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特表2023-553571急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者に対する併用療法
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  • 特表-急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者に対する併用療法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-22
(54)【発明の名称】急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者に対する併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20231215BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231215BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/216 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/135 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/401 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/585 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/341 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20231215BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20231215BHJP
   A61K 31/7042 20060101ALI20231215BHJP
   C12N 9/99 20060101ALN20231215BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P11/00 ZNA
A61P9/04
A61K31/41
A61K31/216
A61K31/135
A61K31/403
A61K31/401
A61K31/585
A61K31/341
A61K31/381
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/7048
A61K31/7042
C12N9/99
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557827
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2021086012
(87)【国際公開番号】W WO2022117893
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】20211324.7
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】523210010
【氏名又は名称】エス-フォルム ファルマ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】マルシオ スコルサン
(72)【発明者】
【氏名】エリック アリウア
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル メバザ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA37
4C084ZA59
4C084ZC41
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA03
4C086BA07
4C086BB02
4C086BC07
4C086BC12
4C086BC62
4C086DA13
4C086GA16
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA37
4C086ZA59
4C086ZC41
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA21
4C206GA13
4C206GA28
4C206MA03
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA37
4C206ZA59
4C206ZC41
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明の対象は、下記成分のうち少なくとも2つを含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって:β遮断薬;アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII阻害薬、及びアンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなる群の1つの薬剤;ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA);グリフロジン;ループ作用性利尿薬;前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、並びに前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者又は心不全を有さない患者である、配合剤である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸数及び/若しくは酸素飽和度を正常値に回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンなどのグリフロジンとも称されるナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬であって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、及び/又は呼吸困難の症状を改善することに使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端(NT)プロホルモンBNP(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【請求項2】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンを含む、配合剤。
【請求項3】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1又は2に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が糖尿病ではない、配合剤。
【請求項4】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~3の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心筋機能障害を有する、配合剤。
【請求項5】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~4の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記治療が、前記配合剤を毎日好ましくは1日1回投与することである、配合剤。
【請求項6】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~5の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLであり、前記体液が血漿試料、好ましくは空腹時血漿試料である、配合剤。
【請求項7】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~6の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、配合剤。
【請求項8】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~7の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料中の少なくとも5個のアミノ酸を有するプロアドレノメデュリン(proADM)及び/又はその断片、好ましくは成熟アドレノメデュリン(ADM-NH)の濃度が特定の閾値を超える、並びに前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、配合剤。
【請求項9】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~8の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、請求項1に記載の配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、
・ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、
・非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシン(AT)IIアンタゴニストの(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせ、
好ましくは一定の組み合わせである、配合剤。
【請求項10】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~9の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、一定期間、2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、前記用量が、第1用量及び第2用量と称される、第1用量及び第2用量のそれぞれは、前記組合わせの各化学物質のそれぞれの用量を指す、並びに第1用量は、最初に、前記組み合わせの各化学物質の初期1日用量で一定期間投与され、その後、次の第2用量が一定期間、前記初期1日用量の2~4倍高い用量で投与される、配合剤。
【請求項11】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~10の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【請求項12】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、β遮断薬が、β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール;β-アドレナリン受容体遮断薬:1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール、1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩(CR/XL);前記β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール、(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール、N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド、2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド、3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド、及び1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールを含む群から選択される、配合剤。
【請求項13】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記ACE阻害薬が、前記プロリンのスルフヒドリル含有類似体:(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸、(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2、3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、及び(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸を含む群から選択される、配合剤。
【請求項14】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記MRA(ミネラル受容体アンタゴニスト)が、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、及び(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミドを含む群から選択される、配合剤。
【請求項15】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記利尿薬が、3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸、2-[2,3-ジクロロ-4-(2-メチリデンブタノイル)フェノキシ]酢酸、4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸、1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレアなどのループ作用性利尿薬、3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-(ジアミノメチリデン)ピラジン-2-カルボキサミド、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、6-フェニルプテリジン-2,4,7-トリアミンなどのカリウム保持性利尿薬、6-クロロ-1,1-ジオキソ-4H-1λ6,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド、6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミドなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される、配合剤。
【請求項16】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記グリフロジンが、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール、ルセオグリフロジン、レモグリフロジンエタボナート(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[5-メチル-1-プロパン-2-イル-4-[(4-プロパン-2-イルオキシフェニル)メチル]ピラゾール-3-イル]オキシオキサン-2-イル]メチルカルボネート)、エタボン酸セルグリフロジン(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]フェノキシ]オキサン-2-イル]メチルカルボネート)、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール、及びそれらの混合物を含む群から選択される、配合剤。
【請求項17】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~16の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、下記薬剤の第2用量の組み合わせの化学物質のそれぞれの範囲は以下のとおりである、配合剤:
ACE阻害薬
カプトプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
エナラプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~10mg/日~20~40mg/日、好ましくは10~20mg/日~20~40mg/日、より好ましくは15~30mg/日~20~40mg/日である用量範囲、
リシノプリル:
(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~8.75mg/日~20~35mg/日、好ましくは10~17.5mg/日~20~35mg/日、より好ましくは15~26.25mg/日~20~35mg/日である用量範囲、
ラミプリル:
(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
トランドラプリル:
(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸
1mg/日~4mg/日、好ましくは2mg/日~4mg/日、より好ましくは3mg/日~4mg/日である用量範囲、
ベナゼプリル:
2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
フォシノプリル:
(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
モエキシプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
7.5mg/日~30mg/日、好ましくは15mg/日~30mg/日、より好ましくは22.5mg/日~30mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルアルギニン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2, 3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルtert-ブチルアミン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン
2mg/日~8mg/日、好ましくは4mg/日~8mg/日、より好ましくは6mg/日~8mg/日である用量範囲、
キナプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
シラザプリル:
(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、

β遮断薬
ビソプロロール:
1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カルベジロール:
1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
コハク酸メトプロロール:
1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩
50mg/日~200mg/日、好ましくは100mg/日~200mg/日、より好ましくは150mg/日~200mg/日である用量範囲、
ネビボロール:
1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ナドロール:
(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
アセブトロール:
N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲、
ラベタロール:
2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド
200mg/日~800mg/日、好ましくは400mg/日~800mg/日、より好ましくは600mg/日~800mg/日である用量範囲、
セリプロロール:
3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
アテノロール:
2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
プロプラノロール:
1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オール
40mg/日~160mg/日、好ましくは80mg/日~160mg/日、より好ましくは120mg/日~160mg/日である用量範囲、

アンジオテンシン受容体遮断薬
カンデサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
8mg/日~32mg/日、好ましくは16mg/日~32mg/日、より好ましくは24mg/日~32mg/日である用量範囲、
バルサルタン:
(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
80mg/日~320mg/日、好ましくは160mg/日~320mg/日、より好ましくは240mg/日~320mg/日である用量範囲、
ロサルタン:
[2-ブチル-5-クロロ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-イル]メタノール
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
アジルサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
エプロサルタン:
4-[[2-ブチル-5-[(E)-2-カルボキシ-3-チオフェン-2-イルプロパ-1-エニル]イミダゾール-1-イル]メチル]安息香酸
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
イルベサルタン:
2-ブチル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]-1,3-ジアザスピロ[4.4]ノン-1-エン-4-オン
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
オルメサルタン:
5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
テルミサルタン:
2-[4-[[4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-2-プロピルベンズイミダゾール-1-イル]メチル]フェニル]安息香酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、

ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)
エプレレノン:
メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
スピロノラクトン:
S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
フィネレノン:
(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミド
10mg/日~20mg/日、好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、

ARNI
サクビトリル・バルサルタン:
4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸/(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸II
48.5mg/51.5mg/日~194mg/206mg/日、好ましくは97mg/103mg/日~194mg/206mg/日、より好ましくは145.5mg/154.5mg/日~194mg/206mg/日である用量範囲、

利尿薬
フロセミド:
4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸
10~60mg/日~40~240mg/日、好ましくは20~120mg/日~40~240mg/日、より好ましくは30~180mg/日~40~240mg/日である用量範囲、
ブメタニド:
3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸
0.25~1.25mg/日~1~5mg/日、好ましくは0.5~2.5mg/日~1~5mg/日、より好ましくは0.75~3.75mg/日~1~5mg/日である用量範囲、
トラセミド:
1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレア
2.5~5mg/日~10~20mg/日、好ましくは5~10mg/日~10~20mg/日、より好ましくは7.5~15mg/日~10~20mg/日である用量範囲、
ベンドロフルメチアジド:
3-ベンジル-1,1-ジオキソ-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
ヒドロクロロチアジド:
6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
3.125~25mg/日~12.5~100mg/日、好ましくは6.25~50mg/日~12.5~100mg/日、より好ましくは9.375~75mg/日~12.5~100mg/日である用量範囲、
メトラゾン:
7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
インダパミド:
4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド
0.625~1.25mg/日~2.5~5mg/日、好ましくは1.25~2.5mg/日~2.5~5mg/日、より好ましくは1.875~3.75mg/日~2.5~5mg/日である用量範囲、

グリフロジン:
ダパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カナグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
エンパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
6.25mg/日~25mg/日、好ましくは10mg/日~25mg/日、より好ましくは10mg/日~20mg/日である用量範囲、
エルツグリフロジン:
(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール
3.75mg/日~15mg/日、好ましくは7.5mg/日~15mg/日、より好ましくは11.25mg/日~15mg/日である用量範囲、
イプラグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
トホグリフロジン:’
(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール
5mg/日~20mg/日、好ましくは10mg/日~20mg/日、より好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、
ルセオグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、
ソタグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲。
【請求項18】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
f.β遮断薬(BB)、
g.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
h.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
i.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、グリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は(正常な)呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させることを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
j.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記化合物は、単一の投与形態、好ましくは単一の丸剤で前記患者に同時に投与される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【請求項19】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも4つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【請求項20】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
少なくとも4つの化合物を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)としてのビソプロロール、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤としてのラミプリル、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【請求項21】
請求項1~21の何れか一項に記載の配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血がある、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、経口医薬製剤。
【請求項22】
呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~21の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、グリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量で前記配合剤を投与される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに
第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【請求項23】
請求項1~22の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、グリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は(正常な)呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させることを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中の少なくとも5個のアミノ酸を有するproADM及び/又はその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに第1用量は、第2用量の半分用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【請求項24】
呼吸数及び/若しくは酸素飽和度を正常値に回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端(NT)プロホルモンBNP(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%未満である心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質である:β遮断薬;(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤;ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA);ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬;患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬;並びに前記患者の体液試料が、BNP(脳性(B型)ナトリウム利尿ペプチド)濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP(N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、配合剤である。
【背景技術】
【0002】
息切れは、不快な、速い、又は困難な呼吸という不快な感覚である。走ったり、異常なほどに力んだりすると、誰でも息切れを経験することがあるが、運動による息切れは一時的なもので、数分後には呼吸は正常に戻る。対照的に、安静時又は中程度の運動時に息切れが出現し、数時間又は数日間続く場合は、深刻な根本的な問題が原因である可能性があるため、治療を要する。医学用語の「息切れ」は、病院の受診及び/又は入院に至る呼吸困難であり、高い死亡リスクを伴う。
【0003】
急速に発症する(急性とも称される)呼吸困難は、呼吸数が15を超え、酸素飽和度が95%未満の場合は重症とみなされ、病院への受診が必要である。さらに、呼吸頻度が22/分を超える及び/又は酸素飽和度が92%未満の低酸素症を伴う場合は集中治療が必要である。急性呼吸困難で入院した患者は、アシドーシス及び呼吸疲労などの代謝障害を有する可能性がある(Respiratory fatigue in patients with acute cardiogenic pulmonary edema, F. Mojoli, L. Monti, M. Zanierato, C. Campana, S. Mediani, L. Tavazzi, A. Braschi, European Heart Journal Supplements, Volume 6, Issue suppl_F, 1 November 2004, Pages F74-F80)。実際、急性呼吸困難患者では、多くのメカニズムが組み合わさることにより、呼吸筋の呼吸仕事量が著しく増加する。これには、呼吸頻度の増加、総呼吸に対する腹部及び頚部の副吸気筋の寄与の増加、及び/又は気道抵抗の増加が含まれる。筋肉の寄与に関しては、呼吸仕事量が徐々に増加するにつれて、横隔膜への血流が指数関数的に増加することが示されており、心拍出量及び血圧は変化しないにもかかわらず、横隔膜の酸素消費量が顕著に増加していることを示唆している(J Clin Invest . 1977 Jan;59(1):31-42. doi: 10.1172/JCI108619. The relationship of respiratory failure to the oxygen consumption of, lactate production by, and distribution of blood flow among respiratory muscles during increasing inspiratory resistance, C H Robertson Jr,G H Foster,R L Johnson Jr)。
【0004】
さらに、慢性閉塞性肺疾患及び/又は急性肺水腫の悪化を含む、急性呼吸困難の多くの原因で見られる分泌物、気道浮腫、及び/又は気管支痙攣の存在による気道抵抗の増加が関連している。気道抵抗の増加は肺容積の増加につながり、これは深吸気量の低下、吸気筋及び呼気筋のエネルギー状態の悪化、並びに全体的な呼吸仕事量のさらなる増加に関連しているため、犠牲の大きい代償機構である(J Appl Physiol (1985). 2013 May;114(9):1222-34. doi: 10.1152/japplphysiol.00981.2012. Epub 2013 Mar 21. Pathophysiology of muscle dysfunction in COPD, Joaquim Gea ,Alvar Agusti,Josep Roca)。後者は不安を増大させ、頻呼吸により呼吸仕事量がさらに増加する。さらに、慢性呼吸不全患者では、顕著な交感神経活性という直接的なエビデンスがある(Marked Sympathetic Activation in Patients with Chronic Respiratory Failure, SILKE HEINDL , MATTHIAS LEHNERT , CARL-PETER CRIEE , GERD HASENFUSS , and STEFAN ANDREAS https://doi.org/10.1164/ajrccm.164.4.2007085 , PubMed: 11520722, Received: July 18, 2000)。これらのメカニズムの多くは、高齢者ではより明白である。さらに、COPD、慢性心不全、又は腎疾患などの併存疾患を有する高齢患者では、末梢筋及び呼吸筋が慢性的に障害を受けている。これら障害には、換気不全を引き起こし、運動能力や日常生活の活動を制限する可能性のある筋力及び/又は持久力の喪失が含まれる。
【0005】
呼吸困難の初期治療では、通常、低酸素症の場合の酸素療法と、根本的な原因、すなわち心臓性若しくは非心臓性又は心臓性及び非心臓性の両方の組み合わせの場合の治療とを組み合わせることが推奨されている。多くの場合、急性呼吸困難で入院した患者は、適応があれば非侵襲的換気で治療されると、正常なガス交換が急速に回復する可能性がある。世界的には、5段階のリッカート尺度(Likert scale)で、急性呼吸困難で入院した患者は、標準治療を6時間受けた後に息切れが76%改善した(Eur Heart J . 2010 Apr;31(7):832-41. doi: 10.1093/eurheartj/ehp458. Epub 2009 Nov 11; The impact of early standard therapy on dyspnoea in patients with acute heart failure: the URGENT-dyspnoea study, Alexandre Mebazaa ,Peter S Pang,Miguel Tavares,Sean P Collins,Alan B Storrow,Said Laribi,Stephanie Andre,Daniel Mark Courtney,Jennifer Hasa,Jindrich Spinar,Josep Masip,William Frank Peacock,Karen Sliwa,Etienne Gayat,Gerasimos Filippatos,John G F Cleland,Mihai Gheorghiade)。
【0006】
しかしながら、息切れは数時間以内に著しく改善するが、数日間、さらには退院後も呼吸数は異常に高いままである。それにも関わらず、持続性呼吸困難に対して推奨される治療法はない。さらに、急性呼吸困難患者の少なくとも3分の1が、その後90日以内に新たな急性呼吸困難のエピソードのために再入院するが、再入院を防ぐ治療法はない(Kamile Cerlinskaite et al., Readmission following both cardiac and non-cardiac acute dyspnoea is associated with a striking risk of death, ESC Heart Failure 2021 Aug;8(4):2473-2484. doi: 10.1002/ehf2.13369. Epub 2021 Jun 10)。
【0007】
呼吸困難の治療には、急性呼吸困難の原因の診断及び管理も含まれる。非心臓性呼吸困難は、救急外来における急性呼吸困難の原因の約半数を占めている。気道感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、又は肺がんの悪化など、様々な原因がある。気道感染症は、救急外来の受診を促す最も主要な問題の1つである。多くは自然治癒性(自己限定性)のウイルス性疾患の結果であるが、これらの感染症は相当数の罹患率につながり、稀に死亡に至る可能性がある。迅速な認識及び適切な治療が必要である。さらに、抗菌剤を慎重に選択して、それらの利点を最大化することが不可欠である。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪も、救急外来を受診する主要な原因である。慢性閉塞性肺疾患の患者は、酸素(低酸素血症患者の場合)、吸入β2アゴニスト、吸入抗コリン薬、抗生物質、及び全身性コルチコステロイドで治療される。これらの患者では、非心臓性の要因がうっ血に関連している場合があるが、治療指針は記述されておらず、長期的な利点を示した治療法もない。
【0008】
呼吸困難は心臓性でもあり得、その多くの場合、急性心不全(AHF)と称される。ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association、NYHA)心機能分類の記述は、心不全の程度を分類する簡便な方法を提供している。NYHA心機能分類は、非心臓性の要因による呼吸困難の重症度を判定するためにも使用してもよい。NYHAは、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者を、身体活動の制限に基づいて4つのカテゴリーの1つに分類している。制限/症状は、正常な呼吸並びに様々な程度の呼吸苦及び狭心症の痛みに関するものである。
クラスI-身体活動に制限はない。通常の身体活動では過度の疲労感、動悸、呼吸困難(呼吸苦)が生じない。
クラスII-身体活動に軽度の制限がある。安静時には苦痛はない。通常の身体活動で疲労感、動悸、呼吸困難(呼吸苦)を生じる。
クラスIII-身体活動に高度の制限がある。安静時には苦痛はない。通常以下の身体活動で疲労感、動悸、呼吸困難を生じる。
クラスIV-いかなる身体活動も苦痛無しには実施できない。安静時にも心不全の症状を認める。少しでも身体活動を行うと苦痛が増加する。
NYHA心機能分類は、急性及び/又は持続性呼吸困難を分類するために主に使用される。
【0009】
AHFの予後は不良であり、院内死亡率は5~8%であり、退院後の死亡率は10%増加する。急性心不全の治療法としては、まだほとんど承認されていない。退院直後には、通常少なくとも90日間続くリスク期間があり、「脆弱期」として知られている。脆弱期の病態生理学は依然として議論の余地がある。いくつかの研究では、退院時に心不全経口療法(HFOT)が充分に活用されていないことが示唆されている。β遮断薬(BB)、レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RASi)(アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン受容体遮断薬又はアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNi))、及びミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト(MRA)を含むHFOTは、左心室駆出率(HFrEF)が低下した安定心不全(HF)の転帰を著しく改善することが長い間示されてきた。最新のヨーロッパ及び北米のHFガイドラインでは、AHF患者におけるBB休薬が退院後の死亡リスクの増加と関連していることを示したいくつかの研究に基づいて、HFrEFに対する退院時のHFOTの維持及び/又は導入を推奨している。しかし、虚弱な患者、依然として患っている患者、又はAHF危機から回復したばかりの患者におけるHFOTの維持又は早期導入は、特に高齢の患者では最適ではない。したがって、AHF入院中のRASi及び/又はMRAの単独療法又はBBとの併用療法の維持、導入、及び中止の効果に関するデータが必要である。最近では、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬がHFOTに含まれるようになった。
【0010】
さらに、多くのAHF患者は左心室駆出率(HFpEF)が保たれているため、これらの患者にHFOTが有益であるかどうかのデータは存在しない。人口統計上及び臨床上の違いにもかかわらず、HFpEF患者におけるAHF入院後の転帰は、HFrEF患者の転帰と同様に不良である。中立(neutral)試験により、最近のヨーロッパ及び北米の心不全ガイドラインでは、慢性、ひいては非代償性HFpEF患者には経口薬を投与しないことが推奨されている。最近の試験では、HFpEFにおけるナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬の利点が示唆されている。急性心不全(AHF)後の退院前に、β遮断薬(BB)、レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RASi)、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト(MRA)などを心不全経口療法(HFOT)で投与すると、転帰が改善される可能性があることが記述されている。しかしながら、HFOTにおける早期投与は患者の状態を悪化させる可能性があるため、懸念が生じている。一方、大規模な国際コホートのレトロスペクティブ分析では、退院時のHFOTは、単独か併用かを問わず、1)「退院後脆弱期」中、及び2)HFpEF患者を含む全てのAHF患者において、より良い転帰と関連している可能性があることが示唆されている(Gayat E et al.; Heart failure oral therapies at discharge are associated with better outcome in acute heart failure: a propensity-score matched study. ; GREAT Network. Eur J Heart Fail. 2018 Feb;20(2):345-354)。
【発明の概要】
【0011】
本出願の発明の対象は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII受容体・ネプリライシン阻害薬の組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端(NT)プロホルモンBNP(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願の文脈において、呼吸困難は、努力呼吸である呼吸苦、安静時に肺に空気を充分に取り込むことが困難になる不快な状態として定義/特徴付けられる。呼吸困難は、患者が完全に息を吸い込むことができないような感覚を伴う呼吸不快感に相当する。呼吸困難は、呼吸数の増加及び/又は動脈血酸素飽和度の低下及び/又は心拍数の増加を含む交感神経緊張刺激(sympathetic tome stimulation)に関連している場合がある。
【0013】
呼吸困難のある患者は、診察の必要性を感じる場合がある。急性呼吸困難は、急性の問題に続発する場合もあれば、基礎疾患(例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患、心不全)の悪化である場合もある(John E Delzell Jr, FP Essent Action,. 2013 Jun;409:17-22., Common lung conditions: acute dyspnea)。
【0014】
「急性」という用語は、臨床経過が短い(2週間未満、より好ましくは1週間未満、より好ましくは1日未満、最も好ましくは数時間)任意の状態を意味するために使用される。本出願の文脈において、急性とは、数時間又は数日間にわたって突然又は徐々に現れる呼吸困難若しくは呼吸苦として定義される。呼吸困難が心臓性であるか非心臓性であるかに関係なく、呼吸困難は炎症及び内皮機能不全に関連している。心臓性の呼吸困難の場合、心臓の機能不全は重要な臓器、すなわち肺、腎臓、肝臓のうっ血を伴う。うっ血は内皮機能不全を引き起こし、臓器の機能不全を悪化させる。非心臓性の呼吸困難では、肺の感染症及び/又は炎症が常に内皮機能不全と関連しており、肺機能不全を悪化させることがよくある。
【0015】
本出願の文脈において、持続性とは、例えば、数日間、数週間、又は数ヶ月間続く、16回を超える呼吸数及び/又は95%未満の酸素飽和度の呼吸苦として定義される。呼吸苦、息切れ、又は呼吸困難が続くと、患者は運動や労作が妨げられる。
【0016】
本出願の文脈において、呼吸数(呼吸頻度)は、ヒトが1分間に行う呼吸回数である。呼吸数は、概して、ヒトの安静時に測定され、単純に胸部が何回上がるかを数えることによって1分間の呼吸回数を数える。呼吸数は、発熱、疾病、その他の病状により増加することがある。呼吸を確認する時は、呼吸困難があるかどうかにも注意することが重要である。安静時の成人の標準の呼吸数は、1分あたり12~16呼吸の範囲内である。呼吸数センサーを呼吸数のモニタリングに使用できる。しかし、人が1分間の呼吸サイクル(吸気及び呼気)の数を数えてもよく、これが呼吸数である。1分あたり16回を超える呼吸数は、息切れ、呼吸苦、又は呼吸困難の定義の一部である。
【0017】
酸素飽和度は、血液中の総ヘモグロビン(不飽和+飽和)に対する酸素飽和ヘモグロビンの割合である。ヒトの身体は、血液中の酸素の非常に正確かつ特定のバランスを必要とし、調節する。ヒトの正常な動脈血酸素飽和度は95~100%である。この濃度が92%未満の場合は、低いとみなされ、低酸素血症と呼ばれる。動脈血酸素濃度が80%を下回ると、脳及び心臓などの臓器の機能が損なわれる可能性があるため、速やかに対処する必要がある。低酸素濃度が続くと、呼吸停止又は心停止に至る可能性がある。酸素療法は、血中酸素濃度の上昇を助けるために使用される場合がある。酸素化は、主に医療用酸素飽和度を指すために使用される。低酸素血症は呼吸又は循環に関連する問題の徴候であり、呼吸苦などの様々な症状を引き起こし得る。対照的に、酸素飽和度の回復は健康状態の改善を示す。血液酸素化は、最も一般的にはパルスオキシメトリーによって非侵襲的に評価される。これはヒトの指に装着する非侵襲的な装置である。光の波長を測定して、脱酸素化ヘモグロビンに対する酸素化ヘモグロビンの測定時の濃度の比を決定する。
【0018】
B型ナトリウム利尿ペプチド(脳性ナトリウム利尿ペプチド、BNP)は、血圧及び体液バランスを調節するために心臓から分泌される32個のアミノ酸による環ペプチドである。(1)BNPは心室の膜顆粒に主に蓄えられ、そこから分泌され、心室容積の拡大及び圧力過負荷の両方に応答して心臓から継続的に放出される。
【0019】
NT-Pro-BNPは、集団における心血管イベントの公知の予測因子である(Melander et. Al, JAMA. 2009;302(1):49-57)。
【0020】
BNP>200pg/mL及び/又はNT-proBNP濃度>600pg/mL、好ましくはBNP>300pg/mL及び/又はNT-proBNP濃度>800pg/mLは、左心室駆出率に関係なく、呼吸困難患者におけるうっ血、心房細動、及び/又は腎機能の変化を含む、心血管機能の変化と関連している場合がある。N-BNPは、Melander et al., JAMA. 2009;302(1):49-57の説明に従って測定され得る。
【0021】
生物学的に活性なアドレノメデュリンは、主に血管内皮細胞によって発現及び分泌される自由循環ペプチドであり、間質における血管拡張活性が血圧低下をもたらすことで知られている。循環において、アドレノメデュリンは内皮細胞間の隙間を直接引き締め、血管漏出を防ぐ。
【0022】
アンジオテンシン変換酵素阻害薬、ネプリライシン阻害薬の有無に関わらずアンジオテンシンII受容体遮断薬、抗鉱質コルチコイド、及びベータ遮断薬は、神経内分泌系(交感神経を含む)の阻害薬である。
【0023】
アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換し、ブラジキニンを加水分解するレニン-アンジオテンシン系の重要な成分であるアンジオテンシン変換酵素の活性を阻害する。ACE阻害薬は高血圧及び心不全の治療に使用され、心血管疾患患者の転帰を改善することが示されている。
【0024】
アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)は、正式にはアンジオテンシンII受容体1型(AT1)アンタゴニストであり、アンジオテンシン受容体遮断薬、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、又はAT1受容体アンタゴニストとも称され、AT1受容体の活性化を選択的に遮断し、アンジオテンシンIIの結合を阻止する。
ARBは、高血圧、糖尿病性腎症、及び心不全の治療に使用される。
【0025】
ネプリライシン阻害薬のサクビトリル及びアンジオテンシン受容体遮断薬のバルサルタンの組み合わせは、駆出率が低下した心不全患者におけるACE阻害薬又はアンジオテンシン受容体遮断薬の代替物として使用することが推奨されている。
【0026】
抗鉱質コルチコイド、MRA、又はステロイド性若しくは非ステロイド性のアルドステロンアンタゴニストは、鉱質コルチコイド受容体におけるアルドステロンの作用に拮抗する利尿薬である。このグループの薬剤は、心不全の長期管理のために、他の薬剤と組み合わせて補助療法としてよく使用される。これらは、左心室駆出率が低下した心不全患者の長期死亡率を改善する。
【0027】
β遮断薬は、交感神経系のアドレナリン作動性β受容体上の内因性カテコールアミンの受容体部位を遮断するする競合的アンタゴニストである。β遮断薬の長期投与は、冠動脈疾患、不整脈、高血圧、心不全を含む多くの心血管疾患の転帰を改善することが示されている。
【0028】
グリフロジンとも呼ばれるSGLT2阻害薬は、ナトリウム・グルコース共輸送体タンパク質2(SGLT2)を阻害することで作用し、腎臓でのグルコースの再吸収を阻害して血糖値を下げる薬剤の一種である。SGLT2阻害薬の長期投与は心血管疾患の転帰を改善することが示されている(WHOの解剖治療化学分類(ATC分類)に基づく物質クラスA10BKに基づくナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬も参照)。
【0029】
利尿薬は、利尿、すなわち尿の生成の増加を促進する物質である。
【0030】
本明細書で使用される場合、利尿薬は、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミドなどのループ作用性利尿薬、アミロライド、エプレレノン、スピロノラクトン、トリアムテレンなどのカリウム保持性利尿薬、クロロチアジド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、メトラゾンなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
【0031】
ループ利尿薬は、腎臓にあるヘンレ係蹄の太い上行脚内のナトリウム・カリウム・塩化物(Na/K/2Cl)共輸送体を阻害することで作用する強力なタイプの利尿薬である(そのため、ループ利尿薬と呼ばれている)。これにより、ナトリウム、塩化物、カリウムの再吸収が減少又は消滅し、ネフロン(腎臓の機能単位)へのナトリウム、塩化物、及びカリウム損失の増加に至る。その結果、ネフロンにも水分が引き込まれ、尿量が増加する。ループ利尿薬は、カルシウム及びマグネシウムの再吸収も低下させる。例えば、フロセミド、ブメタニド、及びトルセミドはループ利尿薬である。
【0032】
本明細書で使用される「患者」という用語は、生存しているヒト又は非ヒト生物を指す。好ましくは、本明細書において、対象はヒト対象である。
【0033】
本出願の発明の対象はまた、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、下記化合物のうち少なくとも4つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端(NT)プロホルモンBNP(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤である。
【0034】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンを含む、配合剤に関する。
【0035】
本願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が糖尿病ではない、配合剤に関する。
【0036】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心筋機能障害を有する、配合剤に関する。
【0037】
本出願の文脈において、心筋機能障害という用語は、心筋の収縮機能及び拡張機能の変化に関する。これにより、心臓の1~4室の既知又は未知の拡張が引き起こされる。さらに、心臓の一部又は全体の収縮及び弛緩の障害と関連している。急性又は慢性の心筋虚血、その他の心血管障害、糖尿病及び腎不全などの代謝障害、ウイルスなどによる感染など、多くの原因に関連している可能性がある。
【0038】
本出願の文脈において、線維症という用語は、心筋機能障害に関連する線維症の存在を伴う心筋構造の変化に関する。
【0039】
本出願の文脈において、硬化症という用語は、心筋虚血及び細胞死に続いて起こることの多い、進行期の心筋線維症に関連する。
【0040】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記治療が、前記配合剤を毎日好ましくは1日1回投与することである、配合剤に関する。
【0041】
本出願の治療の目標は、統計的に呼吸数を減少させ、酸素飽和度を増加させ、生活の質を改善することを含む、全て正常値に向けて呼吸状態を改善すること、並びに急性及び/又は持続性呼吸困難に関連する死亡率を統計的に減少させることである。
【0042】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全患者である及び/又は前記患者は左心室駆出率(LVEF)が40%未満に低下している、配合剤に関する。
【0043】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全患者である及び/又は前記患者は左心室駆出率(LVEF)が40%超である、配合剤に関する。
【0044】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全患者である及び/又は前記患者は左心室駆出率(LVEF)が50%以上である、配合剤に関する。
【0045】
本出願の別の実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全を有さない患者である、配合剤に関する。
【0046】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、配合剤に関する。
【0047】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、配合剤に関する。
【0048】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、請求項1~5の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLであり、前記体液が血漿試料、好ましくは空腹時血漿試料である、配合剤に関する。
【0049】
疑義を避けるために、BNP及びNT-proBNPの閾値は、測定された血漿試料、好ましくは空腹時血漿試料を指す(Melander et al., JAMA. 2009;302(1):49-57)。
【0050】
本出願のさらなる一実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、糖尿病及び腎疾患を含む群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有する、配合剤に関する。さらなる実施形態では、前記患者はいくつかの併存疾患を有し得る。
【0051】
本出願の文脈において、左心室駆出率(LVEF)が低下した患者、左心室駆出率が軽度に低下した患者、及び心室駆出率が保たれている患者は、心不全患者である。
【0052】
驚くべきことに、本出願の基礎となった研究では、心不全はないが、非心臓性の他の疾患を有する患者が、請求項に記載されている配合剤で治療された場合、良好な転帰を示したことが観察された。
【0053】
本出願の別の実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が50%以上の心不全患者、又は
- LVEFが50%を超える心不全を有さない患者若しくはLVEFが測定されなかった心不全の患者である、配合剤に関する。
【0054】
本出願の文脈において、駆出率が軽度に低下した心不全は、左室(左心室)が拡張期(充填)期に血液で適切に満たせない場合に発生する。しかし、身体に送り出される血液の量は依然として充分か、軽度に変化している。これは拡張期心不全とも呼ばれる。心不全の種類は、左心室駆出率と呼ばれる測定値に基づいている。この駆出率は通常、左心室(LV)でのみ測定される。左心室は心臓の主要なポンプ室である。酸素が豊富な血液を上向き(上行)大動脈に送り込み、身体の残りの部分に送る。左心室駆出率は、各収縮で心室内の血液がどれだけ送り出されるかを測定する。左心室は、心室内の血液の一部(全てではない)を押し出して身体に送り出す。40~49%のLV駆出率は、軽度の低下と考えられる。通常、左室駆出率が50%に等しい、50~55パーセントの間、又は55%を超えると、心不全患者では「保たれている」と見なされ、非心不全患者では正常と見なされる。駆出率は、以下を含む画像技術で測定可能である。
●心エコー検査
(駆出率を測定するために使用される最も一般的な検査)心エコー検査では、音波を使用して心臓及び心臓を流れる血液の画像を生成する。
●心臓カテーテル検査
心臓カテーテル検査では、細いプラスチックの管(カテーテル)が腕又は脚の動脈に挿入され、ゆっくりと心臓まで誘導される。カテーテル検査中に撮影された画像により、心臓の駆出率を測定できる。
●磁気共鳴画像法(MRI)
MRIは磁場及び電波を使用して、身体の特定の部分の断面画像を作成する。MRIが心臓の研究に使用される場合、心臓血管MRIとして公知である。
●コンピューター断層撮影法(CT)CTスキャンでは、特別なX線技術を使用して身体の特定の部分の断面画像が作成される。CTスキャンが心臓の研究に使用される場合、心臓CTとして公知である。
●核医学スキャン
核スキャン中、微量の放射性物質が血流に注入される。続いて、血液が心臓や肺を流れる際に、特殊なカメラが血液中の放射性物質を検出する。
【0055】
本発明に対する疑義を避けるために、用語「左心室駆出率(LVEF)(%)」は心エコー検査で測定されるものである。
【0056】
本出願の文脈において、「軽度に低下した左心室駆出率(LVEF)」という用語は、40%~49%のLVEFを意味し、前記LVEFは、心エコー検査で測定される(Ponikowski et al. 2016. European Heart Journal 18(8): 891-975)。
【0057】
疑わしい場合は、心エコー検査で左室駆出率が55%以上であると正常とみなされる。
【0058】
これは、特許請求の範囲に記載されている配合剤で治療される患者群には、左心室駆出率(LVEF)が40%以上若しくは50%以上の心不全患者、LVEFが50%を超える心不全のない患者、又はLVEFが測定されなかった心不全のない患者が含まれることを意味する。
【0059】
心不全(HF)は、心臓の構造又は機能の問題により、身体のニーズを満たすのに充分な血流を供給する能力が損なわれたときに発生する心臓の状態である。様々な症状、特に安静時又は運動時の息切れ(SOB又は息切れ)、肺うっ血又は足首の腫れなどの体液貯留の徴候、及び安静時の心臓の構造又は機能の異常の客観的エビデンスを生じさせる可能性がある。
【0060】
心不全は、心機能不全によって引き起こされる一連の症状及び徴候を特徴とする臨床症候群である。先進国における罹患率及び死亡率の主な原因の1つであり、有病率は1~2%である。心不全は慢性心不全及び急性心不全に分類できる。慢性心不全患者は、安定型慢性心不全、慢性心不全の徴候及び症状の悪化、並びに慢性心不全の急性代償不全に分類できる。急性心不全(AHF)は、心不全の徴候及び症状が急速に発症し、緊急の治療又は入院が必要になるものとして定義される。AHFは、急性新規HF(以前の心機能不全のない患者における新たなAHFの発症)又は慢性HFの急性代償不全として現れる場合がある。AHFは、65歳より高齢の成人の入院の主な原因である。主に過去数十年間の治療の進歩に関連して慢性心不全患者の予後は顕著に改善されたにもかかわらず、患者が非代償性心不全で入院すると、短期及び長期の転帰はいずれも非常に悪いままである。AHFで入院した患者のほぼ25%は退院後30日以内に再入院が必要であるが、入院後5年以上生存するのは50%未満である。影響を受けた患者の生存率及び生活の質を大幅に低下させることに加えて、AHFが医療システムに与える金銭的負担は膨大である。心不全治療の総費用は、2012年に米国だけで310億ドルと推定されており、この費用の大部分は病院内治療に関連している。この費用は高齢化により、2030年には前例のない700億ドルに増加すると予測されている。
【0061】
心不全には、典型的には50%以上とみなされる正常な左心室駆出率(LVEF)(EF保存型HF(HFpEF)としても知られる)を有する患者から、典型的には40%未満とみなされるLVEF低下(EFが低減したHF(HFrEF)としても知られる)の患者まで、幅広い患者が含まれる。LVEFが40~49%の範囲の患者は「グレーエリア」に相当し、中域EFを伴うHF(HFmrEF)として定義される(Ponikowski et al. 2016. European Heart Journal 18(8): 891-975)。
【0062】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が50%以上である、配合剤に関する。
【0063】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は左心室駆出率(LVEF)が40~49%で軽度に低下している、配合剤に関する。
【0064】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が50%以上で保たれている、配合剤に関する。
【0065】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が60%以上である、配合剤に関する。
【0066】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が70%以上である、配合剤に関する。
【0067】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が80%以上である、配合剤に関する。
【0068】
本出願の別の特定の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が40%未満に低下している、配合剤に関する。
【0069】
本出願の別の実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心不全(HF)を有さない、配合剤に関する。
【0070】
本明細書で使用される場合、心不全は、呼吸困難以外の心不全の臨床徴候によって定義/特徴付けられる。呼吸困難以外の心不全の前記臨床徴候を測定又は決定する方法がいくつかある。
【0071】
心エコー検査は、心不全の臨床診断をサポートするために主に使用される。このモダリティでは、超音波を使用して1回拍出量(SV、各拍動で心室から出る心臓内の血液の量)、拡張末期容積(EDV、拡張末期の総血液量)、及び、駆出率(EF)として知られる値である、EDVに対するSVの割合を測定する。小児科では、短縮率が収縮機能の好ましい尺度である。通常、EFは50~70%である必要がある。収縮期心不全では、この値は40%を下回る。心エコー検査では、心臓弁膜症を特定し、心膜(心臓を取り囲む結合組織の嚢)の状態を評価することもできる。心エコー検査は、投薬、植込み型除細動器の挿入、又は心臓再同期療法など、どのような治療がその人に役立つかを判断するのにも役立つ。心エコー検査は、急性心筋虚血が誘発原因であるかどうかを判断するのにも役立ち、エコー上で局所的な壁運動異常として現れる場合がある。
【0072】
胸部X線写真は、うっ血性心不全(CHF)の診断を助けるために頻繁に使用される。代償性心不全である人の場合、これは心胸郭比(胸部に対する心臓の大きさの比率)として定量化される心肥大(目に見える心臓の拡大)を示す場合がある。左心室不全では、血管の再分布(上葉の血液の迂回又は頭側化(cephalization))、カーリー線(Kerley line)、気管支周囲の領域のカフ形成、及び間質性浮腫のエビデンスが認められる場合がある。肺の超音波検査でもカーリー線を検出可能である。
【0073】
心電図(ECG/EKG)は、不整脈、虚血性心疾患、右心室肥大、左心室肥大、及び伝導遅延や異常(例えば、左脚ブロック)の存在を特定するために使用できる。これらの所見は心不全の診断に特有のものではないが、正常な心電図では左心室収縮機能不全は事実上除外される。
【0074】
血管造影は、血管に直接配置された細いプラスチックチューブ(カテーテル)を通して造影剤を血流に注入することによって行われる、血管のX線画像化である。X線画像は血管造影と呼ばれる[46]。心不全は冠動脈疾患の結果である可能性があり、その予後は冠動脈が心筋(心筋)に血液を供給する能力に部分的に依存する。その結果、冠動脈カテーテル法は、経皮的冠動脈インターベンション又はバイパス手術による血行再建の可能性を特定するために使用される場合がある。
【0075】
本出願の別の好ましい実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心不全の病歴を有さない、配合剤に関する。
【0076】
本出願の文脈において、「病歴を有さない」とは、心不全を診断しなかった医師と以前に接触した患者を意味する。
【0077】
本出願の一実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、配合剤に関する。
【0078】
本出願の一実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者がうっ血の臨床徴候を有する、配合剤に関する。
【0079】
本明細書で使用される場合、「うっ血」という用語は、血管及び/又は間質における体液、通常は血漿の異常な蓄積として定義される。
【0080】
本出願の文脈において、「うっ血の臨床徴候」という用語は、体重増加、頸静脈圧の上昇、頸静脈の拡張、肝頸静脈逆流、下肢の浮腫、肝腫大、第3心音、腹水、及び肺捻髪音として定義される。
【0081】
本出願の特定の一実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、配合剤に関する。
【0082】
本出願の文脈では、心血管疾患(CVD)は、心臓及び血管の疾患群として定義され、高血圧症(高血圧)、冠状動脈性心疾患(心臓発作)、脳血管疾患(脳卒中)、末梢血管疾患、心不全、リウマチ性心疾患、先天性心疾患、及び心筋症が含まれる。
【0083】
本明細書で使用される場合、肺疾患は、肺及び呼吸器系の他の部分に影響を及ぼす疾患の一種として定義される。肺疾患には、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、肺炎、及び肺がんが含まれる。
【0084】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせである、配合剤に関する。
【0085】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が一定の組み合わせである、前記配合が1つの投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、配合剤に関する。
【0086】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態が単一丸剤である、配合剤に関する。
【0087】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態が単一のポリピル(polypill)である、配合剤に関する。
【0088】
本出願の文脈において、ポリピルは、複数の活性医薬成分を組み合わせた丸薬形態(すなわち、錠剤又はカプセル)の医薬品である薬剤を指す。
【0089】
本出願の別の特定の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料中のプロアドレノメデュリン(proADM)及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超え、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、配合剤に関する。
【0090】
本出願において、proADMの断片は、成熟アドレノメデュリン(ADM-NH(配列番号4))、ADM1-52-Gly(配列番号5)、MR-proADM(商標)(配列番号3)、及び/又はCT-proADM(配列番号6)であり得る。
【0091】
ペプチドアドレノメデュリン(ADM)は、ヒト褐色細胞腫から単離された52アミノ酸を含む新規降圧ペプチドとして、Kitamura et al.によって初めて記述された(Kitamura et al. 1993. Biochemical and Biophysical Research Communications 192 (2): 553-560)。同年、185アミノ酸を含む前駆体ペプチドをコードするcDNA及びこの前駆体ペプチドの完全なアミノ酸配列も記述された。とりわけ、N末端に21アミノ酸のシグナル配列を含む前駆体ペプチドは、「プレプロアドレノメデュリン」(pre-proADM)と称される。pre-proADMは、185個のアミノ酸を含む。成熟ADM-NHは配列番号4に示され、ADM-Glyは配列番号5に示され、MR-proADMは配列番号3に示され、及び/又はCT-proADMは配列番号6に示されている。
【0092】
成熟アドレノメデュリンペプチドはアミド化ペプチド(ADM-NH)であり、52アミノ酸(配列番号4)を含み、pre-proADMのアミノ酸95~146を含み、そこからタンパク質分解切断によって形成される。現在までに、pre-proADMの切断で形成されるペプチド断片のうち、実質的に少数の断片だけがより正確に特徴づけられている。特に、生理活性ペプチドであるアドレノメデュリン(ADM)及びpre-proADMのシグナルペプチドの21アミノ酸に続く20アミノ酸(22~41)の「PAMP」である。さらに、ADM及びPAMPの両方について、生理学的に活性なサブ断片が発見され、より詳細に検討された。1993年のADMの発見及び特性評価は、集中的な研究活動及び大量の論文を生じさせ、その結果は最近様々な総説論文にまとめられており、本明細書の文脈では、特に次の論文が参照されている:Takahashi 2001. Peptides 22: 1691; Eto et al. 2001. Peptides 22: 1693-1711 and Hinson et al. 2000 Endocrine Reviews 21(2):138-167。
【0093】
これまでの科学的研究において、特に、ADMは多機能性調節ペプチドとみなされ得ることが判明している。部分的にはグリシンによって延長された不活性な形態で循環中に放出される(Kitamura et al. 1998. Biochem. Biophys. Res. Commun. 244(2): 551-555)。ADMに特異的であり、おそらく同様にADMの効果を調節する結合タンパク質も存在する(Pio et al. 2001. The Journal of Biological Chemistry 276(15): 12292-12300)。
【0094】
これまでの研究で最も重要なADM及びPAMPの生理学的効果は、血圧に影響を与える効果であった。したがって、ADMは効果的な血管拡張薬である。
【0095】
さらに、pre-proADMから形成される上記のさらなる生理活性ペプチドPAMPも、ADMとは異なる作用機序を有するようではあるが、同様に降圧効果を示すことが判明した(Eto et al. 2001. Peptides 22: 1693-1711; Hinson et al. 2000 Endocrine Reviews 21(2):138-167; Kuwasako et al. 1997. FEBS Lett 414(1): 105-110; Kuwasaki et al. 1999. Ann. Clin. Biochem. 36: 622-628; Tsuruda et al. 2001. Life Sci. 69(2): 239-245; Kangawa et al. 欧州特許第0622458号明細書)。
【0096】
さらに、循環及び他の体液中で測定できるADM濃度は、多くの病理学的状態において、健康な対照者で見られる濃度を大幅に上回っていることが判明した。したがって、うっ血性心不全、心筋梗塞、腎疾患、高血圧性障害、糖尿病、ショックの急性期、敗血症、及び敗血症性ショックの患者におけるADM濃度は、程度は異なるものの大幅に増加する。上記の病理学的状態の一部ではPAMP濃度も上昇するが、血漿濃度はADMと比較して低下する(Eto et al. 2001. Peptides 22: 1693-1711)。
【0097】
さらに、敗血症又は敗血症性ショックでは異常に高濃度のADMが観察されることが公知である(Eto et al. 2001. Peptides 22: 1693-1711; Hirata et al. 1996. Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 81(4): 1449-1453; Ehlenz et al.1997. Exp Clin Endocrinol Diabetes 105: 156-162; Tomoda et al. 2001. Peptides 22: 1783-1794; Ueda et al. 1999 Am. J. Respir. Crit. Care Med.160: 132-136; Wang et al. 2001. Peptides 22: 1835-1840)。この知見は、敗血症及び他の重篤な症候群、例えば、SIRSの患者における疾患の経過の典型的な現象として知られている典型的な血行力学的変化に関連している。アドレノメデュリンは、敗血症発症時(Wang, Shock 1998, 10(5):383-384; Wang et al. 1998. Archives of surgery 133(12): 1298-1304)並びに多くの急性及び慢性疾患(Parlapiano et al. 1999. European Review for Medical and Pharmacological Sciences 3:53-61; Hinson et al. 2000 Endocrine Reviews 21(2):138-167)において極めて重要な役割を果たす。
【0098】
ADMの循環濃度を測定するためのいくつかの方法が記述されている。ADMは、直接的に又はその同族前駆体ペプチドのより安定な断片を決定することによって間接的に測定される。近年、循環成熟ADMを測定するアッセイを記載した方法が発表された(Marino et al. 2014. Crit Care 18: R34)。
【0099】
ADM前駆体に由来する断片を定量する他の方法、例えば、MR-proADM(Morgenthaler et al. 2005. Clin Chem 51(10):1823-9)、PAMP(Washimine et al. 1994. Biochem Biophys Res Commun 202(2):1081-7)、及びCT-proADM(欧州特許第2111552号明細書)の測定が記述されている。完全自動システムで血漿中のMR-proADMを測定するための市販の均一時間分解蛍光免疫測定法が利用可能である(BRAHMS MR-proADM KRYPTOR、BRAHMS社、ヘニングスドルフ、ドイツ)(Caruhel et al. 2009. Clin Biochem 42(7-8):725-8)。これらのペプチドは同じ前駆体から化学量論比で生成されるため、それらの血漿濃度はある程度相関する。
【0100】
心不全患者ではADMの血漿濃度が上昇し、疾患の重症度と相関する(Hirayama et al. 1999. J Endocrinol 160: 297-303; Yu et al. 2001. Heart 86: 155-160)。高血漿ADMは、これらの対象における独立したネガティブな予後指標である(Poyner et al. 2002. Pharmacol Rev 54: 233-246)。
【0101】
心不全におけるMR-proADMの役割は、いくつかの試験で調査された。BACH試験(Maisel et al. 2010. J. Am. Coll. Cardiol. 55: 2062-2076)では、MR-proADMは90日後の死亡の有力な予測を示し、ナトリウム利尿ペプチドを超える予後価値をもたらした。その後のPRIDE試験(Shah et al. 2012. Eur. Heart J. 33: 2197-2205)のデータにより、MR-proADMの予後における役割が有望なものとなった。患者の間では、MR-proADMが1年時点の死亡率に関して最良の曲線下面積(AUC)を示した。同様に、慢性心不全(CHF)患者のMR-proADM濃度は疾患の重症度と強い相関があり、12か月の追跡調査でペプチド濃度の上昇は死亡リスクの増加と強く関連していた(van Haehling et al. 2010. European Journal of Heart Failure 12: 484-491; Adlbrecht et al. 2009. European Journal of Heart Failure 11: 361-366)。
【0102】
急性非代償性心不全患者の治療中のMR-proADMが研究された(Boyer et al. 2012. Congest Heart Fail 18 (2): 91-97)。急性期治療中にMR-proADM濃度が上昇する傾向にあった患者には、持続的なうっ血に関連する所見が見られた。治療後12~24時間以内に、MR-proADMが上昇した患者では末梢浮腫が増加した。Kaiser et al.は単心室患者におけるMR-proADMを測定した(Kaiser et al. 2014. Europ J Heart Failure 16: 1082-1088)。フォンタン回路(Fontan circuit)が機能不全に陥った患者(腹水及び末梢浮腫を呈する)における濃度は、フォンタン回路が機能不全に陥っていない患者と比較して有意に高かった。さらに、Eisenhutは、アドレノメデュリンレベルの低下につながる治療が肺炎及び敗血症における肺胞浮腫の重症度及び程度を軽減できるかどうかを推測した(Eisenhut 2006. Crit Care 10: 418)。
【0103】
急性心不全を有する対象及び/又は悪化の徴候を示す心不全を有する対象及び/又は心不全若しくは急性心不全の症状を有する対象におけるうっ血の治療又は介入は、利尿薬の投与、強心薬の投与、血管拡張薬の投与、限外濾過、及び特に利尿薬を含む群から選択され得る。
【0104】
プロアドレノメデュリン又はその断片は、特に、急性心不全を有する対象及び/又は悪化の徴候を示す心不全を有する対象及び/又は心不全若しくは急性心不全の症状を有する対象において、急性心不全及び心不全の状況におけるうっ血の早期の定量的かつ正確なサロゲート(surrogate)となる。急性心不全又は心不全の状況におけるうっ血の早期かつ正確なサロゲートであるということは、その濃度及び/又は免疫反応性のレベルがうっ血の程度を反映していることを意味する。
【0105】
以前は、とりわけマーカーBNP及びproBNPがうっ血マーカーとして考えられてきた。驚くべきことに、バイオマーカーであるプロアドレノメデュリン又は本発明のそれぞれの断片は、これまでうっ血マーカーとして使用されてきた他の臨床的又は生化学的パラメータよりもはるかに優れている。これは、Kremer et al.(European Journal of Heart Failure (2017) 19 (Suppl S1) 5-601)によって示されている。Kremer et al.は、ADHFにおけるうっ血の有力なマーカーとして、生物学的に活性なアドレノメデュリンを表すバイオマーカーであるbio-ADM(登録商標)の潜在的な役割を研究し、臨床的に評価されたうっ血に加えて追加の予後価値を評価した。ADHFで入院した1,562人の患者を対象に、bio-ADMをベースライン、2日目、及び7日目に評価した。臨床的うっ血は、浮腫、起座呼吸、及び頚静脈拡張を含む複合臨床的うっ血スコア(CCS)を使用して評価された。これは、BNPを含む他の臨床パラメータ及び生化学パラメータと比較されてきた。多数の臨床パラメータ及び生化学パラメータの中で、bio-ADMは臨床的に評価されたうっ血の最も強力な予測因子であった。ベースラインのbio-ADM濃度は、BNP濃度とは異なり、7日目までの重大な残留うっ血の存在と強い独立した関連を有していた。7日目の時点で残留うっ血が残っている患者では、bio-ADM濃度は高いままであったが、BNP濃度は減少した。bio-ADMは、BNPとは異なり、臨床的に評価されたうっ血に加えて、60日間の心不全再入院の強力な独立した予測因子であった。したがって、著者は、bio-ADMはADHF患者で上昇しており、ADHFで入院した患者における(残存)うっ血の有望なマーカーであると結論付けた。bio-ADMは、退院後早期の再入院の強力かつ独立した予測因子であった。
【0106】
「急性」という用語は、急速な発症を意味し、心不全の増悪又は非代償性心不全を説明するために使用され、心不全の徴候及び症状が変化した結果、緊急の治療又は入院が必要になると患者を特徴づけることができるエピソードを指す。
【0107】
「慢性」という用語は、長期間にわたることを指す。慢性心不全は長期にわたる症状であり、通常は症状の治療によって安定状態が保たれる(安定型慢性心不全)。
【0108】
安定型慢性心不全は、
(i)身体のニーズを満たすのに充分な血流を供給する能力を損なう心臓の構造的又は機能的不全の存在、
(ii)容積過負荷(肺及び/又は全身性うっ血によって現れる)及び/又は心拍出量の深刻な低下(低血圧、腎不全、及び/又はショック症候群によって現れる)がないこと、によって特徴付けられ、
患者は緊急の治療又は治療の調整を必要としておらず、入院の必要もない。
徴候及び症状が悪化する慢性心不全は、
(i)身体のニーズを満たすのに充分な血流を供給する能力を損なう心臓の構造的又は機能的不全の存在、
(ii)容積過負荷(肺及び/又は全身性うっ血によって現れる)及び/又は心拍出量の深刻な低下(低血圧、腎不全、及び/又はショック症候群によって現れる)、によって特徴付けられ、
患者は緊急の治療を必要としておらず、入院も必要ないが、治療の調整が必要である。
【0109】
慢性心不全は代償不全を起こすこともある(急性非代償性心不全又は急性非代償性慢性心不全と称される)。これは併発する疾患(肺炎など)、心筋梗塞、不整脈、管理不良高血圧、又は患者の水分制限、食事療法、投薬の維持の失敗が最もよく原因となる。治療後、急性非代償性慢性心不全患者は、安定型慢性代償性状態(安定型慢性心不全)に戻る可能性がある。
【0110】
新たに発症した急性心不全及び急性非代償性慢性心不全は、
(i)身体のニーズを満たすのに充分な血流を供給する能力を損なう心臓の構造的又は機能的不全の存在、
(ii)容積過負荷(肺及び/又は全身性うっ血によって現れる)及び/又は心拍出量の深刻な低下(低血圧、腎不全、及び/又はショック症候群によって現れる)、によって特徴付けられ、
患者は緊急の治療又は治療の調整を必要とし、入院の必要がある。
【0111】
【表1】
【0112】
新規発症のAHF、急性非代償性心不全、急性非代償性慢性心不全、又は慢性心不全の徴候/症状の悪化のいずれかである急性心不全の上記の定義は、Voors et al., European Journal of Heart Failure (2016), 18, 716 - 726における定義と一致している。
【0113】
心不全におけるうっ血は、呼吸困難、ラ音、及び/又は浮腫などの心不全の徴候及び症状に関連する高い左心室拡張期圧として定義される。うっ血に関連するこれらの徴候及び症状は、心不全に関連した入院の主な理由である。
【0114】
うっ血(及び関連する徴候/症状)の軽減及び正常(循環)血液量状態の達成は依然として院内AHF治療の主な目標であるが、うっ血を評価するための標準的なアルゴリズム又は臨床ツールはない。うっ血の臨床評価に関する現在の実践は、徴候及び症状を中心に展開されている。頸静脈圧の上昇(JVP)、末梢浮腫、起座呼吸、S3心音、及び肝腫大などの身体検査所見、又は心肥大や間質性/肺胞浮腫などの胸部X線所見が、うっ血のサロゲートとして使用される。慎重に行われたJVP評価の他に、うっ血を検出するためのこれらのパラメータの予測値は低め~中程度であることに注意する必要がある。うっ血に対する信頼性があり正確なサロゲートマーカーを求める高いニーズは満たされていない。定量的及び定性的な方法でうっ血及びうっ血の解消を決定、予測、評価、及び/又はモニタリングすることに対する、高度かつ満たされていない医療ニーズが存在する。うっ血の程度、すなわちうっ血の段階を決定、予測、評価、及び/又はモニタリングするニーズが存在する。
【0115】
本出願の場合、うっ血の程度はうっ血の重症度として表すことができ、以下に説明するように決定される。しかしながら、当業者は、うっ血の程度が、例えばAmbrosy et al.(Ambrosy et al. 2013. European Heart Journal 34 (11): 835-843)によって利用されたスコアなどの他のスコア又はサロゲートによって表され得ることを理解している。
【0116】
既に強調したように、臨床サロゲートのうっ血検出の予測値は最適とは言えない。国際公開第2018/007588号パンフレットでは、精度を高めるためにうっ血の最も強力な臨床サロゲートの3つ(すなわち、JVP、末梢浮腫、及び起座呼吸)を組み合わせ、以下に示すスキームを使用して複合臨床うっ血スコア(CCS)を開発したことが、出願に示されている例の1つの分析で説明されている(PROTECT研究)。
【表2】
【0117】
これら3つのパラメータのそれぞれのスコアを加算して、0~8の範囲内の複合うっ血スコアを取得した。
【0118】
次に、下記アルゴリズムを利用してうっ血の重症度をランク付けした。
CCS=0、臨床的うっ血なし
CCS=1~3、軽度の臨床的うっ血
CCS=4~5、中程度の臨床的うっ血
CCS≧6、重度の臨床的うっ血
【0119】
上記で説明したように、うっ血は様々な方法で分類できる。当業者は、うっ血の程度が他のスコア又は サロゲートによって表され得ることを理解している。臨床分類は、うっ血の臨床症状/徴候(「Wet」対「Dry」、存在する場合対存在しない場合)及び/又は末梢還流低下(「Cold」対「Warm」、存在する場合対存在しない場合)の存在を検出するために、臨床での身体検査に基づいて行うことができる(総説として、Ponikowski et al. 2016. Eur Heart J. ehw128を参照)。これらの選択肢を組み合わせると、次の4グループが特定される:Wet-Warm(充分な還流及びうっ血)―最もよく存在する、Wet-Cold(低還流及びうっ血)、Dry-Cold(うっ血のない低還流)、並びにDry-Warm(代償性、うっ血がなく充分に還流されている)。この分類は、初期段階での治療の指針として有用である可能性があり、予後情報を提供する。
【0120】
通常、AHFの症状及び徴候は体液過負荷(肺うっ血及び/又は末梢浮腫)を反映するか、頻度は低いが、末梢血流低下による心拍出量の低下を反映する。胸部X線はAHFの診断に有用な検査である。肺静脈うっ血、胸水、間質性又は肺胞浮腫、及び心肥大は、AHFの最も特異的な所見であるが、AHF患者の最大20%では、胸部X線検査はほぼ正常である。
【0121】
うっ血(左側)の症状/徴候は、起座呼吸、発作性夜間呼吸困難、肺ラ音(両側)、及び末梢浮腫(両側)として定義される。うっ血(右側)の症状/徴候は、頸静脈拡張、末梢浮腫(両側)、うっ血肝腫大、肝頸静脈逆流、腹水、及び腸管うっ血の症状として定義される(総説として、Ponikowski et al. 2016. Eur Heart J. ehw128の表12.2を参照)。
【0122】
浮腫は、間質液量の異常な膨張によって生じる細胞間組織内の体液の蓄積である。間質空間及び血管内空間の間の体液は、毛細管の静水圧勾配及び毛細管を横切る膠質浸透圧勾配によって調節される(Trayes et al. 2013. Am Fam Physician 88(2):102-110)。体液の蓄積は、局所的又は全身的な状態によってこの平衡が崩れたときに発生し、毛細管静水圧の増加、血漿量の増加、血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症)、毛細管透過性の増加、又はリンパ管閉塞を引き起こす。
【0123】
臨床的には、浮腫は腫脹として現れる。間質液の量は体液恒常性のバランスによって決まり、間質への体液の分泌の増加、又は体液の除去障害によって浮腫が引き起こされ得る。心不全では静水圧の上昇が起こる。全身性浮腫の原因は、複数の臓器及び末梢に浮腫を引き起こし得る。例えば、重度の心不全は肺水腫、胸水、腹水、及び末梢浮腫を引き起こし得る。
【0124】
肺水腫は、肺の気腔及び実質における体液の蓄積である。肺水腫は、ガス交換障害を引き起こし、呼吸不全を引き起こし得る。これは、心臓の左心室が肺循環から血液を適切に除去できないこと(「心原性肺水腫」)又は肺実質若しくは肺の血管系の損傷(「非心原性肺水腫」)のいずれかが原因である(Ware and Matthay 2005. N. Engl. J. Med.353 (26): 2788-96)。治療は3つの側面に焦点を当てる。1つ目は呼吸機能の改善、2つ目は根本的な原因の治療、3つ目は肺へのさらなる損傷の回避である。肺水腫、特に急性の場合は、低酸素症による致命的な呼吸困難や心停止に至る場合がある。これはうっ血性心不全の主要な特徴である。
【0125】
肺水腫の主な症状は呼吸困難であるが、喀血(典型的にはピンク色で泡状の痰として見られる)、過度の発汗、不安、蒼白なども含まれる場合がある。呼吸苦は、起座呼吸(息切れのために横になることができない)及び/又は発作性夜間呼吸困難(夜間に突然起こる重度の息切れ)として現れることがある。これらは、左心室不全による慢性肺水腫によく見られる症状である。肺水腫の発症は、「体液過剰」の症状及び徴候と関連している場合がある。これは、身体の他の部分における左心室不全の症状を表す非特異的な用語であり、末梢浮腫(脚の腫脹、概して「圧痕性」型であり、皮膚を押しても正常に戻るのが遅い)、頸静脈圧の上昇、及び肝腫大(肝臓が肥大し、圧痛又は拍動もまた生じ得る)が含まれる。その他の徴候には、聴診での吸気終末捻髪音(深呼吸の終わりに聞こえる音)及び第3心音の存在が挙げられる。
【0126】
プロアドレノメデュリン又はその断片が、うっ血の重症度及び浮腫の程度に関連し、うっ血の解消及び利尿薬の適用量を予測するものであることは既に公知である。
【0127】
本出願の特定の実施形態では、proADM及び/又はその断片の濃度は、以下の群から選択される少なくとも1つの結合剤を使用することによって決定される:成熟ADM-NH(配列番号4)及び/又はADM1-52-Gly(配列番号5)の下記配列内に含まれる領域に結合する結合剤;並びに成熟ADM-NH(配列番号4)及び/又はADM1-52-Gly(配列番号5)の配列内に含まれる領域に結合する第2の結合剤。
【0128】
本出願の特定の実施形態では、proADM及び/又はその断片の濃度は、以下の群から選択される少なくとも1つの結合剤を使用することによって決定される:MR-proADM(配列番号3)の配列内に含まれる領域に結合する結合剤;並びにMR-proADM(配列番号3)の配列内に含まれる領域に結合する第2の結合剤。
【0129】
本出願の特定の実施形態では、proADM及び/又はその断片の濃度は、以下の群から選択される少なくとも1つの結合剤を使用することによって決定される:CT-proADM(配列番号6)の下記配列内に含まれる領域に結合する結合剤;並びにCT-proADM(配列番号6)の配列内に含まれる領域に結合する第2の結合剤。
【0130】
本出願の特定の実施形態では、前記断片は、配列番号3によるMR-proADM又は配列番号4による成熟ADM-NHから選択され得る。
【0131】
本出願の別の実施形態では、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片の濃度は、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片に対する結合剤を使用することによって測定される。
【0132】
本出願の別の実施形態では、結合剤は、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片に結合する抗体、抗体断片、及び非Ig足場を含む群から選択される。
【0133】
本出願による体液は、特定の一実施形態では血液試料である。血液試料は、全血、血清、及び血漿を含む群から選択され得る。本発明の特定の実施形態では、前記試料は、ヒトクエン酸血漿、ヘパリン血漿、及びEDTA血漿を含む群から選択される。
【0134】
本出願の別の実施形態では、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片の前記測定は、1人の患者において複数回行われる。
【0135】
本出願の別の実施形態では、前記試料は、入院時又は退院前に採取される。
【0136】
本出願の特定の実施形態では、proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度を決定するためにアッセイが使用され、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象の成熟ADM-NHを定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である。
【0137】
本出願の特定の実施形態では、proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度を決定するためにアッセイが使用され、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のMR-proADMを定量することができ、0.5nmol/L未満、好ましくは0.4nmol/L未満、より好ましくは0.2nmol/L未満である。
【0138】
本出願の特定の実施形態では、proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度を決定するためにアッセイが使用され、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のCT-proADMを定量することができ、100pmol/L未満、好ましくは75pmol/L未満、より好ましくは50pmol/L未満である。
【0139】
本出願の特定の実施形態において、前記結合剤は、proADM及び/又はその断片に対して少なくとも10-1、好ましくは10-1の親和性を示し、好ましい親和性は10-1より大きく、最も好ましくは1010-1より大きい結合親和性を示す。当業者は、より高い用量の化合物を適用することによって低い親和性を補うことが考えられ得ることを知っており、この手段は本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0140】
アドレノメデュリンに対する抗体の親和性を測定するために、Biacore 2000システム(GE Healthcare Europe社、フライブルク、ドイツ)を使用したラベルフリーの表面プラズモン共鳴によって、固定化抗体へのアドレノメデュリンの結合動力学を、国際公開第2018/007588号パンフレットに記載されるように決定した。抗体の可逆的固定化は、製造業者の指示に従ってCM5センサー表面に高密度で共有結合した抗マウスFc抗体を使用して実施した(マウス抗体捕捉キット、GE Healthcare社)(Lorenz et al. 2011. Antimicrob Agents Chemother. 55 (1): 165-173)。
【0141】
本出願の特定の実施形態では、前記結合剤は、proADM及び/又はその断片に結合する抗体若しくは抗体断片、及び非Ig足場を含む群から選択される。
【0142】
本出願の特定の実施形態では、proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度を決定するためにアッセイが使用され、そのようなアッセイはサンドイッチアッセイ、好ましくは完全自動アッセイである。
【0143】
本出願の一実施形態では、完全自動アッセイシステムを必要とせずに、患者の近くで1時間以内に検査を実施できる検査技術である、いわゆるPOC(ポイント・オブ・ケア)検査であってもよい。この技術の一例は、免疫クロマトグラフィー検査技術である。
【0144】
本出願の一実施形態では、このようなアッセイは、酵素標識、化学発光標識、電気化学発光標識を含むがこれらに限定されない任意の種類の検出技術を使用するサンドイッチイムノアッセイであり、好ましくは完全自動アッセイである。本発明の一実施形態では、このようなアッセイは酵素標識サンドイッチアッセイである。自動又は完全自動アッセイの例には、以下のシステムのいずれかに使用できるアッセイが含まれる:Roche Elecsys(登録商標)、Abbott Architect(登録商標)、Siemens Centauer(登録商標)、Brahms Kryptor(登録商標)、BiomerieuxVidas(登録商標)、及びAlere Triage(登録商標)。
【0145】
様々な免疫アッセイが公知であり、本発明のアッセイ及び方法に使用することができ、これらには、ラジオイムノアッセイ(「RIA」)、均一系EMIT(enzyme-multiplied immunoassay)、酵素結合免疫吸着アッセイ(「ELISA」)、アポ酵素再活性化イムノアッセイ(「ARIS」)、ディップスティックイムノアッセイ、及び免疫クロマトグラフィーアッセイが含まれる。
【0146】
本出願の特定の実施形態では、前記2つの結合剤のうちの少なくとも1つは、検出されるために標識されている。
【0147】
好ましい検出方法には、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光及び蛍光イムノアッセイ、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、ルミネックスに基づいた(Luminex-based)のビーズアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、並びに免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験形式が挙げられる。
【0148】
好ましい実施形態では、前記標識は、化学発光標識、酵素標識、蛍光標識、及び放射性ヨウ素標識を含む群から選択される。
【0149】
アッセイは、均一又は不均一なアッセイ、競合的及び非競合的アッセイであり得る。一実施形態では、前記アッセイは、非競合イムノアッセイであるサンドイッチアッセイの形態であり、検出及び/又は定量される分子は、一次抗体及び二次抗体に結合する。第一の抗体は固相、例えばビーズ、ウェル、又は他の容器の表面、チップ又はストリップに結合することができ、第二の抗体は例えば色素、放射性同位体又は反応性若しくは触媒活性部分で標識された抗体である。分析物に結合した標識抗体の量は、公的な方法で測定される。「サンドイッチアッセイ」に関連する通常の組成及び手順は、充分に確立されており、当業者には公知である((The Immunoassay Handbook, Ed.David Wild, Elsevier LTD, Oxford; 3rd ed.(May 2005); Hultschig et al. 2006. Curr Opin Chem Biol. 10 (1):4-10)。
【0150】
別の実施形態では、アッセイは、2つの捕捉分子、好ましくは両方とも液体反応混合物中に分散物として存在する抗体を含む。第1の標識成分は、第1の捕捉分子に結合され、前記第1の標識成分は、蛍光又は化学発光の消光又は増幅に基づく標識システムの一部であり、前記マーキングシステムの第2の標識成分は、第2の捕捉分子に結合されることにより、両方の捕捉分子が分析物に結合すると、試料を含む溶液中で形成されたサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能なシグナルが生成される。
【0151】
別の実施形態では、前記標識システムは、蛍光色素又は化学発光色素、特にシアニンタイプの色素と組み合わせた希土類クリプテート又は希土類キレートを含む。
【0152】
本出願の文脈では、蛍光系アッセイには、例えば、FAM(5-又は6-カルボキシフルオレセイン)、VIC、NED、フルオレセイン(Fluorescein)、フルオレセインイソチオシアネート(Fluoresceinisothiocyanate)(FITC)、IRD-700/800、CY3、CY5、CY3.5、CY5.5、Cy7などのシアニン(Cyanine)色素、キサンテン(Xanthen)、6-カルボキシ-2’,4’,7’,4,7-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、TET、6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトジフルオレセイン(JOE)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、5-カルボキシローダミン-6G(R6G5)、6-カルボキシローダミン-6G(RG6)、ローダミン(Rhodamine)、ローダミングリーン(Rhodamine Green)、ローダミンレッド(Rhodamine Red)、ローダミン110(Rhodamine 110)、BODIPY TMRなどのBODIPY色素、オレゴン・グリーン(Oregon Green)、Umbelliferoneなどのクマリン(Coumarines)、Hoechst 33258などのベンズイミド(Benzimides);テキサス・レッド(Texas Red)、ヤキマ・イエロー(Yakima Yellow)、アレクサ・フルオル(Alexa Fluor)などのフェナントリジン(Phenanthridines)、PET、臭化エチジウム(Ethidiumbromide)、アクリジニウム(Acridinium)色素、カルバゾール(Carbazol)色素、フェノキサジン(Phenoxadine)色素、ポルフィリン(Porphyrine)色素、及びポリメチン(Polymethin)色素を含む群から選択される色素の使用が含まれる。
【0153】
本出願の文脈では、化学発光に基づくアッセイは、化学発光材料について記載された(Kirk-Othmer, Encyclopedia of chemical technology, 4th ed.1993. John Wiley & Sons, Vol.15: 518-562, incorporated herein by reference, including citations on pages 551-562)物理的原理に基づく色素の使用を含む。好ましい化学発光色素は、アクリジニウムエステルである。
【0154】
本明細書中で言及されるとおり、「アッセイ」又は「診断アッセイ」は、診断の分野において適用される任意のタイプのものであり得る。そのようなアッセイは、検出される分析物の1又は複数の捕捉プローブへの一定の親和性による結合に基づいていてもよい。捕捉分子と標的分子又は目的の分子との相互作用に関しては、結合定数が10-1超であることが好ましい。
【0155】
本出願の文脈において、「結合剤分子」は、標的分子又は目的の分子、すなわち、試料由来の分析物(すなわち、本発明の関係においては、ADM-NH及び/又はproADM並びにその断片)を結合するために使用され得る分子である。したがって、結合剤分子は、標的分子又は目的の分子を特異的に結合するために、空間的に並びに表面電荷、疎水性、親水性、ルイスドナー及び/又はアクセプターの存在又は非存在などの表面の特徴に関して適切な形状でなければならない。これによって、結合は、例えば、捕捉分子と標的分子又は目的の分子との間の、イオン性、ファン・デル・ワールス、pi-pi、シグマ-pi、疎水性又は水素結合相互作用、あるいは前記相互作用のうちの2つ以上の組み合せによって媒介され得る。本発明の関係において、結合剤分子は、例えば、核酸分子、炭化水素分子、PNA分子、タンパク質、抗体、ペプチド、及び糖タンパク質質を含む群から選ばれてもよい。好ましくは、結合剤分子は抗体であり、例として標的又は目的の分子への充分な親和性を有するその断片も含まれ、また、組換え抗体又は組換え抗体断片、並びに前記抗体の化学的及び/又は生化学的に修飾された誘導体や、少なくとも12個のアミノ酸の長さを有する、その変異鎖由来の断片も含まれる。
【0156】
化学発光標識は、アクリジニウムエステル標識、イソルミノール標識を含むステロイド標識などであってもよい。
【0157】
酵素標識は、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチンキナーゼ(CPK)、アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、酸ホスファターゼ、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼなどであってもよい。
【0158】
本出願の一実施形態において、前記2つの結合剤のうちの少なくとも1つは、磁性粒子としての固相、及びポリスチレン表面に結合される。
【0159】
本出願の特定の実施形態では、前記2つの結合剤のうちの少なくとも1つは、固相に結合している。
【0160】
実用化のために、当業者は閾値を使用してもよい。
【0161】
本出願の特定の実施形態では、閾値は、50~100pg/mL、好ましくは60~90pg/mLの血漿ADM-NHの閾値範囲内にあり、最も好ましくは70pg/mLの閾値が適用される。
【0162】
本出願の特定の実施形態では、閾値は、0.5~1.5nmol/L、好ましくは0.7~1nmol/Lの血漿MR-proADMの閾値範囲内にあり、最も好ましくは0.8nmol/Lの閾値が適用される。
【0163】
本出願の特定の実施形態では、閾値は、85~350pmol/L、好ましくは100~250pmol/Lの血漿CT-proADMの閾値範囲内にあり、最も好ましくは150pmol/Lの閾値が適用される。
【0164】
本出願のADM-NH濃度又はproADM若しくはその断片の濃度は、それぞれ、国際公開第2018/007588号パンフレットに記載されるように、ADM-NHアッセイ(又はproADM又はその断片のアッセイそれぞれ)を用いて測定された。他のアッセイが本発明で使用されるアッセイシステムとは異なる方法で較正されている場合、上記の閾値は他のアッセイでは異なる場合がある。したがって、上記のカットオフ値は、較正の違いを考慮して、このような異なる較正が行われたアッセイに沿った形で適用される。較正の差を定量化する1つの可能性は、両方の方法を使用して試料中のそれぞれのバイオマーカー(例えば、bio-ADM)を測定することによる、問題のアッセイと本発明で使用されるそれぞれのバイオマーカーアッセイとの方法比較分析(相関)である。別の可能性は、この試験が充分な分析感度を有することを考慮して、問題のアッセイを用いて、代表的な正常集団のバイオマーカーレベルの中央値を決定し、結果を文献に記載されているバイオマーカーレベルの中央値と比較し、この比較によって得られた差に基づいて較正を再計算することである。国際公開第2018/007588号パンフレットで使用される較正を使用して、正常(健康な)対象からの試料を測定した。血漿bio-ADM(成熟ADM-NH)の中央値は24.7pg/mL、最低値は11pg/mL、99パーセンタイルは43pg/mLであった。あるいは、市販の対照試料を使用して、様々な較正を調整することもできる(例えば、ICI Diagnostics社、ベルリン、ドイツ)。
【0165】
国際公開第2018/007588号パンフレットでは、正常(健康)対象における血漿中MR-proADM濃度中央値は、Caruhel et al.に記載されているMR-proADM検出のための自動化サンドイッチ蛍光アッセイ(Caruhel et al. 2009. Clin Biochem 42:725-8)を使用したところ、0.41(四分位範囲:0.23~0.64)nmol/Lであった(Smith et al. 2009. Clin Chem 55:1593-1595)。
【0166】
正常な健康な対象(n=200)におけるCT-proADMの血漿濃度中央値は、77.6pmol/L(最小46.6pmol/L、最大136.2pmol/L)、及び95%パーセンタイルは113.8pmol/L(欧州特許第2111552(B1)号明細書)であった。
【0167】
本発明による抗体は、抗原に特異的に結合する、免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる1又は複数ポリペプチドを含むタンパク質である。認識されている免疫グロブリン遺伝子には、κ、λ、α(IgA)、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、Δ(IgD)、ε(IgE)、及びμ(IgM)定常領域遺伝子のほか、無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。全長免疫グロブリン軽鎖は、概ね約25Kd又は214アミノ酸の長さである。全長免疫グロブリン重鎖は、概ね約50Kd又は446アミノ酸の長さである。軽鎖は、NH2末端の可変領域遺伝子(長さ約110アミノ酸)及びCOOH末端のκ又はλ定常領域遺伝子によってコードされる。重鎖も同様に、可変領域遺伝子(長さ約116アミノ酸)及び他の定常領域遺伝子の1つによってコードされる。
【0168】
抗体の基本構造単位は概して、免疫グロブリン鎖の2つの同一の対からなる四量体であり、各対は1つの軽鎖及び1つの重鎖を有する。各対では、軽鎖及び重鎖の可変領域が抗原に結合し、定常領域がエフェクター機能を媒介する。免疫グロブリンは、Fv、Fab、(Fab’)のほか、二機能性ハイブリッド抗体及び一本鎖など、他の様々な形態でも存在する(例えば、Lanzavecchia et al. 1987. Eur. J. Immunol. 17:105; Huston et al. 1988, Proc.Natl. Acad.Sci. U.S.A., 85:5879-5883; Bird et al. 1988, Science 242:423-426; Hood et al., Immunology, Benjamin, N.Y., 2nd ed., 1984; Hunkapiller and Hood 1986. Nature 323:15-16)。免疫グロブリンの軽鎖又は重鎖の可変領域には、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断されたフレームワーク領域が含まれる(Sequences of Proteins of Immunological Interest, E. Kabatet al., U.S. Department of Health and Human Services, 1983を参照)。上述のように、CDRは主に抗原のエピトープへの結合を担っている。免疫複合体は、抗原に特異的に結合している、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体若しくはヒト抗体、又は機能的抗体断片などの抗体である。
【0169】
キメラ抗体は、異なる種に属する免疫グロブリンの可変領域遺伝子及び定常領域遺伝子から、典型的には遺伝子工学によって軽鎖遺伝子及び重鎖遺伝子が構築された抗体である。例えば、マウスモノクローナル抗体の遺伝子の可変セグメントを、κ及びγ1又はγ3などのヒト定常セグメントに結合できる。したがって、一例では、治療用キメラ抗体は、マウス抗体由来の可変ドメイン又は抗原結合ドメインと、ヒト抗体由来の定常ドメイン又はエフェクタードメインとから構成されるハイブリッドタンパク質であるが、他の哺乳動物種を使用することも可能であるし、可変領域を分子技術によって生成することも可能である。キメラ抗体を作製する方法は当技術分野で周知である(例えば、米国特許第5,807,715号明細書を参照)。「ヒト化」免疫グロブリンは、ヒトフレームワーク領域及び非ヒト(マウス、ラット、又は合成など)免疫グロブリン由来の1又は複数のCDRを含む免疫グロブリンである。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンは「ドナー」と称され、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは「アクセプター」と称される。一実施形態では、全てのCDRは、ヒト化免疫グロブリンにおけるドナー免疫グロブリンに由来する。定常領域は必ずしも存在しなくてもよいが、存在する場合、それらはヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、すなわち少なくとも約85~90%、例えば約95%以上同一でなければならない。したがって、おそらくCDRを除いて、ヒト化免疫グロブリンの全ての部分は、天然ヒト免疫グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。「ヒト化抗体」は、ヒト化軽鎖免疫グロブリン及びヒト化重鎖免疫グロブリンを含む抗体である。ヒト化抗体は、CDRを提供するドナー抗体と同じ抗原に結合する。ヒト化免疫グロブリン又は抗体のアクセプターフレームワークは、ドナーフレームワークから取得されたアミノ酸による限られた数の置換を有する場合がある。ヒト化抗体又は他のモノクローナル抗体は、抗原結合又は他の免疫グロブリン機能に実質的に影響を及ぼさない追加の保存的アミノ酸置換を有することができる。保存的置換の例としては以下が挙げられる:グリシン(gly)、アラニン(ala);バリン(val)、イソロイシン(ile)、ロイシン(leu);アスパラギン酸(asp)、グルタミン酸(glu);アスパラギン(asn)、グルタミン(gln);セリン(ser)、トレオニン(thr);リシン(lys)、アルギニン(arg);並びにフェニルアラニン(phe)、チロシン(tyr)。ヒト化免疫グロブリンは遺伝子工学によって構築可能である(例えば、米国特許第5,585,089号明細書を参照)。ヒト抗体は、軽鎖遺伝子及び重鎖遺伝子がヒト由来である抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の方法を使用して生成することができる。ヒト抗体は、目的の抗体を分泌するヒトB細胞を不死化することによって産生できる。不死化は、例えば、EBV感染によって、又はヒトB細胞を骨髄腫細胞若しくはハイブリドーマ細胞と融合させてトリオーマ細胞を産生することによって達成することができる。ヒト抗体はファージディスプレイ法でも産生可能であり(例えば、Dower et al.,国際公開第91/17271号パンフレット;McCafferty et al.,国際公開第92/001047号パンフレット;及びWinter,国際公開第92/20791号パンフレット)、あるいはヒトコンビナトリアルモノクローナル抗体ライブラリーから選択することもできる(前記Morphosysのウェブサイトを参照)。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子を保有するトランスジェニック動物を使用して調製することもできる(例えば、Lonberget al.,国際公開第93/12227号パンフレット及びKucherlapati,国際公開第91/10741号パンフレットを参照)。
【0170】
したがって、抗体は当技術分野で公知の形式を有し得る。国際公開第2018/007588号パンフレッでは、例としては、ヒト抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、及びCDRグラフト抗体が挙げられる。好ましい実施形態では、抗体は組換えにより産生された抗体であり、例えば、IgG、典型的な完全長免疫グロブリン、又は少なくとも重鎖及び/又は軽鎖のF可変ドメインを含む抗体断片として、例えば、化学的に結合した抗体(断片抗原結合)として、限定されるものではないが以下が挙げられる:Fabミニボディ、単鎖Fab抗体、エピトープタグを有する一価Fab抗体を含むFab断片、例えば、Fab-V5Sx2;CH3ドメインを二量体化した二価Fab(ミニ抗体);二価Fab又は多価Fab、例えばdHLXドメインの二量体化などの異種ドメインの助けによる多量体化を介して形成される、例えばFab-dHLX-FSx2;F(ab’)断片、scFv断片、多量体化多価又は/及び多重特異性scFv断片、二価及び/又は二重特異性ダイアボディ、BITE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)、三機能性抗体、多価抗体、例えば、Gとは異なるクラス由来;一ドメイン抗体、例えば、ラクダ科動物又は魚類の免疫グロブリン及びその他多数に由来するナノボディ。
【0171】
抗体に加えて、他の生体高分子足場が標的分子と複合体を形成することが当技術分野で周知であり、高度に標的特異的な生体高分子の生成に使用されている。例としては、アプタマー(aptamer)、シュピーゲルマー(spiegelmer)、アンチカリン(anticalin)、コノトキシン(conotoxin)などが挙げられる。
【0172】
好ましい実施形態では、抗体フォーマットは、Fv断片、scFv断片、Fab断片、scFab断片、(Fab)断片、及びscFv-Fc融合タンパク質を含む群から選択される。別の好ましい実施形態では、抗体フォーマットは、scFab断片、Fab断片、scFv断片、及びPEG化断片などのそれらの生物学的利用能に最適化されたコンジュゲートを含む群から選択される。最も好ましい形式の1つはscFabフォーマットである。
【0173】
非Ig足場はタンパク質足場であってよく、リガンド又は抗原に結合できるため、抗体模倣物として使用されてもよい。非Ig足場は、テトラネクチンに基づく非Ig足場(例えば、米国特許出願公開第2010/0028995号明細書に記載)、フィブロネクチン足場(例えば、欧州特許第1266025号明細書に記載)、リポカリンに基づく足場(例えば、国際公開第2011/154420号パンフレットに記載)、ユビキチン足場(例えば、国際公開第2011/073214号パンフレットに記載)、トランスフェリン(transferring)足場(例えば、米国特許出願公開第2004/0023334号明細書に記載)、プロテインA足場(例えば、欧州特許第2231860号明細書に記載)、アンキリンリピートに基づく足場(例えば、国際公開第2010/060748号パンフレットに記載)、マイクロタンパク質(好ましくはシスチンノットを形成するマイクロタンパク質)の足場、(例えば、欧州特許第2314308号明細書に記載)、Fyn SH3ドメインに基づく足場(例えば、国際公開第2011/023685号パンフレットに記載)、EGFR-Aドメインに基づく足場(例えば、国際公開第2005/040229号パンフレットに記載)、及びクーニッツ(Kunitz)ドメインに基づく足場(例えば、欧州特許第1941867号明細書に記載)を含む群から選択されてもよい。
【0174】
本発明の一実施形態では、本発明に係る抗体は、下記のように国際公開第2018/007588号パンフレットに記載されるように製造されてもよい。
Balb/cマウスを、0日目及び14日目にADM-100μgのペプチド-BSA-コンジュゲート(100μLの完全フロイントアジュバントで乳化)で、並びに21日目及び28日目に50μgのペプチド-BSA-コンジュゲート(100μLの不完全フロイントアジュバント中)で免疫した。融合実験を行う3日前に、前記動物に、100μLの生理食塩水に溶解した50μgの前記コンジュゲートを、腹腔内注射1回及び静脈内注射1回として投与した。
【0175】
前記免疫化マウスからの脾細胞及び骨髄腫細胞株SP2/0の細胞を、1mLの50%ポリエチレングリコールと37℃で30秒間融合させた。洗浄後、前記細胞を96ウェル細胞培養プレートに播種した。ハイブリッドクローンを、HAT培地(20%ウシ胎児血清及びHATサプリメントを添加したRPMI 1640培地)中で増殖させることによって選択した。2週間後、前記HAT培地をHT培地に交換して3回継代し、その後標準の細胞培養培地に戻した。
【0176】
融合の3週間後に、細胞培養上清を抗原特異的IgG抗体について一次スクリーニングした。陽性判定の微小培養物を、増殖のために24ウェルプレートに移した。再試験後、選択した培養物をクローン化し、限界希釈技術を用いて再クローン化し、アイソタイプを決定した(Lane, 1985. J. Immunol. Meth. 81: 223-228; Ziegler 、et al. 1996. Horm. Metab.Res. 28: 11-15についても参照)。
【0177】
国際公開第2018/007588号パンフレットでは、抗体を下記手順に従ってファージディスプレイによって製造することができる。
【0178】
ヒトナイーブ抗体遺伝子ライブラリーHAL7/8は、アドレノメデュリンペプチドに対する組換え一本鎖F可変ドメイン(scFv)の単離に使用した。抗体遺伝子ライブラリーは、アドレノメデュリンペプチド配列に2つの異なるスペーサーを介して連結されたビオチンタグを含むペプチドの使用を含むパニング戦略でスクリーニングした。非特異的結合抗原とストレプトアビジン結合抗原を使用するパニングラウンドの混合を使用して、非特異的結合剤のバックグラウンドを最小限に抑えた。3回目のパニングから溶出されたファージを、モノクローナルscFv発現大腸菌株の生成に使用している。これらのクローン株の培養上清は、抗原ELISA検査に直接使用されている(Hust et al. 2011. Journal of Biotechnology 152: 159-170; Schutte et al. 2009. PLoS One 4, e6625を参照)。
【0179】
マウス抗体のヒト化は、国際公開第2018/007588号パンフレットに記載されているように、下記手順で行うことができる。
【0180】
マウス由来の抗体のヒト化では、フレームワーク領域(FR)と相補性決定領域(CDR)及び抗原との構造的相互作用について抗体配列が分析される。構造モデリングに基づいて、ヒト由来の適切なFRが選択され、マウスCDR配列がヒトFRに移植される。CDR又はFRのアミノ酸配列の変異が、FR配列の種スイッチによって消失した構造的相互作用を取り戻すために導入される場合がある。この構造相互作用の回復は、ファージディスプレイライブラリーを使用したランダムなアプローチによって、又は分子モデリングに導かれた指向性アプローチによって達成される可能性がある(Almagro et al. 2008. Front Biosci. 2008; 13:1619-33)。
【0181】
本発明による体液は、特定の一実施形態では、血液試料である。血液試料は、全血、血清、及び血漿を含む群から選択され得る。本出願の特定の実施形態では、前記試料は、ヒトクエン酸血漿、ヘパリン血漿、及びEDTA血漿を含む群から選択される。
【0182】
本出願の別の実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片が、うっ血のマーカーとして使用され、
前記対象から得られた体液中のプロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片の濃度を測定すること、及び
前記プロアドレノメデュリン又はその断片の濃度を前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関させること、を含み、特定の閾値を超える濃度の上昇は、うっ血の徴候又はうっ血の程度を示す、
前記プロアドレノメデュリン又はその断片が、配列番号1に記載のプロアドレノメデュリン、配列番号2に記載のPAMP、配列番号3に記載のMR-proADM、配列番号4に記載のMR-proADM、配列番号5に記載のADM-Gly、及び配列番号6に記載のCT-proADMを含む群から選択される、並びに前記患者がうっ血を有さない、すなわち、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、配合剤に関する。
【0183】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記閾値が、配列番号4に記載の血漿成熟ADM-NHについては50~100pg/mLであり、血漿MR-proADMについては0.5~1.5nmol/Lであり、血漿CT-proADMについては85~350pmol/Lである閾値範囲である閾値範囲内である、配合剤に関する。
【0184】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のproADM及び/又はその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のproADMを定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、配合剤に関する。
【0185】
本出願の別の特定の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定される、配合剤に関する。
【0186】
本出願の別の特定の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、成熟ADM-NH2及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が50~100pg/mLの範囲内にある、配合剤に関する。
【0187】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、配合剤に関する。
【0188】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象の成熟ADM-NH2を定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、配合剤に関する。
【0189】
本出願の一実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、CT-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定される、配合剤に関する。
【0190】
本出願のさらなる一実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、CT-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、CT-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が85~350pg/mLの範囲内にある、配合剤に関する。
【0191】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、配合剤に関する。
【0192】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のCT-proADMを定量することができ、100pmol/L未満、好ましくは75pmol/L未満、より好ましくは50pmol/L未満である、配合剤に関する。
【0193】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、MR-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、MR-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が0.5~1.5nmol/Lの範囲内にある、配合剤に関する。
【0194】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、MR-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定される、配合剤に関する。
【0195】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、MR-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、MR-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が0.5~1.5nmol/Lの範囲内にある、配合剤に関する。
【0196】
本出願のさらなる一実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、配合剤に関する。
【0197】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のMR-proADMを定量することができ、0.5nmol/L未満、好ましくは0.4nmol/L未満、より好ましくは0.2nmol/L未満である、配合剤に関する。
【0198】
本出願の特定の実施形態において、前記結合剤は、proADM及び/又はその断片に対して少なくとも10-1、好ましくは10-1の親和性を示し、好ましい親和性は10-1より大きく、最も好ましくは1010-1より大きい結合親和性を示す。当業者は、より高い用量の化合物を適用することによって低い親和性を補うことが考えられ得ることを知っており、この手段は本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0199】
アドレノメデュリンに対する抗体の親和性を測定するために、国際公開第2018/007588号パンフレットに記載されるようにBiacore 2000システム(GE Healthcare Europe社、フライブルク、ドイツ)を使用したラベルフリーの表面プラズモン共鳴によって、固定化抗体へのアドレノメデュリンの結合動力学を決定した。抗体の可逆的固定化は、製造業者の指示に従ってCM5センサー表面に高密度で共有結合した抗マウスFc抗体を使用して実施した(マウス抗体捕捉キット、GE Healthcare社)(Lorenz et al. 2011. Antimicrob Agents Chemother. 55 (1): 165-173)。
【0200】
本出願の特定の実施形態では、前記結合剤は、proADM及び/又はその断片に結合する抗体若しくは抗体断片、及び非Ig足場を含む群から選択される。
【0201】
本発明の特定の実施形態では、proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度を決定するためにアッセイが使用され、そのようなアッセイはサンドイッチアッセイ、好ましくは完全自動アッセイである。
【0202】
本発明の一実施形態では、完全自動アッセイシステムを必要とせずに、患者の近くで1時間以内に検査を実施できる検査技術である、いわゆるPOC(ポイント・オブ・ケア)検査であってもよい。この技術の一例は、免疫クロマトグラフィー検査技術である。
【0203】
別の実施形態では、このようなアッセイは、酵素標識、化学発光標識、電気化学発光標識を含むがこれらに限定されない任意の種類の検出技術を使用するサンドイッチイムノアッセイであり、好ましくは完全自動アッセイである。診断方法の一実施形態では、このようなアッセイは酵素標識サンドイッチアッセイである。自動又は完全自動アッセイの例には、以下のシステムのいずれかに使用できるアッセイが含まれる:Roche Elecsys(登録商標)、Abbott Architect(登録商標)、Siemens Centauer(登録商標)、Brahms Kryptor(登録商標)、BiomerieuxVidas(登録商標)、及びAlere Triage(登録商標)。
【0204】
様々な免疫アッセイが公知であり、本発明のアッセイ及び方法に使用することができ、これらには、ラジオイムノアッセイ(「RIA」)、均一系EMIT(enzyme-multiplied immunoassay)、酵素結合免疫吸着アッセイ(「ELISA」)、アポ酵素再活性化イムノアッセイ(「ARIS」)、ディップスティックイムノアッセイ、及び免疫クロマトグラフィーアッセイが含まれる。
【0205】
本出願の別の好ましい実施形態は、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、
●ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、
●非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシン(AT)IIアンタゴニストの(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせ、
好ましくは一定の組み合わせである、配合剤に関する。
【0206】
本出願の別の特定の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
好ましくは一定の組み合わせである、配合剤に関する。
【0207】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記実施形態に記載の配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、
●ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、
●非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシン(AT)IIアンタゴニストの(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせ、
好ましくは一定の組み合わせである、配合剤に関する。
【0208】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、一定期間、2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、前記用量が、第1用量及び第2用量と称される、第1用量及び第2用量のそれぞれは、前記組合わせの各化学物質のそれぞれの用量を指す、配合剤に関する。
【0209】
本出願の文脈では、第1用量が初期用量として一定期間患者に投与される。その後、第2用量が一定期間患者に投与され、それにより第2用量は、配合剤の各化学物質の量が増加する。
【0210】
本明細書で使用される場合、薬剤又は薬物の用量は、一度に摂取することが意図される測定された量である。これは、薬物の重量(例えば、250mg)、薬液の量(例えば、10mL)、剤形の数(例えば、1カプセル)、又はその他の量(例えば、2パフ)として表すことができる。用法・用量とは、薬剤の用量を投与する頻度のことである。剤形は、薬物の用量の物理的形態である。投与経路は、剤形が与えられる方法である。主な投与経路には、経口、直腸、吸入、経鼻、及び局所投与が含まれる。最適用量とは、副作用を最小限に抑えながら望ましい効果が得られる用量である。
【0211】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、一定期間、2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、前記用量が、第1用量及び第2用量と称される、各用量は、前記配合剤の各化学物質の用量を指す、第1用量は、最初に、前記組み合わせの各化学物質の初期1日用量で一定期間投与され、その後、次の第2用量が一定期間、前記初期1日用量の2~4倍高い用量で投与される、配合剤に関する。
【0212】
本出願の文脈において、第1又は第2単回用量のそれぞれは、その特定の単回用量を構成する各化学物質の特定の個別の量で構成される。
【0213】
治療の開始時に、患者は、第1単回用量を、個々の化学物質のより少ない量に相当する初期のより少ない用量で投与される。
【0214】
この単回投与量は、患者の治療の過程で増加し、第2単回用量には各化学物質がより多く含まれるようになる。
【0215】
本出願の一実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者に、最初に少量の各物質を含む第1用量が投与され、数週間の治療後に第2用量が投与され、第2用量では、それぞれの単一物質の量が増加する、配合剤に関する。
【0216】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者に、初期用量として第1用量が一定期間投与され、第1用量は、最初に少量の各物質を含み、一定期間の数週間の治療後に第2用量が投与され、第2用量では、それぞれの単一物質の量が増加する、配合剤に関する。
【0217】
例えば、患者は期間1の間、単錠の形態で第1用量を投与され、前記第1用量は、2.5mgのβ遮断薬、5mgのACE阻害薬、10mgのMRA及び10mgのグリフロジン(Glifozine)を含む。その後、患者は期間2の間、単錠の形態で第2用量を投与され、前記第2用量は、5mgのβ遮断薬、10mgのACE阻害薬、20mgのMRA及び20mgのグリフロジンを含む。β遮断薬、ACE阻害薬、MRA、及びグリフロジンについては、第1用量及び第2用量の両方で同一の化学物質が存在し、これらは第1用量及び第2用量のそれぞれの量が異なるだけである。
【0218】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、配合剤に関する。
【0219】
本出願の特定の一実施形態では、第2の一日用量の期間は、少なくとも1ヶ月間、少なくとも90日間、又は少なくとも6ヶ月間である。第2用量の段階は無制限であるか又は患者が必要としている限りであってもよい。
【0220】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤に関する。
【0221】
本出願の文脈において、前記患者は、前記組み合わせを、1~50%の初期用量で2~4週間まで(半分用量)投与され、その後、少なくとも90日間まで50~100%の高い全用量で投与され、全用量は、β遮断薬(100%、最適用量の100%を含む)、ACE阻害薬(100%、最適用量の100%を含む)、MRA(100%、最適用量の100%を含む)、及び/又はカナグリフロジン(30%)を含む。
【0222】
本出願の文脈において、「用量」という用語は、一度に服用される薬剤の指定された量として定義される。「用量」という用語は、特定の期間にわたる特定の量、回数、及び投与頻度の処方された投与を意味する。
【0223】
本明細書で使用される「全用量」という用語は、50~100%の用量を指し、全用量は、2~4週間の初期段階における半分用量と比較して、後期段階の各活性成分の2倍量として定義される。
【0224】
「半分用量」という用語は、1~50%の用量を指し、初期用量とも称される。
【0225】
本出願の特定の一実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記配合剤の第2用量が、各物質について指定された用量範囲内の薬剤の下記リストの各単一化学物質を含み得る、配合剤に関する。
【0226】
本発明についての疑義を避けるために、それぞれの物質の量に関するこれらの範囲は、それぞれの範囲内のこれらの個々の物質が個別に特許請求の範囲に記載されている配合剤の一部であり得ることを意味する。

ACE阻害薬
カプトプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
エナラプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~10mg/日~20~40mg/日、好ましくは10~20mg/日~20~40mg/日、より好ましくは15~30mg/日~20~40mg/日である用量範囲、
リシノプリル:
(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~8.75mg/日~20~35mg/日、好ましくは10~17.5mg/日~20~35mg/日、より好ましくは15~26.25mg/日~20~35mg/日である用量範囲、
ラミプリル:
(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
トランドラプリル:
(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸
1mg/日~4mg/日、好ましくは2mg/日~4mg/日、より好ましくは3mg/日~4mg/日である用量範囲、
ベナゼプリル:
2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
フォシノプリル:
(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
モエキシプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
7.5mg/日~30mg/日、好ましくは15mg/日~30mg/日、より好ましくは22.5mg/日~30mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルアルギニン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2, 3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルtert-ブチルアミン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン
2mg/日~8mg/日、好ましくは4mg/日~8mg/日、より好ましくは6mg/日~8mg/日である用量範囲、
キナプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
シラザプリル:
(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、

β遮断薬
ビソプロロール:
1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カルベジロール:
1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
コハク酸メトプロロール:
1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩
50mg/日~200mg/日、好ましくは100mg/日~200mg/日、より好ましくは150mg/日~200mg/日である用量範囲、
ネビボロール:
1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ナドロール:
(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
アセブトロール:
N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲、
ラベタロール:
2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド
200mg/日~800mg/日、好ましくは400mg/日~800mg/日、より好ましくは600mg/日~800mg/日である用量範囲、
セリプロロール:
3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
アテノロール:
2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
プロプラノロール:
1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オール
40mg/日~160mg/日、好ましくは80mg/日~160mg/日、より好ましくは120mg/日~160mg/日である用量範囲、

アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)
カンデサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
8mg/日~32mg/日、好ましくは16mg/日~32mg/日、より好ましくは24mg/日~32mg/日である用量範囲、
バルサルタン:
(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
80mg/日~320mg/日、好ましくは160mg/日~320mg/日、より好ましくは240mg/日~320mg/日である用量範囲、
ロサルタン:
[2-ブチル-5-クロロ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-イル]メタノール
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
アジルサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
エプロサルタン:
4-[[2-ブチル-5-[(E)-2-カルボキシ-3-チオフェン-2-イルプロパ-1-エニル]イミダゾール-1-イル]メチル]安息香酸
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
イルベサルタン:
2-ブチル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]-1,3-ジアザスピロ[4.4]ノン-1-エン-4-オン
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
オルメサルタン:
5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
テルミサルタン:
2-[4-[[4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-2-プロピルベンズイミダゾール-1-イル]メチル]フェニル]安息香酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、

ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)
エプレレノン:
メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
スピロノラクトン:
S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
フィネレノン:
(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミド
10mg/日~20mg/日、好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、

ARNI
サクビトリル・バルサルタン:
4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸/(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
48.5mg/51.5mg/日~194mg/206mg/日、好ましくは97mg/103mg/日~194mg/206mg/日、より好ましくは145.5mg/154.5mg/日~194mg/206mg/日である用量範囲、

ループ作用性利尿薬
フロセミド:
4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸
10~60mg/日~40~240mg/日、好ましくは20~120mg/日~40~240mg/日、より好ましくは30~180mg/日~40~240mg/日である用量範囲、
ブメタニド:
3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸
0.25~1.25mg/日~1~5mg/日、好ましくは0.5~2.5mg/日~1~5mg/日、より好ましくは0.75~3.75mg/日~1~5mg/日である用量範囲、
トラセミド:
1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレア
2.5~5mg/日~10~20mg/日、好ましくは5~10mg/日~10~20mg/日、より好ましくは7.5~15mg/日~10~20mg/日である用量範囲、
ベンドロフルメチアジド:
3-ベンジル-1,1-ジオキソ-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
ヒドロクロロチアジド:
6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
3.125~25mg/日~12.5~100mg/日、好ましくは6.25~50mg/日~12.5~100mg/日、より好ましくは9.375~75mg/日~12.5~100mg/日である用量範囲、
メトラゾン:
7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
インダパミド:
4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド
0.625~1.25mg/日~2.5~5mg/日、好ましくは1.25~2.5mg/日~2.5~5mg/日、より好ましくは1.875~3.75mg/日~2.5~5mg/日である用量範囲、

グリフロジン
ダパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カナグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
エンパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
6.25mg/日~25mg/日、好ましくは10mg/日~25mg/日、より好ましくは10mg/日~20mg/日である用量範囲、
エルツグリフロジン:
(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール
3.75mg/日~15mg/日、好ましくは7.5mg/日~15mg/日、より好ましくは11.25mg/日~15mg/日である用量範囲、
イプラグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
トホグリフロジン:
(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール
5mg/日~20mg/日、好ましくは10mg/日~20mg/日、より好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、
ルセオグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、
ソタグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール
【0227】
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲。
【0228】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、50~100mg/日、好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲のオメカムチブメカルビル(omecamtiv mecarbil)(メチル4-[[2-フルオロ-3-[(6-メチルピリジン-3-イル)カルバモイルアミノ]フェニル]メチル]ピペラジン-1-カルボキシレート)及び/又は2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5~10mg/日である用量範囲のベルイシグアト(メチルN-[4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-[(2-フルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル]カルバメート)をさらに含む、配合剤に関する。
【0229】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記固定又は非固定の配合剤が、好ましくは固定の組み合わせで、経口投与される、配合剤に関する。
【0230】
本明細書で使用される「固定の組み合わせ」という用語は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、投与される成分が単一の投与形態である、配合剤として定義される。
【0231】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、β遮断薬が、β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール;β-アドレナリン受容体遮断薬:1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール、1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩(CR/XL);前記β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール、(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール、N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド、2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド、3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド、及び1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールを含む群から選択される、配合剤に関する。
【0232】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記ACE阻害薬が、前記プロリンのスルフヒドリル含有類似体:(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸、(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2、3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、及び(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸を含む群から選択される、配合剤に関する。
【0233】
本出願の別の特定の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記MRA(ミネラル受容体アンタゴニスト)が、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、及びフィネレノン:(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミドを含む群から選択される、配合剤に関する。
【0234】
本出願の別の実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記利尿薬が、3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸、2-[2,3-ジクロロ-4-(2-メチリデンブタノイル)フェノキシ]酢酸、4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸、1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレアなどのループ作用性利尿薬、3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-(ジアミノメチリデン)ピラジン-2-カルボキサミド、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、6-フェニルプテリジン-2,4,7-トリアミンなどのカリウム保持性利尿薬、6-クロロ-1,1-ジオキソ-4H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド、6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミドなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される、配合剤に関する。
【0235】
本出願の別の好ましい実施形態は、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記グリフロジンが、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール、ルセオグリフロジン、レモグリフロジンエタボナート(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[5-メチル-1-プロパン-2-イル-4-[(4-プロパン-2-イルオキシフェニル)メチル]ピラゾール-3-イル]オキシオキサン-2-イル]メチルカルボネート)、エタボン酸セルグリフロジン(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]フェノキシ]オキサン-2-イル]メチルカルボネート)、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール、及びそれらの混合物を含む群から選択される、配合剤に関する。
【0236】
本出願の発明の対象はまた、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、経口医薬製剤である。
【0237】
本出願の発明の対象はまた、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、経口医薬製剤である。
【0238】
本出願の別の実施形態は、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者が心不全(HF)を有さない、経口医薬製剤に関する。
【0239】
本出願の別の好ましい実施形態は、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者が心不全(HF)の病歴を有さない、経口医薬製剤に関する。
【0240】
本出願の一実施形態は、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、経口医薬製剤に関する。
【0241】
本出願の好ましい一実施形態は、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、経口医薬製剤に関する。
【0242】
本出願の別の実施形態は、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせである、経口医薬製剤に関する。
【0243】
本発明の配合剤を含む医薬組成物は、ヒト患者に投与するために使用されることが理解されるべきである。「投与する(こと)」という用語は、その全ての文法的形式において、治療薬又は配合剤の投与を意味する。
【0244】
本発明の関係において、「aの投与」又は「aを投与する(こと)」又はその任意の他の文法的形式は、本発明の配合剤が、所望により薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の形態で投与されることを意味する。
【0245】
薬学的に許容される担体又は賦形剤には、希釈剤(増量剤、膨張性薬剤、例えば、乳糖、微結晶セルロース)、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム)、結合剤(例えば、PVP、HPMC)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素(SiO))、溶媒/共溶媒(例えば、水性ビヒクル、プロピレングリコール、グリセロール)、緩衝剤(例えば、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、パラベン(Me、Pr、Bu)、BKC)、抗酸化剤(例えば、BHT、BHA、アスコルビン酸)、湿潤剤(例えば、ポリソルベート、ソルビタンエステル)、増粘剤(例えば、メチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース)、甘味剤(例えば、ソルビトール、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム)、香料(例えば、ペパーミント、レモン油、バタースコッチなど)、保湿剤(例えば、プロピレン、グリコール、グリセロール、ソルビトール)が挙げられる。他の適切な薬学的に許容される賦形剤は、特に、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 15th Ed., Mack Publishing Co., New Jersey (1991) and Bauer et al., Pharmazeutische Technologie, 5th Ed., Govi-Verlag Frankfurt (1997)に記載されている。
【0246】
本出願の別の好ましい実施形態は、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態が経口投与である、経口医薬製剤に関する。
【0247】
本出願の一実施形態は、配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記製剤が、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、経口医薬製剤に関する。
【0248】
本出願の特定の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記製剤が、錠剤、丸薬、又はカプセルである、経口医薬製剤に関する。
【0249】
固体製剤は、賦形剤及び他の成分を適切な量で含み得る。そのような固体製剤は、例えば、セルロース、微結晶セルロース、ポリビドン、特にFBポリビドン、ステアリン酸マグネシウムなどを含み得る。
【0250】
当業者は、例えば医薬組成物の製剤及び投与経路に応じて、適切な薬学的に許容される担体又は賦形剤を容易に選択することができる。
【0251】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記配合剤は、下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は(正常な)呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させることを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、経口医薬製剤に関する。
【0252】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記製剤は、下記化合物のうちの少なくとも4つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は(正常な)呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させることを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、一定期間、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量で前記配合剤を投与される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに
第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、経口医薬製剤に関する。
【0253】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記製剤は、下記化合物のうちの少なくとも2つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン(Glifozin)、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、一定期間、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに
第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、経口医薬製剤に関する。
【0254】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記製剤は、下記化合物のうちの少なくとも2つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンなどのグリフロジンとも称されるナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬であって、前記阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、及び/又は呼吸困難の症状を改善することに使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、経口医薬製剤に関する。
【0255】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記製剤は、下記化合物のうちの少なくとも2つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、経口医薬製剤に関する。
【0256】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記配合剤は、下記化合物のうち少なくとも2つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、経口医薬製剤に関する。
【0257】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記配合剤がRAASi及びBBである前記成分のうちの少なくとも2つを含み、好ましくは、前記配合剤がRAASi、BB、及びMRAである前記成分のうちの少なくとも3つを含み、より好ましくは、前記配合剤が前記成分のうちの少なくとも3つとグリフロジンとを含む、経口医薬製剤に関する。
【0258】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)による心不全患者又は心不全を有さない患者である、経口医薬製剤に関する。
【0259】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、経口医薬製剤に関する。
【0260】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、経口医薬製剤に関する。
【0261】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者は心不全を有する患者である、経口医薬製剤に関する。
【0262】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者は心不全患者である及び前記患者は左心室駆出率(LVEF)が40%以上で軽度に低下している、経口医薬製剤に関する。
【0263】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLであり、前記体液が血漿試料、好ましくは空腹時血漿試料である、経口医薬製剤に関する。
【0264】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、経口医薬製剤に関する。
【0265】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、
●ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、
●非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシン(AT)IIアンタゴニストの(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせ、
好ましくは一定の組み合わせである、経口医薬製剤に関する。
【0266】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記配合剤が、
a.β遮断薬
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなる群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、及び
d.グリフロジン(カナグリフロジン)を含み、
好ましくは一定の組み合わせである、経口医薬製剤に関する。
【0267】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記配合剤が利尿薬をさらに含み、好ましくは一定の組み合わせである、経口医薬製剤に関する。
【0268】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者は、一定期間、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、経口医薬製剤に関する。
【0269】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは、第1用量は第2用量の30%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、経口医薬製剤に関する。
【0270】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、β遮断薬が、β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール;β-アドレナリン受容体遮断薬:1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール、1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩(CR/XL);前記β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール、(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール、N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド、2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド、3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド、及び1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールを含む群から選択される、経口医薬製剤に関する。
【0271】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、ACE阻害薬が、前記プロリンのスルフヒドリル含有類似体:(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸、(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2、3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、及び(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸を含む群から選択される、経口医薬製剤に関する。
【0272】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、MRA(ミネラル受容体アンタゴニスト)が、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート及びS-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエートを含む群から選択される、経口医薬製剤に関する。
【0273】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、利尿薬が、3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸、2-[2,3-ジクロロ-4-(2-メチリデンブタノイル)フェノキシ]酢酸、4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸、1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレアなどのループ作用性利尿薬、3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-(ジアミノメチリデン)ピラジン-2-カルボキサミド、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、6-フェニルプテリジン-2,4,7-トリアミンなどのカリウム保持性利尿薬、6-クロロ-1,1-ジオキソ-4H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド、6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミドなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される、経口医薬製剤に関する。
【0274】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、グリフロジンが、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール、ルセオグリフロジン、レモグリフロジンエタボナート(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[5-メチル-1-プロパン-2-イル-4-[(4-プロパン-2-イルオキシフェニル)メチル]ピラゾール-3-イル]オキシオキサン-2-イル]メチルカルボネート)、エタボン酸セルグリフロジン(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]フェノキシ]オキサン-2-イル]メチルカルボネート)、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール、及びそれらの混合物を含む群から選択される、経口医薬製剤に関する。
【0275】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療に使用するための経口医薬製剤であって、下記薬剤の第2用量の組み合わせの化学物質のそれぞれの範囲は以下のとおりである、経口医薬製剤に関する:
ACE阻害薬
カプトプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
エナラプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~10mg/日~20~40mg/日、好ましくは10~20mg/日~20~40mg/日、より好ましくは15~30mg/日~20~40mg/日である用量範囲、
リシノプリル:
(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~8.75mg/日~20~35mg/日、好ましくは10~17.5mg/日~20~35mg/日、より好ましくは15~26.25mg/日~20~35mg/日である用量範囲、
ラミプリル:
(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
トランドラプリル:
(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸
1mg/日~4mg/日、好ましくは2mg/日~4mg/日、より好ましくは3mg/日~4mg/日である用量範囲、
ベナゼプリル:
2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
フォシノプリル:
(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
モエキシプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
7.5mg/日~30mg/日、好ましくは15mg/日~30mg/日、より好ましくは22.5mg/日~30mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルアルギニン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2, 3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルtert-ブチルアミン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン
2mg/日~8mg/日、好ましくは4mg/日~8mg/日、より好ましくは6mg/日~8mg/日である用量範囲、
キナプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
シラザプリル:
(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、

β遮断薬
ビソプロロール:
1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カルベジロール:
1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
コハク酸メトプロロール:
1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩
50mg/日~200mg/日、好ましくは100mg/日~200mg/日、より好ましくは150mg/日~200mg/日である用量範囲、
ネビボロール:
1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ナドロール:
(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
アセブトロール:
N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲、
ラベタロール:
2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド
200mg/日~800mg/日、好ましくは400mg/日~800mg/日、より好ましくは600mg/日~800mg/日である用量範囲、
セリプロロール:
3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
アテノロール:
2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
プロプラノロール:
1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オール
40mg/日~160mg/日、好ましくは80mg/日~160mg/日、より好ましくは120mg/日~160mg/日である用量範囲、

アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)
カンデサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
8mg/日~32mg/日、好ましくは16mg/日~32mg/日、より好ましくは24mg/日~32mg/日である用量範囲、
バルサルタン:
(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
80mg/日~320mg/日、好ましくは160mg/日~320mg/日、より好ましくは240mg/日~320mg/日である用量範囲、
ロサルタン:
[2-ブチル-5-クロロ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-イル]メタノール
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
アジルサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
エプロサルタン:
4-[[2-ブチル-5-[(E)-2-カルボキシ-3-チオフェン-2-イルプロパ-1-エニル]イミダゾール-1-イル]メチル]安息香酸
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
イルベサルタン:
2-ブチル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]-1,3-ジアザスピロ[4.4]ノン-1-エン-4-オン
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
オルメサルタン:
5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
テルミサルタン:
2-[4-[[4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-2-プロピルベンズイミダゾール-1-イル]メチル]フェニル]安息香酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、

ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)
エプレレノン:
メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
スピロノラクトン:
S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
フィネレノン:
(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミド
10mg/日~20mg/日、好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、

ARNI
サクビトリル・バルサルタン:
4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸/(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
48.5mg/51.5mg/日~194mg/206mg/日、好ましくは97mg/103mg/日~194mg/206mg/日、より好ましくは145.5mg/154.5mg/日~194mg/206mg/日である用量範囲、

ループ作用性利尿薬
フロセミド:
4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸
10~60mg/日~40~240mg/日、好ましくは20~120mg/日~40~240mg/日、より好ましくは30~180mg/日~40~240mg/日である用量範囲、
ブメタニド:
3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸
0.25~1.25mg/日~1~5mg/日、好ましくは0.5~2.5mg/日~1~5mg/日、より好ましくは0.75~3.75mg/日~1~5mg/日である用量範囲、
トラセミド:
1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレア
2.5~5mg/日~10~20mg/日、好ましくは5~10mg/日~10~20mg/日、より好ましくは7.5~15mg/日~10~20mg/日である用量範囲、
ベンドロフルメチアジド:
3-ベンジル-1,1-ジオキソ-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
ヒドロクロロチアジド:
6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
3.125~25mg/日~12.5~100mg/日、好ましくは6.25~50mg/日~12.5~100mg/日、より好ましくは9.375~75mg/日~12.5~100mg/日である用量範囲、
メトラゾン:
7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
インダパミド:
4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド
0.625~1.25mg/日~2.5~5mg/日、好ましくは1.25~2.5mg/日~2.5~5mg/日、より好ましくは1.875~3.75mg/日~2.5~5mg/日である用量範囲、

グリフロジン
ダパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カナグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
エンパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
6.25mg/日~25mg/日、好ましくは10mg/日~25mg/日、より好ましくは10mg/日~20mg/日である用量範囲、
エルツグリフロジン:
(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール
3.75mg/日~15mg/日、好ましくは7.5mg/日~15mg/日、より好ましくは11.25mg/日~15mg/日である用量範囲、
イプラグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
トホグリフロジン:
(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール
5mg/日~20mg/日、好ましくは10mg/日~20mg/日、より好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、
ルセオグリフロジン
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、
ソタグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲。
【0276】
本出願の発明の対象はまた、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は、下記化合物のうちの少なくとも2つを含む配合剤を投与することを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、方法である。
【0277】
本出願の発明の対象はまた、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は、下記成分のうちの少なくとも2つを含む配合剤を投与することを含み、
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、方法である。
【0278】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記配合剤が、RAASi及びBBである前記成分のうちの少なくとも2つを含み、好ましくは、RAASi、BB、及びMRAである前記成分のうちの少なくとも3つを含む、方法に関する。
【0279】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、RAASi及びBBである前記成分のうちの少なくとも2つを含み、好ましくは、RAASi、BB、及びMRAである前記成分のうちの少なくとも3つを含み、より好ましくは、前記成分のうちの少なくとも3つとグリフロジンとを含む、方法に関する。
【0280】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40~49%に軽度に低下している若しくはLVEFが50%以上保たれている心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、方法に関する。
【0281】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、方法に関する。
【0282】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が軽度に低下しているか保たれている心不全患者又は心不全を有さない患者である、方法に関する。
【0283】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が50%以上で保たれている、方法に関する。
【0284】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は左心室駆出率(LVEF)が40%以上で軽度に低下している、方法に関する。
【0285】
本出願の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は心不全患者である及び/又は前記患者は左心室駆出率(LVEF)が40%未満に低下している、方法に関する。
【0286】
本出願の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が40%未満に低下している、方法に関する。
【0287】
本出願の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、方法に関する。
【0288】
本出願の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLであり、前記体液が血漿試料、好ましくは空腹時血漿試料である、方法に関する。
【0289】
本出願の好ましい一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者が心不全(HF)を有さない、方法に関する。
【0290】
本出願の特定の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者が心不全の病歴を有さない、方法に関する。
【0291】
本出願のさらなる一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、方法に関する。
【0292】
本出願のさらなる一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者がうっ血の臨床徴候を有する、方法に関する。
【0293】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、方法に関する。
【0294】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせである、方法に関する。
【0295】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、配合が一定の組み合わせであり、前記配合が1つの投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、方法に関する。
【0296】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、方法に関する。
【0297】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、方法に関する。
【0298】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片が、うっ血のマーカーとして使用され、
前記対象から得られた体液中のプロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片の濃度を測定すること、及び
前記プロアドレノメデュリン又はその断片の濃度を前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関させること、を含み、特定の閾値を超える濃度の上昇は、うっ血の徴候又はうっ血の程度を示す、
前記プロアドレノメデュリン又はその断片が、配列番号1に記載のプロアドレノメデュリン、配列番号2に記載のPAMP、配列番号3に記載のMR-proADM、配列番号4に記載の成熟ADM-NH、配列番号5に記載のADM-Gly、及び配列番号6に記載のCT-proADMを含む群から選択される、並びに前記患者がうっ血を有さない、すなわち、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、方法に関する。
【0299】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記閾値が、配列番号4に記載の血漿成熟ADM-NHについては50~100pg/mLであり、血漿MR-proADMについては0.5~1.5nmol/Lであり、血漿CT-proADMについては85~350pmol/Lである閾値範囲である閾値範囲内である、方法に関する。
【0300】
本出願の別の特定の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のproADM及び/又はその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のproADMを定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、方法に関する。
【0301】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定される、方法に関する。
【0302】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、成熟ADM-NH2及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が50~100pg/mLの範囲内にある、方法に関する。
【0303】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、方法に関する。
【0304】
本出願の別の特定の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象の成熟ADM-NH2を定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、方法に関する。
【0305】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、CT-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定される、方法に関する。
【0306】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、CT-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、CT-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が85~350pg/mLの範囲内にある、方法に関する。
【0307】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、方法に関する。
【0308】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のCT-proADMを定量することができ、100pmol/L未満、好ましくは75pmol/L未満、より好ましくは50pmol/L未満である、方法に関する。
【0309】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、MR-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定される、方法に関する。
【0310】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、MR-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、MR-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が0.5~1.5nmol/Lの範囲内にある、方法に関する。
【0311】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、方法に関する。
【0312】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のMR-proADMを定量することができ、0.5nmol/L未満、好ましくは0.4nmol/L未満、より好ましくは0.2nmol/L未満である、方法に関する。
【0313】
本出願の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、
ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、
非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシン(AT)IIアンタゴニストの(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせ、
好ましくは一定の組み合わせである、方法に関する。
【0314】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記配合剤が、
●β遮断薬、
●(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなる群の1つの薬剤、並びに
●ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)及び
グリフロジン(カナグリフロジン)を含み、
好ましくは一定の組み合わせである、方法に関する。
【0315】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記配合剤が利尿薬をさらに含み、好ましくは一定の組み合わせである、方法に関する。
【0316】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は、一定期間、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、方法に関する。
【0317】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量が、第2用量の4分の1である、方法に関する。
【0318】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは、第1用量は第2用量の30%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、方法に関する。
【0319】
本出願の文脈において、これは、第2用量が第1用量と比較して2倍の量の各活性成分を含むことを意味する。第2用量は本研究の第2段階で使用される。
【0320】
本出願の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記固定又は非固定の配合剤が、好ましくは固定の組み合わせで、経口投与される、方法に関する。
【0321】
本出願の特定の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、β遮断薬が、β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール;β-アドレナリン受容体遮断薬:1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール、1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩(CR/XL);前記β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール、(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール、N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド、2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド、3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド、及び1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールを含む群から選択される、方法に関する。
【0322】
本出願の特定の一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記ACE阻害薬が、前記プロリンのスルフヒドリル含有類似体:(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸、(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2、3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、及び(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸を含む群から選択される、方法に関する。
【0323】
本出願のさらなる一実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記MRA(ミネラル受容体アンタゴニスト)が、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート及びS-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエートを含む群から選択される、方法に関する。
【0324】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記利尿薬が、3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸、2-[2,3-ジクロロ-4-(2-メチリデンブタノイル)フェノキシ]酢酸、4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸、1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレアなどのループ作用性利尿薬、3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-(ジアミノメチリデン)ピラジン-2-カルボキサミド、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、6-フェニルプテリジン-2,4,7-トリアミンなどのカリウム保持性利尿薬、6-クロロ-1,1-ジオキソ-4H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド、6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミドなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される、方法に関する。
【0325】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、前記グリフロジンが、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール、ルセオグリフロジン、レモグリフロジンエタボナート(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[5-メチル-1-プロパン-2-イル-4-[(4-プロパン-2-イルオキシフェニル)メチル]ピラゾール-3-イル]オキシオキサン-2-イル]メチルカルボネート)、エタボン酸セルグリフロジン(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]フェノキシ]オキサン-2-イル]メチルカルボネート)、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール、及びそれらの混合物を含む群から選択される、方法に関する。
【0326】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が配合剤を投与することを含み、下記薬剤の第2用量が以下の通りである、方法に関する:
ACE阻害薬
カプトプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
エナラプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~10mg/日~20~40mg/日、好ましくは10~20mg/日~20~40mg/日、より好ましくは15~30mg/日~20~40mg/日である用量範囲、
リシノプリル:
(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~8.75mg/日~20~35mg/日、好ましくは10~17.5mg/日~20~35mg/日、より好ましくは15~26.25mg/日~20~35mg/日である用量範囲、
ラミプリル:
(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
トランドラプリル:
(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸
1mg/日~4mg/日、好ましくは2mg/日~4mg/日、より好ましくは3mg/日~4mg/日である用量範囲、
ベナゼプリル:
2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
フォシノプリル:
(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
モエキシプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
7.5mg/日~30mg/日、好ましくは15mg/日~30mg/日、より好ましくは22.5mg/日~30mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルアルギニン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2, 3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルtert-ブチルアミン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン
2mg/日~8mg/日、好ましくは4mg/日~8mg/日、より好ましくは6mg/日~8mg/日である用量範囲、
キナプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
シラザプリル:
(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、

β遮断薬
ビソプロロール:
1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カルベジロール:
1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
コハク酸メトプロロール:
1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩
50mg/日~200mg/日、好ましくは100mg/日~200mg/日、より好ましくは150mg/日~200mg/日である用量範囲、
ネビボロール:
1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ナドロール:
(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
アセブトロール:
N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲、
ラベタロール:
2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド
200mg/日~800mg/日、好ましくは400mg/日~800mg/日、より好ましくは600mg/日~800mg/日である用量範囲、
セリプロロール:
3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
アテノロール:
2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
プロプラノロール:
1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オール
40mg/日~160mg/日、好ましくは80mg/日~160mg/日、より好ましくは120mg/日~160mg/日である用量範囲、

アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)
カンデサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
8mg/日~32mg/日、好ましくは16mg/日~32mg/日、より好ましくは24mg/日~32mg/日である用量範囲、
バルサルタン:
(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
80mg/日~320mg/日、好ましくは160mg/日~320mg/日、より好ましくは240mg/日~320mg/日である用量範囲、
ロサルタン:
[2-ブチル-5-クロロ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-イル]メタノール
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
アンジオテンシン受容体アンタゴニスト
アジルサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、

エプロサルタン:
4-[[2-ブチル-5-[(E)-2-カルボキシ-3-チオフェン-2-イルプロパ-1-エニル]イミダゾール-1-イル]メチル]安息香酸
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、

イルベサルタン:
2-ブチル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]-1,3-ジアザスピロ[4.4]ノン-1-エン-4-オン
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
オルメサルタン:
5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
テルミサルタン:
2-[4-[[4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-2-プロピルベンズイミダゾール-1-イル]メチル]フェニル]安息香酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、

ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)
エプレレノン:
メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
スピロノラクトン:
S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、

ARNI
サクビトリル・バルサルタン:
4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸/(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸II
48.5mg/51.5mg/日~194mg/206mg/日、好ましくは97mg/103mg/日~194mg/206mg/日、より好ましくは145.5mg/154.5mg/日~194mg/206mg/日である用量範囲、
フィネレノン:
(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミド
10mg/日~20mg/日、好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、

ループ作用性利尿薬
フロセミド:
4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸
10~60mg/日~40~240mg/日、好ましくは20~120mg/日~40~240mg/日、より好ましくは30~180mg/日~40~240mg/日である用量範囲、
ブメタニド:
3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸
0.25~1.25mg/日~1~5mg/日、好ましくは0.5~2.5mg/日~1~5mg/日、より好ましくは0.75~3.75mg/日~1~5mg/日である用量範囲、
トラセミド:
1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレア
2.5~5mg/日~10~20mg/日、好ましくは5~10mg/日~10~20mg/日、より好ましくは7.5~15mg/日~10~20mg/日である用量範囲、
ベンドロフルメチアジド:
3-ベンジル-1,1-ジオキソ-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
ヒドロクロロチアジド:
6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
3.125~25mg/日~12.5~100mg/日、好ましくは6.25~50mg/日~12.5~100mg/日、より好ましくは9.375~75mg/日~12.5~100mg/日である用量範囲、
メトラゾン:
7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
インダパミド:
4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド
0.625~1.25mg/日~2.5~5mg/日、好ましくは1.25~2.5mg/日~2.5~5mg/日、より好ましくは1.875~3.75mg/日~2.5~5mg/日である用量範囲、
グリフロジン
ダパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カナグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
エンパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
6.25mg/日~25mg/日、好ましくは10mg/日~25mg/日、より好ましくは10mg/日~20mg/日である用量範囲、
エルツグリフロジン:
(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール
3.75mg/日~15mg/日、好ましくは7.5mg/日~15mg/日、より好ましくは11.25mg/日~15mg/日である用量範囲、
イプラグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
トホグリフロジン:
(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール
5mg/日~20mg/日、好ましくは10mg/日~20mg/日、より好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、
ルセオグリフロジン
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、
ソタグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲。
【0327】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、方法に関する。
【0328】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、方法に関する。
【0329】
本出願の別の特定の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者が心不全(HF)を有さない、方法に関する。
【0330】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者が心不全(HF)の病歴を有さない、方法に関する。
【0331】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、方法に関する。
【0332】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者がうっ血の臨床徴候を有する、方法に関する。
【0333】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、方法に関する。
【0334】
本出願の別の好ましい実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせである、方法に関する。
【0335】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記製剤が、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、方法に関する。
【0336】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、
前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記経口医薬製剤は下記化合物のうち少なくとも2つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、一定期間、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに
第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、方法に関する。
【0337】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、
前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記経口医薬製剤は下記化合物のうち少なくとも2つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、一定期間、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに
第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、方法に関する。
【0338】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、
前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記経口医薬製剤は下記化合物のうち少なくとも2つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに第1用量は、第2用量の半分用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、方法に関する。
【0339】
本出願の別の実施形態は、患者の呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、
前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記経口医薬製剤は下記化合物のうち少なくとも2つを含む配合剤を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他とは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>300pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>800pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、方法に関する。
【0340】
本出願の発明の対象はまた、呼吸数及び/若しくは酸素飽和度を正常値に回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端(NT)プロホルモンBNP(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%未満である心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤である。
【0341】
上記の文脈を踏まえ、以下の連続番号を付した実施形態は、本発明のさらに具体的な態様を提供する。
【0342】
1.下記成分のうち少なくとも2つを含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、
e.利尿薬
並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、配合剤。
【0343】
2.実施形態1に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、RAASi及びBBである前記成分のうちの少なくとも2つを含み、好ましくは、RAASi、BB、及びMRAである前記成分のうちの少なくとも3つを含み、より好ましくは、前記成分のうちの少なくとも3つとグリフロジンとを含む、配合剤。
【0344】
3.実施形態1又は2に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が軽度に低下しているか保たれている心不全患者又は心不全を有さない患者である、配合剤。
【0345】
4.実施形態1~3の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全を有する患者である、並びに前記患者が40%以上の軽度の低下を示している、配合剤。
【0346】
5.実施形態1~4の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心不全(HF)を有さない、方法に関する。
【0347】
6.実施形態1~5の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心不全の病歴を有さない、配合剤。
【0348】
7.実施形態1~6の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、配合剤に関する。
【0349】
8.実施形態1~7の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、配合剤。
【0350】
9.実施形態1~8の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせである、配合剤。
【0351】
10.実施形態1~9の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、配合剤。
【0352】
11.実施形態1~10の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、配合剤。
【0353】
12.実施形態1~11の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、配合剤。
【0354】
13.実施形態11又は12に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片が、うっ血のマーカーとして使用され、
〇前記対象から得られた体液中のプロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片の濃度を測定すること、及び
〇前記プロアドレノメデュリン又はその断片の濃度を前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関させること、を含み、特定の閾値を超える濃度の上昇は、うっ血の徴候又はうっ血の程度を示す、
前記プロアドレノメデュリン又はその断片が、配列番号1に記載のプロアドレノメデュリン、配列番号2に記載のPAMP、配列番号3に記載のMR-proADM、配列番号4に記載の成熟ADM-NH2、配列番号5に記載のADM-Gly、及び配列番号6に記載のCT-proADMを含む群から選択される、並びに前記患者がうっ血を有さない、すなわち、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、配合剤。
【0355】
14.実施形13に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記閾値が、配列番号4に記載の血漿成熟ADM-NH2については50~100pg/mLであり、血漿MR-proADMについては0.5~1.5nmol/Lであり、血漿CT-proADMについては85~350pmol/Lである閾値範囲である閾値範囲内である、配合剤。
【0356】
15.実施形態11~14の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のproADM及び/又はその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のproADMを定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、配合剤。
【0357】
16.実施形態11~15の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、成熟ADM-NH2及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が50~100pg/mLの範囲内にある、配合剤。
【0358】
17.実施形態11~16の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、配合剤。
【0359】
18.実施形態11~17の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象の成熟ADM-NH2を定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、配合剤。
【0360】
19.実施形態11~18の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、CT-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、CT-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が85~350pg/mLの範囲内にある、配合剤。
【0361】
20.実施形態11~19の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、配合剤。
【0362】
21.実施形態11~20の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のCT-proADMを定量することができ、100pmol/L未満、好ましくは75pmol/L未満、より好ましくは50pmol/L未満である、配合剤。
【0363】
22.実施形態11~21の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料において、MR-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、MR-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が0.5~1.5nmol/Lの範囲内にある、方法に関する。
【0364】
23.実施形態11~22の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、配合剤。
【0365】
24.実施形態11~23の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のMR-proADMを定量することができ、0.5nmol/L未満、好ましくは0.4nmol/L未満、より好ましくは0.2nmol/L未満である、配合剤。
【0366】
25.実施形態11~24の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、実施形態1に記載の配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、
〇前記ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、
〇前記非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシン(AT)IIアンタゴニストの(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせ、
好ましくは一定の組み合わせである、配合剤。
【0367】
26.実施形態1~25の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記配合剤が、
a.β遮断薬
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなる群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、及び
d.グリフロジン(例えば、カナグリフロジン、エンパグリフロジン、ダパグリフロジン)、
好ましくは一定の組み合わせである、配合剤。
【0368】
27.実施形態1~26の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記配合剤が利尿薬をさらに含み、好ましくは一定の組み合わせである、配合剤。
【0369】
28.実施形態1~27の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量で前記配合剤を投与される、配合剤。
【0370】
29.実施形態1~28の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量は、第2用量の半分1用量(250%)であり、好ましくは、第1用量は第2用量の30%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【0371】
30.実施形態1~29の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記固定又は非固定の配合剤が、好ましくは固定の組み合わせで、経口投与される、配合剤。
【0372】
31.実施形態1~30の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、β遮断薬が、β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール;β-アドレナリン受容体遮断薬:1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール、1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩(CR/XL);前記β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール、(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール、N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド、2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド、3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド、及び1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールを含む群から選択される、配合剤。
【0373】
32.実施形態1~31の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記ACE阻害薬が、前記プロリンのスルフヒドリル含有類似体:(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸、(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2、3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、及び(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸を含む群から選択される、配合剤。
【0374】
33.実施形態1~32の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記MRA(ミネラル受容体アンタゴニスト)が、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート及びS-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエートを含む群から選択される、配合剤。
【0375】
34.実施形態1~33の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記利尿薬が、3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸、2-[2,3-ジクロロ-4-(2-メチリデンブタノイル)フェノキシ]酢酸、4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸、1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレアなどのループ作用性利尿薬、3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-(ジアミノメチリデン)ピラジン-2-カルボキサミド、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、6-フェニルプテリジン-2,4,7-トリアミンなどのカリウム保持性利尿薬、6-クロロ-1,1-ジオキソ-4H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド、6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミドなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される、配合剤。
【0376】
35.実施形態1~34の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記グリフロジンが、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール、ルセオグリフロジン、レモグリフロジンエタボナート(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[5-メチル-1-プロパン-2-イル-4-[(4-プロパン-2-イルオキシフェニル)メチル]ピラゾール-3-イル]オキシオキサン-2-イル]メチルカルボネート)、エタボン酸セルグリフロジン(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]フェノキシ]オキサン-2-イル]メチルカルボネート)、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール、及び(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオールを含む群から選択される、配合剤。
【0377】
36.実施形態1~35の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、下記薬剤の第2用量が以下の通りである、配合剤:
ACE阻害薬
カプトプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
エナラプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~10mg/日~20~40mg/日、好ましくは10~20mg/日~20~40mg/日、より好ましくは15~30mg/日~20~40mg/日である用量範囲、
リシノプリル:
(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~8.75mg/日~20~35mg/日、好ましくは10~17.5mg/日~20~35mg/日、より好ましくは15~26.25mg/日~20~35mg/日である用量範囲、
ラミプリル:
(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
トランドラプリル:
(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸
1mg/日~4mg/日、好ましくは2mg/日~4mg/日、より好ましくは3mg/日~4mg/日である用量範囲、
ベナゼプリル:
2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
フォシノプリル:
(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
モエキシプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
7.5mg/日~30mg/日、好ましくは15mg/日~30mg/日、より好ましくは22.5mg/日~30mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルアルギニン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2, 3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルtert-ブチルアミン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン
2mg/日~8mg/日、好ましくは4mg/日~8mg/日、より好ましくは6mg/日~8mg/日である用量範囲、
キナプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
シラザプリル:
(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、

β遮断薬
ビソプロロール:
1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カルベジロール:
1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
コハク酸メトプロロール:
1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩
50mg/日~200mg/日、好ましくは100mg/日~200mg/日、より好ましくは150mg/日~200mg/日である用量範囲、
ネビボロール:
1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ナドロール:
(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
アセブトロール:
N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲、
ラベタロール:
2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド
200mg/日~800mg/日、好ましくは400mg/日~800mg/日、より好ましくは600mg/日~800mg/日である用量範囲、
セリプロロール:
3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
アテノロール:
2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
プロプラノロール:
1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オール
40mg/日~160mg/日、好ましくは80mg/日~160mg/日、より好ましくは120mg/日~160mg/日である用量範囲、

ARB
カンデサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
8mg/日~32mg/日、好ましくは16mg/日~32mg/日、より好ましくは24mg/日~32mg/日である用量範囲、
バルサルタン:
(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
80mg/日~320mg/日、好ましくは160mg/日~320mg/日、より好ましくは240mg/日~320mg/日である用量範囲、
ロサルタン:
[2-ブチル-5-クロロ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-イル]メタノール
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、

アンジオテンシン受容体アンタゴニスト
アジルサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
エプロサルタン:
4-[[2-ブチル-5-[(E)-2-カルボキシ-3-チオフェン-2-イルプロパ-1-エニル]イミダゾール-1-イル]メチル]安息香酸
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
イルベサルタン:
2-ブチル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]-1,3-ジアザスピロ[4.4]ノン-1-エン-4-オン
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
オルメサルタン:
5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
テルミサルタン:
2-[4-[[4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-2-プロピルベンズイミダゾール-1-イル]メチル]フェニル]安息香酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、

ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)
エプレレノン:
メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
スピロノラクトン:
S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、

ARNI
サクビトリル・バルサルタン:
4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸/(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸II
48.5mg/51.5mg/日~194mg/206mg/日、好ましくは97mg/103mg/日~194mg/206mg/日、より好ましくは145.5mg/154.5mg/日~194mg/206mg/日である用量範囲、

IFチャネル遮断薬
イバブラジン:
3-[3-[[(7S)-3,4-ジメトキシ-7-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエニル]メチル-メチルアミノ]プロピル]-7,8-ジメトキシ-2,5-ジヒドロ-1H-3-ベンザゼピン-4-オン
3.75mg/日~15mg/日、好ましくは7.5mg/日~15mg/日、より好ましくは11.25mg/日~15mg/日である用量範囲、

利尿薬
フロセミド:
4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸
10~60mg/日~40~240mg/日、好ましくは20~120mg/日~40~240mg/日、より好ましくは30~180mg/日~40~240mg/日である用量範囲、
ブメタニド:
3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸
0.25~1.25mg/日~1~5mg/日、好ましくは0.5~2.5mg/日~1~5mg/日、より好ましくは0.75~3.75mg/日~1~5mg/日である用量範囲、
トラセミド:
1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレア
2.5~5mg/日~10~20mg/日、好ましくは5~10mg/日~10~20mg/日、より好ましくは7.5~15mg/日~10~20mg/日である用量範囲、
ベンドロフルメチアジド:
3-ベンジル-1,1-ジオキソ-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
ヒドロクロロチアジド:
6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
3.125~25mg/日~12.5~100mg/日、好ましくは6.25~50mg/日~12.5~100mg/日、より好ましくは9.375~75mg/日~12.5~100mg/日である用量範囲、
メトラゾン:
7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
インダパミド:
4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド
0.625~1.25mg/日~2.5~5mg/日、好ましくは1.25~2.5mg/日~2.5~5mg/日、より好ましくは1.875~3.75mg/日~2.5~5mg/日である用量範囲、

グリフロジン
ダパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カナグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
エンパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
6.25mg/日~25mg/日、好ましくは10mg/日~25mg/日、より好ましくは10mg/日~20mg/日である用量範囲、
エルツグリフロジン:
(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール
3.75mg/日~15mg/日、好ましくは7.5mg/日~15mg/日、より好ましくは11.25mg/日~15mg/日である用量範囲、
イプラグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
トホグリフロジン:
(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール
5mg/日~20mg/日、好ましくは10mg/日~20mg/日、より好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、
ルセオグリフロジン
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、
ソタグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲。
【0378】
37.実施形態1~36の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、経口医薬製剤。
【0379】
38.実施形態1~37の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者が心不全(HF)を有さない、経口医薬製剤。
【0380】
39.実施形態1~38の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者が心不全(HF)の病歴を有さない、経口医薬製剤。
【0381】
40.実施形態1~39の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、配合剤に関する。
【0382】
41.実施形態1~40の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、経口医薬製剤。
【0383】
42.実施形態1~41の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせである、経口医薬製剤。
【0384】
43.実施形態1~42の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態が経口投与である、経口医薬製剤。
【0385】
44.実施形態1~43の何れか一つに記載の配合剤を含む、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせであり、前記製剤が、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、経口医薬製剤。
【0386】
45. 患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は、下記成分のうちの少なくとも2つを含む配合剤を投与することを含み、
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、
e.利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、
並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、方法。
【0387】
46.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45に記載の配合剤を投与することを含み、前記配合剤がBB及びRAASiである前記成分のうちの少なくとも2つを含み、好ましくは、前記配合剤がBB、RAASi、及びMRAである前記成分のうちの少なくとも3つを含み、より好ましくは、前記配合剤が前記成分のうちの少なくとも3つとグリフロジンとを含む、方法。
【0388】
47.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45又は46に記載の配合剤を投与することを含み、前記患者は、左心室駆出率(LVEF)が軽度に低下しているか保たれている心不全患者又は心不全を有さない患者である、方法。
【0389】
48.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~47の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者は心不全患者である及び前記患者は左心室駆出率(LVEF)が40%以上で軽度に低下している、方法。
【0390】
49.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~48の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者が心不全(HF)を有さない、方法。
【0391】
50.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~49の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者が心不全の病歴を有さない、方法。
【0392】
51.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~50の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、方法。
【0393】
52.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~51の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、方法。
【0394】
53.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~52の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者は、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量で前記配合剤を投与される、方法。
【0395】
54.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~53の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせである、方法。
【0396】
55.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~54の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、配合が1つの投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、方法。
【0397】
56.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~55の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、方法。
【0398】
57.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~56の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、方法。
【0399】
58.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~57の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、プロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片が、うっ血のマーカーとして使用され、
〇前記対象から得られた体液中のプロアドレノメデュリン又は少なくとも5アミノ酸のその断片の濃度を測定すること、及び
〇前記プロアドレノメデュリン又はその断片の濃度を前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関させること、を含み、特定の閾値を超える濃度の上昇は、うっ血の徴候又はうっ血の程度を示す、
前記プロアドレノメデュリン又はその断片が、配列番号1に記載のプロアドレノメデュリン、配列番号2に記載のPAMP、配列番号3に記載のMR-proADM、配列番号4に記載の成熟ADM-NH2、配列番号5に記載のADM-Gly、及び配列番号6に記載のCT-proADMを含む群から選択される、並びに前記患者がうっ血を有さない、すなわち、前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を下回る、方法。
【0400】
59.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~58の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記閾値が、配列番号4に記載の血漿成熟ADM-NH2については50~100pg/mLであり、血漿MR-proADMについては0.5~1.5nmol/Lであり、血漿CT-proADMについては85~350pmol/Lである閾値範囲である閾値範囲内である、方法。
【0401】
60.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~59の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のproADM及び/又はその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のproADMを定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、方法。
【0402】
61.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~60の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定される、方法。
【0403】
62.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~61の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、成熟ADM-NH2及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が50~100pg/mLの範囲内にある、方法。
【0404】
63.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~62の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、方法。
【0405】
64.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~63の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中の成熟ADM-NH2及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象の成熟ADM-NH2を定量することができ、70pg/mL未満、好ましくは40pg/mL未満、より好ましくは10pg/mL未満である、方法。
【0406】
65.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~64の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、CT-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、CT-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が85~350mol/mLの範囲内にある、方法。
【0407】
66.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~65の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、方法。
【0408】
67.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~66の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のCT-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のCT-proADMを定量することができ、100pmol/L未満、好ましくは75pmol/L未満、より好ましくは50pmol/L未満である、方法。
【0409】
68.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~67の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者の体液試料において、MR-proADM及び/又は少なくとも5アミノ酸を有するその断片の濃度が測定され、MR-proADM及び/又はその断片の前記濃度は、前記対象におけるうっ血の程度又はうっ血の診断と相関し、前記濃度の閾値が0.5~1.5nmol/Lの範囲内にある、方法。
【0410】
69.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~68の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用する、方法。
【0411】
70.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~69の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、
アッセイを、前記患者の体液試料中のMR-proADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度を測定するために使用し、前記アッセイのアッセイ感度は、健康な対象のMR-proADMを定量することができ、0.5nmol/L未満、好ましくは0.4nmol/L未満、より好ましくは0.2nmol/L未満である、方法。
【0412】
71.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~70の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシンアンタゴニストの(AT)II(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせである、方法。
【0413】
72.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~71の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記配合剤が、
a.β遮断薬、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなる群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン(カナグリフロジン)、
e.利尿薬
を含む、方法。
【0414】
73.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~72の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記配合剤が利尿薬をさらに含む、方法。
【0415】
74.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~73の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量は、第2用量の半分用量(25%)であり、好ましくは、第1用量は第2用量の30%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、方法。
【0416】
75.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~74の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記固定又は非固定の配合剤が、経口投与される、方法。
【0417】
76.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~75の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、β遮断薬が、β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール;β-アドレナリン受容体遮断薬:1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール、1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩(CR/XL);前記β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール、(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール、N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド、2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド、3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド、及び1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールを含む群から選択される、方法。
【0418】
77.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~76の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記ACE阻害薬が、前記プロリンのスルフヒドリル含有類似体:(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸、(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2、3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、及び(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸を含む群から選択される、方法。
【0419】
78.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~77の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記MRA(ミネラル受容体アンタゴニスト)が、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート及びS-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエートを含む群から選択される、方法。
【0420】
79.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~78の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記利尿薬が、3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸、2-[2,3-ジクロロ-4-(2-メチリデンブタノイル)フェノキシ]酢酸、4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸、1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレアなどのループ作用性利尿薬、3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-(ジアミノメチリデン)ピラジン-2-カルボキサミド、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、6-フェニルプテリジン-2,4,7-トリアミンなどのカリウム保持性利尿薬、6-クロロ-1,1-ジオキソ-4H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド、6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミドなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される、方法。
【0421】
80.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法が実施形態45~79の何れか一つに記載の配合剤を投与することを含み、前記グリフロジンが、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール、ルセオグリフロジン、レモグリフロジンエタボナート(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[5-メチル-1-プロパン-2-イル-4-[(4-プロパン-2-イルオキシフェニル)メチル]ピラゾール-3-イル]オキシオキサン-2-イル]メチルカルボネート)、エタボン酸セルグリフロジン(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]フェノキシ]オキサン-2-イル]メチルカルボネート)、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール、及びそれらの混合物を含む群から選択される、方法に関する。
【0422】
81.実施形態45~80の何れか一つに記載の患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、方法。
【0423】
82.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は実施形態81に記載の経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者が心不全(HF)を有さない、方法。
【0424】
83.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は実施形態45~82の何れか一つに記載の経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者が心不全(HF)の病歴を有さない、方法。
【0425】
84.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は実施形態45~83の何れか一つに記載の経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者がうっ血の臨床徴候を有さない、配合剤に関する。
【0426】
85.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は実施形態45~84の何れか一つに記載の経口医薬製剤を投与することを含み、前記患者が心血管疾患又は肺疾患を有さない、方法。
【0427】
86.患者の急性及び/又は持続性呼吸困難の治療方法であって、前記方法は実施形態45~85の何れか一つに記載の経口医薬製剤を投与することを含み、前記製剤が、錠剤又はカプセルである、方法。
【0428】
87.下記成分のうち少なくとも2つを含む、実施形態1~86の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、
e.利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40~49%に軽度に低下している若しくはLVEFが50%以上保たれている心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量で前記配合剤を投与される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに
第1用量は、第2用量の半分用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【0429】
88.下記成分のうち少なくとも2つを含む、実施形態1~87の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、
e.利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに第1用量は、第2用量の半分用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【0430】
さらに、以下の連続番号を付した実施形態は、本発明のさらなる特定の態様を提供する。
【0431】
1.呼吸数及び/若しくは酸素飽和度を正常値に回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端(NT)プロホルモンBNP(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【0432】
2.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンを含む、配合剤。
【0433】
3.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1又は2に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が糖尿病ではない、配合剤。
【0434】
4.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~3の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者が心筋機能障害を有する、配合剤。
【0435】
5.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~4の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記治療が、前記配合剤を毎日好ましくは1日1回投与することである、配合剤。
【0436】
6.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~5の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、並びに前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLであり、前記体液が血漿試料、好ましくは空腹時血漿試料である、配合剤。
【0437】
7.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~6の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは単一の投与形態における一定の組み合わせであり、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、配合剤。
【0438】
8.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~7の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者の体液試料中の少なくとも5個のアミノ酸を有するプロアドレノメデュリン(proADM)及び/又はその断片、好ましくは成熟アドレノメデュリン(ADM-NH)の濃度が特定の閾値を超える、並びに前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、配合剤。
【0439】
9.8吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~8の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、実施形態1に記載の配合剤の群b.(iii)に記載の薬剤が、アンジオテンシンII阻害薬とアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNi)との組み合わせであり、特に前記ARNiが、
●ネプリライシン阻害薬の4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸と、
●非ペプチドトリアゾール由来のアンジオテンシン(AT)IIアンタゴニストの(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸IIとの組み合わせ、
好ましくは一定の組み合わせである、配合剤。
【0440】
10.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~9の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、一定期間、2つの異なる用量のそれぞれで前記配合剤を投与される、前記用量が、第1用量及び第2用量と称される、第1用量及び第2用量のそれぞれは、前記組合わせの各化学物質のそれぞれの用量を指す、並びに第1用量は、最初に、前記組み合わせの各化学物質の初期1日用量で一定期間投与され、その後、次の第2用量が一定期間、前記初期1日用量の2~4倍高い用量で投与される、配合剤。
【0441】
11.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~10の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【0442】
12.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、β遮断薬が、β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール;β-アドレナリン受容体遮断薬:1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール、1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩(CR/XL);前記β-1アドレナリン受容体アンタゴニスト:1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール、(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール、N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド、2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド、3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド、及び1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールを含む群から選択される、配合剤。
【0443】
13.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記ACE阻害薬が、前記プロリンのスルフヒドリル含有類似体:(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸、(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸、(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2、3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸、(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン、(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸、及び(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸を含む群から選択される、配合剤。
【0444】
14.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記MRA(ミネラル受容体アンタゴニスト)が、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、及び(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミドを含む群から選択される、配合剤。
【0445】
15.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記利尿薬が、3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸、2-[2,3-ジクロロ-4-(2-メチリデンブタノイル)フェノキシ]酢酸、4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸、1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレアなどのループ作用性利尿薬、3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-(ジアミノメチリデン)ピラジン-2-カルボキサミド、メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート、S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート、6-フェニルプテリジン-2,4,7-トリアミンなどのカリウム保持性利尿薬、6-クロロ-1,1-ジオキソ-4H-1λ6,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド、6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド、4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド、7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミドなどのチアジド利尿薬、及びそれらの混合物を含む群から選択される、配合剤。
【0446】
16.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~11の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、前記グリフロジンが、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール、ルセオグリフロジン、レモグリフロジンエタボナート(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[5-メチル-1-プロパン-2-イル-4-[(4-プロパン-2-イルオキシフェニル)メチル]ピラゾール-3-イル]オキシオキサン-2-イル]メチルカルボネート)、エタボン酸セルグリフロジン(エチル[(2R,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]フェノキシ]オキサン-2-イル]メチルカルボネート)、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール、(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール、及びそれらの混合物を含む群から選択される、配合剤。
【0447】
17.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~16の何れか一項に記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、下記薬剤の第2用量の組み合わせの化学物質のそれぞれの範囲は以下のとおりである、配合剤:
ACE阻害薬
カプトプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
エナラプリル:
(2S)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~10mg/日~20~40mg/日、好ましくは10~20mg/日~20~40mg/日、より好ましくは15~30mg/日~20~40mg/日である用量範囲、
リシノプリル:
(2S)-1-[(2S)-6-アミノ-2-[[(1S)-1-カルボキシ-3-フェニルプロピル]アミノ]ヘキサノイル]ピロリジン-2-カルボン酸
5~8.75mg/日~20~35mg/日、好ましくは10~17.5mg/日~20~35mg/日、より好ましくは15~26.25mg/日~20~35mg/日である用量範囲、
ラミプリル:
(2S,3aS,6aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
トランドラプリル:
(2S,3aR,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸
1mg/日~4mg/日、好ましくは2mg/日~4mg/日、より好ましくは3mg/日~4mg/日である用量範囲、
ベナゼプリル:
2-[(3S)-3-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-2-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-ベンザゼピン-1-イル]酢酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
フォシノプリル:
(2S,4S)-4-シクロヘキシル-1-[2-[(2-メチル-1-プロパノイルオキシプロポキシ)-(4-フェニルブチル)ホスホリル]アセチル]ピロリジン-2-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
モエキシプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
7.5mg/日~30mg/日、好ましくは15mg/日~30mg/日、より好ましくは22.5mg/日~30mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルアルギニン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2, 3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;(2S)-2-アミノ-5-(ジアミノメチリデンアミノ)ペンタン酸
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ペリンドプリルtert-ブチルアミン:
(2S,3aS,7aS)-1-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸;2-メチルプロパン-2-アミン
2mg/日~8mg/日、好ましくは4mg/日~8mg/日、より好ましくは6mg/日~8mg/日である用量範囲、
キナプリル:
(3S)-2-[(2S)-2-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]プロパノイル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-3-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
シラザプリル:
(4S,7S)-7-[[(2S)-1-エトキシ-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル]アミノ]-6-オキソ-1,2,3,4,7,8,9,10-オクタヒドロピリダジノ[1,2-a]ジアゼピン-4-カルボン酸
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、

β遮断薬
ビソプロロール:
1-(プロパン-2-イルアミノ)-3-[4-(2-プロパン-2-イルオキシエトキシメチル)フェノキシ]プロパン-2-オール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カルベジロール:
1-(9H-カルバゾール-4-イルオキシ)-3-[2-(2-メトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロパン-2-オール
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
コハク酸メトプロロール:
1-[4-(2-メトキシエチル)フェノキシ]-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オールのコハク酸塩
50mg/日~200mg/日、好ましくは100mg/日~200mg/日、より好ましくは150mg/日~200mg/日である用量範囲、
ネビボロール:
1-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-[[2-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]エタノール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
ナドロール:
(2R,3S)-5-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,3-ジオール
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
アセブトロール:
N-[3-アセチル-4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]ブタンアミド
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲、
ラベタロール:
2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(4-フェニルブタン-2-イルアミノ)エチル]ベンズアミド
200mg/日~800mg/日、好ましくは400mg/日~800mg/日、より好ましくは600mg/日~800mg/日である用量範囲、
セリプロロール:
3-[3-アセチル-4-[3-(tert-ブチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェニル]-1,1-ジエチルウレア
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
アテノロール:
2-[4-[2-ヒドロキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロポキシ]フェニル]アセトアミド
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
プロプラノロール:
1-ナフタレン-1-イルオキシ-3-(プロパン-2-イルアミノ)プロパン-2-オール
40mg/日~160mg/日、好ましくは80mg/日~160mg/日、より好ましくは120mg/日~160mg/日である用量範囲、

アンジオテンシン受容体遮断薬
カンデサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
8mg/日~32mg/日、好ましくは16mg/日~32mg/日、より好ましくは24mg/日~32mg/日である用量範囲、
バルサルタン:
(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸
80mg/日~320mg/日、好ましくは160mg/日~320mg/日、より好ましくは240mg/日~320mg/日である用量範囲、
ロサルタン:
[2-ブチル-5-クロロ-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-イル]メタノール
37.5mg/日~150mg/日、好ましくは75mg/日~150mg/日、より好ましくは112.5mg/日~150mg/日である用量範囲、
アジルサルタン:
2-エトキシ-3-[[4-[2-(5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]フェニル]メチル]ベンズイミダゾール-4-カルボン酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、
エプロサルタン:
4-[[2-ブチル-5-[(E)-2-カルボキシ-3-チオフェン-2-イルプロパ-1-エニル]イミダゾール-1-イル]メチル]安息香酸
150mg/日~600mg/日、好ましくは300mg/日~600mg/日、より好ましくは450mg/日~600mg/日である用量範囲、
イルベサルタン:
2-ブチル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]-1,3-ジアザスピロ[4.4]ノン-1-エン-4-オン
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
オルメサルタン:
5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピル-3-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]イミダゾール-4-カルボン酸
10mg/日~40mg/日、好ましくは20mg/日~40mg/日、より好ましくは30mg/日~40mg/日である用量範囲、
テルミサルタン:
2-[4-[[4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-2-プロピルベンズイミダゾール-1-イル]メチル]フェニル]安息香酸
20mg/日~80mg/日、好ましくは40mg/日~80mg/日、より好ましくは60mg/日~80mg/日である用量範囲、

ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)
エプレレノン:
メチル(1R,2S,9R,10R,11S,14R,15S,17R)-2,15-ジメチル-5,5’-ジオキソスピロ[18-オキサペンタシクロ[8.8.0.01,17.02,7.011,15]オクタデカ-6-エン-14,2’-オキソラン]-9-カルボキシレート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
スピロノラクトン:
S-[(7R,8R,9S,10R,13S,14S,17R)-10,13-ジメチル-3,5’-ジオキソスピロ[2,6,7,8,9,11,12,14,15,16-デカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17,2’-オキソラン]-7-イル]エタンチオエート
12.5mg/日~50mg/日、好ましくは25mg/日~50mg/日、より好ましくは37.5mg/日~50mg/日である用量範囲、
フィネレノン:
(4S)-4-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-5-エトキシ-2,8-ジメチル-1,4-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミド
10mg/日~20mg/日、好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、

ARNI
サクビトリル・バルサルタン:
4-[[(2S,4R)-5-エトキシ-4-メチル-5-オキソ-1-(4-フェニルフェニル)ペンタン-2-イル]アミノ]-4-オキソブタン酸/(2S)-3-メチル-2-[ペンタノイル-[[4-[2-(2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル]メチル]アミノ]ブタン酸II
48.5mg/51.5mg/日~194mg/206mg/日、好ましくは97mg/103mg/日~194mg/206mg/日、より好ましくは145.5mg/154.5mg/日~194mg/206mg/日である用量範囲、

利尿薬
フロセミド:
4-クロロ-2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸
10~60mg/日~40~240mg/日、好ましくは20~120mg/日~40~240mg/日、より好ましくは30~180mg/日~40~240mg/日である用量範囲、
ブメタニド:
3-(ブチルアミノ)-4-フェノキシ-5-スルファモイル安息香酸
0.25~1.25mg/日~1~5mg/日、好ましくは0.5~2.5mg/日~1~5mg/日、より好ましくは0.75~3.75mg/日~1~5mg/日である用量範囲、
トラセミド:
1-[4-(3-メチルアニリノ)ピリジン-3-イル]スルホニル-3-プロパン-2-イルウレア
2.5~5mg/日~10~20mg/日、好ましくは5~10mg/日~10~20mg/日、より好ましくは7.5~15mg/日~10~20mg/日である用量範囲、
ベンドロフルメチアジド:
3-ベンジル-1,1-ジオキソ-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
ヒドロクロロチアジド:
6-クロロ-1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1λ,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド
3.125~25mg/日~12.5~100mg/日、好ましくは6.25~50mg/日~12.5~100mg/日、より好ましくは9.375~75mg/日~12.5~100mg/日である用量範囲、
メトラゾン:
7-クロロ-2-メチル-3-(2-メチルフェニル)-4-オキソ-1,2-ジヒドロキナゾリン-6-スルホンアミド
0.625~2.5mg/日~2.5~10mg/日、好ましくは1.25~5mg/日~2.5~10mg/日、より好ましくは1.875~7.5mg/日~2.5~10mg/日である用量範囲、
インダパミド:
4-クロロ-N-(2-メチル-2,3-ジヒドロインドール-1-イル)-3-スルファモイルベンズアミド
0.625~1.25mg/日~2.5~5mg/日、好ましくは1.25~2.5mg/日~2.5~5mg/日、より好ましくは1.875~3.75mg/日~2.5~5mg/日である用量範囲、

グリフロジン:
ダパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
2.5mg/日~10mg/日、好ましくは5mg/日~10mg/日、より好ましくは7.5mg/日~10mg/日である用量範囲、
カナグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-[[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
75mg/日~300mg/日、好ましくは150mg/日から300mg/日、より好ましくは225mg/日~300mg/日である用量範囲、
エンパグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[[4-[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシフェニル]メチル]フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
6.25mg/日~25mg/日、好ましくは10mg/日~25mg/日、より好ましくは10mg/日~20mg/日である用量範囲、
エルツグリフロジン:
(1S,2S,3S,4R,5S)-5-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール
3.75mg/日~15mg/日、好ましくは7.5mg/日~15mg/日、より好ましくは11.25mg/日~15mg/日である用量範囲、
イプラグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
25mg/日~100mg/日、好ましくは50mg/日~100mg/日、より好ましくは75mg/日~100mg/日である用量範囲、
トホグリフロジン:
(3S,3’R,4’S,5’S,6’R)-5-[(4-エチルフェニル)メチル]-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ[1H-2-ベンゾフラン-3,2’-オキサン]-3’,4’,5’-トリオール
5mg/日~20mg/日、好ましくは10mg/日~20mg/日、より好ましくは15mg/日~20mg/日である用量範囲、
ルセオグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[5-[(4-エトキシフェニル)メチル]-2-メトキシ-4-メチルフェニル]-6-(ヒドロキシメチル)チアン-3,4,5-トリオール
1.25mg/日~5mg/日、好ましくは2.5mg/日~5mg/日、より好ましくは3.75mg/日~5mg/日である用量範囲、
ソタグリフロジン:
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-[(4-エトキシフェニル)メチル]フェニル]-6-メチルスルファニルオキサン-3,4,5-トリオール
100mg/日~400mg/日、好ましくは200mg/日~400mg/日、より好ましくは300mg/日~400mg/日である用量範囲。
【0448】
18.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、グリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は(正常な)呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させることを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記化合物は、単一の投与形態、好ましくは単一の丸剤で前記患者に同時に投与される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【0449】
19.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも4つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【0450】
20.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
少なくとも4つの化合物を含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)としてのビソプロロール、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤としてのラミプリル、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【0451】
21.実施形態1~21の何れか一項に記載の配合剤を含む、呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための経口医薬製剤であって、前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、経口医薬製剤。
【0452】
22.呼吸数を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、実施形態1~21の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、グリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- LVEFが40%以上、好ましくは50%以上の心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、第1用量及び第2用量と称される2つの異なる用量で前記配合剤を投与される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに
第1用量は、第2用量の4分の1用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【0453】
23.実施形態1~22の何れか一つに記載の急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、

下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンであって、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、グリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は(正常な)呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させることを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状を軽減するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、BNP濃度>200pg/mL及び/若しくはNT-proBNP濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
前記治療が、前記配合剤を毎日、好ましくは1日1回投与することである、
前記患者は心不全を有していないが、別の心血管疾患及び/又は糖尿病と腎疾患とからなる群から選択され得る非心臓性の別の疾患を有している、
配合が一定の組み合わせであり、前記組み合わせは1つの投与形態における一定の組み合わせである、前記投与形態は、丸剤、錠剤、液剤、カプセル、フィルム錠剤、及び糖衣錠からなる群から選択される、
前記患者の体液試料中のproADM及び/又は少なくとも5個のアミノ酸を有するその断片の濃度が特定の閾値を超える、前記体液試料が、血漿、血清、及び血液を含む群から選択される、
前記患者は、前記配合剤の第1用量を最長2~4週間投与され、その後、第2用量が少なくとも90日間投与される、並びに第1用量は、第2用量の半分用量(25%)であり、好ましくは第1用量は第2用量の35%であり、より好ましくは第1用量は第2用量の40%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の45%であり、さらにより好ましくは第1用量は第2用量の50%である、配合剤。
【0454】
24.呼吸数及び/若しくは酸素飽和度を正常値に回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持すること、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的とした、急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の治療に使用するための配合剤であって、
下記化合物のうち少なくとも3つを含み、前記化合物のそれぞれは化学物質であり、それぞれの化学物質は他の2つとは異なる:
a.β遮断薬(BB)、
b.(i)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、(ii)アンジオテンシンII阻害薬、及び(iii)アンジオテンシンII阻害薬とネプリライシン阻害薬との組み合わせ(ARNi)からなるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の群の1つの薬剤、
c.ミネラル受容体アンタゴニスト(MRA)、
d.グリフロジン、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンとも称される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、前記ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害薬、例えば、ダパグリフロジン又はエンパグリフロジンは、回復速度を回復させること、及び/又は呼吸数を維持すること、及び/又は酸素飽和度を回復させること及び/若しくは維持することを目的とし、並びに/又は呼吸困難の症状を改善することを目的として使用される、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬、
e.患者におけるうっ血の徴候及び/又は症状の発生を軽減又は予防するための利尿薬、
前記患者の体液試料が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度>200pg/mL及び/若しくはN末端(NT)プロホルモンBNP(NT-proBNP)濃度>600pg/mLである、並びに/又は患者がうっ血している及び/若しくは残留うっ血があり、前記体液試料が、血液、血漿、及び血清を含む群から選択される、
並びに前記患者が、
- 左心室駆出率(LVEF)が40%未満である心不全患者、又は
- 心不全を有さない患者である、配合剤。
【0455】
配列
配列番号1(proADM):164アミノ酸(preproADMのアミノ酸22~185)
ARLDVASEF RKKWNKWALS RGKRELRMSS SYPTGLADVK AGPAQTLIRP QDMKGASRSP EDSSPDAARI RVKRYRQSMN NFQGLRSFGC RFGTCTVQKL AHQIYQFTDK DKDNVAPRSK ISPQGYGRRR RRSLPEAGPG RTLVSSKPQA HGAPAPPSGS APHFL
配列番号2(ProアドレノメデュリンN-20末端ペプチド、PAMP):preproADMのアミノ酸22~41
ARLDVASEF RKKWNKWALS R
配列番号3(中央領域プロアドレノメデュリン、MR-proADM):preproADMのアミノ酸45~92
ELRMSS SYPTGLADVK AGPAQTLIRP QDMKGASRSP EDSSPDAARI RV
配列番号4(成熟アドレノメデュリン(成熟ADM)、アミド化ADM、bio-ADM)アミノ酸95~146-CONH
YRQSMN NFQGLRSFGC RFGTCTVQKL AHQIYQFTDK DKDNVAPRSK ISPQGY - CONH
配列番号5(アドレノメデュリン1-52-Gly(ADM1-52-Gly)):preproADMのアミノ酸95~147
YRQSMN NFQGLRSFGC RFGTCTVQKL AHQIYQFTDK DKDNVAPRSK ISPQGYG
配列番号6(C末端プロアドレノメデュリン、CT-proADM):preproADMのアミノ酸148~185
RRR RRSLPEAGPG RTLVSSKPQA HGAPAPPSGS APHFL
【図面の簡単な説明】
【0456】
図1図1は、各製剤の時間に応じたビソプロロールの溶解量を示した図である。
図2図2は、各製剤の時間に応じたラミプリルの溶解量を示した図である。
図3図3は、各製剤の時間に応じたスピロノラクトンの溶解量を示した図である。
図4図4は、各製剤の時間に応じたフロセミドの溶解量を示した図である。
【実施例
【0457】
実施例1
抗体の生成及びそれらの親和性定数の測定
国際公開第2018/007588号パンフレットには、以下に示すようにADMのN末端(NT-ADM)、中間領域(MR-ADM)、及びC末端(CT-ADM)部分に結合するマウスモノクローナル抗体の開発並びにそれらの親和性定数の測定(表1)が記載されている。
【0458】
『本発明による実施例部分の抗体、抗体断片、及び非Ig足場はADMに結合するため、抗ADM抗体/抗体断片/非Ig足場として考慮されるべきであることが強調される。
【0459】
免疫用ペプチド
ペプチドは、JPT Peptide Technologies社(ベルリン、ドイツ)から供給された。ペプチドは、Sulfo-SMCC架橋法を使用してBSAに結合した。架橋手順は、製造業者(Thermo Fisher Scientific社(Pierce))の指示に従って実施した。
【0460】
マウス抗体の生成
Balb/cマウスを、0日目及び14日目に100μgのペプチド-BSA-コンジュゲート(100μLの完全フロイントアジュバントで乳化)で、並びに21日目及び28日目に50μgのペプチド-BSA-コンジュゲート(100μLの不完全フロイントアジュバント中)で免疫した。融合実験を行う3日前に、前記動物に、100μLの生理食塩水に溶解した50μgの前記コンジュゲートを、腹腔内注射1回及び静脈内注射1回として投与した。
【0461】
前記免疫化マウスからの脾細胞及び骨髄腫細胞株SP2/0の細胞を、1mLの50%ポリエチレングリコールと37℃で30秒間融合させた。洗浄後、前記細胞を96ウェル細胞培養プレートに播種した。ハイブリッドクローンを、HAT培地(20%ウシ胎児血清及びHATサプリメントを添加したRPMI 1640培地)中で増殖させることによって選択した。2週間後、前記HAT培地をHT培地に交換して3回継代し、その後標準の細胞培養培地に戻した。
【0462】
融合の3週間後に、細胞培養上清を抗原特異的IgG抗体について一次スクリーニングした。陽性判定の微小培養物を、増殖のために24ウェルプレートに移した。再試験後、選択した培養物をクローン化し、限界希釈技術を用いて再クローン化し、アイソタイプを決定した(Lane, 1985. J. Immunol. Meth. 81: 223-228; Ziegler et al. 1996. Horm. Metab.Res. 28: 11-15)。
【0463】
【表3】
【0464】
モノクローナル抗体の産生
抗体は標準的な抗体産生方法によって産生し(Marx et al, 1997. Monoclonal Antibody Production, ATLA 25, 121)、プロテインAで精製した。抗体純度は、SDSゲル電気泳動分析に基づいて95%超であった。
【0465】
親和性定数
アドレノメデュリンに対する抗体の親和性を測定するために、Biacore 2000システム(GE Healthcare Europe社、フライブルク、ドイツ)を使用したラベルフリーの表面プラズモン共鳴によって、固定化抗体へのアドレノメデュリンの結合動力学を決定した。抗体の可逆的固定化は、製造業者の指示に従ってCM5センサー表面に高密度で共有結合した抗マウスFc抗体を使用して実施した(マウス抗体捕捉キット、GE Healthcare社)。
【0466】
標識手順(トレーサー)
100μg(100μL)の抗体(PBS中1mg/mL、pH7.4)を10μLのアクリジニウムのNHSエステル(アセトニトリル中1mg/mL、InVent社、ドイツ)(欧州特許第EP0353971(B1)号明細書)と混合し、室温で20分間インキュベートした。標識CT-Hを、Bio-Sil(登録商標)SEC400-5(Bio-Rad Laboratories社、米国)上でゲル濾過HPLCによって精製した。精製した標識抗体を希釈した(300mmol/L リン酸カリウム、100mmol/L 塩化ナトリウム(NaCl)、10mmol/L Na-EDTA、5g/L ウシ血清アルブミン、pH7.0)。最終濃度は、200μLあたりの標識化合物(約20ngの標識抗体)で約800,000相対光単位(RLU)であった。アクリジニウムエステル化学発光は、AutoLumat LB 953(Berthold Technologies社)を使用して測定した。
【0467】
固相
ポリスチレンチューブ(Greiner Bio-One社、オーストリア)を抗体(1.5μg抗体/0.3mLの100mmol/L 塩化ナトリウム(NaCl)及び50mmol/L トリス塩酸緩衝液(TRIS-HCl)、pH7.8)でコーティングした(室温で18時間)。5%ウシ血清アルブミンでブロッキングした後、前記チューブをPBS、pH7.4で洗浄し、真空乾燥した。
【0468】
キャリブレーター
合成ヒトADM(Bachem社、スイス)を、50mM トリス塩酸緩衝液(TRIS-HCl)、250mM 塩化ナトリウム(NaCl)、0.2%Triton X-100、0.5%BSA、20錠/Lの完全プロテアーゼ阻害薬カクテルタブレット(Roche社)(pH7.8)を使用して直線的に希釈した。キャリブレーターは使用前に-20℃で保管した。』
【0469】
実施例2
高いシグナル/ノイズ比をもたらす抗体の組み合わせの決定
国際公開第2018/007588号パンフレットに記載されているADM免疫測定法:
50μLの試料(又はキャリブレーター)をコーティングされたチューブにピペットで移し、標識二次抗体(200μL)を加えた後、前記チューブを室温で2時間インキュベートした。未結合のトレーサーを、洗浄溶液(20mM PBS、pH7.4、0.1%Triton X-100)で5回(各1mL)洗浄することによって除去した。チューブ結合化学発光は、前記LB 953(Berthold Technologies社)を使用して測定した。
【0470】
全ての抗体は、コーティングされたチューブ及び標識抗体としてサンドイッチイムノアッセイで使用され、以下のバリエーションで組み合わせた(表2を参照)。インキュベーションは、hADM-イムノアッセイで記載されているように実施した。結果を、特異的シグナル(10ng/mL ADM)/バックグラウンド(ADMを含まない試料)シグナルの比で示す。
【0471】
【表4】
【0472】
驚くべきことに、本発明者らは、最も高いシグナル/ノイズ比の組み合わせとして、MR-ADM及びCT-ADMの組み合わせを見出した。
【0473】
続いて、この抗体の組み合わせをさらなる研究に使用した。固相抗体としてMR-ADMを、標識抗体としてCT-ADMを使用した。アッセイの分析感度(10回の実行の平均、ADMを含まない試料+2SD)は、2pg ADM/mLであった。
【0474】
実施例3
国際公開第2018/007588号パンフレットに記載されているヒトアドレノメデュリンの安定性:
ヒトADMをヒトクエン酸血漿で希釈し(n=5、最終濃度:10ng ADM/mL)、24℃でインキュベートした。選択した時点で、アリコートを-20℃で凍結した。前記試料を解凍した直後に、上記のhADMイムノアッセイを使用してhADMを定量した。
【0475】
表3に、24℃でのヒト血漿中のhADMの安定性を示す。
【0476】
【表5】
【0477】
驚くべきことに、サンドイッチ免疫アッセイにおけるMR-ADM及びCT-ADMの抗体組み合わせを使用すると、分析物の分析前の安定性が高くなる(免疫反応性の平均損失はわずか0.9%/h)。対照的に、他のアッセイ法を使用した場合、血漿半減期はわずか22分と報告されている(Hinson et al. 2000 Endocrine Reviews 21(2):138-167)。病院での所定の試料採取から分析までの時間は2時間未満であるため、使用されるADM検出方法は所定の診断に適している。注目すべきことは、許容可能なADM免疫反応性の安定性を達成するために、試料への所定外の添加剤(アプロチニン(Ohta et al. 1999. Clin Chem 45 (2): 244-251)など)を必要としないことである。
【0478】
実施例4
国際公開第2018/007588号パンフレットに記載される以下のキャリブレーター調製の再現性:
本発明者らは、ADMアッセイ用のキャリブレーターを調製し、結果に大きなばらつきがあることを見出した(平均変動係数(CV)8.5%、表4を参照)。これは、プラスチック面及びガラス面へのhADMの吸着性が高いことによる可能性がある(Lewis et al. 1998. Clinical Chemistry 44 (3): 571-577)。この効果は、界面活性剤(最大1% Triton X100又は1% Tween(登録商標) 20)、タンパク質(最大5%BSA)、及び高イオン強度(最大1M塩化ナトリウム(NaCl))、又はそれらの組み合わせを添加しても、わずかに減少するだけであった。驚くべきことに、過剰の抗ADM抗体(10μg/mL)をキャリブレーター希釈緩衝液に添加すると、ADMアッセイキャリブレーター調製におけるリカバリー及び再現性は、調製間CVの1%未満まで大幅に改善された(表4)。
【0479】
幸いなことに、N末端抗体の存在は、MR末端抗体及びC末端抗体の組み合わせによって生成されるADMシグナルに影響しなかった(図1)。
【0480】
【表6】
【0481】
キャリブレーターの調製間変動
ADMアッセイキャリブレーターは、10μg/mLのNT-ADM抗体を含む場合と含まない場合とで、上記のように調製した。変動係数(CV)は、5回の独立した調製の実行から得られる。キャリブレーターは、上記のADMアッセイを使用して測定した(s/n-r=シグナル対ノイズ比)。以下の全ての研究では、10μg/mLのNT-ADM抗体及びトレーサー緩衝液中の補助剤として10μg/mLのNT-ADM抗体の存在下で調製したキャリブレーターに基づくADMアッセイを使用した。
【0482】
実施例5
国際公開第2018/007588号パンフレットに記載される感度の測定:
アッセイ感度の目標は、健康な対象のADM濃度を完全にカバーすることであった。
【0483】
健康な対象のADM濃度
健康な対象(n=100、平均年齢56歳)を、ADMアッセイを使用して測定した。中央値は24.7pg/mL、最低値は11pg/mL、99パーセンタイルは43pg/mLであった。アッセイ感度は2pg/mLであったため、記載されているADMアッセイを使用して全ての健康な対象の100%が検出可能であった。
【0484】
市販の完全自動均一時間分解蛍光免疫測定法を使用して、血漿中のMR-proADMを測定した(BRAHMS MR-proADM KRYPTOR、BRAHMS社、ヘニングスドルフ、ドイツ)(Caruhel et al. 2009. Clin Biochem. 42 (7-8):725-8)。
【0485】
実施例6
併用療法の研究
本研究の目的は、呼吸困難患者を追跡し、治療及び頻繁な来院がどのように改善を促進するかを確認することである。
【0486】
患者は、以下の組み入れ基準に従って3箇所の緊急治療室に組み入れられた:息切れ、酸素飽和度が95%未満、20回/分を超える呼吸数。除外基準は、18歳未満又は85歳超、妊娠中の女性、若年時の喘息の病歴、肺塞栓症、駆出率40%未満の心不全であった。プロトコールは倫理委員会によって承認され、患者は説明を受け、署名による同意が得られた。
【0487】
患者は、担当医師が適切と判断した場合に、緊急治療室から病棟へ退出するか、自宅へ退院した。退院から90日までの間、患者は主治医の決定に従い、概して2つの手順に従って管理された:定期的な治療及び90日目に1回外来での経過観察受診又は前述のような神経内分泌系の集中的抑制であり(Kimmoun A et al., Safety, Tolerability and efficacy of Rapid Optimization, helped by NT-proBNP and GDF-15, of Heart Failure therapies (STRONG-HF): rationale and design for a multicentre, randomized, parallel-group study.; Eur J Heart Fail. 2019 Nov;21(11):1459-1467)15、30、60、及び90日目の病院での繰り返しの経過観察、及び必要かつ可能であれば、7、21、45、及び75日目の看護師及び/又は医師による追加の自宅訪問を伴う。
【0488】
入院時及び外来又は在宅訪問中に記録されたパラメータには、NHYAクラス、心拍数、血圧、呼吸数、酸素飽和度、体重、NT-proBNPが含まれる。
【0489】
息切れのため緊急治療室に入院した172人の患者の結果を報告する:109人は心臓性、63人は非心臓性の息切れであった。入院時、体重中央値は80.5kg、最高血圧は150mmHg、最低血圧は80mmHg、心拍数は100回/分、NYHA2、呼吸数は26呼吸/分、酸素飽和度は89%、血漿NT-proBNPは3908pg/mLであった。患者は緊急治療室及び病院で息切れに対する適切な治療を全て受けた。
【0490】
退院時、129人の患者は通常の退院療法及び90日目の来院を含む標準の処置を受け、43人の患者は神経内分泌系の集中的な抑制の後、綿密な経過観察を受けた。なお、入院時に通常の経過観察を受けた患者は、強力な内分泌抑制を受けた患者と比較して、体重、呼吸数、心拍数、血圧、NYHA、及び酸素飽和度が同等であった。
【0491】
息切れから退院して90日後、通常の経過観察群の治療には心臓血管薬の投薬はほとんど含まれなかった。この群の患者の25%には3又は4種類の心臓血管薬が投薬された。さらに、β遮断薬は、それが投与されたケースでは、ほとんどが4分の1の用量で投与され、ACE阻害薬又はARBはほとんどが半分の用量で投与された。90日目の集中的内分泌抑制群での治療には、患者の79%に3又は4種類の心臓血管薬が投薬された。さらに、β遮断薬及びACE阻害薬又はARBは、単独投与に準じて総量が投与された。後者の治療群では、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害薬も投与された患者はほとんどいなかった。
【0492】
90日目の時点で、集中的内分泌抑制群の患者は、呼吸数の低下(それぞれ中央値13対20、p=0.0008)、NYHAの低下(それぞれ1対2、p=0.006)、酸素飽和度の向上(それぞれ97対96%、p=0.0215)、心拍数の低下(それぞれ67対79、p=0.0014)、拡張期血圧の低下(67対80mmHg、p=0.0365)など、通常群と比較して呼吸状態及び健康状態が著しく良好であり、一方で収縮期血圧、NT-proBNP、及び体重は同等であった。
【0493】
集中的内分泌抑制群では、患者は綿密に経過観察された。これにより、治療開始から7日後に既に呼吸状態及び健康状態の改善が見られたことがわかった(n=16):呼吸数は13呼吸/分で、90日目の14呼吸/分と同様であり(p=0.80)、心拍数は63呼吸/分(bpm)で、90日目の66呼吸/分と同様であり(p=1.0)、酸素飽和度は98%で、90日目の97%と同様であった(p=0.82)。15日目のNYHAクラスは90日目と同様のレベルで改善した:NYHAクラス1は90日目のNYHAクラス1と同様であった(p=0.50)。
【0494】
呼吸困難患者の研究群全体で、心臓性か非心臓性かに関係なく、通常群と比較して集中的内分泌抑制群の呼吸状態及び健康状態の改善が見られた。したがって、呼吸困難が心臓性である場合、90日目では、通常群と比較して、集中的内分泌抑制群では、呼吸数の低下(それぞれ中央値13対20、p=0.0011)、NYHAの低下(それぞれ中央値1対2(平均値1.8対1.5)、p=0.178)、酸素飽和度の向上(それぞれ98%対96%、p=0.0215)、心拍数の低下(それぞれ75対67、p=0.0014)などを含む、呼吸状態及び健康状態の改善が見られた。呼吸困難が非心臓性である場合、90日目では、通常群と比較して、集中的内分泌抑制群では、呼吸数の低下(それぞれ中央値14対19、p=0.249)、健康状態(それぞれ中央値1対1(平均値1.7対1.1)、p=0.0099)、酸素飽和度の向上(それぞれ97%対96%、p=0.30)、心拍数の低下(それぞれ68対84、p=0.0235)などを含む、呼吸状態及び健康状態の改善が見られた。
【0495】
さらに、死亡率は対照群の14.7%と比較して、集中的内分泌抑制群の方が4.7%と低かった。これは、研究対象となった全ての患者に当てはまり、呼吸困難が心臓性であるものは4.2%、非心臓性であるものは15.3%であった。再入院の減少を支持する傾向も見られ、集中的内分泌抑制群では14%、対照群では15.5%であった。
【0496】
別の研究で、本発明者らは、生物学的に活性な形態のアドレノメデュリン及びナトリウム利尿ペプチドの血漿濃度の組み合わせにより、β遮断薬とアンジオテンシン変換酵素阻害薬との関連によりさらなる効果が得られる患者を特定できる可能性があることを示した。急性呼吸困難で入院した807人の患者のうち、血漿中のアドレノメデュリンの生物学的活性濃度が35pg/mLを超え、NT-proBNPの血漿濃度が2000pg/mLを超えた患者(n=293)では、β遮断薬及びアンジオテンシン変換酵素阻害薬で治療した場合、死亡リスクが半分に減少した(HR0.50)[四分位範囲0.37-0.68]。
特許出願を支持する論拠を伴う研究の結論
急性及び/又は持続性呼吸困難を有する患者の場合、集中的な治療計画により以下に至る:
- 下記を伴う呼吸数の低下、NYHAの低下、酸素飽和度の向上。
- 同時投与の安全性及び有効性
- 投与の簡便化
【0497】
実施例7
ガレヌス製剤試験
本研究の目的は、ビソプロロール、ラミプリル、スピロノラクトン、及びフロセミドの4つの有効成分を含む即時放出カプセルの開発である。
【0498】
したがって、単回投与で薬物の投与が容易になり、呼吸困難患者のコンプライアンスが向上する。
【0499】
カプセルは、サイズ1のカプセル充填剤を使用して用手的に調製された。
【0500】
カプセルサイズn1は、高齢者が遭遇する可能性のある嚥下問題を考慮して選択された。
【0501】
有効成分の推奨用量は、急性及び慢性心不全の診断及び治療に関する2016年のESCガイドラインに従って確立された。
【0502】
使用される賦形剤は、クロスポビドンXL、CMCPH102、Granulac(登録商標)140、及びステアリン酸マグネシウムである。
【0503】
5種類の製剤を作製した。ある製剤から別の製剤へは、クロスポビドン(崩壊剤)及びCMC(結合剤、希釈剤)の割合のみを変更した。
【0504】
溶解研究は、4つの有効成分に関するUSPモノグラフを参照して、t=0で実施した。
【0505】
したがって、得られた結果は、前記カプセルが、カプセル内で使用及び混合された各有効成分についてのUSPモノグラフの溶解試験に準拠していることを示している。
【0506】
安定性の研究が現在進行中である。
【0507】
材料及び方法
・材料
使用した有効成分及び賦形剤を以下の表に示す。
【0508】
【表7】
【0509】
使用した材料及び装置を以下の表に示す。
【0510】
【表8】
【0511】
●製造:
各製剤は、以下に説明する割合及び量に従って薬剤師によって用手的に製造された。
【表9】
【0512】
各製剤について250個のカプセルを製造した。
【0513】
有効成分及び賦形剤を精密天秤で注意深く秤量した。
【0514】
フロセミドは光に対して感受性であるため、最後に最小限の光で計量した。
【0515】
作業者はフロセミドの光への曝露を最小限に抑えて作業した。
【0516】
有効成分及び賦形剤の混合は、混合物の均一性を保証するために、磁器製乳鉢で正確な順序で行った。
【0517】
数回圧縮した後の混合物の測定体積は125mL(すなわち、0.5mLのカプセル250個)であった。
【0518】
カプセル充填剤を、平坦で乾燥した清潔な面に置いた。250個のカプセルを粉末全体を用いて均一にレベル充填した。
【0519】
そして、カプセルを30個のカプセルを含む脱水キャップ付きの不透明なピルボックスに包装した。
【0520】
●溶解研究:
ビソプロロールの溶解:
【0521】
ビソプロロールの標準水溶液は、0.005mg/mLの濃度で調製した。
【0522】
1つは賦形剤のみを含み、もう1つは賦形剤及びビソプロロール以外の3つの有効成分を含む、2つの水性ブランクを調製した。
【0523】
900mLの水を各溶解容器に入れ、温度を37℃に、回転速度を75rpmに設定した。各製剤の6カプセルを各容器に移した。パドルを容器内に沈めた。
【0524】
t=5、10、15、20、及び30分の時点で、5mLの試料を採取し、メタノール、トリエチルアミン、リン酸、及び水の混合物(160:5:2.5:35)で2倍に希釈した。
【0525】
分析は、227nmでUV検出器に接続されたLCモードで実行した。使用したカラムは、LiChrosorb(登録商標)RP-85μm Hibar(登録商標)RT250-4.6である。溶出速度は1mL/分、注入量は50μLに設定した。移動相は、pH4.0±0.1であるメタノール、トリエチルアミン、及び水の混合物(34:1:50)であった。
【0526】
ラミプリルの溶解:
ラミプリル標準溶液は0.01mg/mLの濃度で調製した。
【0527】
1つは賦形剤のみを含み、もう1つは賦形剤及びラミプリル以外の3つの有効成分を含む、2つのブランクを0.1N塩酸中で調製した。
【0528】
500mLの0.1N塩酸を各溶解容器に入れ、温度を37℃に、回転速度を75rpmに調整した。各製剤の6カプセルを各容器に移した。パドルを容器内に沈めた。
【0529】
t=5、10、15、20、及び30分の時点で、5mLの試料を採取した。
【0530】
分析は、210nmでUV検出器に接続されたLCモードで実行した。使用したカラムはHypersil(登録商標)BDS C18カラム(150mm×4.6mm、5μm)である。溶出速度は1mL/分、注入量は100μLに設定した。移動相は、過塩素酸ナトリウム、トリエチルアミン、アセトニトリル、及び水の混合物であった。
【0531】
スピロノラクトンの溶解:
スピロノラクトンの標準溶液は、0.025mg/mLの濃度で調製した。
【0532】
1つは賦形剤のみを含み、もう1つは賦形剤及びスピロノラクトン以外の3つの有効成分を含む、2つのブランクを0.1%ラウリル硫酸ナトリウムを含む0.1N塩酸中で調製した。
【0533】
0.1%ラウリル硫酸ナトリウムを含有する1Lの0.1N塩酸を各溶解容器に入れ、温度を37℃に、回転速度を75rpmに設定した。各製剤の6カプセルを各容器に移した。パドルを容器内に沈めた。
【0534】
t=15、30、45、及び60分の時点で、5mLの試料を採取した。
【0535】
分析は242nmのUV分光法によって行った。
【0536】
フロセミドの溶解:
フロセミドの標準溶液は、pH5.8のリン酸緩衝液中で0.01mg/mLの濃度で調製した。
【0537】
1つは賦形剤のみを含み、もう1つは賦形剤及びフロセミド以外の3つの有効成分を含む、2つのブランクをpH5.8のリン酸緩衝液中で調製した。
【0538】
900mLのpH5.8のリン酸緩衝液を各溶解容器に入れ、温度を37℃に、回転速度を50rpmに調整した。各製剤の6カプセルを各容器に移した。パドルを容器内に沈めた。
【0539】
t=15、30、45、及び60分の時点で、5mLの試料を採取し、溶解媒体で希釈した。
【0540】
分析は274nmのUV分光法によって行った。
【0541】
結果
各表は、各分子の時間に応じて溶解した有効成分の量を示した結果である。
【0542】
【表10】
【0543】
【表11】
【0544】
【表12】
【0545】
【表13】
【0546】
各分子の時間に応じて溶解した有効成分の量を示した結果のグラフを、図1図4に示す。
【0547】
検討:
USPモノグラフのビソプロロール溶解試験によれば、20分後に6つのカプセルのそれぞれに溶解したビソプロロールの量が85%以上であれば、カプセルは適合している。20分経過した時点で、溶解したビソプロロールの量は、5つの製剤で109.6%~116.4%である(図1)。
【0548】
USPモノグラフのラミプリル溶解試験によれば、30分後に6つのカプセルのそれぞれに溶解したラミプリルの量が85%以上であれば、カプセルは適合している。30分経過した時点で、溶解したラミプリルの量は、5つの製剤で92%~102%である(図2)。
【0549】
USPモノグラフのスピロノラクトン溶解試験によれば、60分後に6つのカプセルのそれぞれに溶解したスピロノラクトンの量が80%以上であれば、カプセルは適合している。60分経過した時点で、溶解したスピロノラクトンの量は、5つの製剤で108.8%~117.2%である(図3)。
【0550】
USPモノグラフのフロセミド溶解試験によれば、60分後に6つのカプセルのそれぞれに溶解したフロセミドの量が85%以上であれば、カプセルは適合している。60分経過した時点で、溶解したフロセミドの量は、5つの製剤で88%~94%である(図4)。
【0551】
結論:
5つの製剤はすべて、ビソプロロール、ラミプリル、スピロノラクトン、及びフロセミドの溶解に関するUSPの承認基準を満たしている。
【0552】
製剤4は、カプセルの開発について検証されたものである。
【0553】
標準条件及び加速条件下での安定性研究を実施するために、新しいバッチを製造した。
【0554】
実施例8
本発明による配合剤の具体的な組成:
第1の組み合わせ:下記を含む特定の第1期間の第1用量を単一錠剤の形態で投与
β遮断薬 2.5mg
ACE阻害薬 5mg
MRA 10mg
グリフロジン(Glifozine) 10mg;
第2の組み合わせ(第1用量による数週間の治療後):特定の第2期間の第2用量を単一錠剤の形態で投与
β遮断薬 5mg
ACE阻害薬 10mg
MRA 20mg
グリフロジン(Glifozine) 20mg
【0555】
実施例9
本発明による配合剤の具体的な組成:
特定の第1期間の第1用量(単一錠剤)
製造される全用量錠剤は下記を含む
- ビソプロロール 5mg
- ラミプリル 5mg
- スピロノラクトン 12.5mg
- フロセミド 40mg
特定の第2期間において投与するための第1用量による数週間の治療後の第2用量(単一錠剤)
製造される全用量錠剤は下記を含む
- ビソプロロール 10mg
- ラミプリル 10mg
- スピロノラクトン 25mg
- フロセミド 80mg
図1
図2
図3
図4
【配列表】
2023553571000001.app
【国際調査報告】