(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】筋疲労定量方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/22 20060101AFI20231218BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
A61B5/22
A61N1/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522354
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2021080458
(87)【国際公開番号】W WO2022096482
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523129033
【氏名又は名称】ミオセネ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リゴー、ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ミニョレ、ジャン - イヴ
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ03
4C053JJ04
4C053JJ24
(57)【要約】
筋肉の筋疲労を定量するための方法は、異なる周波数で所与の電荷で筋肉を電気刺激するステップを含む。方法は、電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力を定量するステップ、及び力に基づいて筋疲労を定量するステップをさらに含む。ステップは、電荷を増加させてある回数繰り返され、電荷は、電気刺激ステップを2回行う間に充電ステップによって増加される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋肉の筋疲労を定量するための方法であって、
(i)異なる周波数で所与の電荷で前記筋肉を電気刺激するステップ、
(ii)ステップ(i)の前記電気刺激に応答して前記筋肉によって発せられる力を定量するステップ、
(iii)ステップ(ii)において定量された前記力に基づいて筋疲労を定量するステップ、及び
(iv)電荷を増加させてステップ(i)、(ii)、及び(iii)をある回数繰り返すステップであって、ステップ(i)における前記電荷がステップ(i)の2回の発生の間の充電ステップによって増加される、ステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記電気刺激が、各周波数でパルスの繰り返しを含み、前記電荷が、前記パルスの電気的強度及び前記パルスの持続時間のうちの1つによって定められる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一定のパルス持続時間についての前記電気的強度が、10~100mAで増加され、前記回数が、5~30回であり、前記充電ステップが、+0.1~+10mAで増加する強度である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電気的強度が、+1mAの15回の充電ステップで25から40mAまで増加される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
100ミリ秒~10秒に含まれる第1の休息期間が、ステップ(i)における異なる周波数での2回の電気刺激の間に発生する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の休息期間の持続時間が、115ミリ秒~5秒である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2の休息期間が、ステップ(i)の2回の発生の間に発生し、前記第1の休息期間の前記持続時間が、前記第2の休息期間より短い持続時間である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の休息期間の前記持続時間が、100ミリ秒~5分である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の休息期間の前記持続時間が、145ミリ秒~10秒である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電気刺激が、各周波数で5秒より短い期間におけるパルスの繰り返しを含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記期間が、500ミリ秒より短い、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電気刺激が、各周波数で2~50回繰り返されるパルスを含む、請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(i)の前に、孤立パルスでの前記筋肉の予備電気刺激ステップを含み、100ミリ秒~10秒の持続時間を有する第3の休息期間が、この予備電気刺激ステップとステップ(i)との間に発生する、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(i)の前記周波数が、0~500Hzであり、第1の周波数、及び前記第1の周波数より大きい第2の周波数を含み、前記第1の周波数が、前記第2の周波数とは少なくとも10%異なり、
前記力が、前記第1の周波数でのステップ(i)の前記電気刺激に応答して前記筋肉によって発せられる第1の力、及び前記第2の周波数でのステップ(i)の前記電気刺激に応答して前記筋肉によって発せられる第2の力を含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の周波数が、0~50Hzであり、前記第2の周波数が、50~200Hzである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(i)が、100~250ミリ秒の期間において、
- 約10、15、20、又は25Hzの前記第1の周波数での3、4、5、又は6回のパルスの繰り返しで、前記筋肉を電気刺激するステップ、及び
- 約100、110、120、又は130Hzの前記第2の周波数での16、17、18、又は19回のパルスの繰り返しで、前記筋肉を電気刺激するステップ
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(iii)が、ステップ(ii)において定量された前記力の比較、及び前記力の前記比較に基づく前記筋疲労の定量を含む、請求項1から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(iii)が、前記第2の力に対する前記第1の力の比率の計算、閾値に対する計算された前記比率の比較、及び前記閾値に対する計算された前記比率のこの比較に基づく前記筋疲労の定量を含む、請求項14から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記力が、ステップ(ii)において、歪み計及び力量計のうちの少なくとも1つによる直接的な力の測定によって定量される、請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(i)の前に、
(a)装置(1)を準備するステップであって、前記装置(1)が、
座位で人を受容するように構成され、水平支持体に位置付けられるように調整される座部(10)、
前記座部(10)に機械的に連結され、下肢の脚の少なくとも部分を受容するように調整される脚支持要素(3)、及び
前記脚支持要素(3)のレベルで前記力を測定するように構成される計器(4)
を備える、ステップ、
(b)前記水平支持体に前記座部(10)を位置付けるステップ、
(c)座位で前記座部(10)に前記人を位置付けるステップ、並びに
(d)前記脚支持要素(3)に前記脚の少なくとも部分を位置付けるステップ
を含み、
前記力が、ステップ(ii)において前記計器(4)によって定量され、前記装置(1)が、前記座部(10)のレベルで作用する前記人の体重に応じて、ステップ(i)及び(ii)の実行中に前記水平支持体に対して実質的に静止して維持される、請求項1から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
スポーツ活動を計画するための方法であって、
(0)前記スポーツ活動中に刺激される筋肉を特定するステップ、
(1)ステップ(0)において特定された前記筋肉の筋疲労を定量するために、請求項1から20までのいずれか一項に記載の定量方法を実行するステップ、及び
(v)ステップ(1)において定量された前記筋疲労に基づいて前記スポーツ活動を計画するステップ
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筋疲労定量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動物の活動、特に人の活動は、「疲労」を誘発する。そのような疲労は、神経性(すなわち、知的若しくは精神的活動によって誘発される)又は肉体的(すなわち、肉体的作業によって誘発される)であり得る。肉体的疲労は、それが筋肉の働きに起因し、影響を受ける筋肉によってもたらされ得る力の減少につながるので、「筋疲労」とも呼ばれる。特に、筋疲労は、肉体的負荷を維持する及び/又は繰り返すことが不可能になり得る。結果として、筋疲労の識別、測定及び/又はモニタリングは、例えば、スポーツ運動において(例えば、練習効率の最適化、怪我の予防、個人的なスポーツ練習プログラムの考案、筋肉の準備等の目的で)、又は筋肉のリハビリテーションのための理学療法において(例えば、身体運動のモニタリング、治療の最適化、過剰な治療の予防等の目的で)、及びより一般的には医学において、重要な役割を果たす。
【0003】
対象の筋疲労を評価するための公知の方法は、複数回繰り返される、前記筋肉の最大随意収縮(例えば、随意運動によって)を要求する試験を行うことである。筋疲労は、モニタリングされるデータ(時間、速度、力、出力、加速度等)に応じた所定の最大筋力に達することができない場合に、特定されたと考えられる。最大収縮に達するための対象の動機づけは、しかしながら、そのような筋疲労評価に影響を及ぼし得る。さらに、この試験は、それ自体が重大な筋疲労を誘発するので、試験は、それ自体が方法によって得られる結果に影響を及ぼす。試験は、典型的には複数回再現することができず、それは、激しい筋肉の働きの後に(例えば、スポーツ競技の後に)行うことができない。加えて、この方法は、対象を怪我の危険にさらす欠点を有する。したがって、改善された筋疲労定量方法を開発することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示される主題の目的は、筋疲労を定量するためのより効率的で安全で順応性が高い方法を提供することである。特に、開示される主題の目的は、それ自体が筋疲労を誘発することなく、対象の意志に関わらず、いかなるときでも、対象を怪我の危険にさらすことなく、筋疲労の定量を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的で、開示される主題は、以下のステップ:
(i)異なる周波数で所与の電荷で筋肉を電気刺激するステップ、
(ii)ステップ(i)の電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力を定量するステップ、
(iii)ステップ(ii)において定量された力に基づいて筋疲労を定量するステップ、
(iv)電荷を増加させてステップ(i)、(ii)及び(iii)をある回数繰り返すステップであって、
ステップ(i)における電荷がステップ(i)を2回行う間に充電ステップによって増加される、ステップ
を含む、筋肉の筋疲労の定量方法を提供する。
電気刺激は、典型的には、各周波数でパルスの繰り返しを含む。
【0006】
本開示による方法は、筋疲労を定量するための、先行技術において説明される方法より効率的で安全で順応性が高い方法である。実際に、ステップ(i)における電気刺激の使用は、筋肉をその疲労がどれほどでも刺激すること、及び電気刺激に応答して筋肉に不随意に力を発せさせることを可能にする。このステップは、したがって、いかなるときでも、スポーツ練習後も、対象を怪我の危険にさらすことなく、実行されることが可能であり、それは、筋肉を最大収縮させようとする対象の意志に依存しない。このステップ(i)はまた、筋肉の反応を観察するために、及びステップ(ii)において力を定量するために、電気刺激の回数が好ましくは限定され、短時間で実行されるならば、筋疲労を誘発しない。定量方法の実行前後の筋疲労は、有利には、実質的に同じである。
【0007】
この定量方法は、効率的に筋疲労を定量することを可能にする。実際に、本発明者らは、筋疲労が、ある周波数での電気刺激に応答して筋肉によって発せられる、この周波数の関数としての力の曲線グラフを不均一に変形させるので、例えば、筋肉により発せられる力を比較することによって、異なる周波数についてのこの力の定量に基づいて、ステップ(iii)において筋疲労を定量することが可能であることに着目した。これは、定量方法の実行の文脈と独立した大きな利点を有する。特に、対象についての休憩時のそのような標準的な公知の曲線グラフとの比較も、予備測定も、及び特定の実行条件も、必要とすることはない。
【0008】
ステップ(iv)は、筋疲労のある範囲の定量値(例えば、測定値)を得て、その結果、筋疲労が有利な非常に小さい誤差で正確に定量されるようにすることを可能にする。それにも関わらず、この実施例は、以下で提示されるように、別の現象に対処する必要がある。
【0009】
本開示のこの実施例は、筋肉生理に関する科学的文献において説明される、「増強」(又は活動後増強、又は階段現象、又は反復刺激後増強)と呼ばれる公知の筋肉生理現象を緩和又は回避さえもする。この現象は、後続の筋肉収縮の向上への先行する筋肉活動の効果として定義される。したがって、筋肉活動は、筋疲労及びさらに増強ももたらし、これは、末梢性筋疲労とは反対の現象である。増強は、それゆえに、筋疲労と同時に起こり、それを多少補うことができる。増強のこの現象は、全ての種類の筋肉活動で起こる。それゆえに、筋疲労を定量するために筋肉の電気刺激を行う場合に、電気で誘発された筋肉収縮が、筋疲労を隠し、その定量を乱す、刺激された筋繊維の増強を発生させる。この擾乱は、電気刺激パルスが多数であり、決められた時間内で繰り返されるので、より一層重大である。それゆえに、本開示により、ステップ(i)を2回行う間に充電ステップによってステップ(i)における電荷を増加させることにより、各ステップ(i)を行うときに常に同じではない、筋繊維の層(又は階層)に異なる周波数で一連の電気刺激を行う(すなわち、ステップ(i)を2回以上行う)ことが可能になる。各ステップ(i)を行うことにより、まだ前の刺激エピソードによって増強されていない、新規の繊維を含むことが可能になる。
【0010】
2つ以上の最大力の比率を有することを可能にする、ステップ(i)の所与の適用中に、異なる周波数で電気刺激を受ける繊維は、まだ増強されていない。その後、後続のステップ(i)を行うときのより高い電荷が、それゆえに、前回のステップ(i)を行うことによって増強されない、筋繊維の追加の層を増やす。したがって、各ステップ(i)を行うときに電荷を増加させることによって、筋繊維の空間的増大が修正され、まだ前回のステップ(i)を行うことによって増強されていない、新規の繊維が含まれる。
【0011】
本開示による定量方法は、広範囲の適用に、特に、練習又は競技の前、最中又は後の専門的スポーツ選手の筋疲労、並びに筋肉のリハビリテーション中の怪我人及び/又は高齢者の筋疲労を定量するために利便性が高い。
【0012】
本開示による定量方法は、特に、スポーツ練習を計画するために利便性が高い。本開示による方法は、典型的には、治療目的に適用されることを計画されず、病理を特定又は解明することは意図されない。
【0013】
この点において、開示される主題の実施例は、以下のように読み解くことができる。
スポーツ活動を計画するための方法であって、以下のステップ:
(0)スポーツ活動中に刺激される筋肉を特定するステップ、
(i)異なる周波数で所与の電荷で実行される、筋肉を電気刺激するステップ、
(ii)ステップ(i)の電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力を定量するステップ、
(iii)ステップ(ii)において定量された力に基づいて少なくとも1つの筋肉データ情報を定量するステップ、
(iv)電荷を増加させてステップ(i)、(ii)及び(iii)をある回数繰り返すステップであって、
ステップ(i)における電荷がステップ(i)を2回行う間に充電ステップによって増加される、ステップ、
(v)筋肉データ情報に基づいてスポーツ活動を計画するステップ
を含む方法。
【0014】
好ましくは、ステップ(iii)を行うときに定量される筋肉データ情報の全て、いずれか、又は少なくとも1つは、スポーツ活動を計画するためにステップ(v)において使用される。
【0015】
好ましくは、スポーツ活動は、スポーツ練習である。好ましくは、筋肉データ情報は、筋疲労(データ)を含む(又は場合により、それで構成される)。スポーツ活動を計画するための方法は、非治療的、及び/又は非医療的、及びに/又は非療法的である。特に、ステップ(v)において治療的な診断が下されることはなく、ステップ(v)は、厳密には、計画を行う性質のものである。好ましくは、ステップ(v)は、筋肉データ情報に依存する時間データを定量することを含む(又は場合により、それで構成される)。
【0016】
筋肉データ情報が筋疲労(データ)を含む(又は場合により、それで構成される)場合に、このスポーツ活動計画方法は、以下のステップ:
(0)スポーツ活動中に刺激される筋肉を特定するステップ、
(1)ステップ(0)において特定された筋肉の筋疲労(又は筋疲労データ情報)を定量するために、本開示による定量方法を実行するステップ、
(v)ステップ(1)において定量された筋疲労に基づいてスポーツ活動を計画するステップ
を含むと言い換えることができる。
【0017】
換言すると、ステップ(1)は、上述のステップ(i)を2回行う間の電荷の増加を含む、前出のステップ(i)~(iv)に対応する。ステップ(1)において定量される筋疲労(データ情報)は、好ましくは、異なるステップ(iii)を行うときに定量される筋疲労(データ)の全て、いずれか、又は少なくとも1つから、より好ましくは、全てのこれらの筋疲労(データ)の平均値を算出することによって得られる。
【0018】
より一般的には、本開示による定量方法はまた、上述のステップ(i)を2回行う間の電荷の増加を含むステップ(i)~(iv)を含む、筋肉の筋疲労の非治療的及び/又は非医療的及び/又は非療法的定量方法で構成され得る。好ましくは、この場合に、ステップ(iii)から治療的な診断が下されることはなく、及び/又は、換言すると、ステップ(iii)において定量される筋疲労からのいずれの治療的な診断推定ステップも、方法から除外される。
【0019】
本開示の序文において包括的に述べられたような、本開示による定量方法の以下の実施例及び利点のいずれもが、必要な変更を加えて、上記で開示された方法の具体的な特定の場合へ、特に、スポーツ活動計画方法及びいずれかの非治療的実施例へ適用される。特に、請求項において提示される実施例のいずれか1つは、単独で又はこれらの方法との組合せで考察され得る。
【0020】
本開示の定量方法の別の利点は、それが特定の筋疲労の定量を可能にすることである。実際には、筋疲労は、多くの生理的要因に依存する。特に、筋疲労は、神経筋の神経制御が筋繊維を最大能力まで刺激することができない場合の、神経筋の神経制御の欠陥(いわゆる「中枢性筋疲労」につながる)によって、又は筋繊維の直接的なレベルでの収縮力の変更(いわゆる「末梢性筋疲労」につながる)によって、引き起こされ得る。本開示の枠組み内で、定量方法は、ステップ(i)の電気刺激が筋肉収縮の中枢神経制御から独立して末梢筋繊維に直接的に影響を及ぼすならば、ステップ(iii)において末梢性筋疲労を直接的に定量することを可能にする。ステップ(iii)はまた、それにも関わらず、場合により、定量される末梢性筋疲労を別の全体的疲労測定から差し引くことによる、中枢性筋疲労の定量サブステップを含むことができる。この示差的な筋疲労の定量は、先行技術の方法に照らして新規のものである。
【0021】
さらに、末梢性筋疲労は、それ自体が、どれほど長時間で筋疲労が筋肉に影響を及ぼすかに依存する、2種類の筋疲労を含む。本質的にエネルギー的及び/又は代謝的要因に関係する、いわゆる「短時間持続性末梢性筋疲労」であり、短時間持続性末梢性筋疲労は、それらの要因から急速に(数分間)回復され得る、及び数時間及び数日間さえも継続する(例えば、身体的努力の後で)、いわゆる「長時間持続性末梢性筋疲労」である。ステップ(iii)において定量される末梢性筋疲労は、好ましくは、及びより詳細には、長時間持続性末梢性筋疲労である。場合により、短時間持続性末梢性筋疲労もまた、本開示の方法に続くある時間の間隔を空けた筋疲労の追加の定量、及び得られた結果を差し引くことによって、ステップ(iii)において定量され得る。
【0022】
本開示の枠組み内で、用語「電気刺激」及びその変形のいずれもが、好ましくは、神経筋の電気的刺激、又は試験される筋肉の運動ニューロンのいずれかの種類の刺激を指す。そのような刺激は、好ましくは、電気パルスの発生器、並びに筋肉の近位及び/又は傍らで、対象の皮膚に設置されるように調整される電極であって、電流が電極によって筋肉へ伝達されるように発生器へ接続される、電極を備える刺激装置によって行われる。電気パルスの強度及び周波数は、調節され得る。そのような発生器及び電極は、当業者に周知である。
【0023】
好ましくは、電荷は、パルスの電気的強度によって、及び/又は(個々の)パルス持続時間によって、定められる。開示される主題の以下の説明において、電荷は、好ましくは、パルスの電気的強度によってのみ定められる。それにも関わらず、これは、開示される主題の範囲から他の種類の「電荷」を除外しない。
【0024】
ある実施例によると、一定のパルス持続時間についての電気的強度は、10~100mAで増加され、及び/又は回数は、5~30回に含まれ、及び/又は充電ステップは、+0.1~+10mAに含まれる増加する強度に応じる。好ましくは、これらの「及び/又は」は、「及び」である。
【0025】
この場合に、一定のパルスは、共に10~100mAで、より低い値からより高い値まで増加する。好ましくは、より低い値は、10~40mAに含まれ、より好ましくは、それは、対象が非常に穏やかな第1の電気刺激を感じるために、約25mAである。好ましくは、より高い値は、30~60mAに含まれ、より好ましくは、それは、筋肉への高すぎる負荷を避けるために、約40mAである。好ましくは、回数は、10~20回に含まれ、より好ましくは、さらに、それは、筋疲労の十分な定量(例えば、測定)を得るために、及びその結果、方法からの誤差を非常に小さくするために、約15回である。好ましくは、充電ステップは、+0.5~+5mAで増加する強度であり、より好ましくは、それは、約+1mAであり、そのようなステップの値は、その他のものに対してステップ(i)、(ii)及び(iii)を1回行うときと十分に異なる筋繊維を電気刺激するために十分である。
【0026】
好ましくは、電気的強度は、+1mAの15回の充電ステップで25から40mAまで増加される。強度におけるそのような増加は、前回のステップ(i)を行ったときの電気刺激によって影響を受けず、それゆえに、増強されない、筋繊維の新規の層を各回で増やすことを可能にする。これは、定量方法をより一層正確に、及び実施し易くする。
【0027】
電圧における同様の増加は、同じ効果、又は固定された電流でのパルス幅における増加をもたらす。
【0028】
本開示の代表的な実施例によると、好ましくは100ミリ秒~10秒に含まれる第1の休息期間が、ステップ(i)における異なる周波数での2回の電気刺激の間に行われる。好ましくは、第1の休息期間は、115ミリ秒~5秒に含まれ、より好ましくは、さらに300ミリ秒~1秒に含まれる。
【0029】
ステップ(i)における異なる周波数での2回の電気刺激の間の休息期間は、例えば筋強直による、ある電気刺激から別の電気刺激への擾乱を緩和又は回避さえもすることを可能にする。
【0030】
10秒の上限は、方法の全適用時間の合理的な持続時間を可能にする。好ましくは、5秒の上限は、方法を迅速に実行することを可能にする。最後に、1秒の上限は、有効な休息期間の持続時間と方法の全適用持続時間との間で釣り合いを取ったものである。
【0031】
100ミリ秒~115ミリ秒に含まれる下限は、ある特定の誤差でステップ(ii)における最大力に応じて推定及び/又は定量するために、前回の周波数での電気刺激によって受ける影響が十分に小さい、ステップ(i)における別の周波数での電気刺激での力データを測定することを可能にする。
【0032】
115ミリ秒~300ミリ秒に含まれる下限は、それが、ステップ(i)における2つの異なる周波数での電気刺激の間に、筋肉が正常な又は弛緩した状態(特に、いずれの収縮も、発せられて残存する力もない)に戻るための十分な時間を可能にするので、好ましい。これは、定量の擾乱がなく、これらの周波数の各々で筋肉によって発せられる(最大)力を直接的に定量することを可能にする。特に、十分な誤差での推定も、中間測定及び/又は算定も、115ミリ秒未満の第1の休息期間についてのように必要とされることはない。
【0033】
筋肉がある特定のレベルの筋疲労を有する場合に、「弛緩の鈍化」として説明される現象が起こり得る。それが存在する場合に、この現象は、ステップ(i)おいてある周波数での電気刺激から別の周波数での別の電気刺激まで筋肉の応答を延ばし、それゆえに、ステップ(i)中に別の周波数での前記別の電気刺激での筋肉の応答の測定を乱す。有利には、この現象が発生する場合でさえも、115ミリ秒より長い第1の休息期間は、「弛緩の鈍化」による擾乱を打ち消すように構成される、いずれかの適切な数学的又はコンピュータ実施処理を適用することによって、電気刺激の各々に応答して筋肉によって発せられる力を正確に定量することを可能にする。実際に、この現象は公知であるので、それは、ある特定の測定において予測可能であり、ステップ(ii)において考慮され得る。実施するための実例的な処理は、単純に、予期される擾乱及び測定される力からのその除去の線形補間である。
【0034】
300ミリ秒を超える下限は、それにも関わらず、それが常に、ステップ(i)における2回の連続した電気刺激の間に筋肉の正常な及び/又は弛緩した状態に完全に戻ることを可能にするので、好まれる。この場合に、擾乱が、別の周波数での前記電気刺激によって起こされる筋肉の応答の測定に影響を及ぼすことはない。
【0035】
第1の休息期間についての1/2、3/5、4/5、1、6/5、7/5、8/5、9/5秒などの値は、
- 一方で、それらが、他の下限のいずれかから十分に離れ、その結果、ステップ(i)における2回の連続した電気刺激の間の、ステップ(ii)における力の定量のいずれかの潜在的な擾乱を確実に回避する、
- 及び他方で、それらが、全体の方法を十分に短く及び全体的に短い時間で容易に適用可能にするために、十分に短い(人体感覚の規模で)
ので、好まれる。
【0036】
ある実施例によると、第2の休息期間は、ステップ(i)を2回行う間に行われる。第2の休息期間により、増強は、時間的に間隔を空けてステップ(i)を行う場合に、単位時間当たりの電気インパルスの回数が減少するので、より一層緩和又は回避される。したがって、刺激の繰り返されるエピソード間の持続時間が長くなるほど、刺激のエピソードにより増やされる筋繊維における増強は小さくなる。しかしながら、第1の休息期間と同様に、第2の休息期間は、方法の実行が遅くなりすぎて適用できなくなることを避けるために、過剰に長く持続するべきではない。
【0037】
本発明者らは、ステップ(i)を2回行う間の第2の休息期間を定めるために、これらの2つの相反する制約の間で良好な折衷案を決定した。好ましくは、この期間は、100ミリ秒~5分間に含まれ、これにより、増強及び方法の実行時間を限定することが可能になる。より良好な範囲は、より好ましくは、145ミリ秒~10秒に含まれる第2の休息期間によって与えられ、好ましくは330ミリ秒~5秒に含まれる。増強の大きさは、定められた時間で送達される電気パルスの回数に依存するので、開示される主題は、ステップを繰り返す場合に、単位時間当たりのパルスの回数を減らすことによって増強を限定するために有利である。
【0038】
145~330ミリ秒持続する第2の休息期間は、ステップ(i)を2回行う間に、筋肉が正常な又は弛緩した状態(したがって、収縮も、発せられて残存する力もない)に戻るための十分な時間を与える。これは、擾乱がなく、各電気刺激に応答して筋肉によって発せられる(最大)力を直接的に定量することを可能にする。特に、十分な誤差での推定も、中間測定及び/又は算定も、必要とされることはなく、これは、100~145ミリ秒の第2の休息期間については当てはまらない。筋肉の弛緩現象の鈍化が発生する場合でさえも、145ミリ秒より長い第2の休息期間は、第1の休息期間に関して上記で論じられたように、「弛緩の鈍化」による擾乱を打ち消すように構成される、いずれかの適切な数学的又はコンピュータ実施処理を適用することによって、電気刺激の各々に応答して筋肉によって発せられる力を正確に定量することを可能にする。当然ながら、両方の場合において、そのような処理は、好ましくはステップ(ii)の一部である。
【0039】
330ミリ秒より長い第2の休息期間は、それにも関わらず、それが常に、ステップ(i)を行った終了時とステップ(i)からステップ(iv)を次に行う開始時との間に、筋肉の正常な及び/又は弛緩した状態に完全に戻ることを可能にするので、好まれる。この場合に、擾乱が、電気刺激に応答する筋肉の測定に影響を及ぼすことはない。
【0040】
第2の休息期間についての1、2、3、4又は5秒などの値は、一方で、それらが、上述の下限値のいずれかから十分に離れ、その結果、ステップ(i)を2回連続して行う間の、ステップ(ii)における力の定量の擾乱を確実に回避する、及び他方で、それらが、全体の方法の実行を十分に速やかに及び容易に適用可能にするために、十分に短い(人体感覚の規模で)ので、非常に好まれる。
【0041】
簡潔には、開示される主題のこれらの実施例は、増強を最小限にし、その結果、筋疲労の測定は、正確であり、電気刺激によって引き起こされる増強により改変も過少評価もされない。この増強は、刺激が繰り返され、パルスの回数が多い場合に、なお一層重大である。
【0042】
好ましくは、第1の休息期間は、ステップ(i)における異なる周波数での2回の電気刺激の間に行われ、第1の休息期間は、ステップ(i)を2回行う間に行われる第2の休息期間より短い。第2の周波数は、好ましくは、第1の周波数より大きく、筋肉の応答レベルもまた、第2の周波数でより高い。それゆえに、前の電気刺激に続く筋肉の応答を確実に緩和又は消去さえするために、第2の周波数での電気刺激の適用後により長い時間待機することが好ましい。例えば、第1の休息期間は約1秒であり、第2の休息期間は約5秒である。
【0043】
ある実施例では、ステップ(i)において、電気刺激は、各周波数で5秒より短い時間におけるパルスの繰り返しを含む。パルスが繰り返される時間を限定することにより、そうでなければ、電気で誘発される収縮が加わることによって力を増加させる、又はその反対に、電気刺激される筋肉に対する拮抗筋を収縮させることによってそれを減少させる可能性がある、対象の随意の又は反射による擾乱のリスクを緩和する。これは、方法をより正確で効率的にする。
【0044】
好ましくは、パルスの繰り返しの時間は、500ミリ秒より短い。このより短い時間は、前述の利点に加えて、方法の適用の全時間を減少させることを可能にする。これは、対象の随意の又は反射による擾乱のリスクをより一層緩和する。パルスの繰り返しの時間は、好ましくは250ミリ秒より短く、より好ましくは、時間は100ミリ秒~250ミリ秒に含まれる。好ましくは、時間は150~250ミリ秒であり、より好ましくは、それは、0~100に含まれる整数xについて、約150+xミリ秒、例えば150、160、170、180、190、200、210、220、230、240又は250ミリ秒である。
【0045】
250ミリ秒より短い上述の時間のいずれかは、加えて、
- 一方で、電気で誘発される収縮によって発生させられる最大力に達すること、及び
- 他方で、この最大力が、対象の随意又は反射応答に関係するいずれの擾乱もなく、排他的に電気で誘発される収縮によるものであること
を可能にする。
【0046】
随意の又は反射による擾乱がないことにより、電気で誘発される収縮のみに起因する力の正確な測定値を得ることが可能になる。記録される力のこの正確さは、それゆえに、筋疲労の良好な測定を可能にする。
【0047】
換言すると、これらの有利な時間は、筋肉へ各(選択された)周波数である回数のパルスを与えることを可能にし、それにより、筋疲労を招く及び/又は患者がいずれかの随意の力を加えるのを避ける十分に短い時間で、この周波数でのパルスに応答して筋肉によって発せられる最大力に達すること(及びステップ(ii)においてそれを定量すること)を可能にする。
【0048】
本発明者らによって発見されたこれらの時間は、したがって、この2つの対立する制約、第1のものは十分に長い時間を要求し、第2のものは十分に短い時間を要求する、の間での良好な折衷案である。
【0049】
正確な時間データT(秒単位)が、所与の周波数μ(Hz単位)でのパルスデータの正確な回数Nと等価であることが指摘され得る。それらの数は、実際に、式T=N/μを満たす。
【0050】
好ましくは、各周波数について、パルスは、2~50回繰り返され、より好ましくは、各周波数について、パルスは、5~20回に含まれて繰り返される。電気刺激パルスの繰り返しのこの範囲は、最大強さに達することを可能にする。記録される力は、最大であり、それゆえに、筋疲労の状態の正確で精密な測定を可能にする。
【0051】
ある実施例によると、定量方法は、ステップ(i)の前に、孤立パルスでの筋肉の予備電気刺激ステップを含み、100ミリ秒~10秒に含まれる第3の休息期間が、この予備電気刺激ステップとステップ(i)との間に行われる。
【0052】
この任意選択の孤立パルスは、パルスに対する初期の筋肉の応答の大きさ、及び/又は収縮速度、及び/又は予備増強データなどの、筋肉データ情報を測定するために有利である。これは、例えば、パルスの電気的強度を対象(若しくは筋肉)に合わせるために、又は一般的には、対象へ方法のより個人的実行を提供するために、使用され得る。
【0053】
好ましくは、ステップ(iv)の繰り返しが適用される間、予備電気刺激ステップは、ステップ(i)の各実行の前に繰り返される。これは、方法の実行中にそのような筋肉データ情報を連続的に収集すること、及び/又は潜在的に、この実行を調整することを可能にする。代替的に、この予備電気刺激ステップは、方法の全体的な実行の開始時に1回のみ実行され得る。
【0054】
第3の休息期間は、好ましくは、第1及び第2の休息期間のいずれかと同様である。これらの休息期間のいずれかについての上記の論考は、第3の休息期間に適用され得る。特に、第3の休息期間は、好ましくは約1秒である。
【0055】
本文書の枠組み内で、ある要素を提示するための不定冠詞「a」、「an」又は定冠詞「the」の使用は、複数のこれらの要素の存在を除外しない。本文書において、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、要素を区別するためにのみ使用され、これらの要素におけるいずれの順序も含意しない。本文書において、用語「のレベルで(at level of)」及び「のレベルで(at the level of)」は、同等に使用される。本文書の枠組み内で、用語「に基づく(on basis of)」及び「に基づく(on the basis of)」は、同等に使用される。後者は限定的なものではなく、第1の数量が第2の数量に基づいて定量されるという事柄は、第1の数量がまた第1の数量と共に第3の数量に基づいて定量されることを除外しない。
【0056】
本文書の枠組み内で、用語「より小さい」又は「より短い(lower than)」、及び「より大きい」又は「より長い(higher than)」は、それぞれ数学記号「≦」及び「≧」として解釈されるべきである。加えて、動詞「含む(comprise)」、「含む(include)」、「含む(involve)」、又はいずれかの他の同様の変形、並びにそれらの活用形の使用により、述べられたもの以外の要素の存在が除外されることはない。動詞「含む(comprise)」が、用語「(2つの値間)に含まれる(comprised between)」によってある数値範囲を定めるために使用される場合に、これらの2つの値は、その数値範囲から除外されると解釈されるべきではない。
【0057】
本文書の枠組み内で、用語「好ましい」、「好ましくは」、「好まれる」などの使用は、開示される主題の範囲に関して、又は請求項の解釈について、限定するものとみなされるべきではない。より詳細には、本開示において「好まれる」限定範囲又は実施例を含むことは、「好まれる」実施例のみを含むように、特許請求される主題の範囲を限定することを意図しない。この点において、「好まれる」実施例を含むことは、そのように特定されない主題の放棄を表明すると解釈されるべきではない。
【0058】
好ましくは、周波数は、0~1000Hzに含まれ、より好ましくは500Hzより小さく、より好ましくは200Hzより小さい。周波数は、5~150Hzに含まれ得る。そのような限度は、定量方法の実行による筋疲労の誘発を回避することを可能にする。
【0059】
定量方法の代表的な実施例によると、ステップ(i)の周波数は、0~500Hz、好ましくは0~200Hzに含まれ、
- 第1の周波数、及び
- 第1の周波数より大きい第2の周波数
を含み(及び場合により、それで構成され)、
第1の周波数が、第2の周波数の少なくとも10%異なる(μ1及びμ2が第1及び第2の周波数である場合に、μ2-μ1≧μ2/10という意味において)。
【0060】
この場合に、ステップ(ii)において定量される力は、第1の周波数でのステップ(i)の電気刺激に応答して筋肉によって発せられる第1の力、及び第2の周波数でのステップ(i)の電気刺激に応答して筋肉によって発せられる第2の力を含む。これらの力の各々は、好ましくは、対応する周波数でのパルスの全ての繰り返し(この繰り返しは、したがって、この周波数での1回の電気刺激を構成する)に応答して発せられる最大力に対応する。第1及び第2の周波数間の少なくとも10%の差は、前述の曲線グラフ上の少なくとも2点(ステップ(i)において使用される周波数、ステップ(ii)において定量される力)が、ステップ(iii)をより効率的に実行するために、一方が他方から十分に離されることを確実にするために有利である。これは、以降で提示される
図2で例示されるように、低周波数、例えば0~50Hzでの電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力が、予め存在する筋疲労によって、高周波数での電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力より大きく影響を受けるならば、この筋疲労の関数での曲線グラフの変形の不均一性及び非線形性を全て利用することを可能にする。
【0061】
特に、上述の差は、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%である。好ましくは、第1の周波数は、0~50Hzに含まれ、及び/又は第2の周波数は、50~200Hzに含まれる。好ましくは、第1の周波数は約20Hzであり、及び/又は第2の周波数は約120Hzである。第1及び第2の周波数についてのいずれかの他の同様の値の組が使用されることがあり、例えば、10Hzと50Hz、30Hzと80Hz、50Hzと150Hzなどである。
【0062】
より好ましくは、上述の実施例によると、ステップ(i)の異なる周波数は、第1及び第2の周波数で構成され、ステップ(ii)において定量される力は、第1及び第2の力で構成される。有利には、これらの2つの(最大)力を考察することによってのみ、ステップ(iii)において筋疲労を定量することが可能である。それについては以降で説明される。
【0063】
利点は、回数及び周波数においてステップ(i)における電気刺激を限定することによって、筋疲労の誘発を回避することである。別の利点は、限定された数のデータのみを考察することによって、ステップ(iii)の実行を容易にすることである。開示される主題は、しかしながら、第1及び第2の周波数のみで構成される異なる周波数に限定されない。2つの周波数以外の数値が考えられ得る。実例として、異なる周波数(及びステップ(ii)において定量される関連する力)は、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える個数の周波数であることができ、それらはまた、周波数の範囲内で等間隔であることができ、その結果、それらは前もって定められる。
【0064】
本開示の代表的な実施例の実例によると、定量方法は、ステップ(i)において、
100~250ミリ秒に含まれる時間において、
- 約10、15、20又は25Hzの第1の周波数での3、4、5又は6回のパルスの繰り返しで筋肉を電気刺激するステップ、及び
- 約100、110、120又は130Hzの第2の周波数での16、17、18又は19回のパルスの繰り返しで筋肉を電気刺激するステップ
を含む。これは、一方で、電気で誘発される収縮によって発生させられる最大力に達する(及びそれを定量する)こと、並びに他方で、この最大力が、対象の随意又は反射応答に関係するいずれの擾乱もなく、排他的に電気で誘発される収縮によるものであることを可能にする、電気パルスのある回数の繰り返しを有するために有利である。同時に、これは、試験される筋肉(刺激されている筋肉の異なる層)の筋繊維の増強をほとんど又はほぼ完全にもたらさず、効率的に筋疲労を測定することを可能にする。
【0065】
好ましくは、第1の周波数、及び第1の周波数より大きい第2の周波数の文脈において、ステップ(iii)は、第2の力に対する第1の力の比率の計算を含み、筋疲労が、この比率に基づいて定量される。より詳細に及び好ましくは、ステップ(iii)はまた、閾値との計算された比率の比較、及び閾値との計算された比率のこの比較に基づく筋疲労の定量を含む。ステップ(iii)のこの実施は、非常に単純であり、筋疲労を定量するための速やかで複雑性が低い計算を可能にする。それはまた、非常に効率的である。実際に、先で説明されたように、第1の周波数は、第2の周波数の少なくとも10%異なるので、比率は、筋疲労の関数での曲線グラフの変形の不均一性によって完全に影響を受ける。結果として、上述の比較が、計算された比率と疲労していない筋肉について予期される比率に対応する閾値との間の差を特定することを可能にする場合に、そのような差は、筋疲労を表し、したがって、筋疲労が、少なくとも暗示的に、及び好ましくは明示的に定量され得る。
【0066】
本開示のこの実施例、及び用語「に基づく」は、ステップ(ii)において定量される力から導出される他の情報又は計算も考慮する、ステップ(iii)を除外しない。例えば、ステップ(ii)において定量される他の力についての少なくとも1つの別の計算が、筋疲労を定量するために使用されることが可能であり、ステップ(iii)は、このように定量された筋疲労の平均値を算出するための、及び閾値との計算された比率の比較によるサブステップを含むことができ、それにより、そのような定量の平均値として筋疲労のより正確で効率的な定量が可能になる。例えば、この少なくとも1つの別の計算は、ステップ(ii)において定量される力の中の第4の力に対する第3の力の比率計算を含み得る。
【0067】
本開示の前出の実施例の概括として、ステップ(iii)は、好ましくは、ステップ(ii)において定量された力の比較、及び力の比較に基づく筋疲労の定量を含む。
【0068】
第2の力に対する第1の力の比率と比較される前述の閾値は、好ましくは数値F(μ)/F(μ’)で構成され、ここで、
・ Fは、電気刺激に応答して疲労していない筋肉によって発せられる力を表す、この電気刺激の周波数の関数として、人に依存せず増加する正則関数であり、
・ μ及びμ’は、それぞれ第1及び第2の周波数である。
換言すると、この場合に、Fは、好ましくは、閾値を定めるために使用され得る、式F(μ)/F(μ’)の閾値の族の基礎となる、当業者に公知の理論的関数である。
【0069】
このように比率を表すことは、それが人に依存せず、第1及び第2の周波数のいずれかの組について関数Fを通して間接的に与えられるので、有利である。この実施例は、開示される主題の範囲を限定するものではない。第1及び第2の周波数のみを含む上述の実施例について、これらの周波数に対応する数値が十分なものであるので、全体の関数Fを考察する必要はない。
【0070】
周波数間の比率を計算する、及びそれを閾値と比較する文脈において、
・ 第1の周波数は、好ましくは、10~40Hzに含まれ得る、及び/又は
・ 第2の周波数は、好ましくは、90~130Hzに含まれ得る。
この場合に、閾値は、好ましくは、40~90%に含まれる。より好ましくは、第1の周波数は約20Hzであり、第2の周波数は約120Hzであり、閾値は約60%、又は65%、又は70%、又は75%、又は80%である。値のそのような組合せは、第1の周波数、及び第1の周波数より大きい第2の周波数の文脈において、開示される主題の定量方法を実施することを非常に容易で効率的にする。それは、開示される主題の範囲を明らかに限定せず、他の値が考えられ得る。
【0071】
本文書の枠組み内で、用語「定量すること」、「定量する」、「定量」及びいずれかの他の変形は、筋疲労が、好ましくは、特定されるだけでなく、明示的に測定及び/又は計算されるという意味において、好ましくは、用語「量を定めること」、「量を定める」、及び「定量化」に対応する。例えば、前出の実施例では、明示的な測定及び/又は計算は、閾値との計算された比率の比較から、及び/又は定量された筋疲労の平均値を算出することから導出され得る。ステップ(iii)の範囲は、それにも関わらず、好ましくは、例えば関連する回転力などの、ステップ(ii)において定量される力から少なくとも部分的に導出される、他の物理量に基づく筋疲労の定量を除外しない。交換的に、ステップ(ii)の範囲は、好ましくは、例えば変位量、加速度、及び/又は回転力などの、ステップ(i)の電気刺激に応答して測定され得る力に関連する、中間的な物理量に基づく筋疲労の定量を除外しない。
【0072】
本明細書で開示される定量方法の他の実施例によると、周波数は、50Hzより小さい最小周波数、及び200Hzより小さく、最小周波数の整数倍である周波数の族を含む。この族は、より好ましくは、150Hzより小さく、最小周波数の整数倍である全ての周波数を含む。換言すると、この場合に、この族の周波数は、等間隔である。この実施例は、ステップ(i)においてより多くの電気刺激を必要とするが、この実施例は、それが、少なくともいくつかが、ステップ(iii)を効率的に及び正確に実行するための、前述の曲線グラフ上で少なくとも局所的に、好ましくは全体的に、均一に分布する、多種多様な点(ステップ(i)において使用される周波数、ステップ(ii)において定量される力)の基礎となる、より多くのデータを獲得することを可能にするので、有利である。そのような族は、例えば、5Hzが最小周波数である場合に、{5nHz|1≦n≦30,n整数}={5Hz,10Hz,15Hz,・・・,150Hz}、又は30Hzが最小周波数である場合に、{30Hz,60Hz,90Hz,120Hz}で構成され得る。族はまた、例えば、10Hzが最小周波数である場合に、{10Hz,20Hz,30Hz,40Hz,100Hz,110Hz,120Hz,130Hz}であり、したがって、10Hzの整数倍である全ての周波数が族に含まれるわけではない。
【0073】
好ましくは、方法の前出の実施例によると、ステップ(iii)は、
- 族の各周波数に対して、この周波数でのステップ(i)の電気刺激に応答して筋肉によって発せられる、ステップ(ii)において定量される力と関連する、(離散)関数の離散積分の計算、及び
- 計算された離散積分に基づく筋疲労の定量
を含む。
【0074】
この離散積分は、リーマン和と典型的には一致する。それは、好ましくは、族が150Hzより小さい最小周波数の全ての整数倍を含む場合に、効率的に実行され、最小周波数は、良好な計算精度のために、好ましくは20Hzより小さく、より好ましくは10Hzより小さい。好ましくは、ステップ(iii)は、ある領域の値との計算された離散積分の比較、及びその領域の値との計算された離散積分の比較に基づく筋疲労の定量を含む。この領域の値は、好ましくは、前述の関数Fのグラフ下の領域の値である。和分差分学において周知のように、比較は、疲労していない筋肉についてのこの理論的領域と筋肉についてのリーマン和によるその近似値との間の差を評価すること、並びに族の周波数の数及び好まれる全体に均一な配分のために、正確な手法でこれに基づいて筋疲労を定量することを可能にする。場合より、異なる周波数は、周波数のこの族で構成される。
【0075】
前段落の実施例は、様々なその他の前出の実施例と両立できる。特に、説明されるように、例えば、疲労していない筋肉についての人に依存しない予期される正常値との計算された比率及び計算された離散積分の平均された比較によって、第1及び第2の周波数間で計算された比率に、並びに前述の計算された離散積分に基づいて、ステップ(iii)における筋疲労の定量を考察することが可能である。この場合に、第1及び第2の周波数はまた、当該族に属し得る。
【0076】
方法の開示される別の実施例によると、力は、ステップ(ii)において、好ましくは歪み計又は力量計による、直接的な力の測定によって定量される。特に、ステップ(ii)における力の定量は、適切な技術により、及び中間的な又は間接的な測定及び/又は観察(筋電図検査によってなど)にも、ステップ(ii)における誤りのリスクを誘発する推定又は評価にもよらず、力(ニュートン単位)を測定することによって、直接的に行われる。これらの直接的な力の測定は、好ましくは、システムの一部として以降で提示される、新規な専用の装置によって行われる。
【0077】
好ましくは、関与する筋肉は、人の下肢の筋肉で構成される。好ましくは、この筋肉は、四頭筋又は膝屈曲筋で構成される。これらの場合のいずれにおいても、本開示の代表的な実施例によると、方法は、ステップ(i)の前に以下のステップ:
(a)・ 座位で人を受容するための、及び水平支持体に位置付けられるように調整される座部、
・ 座部へ機械的に連結され、下肢の脚の少なくとも部分を受容するように調整される脚支持要素、
・ 脚支持要素のレベルで(上述の)力を測定するための計器
を備える装置を準備するステップ、
(b)水平支持体に座部を位置付けるステップ、
(c)座位で座部に人を位置付けるステップ、並びに
(d)脚支持要素に脚の少なくとも部分を位置付けるステップ
を含む。
【0078】
好ましくは、力は、ステップ(ii)においてこの計器によって定量される。この装置は、有利には、非常に単純で、移動が容易であり、一方で、ステップ(ii)において力を正確に定量することを可能にする。ステップ(i)を実行するためのプロセスはまた、人が座部に座ると、その人物の脚が脚支持要素に位置付けられ、脚支持要素が安定した位置にそれを維持することを可能にするので、非常に単純である。好ましくは、座部のレベルで作用する人の体重が、単純に、装置がステップ(i)及び(ii)の実行中に水平支持体に対して実質的に静止して維持されることを可能にする。特に、人を受容し、方法を実行するために、複雑な構造が必要とされることはない。脚支持要素へ連結される単純な平面が、座部として使用され、台又は別の座部などいずれの場所の水平支持体にも位置付けられ得る。装置は、筋疲労定量システムの一部として以降で完全に詳らかにされる。
【0079】
好ましくは、上述のステップ(c)及び(d)は、
・ 下肢の足が空中に垂れ下がり、及び/又は、好ましくはさらに、
・ 下肢の全体の大腿が座部に置かれ、及び/又は、好ましくはさらに、
・ 下肢の膝の裏が座部の側面と接触する
ようなものである。
【0080】
有利には、座部は、下肢の単なる接点(大腿について座部の前面レベルでの、及び膝について座部の側面レベルでの)であり、それにより、ステップ(ii)における力の測定条件を完全に知ること、及び支持体に、例えば地面に、足によって作用される力によって誘発され得る、いずれかの測定の乱れを回避することが可能になる。好ましくは、人は、その背中が直立し、下肢の大腿と実質的に直角を形成するようにステップ(b)及び(c)において位置付けられる。装置の単純な構造、及び人の位置付けの容易さにより、計器による力の測定は、再現可能である。これは、同じ場所で及び同じ条件で定量方法を実行する必要がなく、人の位置付けに関するパラメータの多様性を気にすることなく、座部が水平支持体に位置付けられ得るという条件で、ステップ(iii)において定量される筋疲労が、いつでも及びどこでも、一日中比較され得るならば、開示される定量方法の適用の目的に非常に有利ある。
【0081】
それ自体が筋疲労を誘発することなく、対象の意志に関わらず、いかなるときでも、対象を怪我の危険にさらすことなく、筋疲労を効率的に定量することを可能にするシステムにおいて、本開示による定量方法を実施することが好ましい。
【0082】
この目的で、筋肉の筋疲労定量方法を実施するためのそのようなシステムは、好ましくは、
・ ある範囲の周波数で筋肉の電気刺激を発生させるための、及び
○ 周波数の範囲内の電気刺激のいずれかの周波数、及び/又は
○ いずれかの電荷、好ましくはパルスの電気的強度、及び/又は
○ パルスのいずれかの回数、及び/又は
○ ある時間におけるパルスのいずれかの回数の繰り返し、又はいずれかのそのような時間、及び/又は
○ 方法に関連して上記で説明されたように、それぞれ、ステップ(i)における異なる周波数での電気刺激の間の、及び/又はステップ(i)を連続して行う間の、及び/又は予備電気刺激ステップとステップ(i)との間の、いずれかの第1及び/又は第2及び/又は第3の休息期間
を選択するための制御装置を備える機器、
・ 機器によって発生させられる電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力を定量するための装置、並びに
・ 装置へ接続され、周波数の範囲のうちの異なる周波数で機器によって発生させられる電気刺激に応答して、筋肉によって発せられる力として装置によって定量される力に基づいて、筋疲労を定量するように構成される論理ユニット
を備える。
【0083】
機器、及びより詳細には制御装置はまた、好ましくは、先で説明されたようにある特定の充電ステップで、ステップ(i)を2回行う間に、電荷、好ましくはパルスの電気的強度を選択及び/又は修正する(特に、増加させる)ように構成される。方法の上記の関連する実施例によると、制御装置は、好ましくは、パルスの電気的強度、及び/又はパルス持続時間、及び/又はステップ(iv)において実施されるステップ(i)~(iii)の繰り返しの回数、及び/又はステップ(i)を2回行う間の充電ステップなどの、いずれかの電荷に関連するパラメータの選択を可能にする。より好ましくは、制御装置は、先で説明されたように電気刺激に関連する電荷の漸増、及び/又は周波数の選択を再現するための、方法に関連する電荷プログラムを実施するようにプログラムされ得る。
【0084】
上述のシステムは、本開示による定量方法を実行することを可能にする。好ましくは、ステップ(i)は機器によって実施され、ステップ(ii)は装置によって実施され、及び/又はステップ(iii)は論理ユニットによって実施される。
【0085】
本開示による定量方法の全ての実施例、及びこれらの実施例の利点は、必要な変更を加えて、本開示による本システムへ適用される。特に、このシステムは、筋疲労を定量するために効率的で、安全で、順応性が高い。
【0086】
好ましくは、周波数の範囲は、少なくとも周波数の上述の数値範囲のいずれかにわたる。好ましくは、それは0から200Hzにわたる。システムの代表的な実施例によると、論理ユニットは、
・- 周波数の範囲のうちの第1の周波数で機器によって発生させられる第1の電気刺激に応答して、筋肉によって発せられる力として装置によって定量される、第1の力、及び
- 周波数の範囲のうちの第2の周波数で機器によって発生させられる第2の電気刺激に応答して、筋肉によって発せられる力として装置によって定量される、第2の力であり、
第1の周波数が、第2の周波数より低く、後者の少なくとも10%異なる、
力のうちの少なくともいくつかについての計算を行う、
・ この計算に基づいて筋疲労を定量する
ように構成される。
筋疲労のそのような計算及び定量は、先で説明されたように行われ得る。
【0087】
システムの実施例によると、装置は、機器によって発生させられる電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力を直接的に測定するための、少なくとも1つの歪み計又は力量計を備える。有利には、装置は、したがって、適切な計器によって、及び中間的な又は間接的な測定及び/又は観察にも、力の定量における誤りのより高いリスクを誘発する推定又は評価にもよらず、これらの力(ニュートン単位)を直接的に測定にすることによる、直接的な力の定量を可能にする。
【0088】
人の下肢の筋肉が当該筋肉であるように適合されるシステムの代表的な実施例によると、装置は、それ自体が、機器によって発生させられる電気刺激に応答して、筋肉によって発せられるいずれかの力を定量するための、新規な専用の装置である。この装置は、既に部分的に説明された。それは、
・ 座位で人を受容するための、及び水平支持体に位置付けられるように調整される座部、
・ 座部へ機械的に連結され、下肢の脚の少なくとも部分を受容するように調整される脚支持要素、及び
・ 機器によって発生させられる電気刺激に応答して、脚支持要素のレベルで筋肉によって発せられる力を測定するための計器
を備える。
【0089】
装置は、座部のレベルで作用する人の体重により、力が異なる周波数で機器によって発生させられる電気刺激に応答して脚支持要素のレベルで筋肉によって発せられる場合に、水平支持体に対して実質的に静止して維持されるように構成される。
【0090】
システムのこの実施例の利点は、先で論じられた。この装置は、管理操作者なしで使用されるように設計され、安定した強固な構造を有し、その結果、力の測定は、正確で再現可能である。特に、装置は、単純で軽い。装置は、好ましくは、座部と関連する背もたれも脚も備えず、その結果、座部は、実質的に平面であり、台又は別の座部などのいずれかの水平支持体に位置付けられ得る。装置は、したがって、容易に運搬可能であり、人がどこにいようとも、追加の設備又は構造を必要とせず、力の測定が行われることを可能にする。特に、人が、筋疲労を定量するために特定の医療又はスポーツ施設に行く必要はない。座部は、それに座った人物を完全に位置付けるために十分に広い。それは、2つの垂直軸に沿って、少なくとも40cm、好ましくは少なくとも50cm又は少なくとも60cmで、好ましくは連続して延在する。
【0091】
脚部を受容し、単純に支持しないことにより、脚支持要素は、定位置に脚の部分を維持することを可能にし、例えば、説明されたような、力の正確で再現可能な測定を確実にする。脚支持要素は、好ましくは、脚の部分の曲率と適合し、この脚の部分を横方向に動かなくするための、半円筒状の中空部を備える。脚支持要素はまた、脚の部分をより良好に動かなくするためのストラップを備え得る。
【0092】
計器は、好ましくは、特に装置の使用での構成において、前記力の方向と整列される(ように配置される)部品へ取り付けられる(中間的にではなく、又は換言すると、直接的に)。この計器は、好ましくは、脚支持要素と整列される。両方の場合において、それは、容易で直接的で非常に正確な力の測定を可能にする。それは、好ましくは、脚支持要素を有する単一の部品の一部である場合があり、又は換言すると、それは、好ましくは、脚支持要素と固定される。計器は、牽引において又は圧縮において動作するために装置に配置されることが可能であり、その結果、力の再現可能で直接的で正確な測定が行われ得る、上記で説明されたような歪み計又は力量計で構成され得る。
【0093】
好ましくは、装置の脚支持要素は、機械式アーム又は機械式フレームによって、座部へ(機械的に)連結される。好ましくは、後者は、座部のレベルで、又は脚支持要素のレベルで計器への接続部材を備える。有利には、装置の構造は、したがって、非常に単純で軽い。アーム又はフレームは、座部に直交する少なくとも1つの平面において、単純な形状、例えば「I」、「L」、「T」、「U」、「S」又は「Z」の突出した形状を有し、好ましくは、座部と連結される(又は固定される)少なくとも1つの高位の先端、及び脚支持要素と連結される(又は固定される)少なくとも1つの低位の先端を備え得る。
【0094】
場合により、装置はまた、
- 座部に対する機械式アーム又は機械式フレームの位置及び/又は向き、
- 機械式アーム又は機械式フレームに対する脚支持要素の位置及び/又はくは向き、
のうちの少なくとも1つを修正するための少なくとも1つの位置調節要素を備える。
そのような位置調節要素は、好ましくは、例えば空洞内で、機械式アーム又はフレームと協働するように構成される、ねじ、ボルト、ピン、ばねなどの、当業者に周知のいずれかの機械的要素を備え得る。好ましくは、機械式アーム又はフレームが単純な形状の機械式アームである場合に、それは、機械式アームに垂直な方向(又は線)に沿って、2つの相反する意図のうちの1つにおいて、脚支持要素を方向付けるための、そのような位置調節要素を備え、これらの意図のうちの一方は、人の右下肢の脚の部分を受容するために、適切に脚支持要素を方向付けるように調整されることであり、これらの意図のうちの他方は、人の左下肢の脚の部分を受容するために、適切に脚支持要素を方向付けるように調整されることである。機械式アーム又はフレームがフレームである場合に、それは、好ましくは、人の右又は左下肢の脚の部分を受容するために、適切にフレームの側面に沿って脚支持要素を位置付けるための、そのような位置調節要素を備える。装置の構造は、したがって、単純であり、筋疲労が定量される必要がある筋肉が属する、下肢に対して調整される。
【0095】
より詳細には、システムの装置は、好ましくは、座部、脚支持要素、計器、機械式アーム又は機械式フレーム、及び含まれ得るならば、いずれかの位置調節要素のみで構成される。それは、したがって、非常に単純で実用的な形態まで簡素化されるが、筋疲労を定量するための非常に満足な手法で、定量方法のステップ(ii)を実施することを可能にする。
【0096】
開示される主題は、請求項においてさらに提示される。本開示から当業者によって理解されるように、請求項において提示される実施例のいずれかの1つは、単独又は組合せで考察され得る。請求項の従属は、より広範な方式で考えられることが可能であり、その結果、請求項の可能な組合せのいずれの1つも、それらが、特に本開示を考慮して、技術的に可能であり、当業者によって理解される限り、本出願の一部である。
【0097】
開示される主題の他の特性及び利点は、以下の詳細な説明を読み解くことで明らかとなり、その理解のために、添付の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】本開示の代表的な実施例による、定量方法の流れ図である。
【
図2】所与の周波数での電気刺激に応答して筋肉によって発せられる、この周波数の関数としての(全体的及び/又は最大)力の曲線グラフである。
【
図3】開示される筋疲労定量方法の代表的な実施例を実施するための、システムの装置を例示する図である。
【
図4】本開示の代表的な実施例による方法の実行中に時間の関数で測定された力の、実験に基づく概略的な曲線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0099】
図における図面は、縮尺通りではない。同様の要素は、図において同様の参照符号を割り当てられ得る。本文書の枠組み内で、同一又は類似の要素は同じ参照符号を有し得る。図面における参照番号の存在は、特に、これらの番号が請求項において示される場合に、限定的であるとみなされることはない。
【0100】
開示される主題の代用的な実施例の説明が、図を参照して以降に記載されるが、本開示は、これらの参照によって限定されない。特に、以下に説明される図面又は図は、概略的なものに過ぎず、決して限定することはない。
【0101】
図1に示されるように、例示される筋疲労定量方法は、電気刺激の回数n、例えば2≦n≦50、好ましくは2≦n≦5について、異なる周波数μ
1、μ
2、μ
3、・・・、μ
nで筋肉を電気刺激すること、各周波数μ
1、μ
2、μ
3、・・・、μ
nそれぞれでの電気刺激の各々に応答して筋肉によって発せられるそれぞれの(最大)力F
1、F
2、F
3、・・・、F
nを定量すること、好ましくは測定すること、及びそのように定量された力F
1、F
2、F
3、・・・、F
nに基づいて筋肉の筋疲労を定量することを企図する。そのような定量は、例えば、上記で完全に説明されるように、2つの力の比率計算及び/又は離散積分計算、並びに少なくとも1つの予期される値とのこれらの計算のうちの少なくとも1つの比較によって、行われ得る。
【0102】
図2は、周波数の関数として、電気刺激に応答して筋肉によって発せられる(最大)力のグラフを例示する。力は、縦軸82(ニュートン単位)で読み取られ、周波数は、横軸81(ヘルツ単位)で読み取られる。曲線グラフ61は、電気刺激の周波数の関数として、そのような電気刺激に応答して疲労していない筋肉によって発せられる力を表す、理論的に予期される関数Fのグラフに対応する。曲線グラフ62は、疲労した筋肉について測定される点(μ
1,F
1)、(μ
2,F
2)、(μ
3,F
3)、・・・、(μ
n,F
n)に対応するドット・クラウド(dots cloud)の連続的で規則的な広がりを示す。2つの曲線グラフ61及び62の間の間隔が、高周波数(例えば、90Hzより大きい)についてより、低周波数(例えば、10~40Hz)について、より大きいことが留意される。この間隔は、それぞれ低及び高周波数での、筋肉について測定された力と、疲労していない筋肉についての関数Fから予期される力との間の、差71及び72に対応する。特に、差72は、非常に小さいので、2つの曲線グラフ61及び62が高周波数について実質的に同じであると仮定され得る。
【0103】
比率F(20)/F(120)が約60%であると分かっていることが仮定される場合に、それは、したがって、有利には、同じであるが疲労していない筋肉についての特定の人に依存しない曲線グラフを識別する必要がなく、筋疲労を定量するために、それぞれμ1=20Hz及びμ2=120Hzでの電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力F1及びF2を測定するために、十分である。
【0104】
実際には、F2がF(120)に実質的に対応するので、F2の測定は、基準測定にある意味において対応し、F1の測定は、F2に対する比率という観点で、期待値との乖離を明示することを可能にする。
【0105】
特に、比率F1/F2が65%と著しく異なる場合に、筋疲労は、方法により定量されると考えられ、量が定められ得る。比率についての約65%というこの値は、具体的に指示するためのものであり、限定するものではない。約60%、又は約70%、又は約80%などの他の値が、考察される関数Fによっては、都合がよい場合がある。同様に、μ1及びμ2のこれらの値は、全く限定するものではない。例えば、全く同じ論考が、120Hzの代わりにμ2=100Hzで成立し得る。
【0106】
下肢の筋肉について力F
1、F
2、F
3、・・・、F
nを測定するために有利な装置1が、
図3に例示される。装置は、筋疲労定量方法を実施するために有利である。装置1は、座位で人を受容するための平滑部11、平滑部11のための剛性フレーム12、及び水平支持体に座部を取外し可能に位置付けるための位置付け用下側部材13を備える、座部10を備える。剛性フレーム12は、特に、人の快適さのために柔軟な及び/又は詰め物の入った材料から製作され得る平滑部11のレベルで、座部の剛性に寄与する。位置付け用下側部材13は、水平支持体上の座部10の安定性を改善するために、平滑部11の下、0から1/20メートルまで高さが調節可能であり得る。それらは、吸盤であり得る。それらは、保護された先端を有し得る。それらは、装置1の別の部分がそれらより一層低く延在するので、地面に設置されるようには配置されない。
【0107】
装置1は、例示されるように、機械式フレーム2によって座部10へ固定される脚支持要素3を備える。脚支持要素3は、下肢の脚の下部を受容し、少なくとも部分的に動かなくするための、半円筒状の中空部を含む。それは、特に電気刺激に応答して、脚支持要素3のレベルで筋肉によって発せられる力を測定するための計器4を統合する。機械式フレーム2は、脚支持要素のレベルで計器4への接続部材5を備える。特に、
図3の例示される構成において、計器4は、脚支持要素3と接続部材5との間に挟まれて、第1の方向に沿って固定される歪み計である。歪み計は、開示される定量システムの示されていない論理ユニットと装置1を接続するための、接続先端41を備える。論理ユニットは、周波数μ
1、μ
2、μ
3、・・・、μ
nの各々での電気刺激に応答して装置1によって定量される、力F
1、F
2、F
3、・・・、F
nのうちの少なくともいくつかに基づいて、筋疲労を定量するように構成される。
【0108】
接続部材5はまた、上述の第1の方向に垂直である第2の方向dに沿って、機械式フレーム2に対して脚支持要素3及び計器4の位置を変更するための、位置調節要素51を備える。
【0109】
開示される主題の代表的な実施例による方法の実行は、以下のステップ:
10~50mAに含まれ、好ましくは(約)25mAである所与の初期電気的強度について、
0.1~10mAに含まれ、好ましくは(約)1mAである所与の充電ステップSについて、
及び連続的に、0~K、Kは5~30に含まれ、好ましくは(約)15である、の各整数k(いわゆる「回数」)について、
- パルスが一定の持続時間及び強度I0+kSを有して、250ミリ秒より短い時間T1におけるN1回のパルスの繰り返しで、第1の周波数μ1(優先的には(約)20Hz)で筋肉を電気刺激するステップ、
- この電気刺激に応答して筋肉によって発せられる(最大)力F1を定量するステップ、
- 300ミリ秒~5秒に含まれ、好ましくは(約)1秒である第1の休息期間R1において、待機するステップ、
- パルスが一定の持続時間及び強度I0+kSを有して、250ミリ秒より短い時間T2におけるN2回のパルスの繰り返しで、第2の周波数μ2(優先的には(約)120Hz)で筋肉を電気刺激するステップ、
- この前の電気刺激に応答して筋肉によって発せられる(最大)力F2を定量するステップ、
- 定量された力F1及びF2に基づいて、少なくとも1つの筋肉データ情報、好ましくは筋肉の筋疲労を定量するステップ、
- 330ミリ秒~10秒に含まれ、好ましくは(約)5秒である第2の休息期間R2において、待機するステップ
を含む。
【0110】
式T1=N1/μ1及びT2=N2/μ2が、パルスの回数と電気刺激の時間と電気刺激の周波数との間の関係を表すことが留意され得る。特に、好ましくは、N1は、μ1が(約)20Hzである場合に、(約)5であり、N2は、μ2が(約)120Hzである場合に、(約)18である。パルスのこれらの回数は、最大力F1及びF2に達することを可能にし、力の測定の随意の乱れを回避するために、電気刺激の回数T1及びT2が250ミリ秒までに限定されることを可能にする。例えば、N2が25であるとみなされる場合に、T2は、依然として250ミリ秒未満であるが、(最大)力F2は、18であるN2についてのものと比較して、実質的に変化しないままである。N1及びN2のこれら値は、特に、μ1及びμ2の上述の値と関連する本開示の好適な実施例として、本発明者らによって実験的により導出された。
【0111】
図4は、本開示の代表的な実施例による方法の部分的な実行中に時間の関数で人の下肢の筋肉から発せられた(収縮)力の、純粋に概略的な曲線グラフ63を例示する。特に、この図は、任意のkについての電気刺激の効果を例示し、したがって、ステップ(i)の全体の実行を含む。曲線グラフが、各ステップ(i)を行う場合について、すなわち、各kについて、第2の休息期間R
2後に、それ自体を同様に繰り返すことが、容易に導かれ得る。上記で提示された符号T
1、R
1、F
1、T
2、R
2、F
2は、
図4へ同様に適用される。
【0112】
図4のグラフは、各周波数についてステップ(ii)において定量された最大力のみを表す、
図2のものとは異なる。曲線グラフ63は、実験による測定に基づき、概略的な手法で再現される。測定された力(例えば、歪み計によって)は、依然として縦軸82(ニュートン単位)で読み取られるが、横軸83は、ここでは時間を指示する。
図4は、概略的なものであり、明示的な実験データを示さない。軸は、必ずしも均等目盛で与えられるわけではない。特に、ここで明確にするために、
図4の例示に対応する回数N
1及びN
2は、それぞれ3及び5であり、軸83上に記された時間T
1、R
1、T
2及びR
2は、均等に目盛を付されていない。
【0113】
筋肉が、パルスが一定の持続時間及び強度I
0+kSを有して、250ミリ秒より短い時間T
1における3回のパルスの繰り返しで、第1の周波数μ
1で電気刺激されることが、
図4で視認できる。各パルス発生は、時間軸83上の目盛線84に対応する。曲線グラフ63へのパルスの効果は、64によって記され、筋肉の収縮、及びしたがって、筋肉の強直プロセスにより筋肉によって発せられる力の漸増として明確に視認できる。換言すると、84で発生させられたパルスは十分に近いので、各個々のパルスの筋肉への効果のある種の融合が、時間T
1に沿って観察され、したがって、時間T
1上に曲線グラフ63のそのような階段状部分をもたらす。
【0114】
同じ論考が、パルスが同じ一定の持続時間及び強度I0+kSを有して、250ミリ秒より短い時間T2における5回のパルスの繰り返しで、第2の周波数μ2>μ1でのステップ(i)における筋肉の電気刺激へ適用される。
【0115】
それぞれの時間T
1及びT
2における周波数μ
1及びμ
2でのこれらの電気刺激の各々は、
図4の軸82で視認できるように、電気刺激に応答して筋肉によって発せられる最大力、それぞれF
1及びF
2に達し、それを定量すること、並びにそれに続いて、ステップ(iii)における筋疲労を定量することを可能にする。
図4で視認できるように、第1及び第2の休息期間R
1及びR
2は、先の電気刺激によるいずれの収縮も、発せられて残存する力も、及び次の電気刺激の開始前のこれらもなく、筋肉が「正常な」及び/又は「弛緩した」状態に完全に戻ることを可能にするために、十分長い。換言すると、休息期間R
1及びR
2は、曲線グラフ63がベースラインに戻ることを可能にする。休息期間R
1は、式I
0+kSの同じパルス強度で周波数μ
1及びμ
2での電気刺激の間に行われる。休息期間R
2は、パルス強度I
0+kSで周波数μ
2での電気刺激と、パルス強度I
0+(k+1)Sでの周波数μ
1で電気刺激との間に行われる。
【0116】
本開示において広く説明されるように、この方法は、力F
1及びF
2の定量への擾乱効果を回避するために利便性が高い。
図4はまた、曲線グラフ63上のそのような擾乱91、92及び93の効果の実例を、点線で例示する。それらは、方法がそれらを回避するために具体的に考えられるように、純粋に架空のものである。
【0117】
擾乱91は、第1の休息期間R1についての上記で論じられた下限に従わないことによる、曲線グラフ63への強直効果の実例を示す。この期間が十分に持続しない場合に、筋肉は、次の電気刺激が始まるときに、依然として収縮され、弛緩されず、それにより、F2の測定が影響を受け、周波数μ1及びμ2での電気刺激の効果の部分的(強直による)融合により過剰に高くなる。融合が部分的で非常に限定される場合に(すなわち、115ミリ秒より大きいR1について)、それにも関わらず、直接的な数学的処理(例えば、線形補間による)を適用して、観察された乱れた曲線グラフ91から力F2を定量することが可能である。同様の論考が、明らかに、第2の休息期間R2に適用される。
【0118】
擾乱92は、時間T1上の曲線グラフ63への増強効果の実例を示す(しかし、当業者であれば、そのような効果がこの時間上に限定されないことを容易に理解するであろう)。ステップ(i)を連続して行う間の充電ステップSによるパルス強度を増加させないことによって、筋肉が増強され、その結果、実際の力F1は、筋繊維のある種の鍛錬により、乱され、特に、あるべきものより大きい。本開示によるステップ(i)を連続して行う間の強度の増加は、そのような増強効果を回避することを可能にする。
【0119】
最後に、擾乱93は、電気刺激と並行した、対象による随意及び/又は反射的筋肉収縮の実例を示す。対象は、パルス発生時に力を増加させ、パルス間又は後にそれを減少させる。有利には、そのような擾乱は、対象が電気刺激中に自身で反応できないほど、時間T1及びT2が非常に短い(最大で250ミリ秒)ならば、発生することはない。
【0120】
実施例のクラスについての電気刺激の回数nが2に等しいこと、しかし、これらの実施例がいずれかの回数n>1へ容易に一般化され得ることが、当業者によって容易に理解されるであろう。
【0121】
換言すると、本開示は、異なる周波数での筋肉の電気刺激に応答して筋肉によって発せられる力から生じる情報に基づく、筋疲労の定量方法であって、方法のステップが繰り返され、電気刺激の電荷の増加を伴う、方法に関する。
【0122】
開示される主題が、純粋に例示的である有用性を有し、限定的であるとみなされるべきではない、特定の実施例に関連して説明された。当業者であれば、開示される主題が、本明細書において上記で例示及び/又は説明される、実例に限定されないことを認知するであろう。開示される主題は、本文書において説明される新規の技術的特徴の各々、及びそれらの組合せを含む。定量方法の実施例及び利点は、必要な変更を加えて、前述のスポーツ活動計画方法へ適用される。
【国際調査報告】