(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】振幅位相較正方法、装置、記憶媒体および電子装置
(51)【国際特許分類】
H04B 17/12 20150101AFI20231218BHJP
【FI】
H04B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536146
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2021132529
(87)【国際公開番号】W WO2022127534
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011493913.3
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】梁国棟
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼曉亮
(72)【発明者】
【氏名】胡安穩
(72)【発明者】
【氏名】郭燕
(57)【要約】
本願実施例は振幅位相較正方法、装置、記憶媒体および電子装置を提供する。当該方法は、複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号は1つまたは複数のディジタルチャネルの信号であり、前記複数の較正待ち信号を複数の基本処理手段にルーティングし、1つの基本処理手段は1つの較正待ち信号を処理し、前記複数の基本処理手段により複数の較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うということを含み、関連技術においてシングルチャネルの広帯域振幅位相追跡のみをサポートするかまたは狭帯域のみをサポートし、一旦需要が固定されると、拡張が難しく、普遍性と拡張性が比較的に悪いという課題を解決することができ、基本計算手段に入るデータを柔軟に選択することができ、需要の違いに応じて柔軟に配置することができ、システムの普遍性と拡張性を増加させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号が1つまたは複数のディジタルチャネルの信号であり、
前記複数の較正待ち信号を複数の基本処理手段にルーティングし、1つの基本処理手段が1つの較正待ち信号を処理し、
前記複数の基本処理手段により複数の較正待ち信号に対して振幅位相較正を行う
ことを含む振幅位相較正方法。
【請求項2】
前記複数の基本処理手段により複数の較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことは、
前記複数の基本処理手段における各基本処理手段に対して、基準信号に基づいて較正待ち信号に対して振幅位相較正を行う
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準信号に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことは、
前記較正待ち信号と前記基準信号を処理して第1信号を得、
前記較正待ち信号を処理して第2信号を得、
前記第1信号と前記第2信号に基づいて振幅位相追跡因子を確定し、
前記振幅位相追跡因子に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行う
ということを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記較正待ち信号と前記基準信号を処理して前記第1信号を得ることは、
前記較正待ち信号と前記基準信号とを乗算し、累加を行って平均値を求め、前記第1信号を得る
ことを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記較正待ち信号に対して処理を行って前記第2信号を得ることは、
前記較正待ち信号を2乗した後に累加を行って平均値を求め前記第2信号を得る
ことを含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1信号と前記第2信号に基づいて振幅位相追跡因子を確定することは、
前記第1信号と前記第2信号との比を前記振幅位相追跡因子として確定する
ことを含む請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記振幅位相追跡因子に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことは、
前記較正待ち信号と前記振幅位相追跡因子とを乗算して較正後の信号を得る
ことを含む請求項3に記載の方法。
【請求項8】
データ選択モジュールと複数の基本処理手段を含み、
前記データ選択モジュールは複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号を前記複数の基本処理手段にルーティングするように設置され、前記複数の較正待ち信号は 1つまたは複数のディジタルチャネルの信号であり、
前記複数の基本処理手段は前記複数の較正待ち信号に対し振幅位相較正を行うように設置され、1つの基本処理手段は1つの較正待ち信号を処理する
振幅位相較正装置。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは運行時に、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を実行する
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
メモリとプロセッサを含み、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを運行することで請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を実行する
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願実施例は通信技術分野に関するものであり、具体的に言えば、振幅位相較正方法、装置、記憶媒体および電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
振幅位相追跡技術は無線通信分野で非常に幅広く応用されている。例えば、アレイアンテナ工学において、送信を保証し、合成ビームを順調に受信するために、マルチビームアンテナシステムを較正し、チャネル間の振幅と位相の一致性を保証する必要があり、これもアレイアンテナ工学実現の重要な前提である。あるいは、瞬時広帯域技術を用いた通信システムにおいて、広帯域受信チャネルに関しては、各種デバイスのアンバランスやインピーダンスマッチングなどの問題により、チャネル全体に一定の振幅や位相のゆらぎが生じ、信号品質が悪化してしまうため、実使用においても、受信チャネルによる振幅位相のゆらぎを較正する必要がある。
【0003】
従来技術には、一般的に2つの方法があり、1つは、模擬装置が振幅位相追跡装置を構築して振幅位相のゆらぎや不一致を解消するというものであり、使用する模擬装置に対する要求が高い。もう1つの方案は、デジタル回路を用いて実現するというものである。模擬方案との比較において、デジタル回路の実現はより便利で簡単である。現在の既存のデジタル回路方案は、ある特殊なシーンのために実現されているものが多く、一部はシングルチャネルの広帯域振幅相位追跡のみをサポートし、一部は狭帯域のみをサポートし、需要を固定すると、上向きまたは下向きに拡張することが難しく、普遍性と拡張性は相対的に劣っている。
【0004】
関連技術においてシングルチャネルの広帯域振幅位相追跡のみをサポートするかまたは狭帯域のみをサポートする場合、需要が固定されると拡張が難しく、普遍性と拡張性が相対的に劣るという課題に対して、解決策は提供されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例では振幅位相較正方法、装置、記憶媒体および電子装置を提供することで、関連技術においてシングルチャネルの広帯域振幅位相追跡のみをサポートするかまたは狭帯域のみをサポートする場合、需要が固定されると拡張が難しく、普遍性と拡張性が相対的に劣るという課題を少なくも解決している。
【0006】
本願の一実施例では、
複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号が1つまたは複数のディジタルチャネルの信号であり、
前記複数の較正待ち信号を複数の基本処理手段にルーティングし、1つの基本処理手段が1つの較正待ち信号を処理し、
前記複数の基本処理手段により複数の較正待ち信号に対して振幅位相較正を行う
ことを含む振幅位相較正方法を提供する。
【0007】
一実施例において、前記複数の基本処理手段により複数の較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことは、
前記複数の基本処理手段における各基本処理手段に対して、基準信号に基づいて較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことを含む。
【0008】
一実施例において、前記基準信号に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことは、
前記較正待ち信号と前記基準信号を処理して第1信号を得、
前記較正待ち信号を処理して第2信号を得、
前記第1信号と前記第2信号に基づいて振幅位相追跡因子を確定し、
前記振幅位相追跡因子に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うということを含む。
【0009】
一実施例において、前記較正待ち信号と前記基準信号を処理して前記第1信号を得ることは、
前記較正待ち信号と前記基準信号とを乗算し、累加を行って平均値を求め、前記第1信号を得ることを含む。
【0010】
一実施例において、前記較正待ち信号に対して処理を行って前記第2信号を得ることは、
前記較正待ち信号を2乗した後に累加を行って平均値を求め前記第2信号を得ることを含む。
【0011】
一実施例において、前記第1信号と前記第2信号に基づいて振幅位相追跡因子を確定することは、
前記第1信号と前記第2信号との比を前記振幅位相追跡因子として確定することを含む。
【0012】
一実施例において、前記振幅位相追跡因子に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことは、
前記較正待ち信号と前記振幅位相追跡因子とを乗算して較正後の信号を得ることを含む。
本願のもう1つの実施例では、
データ選択モジュールと複数の基本処理手段を含み、
前記データ選択モジュールは複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号を前記複数の基本処理手段にルーティングするように設置され、前記複数の較正待ち信号は1つまたは複数のディジタルチャネルの信号であり、
前記複数の基本処理手段は前記複数の較正待ち信号に対し振幅位相較正を行うように設置され、1つの基本処理手段は1つの較正待ち信号を処理する
振幅位相較正装置をさらに提供する。
【0013】
一実施例において、前記複数の基本処理手段における各前記基本処理手段は、基準信号に基づいて較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うように設置される。
一実施例において、前記基本処理手段は、
前記較正待ち信号と前記基準信号を処理して第1信号を得、
前記較正待ち信号を処理して第2信号を得、
前記第1信号と前記第2信号に基づいて振幅位相追跡因子を確定し、
前記振幅位相追跡因子に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うようにさらに設置される。
【0014】
一実施例において、前記基本処理手段は、前記較正待ち信号と前記基準信号とを乗算し、累加を行って平均値を求め、前記第1信号を得るようにさらに設置される。
【0015】
一実施例において、前記基本処理手段は、前記較正待ち信号を2乗した後に累加を行って平均値を求め前記第2信号を得るようにさらに設置される。
【0016】
一実施例において、前記基本処理手段は、前記第1信号と前記第2信号との比を前記振幅位相追跡因子として確定するようにさらに設置される。
【0017】
一実施例において、前記基本処理手段は、前記較正待ち信号と前記振幅位相追跡因子とを乗算して較正後の信号を得るようにさらに設置される。
本願のさらなる一実施例では、
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは運行時に、上記いずれかの方法実施例におけるステップを実行する
コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
本願のさらなる一実施例では、
メモリとプロセッサを含み、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを運行することで上記いずれかの方法実施例におけるステップを実行する
電子装置をさらに提供する。
【0018】
本願実施例では、複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号は1つまたは複数のディジタルチャネルの信号であり、前記複数の較正待ち信号を複数の基本処理手段にルーティングし、1つの基本処理手段は1つの較正待ち信号を処理し、前記複数の基本処理手段により複数の較正待ち信号に対して振幅位相較正を行い、関連技術においてシングルチャネルの広帯域振幅位相追跡のみをサポートするかまたは狭帯域のみをサポートする場合、需要が固定されると拡張が難しく、普遍性と拡張性が相対的に劣るという課題を解決することができ、基本計算手段に入るデータを柔軟に選択することができ、需要の違いに応じて柔軟に配置することができ、システムの普遍性と拡張性が増している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本願実施例の振幅位相較正方法の移動端末のハードウェア構造ブロック図である。
【
図2】
図2は本願実施例に基づく振幅位相較正方法のフロー図である。
【
図3】
図3は本実施例に基づくディジタルマルチチャネル振幅位相較正の構造ブロック図である。
【
図4】
図4は本実施例に基づくディジタルマルチチャネル振幅位相較正におけるデータ選択モジュールの構造ブロック図である。
【
図5】
図5は本実施例に基づくディジタルマルチチャネル振幅位相較正における基本処理手段BUの構造ブロック図である。
【
図6】
図6は本実施例に基づく振幅位相較正装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では図面を参考にして実施例を組み合わせて本願の実施例について詳細に説明する。
説明すべき点は、本願の明細書と特許請求の範囲および上記図面における用語「第1」、「第2」等は、類似の対象を区別するためのものであり、特定の順序または前後順序を記述するためのものではない。
本願の実施例が提供する方法実施例は、移動端末、コンピュータ端末、または類似の演算装置において実行することができる。移動端末において実行する場合を例にすると、
図1は、本願実施例の振幅位相較正方法の移動端末のハードウェア構造のブロック図である。
図1に示すように、移動端末は、1つまたは複数(
図1では1つしか示されていない)のプロセッサ102(プロセッサ102はマイクロプロセッサMCUまたはプログラマブル論理デバイスFPGAなどの処理装置を含むことができるが、これらに限らない)と、データを記憶するためのメモリ104とを含んでもよい。なお、上記移動端末は、通信機能に用いられる送信装置106及び入出力装置108をさらに含んでもよい。
図1に示す構造は例示的なものに過ぎず、上記移動端末の構造に対して限定を構成しないということを当業者は理解することができる。例えば、移動端末はさらに、
図1に示しているものよりも多いまたは少ないコンポーネントを含むか、または
図1に示しているものと異なる配置を有してもよい。
【0021】
メモリ104は、コンピュータプログラム、例えば、アプリケーションソフトウェアのソフトウェアプログラム及びモジュール、本願の実施例における振幅位相較正方法に対応するコンピュータプログラムの記憶に用いられてもよい。プロセッサ102は、メモリ104内に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで、各種の機能アプリケーション及びトラフィックリンク・アドレスプール・スライス処理を実行し、即ち、上記の方法を実現する。メモリ104は、高速ランダムメモリを含んでもよく、また、1つまたは複数の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、またはそのほかの不揮発性固体メモリなどの不揮発性メモリをさらに含んでもよい。一部の実施例において、メモリ104は、プロセッサ102に対して遠隔的に設定されたメモリをさらに含んでもよい。これら遠隔メモリはネットワークを介して移動端末に接続されることができる。上記ネットワークの例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルネットワーク、移動通信ネットワーク、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限らない。
【0022】
送信装置106は、ネットワークを介してデータを受送信するためのものである。上記ネットワークの具体例は、移動端末の通信プロバイダが提供する無線ネットワークを含んでもよい。一例において、送信装置106は、基地局を介してそのほかのネットワークデバイスと接続し、インターネットと通信可能であるネットワークアダプタ(Network Interface Controller、略称NIC)を含む。一例において、送信装置106は、無線という方式でインターネットと通信するための無線周波数(Radio Frequency、略称RF)モジュールであってもよい。
【0023】
本実施例は、上記移動端末またはネットワークアーキテクチャで運行する振幅位相較正方法を提供する。
図2は、本願の実施例に基づく振幅位相較正方法のフロー図である。
図2に示すように、当該フローは、以下のステップを含む。
ステップS202:複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号は1つまたは複数のディジタルチャネルの信号である。
ステップS204:前記複数の較正待ち信号を複数の基本処理手段にルーティングし、1つの基本処理手段は1つの較正待ち信号を処理する。
ステップS206:前記複数の基本処理手段により複数の較正待ち信号に対して振幅位相較正を行う。
【0024】
上記ステップS202~S206により、関連技術においてシングルチャネルの広帯域振幅位相追跡のみをサポートするかまたは狭帯域のみをサポートする場合、需要が固定されると拡張が難しく、普遍性と拡張性が相対的に劣るという課題を解決することができ、基本計算手段に入るデータを柔軟に選択することができ、需要の違いに応じて柔軟に配置することができ、システムの普遍性と拡張性が増している。
【0025】
一実施例において、上記ステップS206は具体的に、
前記複数の基本処理手段における各基本処理手段に対して、基準信号に基づいて較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うことを含んでもよい。
【0026】
一実施例において、上記ステップS206は、以下のステップをさらに含んでもよい。即ち、
前記較正待ち信号と前記基準信号に対して処理を行って第1信号を得、具体的には、前記較正待ち信号と前記基準信号とを乗算し、累加を行って平均値を求め、前記第1信号を得、
前記較正待ち信号に対して処理を行って第2信号を得、具体的には、前記較正待ち信号を2乗した後に累加を行って平均値を求め前記第2信号を得、
前記第1信号と前記第2信号に基づいて振幅位相追跡因子を確定し、具体的には、前記第1信号と前記第2信号との比を前記振幅位相追跡因子として確定し、
前記振幅位相追跡因子に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行い、具体的には、前記較正待ち信号と前記振幅位相追跡因子とを乗算して較正後の信号を得るというものである。
【0027】
本実施例は複数のデジタルチャネルの振幅位相を同時に較正することができ、CPU配置手段、データ選択モジュールと基本処理手段(Basic Unit、略称BU)によって構成される。システムにおいて、較正待ち信号帯域幅が多様化する時、ハードウェアリソースが一定である場合に、性能とサポートされるチャネル数において動的に調整することができる。仮に、システム設計の最大性能が2つの大帯域幅信号に対して同時に振幅位相追跡調整を行うことができ、各チャネルが4つのサブチャネルに分けられる場合、この機能を実現するために8つの基本処理手段が必要である。これと同時に、下位互換として4つのチャネルを2つのサブチャネル、または8つの単一チャネルに分けて狭帯域信号の振幅追跡を行うことができる。ハードウェアリソースの制限を超えない限り、自由に組み合わせることができ、システムの互換性、拡張性は大幅に向上する。CPUは、実現する必要があるマルチチャネル振幅位相追跡数学モデルを確定する。マルチチャネル振幅位相追跡数学モデルに基づいて、CPU配置モジュールを用いて入力された複数の較正待ち信号及び基準信号から選択ルーティングを行い、それぞれの独立したBUにマッピングし、入力された較正待ち信号及び基準信号に基づいて振幅位相追跡計算を行い、較正後の信号を得て出力する。
【0028】
図3は本実施例に基づくディジタルマルチチャネル振幅位相較正の構造ブロック図である。
図3に示すように、2つのデータ選択モジュール、CPU配置モジュール、データ選択モジュールおよびN個の基本処理手段BUを含む。
【0029】
図4は本実施例に基づくディジタルマルチチャネル振幅位相較正におけるデータ選択モジュールの構造ブロック図である。
図4に示すように、CPU配置モジュールは、支持を必要とする演算数学モデルに応じてデータ選択モジュールを組み合わせ、入力された較正待ちデータと基準信号をBUに柔軟にマッピングし、BUを組み合わせて演算を実現し、総合的に本装置がマルチチャンネル再構成可能な振幅追跡設計を有するようにする。
【0030】
図5は本実施例に基づくディジタルマルチチャネル振幅位相較正における基本処理手段BUの構造ブロック図である。
図5に示すように、基本処理手段BUは装置全体においてN個あり、入力された較正待ちのチャネル数と一致するように保持される。番号は0~N-1であり、このN個の構造は一致し、各BUは1つの振幅追跡演算需要を処理する。振幅位相追跡因子の計算式は以下の通りである。
【数1】
【0031】
そのうち、xは入力された基準信号を表し、yは入力された較正待ち信号を表す。入力された較正待ち信号と基準信号をBUユニットに入力し、乗算を行い、累加を行って平均値を求め、信号A(上記第1信号に対応)を得る。同時に較正待ち信号に対して2乗操作を行って1点電力値を求め、その後累加を行って平均電力を求め、信号B(上記第2信号に対応)を得る。信号A/信号Bを用いて振幅位相追跡因子Cを得、較正待ち信号と乗算し、較正後の信号を出力する。
【0032】
本願のもう1つの実施例では振幅位相較正装置をさらに提供する。
図6は本実施例に基づく振幅位相較正装置のブロック図である。
図6に示すように、当該装置はデータ選択モジュール62と複数の基本処理手段64を含み、そのうち、
前記データ選択モジュール62は、複数の較正待ち信号を受信し、前記複数の較正待ち信号を前記複数の基本処理手段64にルーティングするように設置され、前記複数の較正待ち信号は1つまたは複数のディジタルチャネルの信号であり、
前記複数の基本処理手段64は、前記複数の較正待ち信号に対し振幅位相較正を行うように設置され、1つの基本処理手段64は1つの較正待ち信号を処理する。
【0033】
一実施例において、前記複数の基本処理手段64における各前記基本処理手段64は、基準信号に基づいて較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うよういに設置される。
【0034】
一実施例において、前記基本処理手段64は、
前記較正待ち信号と前記基準信号を処理して第1信号を得、
前記較正待ち信号を処理して第2信号を得、
前記第1信号と前記第2信号に基づいて振幅位相追跡因子を確定し、
前記振幅位相追跡因子に基づいて前記較正待ち信号に対して振幅位相較正を行うというようにさらに設置される。
【0035】
一実施例において、前記基本処理手段64は、前記較正待ち信号と前記基準信号とを乗算し、累加を行って平均値を求め、前記第1信号を得るようにさらに設置される。
【0036】
一実施例において、前記基本処理手段64は、前記較正待ち信号を2乗した後に累加を行って平均値を求め前記第2信号を得るようにさらに設置される。
【0037】
一実施例において、前記基本処理手段64は、前記第1信号と前記第2信号との比を前記振幅位相追跡因子として確定するようにさらに設置される。
【0038】
一実施例において、前記基本処理手段64は、前記較正待ち信号と前記振幅位相追跡因子とを乗算して較正後の信号を得るようにさらに設置される。
【0039】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。当該コンピュータプログラムは、実行時に上記のいずれかの方法実施例のステップを実行するように設置される。
【0040】
例示的な実施例において、上記コンピュータ可読記憶媒体は、Uディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、略称ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、略称RAM)、リムーバブルハードディスク、磁気ディスク、または光ディスクなどの、コンピュータプログラムを記憶することができる各種の媒体を含んでもよいが、これらに限らない。
【0041】
本願の実施例は、メモリとプロセッサを含む電子装置をさらに提供する。当該メモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、当該プロセッサは、コンピュータプログラムを運行することで、上記いずれかの方法実施例におけるステップを実行するように設置される。
【0042】
例示的な実施例において、上記電子装置は、送信装置および入出力装置を含んでもよく、当該送信装置は上記プロセッサに接続され、当該入出力装置は上記プロセッサと接続される。
【0043】
本実施例における具体例は、上記実施例及び例示的な実施の形態に記載の例を参照することができ、本実施例はここで説明しない。
【0044】
明らかに、上記本願の各モジュールまたは各ステップは、汎用の計算装置により実現することができ、単一の計算装置に集中するか、または複数の計算装置からなるネットワークに分散してもよく、これらは計算装置の実行可能なプログラムコードで実現することができるため、これらを記憶装置に記憶して計算装置により実行することができる。ある状況においては、ここと異なる順序で、示しているステップまたは記載されているステップを実行するか、あるいはそれぞれを個々の集積回路モジュールとして作成するか、またはこれらにおける複数のモジュールまたはステップを単一の集積回路モジュールとして作成して実現してもよい。従って、本願は特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限らない。
【0045】
上記は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するためのものではない。当業者にとって、本願は様々の変更及び変化があってもよい。本願の原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等置換、改善などはいずれも、本願の請求範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】