IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フューチュラ エス ピー エーの特許一覧

特表2023-553602ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法
<>
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図1
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図2A
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図2B
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図3
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図4
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図5
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図6
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図7
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図8
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図9
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図10
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図11
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図12
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図13
  • 特表-ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ボール紙リールを取り扱うための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/12 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
B65H19/12 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534113
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 IT2021050400
(87)【国際公開番号】W WO2022130430
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020000030644
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ペリーニ、ファビオ
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA01
3F064EB01
(57)【要約】
ロッド(45)を備えた本体(8)を含むボール紙リールを取り扱うための装置であって、-2つの軸方向に対向するプレート(91,92)を備えた第1のユニットであって、前記プレート(91,92)はそれぞれの半径方向に拡張可能な部材(913,923)を備え、前記プレート間に加圧可能な空間(S)を形成するように前記ロッド(45)の軸方向(A9)に沿って所定の値だけ離間され、当該空間(S)は前記プレート(91,92)の対向する表面(912,922)によって上下の境界が定められるようにした第1のユニット;-前記部材(913,923)の半径方向の拡張を制御するための手段;-前記空間(S)を加圧する加圧手段;が設けられる装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド(45)を備えた本体(8)を含む、ボール紙リールを取り扱うための装置であって、
-2つの軸方向に対向するプレート(91,92)を備えた第1のユニットであって、前記プレート(91,92)はそれぞれの半径方向に拡張可能な部材(913,923)を備え、前記プレート間に加圧可能な空間(S)を形成するように前記ロッド(45)の軸方向(A9)に沿って所定の値だけ離間され、前記空間(S)は前記プレート(91,92)の対向する表面(912,922)によって上下の境界が定められるようにした第1のユニット;
-前記部材(913,923)の半径方向の拡張を制御するための手段;及び
-前記空間(S)を加圧する加圧手段;
が設けられることを特徴とする装置。
【請求項2】
-前記第1のユニットの上方に配置され、半径方向に抜き取ることができ、かつそれぞれ引っ込めることができる所定数の顎部材(100)を有する第2のユニット;及び
-前記顎部材(100)を半径方向に移動させるための手段;
を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
対応する空気式吸引器(302)に接続された吸引カップ(300)を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プレート(91,92)の各々は、可動フランジ(912,922)がそれぞれ対向して前記加圧可能な空間(S)を形成するように前記ロッド(45)上に配置された可動フランジ(912,922)及び固定フランジ(911,921)によって構成され、
各プレートの前記固定フランジと前記可動フランジとの間に、圧縮されると半径方向に延びる弾性ガスケットが存在し、及び
各プレートの可動フランジは、それぞれの固定フランジに向かって空気圧で移動し、それによって、それぞれの弾性ガスケットを押し潰し又は圧縮するように前記ロッド(45)上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記可動フランジ(912,922)の空気圧による移動は、当該可動フランジに対応する出口を有する第1のダクト(4)に圧縮空気を導入することによって制御されることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プレート(91,92)間の前記空間(S)の加圧は、第2のダクト(5)によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1及び第2のダクト(4,5)は互いに同軸であり、前記第2のダクト(5)は前記第1のダクト(4)の外側に位置し、前記ロッド(45)を形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記顎部材(100)は、弾性部材(106)及び空気圧ピストン(107)によって制御されるレバーによって構成されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの管形成機(3)と対応する巻き出し機(30)とを備え、前記管形成機(3)が、前記巻き出し機(30)上に位置するリール(1)から巻き出されたボール紙片を受け入れることにより、ボール紙管の製造現場のパーキングポイント(P)にボール紙リール(1)のスタック(2)を準備する工程を含むボール紙リールを取り扱うための方法であって、
各リール(1)は中心管状コア(1C)を有し、
下記の操作工程をさらに含むことを特徴とする方法:
-前記スタック(2)の上部リールの前記中心管状コア(1C)に、所定の軸方向(A9)に沿って所定の値(k)だけ離間され、それぞれの半径方向に拡張可能な部材(913,923)を備えた2つのプレート(91,92)を挿入し、前記リールと前記スタック(2)の下側に位置するリールとの間の界面に加圧可能な空間(S)を形成し、当該加圧可能な空間(S)は前記プレートの対向する面(912,922)によって形成される工程;及び
-前記空間(S)を加圧して、前記下側に位置するリールから前記リールの取り外しを決定する工程。
【請求項10】
前記空間(S)の加圧に続いて、前記下側に位置するリールから取り外されたリール(1)の係合工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記下側に位置するリールから取り外された前記リール(1)が、それぞれの中心管状コア(1C)に係合されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記下側に位置するリールから取り外された前記リール(1)が、その上面(10)に対応して係合されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール紙リール、特に、ボール紙管の製造、特に、内部管状コアを有する紙ロールを製造するための供給機に使用されるボール紙リール、を取り扱うための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トイレットペーパーロール又はキッチンペーパーロールが得られる紙材料のログの製造は、1つ以上の重なり合うプライによって形成された紙ウェブを、ログの形成に進む前に、それに沿って様々な操作が行われる所定の経路に沿って供給することを含みかつ上記様々な操作はウェブを引き裂き分離可能なシートに細分する事前切断線を形成するためのウェブの横方向の事前切込みを含むことが知られている。ログの形成は、通常、一般に「巻き返し機」として知られるログを製造する機械に徐々に導入されるコア上の紙ウェブの接着を可能にするために所定量の接着剤がその表面上に分配される、一般に「コア」と呼ばれるボール紙管の使用を伴う。
【0003】
前記コアに巻かれた複数のシートが所定の枚数に達すると、完成されているログの最後のシートは、例えば、対応する事前切込み線に向けられた圧縮空気の噴流手段によって、後続のログの最初のシートから分離される。この時点で、前記ログは巻き返し機から外される。特許文献1には、上記動作方式に従って動作する巻き返し機が記載されている。このようにして製造されたログは、次に所望の長さのロールを得るためにログを横方向に切断する1つ以上の切断機を供給するバッファーに搬送される。
【0004】
管状コアは、螺旋巻きを形成するマンドレルの周りに1つ以上のボール紙ウェブを巻き付けるように構成された「管形成」機械として一般に知られている機械によって製造される。このように構成された管形成機械の例は、特許文献2及び特許文献3に記載されている。
【0005】
ボール紙ウェブが巻き出されるリールは、オペレータによって制御される持ち上げ装置を用いて、前記管の製造中にリール自体を支持する特別な巻き出し機上に装填される。この目的のために、これらのリールはパレット上に積み重ねられて、パーキングステーション内に配置され、このパーキングステーションから、これらのリールは管巻き出し機に搬送されるために、一度に1つずつ取り出されなければならない。頻繁に生じる問題は、積み重ねられたリールがそれぞれの基部の境界面で互いに接着する傾向があるという事実に起因するものであり、これは、製造段階において、個々のリールが互いに完全には分離されえない可能性があるという事実に関連するものである。従って、リールを取り上げるために配置されたオペレータは、リールの取り外しを容易にしかつそれによってリールの取り上げを容易にするために、しばしばリールに機械的動作を加えることを強制される。このことは、オペレータの安全のために時間を浪費しかつ危険を伴うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP 1700805
【特許文献2】EP 3099481
【特許文献3】EP 3212391 B
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、上記問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記問題の解決は、独立請求項に示される特徴を有する装置及び方法によって対処するという考えを採用することによって達成された。本発明の他の特徴は、従属請求項の対象である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、同一のリールを使用する1つ以上の管形成機に係合されたリールパーキングステーションに大量に山積みされた状態(スタック)のリールの下側に位置するリールからそれぞれのリールの最も正確な取り出しを常に確実に行うことが可能となる。さらに、本発明による装置は、構造的及び機能的観点の両方から見て比較的単純であり、そしてボール紙管製造プロセスの効率を高めるのに役立つものである。これに加えて、配置されたオペレータの身体行動が大幅に低減され、オペレータ自身の行動が容易になり、プロセスの安全性が高まるものである。
【0010】
本発明のこれら及びさらなる利点及び特徴は、例として提供されるが限定的な意味で考慮されるべきではない、以下の説明及び添付の図面によって、全ての当業者によってよりよく理解されるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ボール紙製の管を製造するためのステーションにおける管型及び関連する巻き出し機の可能な配置に関する簡略図である。
図2A】ボール紙製の管を製造するためのステーションにおける管型及び関連する巻き出し機の可能な他の配置に関する簡略図である。
図2B】ボール紙製の管を製造するためのステーションにおける管型及び関連する巻き出し機の可能な別の配置に関する簡略図である。
図3】可能な実施形態によるボール紙リールを取り扱うための装置の動作構成を示す説明図である。
図4】可能な実施形態によるボール紙リールを取り扱うための装置の他の動作構成を示す説明図である。
図5】可能な実施形態によるボール紙リールを取り扱うための装置の別の動作構成を示す説明図である。
図6】本発明による装置の可動部品を制御するためのシステムの可能な構成に関する簡略化されたブロック図である。
図7図3の詳細を示す説明図である。
図8図3の詳細を示す他の説明図である。
図9】プレート(91,92)と加圧可能空間(S)の構造を示す図3の拡大詳細図である。
図10】ダクト(420)をよりよく強調するために、異なる断面平面に従って図9に示される同じ構成要素を示す図3の拡大詳細図である。
図11】本発明による装置を示す斜視的説明図である。
図12】本発明による装置を示す側面的説明図である。
図13】操作アーム(200)に取り付けられた本発明による装置の概略図である。
図14】本発明のさらなる実施形態を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
その本質的な構造に変形し、添付図面の図を参照すると、本発明による装置(D)は、パーキングステーション(P)内に配置されたリールのスタック(2)から個々のリール(1)上で動作するように構成される。当該パーキングステーション(P)は、ボール紙管を製造するためにリール(1)を使用する1つ以上の管形成機(3)に係合されている。リール(1)は、中心管状コア(1C)の周りに巻かれた所定量のボール紙ウェブによって形成される。前記スタック(2)は、所定数の重なり合っているリール(1)によって形成される。管形成機(3)はそれ自体公知の機械であり、例えば、上述の文献に記載されているタイプの機械である。
【0013】
図1のブロック簡略図では1つの管形成機(3)のみがあり、その結果、前記スタック(2)から取り出される全てのリール(1)は同じ管形成機に供給されることになる。図2Aの簡略図では2つの別個の管形成機(3)があり、その結果、前記スタック(2)から取り出されるリール(1)は2つの管形成機に供給されることになる。図2Bの簡略図では、3つの巻き出し機(30)によって供給される1つの管形成機(3)のみが存在し、この管形成機によって所謂多条ボール紙管が製造され、即ち、前記巻き出し機(30)によって供給されるボール紙紐を重ね合わせることによって多条ボール紙管が形成される。実際には、図1図2Bの簡略図において、前記リール(1)は前記パーキングステーション(P)から1つ以上の巻き出し機(30)に搬送され、そしてそれぞれの巻き返し機が上記リールを前記管形成機(3)に供給する。
【0014】
本発明による装置は、下側に位置するリールからの前記スタック(2)の各リール(1)の取り出しを容易にするように構成されかつ構造化される。
【0015】
添付図面の図3図5に示す例に関して、本発明による装置は、上部側及び下部側を有する2つの同軸ダクト(4,5)を備えており、当該同軸ダクトは圧縮空気を導入するための各入口(40,50)に接続され、そして前記入口(40,50)は前記ダクト(40,50)の上部側に設置された分配器(6)に配置されている。前記入口(40,50)の各々は、それぞれの電磁弁(41,51)によって制御され、そしてこの電磁弁は以下でさらに説明するように、プログラマブル制御ユニット(7)によって作動される。
【0016】
図3図5の例示的な図面において、前記ダクト(4)は前記ダクト(5)の内側にある。前記分配器(6)は、このダクトの上部側にねじ込まれたボルト(65)によって、前記外部ダクト(5)の上部側に取り付けられる。前記入口(40,50)は、同軸ダクト(4,5)に対して前記分配器(6)内で半径方向に配向されかつ所定の値(h)だけ離間され、これにより、圧縮空気のための上部入口(40)及び下部入口(50)を形成する。前記上部入口(40)は前記内部ダクト(4)と連通し、一方前記下部入口(50)は前記外部ダクト(5)と連通する。
【0017】
前記分配器(6)の下側基部(60)は箱状本体(8)の上側基部(80)と一体であり、この箱状本体(8)は管状ダクト(4,5)によって横断されかつフランジ(81)として形作られた下側ベース部を有する。前記箱状本体(8)は以下でさらに説明するように、操作アーム(200)によって前記スタック(2)に出入りすることができる操作部(800)と一体である。図3-5に示す例では、前記操作部(800)は、前記箱状本体(8)の前記下側フランジ(81)に上側フランジ(802)を連結する複数個の垂直ロッド(801)により形成され、前記箱状本体及び前記分配器(6)をその内部に収容する。
【0018】
同軸ダクト(4,5)によって形成されたロッド(45)の下側には、2つのプレート(91,92)が取り付けられかつ互いに所定の距離を置いて配置され、そして上側プレート(91)及び下側プレート(92)を形成する。前記上側プレート(91)は、前記ロッド(45)にキー止めされた固定上側フランジ(911)と、前記ロッド(45)自体上を摺動するように構成された可動下側フランジ(912)と、前記固定上側フランジ(911)と可動下側フランジ(912)との間に前記ロッド(45)と同軸的に配置された弾性ガスケット(913)とを含む。同様に、前記下側プレート(92)は、前記ロッド(45)の下端と一体の固定下側フランジ(921)と、前記ロッド(45)上を摺動するように適合された可動上側フランジ(922)と、前記固定下側フランジ(921)と前記可動上側フランジ(922)との間に前記ロッド(45)と同軸的に配置された弾性ガスケット(923)とを含む。
【0019】
例えば、前記固定下側フランジ(921)は、ボルト(95)によって前記ロッド(45)の下端に係止される。前記内部ダクト(4)の出口(42)は、前記プレート(91,92)の前記可動フランジ(912,922)の間にある。
添付図面は、また前記可動フランジ(912,922)と前記ダクト(4)の前記出口(42)に空気圧で接続する2つのダクト(420)を示す。実際には前記入口(40)を介して圧縮空気を導入することによって、前記可動フランジ(912,922)は前記それぞれの固定フランジ(911,921)の方向に移動し、それぞれが、対応する弾性ガスケット(913,923)を圧縮し、その結果、この弾性ガスケットは半径方向外向きに拡張させられる。
【0020】
例として図3-5に示されている装置は、また前記リール(1)のコア(1C)の内面に係合しやすい機構を備える。例えば、この機構は、歯付き部材(101)を備えた逆「L」の形状のレバーからなる複数の顎部材(100)と、ブッシュ(104)に拘束されかつ前記外部ダクト(5)の表面上を摺動しやすい後側部(102)と、前記フランジ部(81)の下に展開されたケーシング(880)の表面に垂直に配向されたピン(103)上で枢動される中間部分と、を含む。前記ケーシングは、前記顎部材(100)が突出することを可能にする適切な開口部(881)を有する。
【0021】
従って、ブッシュ(104)をダクト(5)に沿ってスライドさせることによって、ピン(103)上のレバー(100)の回転が決定される。このレバーの回転によって、前記ブッシュが上方に押し上げられたときに、前記歯付き部材(101)が前記ブッシュ(104)から離間し、また、逆に、前記ブッシュが押し下げられたときに、前記歯付き部材(101)の前記ブッシュ(104)への接近が決定される。言い換えれば、前記回転は、前記装置の長手方向軸(A9)から及びそれに向かう前記顎部材(100)の半径方向移動を決定する。前記ブッシュ(104)の上部はフランジ(105)を有し、このフランジは、前記箱状本体(8)の前記下側ベース部(81)の下側カップ状付属部(82)と協働して、前記ブッシュ(104)に同軸に嵌合された弾性部材(106)のためのハウジングを形成する。前記ブッシュ(104)の上部に配置された前記フランジ(105)は、前記上側基部(80)と前記箱状本体(8)の前記フランジ(105)との間に配置されたピストン(107)と一体である。加えて、前記箱状本体(8)の前記上側基部(80)は、圧縮空気をその中に導入するための入口(83)を有する。
【0022】
従って、前記入口(83)を介して前記箱状本体(8)に圧縮空気を導入することによって、前記ピストン(107)が下げられ、前記弾性部材(106)の抵抗に打ち勝って前記ブッシュ(104)の下降、即ち、前記ブッシュ(104)への前記レバー(100)の歯付き部材の接近が引き起こされる。一方、前記箱状本体(8)の前記入口(83)を介する圧縮空気の導入が中断されると、前記ブッシュ(104)は、前記弾性部材(106)によって上方に押され、それによって前記ブッシュ(104)からの前記レバー(100)の歯付き部材の除去が決定される。また、前記入口(83)も前記制御ユニット(7)により操作される電磁弁(830)によって制御される。添付図面は、また前記可動フランジ(912、922)を前記ダクト(4)の前記出口(42)に空気圧で接続する2つのダクト(420)を図示している。
【0023】
図13において、上述した装置は操作アーム(200)に取り付けられ、このアームは、両矢印「M」によって示されるように、前記リールパーキングステーション(P)(1)に設けられた前記スタック(2)へ向かって及びそこから移動することを可能にする。図13における符号「AC」は、前記リール(1)の軸を示す。前記アーム(200)は、柱(202)上を摺動するキャリッジ(201)を備える。前記キャリッジ(201)は、ねじーナットねじ連結部材(204,205)によって、前記柱(202)上に配置された電気モータ(203)に連結されている。前記電気モータ(203)は、両矢印「M」によって示されるように、前記スタック(2)に対する前記アーム(200)の移動を制御する。前記アーム(200)の長さは、前記装置(D)が前述した軸(AC)に沿って前記スタック(2)へ向かって及びそこから移動するように選択される。
【0024】
前記柱(202)は、対応する電気モータ(207)によって回転が制御される回転ベース(206)に取り付けられる。前記回転ベース(206)の回転軸は、符号「A6」によって示される。従って、前記アーム(200)は両矢印「F」によって示される方向に沿って、即ち、前記柱(202)に平行に移動することができ、前記回転ベース(206)の軸(A6)の周りに回転することができる。従って、これらの動きを調整することによって、前記アーム(200)は、所定の軌道、特に前記パーキングポイント(P)から巻き出し機(30)までのリールの搬送軌道に沿って移動することができる。
【0025】
コア面係合機構(1C)は省略可能である。
【0026】
図14は本発明のさらなる実施形態を示し、この実施形態においては、前記装置(D)は前述した例のように、そのコア(1C)と係合する代わりに、前記スタック(2)の上側リールの上面(10)に係合するための吸引カップ(300)を備えている。この吸引カップ(300)は、前記箱状本体(8)の円盤状の延長部によって形成され、当該延長部の下側に形成された封止ガスケット(301)を備えている。吸引器(302)は前記吸引カップ(300)の上側に設置されており、前記リール(1)と前記吸引カップ(300)との間に形成される空間内に真空を生成する作用をする。
【0027】
上述した装置は、前記コア面係合機構(1C)も含む場合には、以下のように使用することができる。
【0028】
前記アーム(200)によって、前記箱状本体(8)はその下側基部(81)と共に、前記スタック(2)よりも高い位置にあるリール(1)の上側基部に当接するように配置される。当該接触は、機械式プローブ(図示せず)によって検出される。この状態では上側プレート(91)は前記基部(81)が接触している前記リール(1)の前記コア(1C)の内側にあり、一方、前記プレート(92)は下側にあるリールの前記コア(1C)の内側にある。実際、前記プレート(91,92)間の距離(k)は、前記基部(81)が前記スタック(2)よりも高い位置にあるリール(1)の上面に対して設置される場合、前記プレート(91,92)の一つはこのリールの内側にあり、他方は下にあるリールの内側にあるように設定される。この段階では、圧縮空気は前記入口(83)を介して導入され、その結果、前記レバー(100)が後退させられ、即ち、前記ブッシュ(104)に接近する。この時点で、圧縮空気は前記内部ダクト(4)を介して吹き出される。
【0029】
これにより、前記それぞれの固定フランジ(911)に向かう前記プレート(91)の前記可動下部フランジ(912)の移動を決定し、そして同時に、前記それぞれの固定フランジ(921)に向かう前記プレート(92)の前記上部可動フランジ(922)の移動を決定する。その結果、前記ガスケット(913,923)は、前記スタック(2)の最も高い位置にあるリール及びその下側にあるリールのそれぞれのコア(1C)の内面に接着することによって圧縮及び膨張される。このようにして、空気に対して実質的に不透過性の空間(S)が前記プレート(91,92)間に形成される。それから、圧縮空気は、前記外部ダクト(5)を介して導入されて上記空間(S)に流入し、そして前記プレート(91)が挿入される前記リールの前記下側基部と前記プレート(92)が挿入される前記リールの前記上側基部との界面において解放される。従って、前記プレート(91)と前記プレート(92)との間の空間(S)に圧力が生じ、これが、下側リールからの上側リールの取り外しを決定する。
【0030】
続いて、前記内部ダクト(4)内への、前記外部ダクト(5)内への、及び前記入口(83)を介しての圧縮空気の注入が遮断される。前記ダクト(4)内の圧縮空気の遮断により、前記プレート(91,92)の前記可動フランジはそれらの初期位置に戻り、前記ガスケット(913,923)もまた前記コア(1C)と非接触状態のそれらの初期状態に戻る。この段階において、前記ダクト(5)への圧縮空気の供給はもはや不要となる。何故なら、前記リールは、以前に操作された前記空間(S)の加圧のためにすでに取り外されているからである。
【0031】
前記箱状本体(8)に設けられた前記入口(83)を介しての圧縮空気の供給の遮断は、前記ブッシュ(104)を上昇させ、前記弾性部材(106)による上方への押圧を行い、その結果、前記ピン(103)の前記レバー(100)の回転を引き起こし、それによって、当該レバー(100)の歯付き部材(101)は前記ブッシュ(104)から離れて移動し、前記スタック(2)の前記上側リールの前記コア(1C)の内面に係合する。この状態で、前記スタック(2)の上側リール(1)は、上述の例では前記レバー(100)を備える機構である係合機構を介して前記アーム(800)によって係合される。次いで、前記アーム(200)は、前記リール(1)が引っ掛けられた状態で、巻き出し機(30)に導かれ得る。前記リールの解放は前記入口(83)を介しての圧縮空気の新たな導入によって決定され、これにより、前記レバー(100)が前記ブッシュ(104)に近づき、その結果、前記レバーの歯付き部材が前記それぞれのコア(1C)の内面から外れる。
【0032】
図14に示す実施形態の例を参照すると、同図においては、前記コア(1C)を係合するための機構が設けられていないが、前記吸引カップ(300)が設けられている。前述したように、前記空間(S)の加圧段階及び前記下側リールからの前記スタックの前記上側リールの取り外しが行われる。この場合、上側リールの係合、つまり前記スタック(2)からのその取り外しは、前記吸引カップ(300)の作用によって行われ、当該吸引カップは前記リール自体を前記装置(D)に、つまり前記アーム(BM)に結合し、上記した例のように前記それぞれのコア(1C)に作用する代わりに前記リールの上側に作用する。
【0033】
前述したように、本発明の装置は前記コア係合機構(1C)を備えていなくてもよい。この場合、前記コア(1C)の係合に関して前述した手順は行われず、そして前記装置は、前記プレート(91,92)間の空間(S)を加圧することによって、前記スタックの下側にある複数のリールからリールを分離させるためにのみ使用される。このように分離された前記リールの搬送、即ち、前記スタック(2)が配置されている前記パーキングポイント(P)から当該リールの搬送先である前記巻き出し機(30)への搬送は、例えば、所謂「ウェイトレス」マニピュレータを利用して、既に知られている方法で実行することができる。
【0034】
より一般的には、本発明によるボール紙リールを取り扱うための装置(D)は積み重ねられたボール紙リール(1)と係合するように構成され、そしてロッド(45)を備える装置であり、下記の構成要素が設けられる:
-2つの軸方向に対向するプレート(91,92)を備え、それぞれの半径方向に拡張可能な部材(913,923)を備え、そして前記ロッド(45)の軸方向(A9)に沿って所定の値だけ離間して前記プレート間に加圧可能な空間(S)を形成し、当該空間(S)は前記プレート(91,92)の対向する表面(912,922)によって上下の境界が定められるようにした第1のユニット;
-前記部材(913,923)の半径方向の拡張を制御するための手段;及び
-前記空間(S)を加圧する加圧手段。
【0035】
本発明によれば、当該装置(D)は、下記の構成要素を備えてリールを係合させるための機構も含むことができる:
-前記ロッド(45)上の前記第1のユニットの上方に配置され、半径方向に抜き取ることができ、かつそれぞれ引っ込めることができる所定数の顎部材(100)を有する第2のユニット;及び
-前記顎部材(100)を半径方向に移動させるための手段。
【0036】
本発明のさらなる実施形態によれば、当該装置(D)は、また前記リールを下記第2のユニットと係合させるための機構を備えてもよい:
-前記ロッド(45)上の前記第1のユニットの上方に配置され、吸引カップ(300)上に装着された吸引器(302)に従属する吸引カップ(300)を含む第2のユニット。
【0037】
本発明によれば、前記ユニットは、例え異なる機能を実行することが意図されていても、単一の装置に統合することができる。即ち、第1のユニットは下側に位置するリールから前記スタックの上側リールの取り外しを制御し、一方、第2のユニットは装置自体の一部からの上側リールの引き出しを制御し、従って、当該装置自体は、前記リールの取り外しを容易にするのに適し、かつ前記スタックから取り外された前記リールを把持するのにも適しているように構成することができる。前記操作装置の使用の動作段階に応じて、前記ユニットは全て同時に動作的であってもよいし、前述したように同時に動作的でなくてもよい。特に、前記ユニットは順番に、前記プレート(91,92)の半径方向に拡張可能な部分の半径方向の拡張、前記空間(S)の加圧、及びその後の前記顎部材(100)の作動、すなわち、引き抜きを含む工程順に従って作動させることができる。
【0038】
後続の段階では、前記プレート(91,92)の半径方向に拡張可能な部分の後退、及びその後の前記顎部材(100)の後退を含む工程順に従って前記ユニットが作動し、先に係合されたリール(1)の当該顎部材(100)からの解放を決定することができる。あるいは、順番に、前記プレート(91,92)の半径方向に拡張可能な部分の半径方向の拡張、空間(S)の加圧、その後の前記吸引器(302)の作動、及び後続の段階において、吸引カップ(300)によって以前に係合された前記リール(1)の解放を決定するための吸引器(302)の動作停止を含む工程順に従って、前記ユニットは動作させることができる。
【0039】
前記第1及び第2のユニットの動作は、所望の工程順でソレノイドバルブ(41,51,830)を作動させることによって制御ユニット(7)によって制御される。図6の図面において、前記プログラマブル制御ユニット(7)は、また前記吸引器(302)及び前記モータ(203,207)と接続されている。
【0040】
好ましくは、前記プレート(91,92)は第1のダクト(4)に係合され、当該ダクトを介して前記それぞれのガスケット(913,923)が膨張する圧縮空気が供給される。
【0041】
さらに、好ましくは、前記プレート(91,92)間の前記空間(S)の加圧が第1のダクト(4)と同軸かつ外側に位置する第2のダクト(5)によって達成される。
【0042】
好ましくは、本発明によれば、前述のロッド(45)は同軸ダクト(4)及び(5)によって構成される。
【0043】
好ましくは、本発明によれば、前記顎部材(100)の作動は、弾性部材(106)と空気圧ピストン(107)の両方が作用するガイド(前述の例ではブッシュ104によって作られる)によって空気圧ピストン(107)と協働する弾性部材(106)の使用を含む。
【0044】
上述した例によれば、前記軸方向(A9)は前記ダクト(4)及び(5)の共通軸と一致し、一方、上下の加圧可能空間(S)の境界を定める前記プレートの対向する表面は可動フランジ(912,922)によって定められる。
【0045】
さらに、図3-5に示された実施形態を参照して説明された例では、前記ガスケット(913,923)の半径方向の拡張を制御するための手段は、前記それぞれ対の固定及び可動フランジ(911,912;921,922)によって形成される群と、前記ダクト(4)を通して圧縮空気を導入するための制御装置とによって構成される。
【0046】
前記プレート(91,92)間の空間(S)を加圧する可能な方法は、その出口が前記空間(S)に正確に対応するダクト(5)を設けることにある。
【0047】
図3-5に示された実施形態を参照して説明された例において、前記顎部材(100)は、前記ピン(103)上で旋回されかつ前記ブッシュ(104)の後部で拘束される複数個のレバーからなる。これらのレバーは、図3-5に示された実施形態を参照して説明された例において、前記弾性部材(106)及び前記ピストン(107)によって動かされる。
【0048】
本発明による装置は、以下の動作工程を含む動作方法を実施するために使用することができる:
-少なくとも1つの管形成機(3)と対応する巻き出し機(30)とを備えるボール紙管の製造現場のパーキングポイント(P)にボール紙リール(1)のスタック(2)を配置すること、それによって、前記管形成機(3)が、前記巻き出し機(30)上に位置するリール(1)から巻き出されたボール紙片を受け入れ、そして各リール(1)は中心の管状コア(1C)を有する工程:
-前記スタック(2)の上部リールの中心管状コア(1C)に、所定の軸方向(A9)に沿って所定の値だけ離間され、それぞれの半径方向に拡張可能な部材(913,923)を備えた2つのプレート(91,92)を挿入し、前記リールと前記スタック(2)の下側に位置するリールとの間の界面に加圧可能な空間(S)を形成し、当該加圧可能な空間(S)は前記プレートの対向する面(912,922)によって形成される工程;及び
-前記空間(S)を加圧して、下側に位置するリールから前記リールの取り外しを決定する工程。
【0049】
前記操作方法は、以下のさらなる操作工程を含んでもよい;
-前記中心管状コア(1C)を内側から係合する工程;
-前記空間(S)内の圧力を大気圧に対応する値に戻す工程;
-それぞれの中心管状コア(1C)が内側から係合されている間に、所定の経路に沿って前記リールを移動させる工程。
【0050】
あるいは、スタックの最も高い位置にあるリールがその外面、例えば、前述のようにその上面に係合することができる。
【0051】
好ましくは、上記の操作方法によれば、プレート(91,92)の半径方向に拡張可能な部材(913,923)は弾性ガスケットであり、当該弾性ガスケットは、圧縮されたときに半径方向に拡張し、そして圧縮されていないときには当所の非拡張構成に戻る。
【0052】
さらに、好ましくは、前記弾性ガスケットの圧縮が前記プレート(91,92)の2つの対向する表面(911,912;921,922)の間のガスケット自体の押し潰しに起因し、前記対向する表面はガスケット(913,923)が間に配置される各プレート(91,92)の固定表面(911;921)及び可動表面(912;922)である。好ましくは、前記圧し潰しがそれぞれの可動面をそれぞれの固定面に向かって押す圧縮空気による前記可動面の動きによって決定される。
【0053】
好ましくは、この操作方法によれば、前記空間(S)の加圧は圧縮空気が供給されかつ同じ空間(S)に対応する出口を有するダクト(5)によって行われる。
【0054】
さらに、好ましくは、本発明の操作方法によれば、前記中心管状コア(1C)は顎部材(100)によって内側から係合され、この顎部材は当該管状コア(1C)に挿入されかつこの管状コアの内面に半径方向の圧をかけるように適合されている。
【0055】
また、有利には、前記スタックの最も高い位置にあるリールが、吸引カップ(300)によってその上面に係合されることが提供される。
【0056】
実際には、実行の詳細がいずれの場合にも、採用された解決案から逸脱することなく、従って、以下の特許請求の範囲に従って本特許によって付与される保護範囲内に留まることで、記載されかつ図示される個々の要素に関して均等の態様で変更することが可能である。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】