(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))の共沸性又は共沸様組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20231219BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20231219BHJP
C09K 3/30 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
C09K5/04 F
C09K3/00 111B
C09K3/30 J ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531047
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 US2021061191
(87)【国際公開番号】W WO2022115781
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ビン
(72)【発明者】
【氏名】ファム、ハン ティー.
(57)【要約】
不均一共沸性又は共沸様組成物は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含み、これは、約47.0重量%~約99.7重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約0.3重量%~約53.0重量%の水を含み、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有し得る。共沸性又は共沸様組成物は、発泡体の形成における発泡剤として使用することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成る不均一共沸性又は共沸様組成物を含む、組成物。
【請求項2】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水から本質的に成る、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約80.0重量%~約99重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水から本質的に成る、請求項1~請求項3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水から本質的に成る、請求項1~請求項4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
不均一共沸性又は共沸様組成物を形成する方法であって、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を組み合わせて、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有する、共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、方法。
【請求項7】
前記組み合わせる工程が、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水を組み合わせることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記組み合わせる工程が、約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水を組み合わせることを含む、請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記組み合わせる工程が、約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水を組み合わせることを含む、請求項6~請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
発泡剤組成物であって、
Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物を含む、発泡剤組成物。
【請求項11】
共沸性の共沸様組成物が、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水を含む、請求項10に記載の発泡剤組成物。
【請求項12】
前記共沸性の共沸様組成物が、約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水を含む、請求項10又は請求項11に記載の発泡剤組成物。
【請求項13】
前記共沸性の共沸様組成物が、約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水を含む、請求項10~請求項12のいずれかに記載の発泡剤組成物。
【請求項14】
発泡性組成物であって、
発泡体形成剤と、
請求項10~請求項13のいずれかに記載の発泡剤組成物と、を含む、発泡性組成物。
【請求項15】
前記発泡体形成剤が、ポリウレタン発泡体及びポリイソシアヌレート発泡体のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の発泡性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月30日に出願された米国仮出願第63/119,344号、及び2021年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/166,409号に対する利益を主張する、2021年11月22日に出願された米国特許出願第17/532,510号に対する優先権を主張するものであり、これらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、共沸性又は共沸様組成物、特に、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む、共沸性又は共沸様組成物に関する。本開示は更に、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む共沸性又は共沸様組成物を含む発泡剤組成物、これらの組成物を使用する発泡する方法、並びにこれらの組成物を含む発泡体を提供する。
【背景技術】
【0003】
フルオロカーボン系流体は、冷媒、エアゾール噴射剤、発泡剤、伝熱媒体、ガス状誘電体、及び火炎抑制剤を含む多くの用途において、産業界において広範な使用が見出されている。
【0004】
本業界では、代替案を提供し、かつ今日使用されているCFC、HCFC、及びHFCの環境により安全な代替品であると考えられる新たなフルオロカーボン系混合物が絶えず追求されている。オゾン層破壊係数が小さくかつ地球温暖化係数が小さい、ハイドロフルオロカーボン、フルオロオレフィン、ヨウ化物含有化合物、及び他のフッ素化化合物を含む混合物が特に関心がある。そのような混合物が本開示の対象である。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の不均一共沸性又は共沸様組成物を提供する。
【0006】
当該技術分野では、共沸物の形成を予測することは不可能であると十分に認識されており、本発明者らは、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水が、共沸性又は共沸様組成物を形成すること、特に不均一共沸性又は共沸様組成物を形成することを予想外にも発見した。
【0007】
本開示は、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含むか、それらから本質的に成るか、又はそれらから成る、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物を提供する。
【0008】
共沸性又は共沸様組成物は、約47.0重量%~約99.7重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約0.3重量%~約53.0重量%の水、又は約70.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約30.0重量%の水、又は約75.0重量%~約98.5重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.5重量%~約25.0重量%の水を含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り得るか、又は上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から成り得る。
【0009】
あるいは、共沸性又は共沸様組成物は、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水、又は約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水、又は約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水、又は約90.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約10.0重量%の水、又は約95.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約5.0重量%の水を含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り得るか、又は上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から成り得る。
【0010】
共沸性の共沸様組成物は、約14psia~約15psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有する。
【0011】
その更なる形態では、本開示は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を組み合わせて、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む、それらから本質的に成る、若しくはそれらから成る共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、共沸性又は共沸様組成物を形成する方法を提供する。共沸性の共沸様組成物は、約14psia~約15psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有し得る。
【0012】
前述の方法では、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の相対量を修正する工程は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))を組成物に追加すること、水を組成物に追加すること、又はZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の両方を組成物に追加することを含み得る。
【0013】
本開示は更に、共沸性又は共沸様組成物の使用を提供する。具体的には、本開示は、発泡剤としての共沸性又は共沸様組成物の使用を提供する。
【0014】
発泡剤は、約47.0重量%~約99.7重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約0.3重量%~約53.0重量%の水、約70.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約30.0重量%の水、若しくは約75.0重量%~約98.5重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.5重量%~約25.0重量%の水の量での、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物を含み得る。
【0015】
あるいは、発泡剤は、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水、若しくは約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水、若しくは約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水、若しくは約90.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約10.0重量%の水、若しくは約95.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約5.0重量%の水の量での共沸性又は共沸様組成物を含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り得るか、又は上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から成り得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の混合物の沸点対実施例1に記載の混合物中の水の重量パーセントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む共沸性又は共沸様組成物を提供し、以下で更に詳細に説明する。本開示はまた、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物を利用する、組成物、特に発泡剤、発泡性組成物、発泡物品、並びに発泡体を形成するための方法及びシステムも提供する。
【0018】
I.共沸性又は共沸様組成物
Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))が、水とともに不均一共沸性及び共沸様混合物を形成することが見出されており、本開示は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む不均一共沸性又は共沸様組成物を提供する。組成物は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り得るか、又は組成物は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から成り得る。
【0019】
本発明者らは、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水が不均一共沸性又は共沸様組成物を形成することを実験的に見出した。
【0020】
「共沸性(azeotrope)」(又は「共沸性(azeotropic)」)組成物は、2つ以上の成分の特有の組み合わせである。共沸は、均一(1つの液相を有する)又は不均一(2つの液相を有する)のいずれかであり得る。共沸性組成物は、様々な方法で特徴付けることができる。例えば、所与の圧力では、共沸性組成物は、沸点が高い方の成分よりも高い一定の特性温度で沸騰する(極大沸点の共沸物)か、又は沸点が低い方の成分よりも低い一定の特性温度で沸騰する(極小沸点の共沸物)。しかしながら、不均一共沸物の場合、共沸物の沸点は常により低い沸点の成分の沸点未満である。不均一共沸物の場合、この特徴的な温度では、2つの液相及び気相の各々の組成物は、沸騰時に一定のままである。共沸性組成物は、沸騰又は蒸発時に分留しない。したがって、共沸性組成物の成分を相変化において分離することはできない。
【0021】
不均一共沸性物は、2つの液相及び1つの気相、又は1つの固体、1つの液体、及び1つの気相から成り、全てが平衡状態にある。所与の温度及び圧力での不均一共沸物については、2つの液相の各々の組成物及び気相の組成物は一定のままである。不均一共沸物が形成される場合、一定の圧力で、不均一共沸物の沸点は、より低い沸点の成分(「極小沸点共沸物」)より低くなる。
【0022】
共沸性組成物はまた、特性共沸温度で、液相の気泡点圧力(bubble point pressure)が気相の露点圧力と同一であることも特徴とする。
【0023】
共沸性組成物の挙動は、沸騰又は蒸発中に液体組成物がかなりの程度で変化する非共沸性組成物の挙動とは対照的である。
【0024】
本開示の目的の場合、共沸性組成物は、2つ以上の成分の沸点よりも低い一定の特性温度で沸騰し(極小沸点の共沸物)、それによって気相及び液相の両方において同じ組成を有する組成物として特徴付けられている。
【0025】
しかしながら、当業者であれば、異なる圧力では、共沸性組成物の組成及び沸点の両方がある程度変化すると理解するであろう。したがって、温度及び/又は圧力に応じて、共沸性組成物は、変化し得る組成を有し得る。したがって、当業者であれば、固定された組成ではなく組成範囲を使用して共沸性組成物を定義することができると理解するであろう。更に、共沸物は、特定の圧力での固定された沸点によって特徴付けられる組成物の各成分の正確な重量パーセントの観点から定義することもできる。
【0026】
共沸性又は共沸様組成物は、多数の異なる方法を使用して同定することができる。
【0027】
本開示の目的の場合、共沸性又は共沸様組成物は、エブリオメータを使用して実験的に同定される(Walas,Phase Equilibria in Chemical Engineering,Butterworth-Heinemann,1985,533-544)。エブリオメータは、気液平衡温度を測定することによって液体の沸点の極めて正確な測定値を提供するように設計されている。
【0028】
成分のそれぞれの単独の沸点は、一定の圧力で測定される。当業者によって理解されるように、二成分の共沸性又は共沸様組成物については、組成物の成分のうちの1つの沸点が最初に測定される。次いで、組成物の第2の成分が様々な量で添加され、当該の一定の圧力でエブリオメータを使用して、得られた組成物のそれぞれの沸点が測定される。三元共沸物の場合、初期組成物は二元ブレンドから成り、第3の成分が様々な量で添加される。得られた三元組成物の各々の沸点は、当該一定の圧力でエブリオメータを用いて測定される。
【0029】
測定された沸点は、試験された組成物の組成に対して、例えば二成分共沸物の場合、組成物に添加された第2の成分の量に対してプロットされる(重量%又はモル%のいずれか一方で表される)。共沸性組成物の存在は、単独のいずれかの成分の沸点よりも高い又は低い極大沸騰温度又は極小沸騰温度を観察することによって特定することができる。
【0030】
当業者によって理解されるように、共沸性又は共沸様組成物の同定は、第2の成分を第1の成分に添加した際の組成物の沸点の変化を第1の成分の沸点と比較することによって行われる。したがって、沸点の変化を測定するために、特定の成分の報告された沸点に系を較正する必要はない。
【0031】
前述のように、極大沸点又は極小沸点では、気相の組成は、液相の組成と同一となる。したがって、共沸様組成物は、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点である、実質的に一定の極小又は極大沸点を提供する成分の組成物であり、その実質的に一定の沸点では、気相の組成は、液相の組成と実質的に同一となる。
【0032】
本開示は、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含み、共沸性又は共沸様組成物を形成する、共沸性又は共沸様組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、他の成分と組み合わされると、共沸性又は共沸様混合物の形成をもたらす各成分の量である。
【0033】
本共沸性又は共沸様組成物は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の量の組み合わせから本質的に成るか、又はZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の量の組み合わせから成り得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、共沸性又は共沸様組成物又は混合物の成分に関して、「から本質的に成る」という用語は、組成物が、示された成分を共沸比又は共沸様比で含有し、更なる成分が新たな共沸性又は共沸様の系を形成しないという条件で、更なる成分を含有し得ることを意味する。例えば、2つの化合物から本質的に成る共沸性混合物は、二成分共沸物を形成するものであり、更なる成分が混合物を非共沸性にせず、かつ化合物のいずれか一方又は両方と共沸物を形成しない(例えば、三成分以上の共沸物を形成しない)という条件で、任意選択的に1つ以上の更なる成分を含み得る。
【0035】
本開示はまた、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を混合する、組み合わせる、若しくはブレンドすることによって、共沸性又は共沸様組成物を形成する方法を提供する。2つ以上の成分を組み合わせて、組成物を形成するための、当該技術分野において既知の幅広い種類の方法のうちのいずれかを、本方法において使用することができる。例えば、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水は、バッチ式若しくは連続式の反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のかかる工程の組み合わせを介して、手によって及び/又は機械によって、混合、ブレンド、又は組み合わせることができる。これらの成分は、必要量で、例えば、秤量してからこれらの量を組み合わせることによって提供され得る。
【0036】
共沸性又は共沸様組成物は、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有し、約47.0重量%~約99.7重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約0.3重量%~約53.0重量%の水、約70.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約30.0重量%の水、約75.0重量%~約98.5重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.5重量%~約25.0重量%の水を含む、それらから本質的に成る、又はそれらから成る。
【0037】
あるいは、共沸性又は共沸様組成物は、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水、又は約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水、又は約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水、又は約90.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約10.0重量%の水、又は約95.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約5.0重量%の水を含む、それらから本質的に成る、又はそれらから成り得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り得るか、又は上の量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から成り得る。
【0038】
本明細書に開示される有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む、それらから本質的に成る、若しくはそれらから成る共沸性又は共沸様組成物は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))から不純物を分離するために使用され得る。このような不純物には、とりわけ、E-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))、1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1214ya)、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)が含まれ得る。
【0039】
有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む、それらから本質的に成る、若しくはそれらから成る共沸性又は共沸様組成物の調製は、例えば、共沸蒸留、相分離、又は分留などの分離技術を使用して、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))から不純物を除去することを可能にする。
【0040】
特に、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む、それらから本質的に成る、若しくはそれらから成る共沸性又は共沸様組成物は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))、水、及び少なくとも1つの不純物を含む組成物から形成され得る。例えば、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))、水、又はその両方を組成物に追加して、共沸性又は共沸様組成物を形成することができる。共沸性又は共沸様組成物の形成後に、共沸性又は共沸様組成物は、蒸留、相分離、又は分留などの好適な方法によって他の化学化合物から分離され得る。
【0041】
一例では、本開示は、粗Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の組成物を提供する工程と、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の相対量を修正する工程と、組成物を有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む、それらから本質的に成るか、若しくはそれらから成る共沸性又は共沸様組成物を形成するのに有効な条件に供する工程と、例えば、相分離、蒸留、若しくは分留などの分離技術によって、共沸組成物又は共沸様組成物を少なくとも1つの不純物から分離する工程と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))から不純物を分離する方法を提供する。Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の相対量を修正する工程は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))を組成物に追加すること、水を組成物に追加すること、又はZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の両方を組成物に追加することを含み得る。
【0042】
別の例では、本開示は、粗Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))の組成物を提供する工程と、有効量の水を組成物に追加する工程と、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の相対量を修正する工程と、組成物を、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む、それらから本質的に成るか、若しくはそれらから成る共沸性又は共沸様組成物を形成するのに有効な条件に供する工程と、例えば、相分離、蒸留、若しくは分留などの分離技術によって、共沸組成物又は共沸様組成物を少なくとも1つの不純物から分離する工程と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))から不純物を分離する方法を提供する。Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の相対量を修正する工程は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))を組成物に追加すること、水を組成物に追加すること、又はZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の両方を組成物に追加することを含み得る。
【0043】
II.共沸性又は共沸様組成物を含む発泡剤
フルオロカーボン流体は、発泡剤、及び他の用途を含む、様々な用途での使用に望ましい特性を有する。残念ながら、工業用途における特定のヒドロフルオロカーボン「HFC」の使用は、現在では地球温暖化の一因になると考えられており、したがってそれらは現在使用が制限されている。しかしながら、新たな、環境に安全な、HFCを含む組成物の確認は、これらの用途において有用となる多くの特性が容易に予測できないという事実によって困難である。例えば、発泡剤組成物は、許容可能な環境特性を有するだけでなく、とりわけ、化学的安定性、低毒性又は毒性なし、低引火性又は引火性なしであることも望ましい。発泡剤はまた、使用時に優れた性能を、例えば、優れた断熱特性及び他の望ましい発泡特性を有することも望ましい。
【0044】
例えば熱可塑性材料及び熱硬化性材料といった、従来の発泡材料を作製するための方法及び組成物は、長い間周知である。これらの方法及び組成物は、典型的には、ポリマーマトリクス中に発泡構造を形成するために化学的及び/又は物理的な発泡剤を利用している。このような発泡剤には、例えば、アゾ化合物、様々な揮発性有機化合物(volatile organic compound:VOC)及びクロロフルオロカーボン(chlorofluorocarbon:CFC)が含まれる。化学発泡剤は、典型的には、窒素、二酸化炭素又は一酸化炭素などのガスの放出を引き起こすポリマーマトリクスを形成する材料(通常、所定の温度/圧力における)との化学反応を含む、一部の形態の化学的変化を受ける。最も頻繁に使用される化学発泡剤のうちの1つは、水である。物理発泡剤は、典型的にはポリマー又はポリマー前駆体材料中に溶解され、次いで体積膨張して(再び、所定の温度/圧力における)、発泡構造の形成に寄与する。物理発泡剤は熱可塑性発泡体に関連して使用されることが多いが、熱可塑性発泡体に関連した物理発泡剤の代わりに、又はこれに加えて、化学発泡剤を使用することができる。熱硬化性発泡体に関連して、化学発泡剤及び/又は物理発泡剤を使用することが一般的である。当然のことながら、特定の化合物及びそれらを含有する組成物は、化学的及び物理的な発泡剤を構成し得る。
【0045】
発泡剤は、発泡剤組成物の少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約15重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、より好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約30重量%、より好ましくは少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%の量で、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物を含み得る。
【0046】
あるいは、発泡剤は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物から本質的に成り得る。あるいは、発泡剤は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物から成り得る。
【0047】
発泡剤として使用される場合、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物は、例えば、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,2,2,-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、E-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz(E))、Z-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz(Z))、E-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(Z))、E-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロペンテン(HCFO-1224yd(E))、1,1-ジクロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1214ya)、トランス-ジクロロエチレン(トランス-DCE)、メチルホルマート、メチラール、ギ酸、酢酸、C1-C4アルデヒド、C3-C4ケトン、C2-C4エーテル、ジエーテル、及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上など、1つ以上の追加の発泡剤と組み合わせて使用され得る。
【0048】
III.共沸性又は共沸様組成物を含む発泡性組成物
本開示は、上述のものなどの発泡剤組成物、及び発泡体を形成することができる1つ以上の成分を含む、発泡性組成物を提供する。特に、共沸様組成物は、ポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体組成物によく適している。原則として、共沸性又は共沸様組成物は、特定の反応条件下で反応して発泡体を作製するのに必要な他の成分を含有し得る発泡性組成物に追加される。
【0049】
本明細書で使用される場合、「発泡体形成剤」という用語は、例えば、難燃剤、界面活性剤、架橋剤、消泡剤、溶解促進剤、充填剤、分散剤、抗菌剤、粘度低下調整剤、蒸気圧調整剤、着色剤、及び染料などの添加剤を含まない、発泡体構造、好ましくは一般的な気泡発泡体構造を形成することができる成分、又は成分の組み合わせを指すために使用される。
【0050】
発泡体を形成することができる1つ以上の構成成分は、熱硬化性発泡体を形成することができる組成物であってもよい。熱硬化性発泡体の例には、ポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体が含まれ得る。
【0051】
本開示は、本開示の発泡剤組成物を含む独立気泡発泡体にも関する。発泡体は、硬質発泡体、軟質発泡体又はインテグラルスキン発泡体であってもよい。好ましくは、本開示は、上記のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物を含む発泡剤組成物を含む独立気泡硬質発泡体に関する。
【0052】
本開示によって提供される発泡体は、ブロック、スラブ、積層体、現場注入発泡パネルなどのパネル、スプレー塗布発泡体及びフロスなどであってもよい。本開示に記載の発泡体、特に本明細書に開示の熱硬化性発泡体は、多種多様な用途で使用され得、特定の好ましい実施形態では、本開示は、冷蔵庫用発泡体、冷凍庫用発泡体、冷蔵庫/冷凍庫用発泡体、パネル発泡体、及び他の冷温又は低温製造用途を含む、本開示に係る家電用発泡体を含む。
【0053】
本開示の発泡体は、特に、家電工業、低温産業、運輸業及び建築業(例えば、建物エンベロープ)での使用のために提供される。本明細書に記載の発泡体は、全てが本開示の発泡剤に関連する低地球温暖化係数に加えて、とりわけ、断熱効率(特に、熱硬化性発泡体の場合)、寸法安定性、圧縮強度、断熱特性の経時変化、及び難燃性を含む、1つ以上の並外れた特色、特徴及び/又は特性を提供する。
【0054】
好ましくは、本開示の発泡体(特に熱硬化性発泡体)は、約0.20以下、より好ましくは0.18以下、更により好ましくは0.16以下の初期K因子(BTU in/hr ft2 oF)を50oFで呈する。
【0055】
発泡体は、熱硬化性発泡体又は熱可塑性発泡体であってもよい。熱可塑性発泡体は、好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)又はポリエチレンテレフタレート(PET)である。好ましくは、熱可塑性発泡体は、押出成形された熱可塑性発泡体である。より具体的には、発泡体は、押出成形されたポリスチレン発泡体である。
【0056】
熱硬化性発泡体は、好ましくは、ポリイソシアヌレート又はポリウレタン性発泡体である。
【0057】
IV.発泡体を形成する方法
発泡体を形成するために現在既知で入手可能な全ての方法及びシステムは、本開示の組成物に関連して使用するために、容易に適合可能であることが想到される。例えば、本開示の方法は、一般に、発泡性組成物に発泡剤を組み込み、次いで、好ましくは本明細書に記載の発泡剤の体積膨張を引き起こす工程又は一連の工程によって組成物を発泡させる。一般に、発泡剤の組込み及び形成のために現在使用されているシステム及び装置は、本開示の組成物に従って容易に使用することができると想到される。実際に、本開示の1つの利点は、既存の発泡方法及びシステムと概ね適合性のある、改良された発泡剤を提供することであると考えられる。
【0058】
したがって、本開示は、熱硬化性発泡体及び熱可塑性発泡体を含む全種類の発泡体を形成するための方法及びシステムを含むことが理解されるであろう。したがって、本開示は、従来の加工条件における従来の発泡装置に関連した、本発明の発泡剤の使用に関する。本方法は、したがって、マスターバッチ型の操作、ブレンド型の操作、第3の発泡剤添加、及び混合ヘッドにおける発泡剤添加を含む。
【0059】
熱可塑性発泡体に関して、好ましい方法は、一般に発泡剤を、熱可塑性材料、好ましくは熱可塑性ポリマーへ導入することと、次いで、発泡を引き起こすのに有効な条件へ熱可塑性材料を供することと、を含む。
【0060】
例えば、発泡剤を熱可塑性材料に導入する工程は、熱可塑性材料を含有する押出成形機(例えば、スクリュ押出機)に発泡剤を導入することを含んでもよく、そして発泡させる工程は、熱可塑性材料上の圧力を低下させ、それによって発泡剤の膨張を引き起こし、材料の発泡に寄与することを含んでもよい。
【0061】
本明細書に含まれる開示を特に考慮すれば、本開示の発泡剤が形成され、かつ/又は発泡性組成物に添加される順序及び方法は、本発明の操作性へ一般的には影響を与えないことが理解されるであろう。例えば、押出成形可能な発泡体の場合、発泡剤の様々な成分、更には発泡性組成物の構成成分は、押出成形装置への導入に先立って混合されなくてもよく、又は更に、成分は押出成形装置の同じ場所に追加されなくともよい。その上、発泡剤は、直接か又はプレミックスの一部としてのいずれかで導入することができ、次いで、発泡性組成物の他の部分へと更に添加される。
【0062】
したがって、この手段によって構成成分が押出成形機内で一緒になり、及び/又はより効果的に作動することを期待して、発泡剤の1つ以上の構成成分を、発泡剤の1つ以上の他の構成成分の添加場所よりも上流である押出成形機内の第1の位置に導入することが望ましい場合がある。それにもかかわらず、発泡剤の2つ以上の構成成分を予め合わせ、そして直接か又はプレミックスの一部としてかのいずれかで発泡性組成物中へ一緒に導入し、その後、発泡性組成物の他の部分へと更に添加することが好ましい場合がある。
【0063】
本開示は、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートなどの熱硬化性発泡体を形成する方法にも関する。方法は一般に、本開示の発泡剤組成物を提供し、この発泡性組成物に発泡剤組成物を(直接的又は間接的に)添加し、そして当技術分野で周知のように、発泡体又は気泡構造を形成するのに有効な条件下において発泡性組成物を反応させることを含む。「Polyurethanes Chemistry and Technology,」Volumes I and II,Saunders and Frisch,1962,John Wiley and Sons,New York,NYに記載されている方法などの、技術分野で周知の方法のいずれかを、本開示に従って使用することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。概して、このような好ましい方法は、イソシアネート、ポリオール又はポリオールの混合物、本開示の発泡剤組成物、及び任意に、触媒、界面活性剤、難燃剤、着色剤又は他の添加物などの他の材料を組み合わせることによって、熱硬化性(例えば、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体)を調製することを含む。
【0064】
プレブレンドされた配合物中にポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体のための構成成分を提供すると便利である。最も典型的には、プレブレンドされた配合物は、2つの構成成分へとプレブレンドされる。イソシアネート及び任意にある特定の界面活性剤は、一般に「A」成分と呼ばれる第1の成分を含む。ポリオール又はポリオール混合物、界面活性剤、触媒、難燃剤は、一般に「B」成分と呼ばれる第2の成分を含む。発泡剤組成物は、A成分及び/又はB成分中に存在し得る。例えば、発泡剤組成物が2つの発泡剤を含む場合、第1の発泡剤はA成分中に存在してもよく、第2の発泡剤はB成分中に存在してもよい。
【0065】
Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様混合物は、総ポリオールプレブレンド樹脂(B成分)のパーセンテージとして約2重量%~約40重量%、約3重量%~約35重量%、又は約4重量%~約30重量%の量でポリオールプレブレンド混合物(B成分)中に存在し得る。好ましくは、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様混合物は、約4重量%~約30重量%の量でポリオールプレブレンド混合物(B成分)中に存在し得る。
【0066】
本開示のポリオールプレブレンド混合物は、追加の成分を含み得る。かかる任意の追加化合物には、任意の他の発泡剤、例えば、E-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))、Z-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz(Z))、E-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz(E)、E-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E)、1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1214ya)、E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び1,1-ジクロロ-2,2-ジフルオロエチレン(HFO-1112);炭化水素、例えば、イソ-ペンタン、n-ペンタン、及びシクロペンタン;ハイドロフルオロカーボン、例えば、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、及び1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc);有機酸、例えば、ギ酸及び酢酸);種々のポリオール;触媒、例えば、アミン触媒又は金属触媒;難燃剤、例えば、有機難燃剤及び/又は無機難燃剤;界面活性剤(シリコン又は非シリコン);架橋剤;消泡剤;溶解増強剤;充填剤;分散剤;抗菌剤;粘度低減調整剤;蒸気圧調節剤;着色剤;並びに色素が含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
好適なポリオールには、例えば、スクロース含有ポリオール;フェノール、フェノールホルムアルデヒド含有ポリオール;グルコース含有ポリオール;ソルビトール含有ポリオール;メチルグルコシド含有ポリオール、芳香族ポリエステルポリオールグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール;1つ以上の(b)と凝縮した(a)の1つ以上であって、ここで(a)は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、大豆油、レシチン、トール油、パーム油、ヒマシ油から選択され、(b)は、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化エチレンと酸化プロピレンの混合物及びそれらの組み合わせから選択される(a)の1つ以上が含まれ得る。
【0068】
好適な触媒には、アミン触媒及び/又は金属触媒が含まれ得る。アミン触媒には、第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミンが含まれ得るが、これらに限定されない。有用な第三級アミン触媒には、非排他的に、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’-トリメチル-N’-ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、2-[[2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]エタノール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチル-ジプロピレントリアミン、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-N-イソプロパノールアミン、N’-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-n,n-ジメチルプロパンジアミン、ビス-(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N’’-ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、トリメチル-n’、2-ヒドロキシエチル-プロピレンジアミン、ビス-(3-アミノプロピル)-メチルアミン、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1-(ジメチルアミノ)ヘキサデカン、ベンジルジメチルアミン、3-ジメチルアミノプロピル尿素、ジシクロヘキシルメチルアミン;エチルジイソプロピルアミン;ジメチルイソプロピルアミン;メチルイソプロピルベンジルアミン;メチルシクロペンチルベンジルアミン;イソプロピル-sec-ブチル-トリフルオロエチルアミン;ジエチル-(α-フェニルエチル)アミン、トリ-n-プロピルアミン、又はこれらの組み合わせが含まれる。有用な第二級アミン触媒には、非排他的に、例えば、ジシクロヘキシルアミン;t-ブチルイソブチルアミン、ジ-t-ブチルアミン;シクロヘキシル-t-ブチルアミン;ジ-sec-ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン;ジ-(α-トリフルオロメチルエチル)アミン;ジ-(α-フェニルエチル)アミン;又はそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0069】
好適なイソシアネートには、脂肪族及び芳香族ポリイソシアヌレートを含む、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体合成に利用できる任意の有機ポリイソシアヌレートが含まれる。好適な有機ポリイソシアヌレートには、ポリウレタン化学の分野において周知である脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環式イソシアネートが含まれる。これらは、例えば、米国特許第4,868,224号、同第3,401,190号、同第3,454,606号、同第3,277,138号、同第3,492,330号、同第3,001,973号、同第3,394,164号、同第3,124.605号、及び同第3,201,372号に記載されている。
【0070】
特定の界面活性剤は、気泡安定化剤として機能するように追加される。いくつかの代表的な材料は、DC-193、B-8404及びL-5340の名称で販売されている。これらは概して、米国特許第2,834,748号、同第2,917,480号及び同第2,846,458号に開示されているものなどのポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーであり、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。ポリオールプレブレンドのための他の任意の添加剤には、トリ(2-クロロエチル)ホスフェート、トリ(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリ(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、アンモニウムポリホスフェート、様々なハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及びポリ塩化ビニルなどの難燃剤が含まれ得る。
【0071】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体は、A及びB側成分を一緒に混合して、発泡体、例えばブロック、スラブ、積層体、現場注入発泡パネル及び他の物品、スプレー塗布発泡体及びフロスなどを形成することによって容易に調製される。混合は、例えば小規模な調製物についてはハンドミックス、又は機械混合技術であってもよい。
【0072】
本発明の方法及びシステムはまた、本開示に係る発泡剤を含有する、1つの成分熱硬化性発泡体、好ましくはポリウレタン発泡体を形成することも含む。発泡剤の一部は、好ましくは容器内の圧力においては液体である発泡体形成剤中に溶解させることによって、1つの成分発泡体の発泡体形成剤に含有されてもよく、発泡剤の第2の部分は、別個のガス相として存在してもよい。このようなシステムでは、収容/溶解した発泡剤は、大部分が発泡体の膨張を引き起こし、別個のガス相は、発泡体形成剤に推進力を付与するように動作する。このような1つの構成成分のシステムは、典型的には、エアロゾルタイプ缶などの容器にパッケージされるのが好ましく、したがって本開示の発泡剤は、好ましくは、発泡体の膨張及び/又はパッケージから発泡体/発泡性材料を輸送するためのエネルギー、並びに好ましくはその両方を提供する。そのようなシステム及び方法は、完全に配合されたシステム(好ましくはイソシアネート/ポリオール系)でパッケージを充填し、本発明に係るガス状発泡剤を、パッケージ、好ましくはエアロゾルタイプ缶に導入することを含み得る。
【0073】
「Polyurethanes Chemistry and Technology,」Volumes I and II,Saunders and Frisch,1962,John Wiley and Sons,New York,NYに記載されている方法などの、技術分野で周知の方法のいずれかを、本開示の発泡体形成の実施形態に従って使用又は適合することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例示するのに役立つ。
【実施例】
【0075】
全ての発泡体(ポリイソシアヌレート(PIR)及びポリウレタン(PU))を、以下の出発材料を使用して配合した:Stepanから入手可能なStepanpol PS 2352(ポリエステルポリオール、ヒドロキシ価:240mgKOH/g、官能価:2);Huntsmanから入手可能なTerol 649(15%のバイオベース材料及び24%の消費前リサイクル材料を含むポリエステルポリオール、ヒドロキシ価:360mgKOH/g、官能価:3);Dowから入手可能なVoranol 360(スクロース系ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ価:360mg KOH/g、官能価:4.5);Dowから入手可能なVoranol 470X(Mannichポリエーテルポリオール、ヒドロキシ価:470mg KOH/g、官能価:3.5);Dowから入手可能なVoranol 490(スクロース/グリセリン開始ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ価:490mg KOH/g、官能価:4.3);Dowから入手可能なVoranol 391(アミン(オルト-ジアミノトルエン)開始ポリオール、ヒドロキシ価:395mg KOH/g、官能価:4);Dowから入手可能なVoranol 270(グリセリン開始ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ価:238mg KOH/g、官能価:3);Invistaから入手可能なTerate HT5510(芳香族ポリエステルポリオール、ヒドロキシ価:260mg KOH/g、官能価:2);Monumentから入手可能なポリL-255-28(エチレンオキシド捕捉ポリエーテルジオール、ヒドロキシ価:28mg KOH/g、官能価:2);BASFから入手可能なPluracol 5132(一次ヒドロキシル末端グラフトポリエーテルトリオール、ヒドロキシ価:21mg KOH/g、官能価:3);Monumentから入手可能なポリG-85-29(エチレンオキシド捕捉ポリエーテルトリオール、ヒドロキシ価:28mg KOH/g、官能価:3);NIAXシリコーンL-6900(Momentiveからのシリコーン界面活性剤);Tegostab B84210(Evonikからのシリコーン界面活性剤);Niax L5302(Momentiveからのシリコーン界面活性剤);Vorasurf DC 193(Dowからのシリコーン界面活性剤);Dabco K15(Evonikからのジエチレングリコール中のオクタン酸カリウム);Polycat 8(EvonikからのN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン);Dabco 33-LV(Evonikからの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン);Polycat 5(Evonikからのペンタメチルジエチレントリアミン);Polycat 41(Evonikからの1,3,5-トリス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン);Bicat 8210(Shepherdからのビスマスカルボキシレート、Bi含量:28%);BASFから入手可能なLupranate M20(ポリマーイソシアネート、31.5%NCO、官能価:2.7);Huntsmanから入手可能なRubinate 1209(低官能性プレポリマーイソシアネート、21.5%NCO、官能性:2.12);TCPP(トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート)リン含量:9.4重量%;塩素含量:33重量%。
【0076】
発泡体は、以下の実施例に記載の配合に基づいて手で混合することによって配合した。LaserComp FOX50を使用して、試料サイズ12”x12”x1”でラムダ値を記録した。
【0077】
実施例1:Z-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロペンテン(HCFO-1224yd(Z))及び水(H)に対するエブリオメータ試験
エブリオメータを使用して、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸物を測定した。エブリオメータは、底部で密封かつ上部で空気に開放された真空ジャケット付きガラス容器から成る。エブリオメータの上部又はコンデンサ部分は、ドライアイス及びエタノールの混合物で囲まれ、全ての蒸気が凝縮されてエブリオメータに戻されるようにした。クォーツ温度計を用いて、凝縮した液体の温度を記録した。約15.21gのZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))をエブリオメータに充填し、水を少量の測定増分で追加した。水をZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))に加えると、温度効果が観察され、二元極小沸点共沸物が形成されたことが示された。
【0078】
以下の表1に示すように、混合物の沸点温度は極小値に達し、その後不均一共沸物の形成を示して安定した。より具体的には、約58.1重量%~約99.7重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))を含む組成物は、14.51psiaで0.42℃未満の沸点の変化を有した。
【0079】
【0080】
【0081】
実施例2:ポリイソシアヌレート発泡体におけるZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水
表2に示される37.57部のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))をブレンドの38.37合計部で割ることによって計算される97.92重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))と、表2に示される0.8部の水をブレンドの38.37合計部で割ることによって計算される2.08重量%の水と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水のブレンドを、ポリイソシアヌレート発泡体の配合で発泡剤として使用した。得られた発泡体は、E-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))及び水を使用した比較混合物よりも低いラムダ値、低い経過ラムダ、及び小さいラムダ変化を示した。発泡体配合全体を以下の表2に示し、成分はポリオール100部当たりの部数(phpp)で示す。
【0082】
【0083】
実施例3:スプレー発泡体におけるZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水
表3に示される11.4部のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))をブレンドの13.4合計部で割ることによって計算される85.07重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))と、表3に示される2部の水をブレンドの13.4合計部で割ることによって計算される14.93重量%の水と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水のブレンドを、スプレー配合の発泡剤として使用した。ポリオール樹脂の配合全体を以下の表3に示し、成分はポリオール100部当たりの部数(phpp)で示す。このポリオール樹脂を同重量のLupranate M20と反応させてポリウレタン発泡体を産生した。
【0084】
【0085】
実施例4:家電用発泡体におけるZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水
表4に示される35.3部のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))をブレンドの37.1合計部で割ることによって計算される95.15重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))と、表4に示される1.8部の水をブレンドの37.1合計部で割ることによって計算される4.85重量%の水と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水のブレンドを、家電用配合の発泡剤として使用した。配合全体を以下の表4に示し、成分はポリオール100部当たりの部数(phpp)で示す。
【0086】
【0087】
実施例5:インテグラルスキン発泡体におけるZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水
表5に示される6.8部のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))をブレンドの7合計部で割ることによって計算される97.14重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))と、表5に示される0.2部の水をブレンドの7合計部で割ることによって計算される2.86重量%の水と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水のブレンドを、インテグラルスキン発泡体配合に使用した。配合全体を以下の表5に示し、成分はポリオール100部当たりの部数(phpp)で示す。
【0088】
【0089】
実施例6:Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む発泡性組成物
表6に示される14.8部のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))をブレンドの17.5合計部で割ることによって計算される84.6重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))と、表6に示される2.7部の水をブレンドの17.5合計部で割ることによって計算される15.4重量%の水と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水のブレンドを産生した。配合全体を以下の表6に示し、成分はポリオール100部当たりの部数(phpp)で示す。このポリオール樹脂を同重量のLupranate M20と反応させてポリウレタン発泡体を産生した。
【0090】
【0091】
ポリウレタン発泡体の特性を以下の表7に示す。
【0092】
【0093】
実施例7:Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を含む発泡性組成物
表8に示される10部のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))をブレンドの13.2合計部で割ることによって計算される75.8重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))と、表8に示される3.2部の水をブレンドの13.2合計部で割ることによって計算される24.2重量%の水と、を含む、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水のブレンドを産生した。配合全体を以下の表8に示し、成分はポリオール100部当たりの部数(phpp)で示す。このポリオール樹脂を同重量のLupranate M20と反応させてポリウレタン発泡体を産生した。
【0094】
【0095】
態様
態様1は、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成る不均一共沸性又は共沸様組成物を含む、組成物である。
【0096】
態様2は、共沸性又は共沸様組成物が、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有する、態様1に記載の組成物である。
【0097】
態様3は、共沸性又は共沸様組成物が、約47.0重量%~約99.7重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約0.3重量%~約53.0重量%の水から本質的に成る、態様1又は態様2に記載の組成物である。
【0098】
態様4は、共沸性又は共沸様組成物が、約70重量%~約99重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1重量%~約30重量%の水から本質的に成る、態様1~3のいずれかに記載の組成物である。
【0099】
態様5は、共沸性又は共沸様組成物が、約75重量%~約98.5重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.5重量%~約25重量%の水から本質的に成る、態様1~4のいずれかに記載の組成物である。
【0100】
態様6は、不均一共沸性又は共沸様組成物を形成する方法であって、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を組み合わせて、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有する、共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、方法である。
【0101】
態様7は、組み合わせる工程が、約47.0重量%~約99.7重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約0.3重量%~約53.0重量%の水を組み合わせることを含む、態様6に記載の方法である。
【0102】
態様8は、組み合わせる工程が、約70重量%~約99重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1重量%~約30重量%の水を組み合わせることを含む、態様6又は態様7のいずれかに記載の方法である。
【0103】
態様9は、組み合わせる工程が、約75重量%~約98.5重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.5重量%~約25重量%の水を組み合わせることを含む、態様6~8のいずれかに記載の方法である。
【0104】
態様10は、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物を含む、発泡剤組成物である。
【0105】
態様11は、共沸性の共沸様組成物が、約70.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約30.0重量%の水を含む、態様10に記載の発泡剤組成物である。
【0106】
態様12は、共沸性の共沸様組成物が、約75.0重量%~約98.5重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.5重量%~約25.0重量%の水を含む、態様10又は態様11のいずれかに記載の発泡剤組成物である。
【0107】
態様13は、発泡体形成剤及び態様10~12のいずれかに記載の発泡剤組成物を含む発泡性組成物である。
【0108】
態様14は、発泡体形成剤が、ポリウレタン発泡体及びポリイソシアヌレート発泡体のうちの少なくとも1つを含む、態様13に記載の発泡性組成物である。
【0109】
態様15は、少なくとも1つの界面活性剤を更に含む、態様13又は態様14のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0110】
態様16は、少なくとも1つの触媒を更に含む、態様13~15のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0111】
態様17は、少なくとも1つの引火性抑制剤を更に含む、態様13~16のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0112】
態様18は、ポリマー改質剤(複数可)、強化剤(複数可)、着色剤(複数可)、色素(複数可)、溶解度増強剤(複数可)、レオロジー調節剤(複数可)、可塑剤(複数可)、抗菌剤(複数可)、粘度低下調節剤(複数可)、充填剤(複数可)、蒸気圧調整剤(複数可)、及びこれらのうちのいずれか2つ以上の組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つのアジュバントを更に含む、態様13~17のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0113】
態様19は、共沸性又は共沸様組成物が、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水から本質的に成る、態様1又は態様2に記載の組成物である。
【0114】
態様20は、共沸性又は共沸様組成物が、約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水から本質的に成る、態様1、2、又は19のいずれかに記載の組成物である。
【0115】
態様21は、共沸性又は共沸様組成物が、約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水から本質的に成る、態様1、2、19、又は20のいずれかに記載の組成物である。
【0116】
態様22は、共沸性又は共沸様組成物が、約90.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約10.0重量%の水から本質的に成る、態様1、2、又は19~21のいずれかに記載の組成物である。
【0117】
態様23は、共沸性又は共沸様組成物が、約95.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約5.0重量%の水から本質的に成る、態様1、2、又は19~22のいずれかに記載の組成物である。
【0118】
態様24は、組み合わせる工程が、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水を組み合わせることを含む、態様6に記載の方法である。
【0119】
態様24は、組み合わせる工程が、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水を組み合わせることを含む、態様6に記載の方法である。
【0120】
態様25は、組み合わせる工程が、約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水を組み合わせることを含む、態様6又は態様24に記載の方法である。
【0121】
態様26は、組み合わせる工程が、約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水を組み合わせることを含む、態様6、24、又は25のいずれかに記載の方法である。
【0122】
態様27は、組み合わせる工程が、約90.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約10.0重量%の水を組み合わせることを含む、態様6又は24~26のいずれかに記載の方法である。
【0123】
態様28は、組み合わせる工程が、約95.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約5.0重量%の水を組み合わせることを含む、態様6又は24~27のいずれかに記載の方法である。
【0124】
態様29は、共沸性の共沸様組成物が、約75.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約25.0重量%の水を含む、態様10に記載の発泡剤組成物である。
【0125】
態様30は、共沸性の共沸様組成物が、約80.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約20.0重量%の水を含む、態様10又は態様29のいずれかに記載の発泡剤組成物である。
【0126】
態様31は、共沸性の共沸様組成物が、約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水を含む、態様10、29、又は30のいずれかに記載の発泡剤組成物である。
【0127】
態様32は、共沸性の共沸様組成物が、約85.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約15.0重量%の水を含む、態様10又は29~31のいずれかに記載の発泡剤組成物である。
【0128】
態様33は、共沸性の共沸様組成物が、約90.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約10.0重量%の水を含む、態様10又は29~32のいずれかに記載の発泡剤組成物である。
【0129】
態様34は、共沸性の共沸様組成物が、約95.0重量%~約99.0重量%のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び約1.0重量%~約5.0重量%の水を含む、態様10又は29~33のいずれかに記載の発泡剤組成物である。
【0130】
態様35は、発泡体形成剤及び態様10又は29~34のいずれかに記載の発泡剤組成物を含む、発泡性組成物である。
【0131】
態様36は、発泡体形成剤が、ポリウレタン発泡体及びポリイソシアヌレート発泡体のうちの少なくとも1つを含む、態様35に記載の発泡性組成物である。
【0132】
態様37は、少なくとも1つの界面活性剤を更に含む、態様35又は態様36のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0133】
態様38は、少なくとも1つの触媒を更に含む、態様35~37のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0134】
態様39は、少なくとも1つの引火性抑制剤を更に含む、態様35~38のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0135】
態様40は、ポリマー改質剤(複数可)、強化剤(複数可)、着色剤(複数可)、色素(複数可)、溶解度増強剤(複数可)、レオロジー調節剤(複数可)、可塑剤(複数可)、抗菌剤(複数可)、粘度低下調節剤(複数可)、充填剤(複数可)、蒸気圧調整剤(複数可)、及びこれらのうちのいずれか2つ以上の組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つのアジュバントを更に含む、態様35~39のいずれかに記載の発泡性組成物である。
【0136】
本明細書で使用する場合、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちのいずれか2つから選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【0137】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数形を含む。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は上方の好ましい値と下方の好ましい値との列挙のいずれかとして与えられるとき、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限範囲又は上方の好ましい値と任意の下限範囲又は下方の好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示しているものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に列挙されている場合、特に明記しない限り、範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び端数を含むことが意図される。本開示の範囲は、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。
【0138】
本明細書で使用する場合、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちのいずれか2つから選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【0139】
前述の説明は、本開示の単なる例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、当業者によって様々な代替形態及び修正形態を考案することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのかかる代替形態、修正形態、及び変動を包含することを意図する。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成る不均一共沸性又は共沸様組成物を含む、組成物。
【請求項2】
不均一共沸性又は共沸様組成物を形成する方法であって、Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水を組み合わせて、有効量のZ-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水から本質的に成り、約14.0psia~約15.0psiaの圧力で約13.0℃~約14.0℃の沸点を有する、共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、方法。
【請求項3】
発泡剤組成物であって、
Z-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び水の共沸性又は共沸様組成物を含む、発泡剤組成物。
【国際調査報告】