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  • 特表-エネルギー供給装置及び建設機械 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-22
(54)【発明の名称】エネルギー供給装置及び建設機械
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20231215BHJP
   H02M 7/04 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
H02M3/00 K
H02M7/04 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557823
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2021084359
(87)【国際公開番号】W WO2022122638
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020215491.0
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(71)【出願人】
【識別番号】523216230
【氏名又は名称】レフ ドライブ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ビルフス
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク ディールマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンネス デムリング
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ケルナー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ツィーメンス
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー タウシュ
【テーマコード(参考)】
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
5H006BB05
5H006CC01
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC03
5H006DC05
5H730AS13
5H730CC01
5H730EE57
5H730FD11
5H730FD41
(57)【要約】
電力消費機器(1、2)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(100)であって、中間回路(3)と、第1交流電圧電源(5)が適正に接続できる第1電源端子(4)と、第1電源端子(4)に存在する交流電圧に対応する又はこれに基づく交流電圧を整流し、整流された電圧を中間回路(3)に供給するように設計された第1整流器(6)と、第2交流電圧電源(5)が適正に接続できる第2電源端子(4)と、
第2電源端子(4)に存在する交流電圧に対応する又はこれに基づく交流電圧を整流するように設計された第2整流器(6)と、第1の側では第2整流器(9)によって整流された電圧が印加され、第2の側では中間回路(3)と接続されている制御可能なDC/DCコンバータ(10)と、中間回路(3)から供給されて、第1電力消費機器(2)に電気エネルギーを供給するように設計された第1電流変換器(11)と、第1電源端子(4)で消費された電力を測定するように設計された電力測定装置(12)と、電力測定装置(12)とデータ通信していて、第1電源端子(4)で消費された電力に応じてDC/DCコンバータ(10)を制御するように設計された制御装置(13)と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力消費機器(1、2)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(100)であって、
中間回路(3)と、
第1交流電圧電源(5)が適正に接続できる第1電源端子(4)と、
前記第1電源端子(4)に存在する交流電圧に対応する又はこれに基づく交流電圧を整流し、整流された電圧を前記中間回路(3)に供給するように設計された第1整流器(6)と、
第2交流電圧電源(8)が適正に接続できる第2電源端子(7)と、
前記第2電源端子(4)に存在する交流電圧に対応する又はこれに基づく交流電圧を整流するように設計された第2整流器(6)と、
第2交流電圧電源(8)が適正に接続できる第2電源端子(7)と、
前記第2電源端子(7)に存在する交流電圧に対応する又はこれに基づく交流電圧を整流するように設計された第2整流器(9)と、
第1の側では前記第2整流器(9)によって整流された電圧が印加され、第2の側では前記中間回路(3)と接続されている制御可能なDC/DCコンバータ(10)と、
前記中間回路(3)から供給されて、第1電力消費機器(2)に電気エネルギーを供給するように設計された第1電流変換器(11)と、
前記第1電源端子(4)で消費された電力を測定するように設計された電力測定装置(12)と、
前記電力測定装置(12)とデータ通信していて、前記第1電源端子(4)で消費された電力に応じて前記DC/DCコンバータ(10)を制御するように設計された制御装置(13)と、を有するエネルギー供給装置(100)。
【請求項2】
前記制御装置(13)は、前記第1電源端子(4)で消費された電力が閾値を超えた場合に、前記第2電源端子(7)から前記電力が中間回路(3)の方向に伝送されるように前記DC/DCコンバータ(10)を制御することを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー供給装置(100)。
【請求項3】
前記制御装置(13)は、前記エネルギー供給装置(100)から放出可能な最大電力が、前記第1電源端子(4)で利用可能な最大電力と、前記第2電源端子(7)で利用可能な最大電力との和に相当するように前記DC/DCコンバータ(10)を制御することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエネルギー供給装置(100)。
【請求項4】
前記エネルギー供給装置(100)はさらに、前記中間回路(3)から供給されて、第2電力消費機器(1)に電気エネルギーを供給するように設計された第2電流変換器(14)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギー供給装置(100)。
【請求項5】
前記エネルギー供給装置(100)はさらに、電気的に絶縁された変圧器(15)を有し、前記電気的に絶縁された変圧器(15)の第1巻線(15a)は前記第2電源端子(7)に接続され、前記電気的に絶縁された変圧器(15)の第2巻線(15b)は前記第2整流器(9)に接続されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギー供給装置(100)。
【請求項6】
前記第1電源端子(4)は、32A電源端子であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギー供給装置(100)。
【請求項7】
前記第2電源端子(7)は、16A電源端子であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のエネルギー供給装置(100)。
【請求項8】
建設機械(1000)であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギー供給装置(100)と、
前記エネルギー供給装置(100)の第1電流変換器(11)によって電気エネルギーを供給される電気駆動装置(2)と、を有する建設機械(1000)。
【請求項9】
建設機械は、粘稠材料、特にモルタルを排出するための粘稠材料排出装置(1000)であり、粘稠材料排出装置(1000)は粘稠材料を混合するための電動ミキサ(2)を有し、前記電動ミキサ(2)はエネルギー供給装置(100)の第1電流変換器(11)によって電気エネルギーを供給されていることを特徴とする、請求項8に記載の建設機械(1000)。
【請求項10】
前記粘稠材料排出装置(1000)はさらに、圧縮空気を生成するための電動コンプレッサ(1)を有し、前記電動コンプレッサ(1)は前記エネルギー供給装置(100)の第2電流変換器(14)によって電気エネルギーが供給されていることを特徴とする、請求項9に記載の建設機械(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー供給装置及び建設機械に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、可能な限り柔軟に使用できるエネルギー供給装置及び建設機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
エネルギー供給装置は、電力消費機器に電気エネルギーを供給する役割を果たす。
【0004】
エネルギー供給装置は、例えば減衰された中間回路直流電圧を通す従来の中間回路を有している。
【0005】
エネルギー供給装置はさらに、特に3相の第1交流電圧電源が適正に接続できる第1電源端子を有している。
【0006】
エネルギー供給装置はさらに、第1電源端子に存在する交流電圧に対応する又はこれに基づく交流電圧を整流し、整流された電圧を中間回路に供給するように設計された第1整流器を有する。第1整流器は、単相整流器又は多相整流器であることができる。
【0007】
エネルギー供給装置はさらに、特に3相の第2交流電圧電源が適正に接続できる第2電源端子を有する。
【0008】
エネルギー供給装置はさらに、第2電源端子に存在する交流電圧に対応する又はこれに基づく交流電圧を整流するように設計された第2整流器を有する。第2整流器は、単相整流器又は多相整流器であることができる。
【0009】
エネルギー供給装置はさらに、第1の側では第2整流器によって整流された電圧が印加され、第2の側では中間回路に接続されている制御可能な単方向又は双方向DC/DCコンバータを有する。DC/DCコンバータは、必要に応じて第2整流器から中間回路の方向に電気エネルギー/電力を伝送するように設計されている。
【0010】
エネルギー供給装置はさらに、中間回路から供給されて、第1電力消費機器に電気エネルギーを供給するように設計された第1電流変換器を有する。電流変換器は、例えば第1電力消費機器に供給するために中間回路電圧から1つ以上の正弦波交流電圧を生成するインバータであることができる。代替的又は追加的に、電流変換器は、中間回路電圧のレベルを第1電力消費機器に適したレベルを有する直流電圧に変換するDC/DCコンバータとしても設計することができる。
【0011】
エネルギー供給装置さらには、第1電源端子で消費された電力を測定するように設計された従来の電力測定装置を有する。
【0012】
エネルギー供給装置はさらに、例えばマイクロプロセッサ制御装置の形態の制御装置を有し、この制御装置は、電力測定装置とデータ通信していて、第1電源端子で消費された電気エネルギーに応じてDC/DCコンバータを制御するように設計されており、それによりDC/DCコンバータは必要に応じて第2電源端子から中間回路の方向により多い又はより少ない電気エネルギー/電力を伝送する。
【0013】
一実施形態では、制御装置は、第1電源端子で消費された電力が閾値を超えると、第2電源端子から電力が中間回路の方向に伝送されるようにDC/DCコンバータを制御する。このようにして、必要に応じて電力を第2接続から動的に呼び出すことができて、利用可能な総電力が最適化される。
【0014】
一実施形態では、制御装置はさ、エネルギー供給装置から放出可能な最大電力が、第1電源端子で利用可能な最大電力と、第2電源端子で利用可能な最大電力との和に相当するようにDC/DCコンバータを制御する。
【0015】
一実施形態では、エネルギー供給装置はさらに、中間回路から供給されて、第2電力消費機器に電力を供給するように設計された、例えば単相若しくは多相インバータ又はDC/DCコンバータの形態の第2電流変換器を有する。
【0016】
一実施形態では、エネルギー供給装置は、電気的に絶縁された変圧器(絶縁変圧器)を有し、電気的に絶縁された変圧器の第1巻線若しくは1次巻線は第2電源端子に接続され、電気的に絶縁された変圧器の第2巻線若しくは2次巻線は第2整流器に接続されている。
【0017】
一実施形態では、第1電源端子は、例えば建設現場で通常使用されるような32Aの通電容量を有する電源端子である。
【0018】
一実施形態では、第2電源端子は、例えば建設現場で通常使用されるような16Aの通電容量を有する電源端子である。
【0019】
本発明による建設機械は、上述したエネルギー供給装置と電気駆動装置とを有し、この電気駆動装置はエネルギー供給装置の第1電力消費機器をなし、したがってエネルギー供給装置の第1電流変換器によって電力を供給されている。
【0020】
一実施形態において、建設機械は、粘稠材料、特にモルタルを排出するための粘稠材料排出装置であり、この粘稠材料排出装置は粘稠材料を混合するための電動ミキサを有し、この電動ミキサは上記の電気駆動装置をなし、したがってエネルギー供給装置の第1電流変換器によって電力が供給されている。
【0021】
一実施形態では、粘稠材料排出装置はさらに、圧縮空気を生成するための電動コンプレッサを有しており、この電動コンプレッサはエネルギー供給装置の第2電力消費機器をなし、したがってエネルギー供給装置の第2電流変換器によって電気エネルギーが供給される。
【0022】
以下に、本発明を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、建設機械の電力消費機器に電気エネルギーを供給するための本発明によるエネルギー供給装置を備えた建設機械の模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、粘稠材料排出装置1000のコンプレッサ1と電動ミキサ2の形態の電力消費機器に電気エネルギー/電力を供給するための本発明によるエネルギー供給装置100を備えた、粘稠材料を排出するための粘稠材料排出装置1000の形態の建設機械のブロック図を模式的に示している。
【0025】
エネルギー供給装置100は、3相交流400Vの電源電圧端子に、例えば直流550Vの中間回路直流電圧が印加される中間回路3を有する。
【0026】
エネルギー供給装置100はさらに、この電源端子には、第1交流電圧電源5、例えば32Aの通電容量を有する建設用電源が適正に接続できる第1電源端子4を有する。
【0027】
エネルギー供給装置100はさらに、任意選択の従来の電源フィルタ16と、その下流側に任意選択の平滑リアクトル17を有し、さらにその下流側に第1整流器6が接続されている。第1整流器6は、第1電源端子4に存在する交流電圧を整流し、整流された電圧を中間回路3に供給するように設計されている。
【0028】
エネルギー供給装置100はさらに、第2交流電圧電源8、例えば16Aの通電容量を有する建設用電源が適正に接続できる第2電源端子8を有する。
【0029】
エネルギー供給装置100はさらに、任意選択の従来の電源フィルタ18と、電気的に絶縁された変圧器15を有しており、電気的に絶縁された変圧器15の第1巻線若しくは一次巻線15aは、電源フィルタ18を介して第2電源端子7と接続され、電気的に絶縁された変圧器15の第2巻線若しくは二次巻線15bは第2整流器9に接続されている。第2整流器9は、第2電源端子7に印加される交流電圧に基づいて、電気的に絶縁された変圧器15の第2巻線15bに印加される交流電圧を整流するように設計されている。
【0030】
エネルギー供給装置100はさらに、制御可能なDC/DCコンバータ10を有しており、これは第1の側では第2整流器9によって整流された電圧が印加され、第2の側では任意選択の平滑リアクトル19を介して中間回路3と接続されている。
【0031】
エネルギー供給装置100はさらに、中間回路3から供給されて、電動ミキサ2に電気エネルギーを供給するように設計されたインバータ11の形態の第1電流変換器を有する。
【0032】
エネルギー供給装置100はさらに、中間回路3から供給されて、コンプレッサ1に電気エネルギーを供給するように設計されたインバータ14の形態の第2電流変換器を有する。
【0033】
エネルギー供給装置100はさらに、第1電源端子4で消費された電力を測定するように設計された電力測定装置12を備えている。
【0034】
エネルギー供給装置100さらには、電力測定装置12とデータ通信していて、第1電源端子4で消費された電力に応じてDC/DCコンバータ10を制御するように設計された制御装置13を有する。第1電源端子4で消費された電力が閾値を超えた場合、制御装置13は、第2電源端子7から中間回路3の方向に電力が伝送されるように、DC/DCコンバータ10を制御する。このようにして、エネルギー供給装置100から放出可能な最大電力が、第1電源端子4で利用可能な最大電力と第2電源端子7で利用可能な最大電力との和に相当することが可能になる。
【0035】
建設機械の電気供給のために提供されている電源接続ボックスは、利用可能な接続電力に関してしばしば問題を招く。例えば30kWの電力を供給するために、63Aの接続端子が必要である。この接続端子は常に利用できるわけではなく、また通常の建設用配電盤も主として63Aでしか保護されていないため、建設機械の電気駆動用には通常32Aと16Aの接続端子しか残されていない。電力消費機器の最大出力は、現在のところ接続端子の最大接続負荷によって制限されている。
【0036】
図1は、32A接続端子4と16A接続端子7を備えた可能な回路の例を示している。
【0037】
16A接続端子7では、電圧上昇を伴う電位分離が行われる。DC/DCコンバータ若しくはDC/DCコントローラ10は、電力を電流制御して中間回路3に「プッシュ」する。中間回路3内のカップリングを介して電位基準が確立される。中央制御装置13は、32A接続端子4における測定装置12を介して、いつ16A接続端子7から追加の電力が必要になるかチェックする。すべての電力機器1、2が32A経路に接続されると、建設機械1000は選択的に32A接続端子4でのみ運転することができる。
【0038】
本発明によれば、複数のエネルギー経路若しくは複数の接続端子4、7は、利用可能な電力が接続負荷の合計に増加するように組み合わされる。言い換えれば、電力消費機器1、2と接続端子4、7との間に固定された割り当てがなくても、必要に応じて別の接続端子から電気エネルギー/電力が主接続端子4に供給される。主接続端子4における電力消費を測定することにより、別の接続端子7の電力が中間回路3に供給されて、全体の電力収率が最大化される。
【0039】
別の第2主接続端子7も存在し得ることは理解される。この場合、別の接続経路は、構成要素である任意選択の電源フィルタ18、電気的に絶縁された変圧器15、整流器9、及び中間回路3に(共に)供給するDC/DCコンバータ10を有する第2電源端子7における経路に対応している。
【0040】
別の電力消費機器に供給するために、中間回路3から供給される3つ以上の電流変換器11及び14も存在し得るすることは理解される。
【0041】
本発明により、例えば2つ(又はそれ以上の)電源端子を有する建設機械の電気接続負荷の最大電力収率が可能である。電気的に絶縁された変圧器15により、接続端子4及び7が相互に影響し合うことはない。
図1
【国際調査報告】