(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】組付アセンブリおよび組付アセンブリを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H02K 11/21 20160101AFI20231218BHJP
【FI】
H02K11/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536091
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2021083979
(87)【国際公開番号】W WO2022128509
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020216119.4
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】フィックス,ヴァンサン
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB02
5H611BB06
5H611PP05
5H611QQ03
5H611RR01
(57)【要約】
本発明は、電機(モータまたは発電機)のための組付アセンブリ(10)、およびこのような組付アセンブリ(10)を製造する方法に関する。ロータシャフト(16)と、ロータシャフト(16)に回転不可能に固定されたロータ(12)と、ロータ(12)と一緒に回転するランナ装置(20)と、を備える組付アセンブリ(10)は、例えば電子制御可能な機械(モータまたは発電機)から知られている。本発明は、ランナ装置(20)の有利な形態に関する。ランナ装置(20)にこのランナ装置(20)をロータ(12)に取り付けるための手段(28a、28b;28c)をランナ装置(20)と一体に形成することが提案され、これらの手段(28a;28b;28c)は、ランナ装置(20)からロータシャフト(16)の長手軸Lの方向に突出し、ロータ(12)の割り当てられた空所(28a;28b;28c)に挿入可能である。安価に製造され、部品点数が少なく、ロータ(12)に簡単かつ耐久的に取り付けられる組付アセンブリ(10)が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸Lに沿って延びるロータシャフト(16)と、
前記ロータシャフト(16)に回転不可能に固定されたロータ(12)と、
前記ロータ(12)と一緒に回転するランナ装置(20)と、を備える
電機(モータまたは発電機)、
特に、自動車の電子的にスリップ制御可能なパワーブレーキ設備の液圧式の圧力発生器を駆動するための電気的に整流されたモータのための、組付アセンブリ(10)において、
前記ランナ装置が、前記ロータ(12)に前記ランナ装置を取り付けるための手段(24a;24b;24c)を備え、
前記手段(24a;24b;24c)がそれぞれ、前記ランナ装置(20)と一体に形成され、
前記ロータシャフト(12)の長手軸Lとほぼ軸平行に、前記ランナ装置(20)から前記ロータ(12)の方向に突出し、
前記ロータ(12)の割り当てられた収容部(28a;28b;28c)に挿入可能であることを特徴とする、組付アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記ランナ装置(20)を取り付けるための手段は、前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)に中心合わせするため、および前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)の周方向に取り付けるための第1の手段(24a)と、前記第1の手段(24a)に対して斜めまたは横向きに方向付けられた第2の手段(24b)と、を含むことと、
前記ロータ(12)の前記ロータシャフト(16)の前記長手軸Lに対して軸方向に前記ランナ装置(20)を取り付けるための第3の手段(24c)が設けられることと、を特徴とする、請求項1に記載の組付アセンブリ。
【請求項3】
前記手段(24a;24b;24c)はそれぞれ、前記ランナ装置(20)に空間的に互いに分離して形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の組付アセンブリ。
【請求項4】
前記手段(24a;24b;24c)はそれぞれ、前記ランナ装置(20)に数個単位で存在することを特徴とする、請求項2または3に記載の組付アセンブリ。
【請求項5】
前記手段(24a;24b;24c)はそれぞれ、矩形の舌片断面を有する平舌片の形態で形成され、少なくとも無負荷の状態で、前記ランナ装置(20)の当接面からほぼ直角に突出し、前記ランナ装置(20)が前記当接面により前記ロータ(12)の端面に同一平面上で当接可能であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項6】
前記第2の手段(24b)は、前記ロータシャフト(16)の前記長手軸Lの方向に見て、
前記第3の手段(24c)よりも長く形成され、かつ
前記第1の手段(24a)よりも短く形成されることを特徴とする、請求項2から5までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項7】
前記第2の手段(24b)は、前記ロータ(12)の前記割り当てられた収容部(28b)に形状結合的に係合することを特徴とする、請求項3から6までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項8】
前記第2の手段(24b)が、好ましくは前記第2の手段(24b)の延在方向の少なくとも1つの長手方向スロット(30)によって、前記ロータ(12)の周方向に形状弾性に形成されること、および
前記第2の手段(24b)が、前記ロータ(12)の前記割り当てられた収容部(28b)の側壁に付勢下で当接すること、を特徴とする、請求項7に記載の組付アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の手段(28a)および前記第3の手段(28c)は、前記ロータ(12)の前記それぞれ割り当てられた収容部(28a;28c)に、側方遊びをもって係合することを特徴とする、請求項3から8までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項10】
前記第3の手段(28c)は、前記ロータ(12)の前記割り当てられた第3の収容部(28c)の端に形成された肩部(34)に後方から係合するように設けられることを特徴とする、請求項3から9までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項11】
前記第3の手段(24c)にはそれぞれ、前記ロータ(12)の前記端面に対して斜めに延びるスプリングアーム部分(32)が続き、前記スプリングアーム部分(32)は、前記それぞれ割り当てられた第3の手段(24c)と90°よりも小さい角度をなすことを特徴とする、請求項3から10までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項12】
前記ランナ装置は、前記組付アセンブリ(10)の回転運動および/または回転位置を電子的に検出するための機器のパルスエンコーダホイール(20)であり、
前記パルスエンコーダホイール(20)は、前記パルスエンコーダホイール(20)の回転方向に交互に連続して配置される導電性の領域と非導電性の領域を有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項13】
請求項2から12までのいずれか1項に記載の特徴による電機(モータまたは発電機)のための組付アセンブリを製造する方法において、
前記第1の手段(24a)が前記ロータ(12)の前記割り当てられた第1の空所(28a)に係合するまで、前記ランナ装置(20)が前記ロータ(12)に向かう方向に前記ロータシャフト(16)に嵌められることと、
続いて、前記第2の手段(24b)が前記ロータ(12)の割り当てられた第2の空所(28b)に係合し、前記第1の手段(24a)と一緒に前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)に中心合わせして前記ロータ(12)に回転不可能に取り付けるまで、前記ランナ装置(20)が前記ロータ(12)の端面の方向にさらに動かされることと、
次に、前記ランナ装置(20)が前記ロータ(12)の前記端面に同一平面上で当接し、第3の手段(24c)が前記ロータ(12)の収容部(28c)に係合することと、
続いて、前記第3の手段(24c)のスプリング部分(32)が、前記ロータ(12)の前記端面に同一平面上で当接することと、
最後に、前記第3の手段(24c)が前記ロータ(12)に形成された肩部(34)に後方から係合し、前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)に軸方向固定に取り付けるまで、前記第3の手段が塑性変形されることと、を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部の特徴による組付アセンブリ、および請求項13の特徴によるこのような組付アセンブリを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前提部の特徴による組付アセンブリは、好ましくは、例えば作業機械を駆動するための電気モータ、または発電するための発電機などの電気的に制御可能な機械において用いられる。請求項によれば、組付アセンブリは、ロータシャフトと、ロータシャフトに回転不可能に配置されたロータと、ロータと一緒に回転する、以下にランナ装置と呼ばれる装置と、を備えている。そのようなランナ装置は、例えばファンホイール、ポンプ要素、あるいはロータ位置および/またはロータ運動を検出するためのパルスエンコーダホイール(Impulsgeberrad)であり得る。これらの列挙は完全な網羅ではなく、限定するものと解釈されるべきでない。
【0003】
そのような組付アセンブリは、好ましくは、自動車の電子的にスリップ制御可能なブレーキ設備における圧力媒体移送装置を駆動するためのモータで使用される。
【0004】
これらの圧力媒体移送装置によって移送される圧力媒体を用いて、このブレーキ設備のホイールブレーキにブレーキ圧が発生され、その高さは移送される圧力媒体の体積に比例する。
【0005】
とりわけ、移動される圧力媒体の体積を計算により検出もしくは評価するため、および/またはモータの電子制御を最適化するために、ロータの回転運動または回転位置を知る必要がある。そのために、組付アセンブリは、ランナ装置としてのパルスエンコーダを有する。パルスエンコーダは、定位置に配置されたパルス受信器と協働し、パルス受信器は、回転運動を表す信号を生成して、評価のために電子制御機器に転送する。
【0006】
これらの信号は、割り当てられたホイールの支配的なスリップ状況を考慮して、必要に即してホイール個別にホイールブレーキのブレーキ圧を制御できるように、モータおよびブレーキシステムの他の電気的に制御可能なアクチュエータを電子制御装置が電気的に制御できるようにする。
【0007】
それによってホイールの空転が防がれる。さらに、車両の走行安定性を向上させることができ、および/またはそのときの運転者のブレーキ要求とは無関係に現在の交通状況に応じてブレーキ過程を実行することができる。
【0008】
請求項1の前提部の特徴による組付アセンブリを備える電気的に制御可能なユニットは、例えば特許文献1に開示されている。
【0009】
この既知のユニットは、金属薄板の束を有する従来の構造のロータを備え、このロータに周方向に並べて配置された複数の磁石が設けられている。これらの磁石は、知られているように、ロータとロータシャフトが回転運動するよう駆動され得るように、モータのステータの磁石と協働する。そのために、ステータは、ロータシャフトが回転可能に支持されたモータハウジングに収容される。
【0010】
この先行技術では、ロータの中心に配置され、ロータと一緒に回転するランナ装置としてパルスエンコーダが存在する。後者は、パルス受信器によって検出可能な領域を形成するために、導電性の部分と非導電性の部分からなる羽根状に形成された層(Beschichtung)を備えたリングディスク状の回路基板として形成されている。この回路基板は、例えばリベットまたはそれに代わる結合手段によってロータに機械的に取り付けられている。
【0011】
パルスエンコーダとパルス受信器は誘導式測定原理で互いに協働する。このために、パルス受信器は励磁コイルと検出コイルを備え、検出コイルは、パルスエンコーダが回転した場合に、信号発生器の導電性の領域と非導電性の領域の上を交互に通過する。その際、検出コイルに可変電圧が誘起され、この可変電圧から信号発生器の回転運動とロータの空間内の位置とを導き出すことができる。
【0012】
このようにパルスエンコーダをロータに直接配置することの利点は、組付アセンブリもしくはこれを備えたユニットが、ロータシャフトの長手軸の方向に短い形式になるということである。それに加えて、パルスエンコーダとロータとの間に、加速力または減速力の作用にもとづいたロータシャフトの慣性に起因するねじれがほとんど生じないので、このロータの回転角度を比較的正確に検出することが可能である。
【0013】
それでも、羽根状の層を有する回路基板は、製造コストが比較的高く、これに加えてロータに回路基板を取り付けるための追加の作業工程が必要となる。リベットまたはねじを結合手段として用いる場合、これはアセンブリの部品点数と重量、そしてそれに伴い慣性モーメントを大きくする。さらに、ロータに回路基板もしくはランナ装置を組み付ける場合、回転角度検出の精度を損なわないために、ロータシャフトの長手軸に対するこの回路基板の同心度に関して比較的高い要求を満たさなければならない。同じ理由から、動作条件下でパルスエンコーダが変形することは望ましくなく、当然のことながら、それに加えて、動作中にパルスエンコーダがロータから外れないように頑丈に取り付けなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許出願公開第102018222842号明細書
【発明の概要】
【0015】
これに対して、請求項1の特徴による組付アセンブリは、ランナ装置が上述の先行技術の場合よりも安価に製造可能であるという利点を有する。この組付アセンブリは、変形成形技術によって少ない作業工程で実現可能であり、ロータに簡単に永続的に取り付けることができる。そのために必要な取付手段は、ランナ装置を製造する際にこれと一体に形成することができ、かつ数個単位で(in mehrfacher Ausfertigung)設けることができる。これに加えて、取付手段を、これに割り当てられた機能に応じてランナ装置に位置決め可能および設計上最適化可能である。例えばねじ、リベット、またはそれに類するものである別個の取付要素を使わずに済み、したがって組付アセンブリが全体として少ない個別部品からなる。ロータへのランナ装置の永続的な取付のプロセスが本発明によって簡素化され、したがって組付コストが低減される。ロータに取り付けられたランナ装置により、組付アセンブリが少なくともロータシャフトの長手軸の方向に極めてコンパクトな構造になる。
【0016】
本発明の他の利点および有利な発展形態は、従属請求項および/または以下の記載から明らかになる。
【0017】
本発明の有利な発展形態では、少なくとも、ロータへのランナ装置の回転不可能な取付、および軸方向固定の取付のための手段が互いに分離して形成される。これらはそれぞれ矩形の舌片断面を有する平舌片(Flachzunge)として形成される。平舌片は、ロータの方向に少なくともほぼ直角にランナ装置から突出し、それによって、これのためにロータに形成された収容部に簡単に挿入できる。
【0018】
ロータシャフトの長手軸の方向にそれぞれの手段の長さが異なることにより、ランナ装置を組み付ける場合に、これらの手段が続けて、すなわち次々にロータと係合することを達成できる。その場合、ロータへのランナ装置の中心合わせが最初に行われ、その後、回転不可能な取付、および最後に軸方向固定の取付が行われる。その結果、ロータへのランナ装置の極めて頑丈な取付が達成される。
【0019】
ランナ装置をロータに効果的に回転不可能に取り付けるために、長手方向スロットを備え、かつロータシャフトの周方向に見て、接線方向の付勢下で、割り当てられた空所の壁に当接する平舌片が特に有利であることがわかった。
【0020】
これとは異なり、ランナ装置を軸方向に取り付けるための平舌片にスプリング部分(Federabschnitt)が続き、このスプリング部分を、平舌片の変形によって、平舌片が入り込む収容部の肩部との形状結合が作成される前に、ロータシャフトの長手軸の方向に向いた軸方向力の作用下でロータの端面に当接させることができる。スプリング部分の負荷が解除された後、スプリングアーム部分(Federarmabschnitt)の部品弾性が、平舌片と肩部との間に作成された形状結合の遊びのない状態(Spielfreiheit)を、ランナ装置が当接するロータの端面の方向にもたらす。それにより、弾性力がロータへのランナ装置の当接を補助し、これに加えて、この弾性力の高さは、スプリング部分の構造設計によって用途別に調整可能である。
【0021】
スプリング部分と平舌片は、互いに90°よりも小さい角度をなす。それにより、平舌片は、スプリング部分に軸方向の負荷がかからない状態で、ランナ装置から少なくともほぼ垂直に突出し、このスプリングアーム部分に軸方向力が加えられた後に、好ましい方向に斜めに傾けられる。その場合、この好ましい方向は、パンチによって、軸方向力とは逆の方向に作用する力が舌片の自由端に加えられる場合に舌片が折り曲げられる方向を前もって定める。
【0022】
組付方法に関する請求項により、ロータにランナ装置を取り付けるためのステップの有利な手順がクレームされる。
【0023】
本発明の他の利点または有利な発展形態は、請求項および/または以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】組付アセンブリの前からの3次元斜視図である。
【
図2】組付アセンブリの個別部品としてのランナ装置もしくはパルスエンコーダホイールの斜め下からの3次元斜視図である。
【
図3a】組付アセンブリの縦断面が示される、別の組付ステップを用いてロータにランナ装置もしくはパルスエンコーダホイールを軸方向に取り付けるためのプロセスの図である。
【
図3b】組付アセンブリの縦断面が示される、別の組付ステップを用いてロータにランナ装置もしくはパルスエンコーダホイールを軸方向に取り付けるためのプロセスの図である。
【
図3c】組付アセンブリの縦断面が示される、別の組付ステップを用いてロータにランナ装置もしくはパルスエンコーダホイールを軸方向に取り付けるためのプロセスの図である。
【
図3d】組付アセンブリの縦断面が示される、別の組付ステップを用いてロータにランナ装置もしくはパルスエンコーダホイールを軸方向に取り付けるためのプロセスの図である。
【
図4】製造方法の開始時の組付アセンブリの詳細斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施例を図面に示し、以下の説明において詳しく説明する。
【0026】
図において互いに対応する部品にはそれぞれ同じ参照符号が付されている。
【0027】
図1において、本発明の基礎をなす組付アセンブリ(10)が示される。この組付アセンブリ(10)は、積層された金属薄板のスタックを有する従来の構造のロータ(12)を備え、ロータには、周方向に並べて配置された複数の磁石(14)が設けられている。これらの磁石(14)は、ステータ(図示せず)の磁石と既知のように協働し、それによりロータ(12)と、このロータ(12)が強固に固定されたロータシャフト(16)とが回転運動するように駆動可能である。
【0028】
図1に示される組付アセンブリ(10)は、ロータ(12)の中心でロータシャフト(16)に配置されてロータ(12)と一緒に回転するランナ装置(20)をさらに備える。このランナ装置は、例示的に、ロータ(12)の回転運動もしくはロータ位置を検出するためのパルスエンコーダのパルスエンコーダホイール(20)である。
【0029】
実施例では、パルスエンコーダホイール(20)に複数の羽根が形成され、これらの羽根が導電性の部分を形成するのに対して、これらの羽根間に位置する羽根なし領域は非導電性の部分を形成する。羽根と羽根なし領域とは、パルスエンコーダホイールにおいて回転方向にそれぞれ交互に連続して配置されている。
【0030】
パルスエンコーダホイール(20)は、例示的に平皿の形にされたハブを有する。皿縁は、ロータ(12)から離れる方向に向き、平面状に形成された皿底からほぼ垂直に突出する。上述の羽根(22)は皿縁から半径方向外向きに延びる。
【0031】
皿底は、ロータ(12)の対面する平面状の端面に同一平面上で当接するように設けられている。当接した状態で、パルスエンコーダホイール(20)の羽根(22)とロータ(12)の対面する端面との間には、皿縁の高さを選択することによって決定可能な軸方向距離が生じる。
【0032】
組付アセンブリ(10)のロータ(12)とパルスエンコーダホイール(20)は一緒に回転し、互いに中心合わせされてロータシャフト(16)に配置されている。中心合わせは、例えば、パルスエンコーダホイール(20)のハブの中心に配置されたセンタリング開口を介して行うことができ、このセンタリング開口の寸法はロータシャフト(16)の外径よりもごくわずかに大きい。これに代えて、もしくはこれに加えて、パルスエンコーダホイール(20)の皿底に中心合わせのための手段を形成することができる。
【0033】
それは別として、
図1によるパルスエンコーダホイール(20)がロータ(12)に取り付けられ、すなわち強固に固定されること、および取付が、組付アセンブリ(10)の回転方向と、ロータシャフト(16)の長手軸Lの軸方向の両方に提供されることが効果的であるということを前提として出発することができる。軸方向の取付については
図2および
図3a~
図3dの説明との関連で詳しく言及する。
【0034】
パルスエンコーダホイール(20)を個別部品として斜め下からの3次元図で示す
図2において、ロータ(12)にこのパルスエンコーダホイール(20)を取り付けるための様々に形成された手段(24a;24b;24c)が詳細に見て取れる。これらの手段(24a;24b;24c)はそれぞれ、矩形の舌片断面を有する平舌片の形態で形成されている。これらは、パルスエンコーダホイール(20)の皿形ハブの底からほぼ垂直に羽根(22)から離れる方向に、かつパルスエンコーダホイール(20)がその皿底で、同一平面上で当接するべきロータ(12)の端面に向かって突出する。
【0035】
この実施例では、それぞれの手段(24a;24b、24c)がそれぞれ複数存在し、例えば合計8個の平舌片が3つの異なる種類の形で設けられている。これらはそれぞれ、パルスエンコーダホイール(20)の皿底の中心にあるセンタリング開口の内周に沿って側方間隔をおいて配置されている。個々の手段(24a;24b;24c)間にはパルスエンコーダホイール(20)のハブの皿底の残りの部分が位置する。
【0036】
突出する手段(24a~c)もしくは平舌片は、長さが様々に異なり、例示的に3つの長さで形成されている。最長に形成された第1の平舌片(24a)は中実の断面を有する。第1の平舌片は、第2の平舌片(24b)と一緒にパルスエンコーダホイール(20)の中心合わせをするためにロータ(12)に設けられている。これらの第1の平舌片(24a)は、直径上で互いに向かい側に位置し、ロータ(12)へのパルスエンコーダホイール(20)の接合プロセスの過程で、このロータ(12)の金属薄板(40)に形成された収容部(28a)に最初に係合する。第1の平舌片(24a)の寸法は、パルスエンコーダホイール(20)の周方向に見て、ロータ(12)の割り当てられた第1の収容部(28a)の対応する寸法に対して、第1の平舌片(24a)と第1の収容部(28a)の壁との間にわずかな半径方向もしくは側方遊びが生じるように調整されている。
【0037】
その場合、第2の平舌片(24b)は、第1の平舌片(24a)に対して斜めに、もしくは横向きに方向付けられ、中間の長さであり、同様に2つ存在する。これらは互いに直径上で互いに向かい側に位置するのではなく、互いに例示的に120°の角度をなす。これらの第2の平舌片(24b)は、例示的に、その延在軸に沿って延びる長手方向スロット(30)を有し、長手方向スロットは例示的に、これらの第2の平舌片(24b)の自由端から距離をおいて終わり、第2の平舌片(24b)の根もとまで延びる。この長手方向スロット(30)は、第2の平舌片(24b)に、延在軸に対して横向きに部品弾性を付与する。これらの第2の平舌片(24b)に割り当てられたロータ(12)の第2の収容部(28b)の幅は、第2の平舌片(24b)が半径方向の付勢とともに、この第2の収容部(28b)の壁に当接するように選択されている。したがって、これらの第2の平舌片(24b)は、割り当てられた第2の収容部(28b)と一緒に、ロータ(12)へのパルスエンコーダホイール(20)の回転不可能な取付を永続的に保証するのに適している。ロータ(12)におけるパルスエンコーダホイール(20)の接合プロセスの過程で、これらのスロット付きの第2の平舌片(24b)は、時間的に第1の平舌片(24a)の後に、それぞれ割り当てられたロータ(12)の第2の収容部(28b)に係合する。第2の平舌片(24b)は、第1の平舌片(24a)と一緒に、ロータ(12)でのパルスエンコーダホイール(20)の中心合わせをもたらす。
【0038】
最後に、さらに比較的短く形成された第3の平舌片(24c)が、図示されたパルスエンコーダホイール(20)に例示的に4つ設けられている。これらは、想定された正方形の角に位置するように、パルスエンコーダホイール(20)の皿底にある開口の円周に沿って分散させて配置されている。これらの第3の平舌片(24c)の自由端の向かい側に位置する第2の端にスプリングアーム部分(32)が続く。後者は、第3の平舌片(24c)に対して横向きに延在し、したがって、皿底の外周の方向に半径方向に延びる。その場合、各スプリングアーム部分(32)は、皿底に対して斜めにハブの皿の内部へ傾き、それによりスプリングアーム部分(32)から第3の平舌片(24c)への移行箇所が皿縁もしくはそこに配置された羽根(22)の方を向く。各スプリングアーム部分(32)は、これに割り当てられた第3の平舌片(24c)とそれぞれ90°よりも小さい角度をなす。その場合、スプリングアーム部分(32)の傾きは、少なくとも割り当てられたスプリングアーム部分(32)が無負荷である限り、第3の手段(24c)が皿底からほぼ垂直に突出するようにこの角度に調整される。したがって、スプリングアーム部分(32)の端に形成された第3の平舌片(24c)も同様に、割り当てられたロータ(12)の第3の収容部(28c)に問題なく挿入できる。短く形成された第3の手段(24c)は、パルスエンコーダホイール(20)をロータシャフト(16)の長手軸Lの方向でロータ(12)に軸方向に取り付けるためのものと定められている。これらは、パルスエンコーダホイール(20)がロータ(12)の端面に同一平面上で当接する段階の直前に初めて、ロータ(12)に設けられた第3の収容部(28c)に係合する。これらの第3の平舌片(24c)は、ロータ(12)の収容部(28c)に挿入された後に機械的に変形され、割り当てられたロータ(12)の収容部(28c)の内部に形成された肩部(34)に当接させるためのものと定められている。このプロセスの手順は、
図3a~
図3dをもとにして以下に説明される。
【0039】
図3a~
図3dにはそれぞれ、ロータ(12)にパルスエンコーダホイール(20)を軸方向に取り付けるための異なる段階にある組付アセンブリ(10)の同じ部分図が示される。これらの部分図は、ロータ(12)に形成された第3の収容部(28c)の領域におけるロータ(12)の金属薄板(40)のスタック、ロータ(12)の端面にすでに同一平面上で当接させてあるパルスエンコーダホイール(20)、例示的に、第3の収容部(28c)に係合する、ロータ(12)にパルスエンコーダホイール(20)を軸方向に取り付けるための第3の平舌片もしくは第3の手段(24c)、ならびに第3の平舌片(24c)に割り当てられたスプリングアーム部分(32)を示す。
【0040】
それぞれ図の下部に見て取れるスタックは、個々の積層された金属薄板(40)からなり、これらの金属薄板は、ロータ(12)の端面を形成する図の上に位置する第1の金属薄板(40a)を除いて互いに同様に形成され、互いに完全に同じように積層されている。各金属薄板(40)にはそれぞれ1つの貫通開口(44)が設けられている。これらの開口(44)は一緒に、最下の金属薄板まで貫通する周囲に向かって開いた穴をロータ(12)に形成する。
【0041】
最上の金属薄板(40a)は、その下に位置する金属薄板(40)の開口(44)を部分的に覆う。最上の金属薄板(40a)にある収容部(28c)は、金属薄板(40)のスタックの開口(44)によって形成された穴に通じる。最上の金属薄板(40a)にある収容部(28c)の寸法は、残りの金属薄板(40)の開口(44)の寸法よりも小さいので、この収容部(28c)の周りの縁は、金属薄板(40)の方を向いた側に第3の平舌片(24c)と協働する肩部(34)を形成する。
【0042】
収容部(28c)を有する1つの最上の金属薄板(40a)ではなく、それぞれ1つの収容部(28c)を有する複数のこのような金属薄板(40a)を積み重ねて最上の金属薄板(40a)として用いることが考えられる。
【0043】
図3aにおいて、第3の平舌片(24c)のスプリングアーム部分(32)が、パルスエンコーダホイール(20)の皿底に対して傾くことにより、パルスエンコーダホイール(20)のハブの皿の内部に斜めに延びることが見て取れる。その場合、スプリングアーム部分(32)の傾きと、スプリングアーム部分(32)と第3の平舌片(24c)とがなす角度は、第3の平舌片(24c)が、パルスエンコーダホイール(20)の皿底からほぼ垂直に突出するように互いに調整されている。この第3の平舌片もしくは第3の手段(24c)は、最上の金属薄板(40a)にある収容部(28c)を通って、その下に位置する金属薄板(40)によって形成されるロータ(12)の穴内に突出する。
【0044】
図3bによれば、第1の方法ステップで、スプリングアーム部分(32)にはスプリングアーム部分(32)から平舌片(24c)への移行領域に第1のパンチ(50)によってロータシャフト(16)の長手軸Lの方向に作用する軸方向力Aが加えられる。この力の作用によって、スプリングアーム部分(32)が、ロータ(12)の端面に同一平面上で当接するまで弾性変形される。その場合、スプリングアーム部分(32)と平舌片(24c)との角度は変化せず、それによりこの平舌片(24c)は、金属薄板(40)の開口(44)によって形成されたロータ(12)の穴内に斜めに突出する。
【0045】
次に、
図3cに示されるように、次のステップで、パルスエンコーダホイール(20)とは反対の側からロータ(12)の穴内に第2のパンチ(52)が導入される。第2のパンチ(52)は、この穴内で斜めに延びる第3の平舌片(24c)に第1のパンチ(50)の軸方向力とは逆向きの力を加える。その場合、第3の平舌片(24c)は、これが斜めになっていることにより、その自由端で、最終的に最上の金属薄板(40a)もしくは最上の薄板スタックに形成された肩部(34)に後方から係合するまで、好ましい方向に折り曲げられる。それによりパルスエンコーダホイール(20)は、ロータシャフト(16)の長手軸Lの軸方向に形状結合的にロータ(12)に取り付けられる。
【0046】
図3dは、仕上げ段階にある組付アセンブリ(10)を示す。その場合、両方のパンチ(50、52)が引き出され、それによりスプリングアーム部分(32)の有効になった部品弾性によって、第3の平舌片(24c)が、薄板束(40)の最上の金属薄板(40a)の肩部(34)に遊びなしに当接し、それに伴いパルスエンコーダホイール(20)が軸方向の付勢とともにロータの端面に押し付けられる。したがって、スプリングアーム部分(Federarmschnitt)(32)の部品弾性によって、ロータ(12)へのパルスエンコーダホイール(20)の当接は、動作条件が変わっても永続的かつ確実に保証される。
【0047】
図3a~
図3dがロータ(12)へのパルスエンコーダホイール(20)の軸方向に強固な取付のための異なった作業工程と、したがって組付アセンブリの製造の最後のステップを開示するのに対して、
図4は、製造方法の開始時の組付アセンブリ(10)の細部を示す。金属薄板(40)から構成され、ロータシャフトに配置されたロータ(12)を有するロータシャフト(16)と、ロータ(12)に取り付けられるパルスエンコーダホイール(20)が良好に見て取れる。図示される状態では、パルスエンコーダホイール(20)は、まだロータ(12)の端面に当接せず、したがってパルスエンコーダホイール(20)とロータ(12)の最上の金属薄板(40a)との間の隙間に、ロータ(12)にパルスエンコーダホイール(20)を取り付けるための第1および第3のばね舌片(Federzunge)(24a;24c)が見て取れる。後者は、ロータシャフト(16)と少なくともほぼ軸平行に、パルスエンコーダホイール(20)からロータ(12)の方向に突出する。
図4の基礎をなす詳細斜視図は、パルスエンコーダホイール(20)をロータ(12)に回転方向に取り付けるためのスロット付きのばね舌片もしくは第2の手段(24b)を示さない。
【0048】
図示されたばね舌片(24a;24c)は、それぞれ中実の舌片断面を有する。ロータシャフト(16)の長手軸Lの方向に見て、図示されたばね舌片(24a;24c)は、異なった延在長さを有する。軸方向に長い方のばね舌片(24a)は、図ではロータ(12)の割り当てられた収容部(28a)にすでに係合するのに対して、第3のばね舌片(24c)はまだ、それに割り当てられた収容部(28c)の外に位置し、パルスエンコーダホイール(20)が、図示されるよりもロータ(12)に近づいた場合に初めて、組付方法の経過において係合する。
ロータ(12)の収容部(28a;28c)の輪郭は、割り当てられた平舌片(24a;24c)の断面形状に少なくともほぼ対応し、したがって同様に矩形に形成されている。
【0049】
当然のことながら、独立請求項でクレームされる本発明の思想から逸脱することなしに、上記の実施例の変更または発展が考えられる。
【0050】
これに関連して、説明されたランナ装置は、単に例示的にパルスエンコーダホイール(20)をもとにして説明されたということに再度言及しておく。このパルスエンコーダホイール(20)は、上記のようなポット形に形成される必要はなく、それに代えて、ディスク形状または任意の他の断面を有することもできる。
【符号の説明】
【0051】
10 組付アセンブリ
12 ロータ
14 磁石
16 ロータシャフト
20 ランナ装置、パルスエンコーダホイール
22 羽根
24a 第1の手段 第1の平舌片
24b 第2の手段、第2の平舌片
24c 第3の手段、第3の平舌片
28a 第1の収容部
28b 第2の収容部
28c 第3の収容部
30 長手方向スロット
32 スプリングアーム部分
34 肩部
40 金属薄板、薄板束
40a 最上の金属薄板
44 開口
50 第1のパンチ
52 第2のパンチ
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸Lに沿って延びるロータシャフト(16)と、
前記ロータシャフト(16)に回転不可能に固定されたロータ(12)と、
前記ロータ(12)と一緒に回転するランナ装置(20)と、を備える
電機(モータまたは発電機)、
特に、自動車の電子的にスリップ制御可能なパワーブレーキ設備の液圧式の圧力発生器を駆動するための電気的に整流されたモータのための、組付アセンブリ(10)において、
前記ランナ装置が、前記ロータ(12)に前記ランナ装置を取り付けるための手段(24a;24b;24c)を備え、
前記手段(24a;24b;24c)がそれぞれ、前記ランナ装置(20)と一体に形成され、
前記ロータシャフト(
16)の長手軸Lとほぼ軸平行に、前記ランナ装置(20)から前記ロータ(12)の方向に突出し、
前記ロータ(12)の割り当てられた収容部(28a;28b;28c)に挿入可能であることを特徴とする、組付アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記ランナ装置(20)を取り付けるための手段は、前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)に中心合わせするため、および前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)の周方向に取り付けるための第1の手段(24a)と、前記第1の手段(24a)に対して斜めまたは横向きに方向付けられた第2の手段(24b)と、を含むことと、
前記ロータ(12)の前記ロータシャフト(16)の前記長手軸Lに対して軸方向に前記ランナ装置(20)を取り付けるための第3の手段(24c)が設けられることと、を特徴とする、請求項1に記載の組付アセンブリ。
【請求項3】
前記手段(24a;24b;24c)はそれぞれ、前記ランナ装置(20)に空間的に互いに分離して形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の組付アセンブリ。
【請求項4】
前記手段(24a;24b;24c)はそれぞれ、前記ランナ装置(20)に数個単位で存在することを特徴とする、請求項2または3に記載の組付アセンブリ。
【請求項5】
前記手段(24a;24b;24c)はそれぞれ、矩形の舌片断面を有する平舌片の形態で形成され、少なくとも無負荷の状態で、前記ランナ装置(20)の当接面からほぼ直角に突出し、前記ランナ装置(20)が前記当接面により前記ロータ(12)の端面に同一平面上で当接可能であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項6】
前記第2の手段(24b)は、前記ロータシャフト(16)の前記長手軸Lの方向に見て、
前記第3の手段(24c)よりも長く形成され、かつ
前記第1の手段(24a)よりも短く形成されることを特徴とする、請求項2から5までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項7】
前記第2の手段(24b)は、前記ロータ(12)の前記割り当てられた収容部(28b)に形状結合的に係合することを特徴とする、請求項3から6までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項8】
前記第2の手段(24b)が、好ましくは前記第2の手段(24b)の延在方向の少なくとも1つの長手方向スロット(30)によって、前記ロータ(12)の周方向に形状弾性に形成されること、および
前記第2の手段(24b)が、前記ロータ(12)の前記割り当てられた収容部(28b)の側壁に付勢下で当接すること、を特徴とする、請求項7に記載の組付アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の手段(
24a)および前記第3の手段(
24c)は、前記ロータ(12)の前記それぞれ割り当てられた収容部(28a;28c)に、側方遊びをもって係合することを特徴とする、請求項3から8までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項10】
前記第3の手段(
24c)は、前記ロータ(12)の前記割り当てられた第3の収容部(28c)の端に形成された肩部(34)に後方から係合するように設けられることを特徴とする、請求項3から9までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項11】
前記第3の手段(24c)にはそれぞれ、前記ロータ(12)の前記端面に対して斜めに延びるスプリングアーム部分(32)が続き、前記スプリングアーム部分(32)は、前記それぞれ割り当てられた第3の手段(24c)と90°よりも小さい角度をなすことを特徴とする、請求項3から10までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項12】
前記ランナ装置は、前記組付アセンブリ(10)の回転運動および/または回転位置を電子的に検出するための機器のパルスエンコーダホイール(20)であり、
前記パルスエンコーダホイール(20)は、前記パルスエンコーダホイール(20)の回転方向に交互に連続して配置される導電性の領域と非導電性の領域を有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の組付アセンブリ。
【請求項13】
請求項2から12までのいずれか1項に記載の特徴による電機(モータまたは発電機)のための組付アセンブリを製造する方法において、
前記第1の手段(24a)が前記ロータ(12)の前記割り当てられた第1の空所(28a)に係合するまで、前記ランナ装置(20)が前記ロータ(12)に向かう方向に前記ロータシャフト(16)に嵌められることと、
続いて、前記第2の手段(24b)が前記ロータ(12)の割り当てられた第2の空所(28b)に係合し、前記第1の手段(24a)と一緒に前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)に中心合わせして前記ロータ(12)に回転不可能に取り付けるまで、前記ランナ装置(20)が前記ロータ(12)の端面の方向にさらに動かされることと、
次に、前記ランナ装置(20)が前記ロータ(12)の前記端面に同一平面上で当接し、第3の手段(24c)が前記ロータ(12)の収容部(28c)に係合することと、
続いて、前記第3の手段(24c)のスプリング部分(32)が、前記ロータ(12)の前記端面に同一平面上で当接することと、
最後に、前記第3の手段(24c)が前記ロータ(12)に形成された肩部(34)に後方から係合し、前記ランナ装置(20)を前記ロータ(12)に軸方向固定に取り付けるまで、前記第3の手段が塑性変形されることと、を特徴とする方法。
【国際調査報告】