(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】放熱用の要素を有するランタン
(51)【国際特許分類】
F04D 29/42 20060101AFI20231218BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
F04D29/42 N
F04D29/58 S
F04D29/58 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537061
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2021081783
(87)【国際公開番号】W WO2022128287
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020133832.5
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ジャンジッチ,ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ラング,セバスチャン
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA33A
3H130CA21
3H130DD01X
3H130DJ07X
3H130EB00A
3H130EC02A
3H130EC12A
(57)【要約】
本発明は、ランタン(2)を有するポンプアセンブリーに関する。ランタン(2)は、ポンプハウジング(1)とモーターハウジング(4)との間に配置されている。ランタン(2)には、表面拡大要素(9)が放熱のために配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプケーシング(1)とモーターケーシング(4)との間に配置されたランタン(2)を有するポンプ機構、特に、遠心ポンプ機構であって、放熱するための表面拡大要素(9)が前記ランタン(2)に配置されていることを特徴とする、ポンプ機構。
【請求項2】
前記ランタン(2)のベース体の長さにわたって、内径は一定のままであり、外径は広がっていることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ機構。
【請求項3】
前記ランタン(2)の前記ベース体の前記外径は前記ポンプ側で広がっていることを特徴とする、請求項2に記載のポンプ機構。
【請求項4】
前記ランタン(2)は回転対称に設計されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項5】
前記表面拡大要素(9)は前記ランタン(2)のベース体に配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項6】
前記ランタン(2)は、前記ポンプケーシング(1)と、前記モーターケーシング(2)と、を直接的に連結していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項7】
前記表面拡大要素(9)の熱伝導率は、150W/m・K超、好ましくは200W/m・K超、特に250W/m・K超であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項8】
前記ランタン(2)の熱伝導率は、40W/m・K未満、好ましくは20W/m・K未満、特に10W/m・K未満であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項9】
前記表面拡大要素(9)は、冷却空気流を案内するため、および、流動抵抗を低下させるため、の少なくとも一方のためのガイド要素として設計されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項10】
前記表面拡大要素(9)は軸方向に向けられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項11】
前記表面拡大要素(9)は径方向に向けられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項12】
前記表面拡大要素(9)は、プレート形状および/または台形および/または曲線状および/または三角形および/または環状の設計を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプケーシングとモーターケーシングとの間に配置されたランタンを有するポンプ機構に関する。
【0002】
このようなポンプ機構は、例えば、遠心ポンプ機構とすることができる。遠心ポンプは、一様に回転するインペラーがそこを通って流れる流体に対して生み出すトルクの結果として、渦流を変化させることで、エネルギーを流体に伝達するという動作原理に基づいている。
【0003】
遠心ポンプは、通常、電気モーターによって駆動される。遠心ポンプ技術では、駆動手段としてこのような電気駆動部と同様にピストンエンジンも使用される。電気モーターは一定のトルクを生成する。電気モーターは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電気機械エネルギー変換器である。利用できる電気エネルギーの形態に応じて、直流モーター、交流モーター、または三相モーターが使用される。電気エネルギーは、本明細書では、概して回転運動に変換される。
【0004】
遠心ポンプを駆動する電気モーターは、通常、特定の間隔でランタンを介してポンプに連結されている。モータードライブシャフトは、本明細書では、モーターおよびポンプケーシングに固定するための2つのフランジまたはカバーの開口部の中央を通っている。ランタンは、通常、キャスト成形によって生産される。
【0005】
このようなランタンおよび対応する生産方法が、例えば、EP1038611A2に記載されている。記載されている連結ラグのタイプおよび数によって、ランタンの特に安定した設計が可能になる。
【0006】
流体を送り出すためにポンプ機構が使用される場合は、ポンプケーシングから電気モーターの方向に熱が高温で放出されることがある。これは、電気モーターに多くの問題を引き起こす恐れがある。高温はエネルギー変換効率を低下させる。モーターの構成要素、具体的には、固定子および回転子の巻線が熱負荷を受け、その結果、それらの耐用期間が短くなる恐れがある。さらに回転子の磁石が損傷を受けることがある。パワーエレクトロニクス回路が統合されたポンプ機構の場合は、電子構成要素の加熱は特に重大である。これらの理由から、電気モーター制御システムは、電気モーターおよびパワーエレクトロニクス回路の少なくとも一方をオーバーヒートさせないために、電力消費および速度を低下させなければならないことがある。オーバーヒートが起こると、ポンプが所望の動作範囲内で動作できなくなる恐れがある。
【0007】
説明した問題を避けるためには、通常、特に長いランタンを用いて高温のポンプケーシングと電気モーターとの間に大きい間隔を実装するための試みが行われる。間隔が大きいと、ポンプ機構の寸法も大きくなり、そうなると、どの配置場所にもポンプ機構を設置できなくなる場合がある。間隔が大きいことは、さらに、長いドライブシャフトも必要とし、長いドライブシャフトには、動作時間の間に起こる不均衡を吸収できるようにするために適切な装着が必要になる。結果としてシステム全体の振動が大きくなる可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、ポンプケーシングと駆動モーターとの間の連結要素としてのランタンを提供することである。その連結要素は、高温の流体を送り出すときにポンプケーシングによって放出される熱を可能な限り効果的に排出でき、モーターおよびパワーエレクトロニクス回路の少なくとも一方の方向への熱の伝達を最小限に抑制できることが意図されている。その連結要素がコンパクトな構造によって区別されることがさらに意図されている。交換部品の変更に対して、連結要素の構造が好都合であるべきである。連結要素は、単純にかつコスト効率よく実装できるべきである。
【0009】
その目的は、ランタンを有するポンプ機構によって本発明に従って達成される。好ましい変形例は、従属請求項、明細書、および図面に見出すことができる。
【0010】
本発明によれば、放熱するための表面拡大要素がポンプ機構のランタンに配置されており、そのランタンはポンプケーシングとモーターケーシングとの間に配置されている。表面拡大要素は、理想的に言えば、ランタンの放熱を最適化するために、冷却リブとして設計されている。冷却リブは、プレート形状および/または台形および/または三角形および/または曲線状および/または環状の設計を有する。ランタンの放熱が最適化されているおかげで、高温の流体が送り出されるせいで高温になることがあるポンプケーシングと、モーターケーシングとは、事実上、熱的に分離されている。
【0011】
ランタンの放熱の最適化は、ランタンの有利な構造によって得られる。モーター機構のファンは、冷却空気流を生成し、それが、モーターケーシングのリブを冷却し、次いで、ランタン上を流れる。ランタンは、本明細書では、ランタンのベース体の長さにわたって、内径は一定のままであり、外径は広がるように構築されている。このように特に有利な手法では、冷却空気流は、ランタンの冷却リブ上を流れ、効率的に放熱させる。同時に、ランタンの構造は、ポンプケーシング上から離れるように冷却空気流を偏向させ、これにより、ポンプケーシングへの流れは流動抵抗の低下を示す。
【0012】
本発明の変形例において、ランタンのベース体の外径はポンプ側で広がっており、その結果、モーターファンによって生成される冷却空気流の流動形態が改善される。流動抵抗が小さくなると、すなわち流速が高くなり、そのことは、モーターケーシングおよびランタンの放熱の改善に好都合である。
【0013】
本発明の変形例によれば、ランタンは回転対称に設計されている。ランタンの対称形の構造は、冷却空気流の流れを最適化する案内に好都合であり、ランタンの放熱を強化する。モーターケーシングからポンプケーシングを熱的に分離することは、有利なことに、ランタンの対称形の構成に助けられる。
【0014】
本発明の変形例において、冷却リブとして設計された表面拡大要素は、ランタンの中空の筒状ベース体に配置されている。
【0015】
ランタンのシェル面は、好ましくは窓として構成された開口部を有することが好ましい。開口部は、装着のため、シャフトにアクセスするため、冷却空気の流入のため、および、ランタンの熱抵抗を増大させるための少なくとも1つのために使用することができる。
【0016】
ランタンは、有利なことに、ポンプケーシングとモーターケーシングとを直接的に連結している。基本的には、このような連結を行うために、さらなる構成要素が必要とされない。構成要素の数を減らすことは、通常、生産コストを低下させるために有利である。
【0017】
本発明の変形例において、ランタンは複数の部品を用いて構成されている。それは、例えば、着脱可能なブレードおよび冷却リブの少なくとも一方を用いて、または、ランタンの分割された構成によって、あるいは、これらの組み合わせによって、行うことができる。さらに、互いに押し込むことができる異なるスリーブを用いた解決策も考えられ、そこでは、冷却リブはスリーブの外面に配置される。
【0018】
本発明によれば、ランタン材料の熱伝導率は、40W/m・K未満、好ましくは20W/m・K未満、特に10W/m・K未満である。
【0019】
ランタンは、好ましくは、ねずみ鋳鉄またはアルミニウムまたはステンレス鋼から成る。
【0020】
ランタンは、キャスト成形法または3Dプリントによって生産することができる。
【0021】
冷却リブの熱伝導率は、理想的に言えば、150W/m・K超、特に200W/m・K超、好ましくは250W/m・K超である。
【0022】
表面拡大要素は、具体的には、冷却空気流を案内するためのガイド要素として設計されている。冷却空気流の流れが最適化された案内は、ランタンの放熱を増大させ、前記熱は、ポンプケーシングからランタンに伝導される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、表面拡大要素は軸方向に向けられている。冷却リブが軸方向に向けられることは、流動抵抗が低い状態で冷却空気流がオーバーフローすることに好都合であり、ランタンの放熱を特に理想的にする。
【0024】
本発明の変形例において、表面拡大要素は、有利なことに、径方向に向けられている。そのように向けられることは、ポンプケーシング上から離れるように冷却空気流の流れを最適化する偏向を引き起こし、同時に、ランタンの放熱を可能にする。好ましくは、ポンプケーシングとモーターケーシングとの熱的分離が結果として得られる。
【0025】
ランタンは、理想的に言えば、表面を拡大するための要素を有する。それらの要素は、冷却リブの形態で構成することができる。モーターケーシングからポンプケーシングを熱的に分離することに対して、ランタンの表面の拡大が好都合である。本明細書の表面拡大要素は、冷却リブの形態で、プレート形状および/または台形および/または三角形および/または曲線状および/または環状の設計を有する。
【0026】
ランタンは、好ましくは、筒状の設計またはトランペットのベルの形状の設計を有する。このような空間設計は、モーターファンによって生成される冷却空気流によるランタンの付加的な冷却を得るために特に有利である。本発明の代替的変形例において、ランタンは、円錐形および直方体の少なくとも一方の設計を有することもできる。
【0027】
本発明の変形例において、ランタンは、ポンプケーシングのモーター側圧力カバーと一体になるか、ポンプ側モーターカバーと一体になるか、あるいは、その両方となるように設計されている。したがって、ランタンは、有利なことに、特にコンパクトになるように構成することができ、限られた空間条件の配置場所であっても使用を可能にするような寸法を有するポンプ機構を可能にする。
【0028】
本発明によれば、ランタンは、ポンプ側およびモーター側の少なくとも一方にベアリングキャリアとして設計されている。そのことから、ランタンの構造が特にコンパクトになり、同時に、コスト増加が、部品の数を抑えることで削減される。
【0029】
シャフトを冷却するためにランタンの内部に冷却空気流を吸気するための窓の形態の切抜き部を、有利なことに、ランタンに配置できる。
【0030】
本発明のさらなる特徴および利点は、図面を用いた例示的な実施形態の説明および図面そのものに見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】先行技術による遠心ポンプユニットの概略図を示す。
【
図2】表面拡大要素を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。
【
図3】表面拡大曲線状要素を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。
【
図4】トランペットのベルの形状のランタンおよび表面拡大要素を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。
【
図5】トランペットのベルの形状のランタンおよび表面拡大曲線状要素を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。
【
図6】径方向に向けられた表面拡大要素を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。
【
図7】表面拡大要素のさらなる構成を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、先行技術による遠心ポンプユニットの概略図を示す。ランタン2が、ポンプケーシング1とモーターケーシング4との間に配置されており、それらを相互連結している。例示的な実施形態に示されている遠心ポンプは流体を送り出すために使用され、その流体は、場合によっては高温となることがある。
【0033】
流体は、吸気ポート7を通って遠心ポンプのポンプケーシング1に入る。ポンプケーシング3内にはインペラーが配置されている。インペラーは運動エネルギーを流体に伝達し、その流体は排気ポート8を介して遠心ポンプから出る。流体およびインペラーで満たされた空間は、ポンプケーシング1およびケーシングカバーによって境界が定められている。インペラーは、シャフトに相対回転不能に連結されており、シャフトは、モーター機構によってインペラーを駆動する。モーター機構は、モーター電子回路3、回転子、固定子、シャフト、ポンプ側モーターカバー、およびモーターケーシング4を備える。モーターカバーには、ベアリングを担持するベアリングキャリアが配置されている。
【0034】
シャフトに配置されたファンインペラー6はファンケーシング5を通して軸方向に冷却空気流を引き込み、冷却空気流がモーターケーシング4上を流れて、モーターケーシング4とモーター電子回路3との間の空間を通って流れるようにしている。
図1に矢印によって示されている冷却空気流は、ランタン2上を流れ、ポンプケーシング1に当たる。その結果、冷却空気流の流動形態は、悪影響を受け、放熱性が低下する。
【0035】
図2は、表面拡大要素9を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。表面拡大要素9は、本発明のこの例示的な実施形態では冷却リブとして設計されている。冷却リブは、ランタン2のベース体の長さにわたって軸方向に延び、中空の筒状ランタン2の外側に配置されている。本発明によれば、軸方向冷却リブの幅は、1mm超、好ましくは2mm超、特に3mm超であり、これに加えて、または、これとは関係なく、14mm未満、好ましくは12mm未満、特に10mm未満である。軸方向冷却リブの高さは、3mm超、好ましくは5mm超、特に7mm超であり、これに加えて、または、これとは関係なく、50mm未満、好ましくは45mm未満、特に40mm未満である。
【0036】
この例示的な実施形態において、ランタン材料の熱伝導率は、40W/m・K未満、好ましくは20W/m・K未満、特に10W/m・K未満であり、冷却リブの熱伝導率は、150W/m・K超、特に200W/m・K超、好ましくは250W/m・K超である。ランタン2のベース体は、好ましくは、ねずみ鋳鉄またはステンレス鋼から成る。
【0037】
本発明によれば、表面拡大要素9は軸方向に向けられている。冷却リブが軸方向に向けられることは、図の矢印で示されている冷却空気流の冷却リブ上の流れの流動抵抗を低下させる場合に有利であり、ランタン3の放熱性を特に理想的にする。
【0038】
シャフトを冷却するためにランタンの内部に冷却空気流を吸気するための窓の形態の切抜き部10が、ランタン2にさらに配置されている。
【0039】
図3は、表面拡大曲線状要素9を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。この例示的な実施形態において曲線状またはアーチ形の冷却リブとして設計されている複数の表面拡大要素9は、ランタン2のベース体に配置されている。冷却リブの寸法は
図2の寸法に対応している。ファンインペラー6によって生成される冷却空気流は、モーターケーシング4の冷却リブ上を、次いで、ランタン2の冷却リブ上を流れる。ランタン2の冷却リブの曲線形状のおかげで、冷却空気流は、
図3に矢印で示されている偏向を受け、ポンプケーシング1に直角には当たらない。その結果、冷却空気流の流動形態は、全体として改善され、ランタン2およびモーターケーシング4の放熱能力が上昇する。
【0040】
図4は、トランペットのベルの形状のランタン2および表面拡大要素9を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。ランタン2の例示的な実施形態にあるトランペットのベル形状は、ファンインペラー6によって生成される冷却空気流の観点から、特に流れが最適化されている。
図4に示されている冷却空気流は、ポンプケーシング1に直角には当たらず、その代わりに、ランタン2のトランペットベル形状によってポンプケーシング1上に案内される。流れの最適化によって、冷却空気流の流速が高くなり、その結果、ランタン2において軸方向に配置された表面拡大要素9の放熱も改善される。同時に、ランタン2の放熱面が拡大され、その結果、放熱能力がさらに上昇する。
【0041】
本発明の変形例において、トランペットのベル形状のランタン2は、非対称に形成されたポンプケーシング1上の流れを理想的に形成するために、非対称形の設計を有することもできる。ここで、ランタン2の形状は、ポンプケーシング1の形状に適合されている。
【0042】
図5は、トランペットのベルの形状のランタン2および表面拡大曲線状要素9を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。この例示的な実施形態に示されているランタン2は、大部分が
図4のランタン2に対応する。さらに、表面拡大要素9は、曲線状の冷却リブの形態で設計されている。その結果、矢印で示されている冷却空気流は、ポンプケーシング1上へ案内され、同時に、放熱能力を改善する渦流を生成する。
【0043】
図6は、ランタン2を有し、その表面拡大要素9が径方向に向けられている、遠心ポンプユニットの概略図を示す。ランタン2は、径方向に配置された複数の表面拡大要素9を有し、それらの表面拡大要素9は、この例示的な実施形態において径方向の冷却リブリングとして設計されている。
図6のランタン2のベース体は、
図2のランタン2に対応する。したがって、この例示的な実施形態において、中空の筒状ベース体には冷却リブリングが4つ、付加的に配置されている。冷却リブリングは、ポンプケーシング1の方向に向けて大きくなる、異なる高さを有し、これにより、ランタン2が冷却リブリングによって円錐台形の形態となる。
【0044】
本発明によれば、冷却リブリングの幅は、1mm超、好ましくは2mm超、特に3mm超であり、これに加えて、または、これとは関係なく、14mm未満、好ましくは12mm未満、特に10mm未満である。最も小さい冷却リブリングの高さは、本明細書では、3mm超、好ましくは5mm超、特に7mm超であり、これに加えて、または、これとは関係なく、30mm未満、好ましくは25mm未満、特に20mm未満である。同時に、最も大きい冷却リブリングの高さは、20mm超、好ましくは25mm超、特に30mm超であり、これに加えて、または、これとは関係なく、100mm未満、好ましくは90mm未満、特に80mm未満である。
【0045】
本発明によれば、冷却リブリングは、等間隔でランタン2に垂直に配置されており、冷却リブリングの高さは、本明細書では、ポンプケーシング1の方向において対称的に大きくなる。本発明の代替的変形例において、冷却リブリングの配置は互いに対して等間隔でなく、これに加えて、または、これとは関係なく、向きはランタン1に対して直角ではない。冷却リブリングの向きは、本明細書では、流れが最適化される角度を想定できる。
【0046】
ランタン2の材料の厚さは、1mm超、好ましくは2mm超、特に3mm超であり、これに加えて、または、これとは関係なく、14mm未満、好ましくは12mm未満、特に10mm未満である。
【0047】
本発明の例示的な実施形態において、冷却リブリングは、ランタン2の中空の筒状ベース体上に取り付けられたスリーブに配置することができる。
【0048】
表面拡大要素9は、有利なことに、冷却リブリングの形態で径方向に向けられている。そのように向けられることは、ポンプケーシング1上から離れるように冷却空気流の流れを最適化する偏向を引き起こし、同時に、個々の冷却リングにおける渦巻き流の形成によるランタン2の効率的な放熱を可能にする。その結果、好ましくは、ポンプケーシングとモーターケーシングとの熱的分離が得られる。
【0049】
図7は、径方向に向けられた冷却リングの形態で設計された表面拡大要素9のさらなる構成を有する遠心ポンプユニットの概略図を示す。いずれの場合も90°オフセットしている入口ダクトは、ドライブシャフトを冷却するために、ランタン2の窓10を通してランタンの内部に冷却空気流を案内する。冷却リブリングは、窓10の領域において中断部分を有し、完全には回転対称にならないように設計されている。
【国際調査報告】