(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】受動的に電力供給されるIoTデバイス
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20231219BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20231219BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20231219BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06K7/10 104
G06K19/07 090
G06K19/07 240
H02J50/20
H04B5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569550
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 US2020064744
(87)【国際公開番号】W WO2022132121
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・セス エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ストラスマン・ネリー
(72)【発明者】
【氏名】マルガリート・モルデハイ
(72)【発明者】
【氏名】ビスワス・デブマルヤ
【テーマコード(参考)】
5K012
【Fターム(参考)】
5K012AC08
5K012AC10
5K012AE13
(57)【要約】
一般的に、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するための技術が説明される。能動的に電力供給される送信機は、共通チャネル上で無線周波数(RF)信号を送信することができ、様々な受動的に電力供給される無線デバイスへ応答信号のパラメータに関連付く情報を送信できる。無線デバイスは、周囲環境におけるRF信号又は他の信号から電力を抽出し、動作を実行するため抽出された電力を用い、RF信号により定義された異なるチャネル上で応答信号を後方散乱させてもよい。受動的に電力供給される無線デバイスからの応答信号は、基地局により受信されるか、付近の能動的に電力供給されるデバイスにより受信されて基地局へ転送されてもよい。受動的に電力供給される無線デバイスからの応答信号の衝突を防ぐため、様々な多重化スキームを採用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスを受動的に電力供給するためのシステムであって、
それぞれが、電子回路と、変調器と、アンテナとを含み、
受信された無線周波数(RF)信号から動作電力を抽出し、
前記抽出された電力を用いて動作を実行し、
前記実行された動作に関連付く後方散乱信号を前記アンテナを通じて送信する
よう構成された、複数の無線デバイスと、
共通同期信号を第1の周波数で、通信信号を第2の周波数で送信するよう構成された送信機と、
前記後方散乱信号を第2の周波数で受信するための1つ以上の受信機と
を含み、
前記第1の周波数と前記第2の周波数が異なり、
前記第1の周波数が前記複数の無線デバイスに共通であり、
前記共通同期信号が、1つ以上の後方散乱パラメータを特定する、
システム。
【請求項2】
前記複数の無線デバイスがモノのインターネット(IoT)デバイスである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の受信機が、現地ハブデバイス、能動的に電力供給されるIoTデバイス、又は基地局を含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記現地ハブデバイスと前記能動的に電力供給されるIoTデバイスが、前記受信された後方散乱信号を基地局へ送信するよう構成された、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の無線デバイスが、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)周波数帯、又はセルラー周波数帯のうちの1つにおいて前記後方散乱信号を送信するよう構成された、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の無線デバイスが、5G準拠プロトコルに従ったセルラー周波数帯において前記後方散乱信号を送信するよう構成された、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の後方散乱パラメータが、前記第2の周波数、変調フォーマット、又は変調符号を定義する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記変調符号が、周波数ダイバーシティ方式における周波数、符号分割多元接続(CDMA)変調方式における符号、又は直交周波数分割多重(OFDM)変調方式における符号を含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記送信機が、2つ以上の無線デバイスが時間的にオーバーラップする方式で前記1つ以上の受信機へ後方散乱するとき、前記第2の周波数のための1つ以上の異なる値を割り当てるよう構成された、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記送信機、及び前記1つ以上の受信機のうちの少なくとも1つが、単一デバイスの一部である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
モノのインターネット(IoT)デバイスであって、
受信された無線周波数(RF)信号から動作電力を抽出するよう構成された電力抽出回路と、
前記抽出された電力を用いて動作を実行する電子回路と、
前記実行された動作に関連付く後方散乱信号を変調するよう構成された変調器と、
前記後方散乱信号を送信するよう構成されたアンテナと
を含み、
前記後方散乱信号のための1つ以上の後方散乱パラメータが、能動的に電力供給される送信機から共通同期信号を通じて第1の周波数で受信され、
前記後方散乱信号が、前記1つ以上の後方散乱パラメータにより定義された第2の周波数で送信され、
前記第1の周波数と前記第2の周波数が異なる、
IoTデバイス。
【請求項12】
前記第1の周波数と前記第2の周波数のうちの1つ又は両方が、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)周波数帯、又はセルラー周波数帯にある、
請求項11に記載のIoTデバイス。
【請求項13】
前記第2の周波数が、5Gプロトコルに従ったセルラー周波数帯にある、
請求項11に記載のIoTデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上の後方散乱パラメータが、前記第2の周波数、変調フォーマット、又は変調符号を定義する、
請求項11に記載のIoTデバイス。
【請求項15】
前記変調符号は、周波数ダイバーシティ方式における周波数、符号分割多元接続(CDMA)変調方式における符号、又は直交周波数分割多重(OFDM)変調方式における符号を含む、
請求項14に記載のIoTデバイス。
【請求項16】
無線デバイスを受動的に電力供給する方法であって、
受動的に電力供給される無線デバイスで、能動的に電力供給される送信機から無線周波数(RF)共通同期信号を第1の周波数で受信することと、
前記受信されたRF共通同期信号から電力を抽出することと、
前記抽出された電力を用いて動作を実行することと、
前記実行された動作に関連付く後方散乱信号を、1つ以上の能動的に電力供給される受信機により受信される第2の周波数で送信することと
を含み、
前記第1の周波数と前記第2の周波数が異なり、
前記RF共通同期信号が1つ以上の後方散乱パラメータを特定する、
方法。
【請求項17】
前記無線デバイスがモノのインターネット(IoT)デバイスであり、前記1つ以上の受信機が、現地ハブデバイス、能動的に電力供給されるIoTデバイス、又は基地局を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記実行された動作に関連付く前記後方散乱信号を送信することが、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)周波数帯、又はセルラー周波数帯のうちの1つにおいて前記後方散乱信号を送信することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記実行された動作に関連付く前記後方散乱信号を送信することが、5G準拠プロトコルに従ってセルラー周波数帯において前記後方散乱信号を送信することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記実行された動作に関連付く前記後方散乱信号を送信することが、前記第2の周波数、変調フォーマット、又は変調符号を定義する前記1つ以上の後方散乱パラメータに従い後方散乱信号を送信することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記変調符号が、周波数ダイバーシティ方式における周波数、符号分割多元接続(CDMA)変調方式における符号、又は直交周波数分割多重(OFDM)変調方式における符号を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
1つ以上の位置での後方散乱信号強度を判定又は予測することと、
前記判定又は前記予測に基づき、特定のIoTデバイスから後方散乱信号を受信するために使用すべき1つ以上の受信機を選択することと
を更に含む、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
別段の記載がない限り、この章で説明する事項は本願請求項に対する先行技術ではなく、この章に含めることにより先行技術であると認めるものではない。
【0002】
コンピューティング技術及びネットワーキング技術の繁栄に伴い、家庭、オフィス、及び他の場所で、増え続ける数の且つ縮小され続けるサイズの、様々な特定用途向けデバイスが一般的に見られる。例えば、モノのインターネット(IoT)は、無線デバイスに、セキュリティから環境制御までといった日々の生活の多様な様態を監視及び制御するために用いられることを可能とする。そのようなデバイスは、それらの回路を動作させ、それぞれのネットワークと通信するため、電力を要する。電池を用いる低電力デバイスでは動作寿命が限られる。更に、多数のデバイスからの電池交換は環境にとって有害である。一方で、既存の又は新たな配線を通じた給電は、煩雑で、そのようなデバイスの使用及びインストールの制限を招いて、多くの有用な応用を妨げる結果となる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、一般的に、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するための技術を説明する。
【0004】
いくつかの例によると、無線デバイスを受動的に電力供給するシステムは、複数の無線デバイスを含んでもよく、各無線デバイスは、電子回路、変調器、及びアンテナを含む。各無線デバイスは、受信された無線周波数(RF)から動作電力を抽出し、抽出された電力を用いて動作を実行し、実行された動作に関連付く後方散乱信号をアンテナを通じて送信するよう構成されてもよい。システムは、第1の周波数で共通同期信号を、第2の周波数で通信信号を送信するよう構成された送信機も含んでもよい。第1の周波数と第2の周波数は異なってもよく、第1の周波数は複数の無線デバイスの全てに共通であってもよく、共通同期信号は1つ以上の後方散乱パラメータを特定してもよい。システムは、第2の周波数で後方散乱パラメータを受信するための1つ以上の受信機を更に含んでもよい。
【0005】
更なる例によると、モノのインターネット(IoT)デバイスは、受信された無線周波数(RF)信号から動作電力を抽出するよう構成された電力抽出回路と、抽出された電力を用いて動作を実行するよう構成された電子回路と、実行された動作に関連付く後方散乱信号を変調するよう構成された変調器と、後方散乱信号を送信するよう構成されたアンテナとを含んでもよく、後方散乱信号のための1つ以上の後方散乱パラメータは、能動的に電力供給される送信機から第1の周波数で共通同期信号を通じて受信されてもよく、後方散乱信号は、1つ以上の後方散乱パラメータにより定義された第2の周波数で送信されてもよく、第1の周波数と第2の周波数は異なってもよい。
【0006】
他の例によると、無線デバイスを受動的に電力供給する方法は、受動的に電力供給される無線デバイスで、能動的に電力供給される送信機から第1の周波数で無線周波数(RF)共通同期信号を受け取ることと、受信されたRF共通同期信号から電力を抽出することと、抽出された電力を用いて動作を実行することと、実行された動作に関連付く後方散乱信号を、1つ以上の能動的に電力供給される受信機により受信される第2の周波数で送信することとを含んでもよく、第1の周波数と第2の周波数は異なっており、RF共通同期信号は1つ以上の後方散乱パラメータを特定する。
【0007】
前述の概要は例示にすぎず、如何なるかたちでも限定することを意図していない。上記の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加え、更なる態様、実施形態、及び特徴が図面及び以下の詳細な説明を参照することにより明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の前述の特徴及び他の特徴は、添付の図面と併せて以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明確となる。これら図面は、本発明によるいくつかの実施形態のみを図示しており、このためその範囲を限定すると見なされるべきではなく、添付の図面を用いることにより本発明を更なる具体性及び詳細を伴い説明するものと理解されたい。添付の図面において:
【
図1】
図1は、モノのインターネット(IoT)無線デバイスが受動的な電力供給を通じて用いられることのできる家屋のアーキテクチャの図を含む。
【
図2】
図2は、受動的に電力供給される送信機、受信機、及び受動的に電力供給される無線デバイスの図を含む。
【
図3】
図3は、ハブデバイスと通信する例示的な受動的に電力供給される無線デバイスの図を含む。
【
図4】
図4は、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するための例示的なシステムの主要なコンポーネントを表す。
【
図5】
図5は、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するために用いることのできるコンピューティングデバイスを表す。
【
図6】
図6は、
図5のコンピューティングデバイスといったコンピューティングデバイスにより実行されることのできる、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するための例示的な方法を表すフロー図である。
【
図7】
図7は、例示的なコンピュータプログラム製品のブロック図を表す。
【0009】
上記の全ては、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態に基づき配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、その一部を構成する添付の図面を参照する。図面では、文脈上別段の記述がない限り、類似の符号は典型的に類似の部品を示す。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。ここに提示される主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用したり、他の改変を行うことが可能である。ここで一般的に説明されて図示される本発明の態様は、全てここで明示的に予期される多様な異なる構成に、配置、置き換え、組み合わせ、分割、及び設計することができる。
【0011】
本発明は、一般的に、無線IoTデバイスを受動的に電力供給することに関する、方法、装置、システム、デバイス、及び/又はコンピュータプログラム製品を特に対象とする。
【0012】
簡述すると、一般的に、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するため技術が説明される。能動的に電力供給される送信機は、共通チャネル上で無線周波数(RF)信号を送信することができ、様々な受動的に電力供給される無線デバイスへ応答信号のパラメータに関連付く情報を送信することができる。無線デバイスは、周囲環境におけるRF信号又は他の信号から電力を抽出し、動作を実行するため抽出された電力を用い、RF信号により定義された異なるチャネル上で応答信号を後方散乱させてもよい。受動的に電力供給される無線デバイスからの応答信号は、基地局により受信されるか、付近の能動的に電力供給されるデバイスにより受信されて基地局へ転送されてもよい。受動的に電力供給される無線デバイスからの応答信号の衝突を防ぐため、様々な多重化スキームを採用することができる。
【0013】
図1は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、モノのインターネット(IoT)無線デバイスが受動的な電力供給を通じて用いられることのできる家屋のアーキテクチャの図を含む。
【0014】
図100は、スマートテレビ104、セキュリティカメラ108、スマート冷蔵庫112、照明制御114、モーションセンサ110、及び温度コントローラ116を備えた家屋102を示す。家屋102は、基地局120と無線で通信することのできるハブ(又はカスタマ構内設備「CPE」)106も含んでもよい。スマートテレビ104、セキュリティカメラ108、スマート冷蔵庫112、照明制御114、モーションセンサ110、及び温度コントローラ116は、直接的に又はハブ106を通じて基地局120と無線で通信してもよく、それぞれのIPアドレスを有するIoTデバイスとして構成されてもよい。IoTデバイスは、状態及びそれぞれの動作に関連付く他の情報を、無線通信を通じて他のデバイスと通信してもよい。これらIoTデバイスはまた、それぞれの動作に関連付く命令をネットワーク上で他のデバイスから受信してもよい。
【0015】
IoTデバイスは、インターネットに接続し、データを自身から物理的に異なる二次プロセッサへ渡すデバイスである。スマートテレビ104、セキュリティカメラ108、スマート冷蔵庫112、照明制御114、モーションセンサ110、及び温度コントローラ116は、IoTデバイスの例示であり、実施形態による無線デバイスの種類の限定を構成しない。他の例には、例えば、温度、湿度、気流速度、照明レベル、照明成分、音レベル、及び/又は音の成分を管理するための制御デバイス、温度センサ、湿度センサ、音センサ、光検知センサ、気流センサ、ボディセンサ、又は同等の入力デバイスといったセンサを含んでもよいが、これに限定されない。IoTデバイスの例示的なカテゴリであるセンサは、様々な環境特性、又はモーションといった物理現象を検出するよう構成される。センサは、閾値(例えば、温度又は湿度)を超える値が検出されたことを示す警告(有線信号又は無線信号)を発するようプログラムされてもよい。センサはまた、一定期間にわたり検出/測定された値を、定期的に、ランダムに、又はオンデマンドで送信するようプログラムされてもよい。
【0016】
図100における家屋102は、実施形態が実装されることのできる位置のための例示でもあるが、実施形態を限定することを意図していない。他の位置には、オフィス、学校、ヘルスケア施設、ホテル、工場、又は同等の建物、並びに、自動車、バス、レジャー用自動車、飛行機、船、及び類似のものといった乗り物を含んでもよいが、これに限定されない。
【0017】
いくつかのIoTデバイスがローカルエリアネットワーク(LAN)、デジタル加入者線(DSL)ネットワーク、光ネットワーク、ケーブルネットワークといった有線ネットワーク上で通信することができる一方、他のIoTデバイスは、無線LAN、セルラーネットワーク、地上波又は衛星通信リンク、及び十分な帯域幅を提供可能な同等のものといった無線ネットワーク上で通信することができる。IoTデバイスと通信するため、4G、LTE、5Gといった無線技術及び任意の現在の又は将来的な無線技術又は衛星通信技術が、マイクロ波、全市WiFi(登録商標)、及び類似の技術の組合せと共に用いられてもよい。例えば、一般的なチャネル(及び/又は応答チャネル)は5Gプロトコルの2.5~3.7GHz帯にあるか、25~39GHz帯にあってもよい。
【0018】
セルラーネットワークのための第5世代(5G)技術標準は、最新のネットワークである。5Gネットワークは、サービス領域がセルと呼ばれる小さな地理的領域に分割される、デジタルセルラーネットワークである。セル内の全ての5G無線デバイスは、セル内のローカルアンテナを通じて電波によりインターネット及び電話ネットワークとデジタルデータを交換する。5Gネットワークは以前の標準と比較してより大きな帯域幅を提供し、毎秒10ギガビット(Gbit/s)よりも早いダウンロード速度を可能とする。つまり、これはセルラーサービスプロバイダが、ほとんどのユーザデバイスを相互接続するインターネットサービスプロバイダとなることを可能とする。
【0019】
5Gプロトコルは、セルラーネットワークのいくつかのハードウェアコンポーネントを、インターネットプロトコル(IP)の共通言語を用いることによりネットワークを「仮想化」するソフトウェアに置き換える。増加された速度/帯域幅は、部分的に、5Gネットワークにおいて現在のセルラーネットワークよりも高い周波数電波を用いることにより達成される。ローバンド5Gは、600~700MHz範囲において現在の4Gネットワークに類似の周波数範囲を用い、4Gよりも少し高いダウンロード速度(毎秒30~250メガビット)をサポートする。ミッドバンド5Gは、2.5~3.7GHzの範囲のマイクロ波を用い、半径数マイルまでサービスを提供する各セルタワーに100~900Mbit/sの速度を可能とする。ハイバンド5Gは、25~39GHzの範囲、ほぼミリ波帯の周波数を用いるが、将来的にはより高い周波数が用いられる可能性がある。ハイバンドは、ケーブルインターネットに匹敵する毎秒ギガビットを達成することができる。様々な5Gのバージョンが存在する。このため、実施形態は、5G、又は該プロトコルの異なる様態におけるバリエーションを有する可能性のある5G準拠ネットワークにおいて実装されてもよい。
【0020】
IoTデバイスがより複雑に、よりスマートになるにつれ、IoTデバイスの中断のない動作のために電力供給すること、及び使用の容易さは、1つの挑戦である。いくつかのIoTデバイスは、有線電力ネットワークを通じて電力供給され、他のIoTデバイスは電池式である可能性がある。そのようなデバイスはここで「能動的に電力供給されるデバイス」と呼称する。実施形態は、受信されたRF信号から電力を抽出し、その回路に電力を供給して動作を実行するため抽出した電波を用い、後方散乱を介して他のデバイス(例えば能動的に電力供給されるデバイス)と通信することのできる無線IoTデバイスを指す「受動的に電力供給されるデバイス」を含む。受動的に電力供給される無線デバイスは動作するためRF信号から抽出された電力を主に用いるが、これらはバックアップ電池又は類似の電力システムも含んでもよい。
【0021】
いくつかの例において、現地送信機(例えば家屋102で)は、共通同期チャネル(全ての受動的に電力供給される無線デバイスに共通の周波数)上でRF信号を送信してもよい。RF信号は後方散乱パラメータも含んでもよい。IoTデバイスは、信号から電力を抽出し、動作を実行し、受信された後方散乱パラメータにより特定された異なる周波数上で応答信号を後方散乱してもよい。例えば、同時に通信を試みる多くの数のIoTデバイスを収容するため、異なるIoTデバイスには異なる周波数が割り当てられてもよい。CDMA又はOFDMといった更なる多重化アプローチも採用されてもよい。個別の無線IoTデバイスからの後方散乱応答は、ハブ106といった現地受信機により受信されて基地局120へ転送されるか、信号が十分に強い場合、基地局120により直接受信されてもよい。応答信号は必ずしも即時的、つまり、RF信号の直後に続く必要はない。例えば、いくつかのIoTデバイスは、所定の時間間隔で後方散乱してもよい。他の例において、後方散乱パラメータは、応答信号のタイミングを定義してもよい。
【0022】
図2は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、能動的に電力供給される送信機、受信機、及び受動的に電力供給される無線デバイスの図を含む。
【0023】
図200は、送信機からRF信号204を受信し、後方散乱206を介して応答する複数の受動的に電力供給される無線デバイス202を示す。図において示される異なる構成は、RF共通同期信号を送信する送信機212、後方散乱信号を受信する別の送信機216、又はRF信号を送信して後方散乱信号を受信する組み合わされた送信機と受信機214を含む。送信機と受信機は、ネットワーク210といった1つ以上のネットワークを介して他のシステム及びデバイスと通信可能に結合されてもよい。
【0024】
図に示されるように、ネットワーク接続された能動的に電力供給されるデバイス(212又は214)は、受動的に電力供給されるデバイス202へ共通周波数でRF信号を送信してもよい。受動的に電力供給される無線デバイス202は、アンテナインピーダンスの変調により応答してもよく、結果としてRF後方散乱となる。後方散乱の周波数はRF信号204中の後方散乱パラメータのかたちで受動的に電力供給される無線デバイス202へ命令されてもよい。例えば、5Gセルラーネットワークを用いるシステムにおいて、周波数は5G帯のうちの1つであってもよい。後方散乱信号が十分に強い、及び/又は、セルラーネットワーク基地局が十分に近い場合、信号は基地局により直接受信されてもよい。他の例において、後方散乱はローカルハブにより受信されて基地局へ転送されてもよい。更に他の例において、位置における能動的に電力供給される5G受信機が後方散乱信号を受信し、ローカルハブを通じて基地局へリレーしてもよい。
【0025】
RF信号を送信する送信機と後方散乱信号を受信する受信機は、図に示されるように、単一の能動的に電力供給されるデバイスの一部か、別のデバイスの一部であってもよい。いくつかの例において、後方散乱信号は複数の受信機により受信され、重複した信号を判定して次いでそれに従い処理することのできるハブへリレーされてもよい。他の例において、送信機はRF信号を送信してもよいが、後方散乱信号は送信機に関連付く受信機とは別の受信機により、より強い強度で受信されてもよい。受信機に関わらず、後方散乱信号はハブへ到達し、そしてハブを通じて、後方散乱信号が処理されてその宛先へ転送されるネットワークへ到達することができる。いくつかの実施形態において、受動的に電力供給される無線デバイスは、最初に起動されてそれぞれのネットワークに登録されてもよい。
【0026】
図3は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、ハブデバイスと通信する例示的な能動的に電力供給される無線デバイスの図を含む。
【0027】
図3の
図300Aは、例示的な受動的に電力供給される無線デバイスと、その主要コンポーネントであるアンテナ312、変調器314、及び回路316を示す。ハブ302は、受動的に電力供給される無線デバイスへRF信号304を送信してもよく、受動的に電力供給される無線デバイスはアンテナ312を通じて信号を受信し、回路316を動作させるため電力を抽出し、アンテナ312のインピーダンスを変調することによりハブ302へ後方散乱信号306で応答してもよい。RF信号304は、受信するデバイスに、どの周波数を用いるか、いつ応答するか、どの多重化スキームを用いるか、又はデータを送信するためのフォーマットといった応答の様態を提供することのできる後方散乱パラメータ305を含んでもよい。
【0028】
受動的に電力供給される無線デバイスの例には、センサ、制御ユニット及びスイッチ、イメージセンサ、カメラ、サーマルセンサ、サーマルカメラ、電化製品、電化製品中のセンサ、又は家具、電化製品、建物、庭、植物、又は構造体に組み込まれたセンサを含むが、これに限定されない。受動的に電力供給される無線デバイスとして、これらデバイスはRF信号を送信しないが、レーダ反射断面積(RCS)又はアンテナのインピーダンスを変調することにより、受信されたRF信号を変調する。その結果、アンテナのボリュームを通過するRF信号は変調され、該変調は受動的に電力供給されるデバイスからの情報の後方散乱変調である。
【0029】
アンテナインピーダンスは、アンテナとグランドとの間の結合を変化させることにより変調されてもよい。いくつかの例において、アンテナは、必要性及び設計によって、ネットワークの潜在的なバンド(例えば5G)をカバーするブロードバンドアンテナであってもよい。このため、アンテナの変調は、複数バンドにおいて妨害として現れる可能性がある。多数の受動的に電力供給される無線デバイスが存在して複数デバイスが同時に後方散乱する1つのシナリオにおいて、衝突防止対策が採用されてもよい。
【0030】
アンテナ312は、周波数ダイバーシティアンテナの1つの例であり、周波数ダイバーシティはグランドへの経路に周波数選択的又は周波数調整可能なフィルタを含めることにより得られる。フィルタの通過帯における周波数に対し、アンテナはRF信号を減衰してもよく、他の周波数に対しては減衰しなくてもよい。この方法において、フィルタの周波数におけるチャネルのみが後方散乱変調を有することができる。このため、複数デバイスは、それ自体の後方散乱チャネルでそれぞれ並列に動作してもよい。制御チャネル(共通同期信号)は、所与の領域における通信の能力を高めるため、各IoTデバイスに後方散乱チャネルを割り当ててもよい。調整可能なフィルタの例には、電子技術又はMEMS技術を用いた調整可能バラクタ、切り替え可能なコンデンサバンク、調整可能な遅延線、及び類似のものを含むが、これに限定されない。低電力要件を有するフィルタ実装が、利用可能な電力(RF信号から抽出)が限られるときに選択されてもよい。
【0031】
図3の
図350は、衝突を避けるため、それぞれの受動的に電力供給される無線デバイスのための複数の通信チャネルが用いられる例示的な構成を示す。ハブ352は、全ての無線デバイス354、356、358に共通である第1の周波数(C)で共通同期信号を送信してもよい。個別の無線デバイス354、356、358は、共通同期信号に含まれた命令に基づき、それぞれの周波数B1、B2、B3上で後方散乱により応答してもよい。よって、IoTデバイスと通信するために少なくとも2つのチャネル、後方散乱パラメータを制御するための第1のチャネルと、後方散乱変調が起こるチャネルとしての第2とが用いられる。制御チャネルは、IoTデバイス及び受信機から送信されるデータ間の同期を更に提供する。
【0032】
5Gプロトコルは、より高い周波数、そして特に5GHzよりも上で周波数ダイバーシティを容易に達成できるよう、適切なRFプラットフォームを提供してもよい。1つの代替的な例において、後方散乱ダイバーシティは変調符号により達成されてもよい。変調符号の例には、符号分割多元接続(CDMA)又は直交周波数分割多重(OFDM)を含む。全てのIoTデバイスは、1つのチャネル又は複数チャネル上で後方散乱してもよい。1つの例において、各デバイスは送信された情報を一意の直交符号でエンコードしてもよい。1つの代替的なアプローチにおいて、受信機は符号変調を伴いRF信号を送信してもよい。IoTデバイスは符号信号に同期されてもよく、後方散乱は対応する符号で更にエンコードされてもよい。結果は、送信信号と後方散乱信号の両方における符号ダイバーシティ方式である。符号ダイバーシティ方式は、異なる特性の2つ以上の通信チャネルを用いることによりメッセージ信号の信頼性を向上させるために用いられ、これにより、干渉やフェーディングの悪影響を軽減する。符号を有する受信機は、他のデバイス送信、並びにノイズが存在する場合でも、送信された情報を検出することができる。電力効率の高い検出のため、送信機と受信機との間の同期が必要となる可能性がある。1つの例において、同期は、RF後方散乱チャネルを通じて、又は、符号配布並びに同期信号の両方を提供する制御チャネルを通じて得られてもよい。
【0033】
図4は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するための例示的なシステムの主要なコンポーネントを表す。
【0034】
図400は、実施形態による異なるコンポーネントによる主要な動作を示す。例えば、ネットワーク基地局402と無線通信するハブ404は、ネットワークと通信し、IoTデバイスを起動して登録し、制御チャネル上でRF信号をIoTデバイスへ送信し、1つ以上の後方散乱チャネル上でIoTデバイスから通信を受信してもよい。IoTデバイス410はそれぞれ、動作するためRF信号から電力を抽出し(412)、後方散乱チャネル上で通信を後方散乱する(414)能力を持ってもよい。IoTデバイス410は、ハブ404から直接、又は、ハブ404と通信することのできる能動的に電力供給されるデバイス406の送信機から、RF信号(C)を受信してもよい。後方散乱信号(B)は、ハブ404により、能動的に電力供給されるデバイス406により、又は直接基地局402により、IoTデバイス410から受信されてもよい。
【0035】
受動的に電力供給されるIoTデバイス410は、センサ、コントローラ、電化製品、及びここで説明されるような他のデバイスを含んでもよい。能動的に電力供給されるデバイス406は、環境制御デバイス、デスクトップコンピュータ、携帯型コンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、車載コンピュータ、又は類似のものを含んでもよいが、これに限定されない。上述したように、所与の位置での多数のIoTデバイスを管理するため、様々な衝突防止スキームが採用されてもよい。ハブ404、基地局402、又はネットワークでの制御デバイス(例えばサーバ)は、様々なIoTデバイスとの通信を管理するため、機械学習アルゴリズムを採用してもよい。
【0036】
人工知能(AI)アルゴリズムは、自体の環境を知覚する任意のデバイスを制御し、様々なIoTデバイスからの後方散乱信号の受信を最適化する等といった、所定の目標を成功裏に達成する可能性を最大化させる行動を取る。AIのサブセット、機械学習(ML)アルゴリズムは、予測や決定を行うよう明示的にプログラムされることなくそれを行うため、サンプルデータ(訓練データ)に基づき数学モデルを構築する。いくつかの例において、AIプランニングアルゴリズム又は特定のMLアルゴリズムは、通信設定を決定するために採用されてもよい。例えば、いくつかのIoTデバイスの位置は時間につれ変化する可能性がある、又は、他の障害物が後方散乱信号の強度に影響する可能性がある。このため、同一のIoTデバイスから後方散乱信号を受信するために常に同一の受信機に依存することができない可能性がある。AI又はMLアルゴリズムを採用し、システムは様々な位置(例えば、利用可能な能動的に電力供給されるデバイス又はハブ)での後方散乱信号の強度を判定/予測し、特定のIoTデバイスからの後方散乱信号を受信するために用いるべき受信機を選択することができる。MLアルゴリズムは、教師あり及び教師なし学習の両方を容易にすることができる。
【0037】
図5は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、無線IoTデバイスを受動的に電力供給するために用いることのできるコンピューティングデバイスを表す。
【0038】
例示的な基本構成502において、コンピューティングデバイス500は、少なくとも1つのプロセッサ504と、システムメモリ506とを含んでもよい。メモリバス508は、プロセッサ504とシステムメモリ506との間で通信するために用いられてもよい。基本構成502は、
図5において内部破線内のコンポーネントにより表される。
【0039】
所望の構成によって、プロセッサ504は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、又はそれらの任意の組合せを含む、任意のタイプであってもよいが、これに限定されない。プロセッサ504は、キャッシュメモリ512、プロセッサコア514、及びレジスタ516といった、1つ以上のレベルのキャッシングを含んでもよい。例示的なプロセッサコア514には、演算装置(ALU)、浮動小数点演算装置(FPU)、デジタルシグナルプロセッシングコア(DSPコア)、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。1つの例示的なメモリコントローラ518がプロセッサ504と共に用いられてもよく、又は、いくつかの実装において、メモリコントローラ518はプロセッサ504の内部部分であってもよい。
【0040】
所望の構成によって、システムメモリ506は、揮発性メモリ(例えばRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、フラッシュメモリ等)、またはそれらの任意の組合せを含んでもよいが、これに限定されない。システムメモリ506は、オペレーティングシステム520、通信アプリケーション522、及びプログラムデータ524を含んでもよい。通信アプリケーション522は、デバイス管理モジュール526と通信モジュール527とを含んでもよい。通信アプリケーション522は、様々な無線デバイスへ共通周波数上でRF信号を送信してもよい。制御アプリケーション522は後方散乱パラメータに関連付く情報も送信してもよく、無線デバイスは、RF信号から電力を抽出し、該電力を用いて動作し、パラメータ(例えば周波数)を用いて後方散乱応答を送信することができる。プログラムデータ524は、上述したように、他にもあるデータのうち、割り当てるべき周波数、変調タイプ等といったデバイス管理データ528を含んでもよい。
【0041】
コンピューティングデバイス500は、追加的な特徴又は機能、及び基本構成502と任意の所望のデバイス及びインターフェイスとの間の通信を容易にするための追加的なインターフェイスを有してもよい。例えば、ストレージインターフェイスバス534を介した基本構成502と1つ以上のデータストレージデバイス532との間の通信を容易にするために用いられることのできる、バス/インターフェイスコントローラ530が用いられてもよい。データストレージデバイス532は、1つ以上の取り外し可能ストレージデバイス536、1つ以上の非取り外し可能ストレージデバイス538、又はそれらの組合せであってもよい。取り外し可能ストレージデバイス及び非取り外し可能ストレージデバイスの例としては、いくつか挙げると、フレキシブルディスク及びハードディスクドライブ(HDD)といった磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブといった光学ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、及びテープドライブを含む。例示的なコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータといった情報の格納のために任意の方法又は技術において実装された、揮発性及び不揮発性、取外し可能及び非取り外し可能媒体を含んでもよい。
【0042】
システムメモリ506、取外し可能ストレージデバイス536、及び非取り外し可能ストレージデバイス538は、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EFPROM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、又は他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を格納するために用いられることができ且つコンピューティングデバイス500によりアクセスされることのできる他の媒体を含んでもよいが、これに限定されない。そのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス500の一部であってもよい。
【0043】
コンピューティングデバイス500は、バス/インターフェイスコントローラ530を介して、様々なインターフェイスデバイス(例えば、1つ以上の出力デバイス542、1つ以上の周辺インターフェイス550、及び1つ以上の通信デバイス560)から基本構成502への通信を容易にするため、インターフェイスバス540も含んでもよい。いくつかの例示的な出力デバイス542には、グラフィックスプロセッシングユニット544とオーディオプロセッシングユニット546を含み、1つ以上のA/Vポート548を介して、ディスプレイ又はスピーカといった様々な外部デバイスと通信するよう構成されてもよい。1つ以上の例示的な周辺インターフェイス550には、シリアルインターフェイスコントローラ554又はパラレルインターフェイスコントローラ556を含んでもよく、1つ以上のI/Oポート558を介して、入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイス等)又は他の周辺デバイス(例えば、プリンタ、スキャナ等)と通信するよう構成されてもよい。1つの例示的な通信デバイス560はネットワークコントローラ562を含み、ネットワークコントローラ562は、1つ以上の通信ポート564を介して、ネットワーク通信リンク上での1つ以上の他のコンピューティングデバイス566との通信を容易にするため配置されてもよい。1つ以上の他のコンピューティングデバイス566は、データセンターでのサーバ、顧客機器、及び同等のデバイスを含んでもよい。ネットワークコントローラ562は、WiFi(登録商標)、セルラー(例えば、4G、5G)、衛星リンク、地上波リンク等といったいくつかの周波数帯を用いて様々なプロトコルを介した他のデバイスとの通信を容易にする無線通信モジュール568の動作も制御してもよい。
【0044】
ネットワーク通信リンクは通信媒体の1つの例であってもよい。通信媒体は、キャリア波又は他のトランスポート機構といった変調データ信号中の、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータにより組み込まれてもよく、情報配信媒体を含んでもよい。「変調データ信号」は、その特性セットの1つ以上を有する信号、又は、信号中の情報をエンコードするような方法にて変更された信号であってもよい。例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接配線接続通信といった有線媒体、及び、音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、及び他の無線媒体といった無線媒体を含んでもよいが、これに限定されない。ここで用いられる用語、コンピュータ読み取り可能媒体は、非一時的な記憶媒体を含んでもよい。
【0045】
コンピューティングデバイス500は、専用サーバ、メインフレーム、又は上記機能のいずれかを含む類似のコンピュータの一部として実装されてもよい。コンピューティングデバイス500は、ラップトップコンピュータ構成及び非ラップトップコンピュータ構成を含むパーソナルコンピュータとして実装されてもよい。
【0046】
図6は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、
図5のコンピューティングデバイスといったコンピューティングデバイスにより実行されることのできる無線IoTデバイスを受動的に電力供給するための例示的な方法を表すフロー図である。
【0047】
例示的な方法は、いくつかの実施形態において、
図6におけるコンピューティングデバイス600といったコンピューティングデバイスにより実行されることのできる1つ以上のブロック622、624、626、628により表されるような、1つ以上の動作、機能、又は行為を含んでもよい。
図6及び他の図におけるそのような動作、機能、又は行為は、他の動作、機能、又は行為にて、組み合わせ、除外、改変、及び/又は補充されてもよく、必ずしも示されたとおりの順序で実行される必要はない。ブロック622~628において説明される動作は、コンピューティングデバイス610のコンピュータ読み取り可能媒体620といったコンピュータ読み取り可能媒体に格納された、コンピュータ実行可能命令を通じて実装されてもよい。
【0048】
受動的に電力供給されるデバイスを電力供給するための例示的なプロセスは、ブロック722、「受動的に電力供給される無線デバイスで、能動的に電力供給されるデバイスから無線周波数(RF)共通同期信号を第1の周波数で受信する」で始まり、受動的に電力供給される無線デバイス410は、第1の周波数での後方散乱パラメータに関連付く情報を担持する周波数でRF信号を受信してもよい。
【0049】
ブロック624、「受信されたRF共通同期信号から電力を抽出する」がブロック622に続いてもよく、無線デバイスの電力抽出回路(例えば整流器)が受信されたRF信号から電力を抽出してもよい。
【0050】
ブロック626、「抽出された電力を用いて動作を実行する」がブロック624に続いてもよく、無線デバイスの回路は抽出された電力を用いて動作を実行してもよい。例えば、無線デバイスは監視デバイスであってもよく、監視された様態(例えば、温度、湿度、イメージキャプチャ、オーディオキャプチャ等)を記録してもよい。無線デバイスは制御デバイスであってもよく、制御動作(例えば、機械式システム又は他のシステムを特定の状態に設定)を実行してもよい。
【0051】
ブロック628、「実行された動作に関連付く後方散乱信号を、1つ以上の能動的に電力供給されるデバイスにより受信される第2の周波数で送信する(第1の周波数と第2の周波数は異なり、RF共通同期信号が1つ以上の後方散乱パラメータを特定する)」がブロック626に続いてもよく、無線デバイスは、後方散乱パラメータにより特定された第2の周波数上で後方散乱応答信号を送信してもよい。応答は、実行された動作に関連付く情報を含んでもよい。第1の周波数と第2の周波数は異なってもよく、第1の周波数はその位置での全無線デバイスのための共通周波数であり、第2の周波数は各無線デバイスに固有である。
【0052】
プロセス600に含まれる動作は例示目的のためのものである。受動的に電力供給される無線デバイスを電力供給することは、より少ない動作又は追加的な動作を有する類似のプロセスにより、並びに、ここで説明される原理を用いた動作の異なる順序において、実装されてもよい。ここで説明される動作は、他にもある例のうち、1つ以上のコンピューティングデバイス上で動作する1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサコア、及び/又は専用処理デバイスにより実行されてもよい。更なる例において、並列処理が採用されてもよく、計算又はプロセスの実行は、大きなタスクを小さなタスクに分割して同時に解決する1つ以上のプロセッサにより同時に行われてもよい。並列処理のために分割されたタスクは、必要なコンポーネントにより制御されてもよい。ビットレベル、命令レベル、データ並列性、及びタスク並列性といった異なるタイプの並列処理が用いられてもよい。
【0053】
図7は、ここで説明される少なくともいくつかの実施形態により配置された、例示的なコンピュータプログラム製品のブロック図を表す。
【0054】
いくつかの例において、
図7に示されるように、コンピュータプログラム製品700は、1つ以上の機械読み取り可能命令704を含むこともできる信号担持媒体702を含んでもよく、例えば、プロセッサによる実行に応じて、ここで説明される機能を提供してもよい。このため、例えば、
図5におけるプロセッサ504を参照し、通信アプリケーション522は、ここで説明されるような受動的に電力供給される無線デバイスを電力供給することに関連付く動作を実行するため、信号担持媒体702によりプロセッサ504へ伝えられる命令704に応じて、
図7に示された1つ以上のタスクを実行する、又は、該タスクのパフォーマンスを制御してもよい。これら命令には、例えば、ここで説明されるいくつかの実施形態による、受動的に電力供給される無線デバイスで、能動的に電力供給される送信機から無線周波数(RF)共通同期信号を第1の周波数で受信すること、受信されたRF共通同期信号から電力を抽出すること、抽出された電力を用いて動作を実行すること、及び/又は、実行された動作に関連付く後方散乱信号を、1つ以上の能動的に電力供給される受信機により受信される第2の周波数で送信する(第1の周波数と第2の周波数は異なり、RF共通同期信号は1つ以上の後方散乱パラメータを特定する)ことを含んでもよい。
【0055】
いくつかの実装において、
図7に図示された信号担持媒体702は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリ、及び同等の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むがこれに限定されない、コンピュータ読み取り可能媒706を含む。いくつかの実装において、信号担持媒体702は、メモリ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVD等を含むがこれに限定されない、記録可能媒体708を含んでもよい。いくつかの実装において、信号担持媒体702は、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンク等)を含むがこれに限定されない、通信媒体710を含んでもよい。このため、例えば、コンピュータプログラム製品700は、無線周波数(RF)信号担持媒体によってプロセッサ504の1つ以上のモジュールへ伝達されてもよく、信号担持媒体702は通信媒体710(例えば、IEEE802.11標準又は5Gプロトコルに準拠する無線通信媒体)により伝達される。
【0056】
いくつかの例によると、無線デバイスを受動的に電力供給するためのシステムは、複数の無線デバイスを含んでもよく、各無線デバイスは、電子回路と、変調器と、アンテナとを含む。各無線デバイスは、受信された無線周波数(RF)信号から動作電力を抽出し、抽出された電力を用いて動作を実行し、実行された動作に関連付く後方散乱信号をアンテナを通じて送信するよう構成されてもよい。システムは、共通同期信号を第1の周波数で、通信信号を第2の周波数で送信するよう構成された送信機を含んでもよい。第1の周波数と第2の周波数は異なってもよく、第1の周波数は複数の無線デバイスの全てに共通であってもよく、共通同期信号は1つ以上の後方散乱パラメータを特定してもよい。システムは後方散乱信号を第2の周波数で受信するための1つ以上の受信機を更に含んでもよい。
【0057】
他の例によると、複数の無線デバイスはモノのインターネット(IoT)デバイスであってもよい。1つ以上の受信機は、現地ハブデバイス、能動的に電力供給されるIoTデバイス、又は基地局を含んでもよい。現地ハブデバイスと能動的に電力供給されるIoTデバイスは、受信された後方散乱信号を基地局へ送信するよう構成されてもよい。複数の無線デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)周波数帯、又はセルラー周波数帯のうちの1つにおいて後方散乱信号を送信するよう構成されてもよい。複数の無線デバイスは、5G準拠プロトコルに従ったセルラー周波数帯において後方散乱信号を送信するよう構成されてもよい。1つ以上の後方散乱パラメータは、第2の周波数、変調フォーマット、又は変調符号を定義してもよい。変調符号は、周波数ダイバーシティ方式における周波数、符号分割多元接続(CDMA)変調方式における符号、又は直交周波数分割多重(OFDM)変調方式における符号を含んでもよい。送信機は、2つ以上の無線デバイスが時間的にオーバーラップする方式で1つ以上の受信機へ後方散乱するとき、第2の周波数のための1つ以上の異なる値を割り当てるよう構成されてもよい。送信機、及び1つ以上の受信機のうちの少なくとも1つは、単一デバイスの一部であってもよい。
【0058】
更なる例において、モノのインターネット(IoT)デバイスは、受信された無線周波数(RF)信号から動作電力を抽出するよう構成された電力抽出回路と、抽出された電力を用いて動作を実行する電子回路と、実行された動作に関連付く後方散乱信号を変調するよう構成された変調器と、後方散乱信号を送信するよう構成されたアンテナとを含んでもよく、後方散乱信号のための1つ以上の後方散乱パラメータは、能動的に電力供給される送信機から共通同期信号を通じて第1の周波数で受信されてもよく、後方散乱信号は、1つ以上の後方散乱パラメータにより定義された第2の周波数で送信されてもよく、第1の周波数と第2の周波数は異なってもよい。
【0059】
いくつかの例によると、第1の周波数と第2の周波数のうちの1つ又は両方は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)周波数帯、又はセルラー周波数帯にあってもよい。第2の周波数は、5Gプロトコルに従ったセルラー周波数帯にあってもよい。1つ以上の後方散乱パラメータは、第2の周波数、変調フォーマット、又は変調符号を定義してもよい。変調符号は、周波数ダイバーシティ方式における周波数、符号分割多元接続(CDMA)変調方式における符号、又は直交周波数分割多重(OFDM)変調方式における符号を含んでもよい。
【0060】
他の例によると、無線デバイスを受動的に電力供給する方法は、受動的に電力供給される無線デバイスで、能動的に電力供給される送信機から無線周波数(RF)共通同期信号を第1の周波数で受信することと、受信されたRF共通同期信号から電力を抽出することと、抽出された電力を用いて動作を実行することと、実行された動作に関連付く後方散乱信号を、1つ以上の能動的に電力供給される受信機により受信される第2の周波数で送信することとを含んでもよく、第1の周波数と第2の周波数は異なり、RF共通同期信号は1つ以上の後方散乱パラメータを特定する。
【0061】
更なる例によると、無線デバイスはモノのインターネット(IoT)デバイスであってもよく、1つ以上の受信機は、現地ハブデバイス、能動的に電力供給されるIoTデバイス、又は基地局を含んでもよい。実行された動作に関連付く後方散乱信号を送信することは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)周波数帯、又はセルラー周波数帯のうちの1つにおいて後方散乱信号を送信することを含んでもよい。実行された動作に関連付く後方散乱信号を送信することは、5G準拠プロトコルによるセルラー周波数帯において後方散乱信号を送信することを含んでもよい。実行された動作に関連付く後方散乱信号を送信することは、第2の周波数、変調フォーマット、又は変調符号を定義する1つ以上の後方散乱パラメータに従い後方散乱信号を送信することを含んでもよい。変調符号は、周波数ダイバーシティ方式における周波数、符号分割多元接続(CDMA)変調方式における符号、又は直交周波数分割多重(OFDM)変調方式における符号を含んでもよい。
【0062】
ここで説明されたプロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術に影響する可能性のある様々な媒体が存在し(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア)、好ましい媒体は、プロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術が配備される状況により異なる。例えば、実装者が速度と精度が最優先事項であると判断した場合、実装者は主にハードウェア及び/又はファームウェア媒体を選択してもよく、柔軟性が最優先事項である場合、実装者は主にソフトウェア実装を選択してもよく、又は、更に代替的に、実装者はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアのいくつかの組合せを選択してもよい。
【0063】
前述の詳細な説明は、ブロック図、フロー図、及び/又は実施例の使用を介し、デバイス及び/又はプロセスの様々な実施形態を示している。そのようなブロック図、フロー図、及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、フロー図、又は実施例中の各機能及び/又は動作は、個別及び/又は集合的に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの事実上任意の組合せにより実装されてもよい。1つの実施形態において、ここで説明されるいくつかの主題は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、又は他の統合フォーマットを介して実装されてもよい。しかし、ここに開示される実施形態のいくつかの態様は、全体的又は部分的に、1つ以上のコンピュータで実行される1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上コンピュータシステムで実行される1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサで実行される1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサで実行される1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又は事実上それらの任意の組合せとして、集積回路に同等に実装されることができ、回路の設計、及び/又は、ソフトウェア及び/又はファームウェアのためのコードの記述が本発明に照らし可能である。
【0064】
本発明は、本願に記載されている、様々な態様の例示として意図されている特定の実施形態に限定されるべきでない。その精神と範囲から逸脱することなく、多くの改変及び変形を行うことができる。ここで列挙されたものに加え、本発明の範囲内の機能的に均等な方法及び装置が前述の説明から可能である。そのような改変及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることを意図している。本発明は、添付の特許請求の範囲の条件、並びに権利が与えられたそのような特許請求の範囲の均等物の全範囲によってのみ限定される。ここで用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していない。
【0065】
加えて、ここで説明される主題のメカニズムは様々な形態のプログラム製品として配布されることができ、ここで説明される主題の例示的な実施形態は、実際に配布を実行するために用いられる信号伝達媒体の特定のタイプに関係なく適用される。信号伝達媒体の例には、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)といった記録可能型媒体と、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンク等)といった伝達型媒体とを含むが、これに限定されない。
【0066】
ここに記載されたかたちでデバイス及び/又はプロセスを描写し、その後、そのような描写されたデバイス及び/又はプロセスをデータ処理システムに統合するためにエンジニアリング手法を用いることは、当技術分野内で一般的である。つまり、ここで説明されるデバイス及び/又はプロセスの少なくとも一部は、妥当な実験量を介し、データ処理システムに統合することができる。データ処理システムは、システムユニット筐体、ビデオ表示装置、揮発性及び不揮発性メモリといったメモリ、マイクロプロセッサ及びデジタルシグナルプロセッサといったプロセッサ、オペレーティングシステムといった計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェイス、及びアプリケーションプログラム、タッチパッド又はスクリーンといった1つ以上の対話型デバイス、及び/又はフィードバックループ及び制御モータを含む制御システムのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0067】
データ処理システムは、データコンピューティング/通信及び/又はネットワークコンピューティング/通信システムに見られるものといった、任意の適切な市販の構成要素を利用して実装することができる。ここで説明される主題は、異なる他の構成要素に包含又は接続される異なる構成要素を表すことがある。そのように図示されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際、同一機能を実現する他の多くのアーキテクチャを実装することができる。概念的な意味では、同一機能を実現するための構成要素の配置は、所望の機能が達成されるよう効果的に「関連付けられる」。よって、特定の機能を達成するためにここで組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間的構成要素に関係なく、所望の機能が達成されるよう互いに「関連付けられる」と見なされることができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に接続された」又は「動作可能に結合された」と見なされてもよく、そのように関連付けられることのできる任意の2つの構成要素は所望の機能を達成するため相互に「動作可能に結合可能」と見なされてもよい。動作可能に結合可能な特定の例には、物理的に接続可能な及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は、無線で相互作用可能な及び/又は無線で相互作用する構成要素、及び/又は、論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素が含まれるが、これに限定されない。
【0068】
ここでの実質的に全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関し、当業者は、文脈及び/又は応用に適切であるように、複数形から単数形へ、及び/又は、単数形から複数形へと翻訳することができる。明確化するため、様々な単数形/複数形の置き換えをここで明示的に記載し得る。
【0069】
一般的に、ここで、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲本文)で用いられる用語は、一般に「開放的」用語として意図されている(例えば、「含んでいる」という用語は「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含むがこれに限定されない」等と解釈されるべきである)。導入された請求項詳述にて特定の数が意図されている場合、そのような意図は請求項に明示的に詳述され、そのような詳述がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者により更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項詳述を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用法を含む可能性がある。ただし、そのような句の使用は、1つの請求項が「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という導入句と「a」又は「an」といった不定冠詞とを含むときであっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項詳述の導入が、そのような請求項詳述を含んだ特定の請求項を、そのような詳述を1つのみ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/又は「an」は「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、同じことが請求項詳述を導入するために用いられる不定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入された請求項詳述での特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者は、そのような記載が、少なくとも記載された数、を意味すると理解するであろう(例えば、他の修飾子のない単なる「2つという詳述」という記載は、少なくとも2つという詳述、又は、2つ以上という詳述を意味する)。
【0070】
明細書を提供するためといったあらゆる目的のため、ここで開示される全ての範囲は、あらゆる可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組合せをも包含する。列挙された範囲はいずれも、同一の範囲を少なくとも均等な半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分割することが可能であるよう十分に説明されていると容易に認めることができる。非限定的な例として、ここで論じられる各範囲は、下方3分の1、中間3分の1、及び上方3分の1等に容易に分解可能である。当業者にも理解されるように、「~まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」といった全ての文言は、上述したように、続けて部分範囲に分割可能な範囲を述べ参照する数を含む。最後に、範囲には各個別のメンバーが含まれる。このため、例えば、1~3個のセルを有する群は、1個、2個、又は3個のセルを有する群を指す。同様に、1~5個のセルを有する群は、1個、2個、3個、4個、又は5個のセルを有する群を指す。
【0071】
様々な態様及び実施形態をここで開示しているが、他の態様及び実施形態も可能である。ここで開示される様々な態様及び実施形態は例示目的であり、限定することを意図しておらず、真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲により示される。
【国際調査報告】