(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】自動化されて走行する車両用の走行ルートを検出する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231218BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01C21/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528262
(86)(22)【出願日】2021-10-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2021078077
(87)【国際公開番号】W WO2022128199
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020133937.2
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】デーニヒ・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クヴァテルバウム・ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】デーニヒ・ザブリーナ
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA05
2F129AA06
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2F129BB56
2F129CC06
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2F129DD05
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2F129FF36
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF27
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】自動化された走行モードを有する車両のためのできる限り快適な走行ルートを検出する。
【解決手段】自動化された走行モードと、手動の走行モードとを有する車両のための走行ルートを検出する装置であって、該装置が、
-車両が走行する車道網310の異なる車道部分314における自動化された走行モードの許可についての許可情報315を検出するように、
-始点311から目的点312への走行における車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両の運転者の運転可能性についての運転可能性情報を検出し、及び/又は予測するように、及び
-許可情報315に基づき、及び運転可能性情報に基づき、始点311から目的点312までの車道網310を通る走行ルート316を検出するように
構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)が少なくとも部分的に自動化されて長手方向運転及び/又は横方向運転される自動化された走行モードと、車両(100)が該車両(100)の運転者によって少なくとも部分的に手動で長手方向運転及び/又は横方向運転される手動の走行モードとを有する車両(100)のための走行ルートを検出する装置(101,120)であって、該装置(101,120)が、
-車両(100)が走行する車道網(310)の異なる車道部分(314)における自動化された走行モードの許可についての許可情報(315)を検出するように、
-始点(311)から目的点(312)への走行における車両(100)の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両(100)の運転者の運転可能性についての運転可能性情報(211,212)を検出し、及び/又は予測するように、及び
-許可情報(315)に基づき、及び運転可能性情報(211,212)に基づき、始点(311)から目的点(312)までの車道網(310)を通る走行ルート(316)を検出するように
構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
始点(311)から目的点(312)への走行中の一連の時間インターバルについての運転可能性情報(211,212)が、それぞれ、
-各時間インターバルにおける車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転のついての車両(100)の運転者の運転可能性の度合い(301)、
-各時間インターバルにおける車両(100)の所望の自動化度合い、及び/又は
-車両(100)の運転者が、各時間インターバルにおいて、車両(100)を手動の走行モードで動作させるのに携わることができるか否か
を示すことを特徴とする請求項1に記載の装置(101,120)。
【請求項3】
装置(101,120)が、
-走行ルート(316)について、自動化された走行モードが許可されている車道部分(314)と、運転者が車両(100)を手動の走行モードで動作させるのに携わることができない時間インターバルとの間の相関の相関度合いを検出するように、及び
-相関度合いが大きくなるように、特に最大化されるように走行ルート(316)を検出するように
構成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置(101,120)。
【請求項4】
-車道網(310)の複数の車道部分(314)についての許可情報(315)が、各車道網(314)における車両(310)のそれぞれ1つの可能な自動化度合いを示し、及び
-装置(101,120)が、
-一連の車道部分(314)を有する走行ルート(316)について、始点(311)から目的点(312)への走行時の、走行ルート(316)の一連の車道部分(314)における可能な自動化度合いと、一連の時間インターバルにおける所望の自動化度合いとの間の相関の相関度合いを検出するように、及び
-相関度合いが大きくなるように、特に最大化されるように走行ルート(316)を検出するように
構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の装置(101,120)。
【請求項5】
装置(101,120)が、
-運転可能性情報(211,212)に基づき、始点(311)から目的点(312)への走行における、運転者が車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転に携わることができない時間インターバルを予測するように、及び
-車両(100)が、予測された時間インターバルの間に、自動化された走行モードについて許可された車道部分(314)にあるように、許可情報(315)に基づき走行ルート(316)を検出するように
構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(101,120)。
【請求項6】
装置(101,120)が、
-車両(100)の1つ又は複数の運転者センサ(107)、特に1つ又は複数の車室内カメラで検出された運転者についてのセンサデータ、
-車両(100)のインフォテインメントシステムのデータ、
-運転者の個人的なユーザ機器(110)からのデータ、及び/又は
-運転者のデジタルカレンダーからのデータ
に基づき、運転可能性情報(211,212)を検出し、及び/又は予測するように構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(101,120)。
【請求項7】
装置(101,120)が、
-車道網(310)についてのデジタル地図データに基づき、検出されるべき走行ルート(315)についての見込まれる期間を推定するように、及び
-見込まれる期間についての運転可能性情報(211,212)を検出し、及び/又は予測するように
構成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(101,120)。
【請求項8】
装置(101,120)が、
-検出されるべき走行ルート(316)についての可能な各道路網(314)の価値を示すそれぞれ1つの部分重みが車道網(310)の可能な異なる車道網(314)について考慮されるルーティングアルゴリズムに基づき走行ルート(316)を検出するように、及び
-可能な異なる車道部分(314)の部分重みが、運転可能性情報(211,212)に基づき検出されるように
構成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(101,120)。
【請求項9】
-装置(101,120)が、検出された走行ルート(316)についてのルート情報を車両(100)の運転者へ出力するように構成されており、及び
-ルート情報が、検出された走行ルート(316)に沿った走行における、車両(100)が自動化された走行モードで動作されることができるか、又は車両(100)が手動の走行モードで動作される必要がある1つ又は複数の時間インターバル及び/又は1つ又は複数の車道部分(314)を示すこと
を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(101,120)。
【請求項10】
-装置(101,120)が、車両(100)が走行する車道網(310)についてのデジタル地図情報を検出するように、及びデジタル地図情報に基づき走行ルート(316)を検出するように構成されており、及び
-デジタル地図情報が、車道網(310)の異なる複数の車道部分(314)についての許可情報(315)を含んでいる
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の装置(101,120)。
【請求項11】
装置(101,120)が、始点(311)から目的点(312)への走行において、特に反復的及び/又は周期的に、
-始点(311)から目的点(312)への走行における車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両(100)の運転者の運転可能性についての更新された運転可能性情報(211,212)を検出し、及び/又は予測するように、及び
-車両(100)の現在の位置から目的点(312)までの走行ルート(316)を更新された運転可能性情報(211,212)に基づいて適合させるように
構成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の装置(101,120)。
【請求項12】
車両(100)が少なくとも部分的に自動化されて長手方向運転及び/又は横方向運転される自動化された走行モードと、車両(100)が該車両(100)の運転者によって少なくとも部分的に手動で長手方向運転及び/又は横方向運転される手動の走行モードとを有する車両(100)のための走行ルートを検出する方法(400)であって、該方法(400)が、
-車両(100)が走行する車道網(310)の異なる車道部分(314)における自動化された走行モードの許可についての許可情報(315)を検出すること(401)、
-始点(311)から目的点(312)への走行における車両(100)の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両(100)の運転者の運転可能性についての運転可能性情報(211,212)を検出すること、及び/又は予測すること(402)、及び
-許可情報(315)に基づき、及び運転可能性情報(211,212)に基づき、始点(311)から目的点(312)までの車道網(310)を通る走行ルート(316)を検出すること(403)
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも部分的に及び/又は少なくとも一部において自律して走行するように形成された車両に関するものである。特に、本発明は、自動化された走行モードを有する車両用の走行ルートを検出する方法及び対応する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両は、車両の長手方向運転及び/又は横方向運転が車両によって部分的に、又は完全に自動化して提供される自動化された走行モードを有することができる。さらに、車両は、車両の長手方向運転及び/又は横方向運転が車両の運転者によって部分的に、又は完全に提供される手動の走行モードを有することができる。このとき、場合によっては、車両の自動化度合いは、完全に自動化された走行モードと完全に手動の走行モードの間で複数段階に変更可能であってよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
始点から目的点に至るために、自律走行する車両のナビゲーション装置を用いて走行ルートを計画することが可能である。このとき、始点から目的点への走行の快適性は、計画された走行ルートに依存することがある。本明細書は、自動化された走行モードを有する車両のためのできる限り快適な走行ルートを検出することを可能とする技術的な課題に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
当該課題は、各独立請求項によって解決される。有利な実施形態は、とりわけ従属請求項に記載されている。独立請求項に従属する請求項の追加的な特徴は、独立請求項の特徴なしに、又は独立請求項の特徴の一部との組合せにおいてのみでも、固有の、及び独立請求項の全ての特徴の組合せから独立した発明を形成することができ、当該発明は、独立請求項、分割出願又は後出願の対象に対して行われ得ることを指摘しておく。このことは、独立請求項の特徴のうち1つから独立した発明を形成し得る、明細書に記載された技術的な示唆についても同様に当てはまる。
【0005】
一態様によれば、(原動機付き)車両のための走行ルートを検出する装置が記載される。車両は自動化された走行モードを有しており、当該走行モードでは、車両は、少なくとも部分的に、又は完全に自動化されて(例えばSAEレベル3又はこれより高いレベルにより)長手方向運転及び/又は横方向運転される。さらに、車両は手動の走行モードを有しており、当該走行モードでは、車両は、車両の運転者によって少なくとも部分的に、又は完全に手動で(例えばSAEレベル2,1又は0により)長手方向運転及び/又は横方向運転される。
【0006】
装置は、車両が走行する車道網の異なる車道部分における自動化された走行モードの許可についての許可情報を検出するように構成されている。特に、装置は、車両が走行する車道網についてのデジタル地図情報を検出するように構成されることが可能である。デジタル地図情報は、車道網の異なる車道部分及び/又は車道結節点の空間的な、及び/又は地理的な配置を記述することができる。さらに、デジタル地図情報は、車道網の異なる車道部分についての許可情報を含むことができる。許可情報は、場合によっては現在の気象条件及び/又は現在の交通状況に依存し得る。したがって、車道網のどの1つ又は複数の車道部分において(場合によっては現在)自動化された走行モードの利用が可能であるかを検出することが可能である。さらに、車道網のどの1つ又は複数の車道部分において(場合によっては現在)手動の走行モードの利用が必要であるかを検出することが可能である。
【0007】
また、装置は、走行ルートが検出されるべき(車道網内の)始点から(車道網内の)目的点への走行における車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両の運転者の運転可能性(アベイラビリティ)に関する運転可能性情報(アベイラビリティ情報)を検出し、及び/又は予測するように構成されている。特に、計画されるべき走行ルートに沿った走行におけるどの1つ又は複数の前方(将来)の時間インターバルにおいて運転者が車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転に携わることができる見込みがあるか、又は車両の長手方向運転及び/又は横方向運転に携わることができる見込みがないかを予測することが可能である。
【0008】
装置は、1つ又は複数の以下のデータに基づき運転可能性情報を検出し、及び/又は予測するように構成されることが可能である:車両の1つ又は複数の運転者センサ、特に1つ又は複数の車室内カメラによって検出される運転者についてのセンサデータ;車両のインフォテインメントシステム(例えば運転者が視聴したいオーディオ及び/又はビデオ放送について)のデータ;運転者の個人的なユーザ機器(例えばスマートフォン)からのデータ;及び/又は運転者のデジタルカレンダーからの(例えば計画されるべき走行ルートに沿った走行中の計画されたオーディオ会議及び/又はビデオ会議についての)データ。したがって、前方(将来)の走行における手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両の運転者の運転可能性を精確に予測することが可能である。
【0009】
特に、装置は、始点から目的点への走行中の前方の一連の時間インターバルについて、各時間インターバルにおける車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両の運転者の運転可能性のそれぞれの度合いを示す運転可能性情報を検出し、及び/又は予測するように構成されることが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、予測された運転可能性情報は、一連の時間インターバルの各時間インターバルにおける車両の所望の自動化度合いを示すことが可能である。これに代えて、又はこれに加えて、予測された運転可能性情報は、前方の一連の時間インターバルについて、それぞれ、車両の運転者が各時間インターバルにおいて車両を手動の走行モードで動作させるのに携わることができるか否かを示すことができる。
【0010】
さらに、装置は、許可情報に基づき、及び運転可能性情報に基づき(及びデジタル地図情報を考慮して)始点から目的点までの走行網を通る少なくとも1つの走行ルートを検出するように構成されている。このとき、走行ルートの一連の車道部分の許可が走行ルートに沿った走行における一連の時間インターバルにおける車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての運転者の予測された運転可能性にできる限り良好に適合する少なくとも1つの走行ルートを(ルーティングアルゴリズムを用いて)検出することができる。したがって、自動化された走行モードを有する車両の運転者にとっての快適性を向上させることが可能である。
【0011】
装置は、(走行ルートの検出にあたって)(可能な)走行ルートについて、自動化された走行モードが許可されている1つ又は複数の車道部分と、運転者が車両を手動の走行モードにおいて動作させるのに携わることができる1つ又は複数の時間インターバルとの間の相関及び/又は一致及び/又は重なりの相関度合いを検出するように構成されることが可能である。そして、走行ルートは、相関度合いが大きくなるように、特に最大化されるように検出されることができる。したがって、自動化された走行モードのために許可されている車道部分と、運転者の手動の走行についての低い運転可能性を有する時間インターバルとの間のできる限り大きな(時間的及び/又は場所的な)相関を有する走行ルートを検出することが可能である。したがって、車両の運転者にとっての快適性を更に向上させることが可能である。
【0012】
既に上述したように、許可情報は、車道網の多数の車道部分について、それぞれ、各車道部分における車両の可能な自動化度合いを示すことができる。装置は、(走行ルートの検出にあたって)一連の車道部分を有する(可能な)走行ルートについて、走行ルートの一連の車道部分における可能な自動化度合いと、始点から目的点への走行における一連の時間インターバルにおける所望の自動化度合いとの間の相関及び/又は重なり及び/又は一致の相関度合いを検出するように構成されることが可能である。そして、走行ルートは、相関度合いが大きくなるように、特に最大化されるように検出されることができる。
【0013】
したがって、計画される走行ルートの車道部分における車両の可能な自動化度合いが手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての運転者の予測された非運転可能性(アンアベイラビリティ)にできる限り良好に適合する少なくとも1つの走行ルートを検出することが可能である。したがって、車両の運転者の快適性を特に顕著に向上させることが可能である。
【0014】
これに代えて、又はこれに補足して、装置は、運転可能性情報に基づき、運転者が車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転に携わることができない、始点から目的点への前方の走行における時間インターバルを予測するように構成されることが可能である。さらに、装置は、自動化された走行モードについて許可されている車道部分に車両が(おそらく)あるか、あることとなるように許可情報に基づき走行ルートを検出するように構成されることが可能である。したがって、運転者の非運転可能性の1つ又は複数の予測された時間インターバルが、自動化された走行モードの利用が許可された1つ又は複数の車道部分と一致し、及び/又は相関する走行ルートを検出することが可能である。換言すれば、運転者の予測された非運転可能性の1つ又は複数の時点において車両のより高い自動化度合いを可能とするために、場合によってはう回路をとるように走行ルートを計画することが可能である。したがって、車両の運転者の快適性を信頼性をもって向上させることが可能である。
【0015】
装置は、車道網についてのデジタル地図情報に基づき(及び場合によっては車道網における現在の交通状況についての現在の交通情報を考慮して)、検出されるべき走行ルートについて見込まれる期間を推定するように構成されることが可能である。そして、運転可能性情報は、見込まれる(総)期間について検出され、及び/又は予測されることが可能である。したがって、特に快適な走行ルートを検出することができる。
【0016】
装置は、車道網の可能な異なる車道部分について、検出されるべき走行ルートについてのそれぞれ可能な車道部分の価値を示すそれぞれ1つの部分重みが考慮されるルーティングアルゴリズムに基づき走行ルートを検出するように構成されることが可能である。可能な異なる車道部分の部分重みは、運転可能性情報に基づいて検出されることが可能である。このとき、車道部分が自動化された走行モードについての許可を有している場合、及び車両の運転者が車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転に携わることができない時間インターバルについての車道部分が走行ルートに沿って設けられている場合には、(計画されるべき走行ルートについての比較的高い価値を示すために)車道部分についての部分重みを増大させることが可能である。他方で、車道部分が自動化された走行モードについての許可を有していない場合、及び車両の運転者が車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転に携わることができない時間インターバルについての車道部分が走行ルートに沿って設けられている場合には、(計画されるべき走行ルートについての比較的低い価値を示すために)車道部分についての部分重みを低減することが可能である。運転可能性情報に依存した部分重みの適合によって、運転者の手動の走行について予測された非運転可能性に特に良好に適合された、自動化された走行のための車道部分を有する走行ルートを特に信頼性をもって検出することが可能である。
【0017】
装置は、始点から目的点への走行時あるいは当該走行中に、それぞれ車両の現在の場所から目的点までの走行における車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両の運転者の運転可能性に関する更新された運転可能性情報を特に反復的に、及び/又は周期的に検出し、及び/又は予測するように構成されることが可能である。したがって、(最後の予想あるいは予測に対して)車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての運転者の運転可能性が変化したか否かを(元々計画された走行ルートでの)走行中にチェックすることが可能である。例えば、運転者の運転可能性が低下する傾向にあるかどうかをチェックすることが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、運転者の運転可能性あるいは非運転可能性の1つ又は複数の時間インターバルが変化したかどうかをチェックすることが可能である。
【0018】
さらに、装置は、(走行中に)車両の現在の場所から目的点までの走行ルートを更新された運転可能性情報に基づき適合するように構成されることが可能である。このとき、相関度合いを高める、特に最大化するそれぞれ1つの更新された走行ルートを検出することが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、(例えば許可された自動化された走行モードを有する)比較的高い車両の自動化度合いを有する1つ又は複数の車道部分を運転者の非運転可能性の1つ又は複数の更新された時間インターバルに適合させる更新された走行ルートを検出することが可能である。例えば、運転者の非運転可能性が増大する場合には、自動化された走行モードが許可された(及び典型的には以前有効な走行ルートよりも長い)車道部分の増大された割合を有する更新された走行ルートを検出することが可能である。走行ルートの(場合によっては反復的な)適合によって、運転者の快適性を更に向上させることが可能である。
【0019】
装置は、検出された走行ルートについてのルート情報を(例えば車両のユーザインタフェースを介して)車両の運転者へ出力するように構成されることが可能である。このとき、ルート情報は、検出された走行ルートに沿った走行時に、車両が自動化された走行モードで動作され得るか、車両が手動の走行モードで動作される必要がある1つ又は複数の時間インターバル及び/又は1つ又は複数の車道部分を示すことが可能である。(1つ又は複数の異なる計画された走行ルートについての)ルート情報の出力によって、運転者の手動の走行についての運転可能性に特に良好に適合する走行ルートを運転者が特に快適に探索することを可能とすることができる。
【0020】
別の一態様によれば、本明細書で記載される装置を含む(道路車両)原動機付き車両(特に自家用車又は貨物自動車又はバス)が記載される。
【0021】
別の一態様によれば、車両が少なくとも部分的に自動化されて長手方向運転及び/又は横方向運転される自動化された走行モードと、車両が少なくとも部分的に車両の運転者によって手動で長手方向運転及び/又は横方向運転される手動の走行モードとを有する車両のための走行ルートを検出する方法が記載される。方法は、車両内部制御ユニットによって、及び/又は車両外部ユニットによって実行されることが可能である。
【0022】
方法は、車両が走行する車道網の異なる車道部分における自動化された走行モードの許可についての許可情報を検出することを含む。さらに、方法は、始点から目的点への走行時の車両の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両の運転者の運転可能性に関する運転可能性情報を検出及び/又は予測することを含む。方法は、許可情報に基づき、及び運転可能性情報に基づき、始点から目的点までの車道網を通る走行ルートを検出することを更に含む。
【0023】
別の一態様によれば、ソフトウェア(SW)プログラムが記載される。ソフトウェアプログラムは、プロセッサにおいて(例えば車両の制御装置において、又はサーバにおいて)実行されるように、及びこれにより本明細書で記載される方法を実行するように設置されることが可能である。
【0024】
別の一態様によれば、記憶媒体が記載される。記憶媒体は、プロセッサにおいて実行されるように、及びこれにより本明細書で記載される方法を実行するように設置されるソフトウェアプログラムを含むことが可能である。
【0025】
本明細書に記載される方法、装置及びシステムは、単独でも、また本明細書に記載される他の方法、装置及びシステムとの組合せにおいても用いられることができることに留意すべきである。さらに、本明細書に記載される方法、装置及びシステムの各態様は、様々に互いに組み合わせられることが可能である。特に、請求項の特徴を様々に組み合わせることが可能である。
【0026】
「自動化された走行」という用語は、本明細書の範囲では、自動化された長手方向運転及び横方向運転を伴う走行又は自動化された長手方向運転及び横方向運転を伴う自動走行と理解され得る。自動化された走行は、例えば、高速道路における時間的に比較的長い走行又は駐車若しくは操車における時間的に限定された走行であり得る。「自動化された走行」という用語は、適宜の自動化度合いを有する自動化された走行を含む。例示的な自動化度合いは、支援された走行、部分自動化された走行、高度に自動化された走行又は完全に自動化された走行である。当該自動化度合いは、ドイツ連邦道路交通研究所(BASt)によって規定された(BASt刊行物「Forschung kompakt」、2012年11月発行参照)。支援された走行では、運転者が長手方向運転及び横方向運転を継続的に行う一方、システムは、それぞれ他の機能をある程度の限度において担う。部分自動化された走行(TAF)では、システムがある程度の期間において、及び/又は特別な状況において長手方向運転及び横方向運転を担い、運転者は、支援された走行の場合のようにシステムを継続的に監視する必要がある。高度に自動化された走行(HAF)では、運転者がシステムを継続的に監視する必要なく、システムがある程度の期間において長手方向運転及び横方向運転を担うが、運転者は、ある程度の時間、車両運転を担うことができるようになっている必要がある。完全に自動化された走行(VAF)では、システムが、特別な使用事例のために、全ての状況における走行を自動的に実行し、当該仕様事例のためには運転者はもはや必要ない。上述の4つの自動化度合いは、規格SAE J3016(SAE:Society of Automotive Engineering)のSAEレベル1~4に対応している。例えば、高度に自動化された走行(HAF)は、SAE J3016のレベル3に対応している。また、SAE J3016では、最高の自動化度合いとして更にSAEレベル5が設けられており、当該SAEレベル5は、BAStの定義には含まれていない。SAEレベル5は運転者なしの走行に対応しており、当該走行では、システムが走行中全体において人間の運転者のように全ての状況を実行することができ、一般的に運転者はもはや不要である。
【0027】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】ユーザに依存する走行ルートを検出する例示的なモジュールを示す図である。
【
図3】始点から目的点への走行におけるユーザの例示的な運転可能性情報を示す図である。
【
図4】自動化された走行モードを有する車両のための走行ルートを検出する例示的な方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
冒頭で説明したように、本明細書は、自律走行車両用のできる限り快適な走行ルートの検出に関するものである。これに関して、
図1には、例えばSAEレベル3又はこれより高いレベルによる車両100の自動化された運転を可能とする自動化された走行モードを有する例示的な車両100が示されている。
【0030】
車両100は、車両100の周囲に関する周囲データ(すなわちセンサデータ)を検出するように構成された1つ又は複数の周囲センサ102を含むことができる。例示的な周囲センサ102は、カメラ、レーダセンサ、ライダセンサ、超音波センサなどである。車両100の制御ユニット(あるいは装置)101は、周囲データに基づき、車両100の周囲についての周囲モデルを作成するように構成されることが可能である。周囲モデルは、例えば、車両100の周囲における、車道経過、1つ又複数の交通参加者、1つ又は複数の障害物などを記述することができる。
【0031】
制御ユニット101は、特に、車両100を少なくとも部分的に自動化して長手方向運転及び/又は横方向運転するために(すなわち車両100の自動化された走行モードを提供するために)、周囲データに依存して、特に周囲モデルに依存して、1つ若しくは複数の長手方向運転アクチュエータ及び/又は横方向運転アクチュエータ103(例えば操舵装置、駆動原動機、ブレーキ装置など)を動作させるように構成されることが可能である。
【0032】
車両100は更に記憶ユニット104を含むことができ、当該記憶ユニットには、例えば車両100が走行する車道網についてのデジタル地図情報が記憶されている。さらに、車両100は、位置センサ、例えばGPS受信機(不図示)を含むことができ、当該位置センサは、車両100の位置についての位置データを検出するように構成されている。制御ユニット101は、デジタル地図情報に基づき(場合によっては位置データを考慮して)、車道網内における始点から目的点までの車両100についての走行ルートを計画するように構成されることが可能である。
【0033】
そのほか、車両100は通信ユニット106を含むことができ、当該通信ユニットは、車両外部ユニット120(例えばバックエンドサーバ)との(場合によっては無線の)通信接続121を構築するように形成されている。例えば、車両外部ユニット120によって、更新されたデジタル地図情報、例えば現在の交通状況に関する情報が提供され得る。
【0034】
これに代えて、又はこれに補足して、例えば、ユーザについての情報、例えばユーザのデジタルカレンダーについての情報を提供するために、車両の通信ユニット106を介して、場合によっては車両100のユーザ、特に運転者のユーザ機器120(例えばスマートフォン)との(無線の)通信接続111を構築することが可能である。
【0035】
さらに、車両100は(例えば1つ若しくは複数の操作要素及び/又は1つ若しくは複数の出力要素を有する)ユーザインタフェース105を含むことができ、当該ユーザインタフェースは、車両100と車両100のユーザ、特に運転者の間の相互交流(相互作用)を可能とするものである。
【0036】
そのほか、車両100は、1つ又は複数の運転者センサ107、特に車両100の運転者へ向けられたカメラを備えることができ、当該運転者センサは、運転者データ、すなわち運転者(の状態)についてのセンサデータを検出するように構成されることが可能である。
【0037】
冒頭で説明したように、車両100は、自動化された走行モード又は手動の走行モードにおいて動作されるように形成されることが可能である。このとき、場合によっては、車両100の自動化度合いは、完全に自動化された走行モードと完全に手動の走行モードの間で複数段階に調整可能であってよい。
【0038】
車両100が動作される自動化度合いは、車両100が存在する車道部分に依存することが可能である。車道部分、例えば高速道路上では、場合によっては、自律した、又は少なくとも部分的に自律した走行を許可することが可能である。換言すれば、所定の車道部分では、(場合によっては完全に)自動化された車両の走行モードの利用が可能であり得る。他方で、場合によっては他の車道部分では(例えば市街地又は工事現場では)、自動化された走行モードの利用が不可能であり、及び/又は手動の走行モードの利用が必要であり得る。
【0039】
車道部分が基本的に自動化された走行モードの利用について許可されているかどうかについての許可情報及び/又は車道部分における車両100の許容される自動化度合いについての許可情報は、例えば、車両が走行する車道網についてのデジタル地図データとして記憶され、及び/又は(車両外部ユニット120によって)提供されることが可能である。このとき、車道部分についての許可情報は、場合によっては、現在の気象条件及び/又は現在の交通状況及び/又は交通量(交通密度)に依存し得る。
【0040】
始点から目的点に至るために、車両100の制御ユニット101によって走行ルートを計画することが可能である。このとき、ルート計画に際して、あり得る走行ルートにおける車道部分の許可情報を考慮することが可能である。例えば、車両100が(例えばSAEレベル3又はそれより高いレベルによる)自動化された走行モードで動作されることが可能な車道部分におけるできる限り大きな割合を有する走行ルートを検出することが可能である。したがって、車両100が(例えばSAEレベル2又はそれより低いレベルによる)手動の走行モードで動作される必要がある走行区間の割合を低減することができるため、車両100のユーザに対する快適性を向上させることが可能である。
【0041】
車両100の制御ユニット101は、始点から目的点までの計画されるべき走行ルートについて、始点から目的点までの走行中に、車両100の運転者の運転可能性に関する運転可能性情報を予測するように構成されることが可能である。運転可能性情報は、例えば、
・車両100の1つ又は複数の運転者センサ107の運転者データ、
・運転者のユーザ機器110からのデータ(例えばデジタルカレンダーのカレンダーエントリ)及び/又は
・(例えば、手動の走行が不要であるべき走行中に時間部分を残しておくために)車両100のユーザインタフェース105を介した運転者の入力
に基づいて検出されることが可能である。
【0042】
運転可能性情報は、走行中の時間の関数として、手動の車両運転についての運転者の運転可能性を示すことが可能である。このとき、運転者の運転可能性の度合いは、時間と共に変化し得る。例えば、運転者は走行中に所定の時間部分あるいは時間インターバルにおいて電話会議が計画されていることがあり、このことは、運転者がこの時間インターバルにおいて車両運転に対する低減された運転可能性を有することにつながる。また、運転者は、別の時間インターバルにおいて、運転者がこの時間インターバルにおいて車両運転に全く携わらないように休憩時間を計画することがある。他方では、運転者がしっかりと計画をしておらず、したがって車両運転に携わると見込まれる1つ又は複数の他の時間インターバルが設定されることがある。
【0043】
制御ユニット101は、走行ルートの計画時に車両100の運転者の運転可能性情報を考慮するように構成されることが可能である。特に、
・運転者が車両運転に携わると見込まれる(時間)インターバルと、
・車両100が自動化された走行モードで動作されることが可能な(車道)部分と
の間でできる限り大きな一致を有する走行ルートを検出することが可能である。
【0044】
したがって、車両100のユーザにとって特に快適な走行ルートを検出することが可能である。
【0045】
図2には、車両100のための走行ルートを検出する例示的な装置200が示されている。装置200は、計画されるべき走行ルートの走行における車両100の運転者の挙動を推定する挙動推定モジュール201を含んでいる。予測される挙動情報及び/又は運転可能性情報211は処理モジュール202へ伝達されることができ、当該処理モジュールは、挙動情報及び/又は運転可能性情報211に基づき、ルーティングアルゴリズムにおいて用いられることができるデータフォーマットを有する挙動データ及び/又は運転可能性データ212を検出するように形成されている。場合によっては、挙動データ及び/又は運転可能性データ212をルーティングアルゴリズム用のデータフォーマットにおいて直接提供する組み合わされたモジュール205を提供することが可能である。
【0046】
装置200は更にルーティングモジュール203を含んでおり、当該ルーティングモジュールは、挙動データ及び/又は運転可能性データ212に基づき、及びデジタル地図データに基づき、(個別の車道部分についての許可情報を考慮して)1つ又は複数の可能な走行ルートについての走行ルートデータ213を検出するように構成されている。
【0047】
始点311から目的点312までの走行ルート316の検出が
図3において例示的に図示されている。特に、
図3には車道網310の一部が示されており、車道網310は、多数の結節点313と、異なる結節点313の間の多数の辺部あるいは結合パス314を含んでいる。車道網310、特に車道網310の地理的な配置は、デジタル地図情報によって示され、及び/又は記述される。また、デジタル地図情報は、1つ又は複数の車道部分についての、すなわち車道網310の辺部314あるいは辺部314の一部についての許可情報315を示すことが可能である。
図3には、自動化された走行モードの使用について許可された車道部分314が破線によって例示的に示されている。
【0048】
さらに、
図3には例示的な運転可能性情報211が図示されている。特に、
図3には、手動の車両運転についての車両100の運転者の運転可能性あるいは運転可能性の度合い301の例示的な時間推移300が示されている。運転者の運転可能性301は、ルート計画において考慮されることが可能である。特に、自動化された走行モードの利用について許可された車道部分314と少ない運転者運転可能性を有する部分ができる限り良好に重なる走行ルート316を検出することが可能である。
【0049】
したがって、本明細書では、道路許可情報、すなわち許可情報315を含む複数基準のルート最適化が、走行ルート316の決定のために記述される。このとき、検出される走行ルート316は、(例えば、到着予定時刻(ETA)、支援された、部分自律的な又は完全自律的な走行についての道路許可/走行許可などのような)1つ又は複数の特性について、監視される運転者挙動及び/又は推定される将来の運転者挙動意図(すなわち運転者についての運転可能性情報211)に時間的に適合されることが可能である。特に、
・連続したHAF時間を増大する、特に最大化するために、及び/又は
・運転者の1つ又は複数のカレンダーの予定、進行中のエンタテインメントプログラムなどに合わせてHAF時間を時間的に最適化させるために
走行ルート316を検出することが可能である。このとき、場合によっては、延長された移動時間及び/又は距離を受け入れることがある。
【0050】
挙動推定装置201は、異なるデータ源に基づき、運転者の現在及び将来の挙動を推定するために用いられることが可能である。検出される挙動情報及び/又は運転可能性情報211は、プリプロセッサ202へ伝達されることが可能である。プリプロセッサ202は、当該情報211をルーティングエンジン203のために使用可能なデータフォーマットへ変換する。このとき、運転者の推定される挙動を異なる時間インターバル(例えばタイムバケット)へ分割することが可能である。また、運転者の活動のカテゴリ化を行うことが可能である。活動の異なるカテゴリは、運転者にとってのその複雑性に基づき評価されることができる。比較的高い複雑性を有する活動(及びしたがって比較的低い運転可能性301を有する時間インターバル)は、運転者の負担を最適に軽減するために、HAF時間を使用するより高い優先度を有し得る。複雑性評価は、一般的なカテゴリ及び過去における同等な活動時の運転者の個人に関する情報(例えばFAS(運転者支援システム)の介入回数、車室内カメラ107による道路交通からの検知された逸脱、検知された疲労現象など)に基づくことができる。例えば疲労のような運転者の安全に関連する予測される挙動は、HAFの利用についての(すなわち自動化された走行モードの利用についての)最高の優先順位付けを得ることができる。検出されたデータ212は、ルーティングエンジン203へ伝達されることが可能である。
【0051】
ルーティングエンジン203は、例えば(例えば
図3に図示されるような)動的なグラフを用いて1つ又は複数のルート提案を演算する。このとき、1つのルート316は、当該ルート316においてあり得る支援された、及び/又は自律した走行の段階により、運転者の計画された、及び/又は予測された活動及び/又は推定される挙動ができる限り大きく可能であるように検出されることが可能である。このことは、特に、道路許可を有する(すなわち自動化された走行モードの利用が可能な)車道部分についてのリンク重みあるいは部分重みが、部分自律的/完全自律的な走行の利用についてのより高い優先順位付けを有する(挙動推定装置201に基づく優先順位付けに対応する)時間インターバルにおいて(運転者の推定された挙動に基づき、すなわち挙動情報に基づき)高められることで可能となり得る。
【0052】
ルート演算後、演算されたルート316が1つ又は複数のサブ条件(例えば、目的点における超過すべきでない到着予定時刻(ETA)、最速のルートと比較して最大限許容される追加的な時間など)を遵守するかどうかをチェックすることが可能である。
【0053】
1つ又は複数の最適化されたルート316は、ユーザインタフェース105を介して運転者に出力されることが可能である。このとき、各ルート316の1つ又は複数の部分314において自動化された走行モードでの動作が行われることについての情報も出力することが可能である。1つ又は複数のルート316は、車両100において、及び/又は車両外部ユニット120によって検出されることが可能である。
【0054】
例えば、車両100のユーザの個人的なカレンダーの照合によって、計画されたルートの時間において、車両100のTAF/HAF動作においてより容易に実行されるべき活動(例えば通話)が計画されているかどうかを検出することが可能である。別の一例では、車両100のHAF時間をユーザの現在のエンタテインメントプログラム(例えばオーディオプログラム及び/又はビデオプログラムの時間)に適合させることが可能である。
【0055】
複数の可能な走行ルート316を提案することで、ルート316がより多くのまとまったHAF時間を有している場合、及び/又はユーザの計画された活動に良好に適合するHAF時間をルート316が有している場合に、ユーザがより長い走行時間を受け入れるかどうかを場合によっては検出及び/又は学習することが可能である。したがって、ルート計画をユーザの好みに適合させることが可能である。
【0056】
図4には、(原動機付)車両100のための走行ルートを検出する例示的な(コンピュータ実装された)方法400のフローチャートが示されている。方法400は、車両100の制御ユニット101によって、及び/又は車両外部ユニット120によって実行されることが可能である。車両100は自動化された走行モードを有しており、当該走行モードでは、車両100は、少なくとも部分的に自動化されて(例えばSAEレベル3又はこれより高いレベルにより)長手方向運転及び/又は横方向運転される。さらに、車両100は手動の走行モードを有しており、当該走行モードでは、車両100は、車両100の運転者によって少なくとも部分的に手動で(例えばSAEレベル2,1又は0により)長手方向運転及び/又は横方向運転される。
【0057】
方法400は、車両100が走行する車道網310の異なる車道部分314における自動化された走行モードの許可についての許可情報315を検出すること401を含む。許可情報315は、車道網310についてのデジタル地図情報の一部として提供されることが可能である。許可情報315は、個々の車道部分314について、各車道部分314における走行時のそれぞれ可能な車両100の自動化度合いを示すことが可能である。
【0058】
さらに、方法400は、始点311から目的点312までの走行時の車両100の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての車両100の運転者の運転可能性についての運転可能性情報211,212を検出及び/又は予測すること402を含み、当該走行のために走行ルート316が計画されるべきである。運転可能性情報211,212は、車両100の1つ又は複数の運転者センサ107のセンサデータに基づき、及び/又は運転者のデジタルカレンダーからの運転者のスケジュールに基づき検出されることが可能である。運転可能性情報211,212は、前方(将来)の一連の時間インターバルについて、車両100の手動の長手方向運転及び/又は横方向運転についての運転者の運転可能性の度合い301をそれぞれ示すことが可能である。
【0059】
方法400は、許可情報315に基づき、及び運転可能性情報211,212に基づき始点311から目的点312までの車道網310を通る走行ルート316を検出すること403を更に含む。特に、自動化された走行モードが可能な車道部分314を有する、運転者が手動の長手方向運転及び/横方向運転に携わらない時間インターバルのできる限り大きな重なりが存在する走行ルート316を検出することが可能である。
【0060】
本明細書に記載された措置によって、自動化された走行モードを有する車両100のユーザの快適性を向上させることが可能である。
【0061】
本発明は、示された実施例に限定されているものではない。特に、明細書及び図面は、提案される方法、装置及びシステムの原理を例示的にのみ説明するものとなっていることに留意すべきである。
【国際調査報告】