IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京大学の特許一覧

<>
  • 特表-液相合成補助システム 図1
  • 特表-液相合成補助システム 図2
  • 特表-液相合成補助システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】液相合成補助システム
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/24 20060101AFI20231218BHJP
   B01J 19/12 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
B01J19/24 Z
B01J19/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535359
(86)(22)【出願日】2021-12-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2021139398
(87)【国際公開番号】W WO2022127926
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011509006.3
(32)【優先日】2020-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507232478
【氏名又は名称】北京大学
【氏名又は名称原語表記】PEKING UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.5, Yiheyuan Road, Haidian District, Beijing 100871, China
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】葉 新山
(72)【発明者】
【氏名】姚 文龍
(72)【発明者】
【氏名】熊 徳彩
【テーマコード(参考)】
4G075
【Fターム(参考)】
4G075AA13
4G075AA63
4G075BA10
4G075BB05
4G075CA02
4G075CA03
4G075CA33
4G075DA02
4G075DA18
4G075EB01
4G075EB31
4G075FB01
4G075FC04
(57)【要約】
反応器(1)、混合装置(2)、温度制御装置(3)及びマスターコンピュータ(4)を含む液相合成補助システムであって、反応器(1)は混合装置(2)に配置され、混合装置(2)と温度制御装置(3)はいずれもマスターコンピュータ(4)と電気的に接続され、液相合成補助システム全体にプログラムによる温度を制御させ、反応器(1)は、ボトル本体(15)が反応性ライナー(151)、温度循環層(152)、及び真空層(153)を内側から外側に向かって順に含むように設置される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規反応器、混合装置、温度制御装置及びマスターコンピュータを含む液相合成補助システムであって、
前記新規反応器は前記混合装置に配置され、前記混合装置と前記温度制御装置はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続され、
前記新規反応器は、反応性ライナー、温度循環層、及び真空層を内側から外側に向かって順に含むボトル本体を含むことを特徴とする液相合成補助システム。
【請求項2】
前記新規反応器は、ボトル口、サンプルローディング口、排気口、サンプリング口、循環液排出口及び循環液注入口をさらに含み、
前記サンプルローディング口は、前記ボトル口に対して設定角度を形成し、前記排気口と前記サンプルローディング口は、前記ボトル口の中心線を中心として対称に設けられ、前記サンプリング口は前記反応ライナーと連通し、前記反応ライナーの底は弧状構造であり、
前記循環液排出口及び前記循環液注入口はいずれも前記温度循環層と連通し、前記循環液排出口と前記循環液注入口は対角的に設置されることを特徴とする請求項1に記載の液相合成補助システム。
【請求項3】
前記温度制御装置は、低温循環器を含み、
前記低温循環器の排気口は前記循環液排出口の管路に接続され、前記低温循環器の吸気口は前記循環液注入口の管路に接続されることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項4】
前記新規反応器を照射するために用いられる紫外光光源を含む光源装置はさらに含まれることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項5】
前記紫外光光源は、タイプがCEL-Mシリーズである水銀ランプ光源であることを特徴とする請求項4に記載の液相合成補助システム。
【請求項6】
前記設定角度は60°であることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項7】
前記サンプリング口の中心線と前記排気口の中心線との間の空間的な角度は60°であることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項8】
前記ボトル口には上蓋が設けられ、前記上蓋は高透光率石英シートであることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項9】
前記混合装置は自動攪拌機と恒温盤とを含み、
前記自動攪拌機と前記恒温盤はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続し、前記自動攪拌機は、前記マスターコンピュータにおける攪拌指令に基づいて前記新規反応器における混合液を攪拌することに用いられ、前記新規反応器が前記自動攪拌器に配置され、前記恒温盤は、前記新しい反応器の温度を一定に保持するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の液相合成補助システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実験装置の技術分野に関し、特に液相合成補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の実験液相合成において、攪拌と温度制御は実験効果に影響する重要な要素であり、通常の液相実験は一般的に水浴または油浴を用いて温度制御を採用し、プログラムによる温度昇降を実現しにくい、また人為的なコントロールと回転速度の調節が必要であり、作業員の長時間が必要であるため、自動的なプログラムによる温度制御と速度制御ができれば、両手を完璧に解放し、効率を高めることができる。同時に、特に光照射反応に関わる場合には、2口石英反応器を用いて溶液反応を行い、かつ-80℃低温槽内で側面照射を行う方式で実験を行う。側面照射において、一般的に光源装置としてロングアーク水銀ランプ光源と石英材のコールドトラップを採用し、この光源装置は石英コールドトラップのために低温循環装置をセットし、循環温度(-20℃、温度が低すぎると水銀ランプが起動できない)が低温槽の温度(-80℃)より高くする必要があるため、低温槽の温度を正確に制御することが困難であり、さらに単独で低温循環装置をセットし、水銀ランプを点灯する直前にオンにする必要があり、コールドトラップの低温循環装置を点灯することを忘れた状態で、水銀ランプを点灯させると、水銀ランプの点灯と長時間の照射に伴い、非常に高い火事リスクがある。
【0003】
上記のような問題点を解決するために、照射方式を行う際には、ロングアーク水銀ランプ光源と石英材質のコールドトラップを使用するが、コールドトラップを横置き、紫外光を上から下へ反応器に照射し、反応器をエタノール/ドライアイスの低温浴デュワボトルに置く必要がある。この方式によれば、温度をコントロールしやすく安定しており、モデル反応合成効果は以前の実験室側照方式と一致し、ややよいになる傾向もあるが、コールドトラップを冷却しながら、コールドトラップのために追加の低温循環装置を起動する必要が依然として存在し、機器の組み立てが容易ではなく、安全ではなく、紫外光の利用率が非常に低く、追加の紫外線防護装置も必要である。
【0004】
そのため、プログラムによる温度制御、温度制御が安定で、組立が容易であるなどの特徴を有し、且つ実験照射における紫外光利用率を高めることができる実験液相合成補助システム或いは装置を提供し、普通化学反応と光触媒反応の二機能性を実現することは、当分野で早急に解決すべき技術難題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のことに基づいて、本発明の目的は、プログラムによる温度制御、温度制御安定性、組立容易性などの特徴を有する液相合成補助システムを提供するとともに、実験照射中の紫外光利用率を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は新規反応器、混合装置、温度制御装置及びマスターコンピュータを含む液相合成補助システムを提供し、
前記新規反応器は前記混合装置に配置され、前記混合装置と前記温度制御装置はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続され、
前記新規反応器は、反応性ライナー、温度循環層、及び真空層を内側から外側に向かって順に含むボトル本体を含む。
【0007】
好ましくは、前記新規反応器は、ボトル口、サンプルローディング口、排気口、サンプリング口、循環液排出口及び循環液注入口をさらに含み、
前記サンプルローディング口は、前記ボトル口に対して設定角度を形成し、前記排気口と前記サンプルローディング口は、前記ボトル口の中心線を中心として対称に設けられ、前記サンプリング口は前記反応ライナーと連通し、前記反応ライナーの底は弧状構造であり、
前記循環液排出口及び前記循環液注入口はいずれも前記温度循環層と連通し、前記循環液排出口と前記循環液注入口は対角的に設置される。
【0008】
好ましくは、前記温度制御装置は、低温循環器を含み、
前記低温循環器の排気口は前記循環液排出口の管路に接続され、前記低温循環器の吸気口は前記循環液注入口の管路に接続される。
【0009】
好ましくは、前記新規反応器を照射するために用いられる紫外光光源を含む光源装置はさらに含まれる。
【0010】
好ましくは、前記紫外光光源は、タイプがCEL-Mシリーズである水銀ランプ光源である。
【0011】
好ましくは、前記設定角度は60°である。
【0012】
好ましくは、前記サンプリング口の中心線と前記排気口の中心線との間の空間的な角度は60°である。
【0013】
好ましくは、前記ボトル口には上蓋が設けられ、前記上蓋は高透光率石英シートである。
【0014】
好ましくは、前記混合装置は自動攪拌機と恒温盤とを含み、
前記自動攪拌機と前記恒温盤はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続し、前記自動攪拌機は、前記マスターコンピュータにおける攪拌指令に基づいて前記新規反応器における混合液を攪拌することに用いられ、前記新規反応器が前記自動攪拌器に配置され、前記恒温盤は、前記新しい反応器の温度を一定に保持するために使用される。
【発明の効果】
【0015】
本発明が提供する具体的な実施例によれば、本発明は以下の技術的効果を開示する:
本発明が提供する液相合成補助システムは、新規反応器、混合装置、温度制御装置、マスターコンピュータを含み、新規反応器は混合装置に配置され、混合装置と温度制御装置はいずれもマスターコンピュータと電気的に接続され、液相合成補助システム全体の温度制御が安定し、組み立てが容易になる。また、新規反応器のボトル本体は反応性ライナー、温度循環層、及び真空層を内側から外側に向かって順に含むように設置され、保温効果をさらに増加することができ、実験照射中の紫外光利用率を高めることもできる。
【0016】
本発明の実施例または先行技術における技術的態様をより明確に説明するために、以下に実施例において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働性を払うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明により提供される液相合成補助システムの構造概略図であり;
図2図2は本発明により提供される新規反応器の構造概略図であり;
図3図3は本発明により提供される新規反応器の反応ライナーのU型構造の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的態様を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明の実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0019】
本発明の目的は温度制御安定性、組立容易性などの特徴を有する液相合成補助システムを提供するとともに、実験照射中の紫外光利用率を高めることができることである。
【0020】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確にわかりやすくするために、以下に添付図面及び具体的な実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明が提供する液相合成補助システムの構成概略図であり、図1に示すように、この液相合成補助システムは、新規反応器1、混合装置2、温度制御装置3及びマスターコンピュータ4を含む。
【0022】
マスターコンピュータ4には、前記混合装置2と前記温度制御装置3の具体的な動作フローを制御するためのソフトウェアプログラムが組み込まれる。
【0023】
前記新規反応器1は前記混合装置2に配置され、前記混合装置2及び前記温度制御装置3はいずれも前記マスターコンピュータ4と電気的に接続される。
【0024】
図3に示すように、前記新規反応器1は、ボトル本体15を含む。ボトル本体15は、反応性ライナー151、温度循環層152、及び真空層153を内側から外側に向かって順に含む。
【0025】
好ましくは、上記新規反応器1は、図2及び図3に示すように、ボトル口11、サンプルローディング口12、排気口13、サンプリング口14、循環液排出口16及び循環液注入口17をさらに含む。前記サンプル注液口12は前記ボトル本体15に対して設定角度を形成する(本発明においては、この設定角度は60°であることが好ましい)。前記排気口13と前記サンプルローディング口12は、前記ボトル口11の中心線を中心として対称に設けられる。前記サンプリング口14は、反応ライナー151に連通する。反応ライナー151の底は円弧構造である。
【0026】
本発明において、この円弧構造はボール型またはU型であることが好ましい。前記循環液排出口16及び前記循環液注入口17はいずれも前記温度循環層152と連通し、かつ前記循環液排出口16と前記循環液注入口17と対角的に設置される。前記サンプリング口14の中心線と前記排気口13の中心線との間の空間的な角度も60°であることが好ましい。
【0027】
このうち、新規反応器1のボトル口11には上蓋18が設けられる。前記上蓋18は、高透光率石英シートである。
【0028】
好ましくは、図1に示すように、上記温度制御装置3は、低温循環器32を含む。
【0029】
前記低温循環器32の排気口は、前記循環液排出口16の管路に接続される。前記低温循環器32の吸気口は、前記循環液注入口17の管路に接続される。
【0030】
好ましくは、前記新規反応器1を照射するために用いられる紫外光光源31を含む光源装置はさらに含まれる。
【0031】
前記紫外光光源31は、新規反応器1を照射するために用いられる。本発明において前記紫外光光源31は、タイプがCEL-Mシリーズである水銀ランプ光源であることが好ましい。
【0032】
好ましくは、上記混合装置2は、自動攪拌機21と恒温盤22とを含む。
【0033】
前記自動攪拌機21及び前記恒温盤22はいずれも前記マスターコンピュータ4と電気的に接続される。前記自動攪拌機21は、前記マスターコンピュータ4における攪拌指令に基づいて前記新規反応器1における混合液を攪拌することに用いられる。前記新規反応器1は前記自動攪拌機21に配置される。前記自動攪拌機21は、恒温盤22上に設置される。前記自動攪拌機21の回転により、新規反応器1は回転するように駆動され、遠心力の作用により攪拌機能を実現する。前記恒温盤22は、新規反応器1の温度を一定に保持するために用いられる。
【0034】
また、本発明における自動攪拌機21は、新規反応器1の上方に設置される一つの攪拌棒であってもよい、反応器中の混合液を攪拌することにより溶液を均一に混合させる。
【0035】
以下、上述した液相合成補助システムの全体的な設置思想を例にして、本発明により提供される液相合成補助システムの顕著性について説明する。光触媒反応を行う必要がある場合は、まず解決しようとすることは、実験室で一般的な「予備活性化」ワンポットで使用される一口瓶と二口瓶から耐用、耐低温であり、冷たさの放出が遅く、操作が容易で、サンプル注入の要求を満たす専用反応器に変換する必要があり、同時に、光誘導「予備活性化」の自動化ワンポット合成を融合させるように、紫外光透過率の高い輸入の石英材を満たす必要がある。
【0036】
実験室の手動光誘導ワンポットは普通の二口の石英反応器を使用し、且つ-80℃低温槽の内で側面照射方式で行うため、輸入のロングアーク水銀ランプ光源と石英材のコールドトラップ(水銀ランプ光源放熱用)が必要で、石英コールドトラップのために低温循環装置をセットする必要があり、且つ循環温度(-20℃、低すぎる温度で水銀ランプが起動できない)が低温槽の温度(-80℃)より高くする必要があるため、低温槽の温度を正確に制御することが困難であり、さらに単独で低温循環装置をセットし、水銀ランプを点灯する直前にオンにする必要があり、コールドトラップの低温循環装置を点灯することを忘れた状態で、水銀ランプを点灯させると、水銀ランプの点灯と長時間の照射に伴い、非常に高い火事リスクがある。
【0037】
本発明は、上述の可能性のある安全リスクを回避し、不安定要素を制御するために、光源の照射方式を変更し、より安全で安定な紫外光光源を再選択することに着手し、繰り返しの検討と設計により、まず「上から下へ」の照射方式を試み、25mLの2口(サンプルローディング口とサンプリング口)の広口石英瓶を設計し、モデル反応測定により、ジオースの光誘導合成には問題がない。
【0038】
全体が石英材質の価格と造形成型性が悪い特徴を考慮して、商業化の反応器を参考にして、25mL反応器を上蓋だけが輸入の高透光率石英シートに改造し、反応器本体はガラス材質で、ガスケットとフランジクリップを通じてシートしやすいが、下部が平底型であることにより、攪拌には、しぶきをかけやすくになる。温度制御の安定性が悪い低温槽を用いて温度を下げることに限定されないように、商業化のダブルジャケット反応器を参照してダブルジャケット石英上蓋の反応器を設計し、吸気口と排気口、サンプルローディング口、サンプリング口を配置し、ネジキャップと貫通可能ガスケットによってシートされる。ワンポットのグリコシル化には新鮮で活性化されたモレキュラーシーブを添加する必要があり、反応液は懸濁液であり、下部のサンプリング口にモレキュラーシーブが堆積しやすいことにより、攪拌ムラが発生するため、サンプリング口と吸気口を1つにし、革新的にサンプリング口を上向きの60°角度に変更し、反応液の溢れを回避し、サンプリングに有利であり、ダブルジャケット反応器を設計した。そして、撹拌安定性のためにジャケット内部形状をU型からナス型に変更した。反応測定の使用に伴い、ダブルジャケット反応器の外層には、超低温サイクル(-80℃)が必要であるため、大量の氷霜が凝集し、凝縮水が発生し、反応器内の反応液の変化を直接観察することができなくなるため、一層の真空を追加し、保温と氷霜凝集の防止に便利で、巧妙で複雑なトリプルジャケット反応器を得るように再設計した。このトリプルジャケット反応器は、本発明の上述した新規反応器1である。この反応器はサンプル循環液排出口、循環液注入口、輸入の石英上蓋、サンプリング口、超低温循環層と真空層を備え、光誘導「予備活性化」ワンポット合成のすべての要求に満たす。
【0039】
モデル反応の繰り返しの測定を経って、実験室の手動合成効果の達成の繰り返しが実現した。最後に、自動的なサンプリングとサンプル注入の融合を満たすために、ねじキャップと貫通可能ガスケットによりシールしたサンプリング口を180°回転させて温度を正確にコントロールできる最終の25mLのトリプルジャケットの二機能反応器を得、同時にグラムレベルのゲージの自動合成を満たすように100mLに拡大したトリプルジャケットの二機能反応器を設計した。
【0040】
上記で述べたように、以前の実験室の紫外光光源は安全リスクがあり、反応器の巧みな設計と更新に伴い、光源の選択と設計も変化していく。
【0041】
「上から下へ」照射方式を早期に検証する際には、実験室の元のロングアーク水銀ランプ光源と石英材のコールドトラップを依然として使用しており、コールドトラップを横置き、上蓋が石英片である二口の反応器に紫外光を上から下へのように照射し、反応器をエタノール/ドライアイスの低温浴デュワボトルに入れた。この方式は温度をコントロールしやすく、安定しており、モデル反応によるジオース類とテトロース類の合成効果は以前の実験室の側面照射方式と一致しており、やや良くになる傾向もある。しかし、コールドトラップを冷却し、コールドトラップのために追加低温循環装置を起動する必要が依然として存在し、機器の組み立てが容易ではなく、安全ではなく、紫外光の利用率が非常に低く、追加の紫外線防護装置が必要である。
【0042】
これまでの紫外光光源の欠陥を考慮して、新しい温度制御装置として元のロングアーク水銀ランプ光源の代わりにキセノンランプ光源を初期的に採用した。この温度制御装置は輸入のキセノンランプ電球を採用し、風冷降温、光エネルギー出力集中、紫外光出力が高く、実験中の光の利用に便利で、実験効率を向上した。また、この温度制御装置のモジュール化設計は他の装置の組み立てに便利で、放熱が一定で、光エネルギー出力が安定である。さらに、システムにインテリジェントプログラムを搭載して自動電源オン、自動電源オフ、光出力自動調整、スイッチング回数や周波数をカスタマイズし、デジタル監視、プログラムモードを実現することは、基本的に自動化機器の組み立ての特徴に合致している。
【0043】
しかし、モデル反応の繰り返しの試みと絶えず反応条件を調整した結果、モデル反応によるジオースの収率は実験室と基本的に一致したが、光誘導「予備活性化」ワンポット合成モデルにテトロースは終始的に実現できず、特に三糖は合成できず、反応後の反応器内の反応液状態を観察すると不明な黒色物質の生成が発見された。キセノンランプ光源が200~1200nm波長の連続出力であり、紫外出力が大きいことにより、グリコシル化中間体を破壊するなどの理由を考慮すると、この温度制御装置を放棄するしかない。
【0044】
上述の研究経験に基づいて、水銀ランプ光源装置CEL-Mシリーズを新しい光源装置として採用し、この装置の内部に350W/500W高圧ショートアーク球形水銀ランプを取り付けることができ、また風冷放熱を採用し、高周波、高圧励起の下でアーク放電を形成し、集光効果があり、放射が強く且つ安定の紫外領域の強烈なスペクトルを放出し、エネルギー密度が高く、出力が安定しており、最も重要なのはランプが内部放熱装置に固定され、安全リスクがないなることである。
【0045】
しかし、水銀ランプの使用とキセノンランプの使用の違いは大きく、点弧と消弧の延長時間があり、主に知能制御プログラムがなく、励起のスイッチ動作が必要であることにより、自動プログラムの制御の接続に困難を増加してため、本発明はCEL-Mシリーズ水銀ランプの後にさらにマスターコンピュータ中の制御プログラムに対して、定電圧電源の制御可能プログラム化改造を行い、マスターコンピュータプログラム制御を受けて、ランプの自動で点灯・消灯を完成した。最後に、液相合成補助システムの紫外光光源として、改造後の500W水銀ランプを使用することを決定した。
【0046】
同時に、光源の利用率を増加させ、可能な可視光誘導ワンポットの自動合成を開拓するために、本発明は532nmレーザー光源媒介の「予備活性化」ワンポット合成をさらに検証したが、「予備活性化」ワンポット合成方式でモデル反応によるテトロースを得ることもできるが、56%の吸収率はCEL-Mシリーズ水銀ランプの65%の吸収率より明らかに低く、しかも明らかな「活性化遅延」現象がある。
【0047】
本明細書における各実施形態は、漸進的な方式を使用して説明されたが、各実施例が他の実施例と異なる点を重点的に説明され、各実施形態の間の同じ類似部分は互いに参照すればよい。
【0048】
本文では、本発明の原理及び実施形態について具体的な例を用いて説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想の理解を支援するために用いられるだけである。同時に、当業者には、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲において変更点がある。以上のように、本明細書の内容は本発明に対する制限と理解すべきではない。
【符号の説明】
【0049】
1-新規反応器、11-ボトル口、12-サンプルローディング口、13-排気口、14-サンプリング口、15-ボトル本体、151-反応ライナー、152-温度循環層、153-真空層、16-循環液排出口、17-循環液注入口、18-上蓋、2-混合装置、31-紫外光光源、32-低温循環器、3-温度制御装置、21-自動攪拌器、22-恒温盤、4-マスターコンピュータ
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規反応器、混合装置、温度制御装置及びマスターコンピュータを含む液相合成補助システムであって、
前記新規反応器は前記混合装置に配置され、前記混合装置と前記温度制御装置はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続され、
前記新規反応器は、反応性ライナー、温度循環層、及び真空層を内側から外側に向かって順に含むボトル本体を含むことを特徴とする液相合成補助システム。
【請求項2】
前記新規反応器は、ボトル口、サンプルローディング口、排気口、サンプリング口、循環液排出口及び循環液注入口をさらに含み、
前記サンプルローディング口は、前記ボトル口に対して設定角度を形成し、前記排気口と前記サンプルローディング口は、前記ボトル口の中心線を中心として対称に設けられ、前記サンプリング口は前記反応ライナーと連通し、前記反応ライナーの底は弧状構造であり、
前記循環液排出口及び前記循環液注入口はいずれも前記温度循環層と連通し、前記循環液排出口と前記循環液注入口は対角的に設置されることを特徴とする請求項1に記載の液相合成補助システム。
【請求項3】
前記温度制御装置は、低温循環器を含み、
前記低温循環器の液体排出口は前記循環液注入口の管路に接続され、前記低温循環器の液体注入口は前記循環液排出口の管路に接続されることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項4】
前記新規反応器を照射するために用いられる紫外光光源を含む光源装置はさらに含まれることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項5】
前記紫外光光源は、タイプがCEL-Mシリーズである水銀ランプ光源であることを特徴とする請求項4に記載の液相合成補助システム。
【請求項6】
前記設定角度は60°であることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項7】
前記サンプリング口の中心線と前記排気口の中心線との間の空間的な角度は60°であることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項8】
前記ボトル口には上蓋が設けられ、前記上蓋は高透光率石英シートであることを特徴とする請求項2に記載の液相合成補助システム。
【請求項9】
前記混合装置は自動攪拌機と恒温盤とを含み、
前記自動攪拌機と前記恒温盤はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続し、前記自動攪拌機は、前記マスターコンピュータにおける攪拌指令に基づいて前記新規反応器における混合液を攪拌することに用いられ、前記新規反応器が前記自動攪拌器に配置され、前記恒温盤は、前記新しい反応器の温度を一定に保持するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の液相合成補助システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実験装置の技術分野に関し、特に液相合成補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の実験液相合成において、攪拌と温度制御は実験効果に影響する重要な要素であり、通常の液相実験は一般的に水浴または油浴を用いて温度制御を採用し、プログラムによる温度昇降を実現しにくい、また人為的なコントロールと回転速度の調節が必要であり、作業員の長時間が必要であるため、自動的なプログラムによる温度制御と速度制御ができれば、両手を完璧に解放し、効率を高めることができる。同時に、特に光照射反応に関わる場合には、2口石英反応器を用いて溶液反応を行い、かつ-80℃低温槽内で側面照射を行う方式で実験を行う。側面照射において、一般的に光源装置としてロングアーク水銀ランプ光源と石英材のコールドトラップを採用し、この光源装置は石英コールドトラップのために低温循環装置をセットし、循環温度(-20℃、温度が低すぎると水銀ランプが起動できない)が低温槽の温度(-80℃)より高くする必要があるため、低温槽の温度を正確に制御することが困難であり、さらに単独で低温循環装置をセットし、水銀ランプを点灯する直前にオンにする必要があり、コールドトラップの低温循環装置を点灯することを忘れた状態で、水銀ランプを点灯させると、水銀ランプの点灯と長時間の照射に伴い、非常に高い火事リスクがある。
【0003】
上記のような問題点を解決するために、照射方式を行う際には、ロングアーク水銀ランプ光源と石英材質のコールドトラップを使用するが、コールドトラップを横置き、紫外光を上から下へ反応器に照射し、反応器をエタノール/ドライアイスの低温浴デュワボトルに置く必要がある。この方式によれば、温度をコントロールしやすく安定しており、モデル反応合成効果は以前の実験室側照方式と一致し、ややよいになる傾向もあるが、コールドトラップを冷却しながら、コールドトラップのために追加の低温循環装置を起動する必要が依然として存在し、機器の組み立てが容易ではなく、安全ではなく、紫外光の利用率が非常に低く、追加の紫外線防護装置も必要である。
【0004】
そのため、プログラムによる温度制御、温度制御が安定で、組立が容易であるなどの特徴を有し、且つ実験照射における紫外光利用率を高めることができる実験液相合成補助システム或いは装置を提供し、普通化学反応と光触媒反応の二機能性を実現することは、当分野で早急に解決すべき技術難題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のことに基づいて、本発明の目的は、プログラムによる温度制御、温度制御安定性、組立容易性などの特徴を有する液相合成補助システムを提供するとともに、実験照射中の紫外光利用率を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は新規反応器、混合装置、温度制御装置及びマスターコンピュータを含む液相合成補助システムを提供し、
前記新規反応器は前記混合装置に配置され、前記混合装置と前記温度制御装置はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続され、
前記新規反応器は、反応性ライナー、温度循環層、及び真空層を内側から外側に向かって順に含むボトル本体を含む。
【0007】
好ましくは、前記新規反応器は、ボトル口、サンプルローディング口、排気口、サンプリング口、循環液排出口及び循環液注入口をさらに含み、
前記サンプルローディング口は、前記ボトル口に対して設定角度を形成し、前記排気口と前記サンプルローディング口は、前記ボトル口の中心線を中心として対称に設けられ、前記サンプリング口は前記反応ライナーと連通し、前記反応ライナーの底は弧状構造であり、
前記循環液排出口及び前記循環液注入口はいずれも前記温度循環層と連通し、前記循環液排出口と前記循環液注入口は対角的に設置される。
【0008】
好ましくは、前記温度制御装置は、低温循環器を含み、
前記低温循環器の液体排出口は前記循環液注入口の管路に接続され、前記低温循環器の液体注入口は前記循環液排出口の管路に接続される。
【0009】
好ましくは、前記新規反応器を照射するために用いられる紫外光光源を含む光源装置はさらに含まれる。
【0010】
好ましくは、前記紫外光光源は、タイプがCEL-Mシリーズである水銀ランプ光源である。
【0011】
好ましくは、前記設定角度は60°である。
【0012】
好ましくは、前記サンプリング口の中心線と前記排気口の中心線との間の空間的な角度は60°である。
【0013】
好ましくは、前記ボトル口には上蓋が設けられ、前記上蓋は高透光率石英シートである。
【0014】
好ましくは、前記混合装置は自動攪拌機と恒温盤とを含み、
前記自動攪拌機と前記恒温盤はいずれも前記マスターコンピュータと電気的に接続し、前記自動攪拌機は、前記マスターコンピュータにおける攪拌指令に基づいて前記新規反応器における混合液を攪拌することに用いられ、前記新規反応器が前記自動攪拌器に配置され、前記恒温盤は、前記新しい反応器の温度を一定に保持するために使用される。
【発明の効果】
【0015】
本発明が提供する具体的な実施例によれば、本発明は以下の技術的効果を開示する:
本発明が提供する液相合成補助システムは、新規反応器、混合装置、温度制御装置、マスターコンピュータを含み、新規反応器は混合装置に配置され、混合装置と温度制御装置はいずれもマスターコンピュータと電気的に接続され、液相合成補助システム全体の温度制御が安定し、組み立てが容易になる。また、新規反応器のボトル本体は反応性ライナー、温度循環層、及び真空層を内側から外側に向かって順に含むように設置され、保温効果をさらに増加することができ、実験照射中の紫外光利用率を高めることもできる。
【0016】
本発明の実施例または先行技術における技術的態様をより明確に説明するために、以下に実施例において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働性を払うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明により提供される液相合成補助システムの構造概略図であり;
図2図2は本発明により提供される新規反応器の構造概略図であり;
図3図3は本発明により提供される新規反応器の反応ライナーのU型構造の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的態様を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明の実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0019】
本発明の目的は温度制御安定性、組立容易性などの特徴を有する液相合成補助システムを提供するとともに、実験照射中の紫外光利用率を高めることができることである。
【0020】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確にわかりやすくするために、以下に添付図面及び具体的な実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明が提供する液相合成補助システムの構成概略図であり、図1に示すように、この液相合成補助システムは、新規反応器1、混合装置2、温度制御装置3及びマスターコンピュータ4を含む。
【0022】
マスターコンピュータ4には、前記混合装置2と前記温度制御装置3の具体的な動作フローを制御するためのソフトウェアプログラムが組み込まれる。
【0023】
前記新規反応器1は前記混合装置2に配置され、前記混合装置2及び前記温度制御装置3はいずれも前記マスターコンピュータ4と電気的に接続される。
【0024】
図3に示すように、前記新規反応器1は、ボトル本体15を含む。ボトル本体15は、反応性ライナー151、温度循環層152、及び真空層153を内側から外側に向かって順に含む。
【0025】
好ましくは、上記新規反応器1は、図2及び図3に示すように、ボトル口11、サンプルローディング口12、排気口13、サンプリング口14、循環液注入口16及び循環液排出口17をさらに含む。前記サンプル注液口12は前記ボトル本体15に対して設定角度を形成する(本発明においては、この設定角度は60°であることが好ましい)。前記排気口13と前記サンプルローディング口12は、前記ボトル口11の中心線を中心として対称に設けられる。前記サンプリング口14は、反応ライナー151に連通する。反応ライナー151の底は円弧構造である。
【0026】
本発明において、この円弧構造はボール型またはU型であることが好ましい。前記循環液注入口16及び前記循環液排出口17はいずれも前記温度循環層152と連通し、かつ前記循環液注入口16と前記循環液排出口17と対角的に設置される。前記サンプリング口14の中心線と前記排気口13の中心線との間の空間的な角度も60°であることが好ましい。
【0027】
このうち、新規反応器1のボトル口11には上蓋18が設けられる。前記上蓋18は、高透光率石英シートである。
【0028】
好ましくは、図1に示すように、上記温度制御装置3は、低温循環器32を含む。
【0029】
前記低温循環器32の液体排出口は、前記循環液注入口16の管路に接続される。前記低温循環器32の液体注入口は、前記循環液排出口17の管路に接続される。
【0030】
好ましくは、前記新規反応器1を照射するために用いられる紫外光光源31を含む光源装置はさらに含まれる。
【0031】
前記紫外光光源31は、新規反応器1を照射するために用いられる。本発明において前記紫外光光源31は、タイプがCEL-Mシリーズである水銀ランプ光源であることが好ましい。
【0032】
好ましくは、上記混合装置2は、自動攪拌機21と恒温盤22とを含む。
【0033】
前記自動攪拌機21及び前記恒温盤22はいずれも前記マスターコンピュータ4と電気的に接続される。前記自動攪拌機21は、前記マスターコンピュータ4における攪拌指令に基づいて前記新規反応器1における混合液を攪拌することに用いられる。前記新規反応器1は前記自動攪拌機21に配置される。前記自動攪拌機21は、恒温盤22上に設置される。前記自動攪拌機21の回転により、新規反応器1は回転するように駆動され、遠心力の作用により攪拌機能を実現する。前記恒温盤22は、新規反応器1の温度を一定に保持するために用いられる。
【0034】
また、本発明における自動攪拌機21は、新規反応器1の上方に設置される一つの攪拌棒であってもよい、反応器中の混合液を攪拌することにより溶液を均一に混合させる。
【0035】
以下、上述した液相合成補助システムの全体的な設置思想を例にして、本発明により提供される液相合成補助システムの顕著性について説明する。光触媒反応を行う必要がある場合は、まず解決しようとすることは、実験室で一般的な「予備活性化」ワンポットで使用される一口瓶と二口瓶から耐用、耐低温であり、冷たさの放出が遅く、操作が容易で、サンプル注入の要求を満たす専用反応器に変換する必要があり、同時に、光誘導「予備活性化」の自動化ワンポット合成を融合させるように、紫外光透過率の高い輸入の石英材を満たす必要がある。
【0036】
実験室の手動光誘導ワンポットは普通の二口の石英反応器を使用し、且つ-80℃低温槽の内で側面照射方式で行うため、輸入のロングアーク水銀ランプ光源と石英材のコールドトラップ(水銀ランプ光源放熱用)が必要で、石英コールドトラップのために低温循環装置をセットする必要があり、且つ循環温度(-20℃、低すぎる温度で水銀ランプが起動できない)が低温槽の温度(-80℃)より高くする必要があるため、低温槽の温度を正確に制御することが困難であり、さらに単独で低温循環装置をセットし、水銀ランプを点灯する直前にオンにする必要があり、コールドトラップの低温循環装置を点灯することを忘れた状態で、水銀ランプを点灯させると、水銀ランプの点灯と長時間の照射に伴い、非常に高い火事リスクがある。
【0037】
本発明は、上述の可能性のある安全リスクを回避し、不安定要素を制御するために、光源の照射方式を変更し、より安全で安定な紫外光光源を再選択することに着手し、繰り返しの検討と設計により、まず「上から下へ」の照射方式を試み、25mLの2口(サンプルローディング口とサンプリング口)の広口石英瓶を設計し、モデル反応測定により、ジオースの光誘導合成には問題がない。
【0038】
全体が石英材質の価格と造形成型性が悪い特徴を考慮して、商業化の反応器を参考にして、25mL反応器を上蓋だけが輸入の高透光率石英シートに改造し、反応器本体はガラス材質で、ガスケットとフランジクリップを通じてシートしやすいが、下部が平底型であることにより、攪拌には、しぶきをかけやすくになる。温度制御の安定性が悪い低温槽を用いて温度を下げることに限定されないように、商業化のダブルジャケット反応器を参照してダブルジャケット石英上蓋の反応器を設計し、吸気口と排気口、サンプルローディング口、サンプリング口を配置し、ネジキャップと貫通可能ガスケットによってシートされる。ワンポットのグリコシル化には新鮮で活性化されたモレキュラーシーブを添加する必要があり、反応液は懸濁液であり、下部のサンプリング口にモレキュラーシーブが堆積しやすいことにより、攪拌ムラが発生するため、サンプリング口と吸気口を1つにし、革新的にサンプリング口を上向きの60°角度に変更し、反応液の溢れを回避し、サンプリングに有利であり、ダブルジャケット反応器を設計した。そして、撹拌安定性のためにジャケット内部形状をU型からナス型に変更した。反応測定の使用に伴い、ダブルジャケット反応器の外層には、超低温サイクル(-80℃)が必要であるため、大量の氷霜が凝集し、凝縮水が発生し、反応器内の反応液の変化を直接観察することができなくなるため、一層の真空を追加し、保温と氷霜凝集の防止に便利で、巧妙で複雑なトリプルジャケット反応器を得るように再設計した。このトリプルジャケット反応器は、本発明の上述した新規反応器1である。この反応器はサンプル循環液排出口、循環液注入口、輸入の石英上蓋、サンプリング口、超低温循環層と真空層を備え、光誘導「予備活性化」ワンポット合成のすべての要求に満たす。
【0039】
モデル反応の繰り返しの測定を経って、実験室の手動合成効果の達成の繰り返しが実現した。最後に、自動的なサンプリングとサンプル注入の融合を満たすために、ねじキャップと貫通可能ガスケットによりシールしたサンプリング口を180°回転させて温度を正確にコントロールできる最終の25mLのトリプルジャケットの二機能反応器を得、同時にグラムレベルのゲージの自動合成を満たすように100mLに拡大したトリプルジャケットの二機能反応器を設計した。
【0040】
上記で述べたように、以前の実験室の紫外光光源は安全リスクがあり、反応器の巧みな設計と更新に伴い、光源の選択と設計も変化していく。
【0041】
「上から下へ」照射方式を早期に検証する際には、実験室の元のロングアーク水銀ランプ光源と石英材のコールドトラップを依然として使用しており、コールドトラップを横置き、上蓋が石英片である二口の反応器に紫外光を上から下へのように照射し、反応器をエタノール/ドライアイスの低温浴デュワボトルに入れた。この方式は温度をコントロールしやすく、安定しており、モデル反応によるジオース類とテトロース類の合成効果は以前の実験室の側面照射方式と一致しており、やや良くになる傾向もある。しかし、コールドトラップを冷却し、コールドトラップのために追加低温循環装置を起動する必要が依然として存在し、機器の組み立てが容易ではなく、安全ではなく、紫外光の利用率が非常に低く、追加の紫外線防護装置が必要である。
【0042】
これまでの紫外光光源の欠陥を考慮して、新しい温度制御装置として元のロングアーク水銀ランプ光源の代わりにキセノンランプ光源を初期的に採用した。この温度制御装置は輸入のキセノンランプ電球を採用し、風冷降温、光エネルギー出力集中、紫外光出力が高く、実験中の光の利用に便利で、実験効率を向上した。また、この温度制御装置のモジュール化設計は他の装置の組み立てに便利で、放熱が一定で、光エネルギー出力が安定である。さらに、システムにインテリジェントプログラムを搭載して自動電源オン、自動電源オフ、光出力自動調整、スイッチング回数や周波数をカスタマイズし、デジタル監視、プログラムモードを実現することは、基本的に自動化機器の組み立ての特徴に合致している。
【0043】
しかし、モデル反応の繰り返しの試みと絶えず反応条件を調整した結果、モデル反応によるジオースの収率は実験室と基本的に一致したが、光誘導「予備活性化」ワンポット合成モデルにテトロースは終始的に実現できず、特に三糖は合成できず、反応後の反応器内の反応液状態を観察すると不明な黒色物質の生成が発見された。キセノンランプ光源が200~1200nm波長の連続出力であり、紫外出力が大きいことにより、グリコシル化中間体を破壊するなどの理由を考慮すると、この温度制御装置を放棄するしかない。
【0044】
上述の研究経験に基づいて、水銀ランプ光源装置CEL-Mシリーズを新しい光源装置として採用し、この装置の内部に350W/500W高圧ショートアーク球形水銀ランプを取り付けることができ、また風冷放熱を採用し、高周波、高圧励起の下でアーク放電を形成し、集光効果があり、放射が強く且つ安定の紫外領域の強烈なスペクトルを放出し、エネルギー密度が高く、出力が安定しており、最も重要なのはランプが内部放熱装置に固定され、安全リスクがないなることである。
【0045】
しかし、水銀ランプの使用とキセノンランプの使用の違いは大きく、点弧と消弧の延長時間があり、主に知能制御プログラムがなく、励起のスイッチ動作が必要であることにより、自動プログラムの制御の接続に困難を増加してため、本発明はCEL-Mシリーズ水銀ランプの後にさらにマスターコンピュータ中の制御プログラムに対して、定電圧電源の制御可能プログラム化改造を行い、マスターコンピュータプログラム制御を受けて、ランプの自動で点灯・消灯を完成した。最後に、液相合成補助システムの紫外光光源として、改造後の500W水銀ランプを使用することを決定した。
【0046】
同時に、光源の利用率を増加させ、可能な可視光誘導ワンポットの自動合成を開拓するために、本発明は532nmレーザー光源媒介の「予備活性化」ワンポット合成をさらに検証したが、「予備活性化」ワンポット合成方式でモデル反応によるテトロースを得ることもできるが、56%の吸収率はCEL-Mシリーズ水銀ランプの65%の吸収率より明らかに低く、しかも明らかな「活性化遅延」現象がある。
【0047】
本明細書における各実施形態は、漸進的な方式を使用して説明されたが、各実施例が他の実施例と異なる点を重点的に説明され、各実施形態の間の同じ類似部分は互いに参照すればよい。
【0048】
本文では、本発明の原理及び実施形態について具体的な例を用いて説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想の理解を支援するために用いられるだけである。同時に、当業者には、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲において変更点がある。以上のように、本明細書の内容は本発明に対する制限と理解すべきではない。
【符号の説明】
【0049】
1-新規反応器、11-ボトル口、12-サンプルローディング口、13-排気口、14-サンプリング口、15-ボトル本体、151-反応ライナー、152-温度循環層、153-真空層、16-循環液注入口、17-循環液排出口、18-上蓋、2-混合装置、31-紫外光光源、32-低温循環器、3-温度制御装置、21-自動攪拌器、22-恒温盤、4-マスターコンピュータ
【国際調査報告】