(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】偽水晶体眼における術後周辺減光の予測
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20231218BHJP
A61F 9/007 20060101ALN20231218BHJP
【FI】
A61B3/10 900
A61F9/007 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534682
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 IB2021059474
(87)【国際公開番号】W WO2022123339
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ハンター ペティット
(72)【発明者】
【氏名】マーク アンドリュー ジールク
(72)【発明者】
【氏名】ビクター マヌエル ヘルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ マシュー マッカロク
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA13
4C316AA26
4C316AA28
4C316FC12
4C316FZ01
(57)【要約】
対象者の眼における術後周辺減光を予測するためのシステムは、プロセッサと、命令が記録された有形の非一時的メモリとを有するコントローラとを含む。コントローラは、眼の術前解剖学的データを眼モデルとして格納するように適合された診断モジュールと通信する。システムは、コントローラによって選択的に実行可能な予測モジュールと光線追跡モジュールとを含む。予測モジュールは、術前解剖学的データ及び眼内レンズに少なくとも部分的に基づいて、眼の補完術後変数を決定するように適合されている。光線追跡モジュールは、眼を通る光の伝搬を計算するように適合されている。光線追跡モジュールを実行して、事前定義された視野にわたる各視野角に対する光分布を決定する。コントローラは、光分布に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の術後周辺減光パラメータを決定するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズの移植前に対象者の眼における術後周辺減光を予測するためのシステムであって、
プロセッサと、命令が記録された有形の非一時的メモリとを有するコントローラと、
前記コントローラと通信する診断モジュールであって、前記診断モジュールは、前記眼の術前解剖学的データを眼モデルとして格納するように適合されている、診断モジュールと、
前記コントローラによって選択的に実行可能な予測モジュールであって、前記予測モジュールは、前記術前解剖学的データ及び前記眼内レンズに少なくとも部分的に基づいて、前記眼の補完術後変数を決定するように適合されている、予測モジュールと、
前記コントローラによって選択的に実行可能な光線追跡モジュールであって、前記光線追跡モジュールは、前記眼を通る光の伝搬を計算するように適合されている、光線追跡モジュールと、
を含み、
前記コントローラは、
前記診断モジュールを介して、前記眼の前記術前解剖学的データを取得し、
前記予測モジュールを介して、前記眼の補完術後変数を決定し、前記補完術後変数を前記眼モデルに組み込み、
前記光線追跡モジュールを実行して、前記眼モデルにおける事前定義された視野にわたる各視野角に対する光分布を決定し、
前記各視野角に対する前記光分布に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の術後周辺減光パラメータを決定する
ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記光線追跡モジュールは、前記眼内を伝搬する光線束を追跡し、
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記眼の瞳孔を通過する前記光線束の少なくとも一部が前記眼内レンズの光学ゾーンを通過しない前記各視野角のうち最小のものと定義される第1の視角を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記瞳孔を通過する前記光線束が前記眼内レンズの前記光学ゾーンを通過しない前記各視野角のうち最小のものと定義される第2の視角を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記瞳孔を通過する前記光線束が前記眼内レンズを完全に外れる前記各視野角のうち最小のものと定義される第3の視角を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記術前解剖学的データは、前記眼の軸長を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記術前解剖学的データは、前記眼の角膜前面及び角膜後面の各位置及び各輪郭を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記術前解剖学的データは、3次元座標系における前記眼の瞳孔の位置、向き及び大きさを含み、前記瞳孔は、明所視条件下にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記眼の前記補完術後変数は、前記眼内レンズの各位置及び各向きを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記眼の前記補完術後変数は、前記眼の瞳孔及び/又は虹彩の各位置及び各向きを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光線追跡モジュールは、前記眼内レンズを通って、前記眼の網膜に到達するまで後方に伝搬する光線束を追跡するように適合されており、
光線束は、前記網膜上の微小点に集束される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光線追跡モジュールは、波長550ナノメートルの光に適用される前記眼内の各屈折率を使用するように適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
プロセッサと、命令が記録された有形の非一時的メモリとを有するコントローラを有するシステムを用いて、眼内レンズの移植前に対象者の眼における術後周辺減光を予測するための方法であって、
少なくとも1つの画像化デバイスを介して、診断モジュールを、前記眼の術前解剖学的データを眼モデルとして格納するように適合させることと、
前記コントローラを介して、予測モジュールを、前記術前解剖学的データ及び前記眼内レンズに少なくとも部分的に基づいて、前記眼の補完術後変数を決定するように適合させることと、
光線追跡モジュールを、前記眼を通る光の伝搬を計算するように適合させることであって、前記光線追跡モジュールは、前記コントローラによって選択的に実行可能である、ことと、
前記診断モジュールを介して、前記眼の術前解剖学的データを取得することと、
前記予測モジュールを介して、前記眼の補完術後変数を決定し、前記補完術後変数を前記眼モデルに組み込むことと、
前記光線追跡モジュールを実行して、前記眼モデルにおける事前定義された視野にわたる各視野角に対する光分布を決定することと、
前記各視野角に対する前記光分布に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の術後周辺減光パラメータを決定することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記光線追跡モジュールは、前記眼内を伝搬する光線束を追跡し、
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記眼の瞳孔を通過する前記光線束の少なくとも一部が前記眼内レンズの光学ゾーンを通過しない前記各視野角のうち最小のものと定義される第1の視角を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記瞳孔を通過する前記光線束が前記眼内レンズの前記光学ゾーンを通過しない前記各視野角のうち最小のものと定義される第2の視角を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記瞳孔を通過する前記光線束が前記眼内レンズを完全に外れる前記各視野角のうち最小のものと定義される第3の視角を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記術前解剖学的データは、前記眼の軸長を含み、
前記術前解剖学的データは、3次元座標系における前記眼の瞳孔の位置、向き及び大きさを含み、前記瞳孔は、明所視条件下にある、
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記眼の前記補完術後変数は、前記眼内レンズの各位置及び各向きを含み、
前記眼の前記補完術後変数は、瞳孔及び/又は虹彩の各位置及び各向きを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記光線追跡モジュールを、前記眼内レンズを通って、前記眼の網膜に到達するまで後方に光線束を追跡するように適合させることと、
前記光線束を前記網膜上の微小点に集束させることと、
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に、眼に眼内レンズが移植される前に、対象者の眼における術後周辺減光を予測することに関する。より具体的には、本開示は、偽水晶体眼(移植されたレンズを有する眼)の1つ以上の術後周辺減光パラメータを取得するためのシステム及び方法に関する。一般に、ヒトの水晶体は、光が容易に通過し得るように透明である。しかしながら、様々な要因によって、水晶体内の領域が混濁し不透明になって、視覚の質に悪影響が及ぶことがある。このような状況は、白内障手術によって治療され得る。白内障手術では、患者の眼内に移植するための人工水晶体が選択される。実際、白内障手術は、世界中で一般に行われている。白内障手術後、多くの患者が陰性異常光視症(患者の周辺視野の暗い影を特徴とする状態)を経験する。この影は、偽水晶体眼における光の周辺減光によるものと考えられる。場合によっては、この現象は、術後長期間持続する。場合によっては、二次的な外科的介入が必要になることもある。現時点では、ある種の陰性異常光視症を発症する患者の個々のリスク及びその潜在的な重症度を白内障手術の前に決定する客観的手段はない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書に開示されるのは、眼内レンズの移植前に対象者の眼における術後周辺減光を予測するためのシステムである。システムは、プロセッサと、命令が記録された有形の非一時的メモリとを有するコントローラとを含む。コントローラは、眼の術前解剖学的データを眼モデルとして格納するように適合された診断モジュールと通信する。システムは、コントローラによって選択的に実行可能な予測モジュールと光線追跡モジュールとを含む。予測モジュールは、術前解剖学的データ及び眼内レンズに少なくとも部分的に基づいて、眼の補完術後変数を決定するように適合されている。光線追跡モジュールは、眼を通る光の伝搬を計算するように適合されている。コントローラは、診断モジュールを介して、眼の術前解剖学的データを取得するように構成されている。コントローラは、予測モジュールを介して、眼の補完術後変数を決定し、補完術後変数を眼モデルに組み込むように構成されている。光線追跡モジュールを実行して、眼モデルにおける事前定義された視野にわたる各視野角に対する光分布を決定する。コントローラは、各視野角に対する光分布に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の術後周辺減光パラメータを決定するように構成されている。
【0003】
光線追跡モジュールは、眼内を伝搬する光線束を追跡する。術後周辺減光パラメータは、眼の瞳孔を通過する光線束の少なくとも一部が眼内レンズの光学ゾーンを通過しない各視野角のうち最小のものと定義される第1の視角を含み得る。術後周辺減光パラメータは、瞳孔を通過する光線束が眼内レンズの光学ゾーンを通過しない各視野角のうち最小のものと定義される第2の視角を含み得る。術後周辺減光パラメータは、瞳孔を通過する光線束が眼内レンズを完全に外れる各視野角のうち最小のものと定義される第3の視角を含み得る。
【0004】
いくつかの実施形態では、術前解剖学的データは、眼の軸長を含む。術前解剖学的データは、眼の角膜前面及び角膜後面の各位置及び各輪郭を含み得る。術前解剖学的データは、3次元座標系における眼の瞳孔の位置、向き及び大きさを含み得、瞳孔は、明所視条件下にある。眼の補完術後変数は、眼内レンズの各位置及び各向きを含み得る。眼の補完術後変数は、眼の瞳孔及び/又は虹彩の各位置及び各向きを含み得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、光線追跡モジュールは、眼内レンズを通って、眼の網膜に到達するまで後方に伝搬する光線束を追跡するように適合されている。光線束は、網膜上の微小点に集束される。光線追跡モジュールは、波長550ナノメートルの光に適用される眼内の各屈折率を使用するように適合され得る。
【0006】
本明細書に開示される、プロセッサと、命令が記録された有形の非一時的メモリとを有するコントローラを有するシステムを用いて、眼内レンズの移植前に対象者の眼における術後周辺減光を予測するための方法である。本方法は、少なくとも1つの画像化デバイスを介して、診断モジュールを、眼の術前解剖学的データを眼モデルとして格納するように適合させることを含む。予測モジュールは、コントローラを介して、術前解剖学的データ及び眼内レンズに少なくとも部分的に基づいて、眼の補完術後変数を決定するように適合されている。
【0007】
本方法は、光線追跡モジュールを、眼を通る光の伝搬を計算するように適合させることであって、光線追跡モジュールは、コントローラによって選択的に実行可能である、ことを含む。診断モジュールを介して、眼の術前解剖学的データが取得される。本方法は、予測モジュールを介して、眼の補完術後変数を決定し、補完術後変数を眼モデルに組み込むことを含む。光線追跡モジュールを実行して、眼モデルにおける事前定義された視野にわたる各視野角に対する光分布を決定する。本方法は、各視野角に対する光分布に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の術後周辺減光パラメータを決定することを含む。
【0008】
本開示の上記の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、本開示を実施するための最良の態様の以下の詳細な説明を添付の図面と併せて読めば容易に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、コントローラを有する、眼における術後周辺減光を予測するためのシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のコントローラによって実行可能な方法の概略フローチャートである。
【
図3】
図3は、術後周辺減光を示す偽水晶体眼の例示的なモデルの概略部分図である。
【
図4】
図4は、眼の例示的な術前画像の概略部分断面図である。
【
図5】
図5は、眼の例示的な術後画像の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
同様の参照番号が同様の構成要素を指す図面を参照すると、
図1は、白内障手術の候補者である対象者12に関して、眼Eにおける術後周辺減光に関連するパラメータを予測するためのシステム10を概略的に示す。図面は例示を意図したものであり、縮尺通りに描かれていないことは理解される。
図1を参照すると、システム10は、少なくとも1つのプロセッサPと、以下で
図2を参照して詳述される方法100を実行するための命令が記録された少なくとも1つのメモリM(又は非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体)とを有するコントローラCを含む。メモリMは、コントローラ実行可能命令セットを格納することができ、プロセッサPは、メモリMに格納されたコントローラ実行可能命令セットを実行することができる。
【0011】
術後周辺減光は、白内障手術後の対象者12に生じる視野又は像面の部分的な陰影である。周辺減光は、対象者12によって知覚される像の暗さ又は像の明るさの喪失として表現されることがあり、通常、像の辺縁で見られる。周辺減光は、光が開口に入り、像面に到達する前に部分的に又は完全に遮断されるために生じる。ある状況においては、入射光の一部は遮断されるが、光の別の部分は光学系を通過し続ける。この場合、残った光は像を形成し続けるが、遮断されなかった場合よりも明るさが低下する。術後周辺減光は、二次的な外科的介入が必要となり得る状態である陰性異常光視症に関連する。
【0012】
図3は、偽水晶体眼200における術後周辺減光を示す概略図である。偽水晶体眼200は、眼内レンズ202の有効集束又は屈折部である光学ゾーン204を有する眼内レンズ202を有する。同じく
図3に示されるのは、角膜前面206A、角膜後面206B、瞳孔208、虹彩210、網膜212、及び視軸Aである。
図3を参照すると、光線Bが比較的大きな視野角で瞳孔208に入る。瞳孔208及び虹彩210は、対象者12によって知覚される像を形成する光の範囲を定義するシステムストップとして機能する。光線Bの全体が瞳孔208を通過するが、そのうちの一部は眼内レンズ202を通らない。
【0013】
図3を参照すると、光線Bの第1の光線部分214は光学ゾーン204を完全に外れ、網膜212の第1の網膜位置216に直接進む。第2の光線部分218は、眼内レンズ202を通過し、第2の網膜位置220に集束される。第1の網膜位置216と第2の網膜位置220との間は、光線Bによって全く照明されない中間網膜位置222である。第2の網膜位置220は照明されるが、この角度では光線Bの一部、すなわち光学ゾーン204を通過する部分のみが眼内レンズ202によって集束されるため、照明されるのは一部のみである。
【0014】
第2の網膜位置220と中間網膜位置222との組み合わせは、対象者12によって暗い影と知覚されることがある。この暗い影は、第2の網膜位置220のより明るい照明によって強調されることがある。
図3に示す実施形態において、対象者12は、両者を生じさせる光が1つの方向から来ているにもかかわらず、第1の網膜位置216が第2の網膜位置220よりも大きな視野角で生じると知覚する。
【0015】
システム10は(方法100の実行により)、術前情報に基づいて、偽水晶体眼200における周辺減光の潜在的な重症度に関する評価を提供する。システム10の技術的利点は、臨床医がこの情報を白内障手術の前に得て、対象者12と適切に協議し、適宜、治療計画(例えば、インプラントの種類、インプラントの位置、屈折力)を調整することができることである。
【0016】
以下で説明するように、
図1を参照すると、システム10は、眼Eの術前解剖学的データを格納するための診断モジュール20を含み得る。術前解剖学的データは、少なくとも1つの画像化デバイス22から取得され得る。システム10は、コントローラCによって選択的に実行可能な予測モジュール24及び光線追跡モジュール26を含み得る。予測モジュール24は、術前解剖学的データに少なくとも部分的に基づいて、眼Eの術後解剖学的パラメータを予測するように適合されている。以下で説明するように、光線追跡モジュール26は、偽水晶体眼200内を伝搬する光線束230を追跡するように適合されている。
【0017】
図1を参照すると、システム10は、ユーザによって操作可能なユーザインタフェース28を含み得る。ユーザインタフェース28は、タッチスクリーン又は他の入力デバイスを含み得る。コントローラCは、ユーザインタフェース28及びディスプレイ(図示せず)への/からの信号を処理するように構成され得る。更に、ユーザインタフェース28及び/又はコントローラCは、レンズ選択モジュール30と通信することができる。
【0018】
図1に示されているように、システム10の様々な構成要素は、ネットワーク32を介して通信するように構成され得る。診断モジュール20、予測モジュール24、及び光線追跡モジュール26がコントローラCに組み込まれ得る。或いは、診断モジュール20、予測モジュール24、及び光線追跡モジュール26は、ネットワーク32を介してコントローラCにアクセス可能なリモートサーバ又はクラウドユニットの一部であり得る。ネットワーク32は、例えばローカルエリアネットワークの形態のシリアル通信バスなどの様々な手法で実装された双方向バスであり得る。ローカルエリアネットワークは、コントローラエリアネットワーク(CAN)、コントローラエリアネットワークウィズフレキシブルデータレート(Controller Area Network with Flexible Data Rate、CAN-FD)、イーサネット、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、及び他のデータ接続形態を含み得るが、これらに限定されない。他の種類の接続が使用されてもよい。
【0019】
ここで
図2を参照すると、術後偽水晶体眼200における周辺減光を予測するための方法100のフローチャートが示されている。方法100は、
図1のコントローラCによって完全に又は部分的に実行可能であり得る。方法100は、本明細書に列挙される特定の順序で適用される必要はない。更に、いくつかのブロックを省略してもよいことは言うまでもない。方法100は、ブロック102において開始する。
【0020】
図2のブロック102によって、コントローラCは、眼モデル21の一部として診断モジュール20内に格納され得る眼Eの術前解剖学的データを取得するように構成されている。術前解剖学的データ(生体データを含む)は、少なくとも1つの画像化デバイス22から取得され得る。画像化デバイス22は、トポグラフィデバイス、超音波機器、光干渉断層計、磁気共鳴画像機器、又は当業者が利用可能な他の画像化デバイスを含み得る。術前解剖学的データは、単一の画像又は複数の画像から得ることができる。
【0021】
図4は、天然水晶体302を含む眼Eの術前画像300の概略的な例を示す。術前画像300は、超音波生体顕微鏡法によって取得されてもよい。超音波生体顕微鏡検査法は、約35MHz~100MHzの比較的高い周波数のトランスデューサを用いてもよく、組織浸透深さは約4mm~5mmである。
図4を参照すると、術前解剖学的データは、明所視条件下での瞳孔308の各位置、各向き、及び大きさを含む。明所視条件とは、明るい条件下での視覚を指し、これは主に眼の錐体細胞によって機能する。いくつかの実施形態では、明所視条件は、1平方メートルあたり3カンデラ(cd/m
2)以上の適応レベルを包含するように定義され得る。
【0022】
図4を参照すると、術前解剖学的データは、虹彩310及び天然水晶体302の各位置及び各向きを含む。各向きは、XYZ座標系に対する傾きを含む。瞳孔308、虹彩310及び天然水晶体302の各位置は、XYZ座標系において3次元で、X軸並びにY軸及びZ軸に沿って指定され得る。XYZ座標系は、X軸が視軸Aに平行であるように定義され得る。或いは、XYZ座標系は、X軸が別の幾何学的軸又は光軸(図示せず)に平行であるように定義され得る。ここで、眼モデル21は、視軸Aの位置及び向きを含む。
【0023】
図4を参照すると、術前解剖学的データは、水晶体厚さ320、前房深度322及び角膜厚さ324を含み得る。更に、診断モジュール20内の眼モデル21は、眼Eの異なる部分の屈折率を含む。術前解剖学的データは、眼Eの軸長240(
図3に示す)を含む。
【0024】
診断モジュール20は、術前解剖学的データ及び当業者が利用可能なアルゴリズムに基づいて眼Eの表面を近似又はパラメータ化するために選択的に実行可能であり得る。
図1の眼モデル21は、対象とする光が眼Eに入ることができる全領域にわたる角膜前面306A及び角膜後面306B(
図4を参照)の形状及び位置を含み得る。眼モデル21は、水晶体前面314及び水晶体後面312(
図4を参照)の形状及び位置を更に含み得る。眼球は、通常、ほぼ球形の形状を有するため、眼モデル21は、網膜212(
図2に示す)の表面を軸長240から近似することができる。
【0025】
方法100は、ブロック102からブロック104に進む。ブロック104によって、コントローラCは、術前解剖学的データに部分的に基づいて、眼Eの補完術後変数を決定するように構成されている。補完術後変数は、予測モジュール24を介して取得され得る。いくつかの実施形態では、予測モジュール24は、例えば、SRK/T式、Holladay式、Hoffer Q式、Olsen式及びHaigis式などの当業者が利用可能な眼内レンズ度数計算式を組み込む。他の実施形態では、予測モジュール24は、術前データ及び術後データの多数の過去のペアを通じて、補完術後変数を決定するように訓練されたニューラルネットワークなどの機械学習モジュールを組み込む。過去のペアとは、同一人物の術前データ及び術後データ(例えば、
図4及び
図5)を指す。補完術後変数は、当業者が利用可能な他の推定方法から取得されてもよいことは理解される。
【0026】
図5は、眼Eの術後画像400の概略的な例を示す。
図5に同じく示されるのは、支持構造又は支持部403を有する眼内レンズ402、角膜前面406A、角膜後面406B、瞳孔408、及び虹彩410である。補完術後変数は、眼内レンズ402、瞳孔408及び/又は虹彩410の各位置及び各向き又は傾き(XYZ座標系に対する)を含む。術後、瞳孔408は、視軸Aに対して偏心している又は傾いている可能性がある。術前画像300において、虹彩310は、天然水晶体302の相対的により嵩高い形状により、(術後画像400と比較して)前方に張り出し、移動していることがある。術後画像400において、虹彩410は、相対的により平坦な幾何学的形状をとり得る。
【0027】
方法100は、ブロック104からブロック106に進む。
図2のブロック106によって、コントローラCは、ブロック102及びブロック104で取得したデータに基づいて、眼Eの事前定義された視野にわたる光分布を決定するように構成されている。
図3を参照すると、事前定義された視野は、網膜212に沿った、開始網膜位置234と終了網膜位置236との間の弧と定義され得る。光分布は、光線追跡モジュール26(
図1を参照)を介して取得され得る。
図3を参照すると、(
図1の)光線追跡モジュール26は、偽水晶体眼200の角膜前面206A及び角膜後面206Bを通って伝搬する光線束230を追跡するように適合されている。
【0028】
図3の光線束230は、眼内レンズ202を通って、網膜212に到達するまで後方に伝搬する。光線追跡モジュール26は、ブロック104で取得した補完術後変数(瞳孔208、虹彩210、及び眼内レンズ202の各位置及び各傾きなど)を代入した(ブロック102からの)眼モデル21を用いる。任意選択的に、光線追跡モジュール26は、光の伝搬が光線の観点から説明されるように、光の波の性質に関連する効果は無視できると仮定する場合がある。
【0029】
伝搬は、異なる屈折率を持つ2つの媒質を分離する表面における光線の屈折について記述するスネルの法則を用いて、反射及び屈折を通じて追跡される。換言すると、光線束230内の各光線が表面に当たると、各光線の新たな方向が、診断モジュール20に格納された屈折率を使用し、スネルの法則に従って決定される。いくつかの実施形態では、光線追跡モジュール26は、波長550nmの光(緑色光)に適用される屈折率を用いる。光線束230は、網膜212の微小点232に集束され、網膜212上の光線束230の空間的分布が記録される。空間的分布は、網膜212に沿った点像分布関数グラフによって表され得る。
【0030】
光線追跡モジュール26は、事前定義された視野にわたる各視角をカバーするように光線束230を徐々に移動させることによって、偽水晶体眼200の集束特性の評価を提供する。上記のように、事前定義された視野は、網膜212に沿った、開始網膜位置234と終了網膜位置236との間の弧と定義され得る。光分布は、光線束230の入射角が変化する際に網膜212に当たる(通過する)光の量を反映する。影になる領域(高視角など)では、光線束230の空間的分布(点像分布関数グラフによって表される)は平坦になる及び/又は分岐する。
【0031】
方法100は、ブロック106からブロック108に進む。
図2のブロック108によって、コントローラCは、ブロック106で取得した光分布に基づいて、偽水晶体眼200の1つ以上の術後周辺減光パラメータを決定するように構成されている。術後周辺減光パラメータは、網膜212の異なる領域に対する視野角を含む。
図3を参照すると、術後周辺減光パラメータは、第1の視角V1、第2の視角V2、及び第3の視角V3を含む。
【0032】
図3を参照すると、第1の視角V1は、瞳孔208を通過する光線束230の少なくとも一部が眼内レンズ202の光学ゾーン204を通過しない各視野角のうち最小のものと定義される。第1の視角V1の大きさは、周辺減光が最初に始まると思われる場所を示す。第2の視角V2は、瞳孔208を通過する光線束230が眼内レンズ202の光学ゾーン204を通過しない各視野角のうち最小のものと定義される。
【0033】
第2の視角V2は、眼内レンズを完全に外れた光が知覚される場所を示す。第3の視角V3は、瞳孔208を通過する光線束230が眼内レンズ202を完全に外れる各視野角のうち最小のものと定義される。第3の視角V3は、対象者12によって知覚される像が完全に暗くなる可能性のある場所を示す。視角は、白内障手術後の陰性異常光視症の可能性及び潜在的な程度に関する有用な情報を含む、対象者12に対する術後周辺減光の影響の特定に役立つ。
【0034】
方法100は、ブロック108からブロック110に進む。ブロック110によって、コントローラCは、ブロック108で取得した術後周辺減光パラメータが各々の事前定義された閾値、すなわち各因子に対する別々の閾値以内であるかどうかを決定するように構成されている。各々の閾値は、手元のアプリケーションに基づいて定義又は選択されてもよく、対象者12に基づいて変化し得る。一例では、第1の視角V1、第2の視角V2、及び第3の視角V3に対する各々の事前定義された閾値は、それぞれ、75、80、及び85度である。
【0035】
術後周辺減光パラメータが各々の事前定義された閾値以内である場合、方法100は終了する。術後周辺減光パラメータが各々の事前定義された閾値以内でない場合、方法100はブロック112に進み、そのような修正が適切であり得るかを決定することができる。例えば、第1の視角V1、第2の視角V2、及び第3の視角V3のうちの少なくとも1つの大きさが各々の事前定義された閾値を下回る場合、手術計画は、発生及び/又は重症度を軽減するために1つ以上の代替手法を組み込むよう変更され得る。トレードオフが伴うため、代替手法は、通常は、行われない場合がある。
【0036】
図5を参照すると、修正は、虹彩410と眼内レンズ402との間の間隔426を低減することを含み得る。眼内レンズ402の本体と虹彩410との間の距離を低減すると、周辺減光の改善がもたらされる。間隔426の増加によって、眼内レンズ402に当たる光は少なくなり、視野角は増大する。
【0037】
図5を参照すると、修正は、より大きい直径428を持つ眼内レンズ402を使用することを含み得る。眼内レンズ402の直径を増大させることで、レンズ表面を元々存在する間隙に配置する。一例では、眼内レンズ402の直径428を6mmから7mmに拡大すると、スループット70%の視野が81度から83.5度に押し上げられる。これは、ある眼モデルにおいて、6mmのレンズを前方に100ミクロン移動させることにほぼ等しい。修正は、眼内レンズ402を水晶体嚢よりもむしろ溝に移植することを更に含み得る。
【0038】
第1の視角V1、第2の視角V2、及び第3の視角V3がそれぞれ、各々の閾値を下回る場合、コントローラCは、レンズ選択モジュール30を介して異なる眼内レンズ(例えば、異なるモデル及び/又は屈折力)を選択し、方法100の工程を繰り返すように構成され得る。更に、臨床医は、カウンセリングを提供し、期待値を管理し得る。
【0039】
要約すると、システム10は、白内障手術を受けることになる眼Eの術前解剖学的データを入力し、様々な術後解剖学的パラメータを予測し、光線追跡光学解析を使用して、術後周辺減光に関連する様々なパラメータを計算する。システム10は、光線追跡モジュール26による正確な追跡を可能にするための十分な術前解剖学的データが利用できる任意の処置で用いられ得る。
【0040】
図1のコントローラCは、コンピュータによって(例えば、コンピュータのプロセッサによって)読み取られ得るデータ(例えば、命令)を提供することに関係する非一時的(例えば、有形)媒体を含む、コンピュータ可読媒体(プロセッサ可読媒体とも称する)を含む。そのような媒体は、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含むが限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性媒体としては、例えば、光ディスク又は磁気ディスク及び他の永続メモリが挙げられ得る。揮発性媒体としては、例えば、主記憶装置を構成し得るダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)が挙げられ得る。このような命令は、コンピュータのプロセッサに結合されたシステムバスを備える配線を含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバを含む1つ以上の伝送媒体によって伝送され得る。コンピュータ可読媒体のいくつかの形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の光媒体、パンチカード、紙テープ、他の孔のパターンを有する物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEEPROM、他のメモリチップ又はカートリッジ、又は他のコンピュータが読み取り可能な媒体が挙げられる。
【0041】
本明細書中に説明するルックアップテーブル、データベース、データリポジトリ、又は他のデータストアは、階層型データベース、ファイルシステム内の一式のファイル、独自形式のアプリケーションデータベース、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)等を含む、様々な種類のデータを記憶、アクセス、及び取得するための様々な種類の機構を含んでいてもよい。それぞれのかかるデータストアは、上述したようなコンピュータオペレーティングシステムを採用するコンピューティングデバイス内に含まれてもよく、様々な方法のうちの1つ以上でネットワークを介してアクセスされてもよい。ファイルシステムは、コンピュータオペレーティングシステムからアクセス可能であってもよく、様々な形式で格納されたファイルを含んでいてもよい。RDBMSは、上述のPL/SQL言語等のストアドプロシージャを作成、保存、編集、及び実行するための言語に加えて、構造化照会言語(Structured Query Language、SQL)を採用してもよい。
【0042】
詳細な説明及び図面又は各図は、本開示をサポートし、説明するものであるが、本開示の適用範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。特許請求の範囲に記載された開示を実施するための最良の態様及び他の実施形態のいくつかを詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲において定義された開示を実施するための様々な代替的な設計及び実施形態が存在する。更に、図面に示された実施形態又は本明細書で言及された様々な実施形態の特徴は、必ずしも互いに独立した実施形態として理解されるべきではない。むしろ、ある実施形態の例の1つにおいて説明された各特徴は、他の実施形態の1つ又は複数の他の望ましい特徴と組み合わせることが可能であり、その結果、言葉で説明されていない、又は図面を参照することによって説明されていない、他の実施形態を得ることができる。したがって、このような他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の枠組み内に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズの移植前に対象者の眼における術後周辺減光を予測するためのシステムであって、
プロセッサと、命令が記録された有形の非一時的メモリとを有するコントローラと、
前記コントローラと通信する診断モジュールであって、前記診断モジュールは、前記眼の術前解剖学的データを眼モデルとして格納するように適合されている、診断モジュールと、
前記コントローラによって選択的に実行可能な予測モジュールであって、前記予測モジュールは、前記術前解剖学的データ及び前記眼内レンズに少なくとも部分的に基づいて、前記眼の補完術後変数を決定するように適合されている、予測モジュールと、
前記コントローラによって選択的に実行可能な光線追跡モジュールであって、前記光線追跡モジュールは、前記眼を通る光の伝搬を計算するように適合されている、光線追跡モジュールと、
を含み、
前記コントローラは、
前記診断モジュールを介して、前記眼の前記術前解剖学的データを取得し、
前記予測モジュールを介して、前記眼の補完術後変数を決定し、前記補完術後変数を前記眼モデルに組み込み、
前記光線追跡モジュールを実行して、前記眼モデルにおける事前定義された視野にわたる各視野角に対する光分布を決定し、
前記各視野角に対する前記光分布に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の術後周辺減光パラメータを決定する
ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記光線追跡モジュールは、前記眼内を伝搬する光線束を追跡し、
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記眼の瞳孔を通過する前記光線束の少なくとも一部が前記眼内レンズの光学ゾーンを通過しない前記各視野角のうち最小のものと定義される第1の視角を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記瞳孔を通過する前記光線束が前記眼内レンズの前記光学ゾーンを通過しない前記各視野角のうち最小のものと定義される第2の視角を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上の術後周辺減光パラメータは、前記瞳孔を通過する前記光線束が前記眼内レンズを完全に外れる前記各視野角のうち最小のものと定義される第3の視角を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記術前解剖学的データは、前記眼の軸長を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記術前解剖学的データは、前記眼の角膜前面及び角膜後面の各位置及び各輪郭を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記術前解剖学的データは、3次元座標系における前記眼の瞳孔の位置、向き及び大きさを含み、前記瞳孔は、明所視条件下にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記眼の前記補完術後変数は、前記眼内レンズの各位置及び各向きを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記眼の前記補完術後変数は、前記眼の瞳孔及び/又は虹彩の各位置及び各向きを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光線追跡モジュールは、前記眼内レンズを通って、前記眼の網膜に到達するまで後方に伝搬する光線束を追跡するように適合されており、
光線束は、前記網膜上の微小点に集束される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光線追跡モジュールは、波長550ナノメートルの光に適用される前記眼内の各屈折率を使用するように適合されている、請求項1に記載のシステム。
【国際調査報告】