(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】プロフード単位体及び膨化食品製品の調製
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20231218BHJP
A23L 7/161 20160101ALI20231218BHJP
【FI】
A23L5/00 E
A23L7/161
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023512664
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 IL2021051015
(87)【国際公開番号】W WO2022038612
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523057596
【氏名又は名称】トゥッティパフス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サト,ゼメル
(72)【発明者】
【氏名】アーロンソン,ギラッド
【テーマコード(参考)】
4B025
4B035
【Fターム(参考)】
4B025LB10
4B025LE03
4B025LG01
4B025LG27
4B025LG41
4B025LG51
4B025LP01
4B025LP05
4B035LC16
4B035LG20
4B035LG32
4B035LG33
4B035LG34
4B035LG36
4B035LG38
4B035LG42
4B035LG43
4B035LG44
4B035LP01
4B035LP35
4B035LP36
4B035LP37
(57)【要約】
膨化食品製品を調製するためのプロフード単位体及びプロフード単位体を製造する方法。プロフード単位体シェルは、第1の食材を含み、シェルは、破壊閾値条件に達しない温度/圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とする。シェル内に収容されるプロフード単位体の内部は、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む第2の食材を含み、加熱された場合の蒸気の圧力の増加が、破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造される。プロフード単位体のマイクロペレットは、押出プロセスを使用して調製され、コーティングプロセスでコーティングしてシェルを形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨化食品製品を調製するためのプロフード単位体であって、
シェル食材を含むシェルであって、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とするシェル、及び
前記シェル内に収容された内部であって、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む内部食材を含む内部
を含み、前記プロフード単位体が加熱されたときの前記蒸気の増加した圧力が前記破壊閾値条件に達すると前記シェルの破裂を引き起こし、高圧での前記蒸気の突然の放出が誘発され、結果として前記デンプンが膨化して膨化食品製品が製造され、
前記内部食材が、
野菜及び果物からなる群から選択される第1の内部成分、及び
乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物からなる群から選択される10%w/w内部未満の第2の内部成分
を含む、プロフード単位体。
【請求項2】
膨化食品製品を調製するためのプロフード単位体であって、
シェル食材を含むシェルであって、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とするシェル、及び
前記シェル内に収容された内部であって、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む内部食材を含む内部
を含み、前記プロフード単位体が加熱されたときの前記蒸気の増加した圧力が前記破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧での前記蒸気の突然の放出が誘発され、結果として前記デンプンが膨化して膨化食品製品が製造され、
前記内部食材が、野菜、果物及びマメ類からなる群から選択される第1の内部成分を含み、
前記内部食材が、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物からなる群から選択される成分のいずれも含まず、前記内部食材の前記デンプンが前記第1の内部成分のみから供給される、
プロフード単位体。
【請求項3】
前記第1の内部成分が、食用根植物、食用球根、サツマイモ、ダイコン、ビート、レンズマメ、ヒヨコマメ、スイートピー、食用キノコ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、トマト、ズッキーニ、カボチャ、タマネギ、ニンニク、セロリ、ホウレンソウ、リンゴ、柑橘類の果実、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、卵、チーズ、牛乳又はその派生物、肉及び肉の代用品、魚及び魚の代用品、藻類及び/又は海藻、ダイズ、マメ、アボカド、アボカドピット、モリンガ、キノア、アマランス、乳清、ダイズ、ダイズ由来タンパク質、その調製物及びその混合物、からなる群の少なくとも1つを少なくとも10%(w/w内部)含む、請求項1又は2に記載のプロフード単位体。
【請求項4】
前記第1の内部成分が、前記群の少なくとも1つを少なくとも15%(w/w内部)含む、請求項3に記載のプロフード単位体。
【請求項5】
前記シェル食材が、ゼイン、食用セルロース、食用脂肪酸、脂質、フルフリルアルコール、多糖類、ぬか、天然の食用繊維、植物由来の食用熱可塑性物質、食用バイオポリマー、リグニン、リグニン-多糖類の組み合わせ、デンプン、リグニン-デンプンの組み合わせ、アミロース、アミロペクチン、アミロース-アミロペクチンの組み合わせ、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、マメ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンズマメ、その調製物及びその混合物からなる群の少なくとも1つを、少なくとも10重量%(w/w)含む、請求項1又は2に記載のプロフード単位体。
【請求項6】
前記内部食材が、糖衣菓、チョコレートで包まれたナッツ及びフルーツ、冷凍食品、プロセスチーズ、ナゲット、及びクランチナッツからなる群のいずれも含まない、請求項1又は2に記載のプロフード単位体。
【請求項7】
前記内部食材が、10~35%w/wの天然植物由来デンプンを含む、請求項1又は2に記載のプロフード単位体。
【請求項8】
コーティングされたペレット、
天然の穀物を含む内部を含むコーティングされたペレット、
乾燥野菜及びさいの目切り果物の少なくとも1つの食材を含む内部を含むコーティングされたペレット、
食材の第1のセットを含む第1の部分と、食材の第2のセットを含む第2の部分とを含む内部を含むコーティングされたペレット、
半球状の形態に分割された内部を含むコーティングされたペレット、
コアとシュラウドとの形態に分割された内部を含むコーティングされたペレット、
食材の第1のセット及び食材の第2のセットを含む内部を含むコーティングされたペレット、及び
結合したペレットの凝集体であって、該結合したペレットの各々がそれぞれのペレット形態を含む、凝集体
からなる群から選択される形態を含む、請求項1又は2に記載のプロフード単位体。
【請求項9】
膨化食品製品を調製するために使用されるプロフード単位体を製造する方法であって、
マイクロペレットを調製する手順であって、該マイクロペレットが、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む内部食材を含む、手順、
前記マイクロペレットをコーティングして、シェル食材を含むシェルを形成する手順であって、該シェルが、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とする、手順
を含み、
加熱されたときの前記蒸気の増加した圧力が前記シェルの前記破壊閾値条件に達すると前記シェルの破裂を引き起こし、高圧での前記蒸気の突然の放出が誘発され、結果として前記デンプンが膨化して膨化食品製品が製造され、
前記内部食材が、
野菜及び果物からなる群から選択される第1の内部成分、及び
乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物からなる群から選択される10%w/w内部未満の第2の内部成分
を含む、方法。
【請求項10】
膨化食品製品を調製するために使用されるプロフード単位体を製造する方法であって、
マイクロペレットを調製する手順であって、該マイクロペレットが、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む内部食材を含む、手順、
前記マイクロペレットをコーティングして、シェル食材を含むシェルを形成する手順であって、該シェルが、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とする、手順
を含み、
加熱されたときの前記蒸気の増加した圧力が前記シェルの破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧での前記蒸気の突然の放出が誘発され、結果として前記デンプンが膨化して膨化食品製品が製造され、
前記内部食材が、野菜、果物及びマメ類からなる群から選択される第1の内部成分を含み、
前記内部食材が、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物からなる群から選択される成分のいずれも含まず、前記内部食材の前記デンプンが前記第1の内部成分のみから供給される、方法。
【請求項11】
前記マイクロペレットを調製する手順が、
所定のレシピに従って乾燥食材を調製すること、
調製された乾燥食材材料を混合すること、
混合された材料に水を添加して更に混合すること、
得られた塊を押出機中に供給すること、
押し出された塊を切断して、選択されたサイズと形状の少なくとも1つのマイクロペレットを形成すること、及び
形成されたマイクロペレットを乾燥させること
からなる群から選択される少なくとも1つのサブ手順を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記マイクロペレットをコーティングしてシェルを形成する手順が、
少なくとも1つの調製されたマイクロペレットをコーティング用に指定されたデバイスに配置すること、
コーティング材料混合物をマイクロペレットに添加すること、
マイクロペレットを加熱及び回転させて外側シェルを生成すること、
コーティングされたマイクロペレットを冷却及び/又は乾燥させること、及び
コーティングされたマイクロペレットを包装すること
からなる群から選択される少なくとも1つのサブ手順を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~8のいずれかに記載のプロフード単位体から調製された膨化食品製品。
【請求項14】
膨化食品製品を調製する方法であって、
請求項1又は2に記載されたプロフード単位体を用意する手順、
前記プロフード単位体を加熱して、第2の食材内に含まれる液体が蒸気を形成するように誘発する手順、及び
破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧の前記蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造されるまで、前記プロフード単位体を加熱して内部の前記蒸気の増加した圧力を誘発する手順
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に食品製品に関し、特に膨化食品製品及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膨化食品は、種々のタイプのスナック、チップス及び朝食用シリアルを含む、スーパーマーケット及び食料品店で入手できるさまざまな市販食品製品に見出せる。これらの膨化食品は、さまざまな形、サイズ及び食感があり、加熱すると体積が膨張して膨化する基本的な食材単位体から作られる。より具体的には、膨化食品の調製は、天然の穀物(例えば、コムギ、コメ、トウモロコシ)又は事前に調製されたマイクロペレット(通常、さまざまな食品粉を含む)などの食材を、通常は圧力上昇と同時に、比較的短い期間(例えば、数秒又は数分)加熱することを伴う。加熱された食材の内圧が高まると、元来含まれている水分や湿気が蒸気に変換される。加熱はまた、デンプンなどの熱可塑性を特徴とする天然に含まれるバイオポリマー化合物を柔らかくしなやかにさせる。最終的に内圧が臨界点(Pc)に達すると、その結果、強力な爆発と、含まれているバイオポリマー材料(例えば、デンプン)の急激な膨張が起こる。臨界点でのこの爆発の動力学は、基本的な食材単位体の内圧、外圧と内圧の圧力差(ΔP)、プロセス温度、熱への曝露時間及びその他の変数を含むさまざまな要因に依存する。爆発と圧力の急速な解放の後、食材マトリックスは急速に冷却され、バイオポリマー又はデンプンが固化するように温度が下がり、膨化した、多孔質の、膨張した緩い配置になる。
【0003】
例えば、最も一般的でよく知られている膨化食品の1つはポップコーンである。ポップコーン穀粒は、シェル又は外皮内に含まれるデンプン質の胚乳を含んでいる。穀粒が加熱されると、胚乳の湿気が蒸気に変わり、シェルが破裂するまで蒸気圧が徐々に高まり、胚乳のデンプンとタンパク質が膨張して泡状材料になり、それが次いで急速に冷却されて膨化した形になる。膨化食品は、単一の食材から調製することができるが、風味を高め、消費者に関心を持たせるために追加の材料や添加剤を含めることができる。パンなどの一部の膨化食品製品は、加熱によりシェルや皮が形成される場合がある。
【0004】
原材料は、加熱する前に、押出又は加圧プロセスなどによって所望の形状に成形することができる。膨化食材の加熱は、オーブン、フライパン、又は蓋付き鍋などの従来の加熱用具及び器具、又は加圧鋳型を備えた膨化機などの特別に指定されたデバイスを使用して、焼く又は揚げることによって行うことができる。従来の焼成プロセスでは、材料の膨張は通常、パン生地内の酵母などの外部膨張剤によって発生し、生地内の気泡の放出を引き起こす。したがって、膨張は一般に、実際の焼成段階の前(すなわち、生地をオーブンに入れる前)及び、焼成のごく最初の段階で起こる。対照的に、膨化食材の膨張は、内部要素、特に基本的な食材単位体に自然に含まれる水又は湿気に起因する。この湿気は加熱時に蒸気状態に達し、その後含まれるデンプンの膨張の開始に必要な、十分な圧力を生成する。したがって、膨化食品の調製は、加熱及び加圧段階の前に食材が膨張するのに長い待ち時間を必要としない。
【0005】
特定の基本的な食材は、簡単なプロセスで、特別に指定された機械やデバイスを必要とせずに、膨化食品を調製するのに使用できる。例えば、ポップコーンは、ポット又は袋で加熱できる、容易に入手できるポップコーン穀粒から、自宅で気軽に比較的迅速かつ便利に調製することができる。小児に人気のある傾向の特定のスナックやシリアルなど、更に他のタイプの膨化食品は、指定された施設で商業メーカーによって製造される必要がある。膨化食品単位体を調製するための既存の食材単位体、技術及びデバイスは数多くあるが、膨化食品のタイプ及び種類は、現在入手可能なものをはるかに超えて拡大する可能性がある。
【0006】
さまざまな膨化食品製品及び関連する製造技術が、当技術分野で知られている。いくつかの例は、U.S.Patent No.6,511,691、Willoubyら、名称「Food products and co-injection processes for preparing same」、U.S.Patent Application No.2013/0251877、Levinら、名称「Snack products and method for producing same」、U.S.Patent Application No.2006/0013925、Baumanら、名称「Vacuum puffed and expanded fruit」、U.S.Patent No.4,948,609、Nafisi-Movaghar、名称「Fruit and vegetable dried food product」、及び、Korean Patent No.101908530、Korea Food Res Inst、名称「Manufacturing method of puffed nuts granule snack and puffed nuts granule snack prepared therefrom」に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,511,691号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0251877号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0013925号明細書
【特許文献4】米国特許第4,948,609号明細書
【特許文献5】韓国登録特許第10-1908530号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
したがって、本発明の一態様によれば、膨化食品製品を調製するためのプロフード単位体が提供される。プロフード単位体は、第1の食材を含むシェルを含み、シェルは、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とする。プロフード単位体は、シェル内に収容された内部を更に含み、内部は、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む第2の食材を含む。プロフード単位体が加熱されたときの蒸気の増加した圧力の増加が破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧での蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造される。第2の食材は、食用根植物、食用球根、ジャガイモ、サツマイモ、ダイコン、キャッサバ、タピオカ、ビート、レンズマメ、ヒヨコマメ、スイートピー、食用キノコ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、トマト、ズッキーニ、カボチャ、タマネギ、ニンニク、セロリ、ホウレンソウ、リンゴ、柑橘類の果実、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、卵、チーズ、牛乳又はその派生物、肉及び肉代用品、魚及び魚の代用品、藻類及び/又は海藻、ダイズ、マメ、マメ類、アボカド、アボカドピット、テフ、オオムギ、モリンガ、キノア、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、ダイズ、ダイズ由来タンパク質、その調製物及びその混合物のうちの少なくとも1つを少なくとも10%(w/w内部)、又は少なくとも15%(w/w内部)で含んでもよい。第1の食材は、ゼイン、食用セルロース、食用脂肪酸、脂質、フルフリルアルコール、多糖類、ぬか、天然の食用繊維、植物由来の食用熱可塑性物質、食用バイオポリマー、リグニン、リグニン-多糖類の組み合わせ、デンプン、リグニン-デンプンの組み合わせ、アミロース、アミロペクチン、アミロース-アミロペクチンの組み合わせ、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、マメ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンズマメ、その調製物及びその混合物のうちの少なくとも1つを、少なくとも10%(w/w内部)で含むことができる。第2の食材は、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物のうちの少なくとも1つを、10%(w/w内部)未満で含んでもよい。プロフード単位体は、糖衣菓、チョコレートで包まれたナッツ及びフルーツ、冷凍食品、プロセスチーズ、ナゲット、及びクランチナッツの少なくとも1つは含まなくてもよい。第2の食材は、10~35%w/wの天然植物由来デンプンを含んでもよい。プロフード単位体の形態は、コーティングされたペレット、天然の粒子を含む内部を含むコーティングされたペレット、乾燥野菜及びさいの目切り果物の少なくとも1つの食材を含む内部を含むコーティングされたペレット、食材の第1のセットを含む第1の部分と、食材の第2のセットを含む第2の部分を含む内部を含むコーティングされたペレット、半球状の形態に分割された内部を含むコーティングされたペレット、コアとシュラウドの形態に分割された内部を含むコーティングされたペレット、食材の第1のセット及び食材の第2のセットを含む内部を含むコーティングされたペレット、及び結合したペレットの凝集体であって、結合したペレットの各々が、それぞれのペレット形態を含む、凝集体の少なくとも1つを含むことができる。
【0009】
したがって、本発明のなお別の態様によれば、膨化食品製品を調製するために使用されるプロフード単位体を製造する方法が提供される。方法は、マイクロペレットを調製する手順を含み、マイクロペレットは、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む第2の食材を含む。方法は、マイクロペレットをコーティングして、第1の食材を含むシェルを形成する手順を更に含み、シェルは、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とし、加熱されてた場合の蒸気の圧力の増加が、シェルの破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造される。マイクロペレットを調製する手順は、所定のレシピに従って乾燥食材を調製すること、調製された乾燥食材材料を混合すること、混合された材料に水を添加し、更に混合すること、得られた塊を押出機中に供給すること、押し出された塊を切断して、選択されたサイズと形状の少なくとも1つのマイクロペレットを形成すること、及び形成されたマイクロペレットを乾燥させることのうちの少なくとも1つのサブ手順を含むことができる。マイクロペレットをコーティングしてシェルを形成する手順は、少なくとも1つの調製されたマイクロペレットをコーティング用に指定されたデバイスに配置すること、コーティング材料混合物をマイクロペレットに添加すること、マイクロペレットを加熱及び回転させて外シェルを生成すること、コーティングされたマイクロペレットを冷却及び/又は乾燥させること、並びにコーティングされたマイクロペレットを包装すること、のうちの少なくとも1つのサブ手順を含むことができる。
【0010】
したがって、本発明の更に別の態様によれば、第1の食材を含むシェルを含む、プロフード単位体から調製された膨化食品製品が提供され、シェルは、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性によって特徴付けられ、プロフード単位体は内部を更に含み、シェル内に収容され、内部は、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む第2の食材を含み、プロフード単位体が加熱されたときの蒸気の増加した圧力が破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造される。
【0011】
したがって、本発明のなお更なる態様によれば、膨化食品製品を調製する方法が提供される。方法は、第1の食材を含むシェルを含むプロフード単位体を用意する手順を含み、シェルは、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とし、プロフード単位体は、シェル内に収容された内部を更に含み、内部は、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む第2の食材を含む。方法は、プロフード単位体を加熱して、第2の食材内に含まれる液体が蒸気を形成するように誘発する手順、及び破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造されるまで、プロフード単位体を加熱して、内部の蒸気の圧力の増加を誘発する手順を更に含む。
【0012】
本発明は、図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から、より完全に理解され、認識される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に従って動作する膨化食品製品を調製するための方法の流れ図である。
【
図2A】
図2Aは、膨化プロセスを受けることができる天然穀物種子の断面概略図である。
【
図2B】
図2Bは、膨化プロセスを受けることができる市販のマイクロペレットの断面概略図である。
【
図2C】
図2Cは、本発明の実施形態に従って調製されたコーティングされたペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2D】
図2Dは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された天然穀物を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2E】
図2Eは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された食材を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2F】
図2Fは、本発明の実施形態に従って調製された、半球状の多成分形態を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2G】
図2Gは、本発明の実施形態に従って調製された、コア及びシュラウドの多成分形態を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2H】
図2Hは、本発明の実施形態に従って調製された、多成分及び多材料形態を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2I】
図2Iは、本発明の実施形態に従って調製された、異なる材料及び形態を有する結合ペレットの集塊プロフード単位体の断面概略図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施形態に従って構成され動作する、動作の第1段階における膨化食品製品を調製するための装置の図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施形態に従って構成され動作する、動作の第2段階における膨化食品製品を調製するための
図3Aの装置の図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の実施形態に従って構成され動作する、動作の第3段階における膨化食品製品を調製するための
図3Aの装置の図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体を調製するための方法の流れ図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの初期段階の図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの中間段階の図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの最終段階の図である。
【
図6】
図6は、商業用の膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイル(左)と、本発明の実施形態による開示された膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイル(右)とを比較する概略図である。
【0014】
本発明は、新規の膨化食品製品及びその調製方法、並びにそのような膨化食品製品を製造するための新規のプロフード単位体、及びそれらの調製方法を提供することによって、先行技術の欠点を克服する。開示された態様及び実施形態は、市販されていない、又はプロフード単位体若しくは膨化食品製品として知られていない食品単位体を含むと考えられる。開示された製品及び方法は、食用の膨化形態に調製できる食品、食材及び食料源の範囲を大幅に広げると考えられる。
【0015】
「プロフード単位体」という用語は、本明細書では、既知の食品単位体に限定されず、1つ以上の原材料(「食材」)から調製することができ、「膨化食品製品」を直接調製するのに使用される可能性がある、すなわち、それから膨化食品を調製するために補助材料をプロフード単位体に加える必要がないようにする、任意の加工済み又は未加工の食品物質を指すために使用される。
【0016】
「食材」という用語は、本明細書では、「プロフード単位体」を調製するために使用できる任意の加工済み又は未加工の食品物質を指すために使用される。
【0017】
「膨化食品」及び「膨化食品製品」という用語は、本明細書では、膨化調製プロセス(例えば、加熱及び/又は内圧上昇を含む)において「プロフード単位体」から調製され、1つ以上の食品物質の、泡状、ふわふわとしている、膨張した、「スポンジ状」形態など、膨化形成によって特徴付けられる任意の食品製品を指すために使用される。
【0018】
「ペレット」及び「マイクロペレット」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、「プロフード単位体」の少なくとも一部を形成し得る小さなペレット剤、錠剤又はカプセル剤を指す。
【0019】
本明細書で使用される「コンパートメント」という用語は、1つ以上の鋳型キャビティを含むセクションなど、選択された単位体をコンテナ内の他の単位体から分離して保持することができる、構造若しくはコンテナ、又は鋳型若しくは鋳型キャビティの別個のセクションを指す。
【0020】
プロフードシェルの調製など、プロフード単位体の調製の文脈で、本明細書で使用される用語「処理」及びその文法的変形は、熱(例えば、調理による)、及び/又は機械力(例えば、ミキサー又は流動床の手段による)、及び/又は食材の外層の化学組成を変えてもよく又は変えなくてもよい、及び例えば、マイクロペレットにコーティングを施すように食材の少なくとも1つの特性を変えてもよい、1つ以上の化学プロセス、及び/又は、その他の点では食材の1つ以上の内層に比べて1つ以上の外層の硬度及び剛性を増加させるなどの力又はエネルギーの使用を指す。
【0021】
「ユーザ」という用語は、本明細書では、デバイス又は装置又はシステムを操作するか、又は膨化食品の調理方法などの開示された実施形態の方法又はプロセスを実行する任意の個人又は団体を指すために使用される。
【0022】
議論において、特に明記しない限り、本発明の実施形態の1つ以上の特徴の状態又は関係特性を修飾するための「実質的に」及び「約」などの形容詞は、状態又は特性が、意図された用途のための実施形態の動作に許容可能である許容範囲内で定義されることを意味すると理解される。特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲における「又は」という語は、「排他的又は」ではなく「包括的又は」であると見なされ、結合する項目の少なくとも1つの又は任意の組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで
図1を参照すると、これは、本発明の実施形態に従って動作する膨化食品製品を調製するための方法の流れ図である。手順120において、プロフード単位体が提供される。プロフード単位体には、シェルと内部が含まれる。シェルは、第1の食材を含み、特定の温度及び圧力閾値条件に達しない破壊に耐えることができる硬度によって特徴付けられる。内部はシェル内に収容されており、第2の食材を含む。第2の食材は、少なくとも1種のデンプン及び、加熱されて蒸気を形成するのに適用する水などの液体を含む。デンプンは、精製された形であっても、天然材料に自然に含まれているものであってもよい。
【0024】
図2A~2Cを参照する。
図2Aは、101で参照される、膨化プロセスを受けることができる天然穀物種子(左)の断面概略図である。天然穀物種子101は、コムギ、コメ、トウモロコシ又はキノアなどの天然穀物の種子又は穀粒101であり、膨化調製プロセスを受けることができる。天然穀物種子101は、胚乳103及び胚芽104を含む外シェル102を含む。外シェル102は繊維が豊富であり、発芽して植物の成長を開始する種子胚である胚芽104を保護する。胚乳103は、胚芽104を取り囲み、主にデンプンの形態で栄養を提供するが、油及びタンパク質も含み得る。胚芽104は、製粉プロセスにおいて胚乳103から分離され得る。
図2Bは、107で参照される、膨化プロセスを受けることができる市販のマイクロペレットの断面概略図である。天然穀物種子101とは対照的に、市販のマイクロペレット107はいかなるシェルも含まず、さまざまなデンプン質の小麦粉などの食材の混合物を含む、単に球状又は円筒状の合成穀物であり、ショートパスタ製品の製造と同様に、押し出されカットされる。
【0025】
図2Cは、本発明の実施形態に従って調製された、111で参照される、コーティングされたペレットプロフード単位体の断面概略図である。プロフード単位体111は、内部113を包む外シェル112を含む。プロフード単位体111は、プロフード製造方法(以下で更に詳しく説明する)を使用して製造された、コーティングされたマイクロペレットの形態であってもよい。プロフード単位体111は、本明細書では例示目的で一般にマイクロペレットとして図示及び説明されているが、プロフード単位体は、本発明の実施形態による代替又は追加の形態を含んでもよい。
【0026】
プロフードシェル112は、天然又は合成であってもよい第1の食材を含む。プロフードシェル112の第1の食材は、以下の物質又は化合物:ゼイン、食用セルロース、食用脂肪酸、脂質、フルフリルアルコール、多糖類、ぬか、天然の食用繊維、植物由来の食用熱可塑性物質、食用バイオポリマー、リグニン、リグニン-多糖類の組み合わせ、デンプン、リグニン-デンプンの組み合わせ、アミロース、アミロペクチン、アミロース-アミロペクチンの組み合わせ、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、マメ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンズマメ、及び/又は、記載のコーティングを生成する能力などの同様の特性によって特徴付けられる他の材料、並びにその調製物及び混合物のうちの1つ以上を、シェルの少なくとも10重量%(w/w)又は重量百分率で含んでもよい。プロフードシェル112は、一般に、天然又は部分的に合成された食用化合物から製造することができる。例えば、プロフードシェル112は、食用(タピオカ)デンプンと食用繊維(セルロース)の交互コーティングから構成され得る。
【0027】
プロフード内部113は、デンプン及び加熱されて蒸気を形成する液体(例えば、水)を含む第2の食材を含む。プロフード内部113の第2の食材は、以下の物質又は化合物:食用根植物、食用球根、ジャガイモ、サツマイモ、ダイコン、キャッサバ、タピオカ、ビート、レンズマメ、ヒヨコマメ、スイートピー、食用キノコ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、トマト、ズッキーニ、カボチャ、タマネギ、ニンニク、セロリ、ホウレンソウなどのさまざまな野菜、リンゴ、柑橘類の果実、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどのさまざまな果物や果実:、卵、チーズ、牛乳又はその派生物、肉及び肉の代用品、魚及び魚の代用品、藻類及び/又は海藻、ダイズ、マメ、マメ類、アボカド、アボカドピット、テフ、オオムギ、モリンガ、キノア、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、ダイズ、ダイズ由来タンパク質及びその調製物並びにその混合物のうちの1つ以上を少なくとも10重量%(w/w)又は重量百分率、例えば少なくとも15%w/wで含むことができる。(前述の例示的な物質/化合物の少なくとも1つの)そのような濃度は、典型的には、これらの第2の食材を、一般に内部のおよそ5~10%w/wを超えない濃度で提供するプロフードマイクロペレット調製のための商業的に利用可能な技術の能力を超えていることが理解される。特に、少なくとも15%w/w内部の第2の食材の濃度は、従来の商業技術によって達成可能な濃度よりも著しく高い。第2の食材は、以下の食材:モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその調製物並びに混合物のうちの1つ以上を10重量%(w/w)未満で含んでもよい。第2の食材は、10~35重量%(w/w)の間などの特定の百分率の天然植物由来デンプンを含んでもよい。
【0028】
本発明の実施形態によれば、プロフードは、以下の食材:糖衣菓又は金平糖(ナッツ又はフルーツなどの中心材料がコーティングされた菓子類)、コーティングされたナッツ又はフルーツ(例えば、チョコレート又は砂糖でコーティングされたアーモンド)、冷凍食品、プロセスチーズ及び砂糖漬けのナッツのうちの1つ以上を含まない。
【0029】
特許請求の範囲に記載された本発明に従って膨化するように構成されたプロフードペレットは、
図2D~2Iに示されるように、追加の形態及び構成を含むことができる。
図2Dは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された天然穀物122を有するプロフード単位体ペレット121の断面概略図である。プロフード単位体121は、例えば、キノア、モロコシ、ソバなどの天然穀物122を含む内部を包む外シェルを含む。
図2Eは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された食材125を有するペレットプロフード単位体124の断面概略図である。プロフード単位体124は、例えば、乾燥野菜の塊、さいの目に切った果物などの食材125を含む内部を包む外シェルを含む。
図2Fは、本発明の実施形態に従って調製された、半球状の多成分形態を有するペレットプロフード単位体127の断面概略図である。プロフード単位体127は、第1の組成を有する第1の半球128と、天然穀物(プロフード単位体121の天然穀物122など)を含む第2の組成を有する第2の半球129とに分割される内部をコーティングする外シェルを含む。
図2Gは、本発明の実施形態に従って調製された、コア及びシュラウドの多成分形態を有するペレットプロフード単位体131の断面概略図である。プロフード単位体131は、第1の組成を有する内部コア132と、内部コア133を取り囲み、天然穀物(プロフード単位体121の天然穀物122など)を含む第2の組成を有する外部シュラウド133とに分割される内部をコーティングする外シェルを含む。
図2Hは、本発明の実施形態に従って調製された、多成分及び多材料形態を有するペレットプロフード単位体135の断面概略図である。プロフード単位体135は、2つの異なる食材セットを含む内部をコーティングする外シェル、すなわち、天然のドライフルーツなどの第1の食材セット136と、食用の種子又はナッツの破片などの第2の食材セットを含む。
図2Iは、本発明の実施形態に従って調製された、異なる材料及び形態を有する結合ペレットの集塊プロフード単位体140の断面概略図である。プロフード単位体140は、各々がそれぞれの形態及び組成を有する多数の結合ペレット141、142、143、144の凝集物である。特に、ペレット141は、コア及びシュラウドの多成分形態(
図2Gのプロフード単位体131と同様)を含み、ペレット142は、基本的なコーティングされたペレット形態(
図2Cのプロフード単位体111と同様)を含み、ペレット143は、多成分及び多材料形態(
図2Hのプロフード単位体135と同様)を含み、ペレット144は、半球状の多成分形態(
図2Fのプロフード単位体127と同様)を含む。
【0030】
図1を再び参照すると、手順130において、プロフード単位体は加熱されて、プロフードシェル内に含まれる第2の食材の液体が蒸気を形成するのを誘発する。加熱されたプロフードは、形成された蒸気の圧力を増加させ、破壊閾値条件(すなわち、特定の温度及び圧力閾値を超える)に達したときにシェルの破裂を引き起こし、これにより、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化及び冷却して膨化食品製品が製造される。
【0031】
ここで
図3A、3B及び3Cを参照すると、これらは、本発明の実施形態に従って構成され、動作する膨化食品製品を調製するための、概して150で参照される装置の概略図である。
図3Aは動作の第1段階にある装置150を示し、
図3Bは動作の第2段階にある装置150を示し、
図3Cは動作の第3段階にある装置150を示す。装置150は、少なくとも1つのコンパートメント162を有するコンテナ160を含む。装置150は、加熱デバイス170、圧力デバイス180、及び任意のスクリーニングデバイス190を更に含む。
【0032】
コンテナ160は、コンパートメント162内に配置された複数のプロフード単位体を受け取るように構成されている。加熱デバイス170は、コンパートメント162に熱を加えるように構成され、コンパートメント160の底面の下など、コンパートメント162の壁又は表面に隣接して配置されてもよい。例えば、加熱デバイス170は、ガスバーナー又は誘導ホブなどのコンロ若しくはガステーブルの一部、又は直火によって具体化され得る。加熱デバイス170は、コンテナ壁に設置された、又は鋳型アセンブリに組み込まれた(そのようなアセンブリが使用される場合)1つ以上の電気抵抗発熱体を含むことができる。加熱デバイス170は、任意の適切なメカニズムによって加熱を適用することができる、放射、熱伝導、磁気誘導、電気加熱などを含むがこれらに限定されない。
【0033】
圧力デバイス180は、コンパートメント162内の圧力を増減するように構成され、コンパートメント160の上面の上など、あるいは、コンパートメント160に連結されて、コンパートメント162の壁又は表面に隣接して配置され得る。圧力デバイス180は、例えば、コンパートメント162に通じるバルブを備えた産業用真空ポンプによって具体化されてもよく、コンパートメント162内の圧力は、ガス又は液体を選択的にコンパートメントに流入又は流出を許容する(圧力差が生じる)ように真空ポンプを動作させ、バルブを開くことによって、選択的に増加又は減少させることができる。アキュムレータは流体の流れを維持及び制御するために、真空ポンプ及びバルブに結合することができる。
【0034】
スクリーニングデバイス190は、コンパートメント162と圧力デバイス180との間に配置され、食材粒子がコンパートメント162から逃げて圧力デバイス180に入り、圧力デバイス180の汚染を引き起こす、及び/又は、その機能を損なう可能性があるのを防止するように構成されている。スクリーニングデバイス190は、グリッド、スクリーン、フィルタ、集塵機、重力又は圧力差分離機及びその組み合わせのうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない、少なくとも1つの分離機によって具体化され得る。分離器は、分離器から、又は分離器内のプロフード単位体粒子又は食材物質の除去を容易にするために、取り外し可能であり、実用的であり得る。
【0035】
装置150は、開示された主題の実施を可能にするために、図示されていない追加の構成要素を任意に含み、及び/又は関連付けることができる。
【0036】
膨化食品調製装置150の動作を一般用語で説明する。ユーザは、プロフード単位体111などの1つ以上のプロフード単位体を、コンテナ160のコンパートメント162内に配置する。プロフード単位体は、所定の形状及びサイズの鋳型165などのコンパートメント162内のそれぞれの鋳型内に配置され得、その後に製造される膨化食品の選択された形状及び/又はサイズを誘発するための加圧メカニズムと併せて使用され得る。例えば、金型の壁に電気抵抗発熱体を置き(射出成形と同様に)、金型を液圧プレス内に据えることができ、そこで実際の温度を検出するのに適したポイントに取り付けた熱電対(TC)センサなどのコントローラによって発熱体は制御される。あるいは、専用の鋳型を使用せずにプロフード単位体をコンパートメント162に直接配置することができる(この場合、コンパートメント162は本質的に鋳型キャビティとして機能する)。例えば、粒状のプロフード単位体は、凝集される必要があり得、したがって、鋳型又は1つ以上の指定されたキャビティに配置されることができるが、まるごとの新鮮な果物などの大きなプロフード単位体は、かなりの量のデンプン(例えば、シェルの少なくとも15%w/w)を含むシェル内に配置し、鋳型なしで、コンパートメント162で調製され得る。鋳型165の充填は、最終膨化食品製品の完全性及び意図した形状を確保するために重要であり得る。更に、コンパートメント162は、コンパートメント内に最小限の余分な空間を残すように充填されることができ、これは、適切で一貫した形状の最終膨化食品製品を提供するための調製プロセス中に必要な圧力低下の急速な開始を容易にするためである。
【0037】
装置150は、コンテナ160及びコンパートメント162内の温度及び圧力条件がデフォルト設定になるように初期化される。例えば、加熱デバイス170は連続的に動作し得、熱は調整器によって一定の温度に調整される一方、圧力デバイスが適用されていない場合、圧力は標準大気圧(すなわち室内圧力)である。次の操作段階(
図3Bに示す)では、圧力デバイス180を使用してコンパートメント162内の圧力を(徐々に)増加させ、実質的に同時に、加熱デバイス170を使用してコンパートメント162内の温度を(徐々に)上昇させる。例えば、電気抵抗発熱体を使用する場合、温度は一定で全体的に調整され、また、誘導加熱又はマイクロ波加熱を使用する場合、温度は必要に応じて変更される。圧力の増加又は減少は、通常、可能な限り高速で、典型的には0.2秒未満であり、1.0秒を超えない。あるいは、コンパートメント162が効果的に密閉されている場合、十分な湿分があれば、加熱デバイス170を使用して内部温度を上昇させることによって、コンパートメント162内の圧力増加を達成することができる。コンパートメント162内のプロフード単位体111は、上昇する温度及び圧力レベルに曝され、プロフード内部113内の湿分から蒸気が形成される。最終的に、プロフード単位体111は、蒸気圧の上昇によりプロフードシェル112が破壊又は破裂する破壊閾値条件に達する。プロフード単位体111の加熱はまた、プロフード内部113内の第1の食材、例えばデンプン中の熱可塑性バイオポリマー要素の軟化を引き起こす。
図3Bに示されている段階は任意であり、すべての食材と条件で事前加圧が必要なわけではないことに留意されたい。
【0038】
後続の操作段階(
図3Cに示される)では、加熱デバイス170がコンパートメント162内の温度を維持又は上昇させながら、コンパートメント162内の圧力を急激に低下させるために圧力デバイス180が採用される。圧力低下は、圧力デバイス180のピストン又は真空ポンプを液圧又は空気圧で急速に引くことによって、又は真空ポンプに接続された、接続された真空アキュムレータへのバルブを開くことなどによって達成され得る。圧力が急速に低下するため、外部の極低圧とプロフード単位体内のより高い圧力との圧力差が、シェル112の破裂又は「爆発」を引き起こし、続いてプロフード内部113内の第1の食材物質の膨張によって泡状構造になる。次いで、第1の食材デンプンは、急速に冷却され、膨化食品単位体118を製造するために膨化した形態を発達させ、これは、プロフード内部113内のデンプン及び他の材料がたやすく膨張し、次いで急速に冷却して、膨張した食材マトリックスを生成するのに役立つからである。スナックとして消費することができる食用の膨化ケーキの形態であり得る各膨化食品単位体118は、通常、多数のより小さいマイクロペレットから作られる。
【0039】
鋳型が急に開けられて、圧力が急速に解放されるときに、破壊が達成され得る。水蒸気が材料マトリックスから逃げ続けるため、膨化膨張は外気中で続く。開始から終了までのプロセス全体は、鋳型の開閉(持続時間の大部分を占める)を含めておよそ6~7秒であり得る。材料にもよるが、通常の加圧時間は0.1~2.0秒の間である。
【0040】
コンパートメント162内(又はその中の鋳型内)に最初に配置されるプロフード単位体の分量又は量は、所与の製造セッション又はサイクル中に製造される膨化食品の総量が、コンパートメント162内の利用可能なスペースのほとんど又はすべてを占めるのに十分であることを保証するように選択され得る。
【0041】
コンパートメント162は、圧力変化(減少)が実質的に急速であるように、実質的に低い空間容積を特徴とすることができ、これにより、第2の食材がプロフードシェル112を突然破裂させ、膨化に改良可能な市販の食材を使用した従来のシステムにより実行される膨化と比較して、その膨化を増進するプロセスを容易にすることができる。急速な膨張がコンパートメント及び/又は鋳型の急激な圧力低下を引き起こすため、圧力差(ΔP)がより高くなり、シェル/コーティングの破裂を誘発する。更に、この特性により、コンパートメント及び/又は鋳型内に真空圧を作り出すことができ、より高い圧力差(ΔP)が達成され、したがって、容易には膨らみにくい素材又は食材でも膨張及び膨化を誘発することができるため、従来の市販の食材を超えた新しいタイプのプロフード単位体の膨化が可能になる。結果として得られる膨化製品は、従来の膨化食品よりもクリスピーでふわふわ感がある可能性があり、同様の食材から作られた高密度の非膨化クラッカーと比較して、より大きな表面積を有し、更により軽量(例えば1グラム未満)である可能性があり、したがって、より心地よく、非常に満腹感がある。
【0042】
ここで
図4を参照すると、これは、本発明の実施形態に従って動作するプロフード単位体を調製するための方法の流れ図である。手順210では、プロフードマイクロペレットが調製される。プロフードマイクロペレットの調製は、例示目的で押出プロセスを使用して本明細書に記載されているが、造粒プロセスなどによって、プロフードマイクロペレットを調製するために代替的に他のデバイス及び技術を使用してもよいことが理解される。したがって、押出を使用したプロフードマイクロペレットの調製は、サブ手順211、212、213、214、215及び216を含む。サブ手順211では、所定のレシピに従って乾燥食材が調製される。
図5Aを参照すると、これは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの初期段階の図である。段階250では、食材の原材料が保管される。これらの原材料は、さまざまなタイプの穀物(252、255、256で参照)、根(253)、レンズマメ(254)、野菜などを含み得る。次いで、原材料は、製粉(ミル261による)、皮むき(ピーラー262による)、粉砕(グラインダー263による)、破砕(粉砕機264による)などを含むことができる第1の調製段階(260)を受ける。次いで、材料は、液体/湿気を除去するための絞り(絞り器272による)を含む第2の調製段階(270)を受け、続いて乾燥(乾燥装置282による)を含む第3の調製段階(280)を受ける。各乾燥食材は、適切なレシピとプロセスに従って調製される。例えば、乾燥食材は、乾燥した果物又は野菜の小片と共に小麦粉を含むことができ、新鮮な単位体を乾燥させて粉砕することができる。全体的なデンプン含有量が低すぎる場合は、植物由来のデンプンを添加してもよい。
【0043】
サブ手順212では、調製された材料が混合される。
図5Aを参照すると、段階290において、混合機292を使用して乾燥食材(例えば、ドライフルーツ/野菜片を含む小麦粉)が混合される。任意のサブ手順213では、水が加えられ、材料が更に混合される。生地状の塊の形成を助けるために、少量の水が加えられてもよく、食材組成物の異なる部分(例えば、小麦粉)を均一にするために更に混練又は混合する。次いで、得られた材料を乾燥粉末形態で保存する(段階300の要素302、304として示す)。
【0044】
サブ手順214では、得られた塊が押出機を通して供給される。
図5Bを参照すると、これはプロフード単位体の調製のための製造プロセスの中間段階の図である。段階310では、乾燥粉末材料(任意に水を加えたもの)が押出機312を通して供給される。塊は押出機312の一端から供給され、押出機バレルを通して塊を連続的に混合及び加圧する。バレルは、必要に応じて加熱又は冷却してもよい。塊は、押出機312の他方の端で、ノズル又は多数のオリフィスを有するスクリーンを通して押し出される。塊は、細長いストリップ(例えば、スパゲッティの長いストランドに似ている)などの指定された形状でオリフィスを出る。サブ手順215では、押し出された塊は、切断又は分割され、選択されたサイズと形状のマイクロペレットを形成する。押出機のオリフィスを出ると、塊は、出てくる細いストランドの直径にほぼ等しい長さになるように切断され、1つ以上の小さなマイクロペレットが作られる。各マイクロペレットの形状は、球状、又は円筒状、又は同様の中間形状などに変化し得る。サブ手順216では、形成されたマイクロペレットが乾燥される。マイクロペレットの乾燥は、後述するシェルコーティングプロセスの後に乾燥段階330で行うことができる。通常、乾燥は押し出しと切断後に行われるが、コーティングプロセス後に追加の乾燥が必要とされ得る。マイクロペレットの形状がより球状になるように意図されている場合、乾燥はスフェロナイザー、ノジュライザー又は回転式乾燥機内で行うことができる。
【0045】
手順220では、プロフードマイクロペレットはコーティングされシェルが形成される。プロフードシェルは、代替的に、限定されないが、共押出、表面処理、射出又は共射出、流動床、コーティングドラムなどを含むコーティング以外のプロセス及びデバイスを使用して形成されてもよいことに留意されたい。シェルの形成は、回転式乾燥機又は乾燥機ミキサーを使用するなど、加熱及び回転プロセスによって行うこともできる。したがって、コーティングプロセスを使用したプロフードシェルの形成は、サブ手順221、222、223、224及び225を含む。サブ手順221では、調製されたマイクロペレットが回転式乾燥機、流動床、又はミキサーなどの指定されたデバイスに配置される。任意のサブ手順222では、コーティング混合物がマイクロペレットに添加される。コーティング混合物と層は、多数の連続したステップ又は単一のステップで添加することができる。
図5Bを参照すると、段階320において、マイクロペレットは、コーティング装置322を使用する機械的又は熱的表面処理などによってコーティングされる。コーティング段階320は、貯蔵/包装段階340の前又は後、及びマイクロペレット乾燥段階330の前又は後など、押出段階310と原料調製段階350との間の他のステップで実施されてもよい。一部のマイクロペレットでは、コーティング材料を添加する必要はなく、直接加熱及び回転を受けることができる。サブ手順223では、マイクロペレットは加熱及び回転されて外シェルを生成する。生成されたシェルは、変換及び圧縮されたものであるものの、コアと同じ材料の組み合わせであり得、又は代替的に別のコーティング材料であり得る。追加のコーティング混合物が適用されると、コーティング粒子がマイクロペレット表面に沈着し、固化及び架橋して固体シェルを生成する。場合によっては、コーティング粒子の沈着は、マイクロペレットに軽く水を掛けることによって、又は静電荷を適用することによって改善することができる。コーティング混合物が添加されない場合、マイクロペレット自体の表面は加熱及び回転中に生じる機械的接触によって処理され、本質的にコアと同じ材料の組み合わせの外シェルが生成されるが、存在するデンプン、リグニン、多糖類などと共に、変換及び圧縮され、架橋される。
【0046】
任意のサブ手順224では、コーティングされたマイクロペレットが冷却及び/又は乾燥される。コーティングされたマイクロペレットの冷却及び/又は乾燥は、段階330に示される乾燥プロセスとの関連で実施され得る。更なるサブ手順225では、コーティングされたマイクロペレットが包装される。
図5Bを参照すると、コーティングされたマイクロペレットが包装されて、販売及び売買できる包装されたプロフード単位体を生成する(段階340)。コーティングされたマイクロペレットの一部は、プロフード単位体として売買及び小売りされる可能性があるが、他のものは、後で膨化食品製品に膨化するために保管され得る。(
図5Bに示すように)。
【0047】
図4の方法のサブ手順のいくつかは、省略されてもよく、及び/又は上述のものとは別の段階(例えば、それぞれのステップの前又は後)で実行されてもよいことに留意されたい。
【0048】
図5Cを参照すると、これはプロフード単位体の調製のための製造プロセスの最終段階の図である。プロフードペレットを製造するための初期の調製段階の後(
図5Aに示す)、及びプロフードペレットが実際に調製され、膨化の準備ができた後(
図5Bに示す)、プロフードペレットは売買のための準備ができた最終的な膨化製品(例えば、膨化ケーキ又はその他のスナック)に変換される。プロフード単位体は、段階350で原材料の調製、加圧又は膨化段階360、風味コーティング段階370、続いて包装380、そして小売り及び売買390を経る。
【0049】
図6を参照すると、これは、概して410で参照される商業用の膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイルと、概して420で参照される本発明の実施形態による開示された膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイルとを比較する概略図である。グラフ410、420は、栄養含有量の低下を温度とサイクル時間の組み合わせの関数として概略的に示す。グラフ410、420のy軸はプロセス温度を表す。プロセス温度が高いほど、栄養価の低下が大きくなる。グラフ410、420のx軸は、サイクル時間又はプロセス時間を表す。サイクル時間が長くなればなるほど、より高温に曝され、栄養価の低下がより大きくなる。総栄養低下は、曲線とベースラインの間のクロスハッチング領域によって表される。グラフ420は、コーティングされたマイクロペレット(すなわち、シェルを有する)及び真空強化膨化を使用する本発明の例示的な膨化プロセスを表す。
【0050】
グラフ410、420から、本発明の例示的な膨化プロセスは、プロセス温度を約50~60℃低下させ、したがって栄養低下を著しく最小化することが明らかである。更に、本発明の例示的な膨化プロセスは、サイクル時間を少なくとも30~40%で減少させ、したがって栄養低下を著しく最小化する。グラフ410に対するグラフ420のクロスハッチング領域の違いによって観察できるように、プロセス温度とサイクルタイムの削減の蓄積された効果は途方もなく大きいものである。したがって、本発明の膨化プロセスは、従来の又は商業用の膨化プロセスに存在する低下程度と比較して、おおよそ40~60%に減少した栄養低下を明確に示し、それにより、より栄養価の高い膨化食品製品を提供する。更に、より短いサイクル時間とより低いプロセス温度は、より低いエネルギー消費とより高い効率(所定の時間中に製造されるユニット数に関して)という形で経済的利益をもたらす。
【0051】
当業者が本発明を実施できるように、開示された主題の特定の実施形態を説明してきたが、前述の説明は例示のみを意図したものである。これは、以下の特許請求の範囲を参照することによって決定されるべき、開示された主題の範囲を限定するために使用されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に食品製品に関し、特に膨化食品製品及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膨化食品は、種々のタイプのスナック、チップス及び朝食用シリアルを含む、スーパーマーケット及び食料品店で入手できるさまざまな市販食品製品に見出せる。これらの膨化食品は、さまざまな形、サイズ及び食感があり、加熱すると体積が膨張して膨化する基本的な食材単位体から作られる。より具体的には、膨化食品の調製は、天然の穀物(例えば、コムギ、コメ、トウモロコシ)又は事前に調製されたマイクロペレット(通常、さまざまな食品粉を含む)などの食材を、通常は圧力上昇と同時に、比較的短い期間(例えば、数秒又は数分)加熱することを伴う。加熱された食材の内圧が高まると、元来含まれている水分や湿気が蒸気に変換される。加熱はまた、デンプンなどの熱可塑性を特徴とする天然に含まれるバイオポリマー化合物を柔らかくしなやかにさせる。最終的に内圧が臨界点(Pc)に達すると、その結果、強力な爆発と、含まれているバイオポリマー材料(例えば、デンプン)の急激な膨張が起こる。臨界点でのこの爆発の動力学は、基本的な食材単位体の内圧、外圧と内圧の圧力差(ΔP)、プロセス温度、熱への曝露時間及びその他の変数を含むさまざまな要因に依存する。爆発と圧力の急速な解放の後、食材マトリックスは急速に冷却され、バイオポリマー又はデンプンが固化するように温度が下がり、膨化した、多孔質の、膨張した緩い配置になる。
【0003】
例えば、最も一般的でよく知られている膨化食品の1つはポップコーンである。ポップコーン穀粒は、シェル又は外皮内に含まれるデンプン質の胚乳を含んでいる。穀粒が加熱されると、胚乳の湿気が蒸気に変わり、シェルが破裂するまで蒸気圧が徐々に高まり、胚乳のデンプンとタンパク質が膨張して泡状材料になり、それが次いで急速に冷却されて膨化した形になる。膨化食品は、単一の食材から調製することができるが、風味を高め、消費者に関心を持たせるために追加の材料や添加剤を含めることができる。パンなどの一部の膨化食品製品は、加熱によりシェルや皮が形成される場合がある。
【0004】
原材料は、加熱する前に、押出又は加圧プロセスなどによって所望の形状に成形することができる。膨化食材の加熱は、オーブン、フライパン、又は蓋付き鍋などの従来の加熱用具及び器具、又は加圧鋳型を備えた膨化機などの特別に指定されたデバイスを使用して、焼く又は揚げることによって行うことができる。従来の焼成プロセスでは、材料の膨張は通常、パン生地内の酵母などの外部膨張剤によって発生し、生地内の気泡の放出を引き起こす。したがって、膨張は一般に、実際の焼成段階の前(すなわち、生地をオーブンに入れる前)及び、焼成のごく最初の段階で起こる。対照的に、膨化食材の膨張は、内部要素、特に基本的な食材単位体に自然に含まれる水又は湿気に起因する。この湿気は加熱時に蒸気状態に達し、その後含まれるデンプンの膨張の開始に必要な、十分な圧力を生成する。したがって、膨化食品の調製は、加熱及び加圧段階の前に食材が膨張するのに長い待ち時間を必要としない。
【0005】
特定の基本的な食材は、簡単なプロセスで、特別に指定された機械やデバイスを必要とせずに、膨化食品を調製するのに使用できる。例えば、ポップコーンは、ポット又は袋で加熱できる、容易に入手できるポップコーン穀粒から、自宅で気軽に比較的迅速かつ便利に調製することができる。小児に人気のある傾向の特定のスナックやシリアルなど、更に他のタイプの膨化食品は、指定された施設で商業メーカーによって製造される必要がある。膨化食品単位体を調製するための既存の食材単位体、技術及びデバイスは数多くあるが、膨化食品のタイプ及び種類は、現在入手可能なものをはるかに超えて拡大する可能性がある。
【0006】
さまざまな膨化食品製品及び関連する製造技術が、当技術分野で知られている。いくつかの例は、U.S.Patent No.6,511,691、Willoubyら、名称「Food products and co-injection processes for preparing same」、U.S.Patent Application No.2013/0251877、Levinら、名称「Snack products and method for producing same」、U.S.Patent Application No.2006/0013925、Baumanら、名称「Vacuum puffed and expanded fruit」、U.S.Patent No.4,948,609、Nafisi-Movaghar、名称「Fruit and vegetable dried food product」、及び、Korean Patent No.101908530、Korea Food Res Inst、名称「Manufacturing method of puffed nuts granule snack and puffed nuts granule snack prepared therefrom」に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,511,691号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0251877号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0013925号明細書
【特許文献4】米国特許第4,948,609号明細書
【特許文献5】韓国登録特許第10-1908530号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
したがって、本発明によれば、膨化食品製品を調製するためのプロフード単位体が提供される。プロフード単位体は、シェル食材を含むシェルを含み、シェルは、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とする。プロフード単位体は、シェル内に収容された内部を更に含み、内部は、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む内部食材を含む。プロフード単位体が加熱されたときの蒸気の増加した圧力の増加が破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧での蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造される。本発明の一態様によれば、内部食材は、野菜及び果物の少なくとも一つの第1の内部成分と、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物の少なくとも一つである10%w/w内部未満の第2の内部成分とを含む。本発明の別の態様によれば、内部食材は、野菜、果物及びマメ類の少なくとも一つの第1の内部成分を含み、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物の少なくとも一つである成分のいずれも含まず、内部食材のデンプンが第1の内部成分のみから供給される。第1の内部成分は、食用根植物、食用球根、サツマイモ、ダイコン、ビート、レンズマメ、ヒヨコマメ、スイートピー、食用キノコ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、トマト、ズッキーニ、カボチャ、タマネギ、ニンニク、セロリ、ホウレンソウ、リンゴ、柑橘類の果実、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、卵、チーズ、牛乳又はその派生物、肉及び肉代用品、魚及び魚の代用品、藻類及び/又は海藻、ダイズ、マメ、アボカド、アボカドピット、モリンガ、キノア、アマランス、乳清、ダイズ、ダイズ由来タンパク質、その調製物及びその混合物のうちの少なくとも1つを少なくとも10%(w/w内部)、又は少なくとも15%(w/w内部)で含んでもよい。シェル食材は、ゼイン、食用セルロース、食用脂肪酸、脂質、フルフリルアルコール、多糖類、ぬか、天然の食用繊維、植物由来の食用熱可塑性物質、食用バイオポリマー、リグニン、リグニン-多糖類の組み合わせ、デンプン、リグニン-デンプンの組み合わせ、アミロース、アミロペクチン、アミロース-アミロペクチンの組み合わせ、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、マメ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンズマメ、その調製物及びその混合物のうちの少なくとも1つを、少なくとも10%(w/w)で含むことができる。内部食材は、糖衣菓、チョコレートで包まれたナッツ及びフルーツ、冷凍食品、プロセスチーズ、ナゲット、及びクランチナッツの少なくとも1つは含まなくてもよい。内部食材は、10~35%w/wの天然植物由来デンプンを含んでもよい。プロフード単位体の形態は、コーティングされたペレット、天然の粒子を含む内部を含むコーティングされたペレット、乾燥野菜及びさいの目切り果物の少なくとも1つの食材を含む内部を含むコーティングされたペレット、食材の第1のセットを含む第1の部分と、食材の第2のセットを含む第2の部分を含む内部を含むコーティングされたペレット、半球状の形態に分割された内部を含むコーティングされたペレット、コアとシュラウドの形態に分割された内部を含むコーティングされたペレット、食材の第1のセット及び食材の第2のセットを含む内部を含むコーティングされたペレット、及び結合したペレットの凝集体であって、結合したペレットの各々が、それぞれのペレット形態を含む、凝集体の少なくとも1つを含むことができる。本発明は、本発明の一態様によるプロフード単位体から調製された膨化食品製品をさらに含むものである。
【0009】
したがって、本発明によれば、膨化食品製品を調製するために使用されるプロフード単位体を製造する方法が提供される。方法は、マイクロペレットを調製する手順を含み、マイクロペレットは、少なくとも1種のデンプン及び加熱されて蒸気を形成するのに適用する液体を含む内部食材を含む。方法は、マイクロペレットをコーティングして、シェル食材を含むシェルを形成する手順を更に含み、シェルは、破壊閾値条件に達しない温度及び圧力に曝された場合に破壊に耐えることができる硬度及び剛性を特徴とし、加熱されてた場合の蒸気の圧力の増加が、シェルの破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造される。本発明の一態様によれば、内部食材は、野菜及び果物の少なくとも一つの第1の内部成分と、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物の少なくとも一つである10%w/w内部未満の第2の内部成分とを含む。本発明の別の態様によれば、内部食材は、野菜、果物及びマメ類の少なくとも一つの第1の内部成分を含み、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物の少なくとも一つである成分のいずれも含まず、内部食材のデンプンが第1の内部成分のみから供給される。マイクロペレットを調製する手順は、所定のレシピに従って乾燥食材を調製すること、調製された乾燥食材材料を混合すること、混合された材料に水を添加し、更に混合すること、得られた塊を押出機中に供給すること、押し出された塊を切断して、選択されたサイズと形状の少なくとも1つのマイクロペレットを形成すること、及び形成されたマイクロペレットを乾燥させることのうちの少なくとも1つのサブ手順を含むことができる。マイクロペレットをコーティングしてシェルを形成する手順は、少なくとも1つの調製されたマイクロペレットをコーティング用に指定されたデバイスに配置すること、コーティング材料混合物をマイクロペレットに添加すること、マイクロペレットを加熱及び回転させて外シェルを生成すること、コーティングされたマイクロペレットを冷却及び/又は乾燥させること、並びにコーティングされたマイクロペレットを包装すること、のうちの少なくとも1つのサブ手順を含むことができる。
【0010】
本発明によれば、膨化食品製品を調製する方法がさらに提供される。方法は、本発明の態様によるプロフード単位体を用意する手順、プロフード単位体を加熱して、第2の食材内に含まれる液体が蒸気を形成するように誘発する手順、及び破壊閾値条件に達するとシェルの破裂を引き起こし、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化して膨化食品製品が製造されるまで、プロフード単位体を加熱して、内部の蒸気の圧力の増加を誘発する手順を含む。
【0011】
本発明は、図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から、より完全に理解され、認識される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に従って動作する膨化食品製品を調製するための方法の流れ図である。
【
図2A】
図2Aは、膨化プロセスを受けることができる天然穀物種子の断面概略図である。
【
図2B】
図2Bは、膨化プロセスを受けることができる市販のマイクロペレットの断面概略図である。
【
図2C】
図2Cは、本発明の実施形態に従って調製されたコーティングされたペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2D】
図2Dは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された天然穀物を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2E】
図2Eは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された食材を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2F】
図2Fは、本発明の実施形態に従って調製された、半球状の多成分形態を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2G】
図2Gは、本発明の実施形態に従って調製された、コア及びシュラウドの多成分形態を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2H】
図2Hは、本発明の実施形態に従って調製された、多成分及び多材料形態を有するペレットプロフード単位体の断面概略図である。
【
図2I】
図2Iは、本発明の実施形態に従って調製された、異なる材料及び形態を有する結合ペレットの集塊プロフード単位体の断面概略図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施形態に従って構成され動作する、動作の第1段階における膨化食品製品を調製するための装置の図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施形態に従って構成され動作する、動作の第2段階における膨化食品製品を調製するための
図3Aの装置の図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の実施形態に従って構成され動作する、動作の第3段階における膨化食品製品を調製するための
図3Aの装置の図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体を調製するための方法の流れ図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの初期段階の図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの中間段階の図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの最終段階の図である。
【
図6】
図6は、商業用の膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイル(左)と、本発明の実施形態による開示された膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイル(右)とを比較する概略図である。
【0013】
本発明は、新規の膨化食品製品及びその調製方法、並びにそのような膨化食品製品を製造するための新規のプロフード単位体、及びそれらの調製方法を提供することによって、先行技術の欠点を克服する。開示された態様及び実施形態は、市販されていない、又はプロフード単位体若しくは膨化食品製品として知られていない食品単位体を含むと考えられる。開示された製品及び方法は、食用の膨化形態に調製できる食品、食材及び食料源の範囲を大幅に広げると考えられる。
【0014】
「プロフード単位体」という用語は、本明細書では、既知の食品単位体に限定されず、1つ以上の原材料(「食材」)から調製することができ、「膨化食品製品」を直接調製するのに使用される可能性がある、すなわち、それから膨化食品を調製するために補助材料をプロフード単位体に加える必要がないようにする、任意の加工済み又は未加工の食品物質を指すために使用される。
【0015】
「食材」という用語は、本明細書では、「プロフード単位体」を調製するために使用できる任意の加工済み又は未加工の食品物質を指すために使用される。
【0016】
「膨化食品」及び「膨化食品製品」という用語は、本明細書では、膨化調製プロセス(例えば、加熱及び/又は内圧上昇を含む)において「プロフード単位体」から調製され、1つ以上の食品物質の、泡状、ふわふわとしている、膨張した、「スポンジ状」形態など、膨化形成によって特徴付けられる任意の食品製品を指すために使用される。
【0017】
「ペレット」及び「マイクロペレット」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、「プロフード単位体」の少なくとも一部を形成し得る小さなペレット剤、錠剤又はカプセル剤を指す。
【0018】
本明細書で使用される「コンパートメント」という用語は、1つ以上の鋳型キャビティを含むセクションなど、選択された単位体をコンテナ内の他の単位体から分離して保持することができる、構造若しくはコンテナ、又は鋳型若しくは鋳型キャビティの別個のセクションを指す。
【0019】
プロフードシェルの調製など、プロフード単位体の調製の文脈で、本明細書で使用される用語「処理」及びその文法的変形は、熱(例えば、調理による)、及び/又は機械力(例えば、ミキサー又は流動床の手段による)、及び/又は食材の外層の化学組成を変えてもよく又は変えなくてもよい、及び例えば、マイクロペレットにコーティングを施すように食材の少なくとも1つの特性を変えてもよい、1つ以上の化学プロセス、及び/又は、その他の点では食材の1つ以上の内層に比べて1つ以上の外層の硬度及び剛性を増加させるなどの力又はエネルギーの使用を指す。
【0020】
「ユーザ」という用語は、本明細書では、デバイス又は装置又はシステムを操作するか、又は膨化食品の調理方法などの開示された実施形態の方法又はプロセスを実行する任意の個人又は団体を指すために使用される。
【0021】
議論において、特に明記しない限り、本発明の実施形態の1つ以上の特徴の状態又は関係特性を修飾するための「実質的に」及び「約」などの形容詞は、状態又は特性が、意図された用途のための実施形態の動作に許容可能である許容範囲内で定義されることを意味すると理解される。特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲における「又は」という語は、「排他的又は」ではなく「包括的又は」であると見なされ、結合する項目の少なくとも1つの又は任意の組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで
図1を参照すると、これは、本発明の実施形態に従って動作する膨化食品製品を調製するための方法の流れ図である。手順120において、プロフード単位体が提供される。プロフード単位体には、シェルと内部が含まれる。シェルは、第1の食材を含み、特定の温度及び圧力閾値条件に達しない破壊に耐えることができる硬度によって特徴付けられる。内部はシェル内に収容されており、第2の食材を含む。第2の食材は、少なくとも1種のデンプン及び、加熱されて蒸気を形成するのに適用する水などの液体を含む。デンプンは、精製された形であっても、天然材料に自然に含まれているものであってもよい。
【0023】
図2A~2Cを参照する。
図2Aは、101で参照される、膨化プロセスを受けることができる天然穀物種子(左)の断面概略図である。天然穀物種子101は、コムギ、コメ、トウモロコシ又はキノアなどの天然穀物の種子又は穀粒101であり、膨化調製プロセスを受けることができる。天然穀物種子101は、胚乳103及び胚芽104を含む外シェル102を含む。外シェル102は繊維が豊富であり、発芽して植物の成長を開始する種子胚である胚芽104を保護する。胚乳103は、胚芽104を取り囲み、主にデンプンの形態で栄養を提供するが、油及びタンパク質も含み得る。胚芽104は、製粉プロセスにおいて胚乳103から分離され得る。
図2Bは、107で参照される、膨化プロセスを受けることができる市販のマイクロペレットの断面概略図である。天然穀物種子101とは対照的に、市販のマイクロペレット107はいかなるシェルも含まず、さまざまなデンプン質の小麦粉などの食材の混合物を含む、単に球状又は円筒状の合成穀物であり、ショートパスタ製品の製造と同様に、押し出されカットされる。
【0024】
図2Cは、本発明の実施形態に従って調製された、111で参照される、コーティングされたペレットプロフード単位体の断面概略図である。プロフード単位体111は、内部113を包む外シェル112を含む。プロフード単位体111は、プロフード製造方法(以下で更に詳しく説明する)を使用して製造された、コーティングされたマイクロペレットの形態であってもよい。プロフード単位体111は、本明細書では例示目的で一般にマイクロペレットとして図示及び説明されているが、プロフード単位体は、本発明の実施形態による代替又は追加の形態を含んでもよい。
【0025】
プロフードシェル112は、天然又は合成であってもよい第1の(「シェル」)食材を含む。プロフードシェル112の第1の食材は、以下の物質又は化合物:ゼイン、食用セルロース、食用脂肪酸、脂質、フルフリルアルコール、多糖類、ぬか、天然の食用繊維、植物由来の食用熱可塑性物質、食用バイオポリマー、リグニン、リグニン-多糖類の組み合わせ、デンプン、リグニン-デンプンの組み合わせ、アミロース、アミロペクチン、アミロース-アミロペクチンの組み合わせ、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、マメ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンズマメ、及び/又は、記載のコーティングを生成する能力などの同様の特性によって特徴付けられる他の材料、並びにその調製物及び混合物のうちの1つ以上を、シェルの少なくとも10重量%(w/w)又は重量百分率で含んでもよい。プロフードシェル112は、一般に、天然又は部分的に合成された食用化合物から製造することができる。例えば、プロフードシェル112は、食用(タピオカ)デンプンと食用繊維(セルロース)の交互コーティングから構成され得る。
【0026】
プロフード内部113は、デンプン及び加熱されて蒸気を形成する液体(例えば、水)を含む第2の(「内部」)食材を含む。第2の食材は、野菜、果物及びマメ類の少なくとも一つの第1の内部成分を含んでもよい。第2の食材は、乾燥モロコシ、コメ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、穀類及びその混合物の一つ以上の食材である10%w/w内部未満の第2の内部成分を含んでもよい。プロフード内部113の第2の食材の第1の内部成分は、以下の物質又は化合物:食用根植物、食用球根、サツマイモ、ダイコン、キャッサバ、タピオカ、ビート、レンズマメ、ヒヨコマメ、スイートピー、食用キノコ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、トマト、ズッキーニ、カボチャ、タマネギ、ニンニク、セロリ、ホウレンソウなどのさまざまな野菜、リンゴ、柑橘類の果実、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどのさまざまな果物や果実:、卵、チーズ、牛乳又はその派生物、肉及び肉の代用品、魚及び魚の代用品、藻類及び/又は海藻、ダイズ、マメ、マメ類、アボカド、アボカドピット、テフ、オオムギ、モリンガ、キノア、アマランス、ペクチン、アルギン酸、アルギネート、ベータグルカン、キトサン、セルロースナノクリスタル(CNC)、乳清、プロラミン、アベニン、グリアジン、ホルデイン、セカリン、カフィリン、ダイズ、ダイズ由来タンパク質及びその調製物並びにその混合物のうちの1つ以上を少なくとも10重量%(w/w)又は重量百分率、例えば少なくとも15%w/wで含むことができる。(前述の例示的な物質/化合物の少なくとも1つの)そのような濃度は、典型的には、一般に内部のおよそ5~10%w/wを超えない濃度を提供するプロフードマイクロペレット調製のための商業的に利用可能な技術の能力を超えていることが理解される。特に、少なくとも15%w/w内部の第2の食材の第1の内部成分濃度は、従来の商業技術によって達成可能な濃度よりも著しく高い。第2の食材は、10~35重量%(w/w)の間などの特定の百分率の天然植物由来デンプンを含んでもよい。
【0027】
本発明の実施形態によれば、プロフードは、以下の食材:糖衣菓又は金平糖(ナッツ又はフルーツなどの中心材料がコーティングされた菓子類)、コーティングされたナッツ又はフルーツ(例えば、チョコレート又は砂糖でコーティングされたアーモンド)、冷凍食品、プロセスチーズ及び砂糖漬けのナッツのうちの1つ以上を含まない。
【0028】
特許請求の範囲に記載された本発明に従って膨化するように構成されたプロフードペレットは、
図2D~2Iに示されるように、追加の形態及び構成を含むことができる。
図2Dは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された天然穀物122を有するプロフード単位体ペレット121の断面概略図である。プロフード単位体121は、例えば、キノア、モロコシ、ソバなどの天然穀物122を含む内部を包む外シェルを含む。
図2Eは、本発明の実施形態に従って調製された、封入された食材125を有するペレットプロフード単位体124の断面概略図である。プロフード単位体124は、例えば、乾燥野菜の塊、さいの目に切った果物などの食材125を含む内部を包む外シェルを含む。
図2Fは、本発明の実施形態に従って調製された、半球状の多成分形態を有するペレットプロフード単位体127の断面概略図である。プロフード単位体127は、第1の組成を有する第1の半球128と、天然穀物(プロフード単位体121の天然穀物122など)を含む第2の組成を有する第2の半球129とに分割される内部をコーティングする外シェルを含む。
図2Gは、本発明の実施形態に従って調製された、コア及びシュラウドの多成分形態を有するペレットプロフード単位体131の断面概略図である。プロフード単位体131は、第1の組成を有する内部コア132と、内部コア133を取り囲み、天然穀物(プロフード単位体121の天然穀物122など)を含む第2の組成を有する外部シュラウド133とに分割される内部をコーティングする外シェルを含む。
図2Hは、本発明の実施形態に従って調製された、多成分及び多材料形態を有するペレットプロフード単位体135の断面概略図である。プロフード単位体135は、2つの異なる食材セットを含む内部をコーティングする外シェル、すなわち、天然のドライフルーツなどの第1の食材セット136と、食用の種子又はナッツの破片などの第2の食材セットを含む。
図2Iは、本発明の実施形態に従って調製された、異なる材料及び形態を有する結合ペレットの集塊プロフード単位体140の断面概略図である。プロフード単位体140は、各々がそれぞれの形態及び組成を有する多数の結合ペレット141、142、143、144の凝集物である。特に、ペレット141は、コア及びシュラウドの多成分形態(
図2Gのプロフード単位体131と同様)を含み、ペレット142は、基本的なコーティングされたペレット形態(
図2Cのプロフード単位体111と同様)を含み、ペレット143は、多成分及び多材料形態(
図2Hのプロフード単位体135と同様)を含み、ペレット144は、半球状の多成分形態(
図2Fのプロフード単位体127と同様)を含む。
【0029】
図1を再び参照すると、手順130において、プロフード単位体は加熱されて、プロフードシェル内に含まれる第2の食材の液体が蒸気を形成するのを誘発する。加熱されたプロフードは、形成された蒸気の圧力を増加させ、破壊閾値条件(すなわち、特定の温度及び圧力閾値を超える)に達したときにシェルの破裂を引き起こし、これにより、高圧で蒸気の突然の放出が誘発され、結果としてデンプンが膨化及び冷却して膨化食品製品が製造される。
【0030】
ここで
図3A、3B及び3Cを参照すると、これらは、本発明の実施形態に従って構成され、動作する膨化食品製品を調製するための、概して150で参照される装置の概略図である。
図3Aは動作の第1段階にある装置150を示し、
図3Bは動作の第2段階にある装置150を示し、
図3Cは動作の第3段階にある装置150を示す。装置150は、少なくとも1つのコンパートメント162を有するコンテナ160を含む。装置150は、加熱デバイス170、圧力デバイス180、及び任意のスクリーニングデバイス190を更に含む。
【0031】
コンテナ160は、コンパートメント162内に配置された複数のプロフード単位体を受け取るように構成されている。加熱デバイス170は、コンパートメント162に熱を加えるように構成され、コンパートメント160の底面の下など、コンパートメント162の壁又は表面に隣接して配置されてもよい。例えば、加熱デバイス170は、ガスバーナー又は誘導ホブなどのコンロ若しくはガステーブルの一部、又は直火によって具体化され得る。加熱デバイス170は、コンテナ壁に設置された、又は鋳型アセンブリに組み込まれた(そのようなアセンブリが使用される場合)1つ以上の電気抵抗発熱体を含むことができる。加熱デバイス170は、任意の適切なメカニズムによって加熱を適用することができる、放射、熱伝導、磁気誘導、電気加熱などを含むがこれらに限定されない。
【0032】
圧力デバイス180は、コンパートメント162内の圧力を増減するように構成され、コンパートメント160の上面の上など、あるいは、コンパートメント160に連結されて、コンパートメント162の壁又は表面に隣接して配置され得る。圧力デバイス180は、例えば、コンパートメント162に通じるバルブを備えた産業用真空ポンプによって具体化されてもよく、コンパートメント162内の圧力は、ガス又は液体を選択的にコンパートメントに流入又は流出を許容する(圧力差が生じる)ように真空ポンプを動作させ、バルブを開くことによって、選択的に増加又は減少させることができる。アキュムレータは流体の流れを維持及び制御するために、真空ポンプ及びバルブに結合することができる。
【0033】
スクリーニングデバイス190は、コンパートメント162と圧力デバイス180との間に配置され、食材粒子がコンパートメント162から逃げて圧力デバイス180に入り、圧力デバイス180の汚染を引き起こす、及び/又は、その機能を損なう可能性があるのを防止するように構成されている。スクリーニングデバイス190は、グリッド、スクリーン、フィルタ、集塵機、重力又は圧力差分離機及びその組み合わせのうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない、少なくとも1つの分離機によって具体化され得る。分離器は、分離器から、又は分離器内のプロフード単位体粒子又は食材物質の除去を容易にするために、取り外し可能であり、実用的であり得る。
【0034】
装置150は、開示された主題の実施を可能にするために、図示されていない追加の構成要素を任意に含み、及び/又は関連付けることができる。
【0035】
膨化食品調製装置150の動作を一般用語で説明する。ユーザは、プロフード単位体111などの1つ以上のプロフード単位体を、コンテナ160のコンパートメント162内に配置する。プロフード単位体は、所定の形状及びサイズの鋳型165などのコンパートメント162内のそれぞれの鋳型内に配置され得、その後に製造される膨化食品の選択された形状及び/又はサイズを誘発するための加圧メカニズムと併せて使用され得る。例えば、金型の壁に電気抵抗発熱体を置き(射出成形と同様に)、金型を液圧プレス内に据えることができ、そこで実際の温度を検出するのに適したポイントに取り付けた熱電対(TC)センサなどのコントローラによって発熱体は制御される。あるいは、専用の鋳型を使用せずにプロフード単位体をコンパートメント162に直接配置することができる(この場合、コンパートメント162は本質的に鋳型キャビティとして機能する)。例えば、粒状のプロフード単位体は、凝集される必要があり得、したがって、鋳型又は1つ以上の指定されたキャビティに配置されることができるが、まるごとの新鮮な果物などの大きなプロフード単位体は、かなりの量のデンプン(例えば、シェルの少なくとも15%w/w)を含むシェル内に配置し、鋳型なしで、コンパートメント162で調製され得る。鋳型165の充填は、最終膨化食品製品の完全性及び意図した形状を確保するために重要であり得る。更に、コンパートメント162は、コンパートメント内に最小限の余分な空間を残すように充填されることができ、これは、適切で一貫した形状の最終膨化食品製品を提供するための調製プロセス中に必要な圧力低下の急速な開始を容易にするためである。
【0036】
装置150は、コンテナ160及びコンパートメント162内の温度及び圧力条件がデフォルト設定になるように初期化される。例えば、加熱デバイス170は連続的に動作し得、熱は調整器によって一定の温度に調整される一方、圧力デバイスが適用されていない場合、圧力は標準大気圧(すなわち室内圧力)である。次の操作段階(
図3Bに示す)では、圧力デバイス180を使用してコンパートメント162内の圧力を(徐々に)増加させ、実質的に同時に、加熱デバイス170を使用してコンパートメント162内の温度を(徐々に)上昇させる。例えば、電気抵抗発熱体を使用する場合、温度は一定で全体的に調整され、また、誘導加熱又はマイクロ波加熱を使用する場合、温度は必要に応じて変更される。圧力の増加又は減少は、通常、可能な限り高速で、典型的には0.2秒未満であり、1.0秒を超えない。あるいは、コンパートメント162が効果的に密閉されている場合、十分な湿分があれば、加熱デバイス170を使用して内部温度を上昇させることによって、コンパートメント162内の圧力増加を達成することができる。コンパートメント162内のプロフード単位体111は、上昇する温度及び圧力レベルに曝され、プロフード内部113内の湿分から蒸気が形成される。最終的に、プロフード単位体111は、蒸気圧の上昇によりプロフードシェル112が破壊又は破裂する破壊閾値条件に達する。プロフード単位体111の加熱はまた、プロフード内部113内の第1の食材、例えばデンプン中の熱可塑性バイオポリマー要素の軟化を引き起こす。
図3Bに示されている段階は任意であり、すべての食材と条件で事前加圧が必要なわけではないことに留意されたい。
【0037】
後続の操作段階(
図3Cに示される)では、加熱デバイス170がコンパートメント162内の温度を維持又は上昇させながら、コンパートメント162内の圧力を急激に低下させるために圧力デバイス180が採用される。圧力低下は、圧力デバイス180のピストン又は真空ポンプを液圧又は空気圧で急速に引くことによって、又は真空ポンプに接続された、接続された真空アキュムレータへのバルブを開くことなどによって達成され得る。圧力が急速に低下するため、外部の極低圧とプロフード単位体内のより高い圧力との圧力差が、シェル112の破裂又は「爆発」を引き起こし、続いてプロフード内部113内の第1の食材物質の膨張によって泡状構造になる。次いで、第1の食材デンプンは、急速に冷却され、膨化食品単位体118を製造するために膨化した形態を発達させ、これは、プロフード内部113内のデンプン及び他の材料がたやすく膨張し、次いで急速に冷却して、膨張した食材マトリックスを生成するのに役立つからである。スナックとして消費することができる食用の膨化ケーキの形態であり得る各膨化食品単位体118は、通常、多数のより小さいマイクロペレットから作られる。
【0038】
鋳型が急に開けられて、圧力が急速に解放されるときに、破壊が達成され得る。水蒸気が材料マトリックスから逃げ続けるため、膨化膨張は外気中で続く。開始から終了までのプロセス全体は、鋳型の開閉(持続時間の大部分を占める)を含めておよそ6~7秒であり得る。材料にもよるが、通常の加圧時間は0.1~2.0秒の間である。
【0039】
コンパートメント162内(又はその中の鋳型内)に最初に配置されるプロフード単位体の分量又は量は、所与の製造セッション又はサイクル中に製造される膨化食品の総量が、コンパートメント162内の利用可能なスペースのほとんど又はすべてを占めるのに十分であることを保証するように選択され得る。
【0040】
コンパートメント162は、圧力変化(減少)が実質的に急速であるように、実質的に低い空間容積を特徴とすることができ、これにより、第2の食材がプロフードシェル112を突然破裂させ、膨化に改良可能な市販の食材を使用した従来のシステムにより実行される膨化と比較して、その膨化を増進するプロセスを容易にすることができる。急速な膨張がコンパートメント及び/又は鋳型の急激な圧力低下を引き起こすため、圧力差(ΔP)がより高くなり、シェル/コーティングの破裂を誘発する。更に、この特性により、コンパートメント及び/又は鋳型内に真空圧を作り出すことができ、より高い圧力差(ΔP)が達成され、したがって、容易には膨らみにくい素材又は食材でも膨張及び膨化を誘発することができるため、従来の市販の食材を超えた新しいタイプのプロフード単位体の膨化が可能になる。結果として得られる膨化製品は、従来の膨化食品よりもクリスピーでふわふわ感がある可能性があり、同様の食材から作られた高密度の非膨化クラッカーと比較して、より大きな表面積を有し、更により軽量(例えば1グラム未満)である可能性があり、したがって、より心地よく、非常に満腹感がある。
【0041】
ここで
図4を参照すると、これは、本発明の実施形態に従って動作するプロフード単位体を調製するための方法の流れ図である。手順210では、プロフードマイクロペレットが調製される。プロフードマイクロペレットの調製は、例示目的で押出プロセスを使用して本明細書に記載されているが、造粒プロセスなどによって、プロフードマイクロペレットを調製するために代替的に他のデバイス及び技術を使用してもよいことが理解される。したがって、押出を使用したプロフードマイクロペレットの調製は、サブ手順211、212、213、214、215及び216を含む。サブ手順211では、所定のレシピに従って乾燥食材が調製される。
図5Aを参照すると、これは、本発明の実施形態に従って動作する、プロフード単位体の調製のための製造プロセスの初期段階の図である。段階250では、食材の原材料が保管される。これらの原材料は、さまざまなタイプの穀物(252、255、256で参照)、根(253)、レンズマメ(254)、野菜などを含み得る。次いで、原材料は、製粉(ミル261による)、皮むき(ピーラー262による)、粉砕(グラインダー263による)、破砕(粉砕機264による)などを含むことができる第1の調製段階(260)を受ける。次いで、材料は、液体/湿気を除去するための絞り(絞り器272による)を含む第2の調製段階(270)を受け、続いて乾燥(乾燥装置282による)を含む第3の調製段階(280)を受ける。各乾燥食材は、適切なレシピとプロセスに従って調製される。例えば、乾燥食材は、乾燥した果物又は野菜の小片と共に小麦粉を含むことができ、新鮮な単位体を乾燥させて粉砕することができる。全体的なデンプン含有量が低すぎる場合は、植物由来のデンプンを添加してもよい。
【0042】
サブ手順212では、調製された材料が混合される。
図5Aを参照すると、段階290において、混合機292を使用して乾燥食材(例えば、ドライフルーツ/野菜片を含む小麦粉)が混合される。任意のサブ手順213では、水が加えられ、材料が更に混合される。生地状の塊の形成を助けるために、少量の水が加えられてもよく、食材組成物の異なる部分(例えば、小麦粉)を均一にするために更に混練又は混合する。次いで、得られた材料を乾燥粉末形態で保存する(段階300の要素302、304として示す)。
【0043】
サブ手順214では、得られた塊が押出機を通して供給される。
図5Bを参照すると、これはプロフード単位体の調製のための製造プロセスの中間段階の図である。段階310では、乾燥粉末材料(任意に水を加えたもの)が押出機312を通して供給される。塊は押出機312の一端から供給され、押出機バレルを通して塊を連続的に混合及び加圧する。バレルは、必要に応じて加熱又は冷却してもよい。塊は、押出機312の他方の端で、ノズル又は多数のオリフィスを有するスクリーンを通して押し出される。塊は、細長いストリップ(例えば、スパゲッティの長いストランドに似ている)などの指定された形状でオリフィスを出る。サブ手順215では、押し出された塊は、切断又は分割され、選択されたサイズと形状のマイクロペレットを形成する。押出機のオリフィスを出ると、塊は、出てくる細いストランドの直径にほぼ等しい長さになるように切断され、1つ以上の小さなマイクロペレットが作られる。各マイクロペレットの形状は、球状、又は円筒状、又は同様の中間形状などに変化し得る。サブ手順216では、形成されたマイクロペレットが乾燥される。マイクロペレットの乾燥は、後述するシェルコーティングプロセスの後に乾燥段階330で行うことができる。通常、乾燥は押し出しと切断後に行われるが、コーティングプロセス後に追加の乾燥が必要とされ得る。マイクロペレットの形状がより球状になるように意図されている場合、乾燥はスフェロナイザー、ノジュライザー又は回転式乾燥機内で行うことができる。
【0044】
手順220では、プロフードマイクロペレットはコーティングされシェルが形成される。プロフードシェルは、代替的に、限定されないが、共押出、表面処理、射出又は共射出、流動床、コーティングドラムなどを含むコーティング以外のプロセス及びデバイスを使用して形成されてもよいことに留意されたい。シェルの形成は、回転式乾燥機又は乾燥機ミキサーを使用するなど、加熱及び回転プロセスによって行うこともできる。したがって、コーティングプロセスを使用したプロフードシェルの形成は、サブ手順221、222、223、224及び225を含む。サブ手順221では、調製されたマイクロペレットが回転式乾燥機、流動床、又はミキサーなどの指定されたデバイスに配置される。任意のサブ手順222では、コーティング混合物がマイクロペレットに添加される。コーティング混合物と層は、多数の連続したステップ又は単一のステップで添加することができる。
図5Bを参照すると、段階320において、マイクロペレットは、コーティング装置322を使用する機械的又は熱的表面処理などによってコーティングされる。コーティング段階320は、貯蔵/包装段階340の前又は後、及びマイクロペレット乾燥段階330の前又は後など、押出段階310と原料調製段階350との間の他のステップで実施されてもよい。一部のマイクロペレットでは、コーティング材料を添加する必要はなく、直接加熱及び回転を受けることができる。サブ手順223では、マイクロペレットは加熱及び回転されて外シェルを生成する。生成されたシェルは、変換及び圧縮されたものであるものの、コアと同じ材料の組み合わせであり得、又は代替的に別のコーティング材料であり得る。追加のコーティング混合物が適用されると、コーティング粒子がマイクロペレット表面に沈着し、固化及び架橋して固体シェルを生成する。場合によっては、コーティング粒子の沈着は、マイクロペレットに軽く水を掛けることによって、又は静電荷を適用することによって改善することができる。コーティング混合物が添加されない場合、マイクロペレット自体の表面は加熱及び回転中に生じる機械的接触によって処理され、本質的にコアと同じ材料の組み合わせの外シェルが生成されるが、存在するデンプン、リグニン、多糖類などと共に、変換及び圧縮され、架橋される。
【0045】
任意のサブ手順224では、コーティングされたマイクロペレットが冷却及び/又は乾燥される。コーティングされたマイクロペレットの冷却及び/又は乾燥は、段階330に示される乾燥プロセスとの関連で実施され得る。更なるサブ手順225では、コーティングされたマイクロペレットが包装される。
図5Bを参照すると、コーティングされたマイクロペレットが包装されて、販売及び売買できる包装されたプロフード単位体を生成する(段階340)。コーティングされたマイクロペレットの一部は、プロフード単位体として売買及び小売りされる可能性があるが、他のものは、後で膨化食品製品に膨化するために保管され得る。(
図5Bに示すように)。
【0046】
図4の方法のサブ手順のいくつかは、省略されてもよく、及び/又は上述のものとは別の段階(例えば、それぞれのステップの前又は後)で実行されてもよいことに留意されたい。
【0047】
図5Cを参照すると、これはプロフード単位体の調製のための製造プロセスの最終段階の図である。プロフードペレットを製造するための初期の調製段階の後(
図5Aに示す)、及びプロフードペレットが実際に調製され、膨化の準備ができた後(
図5Bに示す)、プロフードペレットは売買のための準備ができた最終的な膨化製品(例えば、膨化ケーキ又はその他のスナック)に変換される。プロフード単位体は、段階350で原材料の調製、加圧又は膨化段階360、風味コーティング段階370、続いて包装380、そして小売り及び売買390を経る。
【0048】
図6を参照すると、これは、概して410で参照される商業用の膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイルと、概して420で参照される本発明の実施形態による開示された膨化プロセス及び膨化食品製品の栄養低下プロファイルとを比較する概略図である。グラフ410、420は、栄養含有量の低下を温度とサイクル時間の組み合わせの関数として概略的に示す。グラフ410、420のy軸はプロセス温度を表す。プロセス温度が高いほど、栄養価の低下が大きくなる。グラフ410、420のx軸は、サイクル時間又はプロセス時間を表す。サイクル時間が長くなればなるほど、より高温に曝され、栄養価の低下がより大きくなる。総栄養低下は、曲線とベースラインの間のクロスハッチング領域によって表される。グラフ420は、コーティングされたマイクロペレット(すなわち、シェルを有する)及び真空強化膨化を使用する本発明の例示的な膨化プロセスを表す。
【0049】
グラフ410、420から、本発明の例示的な膨化プロセスは、プロセス温度を約50~60℃低下させ、したがって栄養低下を著しく最小化することが明らかである。更に、本発明の例示的な膨化プロセスは、サイクル時間を少なくとも30~40%で減少させ、したがって栄養低下を著しく最小化する。グラフ410に対するグラフ420のクロスハッチング領域の違いによって観察できるように、プロセス温度とサイクルタイムの削減の蓄積された効果は途方もなく大きいものである。したがって、本発明の膨化プロセスは、従来の又は商業用の膨化プロセスに存在する低下程度と比較して、おおよそ40~60%に減少した栄養低下を明確に示し、それにより、より栄養価の高い膨化食品製品を提供する。更に、より短いサイクル時間とより低いプロセス温度は、より低いエネルギー消費とより高い効率(所定の時間中に製造されるユニット数に関して)という形で経済的利益をもたらす。
【0050】
当業者が本発明を実施できるように、開示された主題の特定の実施形態を説明してきたが、前述の説明は例示のみを意図したものである。これは、以下の特許請求の範囲を参照することによって決定されるべき、開示された主題の範囲を限定するために使用されるべきではない。
【国際調査報告】