(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】縦型電界効果トランジスタ頂部ソース・ドレイン用のラップ・アラウンド型コンタクト
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20231218BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20231218BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20231218BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H01L29/78 301S
H01L29/78 301Z
H01L29/78 301P
H01L27/092 A
H01L27/092 E
H01L27/092 F
H01L21/28 301R
H01L29/44 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536395
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021081298
(87)【国際公開番号】W WO2022128268
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、エリック
(72)【発明者】
【氏名】シアラー、ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ファン、スー チェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ヘン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
半導体構造体およびその作製方法は、半導体構造体内の第1のリセスされた領域であって、第1のリセスされた領域が、第1の正のテーパリング・プロファイルの少なくとも一部として、第1のテーパリング角で半導体構造体の頂部ソース/ドレイン領域に向かう方向に第1の開口部を広げる第1の正のテーパリング・プロファイルを有する第1の開口部を画定する、第1のリセスされた領域と、第1の開口部内の頂部ソース/ドレイン・コンタクトであって、頂部ソース/ドレイン・コンタクトが頂部ソース/ドレイン領域の表面を囲む、頂部ソース/ドレイン・コンタクトとを含む。半導体構造体は、頂部ソース/ドレイン領域の底部部分と、頂部ソース/ドレイン領域に隣接する頂部スペーサと、2つの連続する頂部ソース/ドレイン領域同士の間の誘電体材料との間の界面のところに位置する保護ライナであって、コンタクト・パターニング中に頂部ソース/ドレイン領域を保護する保護ライナをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造体に第1のリセスされた領域を形成することであり、前記第1のリセスされた領域は、第1の正のテーパリング・プロファイルの少なくとも一部として、第1のテーパリング角で前記半導体構造体の頂部ソース/ドレイン領域に向かう方向に第1の開口部を広げる前記第1の正のテーパリング・プロファイルを有する前記第1の開口部を画定する、前記第1のリセスされた領域を形成することと、
前記第1の開口部内に頂部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することであり、前記頂部ソース/ドレイン・コンタクトが前記頂部ソース/ドレイン領域の表面を囲む、前記頂部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することと
を含む、半導体構造体を形成する方法。
【請求項2】
前記頂部ソース/ドレイン領域の底部部分と、前記頂部ソース/ドレイン領域に隣接する頂部スペーサと、2つの連続する頂部ソース/ドレイン領域同士の間の第2の誘電体材料との間の界面のところで前記頂部ソース/ドレイン領域の前記底部部分と直接接触する保護ライナを形成すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の負のテーパリング・プロファイルを有する第2の開口部を含む第2のリセスされた領域を形成することであって、前記第1の負のテーパリング・プロファイルが前記半導体構造体の底部ソース/ドレイン領域に向かう方向に狭くなる第2のテーパリング角を含む、前記第2のリセスされた領域を形成することと、
前記第2のリセスされた領域内に底部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の負のテーパリング・プロファイルを有する第3の開口部を含む第3のリセスされた領域を形成することであって、前記第2の負のテーパリング・プロファイルがhigh-k金属ゲート・スタックに向かう方向に狭くなる第3のテーパリング角を含む、前記第3のリセスされた領域を形成することと、
前記第3のリセスされた領域内にゲート・コンタクトを形成することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記頂部ソース/ドレイン領域の前記底部部分と直接接触する前記保護ライナを形成することが、
前記頂部ソース/ドレイン領域の頂部部分および前記頂部ソース/ドレイン領域に隣接する前記頂部スペーサの頂部部分を露出させるために第1の層間誘電体層をリセスすることと、
前記頂部スペーサの前記露出した頂部部分を選択的に除去することと、
前記頂部ソース/ドレイン領域より上に、前記頂部ソース/ドレイン領域に直接接触する前記保護ライナをコンフォーマルに堆積させることと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の層間誘電体層をリセスすることが、高選択性ブランケット原子層エッチングを使用して実行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記保護ライナより上に犠牲材料を堆積させることと、
前記犠牲材料より上に有機平坦化層を堆積させることと、
前記有機平坦化層、前記犠牲材料、前記保護ライナおよび第1の層間誘電体層の頂部部分をリセスすることであって、前記リセスすることがコンタクト形成のため異なるテーパリング・プロファイルを有する複数のリセスを作り出す、前記リセスすることと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記保護ライナが窒化チタンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
半導体構造体であって、
第1の正のテーパリング・プロファイルを備える第1の領域であり、前記第1の正のテーパリング・プロファイルが前記半導体構造体の頂部ソース/ドレイン領域に向かう方向に広がる第1のテーパリング角を含む、前記第1の領域と、
前記第1の領域内の頂部ソース/ドレイン・コンタクトであり、前記頂部ソース/ドレイン・コンタクトが前記頂部ソース/ドレイン領域の表面を囲む、前記頂部ソース/ドレイン・コンタクトと
を具備する、半導体構造体。
【請求項10】
前記頂部ソース/ドレイン領域の底部部分と、前記頂部ソース/ドレイン領域に隣接する頂部スペーサと、2つの連続する頂部ソース/ドレイン領域同士の間に位置する第2の誘電体材料との間の界面のところで前記頂部ソース/ドレイン領域の前記底部部分と直接接触する保護ライナ
をさらに備える、請求項9に記載の半導体構造体。
【請求項11】
第1の負のテーパリング・プロファイルを備える第2の領域であって、前記第1の負のテーパリング・プロファイルが前記半導体構造体の底部ソース/ドレイン領域に向かう方向に狭くなる第2のテーパリング角を含む、前記第2の領域と、
前記第2の領域内の底部ソース/ドレイン・コンタクトと
をさらに備える、請求項9に記載の半導体構造体。
【請求項12】
第2の負のテーパリング・プロファイルを備える第3の領域であって、前記第2の負のテーパリング・プロファイルがhigh-k金属ゲート・スタックに向かう方向に狭くなる第3のテーパリング角を含む、前記第3の領域と、
前記第3の領域内のゲート・コンタクトと
をさらに備える、請求項9に記載の半導体構造体。
【請求項13】
前記保護ライナが窒化チタンを含む、請求項10に記載の半導体構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、半導体デバイスの分野に関し、詳細には、縦型電界効果トランジスタ(VFET)の頂部ソース/ドレイン領域を囲むソース/ドレイン・コンタクトを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
VFETは、5ナノメートル(nm)ノード以降へと相補型金属酸化物半導体(CMOS)をスケーリングするための可能性のあるデバイス選択肢として追求されてきている。プレーナCMOSデバイスとは対照的に、VFETは、基板から上に向かって延びる縦型フィンまたはナノワイアを用いて縦に配向する。フィンまたはナノワイアは、トランジスタのチャネル領域を形成する。ソース領域およびドレイン領域は、チャネル領域の頂部端および底部端と電気的に接触して設置され、一方でゲートは、フィンまたはナノワイア側壁のうちの1つまたは複数の上に配置される。このように、VFETでは、ソース領域とドレイン領域との間の電流の流れの方向は、基板の主表面に対して垂直である。
【0003】
現在のVFET集積スキームでは、頂部ソース/ドレイン・コンタクト(CA)オーバー・エッチが、所望のコンタクト寸法を実現するためおよび良いコンタクト・ランディングを確実にするために実行される。しかしながら、このプロセス中に、エピ領域同士の間の誘電体材料のオーバー・エッチングが生じることがあり、CA-ゲート間(CA to gate)短絡を引き起こす。
【発明の概要】
【0004】
ある実施形態によれば、半導体構造体を形成する方法は、半導体構造体に第1のリセスされた領域を形成することであって、第1のリセスされた領域が、第1の正のテーパリング・プロファイルの少なくとも一部として、第1のテーパリング角で半導体構造体の頂部ソース/ドレイン領域に向かう方向に第1の開口部を広げる第1の正のテーパリング・プロファイルを有する第1の開口部を画定する、第1のリセスされた領域を形成することと、第1の開口部内に頂部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することであって、頂部ソース/ドレイン・コンタクトが頂部ソース/ドレイン領域の表面を囲む、頂部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することとを含む。
【0005】
もう1つの実施形態によれば、半導体構造体を形成する方法は、基板より上に位置する底部ソース/ドレイン領域から縦に延びるチャネル・フィンの上面と接触する頂部ソース/ドレイン領域を形成することであって、頂部スペーサがチャネル・フィンの周りに位置するhigh-k金属ゲート・スタックから頂部ソース/ドレイン領域を分離し、チャネル・フィンおよび頂部スペーサが底部ソース/ドレイン領域より直ぐ上に位置した隣接する第1の層間誘電体層と接触する、頂部ソース/ドレイン領域を形成することと、頂部ソース/ドレイン領域の頂部部分および頂部ソース/ドレイン領域に隣接する頂部スペーサの頂部部分を露出させるために第1の層間誘電体層をリセスすることと、頂部ソース/ドレイン領域の底部部分を露出させるために頂部スペーサの露出した頂部部分を選択的に除去することと、頂部ソース/ドレイン領域より上に、頂部ソース/ドレイン領域に直接接触する保護ライナをコンフォーマルに堆積させることとを含む。
【0006】
さらにもう1つの実施形態によれば、半導体構造体は、第1の正のテーパリング・プロファイルを含む第1の領域であって、第1の正のテーパリング・プロファイルが半導体構造体の頂部ソース/ドレイン領域に向かう方向に広がる第1のテーパリング角を含む、第1の領域と、第1の領域内の頂部ソース/ドレイン・コンタクトであって、頂部ソース/ドレイン・コンタクトが頂部ソース/ドレイン領域の表面を囲む、頂部ソース/ドレイン・コンタクトとを含む。
【0007】
例として与えられそして単独では発明を限定するものではない下記の詳細な説明は、添付の図面とともに最も良く認識されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明のある実施形態による、半導体製造プロセス中の中間ステップにおける半導体構造体の断面図である。
【
図1B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図2A】本発明のある実施形態による、頂部ソース/ドレイン領域を形成した後の半導体構造体の断面図である。
【
図2B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図3A】本発明のある実施形態による、第1の層間誘電体層をリセスした後の半導体構造体の断面図である。
【
図3B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図4A】本発明のある実施形態による、頂部スペーサの露出した部分を選択的に除去することを示す半導体構造体の断面図である。
【
図4B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図5A】本発明のある実施形態による、保護ライナを堆積させた後の半導体構造体の断面図である。
【
図5B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図6A】本発明のある実施形態による、犠牲材料を堆積させることを示す半導体構造体の断面図である。
【
図6B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図7A】本発明のある実施形態による、有機平坦化層の堆積およびコンタクト・パターニングの後の半導体構造体の断面図である。
【
図7B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図8A】本発明のある実施形態による、第2の層間誘電体層を堆積させ有機平坦化層を除去した後の半導体構造体の断面図である。
【
図8B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図9A】本発明のある実施形態による、犠牲材料を除去した後の半導体構造体の断面図である。
【
図9B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【
図10A】本発明のある実施形態による、ミドル・オブ・ライン・コンタクト・メタライゼーションの後の半導体構造体の断面図である。
【
図10B】Y平面に沿って取った半導体構造体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、必ずしも等尺である必要はない。図面は、単に模式的な表現に過ぎず、発明の具体的なパラメータを示すものではない。図面は、発明の典型的な実施形態だけを示すものである。図面では、類似の番号は類似の要素を表す。
【0010】
権利を主張する構造体および方法の詳細な実施形態が、本明細書において開示される、しかしながら、開示される実施形態は、様々な形態で具体化することができる上記の権利を主張する構造体および方法の単に例示に過ぎないことを理解されたい。この発明は、しかしながら、多くの異なる形態で具体化されてもよく、そして本明細書において記述する例示的な実施形態に限定されるようには考えるべきではない。明細書では、良く知られた特徴および技術の詳細が、提示した実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために省略されることがある。
【0011】
以降の説明の目的のために、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」などの用語、およびこれらの派生語は、示された図で向けられたように、開示した構造体および方法に関係するはずである。「より上に(above)」、「重なって(overlying)」、「頂上に(atop)」、「上に(on top)」、「上に位置して(positioned on)」または「頂上に位置して(positioned atop)」などの用語は、第1の構造体などの第1の要素が第2の構造体などの第2の要素の上に存在することを意味し、ここでは界面構造体などの介在する要素が第1の要素と第2の要素との間に存在してもよい。「直接接触」という用語は、第1の構造体などの第1の要素と第2の構造体などの第2の要素とが、2つの要素の界面のところに何らかの中間の導電性層、絶縁性層または半導体層なしに接続されることを意味する。
【0012】
本発明の実施形態の表現を不明瞭にしないために、下記の詳細な説明では、この技術分野では知られているいくつかの処理ステップまたは作業が、表現のためおよび例示目的のために一緒に統合されることがあり、そしていくつかの事例では、詳細には説明されないことがある。他の事例では、この技術分野では知られているいくつかの処理ステップまたは作業が、全く説明されないことがある。下記の説明は、本発明の様々な実施形態の特色のある特徴または要素にむしろ焦点を当てることを理解されたい。
【0013】
VFETなどのいくつかの非プレーナ・トランジスタ・デバイス・アーキテクチャは、能動領域の外で接触してもよい半導体フィンおよびサイド・ゲートを利用し、横型デバイスよりも大きなデバイス密度をもたらす。VFETでは、ソースからドレインへの電流は、基板の主表面に垂直な方向に流れる。例えば、知られているVFET構成では、主基板表面は水平であり、そして縦型フィンが基板表面から上に向かって延びる。フィンは、トランジスタのチャネル領域を形成する。ソース/ドレイン領域がチャネル領域の頂部端および底部端(すなわち、頂部ソース/ドレイン領域および底部ソース/ドレイン領域)と電気的に接触して置かれ、一方でゲートが複数のフィン側壁のうちの1つまたは複数に配置される。コンタクト・パターニング・プロセスは、頂部ソース/ドレイン領域(CAコンタクト)、底部ソース/ドレイン領域(CRコンタクト)、およびゲート(CBコンタクト)への金属コンタクトを形成するように行われる。
【0014】
現在のVFET集積スキームでは、CAオーバー・エッチが、所望のコンタクト寸法を実現するためおよび良いコンタクト・ランディングを確実にするために実行される。しかしながら、このプロセス中に、エピ領域同士の間の誘電体材料のオーバー・エッチングが生じることがあり、CA-ゲート間短絡を引き起こす。CAエッチングは、誘電体材料を、特に弱い点が誘電体材料に存在するときには容易にパンチ・スルーすることがある。CAオーバー・エッチングが実行されない場合、コンタクト・サイズは小さ過ぎる。CAコンタクト・サイズの縮小に対する可能性のある解決策は、(1)頂部エピ領域のサイズの増大、または(2)頂部エピ領域の表面を覆うようにCAコンタクトの増大あるいはその両方を含んでもよい。(1)および(2)の両方ともデバイス短絡を引き起こすことがある。
【0015】
それゆえに、本発明の実施形態は、頂部ソース/ドレイン領域の底部部分と、頂部ソース/ドレイン領域に隣接する頂部スペーサと、2つの連続する頂部ソース/ドレイン領域同士の間の誘電体材料との間の界面のところに位置する保護ライナを用いて頂部ソース/ドレイン領域の表面を囲む頂部ソース/ドレイン・コンタクトを有するVFETデバイスを形成するための方法および関連する構造体を提供する。保護ライナを形成することによって、隣接する頂部ソース/ドレイン領域同士の間に位置する誘電体材料のオーバー・エッチングが、コンタクト・パターニング中に頂部ソース/ドレインを露出させず、したがって、コンタクト短絡を防止しそしてデバイス信頼性を向上させる。ラップ・アラウンド型頂部コンタクトおよび保護ライナを有するVFETデバイスを形成できる実施形態が、
図1A~
図10Bの添付の図面を参照することによって下記に詳細に説明される。
【0016】
ここで
図1Aを参照して、本発明のある実施形態による、半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図1Bは、Y軸に沿って、具体的にチャネル・フィン112に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0017】
知られている半導体製作作業が、半導体構造体100を形成するために使用されてきている。製造プロセスのこのステップにおいて、半導体構造体100は、基板102の上方に形成された底部S/D領域106と、底部S/D領域106の上方に形成されたチャネル・フィン112と、チャネル・フィン112の対向した端部に形成された底部スペーサ118と、チャネル・フィン112の(隣接する)対向した端部で底部スペーサ118より上に配置されたhigh-k金属ゲート・スタック120と、第1の層間誘電体(ILD)層124と、high-k金属ゲート・スタック120の上方でチャネル・フィン112の(隣接する)対向した端部上の頂部スペーサ126と、図に示されたように構成されそして配置されたシャロー・トレンチ・アイソレーション領域(STI)108とを含む。
【0018】
半導体構造体100を形成する様々な要素が、第1の軸(例えば、X軸)に沿って延びて幅寸法を規定し、そしてX軸に垂直な第2の軸(例えば、Y軸)に沿って延びて高さ(または厚さ)寸法を規定する。
図1A~
図1Bに示した断面図では具体的には描かれていないけれども、半導体構造体100を形成する様々な要素もまた、第1の軸および第2の軸に垂直な第3の軸(例えば、Z軸)に沿って延びて深さ寸法を規定する。標準VFETアーキテクチャによれば、半導体構造体100の様々な要素(例えば、底部スペーサ118、high-k金属ゲート・スタック120、等)は、X、Y、およびZ方向にチャネル・フィン112の側壁の周りの全範囲に広がる。
【0019】
図1A~
図1Bを参照し続けて、基板102を、例えば、単結晶Si、SiGe、SiC、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体、または半導体オン・インシュレータ(SOI)などの任意の適した基板材料とすることができる。いくつかの実施形態では、基板102は、埋め込み酸化物層(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、底部S/D領域106を、チャネル・フィン112の前に形成できる。いくつかの実施形態では、底部S/D領域106は、チャネル・フィン112の形成の後でエピタキシャル成長され、そして底部S/D領域106を形成するために必要なドーピングが、エピタキシャル成長プロセス中にその場ドーピングを介して、または底部S/D領域106が形成された後でイオン注入を介して行われる。底部S/D領域106を、限定しないが、イオン注入、ガス相ドーピング、プラズマ・ドーピング、プラズマ浸漬イオン注入、クラスタ・ドーピング、インフュージョン・ドーピング、液相ドーピング、固相ドーピング、その場エピタキシ成長、またはこれらの技術のいずれかの好適な組み合わせを含めいずれかの好適なドーピング技術により形成できる。
【0020】
エピタキシャル材料を、ガス状前駆体または液体前駆体から形成できる。エピタキシャル材料を、気相エピタキシ(VPE)、分子線エピタキシ(MBE)、液相エピタキシ(LPE)、または他の適したプロセスを使用して成長させることができる。エピタキシャル・シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム、または炭素ドープ・シリコン(Si:C)あるいはこれらの組み合わせを、トランジスタのタイプに応じて、ドーパント、n型ドーパント(例えば、リンもしくはヒ素)またはp型ドーパント(ホウ素もしくはガリウム)を添加することによって堆積中にドープする(その場ドープする)ことができる。底部S/D領域106内のドーパント濃度を、1×1019cm-3から2×1021cm-3まで、または好ましくは2×1020cm-3と2×1021cm-3との間の範囲とすることができる。
【0021】
「エピタキシャル成長または堆積あるいはその両方」ならびに「エピタキシャルで形成したまたは成長したあるいはその両方が行われた」という用語は、ある半導体材料(結晶性材料)のもう1つの半導体材料(結晶性材料)の堆積表面上の成長を意味し、もう1つの半導体材料では、成長する半導体材料(結晶性オーバーレイヤ)が堆積表面の半導体材料(シード材料)と実質的に同じ結晶特性を有する。エピタキシャル堆積プロセスでは、ソース・ガスによって供給される化学反応物質が制御され、そしてシステム・パラメータは、堆積する原子が表面上を動き回るように十分なエネルギーで半導体基板の堆積表面のところに到達しその結果堆積する原子が堆積表面の原子の結晶配列に自己配向するように設定される。それゆえに、エピタキシャル成長した半導体材料は、エピタキシャル成長する材料が形成される堆積表面と実質的に同じ結晶特性を有する。例えば、{100}配向した結晶表面に堆積するエピタキシャル成長した半導体材料は、{100}方位を引き継ぐ。いくつかの実施形態では、エピタキシャル成長または堆積あるいはその両方のプロセスは、半導体表面上に形成することが選択的であり、一般に二酸化シリコンまたは窒化シリコン表面などの露出した表面には材料を堆積させない。
【0022】
いくつかの実施形態では、エピタキシャル半導体材料の堆積用のガス・ソースは、シリコン含有ガス・ソース、ゲルマニウム含有ガス・ソース、またはこれらの組み合わせを含む。例えば、エピタキシャル・シリコン(Si)層を、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、エチルシラン、メチルジシラン、ジメチルジシラン、ヘキサメチルジシランおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されるシリコン・ガス・ソースから堆積できる。エピタキシャル・ゲルマニウム層を、ゲルマン、ジゲルマン、ハロゲルマン、ジクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、テトラクロロゲルマンおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されるゲルマニウム・ガス・ソースから堆積できる。一方で、エピタキシャル・シリコン・ゲルマニウム合金層を、このようなガス・ソースの組み合わせを利用して形成できる。水素、窒素、ヘリウムおよびアルゴンのようなキャリア・ガスを使用できる。
【0023】
図に示すように、基板102は、STI領域108をさらに含む。STI領域108などのシャロー・トレンチ・アイソレーション領域は、基板102内の能動領域を分離するためおよび隣接する構成要素同士の間の電流漏れを防止するために半導体技術ではしばしば使用される。STI領域108を形成するプロセスは、本技術分野では良く知られており、一般に、本技術分野では知られているいずれかの堆積方法を使用して絶縁体材料で後に埋められるリセスを作り出すために基板102をエッチングすることを含む。いくつかの実施形態では、STI領域108を、限定しないが、窒化シリコン、シリコン酸化物、シリコン・オキシナイトライドおよびフッ素ドープのケイ酸塩ガラスを含め、いずれかのlow―k誘電体材料から構成できる。
【0024】
底部スペーサ118が、ドープしたS/D領域106から隣接するチャネル・フィン112の底部部分にかけて形成される。底部スペーサ118は、例えば、SiN、SiC、SiOC、SiCN、BN、SiBN、SiBCN、SiOCN、SiOxNy、およびこれらの組み合わせなどの誘電体材料を含むことができる。誘電体材料は、約7未満、約5未満、またはそれどころか約2.5未満の誘電率を有するlow―k材料であってもよい。底部スペーサ118を、例えば、化学気相堆積(CVD)、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、物理気相堆積(PVD)、化学溶液堆積、および反応性イオン・エッチ(RIE)、ウェット・エッチ、または等方性気相ドライ・エッチを含むエッチング・プロセスなどの、知られている堆積プロセスとエッチング・プロセスとの組み合わせを使用して形成できる。
【0025】
図に示されるように、high-k金属ゲート・スタック120が、チャネル・フィン112と直接接触して形成される。図解の容易さのために、high-k金属ゲート・スタック120は単に一層として描かれる。しかしながら、当業者には知られているように、high-k金属ゲート・スタック120は、底部スペーサ118の上方でチャネル・フィン112の一部分に隣接して配置されたゲート誘電体およびゲート導電体/金属(例えば、仕事関数金属(WFM))を含むことができる。いくつかの実施形態では、high-k金属ゲート・スタック120は、ALDにより堆積する。
【0026】
ゲート誘電体(図示せず)を、1つまたは複数のゲート誘電体膜から形成できる。ゲート誘電体膜を、例えば、3.9、7.0、または10.0より大きい誘電率を有する誘電体材料とすることができる。high-k誘電体膜用の適した材料の非限定的な例は、酸化物類、窒化物類、オキシナイトライド類、ケイ酸塩類(例えば、金属ケイ酸塩類)、アルミン酸塩類、チタン酸塩類、窒化物類、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。7.0よりも大きい誘電率を有するhigh-k材料の例は、限定しないが、酸化ハフニウム、酸化ハフニウム・シリコン、ハフニウム・シリコン・オキシナイトライド、酸化ランタン、酸化ランタン・アルミニウム、酸化ジルコン、酸化ジルコン・シリコン、ジルコン・シリコン・オキシナイトライド、酸化タンタル、酸化バリウム・ストロンチウム・チタン、酸化バリウム・チタン、酸化ストロンチウム・チタン、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化鉛スカンジウム・タンタル、およびニオブ酸鉛亜鉛などの金属酸化物を含む。ゲート誘電体膜はさらに、例えば、ランタンおよびアルミニウム、などのドーパントを含むことができる。ゲート誘電体膜を、好適な堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、ALD、PVD、化学溶液堆積、または他の同様なプロセスによって形成できる。ゲート誘電体膜の厚さを、堆積プロセスならびに使用されるhigh-k誘電体材料の組成および数に応じて変えることができる。
【0027】
high-k金属ゲート・スタック120内のゲート導電体(図示せず)は、ドープした多結晶もしくは非晶質シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、金属(例えば、タングステン、チタン、タンタル、ルテニウム、ジルコン、コバルト、銅、アルミニウム、鉛、白金、スズ、銀、金)、導電性金属化合物材料(例えば、窒化タンタル、窒化チタン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化チタン・アルミニウム、タングステン・シリサイド、窒化タングステン、酸化ルテニウム、コバルト・シリサイド、ニッケル・シリサイド)、カーボン・ナノチューブ、導電性炭素、グラフェン、またはこれらの材料のいずれかの好適な組み合わせを含むことができる。導電性材料は、堆積中または堆積後に取り込まれるドーパントをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート導電体を、適した堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、PVD、メッキ、熱蒸着または電子線蒸着、およびスパッタリングによってゲート誘電体膜の上方に堆積したWFMとすることができる。WFMのタイプは、トランジスタのタイプに依存し、そしてnFETデバイスとpFETデバイスとの間で異なることがある。P型WFMは、窒化チタン(TiN)、ルテニウム、パラジウム、白金、コバルト、ニッケル、および導電性金属酸化物、またはこれらのいずれかの組み合わせのなどの組成物を含む。N型WFMは、炭化チタン(TiC)、炭化チタン・アルミニウム(TiAlC)、ハフニウム、ジルコン、チタン、タンタル、アルミニウム、金属炭化物(例えば、炭化ハフニウム、炭化ジルコン、炭化チタン、および炭化チタン)、アルミナイド、またはこれらのいずれかの組み合わせのなどの組成物を含む。ゲート導電体はさらに、ゲート導電体のWFM層の上方にタングステン(W)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、またはニッケル(Ni)材料をさらに含むことができる。ゲート導電体を、好適な堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、PVD、メッキ、熱蒸着または電子線蒸着、およびスパッタリングによって堆積できる。
【0028】
この実施形態では、high-k金属ゲート・スタック120は、半導体構造体100上にコンフォーマルに堆積する。high-k金属ゲート・スタック120の堆積の後で、パターニング・プロセスが、不必要なhigh-k金属ゲート・スタック120をエッチングするために半導体構造体100上に行われる。
【0029】
第1のILD層124が、半導体構造体100内のゲート構造体と他の既存のデバイスとの間のボイドを埋めるために形成される。第1のILD層124を、例えば、誘電体材料のCVDによって形成できる。第1のILD層124を形成するための誘電体材料の非限定的な例は、酸化シリコン、窒化シリコン、水素化シリコン炭素酸化物(hydrogenated silicon carbon oxide)、シリコン系low-k誘電体類、流動性酸化物類、多孔質誘電体類、または多孔質有機誘電体類を含め有機誘電体類を含むことができる。
【0030】
典型的には、第1のILD層124の堆積の後で、化学機械研磨(CMP)プロセスが、チャネル・フィン112の上面を露出させるために半導体構造体100に行われる。
【0031】
図1A~
図1Bを参照し続けて、いくつかの実施形態では、フィン・ハードマスク(図示せず)を除去した後で、high-k金属ゲート・スタック120を、図に示したように、チャネル・フィン112の上面より下にリセスできる。その後で、頂部スペーサ126を、high-k金属ゲート・スタック120より上に、high-k金属ゲート・スタック120に直接接触してコンフォーマルに堆積できる。そのような実施形態では、頂部スペーサ126を、例えば、CVD、PECVD、高周波CVD(RFCVD)、PVD、ALD、分子層堆積(MLD)、分子線堆積(MBD)、パルス・レーザ堆積(PLD)、液体ソース・ミスト化学堆積(liquid source misted chemical deposition)(LSMCD)、スパッタリング、またはメッキあるいはこれらの組み合わせを使用して堆積できる。頂部スペーサ126を形成する材料の非限定的な例は、窒化シリコン(SiN)、窒化シリコン・ボロン(SiBN)、シリコンボロンカーボナイトライド(siliconboroncarbonitride)(SiBCN)、またはシリコン・オキシカーボナイトライド(silicon oxycarbonitride)(SiOCN)を含むことができる。第1のILD層124の堆積の前に、図に示すように、いずれかの好適なエッチング技術(例えば、RIE)を、チャネル・フィン112の上面から頂部スペーサ126を除去するために使用できる。
【0032】
底部スペーサ118および頂部スペーサ126がチャネル・フィン112の隣接した対向する側に描かれているけれども、底部スペーサ118および頂部スペーサ126は、チャネル・フィン112の全体の表面を囲むことに留意されたい。底部スペーサ118および頂部スペーサ126は、半導体構造体100内のp-n接合の位置を決定できる。
【0033】
ここで
図2Aを参照して、本発明のある実施形態による、頂部S/D領域202を形成した後の半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図2Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0034】
製造プロセスのこの時点で、頂部S/D領域202を、底部S/D領域106に関して上に説明したステップと同様なステップにしたがってチャネル・フィン112の露出した部分から外れて形成できる。当業者には知られている場合があるように、頂部S/D領域202に観察されるダイアモンド形状は、頂部S/D領域202を形成する材料の各々の結晶学的方位面に固有のエピタキシャル堆積プロセス中の異なる成長速度の結果である。他の実施形態では、頂部S/D領域202は、
図2Aに示すダイアモンド形状以外の形状を有することがある。頂部S/D領域202およびチャネル・フィン112への言及が単数形で行われているけれども、2つ以上の頂部S/D領域202および2つ以上のチャネル・フィン112が、図に示されるように半導体構造体100に存在できることに留意されたい。
【0035】
ここで
図3Aを参照して、本発明のある実施形態による、第1のILD層124をリセスした後の半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図3Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0036】
図に示したように、第1のILD層124をリセスすることは、頂部S/D領域202の頂部部分および頂部S/D領域202に隣接する頂部スペーサ126の頂部部分を露出させる。ある実施形態によれば、第1のILD層124をリセスすることは、第1のILD層124を形成する誘電体材料にブランケット原子層エッチング(ALE)を行うことによって実現される。ALEエッチングは、ドーズ・ガスおよびイオン・エネルギーをマスク層または下地材料のエッチングを最小にするように調整できるので、高い選択性を提供できる。
【0037】
現在のVFET集積スキームで良いコンタクト・ランディングを確実にするために、頂部エピタキシャル領域(すなわち、頂部S/D領域202)同士の間に位置するILD(すなわち、第1のILD層124)のオーバー・エッチが、典型的なRIEプロセス中に生じることがあり、これがCA-ゲート間短絡を容易にすることに留意されたい。これは、特に、弱い点が誘電体材料に存在し得るケースでは真実である。このように、旧来のRIEの代わりにブランクALEエッチングを使用することによって、エッチング深さの精密な制御を実現できて、第1のILD層124のオーバー・エッチングを回避し、そしてCA-ゲート間短絡を防止できる。ある実施形態では、BHFもしくはDHFを使用する選択性ウェット・エッチまたは選択性ドライ・エッチなどのいずれかの選択性ILDエッチ・プロセスを、囲んでいる材料に対してILDをリセスするために使用できることにもまた留意されたい。
【0038】
ここで
図4Aを参照して、本発明のある実施形態による、頂部スペーサ126の露出した部分を選択的に除去することを示す半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図4Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0039】
第1のILD層124をリセスした後で、頂部スペーサ126の複数の部分が
図3A~
図3Bに認められるように露出される。この実施形態では、頂部スペーサ126の露出した部分が、いずれかの好適なエッチング技術を使用して選択的に除去される。例示的な実施形態では、熱リン酸などの選択性ウェット・エッチ・プロセスまたは選択性ドライ・エッチ・プロセスを、頂部スペーサを除去するために使用できる。
【0040】
ここで
図5Aを参照して、本発明のある実施形態による、(犠牲)保護ライナ502を堆積させた後の半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図5Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0041】
ある実施形態によれば、保護ライナ502は、チタン(Ti)、チタン酸化物(TiOx)、または窒化チタン(TiN)あるいはこれらの組み合わせを含む。保護ライナ502は、下記に詳細に説明されるように、コンタクト・パターニング・プロセス中に頂部S/D領域202を保護する。保護ライナ502は、図に示されるように、頂部S/D領域202、第1のILD層124、および頂部スペーサ126より上に、頂部スペーサ126に直接接触して半導体構造体100上にコンフォーマルに堆積する。保護ライナ502を、例えば、ALDなどのいずれかの好適な堆積技術によって形成できる。ある実施形態によれば、保護ライナ502の厚さは、ほぼ5nmからほぼ20nmまで変わることがある。
【0042】
ここで
図6Aを参照して、本発明のある実施形態による、犠牲材料610を堆積させることを示す半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図6Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0043】
犠牲材料610が、コンタクト・プレースホルダ(placeholder)を定めるために半導体構造体100に形成される。ある実施形態では、犠牲材料610は、非晶質シリコン(a-Si)層を含む。他の実施形態では、犠牲材料610は、SiGe、TiOx、AlOx、室温酸化物、等などの材料を含むことができる。犠牲材料610を、PECVDなどの標準堆積プロセスを使用して堆積できる。犠牲材料610の厚さは、ほぼ20nmからほぼ100nmまで変化することがある。
【0044】
ここで
図7Aを参照して、本発明のある実施形態による、有機平坦化層(OPL)720の堆積およびコンタクト・パターニングを示す半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図7Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0045】
OPL720が、犠牲材料610の直ぐ上に形成される。OPLを、引き続くエッチング・プロセス中に下にある層の損傷を効果的に防止することができる任意の有機平坦化材料から作ることができる。ある実施形態によれば、OPL720は、コンタクト・パターニング・プロセス中の優れた深さ制御性を可能にする。OPL720は、必ずしも限定される必要はないが、C、H、およびNを含む有機ポリマを含むことができる。ある実施形態によれば、OPL材料は、シリコン(Si)がなくてもよい。もう1つの実施形態によれば、OPL材料は、Siおよびフッ素(F)がなくてもよい。本明細書において規定されるように、材料は、材料中の原子状元素のレベルがこの技術分野において利用可能な分析方法を用いて検出可能な微量レベルまたはそれより低いときには原子状元素がない。OPL720を形成するOPL材料の非限定的な例は、JSR HM8006、JSR HM8014、AZ UM10M2、Shin Etsu ODL102、または他の類似の市販されている材料を含むことができる。OPL720を、例えば、スピン・コーティングに続くCMPなどの平坦化プロセスによって堆積できる。
【0046】
図7A~
図7Bを参照し続けて、リソグラフィ・プロセスに続いてエッチング・プロセスが、図に示したように、OPL720、犠牲材料610、保護ライナ502および第1のILD層124の頂部部分をエッチングするために半導体構造体100上に行われる。いくつかの実施形態では、OPL720、犠牲材料610、保護ライナ502および第1のILD層124をエッチングすることは、2ステップのプロセスをともなう。例えば、トレース・ポイント(trace point)検出を含むOPL RIEが、保護ライナ502の頂部部分までOPL720をエッチングするために行われる。次いで、プロセスは、第1のILD層124中へとほぼ5nmからほぼ30nmの深さに達するまで保護ライナ502および第1のILD層124をリセスすることを可能にする時間エッチ技術を用いて続く。言い換えると、保護ライナ502および第1のILD層124のエッチングは、図に示されるように、保護層502がウェハ上のどこの場所の第1のリセス(またはトレンチ)730の底面のところに存在しなくなるまで行われる。観察できるように、半導体構造体100に形成された第1のリセス730は、下記に詳細に説明されるように、ソース/ドレイン・コンタクトおよびゲート・コンタクトの引き続く形成のためテーパを付けた角度部を含む。
【0047】
保護層502、頂部S/D領域202、および第1のILD層124を貫いてエッチングすることによって、隣接するデバイス同士の間またはデバイス内の頂部コンタクトと底部コンタクトとの間の頂部ソース/ドレイン領域を、実効的に分離でき、したがってコンタクト短絡を回避できることに留意されたい。
【0048】
ここで
図8Aを参照して、本発明のある実施形態による、第2のILD層802を堆積させることおよびOPL720を除去することを示す半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図8Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0049】
OPL720を除去するために適した例示的な技術は、限定しないが、酸素プラズマ、窒素プラズマ、水素プラズマまたは他のカーボン・ストリップ(carbon strip)またはアッシング・プロセスを含むことができ、下にある層に最小の損傷しか生じさせないまたは損傷を生じさせない。
【0050】
第2のILD層802は、第1のリセス730(
図7A~
図7B)を実質的に埋めるように半導体構造体100上に堆積する。第2のILD層802を、第1のILD層124と類似の材料から作ることができそして同様の方法で形成できる。いくつかの実施形態では、平坦化プロセスを、第2のILD層802の堆積の後で半導体構造体100に行うことができる。
【0051】
ここで
図9Aを参照して、本発明のある実施形態による、犠牲材料610を除去した後の半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図9Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0052】
標準エッチング技術を、犠牲材料610を除去するために実施できる。例えば、ある実施形態では、犠牲材料610を、熱アンモニア・ウェット・エッチにより除去できる。犠牲材料610除去の後で、すべての露出した保護ライナ502もまた、例えば、ウェットSC1により除去できる。半導体構造体100からの犠牲材料610および露出した保護ライナ502の除去が、下記に詳細に説明するように、頂部ソース/ドレイン・コンタクトを形成するための第2のリセス930を作り出す。
【0053】
ここで
図10Aを参照して、本発明のある実施形態による、ミドル・オブ・ライン(MOL)コンタクト・メタライゼーションの後の半導体構造体100の断面図が示される。この実施形態では、
図10Bは、Y軸に沿って取った半導体構造体100の側面図である。
【0054】
図に示されるように、頂部ソース/ドレイン・コンタクト1012(すなわち、CAコンタクト)は、頂部S/D領域202まで貫通して延び、一方で底部ソース/ドレイン・コンタクト1014(すなわち、CRコンタクト)は、底部S/D領域106まで貫通して延びる。金属コンタクトを形成するプロセスは、標準でありこの技術分野では良く知られている。典型的には、プロセスは、底部S/D(CR)トレンチおよびゲート・コンタクト・トレンチ(CB)をパターニングすること、続いて導電性材料または複数の導電性材料の組み合わせを用いて第2のILD層802または第1のILD層124あるいはその両方などの誘電体層に形成されたトレンチ(すなわち、
図9A~
図9Bの第2のリセス930)を埋めて、頂部ソース/ドレイン・コンタクト1012、底部ソース/ドレイン・コンタクト1014およびゲート・コンタクト1016を形成することを含む。頂部ソース/ドレイン・コンタクト1012、底部ソース/ドレイン・コンタクト1014、およびゲート・コンタクト1016を埋める導電性材料は、導電性金属、例えば、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、接着金属ライナ(図示せず)を、TiN、TaN、等などの導電性金属深部の前に使用できることに留意されたい。導電性材料を、好適な堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、PVD、メッキ、熱蒸着もしくは電子線蒸着、またはスパッタリングによって堆積できる。CMPなどの平坦化プロセスが、半導体構造体100の表面からすべての導電性材料を除去するために一般に実行される。
【0055】
図10Bで認識できるように、ある実施形態によれば、頂部S/Dコンタクト1012は、正のテーパリング・プロファイルを有し(すなわち、頂部クリティカル・ディメンション(CD)が底部CDよりも小さい)、一方で底部S/Dコンタクト1014およびゲート・コンタクト1016は、負のテーパリング・プロファイルを有する(頂部CDが底部CDより大きい)。当業者には知られているように、テーパリングは、一方の端部に向かう緩やかなシンニングまたはナローイングを含む。頂部S/D領域202に向かう方向に正のテーパリング角を有する頂部S/Dコンタクト1012のケースでは、シンニングが(エピタキシャル)頂部S/D領域202とは反対方向に生じ、一方でワイドニングが、頂部S/D領域202に向かう方向に生じる。負のテーパリング角を有する底部S/Dコンタクト1014およびゲート・コンタクト1016のケースでは、シンニングが、それぞれ、(エピタキシャル)底部S/D領域106およびhigh-k金属ゲート・スタック120に向かって生じる。異なるコンタクト・テーパリング・プロファイルは、同じ場所で起きる非常に小さな分離を避けることに役立つことがある(例えば、すべてのコンタクトが負のテーパである場合、頂部CDが最も大きく、頂部S/Dのところでコンタクト短絡が起きるリスクを大きくする)。
【0056】
ある実施形態によれば、頂部S/Dコンタクト1012は、頂部S/D領域202の周りを取り巻いて形成される。言い換えると、上記のステップは、頂部S/Dコンタクト1012を形成する導電性材料が(S/Dエピ表面の側壁および底部領域を含め)頂部S/D領域202の大きな表面を囲むまたは取り囲むことを可能にする。
【0057】
保護ライナ502の一部分が頂部S/D領域202の底部部分と直接接触して残ることに留意されたい。具体的に、保護ライナ502は、頂部S/D領域202の底部部分と、頂部S/D領域202に隣接する頂部スペーサ126の上面と、2つの連続する頂部S/D領域202同士の間に位置する第2のILD層802の部分との間の界面のところに残る。
図10Bに認められるように、保護ライナ502の残っている部分は、頂部S/D領域202の対向する底部側面(環状の領域によって示される)に配置され、隣接する頂部S/D領域202同士の間の第1のILD層124のこのオーバー・エッチングを行うことによって、頂部S/D領域202を露出させず、したがってコンタクト短絡を回避し、そしてデバイス信頼性を向上させる。
【0058】
本発明の様々な実施形態の説明が、例証の目的で提示されてきているが、網羅的ではないし開示した実施形態に限定するものでもない。多くの修正形態および変形形態が、説明した実施形態の範囲から逸脱せずに当業者には明らかだろう。本明細書において使用した専門用語は、実施形態の原理、実際的な用途もしくは市場において見出される技術に対する技術的な改善を最も良く説明するように、または他の当業者が本明細書において開示した実施形態を理解できるように選ばれた。
【0059】
本発明の好ましい実施形態では、半導体構造体を形成する方法がここで提供され、方法は、基板より上に位置する底部ソース/ドレイン領域から縦に延びるチャネル・フィンの上面と接触する頂部ソース/ドレイン領域を形成することであって、頂部スペーサがチャネル・フィンの周りに位置するhigh-k金属ゲート・スタックから頂部ソース/ドレイン領域を分離し、チャネル・フィンおよび頂部スペーサが底部ソース/ドレイン領域の直ぐ上に位置した隣接する第1の層間誘電体層と接触する、頂部ソース/ドレイン領域を形成することと、頂部ソース/ドレイン領域の頂部部分および頂部ソース/ドレイン領域に隣接する頂部スペーサの頂部部分を露出させるために第1の層間誘電体層をリセスすることと、頂部ソース/ドレイン領域の底部部分を露出させるために頂部スペーサの露出した頂部部分を選択的に除去することと、頂部ソース/ドレイン領域より上に、頂部ソース/ドレイン領域に直接接触する保護ライナをコンフォーマルに堆積させることとを含む。好ましくは、方法は、保護ライナより上に犠牲材料を堆積させることと、犠牲材料より上に有機平坦化層を堆積させることと、有機平坦化層、犠牲材料、保護ライナおよび第1の層間誘電体層の頂部部分をリセスすることとをさらに含む。保護ライナの一部分が、頂部ソース/ドレイン領域の底部部分と、頂部ソース/ドレイン領域に隣接する頂部スペーサと、2つの連続する頂部ソース/ドレイン領域同士の間の第2の誘電体材料との間の界面のところに好ましくは残る。リセスすることは、頂部ソース/ドレイン領域に向かう方向に広がる正のテーパリング角を有する第1のリセスと、high-k金属ゲート・スタックに向かう方向および底部ソース/ドレイン領域に向かう方向に狭くなる負のテーパリング角を有する第2のリセスとを作り出す。方法は、正のテーパリング角を有する第1のリセス内に頂部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することであって、頂部ソース/ドレイン・コンタクトが頂部ソース/ドレイン領域の表面を囲む、頂部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することを好ましくはさらに含む。方法は、底部ソース/ドレイン領域に向かう方向に狭くなる複数の第2のリセスのうちの少なくとも1つに底部ソース/ドレイン・コンタクトを形成することを好ましくはさらに含む。方法は、high-k金属ゲート・スタックに向かう方向に狭くなる負のテーパリング角を有する複数の第2のリセスのうちの少なくとも1つにゲート・コンタクトを形成することを好ましくはさらに含む。保護ライナは、窒化チタンを好ましくは含む。第1の層間誘電体層をリセスすることが、高選択性ブランケット原子層エッチングを使用して好ましくは実行される。
【国際調査報告】