(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ペダル駆動移動手段及びペダル駆動移動手段のためのフレーム
(51)【国際特許分類】
B62M 6/55 20100101AFI20231219BHJP
B62J 43/13 20200101ALI20231219BHJP
B62J 43/28 20200101ALI20231219BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20231219BHJP
B62K 3/02 20060101ALI20231219BHJP
B62K 19/40 20060101ALI20231219BHJP
B62K 19/30 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B62M6/55
B62J43/13
B62J43/28
B62M6/90
B62K3/02
B62K19/40
B62K19/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023532263
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 GB2021053074
(87)【国際公開番号】W WO2022112778
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514213693
【氏名又は名称】フリーフロー テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FREEFLOW TECHNOLOGIES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ニール エドワーズ
(72)【発明者】
【氏名】ニール マクマーティン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ウッド
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BH02
3D212BH06
3D212BN03
3D212BN05
(57)【要約】
ペダル駆動移動手段のためのフレームが提供され、フレームは開放チャネルを画定する第1の部分を有する。フレームは、駆動アセンブリの動作クランク軸を画定するように駆動アセンブリが固定点によって開放チャネル内に固定可能となるようにクランク車軸を有する駆動アセンブリをフレームに解放可能に固定するための固定点を含む。フレームは、バッテリを受容するための1以上のコンパートメントを画定する。それにより、バッテリがコンパートメント内に配置された状態で、バッテリから駆動アセンブリへの動力の伝達のために(すなわち、クランク車軸を駆動するために)駆動アセンブリとの連通においてバッテリが配置可能となる。駆動アセンブリは、チャネルの非軸方向の移動において開放チャネル内外に移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部分、シートチューブ及びダウンチューブを有するフレームを備えるペダル駆動移動手段であって、前記シートチューブ及び前記ダウンチューブの各々は前記第1の部分で終端する端部を有し、
前記フレームの前記第1の部分は、開放チャネルを画定し、
クランク車軸を有する駆動アセンブリが、該駆動アセンブリが長手動作軸を画定するように、前記開放チャネル内に解放可能に固定され、
バッテリが、前記シートチューブ及び前記ダウンチューブの一方のコンパートメント又は中空内部内に配置され、
前記バッテリが前記コンパートメント又は中空内部にある場合に開口を通じて前記駆動アセンブリと連通可能となるように、前記バッテリは前記第1の部分の前記開口を介して前記駆動アセンブリへの補助電力の伝達のために設けられ、
前記フレームは、前記駆動アセンブリが前記開放チャネルから解放されると、前記バッテリが前記第1の部分の前記開口を介して前記シートチューブ又はダウンチューブ内の往復運動軸に沿って前記コンパートメント又は中空内部から取外し可能となるように、構成され、
前記フレームは、前記駆動アセンブリを前記開放チャネル内に解放可能に固定するために前記開放チャネルに隣接する機械的固定点を含み、
前記移動手段は、前記駆動アセンブリが前記固定点の1つに結合されると前記チャネル外に移動可能となるように構成され、任意選択的に、前記駆動アセンブリが枢動動作によって前記チャネル外に移動可能となる、移動手段。
【請求項2】
前記開放チャネルが、前記チャネル及び/又は駆動アセンブリの非軸方向に前記駆動アセンブリを受容するために構成された、請求項1に記載の移動手段。
【請求項3】
第1及び第2の固定点が、断面視で前記開放チャネルの相互に対向する側に設けられ、任意選択的に、前記第1及び第2の固定点は断面視で前記開放チャネルのそれぞれの端部に隣接して設けられ、さらに任意選択的に、前記移動手段は、前記駆動アセンブリが前記固定点の1つに結合されると枢動動作によって動作位置から保守位置に前記チャネル外に揺動可能となるように構成されている、請求項1又は2に記載の移動手段。
【請求項4】
前記駆動アセンブリは1以上のラグを備え、前記駆動アセンブリを前記フレームに固定するために装着部材又は締結具がそれぞれの鳩目及び固定点を通じて延在可能となるように、各ラグは前記フレームのそれぞれの機械的固定点との整列のために配置及び構成された鳩目を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項5】
前記駆動アセンブリを前記フレームに結合するための第1の機械的構成を含み、該第1の機械的構成は、前記駆動アセンブリが前記第1の機械的構成によって前記フレームに結合された状態で、前記駆動アセンブリを動作位置と保守位置の間で前記開放チャネル内外に移動可能とするように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項6】
前記第1の機械的構成は、前記動作位置から前記保守位置への移行時に前記駆動アセンブリが前記開放チャネル外に枢動可能となるように、前記駆動アセンブリを前記フレームに枢動可能に結合するために構成されている、請求項5に記載の移動手段。
【請求項7】
前記駆動アセンブリを動作位置において前記開放チャネル内に解放可能に固定する際の使用のための第2の機械的構成を含み、前記第1の機械的構成は前記開放チャネルの一方側に設けられ、前記第2の機械的構成は前記開放チャネルの反対側に前記第1の機械的構成と離間して設けられる、請求項5又は6に記載の移動手段。
【請求項8】
前記第1の機械的構成は、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する第1の取付け部材を含み、任意選択的に、前記内部孔内に内部ブッシュが配置されるとともに前記装着部材又は締結具は前記内部ブッシュの前記孔内に延在し、任意選択的に、前記ブッシュは、金属製であり及び/若しくは弾性材料であり、並びに/又は金属製ブッシュ内に装着された弾性材料ブッシュを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項9】
前記駆動アセンブリは、通常使用時に前記駆動アセンブリの下方で延在するクレードルによって前記開放チャネル内に支持され、任意選択的に、前記クレードルは前記フレーム上の対向する固定点(例えば、断面視で前記開放チャネルの片側の少なくとも1つの固定点)に解放可能に結合され、任意選択的に、前記クレードルは、該クレードルが前記開放チャネルから枢動して離れるにつれて前記駆動アセンブリが前記開放チャネル外に移動するように、前記フレーム上に枢動可能に装着され、任意選択的に、前記駆動アセンブリは、前記クレードルに(例えば、1以上の機械的固定具によって)解放可能に固定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項10】
前記第1の部分は、前記駆動アセンブリの外面を補完するように構成された内面を備え、任意選択的に、該内面は凸部を含み、前記駆動アセンブリの前記外面は前記駆動アセンブリが前記開放チャネル内に解放可能に固定されると前記凸部が受容される凹部を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項11】
前記第1の部分は、前記開放チャネルが中心軸に対して、約180度、又は180度~130度の範囲、任意選択的に180度~150度の範囲、任意選択的に180度~170度の範囲で延在する曲率の弧を有する軸方向断面を画定する湾曲内部プロファイルを有するように湾曲内面を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項12】
ペダル駆動移動手段のためのフレームであって、ボトムブラケットシェル、シートチューブ及びダウンチューブを備え、前記ボトムブラケットシェルは、該ボトムブラケットシェルの非軸方向の移動において前記移動手段のためのボトムブラケットアセンブリを受容するために構成されるように、断面において開放チャネルを画定し、任意選択的に、前記シートチューブ及び前記ダウンチューブの各々は前記ボトムブラケットシェルで終端する端部を有する、フレーム。
【請求項13】
ボトムブラケットアセンブリを前記開放チャネルに解放可能に固定するために前記開放チャネルに隣接する機械的固定点を含み、任意選択的に、第1及び第2の固定点は、断面視で前記開放チャネルの相互に対向する側に設けられ、さらに任意選択的に、断面視で前記開放チャネルのそれぞれの端部に隣接して設けられる、請求項12に記載のフレーム。
【請求項14】
ボトムブラケットアセンブリが前記固定点の1つに対して、任意選択的に枢動動作によって、動作位置から保守位置に前記チャネル外に移動可能となるように構成された請求項13に記載のフレーム。
【請求項15】
ボトムブラケットアセンブリを前記フレームに結合するための第1の機械的構成を含み、該第1の機械的構成は、前記ボトムブラケットアセンブリが前記第1の機械的構成によって前記フレームに結合された状態で、前記ボトムブラケットアセンブリが動作位置と保守位置の間で前記開放チャネル内外に移動可能となるように構成されている、請求項12から14のいずれか一項に記載のフレーム。
【請求項16】
前記第1の機械的構成は、ボトムブラケットアセンブリが前記動作位置から前記保守位置に移行する時に前記開放チャネル外に枢動可能となるように、前記ボトムブラケットアセンブリを前記フレームに枢動可能に結合するために構成されている、請求項15に記載のフレーム。
【請求項17】
動作位置において前記開放チャネル内にボトムブラケットアセンブリを解放可能に固定する際の使用のための第2の機械的構成を含み、前記第1の機械的構成は前記開放チャネルの一方側に設けられ、前記第2の機械的構成は前記開放チャネルの反対側に前記第1の機械的構成と離間して設けられる、請求項15又は16に記載のフレーム。
【請求項18】
前記第1の機械的構成は、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する第1の取付け部材を含み、任意選択的に、前記内部孔内に内部ブッシュが配置されるとともに前記装着部材又は締結具は前記内部ブッシュの前記孔内に延在し、任意選択的に、前記ブッシュは、金属製であり及び/若しくは弾性材料であり、並びに/又は金属製ブッシュ内に装着された弾性材料ブッシュを含み、任意選択的に、前記第2の機械的構成は、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する第2の取付け部材を含み、任意選択的に、前記内部孔内に内部ブッシュが配置されるとともに前記装着部材又は締結具は前記内部ブッシュの前記孔内に延在し、任意選択的に、前記ブッシュは、金属製であり及び/若しくは弾性材料であり、並びに/又は金属製ブッシュ内に装着された弾性材料ブッシュを含む、請求項15から17のいずれか一項に記載のフレーム。
【請求項19】
前記シートチューブ及び前記ダウンチューブの少なくとも一方は中空内部を有し、前記フレームの前記ボトムブラケットシェルは、前記開放チャネルを介した前記中空内部へのアクセスのために、前記中空内部との連通のための少なくとも1つのアクセス開口を(例えば、バッテリが前記中空内部内に格納可能となり、前記アクセス開口を介した前記中空内部から取外し可能となるように)含む、請求項12から18のいずれか一項に記載のフレーム。
【請求項20】
ペダル駆動移動手段のための駆動アセンブリを設置する方法であって、
クランク車軸を有する駆動アセンブリを準備するステップと、
ペダル駆動移動手段のためのフレームを準備するステップであって、該フレームは開放チャネルを画定する第1の部分を含み、前記フレームは前記駆動アセンブリを該フレームに解放可能に固定するための固定点を含む、ステップと、
を備え、
前記駆動アセンブリを前記固定点によって前記開放チャネル内に固定する更なるステップを備え、前記駆動アセンブリは、前記固定点の1つに結合されると、前記チャネルの非軸方向の移動において前記開放チャネル内外に移動可能となる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダル駆動移動手段及びペダル駆動移動手段のためのフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ペダル駆動移動手段、例えば、自転車は、2形態の動力:電動モータ及びペダル駆動クランクシステムを含む。電動モータは、ペダル駆動クランクシステムを介して搭乗者によって付与される動力を増強又は代替するのに使用可能である。
【0003】
電動モータ及びいずれかの伝動装置は、通常は自転車フレームのボトムブラケットシェル内に配置される。電動モータに給電するバッテリは、従来的には移動手段の中空チューブのうちの1本(例えば、シートチューブ、ダウンチューブ)の内部に配置され、ボトムブラケットシェルから電動モータ及び伝動装置を取り外さなければそれにアクセスできない。
【0004】
ボトムブラケットシェルから電動モータ及び伝動装置を取り外すことは、単純なプロセスではなく、多大な時間を要し得る。
【0005】
本教示は、従来技術に関連する1以上の問題を克服し又は少なくとも軽減することを目指すものである。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様では、ペダル駆動移動手段が提供され、それは、第1の部分又はボトムブラケットシェル、シートチューブ及びダウンチューブを有するフレームを備え、シートチューブ及びダウンチューブの各々は第1の部分で終端する端部を有し、フレームの第1の部分は開放チャネルを画定し、クランク車軸を有する駆動アセンブリが、駆動アセンブリが長手動作軸を画定するように、開放チャネル内に解放可能に固定され、バッテリがシートチューブ及びダウンチューブの一方の中空内部内に配置され、バッテリが開口を通じて駆動アセンブリと連通可能となるようにバッテリが第1の部分の開口を介して駆動アセンブリへの補助電力の伝達のために設けられ、フレームは、駆動アセンブリが開放チャネルから解放されるとバッテリが第1の部分の開口を介してシートチューブ又はダウンチューブ内の往復運動軸に沿って取外し可能となるように、構成される。
【0007】
有利なことに、バッテリは、駆動アセンブリが動作位置から解放されると開放チャネルを通じてフレームから取外し可能となる。そのような構成は、バッテリがアクセス困難なことが多くかつフレームのチューブ内のアクセス点を必要とする従来のシステムとは対照的である。
【0008】
用語「開放チャネル」とは、従来の自転車フレーム(シートチューブ及びダウンチューブが、断面において閉じられた完全環状プロファイルを画定する第1の部分又はボトムブラケットシェルで終端する)とは対照的に、チャネルが完全な環/周を画定しないことを意味するものである。
【0009】
例示的実施形態では、バッテリの往復運動軸は、駆動アセンブリの動作軸と交差する。
【0010】
例示的実施形態では、駆動アセンブリは、略筒状の駆動アセンブリである。
【0011】
例示的実施形態では、バッテリは、断面視で開放チャネルの最大幅よりも大きな長さを有する長細い本体を有する。
【0012】
有利なことに、フルサイズのバッテリは、バッテリとフレームの間の衝撃によってバッテリ又はフレームを損傷する危険なく、チューブのうちの1本の内部から容易に取外し可能である。
【0013】
例示的実施形態では、バッテリの往復運動軸は、駆動アセンブリの動作軸と交差する。
【0014】
例示的実施形態では、第1の部分の内部形状は、駆動アセンブリが駆動アセンブリの通常動作位置に対して略「径」方向に(すなわち、駆動アセンブリのクランク軸に対して「軸」方向にではなく)開放チャネルに対して受容及び取外し可能となるように構成される。
【0015】
例示的実施形態では、フレームは、開放チャネル内に駆動アセンブリを解放可能に固定するための、開放チャネルに隣接する機械的固定点を含む。
【0016】
有利なことに、開放チャネルに隣接する機械的固定具の使用によって、駆動アセンブリを開放チャネル内に解放可能に固定可能とするための簡素な手段が与えられ、それにより(例えば、保守のために)駆動アセンブリが開放チャネルから容易に取外し可能となる。
【0017】
例示的実施形態では、移動手段は、駆動アセンブリが上記固定点の1つに結合されるとチャネル外に移動可能となるように構成される。
【0018】
例示的実施形態では、駆動アセンブリは、枢動動作によってチャネル外に移動可能となる。
【0019】
例示的実施形態では、移動手段は、上記固定点の1つに結合された状態で(すなわち、上記第1及び第2の固定点の他方との結合から解放された状態で)駆動アセンブリが動作位置から保守位置に、例えば、枢動動作によってチャネル外に揺動可能となるように構成される。
【0020】
有利なことに、枢動接続を利用することは、その動作位置と保守位置の間で駆動アセンブリを移動させる簡素な手段である。そのような構成によって、開放チャネルへのアクセスの容易さがさらに増し、それにより、特定の保守作業が促進され得る。
【0021】
有利なことに、そのような構成は、ユーザが、フレームからアセンブリを完全に取り外すことを必要とせず、かつアセンブリの重量を取り扱うことを必要とせずにアセンブリ又はチャネルの内部へのアクセスのために駆動アセンブリを動作位置と保守位置の間で移動させるための簡素かつ簡易な手段を与える。
【0022】
例示的実施形態では、移動手段は、駆動アセンブリをフレームに結合するための第1の機械的構成を含み、駆動アセンブリが第1の機械的構成によってフレームに結合された状態で、第1の機械的構成は、駆動アセンブリが動作位置と保守位置の間で開放チャネル内外に移動可能となるように構成される。
【0023】
第1の機械的構成は、有利なことに、駆動アセンブリがフレームに結合された状態で開放チャネル内外に移動されることを可能とする。
【0024】
さらに、前述したような第1の機械的構成の使用は、駆動アセンブリが保守位置にあり、すなわち、チャネルから取り外された場合に、駆動アセンブリがフレームと結合された状態を維持することを可能とする。駆動アセンブリは駆動アセンブリをフレームから完全に切り離すことを必要とせずにチャネルから容易に取外し可能であるので、このような構成では、保守が移動手段に対して実行可能となる容易さが向上する。
【0025】
例示的実施形態では、移動手段は、駆動アセンブリを動作位置において開放チャネル内に解放可能に固定する際の使用のための第2の機械的構成を含み、第1の機械的構成は開放チャネルの一方側に設けられ、第2の機械的構成は開放チャネルの反対側に第1の機械的構成と離間して設けられる。
【0026】
有利なことに、第2の機械的構成は、動作位置に駆動アセンブリを解放可能に固定するために設けられる。2つの対向する機械的構成を用いることで、駆動アセンブリとフレームの間の結合の強度が向上し、望まれない離脱の危険が減少する。さらに、駆動アセンブリは、動作位置から保守位置に移動されている間、第1の機械的構成によってフレームに強固に結合された状態を維持し得る。
【0027】
例示的実施形態では、第1の機械的構成は、フレーム上の第1の固定点又は取付け部材を含み、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する。同様に、例示的実施形態では、第2の機械的構成は、フレーム上の第2の固定点又は取付け部材を含み、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する。
【0028】
有利なことに、内部孔内での装着部材又は締結具の使用によって、駆動アセンブリをフレームに結合する簡素かつ簡易な方法が与えられる。
【0029】
例示的実施形態では、内部ブッシュが内部孔内に配置され、装着部材又は締結具は当該内部ブッシュの孔内に延在する。
【0030】
有利なことに、ブッシュの使用は、振動伝搬、ノイズ減衰及び熱伝導を軽減するように作用し、それによりフレームの損傷を防止し、結果としてフレームの寿命が延長するとともに保守の必要が減少する。
【0031】
例示的実施形態では、フレームの第1の部分は、半筒状本体からなる。
【0032】
例示的実施形態では、フレームの第1の部分は、ボトムブラケットシェルを画定する。
【0033】
ボトムブラケットシェルは、半筒状本体からなっていてもよい。
【0034】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の90度~250度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0035】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の130度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0036】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の150度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0037】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の170度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0038】
ボトムブラケットシェルは、1以上の取付けラグを含み得る。
【0039】
1以上の取付けラグに、内部ブッシュが設けられてもよい。
【0040】
内部ブッシュは、金属製ブッシュ内に装着された弾性材料ブッシュからなり得る。
【0041】
例示的実施形態では、開放チャネルは、半筒体以下又は以上の内部プロファイルを有する。
【0042】
有利なことに、電動自転車のための周知の駆動アセンブリは、通常は略筒形状であるので、略筒状駆動アセンブリは、略半円筒状の(すなわち、断面において半円の)開放チャネルによって開放チャネルに対して容易に受容及び取外し可能となる。ただし、一部の例示的実施形態では、開放チャネルは、断面において半円未満の内部プロファイルを有し、これによって、より容易な開放チャネルに対する設置及び取外しが可能となる。さらに、代替実施形態では、開放チャネルの内部プロファイルは断面において半円を越えて延在していてもよく、例えば、開放チャネルのプロファイルは半筒体を画定するが、チャネルの先端又は終端は半筒体の端部を接線方向に越えて(例えば、略U字形状となるように)延在する。
【0043】
更なる代替実施形態では、開放チャネルは、半筒体とは実質的に異なる幾何形状を有し得る。例えば、開放チャネルの内部プロファイルは、矩形又は他の略部分多角形プロファイルであり得る。言い換えると、例示的実施形態では、フレームの第1の部分又はボトムブラケットシェルは、相補的に構成された駆動アセンブリが駆動アセンブリの通常動作配向に対して非軸方向に受容可能となる凹面又は開放チャンバを画定する。
【0044】
本開示の第2の態様では、ペダル駆動移動手段のためのフレームが提供され、フレームはボトムブラケットシェル、シートチューブ及びダウンチューブを備え、ボトムブラケットシェルは、ボトムブラケットシェルの非軸方向において移動手段のためのボトムブラケットアセンブリを受容するために構成されるように、断面において開放チャネルを画定する。
【0045】
任意選択的に、シートチューブ及びダウンチューブの各々は、ボトムブラケットシェルにおいて終端する端部を有する。
【0046】
フレームは、トップチューブを含み得る。フレームは、ヘッドチューブを含み得る。フレームは、1以上のチェーンステイを含み得る。フレームは、1以上のシートステイを含み得る。
【0047】
有利なことに、開放チャネルは、ボトムブラケットアセンブリにアクセスしてペダル駆動移動手段からそれを取り外し、それにより、移動手段の組立て及び保守に関する時間を短縮するための簡素かつ簡便な手段を与える。このような構成は、閉じたチャネル内にボトムブラケットアセンブリが配置され、それによりボトムブラケットアセンブリが軸方向に取り外される必要があり、そのために取外しがより困難となる当技術での周知のフレームとは対照的である。実際に、従来のフレームからのボトムブラケットアセンブリの取外しは、ボトムブラケットアセンブリが使用時に結合されなければならないクランクアーム及び他の部品の分解をまずは必要とする。ボトムブラケットシェルからのボトムブラケットアセンブリの非軸方向の取外しを可能とするフレームを設けることによって、従来的なボトムブラケットアセンブリの分解の必要が回避される。
【0048】
用語「開放チャネル」とは、(断面において閉じられた完全環状プロファイルを画定する)従来のボトムブラケットシェルとは対照的に、チャネルが完全な環/周を画定しないことを意味するものである。
【0049】
例示的実施形態では、開放チャネルの内部形状は、ボトムブラケットアセンブリがボトムブラケットアセンブリの非軸方向において開放チャネルに対して受容及び取外し可能となるように構成される。
【0050】
有利なことに、例示的実施形態では、ボトムブラケットシェルの内部形状は、ボトムブラケットアセンブリがボトムブラケットアセンブリの通常動作位置に対して略「径」方向に(すなわち、ボトムブラケットアセンブリのクランク軸に対して「軸」方向にではなく)開放チャネルに対して受容及び取外し可能となるように構成される。
【0051】
例示的実施形態では、フレームは、開放チャネル内にボトムブラケットアセンブリを解放可能に固定するための開放チャネルに隣接する機械的固定点を含む。
【0052】
有利なことに、開放チャネルに隣接する機械的固定点の使用によって、ボトムブラケットアセンブリが開放チャネル内に解放可能に固定可能となり、それにより(例えば、保守のために)ボトムブラケットアセンブリが開放チャネルから容易に取外し可能となる。
【0053】
例示的実施形態では、フレームは、上記固定点の1つによってフレームに結合された状態で(すなわち、上記第1及び第2の固定点の他方への結合から解放された状態で)ボトムブラケットアセンブリが動作位置から保守位置に、例えば、枢動動作によってチャネル外に移動可能となるように構成される。
【0054】
有利なことに、そのような構成は、ユーザが、フレームからボトムブラケットアセンブリを完全に取り外すことを必要とせず、かつボトムブラケットアセンブリの重量を取り扱うことを必要とせずにボトムブラケットアセンブリを動作位置と保守位置の間で移動させ、ボトムブラケットアセンブリ又はチャネルの内部へのアクセスを可能とするための簡素かつ簡易な手段を与える。
【0055】
例示的実施形態では、フレームは、ボトムブラケットアセンブリをフレームに結合するための第1の機械的構成を含み、第1の機械的構成は、ボトムブラケットアセンブリが第1の機械的構成によってフレームに結合された状態で、ボトムブラケットアセンブリが動作位置と保守位置の間で開放チャネル内外に移動可能となるように構成される。
【0056】
第1の機械的構成によって、有利なことに、ボトムブラケットアセンブリがフレームに結合された状態で開放チャネル内外に移動可能となる。
【0057】
さらに、前述したような第1の機械的構成は、ボトムブラケットアセンブリが保守位置にあり、すなわち、チャネルから取り外された場合に、ボトムブラケットアセンブリがフレームと結合された状態を維持することを可能とする。ボトムブラケットアセンブリはボトムブラケットアセンブリをフレームから完全に切り離すことを必要とせずにチャネルから容易に取外し可能であるので、このような構成では、移動手段に対して保守が実行可能となる容易さが向上する。
【0058】
例示的実施形態では、第1の機械的構成は、ボトムブラケットアセンブリが動作位置から保守位置に移行する際に開放チャネル外に枢動可能となるように、ボトムブラケットアセンブリをフレームに枢動可能に結合するために構成される。
【0059】
有利なことに、枢動接続を利用することは、その動作位置と保守位置の間で車軸アセンブリを移動させる簡素な手段である。そのような構成によって、開放チャネルへのアクセスの容易さがさらに増し、それにより、特定の保守作業が促進され得る。
【0060】
例示的実施形態では、フレームは、動作位置において開放チャネル内にボトムブラケットアセンブリを解放可能に固定する際の使用のための第2の機械的構成を含み、第1の機械的構成は開放チャネルの一方側に設けられ、第2の機械的構成は開放チャネルの反対側に第1の機械的構成と離間して設けられる。
【0061】
有利なことに、第2の機械的構成は、動作位置にボトムブラケットアセンブリを解放可能に固定するために設けられる。2つの対向する機械的構成を用いることで、ボトムブラケットアセンブリとフレームの間の結合の強度が向上し、望まれない離脱の危険が減少する。さらに、ボトムブラケットアセンブリは、動作位置から保守位置に移動されている間、第1の機械的構成によってフレームに強固に結合された状態を維持し得る。
【0062】
例示的実施形態では、第1の機械的構成は、フレーム上の第1の取付け部材又は固定点を含み、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する。
【0063】
有利なことに、内部孔内の装着部材又は締結具の使用によって、ボトムブラケットアセンブリをフレームに結合する簡素かつ簡易な方法が与えられる。
【0064】
例示的実施形態では、内部ブッシュが内部孔内に配置され、装着部材又は締結具は当該内部ブッシュの孔内に延在する。
【0065】
有利なことに、ブッシュの使用は、振動伝搬、ノイズ減衰及び熱伝導を軽減するように作用し、それによりフレームの損傷を防止し、結果としてフレームの寿命が延長するとともに保守の必要が減少する。
【0066】
例示的実施形態では、第2の機械的構成は、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する第2の取付け部材を含む。
【0067】
例示的実施形態では、内部ブッシュが内部孔内に配置され、装着部材又は締結具は当該内部ブッシュの孔内に延在する。
【0068】
例示的実施形態では、ボトムブラケットアセンブリは、通常使用時にボトムブラケットアセンブリの下方に延在するクレードルによって開放チャネル内に支持される。
【0069】
例示的実施形態では、クレードルは、フレーム上の対向する固定点(例えば、断面視で開放チャネルの片側の少なくとも1つの固定点)に解放可能に結合される。
【0070】
例示的実施形態では、クレードルはフレーム上に枢動可能に装着されるので、ボトムブラケットアセンブリは、クレードルが開放チャネルから枢動して離れるにつれて開放チャネル外に移動する。
【0071】
例示的実施形態では、ボトムブラケットアセンブリは、クレードルに(例えば、1以上の機械的固定具によって)解放可能に固定される。
【0072】
例示的実施形態では、シートチューブ及びダウンチューブの少なくとも一方は中空内部を有し、フレームのボトムブラケットシェルは、開放チャネルを介した中空内部へのアクセスのために、当該中空内部と直接連通している少なくとも1つのアクセス開口を含む。
【0073】
自転車の分野では、各種部品(例えば、ケーブル類)を自転車フレームにおけるチューブの中空内部内に配置することが知られている。電動自転車の特定の分野では、自転車フレームにおけるチューブの中空内部内にバッテリ又はモータを装着することも知られている。開放チャネル及びアクセス開口の組合せは、そのような部品への容易なアクセスを提供し、ユーザがボトムブラケットアセンブリを単純に動作位置から保守位置に移行させることができる実施形態において特に有利である。
【0074】
例示的実施形態では、フレームは、チャネルの内面又は内壁に配置された少なくとも1つの強化リブをさらに備える。
【0075】
有利なことに、強化リブは、使用時に(例えば、ペダルの回転により)フレームにかかる力に対するフレームの曲げを減少させるように作用し、それにより、フレームへのダメージを減少させて移動手段が故障することを防止する。例示的実施形態では、ボトムブラケットシェルは、半筒状本体からなる。
【0076】
例示的実施形態では、開放チャネルは、半筒体以下又は以上の内部プロファイルを有する。
【0077】
有利なことに、周知のボトムブラケットアセンブリは、通常は略筒形状であるので、略半円筒状の(すなわち、断面において半円の)開放チャネルによって、略筒状のボトムブラケットアセンブリは開放チャネルに対して容易に受容及び取外し可能となる。例示的実施形態では、開放チャネルは、断面において半円未満の内部プロファイルを有し、これによって、より容易な開放チャネルに対する設置及び取外しが可能となる。一方、代替実施形態では、開放チャネルの内部プロファイルは断面において半円を越えて延在していてもよく、例えば、開放チャネルプロファイルは半筒体を画定するが、チャネルの先端又は終端は(例えば、略U字形状となるように)半筒体の端部を接線方向に越えて延在する。
【0078】
更なる代替実施形態では、開放チャネルは、半筒体とは実質的に異なる幾何形状を有し得る。例えば、開放チャネルの内部プロファイルは、矩形又は他の略部分多角形プロファイルであり得る。言い換えると、例示的実施形態では、ボトムブラケットシェルは、相補的に構成された駆動アセンブリが駆動アセンブリの通常動作配向に対して非軸方向に受容可能となる凹面又は開放チャンバを画定する。
【0079】
例示的実施形態では、ボトムブラケットアセンブリは1以上のラグを備え、各ラグはフレーム上のそれぞれの機械的固定点との配列のために配置及び構成された鳩目を有し、それにより、装着部材又は締結具はボトムブラケットアセンブリをフレームに固定するためにそれぞれの鳩目及び固定点を通じて延在可能となる。
【0080】
フレームは、トップチューブを含み得る。フレームは、ヘッドチューブを含み得る。フレームは、1以上のチェーンステイを含み得る。フレームは、1以上のシートステイを含み得る。
【0081】
ボトムブラケットシェルは、半筒状本体からなり得る。
【0082】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の90度~250度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0083】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の130度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0084】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の150度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0085】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の170度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0086】
例示的実施形態では、開放チャネルは、半筒体以下又は以上の内部プロファイルを有する。
【0087】
有利なことに、周知のボトムブラケットアセンブリは、通常は略筒形状であるので、略半円筒状の(すなわち、断面において半円の)開放チャネルによって、略筒状ボトムブラケットアセンブリは開放チャネルに対して容易に受容及び取外し可能となる。例示的実施形態では、より容易なボトムブラケットアセンブリの設置及び取外しが可能となるように、ボトムブラケットシェルは断面において半円未満の内部プロファイルを有する。一方、代替実施形態では、開放チャネルの内部プロファイルは断面において半円を越えて延在していてもよく、例えば、開放チャネルプロファイルは半筒体を画定するが、チャネルの先端又は終端は(例えば、略U字形状となるように)半筒体の端部を接線方向に越えて延在する。
【0088】
更なる代替実施形態では、開放チャネルは、半筒体とは実質的に異なる幾何形状を有し得る。例えば、開放チャネルの内部プロファイルは、矩形又は他の略部分多角形プロファイルであってもよい。言い換えると、例示的実施形態では、ボトムブラケットシェルは、相補的に構成された駆動アセンブリが駆動アセンブリの通常動作配向に対して非軸方向に受容可能となる凹面又は開放チャンバを画定する。
【0089】
ボトムブラケットシェルは、1以上の取付けラグを含み得る。
【0090】
1以上の取付けラグに、内部ブッシュが設けられてもよい。
【0091】
本開示の第3の態様では、ブッシュアセンブリが提供され、ブッシュアセンブリは、金属製ブッシュ内に装着された弾性材料ブッシュを備える長細い管状本体を画定する。
【0092】
有利なことに、ブッシュは、振動伝搬、ノイズ減衰及び熱伝導を軽減するように作用する。ペダル駆動移動手段のためのフレームと併用される場合、ブッシュはフレームの損傷を防止するように作用可能であり、それにより、フレームの寿命が延長するとともに保守の必要が減少する。
【0093】
本開示の第4の態様によると、シートチューブ、ダウンチューブ並びにシートチューブ及びダウンチューブが接続されるボトムブラケットシェルを備える自転車フレームが提供され、ボトムブラケットシェルは半筒状である。
【0094】
「半筒状」とは、ボトムブラケットシェルが正円又は正多角筒(regular cylinder)の概略体積を占有するがその側部の周囲で切り落とされていることを意味するものと理解される。
【0095】
フレームは、トップチューブを含み得る。フレームは、ヘッドチューブを含み得る。フレームは、1以上のチェーンステイを含み得る。フレームは、1以上のシートステイを含み得る。
【0096】
ダウンチューブ、シートチューブ及び/又はチェーンステイの中空内部へのアクセスを可能とする開口が、ボトムブラケットシェル内に設けられてもよい。
【0097】
ボトムブラケットシェルは、80~130mmの範囲の外径を有し得る。
【0098】
ボトムブラケットシェルは、半筒状本体からなり得る。
【0099】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の90度~250度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0100】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の130度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0101】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の150度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0102】
ボトムブラケットシェルは、側部が、同様にサイズ取りされた筒体の170度~180度の範囲を占有する半筒体であり得る。
【0103】
ボトムブラケットシェルは、1以上の取付けラグを含み得る。
【0104】
1以上の取付けラグに、内部ブッシュが設けられてもよい。
【0105】
内部ブッシュは、金属製であり得る。
【0106】
内部ブッシュは、弾性材料であり得る。
【0107】
弾性材料は、ゴムであり得る。
【0108】
内部ブッシュは、金属製ブッシュ内に装着された弾性材料ブッシュを含み得る。
【0109】
本開示の第5の態様によると、第2の態様又は第4の態様に係る少なくとも1つのフレームを含む自転車が提供される。
【0110】
自転車は、電動であり得る。
【0111】
自転車は、少なくとも1つの駆動ユニット又は駆動アセンブリを含み得る。
【0112】
駆動ユニット又は駆動アセンブリは、電動モータを含み得る。
【0113】
駆動ユニット又は駆動アセンブリは、伝動装置システムを含み得る。
【0114】
駆動ユニット又は駆動アセンブリは、ペダルクランクシステムを含み得る。
【0115】
駆動ユニット又は駆動アセンブリは、モータ制御ユニットを含み得る。
【0116】
駆動ユニット又は駆動アセンブリは、1以上の装着ラグを含み得る。
【0117】
駆動ユニット又は駆動アセンブリは、4個の装着ラグを含み得る。
【0118】
装着ラグは、一対のネジ孔及び平滑表面孔のラグからなり得る。
【0119】
ボルトが、ボトムブラケットシェルの装着ラグ及び取付けラグを通じて取り付けられてもよい。
【0120】
本開示の第6の態様によると、自転車フレームを製造する方法が提供され、方法は、シートチューブ、ダウンチューブ及びボトムブラケットシェルを接合するステップを備え、ボトムブラケットシェルは半筒状であり、又は相補的に構成された駆動ユニットが駆動ユニットの通常動作配向に対して非軸方向に受容可能な凹面若しくは開放チャンバを画定する。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【
図1】
図1は、本教示に係るペダル駆動移動手段の側面図である。
【
図2】
図2は、本教示の実施形態に係るペダル駆動移動手段のためのフレームの側面図である。
【
図3】
図3は、
図2の実施形態に係るフレームの第1の部分又はボトムブラケットの側面図である。
【
図4】
図4は、
図2のフレームの第1の部分を下方から見た斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2のフレームの第1の部分を下方から見た更なる斜視図である。
【
図6】
図6は、駆動アセンブリが保守位置に配置された状態の
図2のフレームを下方から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、駆動アセンブリ又はボトムブラケットアセンブリが動作位置に配置された状態の
図2のフレームの斜視図である。
【
図8】
図8は、駆動アセンブリが保守位置に配置された状態の
図2のフレームの斜視図である。
【
図9】
図9は、駆動アセンブリが動作位置に配置された状態の
図2のフレームの第1の部分の斜視図である。
【
図10】
図10は、駆動アセンブリが保守位置に配置された状態の
図2のフレームの第1の部分の斜視図である。
【
図11】
図11は、金属及びゴム製ブッシングの斜視図である。
【
図12】
図12は、
図1の移動手段のフレームの駆動アセンブリ及び第1の部分の斜視図である。
【
図13】
図13は、保守位置に配置された駆動アセンブリを有する、本教示の実施形態に係るペダル駆動移動手段のためのフレームの斜視図である。
【
図15】
図15は、保守位置に配置された駆動アセンブリを有する、本教示の実施形態に係るペダル駆動移動手段のためのフレームの斜視図である。
【
図17】
図17は、保守位置に配置された駆動アセンブリを有する、本教示の実施形態に係るペダル駆動移動手段のためのフレームの斜視図である。
【
図19】
図19は、本教示の実施形態に係る駆動アセンブリの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0122】
図1を参照すると、ペダル駆動移動手段が、自転車の形態、より具体的には、動力を付与するためのモータを有する電動自転車の形態で概して100で示される。
【0123】
移動手段100は、フレーム10を含む。本実施形態では、フレーム10は、シートチューブ12、ダウンチューブ14、及びペダルクランク車軸を有する駆動アセンブリ32が装着された第1の部分16を有する。第1の部分はフレームの「ボトムブラケットシェル」とみなされ得るものであり、駆動アセンブリをボトムブラケットアセンブリということもある。
【0124】
本実施形態では、シートチューブ12及びダウンチューブ14は、第1の部分に直接接続される。具体的には、シートチューブ12及びダウンチューブ14の各々は、第1の部分16で終端する端部を有する。シートチューブ12及びダウンチューブ14を溶接によって第1の部分16に接続すると有利となり得る。他の接合方法も可能である。シートチューブ12及びダウンチューブ14は、通常は中空である。
【0125】
フレームは、適宜の自転車グレードのアルミニウムから形成されるが、他の金属及び合金、炭素繊維などの他の適宜の素材から形成されていてもよい。
【0126】
図2及び
図3は
図1のフレーム10を示し、それはトップチューブ18、ヘッドチューブ20、2つのチェーンステイ22及び2つのシートステイを含む。チェーンステイ22及びシートステイ24は、当技術で公知のタイプのものであり、その先端において、周知の構成のラグによって接続され、それにより、後車軸、ホイール、ディレイラーギアなどのための装着点を与える。
【0127】
重要なこととして、フレーム10の第1の部分16は、開放チャネル51を画定する。用語「開放チャネル」とは、チャネル51が完全な環/周を画定せず(断面において閉じられた完全環状プロファイルを画定する)、従来の自転車フレームにおけるボトムブラケットシェルとは対照的なものでもあることを意味するものである。
【0128】
電動自転車のための周知の駆動アセンブリ又はボトムブラケットアセンブリは、通常は略筒形状であるので、略半円筒状の開放チャネル51(すなわち、断面において略半円の開放チャネル)は、略筒状の駆動アセンブリが開放チャネル51に対して、例えば、開放チャネルの非軸方向に容易に受容及び取外し可能とすると有利となる。このような構成は、完全に筒状であることが多くかつ駆動アセンブリの設置がボトムブラケットシェルの軸方向にしか可能とならない従来技術のボトムブラケットシェルとは対照的である。
【0129】
前述したような開放チャネルを有するフレームは、製造が容易でもあり、駆動アセンブリへの(例えば、保守目的のための)より容易なアクセスを可能とする。さらに、開放チャネル51は、使用時の駆動アセンブリの底部を横切る気流を可能とする。気流は、駆動アセンブリの冷却を可能とする。さらに、ダクト形成が駆動アセンブリの下面に適用されて当該駆動アセンブリ周囲の気流を促進してさらに空冷効果を高めてもよい。
【0130】
図4及び
図5から最もよく分かるように、第1の部分は本体26を有し、平面リップ25が本体26のそれぞれの終端エッジにおいて相互に対して平行に延在する。したがって、断面における開放チャネル51の内部曲率は半筒体を画定し、チャネル51の終端は半筒状を越えて接線方向に延在する(それにより、チャネルは、断面において切り落とされたU字形状プロファイルのものと言うことができる)。
【0131】
図1~
図5の図示される実施形態では、強化リブ30が、開放チャネル51の一端に設けられる。強化リブは、使用時に(例えば、ペダルの回転によって)フレーム上にかかる力に対してフレームの曲げを減少させるように作用し、それにより、フレームへのダメージを減少させて移動手段が故障することを防止する。
【0132】
例示的実施形態では、補強リブ30は、より詳細を以下に説明するように、第1の部分16の非駆動側端部に隣接して配置される。補強リブ30は、開放チャネル51の内面から離れる方向に延在するリップ又はフランジ構造物を有する。前述したようにリブ30を配置することは、移動手段100の使用時に蓄積し得る泥及びゴミからフレーム10の第1の部分16の内部を保護するように作用可能であり、それにより、駆動アセンブリの部品のいずれの損傷も防止する。
【0133】
図4、
図5及び
図6を参照すると、フレーム10は、シートチューブ12、ダウンチューブ14の一方又は両方との連通を与えるように配置された少なくとも1つのアクセス開口41を含む。例示的実施形態では、アクセス開口41は、対応するチューブ12、14の中空内部への(開放チャネル51を介した中空内部へのアクセスのための)直接の連通を与えるように、フレーム10の第1の部分16に設けられる。
【0134】
フレーム10は、開放チャネル51に隣接して設けられた機械的固定点又は取付け部材28をさらに含む。機械的固定点28は、駆動アセンブリ32を開放チャネル51内に解放可能に固定するため、かつ駆動アセンブリ32を開放チャネル51から容易に取外し可能とするために用いられる。
【0135】
例示的実施形態では、第1及び第2の固定点28が設けられ、一方は断面視で開放チャネル51の片側に設けられる。図示する実施形態では、2つの機械的固定点28が設けられ、各々は断面視で開放チャネル51のそれぞれの先端又は終端に隣接して配置される。
【0136】
図1~
図6の実施形態では、機械的固定点28は、平面リップ25の終端に隣接して取り付けられる。
【0137】
ここで、フレームに対する駆動アセンブリの動作を、
図7~
図10を参照して説明する。ただし、まず駆動アセンブリ32の更なる詳細を説明する。
【0138】
図から分かるように、駆動アセンブリ32は、第1の部分16の内部に相補的な略筒形状を有する。すなわち、駆動アセンブリ32は、略筒状本体34を画定する。
【0139】
ペダルクランク車軸36は、本体34内に配置され、駆動アセンブリ32の両端から突出する。駆動側クランク38及び非駆動側クランク40は、ペダルクランク車軸36のそれぞれの端部において解放可能に取り付けられる。
【0140】
駆動アセンブリ32は、開放チャネル51内に配置されると長手動作軸Aを画定する。
【0141】
図9及び
図10において最も明確に分かるように、保護カバー58が、本体34の各軸方向端部上に配置される。カバー58は、移動手段の動作時に泥又はゴミがチャネル51に進入するのを防止するように、保護バリア又は「シールド」として動作するように作用し、それにより移動手段の内部部品のいずれの損傷も防止し得る。
【0142】
代替又は追加の実施形態(不図示)では、駆動アセンブリ32は、駆動アセンブリ32の第1の領域における第1の直径及び駆動アセンブリ32の第2の領域における第2の直径を画定し得る。第2の直径は第1の直径よりも大きく、それにより、第1の領域がチャネル51内に位置し、第2の領域が径方向にフレーム10の第1の部分16を越えて延在する。このような構成は、第2の領域が駆動アセンブリ32の非駆動側に配置されると、すなわち、チェーンリング44に隣接せずに、これは内部部品の損傷を防止するので特に有利である。
【0143】
一部の実施形態では、1以上の駆動アセンブリのゴム製ブッシング(不図示)が駆動アセンブリ32の周囲に、したがって、本体34とボトムブラケットシェル(第1の部分)16の内面との間に嵌合されてもよい。これらのブッシングは、振動伝搬、ノイズ減衰、熱伝導などを軽減する。
【0144】
図示する実施形態では、冷却フィン35が、本体34に対して、例えば、本体34の意図する下面の周囲及び本体34のいずれかの軸端部におけるカバー58を横切って設けられる。
【0145】
移動手段100は電動自転車であるので、駆動アセンブリ32は電動である。移動手段100は、駆動アセンブリ32に給電するためのバッテリ52を含む。例示的実施形態では、バッテリ52は、シートチューブ12及びダウンチューブ14の一方のコンパートメント又は中空内部内に配置される。種々の他の部品、例えば、ケーブル、コントローラ、他の制御手段(不図示)などが、チューブの中空内部内に位置してもよい。
【0146】
例示的実施形態では、バッテリ52は、シートチューブ12又はダウンチューブ14の長さに沿って延在するように構成された長細い本体を有する。
【0147】
バッテリはシートチューブ12又はダウンチューブ14内に固定されてもよいし、任意の適宜の手段によって駆動アセンブリ32と給電通信状態で維持されてもよいことが理解されるべきである。
【0148】
例示的実施形態では、バッテリ52は、シートチューブ12又はダウンチューブ14の上端において安定化される。バッテリ52は、ガスケット、例えば、ゴムガスケット又は他の同様の制振材によって安定化され得る。
【0149】
一部の実施形態では、バッテリ52は、例えば、M10固定を用いてシートチューブ12又はダウンチューブ14の下端に解放可能に固定される。
【0150】
図示する実施形態では、バッテリ52は、バッテリ52が開口41を通じて駆動アセンブリ32と連通可能となるように、第1の部分16においてアクセス開口41を介して給電する。
【0151】
図示する実施形態では、バッテリ52はダウンチューブ14内に設けられ、アクセス開口41はダウンチューブ14の中空内部との直接の連通を与えるように配置される。バッテリ52は他のいずれかの箇所に配置されてもよく、1本以上のチューブ内に設けられた複数のバッテリがあってもよいことが理解されるべきである。複数のアクセス開口が、他のチューブの中空内部との連通を与えるように設けられてもよい。
【0152】
例示的実施形態では、当該又は各バッテリは、少なくとも1本のケーブルを介して駆動アセンブリ32に接続される。
【0153】
前述したように、そして
図8及び
図10において明確に分かるように、駆動アセンブリ32は、開放チャネル51から解放可能である。
【0154】
フレーム10は、駆動アセンブリ32が開放チャネル51から解放されると、バッテリ52が第1の部分16において開口41を介してシートチューブ12又はダウンチューブ14内の往復運動軸Bに沿って取外し可能となるように構成される。
【0155】
バッテリ52は、駆動アセンブリ32が動作位置から(すなわち、
図7及び
図9の位置から
図8及び
図10の位置に)解放されると、フレーム10から開放チャネル51を通じて取外し可能となる。このような構成は、バッテリ52がアクセス困難なことが多くかつフレーム10のチューブ内の壁部を通じるアクセス点を必要とする従来技術とは対照的である。
【0156】
開放チャネル51及びアクセス開口41の組合せは、チューブ12、14内の任意の部品への容易なアクセスを与える。
【0157】
例えば、
図8に示すような例示的実施形態では、バッテリ52の往復運動軸Bは、駆動アセンブリ32の意図する動作軸Aと交差する。
【0158】
例示的実施形態では、バッテリ52は、断面視で開放チャネル51の最大幅よりも大きな長さを有する長細い本体を有する。
【0159】
例示的実施形態では、フレーム10は、バッテリ52がフレーム10に接触することなく開放チャネル51から取外し可能となるように構成される。このような構成は、バッテリ52とフレーム10の間の衝撃によってバッテリ52又はフレーム10を損傷する危険なくチューブのうちの1本の内部からフルサイズのバッテリ52の容易な取外しを促進する。
【0160】
駆動アセンブリ32は、フレーム10上のそれぞれの機械的固定点28との協働のための少なくとも1つのラグ46、47を含む。図示する実施形態は、4個のラグを含むが、駆動アセンブリ32をフレーム10に固定するのに任意の適宜の数のラグが使用され得ることが理解されるべきである。
【0161】
ラグ46、47は、駆動アセンブリ32の外部に設けられる。2つの駆動側ラグ46が、駆動アセンブリ32の駆動側軸方向端部に設けられる。2つの非駆動側ラグ47が、駆動アセンブリ32の非駆動側軸方向端部に設けられる。駆動アセンブリのラグ46、47は、フレーム10上のそれぞれの固定点28のものに対応することが意図された位置に、駆動アセンブリ32の両側及びその両軸端部に設けられる。
【0162】
例示的実施形態では、駆動アセンブリのラグ46、47は、駆動アセンブリ32の概ね4時及び8時の位置、上死点から約110度及び250度に配置され、第1の部分16に概ね220度の有効周長を与える。
【0163】
フレーム10は、駆動アセンブリ32が、当該固定点28の一方に結合されるとともに他方から解放されると、動作位置、すなわち、嵌合位置(例えば、
図7及び
図9参照)から保守位置、すなわち、アクセス位置(例えば、
図8及び
図10参照)にチャネル外に、例えば、枢動動作によって可動となり又は揺動可能となるように構成される。動作位置は、移動手段100が使用可能となった場合又は使用時の駆動アセンブリ32の構成である。保守位置は、フレーム10の第1の部分16の内側が(例えば、バッテリの取外しのために)アクセス可能となるように駆動アセンブリ32が開放チャネル51から取り外された場合の構成である。
【0164】
その限りにおいて、フレーム10は駆動アセンブリ32をフレーム10に結合するための第1の機械的構成を含むということができる。第1の機械的構成は、駆動アセンブリ32が動作位置と保守位置の間で開放チャネル51の内外に移動可能となるように構成される。駆動アセンブリ32は第1の機械的構成によって、例えば、枢動動作によってフレーム10に結合された状態で、駆動アセンブリ32は2つの位置の間で移動することができる。
【0165】
有利なことに、第1の機械的構成は、駆動アセンブリ32が保守位置にある場合、すなわち、チャネル51から取り外された場合に駆動アセンブリ32がフレーム10に結合された状態を維持することを可能とする。このような構成では、駆動アセンブリ32をフレーム10から完全に切り離すことを必要とせずに駆動アセンブリ32がチャネル51から容易に取外し可能であるので、移動手段100又はフレーム10に対して保守が実行可能となる容易さが向上する。
【0166】
フレーム10と駆動アセンブリ32の間の枢動接続を利用することは、その動作位置と保守位置の間で駆動アセンブリ32を移動させる簡素な手段を与える。そのような構成によって、開放チャネル51へのアクセスの容易さがさらに増し、それにより、特定の保守作業が促進可能となる。
【0167】
例示的実施形態では、駆動アセンブリが第1の機械的構成に結合された状態で、フレーム10は動作位置において開放チャネル51に駆動アセンブリ32を解放可能に固定するための第2の機械的構成を含む。このような実施形態では、第1の機械的構成は開放チャネル51の一方側に設けられ、第2の機械的構成は開放チャネル51の反対側に第1の機械的構成と離間して設けられる。
【0168】
例示的実施形態では、第1及び第2の機械的構成は、断面視で開放チャネル51のそれぞれの先端又は終端に隣接して設けられる。
【0169】
2つの対向する機械的構成を用いることで、駆動アセンブリ32とフレーム10の間の結合の強度が向上し、望まれない離脱の危険が減少する。さらに、駆動アセンブリ32は、動作位置から保守位置に移動されている間、第1の機械的構成によってフレーム10に強固に結合された状態を維持することができる。
【0170】
図示する実施形態では、第1及び第2の機械的構成がフレーム上のそれぞれの取付け部材又は固定点28によって設けられることが理解される。固定点28は、装着部材又は締結具50を受容するための内部孔29を画定する。孔29は、駆動アセンブリ32の動作軸Aに平行に設けられる。
【0171】
取付け部材28の内部孔29内での装着部材又は締結具50の使用は、駆動アセンブリ32をフレーム10に結合する簡素かつ簡易な方法を提供する。
【0172】
図示されるような例示的実施形態では、駆動アセンブリ32上の各ラグ46、47は、鳩目48、49を有する。各鳩目は、フレーム10上のそれぞれの固定点28との配列のために配置及び構成される。装着部材又は締結具50は、駆動アセンブリ32をフレーム10に固定してそれぞれの孔29の長手軸周りの枢動性動作を可能とするように、それぞれの鳩目48、49及び固定点28を通じて延在し得る。
【0173】
図面は駆動アセンブリ32上の4個のラグを示すが、駆動アセンブリ32をフレーム10に固定するのに任意の適宜の数のラグが使用され得ることが理解されるべきである。
【0174】
例示的実施形態では、各装着部材又は締結具は、ボルト50である。ただし、任意の適宜の締結具が使用可能であることが理解されるべきである。
【0175】
ボルト(装着部材又は締結具)50は、フレーム10の第1の部分16においてラグ46、47を取付け部材28に締結するのに使用される。ボルト50の使用は、アセンブリ32を保守位置に移動させるようにフレーム10から駆動アセンブリ32を取り外す簡素な手段、及びユニットをフレームに再度取り付けて動作位置に戻す簡素な手段を与える。
【0176】
例示的実施形態では、非駆動側ラグ47の鳩目49が平滑表面孔を有し、駆動側ラグ46の鳩目48がネジ孔を有すると有利となり得る。
【0177】
ボルト50は、まず、取付け部材28内にゴム製及びスチール製ブッシュ31、33の中心を通じて非駆動側の駆動アセンブリラグ47の平滑表面孔開口(鳩目)49を通じて供給され、そして、駆動側の駆動アセンブリラグ46のネジ開口(鳩目)48のネジ部に係合し得る。このような構成によって、駆動アセンブリ32が第1の部分16内に装着される。
【0178】
例示的実施形態では、例えば、
図4及び
図5に示すように、内部ブッシュが、第1及び/又は第2の取付け部材28の内部孔29に配置される。ブッシュの使用は振動伝搬、ノイズ減衰及び熱伝導を軽減するように作用し、それによりフレーム10の損傷を防止し、結果としてフレーム10の寿命が延長するとともに保守の必要が減少する。
【0179】
2つの内部ブッシュの例示的実施形態は、
図11において理解可能である。ブッシュは、孔に受容するためのものであり、長細い管状本体を有する。ブッシュは、金属製、弾性材料又は他の任意の適宜の材料であり得る。図示する実施形態では、各ブッシュは、金属製ブッシュ33内に装着された弾性材料ブッシュ31を有する。
【0180】
図4及び
図5に最も明確に示すように、各孔29内に4個、合計8個のブッシュが設けられる。2個のゴム製ブッシュ31及び2個のスチール製ブッシュ33が、ゴム製ブッシュ31がスチール製ブッシュ33内に配置された状態で設けられる。図面におけるブッシュは、フランジ型又はトップハット型である。
【0181】
代替実施形態において、各孔29内に2個、合計4個のブッシュが設けられてもよい(不図示)。1つのゴム製ブッシュ31及び1つのスチール製ブッシュ33が、ゴム製ブッシュ31がスチール製ブッシュ33内に配置された状態で設けられる。任意の適宜の構成のブッシュ及び材料が使用され得ることが理解されるべきである。
【0182】
代替のブッシュが採用されてもよく、フランジ型又はトップハット型でなくてもよいことが理解される。例えば、化生ブッシュが採用されてもよい(不図示)。必要な孔1つあたり1つの化生ブッシュが存在しているだけでもよい。
【0183】
駆動アセンブリ32が第1の部分16内に装着され又はそこから取り外され得る態様は、自転車の駆動アセンブリ32及び/又は他の部品の単純な組立て、分解及び手入れを可能とする。さらに、バッテリ52は、駆動アセンブリ32をフレーム10から完全に切り離すことを必要とせずに(例えば、再充電又は交換のために)フレーム10から取外し可能である。
【0184】
図6、
図8及び
図10は、保守位置に枢動された駆動アセンブリ32を示す。図示する例では、チェーンステイ22に隣接するボルト50は、ダウンチューブ14に隣接配置された残余のボルト50周りに駆動アセンブリ32が枢動可能となるように取り外されている。
【0185】
フレーム10は、駆動アセンブリ32がいずれかのボルト50周りに枢動可能となるように構成され得ることが理解されるべきである。
【0186】
ブッシュ31、33、取付け部材28、ラグ46、47及びボルト50は、上記枢動を可能とする。ただし、駆動アセンブリが代替の手段によってフレーム10に枢動可能に接続されてもよいことが理解されるべきである。
【0187】
駆動アセンブリの枢動は、バッテリ52、駆動ユニット制御手段、ケーブル類(不図示)など、一方又は両方のチューブ12、14内に配置され得る部品の手入れ、嵌合及び/又は交換を可能とする。
【0188】
取付け部材28、ラグ46、47及びボルト50は、ヒンジ機構を形成するように組み合わされ、駆動アセンブリ32を動作位置と保守位置の間で枢動可能とする。ただし、ヒンジ機構は代替の手段によって設けられてもよいことが理解されるべきである。
【0189】
例えば、
図4~
図5において分かるように、第1の部分16内にラグ装着リブ37を設けると有利となり得る。ラグ装着リブ37は、チャネル51の内壁又は内面の一部に沿って取付け部材28まで突出する。任意数のラグ装着リブ37が設けられ得ることが理解されるべきである。使用時に、ラグ装着リブ37は、取付け部材28の内部の部分を形成し、部材28の長さに沿って補強装着点を与える。
【0190】
ラグ装着リブ37は、第1の部分16の内側壁に沿って突出する。ラグ装着リブ37の一部は、開口41の周囲に部分的に切り落とされていてもよい。装着リブ37は、第1の部分16の局部的増厚を与えて補強を与え、それは、駆動アセンブリ32が保守位置にありかつアセンブリ32の重量が取付け部材28のうちの1つに局所化されている場合に特に重要となる。またさらに、リブ37は、フレーム10への嵌合時に駆動アセンブリ32を最適位置への配置を補助するガイドとして作用し得る。
【0191】
少なくとも1つの取付け部材28を、駆動アセンブリ32の外面を補完するように構成しても有利となり得る。この構成は、動作位置と保守位置の間の移行時に取付け部材28が駆動アセンブリ32を妨害することを防止する。
【0192】
図4及び
図5から最も明確に分かるように、取付け部材28の1つのエッジ57は、湾曲凹部を有する。代替実施形態では、両取付け部材28が湾曲凹部を有していてもよく、又は部材28全体が駆動アセンブリの形状を補完するように構成されてもよい。
【0193】
このような構成は、動作位置と保守位置の間の移行時に駆動アセンブリ32の損傷を防止するように作用し得る。この構成は、駆動アセンブリ32を移行させることの容易さ、並びに結果としてチャネル内壁/内面及び/又は駆動アセンブリ32自体にアクセスすることの簡便さも向上し得る。またさらに、構成されたエッジ57も、損傷なく又はバッテリ52を曲げることを要さずにバッテリ52を取り出すことの容易さも向上するように作用し得る。
【0194】
ここで
図12を参照すると、移動手段100は、使用時に駆動側クランク38に隣接して装着されたチェーンスパイダ42及びチェーンリング44を含み、非駆動側クランク40はチェーンスパイダ42から離間して配置されることが分かる。電動モータ及びペダルクランク車軸36の双方が、チェーンスパイダ42及びチェーンリング44の動作を与える。完全に組み立てられた自転車のチェーン及び後輪に接続されると、両回転入力(すなわち、ペダルクランク及びモータ)の動力は、後輪62に動作を与えることになる。
【0195】
本開示の実施形態は、クランク車軸を有する駆動アセンブリを受容するための開放チャンバ又は凹面を有する移動手段のフレームとの関連で記載されることが理解される。開放チャネル又は凹面についての様々な断面プロファイルが記載されてきた。
【0196】
開放チャネルの内面は、通常は開放チャネル内に配置されることが意図された駆動アセンブリの外形に対して相補的となるように選択されることを認識することが重要である。
【0197】
電動自転車のための従来の駆動アセンブリは、通常は筒形状であるので、湾曲外面を有する。このような駆動アセンブリのために、開放チャネルは、駆動アセンブリの湾曲外面に対して相補的な曲率の弧を有する内面を有することになり、例えば、それにより、駆動アセンブリは開放チャネル内に入れ子状となり、あるいはそこに支持されて、開放チャネル内での望まれない移動又はガタつきに抗することができる。
【0198】
一方、駆動アセンブリが筒状でない場合、例えば、軸方向断面視で駆動アセンブリが多角形又は部分多角形外部プロファイル(例えば、正方形又は矩形)のものである場合、開放チャネルの内面は相補的な内部プロファイルのものとなり得る。
【0199】
駆動アセンブリの外部プロファイルは均一な輪郭のものでなくてもよく、例えば、駆動アセンブリの外部プロファイルは1以上の凸部及び/又は凹部(リブ又は溝などのような)を画定していてもよいことが分かるはずである。このように、開放チャネルは、相補的な内部輪郭によって構成され得る。例示として、
図6における駆動アセンブリ32は、略筒状外面上に多数の外部形成物を含む。
【0200】
駆動アセンブリの外形がどのようなものであっても、本発明の例示的実施形態について、開放チャネルの内部プロファイルは、チャネルの非軸方向における開放チャネルの内外への(例えば、枢動動作による)駆動アセンブリの障害のない移動を促進するように形成される。
【0201】
言い換えると、全ての例示的実施形態について、フレームの第1の部分又はボトムブラケットシェルは、相補的に構成された駆動アセンブリが駆動アセンブリの通常動作配向に対して非軸方向に受容可能な凹面又は開放チャンバを画定し得る。
【0202】
第1の部分16の内面は均一でなくてもよいことも理解されるべきである。例示として、
図6は、内面上の強化リブ30及び内面に沿って突出するラグ装着リブ37など、第1の部分16の内面上の多数の内部形成物を示す。
【0203】
そのため、駆動アセンブリ32の外面は、第1の部分16の内面上の形成物を補完するように配置され得る(例えば、強化リブ30及びラグ装着リブ37に相補的に形成され得る)。そして、駆動アセンブリ32及び第1の部分16の両方又は一方は、それが開放チャネル51内でその動作位置に移動しても、又は開放チャネル51からの駆動アセンブリ32の取外し時に、すなわち、開放チャネル51の長手軸に対して非軸方向の移動において、駆動アセンブリ32に対する障害とならないように構成され得る。
【0204】
説明してきたように、駆動アセンブリ32の一部分のみが開放チャネル51に受容される。第1の部分16は、開放チャネル51に受容されるように意図された駆動アセンブリ32の部分の外面に相補的となるように形成される内面59を有する。より具体的には、内面59は、非軸方向における開放チャネル51の内外への駆動アセンブリ32の当該部分の障害のない移動を促進するように形成される。
【0205】
一部の例では(例えば、駆動アセンブリ32が不均一な形状である例では)、内面59は、開放チャネル51内に受容されることが意図された駆動アセンブリ32の部分に対して相補的でありさえすればよい。そのような例では、駆動アセンブリ32の特定の部分は開放チャネル51内に受容されることが意図され、内面59は特定の部分に対して相補的となるように構成される。
【0206】
例示的実施形態では、第1の部分16の内面59は、断面視で開放チャネル51の先端部において第1及び第2の端部を画定する。第1の部分16は、開放チャネル51の内外への駆動アセンブリ32の障害のない移動を促進するように、内面59の端部間の幅が、開放チャネル51内に受容されることが意図された駆動アセンブリ32の部分の最大幅未満となるように構成される。
【0207】
上述したように、
図1~
図12の実施形態は、接線方向の延長部を有する半筒部分を画定する(すなわち、切り落とされたU字形状を画定する)内部プロファイルを有するので、断面において半筒よりも大きな内面59を有するボトムブラケットシェル16を有する。この実施形態では、断面視で機械的固定点28は、配列軸Cに沿って配列される。フレーム10は、配列軸Cが駆動アセンブリ32の動作軸Aから下向き方向に、すなわち、開放チャネル51の開放端の方向にオフセットされるように構成される。
【0208】
駆動アセンブリ32をフレーム10に結合する代替の方法が利用されてもよい。例えば、駆動アセンブリをクレードル(不図示)に、例えば、1以上の機械的固定具によって解放可能に固定することが望ましい場合がある。
【0209】
このような実施形態では、駆動アセンブリ32は、通常使用時に駆動アセンブリ32の下方で延在するクレードルによって開放チャネル51内に支持される。クレードルは、フレーム上の対向する固定点(例えば、断面視で凹面の片側の少なくとも1つの固定点)に解放可能に結合される。クレードルが開放チャネルから駆動して離れるにつれて駆動アセンブリ32が開放チャネル51外に移動するように、クレードルはフレーム10上に枢動可能に装着される。
【0210】
図13及び
図14は、他の実施形態に係るペダル駆動移動手段のための他のフレームを示す。ここでは本実施形態と前述した実施形態との相違のみを説明し、同様の符号を、先頭に「1」を付して用いる。
【0211】
第1の部分116の内部プロファイルは、略半筒断面のものである。特に、
図14において明確に分かるように、第1の部分116は、軸方向断面において半円の内面159を有する。内面159は、第1の端部160a及び第2の端部160bを有する。
図14では、第1の端部160a及び第2の端部160bは、半円の直径の終点である。
【0212】
図から分かるように、フレーム110は、断面視で機械的固定点128の配列軸Cが駆動アセンブリ132の動作軸Aと整列されるように(すなわち、そこからオフセットされずに)構成される。
【0213】
図15及び16は、他の実施形態に係るペダル駆動移動手段のための他のフレームを示す。ここでは本実施形態と前述した実施形態との相違のみを説明し、同様の符号を、先頭に「2」を付して用いる。
【0214】
第1の部分216は、断面において半円未満の内部プロファイルを有する。開放チャネルが断面において半円未満の内部プロファイルを有する場合、例えば、開放チャネルに対する駆動アセンブリの、より容易な設置及び取外しを可能とし得る。
【0215】
図16において最も明確に分かるように、第1の部分は、軸方向断面視で弧を画定する湾曲内面259を有する。その弧は、劣弧(すなわち、半円未満)である。
【0216】
ボトムブラケットシェル/開放チャネルの内部プロファイルが単一の曲率弧のみを有する例示的実施形態では、曲率弧は、中心軸に対して180度~130度の範囲で拡がっていてもよい。一部の実施形態では、曲率弧は、中心軸に対して180度~150度の範囲で拡がる。一部の実施形態では、曲率弧は、中心軸に対して180度~170度の範囲で拡がる。あるいは(
図14におけるように)、曲率弧は、中心軸に対して約180度に拡がる。
【0217】
例示的実施形態では、第1の部分16は、半筒状の本体26を有し得る。本体26は、概略として、同様にサイズ取りされた完全な筒体の形態の中心軸周りに90度~220度の範囲を占有する側面の半筒体の形態である。より具体的には、一部の実施形態では、角度は、上記の筒体の側壁の周囲の180度又は約50%である。一部の実施形態では、半筒状本体26は、80mm~120mmの概略範囲の直径を有し、具体的には、本実施形態において外径123mmを有する。
【0218】
図から分かるように、フレーム210は、断面視で機械的固定点228の配列軸Cが上向き方向に、すなわち、開放チャネル251の開放端から離れる方向に、駆動アセンブリ232の動作軸Aからオフセットされるように構成される。
【0219】
図17及び18は、他の実施形態に係るペダル駆動移動手段のための他のフレームを示す。ここでは本実施形態と前述した実施形態との相違のみを説明し、同様の符号を、先頭に「3」を付して用いる。
【0220】
第1の部分316は、断面において半円よりも概ね大きな(例えば、略U字形状の)内部プロファイルを有する。具体的には、第1の部分316は、第1のセグメント359a及び第2のセグメント359bを有する内面359を有する。第1のセグメント359aは、軸方向断面視で弧を画定する。その弧は、劣弧である。その弧は、開放チャネル351に受容されることが意図された駆動アセンブリの外面に対して相補的な曲率弧を有する。
【0221】
第2のセグメント359bは、第1のセグメント359aの一端又は両端から側方に延在する延長部/凸部を画定する。第2のセグメント359bは、曲線を画定するのではなく、直線である。第1のセグメント359aは、完全仮想円の弧を規定する。第2のセグメント359bは、第1のセグメント359aによって画定される仮想円と交差しない。このような構成は、第2のセグメント359bが設置済み駆動アセンブリ332に隣接する第1のセグメント359aの一端/両端において延在した状態で、湾曲外面を有する駆動アセンブリ332が第1のセグメント359a内に相補的に位置することを可能とする。
【0222】
図18の構成は、非軸方向において開放チャネル351の内外への駆動アセンブリ332の移動を阻害することなく、駆動アセンブリ332に追加の支持を与え得る。
【0223】
図から分かるように、フレーム310は、断面視で機械的固定点328の配列軸Cが下向き方向に、すなわち、開放チャネル351の開放端の方向に駆動アセンブリ332の動作軸Aからオフセットされるように構成される。
【0224】
図19は、フレーム10への装着のための駆動アセンブリ32の例示的実施形態についての模式図として提供される。図から分かるように、駆動アセンブリは、ペダルクランクシステム56を含む。ペダルクランクシステム56は、例示的実施形態におけるクランク車軸36を含む。駆動アセンブリ32は、電動モータ53を含む。駆動アセンブリ32は、伝動装置システム54を含む。駆動アセンブリ32は、モータ制御ユニット55を含む。駆動アセンブリは、本体34内に収容された上記部品の全てを含み得る。
【0225】
移動手段100が電動自転車などである例示的実施形態について、ペダルクランクシステム56は、ペダル駆動入力及びモータ駆動入力を可能とするように構成されたアセンブリである。ペダルクランクシステムは、ペダルクランク38、40及びクランク車軸36を含む。一部の実施形態では、ペダルクランク車軸36は、モータ53からの補助駆動入力を受けるように配置される。
【0226】
代替の実施形態では、モータ53は、本体34内に位置しなくてもよい。例えば、モータ53は、ダウンチューブ14、シートチューブ12又は移動手段100の他のいずれかの箇所内に位置し、自転車の後輪62への動作可能な駆動伝達のために配置され得る。一部の実施形態では、モータ53は、シートチューブ12又はダウンチューブ14内でバッテリ52の上部に位置決めされてもよい。
【0227】
例示的実施形態では、移動手段は、駆動アセンブリ32に(例えば、モータ53に)給電するためのバッテリ52を含むことが理解される。バッテリ52は、1以上のケーブル又は電気的接点によって駆動アセンブリ32に結合可能である。
【0228】
一方向ベアリングが、2つの回転動作源を相互から分離するのに駆動アセンブリ内で使用されてもよい。このような構成は、電動自転車の分野で、例えば、英国特許出願第1203211.6号、英国特許出願第1515082.4号及び英国特許出願第1716311.4号において周知である。したがって、このような構成をさらに詳細には記載しない。
【0229】
本開示の実施形態を、バッテリがシートチューブ又はダウンチューブ内に格納され、シートチューブ及び/又はダウンチューブがボトムブラケットシェルにおいて終端するボトムブラケットの開口を通じて取り外され得るように、シートチューブ及び/又はダウンチューブがボトムブラケットシェルで終端する自転車のボトムブラケットシェルの開放チャネルに関して記載してきた。ただし、本開示は、フレームがより複雑な又は従来的ではない(すなわち、ボトムブラケットシェルでは直接終端しないシートチューブ及び/又はダウンチューブを有する)形態のものである実施形態にも適用可能であることが理解される。この限りにおいて、本開示は、ペダル駆動移動手段のためのフレームを包含するように具体的に意図され、フレームは開放チャネルを画定する第1の部分を含み、フレームはクランク車軸を有する駆動アセンブリをフレームに解放可能に固定するための固定点を含み、それにより、駆動アセンブリが、駆動アセンブリの動作クランク軸を画定するように固定点によって開放チャネル内に固定可能となる。フレームはバッテリを受容するための1以上のコンパートメントを画定し得る。それにより、バッテリがコンパートメント内に配置された状態で、バッテリから駆動アセンブリへの動力の伝達のために(すなわち、クランク車軸を駆動するために)駆動アセンブリとの連通においてバッテリが配置可能となる。フレームは、バッテリが開放チャネルを介して、例えば、開放チャネルとコンパートメントの間の連通におけるフレーム内の1以上の開口を介してコンパートメントから取外し可能となるように構成され得る。ここに記載される他の実施形態のように、駆動アセンブリは、チャネルの非軸方向の移動において開放チャネル内外に移動可能となり得る。駆動アセンブリは、固定点の1つに結合される場合に開放チャネル内の動作位置から開放チャネル内の保守位置に移動され得る(例えば、枢動され得る)。このような移動は、チャネルの非軸方向であり得る。本開示の説明した実施形態の他の特徴が任意選択的に適用可能であることが理解される。
【0230】
本開示は、記載した実施形態のいずれかに係るフレームを有するペダル駆動移動手段を製造する方法も包含し得る。例えば、本開示は、ペダル駆動移動手段のためのフレームを製造する方法を提供する。その方法は、開放チャネルを画定する第1の部分と、クランク車軸を有する駆動アセンブリを開放チャネル内に解放可能に固定するための固定点とを有するフレームを作製することを含む。方法は、例えば、バッテリがコンパートメント内に配置された状態で、バッテリから駆動アセンブリへの動力の伝達のために(すなわち、クランク車軸を駆動するために)開放チャネル内に固定された駆動アセンブリとの連通においてバッテリが配置可能となるように、バッテリを受容するための1以上のコンパートメントを有するフレームを作製することを含み得る。方法は、バッテリが開放チャネルを介して、例えば、開放チャネルとコンパートメントの間の連通においてフレームの1以上の開口を介してコンパートメントから取外し可能となるように構成されたフレームを作製することを含み得る。方法は、クランク車軸を有する駆動アセンブリがチャネルの非軸方向の移動において開放チャネル内外に移動可能となり得るように構成されたフレームを作製することを含み得る。方法は、クランク車軸を有する駆動アセンブリが、例えば、チャネルの非軸方向の移動において、固定点の1つに結合された場合に、開放チャネル内の動作位置から開放チャネル内の保守位置に移動され得るように構成されたフレームを作製することを含み得る。
【0231】
全ての実施形態が自転車、例えば、二輪のペダル駆動移動手段に関して記載されてきたが、本開示はクランク車軸を有する他の形態のペダル駆動移動手段、例えば、三輪車などにも適用可能であることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部分、シートチューブ及びダウンチューブを有するフレームを備えるペダル駆動移動手段であって、前記シートチューブ及び前記ダウンチューブの各々は前記第1の部分で終端する端部を有し、
前記フレームの前記第1の部分は、開放チャネルを画定し、
クランク車軸
及び電動モータを有する駆動アセンブリが、該駆動アセンブリが長手動作軸を画定するように、前記開放チャネル内に解放可能に固定
可能とされ、
バッテリが、前記シートチューブ及び前記ダウンチューブの一方のコンパートメント又は中空内部内に配置され、
前記バッテリが前記コンパートメント又は中空内部にある場合に開口を通じて前記駆動アセンブリと連通可能となるように、前記バッテリは前記第1の部分の前記開口を介して前記駆動アセンブリ
の前記電動モータへの補助電力の伝達のために設けられ、
前記フレームは、前記駆動アセンブリが前記開放チャネルから解放されると、前記バッテリが前記第1の部分の前記開口を介して前記シートチューブ又はダウンチューブ内の往復運動軸に沿って前記コンパートメント又は中空内部から取外し可能となるように、構成され、
前記フレームは、前記駆動アセンブリを前記開放チャネル内に解放可能に固定するために前記開放チャネルに隣接する機械的固定点を含み、
前記移動手段は、前記駆動アセンブリが前記固定点の1つに結合されると前記チャネル外に移動可能となるように構成され
、
前記駆動アセンブリは、前記駆動アセンブリが枢動動作によって前記チャネル外に移動可能となる
ように、前記フレームに枢動可能に接続されるように構成されている、移動手段。
【請求項2】
前記開放チャネルが、前記チャネル及び/又は駆動アセンブリの非軸方向に前記駆動アセンブリを受容するために構成された、請求項1に記載の移動手段。
【請求項3】
前記フレームは、断面視で前記開放チャネルの相互に対向する側に
配置された第1及び第2の機械的固定点を含み、任意選択的に、前記第1及び第2の固定点は断面視で前記開放チャネルのそれぞれの
先端に隣接して設けられ、さらに任意選択的に、前記移動手段は、前記駆動アセンブリが前記固定点の1つに結合されると枢動動作によって動作位置から保守位置に前記チャネル外に揺動可能となるように構成されている、請求項1又は2に記載の移動手段。
【請求項4】
前記駆動アセンブリは
取付けラグを備え、前記駆動アセンブリを前記フレームに固定するために装着部材又は締結具がそれぞれの鳩目及び固定点を通じて延在可能となるように、各ラグは前記フレームのそれぞれの機械的固定点との整列のために配置及び構成された鳩目を有する、請求項
3に記載の移動手段。
【請求項5】
各固定点はボルトを受容するための内部孔を画定し、該孔は前記駆動アセンブリの前記動作軸に平行な方向に延在するボルト軸を画定する、請求項4に記載の移動手段。
【請求項6】
各鳩目が、前記機械的固定点のそれぞれ1つの前記孔との整列のために配置及び構成された、請求項5に記載の移動手段。
【請求項7】
前記移動手段は、前記駆動アセンブリを前記フレームに固定するための第1及び第2のボルトを、前記第1のボルトがそれぞれの孔及びそれぞれの鳩目を通じて延在するとともに前記第2のボルトが他方の孔及びそれぞれの鳩目を通じて延在するように、受容するために構成されている、請求項6に記載の移動手段。
【請求項8】
前記駆動アセンブリは、前記固定点の一方に結合された状態でかつ前記第1及び第2のボルトの一方の取外しによって前記第1及び第2の固定点の他方に対する結合から解放された状態で、前記駆動アセンブリがいずれかのボルト軸周りの枢動動作によって動作位置から保守位置に前記チャネル外に揺動可能となるように、前記フレームに枢動可能に接続されている、請求項7に記載の移動手段。
【請求項9】
前記移動手段は、前記駆動アセンブリが前記固定点のいずれかによって前記保守位置から前記動作位置に枢動されると前記駆動アセンブリが前記開放チャネル内に入れ子状となるように、前記開放チャネルが前記駆動アセンブリの外面に相補的な内面を有するように構成されている、請求項8に記載の移動手段。
【請求項10】
前記移動手段は、前記第1及び第2の機械的固定点が断面視で配列軸に沿って前記開放チャネルのそれぞれの先端に配列されるように構成され、前記駆動アセンブリが前記開放チャネル内に固定されると、前記駆動アセンブリの下面は、前記移動手段の使用時に前記下面を横切って空気が流れて前記駆動アセンブリの前記電動モータに冷却を与え得るように、前記第1の固定点と前記第2の固定点の間の気流に曝される、請求項3から9のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項11】
前記フレームは、前記駆動アセンブリが片側の固定点から前記開放チャネル外に枢動されると前記バッテリが前記フレームに接触することなく前記開放チャネルから取外し可能となるように構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項12】
前記駆動アセンブリを前記フレームに結合するための第1の機械的構成を含み、該第1の機械的構成は、前記駆動アセンブリが前記第1の機械的構成によって前記フレームに結合された状態で、前記駆動アセンブリを動作位置と保守位置の間で前記開放チャネル内外に移動可能とするように構成されている、請求項1から
11のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項13】
前記第1の機械的構成は、前記動作位置から前記保守位置への移行時に前記駆動アセンブリが前記開放チャネル外に枢動可能となるように、前記駆動アセンブリを前記フレームに枢動可能に結合するために構成されている、請求項
12に記載の移動手段。
【請求項14】
前記駆動アセンブリを動作位置において前記開放チャネル内に解放可能に固定する際の使用のための第2の機械的構成を含み、前記第1の機械的構成は前記開放チャネルの一方側に設けられ、前記第2の機械的構成は前記開放チャネルの反対側に前記第1の機械的構成と離間して設けられる、請求項
12又は13に記載の移動手段。
【請求項15】
前記第1の機械的構成は、装着部材又は締結具を受容するための内部孔を画定する第1の取付け部材を含み、任意選択的に、前記内部孔内に内部ブッシュが配置されるとともに前記装着部材又は締結具は前記内部ブッシュの前記孔内に延在し、任意選択的に、前記ブッシュは、金属製であり及び/若しくは弾性材料であり、並びに/又は金属製ブッシュ内に装着された弾性材料ブッシュを含む、請求項
12から14のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項16】
前記第1の部分は、前記駆動アセンブリの外面を補完するように構成された内面を備え、任意選択的に、該内面は凸部を含み、前記駆動アセンブリの前記外面は前記駆動アセンブリが前記開放チャネル内に解放可能に固定されると前記凸部が受容される凹部を含む、請求項1から
15のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項17】
前記第1の部分は、前記開放チャネルが中心軸に対して、約180度、又は180度~130度の範囲、任意選択的に180度~150度の範囲、任意選択的に180度~170度の範囲で延在する曲率の弧を有する軸方向断面を画定する湾曲内部プロファイルを有するように湾曲内面を備える、請求項1から
16のいずれか一項に記載の移動手段。
【請求項18】
ペダル駆動移動手段のための駆動アセンブリを設置する方法であって、
クランク車軸を有する駆動アセンブリを準備するステップと、
ペダル駆動移動手段のためのフレームを準備するステップであって、該フレームは開放チャネルを画定する第1の部分を含み、前記フレームは前記駆動アセンブリを該フレームに解放可能に固定するための固定点を含む、ステップと、
を備え、
前記駆動アセンブリが前記フレームに枢動可能に固定されるように前記駆動アセンブリを前記固定点によって前記開放チャネル内に固定する更なるステップを備え、前記駆動アセンブリは、前記固定点の1つに結合されると、前記チャネルの非軸方向の
枢動動作によって前記開放チャネル内外に移動可能となる、方法。
【国際調査報告】