴領域とみなされたとしても、例えば、前記光学的画像データに応じて、前記穴の大きさの一因とならないことを可能にするように構成されている、方法が提供される。この考えられる利点は、例えば、3次元プロファイルデータにおける誤検出により、穴の大きさが過大評価されないなど、より正確な穴の大きさが定められ得ることである。実施例において、ある領域は3次元プロファイルデータでは穴領域とみなされるが、光学的画像データで観測されるように、その領域に隣接する可視プラスチックがあることにより、該領域は穴でない可能性がある(例えば、むしろ周囲のプラスチックに対して見かけ上の凹み又は窪みである)ため、穴の大きさを定めることには考慮されない。
【0040】
一実施形態によれば、少なくとも所定の状況において、前記魚の切り身品の領域が前記光学的画像データに基づいて前記穴領域とみなされないとしても、例えば、前記3次元プロファイルデータに応じて、前記穴の大きさの一因となることを可能にするように構成されている、方法が提供される。この考えられる利点は、例えば、光学的画像データにおける検出漏れにより、穴の大きさが過小評価されるなど、より正確な穴の大きさが定められ得ることである。たとえば、ある照明条件では、穴領域は、光学的画像データでは見えないが、3次元プロファイルデータでは見えることがあるため、含まれ得る(特に、他の要因が3次元プロファイルデータの誤検出を示さない場合、優先され得る。例えば、3次元プロファイルデータは他のすべてのものが同じであるため、穴領域のような3次元的特徴の評価においてより信頼できる)
【0041】
一実施形態によれば、少なくとも所定の状況において、前記魚の切り身品の領域が前記光学的画像データに基づいて前記穴の領域とみなされたとしても、例えば、前記3次元プロファイルデータに応じて、前記穴の大きさの一因とならないことを可能にするように構成されている、方法が提供される。この考えられる利点は、例えば、(血圧スポットなどによる)光学的画像データにおける誤検出により、穴の大きさが過大評価されないなど、より正確な穴の大きさが定められ得ることである。
【0042】
一実施形態によれば、前記穴の大きさは、穴の量又は程度を表す、及び/又は前記穴の大きさは、例えば1次元スケールのみ等1次元スケールに限定される、又は定量化される、方法が提供される。穴の大きさは、穴の量又は程度を示すものと理解することができて、及び/又は、穴の大きさが、1次元スケールで限定されるなど、1次元スケールで限定(肯定/否定)又は定量化されるものと理解することができる。穴の大きさは、例えば、1つ以上の穴領域及び/又は穴領域全体が穴領域候補の集合によって定められるように、それぞれの穴領域及び/又は穴領域全体のサイズ及び/又は数のみに基づいてもよい。
【0043】
一実施形態によれば、
魚の切り身品の光学的画像データに基づく検査は、
穴領域候補内の位置、又は穴領域候補に隣接する位置における魚の切り身品の光学的画像データにおける実際のパターンを、
穴領域候補内の位置、又は穴領域候補に隣接する位置における魚の切り身品の光学的画像データの期待されるパターン
と比較することを備える、方法が提供される。
考えられる利点は、1つ以上の誤検出の穴領域候補を特定する(及び穴領域候補の集合から除去する)ことを可能にすることであってもよい。たとえば、1つ以上の穴領域候補は、(3次元表面プロファイルデータに基づいて穴領域候補の初期集合を特定するためのアルゴリズムを混乱させ得る)胃の内容物などの異物の存在により、誤って特定された場合、実際のパターン(すなわち、乱雑な胃の内容物のノイズのあるパターン)と1つ以上の期待値(例えば、サケのゼブラ状の縞)との間の比較によって特定され得る。
【0044】
一実施形態によれば、魚の切り身品の光学的画像データに基づく検査は、穴領域候補内の位置、又は穴領域候補に隣接する位置における魚の切り身品の1つ以上の構造を確認することを備える、方法が提供される。考えられる利点は、1つ以上の誤検出の穴領域候補を特定する(及び穴領域候補の集合から除去する)ことを可能にすることであってもよい。たとえば、1つ以上の穴領域候補は、(3次元表面プロファイルデータに基づいて穴領域候補の初期集合を特定するためのアルゴリズムを混乱させ得る)中央脂肪線における又は中央脂肪線の近くにおけるリッジ状の構造及び/又は谷状の構造などの魚の切り身品の構造の存在により、誤って特定された場合、光学的画像データで特定されて、光学的画像データに基づく検査で考慮され得る。
【0045】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップは、
i.前記オーバーラップ領域内の前記3次元プロファイルデータと、
i.前記オーバーラップ領域内の前記光学的画像データと
を同時に任意で非並行に、及び/又は一体的に用いることを含む、方法が提供される。
上述の実施形態の考えられる利点は、3次元プロファイルデータと光学的画像データとを同時に用いることにより、例えば、他方のデータタイプの後、一方のデータタイプを用いることに比して、大きさを定めることが速くなり得ることである。
【0046】
一実施例では、アルゴリズムが、3次元プロファイルデータと光学的画像データ、例えば、それぞれの点が、3次元、(例えば、3つの直交座標x,y,zを有するベクトルのような)空間ベクトル、(モノクロ強度Iのような)光学的画像の値に関連している「4次元の」点群の形態である3次元プロファイルデータと光学的画像データの両方を含む4次元データ、例えば、(x,y,z,I)の構成を有する組み合わされたベクトル、又はモノクロ強度がRGBカラー強度に置き換えられた6次元データ、例えば、(x,y,z,R,G,B)の構成を有する6次元データから、例えば、関数を介して、穴の大きさを直接的に定める。
【0047】
別の実施例では、処理されたデータは、3次元プロファイルデータと光学的画像データの両方からの入力を介して提供される。たとえば、処理されたデータは、3次元プロファイルデータ又は光学的画像データのいずれかの派生型である。他方のデータタイプは、詳細を改良するために用いられる。たとえば、光学的画像データで確認された青いプラスチック及び/又は中央脂肪線の存在は、3次元プロファイルデータにおける3次元的特徴を取り除くために用いられる。この3次元的特徴は穴とは無関係である。データの派生型は、非バイナリ形式及び/又は間隔若しくは比率の形式のデータを備えてもよい。
【0048】
「同時に」とは、オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータ及びオーバーラップ領域内の光学的画像データの使用が、同一の期間内に行うように、少なくともオーバーラップすることであると理解され得る。同時進行の処理は順次行うものではない。「非並行」とは、オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータを用いる処理と、オーバーラップ領域内の光学的画像データを用いる処理とが、互いに依存して行われることであると理解され得る。「統合された」とは、一方又は両方のデータタイプの分析が、他方のデータタイプを含むことであると理解され得る。
【0049】
一実施形態によれば、穴の大きさが、
穴領域候補の数、
穴領域候補の総面積と魚の切り身品の総面積との間の穴領域候補の比率、
穴領域候補の平均(正規化)深さ、
第1四分位数、又は中央値、又は第3四分位数のような予め決められた百分位数における穴領域候補の面積、
第1四分位数、又は中央値、又は第3四分位数のような予め決められた百分位数における穴領域候補の偏心、
魚の切り身品の二乗平均平方根(RMS)粗さのような粗さ
のいずれかに基づいて定められる、方法が提供される。
【0050】
一実施形態によれば、光学的画像データが光学的色画像データである、方法が提供される。考えられる利点は、光学的色画像データが(光学的モノクロ画像データと比較して)追加関連情報を含むことであってもよい。光学的色画像データとは、赤、緑、青(RGB)に対応する波長のような2以上のそれぞれの波長、例えば2以上のそれぞれの波長間隔についての情報を含むデータであると理解され得る。
【0051】
一実施形態によれば、穴の大きさが、穴の大きさに従って魚の切り身品を少なくとも3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上の異なるクラスに分類することを可能にするように、定量的である、方法が提供される。実施形態において、穴の大きさは、間隔型又は比率型測定尺度に基づき、及び/又は、穴の大きさは数値スコアとして与えられる。たとえば、数値スコアは、測定値に基づいて客観的に計算される。
【0052】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品が非平面に配置されている間に、
前記3次元プロファイルデータ、及び/又は
前記光学的画像データ
を取得する、例えば測定することを備える、方法が提供される。考えられる利点は、穴領域が、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データでより視認される等より顕著になることであってもよい。非平面は、細長い凸状の特徴のような凸状の特徴を有してもよい。細長い凸状の特徴の場合、凸状の特徴の長手方向軸は、魚の切り身品の背骨の方向と平行であるなど実質的に平行な、又は直交するなど実質的に直交する方向に向けられている。一実施形態において、方法は、魚の切り身品を非平面に配置することを備える。非平面は、コンベヤベルトなどのコンベヤである。方法は、魚の切り身品を搬送することを備える。非平面は、魚の切り身品の少なくとも一部が軸周りに曲げられるように構成されている細長い凸状の特徴のような凸状の特徴を含む。軸は、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを取得する、例えば測定する間、背骨の方向と平行など実質的に平行である、又は直交するなど実質的に直交している、及び/又は搬送方向と平行など実質的に平行である、又は直交するなど実質的に直交している。たとえば、魚の切り身品は、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを取得する、例えば測定する間、それぞれの魚の切り身品の背骨、及び脂肪中心線と実質的に一致するように配置されているコンベヤの(搬送方向と実質的に平行な方向に任意で延びて向いている)凸状の特徴の方向と実質的に平行な方向に搬送され得る。「細長い特徴の長手方向軸」とは、最も長い寸法に沿う軸及び/又は慣性の最小モーメントがかかる軸と理解され得る。「実質的に平行」とは、背骨に沿う軸と長手方向軸のような2つの軸の間の最小角度が45°以下、例えば、45°未満、30°未満、20°未満、10°未満、5°未満、2°未満、1度未満、又は最小角度が0°であると理解され得る。「実質的に直交」とは、最小角度が45°より大きい、例えば60°より大きい、70°より大きい、80°より大きい、85°より大きい、88°より大きい、89°より大きい、又は最小角度が90°であると理解され得る。
【0053】
背骨の方向に言及する場合、背骨が存在するとき、又は背骨が存在していたとき、背骨の方向であると理解される。すなわち、(例えば、骨なしの)魚の切り身に背骨がないことは、背骨の方向が無意味になることにはならない。
【0054】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品が乗る前記非平面、例えばコンベヤは、突出部を有しており、前記突出部は、(例えば、搬送方向及び/又は魚の切り身品の脂肪中心線若しくは背骨に平行な方向における)前記突出部のいずれかの側の表面にあって、且つ互いに1cmから100cm以内、例えば5cmから50cm以内、10cmから25cm以内にある位置を繋ぐ直線から(上述のように)少なくとも0.5cm、例えば少なくとも1cm、2cm、3cm、5cm離れた位置を含む、方法が提供される。この利点は、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データにおいて、穴領域をより見えるようにすることであってもよい。
【0055】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品は、突出部に配置されており、前記突出部は、細長く、1よりも大きな、例えば1.5又は2よりも大きなアスペクト比を有しており、前記突出部の長手方向軸と、前記魚の中心線及び/又は前記魚の背骨がある場合に前記魚の背骨に対して平行な前記魚の切り身品の軸と、の間の最も小さな角度が、60°以下、例えば45°以下、30°以下、15°以下、10°以下、5°以下、実質的に0°、0°である、方法が提供される。この利点は、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データにおいて、穴領域をより見えるようにすることであってもよい。
【0056】
一実施形態によれば、自動化された方法である、方法が提供される。この利点は、労働需要が制限される、低減される、又は排除されることである。「自動化された方法」とは、人的な相互作用を要求しない方法であると理解され得る。自動化された方法は、例えば、3次元プロファイル特定装置及び/又は光学的撮像装置と動作可能に任意で結合されるロボット及び/又は処理装置を用いて実現され得る。
【0057】
一実施形態によれば、インライン化された方法である、方法が提供される。この利点は、方法が他の方法と効率的に結合されることである。他の方法は、効率的な全方法を伴い得る。「インライン化された方法」とは、1つ以上の方法が、(例えば、魚の切り身品が、上流のステーションにおける方法において、魚から切り取られるとき、ラインに沿って魚の切り身品に単になり得る)魚の切り身品のような1つ以上の物体があるラインに沿う上流及び/又は下流で実行される、全方法の一部の方法であると理解され得る。インライン化された方法は、例えば、ラインに沿うステーションの間において、1つ以上の物体を搬送するためのコンベヤを用いて実現され得る。
【0058】
本発明の実施形態は、概して、コンベヤ及び/又はコンベヤ上の搬送を含み得ることが理解され得る。「コンベヤ」とは、一般に、エンドレスコンベヤベルト及び/又は平ベルト(例えば、魚の切り身が載置される、又は載置され得る平ベルト)によって形成された荷重搬送面を有するコンベヤベルトなどのコンベヤベルトのような、搬送するためのあらゆる手段であると理解される。
【0059】
一実施形態によれば、自動化及び/又はインライン化された方法である、方法が提供される。
【0060】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品は、サケ、マス、タラ、及びハドックのいずれかの品目等、サケ目又はタラ目の魚に由来する、方法が提供される。
【0061】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品は、サケとマスのいずれかの品目等、サケ目の魚に由来する、方法が提供される。
【0062】
一実施形態によれば、前記魚の切り身品は、(アトランティックサーモンという通称でも知られる)タイセイヨウサケのようなサケ属内の魚のサケの製品である、方法が提供される。
【0063】
一実施形態によれば、
前記魚の切り身品における前記穴の大きさを定めるステップは、前記魚の切り身品の穴領域候補の集合を定めることを含んでおり、
ステップAにおいて、前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータに基づいて、前記魚の切り身品の穴領域候補の集合を定めて、
ステップBにおいて、
i.それぞれの穴領域候補に対して、合否が前記魚の切り身品の前記光学的画像データに基づいている検査を行い、且つ
ii.前記検査が不合格であったいずれかの前記穴領域候補を集合から取り除く、
方法が提供される。
この利点は、両方のタイプのデータを活用し、恩恵を受けるためのシンプルな方法を提供できることである。例えば、閾値化、エッジ検出、又は流域変換のいずれかのような画像分割によって、魚の切り身品の穴領域候補の集合を識別するため、3次元プロファイルデータを利用するステップAと、光学的画像データに基づいて誤検出であると定められた上記集合から穴領域候補を取り除くため、光学的画像データを利用するステップBと、の2つのステップの処理が提供され得る。「取り除く」とは、取り除かれた穴領域候補を除いて、以前の要素(穴領域候補)を含む(任意で新しい)集合をもたらすいずれかの方法であると理解され得る。
【0064】
一実施形態によれば、他の実施形態と容易に組み合わされるが、方法は、また、生の3次元プロファイルデータ及び/又は生の光学的画像データを変更する1つ以上のステップのような1つ以上の前処理ステップを備えてもよい。前処理ステップは、スケーリング、ローパスフィルタリング、ハイパスフィルタリング、バンドパスフィルタリングのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0065】
別の一実施形態によれば、魚の切り身品の穴の大きさを定めることは、穴領域候補がステップBで取り除かれなくなるまで、ステップAとステップBを繰り返すことを含む、方法が提供される。これは反復プロセスと考えられ得る。考えられる利点は、(例えば、誤検出及び/又は検出漏れの少ない穴領域候補の集合をもたらすという点であり、穴の大きさの決定を改善し得る)より良い結果が得られることである。たとえば、最初のステップBが実行されて、(例えば、魚の切り身品に青いプラスチック片が付着していることにより)誤検出された穴領域候補が取り除かれる場合、その後の最初の反復でステップAを実行すると、この除去が考慮されて、(最初のステップAが最初に実行されたとき、識別されなかった、及び/又は正しく識別されなかった1つ以上の穴領域候補を含み得る)(残りの)穴領域候補の識別が改善され得る。
【0066】
一実施形態によれば、
魚の切り身品の穴の大きさを定めることは、
3次元プロファイルデータに任意に基づいて、魚の切り身品の穴領域候補の集合を定めること、
i.、穴領域候補の集合におけるそれぞれの穴領域候補を弱いか又は強いかに分類して、
ii.魚の切り身品の穴領域候補の集合から、強い穴領域候補に対して繋がらない1つ以上の弱い穴領域候補を取り除く
ことによって、3次元プロファイルデータに任意に基づいて、魚の切り身品の穴領域候補の集合を減少させること
を含む、方法が提供される。
この考えられる利点は、(結果として)穴領域候補の集合内に誤検出の穴領域候補を含むリスクを低減できることである。弱い穴領域候補と強い穴領域候補との間の区別は、例えば、背骨の方向に対して直交する方向に対する方向における穴領域候補のノイズレベル、深さ、面積、又は寸法に関する閾値化によって行うことができる。
【0067】
一実施形態によれば、
3次元プロファイルデータ、及び
光学的画像データは、
それぞれ、2次元で空間分解される、方法が提供される。「2次元で空間分解される」とは、画像、(z値が、対応して分布しているx値とy値に対して与えられる)3次元の点の集合、及び(z値が、ラスタライズされて分布しているx値とy値に対して与えられる)高さマップの場合のように、値(例えば、「z」次元、色強度、又はモノクロ強度のような所定の次元における空間座標)が、(互いに及び/又は値に対して線形独立である等)少なくとも2つの線形独立方向に分布している複数の空間位置に対して与えられることであると理解される。
【0068】
一実施形態によれば、3次元プロファイルデータが、3次元プロファイルデータから3次元プロファイルデータの不鮮明なバージョンを差し引くことによって、処理される、例えば前処理される、方法が提供される。この考えられる利点は、穴領域についての情報を保ちながら、3次元プロファイルデータを平坦化できること、及び/又は魚の切り身品の全体形状を差し引けることであってもよい。この考えられる利点により、穴領域候補の改善された識別を容易にし得る。別の実施形態において、この処理は反復的に実行されて、その結果得られる3次元プロファイルデータを改善できる、例えば、魚の切り身品の端部又は端部の近傍の1つ以上の領域における3次元プロファイルデータを改善できる。
【0069】
一実施形態によれば、
前記方法はまた、
i.前記魚の切り身品の前記3次元プロファイルデータと
ii.前記魚の切り身品の前記光学的画像データと
に少なくとも基づいて、前記魚の切り身品の1つ以上の穴領域候補の1つ以上の位置を定めることを備える、方法が提供される。
考えられる利点は、1つ以上の位置を定めることにより、関連情報を上流の処理ステーションに対して与えられることである。たとえば、穴を減らすため、上流の処理ステーションで処理を調整する必要性は、穴領域候補の位置に応じてもよい。別の考えられる利点は、上記1つ以上の位置を定めることにより、関連情報を下流の処理ステーションに対して与えることである。例えば、切り分け、分類、等級付け、及び処理のいずれかは、(穴領域候補の存在だけでなく、)1つ以上の穴領域候補の1つ以上の位置に応じてもよい。
【0070】
一実施形態によれば、前記方法はまた、1つ以上の穴領域候補の少なくとも定められた1つ以上の位置及び少なくとも1つの魚の部分の特徴に基づいて、魚の切り身品を魚の切り身品の部分に分割する、魚の切り身品に亘る魚の切り身品のカット部分の分布を定めることをさらに備える、方法が提供される。
【0071】
考えられる利点は、魚の切り身品が、食品の穴領域候補の位置に基づいて、魚の切り身品の部分に切り分けられること、及び/又は穴領域候補を含む魚の切り身品の部分の数が減少することである。これは、このように制御された切り分け装置は、穴領域候補を含む領域を効果的に切り取ることができるためである。
【0072】
考えられる利点は、方法が魚の切り身品又はその部分の適用性を高めることを可能にすることであり、例えば、ある等級付け(例えば、穴により、相対的に悪い等級付け)を有する魚の切り身品を入力として取り、同等又はより悪い等級付けの切り分けられた魚の切り身の2次品(魚の切り身の2次品とは、魚の切り身品の2次品など魚の切り身全体の2次品及び魚の切り身品の2次品のそれぞれを含むと理解される)及びより良い等級付けの切り分けられた魚の切り身の2次品を出力して、この場合、より良い等級付けを有する魚の切り身の2次品の単独、又は残りの魚の切り身の2次品と共に、適用性及び/又は価値が、(最初の)ある等級付けの魚の切り身品と比較して改善された適用性及び/又は価値を示す。例えば、魚の切り身品は、低価値、輸出制限、(穴があるため、スライスできないような)限定された適用性の1つ以上を伴う(悪い)等級付けを有してもよいが、魚の切り身品の部分の切り分け部の巧妙な分布に従って切り分けるとき、得られる魚の切り身の2次品は、例えば、魚の切り身の2次品全体の平均値がより高くなることを伴う、一部の切り身の等級付けがより高くなることにより、価値がより高くなる、又は魚の切り身の2次品の一部を輸出できるようになる、又は魚の切り身の2次品の一部を、魚の切り身の2次品が適用されなかった目的に使用できるようになる。
【0073】
別の一実施形態によれば、少なくとも1つの魚の切り身品の部分の特徴は、部分のサイズ、部分の重量、部分の形状、部分の色、部分の色の分布、部分の肉のきめ、及び/又は部分の肉と脂肪の比率のグループから選択される、方法が提供される。
【0074】
一実施形態によれば、前記方法はまた、定められた前記魚の切り身品のカット部分の分布に従って、前記魚の切り身品を魚の切り身品の部分に切り分けることを備える、方法が提供される。考えられる利点は、穴領域候補の位置を考慮することなく、(穴領域候補で魚の切り身品が切り分けられて、穴領域候補を含む切り分けられた2つの魚の切り身品の部分を形成するリスクがある)魚の切り身の切り分けが行われることを回避できることである。したがって、本発明の実施形態は、切り分けられた魚の切り身品の部分の歩留まりを最適化することを可能にする。部分の切り分けと同様に魚の切り身品を横切って切断する等、穴領域候補の先頭部分に近い部分、及び穴領域候補の後方部分に近い部分を切り分ける場合、穴領域候補を有するこのような部分は、魚の切り身品の部分のように見え、「穴領域候補を含む部分」であってもよいが、好ましくは分類され、ミンチ肉など他の用途に使用され得る。
【0075】
別の一実施形態によれば、方法はまた、魚の切り身品及び/又は魚の切り身品の1つ以上のカット部分の穴の大きさに基づいて、魚の切り身品及び/又は魚の切り身品の1つ以上のカット部分を分類することを備える、方法が提供される。一部の実施形態において、方法は、魚の切り身品及び/又は切り分けられた食品の部分を分類するステップを備える。分類は、穴の大きさ、例えば、魚の切り身品の部分(全体)の穴の大きさ及び/又は魚の切り身品のそれぞれの切り分け部に特有の穴の大きさに少なくとも基づいている(例えば、穴領域候補が切り分け部に存在する場合、上記特有の大きさは、魚の切り身品の1つ以上の穴領域候補の1つ以上の位置に基づいてもよい)。
【0076】
別の一実施形態によれば、前記方法はまた、フィードバックなど前記穴の大きさに基づくパラメータを上流のステーション及び/又は下流のステーションに与えること、例えば前記パラメータに基づいて、上流のステーション及び/又は下流のステーションにおける処理を調整することを備える、方法が提供される。考えられる利点は、活魚の処理及び/又は状態を改善又は最適化できることである。
【0077】
たとえば、穴の大きさが増加する及び/又は閾値を超える場合、穴の大きさに基づくパラメータを上流のステーションに与えることにより、穴の大きさの増加を制限する、低減する、又は排除するように、及び/又は穴の大きさを上記閾値未満に保つように、上流のステーションにおける処理を調整できる。
【0078】
別の実施例において、穴の大きさが下流のステーションに対して与えられる場合、上記大きさにより、穴の大きさに基づく処理、分類、及び/又は等級付け(の道筋を定めること)ができる。
【0079】
分類の考えられる利点は、魚の切り身品のカット部分の分布を定めることを含む方法に対する上述の利点と同様に、複数の魚の切り身品の適用性を増加させること、例えば、複数の魚の切り身品が所定の等級付け(例えば、実際の平均的な穴又はいずれかの魚の切り身品の所定の穴のリスクによる比較的悪い等級付けなど)に関連付けられている場合に、複数の魚の切り身品を入力として取り込むこと、及び同一又は悪い等級付けの魚の切り身品の部分集合と良い等級付けの魚の切り身品の別の部分集合を出力することを可能にすることである。良い等級付けのみ、又は残りの魚の切り身品と一緒の魚の切り身品の部分集合の適用性及び/又は価値は、ある(初期の)等級付けの複数の魚の切り身品と比較して改善された適用性及び/又は価値を呈する。たとえば、複数の魚の切り身品は、低価値、輸出制限、(穴があるため、スライスできないような)限定された適用性の1つ以上を伴う(悪い)等級付けを有してもよいが、穴の大きさに従って魚の切り身品を分類するとき、得られる魚の切り身品の部分集合は、例えば、魚の切り身品全体の平均値がより高くなることを伴う、魚の切り身品の1つ以上の部分集合内の魚の切り身品の等級付けがより高くなることに起因して、価値がより高くなる、又は魚の切り身品の一部を輸出すること、又は魚の切り身品の一部を複数の魚の切り身品が適用されなかった目的に使用することを可能にする。
【0080】
発明の第2の態様によれば、
魚の切り身品における穴の大きさを定めるための魚の切り身品処理装置であって、
前記魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを生成するための3次元プロファイル特定装置、例えばカメラ及びラインレーザと、
前記魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを生成するための光学的撮像装置、例えばカメラであって、前記第2領域は前記第1領域と少なくとも部分的にオーバーラップする、前記光学的撮像装置と、
前記3次元プロファイル特定装置及び前記光学的撮像装置に対して動作可能なように連結されており、第1の態様の方法を実行するように構成されている、処理装置、例えばコンピュータと
を備える、魚の切り身品における穴の大きさを定めるための魚の切り身品処理装置が提供される。
【0081】
「3次元プロファイル特定装置」とは、例えば、接触方法又は非接触方法に基づく等、魚の切り身品の3次元プロファイルデータを定め得る、例えば測定し得るいずれかの装置、例えば、魚の切り身品に投影されて、(例えば、搬送される魚の切り身品による)レーザラインの方向に対して直交するような非平行な方向に魚の切り身品に対して移動する線を有するラインレーザ、又は魚の切り身品を横切るラスターパターンで走査されるポイントレーザに基づく3次元レーザラインプロファイルセンサであると理解され得る。
【0082】
「光学的撮像装置」とは、魚の切り身品に対する光学的画像データを定め得る、例えば測定し得るいずれかの装置であると理解され得る。光学的撮像装置は、光学的画像データのすべての部分を同時に(例えば、スナップショットのように)又は異なる時点で(線ごとに走査するように)取得してもよい。光学的撮像装置は、光源を有してもよい。光学的撮像装置は、(デジタル)カメラ又は(デジタル)スキャナのいずれかであってもよい。
【0083】
一実施形態によれば、魚の切り身品を搬送するため、例えば3次元プロファイル特定装置及び/又は光学的撮像装置に向けて、及び/又は3次元プロファイル特定装置及び/又は光学的撮像装置から魚の切り身品を搬送するためのコンベヤベルトのようなコンベヤをさらに備える、魚の切り身品処理装置が提供される。コンベヤは、光学的撮像装置を通過して任意で切り分け装置に向かう魚の切り身品を搬送するインフィードコンベヤを備えてもよい。少なくとも1つのコンベヤはまた、切り分けられた魚の切り身品の部分を任意に切り分け装置から搬送するように構成されているアウトフィードコンベヤを含んでもよい。インフィードコンベヤとアウトフィードコンベヤは、その間に切断面を定める端から端までの配置で構成され得る。切り分け装置は、切断面で魚の切り身品を切断するように構成されている。
【0084】
また、装置は、3次元プロファイル特定装置及び光学的撮像装置の下流に配置された分類装置をさらに備えてもよい。処理装置は、穴の大きさに基づいて魚の切り身品を分類するために構成されている。
【0085】
また、装置は、3次元プロファイル特定装置及び光学的撮像装置の下流に配置された切り分け装置をさらに備えてもよい。制御装置は、少なくとも、定められたカット部分の分布及び/又は定められた欠陥領域の位置に基づいて、切り分け装置を制御するように構成される。これは、さらに、この情報が処理ユニットで既に利用可能であるため、切り分け装置自体が穴領域候補を配置する手段を備える必要がないという利点を有する。
【0086】
任意で、分類装置は、切り分け装置の下流に配置されている。処理ユニットは、例えば、切り分けられた魚の切り身品の部分の効果的且つ自動的な分類のため、定められたカット部分の分布及び穴領域候補の定められた位置に少なくとも基づいて、分類装置を制御するように構成されている。これは、この情報が処理ユニットで既に利用可能であるため、分類装置自体が穴領域候補を配置するための手段を備える必要がないというさらなる利点を有する。
【0087】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータプログラム、例えばコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムがコンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに対して、第1の態様の方法を実行させる指示を備える、及び/又は第2の態様の前記装置に対して、第1の態様の方法のステップを実行させる指示を備える、コンピュータプログラムが提供される。
【0088】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様の方法を実行するため、魚の切り身品処理装置、例えば第2の態様に記載の魚の切り身品処理装置、又はコンピュータプログラム製品のようなコンピュータプログラム、例えば第3の態様に記載のコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品の使用が提供される。
【0089】
別の一態様によれば、第3の態様のコンピュータプログラム、例えばコンピュータプログラム製品が保存されたコンピュータが読み取り可能な媒体が提供される。
【0090】
本発明の第1、第2、第3、及び第4の態様はそれぞれ、他のいずれかの態様と組み合わせることができる。本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に説明する実施形態を参照することにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【
図1】魚の切り身品の穴の大きさを定める方法を図示するフローチャートを示す。
【
図2】穴領域候補の集合に関連付けられた魚の切り身品を示す。
【
図3】魚の切り身品の穴の大きさを定める方法のフローチャートを示す。
【
図5】光学的画像データに基づく穴領域候補を示す。
【
図6】3次元プロファイルデータに基づく穴領域候補の集合を示す。
【
図7】魚の切り身品の切り分け部の分配を定めることを含む方法の結果を図示する。
【
図9】3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを取得する間に魚の切り身品の少なくとも一部が非平面に載置されている、方法を示す。
【
図10】3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを取得する間に魚の切り身品の少なくとも一部が非平面に載置されている、方法を示す。
【
図11】カテゴリ2~4に該当する穴を有する魚の切り身の例を示す。
【
図12】カテゴリ2~4に該当する穴を有する魚の切り身の例を示す。
【
図13】カテゴリ2~4に該当する穴を有する魚の切り身の例を示す。
【
図14】第1の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図15】第1の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図16】第1の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図17】第1の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図18】第2の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図19】第2の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図20】第2の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図21】第2の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図22】第3の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図23】第3の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図24】第3の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【
図25】第3の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0092】
本発明に係る魚の切り身品の穴の大きさを定めるための方法、装置、コンピュータプログラム製品、および装置又はンピュータプログラム製品の使用が、添付の図を参照してより詳細に説明される。図は、本発明を実施する1つの方法を示すものであり、添付の特許請求の範囲に属する他の可能な実施形態を限定するものとして解釈されるものではない。
【0093】
図1は、魚の切り身品における穴の大きさを定める方法100を示すフローチャートを示しており、
図1は魚の切り身品はタイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)種であり、この方法は、
魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを取得するステップ102と;
魚の切り身品の光学的画像データを取得するステップ104と、ここで第1領域と第2領域は少なくともオーバーラップ領域内でオーバーラップしており、
i.オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータと
ii.オーバーラップ領域内の光学的画像データと
に基づいて、魚の切り身品の穴の大きさを定めるステップ106と
を含んでいる。
【0094】
図1に示す方法100は、さらに、穴の大きさに基づくパラメータ105を、解凍ステーションまたは脱凍ステーション等の上流のステーション110に提供することを含んでおり、穴の大きさが改善される可能性がある又は改善されるべき場合、動作が調整及び/又は改善など評価され得る。図には、3次元プロファイルデータと光学的画像データを測定するステップ112も示されており、この実施形態では、3次元プロファイルデータを取得するステップ102及び光学的画像データを取得するステップ104は、以前に測定された3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを受け取ることによって実現される。
【0095】
図1に図示された具体的な実施形態では、本方法は、(例えば、穴の大きさを定めるステップ106の中で)少なくとも魚の切り身品のカラー画像データに基づいて魚の切り身品の1つ以上の穴領域の候補の1つ以上の位置を定めること、及び魚の切り身品の3次元プロファイルデータを定めること、をさらに含む。図はまた、決定された1つ以上の穴領域の候補の少なくとも1つ以上の位置と、少なくとも1つの魚部分の特徴とに基づいて、魚の切り身品を魚の切り身品部分に分割する、魚の切り身品に亘る魚の切り身品のカット部分の分布を定めること108を示している。
【0096】
2タイプのデータを取得するステップ102、104、穴の大きさを定めるステップ106、及び魚の切り身品のカット部分の分布を定めるステップ108は、同じ処理ユニットで例えば同じアルゴリズムで実行されてもよい。
【0097】
図1はさらに、魚の切り身品部分のカットの分布を下流の(切断)ステーションに送信することを示しており、そこで切断すること109に使用され得る。
【0098】
図2は、穴領域候補の集合に関連する魚の切り身品3を示しており、図では3つの穴領域候補20を有している。
図2に設定された特定の穴領域候補の集合は、特定の魚の切り身品3の実際の(真の)穴領域を代表するものである。
【0099】
図3は、魚の切り身品の穴の大きさを定める方法300のフローチャートを示しており、本方法は
魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを取得するステップ102と、
魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを取するステップ104と、ここで第1領域と第2領域はオーバーラップ領域内で少なくとも重複しており、
とを含んでいる。
本方法は、さらに
i.魚の切り身品の3次元プロファイルデータ、及び/又は
ii.魚の切り身品の光学的画像データ
に基づいて穴領域候補の集合を定めるステップと、
ここで、魚の切り身品における穴の大きさを定めるステップ306が、穴領域候補の集合に基づいており、より具体的には
図3の特定の方法において、これは魚の切り身品の穴領域候補の集合を定めることを含んでおり、
ステップAにおいて、少なくとも魚の切り身品の3次元プロファイルデータに基づいて、魚の切り身品の穴領域候補の集合、例えば初期穴領域候補の集合を定めるステップ314と、
ステップBにおいて、
i.各穴領域候補を、合否が魚の切り身品の光学的画像データに基づく検査にかけること、及び
ii.テストで不合格となった穴領域候補を集合から除外し、例えばそれによって改訂された穴領域候補の集合を提供するステップと、
取り除かれた領域を有する(改訂後の)穴領域候補の集合に基づき、魚の切り身品の穴の大きさを定めるステップ306と
を含んでいる。
【0100】
図4は、以下のステップを含む方法400のフローチャートを示しており、本方法は、
魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを取得するステップ102と、
魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを取得するステップ104と、ここで第1領域と第2領域は少なくともオーバーラップ領域内でオーバーラップしており、
とを含んでおり、
本方法は、
i.オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータ、及び
ii.オーバーラップ領域内の光学的画像データ
を同時に採用することを含んでいる。
【0101】
図は、オーバーラップ領域内の3次元プロファイルデータに関して前処理が行われていること418、及びオーバーラップ領域内の光学的画像データに関して前処理が行われていること420を、さらに示している。2つのデータタイプを同時に採用することは、3次元プロファイルデータ又は光学的画像データのいずれか一方の派生バージョンを提供すること422によって実現されてもよく、この場合に他方のデータタイプは詳細を改良するために採用され、例えば、データの派生バージョンが非バイナリフォーマット及び/又は区間若しくは比率タイプのフォーマットのデータを有し得る。次に、本方法は、派生バージョンのデータに基づいて、すなわち両方のデータタイプに同時に基づいて、魚の切り身品の穴の大きさを定めること406を含み得る。
【0102】
代替の実施形態では、入力を取り、それを穴の大きさに直接変換するG(入力)=(穴の大きさ)のような関数を提供し、入力は、空間座標(x、y、z)及び/又はモノクロ強度(I)又はカラー値(例えば、R,G,B)等の画像データを有するデータの集合(例えばベクトル)であってもよい。「直接」は、最初の穴領域候補の集合の生成等、中間段階が生じないと、理解されてもよい。
【0103】
図5~6は、魚の切り身品の3次元プロファイルデータ(
図5)及び/又は魚の切り身品の光学的画像データ(
図6)のいずれか一方から穴領域候補の集合を独立して生成した結果を示しており、ここでは魚の切り身品3は
図2に図示されたものと同じである(
図2は真の穴領域候補の集合を含んでいる)。
【0104】
図5は、光学的画像データに基づく穴領域候補の集合が穴領域22Aを正しく含んでいることを示している。しかしながら、破線の楕円により囲まれた領域26で示されるように、真の穴領域が欠落している。さらに、誤検出の穴領域22bも含まれている。さらに、図には、1片の、三日月型の青色(プラスチック)領域24が示されている。
【0105】
図6は、3次元プロファイルデータに基づく穴領域候補の集合が穴領域28Aを正しく含んでいることを示している。しかしながら、破線の楕円により囲まれた領域30で示されるように、真の隙間領域が欠落している。さらに、誤検出の穴領域28bも含まれている。さらに、図には、太い破線で示された中心線に隣接するキャビティ32が示されている。
【0106】
図5~6は、いずれのデータモダリティも、検出漏れの穴領域候補と誤検出の穴領域候補の両方を含んでいるので、正しい穴領域候補の集合をもたらさないことを示している。しかしながら、両方のデータタイプを利用することによって、改善された又はさらに真の穴領域候補の集合が達成され得る。例えば、初期の穴領域候補の集合を各モダリティの穴領域候補を全て含むことによって提供することができ、その後、他方のモダリティからの情報に基づいて一方または両方のモダリティの穴領域候補の一部を任意で取り除く。例えば、
図5の穴領域候補22Bは、
図6で観察されるように中心線に近すぎ、長軸が中心線に平行に配向しているので
図6では誤検出である可能性が非常に高いため、取り除くことができる。同様に、
図6の穴領域候補28Bは、三日月形の青色(プラスチック)領域24に近すぎるので
図6では誤検出である可能性が非常に高いため、取り除くことができる。
図5の領域26と
図6の領域30の穴領域候補は、取り除く理由がない可能性があるため含まれており、したがって、穴領域候補の集合に含まれていないモダリティでは検出漏れとみなされる。したがって、それぞれのモダリティがいくつかの点で間違っていたとしても(誤検出及び検出漏れ)、モダリティを組み合わせることによって、向上した穴の測定を任意で向上した候補穴領域の集合を介して達成できる。
【0107】
図6の穴領域候補28Bは、検査に不合格であったために誤検出とみなすことができ、合否が魚の切り身品の光学的画像データ(
図5参照)に基づく検査は、
穴領域候補又は穴領域候補に隣接する位置にある魚の切り身品の光学的画像データの実際の値(「青色」等)を、
穴領域候補又は穴領域候補に隣接する位置にある魚の切り身品の光学的画像データの1つ以上の期待値(サーモンの色など)と
比較することを含んでおり、ここで、比較は、例えば、赤-緑-青(RGB)チャンネルのセットの青「B」チャンネル等、色チャンネルが閾値を超えチェックすることを含んでもよい。
【0108】
別のアプローチでは、魚の切り身品の改訂された穴領域候補の集合を提供してもよく、そこでは、両方のモダリティで特定された穴領域候補のみが含まれており、例えば、改訂された穴領域候補の集合の各穴領域候補は、
合否が魚の切り身品の3次元プロファイルデータのみに基づくなど3次元プロファイルデータに基づく、検査と
合否が魚の切り身品の光学的画像データのみに基づくなど光学的画像データに基づく、検査と
のそれぞれに合格する。
【0109】
図7は、方法の結果を示しており、該方法は、
i.魚の切り身品の3次元プロファイルデータと、
ii.光学的画像データが魚の切り身品のカラー画像データである場合など光学的画像データと
に少なくとも基づいて、魚の切り身品の1つ以上の穴領域候補の1つ以上の位置を定めること、及び
1つ以上の穴領域候補の決定された1つ以上の位置と、部分重量又は最小の部分重量など少なくとも1つの魚の部分の特徴とに少なくとも基づいて、魚の切り身品を魚の切り身品の部分に分割する魚の切り身品に亘る魚の切り身品のカット部分の分布36を定めること
を含んでいる。
【0110】
ダッシュ点線36に沿って魚品をカットすることによって、穴領域を含まない3つの片34A-Cとなり、穴領域を有する1つの片34Dのみとなる。このように、3つの片34A~Cは、元の魚の切り身品が穴のために価値が低く応用性がほとんどなかったとしても、価値が高く、幅広い用途に適用できる。あまり合理的でないットでは、例えば、穴領域を貫通するような単一のカットになる可能性があり、その結果、カットの結果生じる部分の両方が穴領域を持つことになる。
【0111】
図8は、魚の切り身品の穴の大きさを定めるための魚の切り身品処理装置800を示しており、該装置は、
魚の切り身品の第1領域の3次元プロファイルデータを生成するための、カメラやラインレーザなど3次元プロファイル特定装置840と、
魚の切り身品の第2領域の光学的画像データを生成するための、カメラ(他の実施形態では、三次元プロファイル決定装置840のカメラと同じカメラであり得る)などの光学的撮像装置842であって、第2領域が第1領域と少なくとも部分的に重複している、光学的撮像装置842と、
三次元プロファイル決定装置及び光学的撮像装置に動作可能に結合されており、第1の態様に係る方法を実行するように構成された、コンピュータなどの処理ユニット844と
を含んでいる。
【0112】
図8の魚の切り身品処理装置は、さらに、非塗りつぶし矢印で示される魚品803を左から右に搬送するコンベア850と、処理ユニット844と切断装置846との間の矢印で示される処理ユニット844からのカット分布を受信するカット装置846と、を備える。
図8の魚の切り身品処理装置は、さらに、処理ユニット844(不図示)から情報を受信する分類ユニット848を備える。
【0113】
処理ユニットは、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに第1の態様による方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品などのコンピュータプログラムを含む記憶装置に動作可能に接続されていてもよい。
【0114】
魚品処理装置は、魚の切り身品の穴の大きさを定めるための自動化されたインライン方法を実行するため(及び、決定された魚の切り身品のカット部分の分布に従って魚の切り身品を魚の切り身品部分にカットするなどカットのため、及び分類のため)に構成され得る。
【0115】
図9~10は、
3次元プロファイルデータ、及び/又は
光学的画像データ
を取得する間に、魚の切り身品の少なくとも一部が非平面(952)上に載置される、方法を示している。
【0116】
図9は、前記(一方または両方のタイプのデータ)取得中の魚の切り身品3の上面図であり、紙面平面は水平であり、視線方向は垂直である。図は、魚の切り身品が載置かれる非平面952も示している。魚の切り身品は、図中、魚の切り身品の背骨の方向と平行な、非塗りつぶし矢印で示される搬送方向が左から右のベルトコンベア上に載置されている。断面954が
図10に図示されている。
【0117】
図10は、紙面が水平に合わせられている前記(一方または両方のタイプのデータ)取得中の、魚の切り身品3の断面
図954(
図9に示される)を示している。また、図は、魚の切り身品が載置される細長い凸状の特徴の表面等の非平面952も示しており、細長い凸状の特徴は、該細長い凸状の特徴がなければ平坦であるコンベヤベルト950上に載置されている。
【0118】
非平面は、魚の切り身品の少なくとも一部が、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを測定している間、背骨の方向(背骨がまだ存在していた場合)と実質的に平行である軸の周りに曲げられるように配置された細長い凸状の特徴を含んでおり、この方向は、
図9では左右水平であり、
図10では紙面と直交している。魚の切り身品は、背骨の方向と実質的に平行な方向(
図9の塗りつぶされていない矢印を参照)に搬送され、細長く且つ搬送方向と実質的に平行な方向に向けられたコンベヤの凸状の特徴は、3次元プロファイルデータ及び/又は光学的画像データを取得、例えば測定する際に、魚の切り身品の脂肪中心線(例えば、
図9~10に分かりやすくするために
図6の太破線を省略している)と実質的に一致するように配置されている。
【0119】
図11~13は、(前述の)カテゴリ2~4に準じ得る、穴を有する魚の切り身の例を示している。
【0120】
図11は、穴カテゴリ2に分類され得る魚の切り身を示している。
【0121】
図12は、穴カテゴリ3に分類され得る魚の切り身を示している。
【0122】
図13は、穴カテゴリ4に分類され得る魚の切り身を示している。
【0123】
図14~17は、第1の魚の切り身の例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データを示している。
【0124】
図14は、第1の魚の切り身例のデジタルカラー画像(ただし、本明細書の表示ではグレートーンに変換される)の形態の光学的画像データを示している。
図14は、光学的画像データに基づく穴領域候補の集合が穴領域1422Aを正しく含み得ることを示している(光学的画像データで確認できるため)。しかしながら、誤検出の穴領域1422Bも含まれ得る(光学的画像データのみに基づいて、穴領域の色を想起させる暗い色に起因して穴領域であると解釈され得るが、光学的画像データにおける暗い色は、実際には、組織分布的な穴特徴というよりもむしろ魚の切り身品の変色に起因するものであるため)。
【0125】
図15は、グレースケール表示によって視覚化された第1の魚の切り身例の3次元画像データを示している。
図15は、3次元プロファイルデータに基づく穴領域候補の集合が、三次元画像データで確認できるため、(
図14の穴領域1422Aに対応する)穴領域1528を正しく含み得ることを示している。さらに、図は、穴が存在しない領域1532を示しており、
図14の(変色した)領域1422Bが穴領域を表示するものであることを除外できる。
【0126】
図16は、等高線表現により視覚化された第1の魚の切り身例の三次元画像データ(
図15の三次元画像データと同一)を示している。
【0127】
図17は、穴領域が穴領域の境界線とそれらの中央を通る線によって完全に描かれた太線により示されていることを除いて、
図16と同一の第1の魚の切り身例の等高線高さマップを示している。
【0128】
図18~21は、第2の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データのセットを示している。
【0129】
図18は、第2の魚の切り身の例のデジタルカラー画像(ただし、本明細書の表示ではグレートーンに変換されている)の形態の光学的画像データを示している。
【0130】
図19は、グレースケール表示によって視覚化された第1の第2の切り身例の3次元画像データを示している。
【0131】
図20は、等高線表現により視覚化された第2の魚の切り身の3次元画像データ(
図19の3次元画像データと同一)を示している。
【0132】
図21は、穴領域が穴領域の境界線とその中央を通る線によって完全に描かれた太線により示されていることを除いて、
図20と同一の第2の魚の切り身例の等高線高さマップを示している。
【0133】
図22~25は、第3の魚の切り身例についての3次元プロファイルデータ及び光学的画像データのセットを示している。
【0134】
図22は、第3の魚の切り身例のデジタルカラー画像(ただし、本明細書の表示ではグレートーンに変換されている)の形態の光学的画像データを示している。
【0135】
図23は、グレースケール表示によって視覚化された第3の魚の切り身例の3次元画像データを示している。
【0136】
図24は、等高線表現により視覚化された第3の魚の切り身例の3次元画像データ(
図23の3次元画像データと同一)を示している。
【0137】
図25は、穴領域が穴領域の境界線とその中央を通る線によって完全に描かれた太線により示されていることを除いて、
図24と同一の第3の魚の切り身例の等高線高さマップを示している。
【0138】
本発明を特定の実施形態に関連して説明したが、本発明は提示された例に何ら限定されるものと解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。特許請求の範囲の文脈において、「含んでいる(comprising)」又は「含む(comprises)」という用語は、他の可能な要素又はステップを排除するものではない。また、「a」や「an」などの参照への言及は、複数を除外するものとして解釈されるべきではない。図に示した要素に関して特許請求の範囲に参照符号を使用することも、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。さらに、異なる請求項に記載されている個々の特徴は、有利に組み合わされる可能性があり、異なる請求項にこれらの特徴が記載されていることは、特徴の組み合わせが可能でなく有利でないことを排除するものではない。
【国際調査報告】