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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】電子デバイス及び車両
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/06 20060101AFI20231218BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20231218BHJP
   G03B 17/08 20210101ALI20231218BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20231218BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H05K5/06 D
G03B17/56 Z
G03B17/08
H05K5/03 A
H05K7/00 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536828
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 CN2021124165
(87)【国際公開番号】W WO2022127331
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011492038.7
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イン,ジエンチアン
【テーマコード(参考)】
2H101
2H105
4E352
4E360
【Fターム(参考)】
2H101CC53
2H105EE05
4E352AA01
4E352AA16
4E352BB02
4E352BB04
4E352BB05
4E352BB15
4E352CC12
4E352CC20
4E352CC32
4E352CC33
4E352CC56
4E352DD06
4E352DD10
4E352DD11
4E352DR02
4E352DR14
4E352DR25
4E352GG04
4E352GG11
4E360AB33
4E360BA03
4E360BB02
4E360BB12
4E360BB22
4E360BC05
4E360BD03
4E360BD05
4E360BD07
4E360EA03
4E360EA18
4E360EA24
4E360EA29
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED23
4E360ED28
4E360ED30
4E360GA08
4E360GA22
4E360GA29
4E360GB99
4E360GC08
(57)【要約】
電子デバイス及び車両が開示される。開かれ且つ留められることができる保護カバー(160)が電子デバイスのハウジング(100)に配置される。防水性能を持たないコネクタ(130)が電子デバイスのハウジング(100)の内部に配置される。外部ケーブルが、ハウジング(100)の内部でコネクタ(130)に接続され、次いでハウジング(100)からハウジング(100)の外部に引き出される。ケーブルの引き出しを容易にするために、少なくとも1つのケーブルチャネル(180,210)がハウジング(100)と保護カバー(160)の留め面に設けられ、第1シールゴムストリップ(170)及び第2シールゴムストリップ(190)などのハウジングシール部品がケーブル出口(154,166)の周りにさらに配置される。保護カバー(160)が留められるとき、ハウジング(100)と保護カバー(160)は、ハウジング (100)と保護カバー(160)との間にシールを形成するように、第1シールゴムストリップ(170)をしっかりと押圧することができる。さらに、第1シールゴムストリップ(170)と第2シールゴムストリップ(190)は、ケーブルとハウジング(100)との間及びケーブルと保護カバー(160)との間にシールを形成するように、ケーブルをしっかりと押圧することができる。これにより、ハウジング(100)の外側にある液体及び埃などがハウジング(100)に入らないため、防水性能を持たないコネクタ(130)を使用した場合に電子デバイスも防水能及び防塵能を持つことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングとデバイスメインボードを有する電子デバイスであって、
前記ハウジングは第1チャンバと第2チャンバを有し、前記第1チャンバと前記第2チャンバは隣接して配置され;
前記デバイスメインボードは前記第1チャンバに配置され、前記デバイスメインボードはコネクタを備え、前記コネクタの一端であって外部ケーブルに接続するために使用される一端が前記第1チャンバから前記第2チャンバに延び;
前記ハウジングは、第2チャンバフレームと保護カバーを有し、前記保護カバーは前記第2チャンバフレームに固定されるように構成され;
前記第2チャンバフレームは第1シールゴムストリップを備え;前記保護カバーは保護カバーフレームを有し、前記保護カバーフレームは、第2シールゴムストリップを備え;前記第1シールゴムストリップと前記第2シールゴムストリップは、前記第2チャンバから前記外部ケーブルを引き出すために使用されるケーブルチャネルを形成するように相互接続され;
前記保護カバーが留められるとき、前記第2チャンバフレームと前記保護カバーフレームは、前記第2チャンバフレームと前記保護カバーフレームとの間の防水シールを実現するように前記第1シールゴムストリップを押圧し、前記第1シールゴムストリップと前記第2シールゴムストリップは、前記外部ケーブルと前記第2チャンバフレームとの間及び前記外部ケーブルと前記保護カバーフレームとの間の防水シールを実現するように前記ケーブルチャネル内の前記外部ケーブルを押圧する;
電子デバイス。
【請求項2】
前記第2チャンバフレームは、前記保護カバーに面した第1フレーム上面を有し、前記第1フレーム上面は、第1溝と第2溝を備え、前記第1溝は、前記第2チャンバの周囲に環状に配置され、前記第2溝は、前記第1溝の経路上に配置され、前記第2溝と連通する、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記第1シールゴムストリップは、環状構造であり、第1ケーブルシール部を有し、前記第1ケーブルシール部は、前記第2溝の構造に一致し、前記第2溝に配置される、
請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記第1シールゴムストリップはさらにハウジングシール部を有し、前記ハウジングシール部は、前記第1溝の構造に一致し、前記第1溝に配置される、
請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記保護カバーフレームは、前記第2チャンバフレームに面した第2フレーム上面を含み、前記第2フレーム上面は第3溝を含み、前記第3溝は前記第2溝に対応して配置される、
請求項3又は4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記第2シールゴムストリップは、前記第1ケーブルシール部と相互接続されるように構成された第2ケーブルシール部を有し、前記第2ケーブルシール部は、前記第2溝の前記構造と一致し、前記第3溝に配置される、
請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記ケーブルチャネルは、相互接続を通じて配置される下部ケーブルチャネルと上部ケーブルチャネルを有し;前記下部ケーブルチャネルは、前記第1フレーム上面及び前記第1ケーブルシール部の表面であって前記保護カバーに面した表面に配置され;前記上部ケーブルチャネルは、前記第2フレーム上面及び前記第2ケーブルシール部の表面であって前記第2チャンバフレームに面した表面に配置される、
請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記下部ケーブルチャネルは、前記外部ケーブルの引き出し方向に沿って、第1内部ケーブル出口、第1ケーブルトラフ、及び第1外部ケーブル出口を順に有し;前記第1内部ケーブル出口と前記第1外部ケーブル出口は前記第1フレーム上面に配置され、前記第1内部ケーブル出口は前記第2チャンバフレームの内壁から前記第2溝に延び、前記第1外部ケーブル出口は前記第1溝から前記第2チャンバフレームの外壁に延び;前記第1ケーブルトラフは、前記第1ケーブルシール部の表面であって前記保護カバーに面した表面に配置され、前記第1内部ケーブル出口から前記第1外部ケーブル出口に延びる、
請求項7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記上部ケーブルチャネルは、前記外部ケーブルの前記引き出し方向に沿って、第2内部ケーブル出口、第2ケーブルトラフ、及び第2外部ケーブル出口を順に有し、前記第2内部ケーブル出口と前記第2外部ケーブル出口は、前記第2フレーム上面に配置され、前記第2内部ケーブル出口は、前記保護カバーフレームの内壁から前記第3溝に延び、前記第2外部ケーブル出口は、前記保護カバーフレームの外壁から前記第3溝に延び;前記第2ケーブルトラフは、前記第2ケーブルシール部の表面であって前記第2チャンバフレームに面した表面に配置され、前記第2内部ケーブル出口から前記第2外部ケーブル出口に延びる、
請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記第1ケーブルトラフの溝面と前記第2ケーブルトラフの溝面の両方が半円筒形面である、
請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
少なくとも1つの第1溝リブが前記第1ケーブルトラフの前記溝面に配置され、少なくとも1つの第2溝リブが前記第2ケーブルトラフの前記溝面に配置され、前記第1ケーブルトラフと前記第2溝リブは前記外部ケーブルの前記引き出し方向に対して垂直であり;前記第1溝リブの数量は前記第2溝リブの数量と等しく、前記第1溝リブと前記第2溝リブは一対一対応で配置され、対応する前記第1溝リブと前記第2溝リブは同一平面に位置し、前記外部ケーブルを二方向、すなわち上方向と下方向から押圧するように構成される、
請求項9又は10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記ケーブルを通過させるためのシールリングが、前記第1ケーブルトラフの一端であって前記第1内部ケーブル出口に近い一端に配置され;前記シールリングを埋め込むための環状溝が、前記第2ケーブルトラフの一端であって前記第2内部ケーブル出口に近い一端に配置され、前記環状溝の半径が、前記シールリングの外側半径以下である、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記第1ケーブルシール部はさらに第1突出部を有し、前記第1突出部は、前記第1ケーブルシール部の表面であって前記保護カバーに面した表面に位置し、前記第1ケーブルトラフの2つの側部に分布し;各第1突出部は、前記外部ケーブルの前記引き出し方向に沿って前記第1ケーブルシール部の一端から前記第1ケーブルシール部の他端に延びる、
請求項9乃至12のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記第2ケーブルシール部はさらに第2突出部を有し、前記第2突出部は、前記第2ケーブルシール部の表面であって前記第2チャンバフレームに面した表面に位置し、前記第2ケーブルトラフの2つの側部に分布し、前記第2突出部に対応して配置され;各第2突出部は、前記外部ケーブルの前記引き出し方向に沿って、前記第2ケーブルシール部の一端から前記第2ケーブルシール部の他端に延びる、
請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記第1シールゴムストリップはさらにケーブルチャネルシール部を有し;前記ケーブルチャネルシール部は、延長ゴムストリップとシールゴムプラグを有し;前記延長ゴムストリップの一端は、前記第1ケーブルシール部の側部であって前記第1外部ケーブル出口に面した側部に配置され、他端は、前記第1外部ケーブル出口を通過し、前記ハウジングの外部に延び;前記シールゴムプラグは円筒形構造であり、前記シールゴムプラグの円形底面が、前記ハウジングの外部に位置する前記延長ゴムストリップの一端に接続される、
請求項8乃至14のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の電子デバイスを含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月17日に中国国家知識産権局に出願された「ELECTRONIC DEVICE AND VEHICLE」と題する中国特許出願第202011492038.7号に対する優先権を主張しており、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、防水及び防塵構造に関し、特に、防水能を有する電子デバイス及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動運転車の制御システム、特に高レベル自動運転車の制御システムは、一般に、車載コンピューティングモジュール(又は自動運転コンピューティングプラットフォーム)、例えば、モバイルデータセンター(mobile data center、MDC)を含む。車載コンピューティングモジュールは、カメラ、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波などの車載センサを使用して周囲の環境を感知し、得られた情報に基づいて決定を行い、適切な作業モデルを使用して対応するポリシーを策定する、例えば、将来の期間における車両、他の車両、歩行者などの動きの状態を予測し、衝突回避経路計画を行うことができる。
【0004】
自動運転技術の進歩に伴い、車両の自動運転レベルは継続的に向上しており、車載コンピューティングモジュールはより多くの機能を実装する必要があり、ますます高い計算能力を必要とし、ますます複雑な構造とますます大きなサイズになっている。センターコンソールのスペースが限られているため、大型のコンピューティングモジュールは、客室の下やエンジンのフロントコンパートメントにしか設置できず、比較的劣悪な環境で動作する。そのため、車載コンピューティングモジュール全体の防水レベルをIPX7以上にする必要がある。
【0005】
ハイエンド自動運転車では、各センサと車載コンピューティングモジュールとの間の通信速度と帯域幅の要件がますます高くなっており、低速コネクタではセンサと車載コンピューティングモジュールとの間の通信要件を満たすことができない。そのため、高速コネクタがハイエンド自動運転車の車載コンピューティングモジュール用に設定される必要がある。現在、高速コネクタと車載コンピューティングモジュールのハウジングとの間、及び高速コネクタのオス端子とメス端子との間に、IPX7レベルを満たす防水設計を実装するための成熟したソリューションはない。
【発明の概要】
【0006】
本出願の実施形態は、高速コネクタを備えた車載コンピューティングモジュールなどの電子デバイスの防水問題を解決するために、電子デバイス及び車両を提供する。
【0007】
第1の態様によると、本出願の実施形態は、電子デバイスであって:ハウジング及びデバイスメインボードを含み、ハウジングは第1チャンバ及び第2チャンバを含み、第1チャンバ及び第2チャンバは隣接して配置され;デバイスメインボードは第1チャンバに配置され、デバイスメインボードはコネクタを備え、コネクタは外部ケーブルに接続された端部を第1チャンバから第2チャンバまで延ばすように構成され;ハウジングは第2チャンバフレームと保護カバーを含み、保護カバーは第2チャンバフレームに留められる(fastened)ように構成され;第2チャンバフレームは第1シールゴムストリップを備え;保護カバーは保護カバーフレームを含み、保護カバーフレームは第2シールゴムストリップを備え;第1シールゴムストリップと第2シールゴムストリップは、第2チャンバから外部ケーブルを引き出すために使用されるケーブルチャネルを形成するように相互接続され;保護カバーが留められるとき、第2チャンバフレームと保護カバーフレームは、第2チャンバフレームと保護カバーフレームとの間の防水シールを実現するように第1シールゴムストリップを押圧し、第1シールゴムストリップと第2シールゴムストリップは、外部ケーブルと第2チャンバフレームとの間及び外部ケーブルと保護カバーフレームとの間の防水シールを実現するようにケーブルチャネル内の外部ケーブルを押圧する;電子デバイスを提供する。
【0008】
本出願の本実施形態で提供される電子デバイスによれば、ハウジングは開かれ且つ留められることができる保護カバーを備える。電子デバイスでは、防水性能を持たないコネクタがハウジング内に配置され、外部ケーブルは、ハウジング内のコネクタに接続され、その後、ハウジングからハウジング外に引き出される。少なくとも1つのケーブルチャネルがケーブルの引き出しを容易にするためにハウジングと保護カバーの留め面(fastening surface)に設けられ、第1シールゴムストリップ及び第2シールゴムストリップなどのハウジングシールコンポーネントがケーブル出口の周囲に配置される。保護カバーが留められるとき、ハウジングと保護カバーは、ハウジングと保護カバーとの間にシールを形成するように、第1シールゴムストリップをしっかりと押し付けることができる。さらに、第1シールゴムストリップと第2シールゴムストリップは、ケーブルとハウジングとの間及びケーブルと保護カバーとの間にシールを形成するように、ケーブルをしっかりと押し付けることができる。これにより、ハウジング外の液体や埃などがハウジング内に入り込まないため、防水性能を持たないコネクタを使用した場合にも電子デバイスは防水能と防塵能を持つことができる。
【0009】
オプションの実装では、第2チャンバフレームは、保護カバーに面した第1フレーム上面を含み、第1フレーム上面は第1溝と第2溝を備え、第1溝は第2チャンバの周囲に環状に配置され、第2溝は、第1溝の経路上に配置され、第2溝と連通する。このように、第1溝と第2溝は、第1フレーム上面に連続的に閉じた環状構造を形成し、連続的に閉じた第1シールゴムストリップが、ハウジングフレームと保護カバーとの間のシールを容易にするために、配置され得る。
【0010】
オプションの実装では、第1シールゴムストリップは、環状構造であり、第1ケーブルシール部を含み、第1ケーブルシール部は、第2溝の構造に一致し(matches)、第2溝に配置される。
【0011】
オプションの実装では、第1シールゴムストリップはさらにハウジングシール部を含み、ハウジングシール部は、第1溝の構造に一致し、第1溝に配置される。
【0012】
オプションの実装では、保護カバーフレームは第2チャンバフレームに面した第2フレーム上面を含み、第2フレーム上面は第3溝を含み、第3溝は第2溝に対応して配置される。
【0013】
オプションの実装では、第2シールゴムストリップは、第1ケーブルシール部に接続されるように構成された第2ケーブルシール部を含み、第2ケーブルシール部は第2溝の構造に一致し、第3溝に配置される。
【0014】
このように、第2溝は第3溝に対応して配置されるため、保護カバーが留められた後、第1ケーブルシール部と第2ケーブルシール部は、ハウジングフレームと保護カバーとの間のシールを容易にし、外部ケーブルをクランプするために、相互接続され得る。
【0015】
オプションの実装では、ケーブルチャネルは、相互接続を通じて配置される下部ケーブルチャネルと上部ケーブルチャネルを含み;下部ケーブルチャネルは、第1フレーム上面及び第1ケーブルシール部の表面であって保護カバーに面した表面に配置され;上部ケーブルチャネルは、第2フレーム上面及び第2ケーブルシール部の表面であって第2チャンバフレームに面した表面に配置される。このようにして、第1ケーブルシール部と第2ケーブルシール部が相互接続された後、下部ケーブルチャネルと上部ケーブルチャネルが、ケーブルをしっかりと押し付けるために、完全なケーブルチャネルを形成することができ、ケーブルとハウジングとの間及びケーブルと保護カバーとの間にシールを形成することができる。
【0016】
オプションの実装では、下部ケーブルチャネルは、外部ケーブルの引き出し方向に沿って、第1内部ケーブル出口、第1ケーブルトラフ(trough)、及び第1外部ケーブル出口を順に含み;第1内部ケーブル出口と第1外部ケーブル出口は、第1フレーム上面に配置され、第1内部ケーブル出口は、第2チャンバフレームの内壁から第2溝に延び、第1外部ケーブル出口は、第1溝から第2チャンバフレームの外壁に延び;第1ケーブルトラフは、第1ケーブルシール部の表面であって保護カバーに面した表面に配置され、第1内部ケーブル出口から第1外部ケーブル出口に延びる。
【0017】
オプションの実装では、上部ケーブルチャネルは、外部ケーブルの引き出し方向に沿って、第2内部ケーブル出口、第2ケーブルトラフ、及び第2外部ケーブル出口を順に含み;第2内部ケーブル出口と第2外部ケーブル出口は第2フレーム上面に配置され、第2内部ケーブル出口は保護カバーフレームの内壁から第3溝に延び、第2外部ケーブル出口は保護カバーフレームの外壁から第3溝に延び;第2ケーブルトラフは、第2ケーブルシール部の表面であって第2チャンバフレームに面した表面に配置され、第2内部ケーブル出口から第2外部ケーブル出口に延びる。
【0018】
オプションの実装では、第1ケーブルトラフの溝面と第2ケーブルトラフの溝面の両方は半円筒形面である。このようにして、第1ケーブルトラフと第2ケーブルトラフが相互接続された後、完全な円筒形溝面を形成することができる。円筒形溝面は、円筒形溝面が外部ケーブルに密着するように、外部ケーブルの形状に一致し得、ギャップが確保されず、それによってシール効果が向上する。
【0019】
オプションの実装では、少なくとも1つの第1溝リブが第1ケーブルトラフの溝面に配置され、少なくとも1つの第2溝リブが第2ケーブルトラフの溝面に配置され、第1ケーブルトラフと第2溝リブは外部ケーブルの引き出し方向に対して垂直であり;第1溝リブの数量は第2溝リブの数量と等しく、第1溝リブと第2溝リブは1対1対応であり、対応する第1溝リブと第2溝リブは、同一平面に位置し、外部ケーブルを2方向、すなわち、上方向と下方向から押すように構成される。これにより、対応する第1溝リブと第2溝リブの各グループが、多層シールが形成されるように、外部ケーブルを2方向に押してシールを形成することができ、それによって、外部ケーブルと第1ケーブルトラフの間から及び第2ケーブルトラフの間から液体がハウジングに侵入することを防止する能力が向上する。
【0020】
オプションの実装では、外部ケーブルを通過させるためのシールリングが、第1ケーブルトラフの一端であって第1内部ケーブル出口に近い一端に配置され;シールリングを埋め込むための環状溝が、第2ケーブルトラフの一端であって第2内部ケーブル出口に近い一端に配置され、環状溝の半径がシールリングの外側半径以下である。これにより、シールリングを、第1ケーブルシール部と第2ケーブルシール部との間からハウジングに液体が侵入することを防止するために、第1ケーブルシール部と第2ケーブルシール部との間に環状溝に圧力をかけて密着させてシールを形成することができる。
【0021】
オプションの実装では、第1ケーブルシール部はさらに第1突出部を含み、第1突出部は、第1ケーブルシール部の表面であって保護カバーに面した表面に位置し、第1ケーブルトラフの2つの側部に分布し;各第1突出部は、外部ケーブルの引き出し方向に沿って第1ケーブルシール部の一端から第1ケーブルシール部の他端に延びる。
【0022】
オプションの実装では、第2ケーブルシール部はさらに第2突出部を含み、第2突出部は、第2ケーブルシール部の表面あって第2チャンバフレームに面した表面に配置され、第2ケーブルトラフの2つの側部に分布し、第2突出部に対応して配置され;各第2突出部は、外部ケーブルの引き出し方向に沿って、第2ケーブルシール部の一端から第2ケーブルシール部の他端に延びる。
【0023】
このように、保護カバーが留められるとき、対応する第1突出部176と第2突出部の各グループは、変形を生じさせるように、互いに接触して互いを圧迫し得;第1突出部と第2突出部との間の圧迫によって生じる圧力は、第1突出部を第2突出部に密着させることを可能にし、それによって、第1ケーブルトラフと第2ケーブルトラフとの間の接合部におけるシール効果を向上させる。
【0024】
オプションの実装では、第1シールゴムストリップはさらにケーブルチャネルシール部を含み;ケーブルチャネルシール部は、延長ゴムストリップとシールゴムプラグを含み;延長ゴムストリップの一端は、第1ケーブルシール部の側部であって第1外部ケーブル出口に面した側部に配置され、他端は、第1外部ケーブル出口を通過し、ハウジングの外部に延び;シールゴムプラグは円筒形構造であり、シールゴムプラグの円形底面が、ハウジングの外部に位置する延長ゴムストリップの一端に接続される。このように、外部ケーブルがケーブルチャネルから引き出されていない場合、シールゴムプラグは、ケーブルチャネルからハウジングに液体が侵入するのを防ぐために、シールから、ケーブルチャネルに埋め込み、ケーブルチャネルをシールしてから、ことができる。
【0025】
第2の態様によると、本出願の一実施形態は、第1の態様又は第1の態様の実装のいずれか1つによる電子デバイスを含む車両を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】低速コネクタを装備したECUの構造の概略分解図である。
【0027】
図2】高速コネクタを装備した車載コンピューティングモジュールの現在の防水ソリューションの概略図である。
【0028】
図3】車載コンピューティングモジュールの車両への設置シナリオを示す。
【0029】
図4】本出願の一実施形態による電子デバイスの概略図である。
【0030】
図5】本出願の一実施形態による第2チャンバフレームの構造の部分概略図である。
【0031】
図6】本出願の一実施形態による第1シールゴムストリップの構造の概略図である。
【0032】
図7】本出願の一実施形態による第1溝及び第1シールゴムストリップの設置の概略図である。
【0033】
図8】本出願の一実施形態による下部ケーブルチャネルの部分拡大概略図である。
【0034】
図9】本出願の一実施形態による第1溝及び第1シールゴムストリップが設置された後のA方向断面図である。
【0035】
図10】本出願の一実施形態による保護カバーの構造の概略図である。
【0036】
図11】本出願の一実施形態による第2シールゴムストリップの構造の概略図である。
【0037】
図12】本出願の一実施形態による第3溝と第2シールゴムストリップの設置の概略図である。
【0038】
図13】本出願の一実施形態による上部ケーブルチャネルの部分概略拡大図である。
【0039】
図14】本出願の一実施形態による電子デバイスと外部ケーブルとの間の接続の概略図である。
【0040】
図15】保護カバー160が留められるときのハウジング、保護カバー、及び第1シールゴムストリップの間の取り付け関係(fitting relationship)の概略図である。
【0041】
図16】第1シールゴムストリップのハウジングシール部、第1フレーム上面、及び第2フレーム上面の間の取り付け関係の概略図である。
【0042】
図17】保護カバーが留められるときのケーブル、第1ケーブルシール部、及び第2ケーブルシール部の間の取り付け関係の概略図である。
【0043】
図18】第1突出部と第2突出部との間の取り付けの概略図である。
【0044】
図19】本出願の一実施形態による別の第1シールゴムストリップの構造の概略図である。
【0045】
図20】本出願の一実施形態によるケーブルチャネルシール部の使用方法の概略図である。
【0046】
図21】本出願の一実施形態によるハウジングの構造の概略分解図である。
【0047】
図22】本出願の一実施形態による上部ハウジングの構造の概略図である。
【0048】
図23】本出願の一実施形態による上部ハウジングと下部ハウジングの設置の概略図である。
【0049】
図24】本出願の一実施形態による低速コネクタを備えた電子デバイスの構造の概略図である。
【符号の説明】
【0050】
図面において、以下のとおりである:
100-ハウジング、110-第1チャンバ、120-第2チャンバ、130-コネクタ、140-第2チャンバ底面、150-第2チャンバフレーム、151-第1フレーム上面、152-第1溝、153-第2溝、154-第1内部ケーブル出口、155-第1外部ケーブル出口、156-第1接続溝、157-第1位置決め穴、160-保護カバー、161-カバー上面、162-保護カバーフレーム、163-第2フレーム上面、164-第3溝、165-第2接続溝、166-第2内部ケーブル出口、167-第2外部ケーブル出口、168-第2位置決め穴、170-第1シールゴムストリップ、171-ハウジングシール部、172-第1ケーブルシール部、173-第1ケーブルトラフ、174-第1溝リブ、175-シールリング、176-第1突出部、177-第1接続部、178-ケーブルチャネルシール部、179-延長ゴムストリップ、180-下部ケーブルチャネル、181-シールゴムプラグ、182-円弧形状構造、190-第2シールゴムストリップ、191-第2ケーブルシール部、192-第2接続部、193-第2ケーブルトラフ、194-第2溝リブ、195-環状溝、196-第2突出部、200-デバイスメインボード、210-上部ケーブルチャネル、310-ケーブルボディ、320-配線端子、410-上部ハウジング、411-上部ハウジング上面、412-上部ハウジングフレーム、413-位置決め溝、414-第5フレーム上面、415-第2ネジ穴サポート、416-第4位置決め穴、417-コネクタ開口、420-下部ハウジング、421-下部ハウジング底面、422-下部ハウジングフレーム、423-第4フレーム上面、424-第4溝、425-第1ネジ穴サポート、426-第3位置決め穴、427-第3シールゴムストリップ、428-環状構造、及び510-コネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0051】
自動運転車(Autonomous Vehicle又はself-piloting automobile)は、無人車両、コンピュータ駆動車両、車輪付き移動ロボットとも呼ばれ、動力を運搬するための無人の地上車両である。自動運転車は、自動化された車両として、人間の操作なしに車両の環境やナビゲーションを感知することができる。自動運転車は、レーダー、光学レーダー、衛星ナビゲーションシステム(全地球航法衛星システム、GNSS)、コンピュータビジョンなどの技術を使用して、車両の環境を感知することができる。自動運転車の制御システムは、地図情報の更新し、リアルタイムで車両の位置を追跡し、リアルタイムで車両の運転挙動の制御又はその制御において運転者を支援するために、感知されたデータを適切なナビゲーション道路、障害物、及び関連する標識に変換することができる。
【0052】
自動運転車の制御システム、特に高レベルの自動運転車の制御システムは、一般に、車載コンピューティングモジュール(又は自動運転コンピューティングプラットフォーム)、例えば、モバイルデータセンター(mobile data center、MDC)を含む。車載コンピューティングモジュールは、カメラ、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、及び超音波などの車載センサを使用して周囲の環境を感知し、得られた情報に基づいて決定を行い、適切な作業モデルを使用して対応するポリシーを策定し、例えば、将来の時間帯における車両、他の車両、歩行者などの動きの状態を予測し、衝突回避経路計画を行うことができる。
【0053】
日常の運転プロセスでは、車両は、自然環境における埃、雨、及び異物に遭遇することがある、又は、水につかった道路(wading road)を走行することがある。そのため、通常、車両の車載コンピューティングモジュール及び車両制御又は車両内のデータコンピューティングに使用される別の電子デバイス又はユニット(例えば、電子制御ユニット(electronic control unit、ECU)や車両制御ユニット(vehicle control unit、VCU))は、特定の防水性能及び防塵性能を持つことが要求される。
【0054】
防水性能及び防塵性能は、一般に、国際的な保護レベル(国際保護マーク、IEC60529)によって定義され、これは、進入保護レベル(Ingress Protection Rating)又はIPコード(IP Code)とも呼ばれ、場合によっては、「防水レベル」又は「防塵レベル」とも呼ばれる。国際保護マークは、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、IEC)によって策定された保護レベル規格であり、固体の異物(指などの体の部分、ほこり、砂などを含む)、液体の浸入、及び偶発的な接触に対する機械及び電子デバイスの保護能力を定義している。
【0055】
国際保護レベルはIPコードで表される。IPコードは、IPアドレスと2つの数字、例えばIP54及びIP68を含む。最初の数字は固体粒子保護レベル(防塵レベル)を示し、二番目の数字は液体浸透保護レベル(防水レベル)を示し、大きな値はより高い保護レベルを示す。2つの数字は1から9までの整数である。場合によっては、2つの数字は文字Xであることもあり、異物又は粉塵の防止に関する情報が提供されていないことを示している。たとえば、IPX7は、デバイスを水深1m未満の水に浸したとき、デバイスの内部コンポーネントを少なくとも30分間保護できることを示しているが、防塵に関する情報は提供されていない。さらに、別の保護能力を示すために、IPコードの2つの数字の後に英字を追加することがある。たとえば、「IPX9K」の「9K」は、高温及び高圧水柱に対するデバイスの保護能力を示す。具体的には、9Kは、メーカーが指定した条件下で、デバイスが高温及び高圧水柱の衝撃に少なくとも2分間耐えることができることを示す。
【0056】
車両内の車載コンピューティングモジュール、ECU、VCUなどのデバイスのIP保護レベルは、デバイスの設置位置に基づいて決定できる。例えば、コックピットなどの比較的良好な環境の位置にデバイスが設置される場合、IP保護レベルの要件は比較的低く、例えば、防水レベルは少なくともIPX2以上である;又は、車両の底部若しくはコックピットなどの比較的劣悪な環境の位置にデバイスが設置される場合、IP保護レベルの要件は比較的高く、防水レベルは少なくともIPX7又はIPX9Kである。
【0057】
車載コンピューティングモジュールなどのデバイスでは、車載コネクタが、デバイスとケーブルの他端に接続された別のデバイスとの間の通信を実現するために、デバイスを外部ケーブルに接続するように構成される。車両コネクタは、車両コネクタによってサポートされる異なる通信速度に応じて、低速コネクタと高速コネクタに分類される。
【0058】
従来の非自動運転車は、一般に、低い計算能力を持つ車載コンピューティングモジュール又はECUなどのデバイスのみを含む。このようなデバイスは、比較的単純な構造でサイズが小さく、車両のセンターコンソールに設置されることがある。そのため、デバイスの防水レベルの要件は比較的低く、一般的にはIPX2レベルのみを満たす必要がある。一般に、車載コンピューティングモジュール及びECUなどのデバイスの防水は、主にデバイスハウジングの防水、デバイスハウジングと車載コネクタとの間の防水、車載コネクタとケーブルとの間の防水を含む。
【0059】
従来の非自動運転車では、車載コンピューティングモジュール又はECUなどのデバイスは、通常、低速コネクタが装備されている。図1は、低速コネクタを装備したECUの構造の概略分解図である。図1に示すように、ECUは、上部ハウジング11、下部ハウジング12、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)13、及び低速コネクタ14を含む。留められた後、上部ハウジング11と下部ハウジング12は、低速コネクタ14を収容するための開口部15を形成することができる。低速コネクタ14は、ハウジングの開口部15に配置され、低速コネクタ14の一端はハウジング内のPCB13に接続され、他端は、ハウジングの外側に配置され、ケーブルに接続するように構成される。低速コネクタ14は、開口部の形状に一致するベース16を備える。ECUハウジングが留められるとき、デバイス全体の防水要件を満たすために、上部ハウジング11と下部ハウジング12は接着剤塗布(glue dispensing)17を通してシールされ得、ハウジングと低速コネクタ14は、開口部15とベース16との間の接続面への接着剤塗布17を通してシールされ得る。技術的ソリューションは比較的成熟している。
【0060】
しかし、自動運転技術の進歩により、車両の自動運転レベルは継続的に向上しており、車載コンピューティングモジュールはより多くの機能を実装する必要が、ますます高い計算能力を必要とし、ますます複雑な構造とますます大きいサイズを有している。センターコンソールのスペースが限られているため、大型のコンピューティングモジュールは客室の下又はエンジンのフロントコンパートメントにしか設置できず、比較的劣悪な環境で動作する。そのため、車載コンピューティングモジュール全体の防水レベルはIPX7以上に達する必要がある。
【0061】
さらに、ハイエンドの自動運転車では、各センサと車載コンピューティングモジュールとの間の通信速度と帯域幅の要件がますます高くなっており、低速コネクタはセンサと車載コンピューティングモジュールとの間の通信要件を満たすことができない。そのため、ハイエンドの自動運転車の車載コンピューティングモジュール用に高速コネクタが設定される必要がある。現在、高速コネクタと車載コンピューティングモジュールのハウジングとの間及び高速コネクタのオス端子とメス端子との間に、IPX7レベルを満たす防水設計を実装するための成熟したソリューションはない。
【0062】
図2は、高速コネクタを備えた車載コンピューティングモジュールの現在の防水ソリューションの概略図である。図2に示すように、複数の高速コネクタ18がカスタマイズされた設計方法でベース19上に一緒に配置されることがある。留められた後、車載コンピューティングモジュールの上部ハウジング11と下部ハウジング12が、ベース19を開口部20に配置され得るように、ベース19のサイズ及び形状に一致する開口部20を形成し得る。上部ハウジング11と下部ハウジング12との間の接合部、ベース19と上部ハウジング11との間の接合部、及びベース19と下部ハウジング12との間の接合部は、防水能を提供するために、接着剤塗布によってシールされ得る。
【0063】
しかし、図2に示すカスタマイズされた高速コネクタが防水シーラントと組み合わされた防水ソリューションには、実際の適用において少なくとも以下の技術的問題がある:1.車載コンピューティングモジュールは、カスタマイズされた高速コネクタを使用する必要があり、業界標準の構造を満たすコネクタを使用できず、したがって汎用性が低い。2.防水シーラントがハウジングを接続するために使用され、これはハウジングの分解を困難にする。分解の過程で、デバイスメインボード200が容易に損傷する可能性がある。また、一度ハウジングを分解すると、防水構造が損傷し、回復が困難になる。3.カスタマイズされた高速コネクタは、より大きなスペースを占め、車載コンピューティングモジュールのサイズが増加し、車両への設置には適さない。
【0064】
前述の問題を解決するために、本出願の一実施形態は電子デバイスを提供する。電子デバイスは、例えば、車載コンピューティングモジュール、ECU、VCU、又は別のデバイスであり得る。電子デバイスは、標準構造の高速コネクタを使用する場合、IPX7レベルの防水能を持つことができる。
【0065】
当業者が本出願の技術的ソリューションを深く理解できるように、図3は車載コンピューティングモジュールの車両への設置シナリオを示す。図3に示すように、車載コンピューティングモジュール21は、一般に、車体に、例えばセンターコンソール内、シート下、又はエンジンルームに設置される。車載コンピューティングモジュール21と連携するために、さらに、レーザーレーダー22、カメラ23、ミリ波レーダー24などの各種センサが車両に設置されて、車両が位置する環境。車両の状態などを検出し、検出したデータを車載コンピューティングモジュール21にフィードバックする。車載コンピューティングモジュール21は、受信したデータに対して、ビルトイン人工知能(artificial intelligence、AI)チップ、例えば、ニューラルネットワーク処理デバイス(neural-network processing unit、NPU)を使用することによってリアルタイムで推論演算を行い、演算結果にしたがって動作命令を生成し、車両制御ユニット(vehicle control unit、VCU)25に動作命令を伝える。VCUは、動作命令に応じて車両の制動、例えば制動及び減速を制御し、さまざまなレベルの自動運転機能を実現する。コンピューティングモジュールは、さらに、車載通信端末(テレマティクスボックス、T-BOX)26を使用して、ネットワークのバックエンドにあるクラウドデータセンターにデータをアップロードし得る。一般に、情報は、ギガビットのマルチメディアシリアルリンク(gigabit multimedia serial link、GMSL)を使用して、車載コンピューティングモジュール21とカメラ23との間で伝達され得る;情報は、車載イーサネットリンクを使用して、車載コンピューティングモジュール21とレーザーレーダー22との間で伝達され得る;情報は、コントローラエリアネットワーク(controller area network,、CAN)バスを使用して、車載コンピューティングモジュール21とVCU25との間又はモーター制御ユニット(motor control unit、MCU)とバッテリー管理システム(battery management system、BMS)との間で伝達され得る;情報は、CANバスを使用して、車載コンピューティングモジュール21とミリ波レーダー24との間で伝達され得る;情報は、ローカルインターネット(local interconnect network、LIN)バスを使用して、車載コンピューティングモジュール21と超音波レーダー(図2には示されていない)の間で伝達され得る;及び、情報は、イーサネット(登録商標)リンクを使用して、車載コンピューティングモジュール21とT-BOX26との間で伝達され得る。
【0066】
以下では、車載コンピューティングモジュールを例として使用して、本出願の一実施形態による電子デバイスの具体的な構造について説明する。
【0067】
図4は、本出願の一実施形態による電子デバイスの概略図である。図4に示すように、電子デバイスはハウジング100とデバイスメインボード200を含む。電子デバイスの内部構造を説明しやすいように、図4ではハウジング100は切断されている。ハウジング100は、電子デバイスの内部コンポーネントを収容するように構成された第1チャンバ110と第2チャンバ120を含む。第2チャンバ120は、第1チャンバ110の一側に位置し、第1チャンバ110に隣接して配置される。第1チャンバ110と第2チャンバ120は連通している。
【0068】
デバイスメインボード200は第1チャンバ110に配置される。少なくとも1つのコネクタ130がデバイスメインボード200に配置され、少なくとも1つのコネクタ130は、デバイスメインボード200の位置であって第2チャンバ120に近い位置に平行に配置され得る。さらに、少なくとも1つのコネクタ130の一端であって、外部ケーブルに接続するために使用される一端が、第1チャンバ110から第2チャンバ120に延びる。
【0069】
本出願の本実施形態におけるコネクタ130は、高速コネクタであり得る、又は、低速コネクタであり得、高速コネクタであることが望ましい。一般的に、低速コネクタは、技術の登場が早く、開発期間が長いため防水性能を持ち、高速コネクタは、技術の登場が遅く、開発期間が短いため防水性能を持たない。つまり、本出願の本実施形態におけるコネクタ130は、防水性能を持つコネクタであっても、防水性能を持たない有しないコネクタであってもよい。
【0070】
さらに、図4に示すように、第2チャンバ120のハウジング100の領域は、第2チャンバ底面140、第2チャンバフレーム150、及び保護カバー160を含む。第2チャンバフレーム150は、第2チャンバ底面140の周囲に配置され、第2チャンバフレーム150は、第2チャンバ底面140に垂直な方向に特定の高さを持ち、第2チャンバ120の深さの一部を形成する。保護カバー160は、第2チャンバ120を密閉するために、第2チャンバフレーム150に固定されるように構成される。第2チャンバフレーム150は、第2チャンバ底面140に平行な方向に特定の幅を有する。したがって、第2チャンバフレーム150は、保護カバー160に面した端部において、特定の幅を有する第1フレーム上面151を形成することができる。
【0071】
第1フレーム上面151は、環状の上面である。第1フレーム上面151は、第2チャンバ120の形状に応じて、異なる形状を有し得る。例えば、第2チャンバ120が長方形チャンバである場合、第1フレーム上面151は長方形環状上面である;又は、第2チャンバ120が円形チャンバである場合、第1フレーム上面151は円形環状上面であり得る。したがって、第1フレーム上面151の形状は、本出願の本実施形態では特に限定されない。
【0072】
図5は、本出願の一実施形態による第2チャンバフレームの構造の部分概略図である。図5に示すように、第1溝152が第1フレーム上面151に配置され、第1溝152が第1フレーム上面151の第2チャンバ120の周囲に環状に配置される。第1溝152と第2チャンバフレーム150の内壁との間の距離L1は、第1溝152と第2チャンバフレーム150の外壁との間の距離L2より小さい。第2チャンバフレーム150の内壁は、第2チャンバフレーム150の壁であって第2チャンバ120に面した壁であり、第2チャンバフレーム150の外壁は、第2チャンバフレーム150の壁であってハウジングの外側に面した壁である。
【0073】
少なくとも1つの第2溝153が、第1フレーム上面151にさらに配置される。第2溝153は、第1溝152の経路上の任意の位置に配置され、第1溝152に連通する。好ましい実装では、第2溝153は、コネクタ130の反対側の第1フレーム上面151に配置され得る。第2チャンバ底面140に垂直な方向の第2溝153の深さは、第2チャンバ底面140に垂直な方向の第1溝152の深さより大きく、第1フレーム上面151の幅方向の第2溝153の幅L3は、第1フレーム上面151の幅方向の第1溝152の幅L4より大きい。複数の第2溝153が第1フレーム上面151に配置される場合、複数の第2溝153は、第1溝152の経路方向に沿って間隔を置いて配置され得、2つの隣接する第2溝153は第1接続溝156を用いて連通する。例えば、図5に示す第1フレーム上面151は、2つの第2溝153を含む。
【0074】
本出願の本実施形態で提供される電子デバイスは、第1シールゴムストリップ170をさらに含む。第1シールゴムストリップ170は、第1溝152と第2溝153に埋め込まれる方法で設置されるように構成される。図6は、本出願の一実施形態による第1シールゴムストリップ170の構造の概略図である。図5及び図6を参照すると、第1シールゴムストリップ170は、第1溝152及び第2溝153の形状及びサイズに一致する(matches(適合する))環状構造を有する。具体的には、第1シールゴムストリップ170は、ハウジングシール部171及び第1ケーブルシール部172を含み得る。ハウジングシール部171は、第1溝152の形状及び大きさに一致する構造を有し、第1溝152に埋め込まれ得る。第1ケーブルシール部172は、第2溝153の形状及び大きさに一致する構造を有し、第2溝153に埋め込まれ得る。
【0075】
本出願の実施形態では、複数の第2溝153が第1フレーム上面151に配置される場合、第1シールゴムストリップ170は、第2溝153の数量に等しい複数の第1ケーブルシール部172を含み得、2つの隣接する第1ケーブルシール部172は第1接続部177を用いて接続される。このように、複数の第1ケーブルシール部172は、各第2溝153に別々に埋め込まれ得、第1接続部177は第1接続溝156(図5を参照)に埋め込まれ得る。例えば、図6に示す第1フレーム上面151は、2つの第2溝153を含む;これに対応して、第1シールゴムストリップ170は、2つの第1ケーブルシール部172を含む。
【0076】
図7は、本出願の一実施形態による第1溝152と第1シールゴムストリップ170の設置の概略図である。図5及び図7を参照すると、第1シールゴムストリップ170が第1溝152に埋め込まれた後、外部ケーブルを引き出すために使用される少なくとも1つの下部ケーブルチャネル180が、第1フレーム上面151及び第1ケーブルシール部172の表面であって保護カバー160に面した表面に形成され、下部ケーブルチャネル180は第2チャンバ120を通過してハウジングの外部に至る。各下部ケーブルチャネル180は、外部ケーブルの引き出し方向D1に沿って、第1フレーム上面151に配置された第1内部ケーブル出口154、第1ケーブルシール部172に配置された第1ケーブルトラフ173、及び第1フレーム上面151に配置された第1外部ケーブル出口155を順に含む;第1内部ケーブル出口154、第1ケーブルトラフ173、及び第1外部ケーブル出口155は同一軸上に位置する。第1内部ケーブル出口154は、第2チャンバフレーム150の内壁から第2溝153に延び、第2チャンバ120は第2溝153に連通する。第1フレーム上面151に垂直な方向の第1内部ケーブル出口154の深さは、第1フレーム上面151に垂直な方向の第2溝153の深さよりも小さい。第1外部ケーブル出口155は、第1溝152から第2チャンバフレーム150の外壁に延び、第1溝152はハウジングの外部と連通する。第1フレーム上面151に垂直な方向の第1外部ケーブル出口155の深さは、第1フレーム上面151に垂直な方向の第2溝153の深さよりも小さい。第1ケーブルトラフ173は、第1ケーブルシール部172の表面であって保護カバー160に面した表面に配置され、第1内部ケーブル出口154から第1外部ケーブル出口155に延びる。
【0077】
電子デバイスが複数の下部ケーブルチャネル180を含む場合、複数の下部ケーブルチャネル180は、第1シールゴムストリップ170の長さ方向に沿って、第2チャンバフレーム150と第1ケーブルシール部172上に間隔を置いて平行に配置される。電子デバイスが複数の下部ケーブルチャネル180を含み、第1シールゴムストリップ170が複数の第1ケーブルシール部172を含む場合、少なくとも1つの第1ケーブルトラフ173が各第1ケーブルシール部172上に平行に配置され得ることが理解され得る。例えば、図7に示す構造では、電子デバイスは6つの下部ケーブルチャネル180を含み、第1シールゴムストリップ170が2つの第1ケーブルシール部172を含む。この場合、3つの第1ケーブルトラフ173が各第1ケーブルシール部172上に配置され得る。
【0078】
図8は、本出願の一実施形態による下部ケーブルチャネルの部分拡大概略図である。図8に示すように、オプションの実装では、第1ケーブルトラフ173の溝面は半円筒形面である。少なくとも1つの第1溝リブ174が第1ケーブルトラフ173の溝面にさらに配置され得、第1溝リブ174は外部ケーブルの引き出し方向D1に垂直である。複数の第1溝リブ174がある場合、複数の第1溝リブ174は外部ケーブルの引き出し方向D1に沿って間隔を置いて平行に配置される。
【0079】
オプションの実装では、シールリング175が、各第1ケーブルトラフ173の端部であって第1内部ケーブル出口154に近い端部にさらに配置される;シールリング175の中心軸は、外部ケーブルの引き出し方向D1に垂直であり、シールリング175の内側半径は、好ましくは、第1ケーブルトラフ173の半円筒形面の半径よりも大きい。
【0080】
オプションの実装では、第1ケーブルシール部172は、第1突出部176をさらに含む。第1突出部176は、第1ケーブルシール部172の表面であって保護カバー160に面した表面に配置される。第1突出部176は、第1ケーブルトラフ173の軸C1を対称軸として、第1ケーブルトラフ173の2つの側部に対称に分布する。したがって、各第1ケーブルトラフ173は、2つの第1突出部176に対応する。各第1突出部176は、第1ケーブルシール部172の一端から第1ケーブルシール部の他端まで、外部ケーブルの引き出し方向D1に沿って延びる。第1突出部176は、第1フレーム上面151に垂直な方向に特定の高さを持ち、高さは、第1ケーブルトラフ173の軸C1から離れる方向に徐々に減少して、傾斜構造を形成する。
【0081】
図9は、本出願の一実施形態による第1溝と第1シールゴムストリップが設置された後のA方向断面図である。図9に示すように、好ましい実装では、第1溝152は長方形の溝であり得る;ハウジングシール部171の幅は、第1溝152の幅以下であり、ハウジングシール部171と第1溝152は、隙間嵌めを形成し;ハウジングシール部171の高さは、第1溝152の高さよりも大きい。このように、ハウジングシール部171の一部は第1溝152に埋め込まれ得、他の部分は第1フレーム上面151よりも高く、第1溝152の外側に位置する。第1溝152の構造に合わせるために、ハウジングシール部171の部分であって第1溝152に位置する部分の断面形状も長方形であり得る。ハウジングシール部171の部分であって第1溝152の外側に位置する部分は、保護カバー160(図7を参照)に向かって突出する2つの円弧形状構造182を含み得、2つの円弧形状構造182はハウジングシール部171の幅方向に沿って平行に配置される。
【0082】
図10は、本出願の一実施形態による保護カバー160の構造の概略図である。図10に示すように、保護カバー160は、保護カバー上面161と保護カバーフレーム162を含む。保護カバー上面161の形状と大きさは、第2チャンバ(図4を参照)の底面140の形状と大きさに一致し、保護カバーフレーム162は、保護カバー上面161の周囲に配置され、保護カバーフレーム162は、保護カバー上面161に垂直な方向に特定の高さを持ち、第2チャンバ120の深さの別の部分を形成する。保護カバーフレーム162は、保護カバーの上面161と平行な方向に特定の幅を持ち、その幅は好ましくは第2チャンバフレーム150の幅と等しい。したがって、保護カバーフレーム162は、第1フレーム上面151に面した方向に、第1フレーム上面151の形状と大きさに一致する第2フレーム上面163を形成することができる。
【0083】
本出願の本実施形態では、保護カバー160は、保護カバー160が回転軸に沿ってハウジング100に対して反転できるように、穴軸やヒンジ等を用いてハウジング100に接続されて、保護カバー160とハウジング100との間の閉鎖と開放を実現し得る。保護カバー160とハウジング100が留められるとき、第1フレーム上面151と第2フレーム上面163とが相互接続されて互いに取り付けられる。
【0084】
また、図10に示すように、少なくとも1つの第3溝164が第2フレーム上面163にさらに配置され、第3溝164の数量は第2溝153の数量と等しく、第3溝164と第2溝153の位置は一対一で対応している。第3溝164の形状と大きさは、第2溝153の形状と大きさと一致している。第2フレーム上面163が複数の第3溝164を含む場合、2つの隣接する第3溝164は、第2接続溝165を用いて連通する。
【0085】
本出願の本実施形態で提供される電子デバイスは、第2シールゴムストリップ190をさらに含む。第2シールゴムストリップ190は、第3溝164に埋め込まれるように構成される。図11は、本出願の一実施形態による第2シールゴムストリップ190の構造の概略図である。図11に示すように、第2シールゴムストリップ190は、第3溝164の形状に一致する少なくとも1つの第2ケーブルシール部191を含む。第2ケーブルシール部191の数量は第3溝164の数量と等しく、第2ケーブルシール部191と第3溝164の位置は一対一で対応している。このように、各第2ケーブルシール部191は1つの第3溝164に埋め込まれ得る。また、第2シールゴムストリップ190が複数の第2ケーブルシール部191を含む場合、第2接続部192が2つの隣接する第2ケーブルシール部191の間にさらに含まれ得る。第2接続部192は、一体構造を形成するよう複数の第2ケーブルシール部191を接続するように構成される。第2接続部192は、第2接続溝165の位置及び大きさと一致し、第2接続溝165に埋め込まれることができる。
【0086】
図12は、本出願の一実施形態による第3溝164と第2シールゴムストリップ190の設置の概略図である。図12に示すように、第2シールゴムストリップ190が第3溝164に埋め込まれた後、第2フレーム上面163、及び第2ケーブルシール部191の表面であって第1フレーム上面151に面した表面が、外部ケーブルを引き出すための少なくとも1つの上部ケーブルチャネル210を形成する。上部ケーブルチャネル210は、第2チャンバ120からハウジングの外部に貫通する。上部ケーブルチャネル210の数量は、下部ケーブルチャネル180(図7を参照)の数量と等しく、上部ケーブルチャネル210と下部ケーブルチャネル180の位置は一対一で対応する。各上部ケーブルチャネル210は、外部ケーブルの引き出し方向D1に沿って、第2フレーム上面163に配置された第2内部ケーブル出口166、第2ケーブルシール部191に配置された第2ケーブルトラフ193、及び第2フレーム上面163に配置された第2外部ケーブル出口167を順に含む;第2内部ケーブル出口166、第2ケーブルトラフ193、及び第2外部ケーブル出口167は同じ軸上に配置される。第2内部ケーブル出口166は、保護カバーフレーム162の内壁から第3溝164に延び、第2チャンバ120は第3溝164に連通する。第2フレーム上面163に垂直な方向の第2内部ケーブル出口166の深さは、第2フレーム上面163に垂直な方向の第3溝164の幅よりも小さい。第2外部ケーブル出口167は、保護カバーフレーム162の外壁から第3溝164に延び、第3溝164はハウジングの外部と連通する。保護カバーフレーム162の上面に垂直な方向の第2外部ケーブル出口167の深さは、第2フレーム上面163に垂直な方向の第3溝164の深さよりも小さい。第2ケーブルトラフ193は、第2ケーブルシール部191の表面であって第2チャンバフレーム150に面した表面に配置され、第2内部ケーブル出口166に近い側部から第2外部ケーブル出口167に近い側部に延びる。
【0087】
また、図12に示すように、電子デバイスが複数の上部ケーブルチャネル210を含む場合、複数の上部ケーブルチャネル210が、保護カバーフレーム162と第2ケーブルシール部191上に間隔を置いて平行に配置される。電子デバイスが複数の上部ケーブルチャネル210を含み、各第2シールゴムストリップ190が複数の第2ケーブルシール部191を含む場合、少なくとも1つの第2ケーブルトラフ193が各第2ケーブルシール部191上に平行に配置され得ることが理解され得る。例えば、図12に示す構造では、電子デバイスは6つの上部ケーブルチャネル210を含み、第2シールゴムストリップ190は2つの第2ケーブルシール部191を含む。この場合、3つの第2ケーブルトラフ193が各第2ケーブルシール部191に配置され得る。
【0088】
図13は、本出願の一実施形態による上部ケーブルチャネルの部分拡大概略図である。図13に示すように、オプションの実装では、第2ケーブルトラフ193の溝面は半円筒形面である。少なくとも1つの第2溝リブ194が第2ケーブルトラフ193の溝面にさらに配置され得、第2溝リブ194は外部ケーブルの引き出し方向D1に垂直である。複数の第2溝リブ194がある場合、複数の第2溝リブ194は外部ケーブルの引き出し方向D1に沿って間隔を置いて平行に配置される。
【0089】
オプションの実装では、第1ケーブルトラフ173のシールリング175に対応する環状溝195が、各第2ケーブルトラフ193の一端であって第2内部ケーブル出口166に近い一端にさらに配置される;環状溝195の半径は、好ましくは、第2ケーブルトラフ193の半円筒形面の溝面の半径よりも大きく、第1ケーブルトラフ173(図8参照)のシールリング175の外側半径以下である。
【0090】
オプションの実装では、第2フレーム上面163に垂直な方向の第2シールゴムストリップ190の厚さは、第2フレーム上面163に垂直な方向の第3溝164の深さよりも大きく、したがって、第2シールゴムストリップ190は第2フレーム上面163から突出する。
【0091】
オプションの実装では、第2ケーブルシール部191はさらに第2突出部196を含み、第2突出部196は、第2ケーブルシール部191の側部であって第1フレーム上面151(図12参照)に面した側部に配置され、第2突出部196は、第2ケーブルトラフ193の軸C2を対称軸として、第2ケーブルトラフ193の2つの側部に対称に分布する。したがって、各第2ケーブルトラフ193は、2つの第2突出部196に対応し、第2突出部196は、第1ケーブルシール部172に配置された第1突出部176と一対一に対応する。各第2突出部196は、外部ケーブルの引き出し方向D1に沿って、第2内部ケーブル出口166に最も近い第2溝リブ194から、第2外部ケーブル出口167に最も近い第2溝リブ194に延びる。第2突出部196は、第2フレーム上面163に垂直な方向に特定の高さを持ち、高さは第2ケーブルトラフ193の軸C2から離れる方向に徐々に減少して、傾斜構造を形成する。
【0092】
図14は、本出願の一実施形態による電子デバイスと外部ケーブルとの間の接続の概略図である。図14に示すように、外部ケーブルは、ケーブルボディ310、及びケーブルボディ310の一端に配置された配線端子320を含む。配線端子320は、第2チャンバ120に配置され、コネクタ130に挿入される。ケーブルボディ310は、電子デバイスの外部に延びるように、第2チャンバ120の内部から、第1内部ケーブル出口154、シールリング175、第1ケーブルトラフ173、第2外部ケーブル出口167を順に通過する。
【0093】
また、図14に示すように、第2チャンバフレーム150は、複数の第1位置決め穴157を含む。複数の第1位置決め穴157は、間隔を置いて第1フレーム上面151に配置され、第2チャンバフレーム150の内部で特定の深さを形成する。第1位置決め穴157は、好ましくはブラインドホールである。好ましい実装では、各第1位置決め穴157は、第1シールゴムストリップ170と第2チャンバフレーム150の外壁との間に配置され、保護カバーフレーム162は、さらに複数の第2位置決め穴168を含み、複数の第2位置決め穴168は、間隔を置いて第2フレーム上面163に配置され、第2位置決め穴168は貫通穴である。保護カバー160が留められるとき、複数の第2位置決め穴168は、複数の第1位置決め穴157と一対一に対応して同軸に分布する。このように、図14に示すように、保護カバー160を留めた後、ネジが、保護カバー160とハウジングがネジ接続を介して固定されてロックされるように、第2位置決め穴168と第1位置決め穴157にねじ込まれ得る。
【0094】
図15は、保護カバー160を留めたときのハウジング100、保護カバー160、及び第1シールゴムストリップ170の間の取り付け(fitting(フィッティング))関係の概略図である。図15に示すように、保護カバー160を留めるとき、第1フレーム上面151を第2フレーム上面163に密着させることができる。第1フレーム上面151に位置する少なくとも1つの下部ケーブルチャネル180と、第2フレーム上面163に位置する少なくとも1つの上部ケーブルチャネル210は、少なくとも1つの完全なケーブルチャネルを形成するように、一対一対応で相互接続される。
【0095】
図16は、第1シールゴムストリップのハウジングシール部171、第1フレーム上面151、及び第2フレーム上面163の間の取り付け関係を示す図である。図16に示すように、保護カバーが留められるとき、ハウジングシール部171は第1フレーム上面151よりも高いため、ハウジングシール部171は第2フレーム上面163によって圧迫されて変形する。変形したハウジングシール部171は、ハウジングシール部171に接する第1溝152の内壁及び第2フレーム上面163に特定の圧力を生じさせるので、ハウジングシール部171は、液体や粉塵がハウジングの外側からハウジングに侵入することを防止するために、第1溝152の内壁及び第2フレーム上面163に密着してシールを形成する。さらに、ハウジングシール部171は保護カバー160に向かって突出する2つの円弧形状構造を含むため、保護カバー160が留められるとき、2つの円弧形状構造は第2フレーム上面163に密着し得るので、二層のシールがハウジングシール部171と保護カバー160との間に形成され、それによって防水防塵効果が向上する。
【0096】
図17は、保護カバー160を留めたときのケーブル、第1ケーブルシール部172、及び第2ケーブルシール部191の間の取り付け関係を示す図である。図17に示すように、保護カバー160を留めたとき、第1フレーム上面151は第2フレーム上面163に密着する。この場合、第1ケーブルシール部172と第2ケーブルシール部191は互いに圧迫して変形を生じさせ、その変形によって生じた圧力は、第1ケーブルシール部172と第2ケーブルシール部191との間の接合部からハウジングに液体や粉塵が侵入することを防止するために、第1ケーブルシール部172と第2ケーブルシール部191がシールから密着させることを可能にする。
【0097】
さらに、図17を参照すると、保護カバー160を留めたとき、第1ケーブルシール部172の第1ケーブルトラフ173と第2ケーブルシール部191の第2ケーブルトラフ193が相互接続され、相互接続の後、第1ケーブルトラフ173と第2ケーブルトラフ193の半円筒形溝面が、ケーブルを収容するための完全な円筒形溝面を形成することができる。これに基づいて、第1ケーブルトラフ173に配置された少なくとも1つの第1溝リブ174の数量は、第2ケーブルトラフ193に配置された少なくとも1つの第2溝リブ194の数量と等しく、少なくとも1つの第1溝リブ174と少なくとも1つの第2溝リブ194は、一対一の対応関係にある。対応関係にある第1溝リブ174と第2溝リブ194の各グループは好ましくは同一平面に位置し、ケーブルボディ310、第1ケーブルトラフ173、及び第2ケーブルトラフ193からハウジングに液体及び埃が侵入するのを防ぐために、ケーブルボディ310は、二方向、すなわち、上方向及び下方向から強く押されてシールを形成する。
【0098】
一対一の対応関係にある複数の第1溝リブ174と複数の第2溝リブ194がある場合、対応関係を持つ第1溝リブ174と第2溝リブ194の各グループがシールを形成することが理解され得る。したがって、多層シールが、ケーブルと第1ケーブルトラフ173との間及びケーブルと第2ケーブルトラフ193との間に形成され得、それによって、ケーブル、第1ケーブルトラフ173、及び第2ケーブルトラフ193からハウジングに液体及び塵が侵入することを防ぐ能力を高める。
【0099】
さらに、図17に示すように、保護カバー160を留めるとき、第1ケーブルシール部172のシールリング175を第2ケーブルシール部191の環状溝195に埋め込むことができ、第1ケーブルシール部172と第2ケーブルシール部191からハウジングに液体及び塵が侵入することを防ぐために、シールリング175を第1ケーブルシール部172と第2ケーブルシール部191との間の圧力下で環状溝195にしっかりと取り付けてシールすることができる。
【0100】
また、第1ケーブルシール部172と第2ケーブルシール部191の圧力下で、変形した第1ケーブルシール部172は第2溝153の底面と側面に特定の圧力を発生させるため、第1ケーブルシール部172は、第1ケーブルシール部172と保護カバー160からハウジングに液体及び塵が侵入することを防ぐように、第2溝153の底面と側面に密着してシールを形成することが理解され得る。同様に、変形した第2ケーブルシール部191は、第3溝164の底面と側面に特定の圧力を発生させるため、第2ケーブルシール部191は、第2ケーブルシール部191とハウジング100からハウジングに液体及び塵が侵入することを防ぐように、第3溝164の底面と側面に密着してシールを形成する。
【0101】
図18は、第1突出部176と第2突出部196との間の取り付けの概略図である。図18に示すように、保護カバー160を留めるとき、第1ケーブルトラフ173と第2ケーブルトラフ193の2つの側部にあり、対応関係を持つ第1突出部176と第2突出部196の各グループが互いに接触するとともに互いを圧迫して変形を生じさせる。これにより、比較的高い圧力が第1突出部176と第2突出部196との間に生じるため、第1突出部176と第2突出部196とが密着し、それによって、第1ケーブルトラフ173と第2ケーブルトラフ193との接合部におけるシール効果が向上する。
【0102】
上記の技術的解決から、本出願の本実施形態で提供される電子デバイスでは、開かれ且つ留められることができる保護カバーがハウジング上に配置されることを知ることができる。電子デバイスでは、防水性能を持たないコネクタがハウジング内に配置され、外部ケーブルが、ハウジング内のコネクタに接続され、次いでハウジングからハウジング外に引き出される。ケーブルの引き出しを容易にするために、少なくとも1つのケーブルチャネルがハウジングと保護カバーの留め面に設けられ、第1シールゴムストリップ及び第2シールゴムストリップなどのハウジングシール部品がケーブル出口の周囲にさらに配置される。保護カバーを留めるとき、ハウジングと保護カバーは、ハウジングと保護カバーの間にシールを形成するように、第1シールゴムストリップをしっかりと押圧することができる。さらに、第1シールゴムストリップと第2シールゴムストリップは、ケーブルとハウジングとの間及びケーブルと保護カバーとの間にシールを形成するように、ケーブルをしっかりと押圧することができる。これにより、ハウジングの外側の液体及び埃などがハウジングに入ることがないため、防水性能を持たないコネクタを使用するとき、電子デバイスは防水能と防塵能を持つことができる。
【0103】
図19は、本出願の一実施形態による別の第1シールゴムストリップの構造の概略図である。図19に示すように、第1シールゴムストリップ170は、さらに、少なくとも1つのケーブルチャネルシール部178を含む。ケーブルチャネルシール部178の数量は、第1シールゴムストリップ170上に配置された第1ケーブルトラフ173の数量に依存し、一般に第1ケーブルトラフ173の数量以下である。ケーブルチャネルシール部178の数量が第1ケーブルトラフ173の数量と等しい場合、各ケーブルチャネルシール部178が1つの対応する第1ケーブルトラフ173を備えることを意味する;又は、ケーブルチャネルシール部178の数量が第1ケーブルトラフ173の数量より少ない場合、第1ケーブルトラフ173の一部のみが対応するケーブルチャネルシール部178を備えることを意味する。各ケーブルチャネルシール部178は、延長ゴムストリップ179とシールゴムプラグ181を含む。延長ゴムストリップ179の一端は、第1ケーブルシール部172の側部であって第1外部ケーブル出口155に面した側部に配置され、他端は第1外部ケーブル出口155を通ってハウジングの外部に延びる。シールゴムプラグ181は円筒形構造であり、シールゴムプラグ181の円形の底面は、延長ゴムストリップ179の一端であってハウジングの外部に位置する一端に接続される。
【0104】
図20は、本出願の一実施形態によるケーブルチャネルシール部178を使用する方法の概略図である。図20に示すように、ハウジングから引き出されるケーブルの数量がケーブルチャネルの数量より少ない場合、ケーブルチャネルシール部178は、電子デバイスの防水及び防塵能を維持するために、ケーブルが引き出されていないケーブルチャネルをシールするために使用され得る。特定の実装の間、保護カバー160を留める前に、延長ゴムストリップ179が、シールゴムプラグ181を第1ケーブルトラフ173内に配置するために、ハウジングに向かって曲げられ得、その後、保護カバー160を留める。このようにして、第1ケーブルトラフ173の第1溝リブ174と第2ケーブルトラフ193の第2溝リブ194は、ケーブルチャネルからハウジングに液体及び塵が侵入することを防ぐために、シールゴムプラグ181を2つの反対方向、すなわち上下方向に押圧して、シールを形成し得る。この場合、シールゴムプラグ181の役割はケーブルに相当する。
【0105】
以下はさらに、本出願の一実施形態によるハウジングの構造をさらに添付図面を参照して説明する。
【0106】
図21は、本出願の一実施形態によるハウジングの構造の概略分解図である。図21に示すように、ハウジング100は上部ハウジング410と下部ハウジング420を含み、上部ハウジング410と下部ハウジング420は、第1チャンバ110と第2チャンバ120を形成するように、2つの方向、すなわち上方向と下方向から固定される。下部ハウジング420は、下部ハウジング底面421及び下部ハウジング底面421の縁の周りに配置された下部ハウジングフレーム422を含む。下部ハウジングフレーム422は、下部ハウジング底面421に垂直な方向に特定の高さを持ち、下部ハウジング底面421に垂直な方向に第1チャンバ110の下半部と第2チャンバ120の下半部を形成する。下部ハウジング底面421は、第1チャンバ110を形成するために使用される底面領域と第2チャンバ120を形成するために使用される底面領域を含み得る。本出願の本実施形態では、第1チャンバ110と第2チャンバ120は、要件に従って任意の形状になるように設計され得る。したがって、本出願の本実施形態では、下部ハウジング底面421の形状もサイズも限定されない。
【0107】
さらに、図21に示すように、下部ハウジングフレーム422は、上部ハウジング410に面した側部に第4フレーム上面423を形成するように、下部ハウジング底面421と平行な方向に特定の幅を持つ。連続した第4溝424が第4フレーム上面423に配置される。さらに、下部ハウジングフレーム422は、さらに複数の第1ネジ穴サポート425を含み、複数の第1ネジ穴サポート425は、間隔を置いて下部ハウジングフレーム422の内側に配置され、各第1ネジ穴サポート425の幅は、下部ハウジングフレーム422の幅よりも大きい。
【0108】
オプションの実装では、第1ネジ穴サポート425は下部ハウジングフレーム422から突出する円弧形状構造であり得る。第1ネジ穴サポート425を通るとき、第4溝424は、第1ネジ穴サポート425の輪郭に適応するために、下部ハウジングフレーム422の内側にオフセットされ得る。このようにして、第1ネジ穴サポート425は、第4溝424と下部ハウジングフレーム422の外側側部との間に比較的大きな面積を持つ平坦な領域を形成する。また、下部ハウジングフレーム422は、さらに複数の第3位置決め穴426を備える。複数の第3位置決め穴426は、第1ネジ穴サポート425上に間隔を置いて分布し、好ましくは、第4溝424と下部ハウジングフレーム422の外側側部との間の平坦な領域に配置される。第3位置決め穴426は、貫通穴であり、下部ハウジング底面421に垂直な方向に下部ハウジングフレーム422を貫通している。
【0109】
さらに、図21に示すように、本出願の本実施形態で提供される電子デバイスは、第3シールゴムストリップ427をさらに含む。第3シールゴムストリップ427は、第4溝424の形状と大きさに一致する環状構造を持ち、第4溝424に埋め込まれることができる。第4フレーム上面423に垂直な方向の第3シールゴムストリップ427の厚さは、第4溝424の深さよりも大きい。このように、第3シールゴムストリップ427を埋め込んだ後、第3シールゴムストリップ427は第4フレーム上面423よりも高くなり得る。また、第1シールゴムストリップ170のハウジングシール部171の方向であって上部ハウジング410に面した方向に、保護カバー160に向かって突出する2つの円弧形状構造があり得、この2つの円弧形状構造は、第3シールゴムストリップ427の幅方向に沿って平行に配置される。
【0110】
図22は、本出願の一実施形態による上部ハウジング410の構造の概略図である。図22に示すように、上部ハウジング410は、上部ハウジング上面411、上部ハウジングフレーム412、及び保護カバー160を含む。上部ハウジングフレーム412の一部と上部ハウジング上面411は、第1チャンバ110の上部を共同で囲む;上部ハウジングフレーム412の他の部分と保護カバー160は、第2チャンバ120の上部を共同で囲む。上部ハウジングフレーム412の部分であって第2チャンバ120を囲むために使用される部分は、本出願の前述の実施形態で説明した第2チャンバフレーム150に対応する。
【0111】
また、図22に示すように、少なくとも1つの位置決め溝413が、上部ハウジング410上の第1チャンバ110と第2チャンバ120との間の隣接位置に配置され、位置決め溝413は、第1チャンバ110の一方の側部から第2チャンバ120の一方の側部に延びている。複数の位置決め溝413がある場合、複数の位置決め溝413は、間隔を置いて平行に配置される。本出願の本実施形態では、デバイスメインボード200から引き出されたコネクタ130(図21参照)が、位置決め溝413に配置される。そのため、位置決め溝413は、コネクタ130を範囲内に収め(limit)、複数のコネクタ130を互いに隔離するために使用される。本出願の本実施形態では、1つのコネクタ130が好ましくは各位置決め溝413に配置される。したがって、位置決め溝413の数量は、防水が必要なコネクタ130の数量以上である。
【0112】
また、図22に示すように、上部ハウジングフレーム412の部分であって第1チャンバ110を囲む部分は、上部ハウジング上面411と平行な方向に特定の幅を持つ。そのため、第4フレーム上面423(図21参照)と相互接続するために使用される第5フレーム上面414が下部ハウジング420(図21参照)に面した側部に形成される。第5フレーム上面414の幅は、好ましくは、第4フレーム上面423の幅と同じである。また、上部ハウジングフレーム412は、第1ネジ穴サポート425(図21参照)と一対一対応する複数の第2ネジ穴サポート415をさらに含み、複数の第2ネジ穴サポート415は上部ハウジングフレーム412の内側に間隔を置いて配置され、各第1ネジ穴サポート425の幅は上部ハウジングフレーム412の幅よりも大きい。
【0113】
オプションの実装では、第2ネジ穴サポート415は上部ハウジングフレーム412から突出する円弧形状構造であり得、第2ネジ穴サポート415のサイズと形状は、それぞれ第1ネジ穴サポート425のサイズと形状と同じである。また、複数の第4位置決め穴416が上部ハウジングフレーム412にさらに配置され、複数の第4位置決め穴416が、第2ネジ穴サポート415に間隔を置いて分布し、複数の第3位置決め穴426と一対一対応で同軸に配置される。第4位置決め穴416は、好ましくは、ブラインドホールである。
【0114】
図23は、本出願の一実施形態による上部ハウジング410と下部ハウジング420の設置の概略図である。図23に示すように、上部ハウジング410と下部ハウジング420が留められるとき、第3シールゴムストリップ427が第4フレーム上面423よりも高いため、第3シールゴムストリップ427は第5フレーム上面414によって圧迫されて変形する。変形した第3シールゴムストリップ427は、第3シールゴムストリップ427に接する第4溝424の内壁及び第5フレーム上面414に特定の圧力を生じさせることで、ハウジングの外から液体及び粉塵がハウジングに侵入することを防止するように、第3シールゴムストリップ427を第4溝424の内壁及び第5フレーム上面414に密着させてシールを形成する。また、第3シールゴムストリップ427は第5フレーム上面414に向かって突出する2つの円弧形状構造を含むため、上部ハウジング410と下部ハウジング420を留めるとき、2つの円弧形状構造は、2層シールが第3シールゴムストリップ427と第5フレーム上面414との間に形成されるように、第5フレーム上面414に密着し得、それによって、防水防塵効果が向上する。
【0115】
実装において、電子デバイスは、防水能を有する少なくとも1つのコネクタ510、例えば低速コネクタをさらに含み得る。コネクタ510を配置することを容易にするために、図24に示すように、上部ハウジングフレーム412はコネクタ開口417を備え、コネクタ510はコネクタ開口417に配置され得る。さらに、コネクタ510と上部ハウジング410との間及びコネクタ510と下部ハウジング420との間の防水を促進にするために、第3シールゴムストリップ427がさらに、コネクタ開口417内のコネクタ510の構造と一致する環状構造428(図22参照)を備え;環状構造428は、コネクタ510にスリーブ状に配置され、コネクタ510と上部ハウジング410との間及びコネクタ510と下部ハウジング420との間に防水防塵効果を実現するために、上部ハウジング410と下部ハウジング420が留められた後、上部ハウジングフレーム412と下部ハウジングフレーム422に接触することができる。
【0116】
本出願の一実施形態は、さらに車両を提供する。車両は、本出願の前述の実施形態のいずれかによる電子デバイスを含む。電子デバイスは、車載コンピューティングモジュール、例えば、自動運転コンピューティングプラットフォーム、ECU、又はVCUを含み得る。車両は、燃料自動車、燃料-電気ハイブリッド自動車、純粋な電気自動車、運転能力を有するエンジニアリングマシン、無人搬送車AGV、運転能力を有するロボットなどを含むが、これらに限定されない。
【0117】
上記の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図していない。本出願で開示されている技術的範囲内の変更又は置換は、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2023-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
このように、保護カバーが留められるとき、対応する第1突出部と第2突出部の各グループは、変形を生じさせるように、互いに接触して互いを圧迫し得;第1突出部と第2突出部との間の圧迫によって生じる圧力は、第1突出部を第2突出部に密着させることを可能にし、それによって、第1ケーブルトラフと第2ケーブルトラフとの間の接合部におけるシール効果を向上させる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
図15】保護カバーが留められるときのハウジング、保護カバー、及び第1シールゴムストリップの間の取り付け関係(fitting relationship)の概略図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
従来の非自動運転車では、車載コンピューティングモジュール又はECUなどのデバイスは、通常、低速コネクタが装備されている。図1は、低速コネクタを装備したECUの構造の概略分解図である。図1に示すように、ECUは、上部ハウジング11、下部ハウジング12、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)13、及び低速コネクタ14を含む。留められた後、上部ハウジング11と下部ハウジング12は、低速コネクタ14を収容するための開口部15を形成することができる。低速コネクタ14は、ハウジングの開口部15に配置され、低速コネクタ14の一端はハウジング内のPCB13に接続され、他端は、ハウジングの外側に配置され、ケーブルに接続するように構成される。低速コネクタ14は、開口部15の形状に一致するベース16を備える。ECUハウジングが留められるとき、デバイス全体の防水要件を満たすために、上部ハウジング11と下部ハウジング12は接着剤塗布(glue dispensing)17を通してシールされ得、ハウジングと低速コネクタ14は、開口部15とベース16との間の接続面への接着剤塗布17を通してシールされ得る。技術的ソリューションは比較的成熟している。
【国際調査報告】