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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】補剛装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/02 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
E04H9/02 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532764
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2021061048
(87)【国際公開番号】W WO2022113031
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】2018793.6
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2019273.8
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2102292.6
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2117075.8
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ベネット、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】サンダーランド、オリバー
【テーマコード(参考)】
2E139
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AC10
2E139AC12
2E139AD03
(57)【要約】
補剛装置(図1)。吊り下げアセンブリ(12)と共に使用するための補剛装置(10)が開示される。補剛装置(10)は、吊り下げアセンブリ(12)の第1の部分を受容するように構成された支柱構成(68)を備える。補剛装置(10)は、支柱構成(68)に対して横断方向に延在するホルダ(70)を更に含む。ホルダ(70)は、吊り下げアセンブリ(12)の第2の部分を受容するように構成されている。ホルダ(70)は、補剛装置(10)を吊り下げアセンブリ(12)に固定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げアセンブリと共に使用するための補剛装置であって、前記補剛装置は、前記吊り下げアセンブリの第1の部分を受容するように構成された支柱構成と、前記支柱構成に対して横断方向に延在するホルダと、を備え、前記ホルダは、前記吊り下げアセンブリの第2の部分を受容するように構成されており、前記ホルダは、前記補剛装置を前記吊り下げアセンブリに固定するためのものである、補剛装置。
【請求項2】
前記補剛装置は、主要部分を備え、前記主要部分は、前記支柱構成と、前記ホルダと、を備え、前記主要部分は、実質的にL字形であり、それによって、前記ホルダは、前記L字形を設けるために、前記支柱構成から一方向に延在する、請求項1に記載の補剛装置。
【請求項3】
前記支柱構成は、対向する縁部を有し、前記支柱構成の前記対向する縁部は、前記支柱構成の開放面を画定し、前記支柱構成の前記開放面は、前記吊り下げアセンブリの更なる部分が前記支柱構成内に受容されることを可能にし、前記支柱構成の前記開放面は、前記ホルダが前記支柱構成から延在する前記方向に面する、請求項2に記載の補剛装置。
【請求項4】
前記ホルダは、互いに平行に延在する一対の実質的に平坦な保持部材を備え、前記保持部材は、それらの間に前記ホルダの開放面を画定し、前記保持部材は、前記ホルダを前記吊り下げアセンブリに固定するために、固定要素をそこに通して受容するための穴を画定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項5】
前記保持部材は、それぞれの対向する縁部を有し、前記保持部材の前記対向する縁部は、前記ホルダの前記開放面を画定する、請求項4に記載の補剛装置。
【請求項6】
前記ホルダの前記開放面は、前記支柱構成の前記開放面に隣接して配置されており、前記ホルダの前記対向する縁部は、前記支柱構成の前記対向する縁部から延在する、請求項4又は5に記載の補剛装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記ホルダの更なる開放面をそれらの間に画定する、それぞれの更なる対向する縁部を有し、前記ホルダの前記更なる開放面は、前記ホルダの前記最初に述べられた開放面の反対側に配置されている、請求項4、5又は6のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項8】
前記ホルダは、前記吊り下げアセンブリに対して補剛装置を位置決めするための位置決め形成部を有し、前記位置決め形成部は、前記ホルダの前記更なる開放面を少なくとも部分的に横切って延在する、請求項7に記載の補剛装置。
【請求項9】
前記ホルダは、一対の前記位置決め形成部を有し、各位置決め形成部は、前記更なる対向する縁部のそれぞれ1つから延在する、請求項8に記載の補剛装置。
【請求項10】
前記支柱構成は、それぞれの開口部を画定する、対向する近位端及び遠位端を有して、前記吊り下げ物品が前記支柱構成における前記開口部を通って延在することを可能にし、前記ホルダは、前記支柱構成の前記近位端において設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項11】
前記第1及び第2のホルダは細長い、請求項1~10のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項12】
前記補剛装置をブレーシングアセンブリに接続するためのコネクタを含み、前記コネクタは、前記ブレーシングアセンブリの一部をそこに通して受容するためのアパーチャを画定する、請求項1~11のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項13】
前記コネクタは、前記ホルダが前記支柱構成から延在する前記方向とは反対の方向に延在する、請求項12に記載の補剛装置。
【請求項14】
前記支柱構成は、前記第2の保持部材から延在する細長い支柱部分を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項15】
前記支柱部分は、チャネル構成要素を備え、前記チャネル構成要素は、中央部材と、前記中央部材から延在する側方部材と、を備える、請求項14に記載の補剛装置。
【請求項16】
前記支柱構成は、前記支柱部分によって受容可能な細長い延長部材を備え、前記延長部材は、前記支柱部分に締結可能である、請求項14又は15に記載の補剛装置。
【請求項17】
前記延長部材は、開放面を有するチャネルを備え、前記延長部材は、実質的にU字形の端部輪郭を有する、請求項16に記載の補剛装置。
【請求項18】
前記延長部材は、前記延長部材の前記開放面を部分的に横切って延在する、対向する返し形成部を有し、前記延長部材の前記開放面は、前記吊り下げ物品が前記延長部材内に受容されることを可能にする、請求項17に記載の補剛装置。
【請求項19】
前記支柱構成に締結可能な細長い延長部材を更に含み、前記延長部材は、開放面を有するチャネルを備え、ここにおいて、前記延長部材が前記支柱構成によって受容されるとき、前記延長部材の前記開放面は、前記中央部材に面する、請求項15に記載の補剛装置。
【請求項20】
前記延長部材は、前記支柱構成に沿って長さ方向に前記支柱構成によって受容可能である、請求項16~19のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項21】
前記延長部材は、前記支柱構成から上方に延在し、前記延長部材の長さは、前記延長部材が前記支柱構成から屋根支持体まで延在するようなものである、請求項16~20のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項22】
妨害体が、前記延長部材に固定され、前記妨害体は、前記延長部材の前記開放面を横切って延在する、請求項16~21のいずれか一項に記載の補剛装置。
【請求項23】
前記妨害体は、第1及び第2の更なる締結具を備え、前記第1の更なる締結具は、前記チャネル内の前記返し形成部に係合するために、前記細長い延長部材の前記チャネル内に受容されている、請求項22に記載の補剛装置。
【請求項24】
係合部材が、前記延長部材の前記チャネルの前記開放面を横切って延在し、前記係合部材は、前記チャネルの外側で前記返し形成部に係合する、請求項23に記載の補剛装置。
【請求項25】
前記係合部材は、穴を画定し、前記第2の更なる締結具は、前記係合部材における前記穴を通って延在し、前記第2の更なる締結具は、前記第1の更なる締結具及び前記係合部材を前記返し形成部に対して固定するために、前記第1の更なる締結具に取着されている、請求項24に記載の補剛装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補剛装置に関する。限定はしないが、より詳細には、本発明は、頭上の支持体に取着された吊り下げ構成(suspension arrangements)を補剛するための補剛装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吊り下げられた支持体が、地震帯及び地震活動が多発しがちな他の地域に設置されるとき、それらを補強することが必要であり得る。ケーブル、ワイヤロープ、又は同様のものが、吊り下げられた支持体の両端部に取り付けられ、トラックをブレースする(brace)ために天井又は屋根に取着されている。このような補剛は、ねじ付きロッドの場合に有用である。
【0003】
しかしながら、支持体がケーブル、ワイヤロープ又は可撓性の細長い部材によって吊り下げられている場合、例えば、地震活動中のアップリフト(uplift)場合、圧縮荷重に耐える能力はほとんどなく、弱い。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によれば、支柱構成と、ホルダと、を備える補剛装置であって、ホルダは、支柱構成上に設けられており、ホルダは、支柱構成に対して横断方向に延在し、ここで、支柱構成は、吊り下げアセンブリの第1の部分を受容するように構成されており、ホルダは、吊り下げアセンブリの第2の部分を受容するように構成されている、補剛装置が提供される。
【0005】
本発明の別の態様によれば、吊り下げアセンブリと共に使用するための補剛装置であって、吊り下げアセンブリの第1の部分を受容するように構成された支柱構成と、支柱構成に対して横断方向に延在するホルダと、を備え、ホルダは、吊り下げアセンブリの第2の部分を受容するように構成されており、ホルダは、補剛装置を吊り下げアセンブリに固定するためのものである、補剛装置が提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、吊り下げアセンブリと共に使用されるべき補剛装置であって、吊り下げアセンブリの第1の部分を受容するように構成された支柱構成と、支柱構成に対して横断方向に延在するホルダと、を備え、ホルダは、吊り下げアセンブリの第2の部分を受容するように構成されており、ホルダは、補剛装置を吊り下げアセンブリに固定するように構成されている、補剛装置が提供される。
【0007】
ホルダは、支柱構成上に設けられ得る。支柱構成は、直立支柱構成であり得る。
【0008】
本発明の別の態様によれば、直立支柱構成と、ホルダと、を備える補剛装置であって、ホルダは、支柱構成上に設けられており、ホルダは、支柱構成に対して横断方向に延在し、ここで、ホルダは、補剛装置を吊り下げアセンブリに固定するための固定要素を備える、補剛装置が提供される。
【0009】
ホルダは、吊り下げアセンブリの一部を受容し得る。ホルダは、吊り下げアセンブリの一部を受容するように構成され得る。
【0010】
本発明の別の態様によれば、直立支柱構成と、ホルダと、を備える補剛装置であって、ホルダは、支柱構成上に設けられており、ここで、補剛装置は、ホルダ上に固定要素を更に含み、固定要素は、補剛装置を吊り下げアセンブリに固定するためのものである、補剛装置が提供される。
【0011】
ホルダは、吊り下げアセンブリの第2の部分を受容するように構成され得る。
【0012】
補剛装置は、主要部分を備え得る。主要部分は、支柱構成と、ホルダと、を備え得る。ホルダは、支柱構成に対して横断方向に延在し得る。
【0013】
ホルダは、支柱構成から一方向に延在し得る。ホルダは、支柱構成の前方に延在し得る。
【0014】
主要部分は、実質的にL字形であり得る。支柱構成及びホルダは、L字形を設けるために、互いに対して横断方向に延在し得る。支柱構成及びホルダは、互いに実質的に垂直に延在し得る。
【0015】
吊り下げアセンブリは、吊り下げ物品と、支持物品と、を備え得る。支持物品は、吊り下げ物品に取着され得る。
【0016】
ホルダは、支持物品を受容するように構成され得る。
【0017】
支持物品は、細長くあり得る。支持物品は、チャネル支持体を備え得る。吊り下げ物品は、屋根梁又は天井等の上部支持体から吊り下げられ得る。
【0018】
吊り下げ物品は、細長い部材を備え得る。吊り下げ物品は、実質的に平坦であり得る。吊り下げ物品は、ストラップであり得る。
【0019】
支柱構成は、吊り下げ物品を受容し得る。ホルダは、支持物品を保持し得る。
【0020】
支柱構成は、その中に吊り下げ物品を保持し得る。支柱構成は、開放面を有し得る。支柱構成の開放面は、吊り下げアセンブリの一部が支柱構成内に受容されることを可能にし得る。支柱構成の開放面は、吊り下げ物品が支柱構成内に受容されることを可能にし得る。
【0021】
支柱構成の開放面は、ホルダが支柱構成から延在する方向に面し得る。
【0022】
支柱構成は、対向する縁部を有し得る。支柱構成の対向する縁部は、支柱構成の開放面を画定し得る。
【0023】
本明細書に記載の実施形態では、支柱構成の開放面は、荷重(load)が支持物品上に配置された後に、補剛装置が吊り下げアセンブリ上に嵌合されることを可能にし得る。
【0024】
支柱構成は、対向する近位端及び遠位端を有し得、これらは、開口部を画定し得る。吊り下げ物品は、支柱構成における開口部を通って延在し得る。ホルダは、支柱構成の近位端において設けられ得る。
【0025】
支柱構成は、実質的にU字形の端部輪郭を有し得る。支柱構成は、実質的に正方形の端部輪郭を有し得る。
【0026】
支柱構成は、チャネル構成要素を備え得る。支柱構成は、中央部材を備え得、これは、実質的に平坦であり得る。支柱構成は、中央部材から延在する側方部材を含み得る。側方部材の各々は、実質的に平坦であり得る。
【0027】
各側方部材は、それぞれの自由縁部を有し得る。側方部材の自由縁部は、支柱構成の前述の対向する縁部であり得る。
【0028】
中央部材及び側方部材は、支柱構成に実質的にU字形の端部輪郭を設け得る。
【0029】
ホルダは、支持物品を受容するように構成され得る。
【0030】
ホルダは、細長くあり得る。ホルダは、一対の保持部材を備え得る。保持部材は、互いに平行に延在し得る。
【0031】
各保持部材は、ホルダのそれぞれの側に配置された側部材を備え得る。保持部材は、支柱構成に取着され得る。保持部材は、例えば、溶接によって、支柱構成に一体的に取着され得る。保持部材は、支柱の端部、例えば、支柱の下端部に一体的に取着され得る。
【0032】
各保持部材は、実質的に平坦であり得る。各保持部材は、保持板を備え得る。各保持部材は、実質的に矩形であり得る。
【0033】
保持部材は、支柱構成上に互いに対向して配置され得る。吊り下げアセンブリの第2の部分は、これら保持部材の間に受容され得る。
【0034】
これら保持部材は、それらの間にホルダの開放面を画定し得る。ホルダは、一対の対向する縁部を有し得る。
【0035】
ホルダの一対の縁部は、ホルダの前述の開放面を画定し得る。これら保持部材は、前述の一対の対向する縁部を有し得る。
【0036】
ホルダの開放面は、支柱構成の開放面に隣接して配置され得る。ホルダの一対の対向する縁部は、支柱構成の一対の対向する縁部から延在し得る。
【0037】
ホルダの開放面は、ホルダの上部開放面であり得る。
【0038】
これら保持部材は、それらの間にホルダの更なる開放面を画定し得る。ホルダの更なる開放面は、ホルダの前述の開放面に対向して配置され得る。
【0039】
ホルダの更なる開放面は、ホルダの下部開放面であり得る。
【0040】
ホルダは、一対の更なる対向する縁部を有し得る。一対の更なる対向する縁部は、ホルダの更なる開放面を画定し得る。
【0041】
ホルダは、吊り下げアセンブリに対して補剛装置を位置決めするための位置決め形成部(locating formation)を有し得る。位置決め形成部は、吊り下げアセンブリに対して主要部分を位置決めするように支持物品に係合し得る。
【0042】
位置決め形成部は、ホルダを横切って延在し得る。位置決め形成部は、ホルダの第2の開放面を少なくとも部分的に横切って延在し得る。
【0043】
ホルダは、一対の位置決め形成部を有し得る。各位置決め形成部は、更なる対向する縁部のそれぞれ1つから延在し得る。
【0044】
これら保持部材は、それらの間に吊り下げアセンブリの前述の部分を受容するように構成され得る。これら保持部材は、それらの間に支持物品を受容するように構成され得る。
【0045】
中央部材の下端部領域が、固定要素を設けるために、保持部材間に延在し得る。各保持部材は、実質的に平坦であり得る。
【0046】
下端部領域は、保持部材間に延在するように、中央部材の残りの部分から曲げられ得、それによって、固定要素を形成している。
【0047】
ホルダは、ホルダを吊り下げアセンブリに固定するための固定要素を更に含み得る。保持部材は、固定要素をそこに通して受容するための穴を画定し得る。
【0048】
固定要素は、ホルダを吊り下げアセンブリに固定するために、吊り下げアセンブリと協働し得る。固定要素は、ホルダを吊り下げアセンブリに固定するために、支持物品と協働し得る。
【0049】
固定要素は、ボルトを備え得る。ボルトが螺合され得る、ナットが設けられ得る。
【0050】
支柱構成は、主軸を有し得る。支柱構成は、細長くあり得る。支柱構成は、主軸に沿って、又は主軸に平行に、吊り下げ物品を受容し得る。
【0051】
支柱構成の開放面は、支柱構成の長さに延在し得る。支柱構成の開放面は、チャネル構成要素の長さに延在し得る。
【0052】
支柱構成は、細長い延長部材を含み得、これは、支柱部分に締結され得る。
【0053】
延長部材は、支柱部分によって受容され得る。延長部材は、実質的にU字形の端部輪郭を有し得る。延長部材は、チャネル外形(channel configuration)を有し得る。
【0054】
延長部材は、開放面を有し得る。延長部材は、延長部材の開放面を部分的に横切って延在する、対向する返し形成部(return formations)を有し得る。延長部材の開放面は、吊り下げ物品が延長部材内に受容されることを可能にし得る。
【0055】
延長部材が支柱構成によって受容されるとき、延長部材の開放面は、中央部材に面し得る。
【0056】
補剛装置は、延長部材を支柱構成に締結するための締結具を含み得る。補剛装置は、延長部材を支柱構成に締結するための第1及び第2の締結具を含み得る。第1の締結具は、チャネルナット等のナットを備え得る。第2の締結具は、ボルトを備え得る。第2の締結具は、返し形成部に対して第1の締結具を締め付け得る。
【0057】
支柱構成は、支柱構成に沿って長さ方向に延長部材を受容し得る。延長部材は、支柱構成内に受容され得る。
【0058】
延長部材は、延長部材の開放面が支柱構成の内方に面する位置で、支柱構成によって受容され得る。
【0059】
延長部材は、延長部材に沿って長さ方向に吊り下げ物品を受容し得る。従って、吊り下げ物品は、延長部材内の支柱構成によって保持される。
【0060】
延長部材は、支柱構成から上方に延在し得る。延長部材の長さは、延長部材が支柱構成から屋根支持体まで延在するようなものであり得る。
【0061】
固定要素は、ホルダを横切って延在し得る。固定要素は、保持部材間に延在し得る。
【0062】
固定要素は、支柱構成から延在し得る。固定要素は、支柱構成と一体であり得る。固定要素は、ホルダ上に固定要素を保定する(retain)ための保定形成部を有し得る。
【0063】
保持部材は、保定形成部と協働する、対応する形成部を有し得、それによって、ホルダ上に固定要素を保定する。
【0064】
固定要素は、穴を画定し得、それを通ってボルト等の締結具が延在して、チャネルナット等のナットと協働して、補剛構成を吊り下げられた支持物品に固定し得る。
【0065】
保定形成部及び対応する形成部は、保定ラグ及びアパーチャを備え得る。保定形成部は、固定要素上に保定ラグを備え得る。対応する形成部は、ホルダによって画定されるアパーチャであり得る。
【0066】
ホルダは、支柱構成に対して第1の方向に延在し得る。ホルダは、支柱構成に対して前方方向に延在し得る。
【0067】
補剛装置は、コネクタを備え得、コネクタは、主要部分上に設けられ得る。コネクタは、ホルダ上に設けられ得る。
【0068】
コネクタは、補剛装置をブレーシングアセンブリに接続し得る。コネクタは、少なくとも1つのタブを含み得る。一実施形態では、当該タブ又は各タブは、支柱構成上に設けられ得る。
【0069】
当該タブ又は各タブは、支柱構成に対して第2の方向に延在し得る。当該タブ又は各タブは、支柱構成に対して後方方向に延在し得る。
【0070】
コネクタは、ホルダ上に設けられ得る。当該タブ又は各タブは、ホルダから互いに向かって内方に延在し得る。当該タブ又は各タブは、固定要素が吊り下げアセンブリに固定されるとき、支持物品に係合し得る。
【0071】
当該タブ又は各タブが支持物品に係合するとき、支柱構成は、吊り下げ物品が支柱構成によって受容されるように位置付けられ得る。
【0072】
コネクタは、ブレーシングアセンブリが接続される突出部を含み得る。各突出部は、それぞれのタブ上に設けられ得る。
【0073】
コネクタは、ブレーシングアセンブリの少なくとも一部をそこに通して受容するためのアパーチャを画定し得る。突出部は、アパーチャを画定し得る。
【0074】
コネクタは、ホルダが支柱構成から延在する方向とは反対の方向に延在し得る。コネクタは、主要部分の後方に延在し得る。
【0075】
コネクタは、主要部分上に設けられ得る。コネクタは、主要部分に対して第2の方向に延在し得る。コネクタは、主要部分の後方に延在し得る。
【0076】
一実施形態では、コネクタは、支柱構成上に設けられ得る。コネクタは、支柱構成から斜めに延在し得る。コネクタは、中央部材に取着され得る。
【0077】
一実施形態では、コネクタは、ホルダ上に設けられ得、ホルダの保持部材と位置合わせされ得る。別の実施形態では、コネクタは、支柱構成上に設けられ得る。
【0078】
コネクタは、複数の上記突出部を備え得る。コネクタは、上記突出部のうちの2つを備え得る。コネクタは、アパーチャのうちの2つを画定し得る。各突出部は、それぞれのアパーチャを画定し得る。
【0079】
突出部は、タブから延在し得る。一実施形態では、突出部の各々は、それぞれの保持部材から延在する。
【0080】
代替として、コネクタは、突出部を有さず、保持部材から延在するタブのみを備え得る。この実施形態では、各タブが、アパーチャのそれぞれ1つを画定し得る。
【0081】
妨害体(obstructor)が、延長部材に固定され得る。妨害体は、延長部材の開放面を横切って延在し得る。
【0082】
妨害体は、第1及び第2の更なる締結具を備え得る。第1の更なる締結具は、細長い延長部材のチャネル内に受容され得る。第1の更なる締結具は、チャネル内の返し形成部に係合し得る。
【0083】
係合部材が、延長部材のチャネルの開放面を横切って延在し得る。係合部材は、チャネルの外側で返し形成部に係合し得る。係合部材は、座金であり得る。
【0084】
係合部材は、穴を画定し得る。第2の更なる締結具は、係合部材における穴を通って延在し得る。第2の更なる締結具は、第1の更なる締結具及び係合部材を返し形成部に対して固定するために、第1の更なる締結具に取着され得る。
【0085】
第1の更なる締結具は、チャネルナット等のナットであり得る。第2の更なる締結具は、ボルトであり得る。
【0086】
補剛装置は、細長い延長部材を更に含み得、これは、支柱構成に締結され得る。
【0087】
延長部材は、支柱構成によって受容され得る。延長部材は、実質的にU字形の端部輪郭を有し得る。延長部材は、チャネル外形を有し得る。
【0088】
延長部材は、開放面を有し得る。延長部材は、開放面を部分的に横切って延在する、対向する張り出し形成部(overhanging formations)を有し得る。開放面は、吊り下げ物品が延長部材内に受容されることを可能にし得る。
【0089】
補剛装置は、延長部材を支柱構成に締結するための締結具を含み得る。締結具は、少なくとも1つのボルトと、チャネルナット等の少なくとも1つのナットと、を備え得る。締結具は、張り出し形成部に対してナットを締め付け得る。
【0090】
支柱構成は、支柱構成に沿って長さ方向に延長部材を受容し得る。延長部材は、支柱構成内に受容され得る。
【0091】
延長部材は、延長部材の開放面が支柱構成の内方に面する位置で、支柱構成によって受容され得る。
【0092】
延長部材は、延長部材に沿って長さ方向に吊り下げ物品を受容し得る。従って、吊り下げ物品は、延長部材内の支柱構成によって保持される。
【0093】
延長部材は、支柱構成から上方に延在し得る。延長部材の長さは、延長部材が支柱構成から屋根支持体まで延在するようなものであり得る。
【0094】
ホルダは、補剛装置を吊り下げアセンブリに固定するための固定構成を構成し得る。
【0095】
補剛装置は、エンドキャップを含み得、これは、延長部材の上部に配置可能であり得る。エンドキャップは、インサートを備え得る。エンドキャップは、上部カバーを更に含み得る。インサートは、開放面を有し得る。
【0096】
カバーは、スロットを画定し得る。スロットは、開放端を有し得る。開放端は、吊り下げ物品がスロット内に受容されることを可能にするために、開放面と連通し得る。
【0097】
インサートは、延長部材の上端部内に受容され得、それによって、エンドキャップを延長部材に取り付ける。カバーは、カバーの縁部の周りに延在するフランジを有し得る。フランジは、インサートから張り出し(overhang)得る。フランジは、エンドキャップが延長部材に取り付けられたときに、延長部材の上縁部に係合し得る。
【0098】
示された実施形態では、エンドキャップは、延長部材の上端部に取り付けられ得、吊り下げ物品は、スロット内に保持され得る。これは、本明細書に記載される実施形態において、吊り下げ物品が延長部材内で中央にエンドキャップによって維持されるという利点を提供する。
【0099】
次に、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1図1は、補剛装置の第1の方向からの斜視図である。
図2図2は、補剛装置の第2の方向からの斜視図である。
図3図3は、補剛装置がそれと共に使用され得る吊り下げアセンブリを示す。
図4図4は、吊り下げアセンブリの斜視図であり、それに取り付けられている2つの補剛装置の主要部分を示している。
図5図5は、補剛装置が吊り下げアセンブリに取り付けられる更なるステップを示す斜視図である。
図6図6は、吊り下げアセンブリに取り付けられた補剛装置を示す斜視図である。
図7図7は、図6と同様の斜視図であり、ここで、補剛装置は、ブレーシングアセンブリに接続されている。
図8図8は、妨害体を示す、使用中の補剛装置の領域の拡大図である。
図9図9は、図8に示す補剛装置の領域の側面断面図である。
図10図10は、図8及び図9に示す補剛装置の領域の上面断面図である。
図11図11は、更なる補剛装置の第1の方向からの斜視図である。
図12図12は、図11に示す補剛装置の第2の方向からの斜視図である。
図13図13は、図11及び図12に示す補剛装置がそれと共に使用され得る吊り下げアセンブリの一方の端部領域を示す。
図14図14は、図13に示す吊り下げアセンブリにおいて使用するための挟持デバイスを示す。
図15図15は、吊り下げアセンブリに取り付けられた、図11及び図12に示す補剛装置の第1の方向からの斜視図である。
図16図16は、図11及び図12に示す補剛装置の第1の方向からの斜視図であり、ここで、細長い延長部材が図示されている。
図17図17は、図11及び図12に示す補剛装置の第2の方向からの斜視図であり、ここで、延長部材は、支柱部分に締結されている。
図18図18は、吊り下げアセンブリに取り付けられた、図11及び図12に示す補剛装置の側面断面図である。
図19図19は、図18においてXIXでマーク付けされた領域の拡大図である。
図20図20は、図18においてXXでマーク付けされた領域の拡大図である。
図21図21は、図18においてXXIでマーク付けされた領域の拡大図である。
図22図22は、図11及び図12に示す補剛装置がブレーシングアセンブリに接続されている拡大図である。
図23図23は、ブレーシングアセンブリに接続された更なる補剛装置の別のバージョンの斜視図である。
図24図24は、図23に示す補剛装置及びブレーシングアセンブリの分解図である。
図25図25は、図24においてXXVでマーク付けされた領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
図1及び図2は、図3に示す吊り下げアセンブリ12を補剛及びブレーシングする際に使用するための補剛装置10の主要部分64を示す。図4図7は、吊り下げアセンブリ12に取り付けられた2つの補剛装置10を示す。
【0102】
図3を参照すると、吊り下げアセンブリ12は、チャネル支持体の形態における細長い支持物品14を備える。複数の吊り下げアセンブリ12が、倉庫、工場、又は同様のもの等の建物の屋根又は天井に沿って連続して設けられている。吊り下げアセンブリ12は、ケーブルトレイ又はパイプ等の様々なアイテムを支持するために使用される。
【0103】
吊り下げアセンブリ12は、2つの細長い吊り下げ物品16を更に含み、それらの下端部は、支持物品14の両端部において、それぞれの係止デバイス内に係止されている。
【0104】
吊り下げ物品16の上端部17は、当該技術分野において既知の任意の好適な手段によって、天井又は屋根梁に取着されている。吊り下げ物品16は、ストラップ又は同様のものの形態である。
【0105】
細長い支持物品14は、上部平面部材18と、この平面部材18から延在する、対向する細長い側方平面部材20と、を有する。上部平面部材18は、支持物品14の各端部に隣接する貫通アパーチャ24を画定する。
【0106】
吊り下げ物品16は、アパーチャ24を通って延在する。係止機構22は、側方平面部材20の間で、支持物品14の各対向する端部において設けられている。係止機構22は、吊り下げ物品16を支持物品14に係止する。
【0107】
側方平面部材20の各々は、各側方平面部材20の長さに沿って次々に延在する複数のスロット28を画定する。
【0108】
GB2558759は、好適な吊り下げアセンブリの一例を開示している。吊り下げアセンブリの更なる例が、英国特許出願第2013103.3号に開示されている。
【0109】
図1及び図2を参照すると、主要部分64は、直立支柱構成68と、支柱構成68上のホルダ70と、を備える。支柱構成68は、吊り下げ物品16を受容する。
【0110】
支柱構成68及びホルダ70は、主要部分64が実質的にL字形であるように、互いに実質的に垂直に延在する。
【0111】
ホルダ70は、支持物品14を保持するために設けられている。ホルダ70は、支柱構成68上に設けられている。
【0112】
支柱構成68は、細長く、実質的に平坦な中央部材74と、自由縁部77を有する2つの対向する実質的に平坦な側方部材76と、を有する直立チャネル構成要素の形態である。
【0113】
側方部材76は、中央部材74から延在し、それらの自由縁部77は、支柱構成68の開放面79を画定する。
【0114】
中央部材74及び側方部材76は、支柱構成68に実質的にU字形の端部輪郭を設ける。支柱構成68は、対向する開放近位端78及び開放遠位端80を有する(図1及び図2参照)。
【0115】
ホルダ70は、細長くあり、支柱構成68の近位端78から延在し得る。ホルダ70は、支柱構成68から一方向に、即ち、前方方向に延在する。
【0116】
支柱構成68の開放面79は、ホルダ70が支柱構成68から延在する方向と同じ方向に面する。
【0117】
ホルダ70は、一対の対向する実質的に平坦な保持部材82を備える。図4図6に示すように、保持部材82は、それらの間に支持物品14を受容する。
【0118】
ホルダ70は、固定構成の形態であり、ボルトの形態における固定要素72を更に含む。保持部材82は、固定要素72によって、支持物品14に固定される。
【0119】
各保持部材82は、固定要素72のそれぞれ1つがそれを通って延在する穴83を画定する。各固定要素72はまた、支持物品14の側方平面部材20の各々におけるスロット28のそれぞれ1つを通って延在し、それぞれのナットに螺合され、それによって、保持部材82を支持物品14に固定している。
【0120】
補剛装置10は、主要部分64上の突出部90の形態におけるコネクタを更に含む。突出部は、主要部分64をブレーシングアセンブリ92に接続するために設けられている。突出部90は、支柱構成68の近位端78において中央部材74から延在する。
【0121】
突出部90は、支柱構成68から、ホルダ70が延在する方向とは反対方向に、即ち、支柱構成68から後方方向に延在する。
【0122】
突出部90は、アパーチャ94を画定する。図7に示すように、それぞれのブレーシングアセンブリ92の一部を形成するケーブル96が、突出部90におけるアパーチャ94を通って延在する。これは、ブレーシングアセンブリ92への主要部分64の接続をもたらす。
【0123】
図7に示されるブレーシングアセンブリ92の各々は、当業者であれば認識するであろう既知のブレーシングアセンブリ92である。
【0124】
図4を参照すると、各補剛装置10の主要部分64は、使用時に、支持物品14のそれぞれの対向する端部領域上に配置されている。示されるように、支持物品14は、ホルダ70の保持部材82の間に受容される。
【0125】
各補剛装置10の主要部分64は、各主要部分64が支持物品14に対して所望の位置になるまで、支持物品14に沿って移動され得る。上記所望の位置では、各保持部材82における穴83は、支持物品14におけるそれぞれのスロット28と位置合わせされる。
【0126】
次いで、固定要素72は、それぞれの穴83及びスロット28を通して挿入され、ナットに螺合され、それによって、支持物品14を主要部分64に固定し得る。
【0127】
各保持部材82は、上縁部84と、下縁部85と、を有する。上縁部84は、それらの間に上部開放面86を画定する。下縁部85は、それらの間に下部開放面87を画定する。
【0128】
上部開放面86は、支柱構成68の開放面79から延在する。位置決め部材88が、各下縁部85から反対側の下縁部85に向かって延在する。
【0129】
保持部材82が固定要素72によって支持物品14に固定されるとき、位置決め部材88は、側方平面部材20の下縁部に係合し、それによって、支柱構成68を支持物品14に対して垂直な位置に位置決めする。
【0130】
主要部分64がそのように配置されるとき、吊り下げ物品16は、支柱構成68によって受容され、支柱構成68に沿って延在する。吊り下げ物品16は、支柱構成68の開放近位端78及び開放遠位端80を通って延在する。
【0131】
図5図6、及び図7を参照すると、支柱構成68は、例えば、地震事象中に、吊り下げ物品16を変形から保護するための細長い延長部材100を更に含む。
【0132】
細長い延長部材100は、開放面102を有するチャネル103を画定する。対向する返し形成部104が、延長部材100の開放面102を部分的に横切って延在する。
【0133】
延長部材100は、延長部材100の開放面102が支柱構成68の中央部材74に面する向きで、支柱構成68内に受容される。従って、支柱構成68が延長部材100を受容するとき、吊り下げ物品16は、開放面102を通って延長部材100のチャネル103内へと受容される。
【0134】
延長部材100は、支柱構成68を天井又は屋根支持体まで延在させるために設けられており、その結果、吊り下げ物品16は、その長さ全体に沿って保護される。延長部材100は、支柱構成68から上方に延在する。
【0135】
延長部材100は、延長部材100が支柱構成68から延在して天井又は屋根支持体に当接するように、選択された長さに切断されている。従って、吊り下げ物品16は、その長さ全体に沿って延長部材100によって保護される。
【0136】
2つのチャネルナット(図示せず)の形態における第1の締結具が、延長部材100内に設けられている。支柱構成68の中央部材74は、2つのボルトの形態における第2の締結具108がそれを通って受容され得る2つの開口部106を画定し、それによって、以下に説明されるように、支柱構成68を延長部材100に締結している。
【0137】
2つの開口部106は、支柱構成68に沿って、例えば、1.5インチ(38mm)だけ、延長部材100の調節を提供するように位置付けられ、それによって、延長部材が選択された長さに不正確に切断されていることを考慮する(allowing for)。
【0138】
締結具108は、開口部106を通り、延長部材100の開放面102を通って延在する。締結具106は、チャネルナットに螺合されて、チャネルナットを延長部材100の返し形成部104に対して締め付け、それによって、延長部材100を支柱構成68に固定している。
【0139】
このようにして、補剛装置10が、吊り下げアセンブリ12に取り付けられている。この場合、ブレーシングアセンブリ92は、図7に示すように、ケーブル96を突出部90に通し、それぞれの挟持デバイス112を使用して、ケーブル96の端部を互いに固定することによって、各補剛装置10に接続され得る。ブレーシングアセンブリ90は、当該技術分野において既知の任意の手段によって、好適な取着部材114を使用して屋根梁又は天井に取着されている。
【0140】
このように、本明細書に記載の実施形態では、吊り下げアセンブリ12の設置中又は設置後のいずれにおいても、吊り下げアセンブリ12に容易に取り付けられ得るという利点を有する補剛装置10が説明されている。補剛装置10は、吊り下げアセンブリ12を地震活動から保護する。
【0141】
補剛装置10の上述の実施形態は、それがサービスレベルで設置され得るという利点を有し、これは、設置者がシステムを十分に補強するために、天井のより近くに移動する必要がないことを意味し、それによって、健康及び安全に関連付けられた困難を回避しながら、設置時間を低減する。
【0142】
開放面79は、補剛装置10が吊り下げアセンブリ12に後付けされること(retrofitted on)を可能にする。
【0143】
本明細書に記載の補剛装置10の実施形態は、全ての締結具が既に取着された状態で、単一ユニットとして提供され得る。これは、複数の別個の構成要素を備える先行技術の装置を設置することと比較して、作業時間を節約し、より単純である。
【0144】
更に、補剛装置10は、固定特徴を支持要素に締め付けるために使用される電動工具のための十分な空間を可能にする。
【0145】
補剛装置10は、吊り下げアセンブリ12等の製品、又は圧縮荷重に耐えることができない可能性がある装置を補剛する際に使用され得る。
【0146】
補剛装置10は、吊り下げアセンブリ12及び他の装置に必要な剛性(the required rigidity)を与える。補剛装置10は、吊り下げられた建築構成要素、例えば、パイピング、電気バスケット及びトレイ、並びに同様のものへの損傷を防止するのに役立つ。
【0147】
補剛装置10は、設置者が、地震問題が起こりやすい地域に建設された建物において建築構成要素を吊り下げるために、吊り下げアセンブリ12を使用することを可能にする。このような設置者は、補剛装置10が利用可能でなかった場合、ねじ付きロッドを使用するシステムを設置することに制約されることになる。補剛装置10は、ねじ付きロッドを使用するシステムよりも設置が迅速であり、従って、より経済的に実現可能である。
【0148】
図8図9及び図10には、妨害体110が細長い延長部材100に固定されている修正例が示されている。妨害体110は、開放面102を横切って延在する。
【0149】
妨害体110は、細長い延長部材100が地震事象中にその垂直位置から離れるように移動する場合に、吊り下げ物品16が開放面102を通り抜けることを防止する。従って、妨害体110は、細長い延長部材100をチャネル103内のその位置に維持する。
【0150】
妨害体110は、チャネルナット112の形態における第1の更なる締結具を備える(図9及び図10参照)。チャネルナット112は、細長い延長部材100のチャネル103内に受容される。
【0151】
チャネルナット112は、チャネル103内で返し形成部104に係合する。座金114が、開放面102を横切って延在し、チャネル103の外側で返し形成部104に係合する。図示の実施形態では、座金114は、正方形であるが、それは、任意の好適な形状であり得ることが理解されよう。
【0152】
ボルト116の形態における第2の更なる締結具が、座金114における穴を通って延在する。ボルト116は、チャネルナット112に螺合される。ボルト116は、返し形成部104に対してチャネルナット112及び座金114を締め付け、従って、妨害体110を細長い延長部材100にその開放面102を横切って固定する。
【0153】
図11及び図12は、吊り下げアセンブリ212を補剛及びブレーシングする際に使用するための補剛装置210を示す。吊り下げアセンブリ212の下端部領域が、図13に示されている。図15は、吊り下げアセンブリ212に取り付けられた補剛装置210を示す。
【0154】
図13を参照すると、吊り下げアセンブリ212は、チャネル支持体の形態における細長い支持物品214を備える。複数の吊り下げアセンブリ212が、倉庫、工場、又は同様のもの等の建物の屋根又は天井に沿って連続して設けられている。
【0155】
吊り下げアセンブリ212は、ケーブルトレイ又はパイプ等の様々なアイテムを支持するために使用される。
【0156】
吊り下げアセンブリ212は、2つの細長い吊り下げ物品216を更に含み、それらの下端部は、支持物品214の両端部において取着されたそれぞれの挟持デバイス218内に挟持されている。これら挟持デバイス218のうちの1つのみが、図13に示されている。
【0157】
吊り下げ物品216の上端部は、当該技術分野において既知の任意の好適な手段によって、天井又は屋根梁に取着されている。吊り下げ物品216は、ワイヤ、ケーブル、ワイヤロープ又は同様のものの形態である。
【0158】
細長い支持物品214は、上部開放面220と、開放面220を部分的に横切って延在する、対向する張り出し形成部222と、を有する。それぞれの取着板224が、支持物品214の各対向する端部において設けられており、開放面220を横切って延在する。アパーチャ226が、各取着板224において画定されている(図19参照)。
【0159】
図14は、挟持デバイス218のうちの1つを示す。GB 2560418 Aは、挟持デバイス218として使用され得る固定デバイスを開示する。
【0160】
挟持デバイス218は、本体228と、本体228から突出する締結部230と、を備える。GB 2560418 Aに開示された固定デバイスは、締結部230を除いて、挟持デバイス218の全ての特徴を有する。
【0161】
締結部230は、本体228の一端上の管の形態である。締結部230は、雄ねじ232を有し、端部ボア234を画定する。
【0162】
使用時、各挟持デバイス218の締結部230は、取着板224におけるそれぞれのアパーチャ226を通して挿入される。各挟持デバイス218の締結部230は、図18及び図19に示すように、支持物品214内のチャネルナット236に螺合される。
【0163】
チャネルナット236は、張り出し形成部222に対して締め付けられ、それによって、挟持デバイス218を支持物品214に取着させる。
【0164】
挟持デバイス218の本体228は、吊り下げ物品216をそこに通して受容するための単一の通路238を有する。本体228は、通路238を画定する、対向する内壁部分240を有する。壁部分240は、互いに向かって収束する。
【0165】
挟持デバイス218は、吊り下げ物品216を挟持するための挟持機構242を更に含む。挟持機構242は、楔の形態における2つの挟持部材244を備える。挟持機構242は、挟持部材244が担持されるキャリッジ246を更に備える。
【0166】
挟持部材244は、キャリッジ246上に互いに対向して配置されている。キャリッジ246は、挟持要素244が着座するプラットフォーム248を更に含む。
【0167】
プラットフォーム248は、吊り下げ物品216がそれを通って延在する穴250を画定する。吊り下げ物品216は、図14に破線で示されている。
【0168】
吊り下げ物品216は、通路238を通り、挟持部材244の間を通り、プラットフォーム248における穴250を通り、そして締結部230における端部ボア234を通って、延在する。
【0169】
挟持機構242は、付勢部材252と、本体228の一端における当接部254と、を更に含む。付勢部材252は、コイルばねの形態である。
【0170】
締結部230は、本体228の当接部254が設けられたのと同じ端部から突出する。
【0171】
付勢部材252は、キャリッジ246を通路238に沿って付勢するために、当接部254とプラットフォーム248との間に延在する。キャリッジ246は、付勢部材252によって、壁部240が内方に収束する方向に付勢されている。
【0172】
当接部254は、通路238と端部ボア234との間に連通ボア256を画定する。吊り下げ物品216は、連通ボア256を通って端部ボア234へと延在する。
【0173】
キャリッジ246がそのように付勢されるにつれて、挟持部材244は、収束壁部分240に沿って摺動し、解放位置から挟持位置まで互いに向かって移動する。
【0174】
解放位置では、挟持部材244は、吊り下げ物品216から係合解除される。挟持位置では、挟持部材244は、吊り下げ物品216に係合し、それによって、吊り下げ物品216は、挟持部材244の間に挟持される。
【0175】
挟持デバイス218は、挟持部材244を解放位置に移動させるための解放構成258を含む。
【0176】
解放構成258は、キャリッジ246上の延長部材260と、延長部材260上に螺合される押圧可能部材262と、を備える。延長部材260は、キャリッジ246から本体228の上端部を通って延在する。
【0177】
ユーザは、解放構成258を本体228内に押し込み、それによって、キャリッジ246を当接部254に向かって押し進め得る。これは、挟持部材244を通路238の狭い領域から通路238の広い領域に移動させ、それによって、挟持部材244を挟持位置から解放位置に移動させる。
【0178】
図11及び図12を参照すると、補剛装置210は、主要部分264を備える。主要部分264は、直立支柱構成268と、支柱構成268上のホルダ270と、を備える。
【0179】
支柱構成268及びホルダ270は、主要部分264が実質的にL字形であるように、互いに実質的に垂直に延在する。
【0180】
ホルダ270は、主要部分264を支持物品214に固定するための固定要素272を備える。ホルダ270は、第1の方向に、即ち、支柱構成268に対して前方方向に延在する。
【0181】
支柱構成268は、細長く、実質的に平坦な中央部材274と、2つの実質的に平坦な側方部材276と、を有する直立チャネル構成要素の形態である。側方部材276は、中央部材274から延在する。
【0182】
中央部材274及び側方部材276は、支柱構成268に実質的にU字形の端部輪郭を設ける。支柱構成268は、対向する開放近位端278及び開放遠位端280を有する。
【0183】
ホルダ270は、細長く、一対の対向する実質的に平坦な保持部材282を備える。図16図18に示すように、保持部材282は、それらの間に支持物品214を受容する。
【0184】
中央部材274の下端部領域が、外方に曲げられて、保持部材282の間に延在し、固定要素272を設けている。
【0185】
固定要素272は、主要部分264を、吊り下げアセンブリ212の支持物品214に固定する。固定要素272は、ボルト284がそれを通って延在するアパーチャ273を画定する。
【0186】
固定要素272は、固定要素272を保持部材282上に保定するために、保定ラグの形態における2つの対向する保定形成部286を有する。保持部材282は、保定形成部286を受容するための対応するアパーチャ288を画定し、それによって、固定要素272をホルダ270に保定する。
【0187】
補剛装置210は、主要部分264をブレーシングアセンブリ292に接続するためのコネクタ287を有する。コネクタは、一対のタブ289を備える。タブ289は、ホルダ270から、第1の方向とは反対の第2の方向に、即ち、支柱構成268に対して後方方向に延在する。タブ289は、ホルダ270から互いに向かって内方に延在する。
【0188】
コネクタ287は、タブ289の各々上にそれぞれの突出部290を更に含む。突出部290は、主要部分264をブレーシングアセンブリ292に接続するために設けられている。突出部290は、タブ289から後方方向に延在する。
【0189】
各突出部290は、アパーチャ294を画定する。図22に示すように、ブレーシングアセンブリ292の一部を形成するケーブル296が、突出部290におけるアパーチャ294を通って延在して、ブレーシングアセンブリ292への主要部分264の接続をもたらす。
【0190】
図22に示されるブレーシングアセンブリ292は、当業者であれば認識するであろう既知のブレーシングアセンブリ292である。ブレーシングアセンブリ292の上端部領域(図22には図示せず)が、吊り下げアセンブリ212が固定される屋根又は天井等の上部支持体に固定されている。
【0191】
図15を参照すると、主要部分264は、支持物品214がホルダ270の保持部材282の間に受容されるように、使用時に吊り下げアセンブリ212上に配置されている。そのように配置されるとき、吊り下げ物品216は、支柱構成268によって受容され、支柱構成268に沿って延在する。
【0192】
吊り下げ物品216は、支柱構成268の開放近位端278及び開放遠位端280を通って延在する。
【0193】
図15は、保持部材282が支持物品214のいずれの側にも配置され、それによって、それらの間に支持物品214を保持することを更に示す。固定要素272は、支持物品214の開放面220を横切って延在する。
【0194】
図18及び図21を参照すると、ボルト284は、固定要素272によって画定されたアパーチャ273を通って延在する。主要部分264は、タブ289が支持物品214の一端に向かって移動されるように、支持物品214に沿って移動される。
【0195】
チャネルナット298が、タブ289が支持物品214の端部に係合するとき、固定要素272を支持物品214に固定するために設けられている。
【0196】
チャネルナット298は、支持物品214内に設けられており、ボルト284がチャネルナット298に螺合されて、チャネルナット298を支持物品214の張り出し形成部222に対して締め付ける。これは、主要部分264を支持物品214に固定する。
【0197】
タブ289が支持物品214の端部に係合している状態で、主要部分264が支持物品214に固定されるとき、支柱構成268は、上述のように、吊り下げ物品216が支柱構成268によって受容されるように位置付けられる。
【0198】
図16図17図18及び図20を参照すると、補剛装置210は、吊り下げ物品216を保護するための細長い延長部材300を更に含む。細長い延長部材300は、開放面302と、延長部材300の開放面302を部分的に横切って延在する、対向する張り出し形成部304と、を有するチャネル外形を有する。
【0199】
延長部材300は、延長部材300の開放面302が中央部材274に向かって支柱構成268の内方に面する向きで、支柱構成268内に受容される。従って、吊り下げ物品216は、支柱構成268が延長部材300を受容するとき、開放面302を通じて延長部材300内へと受容される。
【0200】
延長部材300は、支柱構成268から上方に延在する。延長部材300の長さは、延長部材300が支柱構成268から延びて、屋根支持体に当接するように選択される。従って、吊り下げ物品216は、その長さ全体に沿って、延長部材300によって保護される。
【0201】
支柱構成268の中央部材274は、支柱構成268を延長部材300に締結するために、2つのボルトの形態における締結具308がそれを通って受容され得る2つの開口部306を画定する。2つのチャネルナット310が、延長部材300内に設けられている。
【0202】
締結具308は、開口部306を通って延在し、チャネルナット310に螺合されて、チャネルナット310を延長部材300の張り出し形成部304に対して締め付け、それによって、延長部材300を支柱構成268に固定する。
【0203】
このように、本明細書に記載の実施形態では、吊り下げアセンブリ212の設置中又は設置後のいずれにおいても、吊り下げアセンブリ212に容易に取り付けられ得るという利点を有する補剛装置210が説明されている。補剛装置210は、吊り下げアセンブリ212を地震活動から保護する。
【0204】
補剛装置210の上述の実施形態は、それがサービスレベルで設置され得るという利点を有し、これは、設置者がシステムを十分に補強するために、天井のより近くに移動する必要がないことを意味し、それによって、健康及び安全に関連付けられた困難を回避しながら、設置時間を低減する。
【0205】
加えて、本明細書に記載の補剛装置210の実施形態は、全ての締結具が既に取着された単一ユニットとして提供され得る。これは、複数の別個の構成要素を備える先行技術の装置を設置することと比較して、作業時間を節約し、より単純である。
【0206】
更に、補剛装置210は、固定特徴を支持要素に締め付けるために使用される電動工具のための十分な空間を可能にする。
【0207】
様々な修正が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。
【0208】
補剛装置210Aの更なる実施形態が、図23図25に示されている。補剛装置210Aは、補剛装置210と同じであり、補剛装置210と同じ特徴の多くを備える。これらの特徴は、図23図25において、図11図22における対応する特徴と同じ参照番号で示されている。
【0209】
補剛装置210Aは、コネクタ287が、タブ289のうちの2つを備えるコネクタ287Aによって置き換えられている点で、補剛装置210と異なる。コネクタ287Aは、突出部290を欠いている。代わりに、アパーチャ294の各々は、タブ289のそれぞれ1つに画定される。従って、ブレーシングアセンブリ292のケーブル296は、図23に示すように、主要部分264をブレーシングアセンブリ292に接続するために、タブ289を通って延在する。
【0210】
別の修正例では、補剛装置210Aは、延長部材300の上部に配置可能なエンドキャップ320を含む。エンドキャップ320は、図25に詳細に示されている。エンドキャップ320は、インサート322と、上部カバー324と、を備える。インサート322は、開口部327を画定する面326を有する。空間328が、開口部327から延在する。
【0211】
カバー324は、開放端332を有するスロット330を画定する。開放端330は、開口部327と連通し、スロットは、空間328と連通する。
【0212】
図25はまた、吊り下げ物品216の上端部上の締結具334を示す。締結具334は、締結具334が屋根又は天井に取着されることを可能にするねじ部を有する。
【0213】
エンドキャップ320は、図23図25に示された補剛装置210Aと共に使用されている状態で図示されている。エンドキャップ320は、図11図22に示された補剛装置210と共に使用され得ることが理解されよう。
【0214】
インサート322は、延長部材300の上端部内に受容され、それによって、エンドキャップ320を延長部材300に取り付ける。カバー324は、カバー324の縁部の周りに延在するフランジ336を有する。フランジ336はインサート322から張り出しており、エンドキャップ320が延長部材300に取り付けられたときに、延長部材300の上縁部に係合する。
【0215】
エンドキャップ320を延長部材300の上端部に取り付けるために、吊り下げ物品216は、面326及び開放端330を通って、スロット328内に受容される。そのように受容されると、エンドキャップ320は、エンドキャップ320が延長部材300の上端部に取り付けられるまで、吊り下げ物品216下方に摺動する。エンドキャップ320は、面326によって画定される開口部が延長部材300の開放面302から離れる方向を向くように位置付けられることが望ましい。
【0216】
エンドキャップ320が延長部材300の上端部に取り付けられると、吊り下げ物品216は、スロット328内に保持される。これは、吊り下げ物品が延長部材300内で中央にエンドキャップ320によって維持されるという利点を提供する。
図1
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【国際調査報告】