(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】固体脂肪アルコール、モノアルコール及び圧縮ガスを含む組成物を含有するエアロゾル装置
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20231218BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231218BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20231218BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/34
A61Q5/12
A61Q5/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536159
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2021086241
(87)【国際公開番号】W WO2022129358
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・ロンシャール
(72)【発明者】
【氏名】ソフィー・ブクシロ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB131
4C083AB132
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC081
4C083AC082
4C083AC091
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC172
4C083BB49
4C083CC32
4C083CC33
4C083DD01
4C083DD08
4C083DD28
4C083DD38
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE25
4C083EE28
(57)【要約】
本発明は、少なくとも5質量%の1種以上の脂肪アルコールと、少なくとも20質量%の1種以上のC2~C6モノアルコールと、圧縮ガスと、任意選択で1種以上の液体脂肪性物質とを含む組成物、特に化粧用毛髪用組成物を含むエアロゾル装置に関する。本発明はまた、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を整え且つ/又はコンディショニングするため、特に毛髪のカールを定着させるための、本発明に係る組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物、特に化粧用組成物を含むエアロゾル装置であって、前記組成物が、
a)少なくとも1種以上の固体脂肪アルコールを含む前記組成物の総質量に対して、少なくとも5質量%の1種以上の脂肪アルコールと、
b)前記組成物の総質量に対して、少なくとも20質量%の1種以上のC
2~C
6モノアルコールと、
c)圧縮ガスから選択された少なくとも1種以上の噴射剤と、
d)任意選択で液体脂肪アルコール以外の1種以上の液体脂肪性物質と
を含む、エアロゾル装置。
【請求項2】
前記固体脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びミリスチルアルコール、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル装置。
【請求項3】
前記組成物が、少なくとも1種の固体脂肪アルコール及び少なくとも1種の液体脂肪アルコールを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル装置。
【請求項4】
前記液体脂肪アルコールが、2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びウンデシレニルアルコール、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項5】
前記固体脂肪アルコールの総含有量が、前記組成物の総質量に対して、1質量%~25質量%、好ましくは2質量%~20質量%、より優先的には3質量%~15質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項6】
前記液体脂肪アルコールの総含有量が、前記組成物の総質量に対して、1質量%~20質量%、好ましくは1.5質量%~15質量%、より優先的には2質量%~10質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項7】
前記固体脂肪アルコール/全脂肪アルコール濃度の質量比は0.25超、好ましくは0.3~1、優先的には0.3~0.9、より詳細には0.35~0.8の範囲であることを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル装置。
【請求項8】
前記脂肪アルコールの総含有量が、前記組成物の総質量に対して、5質量%~25質量%、好ましくは7質量%~20質量%、より優先的には8質量%~15質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項9】
前記脂肪アルコールが前記組成物中で可溶化されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項10】
前記組成物が、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール及びn-ブタノールから選択される1種以上のC
2~C
6モノアルコール、好ましくはエタノールを含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項11】
前記組成物が、前記組成物の総質量に対して、20質量%~95質量%の範囲、特に50質量%~90質量%の範囲、又は更には60%~85%の範囲の総量の前記C
2~C
6アルコールを含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項12】
前記圧縮ガスから選択される噴射剤が、単独で、又は混合物として、空気、窒素及び二酸化炭素から選択され、単独又は混合物として、より優先的には二酸化炭素であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項13】
前記噴射剤が、前記組成物の総質量に対して、1質量%~10質量%、好ましくは2質量%~5質量%の範囲の総量で存在していることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項14】
前記液体脂肪アルコール以外の前記液体脂肪性物質が、C
6~C
16アルカン、脂肪エーテル及びジアルキルカーボネート、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項15】
液体脂肪アルコール以外の前記液体脂肪性物質の総含有量が、前記組成物の総質量に対して、1質量%~20質量%、好ましくは2質量%~15質量%、優先的には3質量%~12質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項16】
前記組成物が、前記組成物の総質量に対して、10質量%未満、更に良好には5質量%未満のポリオールを含むことを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項17】
前記組成物が無水であることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル装置。
【請求項18】
ケラチン繊維、特に頭髪等のヒトのケラチン繊維を整え且つ/又はコンディショニングするための方法であって、前記繊維に請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル装置から噴霧される組成物を適用する少なくとも1つのステップを含む、方法。
【請求項19】
ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を整え且つ/又はコンディショニングするため、特に柔らかさ、滑らかでべたつかない感触及び艶を与えるため、毛髪のもつれを解くのを容易にするため、毛髪のカールを定着させるため、並びに毛髪の縮れ及びボリュームを制御するための、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル装置から噴霧される組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも5質量%の少なくとも1種の固体脂肪アルコールを含む1種以上の脂肪アルコールと、少なくとも20質量%の1種以上のC2~C6モノアルコールと、圧縮ガス及び任意選択で液体脂肪アルコール以外の1種以上の液体脂肪性物質から選択された少なくとも1種の噴射剤とを含む組成物、特に化粧用組成物、特に毛髪用組成物を収容するエアロゾル装置に関する。
【0002】
本発明は、ケラチン繊維、特に頭髪等のヒトのケラチン繊維を整え且つ/又はコンディショニングするための方法であって、前記繊維に本発明に係る組成物を適用する少なくとも1つのステップを含む、方法に更に関する。
【0003】
本発明は最後に、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を整え且つ/又はコンディショニングするため、特に柔らかさ、滑らかでべたつかない感触及び艶を与えるため、毛髪のもつれを解くのを容易にするため、毛髪のカールを定着させるため、毛髪の縮れ及びボリュームを制御するための、エアロゾル装置から噴霧される組成物の使用に関する。エアロゾル形式により、毛髪を重くせず、毛髪に散布しやすい軽いミストを送達することが可能になる。
【背景技術】
【0004】
毛髪の外観に不満を抱く人は多く、特に、縮毛を有する人は、カールを維持しつつ、より良いカールの定着及びより良い規則性、より良い動き、並びに湿潤条件でも抑えられたボリューム及び縮れを得たいと願っているであろう。更に、人によっては、縮毛を制御し、定着させ、且つ/又はスタイリングすることが困難であると思っている。
【0005】
また、人によっては、髪を柔らかく艶やかにしたいと望んでいる。
【0006】
特に縮毛の人の場合、スタイリングルーティンを簡略化することができる組成物を提供する必要がある。
【0007】
特に、毛髪のカールを維持でき、同時に毛髪のカールに良好な定着性及び規則性を与え、毛髪の縮れ及びボリュームを良好に制御することを可能にし、湿度に耐え、同時に、数回のシャンプー後に持続し得るヘアケアを提供することができる組成物を提供する必要がある。
【0008】
実際には、本出願人は、驚くべきことに、1種以上の可溶化脂肪アルコールと、少なくとも1種のC2~C4モノアルコールと、少なくとも1種の圧縮ガスとの組み合わせを含む組成物を含むエアロゾル装置が、上記の問題を解決することを可能にするということを発見した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の1つの主題は、
組成物の総質量に対して、少なくとも5質量%の少なくとも1種の固体脂肪アルコールを含む1種以上の脂肪アルコールと、組成物の総質量に対して、少なくとも20質量%の1種以上のC2~C6モノアルコールと、圧縮ガスから選択された少なくとも1つの噴射剤と、組成物の総質量に対して、任意選択で液体脂肪アルコール以外の1種以上の液体脂肪性物質とを含む組成物を含むエアロゾル装置である。
【0010】
有利には、脂肪アルコールは、組成物中で可溶化される。
【0011】
本出願人は、とりわけ、本発明に係る組成物により、はっきりとしたカール、毛髪の縮れ及びボリュームの良好な制御、並びに毛髪の良好な扱いやすさを得ることを可能にすることを観察した。加えて、本発明に係る組成物は、ヘアコンディショニング効果を与え、特に、心地よい化粧品の感触、特に滑らかでべたつかない感触を与え、毛髪のもつれを解くのを容易にし、艶を与えることを可能にする。本組成物は、脂っぽい効果もワックス状の効果も与えず、手を毛髪に通したときに手に移らず、良好なボリューム制御を提供する。エアロゾル装置の使用により、頭髪に組成物を良好に散布することができる。
【0012】
加えて、本発明に係る組成物は、有利にはクリア又は透明であり、それゆえ、透明な容器に入ったこの種の毛髪用製品のための独自の視覚的効果がある。
【0013】
更に、本発明に係る組成物は、コンディショニング及び/又はスタイリングケアを得るために、毛髪、特に乾燥した毛髪に容易に散布される。
【0014】
本発明の別の主題は、ケラチン繊維、特に頭髪等のヒトのケラチン繊維を整え且つ/又はコンディショニングするための方法であって、本発明に係るエアロゾル装置から噴霧される組成物を前記繊維に適用する少なくとも1つのステップを含む方法である。
【0015】
本発明の他の主題、特性、態様及び利点は、以下の説明及び実施例を読むことにより、更により明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において、表現「少なくとも1つ」は、表現「1つ以上の」と等しく、前記表現の代わりになることがある;表現「~の間」は、表現「~の範囲」と等しく、前記表現の代わりとなることがあり、境界が含まれることを含意する。
【0017】
用語「ケラチン繊維」とは、頭髪、体毛、睫毛、眉毛、羊毛、アンゴラヤギの毛、カシミヤ又は毛皮などのヒト又は動物由来の繊維を意味する。本発明によれば、ケラチン繊維は、好ましくは、ヒトのケラチン繊維、より優先的には毛髪である。
【0018】
本発明に係る組成物は、有利には、透明~半透明、より優先的には透明な液体の形態である。この特性は、透明な容器、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)製の容器の場合にとりわけ有利である。
【0019】
本発明に係る組成物の透明度は、比濁法(NTU単位)による組成物の濁度の測定によってキャラクタライズされ得る。本発明に関連して、濁度測定は、Hanna Instruments社の濁度計モデルHI 88713-ISOにより実行した。
【0020】
好ましくは、周囲温度(25℃)及び大気圧で測定した本発明に係る組成物の濁度は、400NTU単位未満、より優先的には1~250NTU単位、更に好ましくは3~200NTU単位である。
【0021】
脂肪アルコール
本発明に係る組成物は、組成物の総質量に対して、少なくとも5質量%の少なくとも1種の脂肪アルコールを含み、そのうちの1つは固体である。
【0022】
用語「脂肪アルコール」とは、6~40個の炭素原子を含み、少なくとも1個のヒドロキシル基を含み、好ましくは8~30個の炭素原子、好ましくは12~24個の炭素原子、更に良好には14~22個の炭素原子を含む、グリセロール化もオキシアルキレン化もしていない直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族アルコールを意味する。
【0023】
本発明によれば、脂肪アルコールは、好ましくは、組成物中で可溶化される。
【0024】
用語「可溶化された脂肪アルコール」とは、脂肪アルコールが組成物から析出しないこと、及び/又は結晶を形成しないことを意味する。組成物を肉眼で目視確認すると、均質で、単相であり、クリア又は半透明である。
【0025】
用語「液体」とは、25℃及び大気圧(760mmHg;すなわち、1.013×105Pa)では液体である化合物を意味する。好ましくは、この化合物は、25℃の温度及び1秒-1の剪断速度で測定したときに2Pa.s以下、好ましくは1Pa.s以下、より優先的には0.1Pa.s以下の粘度を有する。
【0026】
用語「固体」とは、30℃及び大気圧(760mmHg;すなわち1.013×105Pa)において非液体である化合物を意味する。
【0027】
固体脂肪アルコール
本発明に係る固体(非液体)脂肪アルコールは、8~30個の炭素原子、好ましくは12~24個の炭素原子、より好ましくは14~22個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状アルコールから選択される。
【0028】
より優先的には、本発明に係る固体(非液体)脂肪アルコールは、8~30個の炭素原子、好ましくは12~24個の炭素原子、より好ましくは14~22個の炭素原子を含む飽和直鎖アルコールから選択される。
【0029】
好ましくは、本発明に係る固体脂肪アルコールは、30℃超、優先的には35℃超の融点を有する脂肪アルコールから選択される。
【0030】
好ましくは、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びミリスチルアルコール、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0031】
液体脂肪アルコール
本発明の液体脂肪アルコールは、飽和又は不飽和であり得る。
【0032】
飽和液体脂肪アルコールは、好ましくは、分枝状である。それらは、任意選択的に、その構造中に少なくとも1個の芳香環又は非芳香環を含み得る。好ましくは、それらは、非環式である。
【0033】
より詳細には、本発明の飽和液体脂肪アルコールは、2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノールから選択されてもよい。オクチルドデカノールが最も特に好ましい。
【0034】
液体不飽和脂肪アルコールは、その構造中に少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含む。
【0035】
好ましくは、それらはその構造中に1つ以上の二重結合を有する。数個の二重結合が存在する場合、これらは、好ましくは、数が2又は3であり、これらは、共役又は非共役であり得る。
【0036】
液体不飽和脂肪アルコールは、直鎖状又は分枝状であってもよい。それらは、任意選択的に、その構造中に少なくとも1個の芳香環又は非芳香環を含み得る。好ましくは、それらは、非環式である。
【0037】
より詳細には、本発明の液体不飽和脂肪アルコールは、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びウンデシレニルアルコール、並びにこれらの混合物から選択される。オレイルアルコールが特に好ましい。
【0038】
好ましい一実施形態では、本発明に係る組成物は、少なくとも1種の固体脂肪アルコールを含む、少なくとも2種の異なる脂肪アルコールを含む。
【0039】
好ましくは、本発明に係る組成物は、少なくとも1種の固体脂肪アルコールと、少なくとも1種の液体脂肪アルコールとを含む。
【0040】
本実施形態によれば、ヘアコンディショニング特性が向上し、特により滑らかな感触となり、髪がより柔らかく、より艶やかになる。
【0041】
好ましくは、固体脂肪アルコール/全脂肪アルコール濃度の質量比は0.25超、好ましくは0.3~1、優先的には0.3~0.9、より詳細には0.35~0.8、又は更には0.4~0.7の範囲である。
【0042】
本発明に係る組成物は、組成物の総質量に対して、1質量%~25質量%、好ましくは2質量%~20質量%、より優先的には3質量%~15質量%の範囲の1種以上の固体脂肪アルコールの総量を含んでもよい。
【0043】
本発明に係る組成物は、組成物の総質量に対して、1質量%~20質量%、好ましくは1.5質量%~15質量%、より優先的には2質量%~10質量%の範囲の1種以上の液体脂肪アルコールの総量を含んでもよい。
【0044】
本発明に係る組成物は、組成物の総質量に対して、5質量%~25質量%、好ましくは7質量%~20質量%、より優先的には8質量%~15質量%の範囲の1種以上の脂肪アルコールの総量を含んでもよい。
【0045】
C2~C6モノアルコール
本発明に係る組成物は、少なくとも20質量%の1種以上のC2~C6モノアルコールを含む。
【0046】
C2~C6モノアルコール、好ましくはC2~C4モノアルコールは、特にエタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、n-ブタノールである。好ましくは、使用するモノアルコールはエタノールである。
【0047】
好ましくは、C2~C6アルコールは、特に、組成物の総質量に対して、20質量%~95質量%、好ましくは50質量%~90質量%の範囲、特に60質量%~85質量%の範囲、又は更には65質量%~85質量%の範囲の総量で存在する。
【0048】
噴射剤
本発明に係るエアロゾル装置は、圧縮ガスから選択される1種以上の噴射剤をベースとする組成物を含む。
【0049】
圧縮ガスの例として、空気、窒素、二酸化炭素及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、圧縮ガスは二酸化炭素である。
【0050】
噴射剤は、一般に、組成物の総質量に対して、1質量%~10質量%、好ましくは2質量%~5質量%の範囲の総量で存在する。
【0051】
液体脂肪性物質
本発明に係る組成物は、液体脂肪アルコール以外の1種以上の液体脂肪性物質を含んでもよい。
【0052】
用語「脂肪性物質」とは、通常の周囲温度(25℃)及び大気圧(760mmHg、すなわち1.013×105Pa)で水に不溶(水への溶解度が5質量%未満、好ましくは1質量%未満、更に優先的には0.1質量%未満)である有機化合物を意味する。それらは、その構造中に、少なくとも6個の炭素原子を含有する少なくとも1つの炭化水素ベースの鎖を有する。更に、脂肪性物質は、一般に、同温度及び圧力条件下において、有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、エタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、流動ワセリン又はデカメチルシクロペンタシロキサンに可溶である。本発明の脂肪性物質は、オキシアルキレン化基又はグリセロール化基でエーテル化されていない。好ましくは、それらは、その構造中にカルボン酸官能基COOHを含有していない。
【0053】
用語「炭化水素」とは、炭素原子及び水素原子のみを含む化合物を意味する。
【0054】
用語「脂肪酸」とは、6~40個の炭素原子を含む、少なくとも1つの直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のカルボン酸官能基を含む化合物を意味する。
【0055】
用語「脂肪エステル」とは、脂肪酸及び/又は脂肪アルコールのエステルを意味する。
【0056】
用語「脂肪エーテル」とは、6~40個の炭素原子を含有する少なくとも1つの炭化水素ベースの基を含む、少なくとも1つの直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のエーテル官能基を含む化合物を意味する。
【0057】
用語「非シリコーン」とは、その構造がケイ素原子を含まず、したがってシロキサン基を含んでいない化合物を意味する。
【0058】
より詳細には、液体脂肪性物質は、非シリコーン物質である。
【0059】
特に、本発明の脂肪性物質は、(ポリ)オキシアルキレン化エーテル又は(ポリ)グリセロール化エーテルではない。
【0060】
用語「油」とは、周囲温度(25℃)及び大気圧(760mmHg又は1.013×105Pa)で液状である「脂肪性物質」を意味する。
【0061】
より詳細には、脂肪性物質は、C6~C16液体炭化水素、16個より多い炭素原子を含む液体炭化水素、動物由来の非シリコーン油、植物又は合成由来のトリグリセリド型の油、フルオロ油、トリグリセリド以外の脂肪酸及び/又は脂肪アルコールの液体エステル、液体脂肪エーテル、ジアルキルカーボネート並びにこれらの混合物から選択される。
【0062】
脂肪エステル及び脂肪酸は、より詳細には、少なくとも1つの飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状の炭化水素ベースの基であって、6~40個、より良好には8~30個の炭素原子を含み、任意選択的に、特に1つ以上(特に1~4つ)のヒドロキシル基で置換されている基を含有することを想起されたい。これらが不飽和である場合、これらの化合物は、1~3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含み得る。
【0063】
C6~C16液体炭化水素に関しては、これらは直鎖状又は分枝状で、任意選択的に環状であり、好ましくはアルカンであり得る。例として、ヘキサン、シクロヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、又はイソパラフィン、例えば、イソヘキサデカン、イソデカン若しくはイソドデカン、及びこれらの混合物を挙げることができる。C6~C16イソパラフィンが特に好ましく、より優先的にはイソドデカンである。
【0064】
16個より多い炭素原子を含む鉱物又は合成由来の直鎖状又は分枝状の炭化水素は、好ましくは、液体パラフィン、ワセリン、流動ワセリン、ポリデセン及びParleam(登録商標)4などの水素化ポリイソブテン、並びにこれらの混合物から選択される。
【0065】
植物又は合成由来のトリグリセリド油は、好ましくは、6~30個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリド、例えばヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド、又はその他、例えばヒマワリ油、アマニ油、オリーブ油、ベニバナ油、アルガン油、トウモロコシ胚芽油、小麦胚芽油、大豆油、ゼニアオイ種子(marrow seed)油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、キョウニン油、マカダミア油、アララ(arara)油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社により販売されているもの又はDynamit Nobel社によりMiglyol(登録商標)810、812及び818という名称で販売されているもの、シアバター、並びにこれらの混合物から選択される。
【0066】
脂肪エステル
先に挙げたトリグリセリド以外の脂肪酸及び/又は脂肪アルコールの液体エステル、並びに上記の脂肪エステルa)に関して、特に飽和又は不飽和の直鎖状のC1~C26又は分枝状のC3~C26脂肪族のモノ酸又はポリ酸と、飽和又は不飽和の直鎖状のC1~C26又は分枝状のC3~C26脂肪族モノアルコール又はポリアルコールとのエステルが挙げられ、それらのエステルの合計炭素数は10以上である。
【0067】
好ましくは、モノアルコールのエステルについて、本発明のエステルが由来するアルコール又は酸の1つ少なくともは、分枝状及び/又は不飽和である。
【0068】
モノエステルの中で、ジヒドロアビエチルベヘネート;オクチルドデシルベヘネート;イソセチルベヘネート;デシルオレエート;イソセチルイソステアレート;イソセチルラウレート;イソセチルステアレート;イソデシルオクタノエート;イソデシルオレエート;イソノニルイソノナノエート;イソステアリルパルミテート;メチルアセチルリシノレエート;オクチルイソノナノエート;2-エチルヘキシルイソノネート(2-ethylhexyl isononate);オクチルドデシルエルケート;オレイルエルケート;エチルパルミテート、イソプロピルパルミテート、2-エチルヘキシルパルミテート、2-オクチルデシルパルミテート、アルキルミリステート、例えば、イソプロピル2-オクチルドデシルミリステート、イソブチルステアレート、2-ヘキシルデシルラウレート、及びこれらの混合物が言及され得る。
【0069】
好ましくは、モノ酸及びモノアルコールのモノエステルの中では、イソプロピルパルミテート、アルキルミリステート、例えばイソプロピルミリステート、イソセチルステアレート、2-エチルヘキシルイソノナノエート、イソデシルネオペンタノエート、及びイソノニルイソノナノエート、並びにこれらの混合物が使用されるであろう。この変形形態との関連で更に、C4~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、C1~C22アルコールとのエステル、及びモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、C2~C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用され得る。
【0070】
とりわけ、ジエチルセバケート;ジイソプロピルセバケート;ジイソプロピルアジペート;ジ-n-プロピルアジペート;ジオクチルアジペート;ジオクチルマレエート;グリセリルウンデシレネート;オクチルドデシルステアロイルオキシステアレート;ペンタエリスリチルモノリシノレエート;ペンタエリスリチルテトライソノナノエート;ペンタエリスリチルテトラペラルゴネート;ペンタエリスリチルテトライソステアレート;ペンタエリスリチルテトラオクタノエート;プロピレングリコールジカプリレート;プロピレングリコールジカプレート;トリデシルエルケート;トリイソプロピルアセテート;グリセリルトリラクテート;グリセリルトリオクタノエート;プロピレングリコールジオクタノエート;ネオペンチルグリコールジヘプタノエート;ジエチレングリコールジイソノナノエート;及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0071】
その組成物は、C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸の脂肪エステル、糖エステル及びジエステルも含み得る。用語「糖」とは、酸素を含有する炭化水素ベースの化合物であって、アルデヒド又はケトン官能基を含み又は含まずにいくつかのアルコール官能基を含有し、且つ少なくとも4個の炭素原子を含む化合物を指すことを想起されたい。これらの糖は、単糖類、オリゴ糖類又は多糖類であり得る。
【0072】
適切な糖の例として、スクロース、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース並びにこれらの誘導体、特にアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例えばメチルグルコースを挙げることができる。
【0073】
糖エステル及び脂肪酸エステルは、特に、上記の糖並びに直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸のエステル又はエステルの混合物を含む群から選択され得る。これらが不飽和である場合、これらの化合物は、1~3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含み得る。
【0074】
本変形形態によるエステルは、モノ-、ジ-、トリ-及びテトラエステル、ポリエステル並びにこれらの混合物からも選択され得る。
【0075】
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレエート、リノレネート、カプレート及びアラキドネート又はこれらの混合物、例えば特にオレオパルミテート、オレオステアレート及びパルミトステアレート混合エステルであり得る。
【0076】
より詳細には、モノエステル及びジエステル、特に、スクロース、グルコース、又はメチルグルコースのモノ-又はジオレエート、ステアレート、ベヘネート、オレオパルミテート、リノレエート、リノレネート、及びオレオステアレート、並びにこれらの混合物が使用される。
【0077】
例として、Amerchol社からGlucate(登録商標)DOという名称で販売されている製品であり、これはメチルグルコースジオレエートを挙げることができる。
【0078】
好ましい一実施形態によれば、ジアルキルカーボネート、特にジ(C1~C12)アルキルカーボネート、好ましくはジ(C4~C12)アルキルカーボネート、特にジカプリリルカーボネートなどの使用も可能である。
【0079】
脂肪エーテル
液体脂肪エーテルは、ジアルキルエーテル、特にジ(C1~C12)アルキルエーテル、好ましくはジ(C4~C12)アルキルエーテル、特にジカプリリルカーボネートなどから選択され得る。
【0080】
好ましくは、本発明に係る組成物は、液体脂肪アルコール以外の1種以上の液体脂肪性物質を含む。一実施形態によれば、液体脂肪性物質は、C6~C16アルカン、特に分枝状C8~C16アルカン、脂肪エーテル、ジアルキルカーボネート及びこれらの混合物から選択される。
【0081】
好ましい一実施形態によれば、液体脂肪性物質は、分枝状C8~C16アルカン、ジ(C1~C12)アルキルエーテル、ジ(C1~C12)アルキルカーボネート及びこれらの混合物から、より優先的には分枝状C8~C16アルカン、ジ(C1~C12)アルキルエーテル及びこれらの混合物から選択される。
【0082】
更に優先的には、液体脂肪性物質は、ジ(C1~C12)アルキルエーテル、好ましくはジ(C4~C12)アルキルエーテル、より特にジカプリリルエーテルから選択される。
【0083】
本発明に係る組成物は、好ましくは、液体脂肪アルコール以外の液体脂肪性物質を、組成物の総質量に対して、1質量%~20質量%、好ましくは2質量%~15質量%、優先的には3質量%~12質量%の範囲の総含有量で含み得る。
【0084】
本発明に係る組成物は、美容的使用とすることができる。本発明の目的のために、用語「化粧品」とは、心地よい外観、匂い及び感触の組成物を意味する。好ましくは、本組成物が、皮膚、及びケラチン繊維、より具体的には、頭皮、毛髪、及び睫毛、並びに更に良好には毛髪に局所適用するものである。
【0085】
本発明に係る組成物は、液体又は半液体の粘稠度のアルコール溶液又は水性アルコール溶液の形態であり得る。
【0086】
本発明に係る組成物が水を含む場合、本発明に係る組成物の水の含有量は、組成物の総質量に対して、有利には10質量%未満、好ましくは1質量%~8質量%、特に1質量%~5質量%の範囲である。
【0087】
好ましくは、本発明に係る組成物は無水である。
【0088】
本発明の目的のために、用語「無水」とは、水の含有量が1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満であることを意味し、更に良好には、組成物は水を含まないことを意味する。特に、本発明に係る組成物は、その調製中に添加された水を含まず、残留する水は、その調製に使用される出発物質によってもたらされている可能性がある。
【0089】
本発明に係る組成物は、C2~C6モノアルコール及び上記の液体脂肪性物質以外に、1種以上の追加の有機溶媒を更に含んでいてもよいが、それは、例えば、ポリオール、特に2~6個の炭素原子を含むもの、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、又はジエチレングリコール;並びにポリオールエーテル、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、並びにジエチレングリコールモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル;並びにこれらの混合物から選択される。
【0090】
好ましくは、本発明に係る組成物は、組成物の総質量に対して、10質量%未満、優先的には5質量%未満、より優先的には2質量%未満、更に好ましくは1質量%未満のポリオールを含む。より詳細には、組成物は、ポリオールを全く含まない。
【0091】
本発明の組成物は、非イオン性、アニオン性、両性イオン性、又はカチオン性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤、及びこれらの混合物を含み得る。
【0092】
本発明に係る組成物は、天然又は合成の増粘剤又は粘度調整剤;UVスクリーン剤、真珠光沢(pearlescent)剤、二酸化チタン、樹脂及び粘土などの充填剤、香料、ペプタイザー、ビタミン、酸性剤、アルカリ剤、着色剤、真珠光沢(nacreous)剤、不透明剤、皮膜形成ポリマー、定着ポリマー、コンディショニング剤、固体脂肪アルコール以外の固体脂肪性物質、抗酸化剤及び保存料から選択される1種以上の追加の化合物を更に含み得る。
【0093】
当業者は、本発明の組成物の特性、特に脂肪アルコールの可溶化を損なわないように、任意選択による添加化合物及びその量を慎重に選択するであろう。
【0094】
これらの添加剤は、本発明に係る組成物中において、組成物の総質量に対して0~20質量%の範囲の量で存在し得る。
【0095】
組成物が水性である場合、本発明に係る組成物のpHは、一般に2~12、好ましくは2.5~9、優先的には3~8、更に良好には4~7の範囲である。
【0096】
組成物のpHは、通常使用される塩基性化剤又は酸性化剤により、所望の値に調整できる。塩基性化剤のうちで、例として、アンモニア水溶液、アルカノールアミン、及び無機又は有機水酸化物を挙げることができる。酸性化剤の中でも、例として、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸又は乳酸、及びスルホン酸を挙げることができる。
【0097】
したがって、化粧用組成物は、ケラチン材料に適用された後、洗い流すか、又は放置することができ、例えば、任意選択の放置時間の後、例えば水で洗い流す。組成物は、好ましくは、リーブオン型組成物である。
【0098】
エアロゾル装置
本組成物を含む本発明に係るエアロゾル装置は、前記組成物を収容する容器と、前記組成物を噴霧する手段とから構成される。
【0099】
好ましくは、本発明に係るエアロゾル装置により、スプレー又はムース形態、好ましくはスプレー形態で前記組成物を噴霧することができる。
【0100】
本発明に係る用途の組成物は、エアロゾル装置、例えば噴霧手段と容器とを含む一体式装置中に加圧下で包装される。
【0101】
噴霧手段は、一般に、それ自体が本発明の組成物を噴霧するノズルを備えた吐出ヘッドによって制御される吐出バルブから構成されている。バルブは、追加のガス入口を備え得る。
【0102】
加圧された組成物を収容する容器は、不透明であっても透明であってもよい。容器は、ガラス、ポリマー材料又は金属で作製することができ、任意選択的にニス保護層でコーティングすることができる。
【0103】
本発明の別の主題は、ケラチン繊維、特に、毛髪等のヒトのケラチン繊維を整え且つ/又はコンディショニングするための方法であって、前記繊維に上に記載した組成物を適用する少なくとも1つのステップを含む、方法である。
【0104】
本発明に係る組成物を適用するこの、又はこれらのステップは、任意選択で、シャンプーを用いて前記繊維を洗浄する少なくとも1つのステップに先行してもよい。
【0105】
更に、本発明に係る組成物を適用するこの、又はこれらのステップは、任意選択で、例えば5秒~15分、特に15秒~5分の放置時間、組成物を放置するステップ;その後、例えば水による任意選択の洗い流しステップ;及び/又は乾燥ステップが続いてもよい。
【0106】
好ましくは、ケラチン繊維は、本発明に係る組成物を適用するステップの後に洗い流されない。「洗い流されない」という表現は、本発明に係る組成物を適用するステップの後、30分未満、優先的には20分間、ケラチン繊維を洗い流すステップが実行されないことを意味する。
【0107】
好ましくは、上に記載した組成物を巻き毛に使用し、カールを定着させる。
【0108】
以下の実施例は、本発明を例示する役割を果たすものであるが、本質的に限定するものではない。
【実施例】
【0109】
実施例1
本発明に係る組成物1~3を、以下の成分から調製し、その含有量を(g単位の活性物質として)下表に示す。
【0110】
【0111】
(噴射剤を含まない)組成物の加圧前、固体脂肪アルコールが本発明に係る組成物中で可溶化されていることが観察された。脂肪アルコールの結晶は観察されなかった。組成物は透明であった。この組成物は、時間の経過とともに安定した。
【0112】
脂肪アルコールとジカプリリルエーテルとをエタノール中で冷却しながら可溶化する(cold solubilization)ことにより流体を製造した。この流体をアルミニウム又はPET製ケース内で圧縮ガスにより加圧した。バルブ及びスプレー型押しボタンが追加され、製品を確実に吐出した。
【0113】
エアロゾルスプレーの形態での適用により、均一な散布を可能にした。
【0114】
本発明に係るこれらの組成物で処理された毛髪は、軽量で、手触りが滑らかで、柔らかく艶やかで、もつれておらず、良好なヘアスタイリング特性(カールの定着、縮れの制御及びボリューム)を有していたことが観察された。感触は、脂っぽくも重くもなかった。
【0115】
実施例2
本発明に係る組成物は、以下の成分から調製し、その含有量を(g単位の活性物質として)下表に示す。
【0116】
【0117】
(噴射剤を含まない)組成物の加圧前、固体脂肪アルコールが本発明に係る組成物中で可溶化されていることが観察された。脂肪アルコールの結晶は観察されなかった。組成物は透明であった。この組成物は、時間の経過とともに安定した。
【0118】
脂肪アルコールとジカプリリルエーテルとをエタノール中で冷却しながら可溶化することにより流体を製造した。この流体をアルミニウム又はPET製ケース内で圧縮ガスにより加圧した。バルブ及びスプレー型押しボタンが追加され、製品を確実に吐出した。
【0119】
エアロゾルスプレーの形態での適用により、均一な散布を可能にした。
【0120】
本発明に係るこれらの組成物で処理された毛髪は、軽量で、手触りが滑らかで、柔らかく艶やかで、もつれておらず、良好なヘアスタイリング特性(カールの定着、縮れの制御及びボリューム)を有していたことが観察された。感触は、脂っぽくも重くもなかった。
【国際調査報告】