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特表2023-553716マッサージデバイスに最適化された駆動を備えたマッサージヘッドおよびそのようなヘッドを備えたマッサージデバイス
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  • 特表-マッサージデバイスに最適化された駆動を備えたマッサージヘッドおよびそのようなヘッドを備えたマッサージデバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】マッサージデバイスに最適化された駆動を備えたマッサージヘッドおよびそのようなヘッドを備えたマッサージデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A61H15/00 340C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536929
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 FR2021052254
(87)【国際公開番号】W WO2022129738
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2013739
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン ダソンヴィル
(72)【発明者】
【氏名】アンブロワーズ ド ラ シャペール
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AE02
4C100AE05
4C100AE15
4C100AF06
4C100BB03
4C100BC03
4C100CA01
4C100DA02
(57)【要約】
本発明は、モーター(14)と、モーター(14)の回転運動をヘッドに伝達する手段(16)とを備えるマッサージデバイス(2)のためのマッサージヘッド(1)に関するものであって、回転運動をヘッドに伝達する手段(16)は、出力軸(D―D’)の周りで回転する出力シャフト(17)を備え、当該ヘッドは、第1の軸(B―B’)および第2の軸(C―C’)に沿って延在する第1のマッサージローラーおよび第2のマッサージローラー(8、9)と、マッサージローラーを第1軸および第2軸の周りに逆回転させるシステム(13)とを備え、出力軸の回転をマッサージローラーの回転に変換する傘歯車デバイスを備え、第1軸および第2軸は、出力軸に交差した平面(P1)に内接する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ(14)と、モータ(14)の回転運動をマッサージヘッド(1)に伝達するための伝達手段(16)とを備えたマッサージデバイス(2)用のマッサージヘッド(1)であって、前記伝達手段(16)は、出力軸(D―D’)の周りで回転するように取り付けられた出力シャフト(17)を備え、前記マッサージヘッドは(1)は、
ユーザーの皮膚と接触するように意図されており、それぞれ、第1の軸(B―B’)と第2の軸(C―C’)に沿って長手方向に延在する第1のマッサージローラー(8)および第2のマッサージローラー(9)と、
前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)をそれぞれ前記第1の軸(B―B’)および前記第2の軸(C―C’)の周りに逆回転で同時に回転させる駆動システム(13)であって、前記出力シャフト(17)の前記出力軸(D―D’)周りの回転運動を、前記第1の軸および前記第2の軸(B―B’、C―C’)の周りの前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の回転運動にそれぞれ変換する角度伝達装置(38、39A、39B)を備える前記駆動システム(13)と、前記出力軸(D―D’)と交差する平面(P1)に内接する前記第1の軸および前記第2の軸(B―B’、C―C’)と、それぞれ前記第1のマッサージローラー(8)および前記第2のマッサージローラー(9)の回転駆動を確実にするために、それぞれ設けられた第1の歯車セット(35A)および第2の歯車セット(35B)を備える前記駆動システム(13)と、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の一方に固定された少なくとも1つの駆動歯車(36A、36B)および1つの従動歯車(37A、37B)を備えるそれぞれの前記第1の歯車セットおよび前記第2の歯車セット(35A、35B)と、入力歯車(38)と、前記入力歯車(38)と噛み合う2つの出力歯車(39A、39B)を備える交差軸または直交軸を有する二重歯車で形成された前記角度伝達装置(38、39A、39B)と、前記駆動歯車(36A、36B)を回転駆動するために、前記第1の歯車セット(35A)および前記第2の歯車セット(35B)の前記駆動歯車(36A、36B)にそれぞれ接続される各出力歯車(39A、39B)と、
を備える、マッサージヘッド(1)。
【請求項2】
前記第1のマッサージローラー(8)の延在および回転の前記第1の軸(B―B’)は、前記第2のマッサージローラー(9)の延在および回転の前記第2の軸(C―C’)と平行であり、前記出力軸(D―D’)は、好ましくは、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の延在および回転の前記第1の軸および前記第2の軸(B―B’、C―C’)に対して直交する、請求項1に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項3】
前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の最小間隔(Emin)と最大間隔(Emax)との間で、前記マッサージローラー(8、9)の回転中に、ユーザーの皮膚によって、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の少なくとも一方に加えられる外力に応じて、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の間の相対的な間隔を調整するための調整システムを備える、請求項1または2に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項4】
前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)は、それぞれ前記第1の軸および前記第2の軸(B―B’、C―C’)を中心に回転するように取り付けられるフレーム(10)を備え、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)間の相対間隔を調整するための前記システムは、前記第1の軸(B―B’)を前記フレーム(3)に対して固定した状態に保持するように設計および構成され、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の間の前記最小間隔(Emin)を規定する第1の位置の間で前記第2の軸(C―C’)の移動を許容する一方で、第2の位置は、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の間の前記最大間隔(Emax)を規定する、請求項3に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項5】
前記調整システムは、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記第2の軸(C―C’)の移動が円弧軌道に従うように設計および構成され、前記調整システムは、好ましくは、第1のマッサージローラー(8)用の第1の支持手段(27)を備え、前記第1の支持手段(27)は、前記フレーム(3)に対して固定されており、前記第2のマッサージローラー(9)用の第2の支持手段(28)は、第2のマッサージローラー(9)の伸張および回転の前記第2の軸(C―C’)に平行である旋回軸(F―F’)を中心に前記フレーム(3)に対して旋回するように取り付けられている、請求項4に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項6】
前記調整システムは、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の少なくとも一方に対して外力が加えられない場合、最初は、前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)を離間した状態に保持するように設計されている、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項7】
前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)をそれらの最小間隔(Emin)まで自動的に近づける傾向にある力を及ぼすように構成および配置された戻し部材(33)を備える、請求項3乃至6のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項8】
前記第1の歯車セットおよび前記第2の歯車セット(35A、35B)は、それぞれ、前記駆動歯車(36A、36B)と従動歯車(37A、37B)との間に配置された中間歯車(43A、43B)を備え、前記従動歯車(37A、37B)が噛合する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項9】
前記中間歯車(43A、43B)は、前記駆動歯車(36A、36B)と噛合し、前記駆動歯車(36A、36B)のそれぞれの直径および前記従動歯車(37A、37B)のそれぞれの直径よりも大きい直径を有する、請求項8に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項10】
前記第2の歯車セット(35B)の前記中間歯車(43B)は、前記フレーム(10)に対して相対的に前記第2の支持手段(28)の前記旋回軸(F―F’)と一致する回転軸(I―I’)を中心に回転するように取り付けられている、請求項5、8、9のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項11】
前記第1の歯車セット(35A)と前記第2の歯車セット(35B)が同一である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項12】
前記第1の歯車セットおよび前記第2の歯車セット(35A、35B)の前記歯車(36A、37A、43A、36B、33B、43B)の全部または一部は、前記歯車の回転軸に沿って非ゼロ移動で回転するように取り付けられる、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項13】
前記第1のマッサージローラーおよび前記第2のマッサージローラー(8、9)の前記駆動システム(13)を、前記マッサージヘッド(1)の外側の環境から隔離するように設計および構成されたケーシング(46、47)を備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)。
【請求項14】
前記マッサージデバイス(2)は、モータ(14)と、モータ(14)の回転運動をマッサージヘッド(1)に伝達するための伝達手段とを備え、前記伝達手段は、前記出力軸(D―D’)周りに回転するように取り付けられた出力シャフト(17)を備える、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のマッサージヘッド(1)を備えるマッサージデバイス(2)。
【請求項15】
手動で握るためのハンドル(4)を形成する本体(3)を備え、好ましくは、マッサージヘッド(2)が取り付けられる第1の端部(5)と反対側の第2の端部(6)との間で長手延在方向(A―A’)に沿って延在し、前記長手延在方向(A―A’)は、好ましくは、前記伝達手段(16)の前記出力シャフト(17)の前記出力軸(D―D’)に平行または一致する、請求項14に記載のマッサージデバイス(2)。
【請求項16】
前記マッサージヘッド(1)を前記本体(3)に取り外し可能に取り付けるための手段を備える、請求項15に記載のマッサージデバイス(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚マッサージデバイス、特に、家庭用のマッサージヘッド、およびそのようなマッサージヘッドを備えたマッサージデバイスの一般的な技術分野に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、モータと、モータの回転運動をマッサージヘッドに伝達するための伝達手段とを備えるマッサージデバイス用のマッサージヘッドに関する。また、本発明は、マッサージヘッドと、モータと、モータのシャフトの回転運動をマッサージヘッドに伝達する伝達手段とを備えるマッサージデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
手持ち式の皮膚マッサージデバイスは、一般に、モータを備えた本体と、モータにより伝達機構を介して回転駆動されるマッサージローラーを備えたマッサージヘッドとから構成されるものが知られている。通常、これらのデバイスのマッサージヘッドは、一対のマッサージローラーを備えており、回転させるとマッサージローラーを皮膚に適用することで皮膚をマッサージすることが可能となる。特に、例えば、いわゆる「触診ロール」技術に従って皮膚マッサージを行うためのマッサージデバイスの場合、これらのデバイスのマッサージヘッドは、マッサージローラーの反対方向への回転駆動を保証するように設計されている。しかしながら、そのような既知のマッサージヘッドおよびデバイスが、一般に、満足を与えるとしても、まだ改善の余地がある。第一に、その実施は多くの場合、複雑であり、特に、専門的な皮膚マッサージの専門スキルを持たない人にとっては、あまり人間工学的ではない。さらに、既知のマッサージヘッドおよびデバイスは、マッサージ中にローラーに対して大きな力が加わった場合に、破損の危険性を伴う機械的信頼性の問題を時々抱えている。さらに、既知のマッサージヘッドおよびデバイスは、常に、所望の効果的な皮膚の機械的マッサージを提供するとは限らない。さらに、これらの既知のマッサージヘッドおよびデバイスを使用して行われるマッサージは、特に、顔の皮膚領域を治療するときに、時には不快であったり、痛みを伴ったりすることさえある。最後に、既知のマッサージヘッドおよびデバイスは、比較的複雑な設計であることが多く、製造コストが高くなり、使用時の信頼性や堅牢性に悪影響を与える傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明に割り当てられた目的は、マッサージデバイス用の新しいマッサージヘッド、および、特に、専門的な皮膚マッサージ技術を持たない人が使用するために、特に、実用的、人間工学的、直観的に使用出来る新しいマッサージデバイスを提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、皮膚に対して効果的かつ快適なマッサージを可能とするマッサージデバイス用の新たなマッサージヘッドおよび新たなマッサージデバイスを提案することである。
【0006】
本発明の別の目的は、特に、信頼性があり堅牢なマッサージデバイス用の新たなマッサージヘッドおよび新たなマッサージデバイスを提案することである。
【0007】
本発明の別の目的は、設計が特に単純なマッサージデバイス用の新たなマッサージヘッドおよび新たなマッサージデバイスを提案することである。
【0008】
本発明の別の目的は、特によく制御された体積を有するマッサージデバイス用の新たなマッサージヘッドおよび新たなマッサージデバイスを提案することである。
【0009】
本発明の別の目的は、比較的安価に製造出来るマッサージデバイス用の新たなマッサージヘッドおよび新たなマッサージデバイスを提案することである。
【0010】
本発明の別の目的は、特に安全に使用出来るマッサージデバイス用の新たなマッサージヘッドおよび新たなマッサージデバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に割り当てられた目的は、モータと、モータの回転運動をマッサージヘッドに伝達するための伝達手段とを備えるマッサージデバイス用のマッサージヘッドであって、伝達手段は、出力軸の周りを回転するように取り付けられた出力シャフトを備え、マッサージヘッドが
ユーザーの皮膚に接触するように意図され、それぞれ第1の軸と第2の軸に沿って長手方向に延在する第1のマッサージローラーおよび第2のマッサージローラーと、
第1のマッサージローラーおよび第2のマッサージローラーを、それぞれ第1の軸および第2の軸の周りに逆回転で同時に回転させるための駆動システムであって、出力軸を中心とする出力シャフトの回転運動を、それぞれ第1の軸および第2の軸を中心とする第1のマッサージローラーおよび第2のマッサージローラーの回転運動に変換するための角度伝達装置を備え、第1の軸および第2の軸が出力軸と交差する平面に内接する駆動システムとを備えるマッサージヘッドにより、達成される。
【0012】
また、本発明に割り当てられた目的は、本発明によるマッサージヘッドを備えるマッサージデバイスであって、デバイスは、モータと、モータの回転運動をマッサージヘッドに伝達するための伝達手段とを備え、伝達手段は、出力軸の周りを回転するように取り付けられた出力シャフトを備えるマッサージデバイスによっても達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら以下の説明を読むことにより、より詳細に明らかになるであろうが、これらは、単に例示的かつ非限定的な例として示されるものである。
【0014】
図1】本発明によるマッサージヘッドの好ましい実施形態を斜視図で概略的に示しており、マッサージローラーは最小間隔の位置に配置されている。
図2図1のマッサージヘッドを分解上面図で概略的に示している。マッサージヘッドフレームを形成するハウジングの半シェルと第2のマッサージローラーの第2の支持手段は、マッサージローラーを回転させるシステムの一部を示すために、互いに横方向にオフセットして示されている。
図3図1および図2のマッサージヘッドを分解正面図で概略的に示している。マッサージローラーを回転させるシステムの一部を示すために、ハウジングの半シェルは横方向にオフセットされ、第2の支持手段は垂直方向にオフセットされている。
図4図1のマッサージヘッドを、図2の矢印で示す正中面での断面図で概略的に示している。内部ケーシング要素の一例が非常に概略的に示されている。
図5図1のマッサージヘッドを上面図で概略的に示しており、今回はマッサージローラーが最大間隔の位置に配置されている。
図6図5のマッサージヘッドを側面図で概略的に示している。ハウジングの半シェルおよび第2のマッサージローラーの第2の支持手段は省略されている。
図7図5のマッサージヘッドの側面斜視図を概略的に示しており、ハウジングの半シェルおよび第2のマッサージローラーの第2の支持手段が省略されている。
図8】ハンドルを形成する本体の作業端に取り外し可能に取り付けられた図1のマッサージヘッドを側面図で概略的に示しており、本発明によるマッサージデバイスの好ましい実施形態を示している。
図9図8のマッサージヘッドおよびマッサージデバイスを長手方向中央断面図で概略的に示す図である。
図10図8のマッサージヘッドおよびマッサージデバイスを側面図で概略的に示しており、今回はマッサージローラーが図5図7と同様に最大間隔の位置に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、一方では、マッサージデバイス2用のマッサージヘッド1に関するものであり、その非限定的な好ましい実施形態が図1図10に示されている。他方、本発明は、そのようなマッサージヘッド1を備えたマッサージデバイス2に関するものであり、その実施形態が図8図10に例示されている。以下、説明を簡単にするために、本発明のマッサージヘッド1とマッサージデバイス2とを並行して説明する。本発明の意味の範囲内では、これらは、皮膚、好ましくは、顔、好ましくは、人間のユーザー(男性または女性)の皮膚を、機械的に操作することを意図した皮膚マッサージヘッド1およびデバイス2である。好ましくは、本発明によるマッサージヘッド1およびデバイス2は、パーソナルケア、特に、皮膚マッサージにおける特別な専門技術を持たない人(またはユーザー)による家庭内での使用を意図している。図1図10に示す実施形態に係るマッサージヘッド1は、施療部位の点から特に限定されるものではない。同様に、図8図10に示されたマッサージデバイス2は、より好ましくは、顔の皮膚領域のマッサージを意図している。マッサージヘッド1およびデバイス2は、特に、自己使用を意図しており、すなわち、マッサージヘッド1およびデバイス2の使用者が、皮膚マッサージを受けることになる。
【0016】
有利には、本発明に関するマッサージデバイス2は手持ち式の手動デバイスであり、すなわち、好ましくは、マッサージデバイス2を使用して自分の皮膚をマッサージする人が手で保持して使用することを意図している。しかしながら、本発明の枠組みから逸脱することなく、人が他の人の皮膚を機械的に操作するために本発明によるマッサージヘッド1およびデバイス2を実施出来ることを排除するものではない。一例として、図8図10に示されるように、マッサージデバイス2は、好ましくは、手動で握るためのハンドル4(またはグリップ)を形成する本体3を備える。本体3は、平均長手方向の延在方向A―A’に延在することが好ましい。有利には、本体3は、細長く、有利には、平均長手方向の延在方向A―A’に対応する空間の単一方向に沿って主に延在する。このようにして、ハンドル4は、大人のユーザーが両手いっぱいで握ることが可能なように、好ましくは、細くて長い形状を有する。好ましくは、本体3は、マッサージヘッド1が取り付けられるか、配置されるか、または、少なくとも取り付けられることが意図される作業端と呼ばれる第1の端部5と、第2の反対側の端6の間で、平均長手方向の延在方向A―A’に沿って長手方向に延在する。したがって、マッサージヘッド1が、マッサージデバイス2の本体3に取り付けられるとき、マッサージヘッド1は、本体3の作動端5を超えて本体3を有利に延在させる。好ましくは、本体3の長さに対応する、第1の端部5および第2の端部6を隔てる距離は、ユーザーの手のすべての指がハンドル4上で閉じることが出来るのに十分である。本体3は、例えば、略管状の形状(例えば、一定か否かにかかわらず、平均断面が円形または楕円形)であり、ユーザーが良好に握ることを可能にするような形状およびサイズを有する。本体3は、例えば、一方では、ユーザーによってマッサージデバイス2をグリップするための領域を形成する外面と、他方では、マッサージデバイス2の良好な動作に必要な様々な機能要素が内部にある内部空間であり、マッサージヘッド1の特定部分を収納することが可能である内部空間とを画定するような方法で、好ましくは、水密に組み立てられた2つの半シェル7A、7Bから形成することが可能である。仮に、マッサージデバイス2の本体3のこのような長い形状と、本体3の作業端5へのマッサージヘッド1のそのような配置とが、ユーザーによるマッサージデバイス2の取り扱いを容易にする場合であっても、本発明は、これらの好ましい形状および配置に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の形状および配置を考慮することが可能であることは明らかである。
【0017】
本発明によるマッサージヘッド1は、皮膚の機械的マッサージを確実にするためにユーザーの皮膚と接触することを意図している第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を備える。第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9は、それぞれ、第1の軸(または、第1の方向)B―B’および第2の軸(または、第2の方向)C―C’に沿って、長手方向に延在しており、第1の軸B―B’は、第1のマッサージローラー8の回転軸を形成し、第2の軸C―C’は、第2のマッサージローラー9の回転軸を形成する。好ましくは、図示されたマッサージヘッド1およびデバイス2の実施形態のように、第1のマッサージローラー8の延在および回転の第1の軸B―B’は、第2のマッサージローラー9の延在および回転の第2の軸C―C’と実質的に平行である。図示された実施形態では、マッサージローラー8、9のそれぞれは、実質的に略円柱形状を有しており、第1の軸B―B’および第2の軸C―C’が、有利には平行であり、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9のそれぞれの表面を隔てる空間は、第1の軸B―B’および第2の軸C―C’に沿って一定である。しかしながら、目的とする用途によれば、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の一方および/または他方の略形状は異なり、例えば、凸状または凹状であることが興味深い可能性がある。意図された用途および治療される皮膚領域に応じて、第1のマッサージローラー8および/または第2のマッサージローラー9の表面(または、外部部分)は、外観が実質的に滑らかであってもよく、または、逆に、特に、マッサージローラー8、9の少なくとも1つによる皮膚のグリップを促進するために、例えば、隆起、ビーズ、フック、スタッド、パレット等のような異なる形状または構造を有してもよい。さらに、第1のローラー8および/または第2のローラー9(または、その表面または外部部分を画定する第1のローラー8および/または第2のローラー9の少なくとも一部)は、実質的に硬くて非弾性の材料で作ることが可能であり、または、逆に、マッサージローラー8、9の少なくとも一方による皮膚のグリップを促進し、使用感を向上させるために、ある程度の弾性を有する材料(例えば、エラストマー)で作ることが可能である。
【0018】
マッサージヘッド1は、図示の実施形態のように、好ましくは、ハウジング11を形成するフレーム10(またはシャーシ)を備えることが有利である。次に、このようなハウジング11は、マッサージヘッド1の視認可能な外部エンベロープの少なくとも一部を有利に画定することが可能である。図に示すように、ハウジング11は、例えば、ねじ止めまたは他の適切な手段(例えば、接着、溶接、スナップフィット等)によって、一緒に組み立てられた2つの半シェル12A、12B(例えば、コストおよび重量の理由からプラスチック材料で作られる)から形成することが可能である。代替として、ハウジング11を単一のモノリシックシェルで形成することも可能である。したがって、フレーム10は、マッサージヘッド1の固定基準系を有利に画定し、これに対して、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9が、それぞれの第1の回転軸B―Bおよび第2の回転軸C―C‘を中心に回転可能である。また、マッサージヘッド1は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を、それぞれ、延在および回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’の周りに同時に回転させるための駆動システム13を備える。したがって、駆動システム13は、モータ14の回転運動を2つのマッサージローラー8、9に同時に能動的に伝達するように設計されている(したがって、能動駆動システムを形成している)。図示の実施形態では、駆動システム13は、ここでは、フレーム10によって有利に形成されるハウジング11内に収容される。マッサージヘッド1は、ユーザーの皮膚の表面の反対側に(好ましくは接触して)配置されるように意図された適用面15と、少なくとも部分的に適用面15の外側に(すなわち、それを越えて)突出する第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9とを備えることが有利である。
【0019】
本発明に関連するマッサージデバイス2は、本体3(図9)内に、例えば、マッサージヘッド1の外に、有利に一体化され、好ましくは、収容されるモータ14(または電動手段)を備える。好ましくは、それは、電気モータ14(例えば、DCモータ、好ましくは、サーボ制御されたモータ)である。しかしながら、それは、空気圧タイプの動力化手段(例えば、エアタービン)または、他のものでも可能である。マッサージデバイス2は、さらに、モータ14の回転運動、より正確にはモータ14の回転運動をマッサージヘッド1に伝達するための伝達手段16を備える(図9)。換言すれば、伝達手段16は、モータ14の回転が、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の対応する回転を引き起こすように、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を回転させるための駆動システム13と協働するように設計および構成されている。有利には、少なくとも部分的に本体3内に収容され、伝達手段16は、特に、出力軸D―D’を中心に回転するように取り付けられた出力シャフト17を備え、伝達手段16を介して、マッサージヘッド1の第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の駆動システム13に機械的に接続され(または、少なくとも機械的に接続可能とされ)、これらのマッサージローラーを回転させる(図9)。場合によって、伝達手段16は、出力シャフト17の回転速度を使用要件に適合させるためのギヤモータを備えることが可能である。マッサージデバイス2は、マッサージデバイス2の一般的な動作を制御するための制御ユニット(電気機械的または電子的)をさらに備えることが可能であり、ユーザーは、これを使用して、マッサージデバイス2のオンとオフを切り替えたり、一般的な動作モードを設定したり、または、特定のパラメータ(例えば、マッサージローラー8、9の回転速度、マッサージローラー8、9の回転方向、等)を設定したりすることが可能である。図8および10に示されるように、制御ユニットは、マッサージデバイス2の本体3内に有利に配置することが可能であり、コントロールパネル18を介して、ユーザーがアクセスすることが可能である。また、マッサージデバイス2は、電源ユニット19を備えることも可能である。電源ユニット19は、例えば、マッサージデバイス2の自律的、遊牧的(ノマド)な使用を可能にするために、マッサージデバイス2の本体3内に配置された交換可能または充電可能な蓄電器のバッテリーを備え、または、一体化されているかどうかにかかわらず、外部電源コード(図示せず)を介して、従来の電気ソケットに接続することを意図した変圧器を備えることが可能である。
【0020】
マッサージデバイス2の本体3が、マッサージヘッド1が取り付けられるか取り付けられる予定の作業端5と、反対側の第2の作業端6との間で、平均長手方向の延在方向A―A'に沿って延在する好ましい場合には、伝達手段16の出力シャフト17の出力軸D―D’は、マッサージデバイス2の本体3の平均長手方向の延在方向A―A’が平行になるか、または、この軸は、出力シャフト17の出力軸D―D’と一致する(図8図10)。これにより、特に、マッサージデバイス2の設計を簡素化し、その体積を制御することが出来る。
【0021】
変形例(「固定」変形例と称する、図示せず)によれば、マッサージデバイス2の本体3とマッサージヘッド1は、通常の使用では、マッサージヘッド1がユーザーによって本体3から分離出来ないように、互いに一体化されている。図に例として示される実施形態に維持される、別のより有利な変形例(「取り外し可能な」変形例と呼ばれる)によれば、マッサージヘッド1は、本体3から取り外し可能であり、分離可能である。次に、マッサージデバイス2は、その目的のために、例えば、マッサージヘッド1と本体3が、それぞれ担持する相補的な隆起部(エンボス)を連結することによって、また、あるいは、ねじ込み、圧入、または、その他の適切な既知の取り付け技術によっても、マッサージヘッド1を本体3に取り外し可能に取り付けるための取付手段(または結合手段)を備える。有利には、それぞれ本体3上に設けられた、対応する第2の取付手段21(例えば、本体3から突出するボタンによってばね式に取り付けられ制御される回転ビーズ付きレバー)と可逆的に協働することを意図した第1の取付手段20(例えば、ハウジング11に形成された凹部)を備えると、マッサージヘッド1は、取り外し可能であり、したがって、一時的に本体3に組み付けられ、その後、例えば、マッサージヘッド1のメンテナンスおよび/または交換の目的のために、ユーザーによって、本体3から実質的に分離されることが可能である。次に、有利には、マッサージデバイス2は、交換可能なマッサージヘッド1を備えたデバイス2を形成することが可能である。好ましくは、マッサージデバイス2の本体3は、マッサージヘッド1を取り外し可能に受け入れて、一時的かつ可逆的な方法でマッサージヘッド1を本体3に取り付けるように適合および構成された収容部22を画定する。図8図10に示される実施形態のように、収容部22は、マッサージデバイス2が、本体3の作動端5の近くで本体3に組み立て、取り付けられることが出来るように、本体3の作動端5に有利に画定される。したがって、収容部22は、マッサージヘッド1の少なくとも1つの取付部分24を受け入れることが可能となる自由空間を画定する側壁23によって有利に区切られる。
【0022】
有利には、図に示すように、マッサージヘッド1(または、少なくともマッサージヘッド1のフレーム10/ハウジング11)は、マッサージヘッド1がマッサージデバイス2の本体3に取り付けられる(固定の変形例)、または、取り付けられる予定の(取り外し可能な変形例)近位端25と、皮膚に向かってマッサージヘッド1の適用面15で、または、それを越えて配置される反対側の遠位端26との間で、平均延在方向E―E’に沿って延在する。したがって、マッサージヘッド1がマッサージデバイス2の本体3に取り付けられ、ユーザーがマッサージデバイス2を手に持つとき、マッサージヘッド1の近位端25は、ユーザーの手に最も近く、マッサージされるべきユーザーの皮膚領域からは最も遠く、一方、遠位端26は、ユーザーの手から最も遠く、マッサージされるべきユーザーの皮膚領域に最も近い。有利には、マッサージヘッド1がマッサージデバイス2の本体3に取り付けられるとき、本体3の作動端5において、マッサージヘッド1の平均延在方向E―E’は、本体3の平均長手方向の延在方向A―A’と平行または一致する(図8~10)。さらに、有利には、図に例として示すように、マッサージヘッド1がマッサージデバイス2の本体3に(永続的に、または一時的に)取り付けられるとき、本体3の作業端5において、マッサージヘッド1の平均延在方向E―E’は、一方では、本体3の平均長手方向の延在方向A―A’と、他方では、モータ14の回転運動をマッサージヘッド1に伝達する手段16の出力シャフト17の出力軸D―D’と、平行または一致する。(図8図10)。
【0023】
マッサージヘッド1の駆動システム13は、より具体的には、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を同時に逆回転させるように設計されている。換言すれば、駆動システム13は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9が、それぞれ第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’を中心として、その逆に、すなわち、回転方向を逆にし、有利には同じ回転速度で、同時に回転することを保証するために設けられている。駆動システム13は、第1のローラー8および第2のローラー9が同じ方向に回転すること、および、それぞれの延在および回転軸B―B’、C―C’の周りを自由に回転することを有利に防止する。第1の変形例によれば、駆動システム13は、第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’に垂直な平面図において、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を回転させるように設計され、第1のマッサージローラー8第2のマッサージローラー9を上にして、左側のマッサージローラーの適用面15から突き出た部分が反三角関数方向(時計回り)に回転し、一方、右側のマッサージローラーの適用面15から突き出た部分は、三角関数方向(または、反時計回り)に回転する。このように、マッサージヘッド1の使用において、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9が皮膚に接触して位置決めされると、それらの回転運動により、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の皮膚にしわが生じる。次いで、マッサージヘッド1は、皮膚を捏ねることによって、線維芽細胞の刺激とコラーゲン、エラスチン、およびヒアルロン酸の産生の促進によって、特に、静脈およびリンパ循環の活性化、および皮膚の軟化を可能にする、いわゆる「触診ロール」マッサージ技術を実行するために有利に使用することが可能となる。第2の変形例によれば、駆動システム13は、第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’に垂直な平面図において、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を回転させるように設計され、第1のマッサージローラー8、第2のマッサージローラー9を上にして、左側のマッサージローラーの適用面15から突出した部分が三角関数方向(または、反時計回り)に回転し、一方、右側のマッサージローラーの適用面15から突き出ている部分は、反三角関数方向(または、時計回り)に回転する。このように、マッサージヘッド1の使用中に、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9が皮膚に接触して位置決めされるとき、それらの回転運動は、皮膚の「伸張」を引き起こす。また、第3の変形例によれば、駆動システム13が、ユーザーの選択に従って(例えば、コントロールパネル18上のユーザーのアクションによって)、上述の第1(しわを寄せる)および第2(伸ばす)の変形例に従って、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を交互に回転させるように設計されることも考えられる。有利なことに、逆回転の方向がどのような方向であっても、マッサージローラー8、9の駆動システム13は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を、それぞれ第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’を中心に、同一の回転速度で回転させるように設計および構成されている。
【0024】
本発明によれば、マッサージヘッド1が、本体3に(永続的に、または一時的に)取り付けられてマッサージデバイス2が形成されるとき、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の延在および回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’は、モータ14の回転運動をマッサージヘッド1に伝達する手段16の出力シャフト17の出力軸D―D’と交差する平面P1に内接する(図8図10)。第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を回転させる駆動システム13は、反対に、出力軸D―D’の周りの出力シャフト17の回転運動を、それぞれ第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’の周りの第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の回転運動に変換するための角度伝達装置を備える。換言すれば、駆動システム13は、角度伝達装置を介して、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’が内接し、第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’を中心とする第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の回転運動が生じる平面P1と交差する入力回転軸の周りのマッサージヘッド1の入力部における回転運動を変換するように設計および構成されている。マッサージヘッド1が構造的に永続的に(「固定」の変形例)、または、一時的に(「取り外し可能」の変形例)、マッサージデバイス2の本体3に取り付けられるとき、マッサージヘッド1の入力における回転軸は、モータ14の回転運動をマッサージヘッド1に伝達する手段の出力シャフト17の出力軸D―D’と有利に一致し、同一直線上にある。有利には、マッサージヘッド1の入力における回転軸は、マッサージヘッド1の近位端25と遠位端26との間のマッサージヘッド1の平均延在方向E―E’と平行、または一致する(図8~10)。このような特徴の組み合わせのおかげで、マッサージヘッド1およびそれに取り付けられたマッサージデバイス2は、特に、簡単で、人間工学的であり、直感的に使用出来る。特に、マッサージデバイス2のハンドル4を形成する本体3が、マッサージヘッド1が取り付けられる作業端5と第2の対向端6との間で平均長手方向の延在方向A―A’に沿って延在する場合、伝達手段16の出力シャフト17の出力軸D―D’は、本体3の平均長手方向の延在方向A―A’と平行または一致し、この場合、マッサージヘッド1は、マッサージデバイス2の全体的な形状およびその取り扱いに関して理想的な向きとなる、皮膚に対するマッサージローラー8、9の適用面(または接触面)Pを画定することが可能となる。マッサージデバイス2のハンドル4を片手で保持することにより、実際、ユーザーは、ハンドルを持つ手の手首を対応する腕の延長線上に自然に揃えて、簡単、直観的かつ人間工学に基づいた方法で、マッサージローラー8、9をマッサージする皮膚領域に保持することが可能となる。
【0025】
マッサージヘッド1およびこれに装着されるマッサージデバイス2の人間工学性および使い易さをさらに向上させるために、第1のマッサージローラー8の延在および回転の第1の軸B―B’が、第2のマッサージローラー9の延在および回転の第2の軸C―C’と平行であること、モータ14の回転運動をマッサージヘッド1に伝達する手段16の出力シャフト17の出力軸D―D’は、第1の延在回転軸B―B’および第2の延在回転軸C―C’に直交すること、をさらに規定することが有利である。換言すれば、マッサージヘッド1は、この場合、一方では、上で考察したように、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の延在および回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’が互いに平行となるように、有利に設計され、構成され、また、他方では、マッサージヘッド1がマッサージデバイス2の本体3に(永続的にまたは一時的に)取り付けられ、出力シャフト17の出力軸D―D’が、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の延在および回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’と直交するように、有利に設計され、構成される。
【0026】
好ましくは、図に示された実施形態のように、マッサージヘッド1は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の相対的な間隔を調整するための、すなわち、マッサージローラー8、9の回転中にユーザーの皮膚によって、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の少なくとも一方に加えられる(したがって、加えられる力に対抗する)外力に応答して、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の最小間隔Emin(図1~4、8、9)と最大間隔Emax(図5~7、10)との間の相対位置を修正する調整システムをさらに備える。ここで、「間隔」とは、マッサージローラー8、9の各面の間隔、距離を意味する。換言すれば、マッサージヘッド1が動作中であり、第1のローラー8および第2のローラー9がマッサージヘッド1の駆動システム13によって逆回転駆動され、ユーザーの皮膚に接触しているとき、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の相対的な間隔(すなわち、相対的な位置)を調整するためのシステムは、このように、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の相対的な間隔を、マッサージローラー8、9の少なくとも一方がユーザーの皮膚によって、マッサージローラー8,9に対して加えられる外力の強度の関数として修正することが可能であり、この力は、一般に、マッサージローラー8、9を相互に離間させる傾向がある。ここで、この力は、特に、マッサージヘッド1をユーザーの皮膚に加える力に対する皮膚の反応から生じる。したがって、マッサージローラー8、9の間の距離は、皮膚によって加えられる力の強さに応じて増加する可能性がある。それは、可変皮膚作業領域の定義をもたらし、その範囲は、ユーザーの皮膚によって、マッサージローラー8、9の少なくとも1つに加えられる外力の関数として、マッサージローラー8、9間の相対的間隔によって定義される。したがって、このような調整により、マッサージヘッド1を治療対象のユーザーの皮膚領域に完全に適合させることが出来、それゆえ、(マッサージローラー8、9の動作に関連する局所的な痛みのリスクを制限することによって、)効果的かつ快適な皮膚のマッサージを保証することが出来る。特に、従来技術のマッサージヘッドでは起こり得る、第1のローラー8および第2のローラー9の間で皮膚を挟む危険性は、第1のローラー8および第2のローラー9の間の相対的間隔を調整するためのシステムのおかげで、著しく制限される(排除されるとは言わない)。
【0027】
マッサージヘッド1は、上述したように、フレーム10を備えることが有利であり、フレーム10に対して、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9が、それぞれ、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の延在および回転軸B―B’、C―C’の周りで回転するように取り付けられ、このような調整システムは、それらに加えられる外力に対して、フレーム10に対する第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9のそれぞれの移動(同時または非同時)を可能にするように設計および構成することが出来る可能性がある。この場合、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の最小間隔Eminを規定する第1の軸B―B’および第2の軸C―C’の第1の相対位置と、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の最大間隔Emaxを規定する、第1の軸B―B’および第2の軸C―C’の第2の相対位置との間で、マッサージローラー8、9の少なくとも一方に加えられる外力に応答して、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の相対的な間隔を調整するためのシステムは、第1のマッサージローラー8の第1の回転軸B―B’の移動および第2のマッサージローラー9の第2の回転軸C―C’の移動を可能にするように設計および構成出来てもよい。
【0028】
しかし、逆に、調整システムは、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9のうちの一方のみが、各マッサージローラー8、9に加えられる外力に応じて、フレーム10に対して移動出来るように設計および構成されていることが、より有利である。実際、これにより、提供されるマッサージの効率やマッサージヘッド1の使用の快適性を損なうことなく、マッサージヘッド1の設計を簡素化し、コンパクトで、堅牢性、信頼性および使い易さを向上させることが出来るという利点がある。逆に、このように、マッサージローラー8、9のうちの一方のみを移動させることが出来るという事実は、2つのマッサージローラー8、9がマッサージヘッド1のフレーム10に対して移動するように適合されている場合の状況によって観察される可能性のある不快でぎくしゃくしたマッサージを回避することが可能である。したがって、この点において、図示の実施形態のように、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9(図1~4、8および9)の間の最小間隔Eminを規定する第1位置と、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の最大間隔Emaxを規定する第2位置との間(図5~7および10)で、少なくとも第2のマッサージローラー9に対して加えられる外力に応答して、第のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の相対的な間隔を調整するためのシステムは、マッサージヘッド1が第2のマッサージローラー9の第2の軸C―C’の移動を許容しつつ、第1のマッサージローラー8の第1の軸A―A’を、マッサージヘッド1のフレーム10に対して、固定(すなわち、並進移動不能)して保持するように、設計および構成し得ると有利である。
【0029】
有利には、最小Eminおよび最大Emax間隔は、調整システムの概念によって、マッサージローラー8、9の適切なサイズ(特に直径)に従って、次のように定義される。第2の軸C―C’が最初の位置を占めるとき、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9は、約2mmから10mmの間、さらに好ましくは、4mmから8mmの間、さらにより好ましくは、6mmに等しい最小距離dminだけ離間される。第2の軸C―C’が第2の位置を占めるとき、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9は、8mmから20mmの間、さらに好ましくは、10mmから12mmの間、さらにより好ましくは、10mmに等しい最大距離dmaxだけ離間される。
【0030】
ここでは、これらの最小dminおよび最大dmaxの距離は、それぞれ、第2のマッサージローラー9がその第1の位置を占める場合、第2のマッサージローラー9がその第2の位置を占める場合における、マッサージローラー8、9の軸線B―B’、C―C’を含む平面(平面P1)内で、互いに対向して配置された第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9のそれぞれの表面の2つのデータ点を分離する最小距離および最大距離に対応すると考えられる。最小dminおよび最大dmaxの距離は、マッサージ効率および使用の快適性を最適化するために、特に、治療される体の皮膚領域に応じて異なって選択されることが有利である。したがって、顔の皮膚領域を治療するためにマッサージヘッド1を使用する場合、特に、マッサージローラー8、9の回転方向が上記で考えられた第1の変形例(すなわち、いわゆる「触診ロール」技術の実施)に準拠している場合、最小間隔Eminは、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9との間の最小距離dminが、好ましくは、約6mmに等しくなるように規定されると有利であり、一方、最大間隔Emaxは、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9の間の最大距離dmaxが、好ましくは、約10mmに等しくなるように規定されると有利である。マッサージヘッド1を大腿部や臀部の皮膚部位の治療に使用する場合、特に、マッサージローラー8、9の回転方向が上記で考えられた第1の変形例(すなわち、いわゆる「触診ロール」技術の実施)に準拠している場合、最小間隔Eminは、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9との間の最小距離dminが、好ましくは、約10mmに等しくなるように規定されると有利であり、一方、最大間隔Emaxは、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9との間の最大距離dmaxが、好ましくは、約15mmに等しくなるように規定されると有利である。マッサージヘッド1を腕の皮膚部位の治療に使用する場合、特に、マッサージローラー8、9の回転方向が上記で考えられた第1の変形例(すなわち、いわゆる「触診ロール」技術の実施)に準拠している場合、最小間隔Eminは、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9との間の最小距離dminが、好ましくは、約5mmに等しくなるように規定されると有利であり、一方、最大間隔Emaxは、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9との間の最大距離dmaxが、好ましくは、約10mmに等しくなるように規定されると有利である。
【0031】
ここで、マッサージローラー8、9の間のそのような最小dminおよび最大dmaxの距離を得ることが可能である調整システムの設計は、有利ではないが、上記の検討された場合に必要な変更を加えて対称的に維持することが出来ることに留意されたい。この調整システムは、フレーム10に対する第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9のそれぞれの移動(同時または非同時)を可能にするように設計および構成されている。この点において、上記の第2のマッサージローラー9の第2の軸C―C’の第1の位置/第2の位置に対する基準は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’の第1の相対位置/第2の相対位置に対する基準に対称的に置き換え得る。
【0032】
好ましくは、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の相対的間隔を調整するためのシステムは、さらに、第1のローラー8および第2のローラー9の少なくとも一方に対して外力が加えられない場合(特に、第2のマッサージローラー9のみが移動するように適合されている場合には、少なくとも第2のマッサージローラー9に対して)、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を、最初は離間した状態に保持するように、設計および構成されている。換言すれば、調整システムは、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の間の初期間隔Eini(非ゼロ)を確保するために提供され、一方、これらのマッサージローラー8、9は、ユーザーの皮膚に接触しておらず、マッサージヘッドは、静止しているか、完全に停止している場合もある。第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9との間にこのような初期間隔が存在することは、マッサージヘッド1が皮膚に当てられるとすぐに、(マッサージローラー8、9の回転方向に従ってしわを寄せたり、伸ばしたりすることによって)皮膚の即時かつ強壮なマッサージを有利に促進する。マッサージヘッド1が、いわゆる「触診ロール」技術に従って(すなわち、上述した第1の駆動代替に対応する方向に回転するマッサージローラー8、9を用いて)皮膚領域を治療することを意図している場合、この初期間隔Einiにより、ユーザーがマッサージローラー8、9を皮膚に接触させた直後に、作業領域内への皮膚の挿入が容易になるという利点もある。この挿入は、ユーザーが特別な操作をしなくても、非常に痛みを伴わず、楽に行える。したがって、マッサージヘッド1の使い易さおよび人間工学が向上する。例えば、マッサージヘッド1がいわゆる「触診ロール」技術に従って顔の領域を治療することを意図している場合、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9は、例えば、有利には、少なくとも2mm~8mm、さらに好ましくは、少なくとも5mm(または6mm)の初期距離だけ最初に離間して保持されることが可能である。
【0033】
さらに有利には、調整システムは、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を、上記の最小間隔Eminと同一の初期間隔Einiで保持するように設計することが可能である。換言すれば、少なくとも第2のマッサージローラー9に対して皮膚から力が加わっていない状態では、第2のマッサージローラー9のみが動くことが出来る上記の優先的な場合、次に、調整システムは、第2のマッサージローラー9の第2の回転軸C―C’を第1の位置に保持する。したがって、第2の軸C―C’の第2の位置は静止位置である。これは、マッサージローラー8、9の間の相対的間隔を調整するためのシステム、より一般的には、マッサージヘッド1の設計をさらに簡素化するのに寄与する。好ましくは、図に示す好ましい実施形態の場合のように、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9との間の相対的な間隔を調整するためのシステムは、第2のマッサージローラー9の第2の軸C―C’が第1の位置と第2の位置との間で(または対称的に)移動するように設計され、構成され、第1の相対位置と第2の相対位置との間の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’の移動は、円弧軌道をたどり、曲率中心は、フレーム10の内側に向かって有利に位置決めされる。このような構成により、治療すべき皮膚領域のトポグラフィーに応じて、ユーザーによって加えられる圧力の影響下で、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9の間の相対間隔の調整を容易にすることが可能であるという利点がある。実際、このような円弧軌道は、マッサージヘッド1を使用して治療される可能性のある領域のほとんどが比較的丸い形状を有する限り(顔、脚、腕、お尻、等)、マッサージヘッド1を使用者の皮膚の輪郭に追従させるのによく適している。さらに、このような構成は、デザインの簡素化およびマッサージヘッド1の小型化に有利に寄与する。
【0034】
この点において、調整システムは、好ましくは、第1のマッサージローラー8用の第1の支持手段27(または、第1の支持アーム)と、第1の支持手段27とは別個の、第2のマッサージローラー9用の第2の支持手段28(または、第1の支持アーム)とを備える。第1の支持手段27および第2の支持手段28は、それぞれ、第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’を中心とする回転のために、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を支持するように、例えば、それぞれ、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9を軸方向に通過する第1の剛性軸29および第2の剛性軸30を介して支持するように、設計および構成されている。したがって、マッサージローラー8、9の回転の剛性軸29、30を、有利に形成する。上述し、図示の実施形態に維持されている有利なケースでは、第2のマッサージローラー9と第2のマッサージローラー9の第2の回転軸C―C’の移動のみを許容するように調整システムが設けられている場合、第1のマッサージローラー8の第1の支持手段27はフレーム10に対して動かない。一方、第2のマッサージローラー9の第2の支持手段28は、第2の軸C―C’に平行な旋回軸F―F’を中心としてフレーム10に対して旋回するように取り付けられている(また、仮定上、第1の軸B―B’にも平行であり、図示されるように、第1の軸B―B’および第2の軸C―C’は、有利には、互いに平行である。)。図に示すように、旋回軸F―F’は、第2の軸C―C’の円弧軌道の曲率中心がフレーム10およびハウジング11の内側に向かって配置されるように、適用面15の下に有利に配置される。
【0035】
有利には、第1の支持手段27は、フレーム10またはハウジング11の全部または一部と一体とすることが可能である。例えば、フレーム10がハウジング11を形成し、それ自体が2つの半シェル12A、12Bによって形成される図示の好ましい実施形態では、第1の支持手段11は、2つの相補的な支持要素31A、31Bによって有利に形成され、それぞれが、2つの半シェル12A、12Bのうちの1つと単一のモノリシック部品を形成する。有利には、第2の支持手段28は、単一のモノリシック部品で形成することが可能であり、一方では、旋回軸F―F’に沿って長手方向に延びる剛性の旋回軸32を介してフレーム10に対して旋回するように取り付けられ、一方では、第2の剛性軸30を介して第2のマッサージローラー9に接続される。したがって、第2の支持手段28、ひいては第2のマッサージローラー9の可動性を確保しつつ、マッサージヘッド1の製造および組立が容易になる。図に示すように、第1の支持手段27および第2の支持手段28は、マッサージヘッド1の上記の適用面15を有利に画定する。また、適用面15は、座面、一種のガイドを構成し、ユーザーがマッサージローラー8、9を皮膚に押し付けすぎないようにすることで、人間工学とマッサージヘッド1の使用の安全性を最適化する。好ましくは、第1の支持手段27および第2の支持手段28は、ユーザーの皮膚または指がフレーム10と第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9との間に挟まれる危険性を有利に制限するような形状である。
【0036】
有利には、マッサージヘッド1は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9をそれらの最小間隔Eminまで自動的に近づける傾向にある力を及ぼすように構成および配置された戻り部材33を備える。マッサージローラー8、9間の相対的間隔を調整するためのシステムが、第2のマッサージローラー9および第2のマッサージローラー9の第2の軸C―C’の移動のみを許容するように設けられる優先的な場合、戻り部材33は、このように、第2のマッサージローラー9が第2の位置にあるときに、第2のマッサージローラー9の延在および回転の第2の軸C―C’を第1の位置に戻そうとする力を及ぼすように、構成および配置される。対称的に、戻し部材33は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の延在および回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’を、それらが第2の相対位置を占有するときに、第1の相対位置に戻す傾向にある力を及ぼすように構成および配置することが可能である。したがって、戻り部材33は、ユーザーの皮膚によって、特に、マッサージローラー8、9の少なくとも一方に対して加えられる外力の影響でマッサージローラー8、9が離れたときに、マッサージローラー8、9を互いに近づける効果を有する。このような戻し部材33の実装により、動的性質を備えたマッサージローラー8、9間の相対的間隔を調整するためのシステムを有利に提供することが可能になり、特に、皮膚のマッサージ中にマッサージローラー8、9と皮膚との間の永久的な接触を促進することが可能となる。このような戻し部材33は、調整システムがマッサージローラー8、9に直接的および/または間接的に及ぼされる力のバランスに達するまでこれらの間の間隔を調整することが出来るという更なる利点もある。実際、皮膚によってマッサージローラー8、9の少なくとも一方に加えられる力は、戻し部材33によって加えられる力よりも大きいとき、戻り部材33の戻り効果を打ち消し、第2のマッサージローラー9をその第2の位置に向かって移動させることによって(または、対称的に、マッサージローラー8、9を、それらの第2の相対位置に向けて移動させることによって)、マッサージローラー8、9を離間させることを可能にする。逆に、皮膚によって加えられる力が戻し部材33によって加えられる力よりも小さい場合、戻し部材33によって加えられる力は、第2のマッサージローラー9をその第1の位置に向かって自動的に戻し(または、対称的に、マッサージローラー8、9を自動的に、それらの第1の相対位置に戻す)、これにより、マッサージローラー8、9が互いに近づき、バランス位置に達する。このようなバランスを得ることで、特に、治療領域の皮膚の特性(厚さ、弾力性など)に自動的に適応することで痛みを制限するために、マッサージヘッド1によって皮膚に及ぼされる力(特に、「触診ロール」技術による操作の場合には皮膚にしわを寄せる力)を制御し、制限することが有利に可能になる。したがって、戻り部材33の実装は、作業領域内、すなわちマッサージローラー8、9の間で許容される最大の力を設計により選択することが可能となり、したがって、従来技術のマッサージヘッドの場合のように、この力(特に皮膚に加えられる圧力によって引き起こされる)の予測をユーザーに知らせないようにすることが可能となる。したがって、これにより、マッサージヘッド1およびデバイス2の安全性および使い易さが大幅に向上し、特に、マッサージの分野において特別なスキルや知識を持たないユーザーによる使用が可能になる。
【0037】
戻し部材33は、任意の適切な公知のタイプのものとすることが可能であり、例えば、1つまたは複数の螺旋引張または圧縮ばね(「コイル」ばね)、1つまたは複数の螺旋捩じりばね、1つまたは複数の板ばね、または、それらの組み合わせも、備えることが可能である。図(特に、図4、6、9)に示される実施形態では、戻り部材33は、単一の螺旋捩じりばねを備え、その脚の一方がフレーム10の表面に対して配置され、他方の脚が第2のローラー9の第2の支持手段28の表面に対して配置され、そのコイルは、フレーム10に対して旋回するために第2の支持手段28を接続する剛性旋回軸32の周りに巻かれている。明らかに、所望の戻り効果を得るために、戻り部材33の他の配置および構成を保持してもよい。有利には、戻り部材33の校正、特に、その戻り力は、意図された用途および治療される皮膚領域に応じて、皮膚抵抗閾値の関数として選択される。したがって、皮膚抵抗閾値未満では、マッサージヘッド1の使用中に、戻り部材33の作用によりマッサージローラー8、9が互いに近づくことになる。この閾値を超えると、逆に復帰部材33の復帰力が皮膚抵抗力よりも小さくなり、マッサージローラー8、9が互いに遠ざかる傾向にある。これにより、マッサージヘッド1による皮膚マッサージの効率と快適性の両方が向上し、同時に、特別な資格を持たないユーザーによるマッサージヘッド1の使用の安全性が保証される。好ましくは、戻り部材33は、2Nと20Nの間、さらに好ましくは、4Nと10Nの間の戻り力を及ぼすように校正される。例えば、図示の実施形態のように、戻し部材33が単一の捩じりコイルばねを備える場合、この捩じりコイルばねの捩じりトルクは、10Nmmから50Nmmの間であることが有利であり、20Nmmから40Nmmの間であることがさらに有利である。このような校正は、確かに、マッサージヘッド1を使用した、上記のいわゆる「触診ロール」技術による顔の皮膚領域の治療に特によく適合する。
【0038】
有利には、第2のマッサージローラー9の延在および回転の第2の軸C―C’の第1の位置および第2の位置(または、対称的に、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’の第1の相対位置および第2の相対位置)は、マッサージローラー8、9間の相対的な間隔の範囲を信頼性が高く、再現可能な方法で機械的に制限するような停止位置である。特に、単純な設計の変形例によれば、第1の位置および第2の位置(または、対称的に、第1の相対位置および第2の相対位置)は、マッサージヘッド1が設計されるときに、一度だけ規定され、固定された機械的止め部材によって規定される。したがって、ユーザーによる特別な設定は必要としない。たとえば、図に示されるように、第2のマッサージローラー9の第2の軸線C―C’の第2の位置は、第2の支持手段28に配置され、ハウジング11の外面に当接する2つの固定横止め部材34によって規定され、第2の回転軸C―C’が2番目の位置を占めるとき(図10)、マッサージヘッド1のフレーム10によって有利に形成される。あるいは、単一の固定止め部材を考慮することも可能である。有利には、第2のマッサージローラー9の第2の回転軸C―C’が第2の位置を占めるとき(図10)、止め部材34は、第2のマッサージローラー9の表面がフレーム10から離れて保持されることを保証し、それらの間の接触を回避するように設計および寸法設定される。第2の回転軸C―C’の第1の位置は、例えば、第2の支持手段28に配置された少なくとも1つの固定止め部材(好ましくは、2つの止め部材、図では見えない)によって規定することが可能であり、2番目の回転軸C―C’が最初の位置を占めるとき、固定止め部材が第1のマッサージローラー8の第1支持手段27の表面に当接する。図示の実施形態では、この固定止め部材は、第2の支持手段28と、ハウジング11内に収容された駆動システム13との間の相互作用を回避することがさらに有利に可能になる。別の変形例(図示せず)によれば、ユーザーが、所望の最小Eminおよび最大Emax間隔の値、すなわち最小dminおよび最大dmaxの距離を定義および調整出来るように、逆に、第1の位置および/または第2の位置は、調整可能な機械的止め部(例えば、ねじ調整可能)によって規定することが可能である。
【0039】
好ましくは、図に例として示すように、マッサージヘッド1は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9と皮膚との接触面P2がマッサージヘッド1の平均延在方向E―E’と非垂直に交差するように設計および構成されていることが有利であり、さらに好ましくは、第2のマッサージローラー9の延在および回転の第2の軸C―C’が占める(第1または第2の)位置は、いずれでもよい(それぞれ、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’が占める第1の相対位置または第2の相対位置は、いずれでもよい。)。好ましくは、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9とが最小間隔Eminにあるとき、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9と皮膚との接触面P2は、少なくとも15°の最小接触角αminでマッサージヘッド1の平均延在方向E-E'と非垂直に交差し(図8および図9)、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9が最大間隔Emaxにあるとき、最大接触角αmaxは、最大110°である(図10)。マッサージローラー8、9の皮膚との接触面P2のこのような傾斜は、マッサージヘッド1およびデバイス2の優れた人間工学に寄与し、治療される皮膚領域がいずれであれ、それらをさらに扱い易く、使用し易くする。さらにより有利には、特に、マッサージヘッド1が顔の皮膚領域を治療することを目的としている場合、最小接触角αminは、72.5°に等しく選択されることが有利であり、一方、最大接触角αmaxは、91.5°に等しく選択されることが有利である。有利には、図示された好ましい実施形態のように、マッサージヘッド1のフレーム10に対する第2のマッサージローラー9の第2の支持手段28の旋回軸F―F’は、マッサージヘッド1の平均延在方向E―E’を含む平面内に含まれていてもよく、これは、マッサージヘッド1の設計の簡素化およびコンパクト化に寄与する。この場合、マッサージローラー8、9の間の相対的間隔を調整するためのシステムは、マッサージローラー8、9が最小相対間隔Eminにあるとき、第2の回転軸C-C'と旋回軸F-F'を含む平面P4の最小開き角βminは、95°と110°の間(好ましくは105°に等しい)であり(図8および9)、マッサージローラー8、9が最大相対間隔Emaxにあるとき、一方で、有利には、第1の回転軸B―B’を含む平面P3の間を画定するように設計および構成され得、他方で、最大開き角度βmaxは、135°と150°の間(好ましくは143°に等しい)であるように設計および構成され得る(図10)。
【0040】
好ましくは、マッサージローラー8、9を回転させるための駆動システム13は、互いに異なる第1の歯車セット35Aと第2の歯車セット35Bとを備え、これらは、それぞれ第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の回転駆動を確実にするために設けられている。第1の歯車セット35A、および第2の歯車セット35Bのそれぞれは、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の一方に(軸方向に)固定された少なくとも1つの駆動歯車36A、36Bおよび1つの従動歯車37A、37Bを備え、駆動歯車35A、35Bによって(直接的または間接的に)回転駆動される。換言すれば、第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット35Bのそれぞれの従動歯車37A、37Bは、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の回転の第1の軸B―B’または第2の軸C―C’の周りで第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の一方と一体的に回転するように取り付けられ、第1の回転軸B―B’または第2の回転軸C―C’を中心とする従動歯車37A、37Bの回転が、対応する第1のマッサージローラー8または第2のマッサージローラー9の共同回転を引き起こす。駆動歯車36A、36Bおよび従動歯車37A、37Bは、好ましくは、直歯タイプである。
【0041】
図示されたマッサージヘッド1およびデバイス2の実施形態に維持される有利な変形例によれば、角度伝達装置は、有利には、(単一の)入力歯車38を備える交差軸(回転軸が割線である歯車)または、直交軸(回転軸が互いに直交する面に内接する歯車)を有する二重歯車で形成され、2つの出力歯車39A、39Bは、入力歯車38と噛み合っている。駆動歯車36A、36Bを回転駆動するために、各出力歯車39A、39Bは、第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット35Bの対応する駆動歯車36A、36Bにそれぞれ接続されている。換言すれば、角度伝達装置は、同じ入力歯車38を共有し、2つの別個の出力歯車39A、39Bを介して、第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット35Bをそれぞれ駆動する、交差軸または直交軸を有する2つの歯車を備える。このような駆動システム13は、比較的単純で効率的な設計であると同時に、特に堅牢で信頼性が高い。したがって、その様々な構成要素を硬質プラスチック材料で有利に作製することが可能となり、これにより、マッサージヘッド1の製造コストおよび重量を有利に削減することが可能となる。好ましくは、各出力歯車39A、39Bは、出力歯車39A、39Bと対応する駆動歯車36A、36Bが物質の連続性によって互いに接続されるように、対応する駆動歯車36A、36Bとともに単一のモノリシック部品を形成する。これは、特に、駆動システム13の部品数を制限することにより、駆動システム13の設計をより単純にし、さらに信頼性を高めることが可能となる。
【0042】
さらに、マッサージローラー8、9を回転させるための駆動システム13の設計を簡素化するために、角度伝達装置は、より好ましくは、上で考察したように、交差軸を有する二重歯車である二重傘歯車で形成される。換言すれば、角度伝達装置の入力歯車38は、傘歯車であり、角度伝達装置の出力歯車39A、39Bも、共に傘歯車である。有利には、角度伝達装置は、90°の角度伝達を保証するように設計および構成される。換言すれば、角度伝達装置の入力歯車38および出力歯車39A、39Bは、出力歯車39A、39Bの回転軸G―G’が入力歯車38の回転軸H―H’と交差かつ直交するように(図3および図7)、構成および配置されている。これにより、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の延在および回転の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’が互いに平行であり、出力シャフト17の出力軸D―D’が上記の第1の軸B―B’ および第2の軸C―C’に直交する有利な場合。特に、マッサージローラー8、9を簡単かつ効率的な方法で回転させることが出来る。図から明らかなように、入力歯車38の回転軸H―H’は、一方では、マッサージヘッド1の延在方向E―E’と有利に平行または一致し、他方では、(マッサージヘッド1が本体3に取り付けられているとき、)出力シャフト17の出力軸D―D’と有利に平行、または一致する。
【0043】
有利には、マッサージヘッド1は、角度伝達装置の入力歯車38を、モータ14の回転運動をマッサージヘッド1に伝達する手段16の出力シャフト17の遠位端に、好ましくは一時的に、結合するための結合部材をさらに備え、これにより、出力軸17の回転運動がマッサージローラー8、9の駆動系13に伝達される。例えば、カップリング部材は、出力シャフト17の遠位端に固定された雄型結合部材41と形状相補性によって協働する、または、少なくとも協働することを意図された雌型結合部材40を形成することが可能である。逆に、マッサージヘッド1の大きさの点であまり有利ではないが、マッサージヘッド1の結合部材は、出力シャフト17の遠位端に固定された雌型結合部材と形状相補性によって協働する、または、少なくとも協働することを意図された雄型結合部材を形成することが可能である。図面に例として示すように、雄型結合部材41は、有利には、略円錐形状を有し、その自由端が略円錐形状を画定するフィンを含むことが可能である。次いで、雌型結合部材40は、凹部を画定することが可能であり、その内側側壁は、略円錐形または円錐台形の形状を有し、形状の相補性によって雄型結合部材41のフィンを受け入れて協働するように、形づくられ、構成される。角度伝達装置の入力歯車38は、マッサージヘッド1のフレーム10に固定された結合ベアリング42内で回転するように優位に取り付けられ、結合部材と、好ましくは単一の、モノリシック部品を形成し、これにより、マッサージヘッド1の設計が簡素化される。このような構成は、図示の実施形態のように、マッサージヘッド1が、マッサージデバイス2の本体3に取り外し可能に取り付けられるように意図されている場合に、特に興味深い。図9に示される例のように、出力シャフト37の遠位端に固定された雄型結合部材41は、上述したように、マッサージヘッド1を取り外し可能に受け入れることを目的とした収容部22の底部から有利に突出することが可能である。したがって、マッサージヘッド1がマッサージデバイス2の本体3の収容部22に挿入して取り付けられたとき、角度伝達装置の入力歯車28は、雄型結合部材41と雌型結合部材40の相補性によって、モータ14の回転運動をマッサージヘッド1に伝達するための手段16の出力シャフト17の遠位端に結合される(図9)。
【0044】
別の変形例(図示せず)によれば、角度伝達装置は、入力歯車がなく、入力歯車がモータの回転運動をマッサージヘッドに伝達する手段の出力シャフトの遠位端に直接固定されていることを除いて、上記のものと同一である。このような変形例は、特に、マッサージヘッドがマッサージデバイスの本体に動かないように取り付けられる場合、特に、実装がより簡単で安価であるため、特により興味深い。したがって、この場合、マッサージヘッドの角度伝達装置は、それ自体、角度伝達機構の一部のみを構成することになる。
【0045】
好ましくは、第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット35Bは、それぞれ、駆動歯車36A、36Bと従動歯車37A、37Bとの間に配置された中間歯車43A、43Bを備え、従動歯車37A、37Bが(直接)噛み合っている。有利には、中間歯車43A、43Bは、直歯タイプである。さらにより有利には、第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット35Bのそれぞれの中間歯車43A、43Bは、対応する歯車セット35A、35Bの駆動歯車36A、36Bと(好ましくは直接)噛合され、一方では、駆動歯車36A、36Bのそれぞれの直径よりも大きく、他方では、従動歯車37A、37Bのそれぞれの直径よりも大きい直径を有する。したがって、中間歯車43A、43Bは、モータ14の回転速度に比べて、マッサージローラー8、9の回転速度を低減出来る回転速度減速歯車を有利に構成する。これにより、特に、小型で回転速度が速く、コンパクトで安価な電気モータ14を選択することが可能となると同時に、マッサージローラー8、9が速すぎない速度で、また、一方では、意図するマッサージの種類に応じて十分に高いトルクで回転出来ることを保証する。補足または代替として、第2の歯車セット35Bの中間歯車43Bは、フレーム10に対する第2のマッサージローラー9の第2の支持手段28の旋回軸F―F’と一致する回転軸I―I’を中心に回転するように取り付けられている。これにより、上で考察したような円弧軌道を描くように、第1のマッサージローラー8と第2のマッサージローラー9との間で、最小間隔Eminと最大間隔Emaxをそれぞれ規定する第1の位置および第2の位置との間で、特に、第2のマッサージローラー9の第2の回転軸C―C’の移動を提供することが可能となり、第2のマッサージローラー9は、第2の回転軸C―C’の移動全体に沿って駆動システム13によって連続的に回転することを保証する。実際、第2の回転軸C―C’が第1の位置と第2の位置との間を移動するとき、第2の歯車セット35Bの従動歯車37Bは、このように、一方では、第2のマッサージローラー9の第2の回転軸C―C’の周りを有利に回転し、他方では、中間歯車43Bの回転軸I―I’の周りでは、従動歯車37Bは永続的に噛み合ったままとなる。
【0046】
図示の実施形態のように、第1の歯車セット35Aと第2の歯車セット35Bは互いに同一であることが好ましい。換言すれば、駆動システム13の駆動歯車36A、36Bは、互いに同一(大きさ、歯数等)であり、従動歯車37A、37Bは、互いに同一であり、同様に、中間歯車43A、43Bも、場合によっては、互いに同一である。有利には、角度伝達装置の出力歯車39A、39Bも、互いに同一である。したがって、マッサージローラー8、9を回転させるための駆動システム13の設計が大幅に簡素化され、その製造コストが削減される。マッサージローラー8、9が同じ直径であるという前提では、これにより、前述したように、簡単かつ効率的な方法でマッサージローラー8、9が同じ速度で回転することを保証出来るという利点がさらに得られる。
【0047】
有利には、角度伝達装置の出力歯車39A、39Bと、第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット35Bの駆動歯車36A、36Bは、単一の同一の剛性軸44の周りで、例えば、同じ回転軸J―J’の周りで、回転するように取り付けられる。したがって、この共通の回転軸J―J’は、出力歯車39A、39Bのそれぞれの回転軸G―G’と一致することが有利である。相互に、中間歯車43A、43Bは、場合に応じて、図示の実施形態のように、単一の同一の剛性軸45の周り、例えば、同じ回転軸K―K’の周りで回転するように取り付けられる。有利には、この剛体軸45は、剛体旋回軸32と一致し(すなわち、剛体旋回軸32によって形成される)、回転軸K―K’は、第2のマッサージローラー9の第2支持手段28の旋回軸F―F’と一致し、中間歯車43A、43Bのそれぞれの回転軸I―I’と一致する。これにより、マッサージローラー8、9を回転させる駆動系13に含まれる部品点数をさらに削減することが可能となり、したがって、マッサージヘッド1の設計の簡素化、小型化、製造コストの低減を図ることが可能となる。有利には、剛性軸44、45/32は、マッサージヘッド1の作動力の良好な伝達を確実にするために、特に、入力歯車38の回転軸H―H’周りの回転力に対抗するために、マッサージヘッド1のフレーム10に接続され、したがって、駆動システム13の優れた堅牢性が保証される。例えば、剛性軸44、45は、その端部を通してハウジング11の内壁に嵌め込むことが可能である。一例として、図7に矢印で示すように、角度伝達装置の入力歯車38が、その回転軸H―H’を中心に回転すると、例えば、角度伝達装置の出力歯車39A、39Bは、それらの共通の剛体軸44の周りで逆回転し、中間歯車43A、43Bも、それらの共通の剛体軸45の周りで逆回転する。したがって、モータ14の回転運動は、第1のマッサージローラー37Aおよび第2のマッサージローラー37Bがそれぞれ固定されている従動歯車37A、37Bを介して、最終的に、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9に伝達され、これらは、それぞれ第1の回転軸B―B’および第2の回転軸C―C’の周りで逆回転する。有利には、図に示すように、第1の歯車セット35Aの歯車36A、37A、43A(同様に、好ましくは、対応する出力歯車39A)は、実質的に、第2の歯車セット35Bの歯車36B、37B、43B(同様に、好ましくは、対応する出力歯車39B)が、それぞれ実質的に延在する第2の平面に平行な第1の平面内に延在し、これらの第1の平面および第2の平面は、角度伝達装置の入力歯車38の回転軸H―H’から等距離に互いに対向して配置されることがさらに有利である。これは、特に、マッサージヘッド1の優れたサイズおよび重量バランス、および、動作中の良好な機械的安定性に寄与する。
【0048】
好ましくは、第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット36Bの歯車36A、37A、43A、36B、37B、43Bの全部または一部は、歯車36A、37A、43A、36B、37B、43Bの回転軸に沿って、非ゼロ移動で回転するように取り付けられる。換言すれば、一方では、駆動歯車36A、36B、従動歯車37A、37B、および、場合によっては、中間歯車43A、43Bのすべてまたは一部だけが、それぞれの回転の軸を中心に回転するように取り付けられ、その一方で、それぞれの回転軸に沿って平行移動するため、例えば、それぞれの歯車は、典型的には、0.4mmから1mmの間、より好ましくは、0.4mmから0.6mmの間の距離に渡って(または、すなわち、図示された位置の両側に移動するように)軸方向に並進することが可能である。それぞれの歯車がそれ自体の回転軸に沿って並進移動するこのような可能性により、使用中に起こり得るマッサージローラー8、9の振動/動きを補償することが可能となるという利点があり、これにより、マッサージヘッド1内の機械的応力が軽減される。しかしながら、従動歯車37A、37Bは、それぞれの回転軸に沿って、すなわち、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の第1の軸B―B’および第2の軸C―C’に沿って、ゼロ移動(すなわち、認可された移動なし)で、それぞれのマッサージローラー8、9に接続され、従動歯車36A、36Bと、場合によっては、中間歯車43A、43Bだけが、それ自身の回転軸に沿った非ゼロ移動で回転するように取り付けられていることが好ましい。特に、例えば、所与のマッサージローラー8、9と対応する従動歯車37A、37Bとの間に皮膚が挟まれたり、閉じ込められたりする潜在的な危険性が、こうして回避される。
【0049】
明らかに、本発明は、マッサージローラー8、9を回転させるための駆動システム13のそのような有利な設計に限定されない。あまり好ましくないが、駆動システム13は、角度伝達装置の各マッサージローラー8、9への出力において、回転運動を伝達するために、上述した第1の歯車セット35Aおよび第2の歯車セット35Bの代わりに、他の既知の適切な機構(歯車、プーリ、ベルトなど)を備えていてもよい。
【0050】
有利には、マッサージヘッド1は、第1のマッサージローラー8および第2のマッサージローラー9の駆動システム13を、少なくとも部分的に、好ましくは、大部分で、マッサージヘッド1の外部の環境から隔離するように設計および構成されたケーシング(または保護エンベロープ)を備える。このような保護ケーシングは、一方では、駆動システム13が詰まる危険性(例えば、死んだ皮膚の破片、化粧品、髪の毛などによる)を制限し、したがって、駆動システム13の動作の信頼性を高めることが可能であるという利点をもたらす。一方、ケーシングの存在により、ユーザーの皮膚、指、または、毛髪が駆動システム13に挟まれたり、閉じ込められたりする危険を制限することが可能となり、マッサージヘッド1を、特に、安全に使用することが可能となる。より一般的には、ケーシングは、マッサージローラー8、9の駆動システム13を、その動作を低下させる可能性のある外部要素または物体の導入に対して保護する。図示の実施形態のように、ケーシングは、通常、マッサージヘッド1の外部エンベロープの少なくとも一部を画定する外部ケーシング要素46を有利に備えることが可能となり、例えば、少なくとも部分的に、マッサージヘッド1のハウジング11によって形成される。図示の実施形態のように、外部ケーシング要素46は、さらに、マッサージローラー8、9の相対間隔を調整するためのシステムに有利に含まれるマッサージローラー8、9の支持手段27、28によって有利に形成することが可能である。さらに、ケーシングは、マッサージヘッド1内でマッサージローラー8、9の下に配置された内部ケーシング要素47を有利に備えることが可能であり、例えば、これらのマッサージローラー8、9は、図4の例として、非常に概略的に示されるように、ユーザーの皮膚と内部ケーシング要素47との間に配置される。したがって、内部ケーシング要素47は、マッサージローラー8、9の回転駆動を妨げることなく、マッサージローラー8、9の駆動システム13の少なくとも一部と有利に重なる。例えば、プラスチック材料で作られた内部ケーシング要素47は、図4に例として示すように、マッサージローラー8、9―の表面の輪郭に従う曲率を有することが有利に可能である。上述したように、マッサージヘッド1がマッサージローラー8、9の間の相対間隔を調整するためのシステムを備える好ましい場合には、内部ケーシング要素47は、マッサージローラー8、9間の相対的な間隔がどのようなものであっても、内部ケーシング要素47がその保護機能を発揮するように、弾性変形可能な材料で形成することが有利であり得る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、特に、家庭用の皮膚マッサージデバイス用のマッサージヘッド、および、そのようなマッサージヘッドを備えたマッサージデバイスの設計および製造に応用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】