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特表2023-553785新規な香味剤を含む喫煙物品{SMOKING ARTICLE COMPRISING NEW FLAVORING AGENT}
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】新規な香味剤を含む喫煙物品{SMOKING ARTICLE COMPRISING NEW FLAVORING AGENT}
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/30 20060101AFI20231219BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A24B15/30
A24D1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526150
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 KR2022018214
(87)【国際公開番号】W WO2023090898
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159820
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0059744
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャングーク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ホ リム
(72)【発明者】
【氏名】リー、ゴン チャン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BB10
4B043BB11
4B043BB22
4B043BC13
4B043BC14
4B043BC18
4B043BC20
4B043BC21
4B043BC22
4B045AA41
4B045AB08
4B045AB14
(57)【要約】
本発明は、新規な香味剤を含む喫煙物品に関し、より具体的には、基本骨格に糖化合物来由モイアティ及び香料化合物来由モイアティを含み、熱分解時にラクトン化合物、糖化合物及び香料化合物が分解する新規な化合物である、香味剤を含む喫煙物品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(化1)式で表される化合物である香味剤
を含む、喫煙物品であって、
【化1】
前記(化1)式において、
nは1又は2の整数であり、
Rは炭素数1から30の直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、
モイアティA'はヒドロキシル基(-OH)を有する芳香族環、脂肪族環及び脂肪族鎖のうち少なくとも1つを有する香料化合物に来由するモイアティであり、前記ヒドロキシル基がカーボネート連結基
に参加し、モイアティA'は前記カーボネート連結基に参加したヒドロキシル基を除く香料化合物に該当し、
モイアティG'は糖化合物に来由するモイアティであり、前記糖化合物の環に連結されたヒドロキシル基(-OH)のうち少なくとも1つ以上がエステル連結基
に参加し、G'は前記エステル連結基に参加した前記ヒドロキシル基を除く糖化合物に該当し、mは前記エステル連結基でモイアティG'に結合される
の個数であり、1から8の整数である、喫煙物品。
【請求項2】
前記香料化合物は、
ヒドロキシル基を有する環状モノテルペン系化合物、ヒドロキシル基を有するモノテルペン系非環式化合物、ヒドロキシル基を有する炭素数6から10の芳香族化合物及びヒドロキシル基を有する炭素数5から6の非芳香族環化合物から選択される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記香料化合物は、下記化学式
から選択される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記モイアティA'は、下記化学式
から選択され、*は、前記(化1)式で、カーボネート連結基内の酸素の結合位置である、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記糖化合物は、
タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノ-ス、シクロデキストリン、マルトデキストリン、デキストラン、スクロース、グルコース、リブロース、フルクトース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルツロース、エリスロース、デオキシリボース、イドース、タロース、エリスルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、アミロペクチン、グルコサミン、マンノサミン、フコース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、イソマルト-オリゴサッカライド、キシロ-オリゴサッカライド、ゲンチオ-オリゴサッカライド、ソルボース、ニゲロ-オリゴサッカライド、パラチノースオリゴサッカライド、フルクトオリゴサッカライド、マルトテトラオール、マルトトリオール、マルト-オリゴサッカライド、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノ-ス及びリボースから選択される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記香味剤は、下記(化1-1)式から(化1-9)式から選択される喫煙物品であって、
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【化1-5】
化(1-1)式から(化1-5)式において、RからRは、各々、ヒドロキシル基(-OH)及び前記(化1)式で定義されたn、R及びA'である
から選択され、
【化1-6】
からRは、各々、ヒドロキシル基(-OH)及び前記(化1)式で定義されたn、R及びA'である
から選択され、
【化1-7】
【化1-8】
【化1-9】
(化1-7)式1-7から(化1-9)式において、RからRは、各々、ヒドロキシル基(-OH)及び前記(化1)式で定義されたn、R及びA'である
から選択される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記香味剤は、下記(化1-1-a)式1-1-aから(化1-9-a)式
【化1-1-a】
【化1-2-a】
【化1-3-a】
【化1-4-a】
【化1-5-a】
【化1-6-a】
【化1-7-a】
【化1-8-a】
【化1-9-a】
から選択される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記香味剤は、
熱分解時に香味を発現し、
熱分解時に前記糖化合物、香料化合物、ラクトン化合物及び二酸化炭素に分解される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記香味剤は、
80℃以上の温度で熱分解する、請求項1から8のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記ラクトン化合物は、
下記(化2)式のガンマ又は(化3)式のデルタラクトンに分解する喫煙物品であって、
【化2】
【化3】
Rは炭素数1から30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記ラクトン化合物は、下記化学式、
から選択される、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記喫煙物品は、
前記(化1)式で表される化合物を含むスラリー、ペースト、液相、ゲル、粉末、ビーズ、シート、フィルム、繊維又は成形体を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項13】
前記喫煙物品は、
前記(化1)式で表される化合物が全面又は少なくとも一部に局所的に印刷又はコーティングされたシート、フィルム及びフィルターのうち少なくとも1つ以上を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項14】
前記(化1)式で表される化合物は、
シガレットロッドの軸方向、横方向又はこの両方によるパターンで印刷され、
前記パターンは、直線、点線、格子、多角形、ドット、円及び楕円形のうち少なくとも1つ以上の形態が配列された、請求項1から8のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項15】
前記(化1)式で表される化合物は、
喫煙媒質100重量部に対して0.0001重量部以上で含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項16】
前記喫煙物品は、
フィルター部及び喫煙媒質部
を含み、
前記喫煙媒質部は、前記(化1)式で表される化合物を含むシガレット紙、喫煙媒質又はこの両方を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項17】
前記シガレット紙は、
少なくとも一面の全面又はシガレットロッドの軸方向、横方向又はこの両方を基準として局所的に分布された前記(化1)式で表される化合物のパターン領域を含み、前記パターン領域の位置によって副流煙に含まれるタバコ味を制御する、請求項16に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱によって香味成分が放出される新規な香味剤を含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品に香味剤を付加して味をさらに向上させることができる。喫煙物品から発生した煙又はエアロゾルは上流から下流に移動して喫煙者に伝達され、喫煙満足度を感じるように製造されている。喫煙満足度を決定する要素としては様々な事項があるが、最も重要なのは喫煙者が感じるタバコ味である。喫煙者は1つの喫煙物品から様々なタバコ味を楽しむのを望むところ、タバコメーカーでは喫煙者のこのような欲求を満たすために加香物質(例えば、香味剤)を添加して喫煙者は様々な香味や風味を感じるようになる。
【0003】
従来の香味剤は、喫煙媒質の長期間保管時、常温で化学構造の分解可能性が高く、香味成分が揮発して喫煙中にタバコ味を増進させ得る十分な香味発現が難しく、又は喫煙時間が経過するにつれて香味の持続性が弱く、又はタバコ味が変化する。喫煙中に喫煙満足度を高める香味剤の開発が必要である。さらに、タバコの製造及び/又は保管される場合に香味剤が分解、又は香味成分が揮発して放出されて消えてしまう場合が頻繁である。これに対し、揮発性香味の放出を防止又は遅延させて格納寿命を増加させ、消費者が使用するとき(例えば、喫煙時)十分な香味発現がなされる香味剤及びこれを適用した喫煙物品の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の香味剤機能を有する化合物が常温(rt)又はこれと近接した温度で化学構造的安定性が低く、構造的変形又は分解が発生して香味成分が揮発する可能性がある。本発明は、これを解決するために、熱を加えると熱分解による香味成分が放出される、新規な香味剤を含む喫煙物品を提供するものである。
【0005】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及したものに制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から該当分野における通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例により、(化1)式で表される化合物である香味剤を含む、喫煙物品に関する。
【化1】
【0007】
前記(化1)式で、
nは1又は2の整数であり、
Rは炭素数1~30の直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、
モイアティA'はヒドロキシル基(-OH)を有する芳香族環、脂肪族環及び脂肪族鎖のうち少なくとも1つを有する香料化合物に来由するモイアティであり、前記ヒドロキシル基がカーボネート連結基
に参加し、モイアティA'は前記カーボネート連結基に参加したヒドロキシル基を除く香料化合物に該当し、
モイアティG'は糖化合物に来由するモイアティであり、前記糖化合物の環に連結されたヒドロキシル基(-OH)のうち少なくとも1つ以上がエステル連結基
に参加し、G'は前記エステル連結基に参加した前記ヒドロキシル基を除く糖化合物に該当し、mは前記エステル連結基でモイアティG'に結合される
の個数であり、1~8の整数である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施例により、本発明による香味剤を含む喫煙物品は、喫煙中に香味成分が発現して副流煙の煙たい臭いを改善させ、加熱による熱分解時に香味成分が発散するので、タバコ味を向上させ、タバコ味を一定に維持させることができる。
【0009】
本発明の一実施例により、本発明による香味剤を含む喫煙物品は、適用方式、適用部位などを多様に活用及び/又は変形させてタバコ味、雰囲気などを制御し、改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例により、実施例で製造されたエチル4-ヒドロキシヘプタノエート(2a)のNMR分析結果を示すものである。
図2】本発明の一実施例により、実施例でエチル4-(メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート(3a)のNMR分析結果を示すものである。
図3】4-(メチルカルボニルオキシ)ヘプタン酸(4a)のNMR分析結果を示すものである。
図4】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート(5a)のNMR分析結果を示すものである。
図5】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート(5a)のNMR分析結果を示すものである。
図6】本発明の一実施例により、実施例で製造された4-(メチルカルボニルオキシ)ノナン酸(4b)のNMR分析結果を示すものである。
図7】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ノナノエート(5b)のNMR分析結果を示すものである。
図8】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ノナノエート(5b)のNMR分析結果を示すものである。
図9】本発明の一実施例により、実施例で製造されたエチル5-(メチルカルボニルオキシ)デカノエート(3c)のNMR分析結果を示すものである。
図10】本発明の一実施例により、実施例で製造されたエチル5-(メチルカルボニルオキシ)デカノエート(3c)のNMR分析結果を示すものである。
図11】本発明の一実施例により、実施例で製造された5-(メチルカルボニルオキシ)デカン酸(4c)のNMR分析結果を示すものである。
図12】本発明の一実施例により、実施例で製造された5-(メチルカルボニルオキシ)デカン酸(4c)のNMR分析結果を示すものである。
図13】本発明の一実施例により、実施例で製造された5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキシル-(1-オキソ-1-(2-チオキソチアゾリジン-3-イル)デカン-5-イル)カーボネート(5c)のNMR分析結果を示すものである。
図14】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(5-メチルカルボニルオキシ)デカノエート(6c)のNMR分析結果を示すものである。
図15】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(5-メチルカルボニルオキシ)デカノエート(6c)のNMR分析結果を示すものである。
図16】本発明の一実施例により、実施例で製造されたエチル4-ヒドロキシウンデカノエート(2d)のNMR分析結果を示すものである。
図17】本発明の一実施例により、実施例で製造されたエチル4-ヒドロキシウンデカノエート(2d)のNMR分析結果を示すものである。
図18】本発明の一実施例により、実施例で製造されたエチル4-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカノエート(3d)のNMR分析結果を示すものである。
図19】本発明の一実施例により、実施例で製造された4-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカン酸(4d)のNMR分析結果を示すものである。
図20】本発明の一実施例により、実施例で製造された4-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカン酸(4d)のNMR分析結果を示すものである。
図21】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ウンデカノエート(6d)のNMR分析結果を示すものである。
図22】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ウンデカノエート(6d)のNMR分析結果を示すものである。
図23】本発明の一実施例により、実施例で製造されたエチル4-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)ウンデカノエート(3e)のNMR分析結果を示すものである。
図24】本発明の一実施例により、実施例で製造されたグルコシ-(4-ベンジルオキシカルボニルオキシ)ノナノエート(5e)のNMR分析結果を示すものである。
図25】本発明の一実施例により、実施例で製造された化合物の熱分析結果を示すものである。
図26】本発明の一実施例により、実施例で製造された化合物の熱分解温度による成分の分布を示すものである。
図27】本発明の一実施例により、実施例で製造された化合物の熱分解温度による成分の分布を示すものである。
図28】本発明の一実施例により、喫煙物品の燃焼及び喫煙における香味成分の分解及び移行プロセスを例示的に示すものである。
図29a】本発明の一実施例により、実施例4のシガレットロッド(rod)における香味剤の塗布部位を示すものである。
図29b】本発明の一実施例により、実施例4のシガレットロッド(rod)における香味剤の塗布部位を示すものである。
図30】本発明の一実施例により、実施例5のシガレット製品タバコにおける香味剤の塗布部位を示すものである。
図31】本発明の一実施例により、実施例6のシガレット製品タバコにおける香味剤の塗布部位を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。本発明の説明において、関連する公知の機能又は構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。さらに、本明細書において使用される用語は、本発明の好ましい実施例を適切に表現するために使用された用語であり、これは、ユーザ、運用者の意図又は本発明の属する分野における慣例などによって変わり得る。したがって、本用語の定義は、本明細書全体にわたる内容に基づいて行われるべきである。各図面に示されている同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0012】
明細書全体において、ある部材が他の部材「上に」位置しているとするとき、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0013】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0014】
以下、本発明は、新規な香味剤を含む喫煙物品について実施例及び図面を参照して具体的に説明する。しかし、本発明はこのような実施例及び図面に制限されるものではない。
【0015】
本発明は、熱分解時に香味成分を発現する新規な香味剤を含む喫煙物品に関し、本発明の一実施例により、前記香味剤は、熱を加えると熱分解によって揮発性香味成分を発現させ、タバコ味及びこの持続性を向上させることができる。
【0016】
すなわち、このような熱分解時に香味成分が発現する合成化合物(例えば、香味剤)は、シガレットタバコの構成要素(例えば、シガレット紙)に適用してタバコ燃焼時、特に燃焼(smouldering)時の熱によって香味成分(例えば、ラクトン類あるいはメントール)が発現して副流煙の煙たい臭いを改善する効果を提供することができる。また、加熱式タバコスティックの媒質に適用時、香味成分の味持続力を付与することができる。例えば、加熱式タバコは静的な加熱によって媒質が抱いている香味成分が初期パフ(puff)で消尽されるが、熱分解時に香味成分が発現する合成化合物は、熱によって分解されてこそ発現するため、パフが持続されても香味成分が最後のパフでも生成されるので、タバコ味を一定に維持させ得る。
【0017】
本発明の一実施例により、前記香味剤は、下記(化1)式で表される化合物であることができる。
【化1】
【0018】
本発明の一例として、上記(化1)式は、糖化合物来由モイアティ(G')及び香料化合物来由モイアティ(A')を含むものであって、上記(化1)式で香料化合物はカーボネート連結基で共有結合し、糖化合物はエステル連結基
で結合したものであり得る。上記(化1)式の化合物は、熱を加えると熱分解して糖化合物、香料化合物及びラクトン化合物の香味成分に分解し、発散され得る。例えば、上記(化1)式の化合物は、ラクトン化合物の開環メカニズムで糖化合物のヒドロキシル基(-OH)と反応してエステル連結基で連結され、香料化合物のヒドロキシル基と反応してカーボネート連結基
で連結され、合成され得る。すなわち、上記(化1)式の化合物は、約常温又は近接した温度で構造的安定性を有し、揮発性が低く、熱を加えると閉環メカニズムでカーボネート連結基及びエステル連結基が切れて糖化合物(G)、ラクトン化合物及び香料化合物(A)に分解されて香味が発散され、分解過程で人体に無害な二酸化炭素が発生され得る。これは、熱によってカーボネート連結基が切れて香料化合物に分解し、二酸化炭素が生成され、次に閉環でエステル連結基が切れて糖化合物及びラクトン化合物に分解して香味を発現させ得る。
【0019】
本発明の一実施例により、上記(化1)式でモイアティA'は、ヒドロキシル基を有する芳香族環、ヒドロキシル基を有する脂肪族環及びヒドロキシル基を有する脂肪族鎖のうち少なくとも1つを有する香料化合物に来由するモイアティであることができる。前記ヒドロキシル基は、環、鎖又はこのうち1つ以上(例えば、1つ又は2つ)を含み、これはヒドロキシル基を有する置換基、基本骨格及び/又はモイアティに該当し得る。前記ヒドロキシル基が(化1)式でカーボネート連結基の共有結合に参加し、モイアティA'は前記ヒドロキシル基を除く香料化合物に該当し得る。すなわち、モイアティA'において香料化合物のヒドロキシル基がカーボネート連結基で保護されるので、常温で閉環による分解反応が防止され得る。
【0020】
本発明の一実施例により、前記香料化合物はヒドロキシル基を有する環状モノテルペン系化合物、ヒドロキシル基を有するモノテルペン系非環式化合物、ヒドロキシル基を有する炭素数6~10の芳香族化合物及びヒドロキシル基を有する炭素数5~10;又は炭素数5~6の非芳香族環及びこれらの異性体から選択されてもよい。例えば、前記香料化合物は下記の化合物から選択され、上記(化1)式の熱分解時にカーボネート連結基が切れる場合に生成される化合物であり得る。
【0021】
【0022】
本発明の一実施例により、前記モイアティA'は、下記化学式から選択されるものであってもよい。ここで、*は、カーボネート連結基内の酸素位置に該当する。
【0023】
【0024】
本発明の一実施例により、モイアティG'は、糖化合物に来由するモイアティであり、前記糖化合物の環に連結されたヒドロキシル基がエステル連結基
に参加して生成されたものであり、モイアティG'は、前記ヒドロキシル基を除く糖化合物に該当し得る。上記(化1)式の化合物は、糖化合物の連結によって常温で揮発性を下げて構造的安定性を維持し、有機溶媒に対する溶解性を増加させることができる。これは、上記(化1)式の化合物の様々なマトリックス(又は、基質)内で相溶性及び/又は加工性を高め、食品、喫煙物品に適用分野を拡大させることができる。
【0025】
本発明の一実施例により、前記糖化合物は、6員環、5員環、又はこの両方を含み、前記糖化合物を構成する環に結合されたヒドロキシル基のうち少なくとも1つ以上;少なくとも2つ以上;少なくとも3つ以上;又は全体が上記(化1)式のエステル連結基に参加できる。例えば、単一又は複数のヒドロキシル基によるエステル連結基が形成され、上記(化1)式で[]部分、すなわち、
の単一又は複数がモイアティG'に結合され得る。
【0026】
本発明の一実施例により、前記mは、前記エステル連結基でモイアティG'に結合される[]部分、すなわち、
の個数であり、1~8;1~7;1~6;1~5;1~4;1~3;又は1~2の整数であることができる。
【0027】
本発明の一実施例により、前記糖化合物は、例えば、タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノ-ス、シクロデキストリン、マルトデキストリン、デキストラン、スクロース、グルコース、リブロース、フルクトース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルツロース、エリスロース、デオキシリボース、イドース、タロース、エリスルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、アミロペクチン、グルコサミン、マンノサミン、フコース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、イソマルト-オリゴサッカライド、キシロ-オリゴサッカライド、ゲンチオ-オリゴサッカライド、ソルボース、ニゲロ-オリゴサッカライド、パラチノースオリゴサッカライド、フルクトオリゴサッカライド、マルトテトラオール、マルトトリオール、マルト-オリゴサッカライド、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノ-ス及びリボースから選択されてもよい。好ましくは、グルコース、ラクトース、マルトース、ガラクトース、スクロース、D-フルクトース、グロース、タロース及びイドースであってもよい。
【0028】
本発明の一実施例により、前記香味剤は、下記(化1-1)式~(化1-9)式から選択されてもよい。
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【化1-5】
【0029】
本発明の一例として、上記(化1-1)式~(化1-5)式において、R~Rは、各々、ヒドロキシル基(-OH)、及び
(n、R及びA'は、上記(化1)式で定義された通りである。)から選択されてもよい。
【0030】
好ましくは、
は、R~Rのうち少なくとも1つ以上;少なくとも2つ以上;少なくとも3つ以上;少なくとも4つ以上;又は全体に該当することができ、さらに好ましくは、R及びRのうち少なくとも1つ;R及びRのうち少なくとも1つ;及び/又はR及びRのうち少なくとも1つに該当することができる。
【化1-6】
【0031】
本発明の一例として、上記(化1-6)式においてR~Rは、各々、ヒドロキシル基(-OH)、及び
(n、R及びA'は、上記(化1)式で定義された通りである。)から選択されてもよい。
【0032】
好ましくは、
は、R~Rのうち少なくとも1つ以上;少なくとも2つ以上;少なくとも3つ以上;又は全体に該当することができ、さらに好ましくは、R及びRのうち少なくとも1つ;R及びRのうち少なくとも1つ;及び/又はR及びRのうち少なくとも1つに該当することができる。
【化1-7】
【化1-8】
【化1-9】
【0033】
本発明の一例として、上記(化1-7)式~(化1-9)式においてR~Rは、各々、ヒドロキシル基(-OH)、及び
(n、R及びA'は、上記(化1)式で定義された通りである。)から選択されてもよい。
【0034】
好ましくは、
は、R~Rのうち少なくとも1つ以上;少なくとも2つ以上;少なくとも3つ以上;少なくとも4つ以上;又は全体に該当することができ、さらに好ましくは、R~Rのうち少なくとも1つ;及び/又はR及びRのうち少なくとも1つ;に該当することができ、さらに好ましくは、R~Rのうち少なくとも1つ;R及びRのうち少なくとも1つ;R及びRのうち少なくとも1つ;及び/又はR及びRのうち少なくとも1つに該当することができる。
【0035】
本発明の一実施例により、前記香味剤は、下記(化1-1-a)式~(化1-9-a)式から選択されてもよい。
【化1-1-a】
【化1-2-a】
【化1-3-a】
【化1-4-a】
【化1-5-a】
【化1-6-a】
【化1-7-a】
【化1-8-a】
【化1-9-a】
【0036】
(ここで、n、R及びA'は、上記(化1)式で定義された通りである。)
【0037】
本発明の一実施例により、上記(化1)式でnは、1又は2の整数であることができる。Rは、炭素数1~30の直鎖又は分岐鎖アルキル基;好ましくは、炭素数2~10の直鎖又は分岐鎖アルキル基であることができる。
【0038】
本発明の一実施例により、前記ラクトン化合物は、下記(化2)式のガンマ又は(化3)式のデルタラクトンであることができる。
【化2】
【化3】
【0039】
本発明の一例として、上記(化1)式及び(化2)式で、Rは、炭素数1~30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、好ましくは、炭素数2~10の直鎖又は分岐鎖アルキル基であることができる。
【0040】
例えば、前記ラクトン化合物は、下記化学式から選択されるものであってもよい。
【0041】
【0042】
本発明の一実施例により、前記化合物は、70℃以上;80℃以上;90℃以上;又は100℃以上であり、好ましくは、120℃以上;150℃以上;200℃以上;又はさらに好ましくは、200℃~300℃温度で熱分解するものであってもよい。また、酸素及び/又は水分を含む環境で熱分解することができる。
【0043】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品は、上記言及した本発明による(化1)式で表される香味剤化合物のうち少なくとも1つ以上を含むことができる。前記喫煙物品の加熱及び/又は燃焼時、前記香味剤の熱分解による香味を提供することができる。例えば、前記喫煙物品の加熱及び/又は燃焼時、主流煙及び/又は副流煙に香味を発現させ、これは、主流煙及び/又は副流煙の改善効果を提供することができる。例えば、図28は、本発明による香味成分の移行プロセスを示すものであり、図28において前記喫煙物品で加熱及び/又は燃焼部位及び/又は近接及び/又は熱影響を受ける部位に前記香味剤化合物が適用できる。前記香味剤化合物の適用時、副流煙/主流煙への香味成分移行プロセスによって副流煙の改善効果を提供することができる。
【0044】
図28の(a)及び(b)において、バーニングコン(burning con)が形成され、次に燃焼時(smouldering)、副流煙が生成され、副流煙で搭載された香味成分が生成される。これは、バーニングコン(burning con)の熱によってシガレット紙にコーティングされた副流煙改善合成香料が熱分解して、香味成分(例えば、ガンマ-ウンデカラクトン(undecalactone))が発現する。
【0045】
図28の(b)において、喫煙時(smoking)、外部エアが流入されながら熱分解した香味成分が主流煙に一部吸い込まれることができる。
【0046】
本発明の一実施例により、上記(化1)式で表される化合物は、前記喫煙物品において喫煙媒質100重量部に対して0.0001重量部以上;0.001重量部以上;0.1重量部以上;1重量部以上;1~5重量部;1~10重量部;又は1~20重量部で含まれ得る。これは、喫煙時、副流煙及び/又は主流煙によるタバコ味、雰囲気などの制御及び改善効果を提供することができる。
【0047】
本発明の一実施例により、上記(化1)式で表される化合物は、喫煙時、前記喫煙物品で喫煙媒質100重量部に対して0.00001重量部以上;0.0001重量部以上;0.001重量部以上;0.1重量部以上;1重量部以上;1~5重量部;1~10重量部;又は1~20重量部で香味成分、例えば、ラクトンを発現させることができる。これは、喫煙時、副流煙及び/又は主流煙によるタバコ味、雰囲気などの制御及び改善効果を提供することができる。
【0048】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品は、上記(化1)式で表される化合物を含むスラリー、ペースト、液相、ゲル、粉末、ビーズ、シート、フィルム、繊維又は成形体を含むことができる。
【0049】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品は、上記(化1)式で表される化合物又はこれを含む組成物に適用又は製造されることができる。例えば、前記喫煙物品の構成成分及び/又は部品に該当し得る。好ましくは、喫煙物品で加熱される領域の構成成分及び/又は部品であり得る。例えば、喫煙媒質(例えば、液相、ゲル、固相、スラリー、ペースト)、紙管、チューブ、フィルター(例えば、チューブフィルター、繊維フィルター、織造物フィルター、紙フィルター、カプセルフィルター)、巻紙、シガレット紙、チップペーパー、ラッパー、カートリッジ(例えば、加熱カートリッジ)などであってもよく、これらは本発明の目的を逸脱しない限り、本発明の技術分野における周知の構成成分を含み、本文書には具体的に言及しない。
【0050】
本発明の一実施例により、前記組成物は、本発明による香味剤(すなわち、上記(化1)式で表される香味剤化合物)を含み、用途に応じて担体、添加剤又はこの両方をさらに含むことができる。前記担体及び添加剤は、食品用又は喫煙物品用に許容可能な担体及び添加剤であり、例えば、溶媒、結合剤、希釈剤、分解剤、潤滑剤、香味剤、着色剤、保存剤、酸化防止剤、乳化剤、安定化剤、香味増進剤、甘味剤などを含むことができるが、これらに制限されない。
【0051】
本発明の一実施例により、前記組成物は、用途に応じてベースマトリックス(又は、基質)成分をさらに含むことができ、例えば、紙、パルプ、木材、ポリマー樹脂(例えば、セルロース)、繊維、植物性油、石油系油(例えば、パラフィン類)、動物性油、ワックス、脂肪酸(例えば、炭素数1~50の動物性脂肪、植物性脂肪、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸(例えば、単一又は多不飽和脂肪酸)などであり得る。前記ベースマトリックス成分に有機物及び/又は無機又はセラミック粉末(例えば、チョーク(chalk)、パーライト(perlite)、バーミキュライト(vermiculite)、珪藻土(diatomaceous earth)、コロイダルシリカ(colloidal silica)、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム)、湿潤剤(例えば、グリセリン又はプロピレングリコール)及びアセテート化合物などがさらに追加され得る。
【0052】
本発明の一実施例により、前記組成物は、用途に応じてタバコ成分をさらに含むことができる。前記組成物は、喫煙物品に適用するとき、喫煙条件下で主流煙及び/又は副流煙に香味を発現させることができる。前記タバコ成分は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質であってもよく、葉タバコ、押出タバコ(extruded tobacco)及びバンドキャストタバコ(bandcast tobacco)から選択されてもよい。また、前記組成物は、タバコ媒質として適用可能なエアロゾル発生剤をさらに含むことができ、前記エアロゾル発生剤は、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチルクエン酸、エチルミリステート、イソプロピルミリステート、メチルステアレート、ジメチルドデカンジオエート、ジメチルテトラデカンジオエートなどであってもよいが、これらに制限されない。
【0053】
本発明の一実施例により、前記香味剤は、前記組成物のうち0.0001重量%以上;0.001重量%以上;0.01重量%以上;0.1重量%~80重量%;0.0001重量%~60重量%;0.001重量%~50重量%;0.1重量%~30重量%;1重量%~20重量%;5重量%~20重量%;又は5重量%~10重量%;であってもよい。前記範囲内で、前記香味剤の熱分解による香味発現機能を得ることができ、喫煙物品に適用するときにタバコ味の改善効果を得ることができる。
【0054】
本発明の一実施例により、前記組成物は、様々な相(phase)で製造され、例えば、固相(例えば、粉末、クリスタル、フレーク、粉砕物)、サスペンション、スラリー、ペースト、ゲル、液相、エマルジョン又はエアロゾルであってもよい。例えば、前記組成物は、成形又は所望の製品に混合されるか、印刷、浸漬、噴霧及び/又はコーティングなどの本発明の技術分野における周知の方式で適用することができ、本文書には具体的に言及しない。
【0055】
本発明の一実施例により、前記「喫煙物品」(smoking article)とは、タバコ、タバコ派生物、膨化処理タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)又はタバコ代用物に基づくか否かにかかわらず、喫煙可能な任意の製品又は喫煙体験を提供できる任意の製品を意味することができる。例えば、前記喫煙物品は、シガレット、葉巻(cigar)、小葉巻(cigarillo)、電子タバコなどのエアロゾルを発生させ得る喫煙可能物品を意味することができる。喫煙物品は、エアロゾル発生物質又はエアロゾル形成基質を含み得る。また、喫煙物品は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質を含み得る。喫煙物質は揮発性化合物を含み得る。
【0056】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品は、シガレット型タバコ、液状型タバコ又はハイブリッド型タバコであり、燃焼式シガレット又は加熱式タバコであり得る。又は電子タバコ(例えば、電子式で加熱されるタバコ)であり得る。
【0057】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品は、上記(化1)式で表される化合物が少なくとも一面の全面又は少なくとも一部に局所的に印刷又はコーティングされたシート、フィルム及びフィルターのうち少なくとも1つ以上を含むことができる。また、上記(化1)式で表される化合物は、一面又は両面印刷又はコーティングされ得る。
【0058】
本発明の一実施例により、上記(化1)式で表される化合物は、前記喫煙物品の軸方向、横方向又はこの両方によるパターンで印刷され、前記パターンは、少なくとも一面の全面又は喫煙物品の少なくとも一部に局所的に印刷され得る。例えば、前記喫煙物品のロッドの軸方向、横方向又はこの両方によって単一又は複数のパターン領域を含み、これは、喫煙時、副流煙及び/又は主流煙によるタバコ味、雰囲気などを制御することができる。例えば、前記パターンは、直線、点線、格子、多角形、ドット、円及び楕円形のうち少なくとも1つ以上の形態が配列されたものであり得る。例えば、前記パターンは、0.01mm以上;0.1mm以上;1mm~10mm;又は1mm~5mmの大きさであり得る。前記大きさは、厚さ、長さ、直径などを意味することができ、ドットパターンでピッチ、間隔などを意味することができる。例えば、ピッチは、0.01mm~1mmであり得る。
【0059】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品は、喫煙媒質部及びフィルター部を含むことができる。前記喫煙媒質部は、上記(化1)式で表される化合物を含むシガレット紙、喫煙媒質又はこの両方を含むことができる。
【0060】
本発明の一実施例により、前記香味剤は、シガレットのシガレット紙に適用してタバコ加熱及び/又は燃焼時、特に煙発生(smouldering)時の熱によって香味成分(例えば、ラクトン類及び/又は香り成分)が発現して、副流煙の煙たい臭いを改善する効果を減らすことができる。
【0061】
本発明の一実施例により、加熱式タバコスティックの媒質に適用時、香味成分の味持続力を付与することができる。すなわち、加熱式タバコは静的な加熱によって媒質が抱いている香味成分が初期パフ(puff)で消尽されるが、前記香味剤は熱によって分解されてこそ発現するため、パフが持続されても香味成分が最後のパフでも生成されタバコ味を一定に維持させ得る。
【0062】
本発明の一実施例により、前記香味剤は、前記喫煙物品の製造時にそれ自体で基質又は基材と混合されるか、前記香味剤を含む組成物を用いて基質又は基材と混合、印刷、浸漬(又は、含浸)、コーティング及び/又は噴射されて適用され得る。
【0063】
本発明の一実施例により、上記(化1)式で表される化合物をシガレット紙に塗布するか、喫煙媒質(例えば、タバコ媒質)に添加することができる。
【0064】
本発明の一例として、上記(化1)式で表される化合物は、喫煙媒質(例えば、タバコ媒質)に添加する方法は、タバコ媒質に添加する方式はタバコ製造工程で他の加香料を添加(addition)する方式で、(化1)式で表される化合物を溶媒に溶かして希釈させ、タバコ媒質(例えば、タバコ刻草)に噴射(Spray)方式で添加することができる。また、板状葉製造工程で水に溶かして板状葉製造時に様々な方法で添加することができる。
【0065】
本発明の一例として、シガレット紙に塗布する方法は、シガレットロッド部位を全面塗布又は少なくとも一部に局所的に塗布するなど多様に適用することができる。これは、タバコのシガレット紙に塗布するか、シガレット紙の製造時にシガレット紙(紙)の製造工程に添加することができる。
【0066】
例えば、前記シガレット紙は、全面又は前記喫煙物品ロッドの横方向及び/又は軸方向を基準として局所的に分布した上記(化1)式で表される化合物のパターン領域を含み、前記パターン領域の位置によって副流煙に含まれるタバコ味、雰囲気を制御することができる。
【0067】
例えば、前記シガレット紙におけるパターン領域は単一又は複数で構成され、前記シガレットロッドにおいて様々な部位で構成でき、シガレットロッドにおいて遠位端(例えば、タバコの末端又はライトニング(lighterning)開始部位)に近接、フィルター部に近接、中間部分などに分布され得る。例えば、シガレットロッドで線(又は、横方向)、帯(又は、軸方向)又はこの2つの形態のパターンで形成できる。
【0068】
例えば、前記シガレット紙におけるパターン領域は、前記シガレット紙の長さ(又は、ロッド、すなわち、遠位端から)の5%;10%、20%;30%;50%、70%;90%;及び95%の領域に分布することができる。
【0069】
本発明の一例として、前記シガレット紙に適用する方法でシガレット紙の製造方法は、例えば、紙製造工程である原料剥皮→黒皮除去→選択→水浸→蒸解→水洗・選択→漂白→高解→配合→掻き乱し→抄紙→圧着→乾燥→完成において水浸又は抄紙製造時に上記(化1)式で表される化合物を添加することができる。
【0070】
本発明の一例として、上記(化1)式で表される化合物は、溶媒に混合又は溶解されたものであり、前記溶媒は、前記化合物を分散及び/又は溶解させることができる有機溶媒及び/又は水を含むことができ、溶解性を有すると紙を製造するとき、水又はアルコール類を使用して抄紙を行う工程などを行う際に容易に適用することができる。
【0071】
例えば、シガレット製造工場でシガレットタバコを(高速)で生産するとき、シガレットロッド部位に塗装(stamp)でインクをとるように添加することができる。
【0072】
例えば、シガレットタバコ製造時、シガレットロッド部位に局所的に噴射(Spray)方式で添加することができる。
【0073】
例えば、前記化合物は、喫煙媒質(又は、刻草部)100重量部に対して0.0001重量部以上;1重量部以上;5重量部以上;又は1~20重量部で適用され得る。
【0074】
本発明の一実施例により、喫煙媒質、例えば、香味剤とタバコ原料(例えば、媒質原料、タバコ葉)を含む、又は添加物をさらに含み得る。別の例では、前記香味剤は、喫煙物品の構成成分及び/又は部品の製造時に香味剤として添加され、喫煙物品に適用可能なベース物質、溶媒、加香物質、喫煙媒質物質などと混合することができる。あるいは、前記喫煙媒質は、液相、ゲル、又は固相であり得る。
【0075】
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の内容は下記実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0076】
[スキーム1]
【0077】
<(1-1)エチル4-ヒドロキシヘプタノエート(Ethyl 4-hydroxyheptanoate、2a)の合成>
γ-ヘプタラクトン(γ-Heptalactone、20g(0.15mol)をメタノール(methanol)100mLに溶かして撹拌しながらKOH11.17g(0.16mol、1.05eq.)を徐々に入れて室温で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮させた後、DMF80mLを入れて撹拌しながらブロモエタン(bromoethane)17g(0.15mol、1eq.)を入れて12時間反応させた。反応液に水100mLを入れてエチルアセテート(ethyl acetate)で抽出した後、水と塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧濃縮して18.1g(66.7%、2steps)の目的物2aを得た。
【0078】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ8.01(s、1H、-OH)、4.12(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、3.63(m、1H、CH-O)、2.42(m、2H、CO-CH)、1.81~0.92(m、12H、alkyl)(図1
【0079】
<(1-2)エチル4-(メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート[Ethyl 4-(mentylcarbonyloxy)heptanoate、3a]の合成>
エチル4-ヒドロキシヘプタノエート(2a)18g(0.1mol)をTHF120mLに溶かし、ピリジン16g(pyridine、0.2mol、2eq.)を入れて氷水で冷却して撹拌しながら、メンチルクロロホルメート23g(mentyl chloroformate、0.1mol、1eq.)THF20mL溶液をゆっくり滴下した。1時間後、反応液を室温まで上げ、一晩反応させた後、水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して30g(収率81%)の目的物3aを黄色液体として得た。
【0080】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.74(7tet、1H、J=4Hz、-COOCH-)、4.51(td、1H、J=9、4Hz、COO-CH-)、4.12(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、2.36(m、2H、CO-CH-)、1.93~0.79(m、30H、alkyl)(図2
【0081】
<(1-3)4-(メチルカルボニルオキシ)ヘプタン酸[4-(mentylcarbonyloxy)heptanoic acid、4a]の合成>
エチル4-(メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート(3a)25g(68.5mmol)をTHF100mL及び蒸留水30mLに溶かし、水酸化リチウム一水和物4.2g(lithium hydroxide monohydrate、102.4mmol、1.5eq.)を入れて室温で12時間反応させた。蒸留水50mLを追加し、エーテルで抽出した。水層を濃塩酸を入れてpH3に調整した後、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して21.8g(収率81%)の目的物4aを黄色液体として得た。
【0082】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.76(m、1H、-COOCH-)、4.52(td、1H、J=9、4Hz、COO-CH-)、4.11(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、2.42(m、2H、CO-CH-)、1.99~0.82(m、27H、alkyl)(図3
【0083】
<(1-4)グルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート[Glucosyl-(4-mentylcarbonyloxy)heptanoate、5a]の合成>
4-(メチルカルボニルオキシ)ヘプタン酸(4a)3g(9.1mmol)をDMF20mLに溶かしてグルコース3.7g(20.5mmol、2.2eq.)を入れた。室温で撹拌しながらジイソプロピルカルボジイミド1.7g(diisopropylcarbodiimide、13.4mmol、1.5eq.)とDMAP0.05g(cat.)を順に入れた後、室温で12時間反応させた。反応物に蒸留水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。混合物をメチレンクロライド(methylene chloride)とメタノール混合溶媒(6:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(silica gel column chromatography)して0.6g(収率13%)の目的物5aを得た。
【0084】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ5.30~3.54(m、13H、グルコース、-COOCH、-COOCH)、2.45(m、2H、CO-CH-)、2.03~0.78(m、27H、alkyl)(図4図5
【0085】
<2.グルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ノナノエート[Glucosyl-(4-mentylcarbonyloxy)nonanoate、5b]の合成>
[スキーム2]
【0086】
<(2-1)エチル4-ヒドロキシノナノエート[Ethyl 4-hydroxynonanoate、2b]の合成>
γ-ノナラクトン20g(γ-Nonalactone、0.13mol)をメタノール100mLに溶かして撹拌しながらKOH9.18g(0.14mol、1.05eq.)を徐々に入れて室温で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮させた後、DMF80mLを入れて撹拌しながらブロモエタン14g(0.13mol、1eq.)を入れて12時間反応させた。反応液に水100mLを入れてエチルアセテートで抽出した後、水と塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧濃縮して24g(93%、2steps)の目的物2bを得た。
【0087】
<(2-2)エチル4-(メチルカルボニルオキシ)ノナノエート[Ethyl 4-(mentylcarbonyloxy)nonanoate、3b]の合成>
エチル4-ヒドロキシノナノエート(2)24g(0.12mol)をTHF120mLに溶かし、ピリジン18g(0.42mol、2eq.)を入れて氷水で冷却して撹拌しながら、メンチルクロロホルメート26g(0.12mol、1eq.)THF30mL溶液をゆっくり滴下(dropping)した。1時間後、反応液を室温まで上げ、一晩反応させた後、水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して34g(収率74.5%)の目的物3bを黄色液体として得た。
【0088】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.74(7tet、1H、J=4Hz、-COOCH-)、4.51(td、1H、J=9、4Hz、COO-CH-)、4.12(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、2.36(m、2H、CO-CH-)、1.93~0.79(m、23H、alkyl)
【0089】
<(2-3)4-(メチルカルボニルオキシ)ノナン酸[4-(Mentylcarbonyloxy)nonanoic acid、4b]の合成>
エチル4-(メチルカルボニルオキシ)ノナノエート(3)11.5g(29.9mmol)をTHF50mL及び蒸留水20mLに溶かし、水酸化リチウム一水和物2g(48.7mmol、1.6eq.)を入れて室温で12時間反応させた。蒸留水50mLを追加し、エーテル(ether)で抽出した。水層を濃塩酸を入れてpH3に調整した後、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して8.6g(収率80%)の目的物4bを黄色液体として得た。
【0090】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.75(m、1H、-COOCH-)、4.49(m、1H、COO-CH-)、2.04(m、2H、CO-CH-)、1.93~0.79(m、31H、alkyl)(図6
【0091】
<(2-4)グルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ノナノエート[Glucosyl-(4-mentylcarbonyloxy)nonanoate、5b]の合成>
4-(メチルカルボニルオキシ)ノナン酸(4b)6.6g(24.1mmol)をDMF30mLに溶かしてグルコース13g(72.1mmol、3eq.)を入れた。室温で撹拌しながらジイソプロピルカルボジイミド3.4g(26.9mmol、1.2eq.)とDMAP0.05g(cat.)を順に入れた後、室温で12時間反応させた。反応物に蒸留水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。混合物をメチレンクロライドとメタノール混合溶媒(8:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーして2g(収率16%)の目的物5bを得た。
【0092】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ5.57~3.35(m、13H、グルコース、-COOCH、-COOCH)、2.43(m、2H、CO-CH-)、2.03~0.78(m、31H、alkyl)(図7図8
【0093】
<3.グルコシ-(5-メチルカルボニルオキシ)デカノエート[Glucosyl-(5-mentylcarbonyloxy)decanoate、6c]の合成>
[スキーム3]
【0094】
<(3-1)エチル5-ヒドロキシデカノエート(Ethyl 5-hydroxydecanoate、2c)の合成>
δデカラクトン10g(δ58.7mmol)をメタノール50mLに溶かして撹拌しながらKOH4.2g(64.7mmol、1.05eq.)を徐々に入れて室温で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮させた後、DMF40mLを入れて撹拌しながらブロモエタン6.4g(58.7mmol、1eq.)を入れて12時間反応させた。
【0095】
反応液に水100mLを入れてエチルアセテート(ethylacetate)で抽出した後、水と塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧濃縮して7.6g(60%、2steps)の目的物2cを得た。
【0096】
<(3-2)エチル5-(メチルカルボニルオキシ)デカノエート[Ethyl 5-(mentylcarbonyloxy)decanoate、3c]の合成>
エチル4-ヒドロキシノナノエート(3c)7.5g(34.6mmol)をTHF50mLに溶かし、ピリジン5.3g(69.2mmol、2eq.)を入れて氷水で冷却して撹拌しながら、メンチルクロロホルメート8.3g(37.9mmol、1.1eq.)THF20mL溶液をゆっくり滴下(dropping)した。1時間後、反応液を室温まで上げ、一晩反応させた後、水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。混合物をn-ヘキサンとエチルアセテート混合溶媒(7:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーして4.5g(収率32.6%)の目的物3cを得た。
【0097】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.72(m、1H、-COOCH-)、4.52(m、1H、COO-CH-)、4.12(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、2.31(t、2H、J=8Hz、CO-CH-)、2.08~0.86(m、27H、alkyl)、0.79(d、6H、J=8Hz、-CH)(図9図10
【0098】
<(3-3)5-(メチルカルボニルオキシ)デカン酸[5-(Mentylcarbonyloxy)decanoic acid、4c]の合成>
エチル4-(メチルカルボニルオキシ)ノナノエート(3)2.7g(6.8mmol)をTHF20mL及び蒸留水10mLに溶かし、水酸化リチウム一水和物0.42g(10.2mmol、1.5eq.)を入れて室温で12時間反応させた。蒸留水10mLを追加し、エーテルで抽出した。水層を濃塩酸を入れてpH3に調整した後、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して2.1g(収率78%)の目的物4cを黄色液体として得た。
【0099】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.72(m、1H、-COOCH-)、4.51(td、1H、J=8、4Hz、COO-CH-)、4.11(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、2.38(m、2H、CO-CH-)、2.06~0.78(m、33H、alkyl)(図11図12
【0100】
<(3-4)5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキシル(1-オキソ-1-(2-チオキソチアゾリジン-3-イル)デカン-5-イル)カーボネート[5-Isopropyl-2-methylcyclohexyl(1-oxo-1-(2-thioxothiazolidin-3-yl)decan-5-yl)carbonate、5c]の合成>
5-(メチルカルボニルオキシ)デカン酸(4c)1.9g(5.1mmol)をdriedジクロロメタン20mLに溶かし、2-メルカプトチアゾリン0.73g(2-mercaptothiazoline、6.1mmol、1.2eq.)を入れて氷水で冷却して撹拌しながら、EDC.HCl1.2g(6.1mmol、1.2eq.)とDMAP50mgをそれぞれゆっくり入れて反応させた。1時間後、反応液を室温まで上げ、一晩反応させた後、水を入れてジクロロメタン(dichloromethane)で抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。混合物をn-ヘキサン(n-hexane)とエチルアセテート混合溶媒(3:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーして2.1g(収率87.5%)の目的物5cを得た。
【0101】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.71(m、1H、-COOCH-)、4.57(t、2H、J=8Hz、N-CH)、4.51(m、1H、COO-CH-)、4.11(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、3.28(t、2H、J=8Hz、S-CH)、3.21(m、2H、CO-CH-)、2.04~0.79(m、33H、alkyl)(図13
【0102】
<(3-5)グルコシ-(5-メチルカルボニルオキシ)デカノエート[Glucosyl-(5-mentylcarbonyloxy)decanoate、6c]の合成>
5-Isopropyl-2-methylcyclohexyl(1-oxo-1-(2-thioxothiazolidin-3-yl)decan-5-yl)carbonate(5c)2.2g(4.7mmol)をピリジン20mLに溶かしてグルコース2.5g(glucose、14.1mmol、3eq.)を入れた。室温で撹拌しながら水素化ナトリウム(sodium hydride、60%)93mg(2.4mmol、0.5eq.)とDMAP0.03g(cat.)を順に入れた後、室温で12時間反応させた。反応物に酢酸0.5mLを入れて飽和塩水を入れた後、エチルアセテートで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、減圧濃縮した。混合物をメチレンクロライドとメタノール混合溶媒(8:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーして0.55g(収率22%)の目的物6cを得た。
【0103】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ5.57~3.15(m、13H、グルコース、-COOCH、-COOCH)、2.36(m、2H、CO-CH-)、2.05~0.80(m、33H、alkyl)(図14図15
【0104】
<4.グルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ウンデカノエート[Glucosyl-(4-mentylcarbonyloxy)undecanoate、6d]の合成>
[スキーム4]
【0105】
<(4-1)エチル4-ヒドロキシウンデカノエート(Ethyl 4-hydroxyundecanoate、2d)の合成>
γ-ウンデカラクトン10g(54.2mmol)をメタノール50mLに溶かして撹拌しながらKOH3.9g(56.9mmol、1.05eq.)を徐々に入れて室温で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮させた後、DMF50mLを入れて撹拌しながらブロモエタン5.9g(54.2mmol、1eq.)を入れて12時間反応させた。
【0106】
反応液に水80mLを入れてエチルアセテートで抽出した後、水と塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧濃縮して10.7g(85.6%、2steps)の目的物2dを得た。
【0107】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.12(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、3.59(m、1H、CH-O)、2.43(m、2H、CO-CH)、1.81~0.92(m、20H、alkyl)(図16図17
【0108】
<(4-2)エチル4-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカノエート[Ethyl 4-(mentylcarbonyloxy)undecanoate、3d)の合成>
エチル4-ヒドロキシウンデカノエート(2d)11g(47.7mmol)をTHF60mLに溶かし、ピリジン6.8g(95.5mmol、2eq.)を入れて氷水で冷却して撹拌しながら、メンチルクロロホルメート10.5g(47.7mmol、1eq.)THF20mL溶液をゆっくり滴下(dropping)した。1時間後、反応液を室温まで上げ、一晩反応させた後、水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して8.3g(収率42.1%)の目的物3dを黄色液体として得た。
【0109】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.74(7tet、1H、J=4Hz、-COOCH-)、4.51(td、1H、J=9、4Hz、COO-CH-)、4.12(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、2.36(m、2H、CO-CH-)、1.93~0.79(m、23H、alkyl)(図18
【0110】
<(4-3)4-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカン酸[4-(Mentylcarbonyloxy)undecanoic acid、4d]の合成>
エチル4-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカノエート(3d)8.3g(19.4mmol)をTHF30mL及び蒸留水20mLに溶かし、水酸化リチウム一水和物1.2g(29.1mmol、1.5eq.)を入れて室温で12時間反応させた。蒸留水20mLを追加し、エーテルで抽出した。水層を濃塩酸を入れてpH3に調整した後、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。混合物をn-ヘキサンとエチルアセテート混合溶媒(8:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーして6.8g(収率91.8%)の目的物4dを得た。
【0111】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.75(m、1H、-COOCH-)、4.51(m、1H、COO-CH-)、2.43(m、2H、CO-CH-)、2.17~0.78(m、35H、alkyl)(図19図20
【0112】
<(4-4)5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキシル(1-オキソ-1-(2-チオキソチアゾリジン-3-イル)ドデカン-5-イル)カーボネート[5-Isopropyl-2-methylcyclohexyl(1-oxo-1-(2-thioxothiazolidin-3-yl)dodecan-5-yl)carbonate、5d]の合成>
5-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカン酸(4d)9.1g(23.6mmol)をdriedジクロロメタン50mLに溶かし、2-メルカプトチアゾリン3g(24.8mmol、1.05eq.)を入れて氷水で冷却して撹拌しながら、EDC.HCl5g(25.9mmol、1.1eq.)とDMAP20mgをそれぞれゆっくり入れて反応させた。1時間後、反応液を室温まで上げ、一晩反応させた後、水を入れてジクロロメタンで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して10.9g(収率92%)の目的物5dを得た。
【0113】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.71(m、1H、-COOCH-)、4.57(t、2H、J=8Hz、N-CH)、4.51(m、1H、COO-CH-)、4.11(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、3.28(t、2H、J=8Hz、S-CH)、3.21(m、2H、CO-CH-)、2.04~0.79(m、33H、alkyl)
【0114】
<(4-5)グルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ウンデカノエート[Glucosyl-(4-mentylcarbonyloxy)undecanoate、6d]の合成>
4-(メチルカルボニルオキシ)ウンデカン酸4.9g(12.7mmol)をジクロロメタン30mLに溶かして塩化チオニル3g(thionyl chloride、25.2mmol、2eq.)を入れて2時間refluxさせた。他のフラスコにDMF溶媒にグルコース6.9g(3eq.)とピリジン4.9g(5eq.)を入れて室温で撹拌しながら、上記の反応液を徐々に滴下(dropping)し、12時間反応させた。反応液に水を入れてジクロロメタンで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして(MC/MeOH、10:1)目的物(6d)2.6gを得た(37.7% yield)。
【0115】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ5.23~3.35(m、13H、グルコース、-COOCH、-COOCH)、2.43(m、2H、CO-CH-)、2.03~0.78(m、35H、alkyl)(図21図22
【0116】
<5.グルコシ-(4-ベンジルオキシカルボニルオキシ)ウンデカノエート[Glucosyl-(4-benzyloxycarbonyloxy)undecanoate、5e]の合成>
[スキーム5]
【0117】
<(5-1)エチル4-ヒドロキシウンデカノエート[Ethyl 4-hydroxyundecanoate、2d]の合成>
γ-ウンデカラクトン10g(54.2mmol)をメタノール50mLに溶かして撹拌しながらKOH3.9g(56.9mmol、1.05eq.)を徐々に入れて室温で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮させた後、DMF50mLを入れて撹拌しながらブロモエタン5.9g(54.2mmol、1eq.)を入れて12時間反応させた。
【0118】
反応液に水80mLを入れてエチルアセテートで抽出した後、水と塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧濃縮して10.7g(85.6%、2steps)の目的物2dを得た。
【0119】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ4.12(q、2H、J=8Hz、COO-CH-)、3.59(m、1H、CH-O)、2.43(m、2H、CO-CH)、1.81~0.92(m、20H、alkyl)(図16図17
【0120】
<(5-2)エチル4-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)ウンデカノエート[Ethyl 4-(benzyloxycarbonyloxy)undecanoate、3e]の合成>
エチル4-ヒドロキシウンデカノエート(2d)8.3g(36mmol)をTHF50mLに溶かし、ピリジン5.5g(72.3mmol、2eq.)を入れて氷水で冷却して撹拌しながら、クロロギ酸ベンジル(benzylchloroformate)6.1g(35.3mmol、1eq.)THF20mL溶液をゆっくり滴下(dropping)した。1時間後、反応液を室温まで上げ、一晩反応させた後、水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して9.9g(収率75.6%)の目的物3eを黄色液体として得た。
【0121】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ7.37~7.34(m、5H、ph)、5.14(m、2H、O-CH-Ph)、4.12(brs、1H、O-CH-)、2.42(m、2H、CO-CH-)、1.90~0.79(m、21H、alkyl)(図23
【0122】
<(5-3)4-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)ウンデカン酸[4-(Benzyloxycarbonyloxy)undecanoic acid、4e]の合成>
エチル4-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)ウンデカノエート(3e)10g(27.5mmol)をTHF30mL及び蒸留水20mLに溶かし、水酸化リチウム一水和物1.7g(41.4mmol、1.5eq.)を入れて室温で12時間反応させた。蒸留水20mLを追加し、エーテルで抽出した。水層を濃塩酸を入れてpH3に調整した後、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して8.2g(収率89%)の目的物4eを得た。
【0123】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ7.37~7.35(m、5H、ph)、5.14(m、2H、O-CH-Ph)、4.48(m、1H、O-CH-)、2.47(m、2H、CO-CH-)、1.90~0.79(m、21H、alkyl)
【0124】
<(5-4)グルコシ-(4-ベンジルオキシカルボニルオキシ)ノナノエート[Glucosyl-(4-benzyloxycarbonyloxy)nonanoate、5e]の合成>
4-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)ウンデカン酸(4e)8g(23.8mmol)をDMF30mLに溶かしてグルコース13g(72.1mmol、3eq.)を入れた。室温で撹拌しながらジイソプロピルカルボジイミド3.4g(26.9mmol、1.1eq.)とDMAP0.05g(cat.)を順に入れた後、室温で12時間反応させた。反応物に蒸留水を入れてエチルアセテートで抽出した。有機層をそれぞれ希塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び塩水で洗浄した後、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。混合物をメチレンクロライドとメタノール混合溶媒(8:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーして0.3g(収率2.5%)の目的物5eを得た。
【0125】
H NMR(CDCl、400.13MHz);δ7.37~7.34(m、5H、ph)、5.30~3.37(m、13H、グルコース、-COOCH、-COOCH)、2.39(m、2H、CO-CH-)、1.92~0.84(m、17H、alkyl)(図24
【0126】
[実験例]
6d化合物(2C)が熱に露出時、熱的特性(pyrolytic behavier)を確認するために熱分解実験を進行し、これは通常知られている熱分解-ガスクロマトグラフィー/質量分析(Pyrolysis-Gas Chromatography/Mass Spectrometry[Py-GC/MS])方法によって観察した。熱分解装備(Pyrolyzer)は、『Double-Shot Pyrolyzer 2020iD』(Frontier Lab、Japan)をGC/MS(Agilent 6890 GC、USA/Aginelt 7890 MSD、USA)装備に連結されているシステムで行った。2Cをエチルアルコール(Ethyl alcohol)溶液に2.5%濃度で希釈した後、pyrolyzer sample cupに10ulローディングした後、熱分解させた。熱分解温度はDouble-Shot Pyrolyzerの高炉(Furnace)の温度を指定してサンプルが受ける温度を調節したが、最初の熱分解温度は80℃で30秒間サンプルが置かれたサンプルカップを高炉に露出させ、サンプルカップ内のターゲット化合物(2C)が熱分解を受けるようにした。熱によって生成、あるいは熱によって揮発された成分は、すぐにGC/MSの注入口(Injector)に注入され、分離(separation)された。熱分解後、GC/MS分析される間、サンプルカップを高炉から出して熱分解温度の影響を受けないようにし、最初の熱分解によるGC/MS分析の終了後、最初に使用されたサンプルカップを新たに化合物を注入せずに再び熱分解を受けるようにしたが、このとき、熱分解温度は10℃高い90℃で30秒間熱分解を受けるようにした。同様に熱分解が終わった後、サンプルカップを高炉から出して熱分解温度の影響を受けないようにした。このような方式で、最初の試料をサンプルカップにローディングした後、熱分解させる際の温度は80℃、90℃、100℃から最終的には320℃まで昇温しながら熱分解実験を行った。その結果、熱分解温度が高くなって受けるようになる化合物の熱分解特性を温度帯別に分割して考察することができた。その結果は図25図27に示した。
【0127】
[分解メカニズム]
【0128】
図25図27において、2C化合物は、熱分解実験結果、120℃の温度でメントール及びガンマ-ウンデカノラクトンが分解することを確認することができる。
【0129】
すなわち、前記分解メカニズムでラクトン[1C、ガンマ-ウンデカラクトン]を開環し、ヒドロキシル基をカーボネート連結基(carbonate linkage)でL-メントール(L-Menthol)と連結した後、糖(グルコース)にエステルで連結し、[2C]化合物を製造した。[2C]化合物が製品マトリックスに適用した後、熱によってL-メントール([3C])とCOが生成され、ヒドロキシル基が露出した[4C]化合物が生成される。[4C]化合物はまた、熱によって閉環(ring-closing、intramolecular esterification)され、ガンマ-ウンデカラクトン[5C]が生成される。[2C]状態でヒドロキシル基がメンチルカーボネート基(Menthyl carbonate group)で保護され、常温では閉環が発生することを抑制し得る。また、熱分解実験結果、メントールが熱分解すると共にラクトンリングが生成されることが確認できた。
【0130】
本発明の熱分解香味成分を発現させる化合物は以下の通りであり、このような熱的様相(Pyrolytic behavior)によってラクトンが生成される温度範囲帯を知っているため、加熱式タバコに適用したとき、加熱温度を適切に調節することで媒質に添加された化合物2Cからメントールとラクトンが放出される程度と速度を調節することができ、最適な温度条件でパフが持続しても均一な味と香りが放出されるように制御することができる。
【実施例2】
【0131】
製造例の目的物(合成されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート、5a、0.01~5重量%)、ベース基質(パルプ、95~99重量%)及びその他の添加剤(残量)を混合後にロールツーロールを用いてシート(2mm厚さ)で製造し、常温で乾燥した。前記シートは室温で臭いを嗅いでみたが、目的物の合成に使用された香料化合物の臭いはなかった。次に、前記シートは、シガレットタバコのシガレット紙に適用して通常的なシガレットタバコで作製し、タバコを喫煙し、喫煙中の香味(例えば、目的物の合成に使用されたラクトン香及びメントール香)が発現することを確認した。
【実施例3】
【0132】
製造例の目的物(合成されたグルコシ-(5-メチルカルボニルオキシ)デカノエート、6c、0.003重量%~0.02重量%)、タバコ粉末(tobacco powder、90重量%~99重量%、0.03mm~約0.12mmの平均粒子径)及びその他の添加剤(残量)を混合した後、通常的な方法でタバコ組成物を製造した。前記タバコ組成物を喫煙媒質に適用し、シガレット紙を包んでラッピングした後、フィルター及び巻紙を構成して通常的なシガレットタバコを製造した。シガレットタバコを喫煙し、主流煙と副流煙で喫煙中の香味が発現することを確認した。
【実施例4】
【0133】
製造例の目的物(合成されたグルコシ-(4-メチルカルボニルオキシ)ヘプタノエート、5a)及び溶媒(水及びエタノール)を混合してインク組成物を製造した。前記インク組成物は、刻草部のシガレット紙の一面に約0.1mm~1mm(線厚さ)を有する単一又は複数の点線をスタンプ方式で印刷した。各サンプルで合成香料塗布量は、目的物g/刻草100kgである。図29a及び図29bのように、シガレット紙に塗布時、塗布部位によって異なる効果を付与することができ、シガレットロッド(rod)によって様々な部位別に適用した。
【実施例5】
【0134】
実施例4と同一の方式でインク組成物(6d化合物適用)をシガレット紙の様々な部位に塗布して副流煙改善合成香料(香味剤)シガレット製品タバコ適用部位による効果を評価した。
【0135】
図30においてサンプル5-1は熱分解時に発現するγ-Undecalactone、2.56g/刻草100kgであり、以下のように評価され得る。
【0136】
外向:コントロールと差がない(臭いがない)。
【0137】
主流煙:ラクトン臭が大きく発現しないが、弱く感じられるレベルであり、ユーザの立場で大きく差がなく、柔らかい感じを与える。
【0138】
副流煙:Controlタバコ副流煙の煙むたさが小幅減少したが、大きく差がなく、ユーザの立場で弱い感じを与えることができる。
【0139】
サンプル5-2は、熱分解時に発現するγ-Undecalactone12.51g/刻草100kgであり、以下のように評価され得る。
【0140】
外向:コントロールと差がない(臭いがない)。
【0141】
主流煙:喫煙時にラクトン香がほのかに上がり、塗布部(帯状)に近づくほどラクトン香が強くなる。塗布部燃焼時に香発現が増加し、疎ましくて脂っこい感じが少ない。
【0142】
副流煙:塗布部位で香発現が多くなり、香りが過剰な感じがあるが、否定的ではない。塗布部位置を先端から中端部に移動してチェンジされる感じをより速く与えるように塗布部位置変更が必要である。副流煙香が肯定的に多く発現し、手臭い低減効果も一部ある感じを与える。
【実施例6】
【0143】
実施例4と同一の方式でインク組成物(6d化合物適用)をシガレット紙の様々な部位で塗布して副流煙改善合成香料シガレット製品タバコ適用部位による効果を評価した。副流煙改善合成香料シガレット製品タバコ適用部位は図31の通りである。
【0144】
本発明は、熱分解時に香味成分が発現する新規な化合物を伝統型シガレットタバコのシガレット紙に適用してタバコ燃焼時、特に燃焼(smouldering)時、熱によって香味成分(例えば、ラクトン類又はメントール)が発現されて副流煙の煙たい臭いを改善する効果を提供することができる。また、伝統型シガレットタバコの媒質、例えば、タバコ刻草に適用して香の保留性を増進させることができる。
【0145】
本発明は、加熱式タバコスティック(NGP)の媒質に適用時、香味成分の味持続力を付与することができる。すなわち、加熱式タバコは静的な加熱によって媒質が抱いている香味成分が初期パフで消尽されるが、熱分解時に香味成分が発現される合成化合物は熱によって分解されてこそ発現するため、パフが持続されても香味成分が最後のパフでも生成されタバコ味を一定に維持させ得る。
【0146】
以上のように、実施例が限られた実施例と図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で実行、及び/又は説明された構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わせられる、あるいは、他の構成要素又は均等物によって代替又は置き換えられても、適切な結果が達成できる。したがって、他の実施形態、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29a
図29b
図30
図31
【国際調査報告】