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特表2023-553568駆動装置およびそのような駆動装置を動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-22
(54)【発明の名称】駆動装置およびそのような駆動装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/04 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
H02N2/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536194
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 DE2021100994
(87)【国際公開番号】W WO2022127988
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020133455.9
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257752
【氏名又は名称】フィジック インストゥルメント(ピーアイ)ゲーエムベーハー アンド ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】シュポマー、ヴァルデマール
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681BB02
5H681BB13
5H681BB20
5H681DD23
5H681DD82
5H681EE03
5H681EE10
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの第1および第2の駆動要素(20)を有する少なくとも1つの駆動ユニット(2)と、駆動ユニット(2)によって駆動方向に移動されるランナ(3)とを備える駆動装置(1)に関し、各駆動要素(20)が、ベース要素(210)と、駆動方向に対して横断する方向にある配列方向において互いに隣接するようにベース要素(210)上に配置された少なくとも3つのアクチュエータ(200)とを含み、駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つが、アクチュエータ(200)の配列方向に対して横断する方向に、かつランナ(3)の駆動方向に沿って剪断運動を行うための剪断セクション(220)を有し、駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つが、アクチュエータ(200)の配列方向に対して横断する方向に、かつランナ(3)の駆動方向に対して横断する方向にストローク運動を行うためのストロークセクション(240)を有し、少なくとも2つの駆動ユニット(2)が、ランナ(3)の駆動方向に沿って一列に並んで位置するように配置されている。さらに、本発明は、このタイプの駆動装置(1)を動作させる方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(100)と、前記ベース(100)上に配置され、かつ少なくとも2つの駆動要素(20)を含む少なくとも1つの駆動ユニット(2)と、前記駆動ユニット(2)によって移動方向(BR)に沿って駆動され、かつ移動可能に支持されるランナ(3)と、を備える駆動装置(1)であって、各駆動要素(20)は、
前記ベース(100)とは反対側に配置され、かつ前記ベース(100)から距離を置いて配置された別個のベース要素(210)と、
前記移動方向(BR)に対して横断する方向に配向された配列方向(AR)に沿って前記ベース要素(210)上に一列に並んで配置され、かつ寸法が変更可能な少なくとも2つのアクチュエータ(200)と、を含み、
前記少なくとも2つのアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つのアクチュエータ(200)は、前記ランナ(3)との摩擦接触のために設けられ、かつ接触アクチュエータ(202)に対応しており、
駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つは、前記アクチュエータ(200)の前記配列方向(AR)に対して横断方向に、かつ前記ランナ(3)の前記移動方向(BR)に沿ってまたは前記ランナ(3)の前記移動方向(BR)に平行に剪断運動を実行するための剪断セクション(220)を含んでおり、
駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つは、前記アクチュエータ(200)の前記配列方向(AR)に対して横断方向に、かつ前記ランナ(3)の前記移動方向(BR)に対して横断する方向にストローク運動を実行するためのストロークセクション(240)を含んでいる、駆動装置(1)。
【請求項2】
少なくとも3つのアクチュエータ(200)が前記ベース要素(210)上に配置されており、各駆動要素(20)の2つの外側アクチュエータ(200)がストロークセクション(240)を含んでおり、前記2つの外側アクチュエータ(200)の間に配置された少なくとも1つの前記接触アクチュエータ(202)が剪断セクション(220)を含んでいる、請求項1に記載の駆動装置(1)。
【請求項3】
前記アクチュエータ(200)は、電気機械材料からなる、請求項1または2に記載の駆動装置(1)。
【請求項4】
前記アクチュエータ(200)は、実質的に同一の高さを有する柱の形状を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項5】
前記駆動要素(20)が前記ランナ(3)の方向に押圧されて、前記駆動要素(20)の前記接触アクチュエータ(202)が前記駆動要素(20)の全てのアクチュエータ(200)が電気的に非作動状態で前記ランナ(3)と接触するようにするプリテンション装置を備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項6】
前記駆動装置(1)は、複数の駆動要素(20)を備えており、前記プリテンション装置は、前記複数の駆動要素(20)の各々に別個の一定の圧縮力を印加することができるように構成され、前記圧縮力によって、前記複数の駆動要素(20)が前記ランナ(3)に押し付けられる、請求項5に記載の駆動装置(1)。
【請求項7】
前記プリテンション装置は、前記駆動要素の数に対応する数のプリテンション部材を備えており、前記プリテンション部材は、各駆動要素(20)に割り当てられている、請求項6に記載の駆動装置(1)。
【請求項8】
前記駆動ユニット(2)は、駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つが前記ベース(100)に固定的に連結され、かつ前記接触アクチュエータ(202)が前記ランナ(3)に対向して配置されるように、前記ベース(100)上に配置される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項9】
軸受装置(4)が前記ベース(100)上に配置され、前記ランナ(3)が前記軸受装置を介して少なくとも前記移動方向(BR)に沿って移動可能に支持される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項10】
前記駆動装置(1)は、前記ベース(100)の両側に配置された2つの駆動ユニット(2)を備えており、前記ランナ(3)は、前記2つの駆動ユニット(2)の間に配置されている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの駆動要素(20)をそれぞれが含む少なくとも2つの駆動要素グループを備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の駆動装置(1)を動作させる方法であって、第1および第2の駆動要素グループの個別のアクチュエータ(200)は、互いに対して位相シフトされた態様で電気的に駆動されて、前記第1および第2の駆動要素グループの接触アクチュエータが時間的にオフセットされた態様で前記ランナ(3)と摩擦接触し、それによって、時間的に連続して前記ランナの駆動運動を確実にするようにする、方法。
【請求項12】
少なくとも1つの駆動要素(20)をそれぞれが含む少なくとも2つの駆動要素グループを備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の駆動装置(1)を動作させる方法であって、第1および第2の駆動要素グループの個別のアクチュエータ(200)は、前記第1および第2の駆動要素グループの接触アクチュエータが、前記ランナとの摩擦接触が存在するときに、同じ方向の運動を実行し、それによって前記ランナの駆動運動を同時に保証するように、電気的に制御される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の駆動装置、ならびに請求項11および12に記載のそのような駆動装置を動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人の特許文献1から、いわゆるステップ駆動装置が知られており、図1および図3による例示的な実施形態において、基板上に互いに隣接して配置されるか、または一列に並んで配置された合計4つの圧電アクチュエータを有する駆動モジュールが開示されている。各アクチュエータは、ハイブリッドアクチュエータとして構成され、かつ基板に隣接するストロークセクションと、アクチュエータの伸長方向に沿った方向においてストロークセクションに隣接する少なくとも1つの剪断セクションとを備える。4つのアクチュエータは、互いに対して直線的な配置を含み、この場合、直線的な配置は、被駆動要素の駆動方向と一致する対応する配列方向を形成する。
【0003】
各アクチュエータの2つのセクションの適切な同時電気的作動によって、好ましくは円形または楕円形の形状を含む個別のアクチュエータの自由に移動可能な端部セクションの一定の軌道が、ストロークセクションのストローク運動と剪断セクションの剪断運動との重ね合わせに基づいて達成され得る。その結果、個別のアクチュエータは、被駆動要素と一時的に接触し、対応する接触段階または駆動段階の間に単一の駆動ステップを引き起こす。
【0004】
駆動ユニットの4つのアクチュエータは、2つの区別可能なアクチュエータ対が存在するように、それぞれ2つのアクチュエータからなる2つのグループに分割することができる。1つ又は同じアクチュエータ対のアクチュエータは同相で制御され、異なるアクチュエータ対のアクチュエータは互いに対して位相シフトされた態様で制御される。2つの対のアクチュエータの位相シフトされた制御の結果として、2つの対のアクチュエータと被駆動要素との間の時間的に連続した接触が、2つの対のアクチュエータの位相シフトされた制御において実現され得る。換言すれば、2つの対のアクチュエータは、被駆動要素の駆動段階、即ち駆動ステップを保証し、対応する繰り返しによって、個々の駆動ステップのシーケンスが生じ、これは、最終的に、被駆動要素の実質的に連続的な移動を生じさせる。
【0005】
アクチュエータ対は、上述のように駆動段階を経た後、または駆動ステップを完了した後、復帰運動または復帰段階を経て、新たな駆動段階が開始され得る位置に移動される。この復帰段階において、アクチュエータ対は、ランナから実質的に離れる方向に向かって移動し、その結果、ランナからの離昇またはランナとの接触解除が達成される。
【0006】
特に小型駆動の場合、ストロークセクションは、意図されたアクチュエータの高さ(所望の高さ)に関して製造公差の領域内にある最小ストローク運動のみを実行することができるという背景から、少なくとも駆動段階の間に個々のアクチュエータと被駆動要素との確実な接触のために、基板を、従って基板に取り付けられたアクチュエータをも、被駆動要素の方向に特定の力で押圧することが必要である。これは通常、基板に係合するばね要素を用いて行われる(特許文献1には図示されていない)。しかしながら、アクチュエータの目標高さからの偏差が大きい場合には、高いばね力であっても、全てのアクチュエータが被駆動要素と十分に接合するのに十分ではない場合がある。他方、高いばね力は、特定の状況下では、個々の又は全てのアクチュエータが復帰段階中に被駆動要素から離昇しないか又は不十分にしか離昇しないという結果をもたらし、これは、駆動装置の摩耗の増大又は駆動力の低下につながる可能性がある。
【0007】
さらに、特許文献1のステップ駆動装置は、小さい寸法が必要とされる用途に関して、特に高さに関して、アクチュエータの固有の高さに起因するいくつかの欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1267478号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、特にその高さに関して非常にコンパクトに構成することができ、その構造により、駆動アクチュエータと被駆動要素との間の信頼性のある一定の接触状態を実現することを可能にする駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載の駆動装置によって達成され、この場合、その少なくとも便宜的な展開は、従属請求項の主題である。
本発明による駆動装置は、少なくとも1つのベースと、ベース上に配置されるか又はベースに連結された少なくとも1つの駆動ユニットと、駆動ユニットによって移動方向に沿って駆動されるランナとを備える。この場合、移動方向は、好ましくは、直線に沿って延び、その結果、直線的に駆動装置を設けることができるが、例えば、回転駆動装置の場合、曲線に沿った移動方向も企図される。
【0011】
駆動ユニットは、少なくとも2つの駆動要素を含み、この場合、各駆動要素は、駆動要素に属する別個のベース要素と、ランナの移動方向に対して横断する方向に配向された配列方向に沿ってベース要素上に一列に並んで配置され、かつ好ましくはランナの移動方向に対して横断する方向に沿って一列に並んで、好ましくは互いに重なり合うように配置された少なくとも2つのアクチュエータとを含み、アクチュエータの寸法は電気制御によって変更可能であり、アクチュエータのうちの少なくとも1つは、ランナとの摩擦接触のために設けられた接触アクチュエータを形成する。各駆動要素のベース要素は、ベースとは反対側に、かつベースから離間して配置され、アクチュエータは、個別のベース要素とベースとの間に配置される。
【0012】
「寸法変更可能なアクチュエータ」という用語は、少なくとも1つの寸法、例えば、高さ、長さ、幅、厚さなどが、電気制御によって少なくとも部分的に変更され得るアクチュエータを意味する。
【0013】
駆動要素のアクチュエータのうちの少なくとも1つは、アクチュエータの配列方向に対して横断方向に、かつランナの移動方向に沿ってまたはランナの移動方向に平行に剪断運動を実行するための剪断セクションを含む。ここで、例えば、アクチュエータは、上昇運動を生成するためのセクションと、剪断運動を生成するためのセクションとを含むスタックとして構成されることが企図される。また、駆動要素のアクチュエータが、ストロークセクションに加えて、2つの異なる剪断セクションを有し、この場合、2つの剪断セクションの剪断運動が互いに異なることが企図される。好ましくは、剪断セクションは、アクチュエータが剪断アクチュエータを構成するように、アクチュエータ全体に関わるものである。
【0014】
さらに、駆動要素のアクチュエータのうちの少なくとも1つは、アクチュエータの配列方向に対して横断方向に、かつランナの移動方向に対して横断する方向に上昇運動を実行するためのストロークセクションを含む。ここでも、対応するアクチュエータがストロークセクションに加えて少なくとも1つの剪断セクションを含むことが企図される。ストロークセクションは、好ましくは、アクチュエータがストロークアクチュエータを構成するようにアクチュエータ全体に関わるものである。
【0015】
2つ以上の駆動ユニットを有する駆動装置の場合、2つ以上の駆動ユニットは、ランナの移動方向または駆動方向に沿って一列に並んで配置され、好ましくは互いに重なり合うように配置される。
【0016】
駆動ユニットのアクチュエータの並列の直線的な配置に起因して、かつストローク機能および剪断機能を個々のアクチュエータまたはアクチュエータセクションに分配することが可能であることに起因して、アクチュエータの各々は、比較的小さい高さを有することができ、その結果、駆動ユニット、従って駆動装置全体は、特にそれらの高さの範囲に関して非常にコンパクトな態様で実現され得る。
【0017】
加えて、ストローク機能および剪断機能を駆動ユニットの対応するアクチュエータに分配することにより、複数の駆動ユニットの場合、ランナの移動方向または駆動方向に沿って一列に並んで配置された駆動ユニットの各個別の駆動ユニットに別個のプリテンション力を印加することが可能になり、このプリテンション力は、個別の駆動ユニットをランナに対して、またはランナに向かう方向に明確に規定された力で押圧する。この場合、プリテンション力は、一方では、ランナとの接触のために設けられたアクチュエータ、即ち接触アクチュエータが、特定の高さに対して比較的大きい偏差がある場合であっても、駆動段階中にランナに確実に接触するように大きくあるべきであり、他方では、復帰段階または復帰運動の間に接触アクチュエータの一定の上昇が保証されるように小さくあるべきである。
【0018】
少なくとも3つのアクチュエータがベース要素上に列に沿って又は直線的に配置され、各駆動要素のうち配列方向に対して外側に位置する2つのアクチュエータがストロークセクションを含むか又はストロークアクチュエータとして構成され、外側アクチュエータ間に配置された少なくとも1つの接触アクチュエータが剪断セクションを含むか又は剪断アクチュエータとして構成されることが有利であり得る。この場合、ストロークセクションを含むアクチュエータまたはストロークアクチュエータは、対応する寸法変化によって、少なくとも1つの剪断アクチュエータまたは剪断セクションを含む少なくとも1つのアクチュエータを被駆動要素から上昇させること、または少なくとも1つの剪断アクチュエータまたは剪断セクションを含む少なくとも1つのアクチュエータを被駆動要素と接触させることを確実にする。
【0019】
加えて、ベース要素上に配置された少なくとも3つのアクチュエータの場合、配列方向に対して外側に位置する2つのアクチュエータが、剪断セクションを含むか、または剪断アクチュエータとして形成され、外側アクチュエータの間に配置された少なくとも1つのアクチュエータが、ストロークセクションを含むか、またはストロークアクチュエータとして形成されることが企図される。この場合、アクチュエータまたはストロークセクションを含むストロークアクチュエータは、対応する寸法変化によって、剪断セクションを含むか、または剪断アクチュエータとして形成される2つのアクチュエータの被駆動要素からの離昇または被駆動要素とのその接触を独立して確実にする。
【0020】
加えて、アクチュエータが、電気機械材料、好ましくは圧電材料、特に好ましくは圧電セラミック材料を含むか、またはそれらからなることが有利であり得る。このようなアクチュエータは、非常に高いダイナミクスで動作させることができ、磁性部品または磁化可能な部品を有する駆動装置が適していない用途に特に適している。
【0021】
さらに、アクチュエータが、実質的に同一の高さを有し、好ましくは同一の断面形状を有する柱の形状からなることが有利であり得る。柱の断面は、好ましくは正方形であるが、円形または長方形の断面も企図される。さらに、アクチュエータを中空円筒形の形態で構成することが企図される。これらの全ては、比較的簡単な製造及び組み立てを可能にし、同時に最適化又は最大化されたアクチュエータ動作が可能となる。
【0022】
さらに、駆動装置がプリテンション装置を備え、プリテンション装置によって各駆動要素がランナの方向においてランナに向かってまたはランナに対して押圧されて、個別の駆動要素の接触アクチュエータが、電気的に非作動状態、即ち、この駆動要素の全てのアクチュエータの非アクティブ状態または受動状態において、ランナと接触するようにすることが有利であり得る。その結果、駆動装置が電気的に非作動状態では、自己ロックが行われ、それに基づいて、ランナは、最後に接近した位置で安定した状態に維持され、これは、駆動装置が垂直に配置されている場合に特に有利である。
【0023】
この場合、プリテンション装置が、別個の独立した一定の圧縮力を駆動要素の各々に印加することができるように構成され、その圧力によって駆動要素がランナに向かってまたはランナに対して押圧されることが有利であり得る。この場合、条件および用途に応じて、個々の駆動要素に異なる高圧力を印加することが可能である。この場合、駆動装置は、複数の駆動要素に対応するいくつかの別個に存在するプレストレス要素を備え、プレストレス要素、例えば圧縮ばねが各駆動要素に割り当てられ、この場合、圧縮ばねが上位構造上に支持されるようにすることが特に有利であり得る。しかしながら、複数のプレストレス要素が各駆動要素に作用することも企図される。また、異なる数のプレストレス要素が異なる駆動要素に作用することも企図される。
【0024】
上述したように別個のプリテンション要素を設け、各プリテンション要素が単一の駆動要素に割り当てられ、従って、上述したように各個別の駆動要素に作用し、かつ明確に規定されたプリテンション力を提供する結果として、各駆動要素が、1つまたは複数のストロークアクチュエータを個別に作動させることによって、個別のプリテンション要素によって生成される押圧力または圧縮力の方向と実質的に反対の方向に接触アクチュエータ(単数または複数)を移動させることが可能となる。これにより、被駆動要素を容易に挿入または押し込むことが可能となるため、特に駆動装置の組み立てが容易になる。
【0025】
さらに、駆動要素のアクチュエータのうちの少なくとも1つがベースに固定的に連結され、接触アクチュエータがランナに対向して配置されるように、駆動ユニットがベース上に配置されることが有利であり得る。この場合、軸受装置がベース上又はベース内に配置され、この軸受装置を介してランナが少なくとも移動方向に又は移動方向に沿って移動可能であるように取り付けられていることが特に有利であり得る。このような構造は、特にコンパクトであり、かつ組み立てが比較的容易である。
【0026】
加えて、駆動装置が、ベースの両側または別々の側に配置された2つの駆動ユニットを含み、ランナが2つの駆動ユニットの間に配置されることが有利であり得る。従って、非常に多くの数の駆動アクチュエータまたは接触アクチュエータをランナに作用させることができ、これは両側に対してまたは両側から作用し、その結果、より大きな駆動力が実現され得る。結果として軸受力が低下するため、ランナの軸受も簡素化される。
【0027】
本発明はまた、少なくとも2つの駆動要素グループを有する上述の駆動装置を動作させるための方法に関し、この場合、各駆動要素グループは少なくとも1つの駆動要素を含む。この場合、第1および第2の駆動要素グループの個別のアクチュエータは、互いに対して位相シフトされた態様で電気的に制御されるため、それらの接触アクチュエータは、時間的にオフセットされた態様でランナと摩擦接触し、それによって、時間的に連続してランナの駆動運動を確実にするようにする。これにより、いわゆるステップ駆動を実現することができ、繰り返し実行することで、ランナの準連続的な移動が可能となる。駆動要素グループの駆動要素の接触アクチュエータの接触が、別の駆動要素の駆動要素の接触アクチュエータの接触解除の発生後にのみ行われるように、位相オフセットを設定することが企図される。対照的に、異なる駆動要素グループの接触アクチュエータの接触位相の時間的重複が生じるように位相オフセットが設定されることが有利であり得、この場合、非常に短い時間的重複が特に有利である。
【0028】
本発明はまた、代替的に、少なくとも1つの駆動要素をそれぞれが含む少なくとも2つの駆動要素グループを備えた上述の駆動装置を動作させるための方法に関し、第1および第2の駆動要素グループの個別のアクチュエータは、それらの接触アクチュエータが、ランナとの摩擦接触が存在するときに、同じ方向の運動を実行し、それによって、ランナの駆動運動を同時に保証するように、電気的に制御される。このタイプの制御によって、特に圧電アクチュエータが使用される場合、ランナの最小かつ高精度の駆動運動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による駆動装置の斜視図である。
図2】本発明によるさらなる駆動装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、対応する図面に関して本発明による駆動装置の実施形態を説明するが、同じ参照番号は、異なる図面の同様の構成要素を指す。
図1は、本発明による第1の実施形態の駆動装置1を示す。4つの同一に構成された駆動要素20が、ベース100上に互いに重なり合うように互いに隣接してまたは一列に並んで配置されている。4つの駆動要素20の各々は、正方形の断面を有する柱の形態の3つの圧電アクチュエータ200を備え、この場合、柱は、実質的に同じ幾何学的形状、特に同じ高さを有する。各駆動要素20の3つのアクチュエータはそれぞれ、共通の板状のベース要素210上に配置され、その長さは、その幅またはその高さまたはその厚さよりも著しく大きい。従って、各駆動要素(20)は、それ自体の個別のベース要素(210)を備え、各ベース要素210は、3つのアクチュエータ200が別個のベース要素210とベース100との間に位置するように、ベース100の反対側にベース100から離間して配置される。
【0031】
ベース要素210の長手伸長方向に沿って、3つのアクチュエータ200は、剪断アクチュエータ220として構成されたアクチュエータが、ストロークアクチュエータ240として構成された2つの外側アクチュエータの間に位置するように、互いに隣接して又は一列に並んで直線的に又は直列に、互いに対して相互に重なり合って配置されている。この場合、アクチュエータの対応する配置は、板状のベース要素210の長手伸長方向と平行に配置されるか、またはそれと一致する配列方向ARを規定する。
【0032】
4つの駆動要素20の剪断アクチュエータ220はそれぞれ、細長い板の形状の被駆動要素3に対向して配置され、剪断アクチュエータ220の一列に並んで配置される方向、または隣り合って配置される方向は、被駆動要素3の長手伸長方向に平行である。被駆動要素3は、ベース100内に配置されるか、又はベース100と一体化された軸受装置4によって、移動方向BRに沿って直線的に移動可能に取り付けられている。
【0033】
図1には示されていないプリテンション装置のプレストレス要素によって、各駆動要素20は、被駆動要素3の方向またはベース4の方向に別々にまたは個別に押圧される(図1の力矢印Fによって示される)。従って、合計4つの別々に存在するプレストレス要素が、個別の駆動要素20を一定の力で被駆動要素3の方向に押圧し、その結果、個別の剪断アクチュエータ220の被駆動要素3との接触が、少なくとも駆動要素20のアクチュエータの非作動状態において保証される。
【0034】
図1による駆動装置1の動作モードにおいて、駆動要素20は、同相の対で制御または作動され、即ち、第1の駆動要素グループを形成する、図1の最前の駆動要素20のアクチュエータ200および前方から見たときの第3の駆動要素20のアクチュエータ200(ここで、「前方」という用語は、軸受装置4または被駆動要素3を見ることができる、図1の駆動装置1の側を指す)は、同相で、即ち同一の電気信号で制御され、従って、この対の駆動要素のアクチュエータは、完全に同じように、かつ同時に移動する。同様に、第2の駆動要素グループを形成する、前方から見たときの第2の駆動要素20のアクチュエータ200および最後部の駆動要素20のアクチュエータ200は、同相で制御されるが、第1の駆動要素グループのアクチュエータが制御される電気信号に対して位相シフトを有する電気信号により制御される。
【0035】
駆動装置1の全てのアクチュエータが作動されていないか又は制御されていない状態から開始して、駆動要素のアクチュエータは、第1の(又は第2の)駆動要素グループに関して、外側ストロークアクチュエータ240が長手方向の伸長を実行し、被駆動要素3の駆動方向又は移動方向BRに対して横断する方向に伸長するように制御される。その結果、ベース要素210と、それとともに、2つのストロークアクチュエータの間に配置され、かつベース要素210に固定的に連結された剪断アクチュエータ220とが、被駆動要素3から離れる方向、またはベース100から離れる方向に移動し、この場合、ストロークアクチュエータ240は、プリテンション装置の個別のプリテンション要素の押圧力に打ち勝つ。その結果、個別の剪断アクチュエータ220は、被駆動要素3から離昇される。
【0036】
第2の(又は第1の)駆動要素グループのアクチュエータの位相シフトされた作動の結果として、それらの剪断アクチュエータ220は、遅くとも個別の他の駆動要素グループの剪断アクチュエータ330の上昇時に、被駆動要素の駆動方向又は移動方向BRと平行に伸長するか、又はそれと一致する剪断変形又は剪断運動の実行を開始する。この駆動要素グループの剪断アクチュエータが被駆動要素3と接触することにより、それらの剪断運動または剪断変形が、被駆動要素の駆動運動または駆動ステップをもたらす。
【0037】
可能な限り最大の剪断変形の状態において、又は既にこの時点よりも前に、個別の駆動要素20の関連付けられたリフトアクチュエータ240は、それらが直線的な伸長を実行し、それによって、それらの間に配置され、変形された剪断アクチュエータ220の離昇をもたらすように制御される。上昇された状態では、剪断アクチュエータ220は、剪断変形が元に戻る変形を行うように、または駆動方向BRとは反対の方向に、または移動方向BRとは反対の方向に剪断変形が生じるように制御される。
【0038】
駆動要素グループの剪断アクチュエータの対応する復帰段階又は収縮段階の間、個別の他の駆動要素グループの剪断アクチュエータは、それらが駆動方向又は移動方向BRに剪断変形又は剪断運動を実行するように同様の方法で制御される。この駆動要素グループの剪断アクチュエータは、その間に(即ち、最初の離昇段階の後に)、ストロークアクチュエータの長手方向の変形の元に戻る変形によって、被駆動要素3と再び接触しているので、この駆動要素グループの剪断アクチュエータの剪断運動は、今度は、被駆動要素の駆動運動または駆動ステップを引き起こす。
【0039】
従って、2対の駆動要素又は2つの駆動要素グループの駆動要素は、それらのアクチュエータの位相シフトされた作動の結果として、駆動運動又は駆動ステップの発揮において互いに交互に変化し、個々の駆動ステップの連続的なシーケンスは、被駆動要素の長さによってのみ制限される実質的に連続的な運動をもたらす。
【0040】
この場合、異なる位相オフセットを用いて動作させることが可能である。2つの駆動要素グループの剪断アクチュエータによって引き起こされる駆動運動の重複が存在する制御方法が好ましい。これは、復帰運動または収縮運動をちょうど終了した駆動要素グループの剪断アクチュエータが、個別の他の駆動要素グループの剪断アクチュエータの駆動ステップがまだ完了していない間に、被駆動要素と接触することを意味する。このようにして、被駆動要素の中断のない駆動が保証される。この場合、重複の持続時間を変更し、かつ特定の適用事例に適合させることができる。
【0041】
脚の対による生物の運動と同様である、2つの駆動要素グループによる個々の駆動ステップの連続的なシーケンスに起因して、そのような駆動は、ステップ駆動および/またはステップモードの対応する動作モードとも呼ばれる。
【0042】
1つの駆動要素20のみをそれぞれが備える2つの駆動要素グループを有する駆動装置も可能である。さらに、2つの駆動要素グループの場合、これらの各々が2つより多くの駆動要素を含むことが企図される。駆動素子グループ当たりの駆動素子の数に関係なく、上述の位相シフトおよび二相制御は、2つの駆動素子グループの場合に有利である。さらに、少なくとも1つの駆動要素をそれぞれが有する2つ以上の駆動要素グループを設けることが考えられ、3つの駆動要素グループの場合には、例えば、それらの個別のアクチュエータの三相制御を適用することが企図される。最後に、1つの駆動要素のみを有する駆動装置を形成することが企図される。
【0043】
図1に係る駆動装置1のさらなる動作モードにおいて、全ての駆動要素20のアクチュエータは、同相で制御され、その結果、駆動段階の間、全ての4つの剪断アクチュエータ220は、被駆動要素3と接触し、それらが一緒にかつ同時に被駆動要素を駆動するようにアナログ的な動作の同じ方向の動きを実行し、この場合、非常に小さいステップ幅であるが非常に高い分解能を有する唯一の単一かつ共通の駆動ステップが実現され得る。この動作モードは、アナログモードとも呼ばれる。
【0044】
上記で概説した2つの動作モードの任意の組合せが考えられ、例えば、最初に、被駆動要素に対して意図した位置(設定点位置)から大きく離れた位置にあるか、または意図した調整移動から大きく離れた位置にあり、設定点位置の近くの位置に到達したときにアナログモードに切り替えるようにステップモードを適用することが企図される。
【0045】
図2は、本発明によるさらなる実施形態の駆動装置1を示す。この実施形態は、この場合、図1で説明した駆動ユニット2からなる2つの駆動ユニットが設けられている点で、図1による実施形態と本質的に異なる。その構成または構造については、第1の実施形態で詳細に説明したため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0046】
2つの駆動ユニット2は、鏡面対称配置で互いに対向して位置し、被駆動要素3はそれらの間に配置されている。また、駆動要素20のストロークアクチュエータ240がそれぞれ連結されている板状のベース100が、2つの駆動ユニット2の間に配置されている。平棒状の被駆動要素3は、剪断アクチュエータ220に対向して配置されており、ベース100の外側にある軸受装置4は、移動方向BRに沿ってまたは移動方向BRにおける被駆動要素3の直線的な可動性を保証する。この場合、被駆動要素3の厚さは、板状のベース100の厚さに実質的に対応し、被駆動要素3は、ベース100の2つのセクションの間に配置され、かつ2つのセクションから離間して配置される。
【符号の説明】
【0047】
1:駆動装置
2:駆動ユニット
3:被駆動要素
4:軸受装置
20:(駆動ユニット2の)駆動要素
100:ベース
200:(駆動要素20の)アクチュエータ
202:(駆動要素20の)接触アクチュエータ
210:(駆動要素20の)ベース要素
220:(アクチュエータ200の)剪断セクション
240:(アクチュエータ200の)ストロークセクション
BR:(被駆動要素3の)移動方向
AR:(アクチュエータ200に関する)配列方向
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(100)と、前記ベース(100)上に配置され、かつ少なくとも2つの駆動要素(20)を含む少なくとも1つの駆動ユニット(2)と、前記駆動ユニット(2)によって移動方向(BR)に沿って駆動され、かつ移動可能に支持されるランナ(3)と、を備える駆動装置(1)であって、各駆動要素(20)は、
前記ベース(100)とは反対側に配置され、かつ前記ベース(100)から距離を置いて配置された別個のベース要素(210)と、
前記移動方向(BR)に対して横断する方向に配向された配列方向(AR)に沿って前記ベース要素(210)上に一列に並んで配置され、かつ寸法が変更可能な少なくとも2つのアクチュエータ(200)と、を含み、
前記少なくとも2つのアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つのアクチュエータ(200)は、前記ランナ(3)との摩擦接触のために設けられ、かつ接触アクチュエータ(202)に対応しており、
駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つは、前記アクチュエータ(200)の前記配列方向(AR)に対して横断方向に、かつ前記ランナ(3)の前記移動方向(BR)に沿ってまたは前記ランナ(3)の前記移動方向(BR)に平行に剪断運動を実行するための剪断セクション(220)を含んでおり、
駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つは、前記アクチュエータ(200)の前記配列方向(AR)に対して横断方向に、かつ前記ランナ(3)の前記移動方向(BR)に対して横断する方向にストローク運動を実行するためのストロークセクション(240)を含んでいる、駆動装置(1)。
【請求項2】
少なくとも3つのアクチュエータ(200)が前記ベース要素(210)上に配置されており、各駆動要素(20)の2つの外側アクチュエータ(200)がストロークセクション(240)を含んでおり、前記2つの外側アクチュエータ(200)の間に配置された少なくとも1つの前記接触アクチュエータ(202)が剪断セクション(220)を含んでいる、請求項1に記載の駆動装置(1)。
【請求項3】
前記アクチュエータ(200)は、電気機械材料からなる、請求項1または2に記載の駆動装置(1)。
【請求項4】
前記アクチュエータ(200)は、実質的に同一の高さを有する柱の形状を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項5】
前記駆動要素(20)が前記ランナ(3)の方向に押圧されて、前記駆動要素(20)の前記接触アクチュエータ(202)が前記駆動要素(20)の全てのアクチュエータ(200)が電気的に非作動状態で前記ランナ(3)と接触するようにするプリテンション装置を備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項6】
前記駆動装置(1)は、複数の駆動要素(20)を備えており、前記プリテンション装置は、前記複数の駆動要素(20)の各々に別個の一定の圧縮力を印加することができるように構成され、前記圧縮力によって、前記複数の駆動要素(20)が前記ランナ(3)に押し付けられる、請求項5に記載の駆動装置(1)。
【請求項7】
前記プリテンション装置は、前記駆動要素の数に対応する数のプリテンション部材を備えており、前記プリテンション部材は、各駆動要素(20)に割り当てられている、請求項6に記載の駆動装置(1)。
【請求項8】
前記駆動ユニット(2)は、駆動要素(20)のアクチュエータ(200)のうちの少なくとも1つが前記ベース(100)に固定的に連結され、かつ前記接触アクチュエータ(202)が前記ランナ(3)に対向して配置されるように、前記ベース(100)上に配置される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項9】
軸受装置(4)が前記ベース(100)上に配置され、前記ランナ(3)が前記軸受装置を介して少なくとも前記移動方向(BR)に沿って移動可能に支持される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項10】
前記駆動装置(1)は、前記ベース(100)の両側に配置された2つの駆動ユニット(2)を備えており、前記ランナ(3)は、前記2つの駆動ユニット(2)の間に配置されている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の駆動装置(1)。
【請求項11】
駆動装置(1)を動作させる方法であって、前記駆動装置(1)は、ベース(100)と、前記ベース(100)上に配置され、かつ少なくとも2つの駆動要素(20)を含む少なくとも1つの駆動ユニット(2)と、前記駆動ユニット(2)によって移動方向(BR)に沿って駆動され、かつ移動可能に支持されるランナ(3)と、を備え、各駆動要素(20)は、前記移動方向(BR)に対して横断する方向に配向された配列方向(AR)に沿った、寸法が変更可能な少なくとも2つのアクチュエータ(200)を含み、少なくとも1つのアクチュエータ(200)が、前記ランナ(3)との摩擦接触のために設けられ、かつ接触アクチュエータ(202)に対応しており、
前記駆動装置(1)は、少なくとも1つの駆動要素(20)をそれぞれが含む少なくとも2つの駆動要素グループを備えており、第1および第2の駆動要素グループの個別のアクチュエータ(200)は、互いに対して位相シフトされた態様で電気的に駆動されて、前記第1および第2の駆動要素グループの接触アクチュエータが時間的にオフセットされた態様で前記ランナ(3)と摩擦接触し、それによって、時間的に連続して前記ランナの駆動運動を確実にするようにする、方法。
【請求項12】
駆動装置(1)を動作させる方法であって、前記駆動装置(1)は、ベース(100)と、前記ベース(100)上に配置され、かつ少なくとも2つの駆動要素(20)を含む少なくとも1つの駆動ユニット(2)と、前記駆動ユニット(2)によって移動方向(BR)に沿って駆動され、かつ移動可能に支持されるランナ(3)と、を備え、各駆動要素(20)は、前記移動方向(BR)に対して横断する方向に配向された配列方向(AR)に沿った、寸法が変更可能な少なくとも2つのアクチュエータ(200)を含み、少なくとも1つのアクチュエータ(200)が、前記ランナ(3)との摩擦接触のために設けられ、かつ接触アクチュエータ(202)に対応しており、
前記駆動装置(1)は、少なくとも1つの駆動要素(20)をそれぞれが含む少なくとも2つの駆動要素グループを備えており、第1および第2の駆動要素グループの個別のアクチュエータ(200)は、前記第1および第2の駆動要素グループの接触アクチュエータが、前記ランナとの摩擦接触が存在するときに、同じ方向の運動を実行し、それによって前記ランナの駆動運動を同時に保証するように、電気的に制御される、方法。
【国際調査報告】