(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】自動車用充電装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20231219BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20231219BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
B60L53/16
H01R13/52 301H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533659
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 DE2021100959
(87)【国際公開番号】W WO2022117153
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】102020132024.8
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ゾンネンシャイン, ティム
(72)【発明者】
【氏名】デジェドヴィク, ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5H125
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC30
5E021FC32
5E021FC40
5E021HC11
5E087LL04
5E087LL12
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR13
5E087RR25
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF12
(57)【要約】
本発明は、ロックユニット(1)と充電プラグソケット(2)とを有する自動車用充電装置に関する。ロックユニット(1)は、ラッチ要素(5)を調整するためのモータ駆動装置を備え、ラッチ要素(5)は、充電プラグ(6)を充電プラグソケット(2)に着脱自在にロックするように構成されている。ロックユニット(1)と充電プラグソケット(2)とは、少なくとも2つの接続補助具(7,8)を介して着脱自在に接続されている。本発明によれば、2つの接続補助具(7,8)の各々は、ラッチ要素(7)と組み合うラッチ要素(8)とのそれぞれの組み合わせとして設計される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックユニット(1)と充電プラグソケット(2)とを有する、自動車用電気充電装置であって、
前記ロックユニット(1)は、ラッチ要素(5)を調整するためのモータ駆動装置を有し、さらに、前記ラッチ要素(5)は、充電プラグ(6)を前記充電プラグソケット(2)に対して解除可能にロックするために設けられ、前記ロックユニット(1)と前記充電プラグソケット(2)とは、少なくとも2つの接続補助具(7,8)を介して互いに着脱自在に接続されており、
前記2つの接続補助具(7,8)は、それぞれ、戻り止め要素(7)および組み合う戻り止め要素(8)として設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記戻り止め要素(7)は、前記充電プラグソケット(2)に配置され、前記組み合う戻り止め要素(8)は、前記ロックユニット(1)に配置されるか、または、前記組み合う戻り止め要素(8)が、前記充電プラグソケット(2)に配置され、前記戻り止め要素(7)が、、前記ロックユニット(1)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記戻り止め要素(7)および前記組み合う戻り止め要素(8)は、充電プラグソケットハウジング(4)およびロックユニットハウジング(3)の一体構成部品であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記戻り止め要素(7)は、戻り止めピン(7)として設計され、前記組み合う戻り止め要素(8)は、前記戻り止めピン(7)と相互作用する戻り止めバネ(8a)として設計されるか、または前記戻り止めバネ(8a)を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記戻り止めバネ(8a)は、前記戻り止めピン(7)用の戻り止めレセプタクル(8)の構成部品であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記戻り止めレセプタクル(8)および前記戻り止めピン(7)は、横断面が略長方形であることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記戻り止めレセプタクル(8)は、立方形戻り止めレセプタクル(8)として設計され、前記戻り止めピン(7)は、立方形戻り止めピン(7)として設計されることを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記戻り止めバネ(8a)は、前記立方形カップ状レセプタクル(8)の壁構成部品、特に外向きの壁構成部品を表すことを特徴とする、請求項4~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ラッチングバネ(8a)は、分解要素(10)を装備することを特徴とする、請求項4~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記分解要素(10)は、前記戻り止めバネ(8a)に接続された分解タブ(10)として設計されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ロックユニットと前記充電プラグソケットとの間に介在されるシールを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ロックユニットと充電プラグソケットとを有する自動車用電気充電装置に関するが、ロックユニットは、ラッチ要素を調整するためのモータ駆動装置を有し、さらに、ラッチ要素は、充電プラグソケット内の充電プラグを解除可能にロックするために設けられ、ロックユニットと充電プラグソケットは、少なくとも2つの接続補助具を介して互いに解除可能に接続されている。
【0002】
[0002]自動車用電気充電装置は、自動車内に置かれたアキュムレータに電力を供給するために使用される。これは、特に電気自動車またはハイブリッド自動車のアキュムレータに適用する。これは、通常、必要な電力を供給する充電ステーションを含む充電インフラに依存する。電力による充電プロセスのために、充電ステーション側の充電プラグは、一般に、自動車側の充電プラグソケットに結合され、解除可能な方法でロックされる。これは、ラッチ要素によって確保される。
【0003】
[0003]この時点では一般に高電圧が使用されるので、たとえば、健康障害を防止するために、ラッチ要素の助けによるロックが必要である。加えてに、ロックは、以前に識別され許可されたユーザのみが、充電ステーションによって提供される電力を合法的に引き出すことを保証し、誤用が防止される。このため、WO 2010/149426 A1に基本的に記載されているように、このような課金処理の前に、通常、オペレータの識別と識別信号の交換による認証チェックが行われる。
【0004】
[0004]DE 10 2011 050 783 A1による従来技術には、プラグに接続して充電プラグをロックするロック装置が記載されている。この目的のために、ロック装置は、充電プラグに解除可能に係合することができるロック用ラッチを装備している。ロック装置のハウジングは、2つのハウジング容器から構成され、これらのハウジング容器は、バネタブおよびこれらのハウジング容器と機械的に協働する楔形突出部からなるクリップ接続を介して互いに付けられている。
【0005】
[0005]DE 102015 10108 831 A1は、充電プラグのためのロックシステムを記載する。アダプタ要素に収容されたロック要素またはラッチ要素を実現する。伝達要素は、アダプタ要素とロック駆動装置との間に配置され、ロック駆動装置は、ロック駆動装置によって生成された移動力をロック要素に伝達する。アダプタ要素は、少なくとも2つの部分で設計され、ベース要素およびバヨネット接続を有する。すなわち、従来技術では、一方の充電プラグソケットと他方のロックユニットとは、通常、例えばネジ等により機械的に強固に接続されている。
【0006】
[0006]DE 102018 114 205 A1による一般的な従来技術において、ロックユニットまたはロックアクチュエータと関連する充電プラグソケットとの接合は、とりわけ、クレーム8に記載されている接合および/または接続補助具を介して行われる接続補助具は、一方でロックアクチュエータの関連するハウジングを結合し、他方で充電プラグソケットを結合するために使用される。接続補助具に関する更なる詳細は未解決のままである。
【0007】
[0007]原理的には、従来技術は、一方ではロックユニットまたはロックアクチュエータが、他方では充電プラグソケットに衝突することができるラッチ要素を備えたロックユニットまたはロックアクチュエータの自給式かつモジュール式の設計に関して証明されている。これにより、両方の要素またはユニットを、充電プラグソケットを収容する本体開口部の領域内に可変的に位置決めすることが可能となり、この領域内での全体的な組立が簡略化される。しかしながら、この場合には、DE 102018 114 205 A1に記載されている一般的な従来技術に従ったネジ結合またはせいぜい接続補助具が主に使用されるので、ネジ組立は、限定された設置条件のためにしばしば困難であるという問題がある。さらに、ネジ組立は、たとえば、ロックユニットまたはロックアクチュエータを修理または交換することを困難にする。本発明は全体としてこれを改善しようとするものである。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本発明は、組立が簡素化され、特にその後の改訂や個々の構成部品の交換さえも困難なく実施できるように、自動車用の、このような充電装置をさらに開発するという技術的問題に基づいている。
【0009】
[0009]この技術的問題を解決するために、本発明の範囲に含まれる自動車用の一般的な充電装置は、ロックユニットを充電プラグソケットに解除可能に結合するための2つの接続補助具が、それぞれ、戻り止め要素および組み合う戻り止め要素として設計されていることを特徴とする。
【0010】
[0010]したがって、従来技術とは対照的に、本発明は、一方ではロックユニットと、他方では充電プラグソケットとの間の永久的な結合には頼らないことが明らかである。むしろ、本発明によれば、ロックユニットおよび充電プラグソケットは、特に、戻り止め要素および組み合う戻り止め要素に頼ることによって、互いに解除可能に接続される。すなわち、解除可能な接続は、戻り止め機構である。このような戻り止め機構は、たとえば、ロックユニットを交換または修正するために、容易に再び解除することができる。さらに、本発明によれば、戻り止め要素と、組み合う戻り止め要素との間の戻り止め接続のみを行う必要があり、複雑なネジ接続を必要としないので、充電プラグソケット上のロックユニットの組立が簡素化される。さらに、本発明の範囲内では、戻り止め接続は、工具なしで、例えば組立作業者によって手動で行うことができる。最後に、必要とされないネジを別個に仕入れたり、送る必要はない。ここに主な利点がある。
【0011】
[0011]有利な実施形態によれば、戻り止め要素は充電プラグソケット上に配置され、組み合う戻り止め要素はロックユニット上に配置されるか、またはその逆である。すなわち、組み合う戻り止め要素が充電プラグソケット上に配置され、戻り止め要素がロックユニット上に実現されるように進めることも可能である。ほとんどの場合、幾つかの戻り止め要素/組み合う戻り止め要素が設けられて、ロックユニットの充電プラグソケットへの非傾斜および傾斜のない接続を提供する。ここで、一対の戻り止め要素および組み合う戻り止め要素は、典型的に良好であることが証明されている。
【0012】
[0012]戻り止め要素および組み合う戻り止め要素はそれぞれ、有利には、一方では充電プラグソケットハウジングの一体的な構成部品を表し、他方ではロックユニットハウジングを表す。問題のハウジングは、一般に、プラスチック射出成形プロセスで製造できるプラスチックハウジングであった。戻り止め要素および組み合う戻り止め要素はそれぞれ、問題のハウジングの一体的な構成部品として設計されるので、戻り止め要素および組み合う戻り止め要素の両方を問題のハウジングのプラスチック射出成形プロセスに一体化することができ、それらの製造および定義を特に費用効果的にする。
【0013】
[0013]さらに、本発明は、組み合う戻り止め要素が、戻り止めバネとして設計され、戻り止め要素が、戻り止めバネと相互作用する戻り止めピンとして設計可能であることを提案する。これにより、戻り止めバネを戻り止めピン用の戻り止めレセプタクルの構成部品とすることができる。すなわち、ロックユニットを充電プラグソケットに結合するために、戻り止めピンが戻り止めレセプタクルに挿入され、戻り止めピン内または上の戻り止めフックと共に戻り止めレセプタクルの構成部品として戻り止めバネが所望の戻り止め接続を確保する。原理的には、これを逆にすることもできる。この場合、戻り止めバネは戻り止めピンの構成部品であり、戻り止めフックは戻り止めレセプタクル内で実現される。いずれにしても、戻り止めバネおよび戻り止めフックの両方を、戻り止めレセプタクルおよび戻り止めピンとともに、一方では、充電プラグソケットハウジングの全体的な一体構成部品として、他方では、ラッチングユニットハウジングの全体的な一体構成部品として、プラスチック射出成形の過程でハウジングのそれぞれの製造プロセスに一体化することができる。
【0014】
[0014]さらなる有利な実施形態によれば、戻り止めレセプタクルおよび戻り止めピンは、横断面が実質的に長方形である。横断面における戻り止めレセプタクルおよび戻り止めピンの長方形かつ対応する設計は、一方では、両方の要素が傾斜することなく係合することを可能にし、他方では、ラッチングユニットと充電プラグソケットとの回転可能に固定され整列結合を確実にする。これに関連して、戻り止めレセプタクルは、通常、立方形カップ状レセプタクルとして設計され、すなわち、立方形カップを画定する。したがって、戻り止めピンは立方形の戻り止めピンである。一方の立方形カップ状レセプタクルおよび他方の立方形戻り止めピンは、所望の解除可能な戻り止め接続を形成することができるようにするために、サイズおよびそれぞれの輪郭および横断面設計に関して互いに適合される。
【0015】
[0015]戻り止めバネは、通常、先に述べた立方形カップ状レセプタクルの壁構成部品である。ほとんどの場合、立方形カップ状レセプタクルの壁構成部品は、外向き壁構成部品、つまり外側からアクセス可能な壁構成部品である。このような形状は、戻り止めバネが分解要素を備えている場合に有利に推奨される。分解要素の助けにより、戻り止めバネを戻り止めピンまたは戻り止めピン上に配置された戻り止めフックから取り外すことができ、ロックユニットと充電プラグソケットとの間の戻り止め接続を容易に取り外して解除することができる。
【0016】
[0016]この目的のために、分解要素は通常、戻り止めバネに接続された分解タブである。この分解タブは、ロックユニットと充電プラグソケットとの間の戻り止め接続を解除するために、組立作業者によって容易に手動で押すことができる。この目的のために、分解タブは一般に、たとえば、スクリュードライバー、ロッド、または他の一般的にアクセス可能または利用可能なツールを挿入することができる係合開口部を有する。すなわち、本発明によれば、ロックユニットと充電プラグソケットとの間の戻り止め接続を取り外すための特別な工具を必要としない。
【0017】
[0017]好ましい実施形態において、ロックユニットと充電プラグソケットとの間にシールが設けられている。このようなシールは通常、2つの機能を果たすゴムシールまたは弾性材シールである。第一に、シールは、ロックユニットと充電プラグソケットとの間のいかなる隙間も環境の影響から密封されることを確実にする。これは、ラッチ要素がこの領域内で前後に移動し、汚れまたは水分を浸透させることがラッチ要素の機能を妨げる可能性があるため、重要である。ラッチ要素は、典型的にはプラスチックで作られているので、これはなおさらである。
【0018】
[0018]第二に、ゴムシールは、設置状態において、たとえば、戻り止めバネと戻り止めフックとの間、または戻り止めレセプタクルと戻り止めフックとの間の遊びを補償するために、ロックユニットと充電プラグソケットとの間の解除可能な戻り止め接続を張力下に維持する。また、もちろん密封効果もある。
【0019】
[0019]その結果、製造技術、組立技術および騒音の点で従来よりも有利な自動車用充電装置を提供することができる。実際、ロックユニットと充電プラグソケットとの間の解除可能な戻り止め接続は、組立を非常に簡単にし、また分解および修正の可能性を開く。さらに、追加のネジ締めが必要とされないので、ネジを仕入れて組み立てる必要がない(もはや)ことを意味するので、組立および製造は従来技術と比較して単純化される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[0020]以下、例示的な実施形態を示す1つの図面のみを参照して、本発明をより詳細に説明する。
【
図1】
図1は、本発明に係る電気充電装置を概略的に示す。
【発明の詳細な説明】
【0021】
[0021]自動車用の充電装置が図に示されている。充電装置は実質的に2部品であり、ロックユニット1および充電プラグソケット2を持つ。ロックユニット1と充電プラグソケット2とは、互いに独立してモジュール化されて自立している。ロックユニット1および充電プラグソケット2は互いに接合されて動作し、互いに分離された位置で
図1に分解図で示されている。ロックユニット1と充電プラグソケット2との接合部は、
図1において二重矢印で示されている。ロックユニット1および充電プラグソケット2は、いずれもプラスチック製のハウジング3,4、具体的には、一方でロックユニットハウジング3、他方で充電プラグソケットハウジング4を有している。
【0022】
[0022]ロックユニット1は、内部に、ラッチ要素5を調整するための、モータ駆動装置(詳細は図示せず)を備えている。ラッチ要素5は、プラスチック製のロックピンであり、充電プラグソケット2に挿入された充電プラグ6を充電プラグソケット2に解除可能にロックすることができる。これは、一方ではロックユニット1が接合された状態、他方では充電プラグソケット2が接合された状態のいずれの場合にも当てはまる。それによって、ラッチ要素5のためのモータ駆動装置は、一般的に構成され、DE 102018 114 205 A1による一般的な従来技術に詳細に記載されているように動作することができる。
【0023】
[0023]ロックユニット1および充電プラグソケット2は、少なくとも2つの接続補助具7、8を介して互いに解除可能に接続される。本発明によれば、2つの接続補助具7,8は、それぞれ、戻り止め要素7および組み合う戻り止め要素8である。実際、例示的な実施形態によれば、この接続には、戻り止め要素7と、組み合う戻り止め要素8との対が設けられている。すなわち、2つの戻り止め要素7および2つの組み合う戻り止め要素8があり、それぞれ、それらの関連するハウジング4、3の縁部にある。これにより、組み合う戻り止め要素8は、戻り止めレセプタクル8として設計される。このようにして、一方のロックユニット1および他方の充電プラグソケット2は、解除可能な戻り止め接続によって互いに結合される。解除可能な戻り止め接続は、以下により詳細に説明するように、必要に応じて再び解除することができる。
【0024】
[0024]これにより、本実施形態では、戻り止め要素7が充電プラグソケット2に配置され、組み合う戻り止め要素8がロックユニット1に配置されるように設計されている。原理的には、これを逆にすることもできる。加えて、2つの戻り止め要素7の一方を充電プラグソケット2上に配置し、他方をロックユニット1上に配置するような混在形態も考えられる。同様のことが、組み合う戻り止め要素8にも当てはまる。
【0025】
[0025]戻り止め要素7及び組み合う戻り止め要素8は、それぞれ、一方では、上述した充電プラグソケットハウジング4との一体的な構成部品であり、他方では、ロックユニットハウジング3との一体的な構成部品である。実際、本実施形態によれば、戻り止め要素7は、充電プラグソケットハウジング4上に形成され、組み合う戻り止め要素8は、ロックユニットハウジング3上に形成される。すなわち、戻り止め要素7および組み合う戻り止め要素8を実現するために、動作は、それぞれの場合において、関連するハウジング3、4の製造のためのプラスチック射出成形動作に復帰することができる。
【0026】
[0026]本実施形態によれば、戻り止め要素7は、戻り止めピン7として設計されている。これに対して、組み合う戻り止め要素8または戻り止めレセプタクル8は、戻り止めバネ8aを有しており、これは、戻り止めピン7または戻り止めフック9と相互作用し、戻り止めフック9は、戻り止めピン7上に設けられ、単に示されている。しかしながら、原理的には、戻り止めバネ8aは、組み合う戻り止め要素8の構成部品として戻り止めフック9を備えることもでき、この場合、戻り止めピン7内の関連するフック凹部に係合する。いずれにしても、一方の戻り止め要素7または戻り止めピン7と他方の組み合う戻り止め要素8またはその戻り止めバネ8aとの間の戻り止め接続は、組み合う戻り止め要素8の構成部品としての戻り止めバネ8aを、特に、ラッチングユニット1および充電プラグソケット2が互いに接合される長手方向Lに比較して横断方向Qに、弾性的に旋回させることによって、取り外しおよび解除することができる。
【0027】
[0027]組み合う戻り止め要素8の構成部品としての戻り止めバネ8aの、当該横断方向Qへの可能な旋回運動は、
図2に基づいて最もよく理解することができる。
【0028】
[0028]一方の戻り止め要素または戻り止めピン7と、他方の組み合う戻り止め要素または戻り止めレセプタクル8とは、それぞれ横断面が実質的に長方形であることが分かる。実際、組み合う戻り止め要素または戻り止めレセプタクル8は、立方形カップ状レセプタクル8であり、一方、戻り止めピン7は、立方形戻り止めピン7として設計される。一方では、戻り止めレセプタクル8の、他方では、そこに解除可能に係合する戻り止めピン7のそれぞれの立方形の設計は、ロックユニット1と充電プラグソケット2との位置的に正確で傾斜のない接合を確実にする。加えて、この設計は、戻り止めバネ8aが、戻り止めレセプタクルまたは立方形カップ状レセプタクル8の壁構成部品であるような設計である。実際、戻り止めバネ8aは、立方形カップ状レセプタクル8の外向きに面する壁の壁構成部品として設計される。これにより、戻り止めバネ8aを容易に外側から作用させて横断方向Qに移動させることができ、上記の戻り止め接続を解除することができる。横断面における戻り止めピン7及び組み合う戻り止め要素8の実質的に長方形の立方形形状は、戻り止めピン7及び組み合う戻り止め要素8の好ましいが単に例示的な形状を表す。他の形状、例えば円形形状も可能である。
【0029】
[0029]これに関連して、戻り止めバネ8aは、分解要素10を備え、その形状は、特に
図2から理解することができる。例示的な実施形態において、分解要素10は、戻り止めバネ8aに接続された分解タブ10である。分解タブ10は、前後方向Lと左右方向Qとに跨る平面に対して垂直に延びる係合開口部10aを有している。
【0030】
[0030]その結果、ロックユニット1と充電プラグソケット2との間の戻り止め接続を解除するために、たとえば、スクリュードライバブレード11が、このような鉛直面の上方から分解タブ10の係合開口部10aに係合して、戻り止めバネ8aを直接旋回させることができる。
図2に示されるスクリュードライバブレード11の代わりに、もちろん、他の操作要素を使用して、分解タブ10に適切に衝突させることもできる。これに関連して特別な工具は必要とされない。
【0031】
[0031]この単純な分解は、立方形カップ状リセプタクル8の形態の組み合う戻り止め要素または戻り止めリセプタクル8が、分解タブ10を担持する、外向きに面した壁構成部品と共に、ロックユニットハウジング3のそれぞれの側壁3a、3bを越えて突出するという事実によってさらに促進される。これにより、分解タブ10は、戻り止めバネ8a上に形成され、これらは、戻り止めレセプタクルまたは組み合う戻り止め要素8と共に、プラスチック製のロックユニットハウジング3の一体的構成部品を形成する。
【0032】
[0032]加えて、ロックユニット1と充電プラグソケット2との間に介在するシール12も実現される。例示的な実施形態において、シール12はゴムシールまたは弾性材シールである。それらの助けにより、戻り止め要素7と組み合う戻り止め要素8との間の組み合う公差は、それぞれの場合に補償することができる。さらに、シール12は、ロックユニットハウジング3と充電プラグソケットハウジング4との間の隙間が閉じられることを確実にする。同時に、シール12の助けを借りて、ロックユニット1は充電プラグソケット2から音響的に分離され、充電プラグソケット2は一般に自動車本体(図示せず)にしっかりと接続される。
【0033】
[0033]最後に、図から分かるように、2つの戻り止め要素7は、関連する組み合う戻り止め要素8とともに、ラッチ要素5も配置されている共通の主として水平な面に実質的に跨がっている。この平面は、長手方向Lおよび横断方向Qによって及ぶ平面に平行である。換言すれば、ラッチ要素5は、2つの組み合う戻り止め要素8の間の接続線上に実質的に位置し、その結果、2つの戻り止め要素7は、ラッチングユニット1と充電プラグソケット2との間で接合された状態となる。その結果、充電プラグ6が充電プラグソケット2に解除可能にロックされたときに、ラッチ要素5に作用するいかなるトルクも、戻り止め要素7または組み合う戻り止め要素8によって直接吸収および支持される。
【0034】
【符合の説明】
【0035】
ロックユニット 1,
充電プラグソケット 2,
ロックユニットハウジング 3,
ハウジング 3,4、
ラッチ要素 5,
充電プラグ 6,
戻り止め要素 7,
戻り止めピン 7,
立方形戻り止めピン 7,
接続補助具 7,8,
組み合う戻り止め要素 8,
戻り止めレセプタクル 8,
立方形カップ状レセプタクル 8,
戻り止めバネ 8a、
戻り止めフック 9,
分解タブ 10,
スクリュードライバブレード 11,
シール 12,
横断方向 Q、
長手方向 L。
【国際調査報告】